説明

接続ユニット及び接続構造

【課題】低温絶縁型超電導ケーブルと常電導送電機器との接続等を容易に行うことに好適な接続ユニットと接続構造を提供する。
【解決手段】接続ユニット600Aは、複数の接続対象の各々が挿入される複数の差込口601〜603を有する。接続対象は、低温絶縁型超電導ケーブル100、冷媒輸送管200、及び常電導ケーブル300から選択される複数である。接続対象の各々を各差込口に差し込んだ場合、超電導ケーブル100や常電導ケーブル300の導体と接続される導電ブロック610、導電ブロック610を絶縁して収納し、超電導ケーブルの断熱管16などとつながれると共に冷媒20の流路を内部に有する冷媒容器630、差込口601〜603を形成し、冷媒容器630の外側を覆う断熱容器640を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低温絶縁型の超電導ケーブル同士の接続や、この超電導ケーブルと常電導ケーブルとの接続に好適な接続ユニットと、そのユニットを用いた接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
超電導ケーブルでは、一般にフォーマの外周上に超電導導体層を有する導体を二重の金属管で構成される断熱管内に収納してなる構成を備える。このような超電導ケーブルにおいて、超電導ケーブルを外部から電気的に絶縁する方式の一つとして、低温絶縁型が挙げられる。一般に、低温絶縁型超電導ケーブルは、超電導導体層の上にケーブル絶縁層が形成され、当該ケーブル絶縁層も断熱管内の冷媒により冷却される構成である(例えば、特許文献1の図1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-65879号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、超電導ケーブルは、例えば、既設の常電導ケーブルが布設される管路内に代替ケーブルとして布設されることで、コンパクトな大容量送電を実現することが期待されている。このようなケーブル線路では、低温絶縁型超電導ケーブルを用いて形成される中間・終端接続構造についても、コンパクトな構造を開発することが望まれる。また、これら接続構造を組み立てる際の作業も、できるだけ簡易に行えることが望ましい。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的の一つは、低温絶縁型超電導ケーブル同士の接続や、低温絶縁型超電導ケーブルと常電導送電機器との接続を容易に行うことに好適な接続ユニットを提供することにある。また、本発明の他の目的は、上記接続ユニットを用いた接続構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の接続ユニットは、複数の接続対象の各々が挿入される複数の差込口を有する。この接続ユニットは、以下の(A)〜(C)から選択される複数を接続対象とする。
(A)冷媒の流路を構成する断熱管P1と、断熱管P1内で冷媒により冷却される超電導導体層と、断熱管P1内で冷媒により冷却される低温絶縁層とを有する低温絶縁型超電導ケーブル
(B)断熱管P2を有し、送電機能を有しない冷媒輸送管
(C)常電導導体と常温絶縁層とを有する常電導送電機器と、この常電導送電機器の端部に接続される断熱管P3とを備える常電導長尺体
【0007】
上記接続ユニットは、接続対象の各々を各差込口に差し込んだ場合、次の構成を有する導電ブロック、冷媒容器及び断熱容器を備える。導電ブロックは、前記超電導導体層又は常電導導体と電気的に接続される。冷媒容器は、この導電ブロックから絶縁されて同ブロックを収納する容器で、前記差込口につながる開口を有し、前記断熱管P1〜P3のいずれかとつながれると共に前記冷媒の流路を内部に有する。断熱容器は、前記差込口を形成し、前記冷媒容器の外側を覆う断熱容器を備える。
【0008】
この構成によれば、接続ユニットの差込口に各接続対象を差し込むことを主たる作業とすることで、接続対象同士の接続構造の構築を容易に行うことができる。特に、低温絶縁型超電導ケーブルを含む送電線路を容易に構築できる。また、このユニットは、導電ブロックと冷媒容器とを備えるため、接続対象同士の電気的接続に加え、接続対象が有する冷媒の流路同士の接続もまとめて行うことが可能である。それに伴い、ユニット自体、つまり接続構造そのものをコンパクト化できる。さらに、ユニットにおける各差込口の数と設ける向きを適宜選択することで、I型、Y型、T型、H型(X型)など接続対象の数に応じた各種の接続形態を実現することができる。特に、より多数の差込口を接続ユニットに設ける構造は、当該接続ユニットを低電圧の低温絶縁型超電導ケーブルと多数の常電導ケーブルとを分岐接続するのに好適な分岐接続箱とすることができる。
【0009】
本発明接続ユニットの一形態として、前記導電ブロックは、超電導導体層又は常電導導体と電気的につながる接続凸部が差し込まれる接続凹部と、その接続凹部の内側から導電ブロックと冷媒容器との間の空間に連通する連通孔とを備えることが挙げられる。
【0010】
この構成によれば、接続対象の一つである低温絶縁型超電導ケーブルから接続ユニットの冷媒容器内に導入された冷媒を接続ユニット内で折り返し、当該超電導ケーブル自体で冷媒を送り返すことができる。例えば、超電導ケーブルとして、中心から外周に向かって順に、中空のフォーマ、超電導導体層(内側導体)、低温絶縁層を有し、必要に応じてさらに超電導導体層(外側導体)を備えるコアを、断熱管内に収納した低温絶縁型超電導ケーブルを用いるとする。このケーブルでは、断熱管とコアの間は冷媒の流路となっており、さらにフォーマの内部も冷媒の流路となっている。このような超電導ケーブルの超電導導体層を接続ユニットの接続凹部に接続した際、フォーマ内の冷媒を、上記連通孔を介して導電ブロックと冷媒容器との間の空間に流通可能にすれば、同空間は上記断熱管内と連通しているため、フォーマ内と断熱管内のいずれか一方を冷媒の往路とし、他方を冷媒の復路とすることができる。
【0011】
本発明接続ユニットの一形態として、前記導電ブロックの外面と冷媒容器との間に、冷媒の流通を許容する介在絶縁部を備えることが挙げられる。
【0012】
この構成によれば、導電ブロックと冷媒容器との間の空間に冷媒を流通させつつ、両者の間の絶縁を確保することができる。
【0013】
本発明接続ユニットの一形態として、前記冷媒容器内の冷媒の流路は、(1)前記導電ブロックと冷媒容器との間の空間に形成したり、或いは(2)前記導電ブロックの内部に形成されていることが挙げられる。
【0014】
接続対象の冷媒は、接続ユニット内において、冷媒容器内のうち導電ブロックとの間や、導電ブロック自体に冷媒の流路を形成することで、流通させることができる。前記導電ブロックと冷媒容器との間の空間を冷媒流路とする場合、冷媒を液体窒素など絶縁性の冷媒とすることが好ましい。
【0015】
本発明の接続ユニットにおいて、個々の差込口の内部の寸法や構造は、共通していることが好ましい。全ての差込口の内部の寸法や構造が共通していれば、いずれの差込口にも異なる接続対象、例えば、低温絶縁型超電導ケーブル、常電導ケーブル、冷媒輸送管などの端部を各差込口のサイズや構造に適合させることで、いずれの接続対象をも差し込むことができる。もちろん、個々の差込口の内部の寸法が異なっていても良い。この場合、差込口のサイズに応じた接続対象を差し込めばよい。特に、常電導ケーブルなどの常電導送電機器を接続する場合、超電導ケーブルよりも導体の断面積が大きくなる傾向にあることから、常電導機器用の差込口は、超電導ケーブル用の差込口よりも大きくしておくことが挙げられる。また、この場合、差込口の長さを長くしたり、熱絶縁距離を延長させるための延長部材を別途用意して、差込口に挿入するなどすると、侵入熱を低減できて好ましい。
【0016】
一方、本発明の接続構造は、上記の本発明接続ユニットと、後述する接続対象とを備えることを代表的な構成とする。但し、接続対象の組合せは、以下の組合せに限定されるわけではなく、接続対象の数や種類が異なる組合せであっても構わない。特に、一つの接続対象として低温絶縁型超電導ケーブルを必須とし、さらに他の接続対象として送電線路を構築できるもの、即ち低温絶縁型超電導ケーブル、及び常電導長尺体の少なくとも一方を、接続対象の組合せとして好適に選択できる。もちろん、差込口の一部又は全部に共通する接続対象を接続しても良いし、全ての差込口に異なる接続対象を接続しても良い。
【0017】
(少なくとも2つの接続対象を備える場合)
この場合、接続ユニットのある差込口に差し込まれる第一の接続対象と、別の差込口に差し込まれる第二の接続対象とを備える。そして、第一の接続対象と第二の接続対象の双方を低温絶縁型超電導ケーブルとする構成や、一方の接続対象を低温絶縁型超電導ケーブルとし、他方の接続対象を常電導ケーブルとする構成が挙げられる。
【0018】
(少なくとも3つの接続対象を備える場合)
この場合、接続ユニットのある差込口に差し込まれる第一の接続対象と、前記接続ユニットの別の差込口に差し込まれる第二の接続対象と、前記接続ユニットのさらに別の差込口に差し込まれる第三の接続対象とを備える。より具体的には、以下の接続対象の組合せがある。
【0019】
<超電導−冷媒輸送管−常電導長尺体>
第一の接続対象:低温絶縁型超電導ケーブル
第二の接続対象:冷媒輸送管
第三の接続対象:常電導長尺体
【0020】
<超電導−超電導−常電導長尺体>
第一の接続対象と第二の接続対象:低温絶縁型超電導ケーブル
第三の接続対象:常電導長尺体
