説明

採血昇降椅子

【課題】採血した際に血が逆流しないように容易かつ確実にアームダウンすることができる採血昇降椅子を提供する。
【解決手段】座部1と、背部2と、アームレスト3と、座部1を上下動させる脚部4とを、有する採血昇降椅子に於て、アームレスト3の上面7が、側面視上方凸状の円弧山型に形成される。上面7の前半部8が前方下傾状になるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、採血昇降椅子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、採血又は点滴等の処置を腕に施術する際に、専用の椅子に座って適切な姿勢をとることができるようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかし、従来の椅子では、アームレストが水平状態であって、採血を行なった場合、血が逆流する虞れがあった。すなわち、図10に示すように、採血針nを被採血者の腕eへ差し込んだ部分よりも採血器具(注射器)kが上方となり、一旦採血器具k内に採血した血が血管内へ逆流する虞れがあった。
【特許文献1】特開2007−125117号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決しようとする課題は、アームダウン状態とする(腕を下げる)ことができず、採血した際に血が逆流する虞れがある点である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、本発明に係る採血昇降椅子は、座部と、背部と、アームレストと、上記座部を上下動させる脚部とを、有する採血昇降椅子に於て、上記アームレストの上面が、側面視上方凸状の円弧山型に形成され、かつ、該上面の前半部が前方下傾状になるように構成されているものである。
また、上記アームレストの前端に左右幅寸法が他の部分よりも大きい幅広部を設けたものである。
また、上記アームレストの下傾角度を複数段階に切換え可能とするラチェット機構を備えたものである。
【0006】
また、上記アームレストの前端を上方とした跳上げ状態へ、該アームレストを揺動可能に構成したものである。
また、上記座部の下面から上記アームレストの上面の最高点までの高さ寸法を調整可能に構成したものである。
また、上記背部の後傾角度を調整可能に構成すると共に、上記アームレストの下傾角度を最小とした状態で、かつ、上記アームレストの高さを中間高さとした状態で、上記アームレストの後端が、上記背部の後傾角度の大小にかかわらず常に上記背部の前面よりも後方に在るように構成したものである。
また、上記座部を、鉛直軸心廻りに回転可能として上記脚部の上端に取着したものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の採血昇降椅子によれば、採血を行なった場合に、被採血者の血の逆流を防止しつつ常に楽な姿勢で安全に腰掛けたりすることができ、従って、採血者が常に安全で人間工学的に良好な採血姿勢を得ることができる。すなわち、採血した際に血が逆流しないように容易かつ確実にアームダウン状態とすることができる。特に、身体全体の姿勢を、被採血者の体格・好み等に応じて適切にかつ総合的に調節しつつ、常に(どの使用状態に於ても)アームダウン状態とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1・図2は、本発明の第1の実施の形態を示す。この採血昇降椅子に患者(被採血者)が座った状態で、医師、看護師等が、患者の腕E(図9参照)、手の甲等から採血を行なう。採血する部位、被採血者の体格・好み等に応じて、採血昇降椅子の各部位が調節可能に構成されている。
【0009】
採血昇降椅子は、座部1と、背部2と、アームレスト3と、座部1を上下動させる脚部4と、フットレスト5を、有する。アームレスト3が、アーム支持脚6を介して座部1に取着されている。アーム支持脚6が、座部1に固着されている。
【0010】
図3に示すように、アームレスト3の上面7が、側面視上方凸状の円弧山型に形成され、かつ、上面7の前半部8が前方下傾状になるように構成されている。「円弧山型」とは、完全な円弧のみならず、全体的になだらかな曲線状に変化する形状一般をいう。例えば、「円弧山型」は、流線形状を含む。「前半部8が前方下傾状」とは、(アームレスト3の左右方向中心での断面に於ける)上面7の前後方向の中心点9と前端点10とを結ぶ仮想線Aが前方下傾していることをいう。
