説明

接地極付きコンセントの配線確認試験器及び方法

【課題】N線及びE線の誤配線を精度よく判別する。
【解決手段】第1の周波数による単相交流電圧を供給するL線が接続された第1の端子と、N線が接続されるべき第2の端子と、E線が接続されるべき第3の端子と、を含むコンセントに対し、N線及びE線が誤接続されていないかを判別する配線確認試験器であって、第2の端子と第3の端子との間に、第1の周波数と異なる第2の周波数を含む電流Iを流す電源と、第1の端子と第2の端子との間の電圧信号V21を計測する第1の計測回路と、第1の端子と第3の端子との間の電圧信号V13を計測する第2の計測回路と、第1の計測回路によって計測された電圧信号V21及び第2の計測回路によって計測された電圧信号V13にそれぞれ含まれる第2の周波数に相当する周波数成分の大小関係を検出する検出回路と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接地極付きコンセントの配線確認試験器及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
単相交流用の接地極付きコンセントに対し、ホット側であるライン(Line、以下L線)、中性線(Neutral、以下N線)、接地線(Earth、以下E線)の配線を間違える問題が発生している。配線の間違ったコンセントに電気機器を接続した場合、電気機器の損傷だけでなく、人体に対する感電事故の危険も生じる。
【0003】
一回の電気工事において配線するコンセントの数は、膨大であり、人的な作業ミスによる誤接続を防ぐことは困難である。従って、工事後の配線確認の実施が事故防止に不可欠である。また、工事後の配線確認のみならず、既存のコンセント(工事後時間を経たコンセント)においても、疑わしいと思われる配線については配線確認が必要とされる場合が多くある。
【0004】
従来技術において、交流電圧計を用いてコンセントの端子間の電圧を測定し、その電圧値が0Vとなる2つの端子をN線及びE線にそれぞれ接続された端子であると確認した後、2つの端子との間に電圧(100V等)が存在する端子をL線に接続された端子であると確認する方法があった。しかしながら、N線及びE線の電位は同電位であるため、N線及びE線の配線が逆接続であった場合の誤配線を判別するのは困難であった。
【0005】
特開2007−278751号公報には、L線−N線間のループインピーダンスとL線−E線間のループインピーダンスを測定し、その測定結果を比較することにより、N線及びE線の誤配線を判別する方法が開示されている。L線−E線間のループインピーダンスには大地の抵抗成分が含まれるため、正常配線であれば、「L線−E線間のインピーダンス」>「L線−N線間のインピーダンス」となり、N線、E線の配線が逆の場合は、「L線−E線間のインピーダンス」<「L線−N線間のインピーダンス」となるため誤配線を判断することができる。しかしながら、誤配線を精度よく判断するためには、少なくとも0.1Ωの分解能まで測定する必要があり、E線に少なくとも100mA以上の電流を流さなければ正確に測定することが困難である。配電システムに備え付けられている漏電遮断器の定格電流は、多くの場合30mAである。それを超える電流を流すと、漏電遮断器が動作して回路を遮断してしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−278751号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで本発明は、N線及びE線の誤配線を精度よく判別することができる配線確認試験器及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1つの観点に係る配線確認試験器は、
第1の周波数による単相交流電圧を供給するL(Line)線が接続された第1の端子と、N(Neutral)線が接続されるべき第2の端子と、E(Earth)線が接続されるべき第3の端子と、を含むコンセントに対し、前記N線及び前記E線が誤接続されていないかを判別する配線確認試験器であって、
前記第2の端子と前記第3の端子との間に、前記第1の周波数と異なる第2の周波数を含む電流を流す電源と、
前記第1の端子と前記第2の端子との間の電圧信号を計測する第1の計測回路と、
前記第1の端子と前記第3の端子との間の電圧信号を計測する第2の計測回路と、
前記第1の計測回路によって計測された電圧信号及び前記第2の計測回路によって計測された電圧信号にそれぞれ含まれる前記第2の周波数に相当する周波数成分の大小関係を検出する検出回路と、
を含む。
【0009】
