説明

採取キット及び容器

【課題】サンプル採取用の容器の大型化を抑制しつつ、採取用具の本数の増加に対応し得る採取キット、及びそれに用いられる容器を提供する。
【解決手段】対象物の一部を採取するための2以上の採取用具10と、採取用具10を収容する容器20とを有する採取キット30を用いる。採取用具10は、一方向に延びる本体部1と、本体部1の先端部分に設けられた、対象物の採取を行うための採取部2とを備えている。容器20は、その内部に採取用具10を挿入するための挿入口21a〜21cと、採取用具10と容器20との間を封止するシール部材24とを備えている。シール部材24は、容器20の内部に設置され、且つ、容器20に挿入された採取用具10の本体部1における先端部分以外の部分に密着するように形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分析対象物からサンプルを採取するための採取キット、及びそれに用いられる容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、医療の分野では、生体の検査のために、生体の一部、及び排泄物がサンプルとして採取され、サンプルに対して種々の分析が行われている。代表的な生体の検査としては、例えば、「検便」が知られている。
【0003】
検便では、通常、被検者が、自ら、予め検査機関等から配布された採便キットを用いて、便のサンプルを採取する。採便キットは、便を採取するための採便棒と、便が採取された状態の採便棒を収容する容器とで構成されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
ここで、図9を用いて、従来からの採便キットについて説明する。図9は、従来からの採便キットの一例を示す図である。図9において、容器80は断面によって示されている。図9に示すように、採便キット90は、2本の採便棒70a及び70bと、これらを収容する容器80とを備えている。2本の採便棒が備えられているのは、同一の被検者から、採取日を変えて2回のサンプル採取を行うためである。このような採取は、いわゆる「二日法」と呼ばれ、便潜血の検出精度を高めるために行われる。
【0005】
また、図9に示すように、採便棒70a及び70bは、それぞれ、シャフト部71と、雄ネジ部72と、把持部73とを備えている。そして、シャフト部71の先端部分には、便と接触して便の一部をサンプルとして採取する採取部74が設けられている。採取部74は、複数のリング状の突起75を備えている。リング状の突起75は、シャフト部71の長手方向に沿って、一定間隔をおいて配置されている。
【0006】
被検者は、採便棒70a又は採便棒70bの先端を便に擦りつけ、突起75と突起75との間の溝76に便を充填することにより、便を採取する。その後、被検者は、使用済の採便棒70a(又は70b)を、容器80に設けられた挿入口部81a(又は81b)から、容器80内に挿入する。
【0007】
なお、採便棒としては、図9に示した採便棒70a及び70bの他に、特許文献1に開示されている採便棒を用いることもできる。特許文献1は、ポリエステル繊維束を接着剤で結合することによって形成した採便棒を開示している。この採便棒では、便中の血液は毛細管現象により繊維間の微細な隙間へと吸い上げられるので、便潜血のみを採取することができる。
【0008】
また、図9に示すように、容器80は、その内部に、採便棒毎に二つの収容室83a及び83bを備えている。各収容室の中には、採取部74に付着した便を溶解させ、それをその状態で保存する保存溶液85が充填されている。
【0009】
更に、各挿入口と対応する収容室とは、壁面に雌ネジが設けられた通路(以下、「雌ネジ部」とする。)82a又は82bによって接続されている。また、雌ネジ部82a及び82bは、各採便棒の雄ネジ部72と嵌合するように形成されている。従って、被検者が、採便棒70a(又は70b)を挿入口81a(又は81b)から容器80に挿入した後に、把持部73を回転させて、雄ネジ部72を雌ネジ部82a又は82bにねじ込めば、採便棒70a又は70bと容器80との間はシールされた状態となる。
【0010】
なお、採便棒70a又は70bが未だ挿入されていない状態において、容器80から保存液85が漏洩しないようにするため、収容室83a及び83bと対応するネジ部82a及び82bとの間には、膜84が設けられている。膜84は、採便棒70a又は70bの挿入により、簡単に突き破られるように形成されている。
【0011】
このように、図9に示した採便キットを用いれば、被検者は、慣れない便の採取を簡単に実行することができる。また、採取日の異なるサンプルが取得されるので、検査精度の向上も図られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平11−142400号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ところで、図9に示した従来からの採便キット90では、採便棒70a及び70bと容器80とのシールが雄ネジと雌ネジとによって行われるため、各採便棒の把持部73の径は、被検者における操作性を考慮して、ある程度の大きさに設定する必要がある。把持部73の径が小さすぎると、ねじ込みの際に必要なトルクを得ることが難しくなり、シールが不十分となるからである。
