説明

探索システム、サーバ、移動端末

【課題】ネットワークリソースの消費を最低限に抑え、かつ、周辺に存在している探索対象をもれなく表示する探索システムを実現する。
【解決手段】移動端末の周辺に存在する探索対象について探索要求を所定周期で送信し、その探索結果を所定周期で取得し、取得したデータを端末の画面に表示する。グループ管理サーバでは、探索要求が受信された場合に、移動端末の周辺に存在する探索対象について、探索要求の次の送信タイミングまでに移動端末の予測移動範囲を勘案して探索する。この探索結果を移動端末に送信する。
【効果】移動端末が短時間で長い距離を移動しても、情報の取得が間に合わないことはなく、周辺に存在している探索対象を移動端末の画面に確実に表示できる。このため、ネットワークリソースの消費を最低限に抑えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は探索システム、サーバ、移動端末に関し、特にユーザが使用している移動端末の位置情報を基にした探索システム、および、これに用いるサーバ、移動端末に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、移動端末を用いたSNS(Social Network Service)が知られている。そのSNSの機能の1つにコミュニティ機能がある。これは、同じ嗜好を持っているユーザが参加して意見交換などを行うものである(例えば、非特許文献1)。
また、複数のユーザがそれぞれ通信端末を用いてグループ通信を行えば、話題を複数人で共有することができ、コミュニケーションを深めることができる。グループ通信を実現するサービスとして、PTT(Push-to-talk)サービスが知られている。これは、携帯電話機などの通信端末をトランシーバのように用いて、簡単な操作でグループ通信を実現するものである。
【0003】
GPS(Global Positioning System)機能を有する通信端末を用いてPTTサービスによるグループ通信を行う場合に、グループ内の通信端末の地理的位置を取得して表示する技術もある(例えば、特許文献1参照)。また、PTTサービスにおいて、GPSやRFID(Radio Frequency IDentification)によって位置情報を取得し、取得した情報を基にグループを形成する技術もある(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
さらに、PTTサービス加入者の位置情報をGPSなどによって取得し、距離上所定の範囲内に位置する加入者間のグループ通信を可能にする技術もある(例えば、特許文献3参照)。
上述した技術を利用すれば、GPSなどによって他の通信端末の位置を取得することによって、距離的に近くに居る他の通信端末とのグループ通信を実現することができる。そして、通信端末である移動端末を用いて他の端末と共にグループ通信を行うことによって、上述したコミュニティを実現することができる。コミュニティによっては、そのコミュニティの指定する位置に居る場合に限り、参加できるという条件を設定することも考えられる。
【0005】
移動端末を用いて、そのコミュニティの指定する位置に居る場合に限り、参加できるというコミュニティに参加する場合、ユーザの周辺に存在しているコミュニティ(すなわち少し移動すれば参加可能なコミュニティ)を把握する必要がある。そして、ユーザが用いている移動端末の近くのコミュニティに参加すればコミュニティのユーザ間に一体感が生じるなどの効果があり、コミュニティが盛り上がることが多い。
【0006】
ここで、各コミュニティの参加可能な位置は、コミュニティを管理するサーバにおいて管理することができる。そして、移動端末自身の位置情報を含む探索要求を移動端末からサーバに送信することにより、周辺に存在しているコミュニティの探索を行うことができる。そして、移動端末の位置が変化した場合(つまり端末が移動した場合)、周辺に存在するコミュニティが変わるので、コミュニティの探索結果が変わることになる。
【0007】
なお、コミュニティの探索結果、すなわち自端末を中心して周辺に存在しているコミュニティについては、移動端末に設けられている表示部の画面に表示される。この表示部は、例えば液晶ディスプレイなどによって構成される。
【特許文献1】特開2007−150768号公報
【特許文献2】特開2007−150985号公報
【特許文献3】特開2006−81184号公報
【非特許文献1】“ZIMenu”、[online]、[平成19年12月7日検索]、インターネット<URL:http://www.zimenu.jp/>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、移動端末の表示部に表示する探索結果は最新のものが望ましい。このため、移動端末の位置が変化するたびにコミュニティの探索を行うという手法も考えられる。
しかしながら、移動端末の位置が変化するたびにコミュニティの探索を行うと、ネットワークリソースの消費が増大するという問題がある。ネットワークリソースの消費を抑えるために探索の頻度を少なくすると、移動端末が短時間で長い距離を移動した場合、表示すべき情報の取得が間に合わず、表示すべき情報が移動端末内に存在しないという事態が生じることがある。このような事態が生じると、実際には周辺に存在しているコミュニティを画面に表示することができない。これでは、ユーザが参加したいコミュニティへの参加の機会を逸してしまうという問題がある。
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、その目的はネットワークリソースの消費を最低限に抑え、かつ、周辺に存在している探索対象をもれなく表示することのできる探索システム、サーバ、移動端末を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の請求項1による探索システムは、
