説明

接合レンズの製造方法および製造装置

【課題】 接合レンズを構成するレンズの光軸を精密に合わせ、光強度のピーク値が最大で、かつ、光強度分布が光軸に対して対称となる接合レンズの製造方法および製造装置を提供する。
【解決手段】 複数のレンズ6a,6bを接着剤を介して接合する接合レンズ6の製造方法であって、接着剤をレンズ面に塗布して複数のレンズ6a,6bを接合し、接着剤が未硬化の状態で、複数のレンズ6a,6bの相互位置合わせ用の調芯光を接合レンズ6に入射させ、接合レンズ6を通過した調芯光の光強度分布を測定し、この光強度分布に応じて、接合レンズ6の各レンズ6a,6b相互間における、光軸に直角方向の位置ずれと、光軸に対する傾きと、光軸に沿ったレンズ間隔を調整し、この位置調整後に接着剤を硬化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のレンズの光軸を合わせて、光学機器に使用される高精度な接合レンズを製造する際の製造方法および製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、複数のレンズの光軸を合わせ、接着剤を介して貼り合わせた接合レンズが光学機器等に用いられている。また、この接合レンズにおいて、複数のレンズの光軸を合わせるための方法や装置が各種提案されている。
【0003】
例えば特許文献1には、接合レンズを構成する各レンズを芯出し用の治具に保持させ、この治具によってレンズの外形上の位置合わせをする芯出し装置が開示されている。ところが、この装置では光学的測定を行わないため、各レンズの特性に基づいた芯出しが行われず、精度が不十分である。さらに、この装置では、接合レンズを構成するレンズの寸法や形状、枚数が、治具に保持されるものに限定されるため、汎用性が乏しい。
【0004】
特許文献2には、レンズの形状や寸法、枚数が限定されず、光学的測定により光軸を合わせる偏芯測定装置が開示されている。ところが、この装置による芯出しは、レンズの幾何光学的な中心軸を一致させるという調整のみであるため、レンズ全体が有する性能(収差)を制御することができず、レンズ使用時の状態に合った性能を有していない場合がある。
【0005】
また、従来は、このような偏芯測定装置において、通常、波長の長いハロゲンランプ等を光源として用いるため、使用波長がハロゲン光源よりも短い波長の用途では、接合レンズの偏芯測定は分解能力が不足して対応できず、殊に紫外線領域の光に対しては検出できない。従って、接合レンズを紫外線領域で使用する場合等には、十分な精度を有していないことがある。
【0006】
一方、複数のレンズ同士の間に空間がある組レンズに関する調整方法が、特許文献3に開示されている。ところが、この方法は、例えば3次コマ収差、5次コマ収差、3次非点収差といった特定の収差に着目してレンズ同士の光軸調整を行っている。このため、レンズの相対位置をわざとずらした収差測定を数回実施しないと収差と各レンズの相対位置の相関がわからない。このため、光軸合わせに時間と手間がかかる点と、着目する特定の収差のみで調整を行うために、その収差を最小とすることはできるが、レンズの集光特性は保証できない点に問題がある。
【0007】
また、特許文献3の調整方法は組レンズに関するものであるため、接合レンズに関してそのまま適用できない。
【特許文献1】特開平9−11063号公報
【特許文献2】特開2000−230883号公報
【特許文献3】特開2004−133168号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記従来技術を考慮してなされたものであり、接合レンズを構成するレンズの光軸を精密に合わせ、光強度のピーク値が最大で、かつ、光強度分布が光軸に対して対称となる接合レンズの製造方法および製造装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明は、複数のレンズを接着剤を介して接合する接合レンズの製造方法であって、接着剤をレンズ面に塗布して複数のレンズを接合し、接着剤が未硬化の状態で、複数のレンズの相互位置合わせ用の調芯光を接合レンズに入射させ、接合レンズを通過した調芯光の光強度分布を測定し、この光強度分布に応じて、接合レンズの各レンズ相互間における、光軸に直角方向の位置ずれと、光軸に対する傾きと、光軸に沿ったレンズ間隔を調整し、この位置調整後に接着剤を硬化させることを特徴とする接合レンズの製造方法を提供する。