【0014】
このため、図9に示した従来からの採便キット90においては、容器80の小型化を図ることが難しいという問題がある。また、検便の検査精度を高めるためには、採便棒の数を多くすることが求められるが、図9に示した従来からの採便キット90では、容器が更に大型化するため、採便棒の数の増加を図ることも困難である。
【0015】
本発明の目的は、上記問題を解消し、サンプル採取用の容器の大型化を抑制しつつ、採取用具の本数の増加に対応し得る採取キット、及びそれに用いられる容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するため、本発明における採取キットは、対象物の一部を採取するための2以上の採取用具と、前記採取用具を収容する容器とを有し、前記採取用具は、一方向に延びる本体部と、前記本体部の先端部分に設けられた、前記対象物の採取を行うための採取部とを備え、前記容器は、当該容器の内部に前記採取用具を挿入するための挿入口と、前記採取用具と当該容器との間を封止するシール部材とを備え、前記シール部材は、前記容器の内部に設置され、且つ、前記容器に挿入された前記採取用具の前記本体部における前記先端部分以外の部分に密着するように形成されている、ことを特徴とする。
【0017】
上記特徴により、本発明の採取キットでは、従来のようなネジ構造を用いなくても、採取用具とこれを収容する容器とを封止することができるので、容器の大型化を抑制できる。また、採取用具が3本以上用いられたとしても、それに伴う容器の大型化は、ネジ構造が採用された従来の容器に比べると僅かである。このため、本発明の採取キットによれば、採取用具の本数の増加に容易に対応することができる。
【0018】
また、上記本発明における採取キットは、前記容器が、2以上の前記採取用具それぞれ毎に前記挿入口を備え、更に、挿入された2以上の前記採取用具の採取部を収納可能に形成された収容室と、前記挿入口毎に設けられ、且つ、前記挿入口それぞれと前記収容室とを連結する通路とを備え、前記シール部材が、前記通路内に、それぞれ毎に設置されてい
る態様とすることができる。この態様によれば、シール部材の設置を容易に行うことができる。
【0019】
更に、上記態様においては、2以上の前記採取用具それぞれが、前記本体部の前記先端部分以外の部分に、前記一方向に垂直な方向に沿って前記本体部の全周を囲むように形成された突起部を備え、前記シール部材が、前記通路の内壁に沿って配置され、且つ、前記突起部の全周において、それと嵌合するように形成されているのが好ましい。この場合は、シール部材による封止を強固なものとすることができる。
【0020】
また、上記態様においては、前記シール部材が、樹脂材料及びゴム材料のうち少なくとも一つを含む材料によって、開口部を有するシート状に形成され、前記開口部は、非弾性変形状態において、その開口面積が、前記採取用具の前記本体部の前記一方向に垂直な断面の面積よりも小さくなるように形成されているのも好ましい。この場合は、簡単な構造でシール部材を形成できるため、採取用具及び容器のコストの低減を図ることができる。
【0021】
また、上記本発明における採取キットは、前記採取用具の前記本体部が、板状に形成されている態様とするのが好ましい。この態様によれば、採取用具を薄型化できるので、更に、容器の大型化を抑制できる。
【0022】
また、前記採取用具の前記本体部が、板状に形成されている場合は、上述の開口部を有するシール部材においては、前記シール部材の開口部が、長辺の長さをa、短辺の長さをbとする長方形状に形成され、前記採取用具の前記シール部材に密着する部分での前記本体部の厚みをtとし、前記密着する部分での前記本体部の主面における前記一方向に垂直な方向に沿った長さをwとしたときに、前記長辺の長さaが0.5w〜0.8wに設定され、前記短辺の長さbが0.3t〜0.5tに設定されているのが更に好ましい。これにより、シール部材の封止性能の向上を図ることが可能となる。
【0023】
更に、上述の開口部を有するシール部材においては、前記シール部材の開口部が、長さをaとする切り込み状に形成され、前記採取用具の前記シール部材に密着する部分での前記本体部の主面における前記一方向に垂直な方向に沿った長さをwとしたときに、前記長さaが0.5w〜0.8wに設定されているのも更に好ましい。この場合は、シール部材の作製コストの更なる低減を図りつつ、封止性能の向上を図ることが可能となる。
【0024】
上記本発明における採取キットは、前記採取部が、前記本体部の先端部分に設けられた凹部を備え、前記凹部の底の一部分には、開口部が設けられているのが好ましい。この態様によれば、被検者は、対象物の硬さに影響されることなく、効率良く、サンプルを採取できる。
【0025】
