説明

採点システム及び採点プログラム

【課題】解答者によって解答が記入された問題用紙の採点処理の省力化の実現を可能にするとともに、その採点処理にあたって専用の構成機器を必要とせず、解答者と採点結果を関係付けることができるようにした採点システムを提供することを目的とする。
【解決手段】採点システム画像受付手段はあらかじめ問題が印刷された問題用紙に解答者が問題ごとに解答を記入し、採点者が問題ごとの解答に正誤に関する判定記号を記入した該問題用紙の画像を受け付け、原本画像受付手段は記入のなされていない原本画像を受け付け、抽出手段は判定記号を抽出し、形状認識手段は判定記号の形状を認識し、位置算出手段は判定記号の位置を算出し、得点算出手段は、形状及び位置に基づいて、得点の算出を行い、解答者特定手段は解答者を特定し、解答者情報記憶手段は解答者と得点を関連づけて記憶する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、採点システム及び採点プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
学校等の児童等(生徒、学生等を含んでもよい)の教育活動において、教育現場で教材として使用されるテストやプリント等の問題用紙は、教室等で児童等に配布され、児童等が解答を記入し、それを教師が赤ペン等で正誤判定をし、その正答の点数を合計するいわゆる採点作業を行ったあと、教師が点数を別の用紙に記入したり、又は、その得点をコンピュータ(パーソナルコンピュータ)などに電子データとして保存したあと、児童等に返却される。
教師は、記入された得点を手計算で集計したり、コンピュータ上にある得点集計用ソフトに得点データを入力したりして、児童等の成績評価に利用する。教師は、この採点作業を行う中で、児童等の学習状況の把握や、自らの指導の問題点等を見つけ、次の指導に生かすサイクルをつくっている。
一方、児童等にとっては、教師から返却された採点された答案用紙をみて、自らの解答の正誤を確認するとともに、間違った理解や知識を正しく復習しなおす学習活動を行っている。
この採点・集計作業は、教師の基本的かつ、重要な教育活動の一環であるが、その作業自体、煩雑で多くの労力を必要とするため、従来より、この作業の効率化、省力化が様々に図られてきた。
【0003】
これらに関連する技術として、例えば、特許文献1には、採点等の記入作業を行ったのちキー入力等によってデータを改めて入力しなくても、記入作業と同時にその結果を集計することを課題とし、記憶装置には答案用紙の手書き記入欄をタブレット上の入力域として定義すると共に、集計対象の入力域を識別可能に定義する書式データが記憶されており、タブレットに答案用紙が重ね合せられた状態において、CPUは手書き記入欄に記入された情報をタブレットの入力域に入力された筆記データとして取り込んで文字認識し、この入力域が集計対象として書式データに定義されていれば、CPUはその文字認識結果に基づいて集計処理を行うことが開示されている。
【0004】
また、例えば、特許文献2には、選択式試験と記述式試験とを併用した答案の採点を行うにあたって、採点処理を迅速に行うことができ、より正確な採点処理を行うことが可能な答案採点処理システムを提供することを課題とし、答案用紙を読み取る読取手段と、選択式試験の解答を記憶する選択式解答記憶手段と、選択式解答記憶手段に格納された解答データを採点する選択式試験採点手段と、選択式試験採点手段により採点された採点結果を記憶する採点結果記憶手段と、記述式試験の採点対象者を絞り込むための判定基準を記憶する一次判定基準記憶手段と、採点結果記憶手段に格納された選択式試験の採点結果と、一次判定基準記憶手段に格納された判定基準とから、記述式試験の採点対象者を決定し、採点結果記憶手段に採点対象者を記憶させる一次判定手段とを備えた答案採点処理システムが開示されている。
【0005】
また、特許文献3には、デジタル複写機を利用して、答案用紙の自動採点を誰でも簡単にできるようにすると共に、メモリを有効利用してコストアップを最小限に抑えることを目的とし、答案用紙の画像を画像読取手段によって読み取り、その画像情報を画像記憶手段に記憶し、その画像情報から問題情報抽出手段が問題の画像情報を抽出して問題情報記憶手段に記憶し、解答情報抽出手段が解答の画像情報を抽出して解答情報記憶手段に記憶し、その記憶した解答の画像情報と正解情報保持手段が保持する正解の画像情報とを採点手段によって比較して採点結果の画像情報を出力し、そして、その採点結果の画像情報及び各記憶手段にそれぞれ記憶した問題、解答の各画像情報を、描画手段によってそれぞれ単独であるいは任意に組み合わせて描画し、それを画像出力手段によって記録紙に画像形成して出力させることが開示されている。
【0006】
また、特許文献4には、デジタル複写機を利用して答案用紙の自動採点を誰でも簡単にできるようにし、かつその採点忘れ等が起きた時にはそれをすぐに知ることができるようにすることを目的とし、答案用紙の画像を画像読取手段によって読み取り、その画像情報を画像記憶手段に記憶し、その画像情報から解答認識手段が解答を認識し、そして、採点手段によりその認識した解答に対する採点処理を行い、その採点結果を採点結果記憶手段に記憶し、それを採点結果出力手段が画像出力手段により画像記憶手段に記憶した答案用紙の画像と共に記録紙に画像形成して出力させ、また、誤り有無判別手段により判別情報記憶手段に記憶した判別情報と採点結果記憶手段に記憶した採点結果とを比較してその採点結果に誤りがあるかないかを判別し、その採点結果を判別結果通知手段によってユーザに通知することが開示されている。
【0007】
また、特許文献5には、教育用教材についての採点処理の省力化を実現可能にするとともに、その採点処理にあたって専用の構成機器を必要とすることがなく、しかも教育用教材についての汎用性を十分に確保できるようにすることを課題とし、教育用教材についての電子データを保持蓄積するデータベース手段と、解答記入及びその正誤判定の記入がされた教育用教材から画像データを得る読み取り手段と、前記電子データと前記画像データとを比較して差分を抽出する差分抽出手段と、その差分抽出結果から前記正誤判定の記入内容を認識する正誤判定認識手段と、その認識結果に基づき前記教育用教材に記入された正誤判定の採点集計を行う採点集計手段とを備えて、教材処理装置を構成することが開示されている。
【特許文献1】特開平11−031046号公報
【特許文献2】特開2004−029107号公報
【特許文献3】特開平08−007076号公報
【特許文献4】特開平08−016085号公報
【特許文献5】特開2006−235781号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、教育用教材についての採点処理にあたり、採点台やマークシートリーダー、採点ペン等といった専用の構成機器を必要とすることは、必ずしも好適とはいえない。専用の構成機器は、システム全体の構成の複雑化や高コスト化等を招く要因となり得るからである。また、専用の構成機器を必要とすると、対応可能な教育用教材が限定されてしまい、その教育用教材についての汎用性が制限されてしまうおそれもある。
その一方で、近年、教育機関には、パーソナルコンピュータ、複写機又は複合機(多機能複写機とも呼ばれ、スキャナー、プリンタ、複写機、ファックス等の機能を有している)等が設置されて用いられていることが一般的である。
また、採点のみならず、より質の高い教育を行うために、解答者と採点結果を関係付けて解析を行うことが求められている。
しかしながら、複写機又は複合機等を利用して、解答者と採点結果を関係付けることができるが、小学校のテスト教材のように多色印刷の問題用紙に直接記入した答案用紙に、赤ペンなどで○×などの判定記号を記入したものには対応しにくいことがあった。
さらに、多色印刷の問題用紙に赤ペンなどで判定記号を記入したものには対応できるが、判定記号が画像に重なった場合や、選択問題に複数回答された場合や回答していない場合には対応しにくいことがあった。
【0009】
そこで、本発明は、解答者によって解答が記入された問題用紙の採点処理の省力化の実現を可能にするとともに、その採点処理にあたって専用の構成機器を必要とせず、解答者と採点結果を関係付けることができるようにした採点システム及び採点プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
[1] あらかじめ問題が印刷された問題用紙に解答者が問題ごとに解答を記入し、採点者が問題ごとの解答に正誤に関する判定記号を記入した該問題用紙の画像を受け付ける画像受付手段と、
前記画像受付手段によって受け付けられた問題用紙の画像に対応して、記入のなされていない原本画像を受け付ける原本画像受付手段と、
