説明

接着促進剤の水性分散体

水不溶性ポリオレフィン系接着促進剤の水性分散体を、該接着促進剤を少なくとも1種のオレフィン性不飽和モノマー中に溶解させ、高剪断で水、界面活性剤および他の添加剤の存在下でミニエマルションを形成し、そして次いで該モノマーを、モノマー可溶性の実質的に水不溶性のラジカル開始剤で重合することによって、形成する。重合生成物、ポリオレフィン接着促進剤および重合したモノマーの水中の安定分散体(ラテックス)、はプライマーとしてまたは添加剤としてコーティングのポリオレフィン基材への接着性を改善するために有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、コーティング組成物の分野、および特に、接着促進プライマーまたは添加剤として有用な組成物の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
成形プラスチック部品は、自動車、トラック、家庭用器具、グラフィックアート等において広く使用されている。しばしば、これらのプラスチック部品は、ポリオレフィン,例えばポリエチレン、エチレンコポリマー、ポリプロピレン、プロピレンコポリマー、および他のポリマーとのポリオレフィンブレンド物から形成する。1つのこのようなブレンド物は、熱可塑性ポリオレフィン(TPO)であり、これはゴム変性されたポリプロピレンである。しばしば、これらのプラスチック部品を塗装して、塗装された金属部品(これも自動車、器具または他の物品の中に存在する)の色に適合させなければならない。典型的な塗料は、これらのプラスチック部品に良好には接着しない。よって、塗料のポリオレフィン物質に対する接着を改善するために接着促進プライマーが必要である。
【0003】
塩素化ポリオレフィン、特に塩素化マレエート化結晶ポリプロピレンポリマーは、この用途のために効果的であるが、これらは、芳香族溶媒または塩素化溶媒以外のいずれにおいても極めて制限された溶解性を有する。塩素化ポリオレフィン中の塩素量を増大させることによって、種々の溶媒中の塩素化ポリオレフィンの溶解性を改善することが可能である。しかし、塩素化ポリオレフィンの塩素量を増大させることは、しばしば、乏しいコーティング接着を、特に湿気およびガソリンへの曝露後に、もたらす。一般的に、塩素量が24質量パーセント超であることは、湿気およびガソリンへの曝露後に乏しい接着をもたらす可能性がある。
【0004】
自動車産業および器具産業のための水系塗料およびプライマーを与えるための試みがなされてきたが、これらのシステムは、一般的に、溶媒系システムと同等に効果的であるとは考えられていない。よって、水性システムにおけるポリオレフィン系接着促進剤を提供するという当該分野における要求が依然存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の要約
水不溶性ポリオレフィン系接着促進剤の水性分散体を、該接着促進剤を少なくとも1種のエチレン性不飽和モノマー中に溶解させ、高剪断で水、界面活性剤および任意に他の添加剤の存在下でミニエマルションを形成し、そして次いで該モノマーをラジカル開始剤で重合することによって、形成する。重合生成物、ポリオレフィン接着促進剤および重合したモノマーの水中の安定分散体(ラテックス)、はプライマーとしてまたは添加剤としてコーティングのポリオレフィン基材への接着性を改善するために有用である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
発明の詳細な説明
本発明の組成物のことおよび方法を開示および説明する前に、本発明は、特記がない限り特定の方法または特定の配合に限定されず、そしてそのようなものとして開示から変更できることを理解すべきである。用いる述語が、特定の態様の説明のみを目的とし、本発明の範囲の限定を意図しないこともまた理解すべきである。
【0007】
単数形“a”,“an”,および“the”は、文脈の特記がない限り複数の指示対象を包含する。
【0008】
任意のまたは任意にとは、続いて説明する事象または状況が生じても生じなくてもよいことを意味する。説明は、事象または状況が生じる場合およびこれが生じない場合を包含する。
【0009】
範囲は、本明細書で、およその1つの特定値から、および/またはおよその別の特定値まで、として表現できる。このような範囲を表現する際、別の態様は、1つの特定値から、および/または他の特定値まで、更にその範囲内の全組合せ、であることを理解すべきである。
【0010】
本件全体を通じ、特許または刊行物を参照する場合、これらの文献の開示はその全部を参照により本明細書に組入れることが意図される。これは、本発明が属する分野の状況をより完全に説明するためであり、これらの参照が本明細書による記載と相反する場合は除く。
【0011】
本明細書で用いる用語「オレフィン」は、1つ以上の二重結合を有する不飽和脂肪族炭化水素,例えば、石油留分のクラッキングによって得られるものを意味する。オレフィンの具体例としては、これらに限定するものではないが、プロピレン、1−ブテン、1,3−ブタジエン、イソブチレンおよびジイソブチレンが挙げられる。「ポリオレフィン」は、オレフィンから形成されるポリマーである。一般例は、ポリプロピレンおよびポリブチレンであり、そして、熱可塑性ポリオレフィン(TPO)の分類を包含する。ポリオレフィンは、ホモポリマー性またはコポリマー性であることができる。種々のホモポリマー性ハロゲン化ポリオレフィンは、中でもEastman Chemical Companyから入手可能である。ハロゲン化ポリオレフィンは、ハロゲン置換されたポリオレフィンであり、そして典型的には塩素化または臭素化されている。
【0012】
本明細書で用いる用語「(1種または複数種の)ポリマー」は、ホモポリマー、コポリマーおよび/またはターポリマーを包含する。
【0013】
本発明の一態様において、水不溶性ポリオレフィン系接着促進剤の水性分散体は、少なくとも1種の接着促進剤を少なくとも1種のエチレン性不飽和モノマー中に溶解させ、高剪断で水、1種または複数種の界面活性剤および任意に他の添加剤の存在下でミニエマルションを形成し、そして次いで該モノマーを、ラジカル開始剤(好適にはモノマー可溶性の実質的に水不溶性のラジカル開始剤)で重合させることによって、形成する。重合生成物、ポリオレフィン接着促進剤および重合したモノマーの水中の安定分散体(ラテックス)、はプライマーとしてまたは添加剤としてコーティングのポリオレフィン基材への接着性を改善するために有用である。
【0014】
本発明の一態様において、水性組成物を製造する方法を提供する。該方法は、混合物に剪断をかけてミニエマルションを生成し、そして該ミニエマルションを開始剤の存在下で重合させて水性組成物を生成することを含む。混合物は、少なくとも1種の接着促進剤、少なくとも1種のエチレン性不飽和モノマー、ならびに少なくとも1種の界面活性剤および水を含む。
【0015】
本明細書で用いるミニエマルション重合とは、ポリマー、および特にポリオレフィンポリマーを、1種以上のモノマー(エチレン性不飽和を有するもの)中に溶解させて、ポリオレフィン/モノマー混合物を得て;ポリオレフィン/モノマー混合物を水性媒体中に分散させてプレエマルションを形成し;該プレエマルションを高応力法に供して、平均粒子サイズ約25〜約500nmを有する小液滴(本明細書でミニエマルションとして知られる)を形成し;そして該ミニエマルションを次いでフリーラジカル乳化重合で重合させてアクリル/ポリオレフィンハイブリッドラテックスポリマー(これは水性接着促進剤として有用である)を得る;方法をいう。
【0016】
一側面において、本発明は、水性変性ポリオレフィンポリマー(本明細書でハイブリッドラテックスという)(ミニエマルション重合で形成される)に関する。ハイブリッドラテックスは、少なくとも1種のエチレン性不飽和モノマー(その中に少なくとも1種のポリオレフィン接着促進剤が溶解している)のミニエマルションの重合によって得られる。