自端末の周辺に存在する探索対象について探索要求を所定周期で送信する探索要求送信手段と、前記探索対象について探索を行った結果である探索結果に関するデータを所定周期で取得するデータ取得手段と、前記データ取得手段によって取得したデータを自端末の画面に表示する表示手段とを含む移動端末と、
前記探索要求が受信された場合に、前記移動端末の周辺に存在する探索対象について、前記探索要求の次の送信タイミングまでに前記移動端末が移動しうる予測移動範囲を勘案して探索する探索手段と、前記探索手段による探索結果に関するデータを前記移動端末に送信するデータ送信手段とを含むサーバと、
を有することを特徴とする。このようにすれば、移動端末が短時間で長い距離を移動した場合でも、表示すべき情報の取得が間に合わないことはなく、周辺に存在しているコミュニティなどの探索対象を移動端末の画面に確実に表示することができる。このため、ネットワークリソースの消費を最低限に抑え、かつ、周辺に存在しているコミュニティなどの探索対象をもれなく表示することができる。したがって、ユーザが参加したいコミュニティへの参加の機会を逸する可能性が少なくなる。
【0010】
本発明の請求項2によるサーバは、移動端末から所定周期で送信される探索要求に応答して、該移動端末の周辺に存在する探索対象について探索を行う探索手段と、前記探索手段による探索結果に関するデータを該移動端末に送信するデータ送信手段とを含むサーバであって、前記探索手段は、前記探索要求の次の送信タイミングまでに前記移動端末が移動しうる予測移動範囲を勘案した探索範囲について探索を行うことを特徴とする。このようにすれば、移動端末が短時間で長い距離を移動した場合でも、表示すべき情報の取得が間に合わないことはなく、周辺に存在しているコミュニティなどの探索対象を移動端末の画面に確実に表示することができる。このため、ユーザが参加したいコミュニティへの参加の機会を逸する可能性が少なくなる。
【0011】
本発明の請求項3によるサーバは、請求項2において、
前記データ送信手段は、前記探索手段による探索結果に関するデータのうち、前回送信したデータとの差分のみを送信することを特徴とする。このようにすれば、ネットワークリソースの消費を最小限度に抑えることができる。
本発明の請求項4による移動端末は、自端末の周辺に存在する探索対象について探索を行った結果である探索結果に関するデータを所定周期で取得するデータ取得手段と、前記データ取得手段によって取得したデータを自端末の画面に表示する表示手段とを含む移動端末であって、前記データ取得手段は、次のデータ取得タイミングまでに自端末が移動しうる予測移動範囲を勘案した探索範囲について探索を行った結果に対応するデータを、取得することを特徴とする。このようにすれば、移動端末が短時間で長い距離を移動した場合でも、表示すべき情報の取得が間に合わないことはなく、周辺に存在しているコミュニティなどの探索対象を画面に確実に表示することができる。このため、ユーザが参加したいコミュニティへの参加の機会を逸する可能性が少なくなる。
【0012】
本発明の請求項5による移動端末は、請求項4において、前記データ取得手段によって取得したデータに基づき、前記表示手段の表示内容を、所定時間の経過タイミングと自端末が所定距離を移動した移動タイミングとの少なくとも一方のタイミングで更新する表示制御手段を更に含むことを特徴とする。このようにすれば、所定時間、所定距離を適切に設定することにより、移動端末が短時間で長い距離を移動した場合や長時間同じ場所に留まった場合でも、周辺に存在しているコミュニティなどの探索対象の最新の状態を画面に確実に表示することができる。このため、ユーザが参加したいコミュニティへの参加の機会を逸する可能性が少なくなる。
【0013】
本発明の請求項6による移動端末は、請求項5において、自端末の直近の平均移動距離を算出する移動距離算出手段を更に含み、前記表示制御手段は、前記移動距離算出手段によって算出された平均移動距離に基づいて前記所定距離を決定することを特徴とする。このようにすれば、所定距離を適切に設定することができるので、表示内容を適切なタイミングで更新できる。
【0014】
本発明の請求項7による移動端末は、請求項5又は請求項6において、
前記表示制御手段は、前記画面において、前記探索対象に関するレベルを、そのレベルの値に応じた色、文字、または、図形の少なくとも1つで、自端末の周辺に存在する該探索対象の位置またはその近傍の位置のうち少なくとも一方の位置に表示することを特徴とする。このようにすれば、探索対象までの距離とそれに関するレベルとを同時に表示することができ、その表示内容を見たユーザは探索結果の内容を感覚的に把握することができる。
【0015】
本発明の請求項8による移動端末は、請求項7において、
前記探索対象は通信ネットワークを利用して実現されるコミュニティであり、
前記レベルは前記コミュニティの盛り上がり度であることを特徴とする。このようにすれば、コミュニティおよびその盛り上がり度を感覚的に把握することができるので、コミュニティへの参加意思を決定する際の判断を容易にすることができる。
【0016】
本発明の請求項9による移動端末は、請求項4から請求項8までのいずれか1項において、
前記データ取得手段は、前記表示データを取得する際、前回取得した表示データとの差分のみを取得することを特徴とする。このようにすれば、ネットワークリソースの消費を最小限度に抑えることができる。
本発明の請求項10による移動端末は、請求項4から請求項9までのいずれか1項において、
自端末の位置情報を順次記憶しておき、記憶した位置情報に基づいて前記自端末の移動した軌跡を線データとして作成する軌跡作成手段を更に含み、
前記表示手段は、前記線データを前記画面に表示することを特徴とする。このようにすれば、コミュニティなどの探索対象への参加意思を決定する際に、移動した軌跡を判断材料にすることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、移動端末による探索要求の次の送信タイミングまでにその移動端末が移動しうる予測移動範囲を勘案して探索することにより、移動端末が短時間で長い距離を移動した場合でも、周辺に存在している探索対象を移動端末の画面に確実に表示することができるので、ネットワークリソースの消費を最低限に抑え、かつ、周辺に存在している探索対象をもれなく表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、以下の説明において参照する各図では、他の図と同等部分は同一符号によって示されている。
