接点パス用クリップ
【課題】 端子台の設置箇所によらず端子への取り付け作業が容易で安定して固定でき、外力が加えられても簡単に外れることのない接点パス用クリップを提供する。
【解決手段】 端子と他の端子とを接点パスして試験するリード線20と該リード線20の端部に取り付けられて端子2に固定して導通させるクリップとからなる接点パス用クリップであって、リード線20の一端または両端に取り付けられて端子2に磁力により吸着する磁石部11を有し、この磁石部11を介して端子2をリード線20に導通させるクリップ10を設ける。
【解決手段】 端子と他の端子とを接点パスして試験するリード線20と該リード線20の端部に取り付けられて端子2に固定して導通させるクリップとからなる接点パス用クリップであって、リード線20の一端または両端に取り付けられて端子2に磁力により吸着する磁石部11を有し、この磁石部11を介して端子2をリード線20に導通させるクリップ10を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接点パス用クリップに係り、より詳しくはリード線の端部に取り付けられたクリップによって所望の端子と他の端子とに接続して接点パスすることで試験する接点パス用クリップに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、接点パス用クリップは、例えば、リード線の両端に鰐口式のクリップを取り付けてなり、変電器や保護継電器の機器点検、または電気回路のシーケンステスト、或いは機器試運転の起動条件作りなどの試験に用いており、この鰐口式のクリップを電子回路の端子に挟み付けて固定することで所望の端子と他の端子とを接点パスして試験する構造がよく知られている(例えば、特許文献1及び2参照。)。
【特許文献1】実公昭36−22433号公報
【特許文献2】特開2003−36905号公報
【0003】
前者の方法による例を、図10および図11を参照して説明する。図10は、このような鰐口式のクリップによる従来の接点パス用クリップを示す構成図である。また、図11は、図10に示した接点パス用クリップを用いて接点パスした状態を示す図である。
【0004】
図10に示すように、従来の接点パス用クリップは、機器に複数設けた端子と他の端子とを接点パスして試験するリード線20と、このリード線20の端部に取り付けて金属製で上下一対に対向させて中間部を枢着してこの両端の一方が閉じるようにスプリング(図示せず)で付勢した挟持片81a、81bを有する鰐口式のクリップ80とを備え、該クリップ80の挟持片81a、81bを端子2(図11参照)に挟み付けて固定するように設けている。この端子2は、図11に示すように、ネジであり端子台1の端子板3に螺着して設けている。また、クリップ80には、図10に示したように、リード線20を接続した挟持片81a、81bが他の端子に接触しないように覆って絶縁する絶縁被覆82を設けている。
【0005】
このような構成からなる従来の接点パス用クリップを使用する場合、図10に示したリード線20を接続した挟持片81a、81bの一端側をスプリングの付勢力に抗して挟持するように閉じて他方の鰐口式の先端を開き、この開いた鰐口を図11に示したように端子2のネジ頭に挟み付けることで、クリップ80を端子2に固定する。尚、端子2を設けた端子台1には、未使用時に端子2が不用意に誤接点しないように保護する透明なカバー4を装着している。従って、クリップ80を端子2に挟み付ける場合、端子台1から一旦、カバー4を取り外した後に取り付けている。
【0006】
このように、従来の接点パス用クリップは、図11に示したように、鰐口式のクリップ80を取り付けてリード線20(図10参照)に導通することで、端子台1の端子2に簡単に挟み付けて接点パスでき、変電器や保護継電器の機器点検または電気回路のシーケンステスト或いは機器試運転の起動条件作りなどの試験を容易に実行していた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の接点パス用クリップは、図11に示した端子台1の設置箇所によっては作業性がかなり悪く、クリップ80の鰐口式の先端を開いて端子2に挟み込む作業が困難であり、且つ、この端子2に挟み付けるクリップ80の鰐口式先端は固定状態が不安定であり作業者によって固定状態にバラツキが生じるという不具合があった。
また、従来の接点パス用クリップでは、前述したように端子2に挟み付ける鰐口式のクリップ80を用いるため、端子2に挟み付ける固定状態が不安定になり、試験の途中に小さな外力でも端子2から簡単に外れてしまうという不具合があった。
【0008】
本発明はこのような課題を解決し、端子台の設置箇所によらず端子への取り付け作業が容易で安定して固定でき、外力が加えられても簡単に外れることのない接点パス用クリップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上述した課題を解決するために、端子と他の端子とを接点パスして試験するリード線と該リード線の端部に取り付けられて端子に固定して導通させるクリップとからなる接点パス用クリップであって、リード線の一端または両端に取り付けられて端子に磁力により吸着する磁石部を有し、この磁石部を介して端子をリード線に導通させるクリップを設ける。
【0010】
