説明

接合装置制御装置および多層接合方法

【課題】3枚以上の基板を1枚の接合基板に高速に接合すること。
【解決手段】接合チャンバーの内部で上基板とその中間基板とを接合することにより、その第1接合基板を作製するステップS12と、その接合チャンバーの内部にその第1接合基板が配置されているときに、その接合チャンバーの内部にその下基板を搬入するステップS13と、その接合チャンバーの内部でその第1接合基板とその下基板とを接合することにより、第2接合基板を作製するステップS14とを備えている。このような多層接合方法によれば、その上基板は、その中間基板に接合された後に、その接合チャンバーから取り出されることなしに、その下基板に接合されることができる。このため、その第2接合基板は、高速に作製されることができ、ローコストに作製されることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接合装置制御装置および多層接合方法に関し、特に、複数の基板を1枚の基板に接合するときに利用される接合装置制御装置および多層接合方法に関する。
【背景技術】
【0002】
微細な電気部品や機械部品を集積化したMEMSが知られている。そのMEMSとしては、マイクロリレー、圧力センサ、加速度センサなどが例示される。真空雰囲気で活性化されたウェハ表面同士を接触させ、そのウェハを接合する常温接合が知られている。このような常温接合は、そのMEMSを作製することに好適である。そのMEMSは、機構部分と回路部分とを1つのデバイスが備える多機能化が望まれ、このような常温接合では、3枚以上のウェハを1枚の基板に接合することが望まれている。さらに、このような常温接合は、量産性向上を指向する必要があり、3枚以上のウェハをより高速に接合することが望まれている。
【0003】
特開2008−288384号公報には、信頼性の高い3次元積層デバイスが開示されている。その3次元積層デバイスは、複数の半導体ウェハが積層一体化された後、各デバイスを形成する3次元積層デバイスであって、隣り合って積層される半導体ウェハにおいて、一方の半導体ウェハの接合部が凸状に形成され、他方の半導体ウェハの接合部が凹状に形成され、前記一方の半導体ウェハの凸状の接合部と、前記他方の半導体ウェハの凹状の接合部とが直接接合されて積層されて成ることを特徴としている。
【0004】
特開平05−160340号公報には、層間の素子の位置が精密に位置合わせできるとともに貼り合わせできるようにした三次元LSI用積層装置が開示されている。その三次元LSI積層装置は、X,Y,Zの3軸とこの各軸まわりの回転θX,θY,θZのうち少なくとも1軸合計4軸以上の制御軸をもった大ストローク低分解能の粗動ステージと、X,Y,Zの3軸とこの各軸まわりの回転θX,θY,θZの3軸合計6軸の制御軸をもった小ストローク高分解能の微動ステージと、前記粗動ステージ及び微動ステージによりXY方向位置合わせ及びZ方向の位置決め押し当てが可能な二枚のウェハと、二枚のウェハの垂直方向であるZ方向の間隔を検出するセンサと、ウェハ貼り合わせ時の荷重を検出するロードセルと、二枚のウェハの面内方向であるXY方向の位置偏差を検出する位置検出手段と、二枚のウェハを接着剤により硬化接着する硬化接着手段と、両手段を移動位置決めする移動機構を有した装置において、前記位置検出手段により検出された二枚のウェハのXY方向の位置偏差に基づいて、前記粗動ステージ及び微動ステージをクローズドループ制御することにより二枚のウェハのXY方向位置合わせを行うと共に前記センサにより検出された間隔及び前記ロードセルにより検出された荷重に基づき、前記粗動ステージ及び微動ステージをクローズドループ制御することにより二枚のウェハの平行度調整及び二枚のウェハの押し当てを行う制御装置を設けたことを特徴としている。
【0005】
特開2004−358602号公報には、高さが数100μm以上となる積層構造体を、短時間で歩留まり良く製造することができる積層構造体の製造方法が開示されている。その積層構造体の製造方法は、構造体の断面パターンに対応する複数の断面パターン部材が形成されたドナー基板を準備し、前記ドナー基板にターゲット基板を対向配置し、このターゲット基板を前記断面パターン部材に位置合わせして圧接したのち離間を行う処理を繰り返すことによって、前記断面パターン部材を転写、積層して接合された積層構造体の製造方法において、前記ドナー基板の準備は、前記構造体の断面パターンを反転した反転パターン層を前記ドナー基板上に形成する第1の工程と、前記反転パターン層の前記構造体の断面パターンに対応する空間部分にメッキにより前記複数の断面パターン部材を形成する第2の工程と、前記反転パターン層を除去する第3の工程を含むことを特徴としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−288384号公報
【特許文献2】特開平05−160340号公報
【特許文献3】特開2004−358602号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、3枚以上の基板を1枚の接合基板に高速に接合する接合装置制御装置および多層接合方法を提供することにある。
本発明の他の課題は、3枚以上の基板をよりローコストに接合する接合装置制御装置および多層接合方法を提供することにある。
本発明のさらに他の課題は、3枚以上の基板の位置ずれを防止する接合装置制御装置および多層接合方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下に、発明を実施するための形態・実施例で使用される符号を括弧付きで用いて、課題を解決するための手段を記載する。この符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態・実施例の記載との対応を明らかにするために付加されたものであり、特許請求の範囲に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0009】
本発明による多層接合方法は、接合チャンバー(2)の内部で第1基板(82)と中間基板(84)とを接合することにより、第1接合基板(87)を作製するステップと、接合チャンバー(2)の内部に第1接合基板(87)が配置されているときに、接合チャンバー(2)の内部に第2基板(86)を搬入するステップと、接合チャンバー(2)の内部で第1接合基板(87)と第2基板(86)とを接合することにより、第2接合基板(88)を作製するステップとを備えている。このような多層接合方法によれば、第1基板(82)は、中間基板(84)に接合された後に、接合チャンバー(2)から取り出されることなしに、第2基板(86)に接合されることができる。このため、第2接合基板(88)は、高速に作製されることができ、ローコストに作製されることができる。
【0010】
中間基板(84)は、中間基板(84)が中間カートリッジ(83)に載せられている状態で、接合チャンバー(2)の内部に搬入される。第1基板(82)と中間基板(84)とは、中間基板(84)が中間カートリッジ(83)に載せられている状態で、接合される。中間カートリッジ(83)は、第1基板(82)と中間基板(84)とが接合された後に、中間カートリッジ(83)に第1接合基板(87)が載せられていない状態で、接合チャンバー(2)の内部から搬出される。第2基板(86)は、中間カートリッジ(83)が接合チャンバー(2)の内部から搬出された後に、第2基板(86)がカートリッジ(85)に載せられている状態で、接合チャンバー(2)の内部に搬入される。第1接合基板(87)と第2基板(86)とは、第2基板(86)がカートリッジ(85)に載せられている状態で、接合されることが好ましい。
【0011】
第2基板(86)と第1接合基板(87)とが接合されるときに第2基板(86)と第1接合基板(87)とに印加される荷重は、第1基板(82)と中間基板(84)とが接合されるときに第1基板(82)と中間基板(84)とに印加される荷重より大きいことが好ましい。
【0012】
本発明による多層接合方法は、第1基板(82)と中間基板(84)とが接合される前に、第1基板(82)の中間基板(84)に対向する面と中間基板(84)の第1基板(82)に対向する面とを活性化させるステップと、第1接合基板(87)と第2基板(86)とが接合される前に、第1接合基板(87)の第2基板(86)に対向する面と第2基板(86)の第1接合基板(87)に対向する面とを活性化させるステップとをさらに備えていることが好ましい。