また、上記目的を達成するため、本発明における容器は、一方向に延びる本体部と、前記本体部の先端部分に設けられた、対象物の採取を行うための採取部とを備える、2以上の採取用具を収容する容器であって、当該容器の内部に前記採取用具を挿入するための挿入口と、前記採取用具と当該容器との間を封止するシール部材とを備え、前記シール部材は、当該容器の内部に設置され、且つ、当該容器に挿入された前記採取用具の前記本体部における前記先端部分以外の部分に密着するように形成されている、ことを特徴とする。
【0026】
上記本発明における容器は、2以上の前記採取用具それぞれ毎に前記挿入口を備え、更に、挿入された2以上の前記採取用具の採取部を収納可能に形成された収容室と、前記挿入口毎に設けられ、且つ、前記挿入口それぞれと前記収容室とを連結する通路とを備え、前記シール部材が、前記通路内に、それぞれ毎に設置されている、態様とするのが好ましい。
【0027】
また、上記態様においては、2以上の前記採取用具それぞれが、前記本体部の前記先端部分以外の部分に、前記一方向に垂直な方向に沿って前記本体部の全周を囲むように形成された突起部を備えている場合に、前記シール部材が、前記通路の内壁に沿って配置され、且つ、前記突起部の全周において、それと嵌合するように形成されているのが好ましい。
【0028】
更に、上記態様においては、前記シール部材が、樹脂材料及びゴム材料のうち少なくとも一つを含む材料によって、開口部を有するシート状に形成され、前記開口部は、非弾性変形状態において、その開口面積が、前記採取用具の前記本体部の前記一方向に垂直な断面の面積よりも小さくなるように形成されているのも好ましい。
【0029】
また、上記本発明における容器では、シール部材が開口部を有するのであれば、前記採取用具の前記本体部が、板状に形成されている場合に、前記シール部材の開口部が、長辺の長さをa、短辺の長さをbとする長方形状に形成され、前記採取用具の前記シール部材に密着する部分での前記本体部の厚みをtとし、前記密着する部分での前記本体部の主面における前記一方向に垂直な方向に沿った長さをwとしたときに、前記長辺の長さaが0.5w〜0.8wに設定され、前記短辺の長さbが0.3t〜0.5tに設定されているのが好ましい。
【0030】
更に、シール部材が開口部を有する場合は、前記シール部材の開口部が、長さをaとする切り込み状に形成され、前記採取用具の前記シール部材に密着する部分での前記本体部の前記一方向に垂直な方向に沿った長さをwとしたときに、前記長さaが0.5w〜0.8wに設定されているのも好ましい。
【発明の効果】
【0031】
以上のように、本発明における採取キット、及びそれに用いられる容器によれば、サンプル採取用の容器の大型化を抑制しつつ、採取用具の本数の増加に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】図1は、本発明の実施の形態1における採取キットの外観を示す斜視図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態1における採取キットの構成を示す断面図である。
【図3】図3(a)及び(b)は、本発明の実施の形態1において用いられる採取用具の採取部の構成を示す図である。このうち、図3(a)は、採取部の構成を示す斜視図であり、図3(b)は、採取部の構成を示す断面図である。また、図3(b)に示す断面は、図3(a)中の切断線A−A´に沿って採取部を切断したときに得られる断面である。
【図4】図4(a)及び図4(b)は、図1〜図3に示した採取用具の第1の使用方法を示す図である。このうち、図4(a)は採取部付近を拡大して示す断面図であり、図4(b)は採取用具の全体を示す説明図である。
【図5】図5(a)及び図5(b)は、図1〜図3に示した採取用具の第2の使用方法を示す図である。このうち、図5(a)は採取部付近を拡大して示す断面図であり、図5(b)は採取用具の全体を示す説明図である。
【図6】図6(a)及び図6(b)は、図1〜図3に示した採取用具の第3の使用方法を示す図である。このうち、図6(a)は採取部付近を拡大して示す断面図であり、図6(b)は採取用具の全体を示す説明図である。
【図7】図7は、本発明の実施の形態2における採取キットの構成を示す断面図である。
【図8】図8(a)は、採取用具の採取部付近を拡大して示す斜視図であり、図8(b)は、本発明の実施の形態2において用いられるシール部材の一例を示す斜視図であり、図8(c)は、本発明の実施の形態2において用いられるシール部材の他の例を示す斜視図である。
【図9】図9は、従来からの採便キットの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1における採取キット及び容器について、図1〜図6を参照しながら説明する。最初に、本実施の形態1における採取キットの全体構成について図1及び図2を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態1における採取キットの外観を示す斜視図である。図2は、本発明の実施の形態1における採取キットの構成を示す断面図である。図2においては、断面に現われた線のみを示している。また、採取用具10は側面図で示している。