ここで、リード線には、一端にクリップを取り付け、他端に同じクリップ、または端子に先端の接触端子を接触させて導通させるペンシル型の接続棒、或いは二股に分岐した両端に設けるクリップ及び接続棒いずれかを取り付けることが好ましい。また、端子には上部を覆って保護するカバーを有し、該カバーの端子を覆う上面にクリップを挿入する開口穴を穿設するとともに、クリップには開口穴に挿入して回転することで係止する外れ防止用の突起部を設けることが好ましい。また、磁石部は、クリップの内部に摺動可能に収納されて使用時または未使用時に手動で出没させるツマミ、または未使用時にクリップ内に引き込むように付勢されて使用時に端子に吸引される磁力に負けて伸長するバネいずれかを備え、未使用時の誤接点または感電を防止することが好ましい。また、接続棒は、接触端子からリード線に導通する経路に開閉するスイッチを設けることが好ましい。また、接続棒またはクリップのいずれか一方には、端子との導通時に過大に流れる電流を遮断するヒューズを更に設けることが好ましい。また、端子はネジであり、磁石部の吸着面をネジの頭を覆うように凹状の曲面に形成して吸着面を増やすことが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
以上、説明したように本発明による接点パス用クリップによれば、クリップに磁石部を設けて磁力によって端子に吸着する構造のため、端子台を作業性の悪い設置箇所に設置したとしても容易に試験端子に吸着させて固定でき、且つ、この磁石部による吸着により誰でもバラツキがなく安定して確実に固定することができる。
また、本発明による接点パス用クリップによれば、前述したように、クリップの磁石部により端子に吸着する構造のため、従来の鰐口式による不安定な固定に比べ、安定して確実に固定することができ、ある程度の外力が加えられてもクリップが端子から簡単に外れることがなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に、添付図面を参照して本発明による接点パス用クリップの実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明による接点パス用クリップの一実施形態を示した外観図である。また、図2は、図1に示した接点パス用クリップの内部構造を示す図である。また、図3は、図1に示したクリップ10を用いた種々の実施形態を示す図であり、図3(a)はクリップ10を両端に用いた実施形態を、図3(b)は一端にクリップ10と他端に接続棒30とを用いた実施形態を、図3(c)は一端にクリップ10と他端を二股に分岐して設けたクリップ10及び接続棒30とを用いた実施形態を各々示している。また、図4は、図3(b)に示したクリップ10及び接続棒30の電気的な内部構造を示す回路図である。また、図5は、図1に示したクリップに誤接点防止機構を備えた実施例を示す図である。また、図6は、図1に示したクリップに誤接点防止機構を備えた他の実施例を示す図であり、図6(a)は端子2に導通していない状態を、図6(b)は端子2に導通した状態を各々示している。また、図7は、図6に示したクリップ50にロック機構60を備えた更なる他の実施例を示す図である。また、図8は、図1に示したクリップに外れ防止機構を備えた実施例を示す図である。また、図9は、図8に示したクリップ70を端子2に導通させた状態を示す図である。
【0013】
図1に示すように、本発明による接点パス用クリップの一実施形態は、図11に示した従来技術と同様に、変電器や保護継電器の機器点検または電気回路のシーケンステスト或いは機器試運転の起動条件作りなどの試験に用いられており、この機器に複数設けた端子と他の端子とを接点パスして試験するためのリード線20を設け、このリード線20の端部に取り付けられて端子2(図11参照)に固定して導通するためのクリップ10を備えている。また、本実施の形態では、図10に示した従来技術とは異なり、リード線20の端部に鰐口式ではない略円筒状に形成されたクリップ10が取り付けられて端子2に磁力により吸着する磁石部11を有し、この磁石部11を介して端子2をリード線20に導通させる構造に設けている。即ち、本実施の形態は、図11に示した従来技術のような鰐口式のクリップを端子に挟む固定構造ではなく、磁石部11を用いてこの磁力によって端子2に安定して固定させて簡単に外れることを防止するものである。
【0014】
ここで、クリップ10は、図2に示すように、円筒状に形成されて一端側に固定したリード線20を中空の内部に延在させ、他端側に固定した磁石部11に中空内で接続している。従って、本実施の形態は、図10に示した従来技術のように鰐口式の金属材を介して接続するのではなく、端子台1の端子2に磁力によって吸着した磁石部11を介してリード線20に導通していることが大きく異なる。一方、端子2は、図2に示したように金属材からなるネジであり、端子台1に螺合してクリップ10の磁石部11による磁力によってネジの頭部が吸着するように設けている。この際、磁石部11は、図2に示したように、端子2に磁力により吸着する吸着面を、端子のネジ頭に合わせて覆うような凹状の曲面に形成している。これにより、端子2と磁石部11との吸着面を増やすことができ、より安定した固定を実現できる。
【0015】
ところで、本実施の形態では、前述した磁石を用いたクリップ10をリード線20に如何に取り付けるかによって種々の実施形態に形成することができる。例えば、図3(a)に示すように、リード線20の一端にクリップ10を取り付け、他端にも同じクリップ10を各々取りけることができる。この場合、機器に設けた複数の端子2のうち、所望の2つの端子2にリード線20両端のクリップ10を各々吸着させて接点パスすることで、例えば、機器試運転の起動条件作りなどの試験が実行できる。
【0016】
また、他の実施形態として、図3(b)に示すように、リード線20の一端にクリップ10を取り付け、他端に棒状で先端の接触端子31を端子2(図2参照)に接触させて導通させるペンシル型の接続棒30を設けることも可能である。ここで、接続棒30は、図4に示すように、接触端子31からリード線20に導通する経路に開閉するスイッチ32を設けるとともに、この導通時に過大に電流が流れた場合に遮断するヒューズ33を更に設けている。このような接点パス用クリップを用いる場合、図3(b)に示したリード線20の一端に設けたクリップ10を端子2に吸着させ、他端の接続棒30を作業者が把持して先端の接触端子31を自由に移動して他の端子2に接触させてスイッチ32を押すことで接点パスすることが可能になる。従って、図3(a)に示した接点パス用クリップに比べて、リード線20の片側に設けた接続棒30を自由に移動して多様な動作を容易に試験または検査することができる。
