説明

接続制御システムおよび接続制御方法

【課題】シンクライアントの設定変更やシンクライアントへの新たな機能追加を行うことなく、仮想環境下で使用されている周辺機器への遠隔からのサポートを可能とすることを課題とする。
【解決手段】接続管理サーバ70は、仮想端末61から仮想端末61への接続が許可される事業者PC91の接続許可状態確認要求を受信した場合に、接続許可状態確認要求に含まれる事業者PC91のIPアドレスと、仮想端末接続状態管理テーブルに記憶されているIPアドレスとが一致することを条件として、事業者PC91が接続許可状態にある旨の判定結果を導出し、仮想端末61に送信する。仮想端末61は、接続管理サーバ70から事業者PC91が接続許可状態にある旨の判定結果を受信した場合には、事業者PC91との間で仮想端末接続セッションを確立する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接続制御システムおよび接続制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、端末の管理コスト低減やサービスの利用環境を統一することなどを目的として、データセンターに設置するサーバ上にユーザ毎の仮想端末を構築し、仮想端末上でWebサービスや各種アプリケーションを利用するシンクライアントシステムが再び注目を集めている。このシンクライアントシステムでは、ユーザが手元にあるシンクライアント端末を利用して、サーバ上で動作する仮想端末(クライアントOS)のGUI(Graphical User Interface)をネットワーク越しに操作する。
【0003】
例えば、USB(Universal Serial Bus)などのインターフェースにより、プリンタやデジタルカメラ、外付けのハードディスクなどの周辺機器が、シンクライアント端末に物理的に接続された場合、シンクライアントシステムでは、シンクライアント端末とサーバ上で動作する仮想端末との間で確立される通信セッションを介して、あたかも仮想端末上に直接接続しているかのように仮想端末上で認識される。そこで、シンクライアントシステムのような仮想環境上で周辺機器が利用される場合には、周辺機器の操作方法や不具合について、事業者や他のユーザにより、遠隔から、リモートによるサポートを受けることも考えられる。
【0004】
これに関連して、パーソナルコンピュータに接続したUSBデバイスをネットワーク経由でリモートのパーソナルコンピュータに認識させることを目的として、USBプロトコルをIPパケットでカプセル化する従来技術(例えば、「USB over IP」)や、USBやアナログRGBなどのあらゆるコンピュータインターフェースを光ネットワーク上に重畳、変換する従来技術などがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3778031号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、周辺機器の操作方法や不具合について、リモートによるサポートを受ける場合、サポートを受ける側のユーザが、サポートを行う側の事業者や他のユーザに対して、自己の仮想端末へのログインを一時的に許可して、仮想端末上でサポートを受けることが考えられる。しかし、上述したシンクライアントシステムなどの仮想環境下では、一般に、事業者などが、サーバ上で動作する仮想端末の設定を変更することは困難であり、また、解析に使用するソフトウェアなどを仮想端末にインストールすることも難しい。このように、仮想端末上で行うサポートには限界があり、サポートを受ける側のユーザの周辺機器を、サポートを行う側の事業者のパーソナルコンピュータで直接認識させることが望ましい。
【0007】
また、サポートを受ける側のユーザの周辺機器を、サポートを行う側の事業者のパーソナルコンピュータで直接認識させる場合には、サポートを受けるユーザが、シンクライアント端末の設定を自ら変更して、周辺機器の仮想的な接続先をサーバ上の仮想端末から事業者などが使用するパーソナルコンピュータに変更する必要があるが、このためには、シンクライアント端末に、仮想端末接続の接続先とは独立に周辺機器の接続先を設定可能とする機能が必要となり、シンクライアント端末の機能拡充のためのコストが増加してしまうという問題がある。
【0008】
また、上述した従来技術は、周辺機器が物理的に接続されたシンクライアント端末と、周辺機器を認識するサーバ上の仮想端末とを直接接続することを想定している。このため、例えば、リモートによるサポートに際して、一時的に、周辺機器が物理的に接続されたシンクライアント端末の接続先を、サーバ上に配置されたサポートを行う側の仮想端末に変更することなどについて考慮されておらず、仮想端末上で行うサポートには限界がある点や、仮想端末上で行うサポートを実現するためのコストが増加してしまう点などの問題を解決するには至らない。
