説明

接着剤の塗布状態検査方法と装置

【課題】既存のラミネーション装置に容易に付設することができ、アルミニウム箔表面の接着剤の塗布状態を精度よく検出することできる接着剤の塗布状態検査方法と装置を提供する。
【解決手段】アルミニウム箔12表面の接着剤14の溶剤成分を除去した後、アルミニウム箔12にプラスチックフィルム16等を圧着する前に、アルミニウム箔12の表面の接着剤塗布面の温度を赤外線サーモグラフィ38により測定する。接着剤塗布面の温度分布に基づいて、接着剤14の塗布状態を検出し、接着剤塗布面の温度が所定の基準値以下の場合に、接着剤14の塗布ムラがあると判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、アルミニウム箔表面に塗布されたラミネーション用の接着剤の塗布状態を測定する塗布状態検査方法と装置に関する。
【背景技術】
【0002】
アルミニウム箔に紙やプラスチック等の他の材料を貼り合わせ、それぞれの素材が持つ長所を生かした様々な複合包装シートが開発されている。例えば、アルミニウム箔に非孔質性のプラスチックフィルムを貼り合わせると、比較的強度が弱いアルミニウム箔が補強され、同時に優れた防湿性等を備えた包装シートを得ることができる。この種の包装シートは、例えば、容器シートの凹部に医薬用の錠剤やカプセル等を収容し、凹部の開口を包装シートで閉鎖するPTP(press through package)等に広く使用されている。
【0003】
アルミニウム箔に非孔質性のプラスチックフィルムを貼り合わせる方法として、例えば乾式貼り合わせ法がある。乾式貼り合わせ法は、接着剤塗布装置でアルミニウム箔の表面に接着剤を塗布し、乾燥装置を通過させて接着剤中の溶剤成分を除去し、その後、フィルム貼付装置を用いてアルミニウム箔の接着剤塗布面にプラスチックフィルムを加熱圧着し、ラミネートされた包装シートを得るものである。この方法の場合、フィルム貼付装置に搬入される段階で、アルミニウム箔表面の接着剤が薄く均一に付着していることが求められるが、アルミニウム箔へ液状の接着剤を塗布する際の塗布量の変動や、乾燥時に接着剤中の溶剤成分が飛散する過程で生じる粘度及び濃度の変化等の影響により、残留する固形分の付着量にムラが生じるおそれがあり、プラスチックフィルムの加熱圧着を行ったときに接着不良が発生しやすいという問題があった。
【0004】
このような接着剤の塗りムラが生じないようにするため、例えば、特許文献1に開示されているように、接着剤塗布装置の構成や制御方法に改善を加える検討も行われているが、その効果は十分ではなく、また装置の構成が複雑で既存の接着剤塗布装置を改造して適用できるものではなかった。
【0005】
従って、一般的には、プラスチックフィルムが貼り付ける前にアルミニウム箔表面の接着剤の塗布状態を目視検査し、塗りムラのある領域を発見したときは、「この部分に不具合領域がある」旨を表示する識別ラベルを付しておき、後の工程で当該部分をラインアウトさせ、接着不良の包装シートが市場に流出するのを防止していた。
【0006】
また、特許文献2には、アルミニウム箔にプラスチックフィルム等のラミネートフィルムが貼り付けられた包装シートを用いて蓋をした食品包装製品の検査方法であって、包装シートに外部から熱変化を与え、包装シートの異物付着部が他部と異なる熱容量のために生じる温度差を赤外線検出器で測定し、包装シートの異物付着の有無を判定する検査方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平6−262111号公報
【特許文献2】特開昭62−28650号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
アルミニウム箔表面の接着剤の状態を目視検査する場合、接着剤がほぼ透明で、アルミ地金の色調や光の反射の影響を受けやすいことから、接着剤の塗りムラの状態を正確に把握して的確な良否判定を行うことが困難であった。
【0009】
また、特許文献2の異物付着有無の検査方法は、完成品の包装シートに付着した異物の有無を検出するものであり、アルミニウム箔とラミネートフィルムとの間の接着不良を防止することができる方法ではない。
【0010】