【0017】
また、更なる他の実施形態としは、図3(c)に示すように、リード線20の一端にクリップ10を取り付け、他端を二股に分岐させてその両端にクリップ10と接続棒30との両方を設けており、これにより二股に分かれたクリップ10または接続棒30のいずれかを試験状況に応じて選択できるため、図3(a)及び(c)に示した実施形態に比べて、より種々の試験状況に合わせて対応させることが可能になる。
【0018】
以上、説明したように本発明による接点パス用クリップの実施の形態によれば、クリップ10に磁石部11を設けて磁力によって端子2に吸着する構造のため、この端子2が作業性の悪い設置箇所に設置されていても、端子2に磁力によって容易に吸着して固定でき、且つ、この磁石部11による吸着により誰でもバラツキがなく安定して固定(導通)させることができる。
また、本発明による接点パス用クリップの実施形態によれば、前述したように、クリップ10の磁石部11により端子2に吸着する構造のため、従来の鰐口式による不安定な固定に比べ、安定して確実に固定することができ、ある程度の外力が加えられてもクリップ10が端子2から簡単に外れることがなくなる。
【0019】
次に、図5〜7を参照して、図1に示したクリップに誤接点防止機構を備えた種々の実施例を詳細に説明する。この誤接点防止機構を備えたクリップの実施例として、先ず、図5に示すように、磁石部41を円筒状のクリップ40内に摺動可能に収納し、この磁石部41を使用時または未使用時にクリップ40内から手動で先端に出没させるツマミ42を形成している。このツマミ42は、クリップ40内で摺動する磁石部41に樹脂材などで形成して側面に突出するように設けており、この突出した端部がクリップ40の外壁に切り欠いた切り欠き部40aを介して外部に露出するように設けている。そして、磁石部41は、ツマミ42をクリップ40の切り欠き部40aに沿って上下に摺動させることにより、クリップ40内から先端側に手動で出没させることができる。従って、このクリップ40は、未使用時にツマミ42を摺動させて磁石部41を内部に収納して接地、感電、または誤接点を防止するとともに、使用時にツマミ42を再び摺動させて磁石部41を突出させることで端子2(図2参照)に吸着させることができる。ここで、磁石部41は、使用時において常にクリップ40の外部に突出させた状態(図5に示した状態)で固定しているため、例えば、端子2に吸着する際に落としてしまった場合、他の端子2に吸着して誤接点する可能性がある。そこで、クリップ40内で磁石部41が使用時のみ突出するように形成した誤接点防止機構を備えるクリップの他の実施例がある。
【0020】
この誤接点防止機構を備えたクリップの他の実施例は、図6(a)に示すように、クリップ50の内部にバネ52を備えて磁石部51を常に収納する方向に付勢するように形成している。具体的には、未使用時にクリップ50内で磁石部51を引き込んで隠すように付勢するとともに、使用時においては、図6(b)に示すように、磁石部51が端子2に吸引される磁力に負けて伸長するバネ52を備えている。また、磁石部51は、クリップ50内の上部でリード線20に接続して吊設されたバネ52の遊端に支持されており、これによりバネ52を介してリード線20に接続して通電する構造に形成している。ここで、磁石部51は、バネ52を介してリード線20に接続することに限定されるものではなく、例えば、バネ52を介すことなく直接リード線20を接続することも可能である。また、クリップ50の内壁には、バネ52により磁石部51が収納され過ぎないように摺動を止める収納リブ50aと、磁石部51が端子2に吸着して外部に飛び出ないように止める突出リブ50bとを一体に形成している。このようなクリップ50を使用する場合、図6(a)に示したように、クリップ50内に端子2のネジ頭を挿入することで磁力により磁石部51が吸引される。この際、クリップ50内では、端子2を完全に挿入した時に磁石部51が吸引されるように収納リブ50aの位置を調節しており、落下した際に他の端子2が挿入されない限り吸着しないように突出リブ50bから収納リブ50aまでの距離を調整して設けている。ここで、収納リブ50aの位置調整が困難な場合もあり、別途、ロック機構を備えて位置調整を不要にしたクリップの更なる他の実施例がある。
【0021】
この誤接点防止機構を備えたクリップの更なる他の実施例は、図7に示すように、クリップ50に新たにロック機構60を備えて吸着時以外には常に磁気部51をロックして他の端子2と吸着しないように設けている。ここで、クリップ50内には,図6に示したクリップと同様に、磁石部51、バネ52、リード線20を設けている。この同様の構成要素には同じ符号を記載するとともに、重複する説明は省略する。また、ロック機構60は、図7に示したように、クリップ50の外壁に突出して一体に形成した支持部61と、この支持部61に回転可能に支持されたロック片62と、このロック片62の一端側を外側に付勢して他端側を磁石部51に係合させるスプリング63とを備えている。即ち、ロック機構60は、クリップ50内の磁石部51を端子2に吸着させる時にロック片62のスプリング63側を作業者が指で押さえて選択的にロックを解除できるため、このクリップ50内に端子2を挿入した時に磁石部51が吸着するように収納リブ50aの位置を微調整する必要がなくなる。
【0022】
このように、図5〜7に示した誤接点防止機構を備えたクリップによれば、磁石部41、51が不用意に磁力によって他の端子2に吸着して接地、感電、または誤接点することを確実に防止することができ、図1〜4に示したクリップに比べてより安全に作業することが可能になる。
【0023】