【0017】
本発明の水性ラテックスにおいて、ハイブリッドラテックスは、一般的に、水中に分散した粒子として存在する。粒子は、一般的に球形であることができる。粒子は、構造化されたまたは構造化されていないものであることができる。構造化された粒子としては、これらに限定するものではないが、コア/シェル粒子および勾配粒子が挙げられる。コア/シェルポリマー粒子はまた、多葉形、ピーナツシェル形、ドングリ形、またはラズベリー形に作製できる。コア部分は、例えば、粒子の総質量の約20〜約80質量パーセント含むことができ、そしてシェル部分は、粒子の総質量の約80〜約20質量パーセント含むことができる。ハイブリッドラテックスの平均粒子サイズは、約25〜約500nm、または約50〜約400nm、または約100〜約300nmの範囲であることができる。
【0018】
本発明に係るハイブリッドレジンのアクリル部分のガラス転移温度(Tg)は、約100℃以下であることができる。ガラス転移温度は、好ましくは70℃未満(室温でのラテックスのフィルム形成が望ましい場合)、または約20℃〜約50℃である。
【0019】
一側面において、本発明は、以下のステップ:
(a)少なくとも1種の接着促進剤を、1種以上のエチレン性不飽和モノマー中に溶解させてポリオレフィン/モノマー混合物を得ること;
(b)接着促進剤/モノマー混合物を水性媒体中で分散させてプレエマルションを形成し;該プレエマルションに剪断を適用して、平均粒子サイズ約25nm〜約500nmを有するミニエマルションを得ること;および
(c)該ミニエマルションをフリーラジカル重合で乳化重合させること;
によって作製されるラテックス組成物を提供する。
【0020】
一態様において、接着促進剤は、ポリオレフィン接着促進剤,例えば市販で入手可能なハロゲン化および/またはマレエート化接着促進剤(Eastman Chemical Companyより、例えばEastmanの343−1および730−1またはマレエート化ポリオレフィン(非塩素化),例えばEastmanの440−1)である。
【0021】
一態様において、ポリオレフィン接着促進剤は、ポリオレフィンを不飽和カルボン酸エステル、不飽和カルボン酸、不飽和無水カルボン酸、ビニルモノマー、アクリルモノマーまたはこれらの混合物と反応させることによって作製できる。カルボキシレート化ポリオレフィンは、次いで、少なくとも1種の塩素化剤との反応によって塩素化する。塩素化剤は、ポリオレフィンを塩素化できる当該分野で公知の任意のものであることができる。しかし、これらの2つのステップの順番は本発明に対して重大ではない。本発明において有用な塩素化カルボキシレート化ポリオレフィンはまた、カルボキシル含有化合物の導入前にポリオレフィンを塩素化することによって作製できる。塩素化カルボキシレート化ポリオレフィンは、1種以上の多官能アルコールとの反応によって更に変性できる。
【0022】
一態様において、塩素化カルボキシレート化ポリオレフィンは、1種以上の多官能アルコールと更に反応させる。好適なアルコールは、少なくとも2つのヒドロキシル基、または少なくとも1つのヒドロキシル基と別の官能基(塩素化カルボキシレート化ポリオレフィンと優先的に反応することができるもの)とを有する。このような優先的な反応性を有する官能基としては、アミノ、エポキシ等が挙げられる。本発明の一態様において、多官能アルコールの少なくとも1つのヒドロキシル基は、塩素化カルボキシレート化ポリオレフィンと本質的に未反応のままである。
【0023】
例示の多官能アルコールとしては、これらに限定するものではないが、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジブチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリウレタンポリオール、グルコース、スクロース、2−アミノ−1−プロパノール、エタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、2,2−ジメチル−3−アミノ−1−プロパノール等が挙げられる。一態様において、多官能アルコールは、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、および1,6−ヘキサンジオールからなる群から選択される。特に好ましいのは、1つの1級ヒドロキシル基、および1つの2級または3級のヒドロキシル基を有する多官能アルコールであり、そして、中間炭素位置(C−2)で二重置換された1,3−プロパンジオールを基にする多官能アルコールである。これらの特に好ましい多官能アルコールとしては、これらに限定するものではないが、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,2−プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジブチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、および2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオールが挙げられる。塩素化カルボキシレート化ポリオレフィンを変性させるために用いるポリオールの量は、一般的に、約0.01〜約60質量パーセントの範囲(塩素化カルボキシレート化ポリオレフィンの質量基準)である。
【0024】
本発明における出発物質として有用なポリオレフィンとしては、エチレンコポリマー(エチレン、および3〜約10個の炭素原子を有するアルファオレフィンから得られるもの)、ポリプロピレン、プロピレンコポリマー(エチレン、または4〜約10個の炭素原子を有するアルファオレフィンから得られるもの)、ポリ(1−ブテン)、1−ブテンコポリマー(エチレン、または3〜約10個の炭素原子を有するアルファオレフィンから得られるもの)、プロピレンターポリマー(エチレン、および/または4〜約10個の炭素原子を有するアルファオレフィンから得られるもの)、等が挙げられる。加えて、先に言及したポリオレフィンの混合物をこの方法で用いる(単独のポリオレフィンを用いるのと対照的に)ことができる。
【0025】
本発明において使用するのに好適なポリオレフィン接着促進剤を製造する方法の例は、US第2006/0074181号(参照により本明細書に組入れる)に見出される。
【0026】
一態様において、ポリオレフィン接着促進剤は、ラテックス中に、約0.5〜約60質量パーセント(水性組成物の総固形分基準)の量、例えば、約5〜約40質量パーセント、または約10〜約30質量パーセントで存在する。質量パーセントは、接着促進剤の質量を、接着促進剤とモノマーとの質量の合計で除して100%を乗じたものである。
【0027】
一態様において、エチレン性不飽和モノマーは、1種以上のエチレン性不飽和モノマーから選択される。好適なエチレン性不飽和モノマーの例としては、これらに限定するものではないが:スチレンモノマー,例えばスチレン、アルファ−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルトルエン、クロロメチルスチレン等;エチレン性不飽和種,例えばメチルアクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、エチルヘキシルアクリレート、エチルヘキシルメタクリレート、オクチルアクリレート、オクチルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ラウリルアクリレートグリシジルメタクリレート、カルボジイミドメタクリレート、アルキルクロトネート、ビニルアセテート、ジ−n−ブチルマレエート、ジ−オクチルマレエート、アセトアセトキシエチルメタクリレート、ジアセトンアクリルアミド、アクリルアミド、メタクリルアミド、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、およびアクリロニトリル等;または窒素含有モノマー,例えばt−ブチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N’−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、2−t−ブチルアミノエチルメタクリレート、N,N’−ジメチルアミノエチルアクリレート、N−(2−メタクリロイルオキシ−エチル)エチレンウレア、メタクリルアミドエチルエチレンウレア等;が挙げられる。