【0021】
<超電導−常電導長尺体−常電導長尺体>
第一の接続対象:低温絶縁型超電導ケーブル
第二の接続対象と第三の接続対象:常電導長尺体
【0022】
上記の構成の接続構造は、本発明の接続ユニットを用いることで、低温絶縁型超電導ケーブル、常電導長尺体、冷媒輸送管などから選択される接続対象同士を任意の組合せにて接続した構造を構築できる。接続構造を構成する接続対象は、同じ接続対象同士であっても異なる接続対象同士であっても良い。
【0023】
(少なくとも4つの接続対象を備える場合)
この場合、各差込口に差し込まれる接続対象は第一の接続対象〜第四の接続対象までの4つ以上となる。その場合の接続対象一例としては、次の組合せが好適に利用できる。
第一の接続対象:低温絶縁型超電導ケーブル
第二の接続対象:前記超電導ケーブルに冷媒を供給する冷媒輸送管
第三の接続対象:前記超電導ケーブルから冷媒を排出する冷媒輸送管
第四の接続対象:常電導長尺体
【0024】
この組合せにおいて、前記低温絶縁型超電導ケーブルは、断熱管P1との間に往路又は復路の一方の冷媒流路を構成するコアと、コアの内部で往路又は復路の他方の冷媒流路を構成するフォーマと、前記超電導導体層と電気的につながって前記導電ブロックの接続凹部に差し込まれる接続凸部とを備える。前記冷媒輸送管の一方は、導電ブロックの接続凹部に差し込まれる冷媒用接続部を備える。そして、この冷媒用接続部を備える一方の冷媒輸送管と前記フォーマとは、接続凸部内、導電ブロック内、冷媒用接続部内を通る冷媒の流路でつながれ、前記断熱管とコアとの間の冷媒流路と他方の冷媒輸送管とは、冷媒容器と導電ブロックとの間の冷媒の流路を介してつながれる。
【0025】
この構成によれば、一方の冷媒輸送管から接続ユニットを介して低温絶縁型超電導ケーブルの冷媒往路に冷媒を供給し、その低温絶縁型超電導ケーブルの冷媒復路から戻された冷媒を、接続ユニットを介して他方の冷媒輸送管に排出できる。それに伴い、超電導ケーブル内に往復の冷媒流路を形成して同ケーブルを循環冷却できる。また、超電導ケーブルと常電導長尺体とを接続ユニットを介して電気的に接続することもできる。
【0026】
本発明の接続構造の一形態として、前記常電導長尺体は、前記常電導送電機器と前記導電ブロックとの間に介在されるアタッチメントとを備えることが挙げられる。このアタッチメントは、前記導電ブロックに電気的に接続される接続凸部と、この接続凸部と常電導送電機器と間を電気的に接続する引出導体と、この引出導体の外側を覆う接続用絶縁部とを備える。そして、前記常電導送電機器の端部に接続される断熱管P3は、この接続用絶縁部の外側に形成されている。
【0027】
接続ユニットに低温絶縁型超電導ケーブルが接続されると、冷媒容器の内部は冷媒で満たされて導電ブロックが極低温とされる。そのため、この導電ブロックに常電導長尺体を接続するには、絶縁方式を低温絶縁方式と常温絶縁方式との間で円滑に切り替えることが重要となる。上記のアタッチメントを用いれば、この低温絶縁方式と常温絶縁方式との間の円滑な絶縁方式の切り替えを円滑に行え、導電ブロックと常電導送電機器との電気的接続を確保しつつ、接続箇所における侵入熱の低減を図ることができる。
【0028】
本発明の接続構造の一形態として、前記常電導送電機器が、CVケーブルであることが挙げられる。
【0029】
CVケーブルは、例えば6kV程度の比較的低圧の送配電線路を構築するケーブルとして好適に利用できる。特に、複数のCVケーブルを本発明の接続ユニットにつなぎ、それらCVケーブルとCVケーブルの本数よりも少ない本数の低温絶縁型超電導ケーブルとの間で送電線路を容易に構築できる。
【0030】
本発明の接続構造の一形態として、前記超電導導体層は、前記低温絶縁層の内側に設けられる内側導体と、前記低温絶縁層の外側に設けられる外側導体とを有する形態が挙げられる。この場合、前記導電ブロックは、前記内側導体に接続される内側導体用ブロックと、前記外側導体に接続される外側導体用ブロックとを有することとする。そして、前記導電ブロックの外面と冷媒容器との間、及び前記内側導体用ブロックと外側導体用ブロックとの間に、冷媒の流通を許容する介在絶縁部を備える。なお、この外側導体は、交流ケーブルの場合は超電導シールド層(電磁界シールド層)であり、直流ケーブルの場合は内側導体と外側導体とで電流の往路と帰路の一方を構成する往路導体層(帰路導体層)、又は中性線である。
【0031】
低温絶縁型超電導ケーブルが外側導体を備える場合、この外側導体も超電導導体層で構成されるため極低温に保持しつつ、他の低温絶縁型超電導ケーブルにおける外側導体と接続ユニットを介して接続する必要がある。上記の構成によれば、内側導体用ブロックとは別に外側導体用ブロックを設けることで、この外側導体の接続ユニットに対する接続を実現することができる。また、介在絶縁部を設けることで、導電ブロックの外面と冷媒容器との間、及び前記内側導体用ブロックと外側導体用ブロックとの間に冷媒の流通を供しつつ、これらの間の絶縁も確保できる。
【0032】
低温絶縁型超電導ケーブルが、外側導体を備えるコアを有し、複数心のコアが一括して断熱管に収納される構成の場合、次の構成により、本発明の接続ユニットを用いた接続構造を実現できる。すなわち、本発明の接続構造の一形態として、前記低温絶縁型超電導ケーブルは、前記断熱管P1内に複数のコアを備え、各コアは、前記低温絶縁層と、前記内側導体と、前記外側導体とを有する形態が挙げられる。その場合、前記内側導体用ブロックは複数設けられて、個々の内側導体用ロックに各コアごとの内側導体が接続され、前記外側導体用ブロックには、各コアの外側導体が一括して接続される。そして、前記介在絶縁部が前記各内側導体用ブロック同士の間にも介在されている。
【0033】
この構成によれば、例えば3心一括型の超電導ケーブルを接続対象とした場合でも、各芯の外側導体を集約して外側導体用ブロックに接続できるため、接続ユニット、延いては接続構造を小型化できる。また、介在絶縁部により、個々の内側導体用ブロック間及び各内側導体用ブロックと外側導体用ブロックとの間で、冷媒の流通を許容しつつ、絶縁も確保できる。
【0034】
本発明の接続構造の一形態として、さらに別の差込口に差し込まれる栓を備え、この栓は、導電ブロックに取り付けられる絶縁部と、この絶縁部と差込口の間を断熱する断熱部とを備える構成が挙げられる。
【0035】
本発明の接続構造の一形態として、前記超電導導体層は、前記低温絶縁層の内側に設けられる内側導体と、前記低温絶縁層の外側に設けられる外側導体とを有することが挙げられる。その場合、前記導電ブロックは、前記内側導体に接続される内側導体用ブロックであり、さらに前記外側導体から接続ユニットの外部に引き出されて接地される接地線を備える。
【0036】
この構成によれば、複数の低温絶縁型超電導ケーブルを接続ユニットに差し込み、これらケーブルの内側導体同士を接続ユニットを介して接続する場合、当該接続ユニット内において、超電導ケーブルの外側導体同士を電気的に絶縁することができる。
【0037】
低温絶縁型超電導ケーブルの外側導体同士が接続ユニット内で絶縁される本発明の接続構造の一形態として、前記外側導体の端部に形成される接続凸部と、この接続凸部が差し込まれる縁切りブロックとを備え、前記接続凸部及び縁切りブロックの少なくとも一方が絶縁材料からなることが挙げられる。
【0038】
この構成によれば、接続ユニット内において、超電導ケーブルの外側導体同士を電気的に絶縁する構成を容易に実現できる。
【0039】
本発明の接続ユニットは、その利用時において、全ての差込口に接続対象が差し込まれる場合もあれば、いずれかの差込口を未使用とし、適宜な栓で未使用の差込口を塞ぐことで接続構造を構成しても良い。その場合、上記の栓を用いることで、未使用の差込口における絶縁と断熱を確保することができる。
【発明の効果】
【0040】
本発明の接続ユニットを介することで、各差込口への接続対象の挿入を主たる作業とすることで、接続対象同士の接続構造の構築を容易に行うことができる。また、本発明の接続ユニットはコンパクト化しやすい。
【0041】
本発明の接続構造は、本発明の接続ユニットを備えることで、低温絶縁型超電導ケーブル、常電導ケーブル、冷媒輸送管などの各種の接続対象が種々の組合せにて接続された接続構造を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】実施形態1に係る本発明接続構造の概略図である。
【図2】図1のユニットにおける破線楕円内の拡大図である。
【図3】図1のユニットを用いた低温絶縁型超電導ケーブル線路の概略構成図である。
【図4】実施形態2に係る本発明接続構造の概略図である。
【図5】実施形態3に係る本発明接続構造の概略図である。
【図6】実施形態4に係る本発明接続構造の概略図である。
【図7】実施形態5に係る本発明接続構造の概略図である。
【図8】実施形態5に係る本発明接続構造を構成する超電導ケーブル端末部の概略図である。
【図9】実施形態6に係る本発明接続構造の概略図である。
【図10】実施形態7に係る本発明接続構造の概略図である。
【図11】実施形態8に係る本発明接続構造の概略図である。
【図12】実施形態9に係る本発明接続構造の概略図である。
【図13】実施形態10に係る本発明接続構造の概略図である。
【図14】各実施形態に用いる低温絶縁型超電導ケーブルの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本発明の実施の形態を、図を参照して説明する。各図において、互いに対応する部材には同じ符号を付している。下記の説明において、各接続対象が有する断熱管と断熱容器との接続は、断熱管の断熱層と断熱容器の断熱層とを連通される状態にする場合の他、断熱容器の開口から断熱容器内に挿入された断熱管の断熱層が断熱容器の断熱層と部分的に重なり合った状態とされる場合も含む。