ところで、このような誤接点防止機構は、端子に吸着したクリップが外れることで接地、感電、または誤接点するものであって、図11に示した従来技術ように外れた際に端子に吸着しないようにカバーで保護し、且つ、クリップが容易に外れないように外れ防止機構を設けることで不要になる。このように外れ防止機構を備えたクリップの実施例を、図8及び9を参照して詳細に説明する。
【0024】
この外れ防止機構を備えたクリップの実施例は、図8に示すように、端子台1(端子2)を覆って保護するカバー6に開口穴6aを設け、このカバー6の開口穴6aを介して磁石部71を端子2に吸着可能に設けるとともに、この開口穴6aに挿入して回転することで係止する外れ防止用の突起部70aを設けている。即ち、このクリップ70は、図1に示したクリップの外壁に複数の突起部70a(図8では2箇所)を設けるとともに、図11に示した従来技術のカバーにクリップの外周と、その外周に突出する突起部70aとが挿入する開口穴6aを設けることで外れ防止機構を形成している。そして、このようなクリップ70は、カバー6の開口穴6aに突起部70aとともに挿入して回転することで、図9に示すように、突起部70aがカバー6に係合して外れを防止することができる。従って、このような外れ防止機構を備えたクリップの実施例を用いることで、図5〜7に示した誤接点防止機構が全く不要になる。
【0025】
ここで、図8に示した外れ防止機構は、磁石部71を用いず、バネで付勢した金属端子を端子2に圧接(図示せず)させることで、通電させ且つ部品コストを低減することも可能である。しかし、金属端子をバネで端子2に圧接させると、図9に示したクリップ70がカバー6の方向に押され、結果的に突起部70aがカバー6を持ち上げる状態になる。このカバー6は、単に端子台1(端子2)を保護するものであり、透明で強度が弱いため、突起部70aにより持ち上げられると変形してしまう不具合がある。即ち、カバー6が変形した場合、端子台1に設けた複数の端子2に圧接する金属端子の圧力にバラツキが生じてしまう。従って、本実施例では、図9に示したように、端子2に磁力により吸着して導通し、突起部70aがカバー6を持ち上げない磁石部71を用いたことが、従来の構造にはなく最も優れた構造である。
【0026】
以上、本発明による接点パス用クリップの実施形態を詳細に説明したが、本発明は前述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、図4に示した接続棒の内部にヒューズを設けた実施形態を説明したが、これに限定されるものではなく、クリップの内部にヒューズを設けても良い。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明による接点パス用クリップの一実施形態を示した外観図。
【図2】図1に示した接点パス用クリップの内部構造を示す図。
【図3】図1に示したクリップを用いた種々の実施形態を示す図。
【図4】図3(b)に示したクリップ及び接続棒の電気的な内部構造を示す回路図。
【図5】図1に示したクリップに誤接点防止機構を備えた実施例を示す図。
【図6】図1に示したクリップに誤接点防止機構を備えた他の実施例を示す図。
【図7】図6に示したクリップにロック機構を備えた更なる他の実施例を示す図。
【図8】図1に示したクリップに外れ防止機構を備えた実施例を示す図。
【図9】図8に示したクリップを端子に導通させた状態を示す図。
【図10】従来の接点パス用クリップを示す構成図。
【図11】図10に示した接点パス用クリップを用いて接点パスした状態を示す図。
【符号の説明】
【0028】
1 端子台
2 端子
10 クリップ
11 磁石部
20 リード線
【技術分野】
【0001】
本発明は、接点パス用クリップに係り、より詳しくはリード線の端部に取り付けられたクリップによって所望の端子と他の端子とに接続して接点パスすることで試験する接点パス用クリップに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、接点パス用クリップは、例えば、リード線の両端に鰐口式のクリップを取り付けてなり、変電器や保護継電器の機器点検、または電気回路のシーケンステスト、或いは機器試運転の起動条件作りなどの試験に用いており、この鰐口式のクリップを電子回路の端子に挟み付けて固定することで所望の端子と他の端子とを接点パスして試験する構造がよく知られている(例えば、特許文献1及び2参照。)。
【特許文献1】実公昭36−22433号公報
【特許文献2】特開2003−36905号公報
【0003】
前者の方法による例を、図10および図11を参照して説明する。図10は、このような鰐口式のクリップによる従来の接点パス用クリップを示す構成図である。また、図11は、図10に示した接点パス用クリップを用いて接点パスした状態を示す図である。
【0004】
図10に示すように、従来の接点パス用クリップは、機器に複数設けた端子と他の端子とを接点パスして試験するリード線20と、このリード線20の端部に取り付けて金属製で上下一対に対向させて中間部を枢着してこの両端の一方が閉じるようにスプリング(図示せず)で付勢した挟持片81a、81bを有する鰐口式のクリップ80とを備え、該クリップ80の挟持片81a、81bを端子2(図11参照)に挟み付けて固定するように設けている。この端子2は、図11に示すように、ネジであり端子台1の端子板3に螺着して設けている。また、クリップ80には、図10に示したように、リード線20を接続した挟持片81a、81bが他の端子に接触しないように覆って絶縁する絶縁被覆82を設けている。
【0005】
このような構成からなる従来の接点パス用クリップを使用する場合、図10に示したリード線20を接続した挟持片81a、81bの一端側をスプリングの付勢力に抗して挟持するように閉じて他方の鰐口式の先端を開き、この開いた鰐口を図11に示したように端子2のネジ頭に挟み付けることで、クリップ80を端子2に固定する。尚、端子2を設けた端子台1には、未使用時に端子2が不用意に誤接点しないように保護する透明なカバー4を装着している。従って、クリップ80を端子2に挟み付ける場合、端子台1から一旦、カバー4を取り外した後に取り付けている。
