説明

接着促進のための潜在的酸(latentacid)の使用

【課題】接着剤およびシーリング材の塗料への接着性を促進させる効果を有する組成物を提供すること。
【解決手段】本発明は、非水性組成物中に、水と接触することによって2未満のpKを有する酸に変換可能である潜在的酸を含む接着促進組成物に関する。これらの組成物は、塗料への接着剤およびシーリング剤の接着をより特に促進する効果を有する。本発明は、より特に、この塗料が自動車用塗料の場合に関連する特定の利点を活用している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は接着促進組成物の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
接着剤およびシーリング材をある種の基体に付着させることは、実施するのが非常に困難であることが知られている。塗装された表面は、接着するのが非常に困難であると知られているこのような基体の1つである。この点において特に重大なものは、自動車用塗料のより最近の世代と1成分であるポリウレタン接着剤の組合せである。
【0003】
この背景に対して、塗料への接着性を向上させるために、多数の前処理法がすでに開発されている。例えば、EP1760129A1には、強酸およびさらに湿潤助剤および水を含み、接着またはシールされる基体の前処理を意図した、水性接着清浄化組成物が記載されている。
【0004】
しかし、多くの場合、接着またはシールされる基体を処理するための水性接着促進剤組成物の使用は望ましくない。なぜなら、残留する水が、湿気硬化型接着剤またはシーリング材との望ましくない反応を起こすことがあり、多くの場合、過剰に長いフラッシュオフ(flash−off)タイムのための問題が存在する(より特に、例えば、乾燥空気を吹き込むなどのフラッシュオフ(flashing off)を促進するための操作が実施できない場合)からである。さらに、この種の接着促進剤組成物を調製および適用する際、強い遊離酸の使用は、かなりの職業上のリスクが付随する。
【特許文献1】EP1760129A1
【非特許文献1】Handbook of Chemistry and Physics、CRC Press、Boca Raton、米国
【非特許文献2】Kirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology (John Wiley & Sons、第4版、1994)、227〜241頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の目的は、強酸性の水性接着清浄剤組成物で前処理を実施しなければならないことなく、接着またはシーリングすることが困難である基体に接着剤およびシーリング材の有効な接着性を達成することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、この目的は、請求項1および6に記載の使用によって達成される。本発明の他の態様は、請求項11に記載の方法、請求項20に記載の得られた物品、請求項22に記載の前処理組成物、および請求項29に記載の接着剤またはシーリング材である。
【0007】
驚くべきことには、水と接触することによって、2未満のpKを有する酸に変換可能な潜在的酸(latent acids)は、接着促進について新規な可能性を切り開くことを見出した。本発明は、その使用が塗料、より特にこの塗料が自動車用塗料の場合に関連する特定の利点を活用している。
【0008】
本発明はさらに、この種の潜在的酸の使用は、より特にその酸の遅れた放出のために、個々の組成物および前処理組成物の調製および適用と関連して、作業場安全という点からの利点をもたらすことが明らかになっている。さらに、例えば、発塵が存在しない、またはより容易でより正確な計量の可能性などの取扱い性の利点は、潜在的酸の大部分が、遊離酸と対照的に液体であるという事実に起因する。
【0009】
さらに、遊離酸の代わりに潜在的酸を使用すると、より特に、室温で可塑的変形が可能である湿気硬化型接着剤またはシーリング材において、組成物の貯蔵安定性に対して有利な結果を有することが明らかになっている、
【0010】
最後に、まったく驚くべきことには、少なくとも塗料については、有効な接着を確実にするために、遊離酸に比較して有意により少量の潜在的酸を使用することができ、これは、より特に作業場安全およびコストに関して利点であることが明らかになっている。
【0011】
本発明の特に好ましい実施形態は、従属項の主題である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の第1の態様は、接着またはシールされる基体への接着を促進するために、非水性組成物中で、水と接触することによって2未満のpKを有する酸に変換可能である潜在的酸の使用に関する。
【0013】
化学では、「pK」とは、既知のように、酸解離定数Kのマイナスの、10を底とする対数である:
pK=−log10
【0014】
水と接触することによって2未満のpKを有する酸に変換可能である潜在的酸は、非水性環境中では酸性の性質を示さないが、水または湿気と接触すると強酸に加水分解される化合物を表す。これは、水または湿気を供給することによって、より特に、所定の時点でのみ本質的に所望の酸の作用を引き起こす可能性をもたらす。
【0015】
一方では、潜在的酸としての適合性を有するものは無水物であり、例には、トリフルオロ酢酸無水物またはトリクロロ酢酸無水物などのカルボン酸無水物、および、より特に、p−トルエンスルホン酸無水物、メタンスルホン酸無水物またはノナフルオロブタンスルホン酸無水物などのスルホン酸無水物がある。
【0016】
他方では、潜在的酸として特別の適合性を有するものは、トリアルキルシリルスルホネート、より特に、トリメチルシリルベンゼンスルホネート、トリメチルシリルメタンスルホネート、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート、トリメチルシリルビニルスルホネート、トリメチルシリルドデシルスルホネート、トリメチルシリルp−トルエンスルホネート、トリメチルシリルドデシルベンゼンスルホネート、トリメチルシリル1−ナフタレンスルホネート、トリメチルシリルジノニルナフタレンスルホネート、ビス(トリメチルシリル)ジノニルナフタレンジスルホネート、トリエチルシリルメタンスルホネートまたはtert−ブチルジメチルシリルベンゼンスルホネートである。
【0017】
最も好ましい潜在的酸は、トリメチルシリルベンゼンスルホネートである。水性環境中または湿気の存在下で、トリメチルシリルベンゼンスルホネートは、ベンゼンスルホン酸およびトリメチルシラノールに加水分解される。ベンゼンスルホン酸はほぼ0.7のpKを有する強酸である(Handbook of Chemistry and Physics、CRC Press、Boca Raton、米国)。
【0018】
この潜在的酸は、より特に、下記に記載した使用の分野で使用される:
アクチベーター中
プライマー中
接着剤またはシーリング材中。
【0019】
アクチベーター中での潜在的酸の使用
一実施形態では、潜在的酸は、少なくとも1種の有機溶媒を含み、基体を前処理するのに適する、アクチベーターとして適した非水性組成物中で使用される。
【0020】
本明細書では、「アクチベーター」とは、基体を前処理するために使用することができ、その特有の機能は、結合剤を含まず、フラッシュオフ後、基体上に厚さ2マイクロメートル未満の被膜を残す接着促進組成物である。アクチベーターがフラッシュオフされた後、典型的には、0.5マイクロメートル以下の厚さを有し、より特に少数の分子層からなる被膜が残る。基体のアクチベーターによる前処理は、一方で、基体表面を清浄化し、他方で、次に適用される層、より特に接着剤またはシーリング材への接着性を向上する効果を有する。一般に、アクチベーターは、含浸された布で基体表面に適用され、その後、フラッシュオフされるか、あるいは清浄な乾燥した布でふき取られる。