【0028】
一態様において、追加のコモノマーを任意に重合中に含ませることができる。好適には、このコモノマーは、任意の側鎖部分((i)重合プロセスに耐え、そして(ii)モノマーレジンの架橋に関与しまたはこれを促進すること、ができるもの)であることができる。更に、このコモノマーは、酸化架橋に関与しまたはこれを促進できるのがよい。例えば、潜在的な酸化官能性(LOF)アクリルモノマーは、フリーラジカル源を与えてフリーラジカルフラックスを生じさせる場合には、使用できる。コモノマーのLOF基はまた、エチレン性不飽和,例えば、これらに限定するものではないが、アリル基およびビニル基を有することができる。コモノマーのLOF基はまた、アセトアセトキシ部分またはエナミン部分であることができる。アセトアセチル基からのエナミンの調製は、米国特許第5,296,530号、第5,494,975号および第5,525,662号(これらは参照により本明細書に組入れる)に記載されている。潜在的な酸化官能性(LOF)基を有する好適なアクリルコモノマーとしては、これらに限定するものではないが、アリルメタクリレート、ビニルメタクリレート、アセトアセトキシエチルメタクリレート、ヒドロキシブテニルメタクリレート、マレイン酸のアリルまたはジアリルエステル、ポリ(アリルグリシジルエーテル)、またはこれらの混合物が挙げられる。
【0029】
好適には、LOFアクリルモノマーは、少なくとも1種のLOFアクリルモノマーとエチレン性不飽和コモノマーとの混合物として添加する。典型的なモノマーは、米国特許第6,333,378号;第6,01,922号;第5,869,590号;および第5,539,73号(参照により本明細書に組入れる)に見出すことができる。多官能または架橋のモノマー,例えばジ−およびトリ(メタ)アクリレート;アリルメタクリレートもまた用いることができる。
【0030】
一態様において、本発明は、水溶性モノマー((メタ)アクリル酸およびヒドロキシエチルまたはヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートのような)、更に、比較的水不溶性のモノマー(スチレン、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアロイル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレートによって例示される)を用いる。
【0031】
別の態様において、本発明は、(メタ)アクリル酸を、総モノマー質量の5%未満で;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを総モノマー質量の20%未満で;ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートおよびスチレンの組合せ(所望のTgを得るため)を75%超で;用いる。(メタ)アクリレートにより、我々はメタクリレートまたはアクリレートのエステルのいずれも意味する。
【0032】
追加的に、本発明のミニエマルション重合プロセスに従い、ポリオレフィン/モノマー混合物は、更に、1種以上の任意のポリマーまたは水不溶性のより高分子量の物質,例えばポリスチレン、ポリウレタン、ポリエステル、セルロースエステル、およびアルキドから選択されるポリマーを含むことができる。このような追加的な物質は、0〜約1質量パーセントの量で存在できる。
【0033】
任意に、本発明の一態様において、界面活性剤を、水相に、安定剤として、ミニエマルションの重合中に添加できる。典型的には、界面活性剤は、液滴/粒子の安定性を与えるが、最小限の水相の核生成(ミセルまたは均質)をもたらす。界面活性剤は、任意の従来の界面活性剤または当該分野で公知の界面活性剤の組合せであることができる。好適な界面活性剤の例としては、これらに限定するものではないが、アルカリアルキルスルフェート、アンモニウムアルキルスルフェート、アルキルスルホン酸、脂肪酸、オキシエチル化アルキルフェノール、ナトリウムドデシルスルフェート、スルホサクシネートおよび誘導体、またはアニオン性もしくはノニオン性の界面活性剤の任意の組合せが挙げられる。一態様において、界面活性剤はアニオン性界面活性剤である。別の態様において、界面活性剤は、重合性界面活性剤,例えばHitenol 20である。更に、更なる態様において、界面活性剤は、ナトリウムドデシルスルフェートおよびナトリウムビス(2−エチルヘキシル)スルホサクシネート(Aerosol OT−75)から選択される。好適な界面活性剤の更なる列挙は、論文:McCutcheon’s Emulsifiers&Detergents,North American Edition,MC Publishing Co.,Glen Rock,NJ.,1997において得られる。一態様において、界面活性剤は約0.1〜約10質量%の量で存在でき、そして別の態様において約0.3質量%〜約3質量%(組成物の総固形分基準)で存在できる。
【0034】
ミニエマルション重合プロセス(これにより、ハイブリッドラテックスを形成する)はまた、開始剤、還元剤、または触媒を必要とする場合がある。好適な開始剤としては、従来の開始剤,例えばt−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、アゾ開始剤,例えばAIBN、または過硫酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、過酸化水素、t−ブチルヒドロパーオキサイド、アンモニウムもしくはアルカリスルフェート、ジ−ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド等が挙げられる。好適には、重合開始剤は、水溶性またはモノマー可溶性のいずれであることもできる。しかし、より良好な接着性能は、モノマー可溶性開始剤で実現できる。例えば、一態様において、開始剤は、モノマー混合物中に可溶で水中には比較的不溶性であるものである。このようなモノマー可溶性開始剤の例としては、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエートおよびアゾ開始剤,例えばAIBN(約0.1質量%〜約6質量%、または約0.3質量%〜約3質量%の量(組成物の総固形分基準)で存在する)が挙げられる。開始剤を直接モノマーに添加する場合、これは水中で完全に不溶性であることができる。モノマー可溶性開始剤を水性反応混合物中に添加する場合、少量の水溶性(<約1%)が、開始剤が水を通ってミニエマルション液滴まで移動するために必要である場合がある。
【0035】
好適な還元剤は、重合の速度を増大させるものであり、そして、例えば、亜硫酸水素ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、アスコルビン酸、イソアスコルビン酸、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0036】