これによれば、第2の周波数を含む電流が漏電遮断器の定格電流以下の電流である場合でも、第1の計測回路によって計測された電圧信号及び第2の計測回路によって計測された電圧信号にそれぞれ含まれる第2の周波数に相当する周波数成分の大小関係を検出することにより、N線及びE線の誤配線を精度よく判別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の各実施形態に係る接地極付きコンセントの配線確認試験器を配電システムに接続した概略構成を示す回路図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る接地極付きコンセントの配線確認試験器を配電システムに接続した構成を示す回路図である。
【図3】図3(A)〜図3(F)は、正常接続であった場合の各信号の波形図である。図3(G)は、N線とE線とが逆接続であった場合の図3(F)に相当する信号の波形図である。
【図4】配電システムにおける接地方法の一例を示す図である。
【図5】図5(A)は、地電圧について説明する回路図であり、図5(B)は、地電圧の直流成分が存在する場合の図3(F)に相当する信号の波形図である。
【図6】図6(A)及び図6(B)は、それぞれ、第1の実施形態の第1の変形例及び第2の変形例における検出回路の構成を示すブロック図である。
【図7】図7(A)、図7(B)及び図7(C)は、それぞれ、第1の実施形態の第3の変形例、第4の変形例及び第5の変形例における検出回路の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る接地極付きコンセントの配線確認試験器を配電システムに接続した構成を示す回路図である。
【図9】本発明の第3の実施形態に係る接地極付きコンセントの配線確認試験器を配電システムに接続した構成を示す回路図である。
【図10】第3の実施形態の変形例に係る接地極付きコンセントの配線確認試験器を配電システムに接続した構成を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。以下に説明される各実施形態は、本発明の一例を示すものであって、本発明の内容を限定するものではない。また、各実施形態で説明される構成及び動作の全てが本発明の構成及び動作として必須であるとは限らない。なお、同一の構成要素には同一の参照符号を付して、重複する説明を省略する。
【0012】
<1.概略構成>
図1は、本発明の各実施形態に係る接地極付きコンセントの配線確認試験器を配電システムに接続した概略構成を示す回路図である。
配電システム13は、送電線14と、変圧器Trと、L線と、N線と、E線と、電源コンセント11とを含んでいる。送電線14は変圧器Trの1次側に接続されている。
【0013】
変圧器Trの2次側には、非接地側(ホット側)電線の1つであるL線と、接地側(中性相)電線であるN線とが接続されている。L線には、第1の周波数(例えば、50Hz又は60Hz)による交流の電圧V1が、変圧器Trによって印加されている。配電システム13は、変圧器Trに1本のL線と1本のN線とが接続される単相2線式でも良いし、変圧器Trに2本のL線(図示せず)と1本のN線とが接続される単相3線式でも良い。L線及びN線には、漏電遮断器12が接続されている。漏電遮断器12は、L線とN線とに流れる電流の差が所定値以上(漏電)となった場合に、回路を遮断する。
【0014】
E線は、N線とは別に接地されている。E線の接地方法は特に限定されないが、図1に示されるように、最終的にN線とほぼ同電位に接続される。
【0015】
電源コンセント11(socket)は、第1の端子Tと、第2の端子Tと、第3の端子Tとを含んでいる。第1の端子TにはL線が接続され、第2の端子TにはN線が接続され、第3の端子TにはE線が接続される。しかしながら、配線工事ミスにより、第1、第2及び第3の端子T、T及びTと、L線、N線及びE線との接続が間違っている場合がある。
本実施形態の配線確認試験器1は、以上のような配電システム13の電源コンセント11に接続されて、L線、N線及びE線との誤接続を判別する。
【0016】
配線確認試験器1は、差し込みプラグ10と、電圧測定回路2と、判定手段4と、電流源Jと、スイッチSW1と、第1及び第2の計測回路Va及びVbと、検出回路3と、入出力手段9とを含んでいる。
【0017】
差し込みプラグ10は、電源コンセント11の第1〜第3の端子T〜Tに挿入できる形状の導体の刃B〜Bを有している。
【0018】
電圧測定回路2は、差し込みプラグ10が電源コンセント11に接続されると、自動的に電源コンセント11の各端子間(T−T間、T−T間、T−T間)の電圧値を測定する。
【0019】
判定手段4は、電圧測定回路2による電圧値の測定結果に基づき、次の通り判定を行う。
(1)T−T間電圧なし、T−T間電圧なし、T−T間電圧なし
→ L線が未接続.
(2)T−T間電圧なし、T−T間電圧あり、T−T間電圧なし
→ E線が未接続.
(3)T−T間電圧あり、T−T間電圧なし、T−T間電圧なし
→ N線が未接続.
(4)T−T間電圧なし、T−T間電圧あり、T−T間電圧あり
→ L線とN線とが逆接続.
(5)T−T間電圧あり、T−T間電圧なし、T−T間電圧あり
→ L線とE線とが逆接続.
(6)T−T間電圧あり、T−T間電圧あり、T−T間電圧なし
→ 正常接続、又はN線とE線とが逆接続.
