説明

採水器用閉蓋装置

【課題】耐水耐圧性に優れた低電力使用で故障の少ない採水器用閉蓋装置を提供する。
【解決手段】基部外端に採水器の蓋に連結する牽引子を係止する係止片が突設されている回動体の基部が回動可能なるよう接合体の基部に軸支されており、これら回動体と接合体の自由端のいずれか一方が永久磁石に、もう一方が電磁石に形成されてなり、これら二つの自由端は磁力の作用で接合し、離脱するよう構成されていることを特徴とする採水器用閉蓋装置。
【効果】耐水耐圧性の永久磁石と電磁石を用いているために冠水による故障の恐れがなく、しかも回動体と接合体を軸支しただけの簡単な構造のものであるから操作が簡単で故障が生じ難く、万一故障しても現場で即座に修復できる利点がある。さらにこの装置は、採水器の閉蓋を永久磁石に対する反発力を利用して行うので使用する電力は極めて微弱ですむ利点がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水中で使用する採水器の閉蓋に用いる装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、環境調査の基本である水質検査のための水は、海、湖沼、河川から採水器を用いて採水している。通常、採水器は蓋付きの筒形の容器に形成されており、容器に付属または容器外に置かれている閉蓋装置に連結した掛け金(ワイヤ)でこれらの蓋を牽引して容器を開口させる一方、容器に備え付けられたゴム紐などの弾性体で蓋が牽引されて閉蓋するように構成されている。すなわちこの採水器は蓋を予め開口させて水中の所定深度に沈降させた後、閉蓋装置を操作して掛け金を外し、前記容器に内蔵している弾性体の牽引力により閉蓋させた後、水上に引き上げて所望の検査用水を得るのである。このため採水器の閉蓋を如何に行うかが技術上の重要なポイントとなっている。
【0003】
この閉蓋に用いる閉蓋装置は、初期には採水器を取り付けたロープに沿わせてメッセンジャー(重り)を水上から投下し、その重みで蓋を開口させている掛け金(ワイヤ)を外すことにより閉蓋する方法が行われていた(特許文献1、非特許文献1、2)。
しかし、この方法は閉蓋するのに逐一手作業でメッセンジャーを投下せねばならないので単一筒での採水にのみ有効であり、多数筒による採水はこれらの筒を1本のロープに上下に間隔を隔てて連装することによってのみ可能となるため、同じ深度での採水に用いることができない。
【0004】
このようなことから近年、多数筒を同時に閉蓋できる装置として電気的手段により閉蓋する方法(たとえば非特許文献2に記載のソレノイドを使用する電気的トリガー方式の多筒式採水器)をCTD(Conductivity Temperature Depth)計によって代表される水質計と組合せ、この水質計で閉蓋をコントロールするようになってきている。
これまでに提案されている電気的手段による閉蓋装置としては、ソレノイドのプランジャに先端をループ成形したワイヤを掛けて係止するもの(特許文献2)と、モーター上のカムを囲むように配したピンにループ成形したワイヤを掛けて係止し、このカムの回転によりピンを出入させてループを着脱するもの(特許文献3)とがある。以下、これらの装置について説明する。
【0005】
特許文献2に開示されている閉蓋装置は、調査船などに積まれた水上の送電装置からの送電線に接続する弁別装置と継電器を密封した耐水性のハウジングと、該ハウジングを収容する箱体とを有してなり、ハウジングと箱体の間の空間に前記継電器に電線で接続するソレノイドを箱体の上蓋に固定するようにして取り付けている。このソレノイドには前記箱体の上蓋に開けた孔を貫通して箱体外に露出するプランジャが付設しており、このプランジャにワイヤを掛けて採水器を開口させているが、水中の所定位置に下降させた後、電器信号によってプランジャがソレノイド内部に凹入移動してワイヤが外れることにより採水器を閉蓋する。
この装置は、プランジャの凹入移動のために作動部に大きな力を与える必要があり、作動時には50Vを越えるような大量の電力を必要とする欠点がある。さらにこの装置は、ソレノイドが冠水するのでプランジャ溝に水が入り込んで溝中に有機物、砂泥、塩などの夾雑物が沈積するため操作に支障を来す欠点がある。たとえば海水の採水では溝中に塩が固着貯留してプランジャのソレノイド内部への凹入移動に大きな支障が生じる。
【0006】