前記画像受付手段によって受け付けられた画像と前記原本画像受付手段によって受け付けられた原本画像に基づいて、前記判定記号を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された判定記号の形状を認識する形状認識手段と、
前記抽出手段によって抽出された判定記号の位置を算出する位置算出手段と、
前記形状認識手段によって認識された形状及び前記位置算出手段によって算出された位置に基づいて、得点の算出を行う得点算出手段と、
前記画像受付手段によって受け付けられた画像における解答者を特定する解答者特定手段と、
前記解答者特定手段によって特定された解答者と前記得点算出手段によって算出された得点を関連づけて記憶する解答者情報記憶手段
を具備することを特徴とする採点システム。
【0011】
[2] 前記画像受付手段によって受け付けた画像を、前記解答者特定手段によって特定された解答者と関連づけて記憶する画像記憶手段
をさらに具備することを特徴とする[1]に記載の採点システム。
【0012】
[3] 前記画像記憶手段に記憶されている画像を表示し、該画像に関連する前記解答者情報記憶手段に記憶されている得点を操作者の操作に応じて、修正する修正手段
を具備することを特徴とする[2]に記載の採点システム。
【0013】
[4] 採点者を特定する採点者特定手段と、
前記形状認識手段は、採点者ごとに記入する判定記号に応じて、判定記号の形状を認識する
ことを特徴とする[1]、[2]又は[3]に記載の採点システム。
【0014】
[5] 前記問題用紙が複数枚または両面印刷である場合、前記画像記憶手段は、該複数または両面の問題用紙の画像を関連づけて記憶する
ことを特徴とする[2]に記載の採点システム。
【0015】
[6] 前記解答者情報記憶手段は、前記得点算出手段によって、算出された問題ごとの得点を記憶する
ことを特徴とする[1]に記載の採点システム。
【0016】
[7] 前記形状認識手段は、認識の対象とする判定記号が選択問題についてのものである場合、該判定記号の周囲の画素の特徴量又は選択問題解答領域の周囲の画素の特徴量が所定条件であれば、形状の認識を行わず、
前記得点算出手段は、前記位置算出手段によって算出された位置に基づいて、得点の算出を行う
ことを特徴とする[1]に記載の採点システム。
【0017】
[8] 前記抽出手段は、前記画像受付手段によって受け付けられた画像と前記原本画像受付手段によって受け付けられた原本画像に基づいて、前記解答を抽出し、
前記形状認識手段は、認識の対象とする判定記号が選択問題についてのものである場合、該判定記号の周囲の画素の特徴量又は選択問題解答領域の周囲の画素の特徴量が所定の条件であれば、形状の認識を行わず、
前記位置算出手段は、前記抽出手段によって抽出された解答の位置を算出し、
前記得点算出手段は、前記位置算出手段によって算出された位置に基づいて、得点の算出を行う
ことを特徴とする[1]に記載の採点システム。
【0018】
[9] 前記特徴量とは濃度又は明度のことであり、前記所定条件とは前記判定記号の濃度又は明度に所定の演算を行った値以上又は以下である
ことを特徴とする[7]又は[8]に記載の採点システム。
【0019】
[10] 前記特徴量とは濃度又は明度のことであり、前記所定条件とは所定の濃度又は明度以上又は以下である
ことを特徴とする[7]又は[8]に記載の採点システム。
【0020】
[11] 前記特徴量とは色のことであり、前記所定条件とは、前記判定記号の画素の色と前記判定記号又は選択問題解答領域の周囲の画素の色が近似していることである
ことを特徴とする[7]又は[8]に記載の採点システム。
【0021】
[12] 前記特徴量とは色のことであり、前記所定条件とは、所定の色に近似していることである
ことを特徴とする[7]又は[8]に記載の採点システム。
【0022】
[13] コンピュータを、
あらかじめ問題が印刷された問題用紙に解答者が問題ごとに解答を記入し、採点者が問題ごとの解答に正誤に関する判定記号を記入した該問題用紙の画像を受け付ける画像受付手段と、
前記画像受付手段によって受け付けられた問題用紙の画像に対応して、記入のなされていない原本画像を受け付ける原本画像受付手段と、
前記画像受付手段によって受け付けられた画像と前記原本画像受付手段によって受け付けられた原本画像に基づいて、前記判定記号を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された判定記号の形状を認識する形状認識手段と、
前記抽出手段によって抽出された判定記号の位置を算出する位置算出手段と、
前記形状認識手段によって認識された形状及び前記位置算出手段によって算出された位置に基づいて、得点の算出を行う得点算出手段と、
前記画像受付手段によって受け付けられた画像における解答者を特定する解答者特定手段と、
前記解答者特定手段によって特定された解答者及び前記得点算出手段によって算出された得点を関連づけて記憶する解答者情報記憶手段
として機能させることを特徴とする採点プログラム。
【発明の効果】
【0023】
請求項1に記載の採点システムでは、本構成を有していない場合に比較して、従来の教育活動における教師の判定記号を記載するという採点行為の質を低下させることなく、作業の効率化を図ることができる。
【0024】
請求項2に記載の採点システムでは、請求項1に記載の採点システムによる効果に加えて、解答者による過去の解答内容を閲覧することができるようになる。このことにより、例えば、小学校段階での算数の計算の躓きの原因等を、数値データだけで判断するのではなく、以前にさかのぼって具体的な解答の記述内容で確認することができ、指導に役立てることができる。
【0025】
請求項3に記載の採点システムでは、請求項2に記載の採点システムによる効果に加えて、本採点システムを利用した場合であっても、得点間違いを修正することができ、効率化を図ることができる。
【0026】
請求項4に記載の採点システムでは、請求項1、2又は3に記載の採点システムによる効果に加えて、採点者が判定記号を記入する場合の癖等をあらかじめ設定できるので、採点者の教育活動の具体的な場面に適応し、かつ、正誤情報の認識精度の向上させることができる。
【0027】
請求項5に記載の採点システムでは、請求項2に記載の採点システムによる効果に加えて、問題用紙が複数枚又は両面印刷である場合であっても、本採点システムによる採点処理が可能となる。
【0028】
請求項6に記載の採点システムでは、請求項1に記載の採点システムによる効果に加えて、問題ごとの得点を記憶しているので、教育の現場において、詳細な指導が可能となる。
【0029】
請求項7、9〜12に記載の採点システムでは、請求項1に記載の採点システムによる効果に加えて、例えば、問題用紙にカラー画像等を用いたものであって、採点のための判定記号が重なったとしても、採点精度を向上させることができる。
【0030】
請求項8〜12に記載の採点システムでは、請求項1に記載の採点システムによる効果に加えて、選択問題に対して複数回答された場合や回答していない場合の例外に対しても対応できるようになる。
【0031】
請求項13に記載の採点プログラムでは、本構成を有していない場合に比較して、従来の教育活動における教師の判定記号を記載するという採点行為の質を低下させることなく、作業の効率化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、図面に基づき本発明の好適な一実施の形態を説明する。
図1は、本発明の一実施の形態の概念的なモジュール構成図を示している。
なお、モジュールとは、一般的に論理的に分離可能なソフトウェア、ハードウェア等の部品を指す。したがって、本実施の形態におけるモジュールはプログラムにおけるモジュールのことだけでなく、ハードウェア構成におけるモジュールも指す。それゆえ、本実施の形態は、プログラム、システム及び方法の説明をも兼ねている。また、モジュールは機能にほぼ一対一に対応しているが、実装においては、1モジュールを1プログラムで構成してもよいし、複数モジュールを1プログラムで構成してもよく、逆に1モジュールを複数プログラムで構成してもよい。また、複数モジュールは1コンピュータによって実行されてもよいし、分散又は並列環境におけるコンピュータによって1モジュールが複数コンピュータで実行されてもよい。また、以下、「接続」とは物理的な接続の他、論理的な接続(データの授受、指示等)を含む。
また、システムとは、複数のコンピュータ、ハードウェア、装置等がネットワーク等の通信手段で接続されて構成されるほか、1つのコンピュータ、ハードウェア、装置等によって実現される場合も含まれる。