好適な触媒は、重合開始剤の分解を重合反応条件下で促進することによって重合速度を増大させるような化合物である。好適な触媒としては、遷移金属化合物および乾燥剤が挙げられる。このような触媒の例としては、これらに限定するものではないが、硫酸第一鉄七水和物、塩化第一鉄、硫酸銅、塩化銅、酢酸コバルト、硫酸コバルト、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0037】
本発明の別の態様において、追加のポリマーまたは疎水性成分を任意に重合プロセスにおいて添加できる。重合において用いる1種もしくは複数種のエチレン性不飽和モノマーまたはモノマーの混合物の中で可溶性である任意のポリマーまたは疎水性成分が好適である。好適には、ポリマーまたは疎水性物質が重量平均分子量3000以上を有して有効な液滴安定化を付与するのがよい。例えば、ポリマーまたはポリマーの混合物、例えば、これらに限定するものではないが、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、またはアルキドを好適に用いることができる。このポリマーまたは疎水性成分は、約0.5〜約60質量パーセントの量(モノマーの質量基準)で添加できる。典型的には、このポリマーまたは疎水性成分の約0.5〜約5.0質量パーセントが、液滴安定化を付与するために必要である。しかし、添加する疎水性成分の量は、最終生成物において所望される特性に基づいて決定できる。
【0038】
接着促進剤、エチレン性不飽和モノマー、水、更に任意の界面活性剤または任意の疎水性成分を任意の順番で組合せてプレエマルションを形成できる。しかし、これらの成分の全てが剪断前に存在するのがよい。
【0039】
別の態様において、エマルション重合は、任意の共安定剤,例えば水不溶性の低分子量化合物(例えばヘキサデカンおよびヘキサデカノール)(0〜約6質量パーセントの量(組成物の総固形分基準))の存在下で行うことができる。
【0040】
別の態様において、水性接着促進剤組成物は、pHを調整するための酸および塩基;殺生物剤;泡止剤;帯電防止剤;粘度調整剤;融合剤;安定剤(典型的にはCPOを安定化させるために用いるもの);分子量を変えるための連鎖移動剤、特にメルカプタン;を、0〜約10質量パーセントの量(組成物の総固形分基準)で更に含むことができる。
【0041】
ミニエマルション重合プロセスは、主として高剪断(モノマー−水−界面活性剤エマルションに対して、重合前に適用する)での乳化重合とは異なる。本発明に従い、応力または剪断を、界面活性剤、ポリオレフィン、1種以上のモノマー、および水の混合物に、高応力法によって適用し、そしてミニエマルションを形成する。高応力法は、平均粒子サイズ約25nm〜約500nm、または約50〜約400nm、または約100〜約300nmを有する液滴または粒子を得るために好適な技術をいう。
【0042】
高剪断を付与して粒子を形成するための1つの方法は、MICROFLUIDIZER(登録商標)乳化器(Microfluidics Corporation(Newton,Mass.にある)から入手可能)を用いることである。装置は、高圧(最大25,000psi)ポンプおよび相互作用チャンバー(乳化を行う場合)からなる。一般的には、反応混合物を乳化器に、少なくとも1回、圧力5,000〜15,000psiの間で通す。マルチパスを用いてより小さい平均粒子サイズまたはより狭い範囲の粒子サイズ分布を実現できる。
【0043】
応力は、単位面積当たりの力と説明できる。乳化器が前乳化混合物に応力を与える機構はよく理解されていないが、応力が1つよりは多い様式で発揮される可能性がある。応力が発揮されると考えられる1つの様式は剪断によるもので、力が、1つの層または平面が隣接する平行平面に対して平行に動くようなものであることを意味する。応力はまた、全ての側から、バルクの圧縮応力として発揮されることができる。このような場合では、応力はいかなる剪断も伴わずに発揮されることができる。強い応力を生成する更なる様式はキャビテーションによるもので、これは、液体内の圧力が、蒸発をさせるのに十分に低減される場合に生じる。気泡の形成および崩壊は、短時間に亘って激しく生じ、強い応力を生成する。理論に拘束されることを望まないが、剪断およびキャビテーションの両者が、応力(このような場合において前乳化混合物を粒状化する)の生成に寄与する可能性がある。本明細書で用いる用語の応力は、任意の様式(これによって所望のミニエマルションが実現される)を包含することを意図する。
【0044】
ミニエマルションを形成するために高剪断を得る別の手法は、超音波エネルギーまたは高周波の使用によるもので、例えば、Fisher 300 Watt Sonic dismembratorにより、約5分間で約60パーセント出力(180ワット)にて、撹拌棒によって与えられるバルク混合によるものである(The Fisher 300 Watt Sonic dismembratorは、Fisher Scientific Company,Pittsburgh,Pa.により製造および販売されている)。他の高剪断混合設備,例えばコロイドミルまたはホモジナイザー、は所望であれば使用できる(本明細書に記載するソニックディスメンブレーターは、実験室スケール用に好適である。コロイドミルまたはホモジナイザーは生産スケール用に好適である。)。一般的に、局所的な高剪断を穏やかなバルク混合で生成可能な任意の設備を使用できる。
【0045】
よって、ミニエマルション重合条件下では、本明細書で用いるように、ポリオレフィンを、少なくとも1種のエチレン性不飽和モノマー中(各々本明細書に記載する通り)に溶解させる。本発明に従い、ポリオレフィンの添加後、放置時に、明澄から若干濁った溶液混合物が、明白な相分離なしで形成される(すなわち、溶液が実質的に均質と思われる)場合、ポリオレフィンはモノマー中で「溶解している」かまたは可溶性であると考えられる。得られる混合物を、次いで、水性媒体中に分散させてプレエマルションを形成する。水性媒体は、そのような重合条件で用いられる当該分野で公知の任意の水性媒体,例えば水/界面活性剤溶液であることができる。好適な界面活性剤の例としては、これらに限定するものではないが、ナトリウムドデシルスルフェート、TERGITOL 15S−40、AEROSOL OT−NV、およびDOWFAX 2A1が挙げられる。重合性界面活性剤もまた使用できる。次いで、高剪断装置を用いてプレエマルションに応力または剪断をかけてミニエマルションを形成する。エマルションに剪断をかけて、重合前に小液滴を形成することは、顕著な核生成部位および続いて重合が液滴内で起こることの原因となると考えられる。結果として、液滴からのモノマーの運搬および溶媒系ポリオレフィンの沈殿は回避されると考えられる。ミニエマルションの液滴は、典型的には、サイズが約25〜約500nmの範囲である。ミニエマルションは、次いで、アクリルラテックス形成のための従来の乳化重合法のように重合させることができる。
【0046】
応力を前乳化混合物に適用するための代替の方法は、十分な応力が適用され必須の粒子サイズ分布が実現される限りにおいて用いることができる。本発明の目的のために、平均液滴または粒子サイズは、典型的には約25〜約500nm、または約50nm〜約400nm、または約100〜約300nmである。重合後、ポリマー液滴または粒子の20%未満が、(ミーン)平均径約300nm超を有することが好ましい。
【0047】