【0011】
図1・図2・図8に示すように、アームレスト3の前端11に左右幅寸法Wが他の部分(すなわちアームレスト3のうち前端11以外の部分)よりも大きい幅広部12が設けられている。
【0012】
図4・図5に示すように、アームレスト3の下傾角度αを複数段階に切換え可能とするラチェット機構(ラチェット)Rを備えている。さらに、図6に示すように、アームレスト3の前端11を上方とした跳上げ状態へ、アームレスト3を揺動可能に構成されている。
【0013】
具体的には、歯部14を有するとともに軸心L1 廻りに回転自在なラチェット本体15と、ラチェット本体15の歯部14と噛合自在であるとともにラチェット本体15の回転を一方向のみへ許す(可能とする)爪部16を有する係止片(係止爪)17とを、備えている。係止片17は、回転中心L2 廻りに回転自在に構成されている。
【0014】
係止片17は、爪部16が形成された噛合用突片17aと、バネ18の一端18aが止着されたバネ止着用突片17bと、回転阻止用凸部19に当接して係止片17が所定状態よりも回転中心L2 廻りに図5の時計廻り方向へ回転するのを阻止するストッパ用突片17cと、から成る。すなわち、係止片17は、噛合用突片17aと、バネ止着用突片17bと、ストッパ用突片17cのY字型(三叉状)に形成されている。バネ18の他端18bは、ラチェット本体15の軸心L1 廻りに回転自在な引掛片52に取着されている。回転阻止用凸部(ストッパー)19はアーム支持脚6の所定位置に外方突出状に配設されている。
【0015】
ラチェット本体15は、歯部14と爪部16の噛合を解除する(すなわちラチェットRを解除する)突隆部20を有する。さらに、ラチェット本体15は、解除されたラチェットRを再び噛合わせるもどし片21を有する。もどし片21は、ラチェットRが解除された係止片17の爪部16を再び歯部14に噛合わせる誘導凹曲面22を有する。
【0016】
図4〜図7に於て、ラチェット機構Rの作用について説明する。図4は、ラチェットRの切換えによるアームレスト3の下傾角度αが最小の状態を示す。ラチェットRを切換えることにより、図4の2点鎖線に示すように、アームレスト3の下傾角度αを複数段階に切換えることができる。すなわち、下傾角度αが最大の状態から順に、4段階に上方へ(図4の矢印X方向へ)下傾角度αを切換えることができる。言い換えると、アームレスト3は、下傾角度αが異なる複数(4つ)の使用状態(歯部14と爪部16が噛合っている状態)に切換自在である。下傾角度αを最小とした標準状態(図4の実線にて示す状態)に於て、上面7の前半部8が前方下傾状になるように構成されている。
【0017】
アームレスト3の上記標準状態よりさらにアームレスト3の前端11を上方へ持上げると、係止片17がラチェット本体15の突隆部20に案内されて、図4の標準状態よりも回転中心L2 廻りに反時計廻り方向へ回転する。そして、ラチェットRが解除される(歯部14と爪部16が離脱する)。さらにアームレスト3の前端11を上方へ持上げると、図6に示すように、アームレスト3を跳上げ状態とすることができる。なお、係止片17がラチェット本体15の突隆部20に案内される際、バネ18がデットポイントを超える。すなわち、標準状態に於て回転中心L2 より上側に配設されて係止片17に時計廻り方向への回転モーメントを付与していたバネ18が、回転中心L2 より下側に配設されて係止片17に反時計廻り方向への回転モーメントを付与するように切換わる。
【0018】
アームレスト3を跳上げ状態から使用状態へ戻すには、アームレスト3の前端11を下方へ(摩擦抵抗に抗して)下ろすと、図7の2点鎖線にて示すように、係止片17の噛合用突片17aがラチェット本体15のもどし片21の誘導凹曲面22に接触しかつ誘導されて、係止片17の爪部16が再びラチェット本体15の歯部14に噛み合う。言い換えると、アームレスト3の前端11を下方へ下ろすと、もどし片21が係止片17を復元する。このとき、アームレスト3の下傾角度αが最大となる。
【0019】