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、各レンズをそれぞれ位置調整器に保持させて調芯光を入射させる請求項1の接合レンズの製造方法であって、各レンズを位置調整器にセットする前に、各位置調整器のレンズ保持部の光軸と直角方向の平行度を検出して各位置調整器間のレンズ保持部が所定の平行度となるように平行度を調整することを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、レンズをそれぞれ位置調整器に保持させて調芯光を入射させる請求項1の接合レンズの製造方法であって、各レンズを位置調整器にセットする前に、調芯光の光源と光強度分布の測定器との間の間隔を変えながら光強度分布のピーク位置を検出し、該ピーク位置が前記間隔によらず一定になるように光源と測定器の相対位置を調整することを特徴とする。
【0012】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかの発明において、調芯光は、紫外光を含む波長の光であることを特徴とする。
【0013】
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれかの発明において、光強度分布が、レンズ光軸に対し対称となるように光軸と直角方向の位置を調整することを特徴とする。
【0014】
請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれかの発明において、光強度分布のピーク値が最大となるようにレンズ間隔を調整することを特徴とする。
【0015】
請求項7の発明は、請求項1〜6のいずれかの発明において、接合レンズを構成するレンズを光軸に対し傾かせながら光強度分布を検出し、光強度分布がレンズ光軸に対し対称となるように光軸に対する傾きを調整することを特徴とする。
【0016】
請求項8の発明は、請求項1の発明を実施するための製造装置において、複数のレンズの相互位置合わせ用の調芯光の光源と、複数のレンズを通過後の調芯光の光強度分布を測定する光軸方向に移動可能な光学測定器と、複数のレンズをそれぞれ別に保持するとともに、光軸と直角なX,Y方向および光軸と平行なZ方向に移動可能で且つX軸およびY軸廻りに回転可能な位置調整器と、接着剤硬化手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の発明によると、光軸と直角方向のずれおよび光軸に対する傾きを調整しながら、接合レンズを通過した調芯光の光強度分布を測定することにより、接合レンズが有する収差を示す光強度分布が良好になるように、光軸を合わせることができる。そのため、収差に基づいて精密に光軸を合わせることができる。また、光軸に沿ったレンズ間隔の調整を行うことにより、集光する光のピーク値が最大になるように調整して最良の集光特性を得ることができる。このように、レンズの相対位置の3要素を調整しながら光強度分布を検出することにより、偏芯が生じた場合にそれぞれの要素別に調整し、精密に光軸を合わせて最大限の集光性能を有する接合レンズを得ることができる。また、レンズの集光特性を直接測定しており、かつ、収差と集光特性の相互関係を導入することで、集光特性が最良で収差が最小となる位置調整が短時間で可能である。
【0018】
請求項2の発明によると、レンズを保持する位置調整器間のレンズ保持部が平行になるように初期調整することにより、位置調整器側の平行度のずれがレンズ間の平行度に影響しなくなるため、光軸合わせの信頼性が向上する。
【0019】
請求項3の発明によると、発光側と受光側との間隔に関係なく光強度分布のピーク位置が一定になるように初期調整することにより、光源と測定器との光軸同士が傾かずに一致するので、測定装置側の光軸のずれがレンズ同士の光軸のずれに影響しなくなる。そのため、レンズを取り付けた後に光強度分布の正確な検出ができ、光軸合わせの信頼性が向上する。
【0020】
請求項4の発明によると、可視光に加えて、紫外光を含む短波長に関して光強度分布を検出することにより、より精密に調整できる。また、接合レンズが紫外線領域で使用される場合にも最良の収差性能が得られ、汎用性が広がる。
【0021】