(探索システムの構成)
図1は、本発明の実施形態による探索システムの構成例を示すブロック図である。同図を参照すると、コミュニティなどのグループを管理するグループ管理サーバ20と、グループへの参加を希望するユーザの移動端末60とを含んで構成されている。以下、グループ管理サーバ20、ユーザの移動端末60、について項を分けて説明する。
【0019】
(グループ管理サーバの構成)
図1において、グループ管理サーバ20は、探索要求を送信した移動端末の周辺に存在するグループの探索を行う探索部21と、各移動端末とのデータ送受信を行う通信部22と、移動端末が参加することによって構成されるグループを管理する管理部23と、各種の制御および判断処理を行う判断部24とを含んで構成されている。
【0020】
(グループDB)
グループ管理サーバ20の管理部23は、グループとそれに参加しているメンバである移動端末との対応関係をグループDBによって管理する。このグループDBについて、図2を参照して説明する。同図を参照すると、グループDB230は、グループを識別するためのグループIDと、そのグループに参加しているユーザの移動端末を識別するための移動端末IDとの対応関係を管理するものである。なお、移動端末に装着されるUSIM(universal subscriber identity module)等に記憶されているユーザIDを上記移動端末IDとして用いてもよい。
【0021】
さらに、グループDB230には、各グループの参加可能位置が登録されている。例えば、中心位置の緯度経度と半径などのパラメータとが、「参加可能位置」として格納される。本例では、グループID「GR1」が「緯度 北緯35度39分30秒, 経度 東経139度44分43秒,半径200m」、グループID「GR2」が「緯度 北緯35度27分10秒, 経度 東経139度38分21秒,半径1km」である。なお、日本国内で本システムを運用する場合、参加可能位置の「北緯」および「東経」を省略してもよい。
【0022】
本例では、グループID「GR1」と、「MT001」、「MT003」、「MT004」の各移動端末IDが対応している。これは、グループIDが「GR1」のグループに、移動端末ID「MT001」、「MT003」、「MT004」の移動端末が参加していることを示している。
また、本例では、グループID「GR2」と、「MT002」、「MT005」、「MT006」、「MT008」、「MT010」の各移動端末IDが対応している。これは、グループIDが「GR2」のグループに、移動端末ID「MT002」、「MT005」、「MT006」、「MT008」、「MT010」の移動端末が参加していることを示している。
【0023】
ここで、図3(a)は、グループ管理サーバ20の機能構成例を示している。同図を参照すると、本例のグループ管理サーバ20は、移動端末60から所定周期で送信される探索要求に応答して、移動端末60の周辺に存在する探索対象について探索を行う探索手段211と、この探索手段211による探索結果に関するデータを移動端末60に送信するデータ送信手段221とを有しており、探索手段211は、探索要求の次の送信タイミングまでに移動端末60が移動しうる予測移動範囲を勘案した探索範囲について探索を行う。
なお、図3(a)に示されているように、本例のグループ管理サーバ20においては、探索手段211が図1中の探索部21に、データ送信手段221が図1中の通信部22に、それぞれ対応する。
【0024】
以上のようなグループ管理サーバ20の機能を実現するためには、例えば、図3(b)のようなハードウェア構成を採用すればよい。同図に示されているグループ管理サーバ20は、各種の情報を入力するためのキーボード201およびマウス202と、各種の情報を表示するためのディスプレイ203と、他の装置や端末と信号授受を行うための通信インタフェース204と、各部を制御するためのCPU205と、各種の情報などを記憶するためのメモリ206と、各部を接続して信号授受を実現するためのバス200とを備えている。そして、CPU205がソフトウェアまたはファームウェアによるプログラムを実行することなどにより、上記の各機能を実現することができる。
なお、図3(b)のハードウェア構成は例示であり、同図の構成に限定されるものではない。例えば、上記ではキーボード201およびマウス202がグループ管理サーバ20に設けられているが、これらを設けることは必須ではない。
【0025】
(移動端末の構成)
図1において、移動端末60は、自端末の位置を認識する位置認識部61と、グループ管理サーバ20から情報を取得する通信部62と、通信部62によって取得した情報を表示するための表示部63と、表示部63の表示内容の更新を行う表示制御部64とを含んで構成されている。
位置認識部61は、GPS測位アシストデータを受信し、GPS衛星による位置情報を算出する。その後、位置認識部61は、測位を継続して行う。
通信部62は、自端末の周辺に存在するコミュニティ情報取得要求を、グループ管理サーバ20へ所定周期で送信する。また、通信部62は、自端末の周辺に存在するコミュニティ情報すなわちコミュニティについての探索結果を、グループ管理サーバ20から取得する。
【0026】
表示部63は、グループ管理サーバ20から取得したデータを自端末の画面に表示する。この表示部63による表示画面の例については、後述する。
表示制御部64は、表示部の表示内容を更新する。この表示内容の更新は、例えば、1分間隔で行われる。グループ管理サーバ20へのデータの取得を行う周期(例えば、5分間隔)よりも短い周期で表示内容の更新を行うことが望ましい。