図1〜図4、及び、図6・図7に示すように、座部1の下面13からアームレスト3の上面7の最高点Tまでの高さ寸法Hが調整可能に構成されている。具体的には、アーム支持脚6が、下端23が座部1に取着されたガイド角筒(外筒体)24と、外筒体24の内部を外筒体24の長手方向にスライド自在に配設されるとともに上端25にアームレスト3が取着された内被ガイド筒体(内筒体)26と、を備える。
【0020】
外筒体24に、アームレスト3を所定の高さ寸法に位置決めするための複数の位置決め孔27と、(内筒体26の)スライド方向の長孔(スリット)28が、形成されている。内筒体26側に、ナット筒部29と、ノッチボール30が配設されている。ノッチボール30が位置決め孔27に嵌合することにより、外筒体24に対する内筒体26の位置が確定する。内筒体26の位置が確定した後、外筒体24の長孔28にボルト部材31を挿通するとともに、ナット筒部29とボルト部材31を螺合させて内筒体26を外筒体24に固定する。
【0021】
図3に示すように、背部2の後傾角度θを調整可能に構成する。すなわち、背部2を水平方向の背部揺動軸心L3 廻りに揺動可能に枢着する。背部2の後面32側に、背部2の後傾角度θに応じて伸縮するガススプリング33が配設されている。ガススプリング33の上端34が、背部2の上部35と枢着されている。ガススプリング33の下端36が、(ガススプリング33の伸縮方向の)延長部材37の上端38に固着されている。延長部材37の下端39が、座部1に枢着されている。このように延長部材37を付設することで、必要なガススプリング33の全長を短くすることができる。
【0022】
後傾角度θが、例えば、5°≦θ≦55°を満たす範囲で調整可能に設定される。後傾角度θがこの範囲にある場合、被採血者の腕E(図9参照)の角度を最適な角度に調整することができる。また、被採血者の座り心地が良い。言い換えると、後傾角度θが上記範囲にない場合、被採血者の腕Eの角度を最適な角度に調整することが困難であるとともに、座り心地が悪い。すなわち、θ<5°の場合、身体を極端に折り曲げることになり、筋肉が緊張する(リラックスすることができない)。55°<θの場合、被採血者がフットレスト5に乗せた足が突っ張ってしまう。かつ、55°<θの場合、アームダウン状態が維持困難となる。
【0023】
アームレスト3の(使用状態に於ける)下傾角度αを最小とした標準状態で、かつ、アームレスト3の高さを中間高さとした状態(図3の2点鎖線にて示す状態)で、アームレスト3の後端40が、背部2の後傾角度θの大小にかかわらず常に背部2の前面41よりも後方に在るように構成されている。言い換えると、アームレスト3の上記標準状態であって、かつ、背部2の後傾角度θを最大とした(背部2の)最大後傾状態に於て、アームレスト3の後端40が背部2の前面41よりも後方に在るように構成されている。
【0024】
「アームレスト3の高さを中間高さとした状態」とは、アームレスト3の高さ寸法Hを奇数段階に切り換えることができる場合は、奇数の位置決め孔27のうち真ん中にあるものにノッチボール30が嵌合した状態をいう。アームレスト3の高さ寸法Hを偶数段階に切り換えることができる場合は、偶数の位置決め孔27の真ん中にあるふたつの位置決め孔27のうち下側のものにノッチボール30が嵌合した状態をいう。
【0025】
図2・図8に示すように、座部1が、鉛直軸心L4 廻りに図8の矢印Yに示すように回転可能として脚部4の上端42に取着されている。例えば、右へ90°回転させた右回転状態、正面設置状態(図1〜図3及び図8に示した状態)、左へ90°回転させた左回転状態の3つの状態に切換え可能に構成されている。
【0026】
なお、図1〜図3に示すように、座部1の上下動は、(モータとネジ式の)往復動アクチュエータ43によって行なう。脚部4が、昇降ガイド機構Gを有する。すなわち、脚部4が、外筒脚体44と、外筒脚体44の内部に上下スライド自在な脚部本体45と、外筒脚体44と脚部本体45の間隙46に配設されて脚部本体45の上下スライドを可能とする転動自在な複数のガイドローラ47を、備える。
【0027】
上述の各調節機構のスイッチは、例えば、次のように配設されている。すなわち、左側のアームレスト3の前端11に配設された上下動レバー48を上下動させることにより、座部1の上下動を電動で行なう(すなわち往復動アクチュエータ43を駆動する)ことができるように構成されている。右側のアームレスト3の前端11に配設された座部回転ロック解除レバー49を上へ引上げることにより、座部1の回転に対するロックが解除されて、座部1を回転させることができるように構成されている。図1・図2に示すように背部2に取着された左右一対の(連動杆50にて相互に連結された)背部揺動ロック解除レバー51のうち一方を図2の矢印Z方向へ揺動させることにより、背部2の揺動に対するロックが解除されて、背部2を揺動させて後傾角度θを調節することができるように構成されている。