上記のように、これらのポリオレフィンは、乏しい塗料接着を被る基材をコーティングするためのプライマーとして特に有用である。従って、このようなレジンは、例えばプラスチック基材に適用し、乾燥させ、そして従来のトップコートコーティング組成物をこれに適用することができる。代替として、本発明の組成物を種々のコーティング組成物とブレンドして、このような基材をコーティングするのに有用な自己プライマー組成物を与えることができる。このとき、このようなトップコート組成物は、任意のコーティング組成物であることができ、典型的には何種類もの従来のレジン,例えば、ポリエステル、アクリル、ウレタン、メラミン、アルキド等からなっている。加えて、このような組成物はまた、1種以上の典型的なコーティング添加剤を更に含むことができる。よって、本発明の更なる側面として、本発明のハイブリッドラテックスを含み、1種以上のコーティング添加剤,例えばレべリング剤、レオロジー剤、および流動制御剤(例えばシリコーン、フッ化炭素またはセルロース化合物);中和されたカルボン酸−含有ラテックス粒子(高度に架橋した粒子);関連の濃縮剤;艶消し剤;顔料湿潤および分散剤ならびに界面活性剤;紫外(UV)吸収剤;UV光安定剤;着色顔料;消泡および泡止剤;沈降防止剤、垂れ防止剤および粘り剤;皮張り防止剤;浸水防止剤および浮遊防止剤;殺菌剤および防カビ剤;腐食抑制剤;増粘剤;または融合剤;を更に含むコーティング組成物を提供する。このような添加剤の具体例は、Raw Materials Index,National Paint&Coatings Association,1500 Rhode Island Avenue,N.W.,Washington,D.C.20005より出版)に見出すことができる。
【0048】
艶消し剤の例としては、合成シリカ(Davison Chemical Division of W.R.Grace&Companyから商標SYLOID(登録商標)で入手可能);ポリプロピレン(Hercules Inc.から商標HERCOFLAT(登録商標)で入手可能);および合成シリケート(J.M.Huber Corporationから商標ZEOLEX(登録商標)で入手可能);が挙げられる。
【0049】
分散剤および界面活性剤の例としては、ナトリウムビス(トリデシル)スルホサクシネート、ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウムスルホサクシネート、ナトリウムジヘキシルスルホサクシネート、ナトリウムジシクロヘキシルスルホサクシネート、ジアミルナトリウムスルホサクシネート、ナトリウムジイソブチルスルホサクシネート、ジナトリウムイソ−デシルスルホサクシネート、スルホコハク酸のジナトリウムエトキシ化アルコール半エステル、ジナトリウムアルキルアミドポリエトキシスルホサクシネート、テトラナトリウムN−(1,2−ジカルボキシ−エチル)−N−オクタデシルスルホサクシナメート、ジナトリウムN−オクタスルホサクシナメート、硫酸化エトキシ化ノニルフェノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等が挙げられる。
【0050】
粘度、懸濁および流動制御剤としては、ポリアミノアミドホスフェート、ポリアミンアミドの高分子量カルボン酸塩、および不飽和脂肪酸のアルキレンアミン塩(全てBYK Chemie U.S.A.から商標ANTI TERRA(登録商標)で入手可能)が挙げられる。更なる例としては、ポリシロキサンコポリマー、ポリアクリレート溶液、セルロースエステル、ヒドロキシエチルセルロース、疎水変性ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリアミドワックス、ポリオレフィンワックス、カルボキシメチルセルロース、アンモニウムポリアクリレート、ナトリウムポリアクリレート、およびポリエチレンオキサイドが挙げられる。濃厚剤の他の例としては、メタン/エチレンオキサイド関連濃厚剤および水溶性カルボキシ化濃厚剤(例えばUCAR POLYPHOBE商標でUnion Carbideから販売されるもの)挙げられる。
【0051】
幾つかの独自の泡止剤が、例えば、商標BRUBREAK(Buckman Laboratories Inc.のもの)、BYK(登録商標)商標(BYK Chemie,U.S.A.のもの)、FOAMASTER(登録商標)商標およびNOPCO(登録商標)商標(Henkel Corp./Coating Chemicalsのもの)、DREWPLUS(登録商標)商標(Drew Industrial Division of Ashland Chemical Companyのもの)、TROYSOL(登録商標)商標およびTROYKYD(登録商標)商標(Troy Chemical Corporationのもの)、およびSAG(登録商標)商標(Union Carbide Corporationのもの)で市販で入手可能である。
【0052】
殺菌剤、防カビ剤、および殺生物剤の例としては、4,4−ジメチルオキサゾリジン、3,4,4−トリメチルオキサゾリジン、変性バリウムメタボレート、カリウムN−ヒドロキシ−メチル−N−メチルジチオカルバメート、2−(チオシアノメチルチオ)ベンゾチアゾール、カリウムジメチルジチオカルバメート、アダマンタン、N−(トリクロロメチルチオ)フタルイミド、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル、オルトフェニルフェノール、2,4,5−トリクロロフェノール、デヒドロ酢酸、ナフテン酸銅、銅オクトエート、有機ヒ素化合物、トリブチルスズ酸化物、ナフテン酸亜鉛、および銅8−キノリネートが挙げられる。
【0053】
U.V.吸収剤およびU.V.光安定剤の例としては、置換ベンゾフェノン、置換ベンゾチアゾール、ヒンダードアミン、およびヒンダードベンゾエート(American Cyanamid Companyから商標CYASORB UVで入手可能)、およびジエチル−3−アセチル−4−ヒドロキシ−ベンジル−ホスホネート、4−ドデシルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、およびレゾルシノールモノベンゾエートが挙げられる。
【0054】
上記のこのような塗料またはコーティングの添加剤は、コーティング組成物の比較的低比率、例えば約0.05〜約5.00質量パーセント(組成物の成分の総質量基準)を形成する。
【0055】
本発明の更なる側面として、上記したようなコーティング組成物であって、1種以上の顔料および/またはフィラーを、濃度約1〜約70質量パーセント、例えば約30〜約60質量パーセント(組成物の成分の総質量基準)で更に含むものを提供する。
【0056】
本発明によって想定される、コーティング組成物中での使用に好適な顔料は、典型的な有機および無機の顔料(表面コーティングの当業者に周知のもの、特に、Colour Index,3d Ed.,2d Rev.,1982(Society of Dyers and Colouristsにより出版)(American Association of Textile Chemists and Coloristsの関係)によって記載されるもの)である。例としては、以下に限定されるものではないが:CI Pigment White 6(二酸化チタン);CI Pigment Red 101(弁柄);CI Pigment Yellow 42,CI Pigment Blue 15,15:1,15:2,15:3,15:4(銅フタロシアニン);CI Pigment Red 49:1;およびCI Pigment Red 57:1が挙げられる。
【0057】