もっとも、この表示内容の更新周期である1分間を経過しなくても、自端末が所定距離を移動した場合に、表示内容を更新してもよい。このようにすれば、短い時間内に多くの距離を移動した場合でも、現在の位置に即した内容を画面に表示することができる。つまり、表示内容の更新タイミングは、所定時間の経過タイミングと自端末が所定距離を移動した移動タイミングとの少なくとも一方のタイミングであればよい。
【0027】
なお、自端末の直近の平均移動距離を算出し、この算出した平均移動距離に基づいて、上記の「所定距離」を決定してもよい。例えば、過去5分間の平均移動速度(緯度方向、経度方向、について、それぞれの平均移動速度)を算出し、これに基づき、平均移動距離を推測する。これにより、表示内容の更新タイミングとする移動距離を、適切に設定することができ、表示内容を適切なタイミングで更新できる。
【0028】
ここで、図4(a)は、移動端末60の機能構成例を示している。同図を参照すると、本例の移動端末60は、自端末の周辺に存在する探索対象について探索を行った結果である探索結果に関するデータを所定周期で取得するデータ取得手段621と、このデータ取得手段621によって取得したデータを自端末の画面に表示する表示手段631と、データ取得手段621によって取得したデータに基づき、表示手段631の表示内容を、所定時間の経過タイミングと自端末が所定距離を移動した移動タイミングとの少なくとも一方のタイミングで更新する表示制御手段641とを有しており、データ取得手段621は、次のデータ取得タイミングまでに自端末が移動しうる予測移動範囲を勘案した探索範囲について探索を行った結果に対応するデータを取得する。
【0029】
また、本例の移動端末60は、自端末の直近の平均移動距離を算出する移動距離算出手段611と、自端末の位置情報を順次記憶しておき、記憶した位置情報に基づいて自端末の移動した軌跡を線データとして作成する軌跡作成手段612とを更に有しており、表示制御手段641は、移動距離算出手段611によって算出された平均移動距離に基づくタイミングで、表示手段631の表示内容を更新する。
なお、図4(a)に示されているように、本例の移動端末60においては、移動距離算出手段611および軌跡作成手段612が図1中の位置認識部61に、データ取得手段621が図1中の通信部62に、表示手段631が図1中の表示部63に、表示制御手段641が図1中の表示制御部64に、それぞれ対応する。
【0030】
以上のような移動端末60の機能を実現するためには、例えば、図4(b)のようなハードウェア構成を採用すればよい。同図に示されている移動端末60は、各種の情報を入力するためのキーパッド601と、各種の情報を表示するためのディスプレイ602と、他の装置と信号授受を行うための通信インタフェース603と、各部を制御するためのCPU604と、各種の情報などを記憶するためのメモリ605と、各部を接続して信号授受を実現するためのバス600とを備えている。そして、CPU604がソフトウェアまたはファームウェアによるプログラムを実行することなどにより、上記の各機能を実現することができる。このプログラムは、移動端末60の製造時にもともと組み込まれていてもよいし、ネットワークを介して別の装置からダウンロードしたものでもよい。
なお、図4(b)のハードウェア構成は例示であり、同図の構成に限定されるものではない。例えば、上記ではキーパッド601が移動端末60に設けられているが、これを設けることは必須ではない。
【0031】
(システムの動作)
以上の構成からなる本システムの動作について図5および図6を参照して説明する。移動端末のCPUが上記プログラムを実行することにより、位置情報取得など、以下の処理が行われる。
まず、図5において、位置認識部61による位置情報の取得が開始されると(S101)、GPS測位要求が移動端末60から出力される(ステップS102)。その結果、移動端末60により、図示せぬサーバなどからGPS測位アシストデータが取得され(ステップS103)、取得されたアシストデータを用いて位置情報が算出される(ステップS104)。以上の処理によって位置情報の取得が完了となる(ステップS105)。以後、移動端末において、測位すなわち自端末の位置情報の算出が継続して行われる。位置情報の算出は、上記アシストデータを用いて行ってもよい。測位結果については、周知のトラッキングモードによる表示、すなわち測位した結果を地図上に表示させてもよい。
【0032】
次に、周辺コミュニティ情報を取得するための周辺コミュニティ情報取得要求が移動端末60からグループ管理サーバ20へ送信され、探索部21に入力される(ステップS106a、S106b)。この取得要求には、移動端末60の位置情報が含まれている。
移動端末60から周辺コミュニティ情報取得要求を受信したグループ管理サーバ20は、その移動端末60の位置情報を基に、周辺のコミュニティに関するコミュニティ情報を収集する(ステップS107)。次に、グループ管理サーバ20の判断部24は、収集したコミュニティ情報に基づき、各コミュニティの盛り上がり度合いを確認する(ステップS108)。また、グループ管理サーバ20の管理部23においては、各コミュニティの参加可能な位置情報を記憶したデータベースの記憶内容が探索され、その探索結果が保持される(ステップS109)。そして、その探索結果がグループ管理サーバ20から移動端末60へ送信され、表示制御部64に入力される(ステップS110a、S110b、S110c)。この探索結果には、少なくとも、コミュニティの参加可能な位置の中心点位置を示すコミュニティ中心点位置情報、および、そのコミュニティの盛り上がり度合いを示す盛り上がり度合い情報が、含まれている。
【0033】
このコミュニティ探索結果を取得した移動端末60では、受信したコミュニティ探索結果を基に、端末の画面への描画処理が行われる(ステップS111)。そして、最新の測位結果が位置認識部61から表示制御部64に送られ(ステップS112a)、それを基に、表示部63の画面表示内容が更新される(ステップS112b、S112c)。すなわち、移動端末60の位置に変化すなわち移動すれば、その移動後の位置を中心点とする描画処理が行われる。なお、以上のステップS111ならびにステップS112a〜S112cの処理は、例えば、1分間隔で繰り返し行われる(つまり1分周期で行われる)。
