説明

接合装置および接合方法

【課題】比較的簡単な構造で衝突エネルギーを高めることができ、より厚いシートを接合可能で、コストの低減を図ることができる接合装置および接合方法を提供する。
【解決手段】複数の衝突粒12を振動部11の接合室21aに装入し、基材1の表面にシート材2を重ねた状態で、シート材2の表面が接合室21aの内側に向くよう、基材1およびシート材2を振動部11に設置する。複数の衝突粒12がシート材2の表面に繰り返し衝突するよう、機械的振動手段により、シート材2の表面に対して垂直方向に振動部11を往復振動させて、基材1とシート材2とを接合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接合装置および接合方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、金属シートを基板上に接合する一般的な技術として、圧接プロセス(pressure welding process)がある。圧接は、圧力と時には熱とをかけることにより材料を溶解した後、添加剤を加え、溶けた部分が冷えて固まった時に強固な接合となるようにして行われる。圧接には、ガスフレーム、電気アーク、レーザー、電子ビーム、摩擦や超音波といった、いくつもの異なるエネルギー源を使用することができる。このような圧接プロセスは、高温と高電圧とを必要とする危険な作業であり、火災や電気ショック、眼へのダメージ、有害なフレーム、紫外線の過剰曝露などに気を付ける必要がある。
【0003】
また、従来の圧接プロセスに代わるものとして、超音波圧接、冷間圧接、ロール圧接や摩擦圧接といった、いくつかの新しい固相接合法が行われている。これらの固相接合法は、接合する材料の溶融を必要としないが、かなりの高圧や、融点の50〜70%程度までの加熱が必要である。また、例えば、塑性変形の度合いが大きく破れが生じてしまうために、薄いシート同士の接合は不可能であるといった、いくつかの制限もある。
【0004】
従来の圧接プロセスや固相接合法の問題点を解決するものとして、硬い材料でできたボールまたはショットを使用して、金属の表面にて金属箔をインパクト処理する方法が開発されている。この方法は、従来の圧接等と比べて、非常に低温度にて実施でき、薄いシート同士の接合が可能であり、複雑かつ洗練された装置を必要としない、という特徴がある。
【0005】
このようなインパクト処理による接合方法として、炭素鋼またはステンレス鋼製円筒管の内壁に厚さ110μmの純Al箔を付着させ、その後円管に4または8mm径のボールを充填し、遊星ボールミルにて、例えば360〜600rpmで10〜50min、接合処理を行うことにより、円管内壁にAl箔を接合するものがある(例えば、非特許文献1参照)。
【0006】
しかし、この接合方法では、平板状の材料を扱うことができないという問題がある。また、遊星ボールミルではボールが遊星軌道をとるため、Al箔との衝突角が小さく、垂直にボールが衝突する方式と比べ、接合に必要な垂直方向の衝撃力が小さく効率的ではないという問題もある。さらに、粉末状の粒子を効率良く粉砕するには非常に適した動きであるが、接線方向の応力が大き過ぎてAl箔が破れやすいという問題もある。
【0007】
そこで、これらの問題を解決するために、厚さ10〜300μmのAl,Ti,Fe箔を異なる種類の金属基板表面に付着させて、ガスブラスティングまたは遠心力タイプのショットピーニング装置のチャンバー内に置き、径0.02〜3mm程度のショットを使用して、真空中または不活性雰囲気中でホットショットピーニングを行うことにより、金属箔を異なる種類の金属に接合させるものがある(例えば、非特許文献2、3または特許文献1参照)。なお、この場合の処理条件として、金属基板を50℃以上(金属箔が厚いほど高い温度が必要)に予め加熱しておく必要があり、ショットの投射速度は40m/s以上、投射密度は30kg/m2以上が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第2895996号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Z. Zhan,Y. He, D. Wang, W. Gao, “Cladding inner surface of steel tubes with Al foils by ball attritionand heat treatment”, Surface& Coating Technology, 2006, 201, p.2684-2689
