説明

接合材料並びに半導体装置及びその製造方法

【課題】接合作業や、リワーク作業に伴って発生する熱の影響を低減する。
【解決手段】回路基板1上の電極パッド3に接合材料10を塗布によって形成する。接合材料は、電磁波吸収体11と、温度制御体12と、溶融金属13と、活性成分14とが含まれている。バンプ22を電極パッド3に接合するときは、電磁波を照射する。接合材料10中の電磁波吸収体11が発熱することで溶融金属13とバンプ22の下部を溶融させる。これによって、電極パッド3にバンプ22が接合される。接合材料10は温度制御体12が含まれているので、過剰な温度上昇が抑えられ、電極パッド3以外の領域の回路基板1の温度上昇が低くなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接合材料並びに半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体装置の製造工程では、半導体素子と回路基板または半導体装置と回路基板の接合に、鉛を含有するはんだの代わりに鉛フリーの接合材料が用いられている。接合材料は、スズ・銀・銅やスズ・ビスマスの合金などが用いられている。これらの接合時には、リフロー炉内に半導体装置を搬入して半導体装置全体を加熱する。これによって、接合材料が溶融して半導体素子や半導体装置が接合される。このような接合材料は、半導体素子同士の接合や、回路基板同士の接合にも用いられる。
【0003】
また、半導体装置の故障などが発生して半導体素子や半導体装置を交換する場合には、リワークと呼ばれる切り離し作業が行われる。リワーク作業では、回路基板全体を加熱し、回路基板と半導体素子や半導体装置を接合させている接合材料を溶融させた後取り外す。さらに、必要に応じて新しい半導体素子や半導体装置を回路基板に再実装する。リワーク時には回路基板全体が加熱されるので、交換が不要な他の半導体素子や、回路基板上に実装されている他のコンデンサやキャパシタ等の電子部品も加熱される。このために、他の半導体素子や電子部品の耐熱温度が低かった場合には、それらの部品が繰り返される加熱によって劣化する可能性がある。
【0004】
そこで、従来では、接合材料にはんだを使用する構成において、はんだを覆うように電気抵抗体を配置し、リワーク時には電気抵抗体に通電して発熱させ、電気抵抗体で覆われた部分のはんだを溶融させていた。また、はんだを覆うように、電磁波吸収体を取り付け、電磁波を照射することで電磁波吸収体を発熱させ、電磁波吸収体で覆われた部分のはんだを溶融させていた。これによって、リワーク時に特定のはんだのみを加熱することが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−183513
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、回路基板全体の温度上昇を抑えることはできるが、はんだ接合時の半導体素子や回路基板への熱の影響を抑えることは困難であった。例えば、半導体素子の接合にリフロー炉に使用すると、回路基板も接合材料の融点近くまで加熱されるので、回路基板が熱の影響を受ける。特に、近年では、接合の信頼性を高めることを目的として接合材料の高融点化が進んでおり、接合材料の融点と回路基板の耐熱温度の差が小さくなっている。このために、回路基板が熱の影響を受け易い。さらに、1つの回路基板に大きさの異なる複数の半導体素子や回路部品を実装する場合には、最も大きい半導体素子や回路部品の熱容量に合わせてリフロー温度を定めるので、小さい半導体素子や半導体装置が必要以上に加熱される可能性がある。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、接合材料による接合作業や、リワーク作業に伴って発生する熱の影響を低減させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の一観点によれば、電極パッド上に配置して使用され、電磁波を吸収して発熱
する電磁波吸収体、温度の上昇を抑制する温度制御体、前記電磁波吸収体に電磁波を照射したときに発生する熱で溶融する溶融金属、活性成分を含むことを特徴とする接合材料が提供される。
【0008】
また、実施形態の別の観点によれば、基板の上方に形成された電極パッドと、前記電極パッドに電気的に接合された金属製のバンプと、前記バンプの周囲に配置され、電磁波を吸収して発熱する電磁波吸収体、温度の上昇を抑制する温度制御体、活性成分を含む被覆層と、を有することを特徴とする半導体装置が提供される。
【0009】
さらに、実施形態の別の観点によれば、基板の上方に形成された電極パッドの上に、溶融金属、電磁波を吸収して発熱する電磁波吸収体、温度の上昇を抑制する温度制御体、活性成分を含む接合材料を配置する工程と、金属製のバンプを前記接合材料の上に載置する工程と、前記接合材料に電磁波を照射することで前記接合材料を発熱させ、前記溶融金属と前記バンプの少なくとも一部を溶融させる工程と、を含む半導体装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0010】