【0021】
この有機溶媒は、好ましくは揮発性有機溶媒、より特に、エステル、アルコール、ケトンおよび炭化水素の群からのものである。100℃未満の沸点(標準圧で)を有する有機溶媒が好ましい。特に好ましい有機溶媒は、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレンおよびホワイトスピリットからなる群から選択される。有機溶媒として最も好ましいものは、アルコール、より特に、イソプロパノールである。
【0022】
この潜在的酸の量的比率は、非水性組成物に対して好ましくは0.1重量%〜10重量%である。
【0023】
プライマー中での潜在的酸の使用
一実施形態では、潜在的酸は、少なくとも1種の結合剤および少なくとも1種の有機溶媒を含む、プライマーとして適した非水性組成物中で使用される。
【0024】
本明細書では、「プライマー」とは、ベースコートとして適しており、その適用および硬化後、基体上に、少なくとも2マイクロメートル、より特に2から100μmの間、好ましくは10〜20μmの厚さの固体のよく付着している被膜を形成することが可能な接着促進組成物である。この場合、硬化は、もっぱら溶媒の蒸発を介して、または化学反応を介して、あるいはこの要因の組合せを介して起こる。プライマーは、次に適用される層、より特に、接着剤またはシーリング材の有効な接着を確実にする。
【0025】
この結合剤は、好ましくは反応性結合剤であり、より特に、イソシアネート基および/またはアルコキシシラン基および/またはエポキシド基を含むポリマーまたはオリゴマーを含む。
【0026】
この有機溶媒は、より特に、エステル、アルコール、ケトンおよび炭化水素の群からの、好ましくは揮発性有機溶媒である。好ましいものは、100℃未満の沸点(標準圧で)を有する有機溶媒である。特に好ましい有機溶媒は、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレンおよびホワイトスピリットからなる群から選択される。有機溶媒として、酢酸エチルおよびメチルエチルケトンが最も好ましい。
【0027】
この潜在的酸の量的比率は、非水性組成物に対して好ましくは0.1重量%〜10重量%である。
【0028】
接着剤またはシーリング材中での潜在的酸の使用:
他の実施形態では、潜在的酸は、室温で可塑的変形が可能である接着剤またはシーリング材として適する、少なくとも1種の反応性ポリマーを含む非水性組成物中で使用される。
【0029】
室温で可塑的変形が可能である接着剤またはシーリング材は、室温で適用することができ、したがって、室温で可塑的変形が不可能であり、適用のためには高温(ウォームメルトに対して60〜80℃またはホットメルトに対して80〜200℃)に加熱しなければならないウォームメルト(ウォームメルト接着剤)またはホットメルト(ホットメルト接着剤)として知られているとものと対照を成す。
【0030】
この接着剤またはシーリング材は、好ましくは湿気硬化型である。
【0031】
この反応性ポリマーは、好ましくは、イソシアネート基および/またはアルコキシシラン基を含むポリマー、より特に、イソシアネート基および/またはアルコキシシラン基を含むポリウレタンポリマーである。
【0032】
この接着剤またはシーリング材は、1成分または多成分であってもよい。好ましくは、この接着剤またはシーリング材は1成分である。
【0033】
最も好ましい接着剤またはシーリング材は、例えば、Sika Schweiz AGから製品ラインSikaflex(登録商標)の一部として市販されている種類の湿気硬化型1成分ポリウレタン接着剤またはシーリング材である。
【0034】
この潜在的酸の使用の結果、この接着剤またはシーリング材は、ある種の基体への接着性の改良を特徴とする。したがって、説明したこの接着剤またはシーリング材を使用する過程で、特定の状況下では、接着またはシールされる基体を(特に、基体が塗装された基体の場合)接着促進組成物、より特に、アクチベーターまたはプライマーで前処理しないことが可能である。
【0035】
説明した1種の潜在的酸を含む、説明した非水性組成物を取り扱った場合、この酸の効果は、直ちにではなく遅れて開始する。これは、この組成物と例えば、人の皮膚または眼との望ましくない接触は、この酸の腐食作用の結果として即時の損傷を生じさせず、この結果、例えば、無害な溶媒でふき取るかまたはすすぎ落とすなどの対応策を行うためにより長い時間が利用可能であるという大きな利点を有する。したがって、このような組成物の使用は、職業衛生の観点から特に有利である。
【0036】
説明した非水性組成物の他の鍵となる利点は、この潜在的酸は、その大部分が室温で固体である対応する遊離酸とは異なり、通常液体であるので、この組成物は調製するのがより容易であり、この結果、発塵なしで取り扱うことができ、より容易に且つより正確に計量することができることである。
【0037】
他の態様では、本発明は、
a)有機溶媒中の溶液であり、水と接触することによって2未満のpKを有する酸に変換可能である潜在的酸を含む接着促進組成物を準備する工程と、その後:
b)この組成物を基体S1に適用する工程と;
c)この組成物をフラッシュオフするかまたはふき取る工程と;
d)フラッシュオフされたかまたはふき取られた組成物に、接着剤またはシーリング材を適用する工程と;
e)接着剤またはシーリング材を基体S2と接触させる工程と
を含むか、あるいは
b’)この組成物を基体S1に適用する工程と;
c’)この組成物をフラッシュオフするかまたはふき取る工程と;
d’)接着剤またはシーリング材を基体S2に適用する工程と;
e’)この接着剤またはシーリング材をフラッシュオフされたかまたはふき取られた組成物と接触させる工程と
を含むか、あるいは
b’’)この組成物を基体S1に適用する工程と;
c’’)この組成物をフラッシュオフするかまたはふき取る工程と;
d’’)接着剤またはシーリング材を基体S1とS2の表面の間に適用する工程と
を含む接着またはシーリングする方法であって、
基体S2は、基体S1と同じ材料かもしくは異なる材料からなり、または基体S1および基体S2は1つの部品を形成する方法を提供する。
【0038】
水と接触することによって2未満のpKを有する酸に変換することができるこの潜在的酸、およびこの有機溶媒は、すでに詳細に上述した。
【0039】
この潜在的酸の量的比率は、好ましくは接着促進組成物に対して0.1重量%〜10重量%である。
【0040】
基体S2がS1と同じ基体の場合、前記接着促進組成物で同様に前処理することが好ましい。S2がS1と異なる基体の場合、S2の材料および表面に応じて、または接着剤もしくはシーリング材に応じて、有効な接着を確実にするために、その表面を前記組成物でおよび/または異なる組成物で同様に前処理することが必要であり得る。
【0041】
この場合、この接着剤またはシーリング材を基体S1の表面と接触させる前に、この溶媒がまさに実質的に蒸発されるように前記表面をフラッシュオフするかまたはふき取らなければならないことに留意されたい。このフラッシュオフ時間は、一方で、雰囲気の湿度、温度および表面上の空気の運動、他方で、表面構造および適用された量に依存する。表面に温熱乾燥空気を吹き込む場合、有機溶媒が蒸発するのに要する時間は、吹き込みを使用しないか、またはフラッシュオフを低温で実施する場合よりかなり短いであろう。典型的には、接着促進組成物の適用から接着剤またはシーリング材との接触の間の待機時間は、1分から15分の間、より特に1から5分の間であると想定することができる。