【0034】
図1及び図2に示すように、本実施の形態1における採取キット30は、対象物の一部を採取するための2以上の採取用具10と、採取用具10を収容する容器20とを有している。本実施の形態1では、対象物としては、便が想定されており、採取キット30は、このキットの利用者である被検者が、検便用の便の採取に用いる採便キットである。よって、以降においては、対象物が便であるとして説明を行う。
【0035】
図1に示すように、採取用具10は、いわゆる採便棒であり、一方向に延びる本体部1と、本体部1の先端部分に設けられた、対象物(即ち、便)の採取を行うための採取部2とを備えている。採取部2の具体的な構成については後述する。また、本実施の形態1では、本体部1は、板状、特には、細長い板状に形成されている。
【0036】
なお、本体部1が延びる方向は、以下「長手方向」とし、本体部1の主面において長手方向に垂直な方向は、以下「幅方向」とする。また、後述する図4(b)、図5(b)、図6(b)に示すように、本体部1において、利用者(被検者)が使用時に保持する側を「基端側」とし、便に接触する側を先端側とする。先端部分とは、本体部1において、使用時に、便に接触することが予想される部分をいう。
【0037】
図1及び図2に示すように、容器20は、その内部に各採取用具10を挿入するための挿入口21a〜21cと、各採取用具10と容器20との間を封止するシール部材24とを備えている。シール部材24は、容器20の内部に設置されている。更に、シール部材24は、容器20に挿入された採取用具10の本体部1に、その先端部分以外の部分において、密着するように形成されている。
【0038】
このように、採取キット30では、従来のようなネジ構造を用いなくても、採取用具10と容器20とを封止することができるので、容器20の大型化を抑制できる。また、採取用具が3本以上用いられたとしても、それに伴う容器20の大型化は、ネジ構造が採用された従来の容器に比べると僅かであるため、採取キット30によれば、採取用具10の本数の増加に容易に対応することができる。更に、本実施の形態1では、採取用具10は薄型化が容易な板状に形成されているため、この点からも、容器20の大型化の抑制が可能となっている。
【0039】
ここで、本実施の形態1における採取キット30の構成について更に具体的に説明する。図1及び図2に示すように、本実施の形態1では、容器20は、採取用具10毎に挿入口21a、21b、及び21cを備えている。また、採取用具10それぞれは、本体部1の先端部分以外の部分、即ち、先端部分の基端側の部分に、シール部材24と密着する突
起部6を備えている。突起部6は、本体部1の幅方向に沿って、本体部1の全周を囲むように形成されている。また、採便キット30には、3本の採取用具10が備えられている。
【0040】
また、図2に示すように、容器20は、更に、収容室22と、通路23a〜23cとを備えている。収容室22は、挿入された各採取用具10の採取部2(図1参照)を収納可能に形成されており、その内部には保存液25が充填されている。通路23a〜23cは、挿入口毎に設けられている。
【0041】
本実施の形態1では、収容室22は採取用具10毎に区切られていないが、容器20の構造は、これに限定されるものではない。本実施の形態1においても、図9に示した従来の容器と同様に、容器20は、収容室22が採取用具10毎に区切られた構造を有していても良い。
【0042】
各通路は、対応する挿入口21a〜21cそれぞれと収容室22とを連結している。また、各通路には、採取用具10が挿入されていないときに、保存液25を密閉するため、挿入口を塞ぐための膜25が設けられている。膜25は、採取用具10の挿入の際に、その先端によって突き破られる。
【0043】
更に、図2に示すように、本実施の形態1では、シール部材24は、その設置を容易にするため、通路21a〜21c内に、通路毎に設置されている。また、シール部材24の設置は、通路21a〜21cそれぞれの内壁に沿って行われている。そして、シール部材24は、各採取用部10の突起部6の全周において、突起部6と嵌合するように形成されている。このため、本実施の形態1では、突起部6は、その全周にわたってシール部材24と確実に密着した状態となるので、シール部材24による封止は強固なものとなる。
【0044】
本実施の形態1では、シール部材24の設置位置は、シール部材24と突起部6とが嵌合したときに、採取用具10の先端が、容器20の底に接触するように設定されているのが好ましい。これにより、シール部材24と突起部6とが嵌合した状態が安定的に保持されることとなる。シール部材24の形成材料としては、例えば、シリコンゴム等のゴム材料、又は樹脂材料を用いることができる。樹脂材料としては、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、塩化ビニール樹脂等が挙げられる。
【0045】
