説明

接合面の液状ガスケットパッキンの剥離方法及び剥離剤

【課題】液状ガスケットパッキンの塗膜剥離を低コストで行う。
【解決手段】この発明は、機器類の組立接合部を解体若しくは分解後再組立する際に、接合面に固化状態で付着して残存する液状のガスケットパッキンの塗膜に対して塗膜を軟化させる剥離剤を塗布し、塗膜に浸透させることにより該塗膜を軟化させて可塑化し、上記組立て時の接合面より塗膜を剥離する方法である。該剥離剤に塗膜の膨潤性を高めるために添加剤としてTHF又はTHFとMEKを4w%〜12w%添加したものを使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は主として原子力発電又は火力発電の発電施設の配管接合部に使用されて分解・解体時に残存付着している液状(ペースト状)ガスケットパッキンを剥離させる接合面の液状ガスケットパッキンの剥離方法及び剥離剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来発電施設のポンプや配管等の組立接合部には、薄板状のガスケットパッキンが介挿される他、各接合面には、気密性・液密性を高めるためにシリコン系又はアルキッド系等を主材とする液状(ペースト状)ガスケットパッキンが塗布されている。
この液状パッキンは組立後溶剤が蒸散して弾性を備えた固化状態で接合面に強力に付着するので、施設の定期検査や修理、メンテナンス等に際し、分解再組立する場合は、付着残存している液状ガスケットを除去する必要がある。そしてこの除去作業は有機溶剤を主成分とした剥離剤を塗布して溶解洗浄し又はワイヤブラシ等による機械的除去を行っている。
【0003】
上記のうち冷却水として海水を用いる場合に特に適したアルキッド系の液状ガスケットパッキンに対しては、有機溶剤中毒予防規則等の法令上第二種有機溶剤に、消防法上第一石油類にそれぞれ分類される「ガスケットリムーバー」として市販されているものが剥離性能及び作業性の点で有効な剥離剤として利用されている。
【0004】
しかし、シリコン系の液状ガスケットパッキンに対しては有効な剥離剤がないのが現状である。
またガスケットパッキンに対しては有効性がないものの、モルタル等の一般建築物の壁面の塗膜や鋼構造物表面の塗膜を膨潤軟化させて機械的に剥離させる剥離剤としては、本願出願人である山一化学工業株式会社等によって開発された特許文献1,同2等が知られているが、それ自体では液状ガスケットパッキンに対しては軟化(膨潤化)が不十分であり、これらの剥離には有効性がない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−279850号公報
【特許文献2】特許第3985966号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし前述した従来の有機溶剤や機械的除去による方法では、前者は有機溶剤を使用するため、作業エリアの換気、防護マスクなどの保護具の着用が必要となり、作業員の潜在的な健康影響が懸念される。後者は機械的な除去作業であるため除去効率が悪く、配管母材を損傷させ、寸法精度を損なう等の懸念もある。
【0007】
また、従来使用されている前記剥離剤はTHF(テトラヒドロフラン),MEK(メチルエチルケトン),メタノール等の強溶剤で構成されているため、労働安全法や消防法の規制を受ける等安全面での制約があった。
特に主として海水用で汎用性の乏しいアルキッド系の液状ガスケットに対し、汎用性があり多用されているシリコン系のガスケットは樹脂成分の純度が高いゴム状であるために、若干の膨潤化はするが有機溶剤で溶解(軟化)させることは不可能である。
さらに上記従来の方法では塗膜除去後に消しゴム状のカスが残る欠点もあった。
【0008】