【非特許文献2】原田泰典、「軽金属材料へのショットライニング」、軽金属、2006年、第56巻、第12号、p.730-736
【非特許文献3】Y.Harada, K. Mori, S. Maki,“Lining of metal plates withfoils using hot shop peening”, Journal of Materials Processing Technology, 1998, 80-82, p.309-314
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
非特許文献2、3および特許文献1に記載の接合方法では、ショットが大きくなると加速が困難になるため、ショットのサイズが3mm程度に制限され、衝突エネルギーを大きくすることができなかった。このため、接合する金属箔の厚さが、300μm以下に制限されていた。また、処理時に真空または不活性雰囲気が必要であり、対象によっては予熱温度を上げる必要もあることから、ショットピーニング装置などの処理装置が大掛かりで高価になり、設備費等のコストが嵩んでしまっていた。
【0011】
本発明は、このような問題に着目してなされたもので、比較的簡単な構造で衝突エネルギーを高めることができ、より厚いシートを接合可能で、コストの低減を図ることができる異種材料及び同種材料に適用できる接合装置および接合方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明に係る接合装置は、複数の衝突粒を装入可能な接合室を有し、基材の表面にこの基材と異なる材料または同種の材料から成るシート材を重ねた状態で、前記シート材の表面が前記接合室の内側に向くよう、前記基材および前記シート材を設置可能に設けられた振動部と、前記複数の衝突粒が前記シート材の表面に繰り返し衝突するよう、前記シート材の表面に対して垂直方向に前記振動部を往復振動させるよう構成された振動手段とを、有することを特徴とする。
【0013】
本発明に係る接合方法は、複数の衝突粒を振動部の接合室に装入し、基材の表面にこの基材と異なる材料または同種の材料から成るシート材を重ねた状態で、前記シート材の表面が前記接合室の内側に向くよう、前記基材および前記シート材を前記振動部に設置し、前記複数の衝突粒が前記シート材の表面に繰り返し衝突するよう、前記シート材の表面に対して垂直方向に前記振動部を往復振動させて前記基材と前記シート材とを接合することを、特徴とする。
【0014】
本発明に係る接合方法は、本発明に係る接合装置により好適に実施される。本発明に係る接合装置および接合方法では、接合室に装入された複数の衝突粒がシート材の表面に繰り返し衝突するよう、シート材の表面に対して垂直方向に振動部を振動させることにより、基材の表面にこの基材と異なる材料から成るシート材を接合することができる。このとき、真空や不活性雰囲気や加熱を要することなく、室温の空気雰囲気で接合を行うことができる。
【0015】
衝突粒を大きくすることにより衝突エネルギーを高めることができるため、数mm程度までのより厚いシート材を接合することができる。また、複数層に重ねられた複数枚のシート材を一度に接合することもできる。シート材の表面に対して垂直方向に振動部を振動させることにより、衝突粒がシート材の表面に対してほぼ垂直に衝突するため、接合に対するエネルギー効率がよい。衝突粒を繰り返しシート材に衝突させるため、ショット粒が1回しか衝突しないショットピーニングと比べて、経済的かつ効率的である。
【0016】
このように、本発明に係る接合装置および接合方法によれば、ショットピーニング装置等を使用する場合と比べて、比較的簡単な構造で衝突エネルギーを高めることができ、基材とシート材とを効率良く接合することができる。また、ショットピーニング装置等を使用する場合と比べて、設備費などのコストの低減を図ることができる。
【0017】
衝突粒は、金属製またはセラミックス製のボールから成ることが好ましく、例えば、ショットピーニングで使用されるショット粒から成っていてもよい。基材およびシート材は、いかなる材料から成っていてもよく、特に異種金属のシートから成ることが好ましい。なお、本発明に係る接合装置および接合方法によれば、基材およびシート材が同種の材料であっても、互いに接合することができる。
【0018】
