説明

採取デバイスおよび材料

本開示のスワブ、および材料、ならびにそれを作製する方法は、ランダムに配置された海島バイコンポーネント繊維を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、その全ての内容が参照により本明細書に組み込まれる、2010年4月21日出願の米国仮特許出願第61/326,466号の利益を主張するものである。
【0002】
本開示は、生物検体を採取するための、スワブ、およびそれに使用する採取材料について記載する。
【背景技術】
【0003】
有機材料の生物検体を採取するためのデバイス、例えばスワブは、臨床的分析および診断的分析の分野で公知であり、一般に採取末端または採取先端に、繊維材料、例えばレーヨンまたは綿などの天然繊維の塊を含有する円柱状のロッドまたはスティックを含み、採取され試験される検体量の急速な吸収を可能にする親水性をもつ。ロッドまたはスティックの末端または先端の周囲に巻きつけられた繊維の安定な接着性は、一般に、接着剤で接着することによって実現される。
【0004】
採取された材料を含有する採取用スワブは、多くの場合、採取された検体を、貯蔵および/または、例えば、分析研究室に輸送する間、保護および保存するために、採取した後間もなく、または直ちに、培地、例えば試験管、バイアル、培養皿または培養ビンに浸漬される。先行技術の採取用スワブおよび採取用デバイスは、例えば、EP0643131およびWO2004/086979に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】EP0643131
【特許文献2】WO2004/086979
【特許文献3】米国特許出願公開第20100075143号
【特許文献4】米国特許出願第20100068516号
【特許文献5】米国特許出願第20100029158号
【特許文献6】WO2002042528
【特許文献7】WO2002042529
【特許文献8】WO2002088438
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】NdaroらJournal of Engineered Fibers and Fabrics、2巻、4号、2007年「Splitting of Islands-in-the-Sea Fibers(PA6/COPET)During Hydroentanging of Nonwovens」
【非特許文献2】Fedorova、Nataliya「Investigation of the Utility of Islands-in-the-sea Bicomponent Fiber Technology in the SpunBond Process」pH.D. Dissertation、North Carolina State University、Raleigh、NC(2006)
【非特許文献3】Gafeら(「Polymeric Nanofibers and Nanofiber Webs: A New class of Nonwovens」INTC 2002: International Nonwovens Technical Conference(Joint INDA-TAPPI Conference)、Atlanta、Georgia、2002年9月24〜26日
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示のデバイス、例えばスワブ、および材料、ならびにそれを作製する方法は、ランダムに配置された海島バイコンポーネント繊維を含む。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、生物試料を採取し、放出するための、アプリケーターおよび海島バイコンポーネント繊維を含有するスワブを提供する。
本開示のスワブは、例えば接着剤によってアプリケーターの末端部分に付着した繊維を含有する。
【0009】
本開示は、生物試料を採取する方法であって、本開示のスワブを生物材料の供給源と接触させ、それによって材料の試料がスワブに保持されるステップを含む方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】PET/PETのバイコンポーネント繊維の端面図である。
【図2】実験的なスワブスティック頭部の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示のデバイス、例えばスワブ、および材料、ならびにそれを作製する方法は、ランダムに配置された海島バイコンポーネント繊維を含む。
【0012】
本開示の材料は、医療用スワブデバイスの高吸収性メンバーとして含めることができる。細い「スティック様の」ポリマーシャフトの末端に付着した本開示の「分裂可能な」フロック繊維材料が、本明細書において本開示のスワブとして記載され、意図されている。
【0013】