【0044】
〔実施形態1〕
[接続ユニットの概要]
図1〜図3に基づいて、3つの差込口を備えるY型の接続ユニットを例として本発明の実施の形態を説明する。この接続ユニット600Aは、図1に示すように、第一差込口601、第二差込口602、第三差込口603の計3つの差込口を備え、各差込口601、602、603には、低温絶縁型の超電導ケーブル100、冷媒輸送管200、常電導長尺体が接続される。本例では、常電導長尺体を常電導ケーブル300とアタッチメント350で構成している。また、この接続ユニット600Aは、導電ブロック610、冷媒容器630、断熱容器640、防食層650を備える。このユニット600Aの説明に先立って、各接続対象を説明する。
【0045】
[低温絶縁型超電導ケーブル]
まず、低温絶縁型超電導ケーブル100の基本構造を図14に基づいて説明する。低温絶縁型超電導ケーブル(以下、単に超電導ケーブルとする)100は、内側から順に、フォーマ11、超電導導体層12(内側導体)、低温絶縁層13、超電導導体層14(外側導体)、保護層15を備えるコア10を、断熱管16内に収納した構成である。ここでは、互いに撚り合わせた3心のコア10を一つの断熱管16内に収納した3心一括型の超電導ケーブル100を示すが、コア10の心数は特に限定されず、単心でも構わない。図1では単心の超電導ケーブル100を示している。以下、各部の構成をより詳しく説明する。
【0046】
{フォーマ}
フォーマ11は、内側導体を保形すると共に、異常電流の分流路として機能する。フォーマ11は、複数の素線を撚り合わせた撚り線構造のものや、金属パイプやスパイラル帯を用いた中空構造のものがある。前者の場合、素線には絶縁被覆を有する銅線などの被覆金属線が好適に利用できる。後者の場合、ステンレス管やアルミニウム(合金)管などが好適に利用でき、その内部を冷媒の流路とできる。アルミニウム(合金)管の場合、可撓性に優れるため、ストレート管の利用も期待される。図1では撚り線構造のフォーマ11を示している。フォーマ11は、異常電流の分流路として利用されることがあるが、その異常電流が小さい場合は絶縁材料をフォーマ11に適用する場合がある。本例では、被覆金属線を撚り合わせた中実体とした。なお、フォーマ11と超電導導体層12の間にクッション層(図示せず)を設けても良い。
【0047】
{超電導導体層:内側導体}
超電導導体層(内側導体)12としては、例えば、酸化物超電導体を備えるテープ状線材が好適に利用できる。テープ状線材は、例えば、Bi2223系超電導テープ線(Ag−MnやAgなどの安定化金属中に酸化物超電導体からなるフィラメントが配されたシース線)、RE123系薄膜線材(RE:希土類元素、例えばY、Ho、Nd、Sm、Gdなど。金属基板に酸化物超電導相が成膜された積層線材)が挙げられる。内側導体12は、上記テープ状線材を螺旋状に巻回して形成した単層構造、または多層構造のものが挙げられる。本実施形態では、多層構造の超電導導体層12とした。
【0048】
{低温絶縁層}
低温絶縁層13は、冷媒に浸漬されて、内側導体12での使用電圧に対して要求される絶縁を確保するための層である。この低温絶縁層13には、常電導ケーブルで実績があり電気絶縁強度に優れる材料、例えば絶縁紙とプラスチック層との複合テープや、クラフト紙が好適に利用できる。複合テープとしては、PPLP(住友電気工業株式会社の登録商標)を利用できる。
【0049】
{超電導導体層:外側導体}
超電導導体層(外側導体)14は、交流ケーブルの場合は内側導体12への通電に伴って生じる磁界を相殺するための超電導シールド層である。直流ケーブルの場合、単極送電では、内側導体12と外側導体14とで電流の往路と帰路を構成する往路導体層又は帰路導体層として超電導導体層(外側導体)14を利用する。双極送電では、例えば2条の超電導ケーブルを用い、各超電導ケーブルの各内側導体12を往路導体層及び帰路導体層とし、超電導導体層(外側導体)14を各中性線とする。この外側導体14も内側導体12と同様の超電導線材により構成される。外側導体14は、必須ではなく、必要に応じて設ければ良い。図14では外側導体14を示しているが、図1では外側導体がない超電導ケーブル100を示している。但し、外側導体14がない場合でも、通常、常電導の遮蔽層(電界シールド)は設けられている。この遮蔽層は、例えば編組線などで構成され、接地電位をとることで充電電流を断熱管16に流さないためのものである。この遮蔽層は、外側導体のない超電導ケーブルを示す各図において省略している。
【0050】
{保護層}
保護層15は、外側導体14の外周を覆い、外側導体14を保護すると共に、断熱管16との絶縁を確保する。この保護層15は、クラフト紙などを巻回することで形成できる。図1では保護層は省略している。
【0051】
{断熱管}
断熱管16は、コア10を内部に収納する内管16aと、内管16aを内部に収納する外管16bとを備える二重管構造である。内管16aは、その内部に、内側導体12を超電導状態に維持するための冷媒20(代表的には、液体窒素や液体ヘリウム、ヘリウムガスなど)が充填され、冷媒流路として機能する。この内管16aと、内管16aの外周に設けられる外管16bとで断熱管16を構成することで、外部からの侵入熱などにより冷媒20の温度が上昇することを抑制する。内管16aと外管16bとの間は真空引きされ、それによって真空断熱層が形成されている。その他、内管16aと外管16bとの間にスーパーインシュレーションといった断熱材や、内管16aと外管16bとを離隔させるスペーサを配置すると、断熱管16の断熱性を高められる。
【0052】
本例における断熱管16を構成する内管16aと外管16bは、共にコルゲート管である。両管16a,16bをコルゲート管にすることで、断熱管16(即ち、超電導ケーブル100)の曲げ剛性を小さくすることができ、管路内などへの超電導ケーブル100の布設をより容易にすることができる。なお、両管16a,16bは、ストレート管であっても良い。
【0053】
{分流導体}
必要に応じて、外側導体14の内側(低温絶縁層13との間)や外側導体14の外側に分流導体(図示略)を設けることができる。分流導体は、異常時電流が生じたときに、その異常時電流を分担する常電導導体である。分流導体の材質には、高導電率の金属材料、例えば銅や銅合金が好適に利用できる。
【0054】
その他、低温絶縁層13の内側及び外側には安定した電気特性を得るのに有効な半導電層(図示せず)を設けても良い。
【0055】
[冷媒輸送管]
冷媒輸送管200は、超電導ケーブル100に冷媒20を供給する、又は超電導ケーブル100から排出される冷媒20を輸送する。この輸送管200には、上述した超電導ケーブル100における断熱管16と同様の輸送管用断熱管210と、その断熱管210を覆う防食層220とを有する構成が利用できる。
【0056】
[常電導ケーブル]
常電導ケーブル300は、公知のCVケーブルが好適に利用できる。一般に、これらのケーブルは、中心から順に、常電導の導体310、内部半導電層、常温の絶縁層320、外部半導電層、遮蔽層、遮水層、防食層などを備えている。図1では導体310と絶縁層320以外は省略している。この常電導ケーブル300を接続ユニット600Aに接続するには、後述するアタッチメント350を介して接続する。
【0057】
[アタッチメント]
アタッチメント350は、常電導ケーブル300の端部と接続ユニット600Aとの間に介在されて、極低温とされる導電ブロック610と常電導ケーブル300の常温の導体310とを接続する。このアタッチメント350は、導電ブロック610の接続凹部612に嵌め込まれる接続凸部351と、接続凸部351に連続する引出導体353とを備え、さらに引出導体353の外側を順次覆う接続用絶縁部355と接続用断熱管357とを備える。
【0058】
この接続凸部351と引出導体353は、例えば一体の常電導部材から構成され、本例では銅で構成されている。接続凸部351は、導電ブロック610の接続凹部612の内径に対応した外径を有する短尺棒材で、接続凹部612内に密着状態で嵌め込まれる。引出導体353は所定の長さを有し、接続凸部351よりも細い部材で、その引出導体353の外側に接続用絶縁部355と接続用断熱管357を形成することで、常温側と極低温側との間の熱勾配を緩やかに形成し、常温側から極低温側への熱侵入を抑制する。
【0059】
また、接続用絶縁部355は、各種常電導ケーブルの絶縁層に一般に用いられる絶縁材料で構成できる。より具体的には、引出導体353と接続用断熱管357の双方に密着して成形された固体絶縁材(エポキシなど)が好適に利用できる。この構成によれば、引出導体353、接続用断熱管357の各々と固体絶縁材からなる接続用絶縁部355との界面が密着され、この界面を介した冷媒20の漏洩を効果的に抑制できる。本例の接続用絶縁部355は、接続凸部351の外径と同じ外径を有し、接続凸部351の後端側に連続するように成形されている。この構成により、アタッチメント350の接続凸部351及び接続用絶縁部355を、冷媒容器630、介在絶縁部620及び導電ブロックの接続凹部612に容易かつ確実に差し込むことができる。その上、両者(351、355と630、620、612)の界面を密着させることで、その差込箇所からの冷媒20の漏洩を防止すると共に、導電ブロック610と接続凸部351との電気的接続を確実にすることができる。