【0020】
電圧測定回路2による測定結果が上記(1)〜(5)に示す測定結果であった場合には誤接続を判定することができるが、上記(6)に示すように、N線とE線とが逆接続されているか否かについては、電圧測定回路2による測定結果によっては判定できない。以下に、N線とE線とが逆接続されているか否かを判定するための構成について説明する。
【0021】
スイッチSW1は、通常時にはOFFとされる。スイッチSW1は、N線及びE線の逆接続判定を行う時にONとされることにより、電流源Jを第2及び第3の端子T及びTに接続する。
電流源Jは、第2及び第3の端子T及びT間に、配電システム13の電圧V1の周波数(第1の周波数)とは異なる第2の周波数(例えば、0Hz(直流)から数十kHzの範囲内の周波数)を含む、既知の電流Iを流す。電流Iは、定格感度電流30mAの漏電遮断器12を動作させることのない15mA以下とすることが望ましい。また、電流Iは交流電流が望ましい。
【0022】
第1及び第2の計測回路Va及びVbは、例えば差動増幅回路等でそれぞれ構成される。第1の計測回路Vaは、第1及び第2の端子T及びT間の電圧信号を取得する。第2の計測回路Vbは、第1及び第3の端子T及びT間の電圧信号を取得する。
【0023】
検出回路3は、第1及び第2の計測回路Va及びVbで取得した電圧信号にそれぞれ含まれる第2の周波数に相当する周波数成分の大小関係を検出することにより、N線及びE線の逆接続を判定する。
【0024】
入出力手段9は、表示用ディスプレイ、表示ランプ及びスピーカの全て又はいずれかを備える。入出力手段9は、判定手段4による判定結果及び検出回路3による判定結果を報知する。また、入出力手段9は、ボタン及び操作パネルの両方又はいずれかを備え、使用者の操作入力による各種試験モードの切替えの指示ができるようにすることが望ましい。
【0025】
<2.第1の実施形態>
<2−1.構成>
図2は、本発明の第1の実施形態に係る接地極付きコンセントの配線確認試験器を配電システムに接続した構成を示す回路図である。図2においては、配線確認試験器1の検出回路3の構成を、詳しく示している。検出回路3以外の構成については、図示を簡略化若しくは省略しているが、図1に示した通りとすることができる。
検出回路3は、オールパスフィルタ5aと、差動増幅回路6と、AD変換回路7と、計測制御手段8とを含んでいる。
【0026】
オールパスフィルタ5aは、第1の計測回路Vaにおいて取得した電圧信号V21の中に存在する配電システム13の電圧V1の位相を反転させる。そのため、オールパスフィルタ5aは、第2の周波数を含む電流Iによって生じた電圧信号をそのまま通し、第1の周波数を含む配電システム13の電圧V1の位相を180°ずらすようなカットオフ周波数に設定されている。なお、「反転」又は「180°」との用語は、厳密な数値を意味するものではなく、実用的範囲内での誤差を含む趣旨である。
【0027】
差動増幅回路6は、配電システム13の電圧V1のみ位相が180°ずれたオールパスフィルタ5aの出力信号と、第2の計測回路Vbにおいて取得した電圧信号V13との差動を増幅する。
AD変換回路7は、差動増幅回路6の出力信号をデジタル信号に変換する。
【0028】
計測制御手段8は、AD変換回路7の出力信号に基づいて、差動増幅回路6の出力信号の振幅を測定し、直流成分のノイズを取り除く。
計測制御手段8は、ノイズを取り除かれた差動増幅回路6の出力信号の各区間における極性により、N線とE線とが逆接続になっていないかを判別する。
【0029】
<2−2.動作>
図1の電圧測定回路2により、第2の端子Tと第3の端子Tとの間に電圧がないこと(上述の(6))を確認してから、図1のスイッチSW1をONにし、電流源Jより第2の端子Tと第3の端子Tとの間に低い電流Iを流す。ここで、図2に示されるように、L線、N線及びE線には、それぞれ抵抗R、R、Rが含まれる。Rの両端に掛かる電圧Vと、Rの両端に掛かる電圧Vとは、電流Iにより、下式の通り表される。
=R×I … 式(1)
=R×I … 式(2)
【0030】
一方、第1の計測回路Vaは、第1の端子Tと第2の端子Tとの間の電圧信号V21の波形を、第2の端子Tを基準として検出する。これと同時に、第2の計測回路Vbは、第1の端子Tと第3の端子Tとの間の電圧信号V13の波形を、第1の端子Tを基準として検出する。このため、電圧信号V21及びV13に影響する配電システム13の電圧V1の極性は異なっており、この電圧信号V21及びV13は下式で表される。
21=V1+V … 式(3)
13=−V1+V … 式(4)
【0031】
なお、第1及び第2の計測回路Va及びVbのL線に接続されている端子の入力インピーダンスを、それぞれ高くしておくことが望ましい。これにより、電流IをL線に流さないため、L線の抵抗Rを無視して考えることができる。
【0032】
電圧信号V21及びV13には、式(3)及び式(4)の通り、N線とE線との逆接続の判定に必要ない配電システム13の電圧V1が含まれている。そこで、オールパスフィルタ5a及び差動増幅回路6を用いた以下の手順にて電圧V1を取り除く。
【0033】
図3(A)〜図3(F)は、正常接続であった場合の各信号の波形図である。