本開示の材料は、マイクロファイバーおよびナノファイバー、例えばバイコンポーネント海島材料などを含んでよい。分割されたパイ状材料も使用することができる。バイコンポーネント海島材料および分割されたパイ状材料は公知であり、例えば、NdaroらJournal of Engineered Fibers and Fabrics、2巻、4号、2007年「Splitting of Islands-in-the-Sea Fibers(PA6/COPET)During Hydroentanging of Nonwovens」;およびFedorova、Nataliya「Investigation of the Utility of Islands-in-the-sea Bicomponent Fiber Technology in the SpunBond Process」pH.D. Dissertation、North Carolina State University、Raleigh、NC(2006);ならびに米国特許出願公開第20100075143号(FIBER STRUCTURE AND METHOD FOR PRODUCTION THEREOF)、同第20100068516号(THERMOPLASTIC FIBER WITH EXCELLENT DURABILITY AND FABRIC COMPRISING THE SAME)、および同第20100029158号(ISLANDS-IN-SEA TYPE COMPOSITE FIBER AND PROCESS FOR PRODUCING SAME)、ならびにWO2002042528(A SEA-ISLAND TYPED COMPOSITE FIBER USED IN WARP KNITTING、AND A PROCESS OF PREPARING FOR THE SAME)、WO2002042529A SEA-ISLAND TYPE COMPOSITE FIBER FOR RAISED WARP KNIT FABRIC、AND A PROCESS OF PREPARING FOR THE SAME)、WO2002088438(A SEA-ISLAND TYPED CONJUGATE MULTI FILAMENT COMPRISING DOPE DYEING COMPONENT、AND A PROCESS OF PREPARING FOR THE SAME)に記載されており、例えば、ROJEL-ポリエステル/ポリエステルコンジュゲート繊維糸(海/島)もしくはSPECIAL TYPE OF ROJEL-ポリエステル/ナイロンコンジュゲート繊維糸(海/島)として一般に記載され、Kolon Industry、Kumi City、Kyungbuk、Koreaから;またはMIPAN XF-ナイロン/ポリエステルコンジュゲート糸(パイ-くさび型断面)として一般に記載され、Hyosung Corporation、Ulsan City、Kyungbuk、Koreaから、市販されている。
【0014】
今記載されている材料の海島型複合繊維では、海部分に易溶性ポリマーが組み入れられ、少なくとも1つの、アルカリ性水溶液に易溶性のポリマー、例えば、ポリ乳酸、超高分子量ポリアルキレンオキシド縮合ポリマー、ポリエチレングリコール化合物共重合ポリエステル、およびポリエチレングリコール(PAG)化合物と5-スルホイソフタル酸ナトリウムまたはジメチル-5-スルホイソフタル酸ナトリウム塩(DMIS)の共重合ポリエステルなどを含有することが好ましい。ポリエステルの海材料は、島成分として90モルパーセント超のポリエチレンテレフタレートを主に含有するポリエステルとのアルカリ可溶性の共重合体ポリエステル材料を含んでよい(例えば、その全ての内容が参照により本明細書に組み込まれるWO2002042528に記載のものなど)。
【0015】
本開示の海島型バイコンポーネント複合繊維は、可溶性が小さいポリマーを含有する、またはそれで構成される複数の島部分よりも可溶性が大きいポリマーを含有する、またはそれで構成される海部分を含有し、その断面のプロファイルにおいて島部分の数は繊維当たり約10島、24島、36島、37島、64島もしくは240島、または繊維当たりの島の範囲は、繊維当たり10島、24島、36島、37島、64島、240島もしくは3000島のいずれかの間である。
【0016】
本開示のバイコンポーネント複合繊維の島成分は、ナイロンなどのポリアミド、またはポリエステルであってよい。ポリアミドの例としては、アミド結合を有するポリマー、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、およびナイロン12が挙げられる。ポリエステルは、それがジカルボン酸またはエステル形成性誘導体とジオールまたはそのエステル形成性誘導体とから合成されたポリマーである限りは、特に限定されず、繊維として使用することができる。その特定の例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン-2,6-ナフタレンジカルボキシレート、ポリエチレン-1,2-ビス(2-クロロフェノキシ)エタン-4,4'-ジカルボキシレートなどが挙げられる。本発明のある実施形態では、主にエチレンテレフタレート単位を含有するポリエチレンテレフタレートまたはポリエステル共重合体を使用することができる。