電磁波を照射して電磁波吸収体の温度を上昇させることで溶融金属を溶融させることができるので、接合作業やリワーク作業時に他の部分の温度上昇を低くできる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1A】図1Aは、本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造工程の一例を示す断面図(その1)である。
【図1B】図1Bは、本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造工程の一例を示す断面図(その2)である。
【図1C】図1Cは、本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造工程の一例を示す断面図(その3)である。
【図1D】図1Dは、本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造工程の一例を示す断面図(その4)である。
【図1E】図1Eは、本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造工程の一例を示す断面図(その5)である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態に係る接合材料において、電磁波照射時の接合材料の温度上昇を温度制御体の含有量を変化させて調べた結果の一例を示す図である。
【図3】図3は、本発明の実施の形態に係る半導体装置のリワーク工程の一例を示す図である。
【図4】図4は、本発明の実施の形態の変形例に係る半導体装置の製造工程の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
発明の目的及び利点は、請求の範囲に具体的に記載された構成要素及び組み合わせによって実現され達成される。
前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明は、典型例及び説明のためのものであって、本発明を限定するためのものではない。
【0013】
最初に、この実施の形態の半導体装置の製造工程について説明する。
まず、図1Aの断面構造を得るまでの工程について説明する
最初に、回路基板1の上に印刷用のマスク5を位置決めして配置する。回路基板1は、例えば、樹脂製又はセラミック製の基板2上に、電極パッド3を含む導体パターンを形成することによって作製される。電極パッド3は図示を省略する回路に電気的に接続される。導体パターンは、例えば、プリント印刷によって形成される。また、導体パターンは、
基板2上に一様に形成された導体層を薬液等でパターニングすることで形成しても良い。回路基板1上に配置されるマスク5には、電極パッド3の形成位置に併せた貫通孔6が複数形成されている。貫通孔6の大きさや形状は、電極パッド3の大きさや形状に略等しい。このために、回路基板1上にマスク5を重ねると、貫通孔6から電極パッド3が露出する。
【0014】
次に、図1Bに一部を拡大した断面構造を示すように、マスク5を用いて回路基板1上に接合材料10を印刷する。これによって、接合材料10が、貫通孔6内に充填される。この後、マスク5と取り除くと、回路基板1の電極パッド3上に接合材料10が重なって配置される。
【0015】
ここで、接合材料10には、電磁波吸収体11と、温度制御体12と、溶融金属13と、活性成分14とが含まれている。
電磁波吸収体11は、電磁波を効率的に吸収することで発熱する材料からなり、例えば、SiC、BaTiO、MnOなどが用いられる。
温度制御体12は、電磁波の吸収量が電磁波吸収体11より少ないが温度制御性が非常に高い材料からなり、例えば、Alが用いられる。温度制御性とは、例えば、接合材料10の温度が高くなり過ぎず、所定の温度内に収めることができる特性をいう。
溶融金属13には、350℃以下の融点を有する鉛以外の金属、例えば、Sn、In、Sn−Ag、Sn−Ag−Cu、Sn−Cu、Sn−Pb、Sn−Bi、Sn−Zn、Sn−Auなどが用いられる。
【0016】
活性成分15は、接合時に溶融金属13を活性化させることよって溶融金属13による接合を容易にする材料で、アニリン塩酸塩、ヒドラジン塩酸塩、臭化セチルピリジンに代表されるロジン、塩酸、フッ化水素酸に代表される無機酸、フッ化リチウム、フッ化カリウム、フッ化ナトリウムに代表されるフッ化物、塩化リチウム、塩化カリウム、塩化ナトリウムに代表される塩化物、臭化リチウム、臭化カリウム、臭化ナトリウムに代表される臭化物、乳酸、クエン酸、オレイン酸に代表される有機酸、グルタミン酸塩酸塩、アニリン塩酸塩に代表される有機ハロゲン化合物が用いられる。
【0017】