この発明は、上記背景技術に鑑みて成されたものであり、既存のラミネーション装置に容易に付設することができ、アルミニウム箔表面の接着剤の塗布状態を精度よく検出することできる接着剤の塗布状態検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明は、アルミニウム箔の表面にラミネーション用の接着剤を塗布し、前記接着剤の溶剤成分を加熱して除去した後、前記アルミニウム箔の接着剤塗布面にプラスチックフィルム等のシート材を圧着する前に、前記アルミニウム箔表面の接着剤塗布面の温度を赤外線温度測定装置により測定し、前記接着剤塗布面の温度分布に基づいて前記接着剤の塗布状態を検出し、前記接着剤塗布面の温度が所定の基準値以下の場合に、前記接着剤の塗布ムラがあると判定する接着剤の塗布状態検査方法である。
【0012】
前記接着剤塗布面の温度の前記基準値は、前記アルミニウム箔の送り方向と直角方向の前記アルミニウム箔の幅方向において、前記アルミニウム箔の中央部を側縁部よりも高く設定することが好ましい。
【0013】
またこの発明は、アルミニウム箔の表面にラミネーション用の接着剤を塗布する接着剤塗布装置と、前記接着剤が塗布された前記アルミニウム箔が送り込まれ、当該接着剤中の溶剤成分を除去する加熱式の乾燥装置と、前記乾燥装置から送出された前記アルミニウム箔の接着剤塗布面にシート材を圧着するフィルム貼付装置とを備えたラミネーション装置に付設される装置であって、前記乾燥装置の搬出口近傍に設置した赤外線温度測定装置を備え、この赤外線温度測定装置を用いて前記乾燥装置から送出された前記アルミニウム箔の接着剤塗布面の温度を測定し、その測定温度に基づいて前記接着剤の塗布状態を検出する検出手段を備えた接着剤の塗布状態検査装置である。
【0014】
前記赤外線測定装置は、前記乾燥装置から送出される一定幅で連続する前記アルミニウム箔の接着剤塗布面の温度を測定するもので、その測定温度は、前記アルミニウム箔の送りの幅方向に位置する複数の座標点の測定温度である。
【0015】
また、前記検出手段は、前記赤外線温度測定装置が測定した測定温度が基準値よりも低くなると、又は前記アルミニウム箔の接着剤塗布面の、幅方向の一部の範囲での測定温度の平均値が、基準値よりも低くなると異常を示すアラーム信号を出力する判定手段から成るものである。
【発明の効果】
【0016】
この発明の接着剤の塗布状態検査方法と装置は、アルミニウム箔表面の接着剤の塗りムラがあるとアルミニウム箔表面の接着剤の熱容量が部分的に不均一になることを利用し、接着剤の塗りムラの程度を定量的に精度よく検出することができる。従って、従来の目視検査における作業者の判断のばらつきが排除され、客観的で的確な検査を行うことができる。
【0017】
また、接着剤の塗りムラの良否判定が、乾燥装置によって接着剤の溶剤成分が除去された後の段階、すなわち相手方のプラスチックフィルムに貼り付けられる直前の段階で行われるので、包装シートの接着不良の重要要因である接着剤の樹脂成分の付着状態を正確に検査することができる。
【0018】
また、上記背景技術の特許文献2の検査方法の場合、アルミニウム箔を加熱して表面に温度差を生じさせるために専用の加熱手段を設ける必要があるが、本発明の場合、前段の加熱式の乾燥装置によって加熱されているアルミニウム箔の温度を測定するので、新たに加熱手段を設ける必要がなく、既存のラミネーション装置に容易に付設することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】この発明の接着剤の塗布状態検査装置の一実施形態を含むラミネーション装置の構成を示す模式図である。
【図2】赤外線サーモグラフィで測定されたA部の画像データと、この画像データのA1−A2間の温度分布を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、この発明の接着剤の塗布状態検査装置の一実施形態について、図面に基づいて説明する。図1に示すラミネーション装置10は、アルミニウム箔12の一方の面に、ラミネーション用の接着剤14を介して、シート材である例えばプラスチックフィルム16を貼り付けることによって複合包装用シートである包装シート18を製造する装置であり、乾式貼り合わせ法によってラミネーションを行う。
【0021】