【0060】
さらに、接続用断熱管357は、超電導ケーブル100の断熱管16や冷媒輸送管200の断熱管210と同様の構成が利用できる。本例では、このアタッチメント350を接続ユニット600Aの差込口603に差し込んだ際、接続用絶縁部355と接続用断熱管357の先端面が冷媒容器630の差込口603につながる開口を塞ぐ。このアタッチメント350と常電導ケーブル300との接続手順については後述する。その接続箇所を挟むアタッチメント350と常電導ケーブル300の各端部の間は、絶縁外被359により覆われる。
【0061】
[ユニットの各部の構成]
{導電ブロック}
導電ブロック610は、複数の接続対象を電気的に接続するための導電部材である。
【0062】
この導電ブロック610は、複数の接続凹部612を備え、各接続凹部612には、接続対象の内側導体12の端部を端末処理した接続凸部110が差し込まれる。この接続凸部110は銅などの導電材料からなり、接続凹部612に差し込むことで、両者は互いに係合して、接続対象の導体が導電ブロック610に確実に接続される。接続凸部110は、単一の部材で構成されても良いし、フォーマ11や超電導導体層12と接続される第一部材と、その第一部材をそれぞれ、又は一体に覆う第二部材など、複数の部材を組み合わせて構成しても良い。この分割の仕方や数は特に限定されない。
【0063】
接続凹部612の数は、複数であれば特に限定されない。本例では3つの接続凹部612を形成しているが、他の実施形態で説明するように、2つや4以上であっても良い。もっとも、本例で示すように、全ての接続凹部612に接続対象の導体につながる接続凸部110が差し込まれるわけではない。使用しない差込口があっても良い。使用しない差込口には、後述する実施形態2に示すように、差込口に栓が差し込まれる。
【0064】
この接続凹部612の配置は、各差込口601、602、603に向くようにされている。接続対象の導体に接続した接続凸部110を差し込めるようにするためである。本例では、ユニット600Aの一面(図1の左側)に2つの接続凹部612を並列して設け、この一面に対向する面(図1の右側)に一つ設けている。この配置は、差込口601、602、603の配置に応じて適宜変更できる。例えば、(1)一面に2つの接続凹部を設け、この一面に対向する面にも2つの接続凹部を設けたり、(2)一面と対向面に一つずつの接続凹部を設け、さらにこの両面に直交する面にも一つの接続凹部を設けても良い。
【0065】
この接続凹部612と接続凸部110との具体例としては、常電導ケーブルの導体接続で一般的なチューリップコンタクトやマルチコンタクトが挙げられる。
【0066】
導電ブロック610の形状としては、各接続凹部612が同一面上で並列される薄型とすることが挙げられる。この形状であれば、ユニット600Aの厚み(図1の紙面と直交する方向の寸法)を小さくすることができる。その他、このユニットを接続対象の軸方向から見た場合、3つの接続凹部を三角形状に配置しても良い。
【0067】
導電ブロック610の材質には、低温で高い導電性を有する金属、例えば、銅、銅合金やアルミニウム、アルミニウム合金が好適に利用できる。その他、導電ブロック610の形態としては、中実の金属材料の他、多孔質金属や冷媒の通路を有する形態であっても良い。中実の金属材料の場合、導電ブロック610と冷媒容器630との間が冷媒の流路となる。多孔質材料や冷媒の通路を有する場合、多孔質材料の微細孔や通路が冷媒の流路となる。
【0068】
{冷媒容器}
この導電ブロック610は冷媒容器630に収納されている。この冷媒容器630は、冷媒の温度で劣化せず、気密構造に適した材料が好適に利用できる。本例では、ステンレスで冷媒容器630を構成している。そして、冷媒容器630、接続対象が各接続凹部612に至る差込経路を確保するため、各差込口601、602、603を形成している。
冷媒容器630は、導電ブロック610の外面と絶縁されるように配置されている。この冷媒容器630内、即ち、冷媒容器630と導電ブロック610との間の空間は、超電導ケーブル100の冷却に用いる冷媒20の循環経路となる場合がある。
【0069】
また、この冷媒容器630は、導電ブロック610から絶縁されている。この絶縁の確保は、後述する介在絶縁部620及び絶縁性の冷媒の少なくとも一方により行われる。液体窒素のように冷媒自体が高い絶縁性を有する場合、導電ブロック610と冷媒容器630との間を冷媒流路とすることで冷媒容器630と導電ブロック610とを絶縁できる。或いは、導電ブロック610と冷媒容器630との間に固体絶縁材料を充填してもよい。本例での冷媒容器630は、次述する介在絶縁部620を介して導電ブロック610から絶縁されており接地電位にあるため、形状の自由度が高い。
【0070】
{介在絶縁部}
導電ブロック610と冷媒容器630との間の空間には、介在絶縁部620が配置されている。この介在絶縁部620は、多孔質又は中実の固体絶縁材料が利用でき、導電ブロック610と冷媒容器630との絶縁を確保すると共に、前記空間内に冷媒20の流通を許容する構成が好ましい。具体的には、前記空間内の複数箇所に設けられて、冷媒容器630内に導電ブロック610を支持する複数の絶縁スペーサであっても良いし、絶縁材料からなる多孔質部材としても良い。前者は絶縁スペーサ同士の間が冷媒20の流路となり、後者は多孔質部材の孔内が冷媒20の流路となる。その他、前記空間内に配置される管状体であってもよい。その場合、管状体の内部が冷媒20の流路がとされる。一方、介在絶縁部620を冷媒の流通を許容しない中実の固体絶縁材料(例えばエポキシ)で構成しても良い。その場合、導電ブロック610内に冷媒20の流路を構成すればよい。
【0071】
{断熱容器}
さらに冷媒容器630の外側は、断熱容器640に囲まれている。この断熱容器640は、冷媒容器630の外周に断熱空間を形成し、冷媒容器630内の冷媒に対する熱侵入を抑制する。本例では、図1の楕円で囲んだ箇所を図2に拡大して示すように、冷媒容器630の外側に重なるように断熱容器640を配置し、その断熱容器640内の閉鎖空間を真空引きして断熱空間を形成している。その他、断熱容器640の内側面が冷媒容器630を兼ねた構造としても良い。この断熱空間内には、輻射による熱侵入を抑制するため、スーパーインシュレーションなどの断熱材(図示略)を配置しても良い。勿論、この断熱容器640も、接続対象が差し込まれる箇所は開口されている。
【0072】
この断熱容器640は、導電ブロック610側から各差込口までの距離を長く採っている。接続対象が有する断熱管16(冷媒輸送管200の場合は断熱管210、アタッチメント350の場合は接続用断熱管357)を冷媒容器630内に挿入することで、断熱容器640と断熱管16(210、357)とを重複させ、冷媒20への熱侵入を効果的に抑制するためである。上述の断熱容器640と断熱管16(210、357)との重複距離は、断熱容器640の開口部が過度に低温にならないような適切な値を選択することが好ましい。なお、図2に模式的に示すように、接続対象の断熱管16(210、357)を断熱容器640内に挿入する場合、挿入された断熱管16(210、357)と冷媒容器630との間には、断熱管16(210、357)を挿入することで封止可能な適宜なシール手段を設ければ良い。断熱管16(210、357)がコルゲート管の場合、その端部のみに短いストレート管を被せるなどして平滑な円筒面とすれば、上記封止を行い易い。
【0073】
この断熱容器640の材質は、気密性に優れる金属材料が好適に利用できる。本例ではステンレスを用いている。冷媒容器630と同じ材質であれば、断熱容器640と冷媒容器630の接合或いは一体構造が容易になる。
【0074】
{防食層}
冷媒容器640の外側は、防食層650により覆われている。この防食層650は外部環境から保護できる程度の薄いもので良い。冷媒容器640自体は、接地電位となっているためである。
【0075】
[接続構造の組立手順とユニットの利用形態]
{組立手順}
まず、各接続対象の端末処理を行う。例えば、低温絶縁型超電導ケーブル100の場合、露出したフォーマ11を接続凸部110に圧縮などで接続し、内側導体12と接続凸部110とを電気的に接続する。断熱管16、及び冷媒輸送管200の断熱管210は、例えば所定の位置で切断して密閉処理をした後に真空処理がなされる。常電導ケーブル300には、次のようにアタッチメント350を接続する。まず、引出導体353の端部を常電導ケーブル300の端部の導体310と圧縮接続などの公知の方法で接続する。次に、その接続箇所に補強絶縁層を形成する。さらに、接続用断熱管357から補強絶縁層を介して常電導ケーブル300に跨る範囲に絶縁外被359を形成すればよい。このアタッチメント350の接続用断熱管357は、長さが予め規定されており、接続ユニット600Aへの接続作業を行う現地にて真空引きの必要がない。接続凸部110、接続凸部351の外周にはマルチバンドが嵌め込まれている。接続凸部110(接続凸部351)と接続凹部612との電気的接続手段は、マルチバンドに限定されない。
【0076】
各接続対象をそれぞれ差込口601、602、603に差し込む。超電導ケーブル100は第一差込口601に、冷媒輸送管200は第二差込口602に、常電導ケーブル300(アタッチメント350)は第三差込口603に差し込む。このとき、超電導ケーブル100の接続凸部110と常電導ケーブル300につながる接続凸部351は接続凹部612に嵌め込まれ、機械的・電気的に導電ブロック610と接続される。