【0017】
本開示の海島型バイコンポーネント複合繊維は、約1〜7デニールの範囲、あるいは約2〜6デニールの範囲または2〜5.8デニールの範囲(または2.22〜6.49dtex)の線形質量密度を有し、ここでデニールは繊維9000メートル当たりのグラム単位の質量であり、dtexは10,000メートル当たりのグラム単位の質量である。バイコンポーネント複合繊維の直径(Φ、センチメートル単位)は次式から概算することができ、ここでpは立方センチメートル当たりのグラム単位の材料の密度を表す:
【0018】
【数1】

【0019】
繊維の比重を1と等しいと見積もると(Gafeら(「Polymeric Nanofibers and Nanofiber Webs: A New class of Nonwovens」INTC 2002: International Nonwovens Technical Conference(Joint INDA-TAPPI Conference)、Atlanta、Georgia、2002年9月24〜26日)による一般的な繊維ポリマーの比重値は以下の通りである:0.92(ポリプロピレンまたはPP)、1.14(ポリアミド66またはナイロンまたはPA66)および1.38(ポリエチレンテレフタレートまたはPET))、2〜5.8デニールの範囲の線形質量密度を有する本開示のバイコンポーネント複合繊維の直径は、約16.7μpm〜28.6μmになる。
【0020】
本開示のバイコンポーネント複合繊維の島は、本開示のバイコンポーネント複合繊維の線形質量密度に応じて、約0.01〜約0.3デニール、または約0.05〜約0.2デニール、または約0.06〜約0.16デニールの質量線形密度を有する。
【0021】
本開示の材料の海島型バイコンポーネント複合繊維は、約100分の1〜約10分の1インチ(約254μm〜約2,540μm)、または約100分の2〜約100分の9インチ、または約100分の2〜約100分の8インチ、または約100分の2〜約100分の7インチ、または約100分の2〜約100分の6インチの長さまたはカット長を有する。
【0022】
本開示のスワブの材料の海島型バイコンポーネント複合繊維は、分裂しない。本開示のスワブの材料の海島型バイコンポーネント複合繊維の海は、複合繊維の島から溶解されない、または除去されない。
【0023】
図1は、バイコンポーネント複合繊維の末端が示され、繊維の島が完全であり、かつ溶解または除去されない、本開示の繊維の実施例の走査写真である。
【0024】
本開示の材料のバイコンポーネント複合繊維は、ランダムに配置されていることが好ましい。
【0025】
本開示のスワブ上の繊維の数は、ビデオカメラ(Amscope 3.0メガピクセル)および適切なビデオ解析ソフトウェア、例えば、180×に対して較正した3.0.12.498型Amscopeビデオソフトウェアなどと併用した、1mmの較正目盛(NIST)を用いた180倍の光学顕微鏡(Amscope)によって評価することができる。
【0026】
本開示の材料を含む本開示のスワブは、宿主から直接生体試料を採取する、および場合によって保持する、またはすでに採取された生体液もしくは生体試料を採取する、および場合によって保持するように適合した任意の形状であってよい。そのようなデバイスの形状およびサイズは当技術分野で公知である。本開示のスワブは、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)などの当技術分野で公知の材料で構成される。本開示のスワブは、本開示の材料を当技術分野で公知のフロック加工の技法の間に接着剤によってスワブのアプリケーターに付着させることができるものである。
【0027】
本開示のスワブのアプリケーターは、ロッドまたはロッド様の熱可塑性基材であって、一端が、本開示の繊維を、基材に対してほぼ垂直であり、隣接する繊維に対してほぼ平行である最初の配置で基材に固定または保持するために、部分的に、実質的に、または完全に接着剤でコーティングされていて、それによって、基材上に、例えば、剛毛または剛毛質の末端が創出される、基材であってよい。
【0028】
本開示によるデバイスを作製する方法では、例えばアプリケーターシャフト、アプリケータースティックまたはアプリケーターロッドなどの個々の基材、ばらの基材または連結された基材に、少なくとも1つの接着剤のアプリケーター容器、ブロック、ヘッド、ノズル、またはローラーによって、例えば、吹き付け、液浸、回転、プリントまたはそれらの組合せによって、場合によって計量的に、圧力をかけて、または重力によって、軸の回転またはスピニングによってなど、アプリケーターに対する接着剤のアプリケーターの直線性および/または回転性の任意の組合せを含んでよい、または含まなくてよい方式で、接着剤を塗布した。