【0013】
本発明による多層接合方法は、第1基板(82)と中間基板(84)とが接合される前に、第1基板(82)と中間基板(84)とを位置合わせするステップと、第1接合基板(87)と第2基板(86)とが接合される前に、第1接合基板(87)と第2基板(86)とを位置合わせするステップとをさらに備えていることが好ましい。
【0014】
本発明による多層接合方法は、2枚の基板を接合することにより作製された第3接合基板を加工することにより中間基板(84)を作製するステップをさらに備えていることが好ましい。
【0015】
本発明による多層接合方法は、第2接合基板(88)をダイシングすることにより複数の製品を作製するステップをさらに備えていることが好ましい。
【0016】
本発明による多層接合方法は、カートリッジ(85)がロードロックチャンバー(3)の内部に配置されている場合で、第2基板(86)がカートリッジ(85)に載せられているときに、ロードロックチャンバー(3)の内部を減圧するステップをさらに備えている。第2基板(86)は、ロードロックチャンバー(3)の内部が減圧された後に、ロードロックチャンバー(3)の内部から接合チャンバー(2)の内部に搬入される。カートリッジ(85)は、第2基板(86)がカートリッジ(85)に載るときに第2基板(86)が接触する島部分(61)が形成されている。島部分(61)は、第2基板(86)がカートリッジ(85)に載せられているときに、カートリッジ(85)と第2基板(86)とに挟まれる空間を外部に接続する流路が形成されている。その空間に充填された気体は、ロードロックチャンバー(3)の内部の雰囲気が減圧されるときに、その流路を通って外部に排気される。このため、このようなカートリッジ(85)は、その雰囲気が減圧されるときに、その気体がカートリッジ(85)に対して第2基板(86)を移動させることを防止することができる。
【0017】
本発明による接合装置制御装置(10)は、接合チャンバー(2)の内部で第1基板(82)と中間基板(84)とが接合されるように、圧接機構(11)を制御する駆動部(32)と、第1基板(82)と中間基板(84)とが接合されて形成された第1接合基板(87)が接合チャンバー(2)の内部に配置されているときに、接合チャンバー(2)の内部に第2基板(86)が搬入されるように、搬送装置(6)を制御する搬送部(31)とを備えている。駆動部(32)は、さらに、接合チャンバー(2)の内部で第1接合基板(87)と第2基板(86)とが接合されるように、圧接機構(11)を制御する。このような接合装置制御装置(10)によれば、第1基板(82)は、中間基板(84)に接合された後に、接合チャンバー(2)から取り出されることなしに、第2基板(86)に接合されることができる。このため、第2接合基板(88)は、高速に作製されることができ、ローコストに作製されることができる。
【0018】
中間基板(84)は、中間基板(84)が中間カートリッジ(83)に載せられている状態で、接合チャンバー(2)の内部に搬入される。第1基板(82)と中間基板(84)とは、中間基板(84)が中間カートリッジ(83)に載せられている状態で、接合される。中間カートリッジ(83)は、第1基板(82)と中間基板(84)とが接合された後に、中間カートリッジ(83)に第1接合基板(87)が載せられていない状態で、接合チャンバー(2)の内部から搬出される。第2基板(86)は、中間カートリッジ(83)が接合チャンバー(2)の内部から搬出された後に、第2基板(86)がカートリッジ(85)に載せられている状態で、接合チャンバー(2)の内部に搬入される。第1接合基板(87)と第2基板(86)とは、第2基板(86)がカートリッジ(85)に載せられている状態で、接合されることが好ましい。
【0019】
駆動部(32)は、第2基板(86)と第1接合基板(87)とが接合されるときに第2基板(86)と第1接合基板(87)とに印加される荷重が第1基板(82)と中間基板(84)とが接合されるときに第1基板(82)と中間基板(84)とに印加される荷重より大きくなるように、圧接機構(11)を駆動することが好ましい。
【0020】
本発明による接合装置制御装置(10)は、第1基板(82)と中間基板(84)とが接合される前に、第1基板(82)の中間基板(84)に対向する面と中間基板(84)の第1基板(82)に対向する面とが活性化するように、活性化装置(14)を制御する活性化部(34)をさらに備えている。活性化部(34)は、さらに、第1接合基板(87)と第2基板(86)とが接合される前に、第1接合基板(87)の第2基板(86)に対向する面と第2基板(86)の第1接合基板(87)に対向する面とが活性化するように、活性化装置(14)を制御する。
【0021】
本発明による接合装置制御装置(10)は、第1基板(82)と中間基板(84)とが接合される前に、第1基板(82)と中間基板(84)とが位置合わせされるように、位置合わせ機構(12,91−1〜91−2)を制御する位置合わせ部(35)をさらに備えている。位置合わせ部(35)は、さらに、第1接合基板(87)と第2基板(86)とが接合される前に、第1接合基板(87)と第2基板(86)とが位置合わせされるように、位置合わせ機構(12,91−1〜91−2)を制御する。
【0022】
搬送部(31)は、さらに、カートリッジ(85)がロードロックチャンバー(3)の内部に配置されている場合で、第2基板(86)がカートリッジ(85)に載せられているときに、ロードロックチャンバー(3)の内部を減圧する。第2基板(86)は、ロードロックチャンバー(3)の内部が減圧された後に、ロードロックチャンバー(3)の内部から接合チャンバー(2)の内部に搬入される。カートリッジ(85)は、第2基板(86)がカートリッジ(85)に載るときに第2基板(86)が接触する島部分(51−1〜51−4)(61)が形成されている。島部分(51−1〜51−4)(61)は、第2基板(86)がカートリッジ(85)に載せられているときに、カートリッジ(85)と第2基板(86)とに挟まれる空間を外部に接続する流路が形成されている。その空間に充填された気体は、ロードロックチャンバー(3)の内部の雰囲気が減圧されるときに、その流路を通って外部に排気される。このため、このようなカートリッジ(85)は、その雰囲気が減圧されるときに、その気体がカートリッジ(85)に対して第2基板(86)を移動させることを防止することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明による接合装置制御装置および多層接合方法は、3枚以上の基板を1枚の接合基板に高速に接合することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、接合装置を示す断面図である。
【図2】図2は、ステージキャリッジを示す斜視図である。
【図3】図3は、搬送装置のハンドを示す平面図である。
【図4】図4は、上カートリッジを示す平面図である。
【図5】図5は、ウェハ位置決めピンを示す断面図である。
【図6】図6は、上カートリッジを示す断面図である。
【図7】図7は、位置決め用ピンを示す断面図である。
【図8】図8は、下カートリッジを示す平面図である。
【図9】図9は、下カートリッジを示す断面図である。
【図10】図10は、アライメント機構を示す平面図である。
【図11】図11は、本発明による接合装置制御装置を示すブロック図である。
【図12】図12は、接合装置を用いて実行される動作を示すフローチャートである。
【図13】図13は、ステップS1における接合対象の状態の例を示す側面図である。
【図14】図14は、ステップS3における接合対象の状態の例を示す側面図である。
【図15】図15は、ステップS3における接合対象の他の状態の例を示す側面図である。
【図16】図16は、ステップS4における接合対象の状態の例を示す側面図である。
【図17】図17は、ステップS12における接合対象の状態の例を示す側面図である。
【図18】図18は、ステップS13における接合対象の状態の例を示す側面図である。
【図19】図19は、ステップS13における接合対象の他の状態の例を示す側面図である。
【図20】図20は、ステップS14における接合対象の状態の例を示す側面図である。
【図21】図21は、ステップS14における接合対象の他の状態の例を示す側面図である。
