説明

接眼レンズ目当て

【課題】様々な大きさの接眼レンズに装着し、かつ、目当て部材を顔に密着させることが可能、かつ、多様なアイレリーフに対応可能な接眼レンズ目当てを提供する。
【解決手段】接眼レンズ目当て1は、アイカップ11、装着部材12、および目当て部材13の3つの部材から構成され、そのうちの装着部材12は、シリコンなどの可撓性を有する素材からなり、外観が円錐台形状になるように形成された、ほぼ一定の厚さの周壁を有している。装着部材12の周壁には、挿入口12Aの周全体をほぼ3等分した位置に、挿入口12Aから接眼レンズの挿入方向に向けて切り欠き12a、12b、12cが形成されている。切り欠き12a、12b、12cが形成されていることによって、装着部材12の周壁を、2つの切り欠きに挟まれる部分毎に外側に広げることができる。本発明は、光学機器の接眼レンズに装着される接眼レンズ目当てに適用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接眼レンズ目当てに関し、特に、様々な大きさの接眼レンズに装着し、かつ、目当て部材を顔に密着させることが可能、かつ、多様なアイレリーフに対応可能な接眼レンズ目当てに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光学機器の接眼部には、観察者が光学機器の最適な使用条件に対処するように、接眼レンズと眼球との距離を調整できるような目当て構造が設けられている。この目当て構造は、外光の侵入を阻止する役割も果たすため、通常、プラスチック素材や硬質のゴム材料等で形成されている。観察者は、目の周囲を目当て構造に押し当てるようにして使用することで、外光の侵入を阻止することができる。
【0003】
例えば、特許文献1には、周囲から接眼レンズへ入る迷光を避ける為、片側に壁面を持つ目当て部材を、観察者の状況に合わせた位置に配置することができる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−199335号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の技術では、観察者の個人差による顔の大きさ、眼の位置などにより、目当て部材が適正な位置に係止できないため、目当て部を顔面に密着させることは難しく、接眼レンズへ入る迷光を避けることができない課題があった。
【0006】
また、接眼レンズの口径の大きさは、メーカ毎に異なり、様々な大きさの接眼レンズに装着することが可能な目当て部材は提案されていない課題があった。さらに、接眼レンズによってアイレリーフが異なることから、1つの接眼目当てを様々な種類の接眼レンズに対応させることが困難であった。ここで、アイレリーフは、眼に最も近いレンズ面の頂点から出射瞳までの距離をいう。
【0007】
本発明の目的は、様々な大きさの接眼レンズに装着し、かつ、目当て部材を顔に密着させることが可能な接眼レンズ目当てを提供することである。また、多様なアイレリーフに対応可能な接眼レンズ目当てを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面は、接眼レンズに装着される可撓性のある素材よりなる部材であって、前記接眼レンズの挿入口となる環状の先端部から前記接眼レンズの挿入方向に向かうにつれて、前記接眼レンズが納まる内部の空間が広くなるように形成された周壁を有し、前記周壁に、前記先端部から前記接眼レンズの挿入方向に切り欠きが形成された装着部材と、前記装着部材に対して前記先端部の反対側に接合されるアイカップと、反発性のある素材よりなり、前記アイカップの内側に嵌め込まれる目当て部材とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、様々な大きさの接眼レンズに装着し、かつ、目当て部材を顔に密着させることが可能な接眼レンズ目当てを提供することができる。また、多様なアイレリーフに対応可能な接眼レンズ目当てを提供することである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施形態に係る接眼レンズ目当ての外観斜視図である。