本発明によって想定されるコーティング組成物において有用な界面活性剤の一群は、広範にはノニオン性界面活性剤と説明できる。界面活性剤は、分子量最大500以上を有することができ、そしてポリマー物質を包含できる。界面活性剤としては、変化する極性の基を含有することによって分子の一方の部分が親水性で分子の他方の部分が疎水性である物質が挙げられる。このような物質の例としては、ポリエチレンオキシポリオールおよびエトキシ化アルキルフェノールが挙げられる。界面活性剤の特に好ましい分類としては、アルキルフェノキシポリ(エチレンオキシ)アルコール、1級エトキシ化アルコールおよび2級エトキシ化アルコールが挙げられる。好適には、界面活性剤は、1級エトキシ化アルコール(12〜15個の炭素原子を有するもの)または2級エトキシ化アルコール(11〜15個の炭素原子を有するもの)である。アルキルフェノキシポリ(エチレンオキシ)アルコールの例としては、IGEPAL(登録商標)CO−710(Rhone Poulencにより販売)が挙げられる。1級エトキシ化アルコールの例としては、NEODOL(登録商標)25−9およびNEODOL(登録商標)25−12(Shell Chemical Companyにより販売)が挙げられる。2級エトキシ化アルコールの例としては、TERGITOL(登録商標)15−S−9およびTERGITOL(登録商標)15−S−15(Union Carbide Companyにより販売)が挙げられる。好適には、界面活性剤の量は、0〜50質量パーセントの範囲、例えば0〜25質量パーセントの範囲(変性塩素化カルボキシ化ポリオレフィンの質量基準)である。界面活性剤の他の例としては、米国特許第5,663,266号(参照により本明細書に組入れる)に記載されるものが挙げられる。
【0058】
水の量は広く変動でき、そして使用する水の量に上限はない。水の量には下限があってもよい。成分の混合の形成をもたらすのに十分な水が組成物中に存在するのがよいからである。一態様において、少なくとも50質量パーセントの水(総組成物の質量基準)が組成物中に存在する。別の態様において、約50〜90質量パーセントの水が組成物中に存在する。
【0059】
本発明の組成物は、例えば、塗装前のプラスチックおよび金属の基材のためのプライマーにおいて有用である。組成物の分散体は、基材に対して、調製されたままの状態で適用してもよく、またはこれらは水で更に希釈してもよい。両者の水系物質は、基材に対してスプレー塗布、ディップ、または任意の他の可能な手段(組成物の基材上への均一コーティングを可能にするもの)で適用できる。後続のトップコート,例えば塗料、接着剤、
およびインク、を次いで、本発明のプライマーの上に適用できる。
【0060】
所望であれば、共溶媒を水性コーティング組成物中で使用できる。このとき、本発明の水性組成物のための好適な共溶媒としては、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、イソブタノール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジアセトンアルコール、および他の水混和性溶媒が挙げられる。
【0061】
これらの組成物はまた、塗料トップコート用の添加剤として使用できる。この場合、組成物はまた、基材上への適用前にコーティングに添加できる。
【0062】
先に記載したような、このような塗料またはコーティングの添加剤は、コーティング組成物の比較的低比率、好適には約0.05〜約5.00質量パーセント(組成物の成分の総質量基準)を形成する。
【0063】
本発明の更なる側面として、先に記載した接着促進コーティング組成物であって、1種以上の顔料および/またはフィラーを、濃度約0.5〜約50質量パーセント、例えば約5〜約30質量パーセント(組成物の成分の総質量基準)で更に含むものを提供する。
【0064】
本発明によって想定されるコーティング組成物中での使用に好適な顔料は、典型的な有機および無機の顔料(表面コーティングの当業者に周知のもの、特に、Colour Index,3d Ed.,2d Rev.,1982(Society of Dyers and Colouristsにより出版)(American Association of Textile Chemists and Coloristsの関係)によって記載されるもの)である。例としては、以下に限定されるものではないが:CI Pigment Black 7(カーボンブラック);CI Pigment White 6(二酸化チタン);CI Pigment Red 101(弁柄);CI Pigment Yellow 42,CI Pigment Blue 15,15:1,15:2,15:3,15:4(銅フタロシアニン);CI Pigment Red 49:1;およびCI Pigment Red 57:1が挙げられる。
【0065】
本発明の接着促進コーティング組成物、更にその、従来のコーティング配合物との前記のブレンド物(自己プライマー組成物を形成するためのもの)は、基材に対してスプレー塗布、ディップ、または任意の他の可能な手段(接着促進コーティング組成物の、強化された非オレフィン基材上への均一コーティングを可能にするもの)で適用できる。
【0066】
本発明は、その好ましい態様の以下の例によって更に説明できるが、これらの例は例示の目的のみで包含され、そして本発明の範囲の限定を意図しないことが理解されよう。
【0067】

例1
229gのブチルメタクリレート、59gの2−エチルヘキシルアクリレートおよび126gのCP 343−1の溶液を、50〜60℃で形成した。253gの水、4.2gのドデシル硫酸ナトリウム、2.0gの50%水酸化ナトリウム、4.2gの50%のナトリウム2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホネート(Lubrizol 2405−AMPS)水中溶液および5.9gのメタクリル酸、の溶液を、ジャケット付フラスコ中に入れ、そして低温(15℃)水道水をジャケットに循環させた。水溶液を機械ホモジナイザー(IKA Labortechnik Ultra−Turrax T50 Basic,再循環ヘッドを有する)で撹拌しながら、モノマーおよびCP343−1の溶液をこれに添加した。ミニエマルションは、速度設定6(10,000rpm)で15分間剪断をかけることで形成した。ミニエマルションのpHは5.0、そして粒子サイズ(mv)は、光散乱(Microtrac)で、0.1%ドデシル硫酸ナトリウム中で498nmであった。
【0068】
重合は、1Lのジャケット付反応器(循環水で加熱され、窒素入口、熱電対および機械撹拌器を備える)中で実施した。反応器に240gの水を入れ、窒素でパージし、そして85〜90℃に加熱した。前のステップで形成したミニエマルションを、次いで、約120分間かけて添加した。同時に、2.0gのt−ブチルパーオクトエート、0.5gドデシル硫酸ナトリウムおよび46gの水の分散体を120分間かけて添加した。反応器の内容物を、次いで、85〜90℃に1時間維持し、冷却し、そして100メッシュスクリーンを通してろ過した。乳白色の低粘度生成物は、pH5.8、粒径429nm、41.7%NVMを有していた。
【0069】
生成物の接着向上能力を、例4のように評価した。対照サンプルは市販製品、CP 310Wを含有し、接着促進剤は有さない。各パーセントは、3評価の平均である。
【0070】
1−パックトップコート:対照サンプルは、例1と市販製品との比較を与える。
【0071】
【表1】

【0072】
【表2】

【0073】
2−パックトップコート:例1は、対照(これは典型的には、2−パックトップコートの我々の評価では良好には機能しない)よりも良好に機能する。
【0074】
【表3】

【0075】
例2(比較)
ミニエマルションの調製のための、機械ホモジナイザーによる一般的な手順、続いてモノマー可溶性開始剤を用いての半連続重合