請求項5の発明によると、レンズの位置を光軸と直角方向に調整しながら光強度分布をチェックすることにより、その方向のずれにより偏芯が生じている場合(光軸同士が平行で位置がずれている場合)に、的確に調整して光軸合わせをすることができる。
【0022】
請求項6の発明によると、接着層によるレンズ間隔を変えながら光強度分布をチェックすることにより、光強度分布のピーク値が最大で集光性能を最大にして、最良の収差が得られるようにレンズ間隔を調整することができる。
【0023】
請求項7の発明によると、レンズの位置を光軸に対し傾かせながら光強度分布をチェックすることにより、レンズの傾きにより偏芯が生じている場合に、的確に調整して軸合わせをすることができ、光軸同士の傾きをなくして最良の収差を得ることができる。
【0024】
請求項8の発明によると、簡単な構成により、上記の効果を有する請求項1の発明を実施することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
図1は、本発明の接合レンズの製造装置の構成を示す概略図である。製造装置1は、調芯光を発する光源2と、光学測定器3と、接合レンズ6を構成する各レンズ6a,6bのそれぞれの位置調整器4,5と、接着剤硬化手段(不図示)と、光学測定器3による検出結果を表示するモニタ8を備えたパソコン7とで構成される。
【0026】
近年、例えば次世代DVD等において、可視光よりも短波長の紫外線領域で接合レンズが用いられる場合があるため、光源2が発する調芯光は、接合レンズ6の用途に応じて、例えば波長が405nm、ビーム径が5mmの半導体レーザとする。尚、紫外線硬化樹脂からなる接着剤でレンズ6a,6bを接着する場合、接着剤が硬化する例えば200〜365nmの波長に近い光は調芯光として使用しない。
【0027】
光学測定器3は、例えば市販のニアフィールドパターン[NFP(Near Field Pattern)]光学系が用いられ、短波長の調芯光に対応するために、波長400〜800nm、開口数NAが0.45〜0.95、光学倍率が最大2000倍の性能を有するものとする。光学測定器3は、光軸と同方向のZ軸に沿って移動可能な位置調整部31を備える。
【0028】
レンズの位置調整器4,5は、図に示すように、例えば2枚のレンズ6a,6bをそれぞれ支持するレンズ把持治具41,51と、そのレンズ把持治具41,51の位置をそれぞれ各方向別に調整する位置調整部42,52からなる。レンズ把持治具41,51は、この位置調整部42,52により、光軸(Z方向)に対してX方向、Y方向それぞれに移動可能であるとともに、X,Y方向それぞれの軸廻りに回転可能であり、角度θ,θが調整可能である。また、2個のレンズ把持治具41,51のうち、少なくとも一方は、光軸と同方向のZ軸方向に移動可能である。
【0029】
光学測定器3の位置調整部31と、レンズ把持治具41,51の位置調整部42,52は、それぞれパソコン7に接続され、パソコン7を操作することにより、各位置調整部31,42,52が制御される。また、光学測定器3によって検出される光強度分布11等は、パソコン7のモニタ8上に表示される。
【0030】
図2は、図1の装置を用いた本発明の実施手順を示すフローチャートである。以下、図面に従って、接合レンズの製造方法を説明する。
【0031】
ステップS1:各レンズを設置する前に、光源と光学測定器との光軸を合わせる初期設定を行う。図3は、図1の装置において、光源2と光学測定器3との光軸合わせを行う状態を示す。図3に示すように、光源2から発する調芯光を、ピンホール90が形成されたアパーチャ部材9を通過させて光学測定器3に入射させる。このとき、光学測定器3をZ軸方向に移動させながら、光強度を検出する。光学測定器3のZ軸方向の任意の位置において、受光点の位置が同じであれば、光源2と光学測定器3との光軸が一直線上に一致している。光学測定器3のZ方向の位置によって受光点が移動する場合には、光学測定器3が光軸に対して傾いているので、光学測定器3の取付位置を修正する。
【0032】