【0034】
移動端末60からグループ管理サーバ20へ、周辺のコミュニティ情報の更新要求が送信され、探索部21に入力される(ステップS113a、S113b)。なお、移動端末60からグループ管理サーバ20へ、周辺コミュニティ情報を取得するための要求は、例えば5分間隔で送信される。すなわち、ステップS106aとステップS113aとの間隔が例えば5分間であり、以後同様の間隔で要求が送信される。
【0035】
図6へ移行し、上述したステップS113aおよびS113bの後、移動端末60から周辺コミュニティ情報の更新要求を受信したグループ管理サーバ20の探索部21は、その移動端末60の位置情報を基に、周辺のコミュニティに関するコミュニティ情報を収集する(ステップS114)。次に、グループ管理サーバ20の判断部24は、収集したコミュニティ情報に基づき、各コミュニティの盛り上がり度合いを確認する(ステップS115)。
【0036】
また、グループ管理サーバ20の判断部24は、各コミュニティの参加可能位置情報を記憶したグループDB230の記憶内容を探索し、既に保持されている探索結果との比較を行い、送信すべき情報を決定する(ステップS116)。この送信すべき情報は、ステップS110a〜S110cにおいて既に送信した内容に対する差分に相当する情報である。
【0037】
グループDB230についての探索結果は、管理部23に再度保持される(ステップS117)。そして、その探索結果がグループ管理サーバ20から移動端末60へ送信され、表示制御部64に入力される(ステップS118a、S118b、S118c)。この探索結果には、少なくとも、コミュニティの参加可能位置の中心点位置を示すコミュニティ中心点位置情報、および、そのコミュニティの盛り上がり度合いを示す盛り上がり度合い情報が、含まれている。ただし、この探索結果には、ステップS110a〜S110cにおいて既に送信した内容に対する差分に相当する情報のみが含まれている。このように、差分に相当する情報のみを送信することにより、ネットワークリソースの消費を最小限に抑えることができる。
移動端末60では、グループ管理サーバ20から受信したコミュニティ探索結果を基に、周辺のコミュニティ情報の更新処理が行われ、端末の画面への描画処理が行われる(ステップS119a、S119b)。
【0038】
(盛り上がり度合い)
盛り上がり度合いは、コミュニティの作成時点から新規参加締め切りまでの間、5分間隔で発行されたコメント数をカウントし、その数を段階的に指標化したものである。例えば、図7に例示されているように、3段階のレベルとする。本例では、5分間に発行されたコメントの数が「0」から「5」までのいずれかである場合は盛り上がり度合いが「レベル1」、同じくコメントの数が「6」から「10」までのいずれかである場合は盛り上がり度合いが「レベル2」、同じくコメントの数が「10」を超える場合(すなわち「11」以上の場合)は盛り上がり度合いが「レベル3」とする。
なお、図5を参照して上述した動作においては、周辺のコミュニティに関するコミュニティ情報を収集した際に、盛り上がり度合いが確認されているが、その収集の都度の確認ではなく、確認した盛り上がり度合いを管理部に保持して一元管理し、それを参照するようにしてもよい。
【0039】
(画面表示例)
図8は、移動端末60の表示画面の例を示す図である。本例では、通信ネットワークを利用して実現されるコミュニティを探索対象とする。
同図(a)を参照すると、表示画面の中心点Pが移動端末の現在位置であり、その周辺に存在するコミュニティC1〜C3が、中心点Pの周囲に表示されている。コミュニティC1、C2、C3は、本例では円形であり、その中心点はP1、P2、P3である。本例では、コミュニティの盛り上がり度のレベルを、そのレベルの値に応じた色で表示する。本例では、円形の表示色を、盛り上がり度のレベルの値に応じた色で表示する。同図中では、作図の都合上、ハッチングの密度で表示色の濃度を表現している。表示色については、例えば、盛り上がり度のレベルの高いものを暖色系の色、その低いものを寒色系の色で表示するのが望ましいが、これに限定されるわけではない。
【0040】
このように、探索対象であるコミュニティの参加可能位置に盛り上がり度のレベルを表示することにより、探索対象までの距離とそれに関するレベルとを同時に表示することができ、その表示内容を見たユーザは探索結果の内容を感覚的に把握することができる。なお、本例では、探索対象の位置に盛り上がり度のレベルを表示しているが、探索対象の位置自体は点で表示し、その近傍の位置(例えば、すぐ横の位置)に盛り上がり度のレベルを表示してもよい。また、探索対象の位置にレベルを表示すると共に、その近傍の位置にそのレベルを表示してもよい。つまり、探索対象の位置またはその近傍の位置のうち少なくとも一方の位置に表示すればよい。
【0041】
また、表示色で盛り上がり度のレベルを表示するのではなく、円形の大きさ(すなわち半径の大きさ)によってレベルを表示してもよいし、数値を示す文字でレベルを表示してもよい。表示すべき図形は円形に限定されず、四角形や三角形でもよい。複数の頂点を有する星形を表示し、レベルに応じてその頂点の数を変化させてもよい。
要するに、色、文字、図形、またはこれらの組合せで、レベルを表示すればよい。
【0042】
(探索対象)
探索対象すなわち画面への表示対象は、コミュニティに限定されない。例えば、以下のような例がある。すなわち、探索対象が求人情報広告に関するものであれば、募集求人数や現在の応募求人数をレベルとして表示することができる。
また、探索対象が飲食店などの店舗に関するものであれば、その店舗の現在の混雑度合いをレベルとして表示することができる。この場合入店人数からレジ支払い済人数を減じれば、現在の混雑度合いを算出することができる。
さらに、探索対象が子供達による集団下校のグループであれば、そのグループに属している子供の人数をレベルとして表示することができる。これを表示すれば、集団下校のグループに、保護者や教師を割り付けする際の参考にすることができる。