図3(A)は電流Iの波形を示している。電流Iは、配電システム13の電圧V1の周波数(第1の周波数)とは異なる第2の周波数を含んでいる。ここでは例として方形波を用いている。
【0034】
図3(B)は配電システム13の電圧V1の波形を示している。電圧V1は、第1の周波数を含んでいる。
図3(C)は電圧信号V13の波形を示しており、図3(D)は電圧信号V21の波形を示している。それぞれ、配電システム13の電圧V1に、電流Iを流すことによる電圧が重畳している。
【0035】
図3(E)は、オールパスフィルタ5aを用いて、図3(D)に示した電圧信号V21の波形に含まれる配電システム13の電圧V1の周波数成分(第1の周波数成分)のみ位相を180°ずらした電圧信号V21'の波形を示している(電圧V1の周波数成分の極性が反転している)。図3(E)に示されるように、電圧信号V21'においては、配電システム13の電圧V1の周波数成分の位相のみが反転しており、電流Iによって生じた電圧の周波数成分(第2の周波数成分)の位相は変化していない。
電圧信号V21'は、式(3)において電圧V1の極性が反転した信号であるため、下式で表される。
21'=−V1+V … 式(5)
【0036】
図3(F)は、差動増幅回路6により、図3(E)に示した電圧信号V21'と図3(C)に示した電圧信号V13との差を増幅した電圧信号(V21'−V13)の波形を示している。図3(F)に示す電圧信号(V21'−V13)においては、配電システム13の電圧V1の波形が打ち消され、電流Iによって生じた電圧信号の周波数成分のみが下式で表されるように取り出されている。
21'−V13=−V1+V−(−V1+V)=V−V … 式(6)
【0037】
さらに式(1)、(2)より、式(6)の電圧信号(V21'−V13)は、下式で表すことができる。
21'−V13=R×I−R×I=(R−R)×I … 式(7)
上述の通り電流Iは既知の電流である。従って、電圧信号(V21'−V13)を測定することにより、RとRの抵抗差を算出することができる。
【0038】
図4は、配電システムにおける接地方法の一例を示す図である。図4において、E線は大地に接地されている。この場合に、Rは、電線の抵抗RE1及びRE2と、接地抵抗RE3とを含んだ抵抗であり、R=RE1+RE2+RE3である。そこで、N線及びE線の配線が正しい場合は、R<Rとなる。すなわち、R−R<0であるので、式(7)より、電流Iの極性が正であれば電圧信号(V21'−V13)は負の値となり、電流Iの極性が負であれば電圧信号(V21'−V13)は正の値となる。
【0039】
従って、N線及びE線の配線が正しい場合、図3(F)に示す電圧信号(V21'−V13)の波形において、電流Iの極性が正の時([A]の区間)には、電圧(V21'−V13)は負の値を持つことになり、電流Iの極性が負の時([B]の区間)には、電圧(V21'−V13)は正の値を持つことになる。
【0040】
図3(G)は、N線及びE線の配線が逆接続であった場合に差動増幅回路により出力される電圧信号(V21'−V13)の波形図である。N線及びE線の配線が逆接続になっている場合は、式(7)において、RとRとが入れ替わるので、正負符号が逆転する。従って、図3(G)に示すように、電流Iの極性が正の時([A]の区間)には、電圧(V21'−V13)は正の値を持ち、電流Iの極性が負の時([B]の区間)には、電圧(V21'−V13)は負の値を持つことになる。こうして、N線及びE線の配線が正しいか、逆接続かを判断することができる。
【0041】
AD変換回路7は、差動増幅回路6による電圧信号(V21'−V13)をデジタル信号に変換する。計測制御手段8は、このデジタル信号に基づいて、電圧信号(V21'−V13)の各区間における極性を判定する。
【0042】
図5(A)は、地電圧について説明する回路図であり、図5(B)は、地電圧の直流成分が存在する場合の差動増幅回路による電圧信号(V21'−V13)を示す波形図である。図5(A)に示すように、N線とE線との間には配電システム13の漏洩電流等によって、数ボルトの地電圧が存在する場合がある。この地電圧が交流の場合は、オールパスフィルタ5aで位相を反転させられるので、差動増幅器6によって排除できる。しかしながら、地電圧が直流の場合は、図5(B)に示すように、差動増幅回路6による電圧信号(V21'−V13)が直流成分を含むことになる。そこで、AD変換回路7によるAD変換後に、計測制御手段8により、差動増幅回路6による電圧信号(V21'−V13)の振幅(図5(B)の[C])を測定し、直流成分を取り除く。
【0043】
<2−3.変形例>
1.上述の説明において、オールパスフィルタ5aが、第1の計測回路Vaにおいて取得した電圧信号V21の中に存在する第1の周波数成分の位相を反転させる場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。
【0044】
