説明

接着剤組成物

本願は、非水性組成物を目的とする。この組成物は、少なくとも1つの酸性モノマーを含む第1のモノマー群から誘導される酸性共重合体と、少なくとも1つの塩基性モノマーを含む第2のモノマー群から誘導される塩基性共重合体と、の配合物を含む。この塩基性共重合体は、アミド官能基を含み得る。幾つかの実施形態では、この組成物は、少なくとも1つの酸性モノマーを含む第1のモノマー群から誘導される、0℃未満のTgを有する酸性(メタ)アクリル共重合体と、少なくとも1つの塩基性モノマーを含む第2のモノマー群から誘導される、0℃未満のTgを有する塩基性(メタ)アクリル共重合体と、を含む。加えて、この組成物は、組成物1キログラム当たり最低0.10モルの酸/塩基対を含み得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感圧接着剤として使用可能な組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
期待通りに接着するが基材を破損する又は損なうことなく長期にわたり様々な基材から繰り返し剥離可能な状態に維持される、裏材に接着される取り外し可能な感圧接着剤(PSA)は、多くの商業用途を有する。例えば、マスキングテープ、取り外し可能なラベル又はオフィスノート、保護フィルム、及び医療テープはそれぞれ、金属、紙、プラスチック、及び皮膚にすばやく接着する必要があるだけでなく、これら多様な基材から滑らかに、特定の基材の表面に接着剤残留物を一切残さずに又はその表面を破損せずに剥離される必要もある。
【0003】
理想的には、基材に応じて、取り外し可能な接着剤は、接着剤を所望の基材にすばやく固着するために十分な粘着、及び接着剤が取り外されるときに表面の破損を防ぐために十分な剥離強度を提供し、かつ基材への接着剤の移動を制御するために適切な粘着強度を有する必要がある。また、時間と共に剥離強度の不要な蓄積をもたらすプロセスである表面上の接着剤の低温流を制限するために、粘着強度も制御されなくてはならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通常、PSAの粘着強度は、様々な方法で改善され得る。例えば、粘着強度は、接着剤の共有結合架橋によって強化することができる。幾つかのタイプの化学架橋剤は熱によって活性化されるので、ホットメルト処理可能なPSAで使用することはできない。ホットメルトコーティングされたPSAを共有結合架橋するためには、通常、紫外線又は電子ビーム照射によって開始されるもののようなコーティング後の照射架橋プロセスを用いる必要がある。そのようなプロセスは高価な設備を必要とする。
【0005】
ホットメルト又は押出プロセスにおいて、コーティング後の架橋プロセスがなくても十分な粘着強度を有する接着剤を提供することは有益であろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
2次的な架橋工程を必要としないホットメルトコーティング可能な感圧接着剤組成物を生成して、接着剤が内面層に含まれ得る接着用物品の製造にそのような接着剤を直接使用可能にすることが望まれてきた。
【0007】
本願は、非水性組成物を目的とする。この組成物は、少なくとも1つの酸性モノマーを含む第1のモノマー群から誘導される、塩基性モノマーを実質的に含まない酸性共重合体と、少なくとも1つの塩基性モノマーを含む第2のモノマー群から誘導される塩基性共重合体と、の配合物を含む。塩基性共重合体は、アミド官能基を含む。
【0008】
別の実施形態では、本願は、少なくとも1つの酸性モノマーを含む第1のモノマー群から誘導される酸性共重合体と、少なくとも1つの塩基性モノマーを含む第2のモノマー群から誘導される、酸性モノマーを実質的に含まない塩基性共重合体と、の配合物を含む、非水性組成物を目的とする。そのような実施形態では、塩基性共重合体は、アミド官能基を含む。
【0009】
別の実施形態では、本願は、少なくとも1つの酸性モノマーを含む第1のモノマー群から誘導される0℃未満のガラス転移温度(Tg)を有する酸性(メタ)アクリル共重合体と、少なくとも1つの塩基性モノマーを含む第2のモノマー群から誘導される0℃未満のTgを有する塩基性(メタ)アクリル共重合体と、を含む、非水性感圧接着剤組成物を目的とする。そのような実施形態では、塩基性共重合体は、アミド官能基を含む。
【0010】