【図22】図22は、比較例のカートリッジにウェハが載った状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図面を参照して、本発明による接合装置制御装置の実施の形態を記載する。その接合装置制御装置10は、図1に示されているように、接合システムに適用されている。すなわち、その接合システムは、接合装置制御装置10と接合装置1とを備えている。接合装置1は、接合チャンバー2とロードロックチャンバー3とを備えている。接合チャンバー2とロードロックチャンバー3とは、内部を環境から密閉する容器である。接合装置1は、さらに、ゲートバルブ5を備えている。ゲートバルブ5は、接合チャンバー2とロードロックチャンバー3との間に介設されている。ゲートバルブ5は、接合装置制御装置10により制御されることにより、接合チャンバー2の内部とロードロックチャンバー3の内部とを接続するゲートを閉鎖し、または、そのゲートを開放する。ロードロックチャンバー3は、図示されていない蓋を備えている。その蓋は、ロードロックチャンバー3の外部と内部とを接続するゲートを閉鎖し、または、そのゲートを開放する。
【0026】
ロードロックチャンバー3は、真空ポンプ4を備えている。真空ポンプ4は、接合装置制御装置10により制御されることにより、ロードロックチャンバー3の内部から気体を排気する。真空ポンプ4としては、ターボ分子ポンプ、クライオポンプ、油拡散ポンプが例示される。ロードロックチャンバー3は、さらに、搬送機構6を内部に備えている。搬送機構6は、接合装置制御装置10により制御されることにより、ゲートバルブ5を介してロードロックチャンバー3の内部に配置されたウェハを接合チャンバー2に搬送し、または、ゲートバルブ5を介して接合チャンバー2に配置されたウェハをロードロックチャンバー3の内部に搬送する。
【0027】
接合チャンバー2は、真空ポンプ9を備えている。真空ポンプ9は、接合装置制御装置10により制御されることにより、接合チャンバー2の内部から気体を排気する。真空ポンプ9としては、ターボ分子ポンプ、クライオポンプ、油拡散ポンプが例示される。
【0028】
接合チャンバー2は、さらに、ステージキャリッジ45と位置合わせ機構12とを備えている。ステージキャリッジ45は、接合チャンバー2の内部に配置され、水平方向に平行移動可能に、かつ、鉛直方向に平行である回転軸を中心に回転移動可能に支持されている。位置合わせ機構12は、さらに、接合装置制御装置10により制御されることにより、ステージキャリッジ45が水平方向に平行移動し、または、ステージキャリッジ45が鉛直方向に平行である回転軸を中心に回転移動するように、ステージキャリッジ45を駆動する。
【0029】
接合チャンバー2は、さらに、圧接機構11と圧接軸13と静電チャック18と荷重計19とを備えている。圧接軸13は、接合チャンバー2に対して鉛直方向に平行移動可能に支持されている。静電チャック18は、圧接軸13の下端に配置され、位置合わせ機構12に対向する面に誘電層を備えている。静電チャック18は、接合装置制御装置10により制御されることにより、静電力によってウェハを保持する。圧接機構11は、接合装置制御装置10により制御されることにより、接合チャンバー2に対して鉛直方向に圧接軸13を平行移動させる。圧接機構11は、さらに、静電チャック18が配置される位置を測定し、その位置を接合装置制御装置10に出力する。荷重計19は、圧接軸13に印加される荷重を測定することにより、静電チャック18により保持されたウェハに印加される荷重を測定し、その荷重を接合装置制御装置10に出力する。
【0030】
接合チャンバー2は、さらに、イオンガン14と電子源15とを備えている。イオンガン14は、静電チャック18が上方に配置されているときに、位置合わせ機構12と静電チャック18との間の空間に向くように配置されている。イオンガン14は、接合装置制御装置10により制御されることにより、位置合わせ機構12と静電チャック18との間の空間を通り、接合チャンバー2の内側表面に交差する照射軸に沿って、アルゴンイオンを加速して放出する。イオンガン14は、さらに、図示されていない金属ターゲットを備えている。その金属ターゲットは、そのアルゴンイオンが照射される位置に配置されている。なお、その金属ターゲットは、ウェハの接合面に金属を付着させることが不要であるときに、省略することもできる。電子源15は、イオンガン14と同様にして、位置合わせ機構12と静電チャック18との間の空間に向くように配置されている。電子源15は、接合装置制御装置10により制御されることにより、位置合わせ機構12と静電チャック18との間の空間を通り、接合チャンバー2の内側表面に交差する他の照射軸に沿って、電子を加速して放出する。
【0031】
図2は、ステージキャリッジ45を示している。ステージキャリッジ45は、概ね円盤状に形成されている。ステージキャリッジ45は、その円盤の軸が鉛直方向に平行になるように配置され、その円盤の上側の面に平坦な支持面46が形成されている。ステージキャリッジ45は、支持面46に複数のアライメント用孔47が形成されている。ステージキャリッジ45は、さらに、支持面46の外周部に複数の位置決めピン48−1〜48−2が形成されている。複数の位置決めピン48−1〜48−2は、それぞれ、円形で先細の突起に形成されている。
【0032】
図3は、搬送機構6が備えるハンド17を示している。ハンド17は、爪21−1、21−2が形成されている。爪21−1、21−2は、それぞれ、板状に形成されている。爪21−1、21−2は、1つの水平面に沿うように配置されている。爪21−1は、直線状の辺縁25−1を有している。爪21−2は、直線状の辺縁25−2を有している。爪21−1、21−2は、辺縁25−1が辺縁25−2に対向するように、かつ、辺縁25−1と辺縁25−2とが平行になるように配置されている。爪21−1は、辺縁25−1の一部に切り欠き49−1が形成されている。爪21−2は、辺縁25−2の一部に切り欠き49−2が形成されている。切り欠き49−2は、切り欠き49−1に対向するように、形成されている。
【0033】
図4は、上カートリッジ7を示している。上カートリッジ7は、アルミニウムまたはステンレス鋼から形成され、概ね円盤状に形成され、上ウェハを載せるために利用される。上カートリッジ7は、複数の位置決め穴53−1〜53−2と複数のアライメント用穴54とが形成されている。複数の位置決め穴53−1〜53−2は、円形に形成され、その円盤の外周の近傍に形成されている。複数の位置決め穴53−1〜53−2の径は、それぞれ、ステージキャリッジ45の位置決めピン48−1〜48−2の径に概ね等しい。複数の位置決め穴53−1〜53−2は、さらに、位置決め穴53−1と位置決め穴53−2との距離が位置決めピン48−1と位置決めピン48−2との距離に一致するように、形成されている。すなわち、複数の位置決め穴53−1〜53−2は、上カートリッジ7がステージキャリッジ45に置かれたときに、複数の位置決めピン48−1〜48−2に嵌まるように、配置されている。すなわち、上カートリッジ7は、複数の位置決め穴53−1〜53−2に複数の位置決めピン48−1〜48−2が嵌まるようにステージキャリッジ45に置かれたときに、ステージキャリッジ45の定位置に載せられる。
【0034】
複数のアライメント用穴54は、貫通するように形成されている。複数のアライメント用穴54は、上カートリッジ7がステージキャリッジ45に置かれたときに、ステージキャリッジ45の複数のアライメント用孔47にそれぞれ接続されるように形成されている。複数のアライメント用穴54は、さらに、上カートリッジ7に上ウェハが載せられたときに、その上ウェハに形成されるアライメントマークに一致するように、形成されている。
【0035】
上カートリッジ7は、さらに、その円盤の上側の面に、複数の島部分51−1〜51−4と複数のウェハ位置決めピン52−1〜52−3とが形成されている。複数の島部分51−1〜51−4は、その円盤の上側の面から突出する突起に形成され、上カートリッジ7に載せられる上ウェハの外周に沿うように形成され、上端が1つの平面に沿うように形成されている。複数のウェハ位置決めピン52−1〜52−3は、その円盤の上側の面から突出する突起に形成され、上カートリッジ7に載せられる上ウェハの外周に沿うように形成されている。ウェハ位置決めピン52−2〜52−3は、特に、上カートリッジ7に載せられる上ウェハのオリエンテーションフラットに沿うように形成されている。このとき、上ウェハは、オリエンテーションフラットがウェハ位置決めピン52−2〜52−3に接するように、かつ、外周がウェハ位置決めピン52−1に接するように、上カートリッジ7に載せられるときに、上カートリッジ7の定位置に載せられる。上カートリッジ7は、さらに、上ウェハがその定位置に載せられたときに、上カートリッジ7と上ウェハとに挟まれる空間が外部に通じる流路が形成されるように、複数の島部分51−1〜51−4が形成されている。すなわち、複数の島部分51−1〜51−4は、互いに、連ならないように形成されている。