なお、図5を参照して上述した動作においては、各コミュニティの位置情報を記憶したデータベースの記憶内容の探索結果がグループ管理サーバの管理部に記憶されるが、それを探索部に記憶するようにしてもよい。
【0043】
(移動端末の表示能力に応じた情報取得)
移動端末60において、自端末の位置を中心点とする周辺コミュニティ情報をグループ管理サーバ20から取得する場合、取得頻度に対して移動端末60の移動距離が大であると、周辺コミュニティ情報を画面に表示できないことがある。移動距離がわずかであれば、移動後の位置を中心点とする周辺コミュニティ情報が移動端末内にあり、それを画面に表示することができる。これに対し、短時間で長い距離を移動した場合、移動後の位置を中心点とする周辺コミュニティ情報が移動端末60内になく、それをグループ管理サーバ20から新たに取得しなければ、画面に表示することができない。
【0044】
この問題を解決するためには、自端末の位置を中心点とする周辺コミュニティ情報をグループ管理サーバ20から取得する場合に、移動端末が移動することを想定して探索範囲を広く設定し、多めに(つまり余分に)情報を取得すればよい。つまり、グループ管理サーバ20は、移動端末の周辺に存在する探索対象を、その移動端末からの探索要求の次の送信タイミングまでにその移動端末が移動しうる予測移動範囲を勘案して探索することになる。
【0045】
探索範囲を広く設定して多めに情報を取得する場合、どの程度の探索範囲を設定するかについては、移動端末の表示能力(例えば、表示画面の大きさまたは表示領域の大きさ)に依存する。例えば、表示画面が大きく、一度に表示するデータ量が大きければ、短時間で長い距離を移動した場合でも、移動後の位置を中心点とする周辺コミュニティ情報が移動端末内にあり、それを画面に表示することができる。一方、表示画面が小さく、一度に表示するデータ量が小さければ、短時間で長い距離を移動すると、移動後の位置を中心点とする周辺コミュニティ情報が移動端末内になく、それを画面に表示することができない。一般に、移動端末は、データを記憶する容量に限界があり、大量のデータを記憶しておくことはできないので、取得すべきデータ量を適切に設定する必要がある。
【0046】
これを実現するには、周辺コミュニティ情報をグループ管理サーバ20から取得する場合に、表示画面の大きさまたは表示領域の大きさに応じた探索範囲を設定すればよい。そのためには、移動端末60からグループ管理サーバ20へ送信される周辺コミュニティ情報取得要求に、移動端末60の表示能力(例えば、表示画面の大きさまたは表示領域の大きさ)に関する情報を付加しておけばよい。
【0047】
もっとも、表示能力に関する情報自体ではなく、移動端末60の機体情報(例えば、機体番号)をグループ管理サーバ20へ送信し、そのサーバにおいてその機体情報から移動端末60の表示能力を特定し、それに応じて周辺コミュニティ情報の探索範囲(すなわち、データ取得範囲)を決定すればよい。そして、例えば、表示画面の縦方向の1/2に相当するデータ量、縦方向の1/2に相当するデータ量、などと、多めに取得すればよい。また、移動端末60の機種によっては、表示画面の縦と横とを入れ換えて縦長表示と横長表示とを実現できるものがある。この場合、表示画面の縦方向、横方向のうち大きな方を基準とし、例えばその大きな方の1/2に相当するデータ量を取得すればよい。
【0048】
グループ管理サーバ20において、機体情報から移動端末の表示能力を特定する場合、機体情報と探索範囲との対応関係をグループ管理サーバ20において管理すればよい。例えば図9に示されているように、機体情報である「機体番号」と探索範囲である「データ取得範囲」との対応関係を記憶した探索範囲DBをグループ管理サーバ20に設けておき、このDBを参照して探索範囲を決定すればよい。例えば、ユーザの現在位置の緯度経度と、半径などのパラメータとが、「データ取得範囲」として格納される。この半径は、図2の参加可能位置の半径よりも大きな値(例えば、5倍程度)とする。
【0049】
本例の場合、機体番号「A×××」のデータ取得範囲が「緯度 北緯35度39分30秒, 経度 東経139度44分43秒,半径1km」、機体番号「B×××」のデータ取得範囲が「緯度 北緯35度27分10秒, 経度 東経139度38分21秒,半径5km」、機体番号「C×××」のデータ取得範囲が「緯度 北緯35度39分28秒, 経度 東経139度44分42秒,半径1km」、である。なお、日本国内で本システムを運用する場合、データ取得範囲の「北緯」および「東経」を省略してもよい。
【0050】
ところで、周辺コミュニティ情報をグループ管理サーバ20から取得する頻度を高くすれば、一度に取得するデータ量が少なくても問題はない。しかしながら、頻度が高いとネットワークリソースに与える影響が大きくなり、適切ではない。また、高い頻度で情報を取得すると、移動端末のバッテリの消費量が大きくなるほか、通信契約内容によっては過大な通信費用が課金される可能性もある。そこで、本例では、周辺コミュニティ情報をグループ管理サーバ20から取得する周期を5分周期、端末画面の更新周期を1分周期としている。このように、サーバからの情報取得周期と端末画面の更新周期とを適切に設定すれば、ネットワークリソースの消費を最低限に抑え、かつ、周辺に存在している探索対象をもれなく表示することができる。さらに、移動端末の電源であるバッテリの消費量を抑えることができ、また通信費用の増大を防ぐことができる。
【0051】
(移動端末の移動軌跡の表示)
各通信端末において、存在しているグループを表示すると共に、自端末の移動軌跡を画面に表示すれば、現在向かっている方向に存在するグループを確認することができる。これにより、すでに通り過ぎた場所に存在しているグループよりも、これから向かう場所に存在しているグループに優先して参加する、という判断が可能になる。