以下、採点者として教師、解答者として児童等(生徒、学生等であってもよい)を主に例示して説明する。
【0033】
本実施の形態は、小学校等の教育機関でテストに用いられる答案用紙の採点処理を行うものであって、図1に示すように、画像入力モジュール103、原本画像取得モジュール104、答案画像・問題情報DB105、判定記号抽出モジュール106、判定記号認識モジュール107、判定記号位置算出モジュール108、得点算出モジュール109、解答者特定モジュール110、得点情報格納モジュール111、得点結果確認・修正モジュール112、答案画像DB113、生徒・成績情報DB114を有している。
【0034】
画像入力モジュール103は、図1に示すように、答案画像DB113、解答者特定モジュール110、判定記号抽出モジュール106、原本画像取得モジュール104と接続されており、原本101又は正誤Check済答案102の用紙をカラー(少なくとも赤を識別できる)の画像データとして読み込む。原本101は、あらかじめ問題が印刷された問題用紙であり、未だ解答が記入されていないものである。正誤Check済答案102は、児童等によって解答が記入され、それを教師が赤ペン等で問題ごとの解答に正誤に関する判定記号(正解:○、誤り:×、正誤の中間:△とする)を記入した答案(問題用紙)である。原本101の画像データは原本画像取得モジュール104へ渡し、正誤Check済答案102の画像データは答案画像DB113、解答者特定モジュール110、判定記号抽出モジュール106へ渡す。
なお、画像入力モジュール103は、原本101又は正誤Check済答案102の用紙を画像データとして受け付けるスキャナーとしての機能の他に、例えば、外部装置から通信回線を介して画像データを受け付けてもよいし、画像データベース等の記憶装置から画像データを受け付けるようにしてもよい。
【0035】
原本画像取得モジュール104は、図1に示すように、画像入力モジュール103、判定記号抽出モジュール106、答案画像・問題情報DB105と接続されており、画像入力モジュール103によって入力された正誤Check済答案102に対応して、原本101を取得する。つまり、正誤Check済答案102に対応させて原本101を取得する。
【0036】
答案画像・問題情報DB105は、図1に示すように、原本画像取得モジュール104、得点算出モジュール109と接続されており、原本画像取得モジュール104により取得した原本101の画像データを記憶する。また、その問題用紙に関する情報をも記憶しており、得点算出モジュール109からアクセスされる。問題用紙に関する情報については、図8を用いて後述する。
【0037】
判定記号抽出モジュール106は、図1に示すように、画像入力モジュール103、原本画像取得モジュール104、判定記号認識モジュール107、判定記号位置算出モジュール108と接続されており、画像入力モジュール103によって入力された画像と原本画像取得モジュール104によって取得された原本画像に基づいて、判定記号を抽出する。すなわち、原本101の画像データと正誤Check済答案102の画像データの差分をとる。具体的には、両者の画像データのEOR(排他的論理和)演算を行うことによって、差分画像を得る。ここでの差分画像には、児童等が記入した解答と教師が記入した判定記号がある。児童等が記入した解答は黒鉛筆で記載されており、教師が記入した判定記号は赤ペンで記入されているので、差分画像から赤で記入されている画素のみを抽出すればよい。抽出結果(差分画像内の赤い画素)を判定記号認識モジュール107、判定記号位置算出モジュール108へ渡す。
また、差分画像から黒で記入されている画素(児童等が記入した解答)のみを抽出してもよい。抽出結果(差分画像内の黒い画素)を判定記号位置算出モジュール108へ渡す。
【0038】
判定記号認識モジュール107は、図1に示すように、判定記号抽出モジュール106、得点算出モジュール109と接続されており、判定記号抽出モジュール106により抽出された画像から判定記号の形状を認識する。すなわち、判定記号が「○」、「×」、「△」のいずれであるかを認識する。認識結果を得点算出モジュール109へ渡す。また、判定記号認識モジュール107は、採点者である教師を特定し、教師ごとに記入する判定記号に応じて、判定記号の形状を認識するようにしてもよい。すなわち、教師によっては、誤りを表すのに、「×」を用いずに「レ」のようなチェック記号で記入したり、「/」のような斜線で記入したりするが、これらの形状とその意味(正解、誤り、その中間)を教師ごとに記憶しており、判定記号の認識の際に用いることもできる。
また、判定記号認識モジュール107は、認識の対象とする判定記号が選択問題についてのものである場合、判定記号または選択問題解答領域の周囲の画素の特徴量が所定条件であれば、形状の認識を行わないようにしてもよい。
【0039】
判定記号位置算出モジュール108は、図1に示すように、判定記号抽出モジュール106、得点算出モジュール109と接続されており、判定記号抽出モジュール106により抽出された画像から判定記号の位置を算出する。すなわち、判定記号が正誤Check済答案102の画像データ内のどこに位置するか(座標値)を算出する。算出結果を得点算出モジュール109へ渡す。
また、判定記号位置算出モジュール108は、判定記号抽出モジュール106により解答が抽出された画像から、解答の位置を算出するようにしてもよい。そして、その算出結果を得点算出モジュール109へ渡す。
【0040】
得点算出モジュール109は、図1に示すように、判定記号認識モジュール107、判定記号位置算出モジュール108、答案画像・問題情報DB105、得点情報格納モジュール111と接続されており、判定記号認識モジュール107による認識結果、判定記号位置算出モジュール108による位置の算出結果、そして、答案画像・問題情報DB105に記憶されている問題ごとの配点に基づいて、対象となっている正誤Check済答案102の得点を算出する。
また、判定記号認識モジュール107が、形状の認識を行わなかった場合は、得点算出モジュール109は、判定記号位置算出モジュール108によって算出された判定記号の位置に基づいて、得点を算出するようにしてもよい。
また、得点算出モジュール109は、判定記号位置算出モジュール108によって算出された解答の位置に基づいて、得点を算出するようにしてもよい。
【0041】
解答者特定モジュール110は、図1に示すように、画像入力モジュール103、得点情報格納モジュール111と接続されており、画像入力モジュール103によって入力された画像データにおける解答者である児童等を特定する。ここで、正誤Check済答案102内の名前欄内の文字を認識するようにしてもよい。また、出席番号順に正誤Check済答案102を入力し、入力された順番で児童等を特定するようにしてもよい。
【0042】
得点情報格納モジュール111は、図1に示すように、解答者特定モジュール110、得点算出モジュール109、生徒・成績情報DB114と接続されており、解答者特定モジュール110によって特定された児童等と得点算出モジュール109によって算出された得点とを関連づけ生徒・成績情報DB114に記憶させる。また、得点情報格納モジュール111は問題ごとの得点を算出するようにしてもよい。
【0043】
答案画像DB113は、図1に示すように、画像入力モジュール103、得点結果確認・修正モジュール112と接続されており、画像入力モジュール103によって入力された画像データを記憶する。また、解答者特定モジュール110によって特定された児童等と関連づけて記憶するようにしてもよい。また、問題用紙が複数枚又は両面印刷である場合、答案画像DB113は、その複数又は両面の問題用紙の画像を関連づけて記憶するようにしてもよい。つまり、複数ページからなる問題用紙の場合は、それらをページ順に対応付けて、1ページ毎に順番に採点処理を行うようにする。
【0044】
得点結果確認・修正モジュール112は、図1に示すように、答案画像DB113、生徒・成績情報DB114と接続されており、答案画像DB113に記憶されている正誤Check済答案102の画像データを画像表示装置に表示し、その画像データに関連する生徒・成績情報DB114に記憶されている得点を操作者の操作に応じて、修正する。つまり、判定記号認識モジュール107による判定記号の認識が誤認識を行う場合があり、その誤認識を修正するためである。
【0045】
生徒・成績情報DB114は、図1に示すように、得点結果確認・修正モジュール112、得点情報格納モジュール111と接続されており、得点情報格納モジュール111によって算出された得点を記憶する。また、得点結果確認・修正モジュール112によって修正された得点を記憶する。また、記憶する得点は、合計点のみならず、問題ごとの得点であってもよい。