特許文献3に開示の閉蓋装置は、ハウジングに継電器、バッテリー、モーターを収容して内蓋で密封し、さらに該内蓋にモーターに連動して回転する表面が凹凸成形された楔形カムを外設し、該楔形カムにT字形の係止具を噛ませるようにして外蓋で閉じた構成のものである。この係止具は楔形カムに圧接する先端を一部欠損させて接合性よく成形した棒状のノーズと、その直線延長上にノーズを楔形カムに圧接させるスプリングを囲繞させたピンと、該ピンに垂直に突設した棒状のハンドルとからなり、ピンは上蓋の側壁に開けた孔を貫通して外部に突出露呈して先端ループ形成されたワイヤを係止しており、ハンドルは少なくとも上蓋の上面に前記ピンの外部露呈部と同じ長さに開けた孔を貫通して外部に突出せしめている。そしてモーターの駆動により楔形カムが回転し、これに応じて係止具のノーズが上方に移動することによりピンが上蓋内に凹入し、これに伴いピンからワイヤが外れて採水器を閉蓋するのである。
この閉蓋装置も楔形カムを作動させるためにバッテリー、モーター他の大掛かりな電器器具を内蔵しているので装置自体が複雑かつ大容量になり、前記ソレノイド利用の装置同様にかなり大きな電力を必要とする他、モーターなどの冠水を防ぐために余分に気密性を付与するための手間と費用がかかる欠点がある。
【0007】
【特許文献1】特許公開2002−286597号公報
【特許文献2】米国特許3339417号公報
【特許文献3】米国特許3489012号公報
【非特許文献1】「RIGO OCEANOGRAPHICAL & LIMNOLOGICAL APPARATUS 総合カタログ125」(株)離合社10〜13頁
【非特許文献2】平野敏行監修「沿岸の環境圏」(株)フジ・テクノシステム1998年1412〜1413頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
採水器用閉蓋装置は水中深い所で遠隔操作されるので耐水耐圧性に優れている上に操作が簡単で故障が少なく、かつ極力電力を消耗しないものが望ましい。本発明者は採水器用閉蓋装置についてのこのような要望に応えるべく鋭意研究の結果、閉蓋装置を永久磁石および電磁石を用いて作り、電磁石に通電して永久磁石の極性と逆の極性になるよう磁化させることで生じる磁石の極性反発作用を利用してその磁着力を制御するようにすればよいことに想到し、本発明を完成させるに至った。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、基部外端に採水器の蓋に連結する牽引子を係止する係止片が突設されている回動体の基部が回動可能なるよう接合体の基部に軸支されており、これら回動体と接合体の自由端のいずれか一方が永久磁石に、もう一方が電磁石に形成されてなり、これら二つの自由端は磁力の作用で接合し、離脱するよう構成されていることを特徴とする採水器用閉蓋装置である。
【発明の効果】
【0010】
本発明採水器用閉蓋装置は、耐水耐圧性の永久磁石と電磁石を用いているために冠水による故障の恐れがなく、しかも回動体と接合体を軸支しただけの簡単な構造のものであるから操作が簡単で故障が生じ難く、万一故障しても現場で即座に修復できる利点がある。さらにこの装置は、採水器の閉蓋を永久磁石に対する電磁石の反発力を利用して行うので使用する電力は極めて微弱ですむ利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面に基づいて本発明採水器用閉蓋装置を実施するための最良の形態を詳細に説明する。
図1は本発明採水器用閉蓋装置の実施態様を示す斜視図である。図中1は耐水性材料で作られた回動体であり、該回動体1は基部11が接合体2の基部21に回動可能なるようにして軸支されている。この回動体1の基部11の外端には採水器3の上下の蓋31、32に連結する牽引子33を係止する係止片12が突設されており、また回動体1の自由端13は永久磁石4または電磁石5、好ましくは永久磁石4に作られている。
【0012】
この回動体1は、自由端23が電磁石5または永久磁石4に成形された前記接合体2と磁力により接合して前記採水器3に係る牽引子33を牽引し、また磁石の反作用により離脱して回動し、これに伴って下方回動する前記係止片12から牽引子33を取り外す機能を有している。
【0013】
なお、本発明採水器用閉蓋装置が適用される採水器3は、市販されている通常仕様のものであり、枠体成形された装着体6に着脱自在なるように胴部34を固定、装着して用いる。この採水器3は両端が開口した円筒形の250l以下の胴部34の内部または外部に沿わせて固定したゴム紐、スプリングなどの弾性体35、36の先端を円盤状または球状に作られた上下の蓋31、32の内面に取り付けて常時強力に蓋31、32を牽引して閉蓋せんとする機能を有している。これら蓋31、32の外面には牽引子33が固定されており、この牽引子33が前記係止片12に係止することで蓋31、32を一層強力に牽引して開口させている。
【0014】
このようにして採水器3は開口させた状態で水中の所定深度に沈降させた後、閉蓋装置の係止片12から牽引子33を取り外すことにより前記容器34の内部または外部に沿わせた弾性体35、36の牽引力で閉蓋して所望の検査用水を得るのである。