【図2】顕微鏡において利用された場合の様子を示す図である。
【図3】アイカップの側面図である。
【図4】アイカップ、装着部材、目当て部材の接合前の状態を示す側面図である。
【図5】装着部材の内部の溝を示す図である。
【図6】接眼レンズ目当ての断面図である。
【図7】接眼レンズに装着された状態の接眼レンズ目当てを示す図である。
【図8】接眼レンズ目当ての装着例を示す図である。
【図9】接眼レンズ目当ての使用例を示す図である。
【図10】接眼レンズ目当ての使用例を示す他の図である。
【図11】第1の変形例の接眼レンズ目当てを側面から示す断面図である。
【図12】図11に示す接眼レンズ目当てに接眼レンズを装着した様子を示す図である。
【図13】第2の変形例の接眼レンズ目当てを側面から示す断面図である。
【図14】図13に示す接眼レンズ目当てにリング部材を嵌め込んだ様子を示す断面図である。
【図15】第3の変形例の接眼レンズ目当てを側面から示す断面図である。
【図16】第4の変形例の接眼レンズ目当てを側面から示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[接眼レンズ目当ての構成]
図1は、本発明の実施の形態に係る接眼レンズ目当て1の外観の構成例を示す図である。
【0012】
接眼レンズ目当て1は、顕微鏡の接眼レンズ、双眼鏡の接眼レンズ、望遠鏡の接眼レンズなどの、光学機器の例えば円筒状の形状を有する接眼レンズに装着されることによって使用されるものである。たとえば、顕微鏡の場合、2個の接眼レンズ目当て1が、図2に示すように接眼レンズに装着され、観測者は、左右の目付近を、それぞれ接眼レンズ目当て1に押し当てるようにして観察する。すなわち図1(A)は、接眼レンズ目当て1を、観察者の顔と接する側から見た斜視図であり、図1(B)は、接眼レンズ目当て1を、接眼レンズが挿入される挿入口側から見た斜視図である。以下、適宜、挿入口の方向を前方(先端方向)とし、挿入口と反対の、観察者の顔が位置する方向を後方として説明する。前方から後方に向かう方向が、接眼レンズの挿入方向になる。
【0013】
接眼レンズ目当て1は、アイカップ11、装着部材12、および目当て部材13の3つの部材から構成される。
【0014】
アイカップ11は、接眼レンズ目当て1をのぞき込んだときに観察者の目の周りに縁全体が密着するように湾曲している周壁を有する。この例の場合、この周壁は、シリコンなどの可撓性を有する素材で形成されており位置P1から位置P3までの一部の範囲を除いて、装着部材12との接合部分であるベース部分から後方に延びるように形成されたほぼ一定の厚さの周壁が設けられている。
【0015】
さらに具体的には、アイカップ11を接眼レンズの挿入方向に見たときのベース部分の形状は環状になっており、位置P1と位置P3は、断面の形状が環状であり、所定の高さを有するベース部分上の位置である。アイカップ11の周壁の高さは、周壁の一端である位置P1から縁上の位置P2までほぼ一定の第1の増加率で徐々に高くなり、位置P2から縁上の位置P6まで、その第1の増加率より低い第2の増加率で徐々に高くなる。位置P6は、位置P2と、高さが最大になる縁上の位置P5の間のほぼ中央の位置である。また、周壁の高さは、位置P6から、位置P2−P6間の第2の増加率より高い第3の増加率で高くなり、縁上の位置P5において最大になる。
【0016】
周壁の他端である位置P3を起点として見たときも同様に、アイカップ11の周壁の高さは、位置P3から縁上の位置P4までほぼ一定の第1の増加率で徐々に高くなり、位置P4から縁上の位置P7まで、第1の増加率より低い第2の増加率で徐々に高くなる。位置P7は、位置P4と位置P5の間のほぼ中央の位置である。また、周壁の高さは、位置P7から、位置P4−P7間の第2の増加率より高い第3の増加率で高くなり、縁上の位置P5において最大になる。
【0017】
位置P5は、位置P2−P4間(位置P4−P2間)のほぼ中央の位置である。このように、アイカップ11の周壁は一点において高さが最大になるように形成されている。
【0018】