【0042】
接着促進組成物の適用に続いて直ちに、大部分を布で再びふき取ることも可能である。これは、当技術分野で「ワイプオフ(wipe−off)」と称される。この場合、オープンタイムは、実質的に0分であり、この接着剤またはシーリング材は、ふき取り後直ちに適用することができる。
【0043】
この組成物は、広く様々な方法、好ましくは、スプレーによってまたは含浸布で拭くことによって適用することができる。適用後、または適用中、清浄化する方法を援助するために、圧力の適用下で摩擦を実施することも可能である。
【0044】
様々な接着剤またはシーリング材を使用することができる。接着またはシールされた物体の使用および修理部位に応じて、接着剤またはシーリング材は、エポキシ樹脂系、ポリウレタン系、(メタ)アクリレート系またはシラン末端ポリマー(「STP」)系またはシリコーン系であってもよい。当該のこの系は、例えば、室温硬化接着剤または室温硬化シーリング材、ホットメルト接着剤(ホットメルトとして知られている)、分散体系接着剤または分散体系シーリング材、または粘着剤であってもよい。この接着剤またはシーリング材は、1成分または多成分であってもよい。好ましくは、この接着剤またはシーリング材は1成分である。最も好ましい接着剤は、湿気硬化型1成分ポリウレタン接着剤またはシーリング材、より特に、例えばSika Schweiz AGからSikaflex(登録商標)として市販されている種類の湿気硬化型1成分ポリウレタン接着剤である。
【0045】
接合を実施した後、即ち、工程e)またはe’)、またはd’’)の後、典型的には、接着剤またはシーリング材の硬化の工程f)が存在し、これは、接着剤またはシーリング材に応じて、直ちにまたは遅れて実施することが可能である。
【0046】
基体S1および/またはS2として、様々な材料、例えば、ガラス、ガラスセラミック、コンクリート、モルタル、レンガ、タイル、プラスター、および花崗岩または大理石などの天然の石材などの無機基体;アルミニウム、鋼、非鉄金属、亜鉛メッキした金属などの金属または合金;皮革、布地、紙、木材、樹脂接着木材ベースの材料、樹脂−繊維複合材料、ポリ塩化ビニル(非可塑化および可塑化PVC)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー(ABS)、SMC(シート成型複合材料)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド(PA)、ポリエステル、PMMA、エポキシ樹脂、ポリウレタン(PU)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリオレフィン(PO)、より特に、プラズマ、コロナもしくは火炎処理によって表面処理されたポリプロピレン(PP)またはポリエチレン(PE)、エチレン/プロピレンコポリマー(EPM)およびエチレン/プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)などのプラスチックなどの有機基体;粉体被覆金属または合金などの被覆基体;およびさらにインクおよび塗料、より特に、自動車用塗料を使用することができる。本発明は、少なくとも基体S1が塗装された基体、より特に、塗装された金属の場合、特定の利点が明らかになった。塗料は、より特に、例えば、プラスチック、木材、セラミックス、ガラス、コンクリート、天然の石材、金属または合金などの他の材料に適用されるコーティングである。より特に、この塗料は自動車用塗料、特に、接着剤またはシーリング材による接合に関連して接着性の問題を引き起こすことが多い最新の世代の自動車用塗料である。この種の塗料は、例えば、CED塗料(CED=陰極電着)またはマルチコート(multi‐coat)塗料であってもよい。典型的な自動車用塗料は、少なくとも1種のベースコートおよび1種のトップコート(仕上げ塗りまたは仕上げ塗装)を有する。使用される塗料は、型から型でおよび同じ型の異なる色内で変化し得る。特に、これらの問題の塗料について、本発明によって有効な接着を達成することが可能である。
【0047】
このようにして得られる接着またはシールされた物品には多様な種類がある。より特に、この物品は、工業生産の分野からのものである;これらは、輸送手段、より特に自動車が好ましい。この物品は、組み込まれた構成部品であってもよい。この種の組み込まれた構成部品は、製造ラインにおけるモジュールとして使用され、特に接着接合によって、取り付けられるかまたは挿入される、予め作製されたモジュールの構成部品である。これらの予め作製された組み込まれた部品は、好ましくは、輸送手段の製造に使用される。この種の組み込まれた構成部品の例には、貨物自動車または鉄道機関車の運転台、または自動車用サンルーフがある。しかし、さらに可能なものは、家具、洗濯機などの白物家電品、外装またはエレベーターなどの建物の部品の製造における用途である。
【0048】
他の態様では、本発明は、
i)水と接触することによって2未満のpKを有する酸に変換可能である、少なくとも1種の潜在的酸、
ii)少なくとも1種の有機溶媒、ならびに
iii)着色剤、ルミネセンス指示薬、接着促進剤、より特に、チタネートおよびシランと、界面活性剤からなる群から選択される
少なくとも1種の添加剤
および/または少なくとも1種の結合剤
を含む前処理組成物を提供する。
【0049】
水と接触することによって2未満のpKを有する酸に変換可能である潜在的酸、有機溶媒および結合剤は、すでに詳細に上述している。
【0050】
潜在的酸および有機溶媒に加えて、この前処理組成物は、さらに添加剤および/または結合剤を含む。
【0051】
この添加剤は、着色剤、ルミネセンス指示薬、接着促進剤、より特に、チタネートおよびシラン、および界面活性剤からなる群から選択される。
【0052】
着色剤は、人の眼に見える着色を前処理組成物にもたらす物質である。この着色剤は、溶液であってもまたは溶解されてなくてもよい。より特に、着色剤は、顔料であってもよい。使用することができる着色剤は、当業者には知られている。
【0053】
ルミネセンス指示薬は、特定の波長の放射線で照射された場合、異なる波長の放射線を放射する物質である;より特に、これらは、UV照射にルミネセンスで応答する物質、好ましくは、240から400nmの間の波長の放射線で照射された場合、ルミネセンス、より特に蛍光で応答する物質である。当業者であれば、多数のこの種のルミネセンス物質を知っている。適したルミネセンス物質は、例えば、Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology(John Wiley & Sons、第4版、1994)、227〜241頁中の11に説明されている。
【0054】
着色剤の使用を介して、例えば、シールまたは接着される基体が、前処理組成物で処理されているかどうかを容易に視覚で確認することが可能である。ルミネセンス指示薬が使用される場合、これは、具体的にはUV光源を用いて実施することもできる。このタイプの検出は、当該基体表面が見える、即ち隠れていない場合特に有利である。このようにして、一方、基体が前処理組成物で処理されていることを検出することが可能であり;しかし、他方、これは通常の日光下では観察者には見えず、この結果、この基体の美的外観は影響されない。このタイプの検出は、より特に、品質保証および運用信頼度の保証について、特に、工業用の応用に関連して特に興味深い。
【0055】