【0036】
さらに、複数のウェハ位置決めピン52−1〜52−3は、複数の島部分51−1〜51−4より高く形成され、複数の島部分51−1〜51−4の高さとその上ウェハの厚さとの和より低く形成されている。すなわち、複数の島部分51−1〜51−4は、図5に示されているように、上カートリッジ7に上ウェハが載せられたときに、上ウェハの上カートリッジ7に対向する面の外周に接触するように、形成されている。複数のウェハ位置決めピン52−1〜52−3は、上カートリッジ7に上ウェハが載せられたときに、上ウェハの側面に接触するように、形成されている。複数のウェハ位置決めピン52−1〜52−3は、上カートリッジ7に上ウェハが載せられたときに、上ウェハの上カートリッジ7に対向する面の裏面から突出しないように、形成されている。
【0037】
上カートリッジ7は、図6に示されているように、フランジ部分56と本体部分57とから形成されている。本体部分57は、円柱状に形成されている。その円柱の径は、ハンド17の辺縁25−1と辺縁25−2との間隔より小さい。フランジ部分56は、本体部分57の円柱の側面から張り出すように形成され、円盤状に形成されている。その円盤の径は、ハンド17辺縁25−1と辺縁25−2との間隔より大きい。すなわち、上カートリッジ7は、フランジ部分56が爪21−1〜21−2に載ることにより、搬送機構6に把持される。
【0038】
上カートリッジ7は、さらに、図7に示されているように、位置決め用ピン59が形成されている。位置決め用ピン59は、フランジ部分56の下側に向いている面から突出する突起に形成されている。位置決め用ピン59の径は、切り欠き49−1〜49−2の径と概ね等しい。位置決め用ピン59は、フランジ部分56の円盤の中心に関して互いに対称である2つの部分に、2つが形成されている。すなわち、位置決め用ピン59は、上カートリッジ7が搬送機構6に把持されたときに、爪21−1〜21−2の切り欠き49−1〜49−2にそれぞれ嵌まるように、形成されている。このとき、上カートリッジ7は、爪21−1〜21−2の切り欠き49−1〜49−2にそれぞれ嵌まるように搬送機構6に把持されるときに、ハンド17の定位置に把持される。
【0039】
図8は、下カートリッジ8を示している。下カートリッジ8は、アルミニウムまたはステンレス鋼から形成され、概ね円盤状に形成され、下ウェハを載せるために利用される。下カートリッジ8は、複数の位置決め穴63−1〜63−2と複数のアライメント用穴64とが形成されている。複数の位置決め穴63−1〜63−2は、円形に形成され、その円盤の外周の近傍に形成されている。複数の位置決め穴63−1〜63−2の径は、それぞれ、ステージキャリッジ45の位置決めピン48−1〜48−2の径に概ね等しい。複数の位置決め穴63−1〜63−2は、さらに、位置決め穴63−1と位置決め穴63−2との距離が位置決めピン48−1と位置決めピン48−2との距離に一致するように、形成されている。すなわち、複数の位置決め穴63−1〜63−2は、下カートリッジ8がステージキャリッジ45に置かれたときに、複数の位置決めピン48−1〜48−2に嵌まるように、配置されている。すなわち、下カートリッジ8は、複数の位置決め穴63−1〜63−2に複数の位置決めピン48−1〜48−2が嵌まるようにステージキャリッジ45に置かれたときに、ステージキャリッジ45の定位置に載せられる。
【0040】
複数のアライメント用穴64は、貫通するように形成されている。複数のアライメント用穴64は、下カートリッジ8がステージキャリッジ45に置かれたときに、ステージキャリッジ45の複数のアライメント用孔47にそれぞれ接続されるように形成されている。複数のアライメント用穴64は、さらに、下カートリッジ8に下ウェハが載せられたときに、その下ウェハに形成されるアライメントマークに一致するように、形成されている。
【0041】
下カートリッジ8は、さらに、その円盤の上側の面に、島部分61と複数のウェハ位置決めピン62−1〜62−3とが形成されている。島部分61は、その円盤の上側の面から突出する突起に形成され、下カートリッジ8に載せられる下ウェハの形状と概ね等しい形状に形成され、上端が1つの平面に沿うように形成されている。島部分61は、上端に溝65が形成されている。溝65は、上端に格子状に形成されている。溝65は、さらに、島部分61の側面に繋がるように、形成されている。
【0042】
複数のウェハ位置決めピン62−1〜62−3は、その円盤の上側の面から突出する突起に形成され、下カートリッジ8に載せられる下ウェハの外周に沿うように形成されている。ウェハ位置決めピン62−2〜62−3は、特に、下カートリッジ8に載せられる下ウェハのオリエンテーションフラットに沿うように形成されている。このとき、下ウェハは、オリエンテーションフラットがウェハ位置決めピン62−2〜62−3に接するように、かつ、外周がウェハ位置決めピン62−1に接するように、下カートリッジ8に載せられるときに、下カートリッジ8の定位置に載せられる。
【0043】
さらに、複数のウェハ位置決めピン62−1〜62−3は、島部分61より高く形成され、島部分61の高さとその下ウェハの厚さとの和より低く形成されている。すなわち、島部分61は、下カートリッジ8に下ウェハが載せられたときに、その下ウェハの下カートリッジ8に対向する面の大部分に接触するように、形成されている。複数のウェハ位置決めピン62−1〜62−3は、下カートリッジ8に下ウェハが載せられたときに、その下ウェハの側面に接触するように、形成されている。複数のウェハ位置決めピン62−1〜62−3は、下カートリッジ8に下ウェハが載せられたときに、その下ウェハの下カートリッジ8に対向する面の裏面から突出しないように、形成されている。
【0044】
下カートリッジ8は、図9に示されているように、フランジ部分66と本体部分67とから形成されている。本体部分67は、円柱状に形成されている。その円柱の径は、辺縁25−1と辺縁25−2との間隔より小さい。フランジ部分66は、本体部分67の円柱の側面から張り出すように形成され、円盤状に形成されている。その円盤の径は、辺縁25−1と辺縁25−2との間隔より大きい。すなわち、下カートリッジ8は、フランジ部分66が爪21−1〜21−2に載ることにより、搬送機構6に把持される。
【0045】
下カートリッジ8は、さらに、上カートリッジ7と同様にして、その位置決め用ピンが形成されている。その位置決め用ピンは、フランジ部分66の下側に向いている面から突出する突起に形成されている。その位置決め用ピンの径は、切り欠き49−1〜49−2の径と概ね等しい。その位置決め用ピンは、フランジ部分66の円盤の中心に関して互いに対称である2つの部分に、2つが形成されている。すなわち、その位置決め用ピンは、下カートリッジ8が搬送機構6に把持されたときに、爪21−1〜21−2の切り欠き49−1〜49−2にそれぞれ嵌まるように、形成されている。このとき、下カートリッジ8は、爪21−1〜21−2の切り欠き49−1〜49−2にそれぞれ嵌まるように搬送機構6に把持されるときに、ハンド17の定位置に把持される。
【0046】
接合装置1は、図10に示されているように、さらに、2つのアライメント機構91−1〜91−2を備えている。アライメント機構91−1〜91−2は、接合チャンバー2の外側に配置され、ステージキャリッジ45の静電チャック18に対向する側の反対側に配置されている。アライメント機構91−1〜91−2の各々は、光源92と鏡筒93とカメラ94とを備えている。光源92と鏡筒93とカメラ94とは、接合チャンバー2に固定されている。光源92は、接合装置制御装置10により制御されることにより、シリコン基板を透過する赤外線を生成する。その赤外線の波長としては、1μm以上の波長が例示される。鏡筒93は、光源92により生成される赤外線の向きを鉛直方向に変えて、ステージキャリッジ45の複数のアライメント用孔47に向けてその赤外線を照射する。鏡筒93は、さらに、ステージキャリッジ45の複数のアライメント用孔47から鏡筒93に向けて進行する赤外線をカメラ94に透過する。カメラ94は、接合装置制御装置10により制御されることにより、鏡筒93を透過した赤外線に基づいて画像を生成し、その画像を示す電気信号を接合装置制御装置10に出力する。