【0029】
本開示のフロック加工技法では、交流または直流の電場を当技術分野で公知の方式で繊維に印加して帯電した繊維を組織化し、逆に帯電した接着剤で覆った基材に輸送し、それによって、接着剤が塗布された領域でのみ、接着剤の粘着力または接着力によって繊維が所定の位置に保持され、本開示のフロック繊維が先端に付いたアプリケーター、またはスワブが生成される。この技法は、繊維を接着剤に適用させるプロセスの任意の時点で、またはその間中、軸の回転またはスピニングによってなど、基材を直線的に移動させることおよび/または回転で移動させることを含んでよい。例えば光または熱によって、接着剤をさらに硬化させることが必要である場合、接着剤を硬化させるために、フロック繊維が先端に付いたアプリケータースワブを光および/または熱で処理することができる。
【0030】
本開示のスワブは、基材当たり、およそ104〜およそ1010個、またはおよそ104〜およそ109個、または、およそ104〜およそ108個、または、およそ104〜およそ107個、または、およそ104〜およそ106個、または、およそ104〜およそ105個のフロック繊維を含有してよい。
【0031】
本開示の接着剤は、特に限定されず、一般的であり、光または熱で硬化するアクリルベースの接着剤、ポリウレタンベースの接着剤、ポリアミドベースの接着剤、ポリエステルベースの接着剤、ビニルベースの接着剤および/または2液性エポキシ接着剤を使用することができる。シリコーン接着剤、シアノアクリレート接着剤、ポリウレタン接着剤および/またはラテックス接着剤を使用することができる。ポリウレタン接着剤は、一般に公知であり、例えばK&W Adhesive Productsから入手可能である。
【0032】
本開示のスワブは、例えば、ヒトなどの哺乳動物または患者の口腔の、鼻の、眼の、直腸の、尿道の、または膣の開口部から生体試料を採取するために適合させる、またはそのために設計される。
【0033】
スワブは、デバイスによって、例えば、検体を採取する間、患者に対して傷害または相当な不快感を引き起こさずに、約35〜約200μl、例えば40μl、50μl、60μl、70μl、80μl、90μl、100μl、120μl、130μl、140μl、150μl、160μl、170μl、180μlまたは190μlを採取することができるように、デバイスの繊維と接触させることによって生物検体を採取するために使用することができ、そのために設計される。
【0034】
本開示のスワブは、生物検体を採取するために、およびその方法において有用である。本開示のスワブは、前記検体の吸収を可能にするために本明細書に記載の繊維で覆われた先端で終わるロッドを含有する種類のものであり、繊維は、フロック加工によって貼り付けられた層の形で先端を覆っている、またはほぼ覆っている。
【0035】
本開示は、さらに、生体試料を採取する方法であって、本明細書に記載のスワブを生物材料の供給源と接触させ、それによって材料の試料がスワブに保持されるステップを含む方法を提供する。
【0036】
本開示のスワブは、例えば、採取、輸送、培養の構成部分および/または輸送キットもしくはデバイスとして提供することができ、ここで、追加的な検体取扱い容器および/またはデバイスが含まれ、本開示のスワブを、例えば、検体の保持、完全性および/または滅菌を保証するために、そのような他の容器および/またはデバイスと統合されるように特別に適合させる。
【0037】
本開示は、生体試料を採取し、放出するための、海島バイコンポーネント繊維を含有するスワブを提供する。スワブは、第1のポリエステルの海材料および第2のポリエステルの島材料で構成されるバイコンポーネント繊維をさらに含有してよく;第1のポリエステルは、第2のポリエステルよりも低い融点を有してよく、かつ/または第1のポリエステルは、アルカリ性溶液に対して第2のポリエステルよりも大きな溶解度を有してよい。アルカリ性溶液は、より詳細には水酸化ナトリウム溶液であってよく、水酸化ナトリウム溶液は、水中、約5重量%〜約50重量%の水酸化ナトリウム、あるいは、水中、約10重量%の水酸化ナトリウムを含有してよい。第1のポリエステルの海材料の方が第2のポリエステルの海材料よりもよく溶けるアルカリ性溶液は、加熱したアルカリ性溶液であってよく、加熱したアルカリ性溶液は、代わりに、約170°F〜約190°F、例えば約180°Fの温度を有する。
【0038】
本開示は、アプリケータースティックまたはアプリケーターロッドの末端部分に本明細書に記載の材料が付着しているスワブを提供する。材料は、接着剤でアプリケーターの末端に接着することができ、接着剤は光硬化性アクリル接着剤またはポリウレタン接着剤であってよい。
【0039】
本開示のバイコンポーネント繊維は、ポリエチレンテレフタレートの海材料およびポリアミドの島材料で構成されてよい。