また、本実施の形態1において、採取用具10の本体部1の形状は、特に限定されず、板状以外の形状、例えば、円柱状、角柱状等であっても良い。更に、本実施の形態1では、採取部2の構成も、特に限定されるものではない。但し、本実施の形態1においては、採取部2の構成としては、対象物である便の硬さに影響されることなく、効率良く、便の採取を実行できる構成が採用されている。
【0046】
ここで、図3を用いて、本実施の形態1において使用される採取用具10の採取部2の構成について具体的に説明する。図3(a)及び(b)は、本発明の実施の形態1において用いられる採取用具の採取部の構成を示す図である。このうち、図3(a)は、採取部の構成を示す斜視図であり、図3(b)は、採取部の構成を示す断面図である。また、図3(b)に示す断面は、図3(a)中の切断線A−A´に沿って採取部を切断したときに得られる断面である。
【0047】
図3(a)及び(b)に示すように、採取部2は、本体部の1先端部分に設けられた凹部3を備え、凹部3の底4の一部分には、開口部5が設けられている。更に、凹部3は、その底4における厚みが、開口部5に近い程、小さくなるように、形成されている。具体的には、凹部3の底面には、開口部5に向かって下がる傾斜がつけられている。そして、
開口部5の縁を形作っている部分4aは、厚みが薄くなっており、鉋の刃のように構成されている。これは、後述する使用方法を実行した場合に、簡単にサンプルを削りとることができるようにするためである。
【0048】
また、本実施の形態では、凹部3の容積は、求められている採取量となるように設定されており、凹部3がいっぱいになるように採取を行えば、採取量は設定量となる。このような構成により、採取用具10を用いれば、利用者は、対象物、即ち、便の硬さに影響されることなく、設定量のサンプルを簡単に採取することができる。この点について、採取用具1の使用方法と共に図4〜図6を用いて以下に説明する。本実施の形態における採取用具10には、以下に示すように三つの使用方法がある。
【0049】
先ず、図4を用いて第1の使用方法について説明する。図4(a)及び図4(b)は、図1〜図3に示した採取用具の第1の使用方法を示す図である。このうち、図4(a)は採取部付近を拡大して示す断面図であり、図4(b)は採取用具の全体を示す説明図である。
【0050】
図4(a)及び(b)に示すように、第1の使用方法では、先ず、被検者である利用者50は、凹部3の底に設けられた開口部5を便40に向けた状態で、採取用具10における、凹部3が設けられていない側(基端側)の部分を保持する。次に、利用者50は、凹部3の底に設けられた開口部5を便40に接触させた状態で、採取用具10を、手元に引き寄せるように動かす。
【0051】
これにより、便40の一部40aは、開口部5の縁を形作っている部分4aによって剪断される。このとき、利用者50は、図4(b)に示すように、本体部1を撓ませるのが好ましい。この場合、本体部1の先端部分は、本体部1の弾性力によって便40に確実に押し付けられるので、便40の一部は、確実に開口部5へと導かれる。
【0052】
このように、第1の使用方法では、採取用具10は、開口部5を形作っている部分4aを刃とする鉋のように機能し、便40を削り取ることができる。第1の使用方法は、便の硬さの程度に関係なく利用できるが、特に、便が硬い場合に有用である。また、便40の削り取りを、凹部3内がいっぱいになるまで行うことで、設定量の便40の採取が達成される。
【0053】
また、図3(b)に示すように、板状の本体部1の厚みをT、凹部3の底4における厚みの最小値をtとすると、本体部1の厚みTに対する、底4における厚みの最小値tの比(t/T)は、0.01〜0.5、特には、0.05〜0.1に設定されているのが好ましい。このような設定を行った場合は、便を削り取る機能を有効に発揮させることが可能となる。なお、底4における厚みの最小値tが小さい程、便を剪断する能力は向上するが、部分4aが摩耗したり、欠損したりする可能性が高まる。tの値の設定は、摩耗や欠損を考慮して行うのが好ましい。
【0054】
また、第2の使用方法は、図5に示す通りである。図5(a)及び図5(b)は、図1〜図3に示した採取用具の第2の使用方法を示す図である。このうち、図5(a)は採取部付近を拡大して示す断面図であり、図5(b)は採取用具の全体を示す説明図である。
【0055】
図5(a)及び(b)に示すように、第2の使用方法では、先ず、被検者である利用者50は、第1の使用方法とは反対に、凹部3の開口を便40に向け、開口部5を便40側の反対側に向けた状態で、採取用具10の基端側の部分を保持する。次に、利用者50は、凹部3の中に便40を侵入させた状態で、採取用具1を、手元に引き寄せるように動かす。
【0056】
これにより、便40の一部40aは、凹部3の開口の縁で剪断されながら、凹部3の中に充填される。このとき、凹部3が便40でいっぱいになるようにすれば、採取された便40の量は設定量となる。また、第2の使用方法でも、利用者50は、図5(b)に示すように、本体部1を撓ませるのが好ましい。この場合、本体部1の先端部分は、本体部1の弾性力によって便40に確実に押し付けられるので、便40の一部40aは、確実に凹部3の開口からその中へと導かれる。