【0015】
前記回動体1の磁石部分を除く本体の材料は任意に定めてよく、たとえばABS樹脂、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル樹脂、アセタール樹脂、アクリロニトリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリスチレン、その他の合成樹脂、アルミニウム、チタン、ニッケル、クロム、コバルト、マンガン、モリブデン、タングステン、銅、亜鉛他の金属およびこれらの合金、ステンレススチール、その他の防錆性金属、木材などの剛性体形成材料から適宜選択すればよい。
【0016】
この回動体1の形状も任意に作ることができる。たとえば図1、2に示すように自由端13の前記接合体2との接合部分を開口した箱体または方形体に作り、この自由端13の内部に永久磁石4または電磁石5を挿入固定すればよい。この場合、永久磁石4または電磁石5の磁着面は箱体または方形体で被覆するようにするが、これに限らず磁石部分を開口させて磁着面を露出するようにしてもよい。磁着面を露出させる場合、少なくとも露出面をテフロンコートや防錆剤塗布など適当な防錆手段により処理しておくのが好ましい。なお、回動体1の少なくとも基部11はその側部に軸孔を設けておくと共に面前記接合体2の基部21に挿入して軸止できるようにその横幅を狭くしておく。
【0017】
前述したように回動体1の基部11の外端には採水器3の上下の蓋31、32に連結する牽引子33を係止する係止片12が突設されている。この係止片12は棒状の突起に作られており、これに先端をループ状または鉤状に成形したワイヤで作られた牽引子33を掛けて採水器3の上下の蓋31、32を牽引し、採水器3を開口せしめている。そして回動体1の回動に伴う係止片12の下方回動により蓋31、32に牽引されている牽引子33が自動的に外れて採水器3が閉蓋するのである。従って、係止片12は前記基部11の上面、つまり前記接合体2との接触面の反対面の垂直位置から後端面の水平位置までの範囲内の部位に取り付けられるべきである。
【0018】
回動体1に接合する接合体2の成形に用いる材料は前記回動体1に用いるものと同じでよいが、その形状は回動体1の形状に対応して定められる。たとえば図1、2に示すように回動体1を箱形に作る場合、接合体2も箱形にする方がよい。この場合、接合体2の基部21はその両側部を高くして耳部211、211を形成し、これら耳部211、211に軸孔を設けて軸22を貫通させるようにする。さらにこの基部21は上部、つまり回動体1との接合面および後側部を開口させて、該回動体1の回動に伴い基部11が基部21内に入り込めるようにし、軸22を支点として支障なく回動できるようにしている。
【0019】
一方、接合体2の自由端23は上部を開口して電磁石5または永久磁石4を固定している。すなわち前記回動体1に永久磁石4を取り付ける場合には接合体2の自由端23に電磁石5を取り付け、逆に前記回動体1に電磁石5を取り付ける場合には接合体2の自由端23に永久磁石4を取り付けるのであり、回動体1および接合体2の両者共に永久磁石4および電磁石5のいずれか一方のみを取り付けることはない。また、回動体1の場合と同様に、前記電磁石5または永久磁石4を接合体2で被覆するようにするも、当該部分を開口して防錆処理した磁着面を露出するようにするも任意である。
【0020】
本発明で使用する永久磁石4は前記採水器3の上下の蓋31、32を牽引して開蓋させるだけの接合力を持つ磁力を有するものであればよく、たとえばフェライト磁石、MK磁石、KS磁石その他の市販品を用いればよい。
また本発明で使用する電磁石5は鉄、鉄合金などの磁性体の芯51に絶縁コイル52を巻き付けた通常構造のものであるが、芯51の端部511が非通電時に前記永久磁石と接合・磁着するようにしている。前記絶縁コイル52は水上の調査船上にまで延長されて船上に置かれた電源、たとえば市販の12Vの乾電池や積層鉛電池などの電池に導線および通電スイッチを介して連結している。なお、好ましくは電磁石5の全部ないし一部、とくに市販の電磁石を使用する場合には少なくとも絶縁コイル52の結線部をエポキシ樹脂などの耐水性樹脂で処理して耐水性を一層高めるようにするとよい。
【0021】
なお、採水器3を複数筒にする場合にはその数だけの導線が必要になるが、この場合、1本の多芯ケーブルを用いたり、水上から1本の導線を垂下して装着体6に取り付けた各電磁石5に連結する弁別装置に連結するようにして導線の使用本数をできるだけ少なくするのが採水作業上好ましい。
【0022】