【0046】
図2を用いて、本実施の形態を実現する場合のシステム全体の構成例を説明する。
本実施の形態を実現するための典型的なシステム構成は、スキャナー201、採点サーバー202、クライアント203、採点結果等格納サーバー204を有し、これらがネットワーク(通信路)205によって接続されており、相互に通信可能となっている。
スキャナー201が画像入力モジュール103を有し、採点サーバー202が原本画像取得モジュール104、判定記号抽出モジュール106、判定記号認識モジュール107、判定記号位置算出モジュール108、得点算出モジュール109、解答者特定モジュール110、得点情報格納モジュール111を有し、クライアント203が得点結果確認・修正モジュール112を有し、採点結果等格納サーバー204が答案画像・問題情報DB105、答案画像DB113、生徒・成績情報DB114を有している。
【0047】
スキャナー201は、原本101又は正誤Check済答案102を入力して、その画像データを採点サーバー202又は採点結果等格納サーバー204へ送信する。
採点サーバー202は、スキャナー201から受信した画像データに基づいて、その採点処理を行う。その結果を採点結果等格納サーバー204へ送信する。
クライアント203は、操作者の操作に応じて、採点結果等格納サーバー204に記憶されている採点結果(得点等)を確認、修正するものである。
【0048】
なお、どのサーバーがどのモジュールを有しているかは任意であり、例えば、スキャナー201が図1で示した全てのモジュールを有していてもよいし、複数の採点サーバー202がそれぞれのモジュールを分担してもよい。
【0049】
図3に示す具体例を用いて、問題用紙の原本101について説明する。
図3に示す原本101は、小学生5年生の理科の問題用紙の例であり、未だ児童等によって解答が記入されていないものである。具体的には、教育機関で用いられるペーパーテスト、練習問題シート等が該当する。
原本101は、その問題用紙のタイトル等が記載されている識別情報欄301、解答者である児童等の学級、出席番号、名前等が記載される解答者情報欄302、採点が終了したあとに採点者である教師によってその児童等の得点が記入される点数欄303、問題文が記載されている問題記載領域304、そして、選択問題(複数の選択肢の中から1つを選択させる問題)の場合は選択肢領域305があり、文章として答えさせるための解答記載欄306がある。
なお、選択肢領域305は、例えば、理科の問題のようにカラー写真305Aを選択させるものがあり、その選択したものを表す記号を記入する欄である選択欄305Bが選択肢である各カラー写真305Aにある。
【0050】
また、原本101の識別情報欄301は、その原本101を識別して特定するための情報、例えば原本101の科目、適用学年、タイトル等があらかじめ記載されているものとする。ただし、これらの記載に加えて、又はこれらの記載とは別に、原本101を識別するためのコード情報が埋め込まれていてもよい。コード情報の埋め込みは、公知技術を利用して実現すればよいが、その一つの具体例として、例えば「iTone(登録商標)」と呼ばれるもののように、階調表現としての万線スクリーン又はドットスクリーンを構成する画素の形態(位置、形状等)を変化させることで、ハーフトーン画像の中にデジタル情報を埋め込むようにする、といった技術を用いることもできる。
【0051】
図4に示すフローチャート、図5に示す具体例を用いて、判定記号認識モジュール107が行う欠損線分補間処理の一例を説明する。
正誤Check済答案102には、図3を用いて説明した原本101の他に、児童等が記入した解答、教師が記入した判定記号が追記されている。これらの追記は手書きである。
教師が記入する判定記号は手書きであるため、例えば図5に示すように、正解を示す判定記号(○)501も端点503、端点504のように離れている場合があり、このような形状を一般的には「○」と認識できない。そこで、図4に示すフローチャートのような欠損線分補間処理を行う。
【0052】
ステップS402では、判定記号認識モジュール107は、赤ペンの画像を細線化する。この細線化処理は既存の方法を用いる。例えば、注目画素である赤ペンの画素を狭めていき、それを4方向から均等に1画素になるまで続けるようにすればよい。
ステップS404では、細線化処理された画像(判定記号の画像)に対して端点処理を行う。例えば、図5に示すように、判定記号(○)501の端点503、端点504を抽出する。この端点処理は既存の方法を用いる。例えば、1画素になった細線化画像にそって進み、戻る以外には接続している画素がない点を端点とするようにすればよい。
ステップS406では、ステップS404で抽出された全ての端点に対して、接続処理が終了したか否かを判断する。終了している場合(ステップS406でY)は、終了する(ステップS420)。終了していない場合(ステップS406でN)は、ステップS408へ進む。
ステップS408では、未だ欠損線分補間処理が終了していない端点(未処理端点1)を1つ選択する。
【0053】
ステップS410では、ステップS408で選択した未処理端点1の近傍にある端点(未処理端点2)を1つ選択する。この場合、未処理端点1と最も距離の近い端点を選択するが、その他の手法、例えば、未処理端点1につながっている線分の延長上にある端点を選択する等であってもよい。
ステップS412では、ステップS408で選択した未処理端点1とステップS410で選択した未処理端点2は、対応する端点であるか否かを判断する。対応する端点である場合(ステップS412で有)は、ステップS414へ進む。対応する端点ではない場合(ステップS412で無)は、ステップS418へ進む。なお、対応する端点であるか否かは、例えば、その端点間の距離が閾値以内か否かで判断する。
ステップS414では、ステップS408で選択した未処理端点1とステップS410で選択した未処理端点2とを互いに接続する。
ステップS416では、未処理端点1と未処理端点2とを処理済みとする。ステップS406へ戻る。
ステップS418では、未処理端点1を処理済みとする。ステップS406へ戻る。
【0054】
この欠損線分補間処理により、例えば、図5に示す図形が抽出された場合には、端点503に対して、所定距離内に端点504、端点505が存在していても、その中で最も近傍の端点504が端点503と接続されることとなり、「○」の図形における途切れ部分が補正されることになる。
【0055】
図6に示すフローチャートを用いて、本実施の形態による全体の処理例について説明する。なお、フローチャート内の細い実線は原本101の用紙又は画像データの流れを示し、太い実線は正誤Check済答案102の用紙又は画像データの流れを示し、二重線は処理画像データの流れを示し、点線はデータの流れを示す。
【0056】
ステップS601では、画像入力モジュール103が原本101又は正誤Check済答案102の画像データを入力する。次に、原本101の画像データをステップS602、ステップS604の処理に渡し、正誤Check済答案102の画像データをステップS604の処理へ渡す。
ステップS602では、原本画像取得モジュール104が正誤Check済答案102の画像データと対応する原本101の画像データを特定する。なお、ここで、操作者の操作に応じて、原本101の画像データから識別情報欄301、解答者情報欄302、点数欄303、問題記載領域304、選択肢領域305、解答記載欄306の位置を指定する。さらに、各問題の配点(得点)もここで指定する。また、操作者の操作によらずに、原本101の画像データを解析することによって、識別情報欄301等の位置を抽出するようにしてもよい。画像データの解析としては、レイアウト解析、文字図形分離、文字認識、コード情報認識、図形処理、色成分認識等がある。次に、原本101の画像データ、処理結果(解答者情報欄302の位置、選択肢領域305の選択欄305Bの位置、各問題の配点等)をステップS603に渡す。
ステップS603では、ステップS601で入力された原本101の画像データ及びステップS602の処理結果を記憶する。次に、原本101の画像データをステップS604に渡し、ステップS602の処理結果の配点と解答位置情報をステップS610に渡し、出席番号の位置情報(解答者情報欄302の位置情報)をステップS611に渡す。
【0057】
ステップS604からステップS609までの処理は、判定記号抽出モジュール106、判定記号認識モジュール107、判定記号位置算出モジュール108によって行われるものである。