【0040】
本開示のバイコンポーネント繊維は、繊維当たり10〜3000個の島部分、繊維当たり10〜240個の島部分、繊維当たり10〜64個の島部分、繊維当たり10〜37個の島部分、繊維当たり10〜36個の島部分、繊維当たり10〜24個の島部分、および/または繊維当たり24〜36個の島部分で構成されてよい、またはそれを含有してよい。
【0041】
本開示は、本明細書に記載のスワブの繊維状材料を提供する。繊維状材料は、例えばフィルターまたはクリーニングパッドまたはブラシなどの、スワブ以外のデバイスの一部分として別々に組み入れることができる。
【0042】
本開示は、本開示のスワブを形成する方法であって、バイコンポーネント繊維を、ロッドまたはスティックのようなアプリケーターに接着するステップを含み、繊維の海成分が除去されていない方法を提供する。
【0043】
以下の実施例は、本開示の材料および方法を、それに限定することなくさらに例示している。
【実施例1】
【0044】
スワブ
ある数量(約30個ほど)の実験的な医療用スワブをPuritan Medical Products(Guilford、ME)のABSプラスティック「スティック」から、長さ0.5mm(0.020"、Flock-ln-Spectフロック繊維長光学測定器によって決定された公称長さ)のナイロン/PETの海/島型フロック繊維を用いて調製した。これらの実験的製作では2つの接着剤系;ポリウレタンゴム(K&Wポリウレタン接着剤-MECFLOCK L876/1、MEDCODUR H5530 2液性ポリウレタン接着剤、混合した85グラムのL876/1樹脂と15グラムのH5530硬化剤-Kissel and Wolfの製品;110℃、3時間で硬化、あるいは80℃、16時間で硬化)およびPuritan Medical ProductsからのUV光硬化性接着剤を利用した。
【0045】
以下の材料および器具を製作に使用した:ABS(プラスティック)スワブスティック(Puritanから供給される);Maag Flockmaschinen Motion(フロック活性)Tester SPG 1000;浅いアルミニウム皿中のK&W接着剤(接着剤の深さは約1cm);光を遮断した小包中の光硬化性接着剤;フロック選別用ふるい;およびナイロン/PETの0.5mm長フロック繊維の供給源。
【0046】
実験的なスワブを以下の通り製作した。フロック活性テスターの直径4"のアルミニウムの底板を、約2グラムのばらのフロックで覆った(ふるいにかけることによって)。このばらのフロック試料を、フロック活性テスターの底の電極台に載せた。スワブスティックの末端を、液状のK&W接着剤に約1cmの深さまで垂直に浸し、ゆっくり取り出して末端がコーティングされたスワブスティックを製作した。一部のスワブ試料は、光硬化性接着剤を使用して作製した。水ベースのアクリル(F1059B Lubrizol Corp.)フロック接着剤および他の水ベースの接着剤を使用することができる。3.5KV/cmの強度をフロック活性テスター(アップフロッキング装置(upflocking machine))のDC電極に印加した。これにより、フロック繊維がそれら自体で整列し、上部電極に活発に移動する。このフロックが底部から上部電極に進む際、次いで、先端が接着剤でコーティングされたプラスティックのスワブスティックを、底部電極(活性化されたフロック繊維の供給源)から約1cmの「フロック繊維の雲」の中に置く。「フロック繊維の雲」の中にあるとき、スワブスティックをグリッピングフィンガーに保持されたスティックの回転によってゆっくり回転させた。
【0047】
フロック繊維は、約2〜5秒のフロック場への浸漬時間の後、スワブスティックの(接着剤でぬれた)末端において飽和状態まで完全に接着した。その後スワブの接着剤を硬化させた。
【0048】
接着剤の平均量およびABS基部(スティック)に貼り付いたフロックの平均量を重量によって決定し、以下の結果を伴った:「裸の」ABSスティックの平均重量:0.5644+/-0.00426グラム;フロック加工前の「スティック」上のK&W接着剤の平均重量:0.0046グラム;および「スティック」上のPET/ナイロンフロックの平均重量:0.0135グラム。各「スティック」上の海/島フロック繊維の平均0.0135グラムを用いて、これは「スティック」当たりおよそ1.2×105個のフロック繊維に転換される。
【0049】
フロック加工した医療用スワブの水の「含浸」能力を、いくつものスワブおよび「スティック」材料をまず秤量する(乾燥)手順によって決定した。次いで、この同じ一連のフロック加工したスワブおよび「スティック」を室温(23℃)の水に(先端のみ)5秒間浸漬し、次いで再度秤量した。
【0050】
次いで、さまざまなスワブの形態のパーセント水含浸を比較した。結果は、「裸の」ABSスワブスティックが水をほとんど、または全く含浸または捕獲しないことを実証している。多少の水を含浸または捕獲するポリウレタン接着剤でコーティングされた(先端のみ)スワブは、接着剤が「裸の」ABSよりも湿潤性の表面であることを示している。フロック加工した繊維スワブは、測定可能な量の水(8.95%)を含浸または捕獲した。