図6(A)は、第1の実施形態の第1の変形例における検出回路の構成を示すブロック図である。AD変換回路7及び計測制御手段8については、図示を省略している(図6及び図7において同様)。図6(A)においては、オールパスフィルタ5bが、第2の計測回路Vbにおいて取得した電圧信号V13の中に存在する第1の周波数成分の位相を反転させている。これにより、上述の式(4)における電圧V1の極性を反転した下式(8)に示す信号が得られ、差動増幅回路6の一方の端子に入力される。
13'=V1+V … 式(8)
第1の計測回路Vaには、オールパスフィルタは接続されておらず、上述の式(3)に示す信号が、差動増幅回路6の他方の端子に入力される。
21=V1+V … 式(3)
この構成によっても、差動増幅回路6において電圧V1の波形が打ち消され、電圧Vと電圧Vとの差分に相当する信号が得られる。
【0045】
図6(B)は、第1の実施形態の第2の変形例における検出回路の構成を示すブロック図である。図6(B)においては、第1のオールパスフィルタ5aが、第1の計測回路Vaにおいて取得した電圧信号V21の中に存在する第1の周波数成分の位相をθ°回転させ、第2のオールパスフィルタ5bが、第2の計測回路Vbにおいて取得した電圧信号V13の中に存在する第1の周波数成分の位相を(180+θ)°回転させている。そして、第1及び第2のオールパスフィルタの出力信号が、差動増幅回路6に入力されている。なお、θ=180の場合は、図2を参照しながら説明した第1の実施形態に相当し、第2のオールパスフィルタ5bは不要である。θ=0の場合は、図6(A)を参照しながら説明した第1の変形例に相当し、第1のオールパスフィルタ5aは不要である。
【0046】
2.また、上述の説明において、第1の計測回路Vaが、第1の端子Tと第2の端子Tとの間の電圧信号V21の波形を、第2の端子Tを基準として検出し、第2の計測回路Vbが、第1の端子Tと第3の端子Tとの間の電圧信号V13の波形を、第1の端子Tを基準として検出する場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。
【0047】
図7(A)は、第1の実施形態の第3の変形例における検出回路の構成を示すブロック図である。図7(A)においては、第1の計測回路Vaが、第1の端子Tと第2の端子Tとの間の電圧信号V12の波形を、第1の端子Tを基準として検出し、第2の計測回路Vbが、第1の端子Tと第3の端子Tとの間の電圧信号V31の波形を、第3の端子Tを基準として検出している。すなわち、第1及び第2の計測回路Va及びVbにおいて、上述の式(3)及び式(4)の極性をそれぞれ反転した下式に示す信号が得られる。
12=−V21=−V1−V … 式(9)
31=−V13=V1−V … 式(10)
この場合には、上述と同様に、第1のオールパスフィルタ5aが、第1の計測回路Vaにおいて取得した電圧信号V12の中に存在する第1の周波数成分(−V1)の位相をθ°回転させ、第2のオールパスフィルタ5bが、第2の計測回路Vbにおいて取得した電圧信号V31の中に存在する第1の周波数成分(V1)の位相を(180+θ)°回転させる。そして、第1及び第2のオールパスフィルタの出力信号を、差動増幅回路6に入力する。なお、θ=0の場合は第1のオールパスフィルタ5aは不要である。θ=180の場合は第2のオールパスフィルタ5bは不要である。
【0048】
図7(B)は、第1の実施形態の第4の変形例における検出回路の構成を示すブロック図である。図7(B)においては、第1の計測回路Vaが、第1の端子Tと第2の端子Tとの間の電圧信号V21の波形を、第2の端子Tを基準として検出し、第2の計測回路Vbが、第1の端子Tと第3の端子Tとの間の電圧信号V31の波形を、第3の端子Tを基準として検出している。この場合には、第2の計測回路Vbにおいて、上述の式(10)に示す信号が得られる。
31=−V13=V1−V … 式(10)
一方、第1の計測回路Vaにおいては、式(3)に示す信号が得られる。
21=V1+V … 式(3)
【0049】
この場合には、第1のオールパスフィルタ5a'が、第1の計測回路Vaにおいて取得した電圧信号V21の中に存在する第2の周波数成分(V)の位相をθ°回転させ、第2のオールパスフィルタ5b'が、第2の計測回路Vbにおいて取得した電圧信号V31の中に存在する第2の周波数成分(−V)の位相を(180+θ)°回転させる。そして、第1及び第2のオールパスフィルタの出力信号を、差動増幅回路6に入力する。これにより、式(10)及び式(3)におけるV1が消去される。また、式(10)の−V及び式(3)のVの位相が、それぞれ(180+θ)°及びθ°回転し、差動増幅されるので、VとVとの差分信号が得られる。なお、θ=0の場合は第1のオールパスフィルタ5a'は不要である。θ=180の場合は第2のオールパスフィルタ5b'は不要である。
【0050】
図7(C)は、第1の実施形態の第5の変形例における検出回路の構成を示すブロック図である。図7(C)においては、第1の計測回路Vaが、第1の端子Tと第2の端子Tとの間の電圧信号V12の波形を、第1の端子Tを基準として検出し、第2の計測回路Vbが、第1の端子Tと第3の端子Tとの間の電圧信号V13の波形を、第1の端子Tを基準として検出している。この場合には、第1の計測回路Vaにおいて、上述の式(9)に示す信号が得られる。