別の実施形態では、本願は、少なくとも1つの酸性モノマーを含む第1のモノマー群から誘導される酸性共重合体と、少なくとも1つの塩基性モノマーを含む第2のモノマー群から誘導される塩基性共重合体と、の配合物を含む組成物を目的とする。この組成物は、組成物1キログラム当たり最低0.10モルの酸/塩基対を含む。加えて、この組成物は、10重量%〜90重量%の酸性共重合体と、10重量%〜90重量%の塩基性共重合体と、を含む。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明で使用するとき、「酸性共重合体」は電子求引基を有するポリマーであり、少なくとも1つの酸性モノマーから誘導され得、かつ少なくとも1つの非酸性の共重合性モノマー(即ち、塩基により滴定できないモノマー)を有し得る。1つの実施形態では、少なくとも1つの共重合性モノマーは、アルキル(メタ)アクリレートモノマーなどの(メタ)アクリレートモノマーである。酸性共重合体は、生じる共重合体がやはり塩基で滴定できる限り、ビニルモノマー及び塩基性モノマーなどの他の共重合性モノマーから任意で誘導され得る。したがって、通常は、酸性共重合体を調製するのに、塩基性モノマーよりも酸性モノマーの方がより多く使用される。幾つかの実施形態では、酸性共重合体は実質的に塩基性モノマーを含まない。本願の目的上、酸性共重合体は、その鎖に例えば0%など、0.5重量%未満の塩基性モノマーを有する場合は、実質的に塩基性モノマーを含まない。
【0012】
「塩基性共重合体」は電子供与基を有するポリマーであり、少なくとも1つの塩基性モノマーから誘導され得、かつ少なくとも1つの非塩基性の共重合性モノマー(即ち酸で滴定することができないモノマー)を有し得る。他のモノマーは、塩基性共重合体がその塩基性度を保持できる限り(即ち、やはり酸で滴定できる)、塩基性モノマー(例えば、酸性モノマー、ビニルモノマー、及び(メタ)アクリレートモノマー)で共重合することができる。1つの実施形態では、少なくとも1つの共重合性モノマーは、アルキル(メタ)アクリレートモノマーなどの(メタ)アクリレートモノマーである。幾つかの実施形態では、塩基性共重合体は実質的に酸性モノマーを含まない。本願の目的上、塩基性共重合体は、その鎖に例えば0%など、0.5重量%未満の酸性モノマーを有する場合は実質的に酸性モノマーを含まない。
【0013】
通常、酸性及び塩基性共重合体は低いTgを有する。本願の目的上、低いTgとは、0℃以下のTgである。そのような低いTgは、通常、共重合体が感圧性接着剤として挙動することを可能にする。
【0014】
接着剤組成物は、感圧接着剤であり得る。感圧接着剤(PSA)が(1)積極的及び永久的な粘着力、(2)指圧以下の圧力による接着力、(3)被着体につかまる十分な能力、及び(4)被着体からきれいに取り外すのに十分な粘着強度、を含む特性を有することは当業者には周知である。PSAとして良好に機能することが分かっている材料としては、必須の粘弾性特性を示し、粘着、剥離接着力、及び剪断保持力の所望のバランスをもたらすように設計及び処方されたポリマーが挙げられる。
【0015】
この接着剤組成物は非水性である。通常、これは100%固体即ち非水性の溶剤配合物の組成物を可能にする。したがって、この接着剤組成物には界面活性剤も通常は存在しない。幾つかの実施形態では、この組成物は、例えば押出によってなどホットメルト処理可能である。
【0016】
有用な酸性モノマーとしては、エチレン性不飽和カルボン酸、エチレン性不飽和スルホン酸、エチレン性不飽和ホスホン酸、及びこれらの混合物から選択されるものが挙げられるが、これらに限定されない。このような化合物の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、クロトン酸、シトラコン酸、マレイン酸、オレイン酸、B−カルボキシエチルアクリレート、2−スルホエチルメタクリレート、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルホスホン酸など、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0017】
本発明の酸性モノマーは、典型的には、エチレン性不飽和カルボン酸である。更に強い酸が望ましい場合、酸性モノマーとして、エチレン性不飽和スルホン酸及びエチレン性不飽和ホスホン酸が挙げられる。一般に、スルホン酸及びホスホン酸によって塩基性ポリマーとのより強い相互作用が得られる。このより強い相互作用によって、接着剤の粘着強度、並びに高温耐性及び耐溶剤性を大きく向上させることができる。
【0018】
本願の塩基性モノマーは、アミド官能基を含み得る。塩基性モノマーは、アミノ又は他の窒素含有官能基も含み得る。代表的な塩基性モノマーとしては、N,Nジメチル(メタ)アクリルアミド(NNDMA)、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド(DMAPMAm)、N,N−ジエチルアミノプロピルメタクリルアミド(DEAPMAm)、N,N−ジメチルアミノエチルアクリルアミド(DMAEAm)、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリルアミド(DMAEMAm)、N,N−ジエチルアミノエチルアクリルアミド(DEAEAm)、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリルアミド(DEAEMAm)、N−ビニルホルムアミド、(メタ)アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート(DMAEA)、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート(DEAEA)、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレート(DMAPA)、N,N−ジエチルアミノプロピルアクリレート(DEAPA)、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート(DEAEMA)、N,N−ジメチルアミノエチルビニルエーテル(DMAEVE)、N,N−ジエチルアミノエチルビニルエーテル(DEAEVE)、及びこれらの混合物が挙げられる。その他の有用な塩基性モノマーとしては、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、三級アミノ官能性スチレン(例えば、4−(N,N−ジメチルアミノ)−スチレン(DMAS)、4−(N,N−ジエチルアミノ)−スチレン(DEAS))、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、アクリロニトリル、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0019】
本明細書のポリマーは、溶液、放射線、バルク、分散、エマルション及び懸濁プロセスを含む任意の従来のフリーラジカル重合法により調製することができる。1つの溶液重合化方法では、モノマーを適切な不活性有機溶媒と共に、攪拌棒、温度計、凝縮器、追加漏斗、及び温度コントローラーを装備した四口反応容器に入れる。
【0020】
コーティングされた接着剤組成物の粘着強度を上げるために、架橋添加剤が配合物に組み込まれ得る。
【0021】
共重合の後、添加剤が時間経過につれて光学透明度及び環境安定性のような所望とする特性に悪影響を及ぼさない限り、得られた接着剤組成物に他の添加剤を添加してもよい。例えば、相溶性のある粘着付与剤及び/又は可塑剤を添加して、PSAの最終的な粘着性及び剥離性を最適化するのを助けることができる。このような粘着変性剤の使用は、Handbook of Pressure−Sensitive Adhesive Technology,edited by Donatas Satas(1982)に記載されているように、当該技術分野において一般的である。有用な粘着付与剤の例としては、ロジン、ロジン誘導体、ポリテルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂などが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の接着剤に添加してもよい可塑剤は、広範な市販の材料から選択することができる。いずれの場合も、添加した可塑剤はPSAと相容性でなければならない。代表的な可塑剤としては、ポリオキシエチレンアリールエーテル、ジアルキルアジパート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、t−ブチルフェニルジフェニルホスフェート、2−エチルヘキシルアジパート、トルエンスルホンアミド、ジプロピレングリコールジベンゾエート、ポリエチレングリコールジベンゾエート、ポリオキシプロピレンアリールエーテル、ジブトキシエトキシエチルホルマール、及びジブトキシエトキシエチルアジパートが挙げられる。当該技術分野において既知のUV安定剤も添加され得る。
【0022】
接着剤組成物は、裏材を含む接着剤物品及び裏材上の接着剤層に含まれてもよい。幾つかの実施形態では、接着剤物品は裏材の反対側の接着剤層上に剥離ライナーを追加的に含む。接着剤物品は、ライナー又は裏材上への接着剤の押出コーティングを含む押出技術を用いて、又は第1の押出可能な原料を第2の押出可能な原料と接触させて共押出して共押出フィルムを形成することによって、製造することができる。第1の押出可能な原料は感圧接着剤を含む。第2の押出可能な原料は裏材又は剥離材料を含む。すると、共押出されたフィルムは、感圧接着剤を含む接着剤層と、裏材層か剥離層のいずれかとを含む。
【0023】
幾つかの実施形態においては、追加の原料が第1又は第2の原料の片面上又は両面上に加えられる。例えば、第3の押出可能な原料を用いて、裏材、接着剤層、及び剥離層を含む接着剤層を作製することができる。
【0024】
裏材層は、例えば、ポリ塩化ビニルなどのグラフィックフィルム、又はEmslanderらの米国特許第6,589,636号に記載されるもののようなオレフィン性グラフィックフィルム基材、又はエチレンアクリル酸共重合体などのテープ裏材、又は剥離剤を含む別の層であってよい。追加の裏材層には、ラベルストック、グラフィック保護フィルム及び落書き防止用フィルムとして使用されるフィルムを挙げることができる。
【0025】