また、アイカップ11の周壁は、位置P2−P6間の縁を含む部分と位置P4−P7間の縁を含む部分において外側に広がるように形成され、その先の位置P6−P7間の縁を含む部分において、高さが高くなるにつれて徐々に広がりを抑えるように形成されている。
【0019】
以下、適宜、アイカップ11の周壁のうち、高さが第2の増加率で高くなるとともに縁が外側に広がるように形成されている位置P2−P6間の縁を含む部分と位置P4−P7間の縁を含む部分をそれぞれ羽部分といい、高さが最大となる位置P5を含む、位置P6−P7間の縁を含む部分を山部分という。周壁が形成されていない、位置P1−P3間の部分は谷部分という。
【0020】
図1(B)に示すように、アイカップ11の周壁の羽部分には、位置P5と、アイカップ11と装着部材12との接合部を結ぶ直線Lを基準として対称に、所定の間隔を空けて開口部11aと開口部11bが形成されている。
【0021】
開口部11aは、図3に示すように、アイカップ11を側面から見たときに、アイカップ11の底面とほぼ並行な線11aと、位置P2−P6間の縁のラインとほぼ平行な曲線11aと、底面側から縁側に向かうにつれて谷部分の方向に傾いている線11aで囲む範囲を切り抜いた略三角形の形状を有する。開口部11bも同様の形状を有する。
【0022】
開口部11aと開口部11bがこのような形状を有し、後述するように、反発性のある素材からなる目当て部材13がアイカップ11の内側に嵌め込まれることから、観察者が自身の目付近を目当て部材13に押し当てたとき、図3の矢印A1の方向に押圧力が働き、周壁の両方の羽部分が、外側に広がるとともに矢印A2で示すように底面側にたわむように変形する。また、羽部分が変形することによって張力が働き、矢印A3で示すように山部分の先端付近が谷部分の方向に傾斜し、これにより、観察者のこめかみ部分に山部分がより密着することになる。
【0023】
また、観察者が、自身の目付近をアイカップ11及び目当て部材13に対する押し当て加減を自身で調整することによって、適切なアイレリーフを維持することが可能になる。これは、アイカップ11が、開口部11a,11bを有することによって大きい可動域を有しているということと、目当て部材13が低反発な素材よりなる部材であることによって実現されるものである。
【0024】
図1の説明に戻り、装着部材12は、シリコン樹脂などの可撓性を有する素材からなり、外観が円錐台形状になるように形成されたほぼ一定の厚さの周壁を有している。円錐台形状の底面側にアイカップ11が接合され、上面側に、挿入口12Aが形成される。周壁の厚さがほぼ一定であるから、装着部材12の周壁に囲まれる内部の空間は、挿入口12Aからアイカップ11側の方向(接眼レンズの挿入方向)に向かうにつれて徐々に広くなる。
【0025】
装着部材12の周壁には、挿入口12Aの周全体をほぼ3等分した位置に、挿入口12Aからアイカップ11側の方向(接眼レンズの挿入方向)に向けて切り欠き12a、12b、12cが形成されている。切り欠き12a、12b、12cが形成されていることによって、装着部材12の周壁を、2つの切り欠きに挟まれる部分毎に外側に広げることができ、挿入口12Aより断面が大きい接眼レンズにも装着部材12を装着することが可能になる。
【0026】
目当て部材13は、低反発ウレタンなどの反発性のある素材からなり、接眼レンズの挿入方向に見たときの断面の形状がドーナツ状になっている。目当て部材13の底面側(装着部材12と接する面側)は平面状になっており、観察者の目の周りに密着する部分である上側はR形状(丸みを帯びた形状)になっている。
【0027】
ここで、以上のような外観構成を有するアイカップ11、装着部材12、および目当て部材13の接合の仕方について説明する。図4は、アイカップ11、装着部材12、目当て部材13の接合前の状態を示す側面図である。
【0028】
図4に示すように、アイカップ11のベース部分の外径は、装着部材12の底面部分の外径とほぼ同じである。図中の円B1で囲んでいる部分が示すように、アイカップ11のベース部分の内側には、周壁表面から若干突出した位置に、溝が内側を向くように凹部が形成されており、装着部材12の底面部分の外側には、周壁表面から若干凹ませた位置に、外側を向くように凸部が形成されている。アイカップ11のベース部分の内側に形成された凹部全体と、装着部材12の底面部分の外側に形成された凸部全体が嵌合することにより、装着部材12に対してアイカップ11が固定される。