電磁波吸収体11と温度制御体12は、接合材料10に対して10wt%〜90wt%の含有量を有する。これは、電磁波吸収体11及び温度制御体12の接合材料10に対する含有比を5wt%にすると、接合材料10の温度上昇が極めて遅くなり、実装工程に時間がかかりすぎてしまうためである。また、含有比を10wt%にすると、接合材料10の温度上昇が緩やかになるが、半導体チップや回路部品の実装は可能である。その一方、含有比が95wt%になると、電磁波吸収体11及び温度制御体12の量が多すぎて接合材料10中にボイドが発生し易くなる。
【0018】
また、温度制御体12は、電磁波吸収体11に対して50mol%〜100mol%含有されている。図2に、電磁波照射時の接合材料10の温度上昇を調べた結果を示す。横軸は電磁波照射時間を示し、縦軸は温度を示す。ラインL1は、温度制御体12を40mol%含有した接合材料10の温度上昇を示す。この接合材料10は、電磁波の照射によって例えば400℃に達した。この温度では、回路基板1への熱影響を考慮する必要が生じる。これに対して、ラインL2は、温度制御体12を50mol%含有した接合材料10の温度上昇を示す。この接合材料10は、電磁波の照射によって例えば350℃に達した。この温度は、溶融金属13が高融点金属である場合でも十分に溶融させられる温度であり、回路基板1への熱影響がないか、殆ど影響がないレベルである。さらに、ラインL3は、温度制御体12を100mol%含有した接合材料10の温度上昇を示す。この接合材料10は、電磁波の照射によって例えば80℃に達した。この温度は、溶融金属13が低融点金属である場合に溶融可能な温度である。さらに、温度上昇が少ないので、回路
基板1への熱影響を考慮する必要はない。
【0019】
このように、図2に示す温度上昇のグラフからは、電磁波吸収体11に温度制御体12を加えることで一定の温度以上に加熱され難く、温度制御体12の割合を増やすほどその到達温度が下降することがわかる。従って、電磁波吸収体11に対してモル比で50%〜100%含有させることで、溶融金属13を確実に溶融させ、かつ周囲の温度上昇を低く抑えることが可能になる。
【0020】
次に、図1Cに示すように、半導体素子21に取り付けられた金属製のバンプ22を接合材料10上に載置する。バンプ22は、半導体素子21の裏面に配列された電極パッド24に接合されている。電極パッド24は図示を省略する半導体回路に電気的に接続されている。バンプ22は、接合材料10の溶融金属13と同じ材料から製造することが好ましい。バンプ材料としては、例えばSn、In、Sn−Ag、Sn−Ag−Cu、Sn−Cu、Sn−Pb、Sn−Bi、Sn−Zn、Sn−Auがある。
【0021】
続いて、この状態で、上方から回路基板1全体に対して電磁波を照射する。電磁波吸収体11が電磁波を吸収して発熱する。これによって、接合材料10の温度が上昇する。接合材料10の温度が溶融金属13の融点を超えると、溶融金属13が溶解する。一方、接合材料10上に載せられているバンプ22は溶融金属13と同じ材料、又は同程度の融点の金属材料から製造されているので、接合材料10の温度上昇によってバンプ22の下部領域が加熱され、溶融する。
【0022】
この結果、図1Dに断面を拡大して示すように、バンプ22の下部が電極パッド3を筒用に溶解し、バンプ22が電極パッド3に接合される。このとき、接合材料10中に溶融金属13は、バンプ22と一体になる。一方、接合材料10中の活性成分14は、電磁波吸収体11と温度制御体12を取り込んでバンプ22の周囲を覆う。これは、溶融金属13の表面張力が電磁波吸収体11、温度制御体12、活性成分14より非常に大きいためである。その結果、バンプ22の下部及び電極パッド3を囲むように被覆層26が形成される。これに対して、接合材料10が配置されていない部分、例えば、回路基板1の電極パッド3が形成されていない領域は、電磁波吸収体11が存在しないので、電磁波照射による温度上昇は低く抑えられる。このために、回路基板1は、熱による影響を殆ど受けない。
【0023】
これによって、図1Eに示すような半導体装置30が得られる。半導体装置30は、回路基板1の電極パッド3の上にバンプ22を介して半導体素子21,41,51や、電子部品61が実装されている。半導体素子21は、基板23上に半導体チップ25が実装されている。半導体素子41は、金属製のバンプ22Aを介して回路基板1の電極パッド3Aに電気的に接続されている。半導体素子51は、金属製のバンプ22Bを介して回路基板1に実装されている。また、電子部品61は、例えば、コンデンサや、抵抗、キャパシタ等である。回路部品61は、金属製のバンプ22Cを介して回路基板1の電極パッド3Cに電気的に接続されている。
【0024】
バンプ22A,22B,22Cと、回路基板1と接合には、接合材料10が用いられている。このために、バンプ22Aの下部の周囲には、被覆層26Aが形成されている。バンプ22Bの下部の周囲には、被覆層26Bが形成されている。バンプ22Cの下部の周囲には、被覆層26Cが形成されている。各被覆層26A,26B,26Cは、活性成分14が電磁波吸収体11と温度制御体12を取り込む形でバンプ22A,22B,22Cの周囲を覆っている。また、半導体素子21と電極パッド25の接合に接合材料10が用いられている場合には、半導体素子21の電極パッド25とバンプ22の上部を覆うように被覆層26が形成される。