ルミネセンス指示薬として、より特に、Ciba Specialty Chemicals製商品名Uvitex(登録商標)、Riedel−de Haen GmbH製Lumilux(登録商標)、Bayer Chemicals製Blankophor(登録商標)、およびBASF製Ultraphor(登録商標)として市販されている物質が適合性を有している。好ましいものは、Uvitex(登録商標)OB(Ciba Specialty Chemicals)である。
【0056】
接着促進剤、より特に、チタネートおよびシランの使用により、この前処理組成物の接着促進効果をさらに強化するか、またはこの前処理組成物をより広い範囲の表面に使用することを可能にすることができる。適したチタネートは、酸素−チタン結合を介してチタン原子に結合する少なくとも1つの置換基、より特に、アルコキシ基、スルホネート基、カルボキシレート基、ジアルキルホスフェート基、ジアルキルピロホスフェート基またはアセチルアセトネート基を有するものである;2つ以上の置換基の場合、これらは、すべて同じであるか、または混合物でもよい。適したチタネートの例には、Kenrich Petrochemicalsから商品名Ken−React(登録商標)としてまたはDuPontから商品名Tyzor(登録商標)として入手可能な製品がある。適したシランには、アミノシラン、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アミン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルジメトキシメチルシラン、4−アミノ−3,3−ジメチルブチルトリメトキシシラン、1,3,5−トリス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン−ウレア(即ち、トリス(3−(トリメトキシシリル)プロピル)イソシアヌレート)、およびさらに、メトキシ基がエトキシ基またはイソプロポキシ基で置換された対応する類似体;メルカプトシラン、例えば、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、エポキシシラン、例えば、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン;ウレイドアルキルシラン;およびアミノシランおよび/またはメルカプトシランと、エポキシドまたは、例えば、3−グリシジルオキシプロピルシランなどのエポキシシランとの付加物などがある。
【0057】
湿潤剤とも呼ばれる界面活性剤は、溶液中で液体の表面張力を低下させる天然または合成化合物である。使用される界面活性剤は、アニオン性、カチオン性、非イオン性または両性界面活性剤あるいはその混合物であってもよい。
【0058】
非イオン性界面活性剤、より特に、アルコキシ化アルコールが特に適合性を有している。
【0059】
すべての提示された追加の成分について、選択された濃度におけるその使用が、前処理組成物の貯蔵安定性か、あるいはこの前処理組成物で処理された表面への接着剤またはシーリング材の接着に悪影響を及ぼさないことを保証するべきである。
【0060】
1つの好ましい前処理組成物の場合、この潜在的酸は、トリアルキルシリルスルホネート、より特に、トリメチルシリルベンゼンスルホネートである。
【0061】
この前処理組成物が結合剤を含んでいない場合、これはアクチベーターとなる。この場合、有機溶媒の量は、前処理組成物に対して有利には80重量%〜99.9重量%、より特に90重量%〜99.9重量%、好ましくは90重量%〜99重量%である。
【0062】
この前処理組成物が結合剤を含む場合、これはプライマーとなる。この場合、有機溶媒の量は、前処理組成物に対して有利には40重量%〜80重量%、より特に60重量%〜80重量%である。この結合剤は、好ましくは、イソシアネート基および/またはアルコキシシラン基および/またはエポキシド基を含む、オリゴマーまたはポリマーである。
【0063】
他の態様では、本発明は、
α)少なくとも1種のトリアルキルシリルスルホネート、より特に、トリメチルシリルベンゼンスルホネート、トリメチルシリルメタンスルホネート、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート、トリメチルシリルビニルスルホネート、トリメチルシリルドデシルスルホネート、トリメチルシリルp−トルエンスルホネート、トリメチルシリルドデシルベンゼンスルホネート、トリメチルシリル1−ナフタレンスルホネート、トリメチルシリルジノニルナフタレンスルホネート、ビス(トリメチルシリル)ジノニルナフタレンジスルホネート、トリエチルシリルメタンスルホネートまたはtert−ブチルジメチルシリルベンゼンスルホネート、好ましくはトリメチルシリルベンゼンスルホネート;
ならびに
β)少なくとも1種の反応性ポリマー、より特に、イソシアネート基および/またはアルコキシシラン基を含むポリマー、好ましくは、イソシアネート基および/またはアルコキシシラン基を含むポリウレタンポリマー
を含む、室温で可塑的変形が可能である湿気硬化型の接着剤またはシーリング材を提供する。
【0064】
湿気と接触すると加水分解して強酸を生成する、トリアルキルシリルスルホネートを添加すると、接着剤またはシーリング材のその他の特性、例えば、より特に、貯蔵安定性または実用特性に有害な影響なく、一部の接着剤またはシーリング材について改良された接着性をもたらす。
【0065】
反応性ポリマーとして、より特に、イソシアネート基および/またはアルコキシシラン基を含むポリマー、好ましくは、ポリウレタン接着剤およびポリウレタンシーリング材への使用に関連して当業者にはよく知られているポリマーの種類の、イソシアネート基および/またはアルコキシシラン基を含むポリウレタンポリマーが適合性を有している。
【0066】
イソシアネート基を含む、適したポリウレタンポリマーは、少なくとも1種のポリオールと少なくとも1種のポリイソシアネートとの反応を介して得られる。
【0067】
適したポリオールには、より特に、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールおよびポリカーボネートポリオール、ならびにさらにこれらのポリオールの混合物がある。
【0068】
ポリエーテルポリオールとして特に適したものは、ポリオキシアルキレンジオールおよび−トリオール、より特に、ポリオキシアルキレンジオールである。特に適したポリオキシアルキレンジオールおよびトリオールは、ポリオキシエチレンジオールおよびトリオールならびにさらにポリオキシプロピレンジオールおよびトリオールである。
【0069】
0.02ミリ当量(meg)/g未満の不飽和度および1000〜30000g/モルの範囲の分子量を有するポリオキシプロピレンジオールおよびトリオール、ならびにさらに、400〜8000g/モルの分子量を有するポリオキシプロピレンジオールおよびトリオールが特に適合性を有している。本明細書では、「分子量」または「モル重量」とは、常に、分子量平均Mを意味する。より特に適したものは、0.02ミリ当量/g未満の不飽和度および1000〜12000、より特に1000〜8000g/モルの間の範囲の分子量を有するポリオキシプロピレンジオールである。この種のポリエーテルポリオールは、例えば、Bayerによって商品名Acclaim(登録商標)として販売されている。
【0070】
同様に、特に適したものは、「EOエンドキャップ」(エチレンオキシド−エンドキャップ)ポリオキシプロピレンジオールおよびトリオールとして知られている。これらは、例えば、純粋なポリオキシプロピレンポリオールをポリプロポキシ化の終了後、エチレンオキシドでアルコキシ化させて、この結果、一級ヒドロキシル基を有することによって得られる、特定のポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンポリオールである。