共押出は公知のフィルム製造方法である。共押出は、本願においては、複数の溶融ストリーム、及びそのような溶融ストリームの組み合わせを、例えば単一の押出鋳型から単一の一体化された構造体、即ち共押出フィルムに同時溶融加工することを意味する。接着剤物品は、例えば米国特許第5,660,922号(両面接着テープの共押出)及び米国特許第6,777,053号に示されているような押出技術によって製造されてきた。剥離材料配合物を押し出して剥離フィルムを形成することも公知である。例えば、米国特許出願第2004−0127121号を参照されたい。
【0026】
本プロセスは、通常、原料をその融点以上の温度でダイを通して処理して実行され、結果として共押出フィルムが得られる。共押出フィルムは、通常、共押出プロセスに入れた全溶融原料の複合体である。結果として得られる共押出フィルムは、通常、多層である。層は溶融状態において互いに接触している。ある実施形態においては、層は押出工程を通して接触しており、例えば溶融するとすぐに接触する。
【0027】
共押出フィルムは更に、例えば配向によって処理されてもよい。フィルムの配向の1つの例は、2軸配向である。2軸配向は、相互に垂直の2方向、通常、ダウンウェブ方向及びクロスウェブ方向にフィルムを延伸することを伴う。標準的な操作においては、新しく押し出された溶融フィルムは急冷された非晶質フィルムを製造するために冷却ロールの上に送り込まれ、急冷フィルムは短時間加熱されダウンウェブ方向に延伸され、次にテンタ機に通され、そこで穏やかに加熱されながら横方向に延伸される。ダウンウェブ方向の延伸は、2セットのニップロールの間を通し、第2セットの回転を第1セットより速くすることにより達成することができる。
【0028】
剥離層は剥離剤を含む。剥離層は、剥離剤と配合された他のポリマーも含んでよい。好適な剥離剤としては、例えば、参照により本願に組み込まれる代理人整理番号第65043WO003号(PCT特許出願第US2009/068632号)及び代理人整理番号第64700WO003号(PCT特許出願第US2009/054322号)に開示されているものが挙げられる。
【0029】
幾つかの実施形態においては、少なくとも接着剤組成物は、共押出フィルムの状態で又は剥離ライナーからの分離後に、押出後処理を受ける。例えば、接着剤は架橋され得る。
【実施例】
【0030】
これらの実施例は単にあくまで例示を目的としたものであり、添付した特許請求の範囲を制限することを意味するものではない。特に記載のない限り、実施例及びこれ以降の明細書に記載される部、百分率、比率等は全て重量による。
【0031】
【表1】

【0032】
試験方法
180°角度剥離接着強度試験
以下の方法により剥離接着強度及び再剥離性を評価した。接着剤コーティングしたビニルフィルムの試料を長さ約6インチ(15.24cm)、幅1インチ(2.54cm)のストリップに切断した。剥離試験中の延伸を防ぐために、もう1つの接着剤コーティングされたビニルフィルム(厚さ50マイクロメートルのビニル)の片をこれらのストリップのビニル側に適用することによりストリップを補強した。塗装されたアルミニウム試験パネル(Aluminum Line Products(Goshen,IN)により供給された「Polar White」仕上げの塗装アルミニウムコイルストックから調製)にこれらのストリップを適用した。接着した試料を65℃で7日間老化させた後、制御された室温(72°F(22.2℃)、相対湿度50%)に戻してから試験を行った。インストロン万能試験機を12インチ/分(30.5cm/分)のクロスヘッド速度で用いてストリップをパネルから引き剥がした。剥離力を測定し、目視可能な接着剤残留物がパネルに残されていないかを観察した。
【0033】
表2及び表3のアクリルポリマーA及びBの調製
これらのポリマーは全て、WO9607522号に記載されている方法にしたがって、紫外線照射によって開始される高分子パウチ内のバルク重合によって生成された。使用した光開始剤は、Ciba Specialty Chemicals Incorporated(Tarrytown,NY)から商品名IRGACURE 651として入手可能な2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニル−エタノンである。使用した酸化防止剤は、Ciba Specialty Chemicals Incorporated(Tarrytown,NY)から商品名IRGANOX 1076として入手可能なオクタデシル3,5−ジ−(tert)−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメートである。
【0034】
押出配合及びコーティング手順