この発明は上記課題に対し、上記のような機器類の接合部の分解再組立に際し、液状ガスケットパッキンの付着塗膜が溶剤によって溶解流出せず、環境汚染や作業員の健康被害及び接合面の損傷等を防止できる効率の良い剥離作業ができる方法を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための本発明の方法は、第1に機器類の組立接合部を解体若しくは分解後再組立する際に、接合面に固化状態で付着して残存する液状のガスケットパッキンの塗膜に対して塗膜を軟化させる剥離剤を塗布し、塗膜に浸透させることにより該塗膜を軟化させて可塑化し、上記組立て時の接合面より塗膜を剥離する方法であって、該剥離剤に塗膜の膨潤性を高めるために添加剤としてTHF又はTHFとMEKを4w%〜12w%添加したものを使用することを特徴としている。
【0010】
第2に液状ガスケットパッキンの塗膜がシリコン系の材料を主材とする塗膜であり、剥離剤が二塩基酸エステルを主材とし、N−メチル−2−ピロリドン,ベンジルアルコール,有機酸,界面活性剤及び増粘剤とを含み、添加剤がTHF及びMEKであることを特徴としている。
【0011】
第3に液状ガスケットパッキンの塗膜がアルキッド系の材料を主材とする塗膜であり、剥離剤が水とエチルジグリコールアセテートとを主材とし、BTG,アセトン,ブチルジグリコールアセテート及び増粘剤とを含み、添加剤がTHFであることを特徴としている。
【0012】
また上記方法に用いる剥離剤は、第1に液状ガスケットパッキンの塗膜を介してシールした状態で分解再組立を可能に形成される分解状態での接合面に塗布し、上記塗膜の機械的互離が可能な如く軟化及び可塑化させる剥離剤であって、前記塗膜の膨潤性を高めるためにTHF又はTHFとMEKを4w%〜12w%添加してなることを特徴としている。
【0013】
第2に液状ガスケットパッキンの塗膜がシリコン系の材料を主材とする塗膜であり、剥離剤が二塩基酸エステルを主材とし、N−メチル−2−ピロリドン,ベンジルアルコール,有機酸,界面活性剤及び増粘剤とを含み、添加剤がTHF及びMEKであることを特徴としている。
【0014】
第3に液状ガスケットパッキンの塗膜がアルキッド系の材料を主材とする塗膜であり、剥離剤が水とエチルジグリコールアセテートとを主材とし、BTG,アセトン,ブチルジグリコールアセテート及び増粘剤とを含み、添加剤がTHFであることを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
以上のように構成される本発明によれば、以下のような効果を奏するものである。
(1)塗膜を完全に溶解させず膨潤させて軟化させた状態で剥離させるので、溶解洗浄の場合のような環境汚染もなく雰囲中に有害ガスやミストを浮遊させることによる作業員の健康被害及び健康被害防止のための保護具の着用の必要もなくなる。
(2)剥離剤の塗布のみで膨潤化でき、塗膜の除去も軟化した塗膜を機械的に剥離させるので、作業効率も良くなるほか、従来のワイヤブラシ使用のように接合面の損傷もなく塗膜成分の残存もないので全体としてより完全な剥離が実現できる。
(3)特に従来の方法では不可能又は不完全であったシリコン系ガスケットに対しても有効であり、結果として現用の液状ガスケットパッキンの材質を問わず有効な塗膜剥離を簡単に行うことができる。
(4)主な成分が二塩基酸エステル,N−メチル−2−ピロドリンや水及びエチルジグリコールアセテート等の弱溶剤からなる剥離剤を使用するので取扱い上の安全性も高く、安全面で厳しい法規制を受けることもない(表10参照)。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下本発明の実施形態につき具体的な実施例に基いて証明する。特に本発明は原子力発電所(設備)の配管の点検やメンテナンス作業現場での接合部の液状ガスケットの剥離の問題解決を課題としている。したがって実際の現場での実験が困難であるため、配管接合面と同一条件の試験片(板)として鋼板とステンレス鋼板を用い、これらの試験片に液状ガスケットを塗布して乾燥固化させた塗膜に対して、独自の剥離剤を塗布し、膨潤軟化させて剥離する方法によった。
以下、本発明の実施例につき発明者等が行った試験(実験)結果に基いて詳述する。
【実施例1】
【0017】
1.使用材料
(1)剥離対象となる液体ガスケット
現在一般に使用されている液状ガスケットは、メーカーのカタログ、MSDS(製品安全データシート)、ホームページ等で調査した。結果を表1に示す。対象物の記号表示はメーカーの品番(型式)表示にしたがった。
【0018】
【表1】