スチレン−アクリロニトリル−またはアクリロニトリル−メチルメタクリレート−グラフト化ポリエーテルポリオール。
既知の方法、より特に、ヒドロキシルカルボン酸の重縮合、あるいは脂肪族および/または芳香族ポリカルボン酸と二価またはより多価のアルコールとの重縮合によって調製された、オリゴエステロールとも呼ばれるポリエステルポリオール。
【0071】
より特に適したものの中には、二価または三価アルコール、より特に、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,12−ヒドロキシステアリルアルコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、二量体脂肪酸ジオール(二量体ジオール)、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバレート、グリセロール、1,1,1−トリメチロールプロパンまたは前述のアルコールの混合物など二価のアルコールと、有機ジカルボン酸またはトリカルボン酸、より特に、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、トリメチルアジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、二量体脂肪酸、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ジメチルテレフタレート、ヘキサヒドロフタル酸、トリメリト酸およびトリメリト酸無水物、または前述の酸混合物などのジカルボン酸、あるいはその無水物またはエステルから調製されたポリエステルポリオール、ならびにさらに、ε−カプロラクトンなどのラクトンと、例えば、前述の二価または三価のアルコールなどの開始剤から形成されるポリエステルポリオールがある。
【0072】
特に適したポリエステルポリオールは、ポリエステルジオールである。
例えば、上記アルコール(ポリエステルポリオールを合成するのに使用されたもの)と、ジメチルカーボネートなどのジアルキルカーボネート、ジフェニルカーボネートなどのジアリールカーボネートまたはホスゲンとの反応で得られる種類のポリカーボネートポリオール。
【0073】
特に適したものは、ポリカーボネートジオールである。
同様に、ポリオールとして適したものには、少なくとも2つのヒドロキシル基を持ち、上記のタイプのポリエーテル、ポリエステルおよび/またはポリカーボネート構造で少なくとも2つの異なるブロックを特徴とするブロックコポリマーがある。
ポリアクリレートポリオールおよびポリメタクリレートポリオール。
ポリヒドロキシ官能性脂肪および油であって、例には、天然の脂肪および油、より特に、ヒマシ油;あるいは、天然の脂肪および油の変性で得られる、油脂化学的ポリオールとして知られているポリオールであって、このようなポリオールの例が、不飽和油をエポキシ化し、続いて、カルボン酸またはアルコールでそれぞれ開環することによって得られるエポキシポリエステルおよびエポキシポリエーテルであるポリオール、または不飽和油のヒドロホルミル化および水素化で得られるポリオール;あるいは、加アルコール分解またはオゾン分解などの分解処理、続いて、生じた分解生成物またはその誘導体の、例えば、エステル交換反応または二量体化で化学結合することによって天然の脂肪および油から得られたポリオールがある。天然の脂肪および油の適した分解生成物は、より特に、脂肪酸および脂肪アルコールおよびさらに脂肪酸エステル、より特にメチルエステル(FAME)(例えば、ヒドロホルミル化および水素化によって、ヒドロキシ−脂肪酸エステルを得て誘導体化してもよい)である。
オリゴヒドロカーボンオール(oligohydrocarbonol)とも呼ばれるポリヒドロカーボンポリオール、例えば、ポリヒドロキシ官能性ポリオレフィン、ポリイソブチレン、ポリイソプレン;例えばKraton Polimersによって製造されている種類の、ポリヒドロキシ官能性のエチレン−プロピレン、エチレン−ブチレンまたはエチレン−プロピレン−ジエンコポリマー;他の方法の中でも、より特にアニオン重合から調製することができるジエン、より特に、1,3−ブタジエンのポリヒドロキシ官能性ポリマー;1,3−ブタジエンなどのジエン、またはジエン混合物と、スチレン、アクリロニトリル、塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルアルコール、イソブチレンおよびイソプレンなどのビニルモノマーのポリヒドロキシ官能性コポリマーであって、例には、例えば、カルボキシル末端アクリロニトリル/ブタジエンコポリマー(Noveonから商品名Hycar(登録商標)CTBNとして市販されている)と、エポキシドまたはアミノアルコールから製造することができるポリヒドロキシ官能性アクリロニトリル/ブタジエンコポリマー、ならびにさらに、ジエンの水素化ポリヒドロキシ官能性ポリマーまたはコポリマーがある。
【0074】
提示されたこれらのポリオールは、好ましくは250〜30000g/モル、より特に400〜20000g/モルの平均分子量を有し、好ましくは1.6〜3の範囲の平均OH官能基を有する。
【0075】
イソシアネート基を含むポリウレタンポリマーを調製するのに使用されるポリイソシアネートは、商業的に通例の脂肪族、脂環式または芳香族ポリイソシアネート、より特に、ジイソシアネートとすることができる。
【0076】
適したジイソシアネートには、例えば、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2−メチルペンタメチレン1,5−ジイソシアネート、2,2,4−および2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、1,10−デカメチレンジイソシアネート、1,12−ドデカメチレンジイソシアネート、リシンジイソシアネートおよびリシンエステルジイソシアネート、シクロヘキサン1,3−および1,4−ジイソシアネートおよびこの異性体の任意の所望の混合物、1−メチル−2,4−および1−メチル−2,6−ジイソシアナトシクロヘキサンおよび任意の所望のこの異性体の混合物(HTDIまたはHTDI)、1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサン(即ち、イソホロンジイソシアネートつまりIPDI)、ペルヒドロ−2,4’−およびペルヒドロ−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(HMDIまたはH12MDI)、1,4−ジイソシアナト−2,2,6−トリメチルシクロヘキサン(TMCDI)、1,3−および1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、m−およびp−キシリレンジイソシアネート(m−およびp−XDI)、m−およびp−テトラメチル−1,3−およびp−テトラメチル−1,4−キシリレンジイソシアネート(m−およびp−TMXDI)、ビス(1−イソシアナト−l−メチルエチル)ナフタレン、2,4−および2,6−トリレンジイソシアネートおよび任意の所望のこの異性体の混合物(TDI)、4,4’−、2,4’−および2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネートおよび任意の所望のこの異性体の混合物(MDI)、1,3−および1,4−フェニレン ジイソシアネート、2,3,5,6−テトラメチル−1,4−ジイソシアナトベンゼン、ナフタレン1,5−ジイソシアネート(NDI)、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル(TODI)、ジアニシジンジイソシアネート(DADI)、前述のイソシアネートのオリゴマーおよびポリマー、ならびにさらに、前述のイソシアネートの任意の所望の混合物がある。MDI、TDI、HDIおよびIPDIが好ましい。MDIおよびIPDIが特に好ましい。