【0006】
このように、従来の接点パス用クリップは、図11に示したように、鰐口式のクリップ80を取り付けてリード線20(図10参照)に導通することで、端子台1の端子2に簡単に挟み付けて接点パスでき、変電器や保護継電器の機器点検または電気回路のシーケンステスト或いは機器試運転の起動条件作りなどの試験を容易に実行していた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の接点パス用クリップは、図11に示した端子台1の設置箇所によっては作業性がかなり悪く、クリップ80の鰐口式の先端を開いて端子2に挟み込む作業が困難であり、且つ、この端子2に挟み付けるクリップ80の鰐口式先端は固定状態が不安定であり作業者によって固定状態にバラツキが生じるという不具合があった。
また、従来の接点パス用クリップでは、前述したように端子2に挟み付ける鰐口式のクリップ80を用いるため、端子2に挟み付ける固定状態が不安定になり、試験の途中に小さな外力でも端子2から簡単に外れてしまうという不具合があった。
【0008】
本発明はこのような課題を解決し、端子台の設置箇所によらず端子への取り付け作業が容易で安定して固定でき、外力が加えられても簡単に外れることのない接点パス用クリップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上述した課題を解決するために、端子と他の端子とを接点パスして試験するリード線と該リード線の端部に取り付けられて端子に固定して導通させるクリップとからなる接点パス用クリップであって、リード線の一端または両端に取り付けられて端子に磁力により吸着する磁石部を有し、この磁石部を介して端子をリード線に導通させるクリップを設ける。
【0010】
ここで、リード線には、一端にクリップを取り付け、他端に同じクリップ、または端子に先端の接触端子を接触させて導通させるペンシル型の接続棒、或いは二股に分岐した両端に設けるクリップ及び接続棒いずれかを取り付けることが好ましい。また、端子には上部を覆って保護するカバーを有し、該カバーの端子を覆う上面にクリップを挿入する開口穴を穿設するとともに、クリップには開口穴に挿入して回転することで係止する外れ防止用の突起部を設けることが好ましい。また、磁石部は、クリップの内部に摺動可能に収納されて使用時または未使用時に手動で出没させるツマミ、または未使用時にクリップ内に引き込むように付勢されて使用時に端子に吸引される磁力に負けて伸長するバネいずれかを備え、未使用時の誤接点または感電を防止することが好ましい。また、接続棒は、接触端子からリード線に導通する経路に開閉するスイッチを設けることが好ましい。また、接続棒またはクリップのいずれか一方には、端子との導通時に過大に流れる電流を遮断するヒューズを更に設けることが好ましい。また、端子はネジであり、磁石部の吸着面をネジの頭を覆うように凹状の曲面に形成して吸着面を増やすことが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
以上、説明したように本発明による接点パス用クリップによれば、クリップに磁石部を設けて磁力によって端子に吸着する構造のため、端子台を作業性の悪い設置箇所に設置したとしても容易に試験端子に吸着させて固定でき、且つ、この磁石部による吸着により誰でもバラツキがなく安定して確実に固定することができる。
また、本発明による接点パス用クリップによれば、前述したように、クリップの磁石部により端子に吸着する構造のため、従来の鰐口式による不安定な固定に比べ、安定して確実に固定することができ、ある程度の外力が加えられてもクリップが端子から簡単に外れることがなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に、添付図面を参照して本発明による接点パス用クリップの実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明による接点パス用クリップの一実施形態を示した外観図である。また、図2は、図1に示した接点パス用クリップの内部構造を示す図である。また、図3は、図1に示したクリップ10を用いた種々の実施形態を示す図であり、図3(a)はクリップ10を両端に用いた実施形態を、図3(b)は一端にクリップ10と他端に接続棒30とを用いた実施形態を、図3(c)は一端にクリップ10と他端を二股に分岐して設けたクリップ10及び接続棒30とを用いた実施形態を各々示している。また、図4は、図3(b)に示したクリップ10及び接続棒30の電気的な内部構造を示す回路図である。また、図5は、図1に示したクリップに誤接点防止機構を備えた実施例を示す図である。また、図6は、図1に示したクリップに誤接点防止機構を備えた他の実施例を示す図であり、図6(a)は端子2に導通していない状態を、図6(b)は端子2に導通した状態を各々示している。また、図7は、図6に示したクリップ50にロック機構60を備えた更なる他の実施例を示す図である。また、図8は、図1に示したクリップに外れ防止機構を備えた実施例を示す図である。また、図9は、図8に示したクリップ70を端子2に導通させた状態を示す図である。
【0013】