ステップS604では、原本101の画像データ及び正誤Check済答案102の画像データに対して、位置歪みの補正を行う。画像歪みの補正としては、傾き補正や主走査方向又は副走査方向の拡大・縮小補正等が挙げられる。画像歪みの補正は、ステップS605の差分をできるだけ少なくするもの、つまり児童等の解答の記入及び教師の判定記号のみを抽出できるようにするものである。次に、原本101の画像データはステップS605へ渡し、正誤Check済答案102の画像データはステップS605、ステップS613へ渡す。
ステップS605では、ステップS604での画像歪みの補正処理後の原本101と正誤Check済答案102とを比較して、それぞれの間の差分を抽出するものである。つまり、ここでは、問題記載領域304等の問題文は削除されて、児童等の解答の記入及び教師の判定記号のみが残った画像データが生成される。次に、その差分画像データをステップS606、ステップS611へ渡す。
ステップS606では、所定色(つまり、赤ペンの赤色)の画素を抽出する。つまり、ここでは、教師の判定記号のみが残った画像データが生成される。次に、その処理画像をステップS607へ渡す。
【0058】
ステップS607では、教師の判定記号のみが残った画像データに対して、欠損線分の補間処理を行う。つまり、図4、図5を用いて説明した処理を行う。次に、その処理結果の画像データをステップS608へ渡す。
ステップS608では、ステップS607とは逆に接触した判定記号を分離する。例えば、解答欄同士が近いため、教師が記入した判定記号が接触している場合が生じ得るので、これを分離する。この処理は、2本の線分がある箇所を特定し、分離した場合に、より判定記号に近い画像になるように分離するように行うが、これに限らず既存の技術を用いてもよい。次に、その処理画像をステップS609へ渡す。
ステップS609では、判定記号の形状認識を行って、その正誤判定の記入内容を認識するものである。形状認識は、例えば「○」、「△」又は「×」の図形形状とのパターンマッチングによって行えばよい。すなわち、判定記号認識モジュール107が、判定記号の記入内容を「正解(○)」、「中間(△)」又は「不正解(×)」として認識するものである。あるいは、認識対象図形である判定記号の特徴量を算出し、その特徴量から形状を認識してもよい。特徴量としては、例えば、穴の個数、外接矩形に占める対象図形の面積率、などが挙げられる。また、判定記号位置算出モジュール108は、判定記号認識モジュール107によって形状が認識された判定記号について、その正誤Check済答案102上における記入位置を認識するものである。記入位置の認識は、例えば正誤Check済答案102上における座標解析によって行えばよい。次に、判定記号の位置、形状の認識結果をステップS610へ渡す。
【0059】
ステップS610では、得点算出モジュール109が、ステップS603による処理結果である配点と解答位置情報、ステップS609による処理結果である判定記号の位置、形状の認識結果に基づいて、その正誤Check済答案102内の問題ごとの得点(「○」及び「△」の配点の合計)を算出する。次に、その算出した得点をステップS612へ渡す。
ステップS611では、解答者特定モジュール110が、ステップS603での処理結果である出席番号の位置情報及びステップS605による処理結果である差分画像データに基づいて、解答者である児童等を特定する。つまり、出席番号の位置にある差分画像データ内の画像に対する文字認識処理等を通じて、正誤Check済答案102における解答者情報を抽出する。これにより、ある一つの正誤Check済答案102に解答を記入した解答記入者の学級、出席番号、氏名等を特定することが可能となる。次に、その処理結果である解答者情報をステップS612へ渡す。
ステップS612では、正誤Check済答案102に記入された判定記号の採点集計を行う。そして、その学級における正誤Check済答案102全てについて、解答者と得点を関係付ける。次に、その集計結果をステップS614へ渡す。
【0060】
ステップS613では、答案画像DB113が、ステップS604で位置歪みの補正が行われた正誤Check済答案102の画像データを記憶する。そして、ステップS614で記憶したデータベースと関連づける。
ステップS614では、生徒・成績情報DB114が、ステップS612での処理結果である集計結果をステップS613で記憶された正誤Check済答案102の画像データと関連づけて記憶する。
ステップS615では、得点結果確認・修正モジュール112が、ステップS614で正誤Check済答案102の画像データと関連づけて記憶されている採点結果を、操作者に対して表示し、操作者に確認させ、操作者の修正指示に応じて修正を行う。
ステップS616では、最終的な得点等を管理し、その学級における平均点等を算出し、その後の成績管理を行う。
【0061】
また、ステップS606では、所定色として黒の画素を抽出するようにしてもよい。つまり、児童等の解答のみが残った画像データが生成されるようにしてもよい。
その場合、ステップS610では、判定記号位置算出モジュール108によって算出された解答の位置に基づいて、得点を算出するようにしてもよい。
【0062】
図7を用いて、本実施の形態のより詳細な構成例を説明する。図7で示すモジュール構成は、図1で示した判定記号抽出モジュール106、判定記号認識モジュール107、判定記号位置算出モジュール108、得点算出モジュール109をより詳細にしたもの、又は以下に説明する機能を実施するモジュールよりなっている。
位置歪み補正モジュール701は、図6で説明したステップS604の処理を行うモジュールである。
差分抽出モジュール702は、図6で説明したステップS605の処理を行うモジュールである。
所定色画素抽出モジュール703は、図6で説明したステップS606の処理を行うモジュールである。
欠損線分補間モジュール704は、図6で説明したステップS607の処理を行うモジュールである。
エラー処理モジュール705は、選択問題に対しての採点処理、特に選択問題に特有な例外処理を行うモジュールであり、主に、判定方法決定モジュール708、選択問題正誤判定モジュール709と連携して処理を行う。詳細については、以下に説明する。
追記位置取得モジュール706は、判定記号位置算出モジュール108と同等であり、図6で説明したステップS609の位置取得処理を行うモジュールである。
追記対応設問特定モジュール707は、図6で説明したステップS603の処理を行うモジュールである。
判定方法決定モジュール708は、選択問題か否かに応じて、判定方法を変更するモジュールである。つまり、選択問題に対しての採点処理に適した判定方法を決定するものである。詳細については、以下に説明する。
選択問題正誤判定モジュール709は、選択問題に対しての採点処理に際して、その正誤の判定、つまり得点を算出するモジュールである。詳細については、以下に説明する。
形状認識モジュール710は、判定記号認識モジュール107と同等であり、図6で説明したステップS609の形状認識処理を行うモジュールである。
採点モジュール711は、図6で説明したステップS610の処理を行うモジュールである。
集計モジュール712は、図6で説明したステップS612の処理を行うモジュールである。
【0063】
図8を用いて、採点処理に必要な解答欄位置領域情報テーブル800を説明する。解答欄位置領域情報テーブル800は、答案画像・問題情報DB105に記憶されており、図6で説明したステップS603で記憶する解答位置情報に関するものである。
解答欄位置領域情報テーブル800は、設問No欄801、解答欄情報欄802、配点欄803、選択問題対応フラグ欄804、正解欄情報欄805を有しているテーブル構造である。
設問No欄801は、正誤Check済答案102の設問の番号を記憶する欄である。
解答欄情報欄802は、正誤Check済答案102内で解答欄が設けられている位置を表す座標を記憶する欄であり、左上端のX座標を記憶するX座標欄8021、Y座標を記憶するY座標欄8022、解答欄の高さを記憶する高さ欄8023、解答欄の幅を記憶する幅欄8024を有している。
配点欄803は、その設問の配点を記憶する欄である。
選択問題対応フラグ欄804は、その設問が選択問題であるか否かを示す符号を記憶する欄である。選択問題である場合は「ON」と記入され、選択問題でない場合は「OFF」と記入される。
正解欄情報欄805は、設問が選択問題であって、正解が記入される欄の位置を表す座標を記憶する欄であり、正解欄の左上端のX座標を記憶するX座標欄8051、Y座標を記憶するY座標欄8052、正解欄の高さを記憶する高さ欄8053、正解欄の幅を記憶する幅欄8054を有している。設問が選択問題ではない場合は、座標値は記憶されず、NULL(ヌル)が記入されている。