ラミネーション装置10に投入されるアルミニウム箔12は、一定幅で連続してロール状に巻かれており、そのロールから送り出される。プラスチックフィルム16は、例えば、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、ポリプロピレン樹脂(PP)、ナイロン等の合成樹脂シートであり、アルミニウム箔12と同程度の一定幅で連続してロール状に巻かれており、そのロールからラミネーション装置10に送り出される。接着剤14は、例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、変性ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂又はウレタン樹脂等の主成分の接着用樹脂が混合比数十%で加えた溶剤によって希釈され、一定の流動性を備えている。接着剤14は、上部が開口した容器15に入れられている。
【0022】
ラミネーション装置10は、図1に示すように、接着剤塗布装置18、乾燥装置20及びフィルム貼付装置22を備えている。接着剤塗布装置28は、接着剤14中に一部が浸漬されているグラビアロール24が回転することによって、押えロール26との間に連続して送られてくるアルミニウム箔12の下面に接着剤14を塗布するものである。接着剤14は、溶剤で希釈され良好な流動性を備えており、アルミニウム箔12表面を覆うように非常に薄く、ほぼ均一に広がる。
【0023】
乾燥装置20は、両端が開口したトンネル炉状の構造になっており、接着剤14が塗布されたアルミニウム箔12が入口20aから送り込まれ、アルミニウム箔12及び接着剤14を高温雰囲気中で加熱し、接着剤14中の溶剤や水分を除去した後、出口20bから送出するものであり、出口20bから送出されたアルミニウム箔12表面には、接着剤塗布面に主成分である固形分のみが残留する。この残留固形分の厚みは、アルミニウム箔12の厚みや包装シートの用途によって異なり、概略0.1〜10μmの範囲に設定される。
【0024】
乾燥装置20から送出されたアルミニウム箔12は、ガイドロール27にガイドされて、フィルム貼付装置22に送られる。特に、ガイドロール27は、周囲の機械や照明から出た赤外線を反射して、後述する赤外線サーモグラフィ38に入射させないように表面がゴム製のロールが好ましい。
【0025】
フィルム貼付装置22は、乾燥装置20から送出されたアルミニウム箔12を、加熱スチールロール28によって接着剤14が塗布されていない側の面を加熱し、接着剤14を軟化させる。同時に接着剤塗布面に対面するように、プラスチックフィルム16を連続して送り、アルミニウム箔12及びプラスチックフィルム16を加熱スチールロール28及びゴムロール30との間に通して圧着する。その後、軟化している接着剤14を冷却ロール32で冷却して硬化させ、でき上がった包装シート34をロール状に巻き取る。
【0026】
この実施形態の塗布状態検査装置36は、ラミネーション装置10の乾燥装置20の後段に付設されている。塗布状態検査装置36は、乾燥装置20の出口20bの近傍A部に設置された赤外線温度測定装置である赤外線サーモグラフィ38と、赤外線サーモグラフィ38の測定温度に基づいて接着剤14の塗布状態を検出する図示しないモニタやコンピュータ等の検出手段を備えている。検出手段は、赤外線サーモグラフィ38の測定温度の解析を行い、接着剤14の塗布状態の良否判定を行う判定手段40を備えている。
【0027】
赤外線サーモグラフィ38は、赤外線イメージセンサを内蔵した赤外線カメラを備え、出口20bから連続して送出されるアルミニウム箔12の接着剤塗布面側に設置され、図1に示すA部を通過する接着剤塗布面から放射されている赤外線エネルギーを複数の座標点で測定し、各座標点の測定データを温度に換算して温度分布を画像表示する。測定位置であるA部では、赤外線サーモグラフィ38で撮像されるアルミニウム箔12の接着剤塗布面の画像中にガイドロール27が映らないようにする。図示しないモニタ上の温度分布の画像データ39は、図2に示すように、測定温度の高低が色の違いに変換され、温度分布が色分布として表示される。
【0028】
判定手段40は、赤外線サーモグラフィ38が測定を行った複数の座標点のうち、アルミニウム箔12の送り方向と略直角なA1−A2間を結ぶ線上にある座標点を選択し、当該各座標点の測定温度と基準温度(T1,T2又はT3)とを比較することによって、アルミニウム箔12表面の接着剤14の塗布状態、すなわち接着剤14の残留固形分の付着状態の良否を判定する。