【0019】
(2)液状ガスケットを塗布する下地素材(試験板)
試験板は、現行の鋼材と同じ炭素鋼(SS400・・・一般構造用左延鋼材)とステンレス鋼板(SUS304)の2種類とし、素地状態は平滑な場合とキズで目荒らしがされている場合で液状ガスケットの付着が変わる事が考えられるため、キズ有とキズ無の2種類作成した。内訳を表2に示す。
注)ステンレス鋼は、全てヘアライン処理をしてある。
【0020】
【表2】

【0021】
(3)剥離剤
1)要求性能の整理
既存市販品の調査および本研究の目的を踏まえ剥離剤に対する要求性能を整理した。 本発明の課題は「有機溶剤を用いない液状ガスケットの剥離剤の開発」であるが、厳密 に有機溶剤を用いない剥離剤は存在しない。従って、現状品と比較して、剥離性能を犠 牲にせず、また、母材への影響も考慮し、剥離剤の構成主成分(有機溶剤)等の安全性 (作業員・環境影響等)をより高める点に重点を置いた。
【0022】
2)試作品の検討(主成分・成分構成の検討)
労働安全衛生法、消防法等、適用される法律をより緩やかにする必要がある。現行品 (ガスケットリムーバー)の主要成分はTHF(テトラヒドロフラン)、MEK(メチ ルエチルケトン)、メタノールなど、強溶剤で構成されている。従って、より安全性の 高い法規制の緩やかな主成分の検討が必要になる。
剥離対象はアルキッド及びシリコンで、アルキッドに関しては一般的な有機溶剤で溶 解性が良好である。シリコンに関しては樹脂分の純度が高いゴム状であるため、有機溶 剤で溶解させる事は不可能である。しかし、溶剤の極性によっては膨潤するため、安全 性を考慮し、溶解性パラメーターの最適バランス化により、現行品と比較して、臭気、 皮膚刺激等安全性が高く、適用される法令が緩やかな剥離剤を目指した。
【0023】
3)試作品作製
上記要求性能の整理および、試作品の成分構成の検討を踏まえ、現行品より安全性が 高く、法規制の緩やかな試作品を検討、作製した。試作品は2種類作成し、試作品1は 高級アルコール系溶剤を主成分とした。試作品2は水溶性で消防法、労働安全衛生法有 機溶剤中毒予防規則、PRTR等、各種法規制に非該当で安全性が高いものとした。表 3に試作品の概要を示す。また、今回開発した試作剥離剤は性能特徴としてシリコンへ の膨潤・軟化性能が高く、安全面では高級アルコール系溶剤を主成分としたもので、作 業者および環境安全性(生分解性を有し、急性毒性が低い)が高く、既存の剥離剤には ない特徴がある。表4,表5は本実験に使用した試作品1,同2の成分表である。
【0024】
【表3】

【0025】
【表4】

【0026】
備考1)DBE(二塩基酸エステル)
溶解性が高く、引火点が高い。また高い生分解があり、果実臭などの特徴があ る。また安全性が高いため、対象となる液状ガスケットを効果的に軟化させる 。
2)NMP
DBE(二塩基酸エステル)の補助成分。複合させる事で、より軟化性能の向 上につなげる。配合により、成分分離など経時安定性が悪くなるが、複合によ るはく離効果が高くなり、15%〜20%程度の配合バランスが最適。
3)ベンジルアルコール
NMP同様、主成分であるDBEの軟化性能向上のための助剤で、複合による はく離効果の向上。
※1),2),3)の配合および最適バランスにより、安全性が高い主成分が実現で きる。
4)MEK、THF
シリコーンゴムに優れた膨潤性を付与するために添加。実験により、配合の有 効性が確認された。
5)その他成分
メガファック(界面活性剤)・・・・・浸透を促進、性状安定性のため。
有機ベントナイト・・・・・・・・・・垂直面塗付時の付着性確保するため。
オイルレッド・・・・・・・・・・・・塗付部判別のため着色。
【0027】
【表5】