【0009】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、シンクライアントの設定変更やシンクライアントへの新たな機能追加を行うことなく、仮想環境下で使用されている周辺機器への遠隔からのサポートを可能とする接続制御システムおよび接続制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、周辺機器が接続されたシンクライアント端末と、該シンクライアント端末と接続される仮想端末と、前記周辺機器についての遠隔サポートを実行する事業者が操作する事業者端末とを有する接続制御システムであって、前記接続制御システムは、前記シンクライアント端末が仮想端末接続セッションを介して接続されている前記仮想端末への接続が許可される前記事業者端末に固有の識別情報を記憶する仮想端末接続状態管理テーブルと、前記仮想端末から該仮想端末への接続が許可される事業者端末の確認要求を受信した場合に、前記確認要求に含まれる前記事業者端末に固有の識別情報と、前記仮想端末接続状態管理テーブルに記憶されている前記識別情報とが一致することを条件として、前記事業者端末が接続許可状態にある旨の判定結果を導出し、導出した前記判定結果を、前記確認要求に対する応答として前記仮想端末に送信する確認応答部とを有する接続管理サーバをさらに有し、前記仮想端末は、前記確認要求に対する応答として、前記接続要求の送信元である前記事業者端末が接続許可状態にある旨の判定結果を前記接続管理サーバから受信した場合には、前記事業者端末との間で前記仮想端末接続セッションを確立するセッション確立部を有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、周辺機器が接続されたシンクライアント端末と、該シンクライアント端末と接続される仮想端末と、前記周辺機器についての遠隔サポートを実行する事業者が操作する事業者端末とを有する接続制御システムで実行される接続制御方法であって、前記シンクライアント端末が、前記周辺機器の接続要求を接続管理サーバに送信する接続要求送信ステップと、前記接続管理サーバが、前記シンクライアント端末から前記周辺機器の接続要求を受信すると、前記シンクライアント端末に接続されている前記仮想端末に固有の識別情報を、前記周辺機器の仮想的な接続先の情報を記憶する周辺機器接続状態管理テーブルに前記仮想的な接続先として記録した後、前記シンクライアント端末との間および前記仮想端末との間で周辺機器接続セッションをそれぞれ確立し、前記接続要求に対する応答を前記シンクライアント端末に送信する周辺機器接続セッション確立ステップと、前記仮想端末が、前記シンクライアント端末からの操作入力に応じて、前記仮想端末への前記事業者端末の接続許可を要求する接続許可要求を前記接続管理サーバに送信する接続許可要求送信ステップと、前記接続管理サーバが、前記接続許可要求を前記仮想端末から受信した場合に、前記シンクライアント端末が仮想端末接続セッションを介して接続されている前記仮想端末への接続が許可される前記事業者端末に固有の識別情報を記憶する仮想端末接続状態管理テーブルに、前記接続許可要求に含まれる前記事業者端末に固有の識別情報を新規に記録した後、前記接続許可要求に対する応答を前記仮想端末に送信する接続許可端末記録ステップと、前記仮想端末が、前記事業者端末から接続要求を受信した場合に、前記仮想端末への接続が許可される事業者端末の確認要求を前記接続管理サーバに送信する確認要求送信ステップと、前記接続管理サーバが、前記確認要求を受信した場合に、前記確認要求に含まれる前記事業者端末に固有の識別情報と、前記仮想端末接続状態管理テーブルに記憶されている前記識別情報とが一致することを条件として、前記事業者端末が接続許可状態にある旨の判定結果を導出し、導出した前記判定結果を、前記確認要求に対する応答として前記仮想端末に送信する確認応答ステップと、前記仮想端末が、前記確認要求に対する応答として、前記接続要求の送信元である前記事業者端末が接続許可状態にある旨の判定結果を前記接続管理サーバから受信した場合には、前記事業者端末との間で前記仮想端末接続セッションを確立するセッション確立ステップとを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、シンクライアントの設定変更やシンクライアントへの新たな機能追加を行うことなく、仮想環境下で使用されている周辺機器への遠隔からのサポートを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、実施例1に係る接続制御システムの構成を示す機能ブロック図である。
【図2】図2は、USB機器の機能構成の一例を示す図である。