【0064】
図9を用いて、選択問題の場合の判定記号の抽出結果及びその認識結果(誤認識)の例を説明する。
選択問題は、図3に示した選択肢領域305のように、それぞれの選択肢はカラー写真305Aと選択欄305Bとからなっている。例えば、理科の問題で、「夏のかえるの状態を選びなさい」という設問で、その選択肢としてカラー写真で「活動しているかえる」、「冬眠しているかえる」等のカラー写真305Aを掲げ、その右下端に選択欄305Bを設けたものがある。
カラー写真と赤ペンによる判定記号の記入が重なってしまうと、判定記号の抽出が困難であり、結果として判定記号の認識を誤ってしまうことになる。
例えば、図9(1A)に示すように、赤ペンによる判定記号は「○」であるが、判定記号を抽出した画像は図9(1B)に示すようにいびつな図形になり、判定記号認識モジュール107による認識結果は「△」となってしまう。同様に、図9(2A)、図9(3A)、図9(4A)に示したように、赤ペンとカラー写真とが重なってしまったような場合は、判定記号の抽出が本来の丸い形状にはならずに、「△」又は「×」として認識してしまう場合が多い。
【0065】
図10に示すフローチャートを用いて、図9を用いて説明した問題を解決するための主に選択問題正誤判定モジュール709の処理例(選択問題に対する処理例)を説明する。
ステップS1001では、解答欄位置領域情報テーブル800の正解欄情報欄805に選択問題の正解欄の座標を記憶させる。そのために、図6で説明したステップS602で操作者に、選択問題の正解欄の座標(選択欄305B)を選択させて、正解欄の座標値を得るようにする。
また、ステップS1002では、解答欄位置領域情報テーブル800の選択問題対応フラグ欄804に選択問題であることを示す「ON」を記憶させる。そのために、図6で説明したステップS602で操作者による操作に応じて、選択問題を指定してもらう。
ステップS1003では、判定記号認識モジュール107は、認識の対象とする判定記号が選択問題についてのものである場合(つまり、解答欄位置領域情報テーブル800の選択問題対応フラグ欄804が「ON」である場合)であって、判定記号または解答欄の周囲の画素の特徴量が所定条件であれば(つまり、選択肢がカラー画像である場合)、形状の認識を行わないようにする。つまり、判定記号位置算出モジュール108による判定記号の位置だけを抽出する。
ここで、図14を用いて、上記特徴量を濃度とした場合、解答欄の周囲の画素の濃度の抽出処理について説明する。選択肢1401の選択欄1401Bが解答欄位置領域情報テーブル800の選択問題対応フラグ欄804、正解欄情報欄805によって正解欄として特定された場合、選択欄1401Bの周囲の一定幅の領域である調査領域1402の画素の濃度を調べる。この調査領域1402の領域内に赤ペンの濃度以上の画素が一定面積以上あれば、判定記号の付近にカラー画像があると判断する。
【0066】
ステップS1004では、得点算出モジュール109は、正解欄に記入があるか否かを判断する。正解欄に記入がある場合はステップS1005へ進み、記入が無い場合はステップS1006へ進む。つまり、得点算出モジュール109は、判定記号位置算出モジュール108によって算出された位置に基づいて判定記号の意味を判断する。
ステップS1005では、判定記号は「○」であると判断した場合であり、得点算出モジュール109は得点の算出を行う。
ステップS1006では、判定記号は「×」であると判断した場合であり、得点算出モジュール109は得点を0点とする。
【0067】
さらに、選択問題について誤った採点処理を行う場合がある。図11、図12、図13を用いて、具体的に説明する。
図11は、1つを選択する問題であるにも関わらず、児童等が複数の解答欄(選択欄1101B、選択欄1104B)に解答した場合である。教師は、その場合、それぞれの解答欄にそれぞれの判定記号を付す場合(選択欄1101Bには「×」、選択欄1104Bには「○」)がある。この場合、この選択問題では0点であるにもかかわらず、得点が付くことになってしまう。
また、図12は、選択問題について、児童等が解答しなかった例である。教師は、その場合、正解欄に「×」を記入する場合がある。この場合も、図10で示した処理を行うと得点が付くことになる。
図13は、教師が、選択問題に対して「○」の判定記号(選択欄1302B)を記入し、その近傍にある他の問題についても判定記号(「○」)を記入して、その判定記号同士が互いに接触した例である。この場合、選択問題以外の問題に対する解答の判定記号(図13では下に位置する「○」)が優先して抽出された場合は、選択問題に対しての判定記号がないと判断されてしまい、「○」であるにもかかわらず、得点が付されない場合がある。
【0068】
このような場合を処理するために、判定記号抽出モジュール106は、原本101と正誤Check済答案102に基づいて、判定記号のみならず解答をも抽出し、判定記号認識モジュール107は、認識の対象とする判定記号が選択問題についてのものである場合、例えば、該判定記号の周囲の画素の濃度が該判定記号の濃度以上であれば、形状の認識を行わず、判定記号位置算出モジュール108は、抽出された選択問題の解答の位置を算出し、得点算出モジュール109は、算出された解答の位置に基づいて、得点の算出を行う。つまり、選択問題であり、判定記号の認識が非常に困難であると予想される場合(周囲にカラー画像がある場合)は、教師が赤ペンで記入した判定記号ではなく、児童等が記入した解答の位置で正誤を判断するようにしてもよい。又は、判定記号の形状を認識することなく、その判定記号の位置によって正誤を判断するようにしてもよい。
つまり、認識対象としている判定記号が選択問題についてのものである場合、その判定記号の周囲の画素の特徴量又は選択問題の解答領域の周囲の画素の特徴量が所定条件であれば、形状の認識を行わず、児童等が記入した解答の位置又は判定記号の位置で正誤を判断する。ここでの特徴量は、濃度又は明度のことであり、所定条件とは判定記号の濃度又は明度に所定の演算(例えば、所定値を掛ける演算)を行った値以上又は以下であることである。又は、ここでの特徴量は、濃度又は明度のことであり、所定条件とは判定記号の濃度又は明度が所定の値以上又は以下であることである。又は、ここでの特徴量とは色のことであり、所定条件とは、判定記号の画素の色と判定記号又は選択問題解答領域の周囲の画素の色が近似していることである。又は、ここでの特徴量とは色のことであり、所定条件とは、所定の色に近似していることである。
【0069】
図15、図16に示すフローチャートを用いて、選択問題に対する処理の一例を説明する。図15に示すフローチャートは解答欄位置領域情報テーブル800の情報を用いる場合であり、図16に示すフローチャートは判定記号認識モジュール107を用いる場合である。
まず、図15に示す処理から説明する。
ステップS1502では、正誤Check済答案102内の判定記号又は解答の追記位置を取得する。
ステップS1504では、ステップS1502で取得した位置から、対応する設問を解答欄位置領域情報テーブル800内の解答欄情報欄802を用いて特定する。
【0070】
ステップS1506では、判定記号の判定方法について判断する。つまり、ステップS1504で特定した設問が選択問題であるか否かを判断し、選択問題でない場合はステップS1508へ進み、選択問題である場合はステップS1510へ進む。また、選択問題であるか否かだけではなく、例えば、判定記号が記入される位置の周囲に判定記号の濃度以上の領域があるか否かをさらに付け加えて判断するようにしてもよい。選択問題であって、かつ判定記号が記入される位置の周囲に判定記号の濃度以上の領域がある場合は、ステップS1510へ進むようにし、それ以外の場合はステップS1508へ進むようにしてもよい。
【0071】
ステップS1508では、判定記号認識モジュール107によって判定記号の形状を認識する。
ステップS1510では、選択問題である場合の正誤判定処理を行う。つまり、解答欄位置領域情報テーブル800の正解欄情報欄805を用いて、判定記号の位置だけで正誤を判断する。又は、解答欄位置領域情報テーブル800の正解欄情報欄805を用いて、解答の位置で正誤を判断する。
ステップS1512では、解答欄位置領域情報テーブル800の配点欄803とステップS1508又はステップS1510での処理結果を用いて、得点を決定する。
ステップS1514では、ステップS1512で決定された得点を用いて、集計等を行い、成績管理に役立てる。
【0072】
次に、図16に示す処理を説明する。
ステップS1602では、正誤Check済答案102内の判定記号又は解答の追記位置を取得する。