【0057】
このように、第2の使用方法では、便40は、第1の使用方法と異なり、凹部3の中に、その開口を介して直接充填される。このため、第2の使用方法によれば、少ない作業回数で設定量の便を採取することができる。但し、第2の使用方法は、対象となる便40が硬すぎない場合に有用となる。便40が硬すぎて、その粘着性が乏しい場合は、凹部3内への充填が困難となるからである。
【0058】
更に、第3の使用方法は、図6に示す通りである。図6(a)及び図6(b)は、図1〜図3に示した採取用具の第3の使用方法を示す図である。このうち、図6(a)は採取部付近を拡大して示す断面図であり、図6(b)は採取用具の全体を示す説明図である。
【0059】
図6(a)及び(b)に示すように、第3の使用方法では、被検者である利用者50は、第1の使用方法と同様に、凹部3の底に設けられた開口部5を便40に向けた状態で、採取用具1の基端側の部分を保持する。次に、図6(b)に示すように、利用者50は、第1の使用法と異なり、採取用具10の先端部分を便40に突き刺す。そして、利用者50は、図6(a)に示すように、凹部3によって便40の一部40aをすくい取る。
【0060】
このように、第3の使用方法では、便40をすくい取ることによって、便40の採取が行われている。第3の使用方法は、特に、便40が柔らかすぎて粘着性に乏しい場合、言い換えれば、便40が液状に近い場合に有用である。また、第3の使用方法においても、第2の使用方法と同様に、凹部3が便40でいっぱいになるようにすれば、採取された便40の量は設定量となる。
【0061】
また、第3の使用方法を利用する場合は、すくい取った便40が、その表面張力によって、凹部3の底の開口部5から漏れてしまわないようにするため、開口部5の大きさを適切に設定するのが好ましい。具体的には、図3(b)に示すように、開口部5の一方向(本体部1の長手方向)における長さをWとすると、板状の本体部1の厚みTに対する開口部5の長さWの比(W/T)が、0.5〜1.5に設定されているのが好ましい。また、具体的な数値で表すと、長さWは、0.5mm〜1.5mm程度に設定されているのが好ましい。
【0062】
また、本実施の形態1では、第3の使用方法による便40への突き刺しを容易にするため、本体部1の先端は、図3(a)に示すように、尖った形状に形成されている。また、この尖った形状は、容器20の挿入口に設けられている膜25を突き破る際にも有効となる。但し、本実施の形態は、これに限定されるものではなく、本体部1の先端は、他の形状、例えば、平な形状、又は丸い形状に形成されていても良い。
【0063】
更に、本実施の形態1では、採取用具10の形成材料は特に限定されるものではない。但し、上記した使用方法を行う点からは、採取用具10は、本体部1に可撓性を付与する材料、例えば、樹脂材料によって形成されているのが好ましい。具体的には、採取用具10の形成材料としては、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリアセタール樹脂、塩化ビニール樹脂等が挙げられる。
【0064】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2における採取キットについて、図7及び図8を参照しながら説明する。図7は、本発明の実施の形態2における採取キットの構成を示す断面図である。図7においては、断面に現われた線のみで示している。また、採取用具11は側面図で示している。図8(a)は、採取用具の採取部付近を拡大して示す斜視図であり、図8(b)は、本発明の実施の形態2において用いられるシール部材の一例を示す斜視図であり、図8(c)は、本発明の実施の形態2において用いられるシール部材の他の例を示す斜視図である。
【0065】
図7に示すように、本実施の形態2における採取キット31も、実施の形態1において図1及び図2に示した採取キット30と同様に、対象物を便とした採便キットである。但し、採便キット31は、採取用具11と容器26との間を封止するシール構造の点で、図1及び図2に示した採取キット30と異なっている。以下に、実施の形態1との相違点を中心にして、採取キット31の構成を具体的に説明する。
【0066】
図7に示すように、採取用具11は、図1及び図2に示された突起部6を備えておらず、この点で、採取用具10(図1及び図2参照)と異なっている。この点以外は、採取用具11は、採取用具10と同様に構成されている。つまり、採取用具10から突起部6を除去することにより、採取用具11が得られることとなる。
【0067】
また、図7に示すように、容器26は、図2に示されたシール部材24の代わりに、シール部材27を備えており、この点で、容器20(図2参照)と異なっている。この点以外については、容器26は、容器20と同様に構成されている。容器26も、容器20と同様に、三本の採取用具11を収容できるように構成されている。
【0068】