【図3】図3は、シンクライアントの機能構成の一例を示す図である。
【図4】図4は、仮想端末の機能構成の一例を示す図である。
【図5】図5は、接続管理サーバの機能構成の一例を示す図である。
【図6】図6は、仮想端末接続状態管理テーブルの構成例を示す図である。
【図7】図7は、周辺機器接続状態管理テーブルの構成例を示す図である。
【図8】図8は、事業者PCの機能構成の一例を示す図である。
【図9】図9は、実施例1に係る接続制御システムによる処理の流れを示す図である。
【図10】図10は、実施例1に係る接続制御システムによる処理の流れを示す図である。
【図11】図11は、実施例1に係る接続制御システムによる処理の流れを示す図である。
【図12】図12は、実施例で説明した処理と同様の機能を実現させるためのプログラムを実行するコンピュータの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、図面を参照しつつ、本願にかかる接続制御システムおよび接続制御方法の実施例を説明する。後述する各実施例は一実施形態にすぎず、本願にかかる接続制御システムおよび接続制御方法の実施形態を限定するものではない。また、後述する各実施例は処理内容に矛盾を生じさせない範囲で適宜組み合わせることもできる。
【実施例1】
【0015】
[接続制御システムおよび接続制御方法の概要および特徴(実施例1)]
実施例1に係る接続制御システムの概要および特徴を説明する。実施例1に係る接続制御システムは、周辺機器が接続されたシンクライアント端末と、該シンクライアント端末と接続される仮想端末と、前記周辺機器についての遠隔サポートを実行する事業者が操作する事業者端末とを有する。そして、前記接続制御システムは、前記シンクライアント端末が仮想端末接続セッションを介して接続されている前記仮想端末への接続が許可される前記事業者端末に固有の識別情報を記憶する仮想端末接続状態管理テーブルと、前記仮想端末から該仮想端末への接続が許可される事業者端末の確認要求を受信した場合に、前記確認要求に含まれる前記事業者端末に固有の識別情報と、前記仮想端末接続状態管理テーブルに記憶されている前記識別情報とが一致することを条件として、前記事業者端末が接続許可状態にある旨の判定結果を導出し、導出した前記判定結果を、前記確認要求に対する応答として前記仮想端末に送信する確認応答部とを有する接続管理サーバをさらに有し、前記仮想端末は、前記確認要求に対する応答として、前記接続要求の送信元である前記事業者端末が接続許可状態にある旨の判定結果を前記接続管理サーバから受信した場合には、前記事業者端末との間で前記仮想端末接続セッションを確立するセッション確立部を有する点に特徴がある。
【0016】
具体的には、接続管理サーバは、仮想端末から、仮想端末への接続が許可される事業者端末の接続許可状態確認要求を受信した場合に、接続許可状態確認要求に含まれる事業者端末に固有の識別情報(例えば、IPアドレス)と、仮想端末接続状態管理テーブルに記憶されている、仮想端末への接続が許可される事業者端末に固有の識別情報(例えば、IPアドレス)とが一致することを条件として、事業者端末が接続許可状態にある旨の判定結果を導出して仮想端末に送信する。仮想端末は、接続管理サーバから事業者端末が接続許可状態にある旨の判定結果を受信した場合には、事業者端末との間で仮想端末接続セッションを確立する。この結果、事業者端末は、仮想端末との間に確立された仮想端末接続セッションを介して、仮想端末上で認識されている周辺機器の状況を確認できる。
【0017】
このようなことから、実施例1に係る接続制御システムでは、シンクライアントの設定変更やシンクライアントへの新たな機能追加を行うことなく、仮想環境下で使用されている周辺機器への遠隔からのサポートを実現できる。
【0018】
[接続制御システムの構成(実施例1)]
図1は、実施例1に係る接続制御システムの構成を示す機能ブロック図である。図1に示すように、実施例1に係る接続制御システムは、ユーザ環境101と、仮想端末事業者環境401と、事業者A環境801と、事業者B環境802とを含んで構成される。そして、実施例1に係る接続制御システムは、コア網200を介して、ユーザ環境101内に収容される各装置と、仮想端末事業者環境401内に収容される各装置とを、相互に通信可能な状態で接続する。同様に、実施例1に係る接続制御システムは、仮想端末事業者環境401内に収容される各装置と、事業者A環境801内に収容される各装置または事業者B環境802内に収容される各装置とを、相互に通信可能な状態で接続する。
【0019】
ユーザ環境101には、図1に示すように、USB機器11,12と、シンクライアント20と、ルータ30とが収容される。
【0020】