本発明に係る接合装置で、各衝突粒は3乃至12mmの径を有し、50乃至70%の装入率で前記接合室に装入されており、前記振動手段は、前記シート材の表面に対する各衝突粒の入射角がシート材に対して垂直方向を0度とした場合、0乃至20度となるよう、振幅3乃至15mm、周波数50乃至100Hzで前記振動部を往復振動させるよう構成されていることが好ましい。本発明に係る接合方法は、3乃至12mmの径を有する前記複数の衝突粒を、50乃至70%の装入率で前記接合室に装入し、前記シート材の表面に対する各衝突粒の入射角が0乃至20度となるよう、振幅3乃至15mm、周波数50乃至100Hzで前記振動部を往復振動させることが好ましい。この場合、特に効率よく確実かつ強固に、基材とシート材とを接合することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、比較的簡単な構造で衝突エネルギーを高めることができ、より厚いシートを接合可能で、コストの低減を図ることができる接合装置および接合方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態の接合装置を示す縦断面図である。
【図2】本発明の実施の形態の接合装置および接合方法による(a)Tiの基材とTiのシート材、(b)Tiの基材とAlのシート材、(c)Tiの基材とMoのシート材との接合状態を示す顕微鏡写真である。
【図3】本発明の実施の形態の接合装置および接合方法による、Tiの基材とAlのシート材との接合部の断面を示す(a)透過型電子顕微鏡(TEM)写真、(b)さらに拡大した透過型電子顕微鏡(TEM)写真である。
【図4】本発明の実施の形態の接合装置および接合方法による、(a)Alの基材とCuのシート材、(b)Tiの基材とMoのシート材とを接合したときのシート材の断面を示す透過型電子顕微鏡(TEM)写真である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態について説明する。
図1乃至図4は、本発明の実施の形態の接合装置および接合方法を示している。
図1に示すように、接合装置10は、互いに異なる材料から成る基材1とシート材2とを接合するための接合装置10であって、振動部11と複数の衝突粒12と振動手段(図示せず)とを有している。
【0022】
図1に示すように、振動部11は、接合容器21と固定部材22とを有している。接合容器21は、底を有する円筒形状を成し、内部に接合室21aを有している。接合容器21は、接合室21aの開口部21bに沿って設けられたフランジ部21cを有している。固定部材22は、フランジ部21cと同じ大きさの閉塞板22aを有し、閉塞板22aで接合室21aの開口部21bを塞ぎ、ネジ等の固定具22bでフランジ部21cに着脱可能になっている。振動部11は、基材1の表面にこの基材1と異なる材料から成るシート材2を重ねた状態で、シート材2の表面が接合室21aの内側に向くよう、接合室21aの開口部21bに基材1およびシート材2を設置可能になっている。振動部11は、接合室21aの開口部21bの縁と閉塞板22aとの間に基材1を挟んで固定するようになっている。
【0023】
各衝突粒12は、球状の金属製またはセラミックス製のボールから成り、接合室21aに装入されている。
振動手段は、接合室21aの中心軸方向、すなわち設置されたシート材2の表面に対して垂直方向に振動部11を往復振動させるよう構成されている。これにより、複数の衝突粒12がシート材2の表面に繰り返し衝突するようになっている。
【0024】
本発明の実施の形態の接合方法は、接合装置10により好適に実施される。図1に示すように、本発明の実施の形態の接合方法では、まず、複数の衝突粒12を振動部11の接合室21aに装入し、基材1の表面にこの基材1と異なる材料から成るシート材2を重ねた状態で、シート材2の表面が接合室21aの内側に向くよう、基材1およびシート材2を振動部11に設置する。
【0025】
次に、振動手段により、各衝突粒12がシート材2の表面に繰り返し衝突するよう、シート材2の表面に対して垂直方向に振動部11を往復振動させる。このとき、振動で加速された各衝突粒12の衝突により、シート材2の表面が大きな塑性変形を受け、基材1とシート材2との接合が進行する。所定時間、振動を行うことにより、基材1の表面にシート材2を完全に接合することができる。接合後、振動手段を停止して、基材1およびシート材2を取り出す。
【0026】