アクリルポリマー組成物を用い、2軸押出機を使用して異なる配合組成物を調製した。ギヤポンプと連結された2つのBonnot(商標)押出機を使用し、ポリマーA及びポリマーBのパウチを2軸押出機の別々のポートに送り込み、これら2つの異なるポリマーを制御された比率で供給した。押出機の合計処理能力は約10ポンド/時(5kg/時)であった。送り速度は180〜200rpmであった。押出機は、混合セクション及び運搬セクションの順序で350°F(175℃)の温度で作動する、18mm共回転2軸押出機であった。2軸押出機から出てくる配合された混合物を、剥離ライナー上に接着剤の「ロープ」として回収した。接着剤組成物の保管及び輸送を可能にするために、ライナーを接着剤ロープの周囲に巻いた。次いで、そのロープを直径4分の3インチの軸の一軸押出機に送り込み、平らな鋳型を通して押出して、接着剤を剥離ライナーと厚さ50マイクロメートルの鋳造ビニルフィルムとの間にコーティングすることにより、これらの配合された接着剤組成物を再処理した。鋳造ビニルフィルムは、酢酸エチル中の2−メチルアジリジンで修飾したアクリルポリマー溶液でコーティングすることによって予めプライムしておいたものである。
【0035】
【表2】

【0036】
【表3】

【0037】
【表4】

【0038】
酸−塩基対濃度の計算
配合物1kg当たりの酸のモル数は、以下の式を用いて算出される。
【0039】
(1000g×Aポリマー%×Aポリマー中の酸%)/酸性モノマーのFW
同様に、配合物1kg当たりの塩基のモル数は以下の式により算出される。
【0040】
(1000g×Bポリマー%×Bポリマー中の塩基%)/塩基性モノマーのFW
FWは式量を表す。関係する式量を表5に示す。
【0041】
【表5】

【0042】
本発明の趣旨及び範囲から逸脱しない、本発明の様々な修正及び変更が、当業者には明らかとなるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非水性組成物であって、
少なくとも1つの酸性モノマーを含む第1のモノマー群から誘導される酸性共重合体であって、前記酸性共重合体が実質的に塩基性モノマーを含まない、酸性共重合体と、
少なくとも1つの塩基性モノマーを含む第2のモノマー群から誘導される塩基性共重合体と、
の配合物を含み、
前記塩基性共重合体がアミド官能基を含む、組成物。
【請求項2】
非水性組成物であって、
少なくとも1つの酸性モノマーを含む第1のモノマー群から誘導される酸性共重合体と、
少なくとも1つの塩基性モノマーを含む第2のモノマー群から誘導される塩基性共重合体であって、前記塩基性共重合体が実質的に酸性モノマーを含まない、塩基性共重合体と、
の配合物を含み、
前記塩基性共重合体がアミド官能基を含む、組成物。
【請求項3】
10重量%〜90重量%の酸性共重合体と、10重量%〜90重量%の塩基性共重合体と、を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
10重量%〜90重量%の酸性共重合体と、10重量%〜90重量%の塩基性共重合体と、を含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項5】
25重量%〜75重量%の酸性共重合体と、25重量%〜75重量%の塩基性共重合体と、を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
25重量%〜75重量%の酸性共重合体と、25重量%〜75重量%の塩基性共重合体と、を含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項7】
溶剤配合物の状態の、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
溶剤配合物の状態の、請求項2に記載の組成物。
【請求項9】
100%固体配合物の状態の、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
100%固体配合物の状態の、請求項2に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物がホットメルト処理可能である、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物がホットメルト処理可能である、請求項2に記載の組成物。
【請求項13】
前記組成物が感圧接着剤である、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
前記組成物が感圧接着剤である、請求項2に記載の組成物。
【請求項15】
前記酸性共重合体が(メタ)アクリル共重合体である、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
前記酸性共重合体が(メタ)アクリル共重合体である、請求項2に記載の組成物。
【請求項17】
前記酸塩基性共重合体が(メタ)アクリル共重合体である、請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
前記酸塩基性共重合体が(メタ)アクリル共重合体である、請求項2に記載の組成物。
【請求項19】