【0047】
図11は、接合装置制御装置10を示している。接合装置制御装置10は、図示されていないCPUと記憶装置とリムーバルメモリドライブと入力装置とインターフェースとを備えている。そのCPUは、接合装置制御装置10にインストールされるコンピュータプログラムを実行して、その記憶装置と入力装置とインターフェースとを制御する。その記憶装置は、そのコンピュータプログラムを記録し、そのCPUにより生成される情報を一時的に記録する。そのリムーバルメモリドライブは、記録媒体が挿入されたときに、その記録媒体に記録されているデータを読み出すことに利用される。そのリムーバルメモリドライブは、特に、コンピュータプログラムが記録されている記録媒体が挿入されたときに、そのコンピュータプログラムを接合装置制御装置10にインストールするときに利用される。その入力装置は、ユーザに操作されることにより情報を生成し、その情報をそのCPUに出力する。その入力装置としては、キーボードが例示される。そのインターフェースは、接合装置制御装置10に接続される外部機器により生成される情報をそのCPUに出力し、そのCPUにより生成された情報をその外部機器に出力する。その外部機器は、真空ポンプ4と搬送機構6と真空ポンプ9と圧接機構11と位置合わせ機構12とイオンガン14と電子源15と静電チャック18と荷重計19と光源92とカメラ94とを含んでいる。
【0048】
接合装置制御装置10にインストールされるコンピュータプログラムは、接合装置制御装置10に複数の機能を実現させるための複数のコンピュータプログラムから形成されている。その複数の機能は、搬送部31と駆動部32とチャック制御部33と活性化部34と位置合わせ部35とを含んでいる。
【0049】
搬送部31は、ゲートバルブ5を閉鎖する。搬送部31は、さらに、ゲートバルブ5が閉鎖されているときに、真空ポンプ4を用いてロードロックチャンバー3の内部に所定の真空度の予備雰囲気を生成し、または、ロードロックチャンバー3の内部に大気圧雰囲気を生成する。搬送部31は、ロードロックチャンバー3の内部にその所定の真空度の雰囲気が生成されているときに、ゲートバルブ5を開放し、または、ゲートバルブ5を閉鎖する。搬送部31は、ゲートバルブ5が開放されているときに、搬送機構6を用いてロードロックチャンバー3の内部に配置されているステージキャリッジ45を位置合わせ機構12に搬送し、または、搬送機構6を用いて位置合わせ機構12に保持されているステージキャリッジ45をロードロックチャンバー3の内部に搬送する。
【0050】
駆動部32は、静電チャック18が平行移動するように、圧接機構11を制御する。駆動部32は、さらに、静電チャック18が所定の位置に到達するタイミングを算出し、そのタイミングで静電チャック18が停止するように、圧接機構11を制御する。駆動部32は、荷重計19により測定された荷重に基づいて、その測定された荷重が所定の荷重に到達するタイミングを算出し、そのタイミングで静電チャック18が停止するように、圧接機構11を制御する。
【0051】
チャック制御部33は、静電チャック18がウェハを保持するように、または、静電チャック18がウェハを保持しないように、静電チャック18を制御する。
【0052】
活性化部34は、ゲートバルブ5が閉鎖されているときに、真空ポンプ9を用いて接合チャンバー2の内部に所定の真空度の接合雰囲気を生成する。活性化部34は、さらに、接合チャンバー2の内部にその接合雰囲気が生成されているときに、イオンガン14を用いて上ウェハと下ウェハとの間に向けてアルゴンイオンを放出する。活性化部34は、さらに、そのアルゴンイオンが放出されている最中に、電子源15を用いて上ウェハと下ウェハとの間に向けて電子を放出する。
【0053】
位置合わせ部35は、上ウェハが載っている上カートリッジ7がステージキャリッジ45に載っているときに、上ウェハの水平方向の位置が所定の位置に配置されるように、位置合わせ機構12を制御する。位置合わせ部35は、さらに、静電チャック18が上ウェハを保持している場合で、下ウェハが載っている下カートリッジ8がステージキャリッジ45に載っているときに、上ウェハと下ウェハとが所定の距離まで接近するように圧接機構11を制御する。位置合わせ部35は、さらに、上ウェハと下ウェハとがその所定の距離に離れているときに、上ウェハに対する下ウェハの水平方向の位置が所定の位置に配置されるように、位置合わせ機構12を制御する。
【0054】
本発明による接合方法の実施の形態は、接合装置1を用いて実行される動作と、接合装置1を用いないで実行される動作とを備えている。
【0055】
図12は、接合装置1を用いて実行される動作を示している。作業者は、まず、ゲートバルブ5を閉鎖して、真空ポンプ9を用いて接合チャンバー2の内部に真空雰囲気を生成し、ロードロックチャンバー3の内部に大気圧雰囲気を生成する。作業者は、オリエンテーションフラットがウェハ位置決めピン52−2〜52−3に接するように、かつ、外周がウェハ位置決めピン52−1に接するように、上カートリッジ7に上ウェハを載せる。作業者は、オリエンテーションフラットがウェハ位置決めピン62−2〜62−3に接するように、かつ、外周がウェハ位置決めピン62−1に接するように、下カートリッジ8に下ウェハを載せる。このような下カートリッジ8は、複数が用意される。作業者は、ロードロックチャンバー3の蓋を開けて、ロードロックチャンバー3の内部に上カートリッジ7を配置し、ロードロックチャンバー3の内部に複数の下カートリッジ8を配置する。作業者は、次いで、ロードロックチャンバー3の蓋を閉めて、ロードロックチャンバー3の内部に真空雰囲気を生成する。
【0056】
接合装置制御装置10は、ロードロックチャンバー3の内部に真空雰囲気が生成された後に、ゲートバルブ5を開放する。接合装置制御装置10は、まず、上ウェハを静電チャック18に保持させる。接合装置制御装置10は、上ウェハが載せられた上カートリッジ7がロードロックチャンバー3からステージキャリッジ45の上まで搬送されるように、搬送機構6を制御する。接合装置制御装置10は、搬送機構6のハンド17が降下するように、搬送機構6を制御する。このとき、上カートリッジ7は、複数の位置決め穴53−1〜53−2がステージキャリッジ45の複数の位置決めピン48−1〜48−2にそれぞれ嵌まり、ステージキャリッジ45に保持される(ステップS1)。接合装置制御装置10は、搬送機構6のハンド17がロードロックチャンバー3の内部に退避するように、搬送機構6を制御する。
【0057】
接合装置制御装置10は、次いで、上ウェハに形成されたアライメントマークの画像が撮影されるように、アライメント機構91−1〜91−2を制御する。接合装置制御装置10は、上ウェハの水平方向の位置が所定の位置に配置されるように、その画像に基づいて位置合わせ機構12を制御する(ステップS2)。接合装置制御装置10は、次いで、静電チャック18が鉛直下方向に下降するように、圧接機構11を制御する。接合装置制御装置10は、静電チャック18が上ウェハに接触したときに静電チャック18が停止するように圧接機構11を制御し、静電チャック18が上ウェハを保持するように静電チャック18を制御する。このとき、上カートリッジ7の複数のウェハ位置決めピン52−1〜52−3は、上ウェハから突出しないように形成されているために、静電チャック18に接触しない。このため、接合装置1は、静電チャック18に上ウェハをより確実に接触させることができ、静電チャック18に上ウェハをより確実に保持させることができる。接合装置制御装置10は、上ウェハが上カートリッジ7から離れるように、すなわち、静電チャック18が鉛直上方向に上昇するように、圧接機構11を制御する。接合装置制御装置10は、上ウェハが上カートリッジ7から離れた後で、上ウェハが載せられていない上カートリッジ7がステージキャリッジ45からロードロックチャンバー3の内部に搬送されるように、搬送機構6を制御する(ステップS3)。
【0058】
接合装置制御装置10は、上ウェハを静電チャック18に保持させた後に、下ウェハが載せられた下カートリッジ8がロードロックチャンバー3からステージキャリッジ45の上まで搬送されるように、搬送機構6を制御する。接合装置制御装置10は、搬送機構6のハンド17が降下するように、搬送機構6を制御する。このとき、下カートリッジ8は、複数の位置決め穴63−1〜63−2がステージキャリッジ45の複数の位置決めピン48−1〜48−2にそれぞれ嵌まり、ステージキャリッジ45に保持される。接合装置制御装置10は、搬送機構6のハンド17がロードロックチャンバー3の内部に退避するように、搬送機構6を制御する。接合装置制御装置10は、次いで、ゲートバルブ5を閉鎖し、接合チャンバー2の内部に所定の真空度の接合雰囲気が生成されるように、真空ポンプ9を制御する(ステップS4)。