【0077】
低温絶縁型超電導ケーブルの断熱管16も第一差込口601に差し込まれ、冷媒容器630との間がシールされる。常電導ケーブル300の場合、接続凸部351の第三差込口603への差込により冷媒容器630から冷媒20が漏洩しないためのシール機能を断熱管16に設ける。これらの冷媒容器630とのシールについては極低温容器などに適用されるシール構造が適用され、そのシール構造を設ける位置は、低温から常温の間のどの位置でも良く、複数のシール構造を設けても良い。
【0078】
冷媒輸送管200も、その断熱管210は冷媒容器630が構成する差込口602に差し込まれる。冷媒輸送管200と冷媒容器630との支持・固定は、金属に比して熱伝導率の小さいエポキシやFRPなどの絶縁材料を用いて行うことが好ましい。さらに、超電導ケーブル100の断熱管16と同様に、断熱管210と冷媒容器630との間から冷媒が漏洩しないようにシールを行う。
【0079】
これらの接続により、超電導ケーブル100、冷媒輸送管200、アタッチメント350の各断熱管16、210、357は、断熱容器640と十分な長さに亘って重複される。それにより、冷媒側への熱侵入を抑制すると共に、常電導ケーブル300の絶縁層320が過度に冷却されないようにできる。
【0080】
{利用形態}
このような接続ユニット600Aは、図3に示す超電導ケーブル線路の端部に好適に利用できる。この線路では、一端側(図の右側)の接続ユニット600Aから低温絶縁型の超電導ケーブル100が引き出され、後述するいくつかの中間接続ユニット600Dm、600Eを介して伸延されている。また、線路の他端側では、冷媒輸送管200が接続ユニット600Aから引き出されて、さらに中間接続部200Aを介して伸延され、さらに常電導ケーブル300も引き出されている。そして、冷媒輸送管200は、一端側に設置された冷媒の冷却・循環機構700に接続されている。
【0081】
各ケーブル100内には、冷却・循環機構700から供給された冷媒が、図の右側から左側に向かって流通され、同じ方向に送電も行われる。このケーブルの両端には、図1の接続ユニット600Aが接続されている。例えば、図3の左側の接続ユニット600Aを例にすると、超電導ケーブル100が第一差込口601に差し込まれ、冷媒輸送管200が第二差込口602に差し込まれ、常電導ケーブル300が第三差込口603に差し込まれている(図1)。この接続ユニット600Aの利用により、超電導ケーブル100内を通って一端側から他端側に流通された冷媒は、接続ユニット600Aを経て冷媒輸送管200に排出される。その際、接続ユニット600A 内で、冷媒20は導電ブロック610の周囲を囲む空間を流通する。冷媒輸送管200に排出された冷媒20は、線路の他端側から一端側の冷却・循環装置700に復帰され、この循環を連続させることができる。そして、第三差込口603に差し込まれた常電導ケーブル300から各種機器への送電が行われる。
【0082】
[作用効果]
上記の接続ユニット600Aによれば、次の効果を奏することができる。
【0083】
各接続対象を接続ユニット600Aの各差込口601、602、603に挿入するという簡易な作業により、接続ユニット600Aを介して各接続対象を接続することができる。
【0084】
接続ユニット600A は、冷媒容器630と断熱容器640を備えるため、接続対象同士の電気的接続に加え、接続対象が有する冷媒20の流路同士の接続もまとめて行うことが可能である。よって、小型の接続ユニット600Aとできる。
【0085】
接続ユニット600Aの断熱容器640と、接続対象の断熱管16(輸送管用断熱管210、接続用断熱管357)とを重複させることで、導電ブロック610側への熱侵入と、接続対象の接続用絶縁部355の過剰な冷却を効果的に抑制できる。
【0086】
この接続ユニット600Aの利用により、超電導ケーブル100内の冷媒20の流通方向を逆転させることができ、その冷媒20を、冷媒輸送管200を介して冷却・循環装置700に復帰させることができる。
【0087】
〔実施形態2〕
次に、実施形態1の接続ユニットを用いて、一対の低温絶縁型超電導ケーブルを接続する実施形態2を図4に基づいて説明する。本例は、接続対象の2つが上記超電導ケーブル100であること、並びに残る差込口には栓400が差し込まれている点が異なる。そのため、以下の説明は主に相違点について行い、このことは後述する他の実施形態においても同様とする。
【0088】
この接続ユニット600Bでは、第一差込口601と第三差込口603の各々に超電導ケーブル100が差し込まれ、第二差込口602に栓400が差し込まれている。各超電導ケーブル100と接続ユニット600Bとの接続構造は実施形態1と共通である。
【0089】
栓400は未使用の差込口(本例では第二差込口602)を電気的、熱的に封止するためのもので、絶縁部410と断熱部420を備える。絶縁部410は、導電ブロック610の接続凹部612に嵌め込まれる短い棒状の部材で、エポキシ樹脂などの絶縁性に優れる樹脂により構成されている。一方、断熱部420は、絶縁部410と一体の短い棒状の部材で、冷媒容器640の形成する差込口602に嵌め込まれ、差込口602を封止する。断熱部420は真空断熱容器を用いることが好ましい。その場合、真空層内にスーパーインシュレーション(商品名)等の輻射熱抑制材を配置することが好ましい。その他、断熱部420を断熱材料で構成する場合、その構成材料には、断熱性に優れる樹脂や発泡樹脂の他、これら樹脂にグラスウールやロックウールなどを複合させた材料が利用できる。本例の栓400では、絶縁部410が若干接続凹部612から導電ブロック610の外側に突出し、冷媒容器630の外面に断熱部420の低温側端部が当接される。
【0090】
本例の接続構造によれば、一方の超電導ケーブル100から他方の超電導ケーブル100に送電でき、断熱管16内の冷媒も、導電ブロック610と冷媒容器630との間の空間を介して一方の超電導ケーブル100から他方の超電導ケーブル100に流通できる。差込口602には栓400が差し込まれて封止され、この差込口602自体は、送電や冷媒の流通に利用されないが、栓400の絶縁部410により接続ユニット600Bの内部は、電気的に外部から絶縁され、かつ断熱部420により熱的にも外部から遮断される。
【0091】
〔実施形態3〕
次に、接続ユニットを用いて、低温絶縁型超電導ケーブルと常電導ケーブルとを接続すると共に、超電導ケーブル内で冷媒を往復して流通させる実施形態3を図5に基づいて説明する。
【0092】
本例の接続ユニット600Cの基本構成は実施形態1の接続ユニット600Aとほぼ同様である。差込口601には超電導ケーブル100が、差込口602にはアタッチメント350を設けた常電導ケーブル300が、差込口603には実施形態2で用いた栓400が差し込まれている。
【0093】
接続ユニット600Aとの相違点は、超電導ケーブル100と接続される導電ブロック610の接続凹部612には、接続凹部612の内底面から導電ブロック610の外面に連通する連通孔614が形成されている点にある。一方、接続対象の超電導ケーブル100は、フォーマ11が中空構造であり、その内部も冷媒20の流路とされている。さらに、超電導ケーブル100の端部に形成される接続凸部110は、フォーマ11内の冷媒の流路を、連通孔614を介して導電ブロック610と冷媒容器630との間の空間に連通させる鋼芯管120を備える。フォーマ先端部の内部には、鋼芯管120が挿入されており、接続凸部110をフォーマ11の外周に圧縮接続した際、フォーマ11内の冷媒の流路が閉塞されないようにしている。そして、この鋼芯管120の先端が導電ブロック610の連通孔614につながっている。
【0094】
そのため、例えばフォーマ内を往路として接続ユニット600Cに導入された冷媒20は、鋼芯管120、連通孔614を通って導電ブロック610と冷媒容器630との間の空間に排出される。この空間は、超電導ケーブル100を構成する断熱管16の内側、つまり断熱管16とコア10との間に形成される冷媒20の流路と連通しているため、この断熱管16の内側の流路を冷媒20の復路とすることができる。勿論、断熱管16とコア10との間の空間を冷媒20の往路とし、フォーマ11内を冷媒20の復路としても良い。一方、電力は超電導ケーブル100と常電導ケーブル300とを送電路として所定の方向に送られる。
【0095】
〔実施形態4〕
次に、2つの差込口を有する接続ユニットを用いて、一対の低温絶縁型超電導ケーブルを接続する接続構造を図6に基づいて説明する。
【0096】
この接続ユニット600Dは、左右の対向する位置に一方の差込口601と他方の差込口602を備える。このユニット600Dの内部は、実施形態1の接続ユニット600Aと類似の構成である。つまり、内側から順に、導電ブロック610、冷媒容器630、断熱容器640を備える。但し、導電ブロック610は、図6の左右に長い棒状で、その両端部に接続凹部612が形成されている。また、この導電ブロック610は、接続凹部612の内部から外部に連通する連通孔614を備えている。本例では、実施形態3で示した連通孔614と異なり、接続凹部の内周面から外周面に連通して径方向に伸びる連通孔614としている。
【0097】
一方、接続対象となる超電導ケーブル100は、実施形態3と同様に中空構造のフォーマを備え、その内部を冷媒の流路とし、フォーマ先端部の内部に鋼芯管を備えている。また、このフォーマの先端部に形成される接続凸部110は、鋼芯管の先端から連通孔につながる冷媒孔130を有している。冷媒孔130は、予め太目の孔を接続凸部110に形成しておいても良いし、圧縮後の接続凸部110を穿削するなどして形成しても良い。