前記組成物が組成物1キログラム当たり最低0.10モルの酸/塩基対を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項20】
前記組成物が組成物1キログラム当たり最低0.10モルの酸/塩基対を含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項21】
前記組成物が組成物1キログラム当たり最低0.17モルの酸/塩基対を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項22】
前記組成物が組成物1キログラム当たり最低0.17モルの酸/塩基対を含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項23】
前記組成物が化学架橋剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項24】
前記組成物が化学架橋剤を含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項25】
前記組成物が架橋剤を実質的に含まない、請求項1に記載の組成物。
【請求項26】
前記組成物が架橋剤を実質的に含まない、請求項2に記載の組成物。
【請求項27】
前記組成物が顔料を実質的に含まない、請求項1に記載の組成物。
【請求項28】
前記組成物が顔料を実質的に含まない、請求項2に記載の組成物。
【請求項29】
前記塩基性共重合体がアミノ官能基を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項30】
前記塩基性共重合体がアミノ官能基を含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項31】
前記組成物が界面活性剤を実質的に含まない、請求項1に記載の組成物。
【請求項32】
前記組成物が界面活性剤を実質的に含まない、請求項2に記載の組成物。
【請求項33】
前記塩基性共重合体が酸性モノマーを実質的に含まない、請求項1に記載の組成物。
【請求項34】
前記酸性共重合体が0℃未満のTgを有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項35】
前記酸性共重合体が0℃未満のTgを有する、請求項2に記載の組成物。
【請求項36】
前記塩基性共重合体が0℃未満のTgを有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項37】
前記塩基性共重合体が0℃未満のTgを有する、請求項2に記載の組成物。
【請求項38】
前記酸性共重合体が0℃未満のTgを有し、前記塩基性共重合体が0℃未満のTgを有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項39】
前記酸性共重合体が0℃未満のTgを有し、前記塩基性共重合体が0℃未満のTgを有する、請求項2に記載の組成物。
【請求項40】
非水性感圧接着剤組成物であって、
少なくとも1つの酸性モノマーを含む第1のモノマー群から誘導される、0℃未満のTgを有する酸性(メタ)アクリル共重合体と、
少なくとも1つの塩基性モノマーを含む第2のモノマー群から誘導される、0℃未満のTgを有する塩基性(メタ)アクリル共重合体と、
を含み、
前記塩基性共重合体がアミド官能基を含む、組成物。
【請求項41】
組成物であって、
少なくとも1つの酸性モノマーを含む第1のモノマー群から誘導される酸性共重合体と、
少なくとも1つの塩基性モノマーを含む第2のモノマー群から誘導される塩基性共重合体と、
の配合物を含み、
前記組成物が、組成物1キログラム当たり最低0.10モルの酸/塩基対を含み、
前記組成物が、10重量%〜90重量%の酸性共重合体と、10重量%〜90重量%の塩基性共重合体と、を含む、組成物。
【請求項42】
前記組成物が組成物1キログラム当たり最低0.17モルの酸/塩基対を含む、請求項41に記載の組成物。
【請求項43】
前記酸性共重合体が塩基性モノマーを実質的に含まない、請求項41に記載の組成物。
【請求項44】
前記塩基性共重合体が酸性モノマーを実質的に含まない、請求項41に記載の組成物。
【請求項45】
前記組成物が非水性である、請求項41に記載の組成物。
【請求項46】
25重量%〜75重量%の酸性共重合体と、25重量%〜75重量%の塩基性共重合体と、を含む、請求項41に記載の組成物。

【公表番号】特表2013−517350(P2013−517350A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−549024(P2012−549024)
【出願日】平成23年1月12日(2011.1.12)
【国際出願番号】PCT/US2011/020962
【国際公開番号】WO2011/088101
【国際公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】