図1に示すように、本発明による接点パス用クリップの一実施形態は、図11に示した従来技術と同様に、変電器や保護継電器の機器点検または電気回路のシーケンステスト或いは機器試運転の起動条件作りなどの試験に用いられており、この機器に複数設けた端子と他の端子とを接点パスして試験するためのリード線20を設け、このリード線20の端部に取り付けられて端子2(図11参照)に固定して導通するためのクリップ10を備えている。また、本実施の形態では、図10に示した従来技術とは異なり、リード線20の端部に鰐口式ではない略円筒状に形成されたクリップ10が取り付けられて端子2に磁力により吸着する磁石部11を有し、この磁石部11を介して端子2をリード線20に導通させる構造に設けている。即ち、本実施の形態は、図11に示した従来技術のような鰐口式のクリップを端子に挟む固定構造ではなく、磁石部11を用いてこの磁力によって端子2に安定して固定させて簡単に外れることを防止するものである。
【0014】
ここで、クリップ10は、図2に示すように、円筒状に形成されて一端側に固定したリード線20を中空の内部に延在させ、他端側に固定した磁石部11に中空内で接続している。従って、本実施の形態は、図10に示した従来技術のように鰐口式の金属材を介して接続するのではなく、端子台1の端子2に磁力によって吸着した磁石部11を介してリード線20に導通していることが大きく異なる。一方、端子2は、図2に示したように金属材からなるネジであり、端子台1に螺合してクリップ10の磁石部11による磁力によってネジの頭部が吸着するように設けている。この際、磁石部11は、図2に示したように、端子2に磁力により吸着する吸着面を、端子のネジ頭に合わせて覆うような凹状の曲面に形成している。これにより、端子2と磁石部11との吸着面を増やすことができ、より安定した固定を実現できる。
【0015】
ところで、本実施の形態では、前述した磁石を用いたクリップ10をリード線20に如何に取り付けるかによって種々の実施形態に形成することができる。例えば、図3(a)に示すように、リード線20の一端にクリップ10を取り付け、他端にも同じクリップ10を各々取りけることができる。この場合、機器に設けた複数の端子2のうち、所望の2つの端子2にリード線20両端のクリップ10を各々吸着させて接点パスすることで、例えば、機器試運転の起動条件作りなどの試験が実行できる。
【0016】
また、他の実施形態として、図3(b)に示すように、リード線20の一端にクリップ10を取り付け、他端に棒状で先端の接触端子31を端子2(図2参照)に接触させて導通させるペンシル型の接続棒30を設けることも可能である。ここで、接続棒30は、図4に示すように、接触端子31からリード線20に導通する経路に開閉するスイッチ32を設けるとともに、この導通時に過大に電流が流れた場合に遮断するヒューズ33を更に設けている。このような接点パス用クリップを用いる場合、図3(b)に示したリード線20の一端に設けたクリップ10を端子2に吸着させ、他端の接続棒30を作業者が把持して先端の接触端子31を自由に移動して他の端子2に接触させてスイッチ32を押すことで接点パスすることが可能になる。従って、図3(a)に示した接点パス用クリップに比べて、リード線20の片側に設けた接続棒30を自由に移動して多様な動作を容易に試験または検査することができる。
【0017】
また、更なる他の実施形態としは、図3(c)に示すように、リード線20の一端にクリップ10を取り付け、他端を二股に分岐させてその両端にクリップ10と接続棒30との両方を設けており、これにより二股に分かれたクリップ10または接続棒30のいずれかを試験状況に応じて選択できるため、図3(a)及び(c)に示した実施形態に比べて、より種々の試験状況に合わせて対応させることが可能になる。
【0018】
以上、説明したように本発明による接点パス用クリップの実施の形態によれば、クリップ10に磁石部11を設けて磁力によって端子2に吸着する構造のため、この端子2が作業性の悪い設置箇所に設置されていても、端子2に磁力によって容易に吸着して固定でき、且つ、この磁石部11による吸着により誰でもバラツキがなく安定して固定(導通)させることができる。
また、本発明による接点パス用クリップの実施形態によれば、前述したように、クリップ10の磁石部11により端子2に吸着する構造のため、従来の鰐口式による不安定な固定に比べ、安定して確実に固定することができ、ある程度の外力が加えられてもクリップ10が端子2から簡単に外れることがなくなる。
【0019】
次に、図5〜7を参照して、図1に示したクリップに誤接点防止機構を備えた種々の実施例を詳細に説明する。この誤接点防止機構を備えたクリップの実施例として、先ず、図5に示すように、磁石部41を円筒状のクリップ40内に摺動可能に収納し、この磁石部41を使用時または未使用時にクリップ40内から手動で先端に出没させるツマミ42を形成している。このツマミ42は、クリップ40内で摺動する磁石部41に樹脂材などで形成して側面に突出するように設けており、この突出した端部がクリップ40の外壁に切り欠いた切り欠き部40aを介して外部に露出するように設けている。そして、磁石部41は、ツマミ42をクリップ40の切り欠き部40aに沿って上下に摺動させることにより、クリップ40内から先端側に手動で出没させることができる。従って、このクリップ40は、未使用時にツマミ42を摺動させて磁石部41を内部に収納して接地、感電、または誤接点を防止するとともに、使用時にツマミ42を再び摺動させて磁石部41を突出させることで端子2(図2参照)に吸着させることができる。ここで、磁石部41は、使用時において常にクリップ40の外部に突出させた状態(図5に示した状態)で固定しているため、例えば、端子2に吸着する際に落としてしまった場合、他の端子2に吸着して誤接点する可能性がある。そこで、クリップ40内で磁石部41が使用時のみ突出するように形成した誤接点防止機構を備えるクリップの他の実施例がある。
【0020】