【0098】
さらに本例の接続ユニット600Dでは、導電ブロック610と冷媒容器630との間の空間を左右に分断する仕切り板635を備えている。つまり、接続ユニット600Dでは、仕切り板635の左右の空間は各々独立した冷媒20の流路とされる。
【0099】
本例の接続構造によれば、電力は一対の超電導ケーブル100を送電路として、一方の超電導ケーブル100から他方の超電導ケーブル100に送電することができる。これに対し、超電導ケーブル100内の冷媒は、フォーマ11内の空間及び断熱管16とコア10との間の空間の一方を往路、他方を復路として流通される。例えば、フォーマ11内を冷媒20の往路とすると、接続凸部110の冷媒孔130と導電ブロック610の連通孔614を通った冷媒20は導電ブロック610と冷媒容器630との間の空間に導入され、仕切り板635により接続ユニット600Dの中間で折り返されて、超電導ケーブル100の断熱管16とコア10との間の空間を往路として流通される。
【0100】
このような接続構造の変形例としては、仕切り板、導電ブロックの連通孔、及び接続凸部の冷媒孔をなくし、フォーマを撚り線構造のものに置換した構成が挙げられる。この接続構造であれば、冷媒も一方の超電導ケーブルから他方の超電導ケーブルに一方向に流通するようにでき、図3の中間接続ユニット600Dmとして利用することができる。
【0101】
さらに別の変形例としては、一方の超電導ケーブル100を常電導ケーブルに置換する構成が挙げられる。つまり、接続ユニット600Dを介して超電導ケーブルと常電導ケーブルを接続することができる。この場合、超電導ケーブル100内の冷媒は、フォーマ11内の空間及び断熱管16とコア10との間の空間の一方を往路、他方を復路として流通される(図14)。また、常電導ケーブルの接続には、図1や図5で示したアタッチメント350を用いればよい。
【0102】
〔実施形態5〕
次に、外側導体を有する単心の低温絶縁型超電導ケーブル同士の接続構造を図7、図8に基づいて説明する。
【0103】
本例の接続対象は、1心のコア10しか備えていないが、実施形態1において説明した超電導ケーブルと同様に、低温絶縁層13の内側に超電導導体層で構成される内側導体12と、低温絶縁層13の外側に超電導導体層で構成される外側導体14とを有する。
【0104】
本例の接続構造では、接続ユニット600Eを用いる。この接続ユニット600Eは、左右に一対の差込口601、602を備える。これら差込口601、602は、他の実施形態に比べて大きな開口である。接続ユニット600Eの構造は、内側から順に導電ブロック610、冷媒容器630、断熱容器640を備える点で他の実施形態と共通するが、冷媒容器630内に内側導体用ブロック610iと、外側導体用ブロック610oの2つの導電ブロック610を備える点で異なる。これら両導体用ブロック610i、610oは、構造・材質・サイズが共通で、いずれも左右の両端部に接続凹部612が設けられた棒状体である。また、両導体用ブロック610i、610oは、介在絶縁部620により、互いに絶縁されている。
【0105】
このような接続ユニット600Eに外側導体14を有する超電導ケーブル100を接続するには、図8に示す端末部を形成しておく。この端末部は、段階的に露出したフォーマ11と内側導体12の端部に接続凸部110を形成する点は他の実施形態と共通である。但し、外側導体14につながる外側導体接続部500(シールド接続部)を備える点で他の実施形態と異なる。外側導体接続部500は、超電導ケーブル100の外側導体14と接続凸部510との間を連結用導体520で接続した構成である。接続凸部510は、その一端側が外側導体用ブロック610oの接続凹部612に嵌め込まれ、他端側に連結用導体520が接続される棒状の導電部材である。連結用導体520には、超電導導体層12を構成する超電導線材が好適に利用できる。また、銅線などの常電導線材も連結用導体520として利用できる。常電導線材の場合、編組線などの構成が好適である。連結用導体520と外側導体14及び接続凸部510との接続は、半田付けなどが利用できる。
【0106】
さらに、この端末部には、ケーブル側断熱部18が形成されている。この断熱部18は、一端に大きな開口を、他端に小さな開口を有する筒状部材で適宜な断熱材料で構成される。大きな開口の内径は、内側導体12につながる接続凸部110と、外側導体14につながる接続凸部510とを包括する。小さな開口には超電導ケーブル100が貫通される。本例では小さな開口側の端面が常温側であるため、その端面を厚く構成して熱侵入を抑制している。
【0107】
このような端末部は、接続凸部110を内側導体用ブロック610iの接続凹部612に、接続凸部510を外側導体用ブロック610oの接続凹部612に嵌め込み、大きな開口側の端部を断熱容器640で形成される差込口601、602に嵌め込む。その結果、一方の超電導ケーブル100の内側導体12・外側導体14は他方の超電導ケーブル100の内側導体12・外側導体14とそれぞれ接続ユニット600Eを介して接続される。また、各導体用ブロック610i、610oと冷媒容器640との間の空間とケーブル側断熱部18内の空間とが連通されて、冷媒20の流路として構成される。このケーブル側断熱部18内は、超電導ケーブル100の断熱管16とコア10との間の空間とも連通されているため、一方の超電導ケーブル100内の冷媒20は、接続ユニット600Eを介して、他方の超電導ケーブル100内に流通させることができる。その際、冷媒20は、内側導体12、外側導体14、及び連結用導体520を極低温に維持する。
【0108】
このような接続ユニット600Eは、例えば、図3における中間接続ユニット600Eとして利用することができる。
【0109】
〔実施形態6〕
次に、外側導体を有する3心一括構造の低温絶縁型超電導ケーブル同士の接続構造を図9に基づいて説明する。
【0110】
本例の接続対象は、図14に示すように、3心のコア10を有し、低温絶縁層13の内側に超電導導体層で構成される内側導体12と、低温絶縁層13の外側に超電導導体層で構成される外側導体14とを有する。この超電導ケーブル100の端末部として、外側導体14が連結用導体520を介して接続凸部510に接続される点や、ケーブル側断熱部18を有する点は、実施形態5と共通である。但し、各コア10の外側導体14は、連結用導体を介して3つの接続凸部の各々に接続されるのではなく、3つの連結用導体520の一端を1つの接続凸部510に集約して接続している。
【0111】
本例の接続構造では、接続ユニット600Fを用いる。この接続ユニット600Fは、実施形態5の接続ユニット600Eと類似するが、内側導体用ブロック610iが3つあり、各内側導体用ブロック610iの接続凹部612の内外に冷媒20を流通できる点で異なっている。接続凹部612の内外に冷媒を流通させる構成は、図6の実施形態4と同様である。つまり、接続凸部110は冷媒孔130を有し、各内側導体用ブロック610iは連通孔614を有する。一方、接続凸部510は冷媒孔を有さず、一つしかない外側導体用ブロック610oは連通孔を有しない。
【0112】
さらに、本例の接続ユニット600Fは、各導体用ブロック610i、610oと冷媒容器630との間の空間を左右に分断する仕切り板635を備える。
【0113】
このような接続ユニット600Fを用いれば、3心一括型超電導ケーブル100の各コア10の外側導体14を一括することで、一つの外側導体用ブロック610oに対して接続でき、接続ユニット600Fを小型化できる。また、接続ユニット600F内に仕切り板635を設けることで、この仕切り板635の左右で冷媒20の流路を独立させることができる。つまり、接続ユニット600F内の仕切り板635により冷媒20を折り返すように流通させ、超電導ケーブル100のフォーマ11内部と断熱管16の内部の空間を冷媒20の流路の往路と復路として構成できる。
【0114】
なお、図9では、説明の便宜上、同一平面上に並列して各導体用ブロックを配置しているが、立体的な配置としても良い。例えば、四角の各頂点に内側導体用ブロックと外側導体用ブロックが配されるようにしても良い。
【0115】
〔実施形態7〕
さらに、多条の常電導ケーブルと1条の低温絶縁型超電導ケーブルとの接続構造を図10に基づいて説明する。
【0116】
この接続構造には、4つ以上の差込口を有する接続ユニット600Gを用いる。このユニット600Gは、一端側に差込口601を有し、他端側に差込口602〜604(他の差込口は省略)を有する。差込口601には超電導ケーブル100が、差込口602〜604にはアタッチメントを備える常電導ケーブル300α〜300γが差し込まれる。アタッチメント350を備える各常電導ケーブル300α〜300γの接続ユニット600Gへの接続構造は実施形態1と同様であり、超電導ケーブル100の接続ユニット600Gへの接続構造は図6の実施形態4と同様である。
【0117】
上記の各常電導ケーブル300α〜300γは、例えば再生可能エネルギーを利用する発電手段につながれている。一例としては、差込口602の常電導ケーブル300αは太陽電池に接続され、差込口603の常電導ケーブル300βは風力発電機に接続されている(常電導ケーブル300γにつながる発電手段は図示略)。
【0118】
本例の接続構造によれば、複数の発電手段からの発電電力を複数条の常電導ケーブル300で送電し、接続ユニット600Gを介することで、1条の超電導ケーブル100に集約して送電することができる。