【0028】
備考1)エチルジグリコールアセテート
溶解性を高くし、また安全性を高める。対象となる液状ガスケットを効果的に 軟化させるために主成分に採用する水溶性の有機溶剤である。
2)ブチルトリグリコール
エチルジグリコールアセテートの補助成分。試作品1のNMPと同様に複合さ せる事で、より軟化性能を向上させる。複合によるはく離効果は、5%〜10 %程度の配合バランスが最適。
3)ブチルジグリコールアセテート
2)のブチルトリグリコールアセテートおよび、試作品1のNMP同様、主成 分であるエチルジグリコールアセテートの軟化性能向上のための助剤で、複合 によるはく離効果の向上を目的とする。
※1),2),3)の配合および最適バランスにより、安全性が高い主成分が実現で きる。
4)アセトン、THF
シリコーンゴムへの膨潤性を優れたものにするために添加。実験により、配合 の有効性が確認された。
5)その他成分
メガファック(界面活性剤)・・・・状態安定性のため。
有機ベントナイト・・・・・・・・・垂直面塗付時の付着性確保するため。
着色染料・・・・・・・・・・・・・塗付部判別のため着色。
【0029】
2.剥離性能評価試験
試験板に塗布して乾燥させた液状ガスケットの除去性・安全性・母材への影響を評価した。尚対象区としては従来品(現行品であるガスケットリムーバー)を使用して対比評価した。
【0030】
(1)試験方法
各種試験板に一定量の剥離剤を塗布し、軟化程度(除去性)を評価した。剥離剤塗布量は、現行の液状ガスケットの塗布量と同一の200g/m2程度とした。
【0031】
(2)評価基準
剥離剤を塗付後、アルキッド系は約5時間後、シリコン系は約24時間後に除去性を評価した。評価は感応評価(金属製皮スキで押す)とした。また、作業効率(作業性)の評価を行った。除去性の評価基準を表6に、作業効率の評価基準を表7に示す。
【0032】
【表6】

【0033】
【表7】

【0034】
(3)試験の評価結果
除去性の試験結果を表8、作業性評価を表9に示す。
【0035】
【表8】

【0036】
試作品1と試作品2で比較した結果、全体的に試作品1の除去性能が優れていた。試作品1は全ての液状ガスケットに対する除去性が概ね良好であったが、1212(高粘度タイプ)が若干除去に力を要した。作業時間は液状ガスケットの除去・拭きあげを含め、アルキッドが10分/8枚であり、シリコンは1212が約30分/8枚、その他のシリコンが約20分/8枚であった。従来品はアルキッド系には対応可能であるが、シリコンは、鋼材表面にゴム状残存物が多かった。
【0037】
【表9】

【0038】
(4)適用法令との関係の評価
従来品のガスケットリムーバーと、試作品1および試作品2の適用法令比較を表10に示す。従来品は労働安全衛生法有機溶剤中毒予防規則、消防法の危険物(危険性が高い第一石油類)等に該当する。試作品1は消防法の第二石油類に該当するが、溶剤の添加量を過大にしない限り他の法規制等には該当させないものにすることが可能である。また、試作品2は法規制を受けない。MSDS(製品安全データシート)参照。
【0039】
【表10】

【0040】
注1)消防法危険性程度
危険度大――第一石油類 > 第二石油類 > 第三石油類―― 危険度小
注2)化学物質排出把握管理促進法(PRTR)は、化学物質による環境汚染及び人体へ の健康被害を未然に防止するため、事業者が積極的に環境保全に参加することを目的 とする法律。PRTR:Pollutant Release and Trans fer Register環境庁・通商産業省「法律の概要」(平成11年7月)抜 粋
【0041】
3.綜合評価
(1)コスト比較評価
試作品1,2は現行品で発生しやすかった除去後の残存付着物(消しゴムカス状)が発生しにくいため、除去後の仕上げ処理に要する時間が従来品に比べて少ない。従って、全体工程で作業時間の短縮につながり、コスト縮減効果は高い。表11にコスト試算表を記載する。
【0042】
【表11】