ステップS1604では、ステップS1602で取得した位置から、対応する設問を解答欄位置領域情報テーブル800内の解答欄情報欄802を用いて特定する。
ステップS1606では、判定記号認識モジュール107が判定記号を認識する。
ステップS1608では、ステップS1606による認識結果の信頼度を判断する。つまり、信頼度が高い場合はステップS1614へ進み、信頼度が低い場合はステップS1610へ進む。ここで、信頼度は判定記号認識モジュール107が判定記号を認識する際に、その認識結果に対する確信の度合いを表すものである。この信頼度と閾値を比較することによって、信頼度の高低を判断する。
ステップS1610では、認識結果の信頼度が低い場合であり、その判定記号が付されている問題が選択問題であるか否かを解答欄位置領域情報テーブル800の選択問題対応フラグ欄804を用いて判断する。つまり、選択問題である場合はステップS1612へ進み、選択問題でない場合はステップS1614へ進む。
ステップS1612では、選択問題である場合の正誤判定処理を行う。つまり、解答欄位置領域情報テーブル800の正解欄情報欄805を用いて、判定記号の位置だけで正誤を判断する。又は、解答欄位置領域情報テーブル800の正解欄情報欄805を用いて、解答の位置で正誤を判断する。
ステップS1614では、解答欄位置領域情報テーブル800の配点欄803とステップS1606又はステップS1612での処理結果を用いて、得点を決定する。
ステップS1616では、ステップS1614で決定された得点を用いて、集計等を行い、成績管理に役立てる。
【0073】
なお、前述の実施の形態では、正誤Check済答案102はカラー印刷の場合を主に説明したが、一色印刷であっても、○×△などの正誤の判定記号を抽出し、その判定記号から、問題ごとの解答の正誤を判定できる。
また、複数の児童等がそれぞれ解答を記入した正誤Check済答案102を連続的に画像入力して、児童等ごとの得点を計算し、記録するようにしてもよい。
【0074】
図17を参照して、本実施の形態のハードウェア構成例について説明する。図17に示す構成は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)などによって構成されるものであり、スキャナー等のデータ読み取り部1717と、プリンタなどのデータ出力部1718を備えたハード構成例を示している。
【0075】
CPU(Central Processing Unit)1701は、上述の実施の形態において説明した各種のモジュール、すなわち、図1に示した判定記号抽出モジュール106、判定記号認識モジュール107等、図7に示したエラー処理モジュール705、判定方法決定モジュール708等の各モジュールの実行シーケンスを記述したコンピュータ・プログラムに従った処理を実行する制御部である。
【0076】
ROM(Read Only Memory)1702は、CPU1701が使用するプログラムや演算パラメータ等を格納する。RAM(Random Access Memory)1703は、CPU1701の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を格納する。これらはCPUバスなどから構成されるホストバス1704により相互に接続されている。
【0077】
ホストバス1704は、ブリッジ1705を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス1706に接続されている。
【0078】
キーボード1708、マウス等のポインティングデバイス1709は、操作者により操作される入力デバイスである。ディスプレイ1710は、液晶表示装置又はCRT(Cathode Ray Tube)などから成り、各種情報をテキストやイメージ情報として表示する。
【0079】
HDD(Hard Disk Drive)1711は、ハードディスクを内蔵し、ハードディスクを駆動し、CPU1701によって実行するプログラムや情報を記録又は再生させる。ハードディスクは、原本101、正誤Check済答案102、解答欄位置領域情報テーブル800などが格納される。さらに、その他の各種のデータ処理プログラム等、各種コンピュータ・プログラムが格納される。
【0080】
ドライブ1712は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体1713に記録されているデータ又はプログラムを読み出して、そのデータ又はプログラムを、インタフェース1707、外部バス1706、ブリッジ1705、及びホストバス1704を介して接続されているRAM1703に供給する。リムーバブル記録媒体1713も、ハードディスクと同様のデータ記録領域として利用可能である。
【0081】
接続ポート1714は、外部接続機器1715を接続するポートであり、USB、IEEE1394等の接続部を持つ。接続ポート1714は、インタフェース1707、及び外部バス1706、ブリッジ1705、ホストバス1704等を介してCPU1701等に接続されている。通信部1716は、ネットワークに接続され、外部とのデータ通信処理を実行する。データ読み取り部1717は、例えばスキャナーであり、ドキュメントの読み取り処理を実行する。データ出力部1718は、例えばプリンタであり、ドキュメントデータの出力処理を実行する。
【0082】
なお、図17に示すのハードウェア構成は、1つの構成例を示すものであり、本実施の形態は、図17に示す構成に限らず、本実施の形態において説明したモジュールを実行可能な構成であればよい。例えば、一部のモジュールを専用のハードウェア(例えば特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)等)で構成してもよく、一部のモジュールは外部のシステム内にあり通信回線で接続しているような形態でもよく、さらに図17に示すシステムが複数互いに通信回線によって接続されていて互いに協調動作するようにしてもよい。また、複写機、ファックス、スキャナー、プリンタ、複合機などに組み込まれていてもよい。
【0083】
なお、説明したプログラムについては、記録媒体に格納して提供してもよく、また、そのプログラムを通信手段によって提供してもよい。その場合、例えば、上記説明したプログラムについて、「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」の発明として捉えてもよい。
「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、プログラムのインストール、実行、プログラムの流通などのために用いられる、プログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体をいう。
なお、記録媒体としては、例えば、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)であって、DVDフォーラムで策定された規格である「DVD−R、DVD−RW、DVD−RAM等」、DVD+RWで策定された規格である「DVD+R、DVD+RW等」、コンパクトディスク(CD)であって、読出し専用メモリ(CD−ROM)、CDレコーダブル(CD−R)、CDリライタブル(CD−RW)等、光磁気ディスク(MO)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ、ハードディスク、読出し専用メモリ(ROM)、電気的消去及び書換可能な読出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュ・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)等が含まれる。
そして、上記のプログラム又はその一部は、上記記録媒体に記録して保存や流通等させてもよい。また、通信によって、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、インターネット、イントラネット、エクストラネット等に用いられる有線ネットワーク、あるいは無線通信ネットワーク、さらにはこれらの組合せ等の伝送媒体を用いて伝送させてもよく、また、搬送波に乗せて搬送させてもよい。
さらに、上記のプログラムは、他のプログラムの一部分であってもよく、あるいは別個のプログラムと共に記録媒体に記録されていてもよい。また、複数の記録媒体に分割して
記録されていてもよい。また、圧縮や暗号化など、復元可能であればどのような態様で記録されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図である。
【図2】本実施の形態を実現する場合のシステム全体の構成例を示す説明図である。