USB機器11およびUSB機器12(以下、適宜、USB機器と表記する)は、プリンタやデジタルカメラ、外付けのハードディスクなど、USB(Universal Serial Bus)のインターフェースにより、シンクライアント20に物理的に接続される汎用な周辺機器である。
【0021】
図2に、USB機器の機能構成の一例を示す。図2は、USB機器の機能構成の一例を示す図である。図2に示すように、USB機器は、シンクライアント接続部を有する。シンクライアント接続部は、USB(Universal Serial Bus)のインターフェースにより、USB機器とシンクライアント20とを接続する。
【0022】
シンクライアント20は、仮想端末事業者により提供される仮想端末環境を利用するクライアントの端末である。
【0023】
図3に、シンクライアントの機能構成の一例を示す。図3は、シンクライアントの機能構成の一例を示す図である。図3に示すように、シンクライアント20は、仮想端末接続部および周辺機器接続セッション確立部を有する。仮想端末接続部は、仮想端末事業者が運営する仮想端末収容サーバ50に配置された仮想端末61や仮想端末62と、シンクライアント20との間に、仮想端末接続セッションを確立する。周辺機器接続セッション確立部は、USBプロトコルをIPパケットでカプセル化する技術(例えば、「USB over IP」)を利用して、仮想端末事業者が運営する接続管理サーバ70に対して、周辺機器接続セッションを確立する。
【0024】
ルータ30は、コア網200を介して、ユーザ環境101内に収容される各装置と、仮想端末事業者環境401内に収容される各装置との間でやり取りされる各種情報を中継する。
【0025】
仮想端末事業者環境401には、図1に示すように、仮想端末収容サーバ50と、接続管理サーバ70と、ルータ40とが収容される。
【0026】
仮想端末収容サーバ50は、シンクライアント20などのクライアントに利用させる仮想端末を収容する汎用のサーバであり、例えば、仮想端末61や仮想端末62などを、クライアントごとに配置する。
【0027】
仮想端末61および仮想端末62(以下、適宜、仮想端末と表記する)は、シンクライアント20などのクライアントからリモート操作することが可能な仮想的なソフトウェアである。図4に、仮想端末の機能構成の一例を示す。図4は、仮想端末の機能構成の一例を示す図である。図4に示すように、仮想端末は、接続許可状態確認部と、接続許可端末変更部と、周辺機器接続先変更要求部とを有する。
【0028】
接続許可状態確認部は、仮想端末接続の要求を受信した場合に、要求元の端末(シンクライアントや事業者PC)の接続許可状態を接続管理サーバ70に確認する。接続許可端末変更部は、仮想端末への接続を許可する端末の追加、仮想端末への接続を許可しない端末の削除を接続管理サーバ70に要求する。周辺機器接続先変更要求部は、周辺機器の接続先端末の変更を接続管理サーバ70に要求する。
【0029】
接続管理サーバ70は、仮想端末の接続先を管理する。図5に、接続管理サーバの機能構成の一例を示す。図5は、接続管理サーバの機能構成の一例を示す図である。図5に示すように、接続管理サーバ70は、周辺機器接続転送部と、仮想端末接続状態管理部と、周辺機器接続状態管理部とを有する。
【0030】
周辺機器接続転送部は、周辺機器接続状態管理テーブルに保持されている情報(接続状態)に従って、仮想端末や周辺機器の接続先端末に対して、「USB over IP」などによる周辺機器接続セッションを確立する。
【0031】
仮想端末接続状態管理部は、シンクライアント20の仮想端末接続状態と仮想端末への外部端末の接続許可状態を保持する仮想端末接続状態管理テーブルを有し、仮想端末接続状態管理テーブルに基づいて、仮想端末からの接続許可状態確認に応答する。図6に、仮想端末接続状態管理テーブルの構成例を示す。図6は、仮想端末接続状態管理テーブルの構成例を示す図である。図6に示すように、仮想端末接続状態管理テーブルは、ユーザIDと、セッションIDと、接続先仮想端末IPアドレスと、接続許可外部端末の情報とを対応付けて記憶する。
【0032】
周辺機器接続状態管理部は、周辺機器接続状態管理テーブルにより、仮想端末接続セッションの接続元シンクライアントに対して物理的に接続された周辺機器の仮想的な接続先端末(仮想端末)の情報を管理する。図7に、周辺機器接続状態管理テーブルの構成例を示す。図7は、周辺機器接続状態管理テーブルの構成例を示す図である。図7に示すように、周辺機器接続状態管理テーブルは、ユーザIDと、セッションIDと、機器IDと、接続先の情報とを対応付けて記憶する。
【0033】
ルータ40は、コア網200を介して、ユーザ環境101内に収容される各装置と、仮想端末事業者環境401内に収容される各装置との間でやり取りされる各種情報や、仮想端末事業者環境401内に収容される各装置と、事業者A環境801内や事業者B環境802内に収容される各装置との間でやり取りされる各種情報を中継する。