262gのブチルメタクリレート、67gの2−エチルヘキシルアクリレートおよび84gのCP 730−1の溶液を、50〜55℃で形成した。253gの水、4.2gのドデシル硫酸ナトリウム、2.0gの50%水酸化ナトリウム、4.2gの50%の2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホネート(Lubrizol 2405−AMPS)水中溶液および6.7gのメタクリル酸、の溶液を、ジャケット付フラスコ中に入れ、そして低温(15℃)水道水をジャケットに循環させた。水溶液を機械ホモジナイザー(IKA Labortechnik Ultra−Turrax T50 Basic,再循環ヘッドを有する)で撹拌しながら、モノマーおよびCP730−1の溶液をこれに添加した。ミニエマルションは、速度設定6(10,000rpm)で14分間剪断をかけることで形成した。ミニエマルションのpHは5.3、そして粒子サイズ(mv)は、光散乱(Microtrac)で、0.1%ドデシル硫酸ナトリウム中で422nmであった。ミニエマルションを20℃まで冷却し、そして2.0gのt−ブチルパーオクトエート、モノマー可溶性ラジカル開始剤を添加し、そしてミニエマルションをタービンブレードで20分間撹拌した(これを氷水の中で低温に保ちながら)。重合は1Lジャケット付反応器(循環水で加熱され、窒素入口、熱電対および機械撹拌器を備える)中で実施した。反応器に240gの水および4.2gのLubrizol 2405 AMPSを入れ、窒素でパージし、そして85〜90℃に加熱した。前のステップで形成したミニエマルションを93分間かけて添加した。反応器の内容物を、次いで、85〜90℃に1時間維持し、冷却し、そして100メッシュスクリーンを通してろ過した。乳白色の低粘度生成物は、pH5.8、粒径382nm、43.8%NVMを有していた。
【0076】
例3(比較)
例2と同じ手順であるが、水溶性開始剤で行った。
【0077】
262gのブチルメタクリレート、67gの2−エチルヘキシルアクリレートおよび84gのCP 730−1の溶液を、50〜55℃で形成した。253gの水、4.2gのドデシル硫酸ナトリウム、2.0gの50%水酸化ナトリウム、4.2gの50%の2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホネート(Lubrizol 2405−AMPS)水中溶液および6.7gのメタクリル酸、の溶液を、ジャケット付フラスコ中に入れ、そして低温(15℃)水道水をジャケットに循環させた。水溶液を機械ホモジナイザー(IKA Labortechnik Ultra−Turrax T50 Basic,再循環ヘッドを有する)で撹拌しながら、モノマーおよびCP730−1の溶液をこれに添加した。ミニエマルションは、速度設定6(10,000rpm)で14分間剪断をかけることで形成した。ミニエマルションのpHは5.0、そして粒子サイズ(mv)は、光散乱(Microtrac)で、0.1%ドデシル硫酸ナトリウム中で419nmであった。
【0078】
重合は1Lジャケット付反応器(循環水で加熱され、窒素入口、熱電対および機械撹拌器を備える)中で実施した。反応器に240gの水および4.2gのLubrizol 2405 AMPSを入れ、窒素でパージし、そして80℃に加熱した。重合の開始時に、0.7gの過硫酸ナトリウムおよび10gの水の混合物を反応器に添加した。前のステップで形成したミニエマルションを、111分間かけて添加した。同時に、0.7gの過硫酸ナトリウムおよび35gの水の混合物を90分間かけて添加した。反応器の内容物を、85〜90℃に1時間維持し、冷却し、そして100メッシュスクリーンを通してろ過した。乳白色の低粘度生成物は、pH5.3、粒径187nm、44.3%NVMを有していた。
【0079】
例4
本発明の水性組成物を熱可塑性ポリオレフィンパネル用の水性接着向上プライマーとして用いるための一般的な手順
例4は、例2および3の比較を与え、そして例2における油溶性開始剤が、水溶性開始剤を有する例3よりも良好な接着を有する生成物をもたらすことを示す。
【0080】
例2および3の生成物は、水を添加することによって20%NVMに低下させた。基材は、2”×6”熱可塑性ポリオレフィンパネル(Solvay Sequel 1440,ロット1661797,コード55454BH(Standard Plaque Inc.,17271 Francis St.,Melvindale,MI,USA,48122より))であった。全ての試験は3重で行った。パネルをイソプロパノールできれいに拭いて空気乾燥した。希釈した接着促進剤水中分散体をパネル上にスプレーした。パネルを環境条件下で約3分間乾燥させ、そしてパネルに再びスプレーした。室温での乾燥後、パネルにトップコートをスプレーした。
【0081】
1−パック(1K)ベースコートは、Dupont IK/IK ベースコート コード872−DF716,クリアコート コードRK−3939であった。2−パック(2K)ベースコートは、Red Spot 2K/2K ベースコート コード206LE20849 bom,クリアコート コード379521654CCであった。
【0082】
ベースコートは、圧力50psiでスプレーし、そしてクリアコートは圧力45psiでスプレーした。1Kパネルは、170°Fで40分間硬化させた。2Kパネルは、250°Fで40分間硬化させた。パネルを、次いで、評価をする前に、7〜10日間約70°F/50%湿度においた。
【0083】
硬化したパネルは、ASTM D3359Bに準拠するクロスハッチテープ試験で、初期接着を試験することによって評価した。結果は、基材上に残ったコーティングのパーセントとして報告する。初期接着の評価に続き、コートされたパネルをCleveland湿度キャビネット上においた。Cleveland湿度に曝露した後の接着を、ASTM D4585(120°F)に準拠して導き、そしてコーティング系の膨れを、ASTM D−714に準拠して評価した。接着を評価するために用いたテープはPermacel 99であった。
【0084】
例2および3の、1−パックトップコート用のプライマーとしての比較を以下に示す。報告するパーセントは2つの読み値の平均である。
【0085】
【表4】

【0086】
例2および3によって与えられる、2−パックトップコート用のプライマーとして使用したときの接着の比較を以下に示す。モノマー可溶性開始剤で形成されたラテックスはより良好に機能する。報告するパーセントは2つの読み値の平均である。
【0087】
【表5】

【0088】
本発明を、その好ましい態様を特に参照して詳細に説明してきたが、本発明の精神および範囲の中で変更および改変をなすことができることが理解されよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水性組成物を製造する方法であって:
混合物に剪断をかけてミニエマルションを生成し、そして該ミニエマルションを、モノマー可溶性開始剤の存在下で重合させて該水性組成物を生成することを含み;該混合物が、少なくとも1種の接着促進剤、少なくとも1種のエチレン性不飽和モノマー、少なくとも1種の界面活性剤、および水を含む、方法。
【請求項2】
該接着促進剤を少なくとも1種のエチレン性不飽和モノマー中に溶解させて接着促進剤/モノマー混合物を形成し、そして次いで、該接着促進剤/モノマー混合物を、界面活性剤および水を含む水性媒体中に分散させて該混合物を形成する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
該剪断を、高剪断装置を用いて行って、サイズが約50〜約500ナノメートルの範囲の液滴を形成して該ミニエマルションを形成する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
該接着促進剤がポリオレフィンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
該ポリオレフィンがハロゲン化されている、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
該ハロゲンが塩素である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
該接着促進剤が、マレエート化、塩素化ポリオレフィンまたはマレエート化ポリオレフィンの1種以上である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