【0028】
上述のように、本発明の採血昇降椅子を、座部1の昇降、背部2のリクライニング、アームレスト3の昇降等により、被採血者の体格に対応させることができる。
なお、本発明は、設計変更可能であって、例えば、アームレスト3の下傾角度αを2段階、3段階、又は、5段階以上に、切換え可能とするも良い。また、アームレスト3を電動で上下動させるアームレスト用往復動アクチュエータを備えるも良い。また、座部1を5つの回転角度方向に切換え可能に構成するも良い。
【0029】
以上のように、本発明は、座部1と、背部2と、アームレスト3と、座部1を上下動させる脚部4とを、有する採血昇降椅子に於て、アームレスト3の上面7が、側面視上方凸状の円弧山型に形成され、かつ、上面7の前半部8が前方下傾状になるように構成されているので、被採血者が背部2に背中をもたれた状態で、被採血者の採血しようとする腕Eがアームレスト3の形状に合わせ支持できるようになりアームダウン状態を容易に確保できるようになり、かつ、図9に示すように、採血針Nを被採血者の腕Eへ差し込んだ部分よりも採血器具Kが下方となるようにしつつ採血することができ逆流を防止できる。容易かつ確実にアームダウン状態で腕Eを支持することができる。そして、採血した際の血の逆流を防止することができる。すなわち、採血した血液が逆流することを確実に防止することができる。すなわち、安全かつ容易に採血を行なうことができる。特に、上面7が円弧山型なので、腕Eを乗せる位置をずらすことで、被採血者の体格に応じて腕Eを安定させやすい角度・姿勢にある程度自由にアームダウンすることができる。座部1が上下動可能なので、採血者が採血を行なう場合に、負荷がかかる無理な体勢にならないように、採血者の体格に合わせて座部を昇降させることができる。
【0030】
また、アームレスト3の前端11に左右幅寸法Wが他の部分よりも大きい幅広部12を設けたので、被採血者が、様々な採血位置(例えば腕Eの裏や手の甲等)に対応して腕Eの姿勢をとるが、どのような腕Eの姿勢をとる場合にも、腕Eを容易に安定してアームレスト3の上に置くことができる。そして、採血者が、容易に採血することができる。さらに、幅広部12以外の部分は、左右幅寸法Wが小さいので、検査器具や治療器具等を載置するためのトレイをアームレスト3の横側に適切に(アームレスト3との干渉を避けるとともに全体としての左右幅寸法を小さくしつつ)配設することができて至便である。
【0031】
また、アームレスト3の下傾角度αを複数段階に切換え可能とするラチェット機構Rを備えたので、被採血者の体格に合わせ、心臓位置より腕Eが高くならないアームダウン状態にさせ、血の逆流を防ぐことおよび肘を直線状にさせアームダウン状態において採血針Nを差し込んだ部分から、採血器具Kを下方に配設することができる。すなわち、必要に応じてアームレスト3の下傾角度αを調節して、被採血者の腕Eの角度を適切な角度に調整して、適切かつ確実にアームダウン状態とすることができる。特に、下傾角度αを最小とした標準状態(図4の状態)に於ても、上面7の前半部8が前方下傾状になるように構成されているので、どの使用状態に於ても、常に、アームダウンすることができる。
【0032】
また、アームレスト3の前端11を上方とした跳上げ状態へ、アームレスト3を揺動可能に構成したので、緊急時にアームレスト3を跳上げ状態として、被採血者を採血昇降椅子から容易に降ろすことができる。
【0033】
また、座部1の下面13からアームレスト3の上面7の最高点Tまでの高さ寸法Hを調整可能に構成したので、アームレスト3の高さ寸法Hを被採血者の体格に対応させて、腕Eの高さを適切な高さにすることができる。すなわち、適切かつ確実にアームダウン状態とすることができる。
【0034】