【0029】
図4の円B2で囲んで示すように、装着部材12の底面部分の内径は、アイカップ11のベース部分の内径より若干狭い。装着部材12の底面部分の内径より断面が大きい接眼レンズが挿入口12Aに挿入されたとき、その接眼レンズの先端が、装着部材12の底面部分の、装着部材12の内部の空間にある所定面である内面12Bに当接するようになっている。
【0030】
装着部材12の内部の空間から接眼レンズの挿入方向に見た場合、内面12Bの形状は図5に示すようにドーナツ状となり、その表面には同心円の溝が複数形成されている。図5において内面12Bの表面を鋸状に示していることは、内面12Bの表面に複数の溝が形成されていることを表す。同心円の溝が複数形成されていることによって、先端が内面12に当接する位置まで接眼レンズが挿入された状態において、装着部材12のずれを抑えることができる。
【0031】
図4に示すように、目当て部材13の周壁の外径は、アイカップ11のベース部分の外径、および、装着部材12の底面側の外径とほぼ同じか、若干大きい程度の長さである。反発性のある素材よりなることもあって、矢印で示すようにアイカップ11の内側に嵌め込むことによって、目当て部材13がアイカップ11に固定されるようになっている。なお、目当て部材13の周壁は、高さが水平ではなく、一方が高く、他方が低くなるように形成されている。
【0032】
図6は、接眼レンズ目当て1を側面から示す断面図である。
【0033】
図6に示すように、装着部材12にアイカップ11を接合し、アイカップ11に目当て部材13を嵌め込むことによって接眼レンズ目当て1が構成される。装着部材12の底面部分の内径は目当て部材13の周壁の内径とほぼ同じ長さである。装着部材12にアイカップ11を接合し、アイカップ11に目当て部材13を嵌め込んだとき、装着部材12の底面部分の内側と目当て部材13の周壁の内側は連続性のある面となり、連続性のある面により囲まれる孔部1Aが形成される。孔部1Aは、接眼レンズ目当て1が接眼レンズに装着されたときに、接眼レンズから出射した光を観察者の目に導く。接眼レンズに装着された状態の接眼レンズ目当て1を図7に示す。
【0034】
図7の接眼レンズ2は、顕微鏡の接眼レンズ、双眼鏡の接眼レンズ、望遠鏡の接眼レンズなどの光学機器の接眼レンズである。これらの接眼レンズの他に、ビデオカメラ等の接眼レンズに接眼レンズ目当て1が装着されるようにしてもよい。
【0035】
図8(A)〜図8(C)は、それぞれ口径の大きさが異なる接眼レンズ2への接眼レンズ目当て1の装着例を示す図である。
【0036】
図8(A)の例においては、切り欠き部12aが閉じており、図8(B)の例においては、切り欠き部12aが大きく開いており、図8(C)の例においては、切り欠き部12aがやや開いている。これらの図からも分かる通り、接眼レンズ目当て1の装着部材12がシリコンなどでできており、かつ、三つ又に割れたカップ型の形状を有していることによって、接眼レンズ2を被覆するようにして接眼レンズ目当て1を装着し、接眼レンズ2に固定することができる。つまり、切り欠き部12a、12b、12cが変形するため、様々なサイズおよび形状の接眼レンズに装着することが可能である。
【0037】
[接眼レンズ目当ての使用例]
図9および図10を参照して、接眼レンズ目当て1の使用例について説明する。図9は、接眼レンズ2に装着した接眼レンズ目当て1に目付近を当てている観察者の状態を横方向から示す図である。図10は、接眼レンズ2に装着した接眼レンズ目当て1に目付近を当てている観察者の状態を光学機器側から示す図である。
【0038】
図9および図10に示すように、接眼レンズ目当て1に目付近を当てた場合、アイカップ11の縁全体は観察者の目の回りに密着する。また、観察者が自身の目付近を目当て部材13に押し当てたとき、周壁の両方の羽部分が外側に広がり、山部分の先端付近が観察者のこめかみ部分により密着する。これにより、より観察のしやすい環境(たとえば、視線の安定)を実現することができる。また、反発性のある素材である目当て部材13が目付近に隙間なく密着することで、外光の侵入を阻止することができる。なおこの接眼レンズ目当て1は、顕微鏡の接眼レンズ、双眼鏡の接眼レンズ、望遠鏡の他、ビデオカメラのファインダにも利用することもできる。