12=−V21=−V1−V … 式(9)
一方、第2の計測回路Vbにおいては、式(4)に示す信号が得られる。
13=−V1+V … 式(4)
【0051】
この場合にも、第1のオールパスフィルタ5a'が、第1の計測回路Vaにおいて取得した電圧信号V12の中に存在する第2の周波数成分(−V)の位相をθ°回転させ、第2のオールパスフィルタ5b'が、第2の計測回路Vbにおいて取得した電圧信号V13の中に存在する第2の周波数成分(V)の位相を(180+θ)°回転させる。そして、第1及び第2のオールパスフィルタの出力信号を、差動増幅回路6に入力する。これにより、式(9)及び式(4)におけるV1が消去される。また、式(9)の−V及び式(4)のVの位相が、それぞれθ°及び(180+θ)°回転し、差動増幅されるので、VとVとの差分信号が得られる。なお、θ=0の場合は第1のオールパスフィルタ5a'は不要である。θ=180の場合は第2のオールパスフィルタ5b'は不要である。
【0052】
3.また、オールパスフィルタは、アナログフィルタに限らず、デジタルフィルタを用いて構成されても良い。
【0053】
4.また、上述の説明において、AD変換回路7によって生成されたデジタル信号に基づいて、地電圧の直流成分を取り除く場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、差動増幅回路6により出力された電圧信号(V21'−V13)をハイパスフィルタに入力することにより、直流成分を取り除くこともできる。
【0054】
<3.第2の実施形態>
図8は、本発明の第2の実施形態に係る接地極付きコンセントの配線確認試験器を配電システムに接続した構成を示す回路図である。図8においては、配線確認試験器1の検出回路3の構成を、詳しく示している。検出回路3以外の構成については、図示を簡略化若しくは省略しているが、図1に示した通りとすることができる。
検出回路3は、ローパスフィルタ20a及び20bと、AD変換回路7a及び7bと、計測制御手段8とを含んでいる。
【0055】
ローパスフィルタ20aは、第1の計測回路Vaにおいて取得した電圧信号V21の中に存在する配電システムの電圧V1の周波数成分(第1の周波数成分)を低減し、電流IとN線の抵抗Rとによって与えられる電圧Vの周波数成分(第2の周波数成分)を通過させる。なお、ここでは、第2の周波数が第1の周波数より小さいものとする。
ローパスフィルタ20bは、第2の計測回路Vbにおいて取得した電圧信号V13の中に存在する配電システムの電圧V1の周波数成分(第1の周波数成分)を低減し、電流IとE線の抵抗Rとによって与えられる電圧Vの周波数成分(第2の周波数成分)を通過させる。
【0056】
AD変換回路7a及び7bは、それぞれローパスフィルタ20a及び20bの出力信号V及びVをデジタル信号に変換する。
計測制御手段8は、AD変換回路7a及び7bの出力信号に基づいて、ローパスフィルタ20a及び20bの出力信号V及びVの大小関係を判定する。或いは、抵抗R及びRの大小関係を判定しても良い。R=V÷I、R=V÷Iであり、Iは既知の電流であるため、R及びRを算出することができ、R及びRの大小関係を比較できる。V<V又はR<Rなら正常配線であり、V>V又はR>RならN線とE線とが逆接続であると判定できる。
【0057】
なお、ローパスフィルタ20a及び20bの出力信号V及びVを、そのままデジタル信号に変換するのではなく、V及びVを差動増幅回路(図示せず)に入力しても良い。この差動増幅回路の出力信号は、VとVとの差分信号となる。従って、図2を参照しながら説明した第1の実施形態と同様に、N線及びE線の配線が正しいか、逆接続かを判断することができる。
【0058】
<4.第3の実施形態>
図9は、本発明の第3の実施形態に係る接地極付きコンセントの配線確認試験器を配電システムに接続した構成を示す回路図である。図9においては、差し込みプラグ、電圧測定回路、判定手段、電流源のスイッチ等の構成については、図示を省略しているが、図1に示した通りとすることができる。
検出回路3は、ローパスフィルタ20と、AD変換回路7a及び7bと、計測制御手段8とを含んでいる。
【0059】
第3の実施形態においては、第1の計測回路Va'は、第2及び第3の端子T及びT間の電圧信号V23を取得する。第2の計測回路Vbは、第1及び第3の端子T及びT間の電圧信号V13を取得する。
電圧信号V23には、電流I及びN線の抵抗Rによって与えられる電圧Vと、電流I及びE線の抵抗Rによって与えられる電圧Vとが含まれ、下式で表すことができる。
23=V+V … 式(11)
電圧信号V13には、電流I及びE線の抵抗Rによって与えられる電圧Vと、配電システム13の電圧V1とが含まれ、式(4)で表すことができる。
13=−V1+V … 式(4)
【0060】
ローパスフィルタ20は、第2の計測回路Vbにおいて取得した電圧信号V13の中に存在する配電システムの電圧V1の周波数成分(第1の周波数成分)を低減し、電流IとE線の抵抗Rとによって与えられる電圧Vの周波数成分(第2の周波数成分)をそのまま通過させる。なお、ここでは、第2の周波数が第1の周波数より小さいものとする。