【図3】問題用紙の一具体例を示す説明図である。
【図4】欠損線分補間処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】欠損線分補間処理の具体例を示す説明図である。
【図6】本実施の形態による処理例についての概念的なフローチャートである。
【図7】本実施の形態のより詳細な構成例についてのモジュール構成図である。
【図8】解答欄位置領域情報のデータ構造例を示す説明図である。
【図9】判定記号の抽出結果の例を示す説明図である。
【図10】選択問題に対する処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】選択問題に対して判定記号を記入した例を示す説明図である。
【図12】選択問題に対して判定記号を記入した例を示す説明図である。
【図13】選択問題に対して判定記号を記入した例を示す説明図である。
【図14】選択問題の選択欄の周囲領域の例を示す説明図である。
【図15】選択問題に対する処理の一例を示すフローチャートである。
【図16】選択問題に対する処理の一例を示すフローチャートである。
【図17】本実施の形態を実現するコンピュータのハードウェア構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0085】
101…原本
102…正誤Check済答案
103…画像入力モジュール
104…原本画像取得モジュール
105…答案画像・問題情報DB
106…判定記号抽出モジュール
107…判定記号認識モジュール
108…判定記号位置算出モジュール
109…得点算出モジュール
110…解答者特定モジュール
111…得点情報格納モジュール
112…得点結果確認・修正モジュール
113…答案画像DB
114…生徒・成績情報DB
201…スキャナー
202…採点サーバー
203…クライアント
204…採点結果等格納サーバー
205…ネットワーク(通信路)
701…位置歪み補正モジュール
702…差分抽出モジュール
703…所定色画素抽出モジュール
704…欠損線分補間モジュール
705…エラー処理モジュール
706…追記位置取得モジュール
707…追記対応設問特定モジュール
708…判定方法決定モジュール
709…選択問題正誤判定モジュール
710…形状認識モジュール
711…採点モジュール
712…集計モジュール
800…解答欄位置領域情報テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
あらかじめ問題が印刷された問題用紙に解答者が問題ごとに解答を記入し、採点者が問題ごとの解答に正誤に関する判定記号を記入した該問題用紙の画像を受け付ける画像受付手段と、
前記画像受付手段によって受け付けられた問題用紙の画像に対応して、記入のなされていない原本画像を受け付ける原本画像受付手段と、
前記画像受付手段によって受け付けられた画像と前記原本画像受付手段によって受け付けられた原本画像に基づいて、前記判定記号を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された判定記号の形状を認識する形状認識手段と、
前記抽出手段によって抽出された判定記号の位置を算出する位置算出手段と、
前記形状認識手段によって認識された形状及び前記位置算出手段によって算出された位置に基づいて、得点の算出を行う得点算出手段と、
前記画像受付手段によって受け付けられた画像における解答者を特定する解答者特定手段と、
前記解答者特定手段によって特定された解答者と前記得点算出手段によって算出された得点を関連づけて記憶する解答者情報記憶手段
を具備することを特徴とする採点システム。
【請求項2】
前記画像受付手段によって受け付けた画像を、前記解答者特定手段によって特定された解答者と関連づけて記憶する画像記憶手段
をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の採点システム。
【請求項3】
前記画像記憶手段に記憶されている画像を表示し、該画像に関連する前記解答者情報記憶手段に記憶されている得点を操作者の操作に応じて、修正する修正手段
を具備することを特徴とする請求項2に記載の採点システム。
【請求項4】
採点者を特定する採点者特定手段と、
前記形状認識手段は、採点者ごとに記入する判定記号に応じて、判定記号の形状を認識する
ことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の採点システム。
【請求項5】
前記問題用紙が複数枚又は両面印刷である場合、前記画像記憶手段は、該複数又は両面の問題用紙の画像を関連づけて記憶する
ことを特徴とする請求項2に記載の採点システム。
【請求項6】
前記解答者情報記憶手段は、前記得点算出手段によって、算出された問題ごとの得点を記憶する
ことを特徴とする請求項1に記載の採点システム。
【請求項7】
前記形状認識手段は、認識の対象とする判定記号が選択問題についてのものである場合、該判定記号の周囲の画素の特徴量又は選択問題解答領域の周囲の画素の特徴量が所定条件であれば、形状の認識を行わず、
前記得点算出手段は、前記位置算出手段によって算出された位置に基づいて、得点の算出を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の採点システム。
【請求項8】
前記抽出手段は、前記画像受付手段によって受け付けられた画像と前記原本画像受付手段によって受け付けられた原本画像に基づいて、前記解答を抽出し、
前記形状認識手段は、認識の対象とする判定記号が選択問題についてのものである場合、該判定記号の周囲の画素の特徴量又は選択問題解答領域の周囲の画素の特徴量が所定の条件であれば、形状の認識を行わず、
前記位置算出手段は、前記抽出手段によって抽出された解答の位置を算出し、
前記得点算出手段は、前記位置算出手段によって算出された位置に基づいて、得点の算出を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の採点システム。
【請求項9】
前記特徴量とは濃度又は明度のことであり、前記所定条件とは前記判定記号の濃度又は明度に所定の演算を行った値以上又は以下である
ことを特徴とする請求項7又は8に記載の採点システム。
【請求項10】
前記特徴量とは濃度又は明度のことであり、前記所定条件とは所定の濃度又は明度以上又は以下である
ことを特徴とする請求項7又は8に記載の採点システム。
【請求項11】
前記特徴量とは色のことであり、前記所定条件とは、前記判定記号の画素の色と前記判定記号又は選択問題解答領域の周囲の画素の色が近似していることである
ことを特徴とする請求項7又は8に記載の採点システム。
【請求項12】
前記特徴量とは色のことであり、前記所定条件とは、所定の色に近似していることである
ことを特徴とする請求項7又は8に記載の採点システム。
【請求項13】
コンピュータを、
あらかじめ問題が印刷された問題用紙に解答者が問題ごとに解答を記入し、採点者が問題ごとの解答に正誤に関する判定記号を記入した該問題用紙の画像を受け付ける画像受付手段と、
前記画像受付手段によって受け付けられた問題用紙の画像に対応して、記入のなされていない原本画像を受け付ける原本画像受付手段と、
前記画像受付手段によって受け付けられた画像と前記原本画像受付手段によって受け付けられた原本画像に基づいて、前記判定記号を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された判定記号の形状を認識する形状認識手段と、
前記抽出手段によって抽出された判定記号の位置を算出する位置算出手段と、
前記形状認識手段によって認識された形状及び前記位置算出手段によって算出された位置に基づいて、得点の算出を行う得点算出手段と、
前記画像受付手段によって受け付けられた画像における解答者を特定する解答者特定手段と、
前記解答者特定手段によって特定された解答者及び前記得点算出手段によって算出された得点を関連づけて記憶する解答者情報記憶手段
として機能させることを特徴とする採点プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2008−309961(P2008−309961A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−156661(P2007−156661)
【出願日】平成19年6月13日(2007.6.13)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【出願人】(391011939)株式会社日本標準 (5)
【Fターム(参考)】