【0077】
イソシアネート基を含むポリウレタンポリマーは、知られているようにポリイソシアネートおよびポリオールから直接、または連鎖延長反応としても知られている種類の、段階的な付加法によって調製される。
【0078】
好ましい一実施形態では、このポリウレタンポリマーは、少なくとも1種のポリイソシアネートと少なくとも1種のポリオールの反応であって、イソシアネート基が、ヒドロキシル基より化学量論的過剰で存在する反応を介して調製される。有利には、イソシアネート基とヒドロキシル基の間の比は、1.3〜2.5、より特に1.5〜2.2であり、その結果、イソシアネート基を含むポリウレタンポリマーが生じる。
【0079】
シラン基を含む適したポリマー(「STP」)は、「MSポリマー」として知られており、典型的には、アリル基末端ポリエーテルポリマーのヒドロシリル化によって得られる、アルコキシシラン基末端ポリエーテルポリマーである。さらに適したものには、同様にヒドロシリル化反応を介して得られ、その骨格として、限定的にポリエーテル鎖のみならず、比例的に(proportionally)または全体に、ポリアクリレート鎖および/またはポリ炭化水素鎖も有する、アルコキシシラン基末端ポリマーがある。
【0080】
これに加えて、適するシラン基含有ポリマーには、アルコキシシラン基を含むポリウレタンポリマーがある。一実施形態では、このポリマーは、上記のイソシアネート基を含むポリウレタンポリマーとアミノシランとの、より特に、アミノアルキルジアルコキシシランまたはアミノアルキルトリアルコキシシランとの反応で調製することができる。少なくとも化学量論量のアミノシランがこの反応に使用される場合、この生成物は、イソシアネート基を含まずに、シラン基のみを含むポリウレタンポリマーである。不足当量(substoichiometric amount)のアミノシランが使用される場合、この生成物は、シラン基およびイソシアネート基を共に含むポリウレタンポリマーである。
【0081】
これに加えて、適するシラン基含有ポリマーには、OH基を含むポリマー、より特に、これがポリオールとポリイソシアネートとの超化学量論的反応で得られたOH末端ポリウレタンと、イソシアナトシランとの、より特に、イソシアナトアルキルジアルコキシシランまたはイソシアナトアルキルトリアルコキシシランとの反応から得られるものがある。
【0082】
この接着剤またはシーリング材は、他の成分、より特に、例えば以下の成分などのポリウレタン組成物中に典型的に使用される助剤および添加剤を含んでいてもよい:
例には、フタレート(例には、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソノニルまたはフタル酸ジイソデシルがある)、アジペート、例えば、アジピン酸ジオクチル、アゼレートおよびセバケートなどのカルボン酸エステル、有機リン酸エステルおよびスルホン酸エステルまたはポリブテンである可塑剤;
非反応性熱可塑性ポリマー、例えば、不飽和モノマー、より特に、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、イソプレン、酢酸ビニルおよびアルキル(メタ)アクリレートを含む群からのもののホモポリマーまたはコポリマー、より特に、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリイソブチレン、エチレン−酢酸ビニルコポリマー(EVA)およびアタクチックポリ−α−オレフィン(APAO);
有機および無機充填剤であって、例には、重質または沈降炭酸カルシウム(適切な場合、脂肪酸、より特にステアレートでコートされている)、あるいはバライト(BaSO、重晶石とも呼ばれる)、微粉砕石英、焼成カオリン、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、シリカ、特に、熱分解処理からの高分散シリカ、カーボンブラック、特に工業的に製造されたカーボンブラック(以下、「カーボンブラック」と呼ぶ)、PVC粉末または中空の球体がある;
例えばポリエチレンの繊維;
顔料であって、例には、二酸化チタンまたは酸化鉄がある;
イソシアネート基の反応を促進する触媒であって、例には、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジクロライド、ジブチルスズジアセチルアセトネート、およびジオクチルスズジラウレートなどの有機スズ化合物、トリオクト酸ビスマスおよびトリス(ネオデカン酸)ビスマスなどのビスマス化合物、および2,2’−ジモリホルノジエチルエーテルおよび1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンなどの三級アミノ基を含む化合物がある;
例えば、増粘剤またはチキソトロープ剤などのレオロジー調整剤であって、例には、尿素化合物、ポリアミドワックス、ベントナイトまたはヒュームドシリカがある;
反応性希釈剤および架橋剤、例には、モノマーのジイソシアネート、およびさらに、これらのポリイソシアネートのオリゴマーおよび誘導体、モノマーのポリイソシアネートと短鎖ポリオールの付加物、ならびにさらにアジピン酸ジヒドラジドおよび他のジヒドラジド、ならびにさらに、すでに上述した種類のブロックされたイソシアネート基を有するポリイソシアネートがある;
乾燥剤、例えば、モレキュラーシーブ、酸化カルシウム、p−トシルイソシアネートなどの高反応性イソシアネート、オルトギ酸エステル、および、例えば、テトラエトキシシランなどのテトラアルコキシシラン;
有機アルコキシシラン(以下に「シラン」とも呼ばれる)、例えば、エポキシシラン、(メタ)アクリロシラン、イソシアナトシラン、ビニルシラン、カルバマトシラン、アルキルシラン、S−(アルキルカルボニル)−メルカプトシラン、およびこれらのシランのオリゴマーの形態;
熱、光およびUV線に対する安定剤;
難燃剤;
界面活性物質、例えば、湿潤剤、フロー制御剤、脱気剤または脱泡剤;
殺生物剤、例えば、殺藻剤、殺真菌剤または真菌増殖阻害剤。
【0083】
潜在的酸が遊離酸の代わりに使用される場合、貯蔵安定性に関して利点があることが判明している。このことは、より特に、室温で可塑的変形可能である湿気硬化型の接着剤またはシーリング材に対して言える。強酸は、架橋反応を触媒的に促進するので、遊離の強酸を含む湿気硬化型接着剤またはシーリング材は、単に短い貯蔵期間後にその粘度の増大があまり急速なために、もはや通常の方法では適用することができないので、実質的に貯蔵が不可能である。対応する潜在的酸を含む対応する接着剤またはシーリング材は、この現象には影響されない。この種類の接着剤およびシーリング材は、比較的長い期間にわたり貯蔵可能である。
【実施例】
【0084】
接着促進組成物の調製および試験
潜在的酸トリメチルシリルベンゼンスルホネートおよびさらに一連の遊離酸を、窒素雰囲気下でイソプロパノールに溶解し、溶液中の潜在的酸または遊離酸の濃度を、それぞれの場合表に示してあるように調製した(重量%)。これらの溶液を、様々な市販の自動車用塗料でコートした金属シートを前処理するために使用した。待機時間後(フラッシュオフ時間)湿気硬化型1成分ポリウレタン接着剤Sikaflex(登録商標)−250 DM−2を、前処理をした場所に、カートリッジガンを用いてビード(bead)の形態で適用した。硬化後、この接着剤を、接着試験(ビード試験(bead test))を用いて接着試験をした。この場合、末端において接着面の丁度上に切込みを入れた。ビードの切り込んだ末端を先の丸いピンセットで保持し、基体から引っ張る。これを、ビードをピンセットの先端に慎重に巻き上げ、ビードを引っ張る方向に対して垂直に、露出する基体の下方に切れ目を入れることによって行う。ビードを剥がす速度を、切れ目がほぼ3秒毎に入れられることになるように選択する。試験の長さは、少なくとも8cmにならなければならない。評価は、ビードが引き剥がされた(凝集破壊(cohesive fracture))後、基体上に残存する接着剤について行う。この接着性を接着面の凝集成分を見積もることにより評価する:
1=>95%凝集破壊
2=75〜95%凝集破壊
3=25〜75%凝集破壊
4=<25%凝集破壊
5=0%凝集破壊(純粋の接着破壊)
75%未満の凝集破壊値を有する試験結果は、不十分とみなされる。
【0085】
自動車用塗料HDTC 4041への接着
表1は、イソプロパノールおよび示した量の潜在性酸または遊離酸である酸からなる組成物、または前処理組成物を明示する。調製は、不活性雰囲気(N)下で撹拌して混合することによって実施する。表1に従って調製された溶液を用いて、PPG製自動車用塗料HDTC 4041でコートした金属シートを、布を用いてこの溶液を塗布し、その後直ちに再び乾燥した布(「ワイプオン/オフ(wipe on/off)」)でふき取ることによって前処理した。10分の待機時間後、Sikaflex(登録商標)−250 DM−2を、10mmの幅を有する円形ビードとして適用し、標準条件下で(23℃/湿度50%)7日間硬化し、すぐに第1の接着試験(「RT」)を実施した。その後、このシートを23℃で7日間水中に浸漬し、その後、さらに接着試験(「WS」)を実施した。最後に、このシートを40℃および湿度100%の条件下で7日間保管し、その後、さらに接着試験(「CS」)を実施した。この結果を表1に示す。
【0086】
【表1】

【0087】
表1から明らかなように、潜在的酸トリメチルシリルベンゼンスルホネートを用いた場合、Sikaflex(登録商標)−250 DM−2の接着性は優れており、一方、遊離酸の場合、満足のいく接着性は、ドデシルベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、硫酸および塩酸の場合に得られるにすぎない。実施例1の場合、この塗料の腐食は見られなかった。
【0088】
次いで、他の一連の実験では、潜在的酸トリメチルシリルベンゼンスルホネートについて、およびさらに、表1による3種の最も有効な遊離酸について、この溶液が接着促進効果を有する濃度範囲を調査するために、濃度系列を使用した。当該の系はまた、イソプロパノールと遊離酸または潜在的酸の2成分混合物であり、明示された重量による量は、同様に遊離酸または潜在的酸について述べている。この結果を表2に示す。
【0089】
表2から、イソプロパノール中のトリメチルシリルベンゼンスルホネートの接着促進効果は、0.5重量%〜10重量%、より特に、0.7重量%〜10重量%の濃度範囲で有効であることがわかる。これに関連して、特に驚くべきことは、0.7重量%の濃度であっても、トリメチルシリルベンゼンスルホネートでは非常に良好な接着性が得られたが、同等の結果のためにはこの遊離酸は、有意により高い濃度で使用しなければならない。前処理組成物1から6のいずれについても、この塗料の腐食は認められなかった。
【0090】
【表2】

【0091】
様々な自動車用塗料への接着
自動車用塗料AからFでコートされた金属シートを、それぞれ、潜在的酸トリメチルシリルベンゼンスルホネート、ならびに遊離酸ドデシルベンゼンスルホン酸およびp−トルエンスルホン酸(いずれの場合も、イソプロパノール中の、遊離酸または潜在的酸について表3に示した濃度で)の溶液で、溶液を布で塗布し、その後直ちに再び乾燥した布で(「ワイプオン/オフ」)でふき取ることによって前処理した。10分の待機時間後、Sikaflex(登録商標)−250 DM−2を、10mmの幅を有する円形ビードとして適用し、標準条件下で(23℃/湿度50%)7日間硬化し、すぐに第1の接着試験(「RT」)を実施した。その後、このシートを23℃で7日間水中に浸漬し、その後、さらに接着試験(「WS」)を実施した。最後に、このシートを40℃および湿度100%の条件下で7日間保管し、その後、さらに接着試験(「CS」)を実施した。この結果を表3に示す。
調査した自動車用塗料(上塗り):
【0092】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
接着またはシールされる基体への接着を促進するための、非水性組成物中で、水と接触することによって2未満のpKを有する酸に変換可能である潜在的酸の使用。
【請求項2】
前記非水性組成物が、少なくとも1種の有機溶媒を含み、基体を前処理するのに適することを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記有機溶媒が、アルコール、より特にイソプロパノールであることを特徴とする、請求項2に記載の使用。
【請求項4】
前記非水性組成物が、少なくとも1種の有機溶媒およびまた少なくとも1種の結合剤をさらに含み、基体をプレコートするためのプライマーとして適することを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項5】
前記非水性組成物が、少なくとも1種の反応性ポリマーを含み、室温で可塑的変形が可能であるシーリング材または接着剤として使用するのに適することを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項6】
前記反応性ポリマーが、イソシアネート基および/またはアルコキシシラン基を含むポリウレタンポリマーであることを特徴とする、請求項5に記載の使用。
【請求項7】
前記潜在的酸の量的比率が、非水性組成物に対して0.1重量%〜10重量%であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の使用。
【請求項8】
前記潜在的酸が、無水物、より特に、カルボン酸無水物またはスルホン酸無水物、好ましくはスルホン酸無水物であることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の使用。
【請求項9】
前記潜在的酸が、トリアルキルシリルスルホネート、より特に、トリメチルシリルベンゼンスルホネート、トリメチルシリルメタンスルホネート、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート、トリメチルシリルビニルスルホネート、トリメチルシリルドデシルスルホネート、トリメチルシリルp−トルエンスルホネート、トリメチルシリルドデシルベンゼンスルホネート、トリメチルシリル1−ナフタレンスルホネート、トリメチルシリルジノニルナフタレンスルホネート、ビス(トリメチルシリル)ジノニルナフタレンジスルホネート、トリエチルシリルメタンスルホネートまたはtert−ブチルジメチルシリルベンゼンスルホネートであることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の使用。
【請求項10】
前記潜在的酸がトリメチルシリルベンゼンスルホネートであることを特徴とする、請求項9に記載の使用。
【請求項11】
a)有機溶媒中の溶液であり、水と接触することによって2未満のpKを有する酸に変換可能である潜在的酸を含む接着促進組成物を準備する工程と、その後:
b)組成物を基体S1に適用する工程と;
c)組成物をフラッシュオフするかまたはふき取る工程と;
d)フラッシュオフされたかまたはふき取られた組成物に、接着剤またはシーリング材を適用する工程と;
e)接着剤またはシーリング材を基体S2と接触させる工程と