【0119】
〔実施形態8〕
次に、導電ブロックに冷媒流路を形成した実施形態8を図11に基づいて説明する。この接続構造では、3つ口の接続ユニットを用い、各差込口には、超電導ケーブル100、冷媒輸送管200、常電導ケーブル300がそれぞれ接続される。超電導ケーブル100の断熱管16内を流れる冷媒20は、導電ブロック610に形成された冷媒流路を通って、冷媒輸送管200へと流通し、超電導ケーブル100と常電導ケーブル300とを送電路とする。
【0120】
本例の導電ブロック610は、それ自体が冷媒流路を有する。例えば、(1)発泡金属などの導電性の多孔質体で導電ブロック610を構成したり、(2)中実の金属ブロックからなる導電ブロック610において、超電導ケーブル100の差し込まれる接続凹部612と冷媒輸送管200の差し込まれる接続凹部612の各々の内周面に溝を形成し、両者の溝同士を連通する孔で接続することなどにより導電ブロック610に冷媒流路を形成する。また、超電導ケーブル100の断熱管16内の冷媒20を導電ブロック610の冷媒流路に導入できるよう、接続凸部110の根元側の端面は、接続凹部612内に収納され、導電ブロック610の外周面から突出しない。つまり、断熱管16内の冷媒は、接続凹部612の内周面のうち、接続凸部110で覆われていない開口側の領域から導電ブロック610の冷媒流路に導入される。
【0121】
この導電ブロック610と冷媒容器630との間には、中実の固体絶縁材料が充填されて介在絶縁部620を形成している。この固体絶縁材料には、エポキシなどの絶縁性に優れる樹脂材料が好適に利用できる。この固体絶縁材料により、導電ブロック610が多孔質の場合でも、導電ブロック610と冷媒容器620との間に冷媒20が流出することはなく、固体絶縁材料で囲まれる領域に冷媒20を封止する。
【0122】
一方、冷媒輸送管200と常電導ケーブル300の導電ブロック610に対する差し込み構造は、実施形態1とほぼ同様である。但し、本例では、導電ブロック610自体が冷媒流路を有するため、輸送管用断熱管210の接続される接続凹部612内には超電導ケーブル100の断熱管16内の冷媒20が導電ブロック610を通って導入されるため、その冷媒20をさらに冷媒輸送管200内へと流通させることができる。
【0123】
また、常電導ケーブル300を接続ユニット600Hにつなげるアタッチメント350は、接続用絶縁部355の先端部が導電ブロック610の接続凹部612の内周面にまで達する。この接続用絶縁部355の先端部と前記内周面並びに介在絶縁部620との密着により、導電ブロック610内を流通する冷媒20がアタッチメント350の差込口603から漏洩することを防止する。
【0124】
この構成によっても、各差込口601〜603に接続対象を差し込むことを基本作業とすることで、低温絶縁型超電導ケーブル100、冷媒輸送管200、及び常電導ケーブル300の接続構造を容易に構築できる。
【0125】
〔実施形態9〕
次に、4つ口の接続ユニットを用い、超電導ケーブルと常電導ケーブルとを電気的に接続すると共に、超電導ケーブルのフォーマ内の冷媒流路を一方の冷媒輸送管に接続し、同ケーブルの断熱管とコアとの間の冷媒流路を他方の冷媒輸送管に接続する実施形態9を図12に基づいて説明する。
【0126】
本例では、接続ユニット600Iの上部で対向する差込口601、603の各々に超電導ケーブル100、冷媒輸送管200oを差し込み、接続ユニット600Iの下部で対向する差込口602、604の各々に冷媒輸送管200i、常電導ケーブル300を差し込んでいる。このうち、冷媒輸送管200oと常電導ケーブル300の接続ユニット600Iに対する差し込み構造は実施形態1(図1)と同様である。
【0127】
一方、超電導ケーブル100は断熱管16とコア10との間、及びフォーマ11内の各々に冷媒流路を持つ。このうち、前者は実施形態1と同様に導電ブロック610と冷媒容器620との間の空間を通して冷媒輸送管200oとつながれる。後者は、フォーマ11の端部に挿入された鋼芯管120を接続凸部110に設けた冷媒孔130に連通させておき、冷媒輸送管200iの端部には、一端が同輸送管200iに嵌め込まれ、他端が導電ブロック610の接続凹部612に嵌め込まれる冷媒用接続端部250を設けておく。冷媒用接続端部250は、絶縁材料で構成され、例えば冷媒輸送管200i内に挿入される一端面から他端面の近傍にまで至る軸孔と、その軸孔の他端側で径方向に延びて冷媒用接続端部250の外周面に開口する横孔とからなる冷媒通路255を備えている。そして、接続凸部110の冷媒孔130と冷媒用接続端部250の他端側の冷媒通路255の開口とを、冷媒導電ブロック610に設けた連通孔614を介して接続する。この構成により、超電導ケーブル100のフォーマ11は、鋼芯管120、冷媒孔130、連通孔614、冷媒通路255を介して冷媒輸送管200iと連通される。
【0128】
そのため、例えば、冷媒輸送管200iを冷媒供給管として接続ユニット600Iを介してフォーマ11内に冷媒20を供給し、この超電導ケーブル100の図示される一端から図示しない他端に至る冷媒往路を構成することができる。一方、図示しない超電導ケーブル100の他端側では、例えば図5の接続ユニット600C(実施形態3)と同様の構成を利用して、フォーマ11内の冷媒を断熱管16とコア10との間に流通させて冷媒復路を構成することができる。そして、超電導ケーブル100の一端側において、接続ユニット600Iを介して冷媒排出管となる冷媒輸送管200oに冷媒を流通させる。両冷媒輸送管200i、200oの図示しない他端側は、冷却・循環装置(図示略)を介してつながれており、冷媒輸送管200oから排出された冷媒は、冷却・循環装置で冷却・加圧されて冷媒輸送管200iに送られることで循環される。
【0129】
このように、本例の接続ユニット600Iに超電導ケーブルの一端側を差し込み、他端側を実施形態3(図5)や実施形態4(図6)の接続ユニット600C、600Dに差し込むことで、フォーマ11内の冷媒と断熱管16とコア10との間の冷媒20とを往復流通させ、かつ超電導ケーブル100内の冷媒を両冷媒輸送管200o、200iを用いて外部に排出し、再度超電導ケーブル100内に再供給することで、冷媒20の循環を行うことができる。
【0130】
〔実施形態10〕
次に、一対の三相一括型の超電導ケーブル同士を、接続ユニットを介して接続する場合において、外側導体(シールド層)は接続ユニット内で互いに電気的に縁切りし、各シールド層を接続ユニットの外部で接地する実施形態10を図13に基づいて説明する。本例は、図9の実施形態6と類似した構成であり、以下の説明は主に両者の相違点について行う。
【0131】
本例の接続ユニット600Jでも、図9の接続ユニット600Fと同様に、各超電導ケーブルの内側導体12が、3つの内側導体用ブロック610iの各々に接続され、各コア10の外側導体14が一括して外側導体接続部(シールド接続部)500に接続されている。但し、突き合わされた一対の超電導ケーブルにおける外側導体14(シールド層)は、縁切り用ブロック615に接続されており、互いに電気的に接続されていない。例えば、この縁切り用ブロック615と外側導体接続部500の接続凸部510iの少なくとも一方を絶縁材料で構成することにより、接続ユニット600Jを挟む左右の外側導体14同士は電気的に絶縁されたことになる。そして、外側導体接続部500の連結用導体520に適宜な接地線を接続し、この接地線の端部を接続ユニット600Jの外部に引き出して接地をとる。接地線が断熱容器640を貫通する箇所は、ハーメチックシールなどの適宜な封止構造を採用すればよい。本例では、対向する両連結導体520の各々から接地をとっているが、この接続ユニット600Jではいずれか一方の連結導体520のみ接地をとり、他方の連結導体520は、図示しない超電導ケーブルの他端側で適宜な手段にて接地をとってもよい。
【0132】
その他、外側導体接続部500や縁切り用ブロック615を用いなくてもよい。その場合、各外側導体14を一括した端部を適宜な固定構造で接続ユニット600J内に固定し、同端部が接続ユニット600J内で振れないようにすればよい。
【0133】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるわけではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0134】
本発明のユニットは、低温絶縁型超電導ケーブル同士の接続や、低温絶縁型超電導ケーブル、常電導送電機器、及び冷媒輸送管の3つの接続に好適に利用できる。特に、このユニットにつながる常電導送機器として、CVケーブルを好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0135】
100 低温絶縁型超電導ケーブル
10 コア
11 フォーマ 12 超電導導体層(内側導体) 13 低温絶縁層
14 超電導導体層(外側導体) 15 保護層
16 断熱管
16a 内管 16b 外管
17 防食層 18 ケーブル側断熱部
20 冷媒
110 接続凸部 120 鋼芯管 130 冷媒孔
200、200o、200i 冷媒輸送管
200A 中間接続部
210 輸送管用断熱管 220 輸送管用防食層
250 冷媒用接続端部 255 冷媒通路
300、300α、300β、300γ 常電導ケーブル
310 導体 320 絶縁層
350 アタッチメント
351 接続凸部 353 引出導体 355 接続用絶縁部