ステップS2:各レンズ把持治具のレンズ取付面を平行になるように調整する初期設定を行う。図4(A)は、図1の装置において、レンズ把持治具41,51の平行度調整を行う状態を示す。市販のオートコリメータ10を用いて、各レンズ把持治具41,51のレンズ取付面43,53が互いに平行で且つ光源2の光軸と直交するように調整する。なお、光軸との直交は、光源2の光軸に基準面を形成しておき、その面からの反射光をひろうようにして調整する。また、オートコリメータ10を用いず、ビームスプリッタ(ハーフミラー)を使用して調整してもよい。ビームスプリッタを用いた調整方法を図4(B)に示す。光源2からの出射光と、出射光の各レンズ把持治具41,51のレンズ取付面43,53からの反射光をビームスプリッタ54でカメラ等の撮像装置55に入射させ、それらすべてが撮像装置55につながるモニタ画面上の同じ輝点として観察されるときに、レンズ取付面43,53は互いに平行で、かつ、レンズ取付面43,53と光源からの出射光は直交する。これにより、高倍率の光学測定器3によって実際にレンズの光軸に対する偏芯を検出する際に、偏芯が大きすぎてモニタ上に表示されなくなるのを防ぎ、光強度分布の検出を行いやすくする。尚、ステップS2の作業は、レンズを取り付ける前でもよいし、取り付けた後に行ってもよい。
【0033】
ステップS3:紫外線硬化型の接着剤を各レンズの接着面に塗布して貼り合わせ、接着剤が未硬化の状態で、図1に示すように、各レンズ把持治具41,51にレンズ6a,6bを取り付け、各レンズ6a,6bの位置調整を行う。光源2から接合レンズ6を通過させた調芯光を光学測定器3に入射させ、光学測定器3をZ軸方向に移動させて、光学測定器3の受光面に調芯光の焦点を合わせる。光学測定器3により、接合レンズ6の集光、および接合レンズ6から一定距離の空間に広がった調芯光の強度分布を検出する。検出結果は、リアルタイムでパソコン7のモニタ8に表示される。各レンズ6a,6bの位置調整は、光強度分布がピーク値に対して対称形となり、且つピーク値が最大となるまで行われる。
【0034】
図5は、モニタ8に表示される光強度分布の例を示す。(A)は、ピーク値Pが光軸上に位置し、そのピーク値Pを中心として光強度分布が対称形であり、レンズの光軸が合っている状態を示す。(B)は、接合レンズから広がる光強度分布がピーク値Pに対して対称形ではなく、光軸が偏芯していることを示す。このような光強度分布をモニタ8でチェックしながら、例えば一方のレンズ把持治具を固定したままで、他方のレンズ把持治具をX軸またはY軸、θ、θの各方向にずらせて、光強度分布の偏芯が最小となるように、レンズの位置を調整する。このようにして、例えば図1の左側のレンズ把持治具41に支持されたレンズ6aを固定して、右側のレンズ把持治具51に支持されたレンズ6bの位置を調整しても偏芯が十分に減少しない場合は、反対にレンズ6bを固定し、レンズ6aを各方向に位置調整して光強度分布をチェックする。通常は、一方のレンズを調整することにより光軸が合わせられるが、例えば各レンズ6a,6bの厚さや曲率が著しく異なる場合等、一方のレンズを調整するだけでは偏芯が解消されないときには、偏芯が最小となるまで、両側のレンズを片方ずつ調整する作業を反復する。
【0035】
次に、レンズ間の接着層厚さ、すなわち各レンズ6a,6b間の距離を調整し、光強度分布のピーク値が最大となるようにする。図6は、接合レンズ6を構成する各レンズ6a,6b間の接着層厚さによる光強度分布のピーク値の例を示すグラフである。調芯光は、波長が405nmと660nmの2種類であり、ピーク値の最大値を1とした場合の相対値を表している。図6に示すように、接着剤の厚さによりピーク値が異なるため、いずれか一方のレンズ把持治具をZ軸方向に移動させて、ピーク値が最大となる位置、例えば図6の場合には接着層厚さを10μmに調整する。
【0036】
図6に示すように、接着層の厚さによるピーク値の違いは、紫外光(405nm)に近い方が顕著に表れる。そのため、ピーク値を識別しやすい。また、可視光領域ではほぼピーク値となる接着層の厚さでも、紫外線領域で使用される場合にはピーク値よりも低い光強度となることがある。また、調芯光の波長にかかわらず、ピーク値を示す接着層厚さは同じである。従って、接合レンズを製造する際には、紫外光またはそれに近い短波長による調芯光を用いて光強度分布を検出することが好ましい。
【0037】
ステップS4:上記のS3の作業により、偏芯が最小になり、すなわち、光軸に直角方向の位置ずれおよび光軸同士の傾きがない状態で、且つピーク値が最大になった位置、すなわち、最大の集光効果が得られるレンズ間隔となった位置で各レンズ把持治具41,51を固定し、所定の紫外線を照射して接着剤を硬化させる。接着剤の種類は、紫外線硬化樹脂には限らない。
【0038】