【0029】
アルミニウム箔12及び接着剤14は、乾燥装置20内の高温雰囲気中で加熱され、全体として一様に高温状態になっており、出口20bから室内雰囲気中に送出されると温度が低下し始める。
【0030】
アルミニウム箔12自体は金属なので熱容量が非常に小さいが、合成樹脂で成る接着剤14の固形分はアルミニウム箔12に比べて熱容量が大きい。従って、接着剤14の樹脂成分が薄く付着している部分は熱容量が比較的小さくなるので、周囲温度が低下すると当該部分の温度も素早く追従して低下する。一方、接着剤14の固形分が厚く付着している部分は熱容量が大きくなるので、周囲温度が低下したとき当該部分の温度は相対的に緩慢に低下する。
【0031】
アルミニウム箔12表面の接着剤14に塗りムラがなく、接着剤14の残留固形分が均一に付着している領域については、出口20bから室内雰囲気中に送出されると、温度が一様な速度で低下するので、当該領域内の温度分布がほとんど一様になる。それに対して、接着剤14に塗りムラがあり、接着剤14の残留固形分の付着量が不均一になっている領域については、出口20bから室内雰囲気中に送出されると、熱容量が大きい部分と小さい部分で温度の低下速度に差が発生するので、当該領域内の温度分布が不均一になる。
【0032】
判定手段40には、図2に示すように、A1−A2間を領域1,2,3に区分して、領域ごとに基準温度T1,T2,T3が設定されている。そして、判定手段40は、赤外線サーモグラフィ38が測定したA1−A2間の座標点の測定温度と基準温度T1,T2,T3とを比較し、測定温度の方が低いとき「この座標点は、接着剤14の固形分の付着量が少ない」と判定し、異常を示すアラーム信号を出力する。アラーム信号は、作業者に異常を知らせるブザーや周辺機器に異常を伝える電気信号などであり、特に限定されない。
【0033】
ここで、基準温度T1,T2,T3は、T1≒T3<T2となるように設定されている。例えば、アルミニウム箔12の幅が広い場合、乾燥装置20の出口20bから送出されると、アルミニウム箔12の左右端部の温度の方が中央部の温度よりも速く低下する傾向がある。そこで、この判定手段40では、領域1,2,3ごとに異なる基準温度T1,T2,T3を設定され、温度が低下する速度の差の影響が補正されることによって、接着剤14の塗布状態の良否判定の精度が向上している。
【0034】
以上説明したように、この実施形態の接着剤の塗布状態検査装置36は、アルミニウム箔12表面の接着剤14の塗りムラがあるとアルミニウム箔12の熱容量が部分的に不均一になる性質を利用し、接着剤14の塗りムラの程度を定量的に精度よく検出することができる。従って、従来の目視検査における作業者の判断のばらつきが排除され、客観的で的確な検査を行うことができる。
【0035】
また、接着剤14の塗りムラの良否判定が、乾燥装置20によって接着剤14の溶剤成分が除去された後の段階、すなわち相手方のプラスチックフィルム16に貼り付けられる直前の段階で行われるので、接着剤塗布装置18で希釈された接着剤14を塗布した時の塗布量の変動の影響のほか、乾燥装置20内で接着剤14の溶剤成分が飛散する過程で生じる粘度及び濃度の変化の影響も含めて、包装シート34の接着不良の重要要因である接着剤14の残留固形分の付着状態を直接的に検査することができる。
【0036】
なお、この発明の接着剤の塗布状態検査装置は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、製造ライン等において温度測定データを画像表示する必要がなければ、赤外線サーモグラフィ38に代えて、画像表示機能を備えていない他の赤外線温度測定装置を使用することができる。アルミニウム箔と貼り合わせるシート材は、プラスチックフィルム以外に紙やセロファン、他のアルミニウム箔やその他金属箔であっても良い。
【0037】
さらに、赤外線温度測定装置として赤外線検知可能なラインセンサをアルミニウム箔の送り方向と直角に配設して、上述のようにA1−A2線上で赤外線強度を測定可能とし、このライン上で、赤外線ラインセンサの各素子の出力を所定タイミングでサンプリングすることにより、上記と同様の処理を行うことができる。
【0038】