また、背部2の後傾角度θを調整可能に構成すると共に、アームレスト3の下傾角度αを最小とした状態で、かつ、アームレスト3の高さを中間高さとした状態で、アームレスト3の後端40が、背部2の後傾角度θの大小にかかわらず常に背部2の前面41よりも後方に在るように構成したので、被採血者の容態に応じて、楽なポジションを取ることができるとともに、被採血者の肘を直線状にし、安全な採血を行なうことができる。すなわち、被採血者の腕Eの角度及び腰の角度を最適な角度に調整することができる。そして、被採血者がリラックスしてアームダウン姿勢をとることができる。また、背部2を大きく後傾して、貧血などの緊急時に安静にすることができる。さらに、側面から見てアームレスト3と背部2の間に隙間が生じない(連続状となる)ので、アームレスト3と背部2の間に衣服等が挟まれることを防止することができる。
【0035】
また、座部1を、鉛直軸心L4 廻りに回転可能として脚部4の上端42に取着したので、被採血者の採血昇降椅子への乗り降りを容易にすることができる。つまり、被採血者が、採血昇降椅子の設置レイアウトおよびスペースによって、採血昇降椅子を回り込まなくても着座することができる。すなわち、採血昇降椅子への乗り降りに便利である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施の一形態を示す斜視図である。
【図2】一部断面正面図である。
【図3】一部断面側面図である。
【図4】要部拡大図である。
【図5】ラチェットを示す要部拡大図である。
【図6】アームレストの跳上げ状態を示す要部拡大図である。
【図7】要部拡大図である。
【図8】平面図である。
【図9】アームダウン状態で採血する状態を示す説明図である。
【図10】腕を水平状にした状態で採血する状態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0037】
1 座部
2 背部
3 アームレスト
4 脚部
7 上面
8 前半部
11 前端
12 幅広部
13 下面
40 後端
41 前面
42 上端
H 高さ寸法
4 鉛直軸心
R ラチェット機構(ラチェット)
T 最高点
W 左右幅寸法
α 下傾角度
θ 後傾角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
座部(1)と、背部(2)と、アームレスト(3)と、上記座部(1)を上下動させる脚部(4)とを、有する採血昇降椅子に於て、
上記アームレスト(3)の上面(7)が、側面視上方凸状の円弧山型に形成され、かつ、該上面(7)の前半部(8)が前方下傾状になるように構成されていることを特徴とする採血昇降椅子。
【請求項2】
上記アームレスト(3)の前端(11)に左右幅寸法(W)が他の部分よりも大きい幅広部(12)を設けた請求項1記載の採血昇降椅子。
【請求項3】
上記アームレスト(3)の下傾角度(α)を複数段階に切換え可能とするラチェット機構(R)を備えた請求項1又は2記載の採血昇降椅子。
【請求項4】
上記アームレスト(3)の前端(11)を上方とした跳上げ状態へ、該アームレスト(3)を揺動可能に構成した請求項1,2又は3記載の採血昇降椅子。
【請求項5】
上記座部(1)の下面(13)から上記アームレスト(3)の上面(7)の最高点(T)までの高さ寸法(H)を調整可能に構成した請求項1,2,3又は4記載の採血昇降椅子。
【請求項6】
上記背部(2)の後傾角度(θ)を調整可能に構成すると共に、上記アームレスト(3)の下傾角度(α)を最小とした状態で、かつ、上記アームレスト(3)の高さを中間高さとした状態で、上記アームレスト(3)の後端(40)が、上記背部(2)の後傾角度(θ)の大小にかかわらず常に上記背部(2)の前面(41)よりも後方に在るように構成した請求項5記載の採血昇降椅子。
【請求項7】
上記座部(1)を、鉛直軸心(L4 )廻りに回転可能として上記脚部(4)の上端(42)に取着した請求項1,2,3,4,5又は6記載の採血昇降椅子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−101080(P2009−101080A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−277943(P2007−277943)
【出願日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【出願人】(395000337)株式会社アステックコーポレーション (32)
【出願人】(000186566)小林クリエイト株式会社 (169)
【Fターム(参考)】