【0051】
いくつかの繊維材料種(海/島繊維の)を評価した。ナイロン/PET繊維(Kolon)およびPET/PET繊維(Kolon-Rojel)は、本開示の繊維をフロック加工した医療用スワブの適用において有用であると思われる。長さ0.5mmのナイロン/PETフロック繊維を最初に調査したが、さまざまなサイズの繊維を使用することができ、それが意図されている。
【0052】
以下の2つのフロック接着剤が、調査された。これらは、2液性ポリウレタン(透明なゴム状)系および光硬化性(透明な薄膜プラスティック)系であった。他の接着剤も意図されている。
【0053】
本明細書において言及され、記載されている全ての文献および刊行物は、その全体が本明細書に組み込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体試料を採取し、放出するための、アプリケーターおよび海島バイコンポーネント繊維を含むスワブ。
【請求項2】
前記バイコンポーネント繊維が、第1のポリエステルの海材料および第2のポリエステルの島材料を含む、請求項1に記載のスワブ。
【請求項3】
前記第1のポリエステルが、前記第2のポリエステルよりも低い融点を有する、請求項2に記載のスワブ。
【請求項4】
前記第1のポリエステルが、アルカリ性溶液に対して前記第2のポリエステルよりも大きな溶解度を有する、請求項2に記載のスワブ。
【請求項5】
第1のポリエステルが、水酸化ナトリウムのアルカリ性溶液に対して第2のポリエステルと比較して大きな溶解度を有する、請求項4に記載のスワブ。
【請求項6】
第1のポリエステルが、水中約5重量%〜約50重量%の水酸化ナトリウムを含有する水酸化ナトリウム溶液であるアルカリ性溶液に対して第2のポリエステルと比較して大きな溶解度を有する、請求項5に記載のスワブ。
【請求項7】
第1のポリエステルが、水中約10重量%の水酸化ナトリウムのアルカリ性溶液に対して第2のポリエステルと比較して大きな溶解度を有する、請求項6に記載のスワブ。
【請求項8】
第1のポリエステルが、加熱したアルカリ性溶液に対して第2のポリエステルと比較して大きな溶解度を有する、請求項4に記載のスワブ。
【請求項9】
第1のポリエステルが、約170°F〜約190°Fの温度に加熱したアルカリ性溶液に対して第2のポリエステルと比較して大きな溶解度を有する、請求項8に記載のスワブ。
【請求項10】
繊維が前記アプリケーターの末端部分に付着している、請求項1に記載のスワブ。
【請求項11】
前記繊維が前記末端部分に接着剤で接着されている、請求項10に記載のスワブ。
【請求項12】
前記接着剤が、光硬化性アクリル接着剤およびポリウレタン接着剤からなる群から選択される、請求項11に記載のスワブ。
【請求項13】
前記バイコンポーネント繊維が、ポリエチレンテレフタレートの海材料およびポリアミドの島材料を含む、請求項1に記載のスワブ。
【請求項14】
前記バイコンポーネント繊維が、繊維当たり10〜3000個の島部分を含む、請求項1に記載のスワブ。
【請求項15】
前記繊維が、繊維当たり10〜240個の島部分を含む、請求項14に記載のスワブ。
【請求項16】
前記繊維が、繊維当たり10〜64個の島部分を含む、請求項14に記載のスワブ。
【請求項17】
前記繊維が、繊維当たり10〜37個の島部分を含む、請求項14に記載のスワブ。
【請求項18】
前記繊維が、繊維当たり10〜36個の島部分を含む、請求項14に記載のスワブ。
【請求項19】
前記繊維が、繊維当たり10〜24個の島部分を含む、請求項14に記載のスワブ。
【請求項20】
前記繊維が、繊維当たり24〜36個の島部分を含む、請求項14に記載のスワブ。
【請求項21】
バイコンポーネント繊維を前記アプリケーターに接着するステップを含む、請求項10に記載のスワブを形成する方法。
【請求項22】
生体試料を採取する方法であって、請求項1に記載のスワブを生物材料の供給源に接触させ、それによって材料の試料がスワブに保持されるステップを含む方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2013−500763(P2013−500763A)
【公表日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−522817(P2012−522817)
【出願日】平成22年8月3日(2010.8.3)
【国際出願番号】PCT/US2010/002154
【国際公開番号】WO2011/133129
【国際公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【出願人】(512025610)ピュリタン・メディカル・プロダクツ・カンパニー・エルエルシー (2)
【Fターム(参考)】