【0059】
接合装置制御装置10は、次いで、下ウェハに形成されたアライメントマークの画像が撮影されるように、アライメント機構91−1〜91−2を制御する。接合装置制御装置10は、下ウェハの水平方向の位置が所定の位置に配置されるように、その画像に基づいて位置合わせ機構12を制御する(ステップS5)。接合装置制御装置10は、接合チャンバー2の内部にその接合雰囲気が生成されているときに、静電チャック18に保持された上ウェハとステージキャリッジ45に保持された下ウェハとが離れた状態で、上ウェハと下ウェハとの間に向けて粒子が放出されるように、イオンガン14を制御する(ステップS6)。その粒子は、上ウェハと下ウェハとに照射され、その表面に形成される酸化物等を除去し、その表面に付着している不純物を除去する。
【0060】
接合装置制御装置10は、静電チャック18が所定の位置まで鉛直下方向に下降するように、圧接機構11を制御する。接合装置制御装置10は、さらに、上ウェハと下ウェハとが所定の距離だけ離れるように、すなわち、静電チャック18が所定の位置で停止するように、圧接機構11を制御する(ステップS7)。接合装置制御装置10は、次いで、上ウェハに形成されたアライメントマークと下ウェハに形成されたアライメントマークとが映し出される画像が撮影されるように、アライメント機構91−1〜91−2を制御する。接合装置制御装置10は、上ウェハと下ウェハとが設計通りに接合されるように、その撮影された画像に基づいて位置合わせ機構12を制御する(ステップS9)。
【0061】
接合装置制御装置10は、上ウェハと下ウェハとが接合された後に下ウェハと別個の下ウェハをさらに接合するときに(ステップS10、YES)、上ウェハが下ウェハに接触するように、すなわち、静電チャック18が鉛直下方向に下降するように、圧接機構11を制御する(ステップS12)。上ウェハと下ウェハとは、その接触により接合され、1枚の接合ウェハが生成される。このとき、下カートリッジ8の複数のウェハ位置決めピン62−1〜62−3は、下ウェハから突出しないように形成されているために、静電チャック18または上ウェハに接触しない。このため、接合装置1は、上ウェハに下ウェハをより確実に接触させることができ、上ウェハと下ウェハとをより確実に接合させることができる。さらに、このとき、下カートリッジ8の島部分61は、下ウェハの概ね全部に接触する。このため、下ウェハは、接合時に印加される荷重により破損されることが防止され、接合装置1は、より大きい荷重を上ウェハと下ウェハとに印加することができる。
【0062】
接合装置制御装置10は、その接合ウェハが下カートリッジ8から離れるように、すなわち、その接合ウェハが静電チャック18に保持されたままになるように静電チャック18を制御し、静電チャック18が鉛直上方向に上昇するように、圧接機構11を制御する。接合装置制御装置10は、次いで、ゲートバルブ5を開放し、下カートリッジ8をステージキャリッジ45からロードロックチャンバー3に搬送されるように、搬送機構6を制御する。接合装置制御装置10は、その接合ウェハが載せられていない下カートリッジ8がロードロックチャンバー3に搬送された後に、下ウェハが載せられた下カートリッジ8がロードロックチャンバー3からステージキャリッジ45の上まで搬送されるように、搬送機構6を制御する。接合装置制御装置10は、搬送機構6のハンド17が降下するように、搬送機構6を制御する。このとき、下カートリッジ8は、複数の位置決め穴63−1〜63−2がステージキャリッジ45の複数の位置決めピン48−1〜48−2にそれぞれ嵌まり、ステージキャリッジ45に保持される。接合装置制御装置10は、搬送機構6のハンド17がロードロックチャンバー3の内部に退避するように、搬送機構6を制御する。接合装置制御装置10は、次いで、ゲートバルブ5を閉鎖し、接合チャンバー2の内部に所定の真空度の接合雰囲気が生成されるように、真空ポンプ9を制御する(ステップS13)。
【0063】
接合装置制御装置10は、次いで、下ウェハに形成されたアライメントマークの画像が撮影されるように、アライメント機構91−1〜91−2を制御する。接合装置制御装置10は、下ウェハの水平方向の位置が所定の位置に配置されるように、その画像に基づいて位置合わせ機構12を制御する(ステップS5)。接合装置制御装置10は、接合チャンバー2の内部にその接合雰囲気が生成されているときに、静電チャック18に保持されたその接合ウェハとステージキャリッジ45に保持された下ウェハとが離れた状態で、その接合ウェハと下ウェハとの間に向けて粒子が放出されるように、イオンガン14を制御する(ステップS6)。その粒子は、その接合ウェハと下ウェハとに照射され、その表面に形成される酸化物等を除去し、その表面に付着している不純物を除去する。
【0064】
接合装置制御装置10は、静電チャック18が所定の位置まで鉛直下方向に下降するように、圧接機構11を制御する。接合装置制御装置10は、さらに、その接合ウェハと下ウェハとが所定の距離だけ離れるように、すなわち、静電チャック18が所定の位置で停止するように、圧接機構11を制御する(ステップS7)。接合装置制御装置10は、次いで、その接合ウェハに形成されたアライメントマークと下ウェハに形成されたアライメントマークとが映し出される画像が撮影されるように、アライメント機構91−1〜91−2を制御する。接合装置制御装置10は、その接合ウェハと下ウェハとが設計通りに接合されるように、その撮影された画像に基づいて位置合わせ機構12を制御する(ステップS9)。
【0065】
接合装置制御装置10は、その接合ウェハと下ウェハとが接合された後に下ウェハと別個の下ウェハをさらに接合しないときに(ステップS10、NO)、その接合ウェハが下ウェハに接触するように、すなわち、静電チャック18が鉛直下方向に下降するように、圧接機構11を制御する。その接合ウェハと下ウェハとは、その接触により接合され、1枚の他の接合ウェハが生成される。接合装置制御装置10は、さらに、その接合ウェハが静電チャック18からデチャックされるように、静電チャック18を制御する(ステップS14)。
【0066】
このような動作によれば、ステップS12で作製された接合ウェハは、接合チャンバー2から取り出されることなしに、他のウェハにさらに接合されることができる。このため、このような動作によれば、一対のウェハを接合する接合方法に比較して、3枚以上のウェハをより高速に接合することができ、3枚以上のウェハをよりローコストで接合することができる。
【0067】
接合装置制御装置10は、静電チャック18が鉛直上方向に上昇するように、圧接機構11を制御する。接合装置制御装置10は、次いで、ゲートバルブ5を開放し、その接合ウェハが載せられている下カートリッジ8をステージキャリッジ45からロードロックチャンバー3に搬送されるように、搬送機構6を制御する。接合装置制御装置10は、ゲートバルブ5を閉鎖して、ロードロックチャンバー3の内部に大気圧雰囲気が生成されるように、真空ポンプ4を制御する。作業者は、ロードロックチャンバー3の内部に大気圧雰囲気が生成された後に、ロードロックチャンバー3の蓋を開けて、その接合ウェハを取り出す(ステップS15)。
【0068】
たとえば、ユーザは、3枚のウェハ(ウェハ82とウェハ84とウェハ86と)を1枚の接合ウェハに接合するときに、3つのカートリッジ(カートリッジ81とカートリッジ83とカートリッジ85と)を用意する。ユーザは、カートリッジ81にウェハ82を載せ、カートリッジ83にウェハ84を載せ、カートリッジ85にウェハ86を載せる。カートリッジ81としては、上カートリッジ7が例示される。カートリッジ83としては、下カートリッジ8が例示される。カートリッジ85としては、下カートリッジ8が例示される。
【0069】
ステップS1が実行された後には、図13に示されているように、ウェハ82が載せられたカートリッジ81がステージキャリッジ45に載せられ、何も吸着されていない静電チャック18がステージキャリッジ45から離れた位置に配置されている。
【0070】
ステップS3では、図14に示されているように、ステージキャリッジ45に載せられたカートリッジ81に載せられたウェハ82が静電チャック18に接触し、ウェハ82が静電チャック18に吸着される。
【0071】