この電磁石5は通電して磁化するとその端部511が永久磁石4の接合面の磁極と同種の磁極を呈するように設定されている。すなわち端部511は永久磁石4の接合面がN極の場合にはN極を呈し、逆に該接合面がS極の場合にはS極を呈するように磁化されるのである。それまで強く接合・磁着していた永久磁石4と電磁石5は通電スイッチを入れると同極同士で反発し合って瞬時に離脱を促され、これにより回動体1が前記牽引子33に牽引されて回動し、この回動に伴って牽引子33が外れて閉蓋するのである。このように本発明装置は電磁石5に瞬間的に極性を呈現させれば採水器3の閉蓋目的を達するのであるから、使用電力量は極めて微弱である。
【0023】
前記回動体1および接合体2の形状は箱体や方形体のものに限らない。たとえば図3に示すようにこれらを丸または角形の棹体に作り、回動体1および接合体2のそれぞれの先端に永久磁石4または電磁石5を固定し、さらに接合体2の基部21の耳部211を高くして高い位置に軸孔を開けるか〔図3(A)〕、基部21の本体を下方にくり抜き開口せしめて〔図3(B)〕、回動時に回動体1の基部後端が接合体2の基部21に抵触しないようにすればよい。
【0024】
本発明採水器用閉蓋装置は叙上のような基本構成のものであり、これを既存の採水装置の採水器装着体にそのまま取り付けて使用することもできるが、好ましくは図4に示すように既存の採水器装着体から不必要な部品を取り除いて枠体状に成形した装着体6を使用する。
採水器3は通常複数本を装着体6の周囲に採水器3の胴部34に外設した自在着脱部341、342にて着脱自在なるように固定、装着して用いるが、同時に閉蓋装置も該装着体6の上面61または採水器3装着面の背面62に前記接合体2の下面(底面)を接着、溶着その他の適当な手段で固定、装着して用いる。さらにこの装着体6の上面61には吊具63が取り付けられており、該吊具63には水上に置かれるウィンチに連結したワイヤ7が固定されて、装着体6を上下移動するように懸垂している。
【0025】
採水作業は、この採水器3および本発明採水器用閉蓋装置を装着した装着体6を、回動体1に牽引されて採水器3の上下の蓋31、32が開口した状態で調査船上から水中の所定深度までワイヤ7により垂下させて行う。深度計で所定深度に達したことを確認した後に電磁石5のスイッチを入れて前記採水器3を閉蓋し、ウインチによりワイヤ7を巻き上げて調査船上に回収する。
【0026】
なお、採水器3を複数本使用する時、これに対応して同数の本発明採水器用閉蓋装置を用いることになるが、この場合に電磁石5、5…を同時に作動させて全部同時に閉蓋することも、段階的な深度に応じて1〜少数本ずつ順次閉蓋することも任意になし得る。この時に使用する電力はスイッチ作動時の一瞬間だけの微小量であるから、採水器3を複数本装着する場合でも12Vの電池1個で目的を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明採水器用閉蓋装置の実施態様を示す斜視図
【図2】(A)本発明採水器用閉蓋装置の接合した状態を示す一部切欠側面図(B)同離脱した状態を示す一部切欠側面図
【図3】(A)本発明採水器用閉蓋装置の別の実施態様を示す斜視図(B)同回動体および接合体の平面図
【図4】本発明採水器用閉蓋装置を装着体に装着した状態を示す斜視図
【符号の説明】
【0029】
1 回動体
11 基部
12 係止片
13 自由端
2 接合体
21 基部
211 耳部
22 軸
23 自由端
3 採水器
31 上蓋
32 下蓋
33 牽引子
34 胴部
341 自在着脱部
342 自在着脱部
35 弾性体
36 弾性体
4 永久磁石
5 電磁石
51 芯
511 端部
52 絶縁コイル
6 装着体
61 上面
62 吊具
7 ワイヤ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部外端に採水器の蓋に連結する牽引子を係止する係止片が突設されている回動体の基部が回動可能なるよう接合体の基部に軸支されており、これら回動体と接合体の自由端のいずれか一方が永久磁石に、もう一方が電磁石に形成されてなり、これら二つの自由端は磁力の作用で接合し、離脱するよう構成されていることを特徴とする採水器用閉蓋装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2006−133206(P2006−133206A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−351996(P2004−351996)
【出願日】平成16年11月5日(2004.11.5)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(504446010)ケー・エンジニアリング株式会社 (1)
【Fターム(参考)】