このように、本発明の実施の形態の接合装置10および接合方法では、シート材2の表面に対して垂直方向に振動部11を振動させることにより、衝突粒12がシート材2の表面に対してほぼ垂直に衝突するため、接合に対するエネルギー効率がよい。衝突粒12を繰り返しシート材2に衝突させるため、ショット粒が1回しか衝突しないショットピーニングと比べて、経済的かつ効率的である。
【0027】
また、本発明の実施の形態の接合装置10および接合方法によれば、真空や不活性雰囲気や加熱を要することなく、室温の空気雰囲気で接合を行うことができる。このため、ショットピーニングなどの他の接合方法と比べて、接合後の表面処理を減らすことができる。衝突粒12を大きくすることにより衝突エネルギーを高めることができるため、数mm程度までのより厚いシート材2を接合することができる。また、複数層に重ねられた複数枚のシート材2を一度に接合することもできる。さらに、通常の処理では不可能な、他の金属とは非常に性質の異なる高融点金属のような金属シート材と、他の金属との接合を行うこともできる。
【0028】
本発明の実施の形態の接合装置10および接合方法によれば、ショットピーニング装置等を使用する場合と比べて、比較的簡単な構造で衝突エネルギーを高めることができ、基材1とシート材2とを効率良く接合することができる。また、ショットピーニング装置等を使用する場合と比べて、設備費などのコストの低減を図ることができる。
【0029】
なお、特に効率よく確実かつ強固に、基材1とシート材2とを接合するために、本発明の実施の形態の接合装置10および接合方法は、3乃至12mmの径を有する複数の衝突粒12を、50乃至70%の装入率で接合室21aに装入し、シート材2の表面に対する各衝突粒12の入射角が0乃至20度となるよう、振幅3乃至15mm、周波数50乃至100Hzで振動部11を往復振動させることが好ましい。
【実施例1】
【0030】
図1に示す接合装置10を使用して、様々な材料から成る基材1とシート材2との接合を行った。内径48mm、深さ55mmの接合室21aに、衝突粒12として、径7mmのステンレス鋼製のボール130個を装入し、DCモーターを利用した機械的振動手段により、振幅7mm、75Hzで60分の振動を行った。なお、接合室21aの容積に占める各衝突粒12の体積の割合を表す衝突粒12の装入率は約60%であり、シート材2の表面に対する各衝突粒12の入射角は20度以下であった。
【0031】
Tiから成る100mm×100mmの板状の基材1と、それぞれTi、Al、Moから成る厚さ0.5mmのシート材2との接合状態の顕微鏡写真を、それぞれ図2(a)乃至(c)に示す。図2に示すように、基材1とシート材2とがTiとAl(図2(b))、TiとMo(図2(c))のように異なる材料からなる場合でも、基材1およびシート材2が同じTiの材料(図2(a))から成る場合と同様に、確実かつ強固に接合されていることが確認できる。
【0032】
また、図2(b)に示すTiの基材1とAlのシート材2との接合部の、透過型電子顕微鏡(TEM)による断面写真を図3に示す。図3に示すように、衝突粒12がシート材2の表面に繰り返し衝突することにより、基材1およびシート材2の元の粒界構造が精密化され、接合面付近にはナノ構造を有する多層構造が形成されていることが確認できる。これにより、基材1とシート材2とが強固に接合されているといえる。
【0033】
Alから成る100mm×100mmの板状の基材1と、Cuから成る厚さ0.35mmのシート材2とを接合したときの、Cuのシート材2の透過型電子顕微鏡(TEM)による断面写真を、図4(a)に示す。また、図2(c)に示すTiの基材1とMoのシート材2とを接合したときの、Moのシート材2の透過型電子顕微鏡(TEM)による断面写真を、図4(b)に示す。図4に示すように、衝突粒12がシート材2の表面に繰り返し衝突することにより、シート材2の元の粒界構造が精密化され、ナノ構造を有する多層構造が形成されていることが確認できる。
【実施例2】
【0034】
[電気伝導性の向上のための金属クラッド材の作製]
図1に示す接合装置10を使用して、Alまたはステンレス鋼基材1と、厚さ0.35mmのCuのシート材2との接合を行った。内径48mm、深さ55mmの接合室21aに、衝突粒12として、径3mmのステンレス鋼製のボールを装入し、DCモーターを利用した機械的振動手段により、振幅15mm、80Hzで60分の振動を行った。なお、接合室21aの容積に占める各衝突粒12の体積の割合を表す衝突粒12の装入率は約50%であり、シート材2の表面に対する各衝突粒12の入射角は20度以下であった。その結果、Alまたはステンレス鋼基材1とCuのシート材2とが、強固に接合された。