【0043】
(2)作業効率比較
従来品の除去作業においては、アルキッドは容易に溶解し除去可能であるが、シリコンについては膨潤・軟化が不十分でガスケットを剥がした残りカス(残渣)が消しゴム状になり鋼材面へ付着しやすく、拭取り作業など後処理に手間がかかる。
試作品1および試作品2については、従来品と比較して即効性はないが、アルキッド系では約5時間程度で容易に溶解し除去可能であり、シリコン系は溶解ではなく、膨潤により鋼材面との付着力を弱める事で膜状に除去可能であるため、作業効率は向上する。
なお、本研究により開発した試作品1、試作品2はいずれも従来品のガスケットリムーバーと比較して除去性や作業効率に優れているが、試作品1が試作品2と比較して総合的に効果が高い。
【0044】
(3)環境安全性比較評価
従来品は消防法第一石油類および労働安全衛生法有機溶剤予防規則等に該当することと、剥離剤の主成分に強い有機溶剤を使用しているため、作業環境に与える影響が懸念させる。
試作品についての関係法令は前述の通り従来品と比較して緩やかなものである。また、主成分の沸点が高いためVOC(揮発性有機化合物)発生が少なく、有機溶剤濃度の上昇など作業環境の汚染も低く、総合的に安全性が高く作業者への負担が少ない。
【0045】
(4)母材への影響比較評価
母材への影響は、成分のpHが中性であることから、腐食等の懸念はない。また、紙ヤスリやブラッシング処理等の後処理仕上げに要する時間が短く、配管母材を必要以上に研磨しないため、寸法精度を損なう等の懸念も少ない。
【0046】
4.MEK,THF,アセトン等の添加量
本実施例ではMEK,THF,アセトン等の試作品1,2に対する添加量はそれぞれ4%で、計8%で調整されたが、これらの合計を4w%〜12w%未満の範囲で納めることが最も剥離性能及び作業性が良い。この範囲を越えると剥離性が悪く作業性も低下する。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明の方法は原子力発電設備の配管接合部の他一般の火力、水力の発電所設備以外の一般機器類の配管接合部、各種ケーシングの本体を蓋部の接合面にも応用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器類の組立接合部を解体若しくは分解後再組立する際に、接合面に固化状態で付着して残存する液状のガスケットパッキンの塗膜に対して塗膜を軟化させる剥離剤を塗布し、塗膜に浸透させることにより該塗膜を軟化させて可塑化し、上記組立て時の接合面より塗膜を剥離する方法であって、該剥離剤に塗膜の膨潤性を高めるために添加剤としてTHF又はTHFとMEKを4w%〜12w%添加したものを使用する接合面の液状ガスケットパッキンの剥離方法。
【請求項2】
液状ガスケットパッキンの塗膜がシリコン系の材料を主材とする塗膜であり、剥離剤が二塩基酸エステルを主材とし、N−メチル−2−ピロリドン,ベンジルアルコール,有機酸,界面活性剤及び増粘剤とを含み、添加剤がTHF及びMEKである請求項1の接合面の液状ガスケットパッキンの剥離方法。
【請求項3】
液状ガスケットパッキンの塗膜がアルキッド系の材料を主材とする塗膜であり、剥離剤が水とエチルジグリコールアセテートとを主材とし、BTG,アセトン,ブチルジグリコールアセテート及び増粘剤とを含み、添加剤がTHFである請求項1の接合面の液状ガスケットパッキンの剥離方法。
【請求項4】
液状ガスケットパッキンの塗膜を介してシールした状態で分解再組立を可能に形成される分解状態での接合面に塗布し、上記塗膜の機械的互離が可能な如く軟化及び可塑化させる剥離剤であって、前記塗膜の膨潤性を高めるためにTHF又はTHFとMEKを4w%〜12w%添加してなる接合面の液状ガスケットパッキンの剥離剤。
【請求項5】
液状ガスケットパッキンの塗膜がシリコン系の材料を主材とする塗膜であり、剥離剤が二塩基酸エステルを主材とし、N−メチル−2−ピロリドン,ベンジルアルコール,有機酸,界面活性剤及び増粘剤とを含み、添加剤がTHF及びMEKである請求項4の接合面の液状ガスケットパッキンの剥離剤。
【請求項6】
液状ガスケットパッキンの塗膜がアルキッド系の材料を主材とする塗膜であり、剥離剤が水とエチルジグリコールアセテートとを主材とし、BTG,アセトン,ブチルジグリコールアセテート及び増粘剤とを含み、添加剤がTHFである請求項4の接合面の液状ガスケットパッキンの剥離剤。

【公開番号】特開2011−121035(P2011−121035A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−283336(P2009−283336)
【出願日】平成21年12月14日(2009.12.14)
【出願人】(397013056)山一化学工業株式会社 (3)
【出願人】(000230940)日本原子力発電株式会社 (130)
【出願人】(502406513)株式会社センレイ (1)
【Fターム(参考)】