ステップS3が実行された後には、図15に示されているように、何も載せられていないカートリッジ81がステージキャリッジ45に載せられ、ウェハ82が吸着された静電チャック18がステージキャリッジ45から離れた位置に配置されている。
【0072】
ステップS4が実行された後には、図16に示されているように、ウェハ84が載せられたカートリッジ83がステージキャリッジ45に載せられ、ウェハ82が吸着された静電チャック18がステージキャリッジ45から離れた位置に配置されている。
【0073】
ステップS12では、図17に示されているように、カートリッジ83に載せられたウェハ84が、静電チャック18に吸着されたウェハ82に接触している。
【0074】
ステップS12が実行された後には、図18に示されているように、ウェハ84とウェハ82とから接合ウェハ87が形成され、何も載せられていないカートリッジ83がステージキャリッジ45に載せられ、接合ウェハ87が吸着された静電チャック18がステージキャリッジ45から離れた位置に配置される。
【0075】
ステップS13が実行された後には、図19に示されているように、ウェハ86が載せられたカートリッジ85がステージキャリッジ45に載せられ、接合ウェハ87が吸着された静電チャック18がステージキャリッジ45から離れた位置に配置されている。
【0076】
ウェハ86の後に接合される別個のウェハがないために、ステップS12が実行されないで、ステップS14が実行される。ステップS14では、図20に示されているように、カートリッジ85に載せられたウェハ86が、静電チャック18に吸着された接合ウェハ87に接触している。
【0077】
ステップS14が実行された後には、図21に示されているように、接合ウェハ87とウェハ86とから接合ウェハ88が形成され、接合ウェハ88が載せられているカートリッジ85がステージキャリッジ45に載せられ、何も吸着されていない静電チャック18がステージキャリッジ45から離れた位置に配置される。
【0078】
このような動作によれば、ウェハ82とウェハ84とから形成された接合ウェハ87は、接合チャンバー2から取り出されることなしに、ウェハ86に接合されることができる。このため、このような動作によれば、一対のウェハを接合する接合方法に比較して、3枚以上のウェハをより高速に接合することができ、3枚以上のウェハをよりローコストで接合することができる。
【0079】
接合装置1を用いないで実行される動作は、接合対象であるウェハを作製する動作と、接合ウェハをダイシングする動作とを備えている。
【0080】
その接合対象であるウェハを作製する動作では、上ウェハと下ウェハとが作製され、たとえば、図13〜図21のウェハ82とウェハ84とウェハ86とが作製される。
【0081】
なお、ウェハ84またはウェハ86としては、接合装置1を用いて2枚のウェハが接合されることにより作製された接合ウェハが適用されることもできる。さらに、ウェハ84またはウェハ86としては、その接合ウェハが加工されることにより作製されたウェハが適用されることもできる。このようなウェハがウェハ84またはウェハ86として適用されることによれば、複数の接合面が配置される順番とその複数の接合面が形成される順番とが異なるように、複数のウェハを接合することができ、接合の形態を多様化することができる。
【0082】
接合ウェハをダイシングする動作では、接合装置1を用いて作製された接合ウェハが複数のデバイスに分割される。すなわち、接合装置1を用いて実行される動作は、複数のデバイスに形成される接合ウェハを作製することに好適である。
【0083】
上ウェハと下ウェハに例示されるウェハ70は、図22に示されているように、変形していることがある。ウェハ70は、上カートリッジ7と下カートリッジ8とに例示されるカートリッジ71に載せられているときに、ウェハ70とカートリッジ71との間に空間72を形成する。空間72に充填されている空気は、空間72と外部とを接続する流路がない場合で、ウェハ70とカートリッジ71とが配置されている雰囲気が減圧されたときに、ウェハ70を持ち上げ、ウェハ70をカートリッジ71の表面に沿って移動させることがある。
【0084】
上カートリッジ7と上ウェハとに挟まれる空間に充填された気体は、複数の島部分51−1〜51−4の隙間を通って外部に排気される。このような排気は、上カートリッジ7と上ウェハとに挟まれた気体が上ウェハを持ち上げることを防止し、上ウェハが上カートリッジ7の上を移動することを防止する。さらに、下カートリッジ8と下ウェハとに挟まれる空間に充填された気体は、溝65を通って外部に排気される。このような排気は、下カートリッジ8と下ウェハとに挟まれた気体が下ウェハを持ち上げることを防止し、下ウェハが下カートリッジ8の上を移動することを防止する。
【0085】
なお、本発明による多層接合方法は、既述の実施の形態におけるアライメント機構91−1〜91−2が他の位置に配置されている他の接合装置を用いて実行されることもできる。その位置としては、位置合わせ機構12に比較して静電チャック18により近い位置、たとえば、静電チャック18の上方が例示される。本発明による多層接合方法は、このような接合装置に適用したときにも、既述の実施の形態と同様にして、3枚以上のウェハをより高速に接合することができる。
【0086】
なお、本発明による多層接合方法の実施の他の形態は、既述の実施の形態におけるステップS2とステップS5とステップS7とステップS9とが省略されている。このような多層接合方法は、ウェハの接合に高精度なアライメントが不要であるときに適用されることができ、既述の実施の形態と同様にして、3枚以上のウェハをより高速に接合することができ、3枚以上のウェハをよりローコストで接合することができる。
【0087】
なお、本発明による多層接合方法の実施のさらに他の形態は、既述の実施の形態における搬送機構6がウェハに直に接触してそのウェハを搬送し、ステージキャリッジ45がウェハに直に接触してそのウェハを保持する。このような多層接合方法は、既述の実施の形態と同様にして、3枚以上のウェハをより高速に接合することができる。このような多層接合方法は、さらに、カートリッジの回収が不要であり、既述の実施の形態に比較して、3枚以上のウェハをより高速に接合することができる。このような多層接合方法は、さらに、カートリッジが不要であり、3枚以上のウェハをよりローコストで接合することができる。
【0088】
なお、本発明による多層接合方法の実施のさらに他の形態は、複数のウェハを鉛直下側に積層していくものである。このような多層接合方法によれば、搬送機構6により接合チャンバー2に搬入されたウェハは、ステージキャリッジ45に支持されることなく、空中で静電チャック2に渡されて、静電チャック2に保持される。静電チャック2に保持されたウェハは、次いで、ステージキャリッジ45に支持された他のウェハに接合される。その接合されたウェハがステージキャリッジ45に支持されているときに、さらに他のウェハが静電チャック2に同様に保持され、その接合されたウェハと静電チャック2に保持されたウェハとが接合される。このような多層接合方法は、既述の実施の形態における多層接合方法と同様にして、3枚以上のウェハをよりローコストで接合することができる。しかしながら、その搬送機構6から静電チャック2に空中でウェハが渡されることは、制御が非常に困難であり、不安定な動作となる。このため、複数のウェハを鉛直上側に積層していく既述の実施の形態における多層接合方法は、複数のウェハを鉛直下側に積層していくこのような多層接合方法に比較して、3枚以上のウェハをより安定して接合することができる。
【0089】
なお、本発明による多層接合方法は、鉛直方向と異なる他の方向に移動させることにより2枚のウェハを接触・接合させる他の接合装置に適用することもできる。その方向としては、水平方向が例示される。本発明による多層接合方法は、このような接合装置に適用したときにも、既述の実施の形態と同様にして、3枚以上のウェハをより高速に接合することができる。
【符号の説明】
【0090】
1 :接合装置
2 :接合チャンバー
3 :ロードロックチャンバー
4 :真空ポンプ
5 :ゲートバルブ
6 :搬送機構
9 :真空ポンプ
10:接合装置制御装置
11:圧接機構
12:位置合わせ機構
13:圧接軸
14:イオンガン
15:電子源
18:静電チャック
19:荷重計
45:ステージキャリッジ
46:支持面
47:複数のアライメント用孔
48−1〜48−2:位置決めピン
49−1〜49−2:切り欠き
17:ハンド
21−1〜21−2:爪