自端末の移動軌跡を表示するには、以下のように処理すればよい。すなわち、自端末の位置情報を順次記憶しておく。そして、記憶しておいた自端末の位置情報のうち、連続する複数の位置つまり、自端末の移動した軌跡を線データとして作成する。そして、この作成した線データを画面に表示する。例えば、図8(b)に示されているように、画面に、線データである軌跡SSを表示する。このように表示すれば、ユーザは、自端末の移動軌跡を把握することができる。
【0052】
ところで、自端末の位置に関するデータは、移動端末内に記憶するのが望ましい。ただし、移動端末の記憶容量には一定の限界があるため、グループ管理サーバ20その他の装置に記憶しておき、それを移動端末が取得して線データを作成してもよい。
なお、移動軌跡は、表示画面の縮尺を変更した場合に表示すれば効果的である。表示画面の縮尺を変更した場合には、移動端末の現在位置(つまり自分の位置)を表示画面から見失うことが少なくないので、移動軌跡を表示すれば移動端末の現在位置を把握しやすくなる。
【0053】
(表示内容の更新タイミング)
移動端末の画面表示内容は、更新すべき時刻になった場合、すなわち、更新時間が経過したタイミングで行われる。もっとも、所定距離を移動したタイミングで行ってもよい。また、更新時間が経過したタイミングでの更新と所定距離を移動したタイミングとの両方のタイミングで更新してもよい。要するに、更新時間の経過タイミングと所定距離を移動した移動タイミングとの少なくとも一方のタイミングで、画面表示内容を更新すればよい。
【0054】
(変形例)
上記は、GPS機能によって取得した位置を、移動端末の位置情報とする場合について説明したが、無線LAN(Local Area Network)アクセスポイント装置(以下、APと略称する)の位置や基地局の位置を移動端末の位置情報として利用することもできる。
APにはユニークな識別情報が付与されているので、この識別情報はその移動端末が通信可能な状態にあるAPを特定することになる。つまり、APの識別情報は、移動端末の位置情報として扱うことができる。
【0055】
また、携帯電話機による通信を実現するための無線基地局装置(以下、無線基地局と呼ぶ)にもユニークな識別情報が付与されているので、この識別情報はその携帯電話機の在圏するエリア(すなわち、在圏位置)を特定することになる。つまり、移動端末が携帯電話機である場合、無線基地局の識別情報は、移動端末の位置情報として扱うことができる。
【0056】
このように、APの位置や無線基地局の位置を移動端末の位置として扱う場合、システムの動作は図10のようになる。すなわち、同図において、位置認識部61による位置情報の取得が行われる(S101’)。この位置情報の取得は継続して行われる。同図中のステップS106a以降の動作は、図5を参照して説明した内容と同様であるため、説明を省略する。
【0057】
ここで、位置認識部61による位置情報の取得処理の例について、図11を参照して説明する。同図は、移動端末60、移動端末60が通信を行うために利用するAP30およびグループ管理サーバ20の信号授受を示すシーケンス図である。
同図において、移動端末60の通信部62による、グループ管理サーバ20との通信に、AP30が利用される(ステップS1101、S1102)。移動端末60からの信号がグループ管理サーバ20の通信部22によって受信されると、管理部23により、APの識別情報であるID情報がその信号から抽出される(ステップS1104)。管理部23によって抽出されたID情報は、上述したように、移動端末60の位置情報として扱うことができる。
【0058】
この位置情報は、グループ管理サーバ20の管理部23から通信部22、AP30を順に介して、移動端末60に送られる(ステップS1105、S1106、S1107)。この位置情報は、移動端末60の通信部62から位置認識部61に送られる(ステップS1108)。これにより、位置認識部61は、位置情報を取得することができる。
以上の処理を常時行うことにより、移動端末60においてGPS機能を利用する必要がなくなる。また、GPS機能を有していない通信端末を移動端末60として用いることができる。
【0059】
APの代わりに無線基地局を利用する場合について、図12を参照して説明する。同図は、移動端末60、移動端末60が通信を行うために利用する無線基地局50およびグループ管理サーバ20の信号授受を示すシーケンス図である。
同図において、移動端末60の通信部62による、グループ管理サーバ20との通信に、無線基地局50が利用される(ステップS1301、S1302)。移動端末60からの信号がグループ管理サーバ20の通信部22によって受信されると、管理部23により、無線基地局の識別情報であるID情報がその信号から抽出される(ステップS1304)。管理部23によって抽出されたID情報は、上述したように、移動端末60の位置情報として扱うことができる。
【0060】
この位置情報は、グループ管理サーバ20の管理部23から通信部22、無線基地局50を順に介して、移動端末60に送られる(ステップS1305、S1306、S1307)。この位置情報は、移動端末60の通信部62から位置認識部61に送られる(ステップS1308)。これにより、位置認識部61は、位置情報を取得することができる。
以上の処理を常時行うことにより、移動端末60においてGPS機能を利用する必要がなくなる。また、GPS機能を有していない通信端末を移動端末60として用いることができる。
【0061】
(まとめ)
本発明において利用できる移動端末としては、携帯電話機の他、周知のPDA(Personal Digital Assistant)、周知のノート型PC(Personal Computer)、が考えられる。
上記は、主として、通信ネットワークを利用して実現されるコミュニティが探索対象である場合について説明したが、本発明における探索対象は、コミュニティに限定されるものではない。グループ管理サーバにおいて管理されている情報に基づいて探索できるものであれば、探索対象とすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、ユーザが使用している移動端末の位置情報を基にして、その周辺の探索対象を探索する場合に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施の形態に係る探索システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】グループとそれに参加しているメンバである移動端末との対応関係を管理するグループDBの例を示す図である。