357 接続用断熱管 359 絶縁外被
400 栓
410 絶縁部 420 断熱部
500 外側導体接続部(シールド接続部)
510、500i 接続凸部 520 連結用導体
600A〜600J 接続ユニット
600Dm、600E 中間接続ユニット
601、602、603、604 差込口
610 導電ブロック
610i 内側導体用ブロック 610o 外側導体用ブロック
612 接続凹部 614 連通孔 615 縁切りブロック
620 介在絶縁部 630 冷媒容器 640 断熱容器 650 防食層
635 仕切り板
700 冷却・循環装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の接続対象の各々が挿入される複数の差込口を有する接続ユニットであって、
(A)冷媒の流路を構成する断熱管P1と、断熱管P1内で冷媒により冷却される超電導導体層と、断熱管P1内で冷媒により冷却される低温絶縁層とを有する低温絶縁型超電導ケーブル、
(B)断熱管P2を有し、送電機能を有しない冷媒輸送管、
(C)常電導導体と常温絶縁層とを有する常電導送電機器と、この常電導送電機器の端部に接続される断熱管P3とを備える常電導長尺体、
から選択される複数の接続対象の各々を各差込口に差し込んだ場合、
前記超電導導体層又は常電導導体と電気的に接続される導電ブロックと、
この導電ブロックから絶縁されて同ブロックを収納する容器で、前記差込口につながる開口を有し、前記断熱管P1〜P3のいずれかとつながれると共に前記冷媒の流路を内部に有する冷媒容器と、
前記差込口を形成し、前記冷媒容器の外側を覆う断熱容器とを備える接続ユニット。
【請求項2】
前記導電ブロックは、
超電導導体層又は常電導導体と電気的につながる接続凸部が差し込まれる接続凹部と、
その接続凹部の内側から導電ブロックと冷媒容器との間の空間に連通する連通孔とを備えることを特徴とする請求項1に記載の接続ユニット。
【請求項3】
前記導電ブロックの外面と冷媒容器との間に、冷媒の流通を許容する介在絶縁部を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の接続ユニット。
【請求項4】
前記冷媒容器内の冷媒の流路は、前記導電ブロックと冷媒容器との間の空間に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の接続ユニット。
【請求項5】
前記冷媒容器内の冷媒の流路は、前記導電ブロックの内部に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の接続ユニット。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の接続ユニットと、
この接続ユニットのある差込口に差し込まれる第一の接続対象と、
前記接続ユニットの別の差込口に差し込まれる第二の接続対象とを備え、
前記第一の接続対象と前記第二の接続対象が前記低温絶縁型超電導ケーブルであることを特徴とする接続構造。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の接続ユニットと、
この接続ユニットのある差込口に差し込まれる第一の接続対象と、
前記接続ユニットの別の差込口に差し込まれる第二の接続対象とを備え、
前記第一の接続対象が前記低温絶縁型超電導ケーブルで、前記第二の接続対象が前記常電導長尺体であることを特徴とする接続構造。
【請求項8】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の接続ユニットと、
この接続ユニットのある差込口に差し込まれる第一の接続対象と、
前記接続ユニットの別の差込口に差し込まれる第二の接続対象と、
前記接続ユニットのさらに別の差込口に差し込まれる第三の接続対象とを備え、
前記第一の接続対象が前記低温絶縁型超電導ケーブルで、
前記第二の接続対象が前記冷媒輸送管で、
前記第三の接続対象が前記常電導長尺体であることを特徴とする接続構造。
【請求項9】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の接続ユニットと、
この接続ユニットのある差込口に差し込まれる第一の接続対象と、
前記接続ユニットの別の差込口に差し込まれる第二の接続対象と、
前記接続ユニットのさらに別の差込口に差し込まれる第三の接続対象とを備え、
前記第一の接続対象と第二の接続対象が前記低温絶縁型超電導ケーブルで、
前記第三の接続対象が前記常電導長尺体であることを特徴とする接続構造。
【請求項10】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の接続ユニットと、
この接続ユニットのある差込口に差し込まれる第一の接続対象と、
前記接続ユニットの別の差込口に差し込まれる第二の接続対象と、
前記接続ユニットのさらに別の差込口に差し込まれる第三の接続対象とを備え、
前記第一の接続対象が前記低温絶縁型超電導ケーブルで、
前記第二の接続対象と第三の接続対象が前記常電導長尺体であることを特徴とする接続構造。
【請求項11】
前記常電導長尺体は、前記常電導送電機器と前記導電ブロックとの間に介在されるアタッチメントとを備え、
このアタッチメントは、
前記導電ブロックに電気的に接続される接続凸部と、
この接続凸部と常電導送電機器と間を電気的に接続する引出導体と、
この引出導体の外側を覆う接続用絶縁部とを備え、
前記常電導送電機器の端部に接続される断熱管P3は、この接続用絶縁部の外側に形成されていることを特徴とする請求項6〜10のいずれか1項に記載の接続構造。
【請求項12】
前記常電導送電機器が、CVケーブルであることを特徴とする請求項6〜11のいずれか1項に記載の接続構造。
【請求項13】
前記超電導導体層は、
前記低温絶縁層の内側に設けられる内側導体と、
前記低温絶縁層の外側に設けられる外側導体とを有し、
前記導電ブロックは、
前記内側導体に接続される内側導体用ブロックと、
前記外側導体に接続される外側導体用ブロックとを有し、
前記導電ブロックの外面と冷媒容器との間、及び前記内側導体用ブロックと外側導体用ブロックとの間に、冷媒の流通を許容する介在絶縁部を備えることを特徴とする請求項6〜12のいずれか1項に記載の接続構造。
【請求項14】
前記低温絶縁型超電導ケーブルは、前記断熱管P1内に複数のコアを備え、
各コアは、前記低温絶縁層と、前記内側導体と、前記外側導体とを有し、
前記内側導体用ブロックは複数設けられて、個々の内側導体用ブロックに各コアごとの内側導体が接続され、
前記外側導体用ブロックには、各コアの外側導体が一括して接続され、
前記介在絶縁部が前記各内側導体用ブロック同士の間にも介在されていることを特徴とする請求項13に記載の接続構造。
【請求項15】
前記超電導導体層は、
前記低温絶縁層の内側に設けられる内側導体と、
前記低温絶縁層の外側に設けられる外側導体とを有し、
前記導電ブロックは、前記内側導体に接続される内側導体用ブロックであり、
さらに前記外側導体から接続ユニットの外部に引き出されて接地される接地線を備えることを特徴とする請求項13又は14に記載の接続構造。
【請求項16】
前記外側導体の端部に形成される接続凸部と、
この接続凸部が差し込まれる縁切りブロックとを備え、
前記接続凸部及び縁切りブロックの少なくとも一方が絶縁材料からなることを特徴とする請求項15に記載の接続構造。
【請求項17】
さらに別の差込口に差し込まれる栓を備え、
この栓は、導電ブロックに取り付けられる絶縁部と、この絶縁部と差込口の間を断熱する断熱部とを備えることを特徴とする請求項6〜16のいずれか1項に記載の接続構造。
【請求項18】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の接続ユニットと、
この接続ユニットのある差込口に差し込まれる第一の接続対象と、
前記接続ユニットの別の差込口に差し込まれる第二の接続対象と、
前記接続ユニットのさらに別の差込口に差し込まれる第三の接続対象と、
前記接続ユニットのさらに別の差込口に差し込まれる第四の接続対象とを備え、
前記第一の接続対象が前記低温絶縁型超電導ケーブルで、
前記第二の接続対象が前記低温絶縁型超電導ケーブルに冷媒を供給する冷媒輸送管で、
前記第三の接続対象が前記低温絶縁型超電導ケーブルから冷媒を排出する冷媒輸送管で、
前記第四の接続対象が前記常電導長尺体であり、
前記低温絶縁型超電導ケーブルは、断熱管P1との間に往路又は復路の一方の冷媒流路を構成するコアと、コアの内部で往路又は復路の他方の冷媒流路を構成するフォーマと、前記超電導導体層と電気的につながって前記導電ブロックの接続凹部に差し込まれる接続凸部とを備え、
前記冷媒輸送管の一方は、導電ブロックの接続凹部に差し込まれる冷媒用接続部を備え、
この冷媒用接続部を備える一方の冷媒輸送管と前記フォーマとは、接続凸部内、導電ブロック内、冷媒用接続部内を通る冷媒の流路でつながれ、
前記断熱管とコアとの間の冷媒流路と他方の冷媒輸送管とは、冷媒容器と導電ブロックとの間の冷媒の流路を介してつながれることを特徴とする接続構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−27178(P2013−27178A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−160369(P2011−160369)
【出願日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】