を含むか、あるいは
b’)組成物を基体S1に適用する工程と;
c’)組成物をフラッシュオフするかまたはふき取る工程と;
d’)接着剤またはシーリング材を基体S2に適用する工程と;
e’)接着剤またはシーリング材をフラッシュオフされたかまたはふき取られた組成物と接触させる工程と
を含むか、あるいは
b’’)組成物を基体S1に適用する工程と;
c’’)組成物をフラッシュオフするかまたはふき取る工程と;
d’’)接着剤またはシーリング材を基体S1とS2の表面の間に適用する工程と
を含む接着またはシーリングする方法であって、
前記基体S2は、前記基体S1と同じ材料かもしくは異なる材料からなり、または前記基体S1および前記基体S2は1つの部品を形成する方法。
【請求項12】
工程e)またはe’)またはd’’)に続いて、前記接着剤またはシーリング材を硬化する工程f)が行われることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記接着剤またはシーリング材が、湿気硬化型1成分ポリウレタン接着剤またはシーリング材であることを特徴とする、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
前記基体S1が、塗装された基体、より特に、塗装された金属であることを特徴とする、請求項11から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記潜在的酸が、無水物、より特に、カルボン酸無水物またはスルホン酸無水物、好ましくはスルホン酸無水物であることを特徴とする、請求項11から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記潜在的酸が、トリアルキルシリルスルホネート、より特に、トリメチルシリルベンゼンスルホネート、トリメチルシリルメタンスルホネート、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート、トリメチルシリルビニルスルホネート、トリメチルシリルドデシルスルホネート、トリメチルシリルp−トルエンスルホネート、トリメチルシリルドデシルベンゼンスルホネート、トリメチルシリル1−ナフタレンスルホネート、トリメチルシリルジノニルナフタレンスルホネート、ビス(トリメチルシリル)ジノニルナフタレンジスルホネート、トリエチルシリルメタンスルホネートまたはtert−ブチルジメチルシリルベンゼンスルホネートであることを特徴とする、請求項11から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記潜在的酸がトリメチルシリルベンゼンスルホネートであることを特徴とする、請求項11から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記有機溶媒がアルコール、より特にイソプロパノールであることを特徴とする、請求項11から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記潜在的酸の量的比率が、前記接着促進組成物に対して0.1重量%〜10重量%であることを特徴とする、請求項11から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
請求項11から19のいずれか一項に記載の方法によって得られる接着またはシールされた物品。
【請求項21】
輸送手段、より特に自動車、あるいは、輸送手段、より特に自動車のための組み込まれた構成部品であることを特徴とする、請求項20に記載の接着またはシールされた物品。
【請求項22】
i)水と接触することによって2未満のpKを有する酸に変換可能である、少なくとも1種の潜在的酸、
ii)少なくとも1種の有機溶媒、ならびに
iii)着色剤、ルミネセンス指示薬、接着促進剤、より特に、チタネートおよびシランと、界面活性剤からなる群から選択される
少なくとも1種の添加剤
および/または少なくとも1種の結合剤
を含む前処理組成物。
【請求項23】
前記潜在的酸が、無水物、より特に、カルボン酸無水物またはスルホン酸無水物、好ましくはスルホン酸無水物であることを特徴とする、請求項22に記載の組成物。
【請求項24】
前記潜在的酸が、トリアルキルシリルスルホネート、より特に、トリメチルシリルベンゼンスルホネート、トリメチルシリルメタンスルホネート、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート、トリメチルシリルビニルスルホネート、トリメチルシリルドデシルスルホネート、トリメチルシリルp−トルエンスルホネート、トリメチルシリルドデシルベンゼンスルホネート、トリメチルシリル1−ナフタレンスルホネート、トリメチルシリルジノニルナフタレンスルホネート、ビス(トリメチルシリル)ジノニルナフタレンジスルホネート、トリエチルシリルメタンスルホネートまたはtert−ブチルジメチルシリルベンゼンスルホネートであることを特徴とする、請求項22に記載の組成物。
【請求項25】
前記潜在的酸が、トリアルキルシリルスルホネート、より特にトリメチルシリルベンゼンスルホネートであることを特徴とする、請求項22または24に記載の組成物。
【請求項26】
前記有機溶媒の量が、前記前処理組成物に対して80重量%〜99.9重量%、より特に90重量%〜99.9重量%、好ましくは90重量%〜99重量%であることを特徴とする、請求項22から25のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項27】
前記前処理組成物が少なくとも1種の結合剤を含み、有機溶媒の量が、前処理組成物に対して40重量%〜80重量%、より特に60重量%〜80重量%であることを特徴とする、請求項22から25のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項28】
前記結合剤が、イソシアネート基および/またはアルコキシシラン基および/またはエポキシド基を含むポリマーまたはオリゴマーであることを特徴とする、請求項22から27のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項29】
α)少なくとも1種のトリアルキルシリルスルホネート、より特に、トリメチルシリルベンゼンスルホネート、トリメチルシリルメタンスルホネート、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート、トリメチルシリルビニルスルホネート、トリメチルシリルドデシルスルホネート、トリメチルシリルp−トルエンスルホネート、トリメチルシリルドデシルベンゼンンスルホネート、トリメチルシリル1−ナフタレンスルホネート、トリメチルシリルジノニルナフタレンスルホネート、ビス(トリメチルシリル)ジノニルナフタレンジスルホネート、トリエチルシリルメタンスルホネートまたはtert−ブチルジメチルシリルベンゼンスルホネート、好ましくはトリメチルシリルベンゼンスルホネート;
ならびに
β)少なくとも1種の反応性ポリマー、より特に、イソシアネート基および/またはアルコキシシラン基を含むポリマー、好ましくは、イソシアネート基および/またはアルコキシシラン基を含むポリウレタンポリマー
を含む、室温で可塑的変形が可能である湿気硬化型接着剤またはシーリング材。

【公開番号】特開2009−62534(P2009−62534A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−222479(P2008−222479)
【出願日】平成20年8月29日(2008.8.29)
【出願人】(504274505)シーカ・テクノロジー・アーゲー (227)
【Fターム(参考)】