【0061】
AD変換回路7aは、第1の計測回路Va'において取得した電圧信号V23をデジタル信号に変換する。AD変換回路7bは、ローパスフィルタ20の出力信号Vをデジタル信号に変換する。
計測制御手段8は、AD変換回路7a及び7bの出力信号に基づいて、第1の計測回路Va'において取得した電圧信号V23とローパスフィルタ20の出力信号Vとの差分(V+V)−Vが、ローパスフィルタ20の出力信号Vより大きいか小さいかを判定する。
【0062】
以上により、電流I及びN線の抵抗Rによって与えられる電圧Vと、電流I及びE線の抵抗Rによって与えられる電圧Vとの大小関係を判定できる。或いは、抵抗R及びRの大小関係を判定しても良い。R+E=(V+V)÷I、R=V÷Iであり、Iは既知の電流であるため、R及びRを算出することができ、R及びRの大小関係を比較できる。V<V又はR<Rなら正常配線であり、V>V又はR>RならN線とE線とが逆接続であると判定できる。
【0063】
なお、第2及び第3の実施形態において、第2の周波数が第1の周波数より大きい場合は、ローパスフィルタの代わりにハイパスフィルタを用いることができる。
さらに、第1の周波数成分を低減し、第2の周波数成分を通過させるために、バンドパスフィルタや、バンドエリミネーションフィルタを用いても良い。
また、ローパスフィルタ、ハイパスフィルタ、バンドパスフィルタ、バンドエリミネーションフィルタは、アナログフィルタに限らず、デジタルフィルタを用いて構成されても良い。
【0064】
図10は、第3の実施形態の変形例に係る接地極付きコンセントの配線確認試験器を配電システムに接続した構成を示す回路図である。
この変形例においては、第2の計測回路Vb'は、第1及び第2の端子T及びT間の電圧信号V21を取得する。
電圧信号V21には、電流I及びN線の抵抗Rによって与えられる電圧Vと、配電システム13の電圧V1とが含まれ、式(3)で表すことができる。
21=V1+V … 式(3)
【0065】
ローパスフィルタ20は、第2の計測回路Vb'において取得した電圧信号V21の中に存在する配電システムの電圧V1の周波数成分(第1の周波数成分)を低減し、電流IとN線の抵抗Rとによって与えられる電圧Vの周波数成分(第2の周波数成分)をそのまま通過させる。
AD変換回路7bは、ローパスフィルタ20の出力信号Vをデジタル信号に変換する。
【0066】
計測制御手段8は、AD変換回路7a及び7bの出力信号に基づいて、第1の計測回路Va'において取得した電圧信号V23とローパスフィルタ20の出力信号Vとの差分(V+V)−Vが、ローパスフィルタ20の出力信号Vより大きいか小さいかを判定する。
他の点は図9を参照しながら説明した通りである。
【0067】
以上により、電流I及びN線の抵抗Rによって与えられる電圧Vと、電流I及びE線の抵抗Rによって与えられる電圧Vとの大小関係を判定できる。或いは、抵抗R及びRの大小関係を判定しても良い。
【0068】
<5.実施形態による効果>
以上説明した本発明の実施形態によれば、電気工事における配線ミスの確認作業において、漏電遮断器の動作を気にすることなく確認試験が行え、作業効率が高まる。また、信頼性の高い誤配線確認が可能となる。加えて、電気工事における安全性が確保され、機器の破損や感電事故の減少に貢献できる。
【0069】
特開平09−101338号公報においては、試験器内部に低抵抗(10Ω)の負荷を備え、この負荷を1ms秒間のみL線とN線との間に接続し、内部の検出抵抗に流れる電流値を検出している。同様にL線とE線との間、E線とN線との間にも負荷を1ms接続し、検出抵抗に流れる電流値を検出し、合計三通りの電流値を比較して誤配線を確認している。しかしながら、この方法では、感度の良い漏電遮断器は動作してしまうという問題と、1msという短い測定時間に制限していることで、ノイズの大きな配電システムの環境下では、正確な判定が行えないという問題がある。
【0070】
特開平05−312878号公報においては、漏電遮断器を動作させないために、3mAの電流をN端子からL端子へ、E端子からL端子へそれぞれ流し、内部の検出抵抗に流れる電流値を比較し、誤配線を確認している。しかしながら、流れる電流が3mAと微小なことに加え、この電流の周波数は配電システムの電源周波数と同じであるため、配電システムのノイズや電源電圧変動の影響を大きく受け、正確な判定が行えないという問題がある。
【0071】
これに対し、本発明の実施形態によれば、電流源JによってE線とN線との間に電流Iを流すが、配電システムの周波数と異なる第2の周波数を用いるため、後の回路において配電システムの電圧成分を取り除くことができる。このため、漏電遮断器12を動作させない低い電流Iを用いた測定でも正確な計測が可能となる。
【0072】
さらに、本発明の実施形態によれば、電流源JによってE線とN線との間に電流Iを流す前に、電圧測定回路2により、電源コンセント11の各端子間(T−T間、T−T間、T−T間)の電圧値を測定するので、全ての誤配線の組合せを判別することができる。さらに、第2の端子Tと第3の端子Tとの間に電圧がないことを確認するので、電流源Jは活線接続を考慮する必要がなく、大きな電圧に対する保護回路が不要であるので、回路を容易且つ安価に構成可能である。