【0039】
[変形例]
1.以上においては、装着部材12の内面12Bの表面に複数の溝を形成することで装着部材12のずれを軽減するようにしたが、これに限らず、より確実にずれを抑えるために、装着部材12の内面に段差を形成するようにしてもよい。
【0040】
図11は、第1の変形例の接眼レンズ目当て1を側面から示す断面図である。なお、基本的な構成は、図6に示した接眼レンズ目当て1と同様であり、装着部材12の内部の空間にある内面12Bの形状が図4を参照して説明した構成と異なる。すなわち、内面12Bが、面12Bと、挿入口12Aを上側として面12Bより一段下がった面である面12Bより構成され、接眼レンズの先端が当接する位置に、円C1で囲んで示すように段差が形成されている。
【0041】
図12に示すように、装着部材12に当接するように、接眼レンズ2が矢印A1で示す方向に挿入される。接眼レンズ2の先端は、面12Bと面12Bにより構成される段差に嵌め込まれる形で装着されることになる。これによっても、接眼レンズ2が挿入されたときに装着部材12のずれを確実に抑えることができる。
【0042】
2.図12に示した例では、面12Bと面12Bにより構成される段差が埋め込み式で成形されるようにしたが、これに限らず、別のパーツにすることも可能である。
【0043】
図13は、第2の変形例の接眼レンズ目当て1を側面から示す断面図である。図13に示すように、面12Bと面12Bにより構成される段差が別のパーツで構成される。図13の例の場合、内面12Bに段差を設けずに、内面12Bに接するようにリング状の部材であるリング部材71を嵌め込み、リング部材71を他のリング部材72,73と交換することで、新たに設計された接眼レンズや、顕微鏡以外の接眼レンズに対応可能とすることができる。図14(A)は、リング部材71が嵌め込まれた様子を示し、図14(B)は、リング部材72が嵌め込まれた様子を示し、図14(C)は、リング部材73が嵌め込まれた様子を示している。このように、リング部材71,72,73によっても、図11および図12に示したような段差を形成することができ、より確実に装着部材12のずれを抑えることができる。
【0044】
3.また、目当て部材13は、反発性のある素材よりなることもあって、アイカップ11の内側に嵌め込むことによって固定されるようになっているが、目当て部材13のアイカップ11への嵌め込みをより確実に固定するために、装着部材12の表面に若干突出した係止部を形成するようにしてもよい。
【0045】
図15(A)は、第3の変形例の接眼レンズ目当て1を側面から示す断面図である。なお、基本的な構成は、図6や図11に示した接眼レンズ目当て1と同様であり、装着部材12の目当て部材13と当接する表面12Bに、円D1,D2で囲んで示すように係止部12Bが形成されている。図15(B)は、装着部材12の係止部12Bの形状を分かりやすくするために部分拡大および斜視図にしたものである。
【0046】
図15(A)および図15(B)に示すように、係止部12Bは、装着部材12の目当て部材13と当接する表面12Bの内周から目当て部材13側の方向に、ほぼ一定の厚さ、かつ、所定の高さの周壁が設けられ、その周壁の縁部の厚みが増すように形成されている。これにより、反発性のある素材よりなる目当て部材13の内壁に、装着部材12の係止部12Bが食い込むようにして固定され、脱落を防止するとともに、目当て部材13がアイカップ11の中央の穴からずれてしまうことを防止することができる。
【0047】
4.図15に示した例では、装着部材12の表面に、ほぼ一定の厚さで所定の高さの周壁、かつ、その周壁の縁部の厚みが増した係止部12Bを形成することにより、目当て部材13のアイカップ11への嵌め込みをより確実に固定するようにしたが、本発明は、装着部材12の表面の一部が目当て部材13に食い込むような形状であれば、これに限られるものではない。