【0034】
事業者A環境801には、ルータ81および事業者PC91が収容される。ルータ81は、仮想端末事業者環境401内に収容される各装置と、事業者A環境801内に収容される各装置との間でやり取りされる各種情報を中継する。事業者PC91は、シンクライアント20に物理的に接続された周辺機器への遠隔からのサポートを行う事業者が使用するPC(Personal Computer)である。
【0035】
事業者B環境802には、ルータ82および事業者PC92が収容される。ルータ82は、仮想端末事業者環境401内に収容される各装置と、事業者B環境802内に収容される各装置との間でやり取りされる各種情報を中継する。事業者PC92は、シンクライアント20に物理的に接続された周辺機器への遠隔からのサポートを行う事業者が使用するPC(Personal Computer)である。
【0036】
図8に、事業者PC91および事業者PC92(以下、適宜、事業者PCと表記する)の機能構成の一例を示す。図8は、事業者PCの機能構成の一例を示す図である。図8に示すように、事業者PCは、仮想端末接続部および周辺機器収容部を有する。仮想端末接続部は、仮想端末との間で仮想端末接続セッションを確立する。周辺機器収容部は、接続管理サーバ70に対して、「USB over IP」などによる周辺機器接続セッションを確立し、シンクライアント20に物理的に接続された周辺機器を収容および認識する。
【0037】
[接続制御システムによる処理(実施例1)]
図9〜図11を用いて、実施例1に係る接続制御システムによる処理の流れを説明する。図9〜図11は、実施例1に係る接続制御システムによる処理の流れを示す図である。
【0038】
(仮想端末接続処理)
まず、図9を用いて、USB機器11およびUSB機器12がシンクライアント20に物理的に接続された後に開始される、シンクライアント20と仮想端末61との間の仮想端末接続処理について説明する。
【0039】
図9に示すように、シンクライアント20は、接続管理サーバ70に対して、仮想端末割り当て要求を送信する(S101)。なお、この仮想端末割り当て要求には、仮想端末サービスのユーザID(例えば、「User A」)と、ユーザ認証のためのパスワードが含まれる。
【0040】
接続管理サーバ70は、シンクライアント20から仮想端末割り当て要求を受信すると、仮想端末割り当て応答をシンクライアント20に送信する(S102)。具体的に説明すると、接続管理サーバ70は、仮想端末割り当て要求に含まれるユーザIDとパスワードによるユーザ認証を行った後、このユーザIDに割り当てる仮想端末を決定し、仮想端末割り当て応答をシンクライアント20に送信する。なお、この仮想端末割り当て応答には、割り当てた仮想端末(例えば、仮想端末61)のIPアドレスと、接続認証のためのチケットが含まれる。
【0041】
シンクライアント20は、接続管理サーバ70から仮想端末割り当て応答を受信すると、仮想端末割り当て応答に含まれるIPアドレス(例えば、「11.11.11.11」)を元に、仮想端末61に対して、仮想端末接続要求を送信する(S103)。なお、シンクライアント20は、仮想端末接続要求に、接続管理サーバ70から受信した仮想端末割り当て応答に含まれる接続認証のためのチケットを挿入しておく。
【0042】
仮想端末61は、シンクライアント20から仮想端末接続要求を受信すると、この仮想端末接続要求に含まれるチケットの正当性を検証し、正当なものである場合には、シンクライアント20との間で仮想端末接続セッションを確立する(S104)。ステップS104で確立された仮想端末接続セッションは、以後切断されるまで維持され、仮想端末61のディスプレイ出力は、シンクライアント20に送信されてシンクライアント20のディスプレイに表示される。
【0043】
仮想端末61は、シンクライアント20との仮想端末接続セッションの確立を完了すると、仮想端末接続完了通知を接続管理サーバ70に送信する(S105)。
【0044】
接続管理サーバ70は、仮想端末61から仮想端末接続完了通知を受信すると、仮想端末接続管理テーブルに新規レコードを追加し、追加完了後、仮想端末接続完了応答をシンクライアント20に送信する(S106)。具体的に説明すると、接続管理サーバ70は、シンクライアント20と仮想端末61との間に確立された仮想端末接続セッションに対して、このセッションを一意に識別する為のセッションID(例えば、「1234」)を割り当てる。そして、接続管理サーバ70は、ユーザID:「User A」と、セッションID:「1234」と、接続先仮想端末IPアドレス:「11.11.11.11」とを対応付けて、仮想端末接続状態テーブル(図6参照)に新規レコードとして登録する。新規レコードを登録する段階であるので、仮想端末接続状態テーブルの接続許可外部端末の欄に情報が登録されることはなく、空の状態となる。そして、接続管理サーバ70は、仮想端末接続状態テーブルへの新規レコードの追加完了後、仮想端末接続完了応答をシンクライアント20に送信する。なお、接続管理サーバ70は、この仮想端末接続完了応答にセッションIDを挿入しておく。