【図3】(a)はグループ管理サーバの機能構成例を示す図、(b)は(a)の機能を実現するためのハードウェア構成例を示す図である。
【図4】(a)は通信端末の機能構成例を示す図、(b)は(a)の機能を実現するためのハードウェア構成例を示す図である。
【図5】図1の探索システムの動作を示すシーケンス図である。
【図6】図1の探索システムの動作を示すシーケンス図であり、図5に示されている動作の続きを示す図である。
【図7】盛り上がり度数の例を示す図である。
【図8】(a)は移動端末の表示画面の例を示す図、(b)は移動軌跡の表示例を示す図である。
【図9】機体情報と探索範囲との対応関係を管理する探索範囲DBの例を示す図である。
【図10】APの位置や無線基地局の位置を移動端末の位置として扱う場合のシステムの動作を示すシーケンス図である。
【図11】位置認識部による位置情報の取得処理の例を示すシーケンス図である。
【図12】APの代わりに無線基地局を利用する場合の信号授受を示すシーケンス図である。
【符号の説明】
【0064】
20 グループ管理サーバ
21 探索部
22 通信部
23 管理部
24 判断部
60 移動端末
61 位置認識部
62 通信部
63 表示部
64 表示制御部
200、600 バス
201 キーボード
202 マウス
203、602 ディスプレイ
204、603 通信インタフェース
205、604 CPU
206、605 メモリ
211 探索手段
221 データ送信手段
230 グループDB
601 キーパッド
611 移動距離算出手段
612 軌跡作成手段
621 データ取得手段
631 表示手段
641 表示制御手段
C1〜C3 コミュニティ
P、P1〜P3 中心点
SS 軌跡

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自端末の周辺に存在する探索対象について探索要求を所定周期で送信する探索要求送信手段と、前記探索対象について探索を行った結果である探索結果に関するデータを所定周期で取得するデータ取得手段と、前記データ取得手段によって取得したデータを自端末の画面に表示する表示手段とを含む移動端末と、
前記探索要求が受信された場合に、前記移動端末の周辺に存在する探索対象について、前記探索要求の次の送信タイミングまでに前記移動端末が移動しうる予測移動範囲を勘案して探索する探索手段と、前記探索手段による探索結果に関するデータを前記移動端末に送信するデータ送信手段とを含むサーバと、
を有することを特徴とする探索システム。
【請求項2】
移動端末から所定周期で送信される探索要求に応答して、該移動端末の周辺に存在する探索対象について探索を行う探索手段と、前記探索手段による探索結果に関するデータを該移動端末に送信するデータ送信手段とを含むサーバであって、前記探索手段は、前記探索要求の次の送信タイミングまでに前記移動端末が移動しうる予測移動範囲を勘案した探索範囲について探索を行うことを特徴とするサーバ。
【請求項3】
前記データ送信手段は、前記探索手段による探索結果に関するデータのうち、前回送信したデータとの差分のみを送信することを特徴とする請求項2に記載のサーバ。
【請求項4】
自端末の周辺に存在する探索対象について探索を行った結果である探索結果に関するデータを所定周期で取得するデータ取得手段と、前記データ取得手段によって取得したデータを自端末の画面に表示する表示手段とを含む移動端末であって、前記データ取得手段は、次のデータ取得タイミングまでに自端末が移動しうる予測移動範囲を勘案した探索範囲について探索を行った結果に対応するデータを、取得することを特徴とする移動端末。
【請求項5】
前記データ取得手段によって取得したデータに基づき、前記表示手段の表示内容を、所定時間の経過タイミングと自端末が所定距離を移動した移動タイミングとの少なくとも一方のタイミングで更新する表示制御手段を更に含むことを特徴とする請求項4に記載の移動端末。
【請求項6】
自端末の直近の平均移動距離を算出する移動距離算出手段を更に含み、
前記表示制御手段は、前記移動距離算出手段によって算出された平均移動距離に基づいて前記所定距離を決定することを特徴とする請求項5に記載の移動端末。
【請求項7】
前記表示制御手段は、前記画面において、前記探索対象に関するレベルを、そのレベルの値に応じた色、文字、または、図形の少なくとも1つで、自端末の周辺に存在する該探索対象の位置またはその近傍の位置のうち少なくとも一方の位置に表示することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の移動端末。
【請求項8】
前記探索対象は通信ネットワークを利用して実現されるコミュニティであり、
前記レベルは前記コミュニティの盛り上がり度であることを特徴とする請求項7に記載の移動端末。
【請求項9】
前記データ取得手段は、前記表示データを取得する際、前回取得した表示データとの差分のみを取得することを特徴とする請求項4から請求項8までのいずれか1項に記載の移動端末。
【請求項10】
自端末の位置情報を順次記憶しておき、記憶した位置情報に基づいて前記自端末の移動した軌跡を線データとして作成する軌跡作成手段を更に含み、
前記表示手段は、前記線データを前記画面に表示することを特徴とする請求項4から請求項9までのいずれか1項に記載の移動端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−260740(P2009−260740A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−108255(P2008−108255)
【出願日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】