【実施例3】
【0035】
[耐酸化性の向上のための金属クラッド材の作製]
図1に示す接合装置10を使用して、Ti基材1と厚さ0.3mmのAlのシート材2との接合を行った。内径48mm、深さ55mmの接合室21aに、衝突粒12として、径5mmのステンレス鋼製のボール800個を装入し、DCモーターを利用した機械的振動手段により、振幅10mm、75Hzで60分の振動を行った。なお、接合室21aの容積に占める各衝突粒12の体積の割合を表す衝突粒12の装入率は約50%であり、シート材2の表面に対する各衝突粒12の入射角は20度以下であった。その結果、Ti基材1とAlのシート材2とが、強固に接合された。
【実施例4】
【0036】
[Al溶湯に対する耐溶損性に優れる金属クラッド材の作製]
図1に示す接合装置10を使用して、TiまたはNb基材1と、厚さ0.4mmのTaまたはWのシート材2との接合を行った。内径48mm、深さ55mmの接合室21aに、衝突粒12として、径10mmのステンレス鋼製のボール100個を装入し、DCモーターを利用した機械的振動手段により、振幅5mm、50Hzで60分の振動を行った。なお、接合室21aの容積に占める各衝突粒12の体積の割合を表す衝突粒12の装入率は約50%であり、シート材2の表面に対する各衝突粒12の入射角は20度以下であった。その結果、TiまたはNb基材1とTaまたはWのシート材2とが、強固に接合された。
【実施例5】
【0037】
[耐高温酸化性に優れるNb基合金複合クラッド材の作製]
図1に示す接合装置10を使用して、厚さそれぞれ20, 150, 200μmのRe,
Al, Niのシート材2を、Nb基材1の片面にNi・Al・Re(Nb材側)の順番で重ね合わせて、接合室21aの開口部21bに設置し、Nb基合金複合クラッド材を作製した。内径48mm、深さ55mmの接合室21aに、衝突粒12として、径5mmのステンレス鋼製のボール800個を装入し、DCモーターを利用した機械的振動手段により、振幅5mm、100Hzで90分の振動を行った。なお、接合室21aの容積に占める各衝突粒12の体積の割合を表す衝突粒12の装入率は約50%であり、シート材2の表面に対する各衝突粒12の入射角は20度以下であった。その結果、Nb基材1の片面に、Re,
Al, Niのシート材2が強固に接合された。
【符号の説明】
【0038】
1 基材
2 シート材
10 接合装置
11 振動部
12 衝突粒
21 接合容器
21a 接合室
21b 開口部
21c フランジ部
22 固定部材
22a 閉塞板
22b 固定具



【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の衝突粒を装入可能な接合室を有し、基材の表面にシート材を重ねた状態で、前記シート材の表面が前記接合室の内側に向くよう、前記基材および前記シート材を設置可能に設けられた振動部と、
前記複数の衝突粒が前記シート材の表面に繰り返し衝突するよう、前記シート材の表面に対して垂直方向に前記振動部を往復振動させるよう構成された振動手段とを、
有することを特徴とする接合装置。
【請求項2】
各衝突粒は3乃至12mmの径を有し、50乃至70%の装入率で前記接合室に装入されており、
前記振動手段は、前記シート材の表面に対する各衝突粒の入射角が0乃至20度となるよう、振幅3乃至15mm、周波数50乃至100Hzで前記振動部を往復振動させるよう構成されていることを、
特徴とする請求項1記載の接合装置。
【請求項3】
複数の衝突粒を振動部の接合室に装入し、基材の表面にシート材を重ねた状態で、前記シート材の表面が前記接合室の内側に向くよう、前記基材および前記シート材を振動部に設置し、前記複数の衝突粒が前記シート材の表面に繰り返し衝突するよう、前記シート材の表面に対して垂直方向に前記振動部を往復振動させて前記基材と前記シート材とを接合することを、特徴とする接合方法。
【請求項4】
3乃至12mmの径を有する前記複数の衝突粒を、50乃至70%の装入率で前記接合室に装入し、前記シート材の表面に対する各衝突粒の入射角が0乃至20度となるよう、振幅3乃至15mm、周波数50乃至100Hzで前記振動部を往復振動させることを、特徴とする請求項3記載の接合方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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