【0045】
シンクライアント20は、接続管理サーバ70から仮想端末接続完了応答を受信すると、シンクライアント20にUSB接続しているUSB機器11およびUSB機器12を仮想端末61上で使用するために、USB機器接続要求を接続管理サーバ70に送信する(S107)。なお、シンクライアント20は、このUSB機器接続要求に、ユーザIDと、セッションIDと、USB機器11およびUSB機器12の機器IDをUSB機器接続要求に挿入しておく。機器IDは、シンクライアント20が、仮想端末61との間の仮想端末接続セッション内で一意に特定可能な情報を、USB機器ごとに割り当てる。
【0046】
接続管理サーバ70は、シンクライアント20からUSB機器接続要求を受信すると、USB機器接続状態管理テーブルに、USB機器接続要求に挿入されている機器IDごとに新規レコードを追加し、追加完了後、USB機器接続応答をシンクライアント20に送信する(S108)。具体的に説明すると、接続管理サーバ70は、USB機器11およびUSB機器12の接続先には、USB機器接続要求の送信元であるシンクライアント20のユーザ(「User A」)の接続先の仮想端末である仮想端末61をそれぞれ設定する。そして、接続管理サーバ70は、ユーザID:「User A」と、セッションID:「1234」と、機器ID:「USB_11」と、接続先:「仮想端末61」とを対応付けて、周辺機器接続状態テーブル(図7参照)に新規レコードとして登録する。そして、接続管理サーバ70は、周辺機器接続状態テーブルへの新規レコードの追加完了後、USB機器接続応答をシンクライアント20に送信する。
【0047】
シンクライアント20は、接続管理サーバ70からUSB機器接続応答を受信すると、接続管理サーバ70との間で、「USB over IP」接続セッションを確立する(S109)。
【0048】
接続管理サーバ70は、シンクライアント20との間で、「USB over IP」接続セッションを確立した後、周辺機器接続状態管理テーブルに従って、仮想端末61との間で、「USB over IP」接続セッションを確立する(S110)。これにより、シンクライアント20に物理的に接続されたUSB機器11およびUSB機器12が仮想端末61上で認識される。また、ステップS109およびステップS110においてシンクライアント20と接続管理サーバ70との間に確立された「USB over IP」接続セッションは、切断されるまで、以後継続される。
【0049】
接続管理サーバ70と仮想端末61との間に、「USB over IP」接続セッションが確立された後、USB機器11およびUSB機器12は、シンクライアント20と接続管理サーバ70との間に確立された「USB over IP」接続セッション、および接続管理サーバ70と仮想端末61との間に確立された「USB over IP」接続セッションを介して、仮想端末61上で、仮想端末61に接続されたUSB機器として認識される。
【0050】
(事業者によるサポート処理)
次に、図10を用いて、事業者による、シンクライアント20に物理的に接続された周辺機器への遠隔からのサポートを行う場合について説明する。以下では、例えば、シンクライアント20に接続されているUSB機器11に不具合が発生した場合に、事業者Aのサポート担当者が、事業者PC91を使って、シンクライアント20が接続中の仮想端末61に接続することにより、仮想端末61上で認識されているUSB機器11の不具合を診断、解析する場合を一例として説明する。なお、図10の上段は、シンクライアントが接続する仮想端末に事業者PCを接続させる処理を示し、図10の下段は、シンクライアントに接続されたUSB機器の接続先を事業者PC91に切り替える処理を示す。
【0051】
(仮想端末への事業者PCの接続処理)
図10の上段に示す仮想端末への事業者PCの接続処理について説明する。図10の上段に示すように、事業者Aからの仮想端末61への接続を許可する為、シンクライアント20は、仮想端末61から接続管理サーバ70に対して接続許可端末変更要求を送信する(S201)。例えば、シンクライアント20のユーザ(「User A」)が、仮想端末61との間の仮想端末接続セッションを介して仮想端末61を操作することにより、仮想端末61から接続管理サーバ70に対して接続許可端末変更要求が送信されるが、この接続許可端末変更要求には、ユーザID(例えば、「User A」)、セッションID(例えば、「1234」)、仮想端末61への接続を許可する事業者PC91のIPアドレスが挿入されているものとする。なお、IPアドレスの代わりに事業者名を接続許可端末変更要求に挿入することもできるが、この場合、接続管理サーバ70は、予め保持する、事業者名と事業者PCに割り当てられているIPアドレスとが対応付けられたテーブルを参照することにより、事業者名に対応するIPアドレスを取得するものとする。