該ポリオレフィンを多官能アルコールで変性させる、請求項4に記載の方法。
【請求項9】
該多官能アルコールが、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−プロピレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリウレタンポリオール、グルコース、スクロース、2−アミノ−1−プロパノール、エタノールアミン、1,3−プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、2,2−ジブチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、エチレングリコール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、2,2−ジメチル−3−アミノ−1−プロパノール、およびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
該水性組成物の接着促進剤部分が、水性組成物の総固形分基準で約0.5〜約60質量パーセントとなる、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
該水性組成物の接着促進剤部分が、水性組成物の総固形分基準で約5〜約40質量パーセントとなる、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
該水性組成物の接着促進剤部分が、水性組成物の総固形分基準で約10〜約30質量パーセントとなる、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
該エチレン性不飽和モノマーが、スチレンモノマー,例えばスチレン、アルファ−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルトルエン、クロロメチルスチレン等;エチレン性不飽和種,例えばメチルアクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、エチルヘキシルアクリレート、エチルヘキシルメタクリレート、オクチルアクリレート、オクチルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ラウリルアクリレートグリシジルメタクリレート、カルボジイミドメタクリレート、アルキルクロトネート、ビニルアセテート、ジ−n−ブチルマレエート、ジ−オクチルマレエート、アセトアセトキシエチルメタクリレート、ジアセトンアクリルアミド、アクリルアミド、メタクリルアミド、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、およびアクリロニトリル等;または窒素含有モノマー,例えばt−ブチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N’−ジメチルアミノプロピルメタクリレート、2−t−ブチルアミノエチルメタクリレート、N,N’−ジメチルアミノエチルアクリレート、N−(2−メタクリロイルオキシ−エチル)エチレンウレア、メタクリルアミドエチルエチレンウレア等;の1種以上である、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
該エチレン性不飽和モノマーに由来するポリマーが、水性組成物の総固形分基準で約40〜約99質量パーセントとなる、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
該エチレン性不飽和モノマーに由来するポリマーが、水性組成物の総固形分基準で約60〜約95質量パーセントとなる、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
該エチレン性不飽和モノマーに由来するポリマーが、水性組成物の総固形分基準で約80〜約96質量パーセントとなる、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
該界面活性剤が、アニオン性界面活性剤およびノニオン性界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
該界面活性剤が、アルカリアルキルスルフェート、アンモニウムアルキルスルフェート、アルキルスルホン酸、脂肪酸、オキシエチル化アルキルフェノール、スルホサクシネートまたは誘導体の1種以上である、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
該界面活性剤が、少なくとも1種の重合性界面活性剤である、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
該界面活性剤が、水性組成物の総固形分基準で約0.10〜約10質量パーセントとなる、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
該界面活性剤が、水性組成物の総固形分基準で約0.3〜3質量パーセントとなる、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
該開始剤が、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、アゾ開始剤,例えばAIBN、または炭酸アンモニウム、過酸化水素、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジ−ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、もしくはベンゾイルパーオキサイドの1種以上である、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
該混合物が、少なくとも1種の共安定剤を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
該共安定剤が、へキサデカンまたはヘキサデカノールの1種以上である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
請求項1に記載の方法によって製造される、水性組成物。
【請求項26】
請求項1に記載の水性組成物を含む、コーティング。
【請求項27】
請求項26に記載の水性組成物と、レオロジー剤、流動制御剤、増量剤、反応性融合助剤、可塑剤、艶消し剤、顔料湿潤および分散剤、界面活性剤、紫外(UV)吸収剤、UV光安定剤、着色顔料、着色剤、消泡剤、泡止剤、沈降防止剤、垂れ防止剤および粘り剤、皮張り防止剤、浸水防止剤、浮遊防止剤、殺生物剤、殺菌剤、防カビ剤、腐食抑制剤、増粘剤、ならびに融合剤からなる群から選択される少なくとも1種の添加剤とを含む、コーティング組成物。
【請求項28】
組成物が、構造コーティング、保守コーティング、工業コーティング、自動車コーティング、布帛コーティング、インク、接着剤、または紙用、木材用およびプラスチック用のコーティングにおいて有意の接着促進特性を与える、請求項27に記載のコーティング組成物。

【公表番号】特表2011−508006(P2011−508006A)
【公表日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−539429(P2010−539429)
【出願日】平成20年12月5日(2008.12.5)
【国際出願番号】PCT/US2008/013423
【国際公開番号】WO2009/078922
【国際公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(594055158)イーストマン ケミカル カンパニー (391)
【Fターム(参考)】