図8(a)に示すように、シール部材27は、樹脂材料及びゴム材料のうち少なくとも一つを含む材料によって、開口部28を有するシート状に形成されている。この構成により、採取用具11を開口部28に挿入すれば、シール部材27は採取用具11に密着し、シール構造が構築される。
【0069】
なお、上記のゴム材料としては、例えば、シリコンゴムが挙げられる。また、樹脂材料としては、例えば、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、塩化ビニール樹脂等が挙げられる。
【0070】
また、図8(a)及び(b)に示すように、開口部28は、採取用具11とシール部材27とが確実に密着するようにするため、非弾性変形状態において、その開口面積が、本体部1の長手方向に垂直な断面の面積よりも小さくなるように形成されている。
【0071】
具体的には、シール部材27の開口部28は、本体部1の形状が板状であるため、長辺の長さをa、短辺の長さをbとする長方形状に形成されている。そして、採取用具のシール部材27に密着する部分での本体部1の厚みをtとし、同じく密着する部分での本体部1の主面における幅方向に沿った長さ(幅)をwとする。この場合、長辺の長さaは0.5w〜0.8wに設定されているのが好ましい。また、短辺の長さbは、0.3t〜0.5tに設定されているのが好ましい。開口部28の大きさを上記のように設定すれば、採取用具11とシール部材27との密着を更に確実なものとすることができる。
【0072】
更に、図8(c)に示すように、本実施の形態2においては、シール部材27の開口部は、長さをaとする切り込み状に形成されていても良い。この態様であっても、採取用具11を開口部22に挿入すれば、シール部材27は採取用具11に密着し、シール構造が
構築される。また、切り込み状の開口部の長さaも、上述の例と同様に、密着する部分での本体部1の幅方向に沿った長さ(幅)をwとすると、0.5w〜0.8wに設定されているのが好ましい。
【0073】
また、本実施の形態2においても、採取用具10の本体部1の形状は、特に限定されず、板状以外の形状、例えば、円柱状、角柱状等であっても良い。この場合、図8(b)に示すシール部材27の開口部28の形状は、本体部1の長手方向に垂直な断面の形状に合わせた形状とすれば良い。また、この場合も、開口部28は、開口面積が、本体部1の長手方向に垂直な断面の面積よりも小さくなるように形成されるのが良い。なお、図8(c)に示すシール部材27は、本体部1の形状に関係なく適用できる。
【0074】
このように本実施の形態2によれば、実施の形態1に比べて、シール部材27の構造を簡単にすることができるため、採取用具11及びシール部材27の作製コストの低減を図ることができる。また、実施の形態2においても、シール部材27によって十分な封止性能を得ることが可能である。
【0075】
なお、以上の説明では、上述したように、サンプルの採取対象となる対象物が便である場合について述べているが、実施の形態1及び2では、対象物は便のみに限定されず、以下のものを対象物とすることもできる。具体的には、生体に関連する他の対象物としては、生体の粘膜、皮膚の角質、細胞等が挙げられる。また、対象物は、生体に関連する物に限定されず、土壌、食品、化粧品等であっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0076】
以上のように、本発明によれば、サンプル採取用の容器の大型化を抑制しつつ、収容可能な採取用具の本数を増加させることができる。本発明は、対象物から分析用のサンプルの採取が必要な検査、例えば、検便等に用いられる採取キットに有用であり、分析精度の向上に貢献できる。
【符号の説明】
【0077】
1 本体部
1a、1b 本体部の主面
2 採取部
3 凹部
4 凹部の底
4a 凹部の底の開口部を形作る部分
5 開口部
6 突起部
10 採取用具(実施の形態1)
11 採取用具(実施の形態2)
20 容器(実施の形態1)
21a〜21c 挿入口
22 収納室
23a〜23c 通路
24 シール部材
25 膜
26 容器(実施の形態2)
27 シール部材
28 シール部材に設けられた開口部(矩形状)
29 シール部材に設けられた開口部(切り込み状)
30 採取キット(実施の形態1)
31 採取キット(実施の形態2)
40 対象物(便)
40a 対象物(便)の一部
50 利用者

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物の一部を採取するための2以上の採取用具と、前記採取用具を収容する容器とを有し、
前記採取用具は、一方向に延びる本体部と、前記本体部の先端部分に設けられた、前記対象物の採取を行うための採取部とを備え、
前記容器は、当該容器の内部に前記採取用具を挿入するための挿入口と、前記採取用具と当該容器との間を封止するシール部材とを備え、
前記シール部材は、前記容器の内部に設置され、且つ、前記容器に挿入された前記採取用具の前記本体部における前記先端部分以外の部分に密着するように形成されている、ことを特徴とする採取キット。
【請求項2】