この誤接点防止機構を備えたクリップの他の実施例は、図6(a)に示すように、クリップ50の内部にバネ52を備えて磁石部51を常に収納する方向に付勢するように形成している。具体的には、未使用時にクリップ50内で磁石部51を引き込んで隠すように付勢するとともに、使用時においては、図6(b)に示すように、磁石部51が端子2に吸引される磁力に負けて伸長するバネ52を備えている。また、磁石部51は、クリップ50内の上部でリード線20に接続して吊設されたバネ52の遊端に支持されており、これによりバネ52を介してリード線20に接続して通電する構造に形成している。ここで、磁石部51は、バネ52を介してリード線20に接続することに限定されるものではなく、例えば、バネ52を介すことなく直接リード線20を接続することも可能である。また、クリップ50の内壁には、バネ52により磁石部51が収納され過ぎないように摺動を止める収納リブ50aと、磁石部51が端子2に吸着して外部に飛び出ないように止める突出リブ50bとを一体に形成している。このようなクリップ50を使用する場合、図6(a)に示したように、クリップ50内に端子2のネジ頭を挿入することで磁力により磁石部51が吸引される。この際、クリップ50内では、端子2を完全に挿入した時に磁石部51が吸引されるように収納リブ50aの位置を調節しており、落下した際に他の端子2が挿入されない限り吸着しないように突出リブ50bから収納リブ50aまでの距離を調整して設けている。ここで、収納リブ50aの位置調整が困難な場合もあり、別途、ロック機構を備えて位置調整を不要にしたクリップの更なる他の実施例がある。
【0021】
この誤接点防止機構を備えたクリップの更なる他の実施例は、図7に示すように、クリップ50に新たにロック機構60を備えて吸着時以外には常に磁気部51をロックして他の端子2と吸着しないように設けている。ここで、クリップ50内には,図6に示したクリップと同様に、磁石部51、バネ52、リード線20を設けている。この同様の構成要素には同じ符号を記載するとともに、重複する説明は省略する。また、ロック機構60は、図7に示したように、クリップ50の外壁に突出して一体に形成した支持部61と、この支持部61に回転可能に支持されたロック片62と、このロック片62の一端側を外側に付勢して他端側を磁石部51に係合させるスプリング63とを備えている。即ち、ロック機構60は、クリップ50内の磁石部51を端子2に吸着させる時にロック片62のスプリング63側を作業者が指で押さえて選択的にロックを解除できるため、このクリップ50内に端子2を挿入した時に磁石部51が吸着するように収納リブ50aの位置を微調整する必要がなくなる。
【0022】
このように、図5〜7に示した誤接点防止機構を備えたクリップによれば、磁石部41、51が不用意に磁力によって他の端子2に吸着して接地、感電、または誤接点することを確実に防止することができ、図1〜4に示したクリップに比べてより安全に作業することが可能になる。
【0023】
ところで、このような誤接点防止機構は、端子に吸着したクリップが外れることで接地、感電、または誤接点するものであって、図11に示した従来技術ように外れた際に端子に吸着しないようにカバーで保護し、且つ、クリップが容易に外れないように外れ防止機構を設けることで不要になる。このように外れ防止機構を備えたクリップの実施例を、図8及び9を参照して詳細に説明する。
【0024】
この外れ防止機構を備えたクリップの実施例は、図8に示すように、端子台1(端子2)を覆って保護するカバー6に開口穴6aを設け、このカバー6の開口穴6aを介して磁石部71を端子2に吸着可能に設けるとともに、この開口穴6aに挿入して回転することで係止する外れ防止用の突起部70aを設けている。即ち、このクリップ70は、図1に示したクリップの外壁に複数の突起部70a(図8では2箇所)を設けるとともに、図11に示した従来技術のカバーにクリップの外周と、その外周に突出する突起部70aとが挿入する開口穴6aを設けることで外れ防止機構を形成している。そして、このようなクリップ70は、カバー6の開口穴6aに突起部70aとともに挿入して回転することで、図9に示すように、突起部70aがカバー6に係合して外れを防止することができる。従って、このような外れ防止機構を備えたクリップの実施例を用いることで、図5〜7に示した誤接点防止機構が全く不要になる。
【0025】
ここで、図8に示した外れ防止機構は、磁石部71を用いず、バネで付勢した金属端子を端子2に圧接(図示せず)させることで、通電させ且つ部品コストを低減することも可能である。しかし、金属端子をバネで端子2に圧接させると、図9に示したクリップ70がカバー6の方向に押され、結果的に突起部70aがカバー6を持ち上げる状態になる。このカバー6は、単に端子台1(端子2)を保護するものであり、透明で強度が弱いため、突起部70aにより持ち上げられると変形してしまう不具合がある。即ち、カバー6が変形した場合、端子台1に設けた複数の端子2に圧接する金属端子の圧力にバラツキが生じてしまう。従って、本実施例では、図9に示したように、端子2に磁力により吸着して導通し、突起部70aがカバー6を持ち上げない磁石部71を用いたことが、従来の構造にはなく最も優れた構造である。
【0026】
以上、本発明による接点パス用クリップの実施形態を詳細に説明したが、本発明は前述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、図4に示した接続棒の内部にヒューズを設けた実施形態を説明したが、これに限定されるものではなく、クリップの内部にヒューズを設けても良い。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明による接点パス用クリップの一実施形態を示した外観図。
【図2】図1に示した接点パス用クリップの内部構造を示す図。
【図3】図1に示したクリップを用いた種々の実施形態を示す図。
【図4】図3(b)に示したクリップ及び接続棒の電気的な内部構造を示す回路図。
【図5】図1に示したクリップに誤接点防止機構を備えた実施例を示す図。
【図6】図1に示したクリップに誤接点防止機構を備えた他の実施例を示す図。
【図7】図6に示したクリップにロック機構を備えた更なる他の実施例を示す図。