【符号の説明】
【0073】
1…配線確認試験器、2…電圧測定回路、3…検出回路、4…判定手段、5a、5b、5a'、5b'…オールパスフィルタ、6…差動増幅回路、7、7a、7b…AD変換回路、8…計測制御手段、9…入出力手段、10…差し込みプラグ、11…電源コンセント、12…漏電遮断器、13…配電システム、14…送電線、20、20a、20b…ローパスフィルタ、B〜B…刃、J…電流源、R…L線の抵抗、R…N線の抵抗、R…E線の抵抗、SW1…スイッチ、T〜T…端子、Tr…変圧器、Va、Va'…第1の計測回路、Vb、Vb'…第2の計測回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の周波数による単相交流電圧を供給するL(Line)線が接続された第1の端子と、N(Neutral)線が接続されるべき第2の端子と、E(Earth)線が接続されるべき第3の端子と、を含むコンセントに対し、前記N線及び前記E線が誤接続されていないかを判別する配線確認試験器であって、
前記第2の端子と前記第3の端子との間に、前記第1の周波数と異なる第2の周波数を含む電流を流す電源と、
前記第1の端子と前記第2の端子との間の電圧信号を計測する第1の計測回路と、
前記第1の端子と前記第3の端子との間の電圧信号を計測する第2の計測回路と、
前記第1の計測回路によって計測された電圧信号及び前記第2の計測回路によって計測された電圧信号にそれぞれ含まれる前記第2の周波数に相当する周波数成分の大小関係を検出する検出回路と、
を含む、配線確認試験器。
【請求項2】
前記第1及び第2の計測回路の一方は、前記第1の端子からみた前記第2又は第3の端子の電圧信号を計測し、
前記第1及び第2の計測回路の他方は、前記第2又は第3の端子からみた前記第1の端子の電圧信号を計測し、
前記検出回路は、
前記第1の計測回路によって計測された電圧信号及び前記第2の計測回路によって計測された電圧信号の一方に含まれる前記第1の周波数に相当する周波数成分の位相を反転した電圧信号を出力するオールパスフィルタと、
前記第1の計測回路によって計測された電圧信号及び前記第2の計測回路によって計測された電圧信号の他方と、前記オールパスフィルタによって出力された電圧信号との差分を検出する差動増幅器と、
を含む、請求項1に記載の配線確認試験器。
【請求項3】
前記検出回路は、
前記第1の計測回路によって計測された電圧信号に含まれる前記第2の周波数に相当する周波数成分を出力する第1のフィルタと、
前記第2の計測回路によって計測された電圧信号に含まれる前記第2の周波数に相当する周波数成分を出力する第2のフィルタと、
前記第1のフィルタから出力された周波数成分と、前記第2のフィルタから出力された周波数成分との大小関係を検出する回路と、
を含む、請求項1に記載の配線確認試験器。
【請求項4】
第1の周波数による単相交流電圧を供給するL(Line)線が接続された第1の端子と、N(Neutral)線が接続されるべき第2の端子と、E(Earth)線が接続されるべき第3の端子と、を含むコンセントに対し、前記N線及び前記E線が誤接続されていないかを判別する配線確認試験器であって、
前記第2の端子と前記第3の端子との間に、前記第1の周波数と異なる第2の周波数を含む電流を流す電源と、
前記第2の端子と前記第3の端子との間の電圧信号を計測する第1の計測回路と、
前記第2の端子及び前記第3の端子のいずれかと前記第1の端子との間の電圧信号を計測する第2の計測回路と、
前記第1の計測回路によって計測された電圧信号の振幅である第1の振幅と、前記第2の計測回路によって計測された電圧信号に含まれる前記第2の周波数に相当する周波数成分の振幅である第2の振幅との差が、前記第2の振幅より大きいか小さいかを検出する検出回路と、
を含む、配線確認試験器。
【請求項5】
第1の周波数による単相交流電圧を供給するL(Line)線が接続された第1の端子と、N(Neutral)線が接続されるべき第2の端子と、E(Earth)線が接続されるべき第3の端子と、を含むコンセントに対し、前記N線及び前記E線が誤接続されていないかを判別する配線確認方法であって、
前記第2の端子と前記第3の端子との間に、前記第1の周波数と異なる第2の周波数を含む電流を流し、
前記第1の端子と前記第2の端子との間の電圧信号を計測し、
前記第1の端子と前記第3の端子との間の電圧信号を計測し、
前記第1の端子と前記第2の端子との間の電圧信号及び前記第1の端子と前記第3の端子との間の電圧信号にそれぞれ含まれる前記第2の周波数に相当する周波数成分の大小関係を検出する、配線確認方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−255712(P2012−255712A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−128753(P2011−128753)
【出願日】平成23年6月8日(2011.6.8)
【出願人】(390025623)共立電気計器株式會社 (7)
【Fターム(参考)】