また、接着剤の塗布状態を判定する基準値は、予め決められた一定の温度を基準値としても良いが、測定範囲の接着剤塗布面の平均温度を基にその平均温度又は平均温度から一定温度引いた温度を基準値として設定し、判定を行っても良い。
【0039】
上記実施形態の判定手段40の場合、領域1,2,3毎に異なる基準温度T1,T2,T3を設定して補正を加えているが、これは補正方法の一例に過ぎない。例えば、アルミニウム箔の厚み、塗布した接着剤の素材や厚み、乾燥装置内の温度、室内温度などの関係で、基準温度を領域ごとに補正する必要がないときは、全ての座標点について同一の基準温度を設定することができる。反対に、さらに細かく領域を区分して各領域に適正な基準温度を設定することによって、より厳密な良否判定を行うことができるようにしてもよい。
【0040】
また、判定手段で行う良否判定は、各座標点の測定温度を個々に基準電圧と比較することによって行ってもよいが、例えば、赤外線温度測定装置の測定温度に不規則なノイズが重畳し誤差が生じている場合には、各座標点の測定温度の平均値を算出することによってノイズの影響をマスクし、その平均値と基準電圧とを比較することによって良否判定を行うようにしてもよい。
【符号の説明】
【0041】
10 ラミネーション装置
12 アルミニウム箔
14 接着剤
16 プラスチックフィルム
18 接着剤塗布装置
20 乾燥装置
20a 入口
20b 出口
22 フィルム貼付装置
34 包装シート
36 塗布状態検査装置
38 赤外線サーモグラフィ
40 判定手段


【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミニウム箔の表面にラミネーション用の接着剤を塗布し、前記接着剤の溶剤成分を加熱して除去した後、前記アルミニウム箔の接着剤塗布面にシート材を圧着する前に、前記アルミニウム箔表面の接着剤塗布面の温度を赤外線温度測定装置により測定し、前記接着剤塗布面の温度分布に基づいて前記接着剤の塗布状態を検出し、前記接着剤塗布面の温度が所定の基準値以下の場合に、前記接着剤の塗布ムラがあると判定することを特徴とする接着剤の塗布状態検査方法。
【請求項2】
前記接着剤塗布面の温度の前記基準値は、前記アルミニウム箔の送り方向と直角方向の前記アルミニウム箔の幅方向において、前記アルミニウム箔の中央部を側縁部よりも高く設定する請求項1記載の塗布状態検査方法。
【請求項3】
アルミニウム箔の表面にラミネーション用の接着剤を塗布する接着剤塗布装置と、前記接着剤が塗布された前記アルミニウム箔が送り込まれ、当該接着剤中の溶剤成分を除去する加熱式の乾燥装置と、前記乾燥装置から送り出された前記アルミニウム箔の接着剤塗布面にシート材を圧着するフィルム貼付装置とを備えたラミネーション装置に付設される装置であって、
前記乾燥装置の出口近傍に設置した赤外線温度測定装置を備え、この赤外線温度測定装置を用いて前記乾燥装置から送出された前記アルミニウム箔の接着剤塗布面の温度を測定し、その測定温度に基づいて前記接着剤の塗布状態を検出する検出手段を備えたことを特徴とする接着剤の塗布状態検査装置。
【請求項4】
前記赤外線測定装置は、前記乾燥装置から送出される一定幅で連続する前記アルミニウム箔の接着剤塗布面の温度を測定するもので、その測定温度は、前記アルミニウム箔の送りの幅方向に位置する複数の座標点の測定温度である請求項3記載の塗布状態検査装置。
【請求項5】
前記検出手段は、前記赤外線温度測定装置が測定した測定温度が基準値よりも低くなると、異常を示すアラーム信号を出力する判定手段を備えている請求項3又は4記載の接着剤の塗布状態検査装置。
【請求項6】
前記検出手段は、前記赤外線温度測定装置が測定した前記アルミニウム箔の接着剤塗布面の、幅方向の一部の範囲での測定温度の平均値が、基準値よりも低くなると、異常を示すアラーム信号を出力する判定手段を備えている請求項4記載の接着剤の塗布状態検査装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2012−225728(P2012−225728A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−92724(P2011−92724)
【出願日】平成23年4月19日(2011.4.19)
【出願人】(511069932)昭北ラミネート工業株式会社 (4)
【Fターム(参考)】