【図8】図1に示したクリップに外れ防止機構を備えた実施例を示す図。
【図9】図8に示したクリップを端子に導通させた状態を示す図。
【図10】従来の接点パス用クリップを示す構成図。
【図11】図10に示した接点パス用クリップを用いて接点パスした状態を示す図。
【符号の説明】
【0028】
1 端子台
2 端子
10 クリップ
11 磁石部
20 リード線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端子と他の端子とを接点パスして試験するリード線と、該リード線の端部に取り付けられて前記端子に固定して導通させるクリップとからなる接点パス用クリップにおいて、
前記リード線の一端または両端に取り付けられて前記端子に磁力により吸着する磁石部を有し、この磁石部を介して前記端子をリード線に導通させるクリップを設けたことを特徴とする接点パス用クリップ。
【請求項2】
請求項1に記載の接点パス用クリップにおいて、
前記リード線には、一端に前記クリップを取り付け、他端に同じ前記クリップ、または前記端子に先端の接触端子を接触させて導通させるペンシル型の接続棒、或いは二股に分岐した両端に設ける前記クリップ及び接続棒いずれかを取り付けたことを特徴とする接点パス用クリップ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の接点パス用クリップにおいて、
前記端子には上部を覆って保護するカバーを有し、該カバーの前記端子を覆う上面に前記クリップを挿入する開口穴を穿設するとともに、前記クリップには前記開口穴に挿入して回転することで係止する外れ防止用の突起部を設けたことを特徴とする接点パス用クリップ。
【請求項4】
請求項1〜3いずれかに記載の接点パス用クリップにおいて、
前記磁石部は、前記クリップの内部に摺動可能に収納されて使用時または未使用時に手動で出没させるツマミ、または未使用時に前記クリップ内に引き込むように付勢されて使用時に前記端子に吸引される磁力に負けて伸長するバネいずれかを備え、未使用時の誤接点または感電を防止することを特徴とする接点パス用クリップ。
【請求項5】
請求項2に記載の接点パス用クリップにおいて、
前記接続棒は、前記接触端子から前記リード線に導通する経路に開閉するスイッチを設けたことを特徴とする接点パス用クリップ。
【請求項6】
請求項2または5に記載の接点パス用クリップにおいて、
前記接続棒またはクリップのいずれか一方には、前記端子との導通時に過大に流れる電流を遮断するヒューズを更に設けたことを特徴とする接点パス用クリップ。
【請求項7】
請求項1〜6いずれかに記載の接点パス用クリップにおいて、
前記端子はネジであり、前記磁石部の吸着面を前記ネジの頭を覆うように凹状の曲面に形成して吸着面を増やすことを特徴とする接点パス用クリップ。
【請求項1】
端子と他の端子とを接点パスして試験するリード線と、該リード線の端部に取り付けられて前記端子に固定して導通させるクリップとからなる接点パス用クリップにおいて、
前記リード線の一端または両端に取り付けられて前記端子に磁力により吸着する磁石部を有し、この磁石部を介して前記端子をリード線に導通させるクリップを設けたことを特徴とする接点パス用クリップ。
【請求項2】
請求項1に記載の接点パス用クリップにおいて、
前記リード線には、一端に前記クリップを取り付け、他端に同じ前記クリップ、または前記端子に先端の接触端子を接触させて導通させるペンシル型の接続棒、或いは二股に分岐した両端に設ける前記クリップ及び接続棒いずれかを取り付けたことを特徴とする接点パス用クリップ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の接点パス用クリップにおいて、
前記端子には上部を覆って保護するカバーを有し、該カバーの前記端子を覆う上面に前記クリップを挿入する開口穴を穿設するとともに、前記クリップには前記開口穴に挿入して回転することで係止する外れ防止用の突起部を設けたことを特徴とする接点パス用クリップ。
【請求項4】
請求項1〜3いずれかに記載の接点パス用クリップにおいて、
前記磁石部は、前記クリップの内部に摺動可能に収納されて使用時または未使用時に手動で出没させるツマミ、または未使用時に前記クリップ内に引き込むように付勢されて使用時に前記端子に吸引される磁力に負けて伸長するバネいずれかを備え、未使用時の誤接点または感電を防止することを特徴とする接点パス用クリップ。
【請求項5】
請求項2に記載の接点パス用クリップにおいて、
前記接続棒は、前記接触端子から前記リード線に導通する経路に開閉するスイッチを設けたことを特徴とする接点パス用クリップ。
【請求項6】
請求項2または5に記載の接点パス用クリップにおいて、
前記接続棒またはクリップのいずれか一方には、前記端子との導通時に過大に流れる電流を遮断するヒューズを更に設けたことを特徴とする接点パス用クリップ。
【請求項7】
請求項1〜6いずれかに記載の接点パス用クリップにおいて、
前記端子はネジであり、前記磁石部の吸着面を前記ネジの頭を覆うように凹状の曲面に形成して吸着面を増やすことを特徴とする接点パス用クリップ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−127966(P2006−127966A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−316108(P2004−316108)
【出願日】平成16年10月29日(2004.10.29)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年10月29日(2004.10.29)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
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