25−1:辺縁
25−2:辺縁
7 :上カートリッジ
51−1〜51−4:複数の島部分
52−1〜52−3:複数のウェハ位置決めピン
53−1〜53−2:複数の位置決め穴
54:複数のアライメント用穴
56:フランジ部分
57:本体部分
59:位置決め用ピン
8 :下カートリッジ
61:島部分
62−1〜62−3:複数のウェハ位置決めピン
63−1〜63−2:複数の位置決め穴
64:複数のアライメント用穴
65:溝
66:フランジ部分
67:本体部分
91−1〜91−2:アライメント機構
92:光源
93:鏡筒
94:カメラ
31:搬送部
32:駆動部
33:チャック制御部
34:活性化部
35:位置合わせ部
82:ウェハ
84:ウェハ
86:ウェハ
81:カートリッジ
83:カートリッジ
85:カートリッジ
87:接合ウェハ
88:接合ウェハ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接合チャンバーの内部で第1基板と中間基板とを接合することにより、第1接合基板を作製するステップと、
前記接合チャンバーの内部に前記第1接合基板が配置されているときに、前記接合チャンバーの内部に第2基板を搬入するステップと、
前記接合チャンバーの内部で前記第1接合基板と前記第2基板とを接合することにより、第2接合基板を作製するステップ
とを具備する多層接合方法。
【請求項2】
請求項1において、
前記中間基板は、前記中間基板が中間カートリッジに載せられている状態で、前記接合チャンバーの内部に搬入され、
前記第1基板と前記中間基板とは、前記中間基板が前記中間カートリッジに載せられている状態で、接合され、
前記中間カートリッジは、前記第1基板と前記中間基板とが接合された後に、前記中間カートリッジに前記第1接合基板が載せられていない状態で、前記接合チャンバーの内部から搬出され、
前記第2基板は、前記中間カートリッジが前記接合チャンバーの内部から搬出された後に、前記第2基板がカートリッジに載せられている状態で、前記接合チャンバーの内部に搬入され、
前記第1接合基板と前記第2基板とは、前記第2基板が前記カートリッジに載せられている状態で、接合される
多層接合方法。
【請求項3】
請求項2において、
前記第2基板と前記第1接合基板とが接合されるときに前記第2基板と前記第1接合基板とに印加される荷重は、前記第1基板と前記中間基板とが接合されるときに前記第1基板と前記中間基板とに印加される荷重より大きい
多層接合方法。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかにおいて、
前記第1基板と前記中間基板とが接合される前に、前記第1基板の前記中間基板に対向する面と前記中間基板の前記第1基板に対向する面とを活性化させるステップと、
前記第1接合基板と前記第2基板とが接合される前に、前記第1接合基板の前記第2基板に対向する面と前記第2基板の前記第1接合基板に対向する面とを活性化させるステップ
とをさらに具備する多層接合方法。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれかにおいて、
前記第1基板と前記中間基板とが接合される前に、前記第1基板と前記中間基板とを位置合わせするステップと、
前記第1接合基板と前記第2基板とが接合される前に、前記第1接合基板と前記第2基板とを位置合わせするステップ
とをさらに具備する多層接合方法。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれかにおいて、
2枚の基板を接合することにより作製された第3接合基板を加工することにより前記中間基板を作製するステップ
をさらに具備する多層接合方法。
【請求項7】
請求項1〜請求項6のいずれかにおいて、
前記第2接合基板をダイシングすることにより複数の製品を作製するステップ
をさらに具備する多層接合方法。
【請求項8】
請求項2において、
前記カートリッジがロードロックチャンバーの内部に配置されている場合で、前記第2基板が前記カートリッジに載せられているときに、前記ロードロックチャンバーの内部を減圧するステップをさらに具備し、
前記第2基板は、前記ロードロックチャンバーの内部が減圧された後に、前記ロードロックチャンバーの内部から前記接合チャンバーの内部に搬入され、
前記カートリッジは、前記第2基板が前記カートリッジに載るときに前記第2基板が接触する島部分が形成され、
前記島部分は、前記第2基板が前記カートリッジに載せられているときに、前記カートリッジと前記第2基板とに挟まれる空間を外部に接続する流路が形成されている
多層接合方法。
【請求項9】
接合チャンバーの内部で第1基板と中間基板とが接合されるように、圧接機構を制御する駆動部と、
前記第1基板と前記中間基板とが接合されて形成された第1接合基板が前記接合チャンバーの内部に配置されているときに、前記接合チャンバーの内部に第2基板が搬入されるように、搬送装置を制御する搬送部とを具備し、
前記駆動部は、さらに、前記接合チャンバーの内部で前記第1接合基板と前記第2基板とが接合されるように、前記圧接機構を制御する
接合装置制御装置。
【請求項10】
請求項9において、
前記中間基板は、前記中間基板が中間カートリッジに載せられている状態で、前記接合チャンバーの内部に搬入され、
前記第1基板と前記中間基板とは、前記中間基板が前記中間カートリッジに載せられている状態で、接合され、
前記中間カートリッジは、前記第1基板と前記中間基板とが接合された後に、前記中間カートリッジに前記第1接合基板が載せられていない状態で、前記接合チャンバーの内部から搬出され、
前記第2基板は、前記中間カートリッジが前記接合チャンバーの内部から搬出された後に、前記第2基板がカートリッジに載せられている状態で、前記接合チャンバーの内部に搬入され、
前記第1接合基板と前記第2基板とは、前記第2基板が前記カートリッジに載せられている状態で、接合される
接合装置制御装置。
【請求項11】
請求項10において、
前記駆動部は、前記第2基板と前記第1接合基板とが接合されるときに前記第2基板と前記第1接合基板とに印加される荷重が前記第1基板と前記中間基板とが接合されるときに前記第1基板と前記中間基板とに印加される荷重より大きくなるように、前記圧接機構を駆動する
接合装置制御装置。
【請求項12】
請求項9〜請求項11のいずれかにおいて、
前記第1基板と前記中間基板とが接合される前に、前記第1基板の前記中間基板に対向する面と前記中間基板の前記第1基板に対向する面とが活性化するように、活性化装置を制御する活性化部をさらに具備し、
前記活性化部は、さらに、前記第1接合基板と前記第2基板とが接合される前に、前記第1接合基板の前記第2基板に対向する面と前記第2基板の前記第1接合基板に対向する面とが活性化するように、前記活性化装置を制御する
接合装置制御装置。
【請求項13】
請求項9〜請求項12のいずれかにおいて、
前記第1基板と前記中間基板とが接合される前に、前記第1基板と前記中間基板とが位置合わせされるように、位置合わせ機構を制御する位置合わせ部をさらに具備し、
前記位置合わせ部は、さらに、前記第1接合基板と前記第2基板とが接合される前に、前記第1接合基板と前記第2基板とが位置合わせされるように、前記位置合わせ機構を制御する
接合装置制御装置。
【請求項14】
請求項10において、
前記搬送部は、さらに、前記カートリッジがロードロックチャンバーの内部に配置されている場合で、前記第2基板が前記カートリッジに載せられているときに、前記ロードロックチャンバーの内部を減圧し、
前記第2基板は、前記ロードロックチャンバーの内部が減圧された後に、前記ロードロックチャンバーの内部から前記接合チャンバーの内部に搬入され、
前記カートリッジは、前記第2基板が前記カートリッジに載るときに前記第2基板が接触する島部分が形成され、
前記島部分は、前記第2基板が前記カートリッジに載せられているときに、前記カートリッジと前記第2基板とに挟まれる空間を外部に接続する流路が形成されている
接合装置制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2011−96781(P2011−96781A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−247855(P2009−247855)
【出願日】平成21年10月28日(2009.10.28)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】