前記容器が、
2以上の前記採取用具それぞれ毎に前記挿入口を備え、
更に、挿入された2以上の前記採取用具の採取部を収納可能に形成された収容室と、前記挿入口毎に設けられ、且つ、前記挿入口それぞれと前記収容室とを連結する通路とを備え、
前記シール部材が、前記通路内に、それぞれ毎に設置されている、請求項1に記載の採取キット。
【請求項3】
2以上の前記採取用具それぞれが、前記本体部の前記先端部分以外の部分に、前記一方向に垂直な方向に沿って前記本体部の全周を囲むように形成された突起部を備え、
前記シール部材が、前記通路の内壁に沿って配置され、且つ、前記突起部の全周において、それと嵌合するように形成されている、請求項2に記載の採取キット。
【請求項4】
前記シール部材が、樹脂材料及びゴム材料のうち少なくとも一つを含む材料によって、開口部を有するシート状に形成され、
前記開口部は、非弾性変形状態において、その開口面積が、前記採取用具の前記本体部の前記一方向に垂直な断面の面積よりも小さくなるように形成されている、請求項2に記載の採取キット。
【請求項5】
前記採取用具の前記本体部が、板状に形成されている、請求項1〜4のいずれかに記載の採取キット。
【請求項6】
前記採取用具の前記本体部が、板状に形成され、
前記シール部材の開口部が、長辺の長さをa、短辺の長さをbとする長方形状に形成され、
前記採取用具の前記シール部材に密着する部分での前記本体部の厚みをtとし、前記密着する部分での前記本体部の主面における前記一方向に垂直な方向に沿った長さをwとしたときに、
前記長辺の長さaが0.5w〜0.8wに設定され、前記短辺の長さbが0.3t〜0.5tに設定されている、請求項4に記載の採取キット。
【請求項7】
前記シール部材の開口部が、長さをaとする切り込み状に形成され、
前記採取用具の前記シール部材に密着する部分での前記本体部の前記一方向に垂直な方向に沿った長さをwとしたときに、
前記長さaが0.5w〜0.8wに設定されている、請求項4に記載の採取キット。
【請求項8】
前記採取部が、前記本体部の先端部分に設けられた凹部を備え、
前記凹部の底の一部分には、開口部が設けられている、請求項1〜7のいずれかに記載
の採取キット
【請求項9】
一方向に延びる本体部と、前記本体部の先端部分に設けられた、対象物の採取を行うための採取部とを備える、2以上の採取用具を収容する容器であって、
当該容器の内部に前記採取用具を挿入するための挿入口と、前記採取用具と当該容器との間を封止するシール部材とを備え、
前記シール部材は、当該容器の内部に設置され、且つ、当該容器に挿入された前記採取用具の前記本体部における前記先端部分以外の部分に密着するように形成されている、ことを特徴とする容器。
【請求項10】
2以上の前記採取用具それぞれ毎に前記挿入口を備え、
更に、挿入された2以上の前記採取用具の採取部を収納可能に形成された収容室と、前記挿入口毎に設けられ、且つ、前記挿入口それぞれと前記収容室とを連結する通路とを備え、
前記シール部材が、前記通路内に、それぞれ毎に設置されている、請求項9に記載の容器。
【請求項11】
2以上の前記採取用具それぞれが、前記本体部の前記先端部分以外の部分に、前記一方向に垂直な方向に沿って前記本体部の全周を囲むように形成された突起部を備えている場合に、
前記シール部材が、前記通路の内壁に沿って配置され、且つ、前記突起部の全周において、それと嵌合するように形成されている、請求項10に記載の容器。
【請求項12】
前記シール部材が、樹脂材料及びゴム材料のうち少なくとも一つを含む材料によって、開口部を有するシート状に形成され、
前記開口部は、非弾性変形状態において、その開口面積が、前記採取用具の前記本体部の前記一方向に垂直な断面の面積よりも小さくなるように形成されている、請求項10に記載の容器。
【請求項13】
前記採取用具の前記本体部が、板状に形成されている場合に、
前記シール部材の開口部が、長辺の長さをa、短辺の長さをbとする長方形状に形成され、
前記採取用具の前記シール部材に密着する部分での前記本体部の厚みをtとし、前記密着する部分での前記本体部の主面における前記一方向に垂直な方向に沿った長さをwとしたときに、
前記長辺の長さaが0.5w〜0.8wに設定され、前記短辺の長さbが0.3t〜0.5tに設定されている、請求項12に記載の容器。
【請求項14】
前記シール部材の開口部が、長さをaとする切り込み状に形成され、
前記採取用具の前記シール部材に密着する部分での前記本体部の前記一方向に垂直な方向に沿った長さをwとしたときに、
前記長さaが0.5w〜0.8wに設定されている、請求項12に記載の容器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−59051(P2011−59051A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−211701(P2009−211701)
【出願日】平成21年9月14日(2009.9.14)
【出願人】(000141897)アークレイ株式会社 (288)
【Fターム(参考)】