尚、上記の実施例では、接合レンズ6を構成するレンズが2枚の場合を示したが、本発明は、レンズの枚数に応じてそれぞれレンズ位置調整器を設けることにより、同様に実施可能である。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、2枚またはそれ以上の枚数のレンズを重ね合わせて用いる高性能な接合レンズの製造方法および製造装置として適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施例を示す装置構成図。
【図2】本発明の実施手順を示すフローチャート。
【図3】光軸合わせの初期調整時の状態を示す装置構成図。
【図4】平行調整の初期調整時の状態を示す装置構成図。
【図5】光強度分布の表示例を示す正面図。
【図6】レンズ間の接着剤厚さに対するピーク値を示すグラフ。
【符号の説明】
【0041】
1:製造装置、2:光源、3:光学測定器、4,5:位置調整器、6:接合レンズ、6a,6b:レンズ、7:パソコン、8:モニタ、9:アパーチャ部材、10:オートコリメータ、11,11a,11b:光強度分布、31,42,52:位置調整部、41,51:レンズ把持治具、43,53:レンズ取付面、54:ビームスプリッタ、55:撮像装置、90:ピンホール。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のレンズを接着剤を介して接合する接合レンズの製造方法であって、
接着剤をレンズ面に塗布して前記複数のレンズを接合し、該接着剤が未硬化の状態で、
前記複数のレンズの相互位置合わせ用の調芯光を該接合レンズに入射させ、
接合レンズを通過した調芯光の光強度分布を測定し、
この光強度分布に応じて、該接合レンズの各レンズ相互間における、光軸に直角方向の位置ずれと、光軸に対する傾きと、光軸に沿ったレンズ間隔を調整し、
この位置調整後に前記接着剤を硬化させることを特徴とする接合レンズの製造方法。
【請求項2】
各レンズをそれぞれ位置調整器に保持させて前記調芯光を入射させる請求項1の接合レンズの製造方法であって、
各レンズを位置調整器にセットする前に、各位置調整器のレンズ保持部の光軸と直角方向の平行度を検出して各位置調整器のレンズ保持部間が所定の平行度となるように平行度を調整する請求項1に記載の接合レンズの製造方法。
【請求項3】
各レンズをそれぞれ位置調整器に保持させて前記調芯光を入射させる請求項1の接合レンズの製造方法であって、
各レンズを位置調整器にセットする前に、前記調芯光の光源と前記光強度分布の測定器との間の間隔を変えながら光強度分布のピーク位置を検出し、該ピーク位置が前記間隔によらず一定になるように前記光源と前記測定器の相対位置を調整する請求項1又は2に記載の接合レンズの製造方法。
【請求項4】
前記調芯光は、紫外光を含む波長の光である請求項1〜3のいずれかに記載の接合レンズの製造方法。
【請求項5】
前記光強度分布が、レンズ光軸に対し対称となるように前記光軸と直角方向の位置を調整する請求項1〜4のいずれかに記載の接合レンズの製造方法。
【請求項6】
前記光強度分布のピーク強度が最大となるように前記レンズ間隔を調整する請求項1〜5のいずれかに記載の接合レンズの製造方法。
【請求項7】
前記接合レンズを構成するレンズを光軸に対し傾かせながら前記光強度分布を検出し、該光強度分布がレンズ光軸に対し対称となるように前記光軸に対する傾きを調整する請求項1〜6のいずれかに記載の接合レンズの製造方法。
【請求項8】
複数のレンズの相互位置合わせ用の調芯光の光源と、
前記複数のレンズを通過後の調芯光の光強度分布を測定する光軸方向に移動可能な光学測定器と、
前記複数のレンズをそれぞれ別に保持するとともに、光軸と直角なX,Y方向および光軸と平行なZ方向に移動可能で且つX軸およびY軸廻りに回転可能な位置調整器と、
接着剤硬化手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の接合レンズの製造方法を実施するための接合レンズの製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−86611(P2007−86611A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−277657(P2005−277657)
【出願日】平成17年9月26日(2005.9.26)
【出願人】(000000044)旭硝子株式会社 (2,665)