【0025】
ここで、接合材料10の一例として、電磁波吸収体11にSiC、温度制御体12にAl、溶融金属13にSn−3.0Ag−0.5Cu、活性成分14にクエン酸を使用し、電磁波を2.4GHzの周波数で照射して半導体素子21,41,51、回路部品61を回路基板1に接合したときの回路基板1の温度上昇を調べた。このときの電磁波吸収体11及び温度制御体12の粒径は1μm、溶融金属13の粒径は20μmとした。電磁波吸収体11、温度制御体12、溶融金属13、活性成分14の重量比率はそれぞれ5wt%、4wt%、81wt%、10wt%とした。このような接合材料10を用いることで、接合時の回路基板1の到達温度は、約150℃に抑えられた。
【0026】
これに対し、比較例として、バンプにSn−Ag−Cuを用い、活性成分に臭化セチルピリジンを使用して回路基板1と半導体素子21を接合したところ、回路基板1の到達温度は、約250℃になった。このことから、この実施の形態の接合材料10を用いると、回路基板1の温度上昇を抑えることができ、回路基板1に与える熱影響をより少なくできる。
【0027】
続いて、図3を参照して半導体装置30から半導体素子21を取り外すリワーク方法について説明する。
半導体素子21を回路基板1から取り外すときは、マスク71を使用する。マスク71は、例えば、電磁波を透過しない材料から製造されており、回路基板1に接合する部品の位置及び大きさに合わせて貫通孔72が形成されている。このために、マスク71の貫通孔72を通過した電磁波のみが半導体装置30に照射される。これによって、半導体素子21の下の被覆層26のみが加熱され、他の部品41,51,61の被覆層26は加熱されない。この結果、リワーク対象の半導体素子21を回路基板1に接合しているバンプ22のみが加熱され、溶融する。これによって、半導体素子21のみを回路基板1から取り外すことができる。リワーク時にマスク71を用いることで、目的とする接合材料のみをピンポイントで選択的に溶融させることができる。
【0028】
以上、説明したように、この実施の形態では、電磁波吸収体11を含む接合材料10を用いたので、電磁波を照射するだけで接合材料10の温度を上昇させることができる。また、接合材料10を電極パッド3とバンプ22の間に配置したので、電磁波を照射するだけで半導体素子21と回路基板1を接合できる。接合材料10及びその周囲のみを集中的に加熱することができるので、回路基板1の他の領域や、他の部品41,51,61に与える熱の影響を低減できる。
【0029】
また、接合材料10には、温度制御体12が含まれているので、接合材料10の温度が上昇し過ぎることはない。さらに、接合材料10は、温度制御体12を有することで、半導体素子21等の接合に最適な温度に調整できる。
【0030】
さらに、リワーク時においても接合時と同様に、接合材料10及びその周囲のみを集中的に加熱できると共に、半導体素子21等の接合に最適な温度に調整できる。リワーク対象が他の部品に比べて熱量量が大きい場合でも他の部品に与える熱の影響を最小限に止められる。マスク71を使った工程は、半導体素子21を回路基板1に接合するときに用いることもできる。マスク71の貫通孔72で露出する部分の接合材料10及びバンプ22のみを溶解させることができ、他の部分に対する熱の影響を最小限に止めることができる。
【0031】
ここで、リワーク時の作業の変形例について説明する。
最初に、図1Eに示す回路基板1の全体に電磁波を照射する。電磁波が被覆層26の電磁波吸収体11に吸収される。これによって、被覆層26の温度が上昇する。被覆層26
の温度は、温度制御体12によって調整された温度まで上昇し、被覆層26に囲まれたバンプ22の下部を溶解させる。この状態で、不図示のプローブなどで半導体素子21を吸着して回路基板1から取り外す。
【0032】
また、このような、接合材料10を用いた製造方法は、例えば、図4(a)に示すように、半導体装置30と他の回路基板81の接合に用いることができる。回路基板81上には、回路に接続された電極パッド82が形成されている。電極パッド82上には接合材料10が例えば塗布によって形成されている。半導体装置30の下面には、回路に接続された電極パッド83が形成されており、電極パッド83にバンプ22が接合されている。接合工程では、回路基板81上に半導体装置30を載置してから電磁波を照射する。接合材料10によってバンプ22が溶融させられる。その結果、図4(b)に示すように、半導体装置30と回路基板81とが接合される。バンプ22の周囲には被覆層26が形成される。回路基板81に半導体装置30を実装した部品85(半導体装置)のリワーク工程においても、前記と同様に行うことができる。ここで、この実施の形態は、半導体装置30と他の半導体装置の接合又はリワークや、回路基板同士の接合又はリワークに用いることもできる。