【0052】
接続管理サーバ70は、仮想端末61から接続許可端末変更要求(仮想端末61への事業者PC91の接続許可の要求)を受信すると、接続許可外部端末の欄について仮想端末接続状態管理テーブル(図6参照)のレコードを更新し、更新完了後、仮想端末61に接続許可端末変更応答を送信する(S202)。具体的に説明すると、接続管理サーバ70は、接続許可端末変更要求に含まれるユーザIDおよびセッションIDをキーとして仮想端末接続状態管理テーブルを検索し、ヒットした該当レコードの接続許可外部端末の欄に、接続許可端末変更要求に含まれる事業者PC91のIPアドレスを追加登録する。そして、接続管理サーバ70は、仮想端末61に接続許可端末変更応答を送信する。
【0053】
事業者Aのサポート担当者からの要求に応じて、事業者PC91は、仮想端末61に対して、仮想端末接続要求を送信する(S203)。なお、事業者Aのサポート担当者は、仮想端末接続要求の送信先である仮想端末61のIPアドレス、またはDNS(Domain Name System)により解決可能なホスト名を、サポートを希望するシンクライアント20のユーザ(「User A」)から、予め電話などで確認しているものとする。
【0054】
仮想端末61は、事業者PC91から仮想端末接続要求を受信すると、接続許可状態確認要求を接続管理サーバ70に送信する(S204)。仮想端末61は、接続許可状態確認要求に、仮想端末接続要求の送信元である事業者PC91のIPアドレスを挿入しておく。なお、仮想端末61は、接続管理サーバ70から接続許可端末変更応答を受信する前に、事業者PC91から仮想端末接続要求を受信した場合であっても、接続許可状態確認要求を接続管理サーバ70に送信し、接続管理サーバ70との間で接続許可端末変更要求/応答の処理を実行する。このとき、接続管理サーバ70から接続許可状態確認応答としてNGが返信された場合には、以下に説明するように、仮想端末61は、事業者PC91との間で仮想端末接続セッションの確立を行わない。一方、事業者PC91は、仮想端末61と接続管理サーバ70との間の接続許可端末変更要求/応答の処理が完了してセッションが確立されるまで仮想端末接続要求をリトライする。
【0055】
接続管理サーバ70は、仮想端末61から接続許可状態確認要求を受信すると、仮想端末接続状態管理テーブルに基づいて、接続許可状態の確認を行い、接続許可状態確認応答を仮想端末61に送信する(S205)。具体的に説明すると、接続管理サーバ70は、接続許可状態確認要求に含まれる事業者PC91のIPアドレスをキーとして、仮想端末接続状態管理テーブルを検索し、図10に示す例では、仮想端末61に対応する接続許可外部端末の欄に登録されたIPアドレスと、接続許可状態確認要求に含まれる事業者PC91のIPアドレスとが一致するので、接続許可状態が「OK」である旨(接続許可状態である旨)の接続許可状態確認応答を仮想端末61に送信する。仮に、接続許可状態確認要求に含まれる事業者PCのIPアドレスをキーとして、仮想端末接続状態管理テーブルを検索し、仮想端末61に対応する接続許可外部端末の欄に登録されたIPアドレスと、接続許可状態確認要求に含まれる事業者PC91のIPアドレスとが一致しない場合には、接続管理サーバ70は、接続許可状態が「NG」である旨(接続許可状態ではない旨)の接続許可状態確認応答として「NG」を仮想端末61に送信する。
【0056】
仮想端末61は、接続管理サーバ70から接続許可状態応答(「OK」)を受信すると、事業者PC91との間で仮想端末接続セッションを確立する(S206)。なお、ステップS206にて確立された仮想端末接続セッションは、以後切断されるまで維持され、仮想端末61のディスプレイ出力は、事業者PC91に送信されて事業者PC91のディスプレイに表示される。同様に、図10に示すように、仮想端末61とシンクライアント20との間で確立された仮想端末接続セッションも維持されたままの状態にある。
【0057】
事業者Aのサポート担当者は、ステップS206において仮想端末61と事業者PC91との間で確立された仮想端末接続セッションを介して、仮想端末で認識されているUSB機器11の不具合について状況を確認し、その場で解決可能であれば解決し、より詳細な解析を行う為に専用のソフトウェアを使用した解析が必要であれば、事業者PC91でUSB機器11を直接認識させるために、USB機器11の接続先を事業者PC91に切り替える。
【0058】
(USB機器の接続先の切替処理)