【0048】
図16は、第4の変形例の接眼レンズ目当て1を側面から示す断面図である。なお、基本的な構成は、図15に示した接眼レンズ目当て1と同様であり、装着部材12の目当て部材13と当接する表面12Bに、円Eで囲んで示すように係止部12Bが形成されている。図16(B)は、装着部材12の係止部12Bの形状を分かりやすくするために部分拡大および斜視図にしたものである。
【0049】
図16(A)および図16(B)に示すように、係止部12Bは、装着部材12の目当て部材13と当接する表面12Bの内周から目当て部材13側の方向に、一部の範囲を除いて、ほぼ一定の厚さの周壁が設けられ、一点において高さが最大になるように形成されている。また周壁の高さが最大となる位置を含む部分において周壁が外側に広がるように形成されている。これにより、反発性のある素材よりなる目当て部材13の内壁に、装着部材12の係止部12Bが食い込むようにして固定され、脱落を防止するとともに、目当て部材13がアイカップ11の中央の穴からずれてしまうことを防止することができる。
【0050】
また図16(A)および図16(B)に示す通り、係止部12Bは、アイカップ11の形状に類似しており、外観もデザイン性のあるものになっている。
【0051】
5.構造上、目当て部材13により遮光性が確保できるので、目当て部材13の色を遮光性をより確保できる黒色等にすれば、アイカップ11または装着部材12の色のデザインを、カラフルなもの(たとえば、赤、黄色、模様)にすることができる。
【0052】
この発明は、上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化したり、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせたりすることにより種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施の形態に亘る構成要素を適宜組み合わせても良い。
【符号の説明】
【0053】
1 接眼レンズ目当て
11 アイカップ
12 装着部材
13 目当て部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接眼レンズに装着される可撓性のある素材よりなる部材であって、前記接眼レンズの挿入口となる環状の先端部から前記接眼レンズの挿入方向に向かうにつれて、前記接眼レンズが納まる内部の空間が広くなるように形成された周壁を有し、前記周壁に、前記先端部から前記接眼レンズの挿入方向に切り欠きが形成された装着部材と、
前記装着部材に対して前記先端部の反対側に接合されるアイカップと、
反発性のある素材よりなり、前記アイカップの内側に嵌め込まれる目当て部材と
を備えることを特徴とする接眼レンズ目当て。
【請求項2】
請求項1に記載の接眼レンズ目当てにおいて、
前記アイカップは、前記装着部材との接合部から縁部までの高さが、一点において最大となり、前記一点から離れるにつれて低くなるように形成された周壁を有し、
前記アイカップの前記周壁には、前記一点と前記装着部を結ぶ直線を基準として対称に、所定の間隔を空けて複数の開口部が形成される
ことを特徴とする接眼レンズ目当て。
【請求項3】
請求項1に記載の接眼レンズ目当てにおいて、
前記装着部材の前記周壁には複数の前記切り欠きが等間隔で形成される
ことを特徴とする接眼レンズ目当て。
【請求項4】
請求項1に記載の接眼レンズ目当てにおいて、
前記装着部材の前記内部の空間にある所定の面であって、前記挿入口に挿入された前記接眼レンズの先端が当接する面に溝が形成される
ことを特徴とする接眼レンズ目当て。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2012−230316(P2012−230316A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−99663(P2011−99663)
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【出願人】(501449551)
【Fターム(参考)】