【0033】
ここで挙げた全ての例及び条件的表現は、発明者が技術促進に貢献した発明及び概念を読者が理解するのを助けるためのものであり、ここで具体的に挙げたそのような例及び条件に限定することなく解釈するものであり、また、明細書におけるそのような例の編成は本発明の優劣を示すこととは関係ない。本発明の実施形態を詳細に説明したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、それに対して種々の変更、置換及び変形を施すことができる。
【0034】
以下に、前記の実施の形態の特徴を付記する。
(付記1) 電極パッド上に配置して使用され、電磁波を吸収して発熱する電磁波吸収体、温度の上昇を抑制する温度制御体、前記電磁波吸収体に電磁波を照射したときに発生する熱で溶融する溶融金属、活性成分を含むことを特徴とする接合材料。
(付記2) 前記温度制御体は、前記電磁波吸収体に対して50mol%〜100mol%の範囲で含有されていることを特徴とする付記1に記載の接合材料。
(付記3) 基板の上方に形成された電極パッドと、前記電極パッドに電気的に接合された金属製のバンプと、前記バンプの周囲に配置され、電磁波を吸収して発熱する電磁波吸収体、温度の上昇を抑制する温度制御体、活性成分を含む被覆層と、を有することを特徴とする半導体装置。
(付記4) 前記電極パッド上に前記バンプを介して電気的に接続され、半導体回路を有する半導体装置と、を含む付記3に記載の半導体装置。
(付記5) 基板の上方に形成された電極パッドの上に、溶融金属、電磁波を吸収して発熱する電磁波吸収体、温度の上昇を抑制する温度制御体、活性成分を含む接合材料を配置する工程と、金属製のバンプを前記接合材料の上に載置する工程と、前記接合材料に電磁波を照射することで前記接合材料を発熱させ、前記溶融金属と前記バンプの少なくとも一部を溶融させる工程と、を含む半導体装置の製造方法。
(付記6) 電極パッドに接合されたバンプの周囲に配置され、電磁波を吸収して発熱する電磁波吸収体、温度の上昇を抑制する温度制御体を含む被覆層に電磁波を照射することで前記被覆層を発熱させ、前記バンプの少なくとも一部を溶融させることを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記7)
電磁波を部分的に透過させるマスクを前記接合材料の上方に配置し、前記マスクを透過した電磁波を用いて前記金属材料を溶融させることを特徴とする付記7に記載の半導体装置の製造方法。
【符号の説明】
【0035】
1 回路基板
3 電極パッド
10 接合材料
11 電磁波吸収体
12 温度制御体
13 溶融金属
14 活性成分
21 半導体装置
22 バンプ
26 被覆層
30 半導体装置
71 マスク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極パッド上に配置して使用され、電磁波を吸収して発熱する電磁波吸収体、温度の上昇を抑制する温度制御体、前記電磁波吸収体に電磁波を照射したときに発生する熱で溶融する溶融金属、活性成分を含むことを特徴とする接合材料。
【請求項2】
前記温度制御体は、前記電磁波吸収体に対して50mol%〜100mol%の範囲で含有されていることを特徴とする請求項1に記載の接合材料。
【請求項3】
基板の上方に形成された電極パッドと、
前記電極パッドに電気的に接合された金属製のバンプと、
前記バンプの周囲に配置され、電磁波を吸収して発熱する電磁波吸収体、温度の上昇を抑制する温度制御体、活性成分を含む被覆層と、
を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
基板の上方に形成された電極パッドの上に、溶融金属、電磁波を吸収して発熱する電磁波吸収体、温度の上昇を抑制する温度制御体、活性成分を含む接合材料を配置する工程と、
金属製のバンプを前記接合材料の上に載置する工程と、
前記接合材料に電磁波を照射することで前記接合材料を発熱させ、前記溶融金属と前記バンプの少なくとも一部を溶融させる工程と、
を含む半導体装置の製造方法。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図1C】
image rotate

【図1D】
image rotate

【図1E】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2013−80818(P2013−80818A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−220017(P2011−220017)
【出願日】平成23年10月4日(2011.10.4)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】