以下、図10の下段に示すUSB機器の接続先の切替処理について説明する。図10の下段に示すように、シンクライアント20は、仮想端末61から接続管理サーバ70に対してUSB機器接続先変更要求を送信する(S301)。例えば、シンクライアント20のユーザ(「User A」)が、仮想端末61との間の仮想端末接続セッションを介して仮想端末61を操作することにより、仮想端末61から接続管理サーバ70に対してUSB機器接続先変更要求が送信されるが、このUSB機器接続先変更要求には、ユーザID(例えば、「User A」)、セッションID(例えば、「1234」)、接続先を変更したいUSB機器の機器ID(図10に示す場合では、USB機器11の機器ID)、接続変更先として希望する事業者PC91のIPアドレスが挿入されているものとする。なお、IPアドレスの代わりに、接続変更先の事業者名をUSB機器接続先変更要求に挿入することもできるが、この場合、接続管理サーバ70は、予め保持する、事業者名と事業者PCに割り当てられているIPアドレスとが対応付けられたテーブルを参照することにより、事業者名に対応するIPアドレスを取得するものとする。なお、セッションID(シンクライアント20と仮想端末61との間の仮想端末接続セッションのセッションID)は、例えば、仮想端末61が挿入する。
【0059】
接続管理サーバ70は、仮想端末61からUSB機器接続先変更要求を受信すると、接続先の欄について周辺機器接続状態管理テーブル(図7参照)のレコードを更新し、更新完了後、事業者PC91との間で「USB over IP」接続セッションを確立する(S302)。具体的に説明すると、接続管理サーバ70は、USB機器接続先変更要求に含まれるユーザID(例えば、「User A」)、セッションID(例えば、「1234」)、USB機器の機器ID(例えば、「「USB_11」」をキーとして、周辺機器接続状態管理テーブルを検索し、ヒットした該当レコードの接続先の欄を、USB機器接続先変更要求に含まれる事業者PC91のIPアドレスに変更することにより、事業者PC91との間で「USB over IP」接続セッションを確立する。事業者PC91は、ステップS302において接続管理サーバ70との間で確立された「USB over IP」接続セッション、および図9に示すステップS109およびステップS110においてシンクライアント20と接続管理サーバ70との間で確立済みである「USB over IP」接続セッションを介して、シンクライアント20に物理的に接続されたUSB機器11を直接認識することが可能となる。
【0060】
そして、接続管理サーバ70は、仮想端末61にUSB機器接続先変更応答を送信する(S303)。事業者Aのサポート担当者からの指示に従って、事業者PC91は、専用のソフトウェアを利用したUSB機器11の解析および復旧処理を実行する(S304)。
【0061】
例えば、USB機器11の復旧処理完了後、シンクライアント20は、仮想端末61から接続管理サーバ70に対してUSB機器接続先変更要求を送信する(S305)。なお、例えば、電話等でUSB機器11の復旧処理完了の報告を受けたシンクライアント20のユーザ(「User A」)が、仮想端末61との間の仮想端末接続セッションを介して仮想端末61を操作することにより、仮想端末61から接続管理サーバ70に対してUSB機器接続先変更要求が送信される。なお、このUSB機器接続先変更要求には、ユーザID(例えば、「User A」)、セッションID(例えば、「1234」)、接続先を変更したいUSB機器の機器ID(図10に示す場合では、USB機器11の機器ID)、接続変更先として希望する仮想端末61のIPアドレスが挿入されているものとする。
【0062】
接続管理サーバ70は、仮想端末61からUSB機器接続先変更要求を受信すると、USB機器接続先変更要求に含まれるユーザID(例えば、「User A」)、セッションID(例えば、「1234」)、USB機器の機器ID(例えば、「「USB_11」」をキーとして、周辺機器接続状態管理テーブルを検索し、ヒットした該当レコードの接続先の欄を、USB機器接続先変更要求に含まれる仮想端末61のIPアドレスに変更することにより、仮想端末61との間で「USB over IP」接続セッションを確立する(S306)。そして、接続管理サーバ70は、仮想端末61にUSB機器接続先変更応答を送信する(S307)。
【0063】
(仮想端末接続切断処理)
次に、図11を用いて、仮想端末接続切断処理について説明する。図11に示すように、仮想端末61は、シンクライアント20との間の仮想端末接続セッションの切断を検出すると、接続管理サーバ70に仮想端末接続切断通知を送信する(S401)。なお、仮想端末接続切断通知には、ユーザIDおよびセッションIDが挿入されているものとする。
【0064】
接続管理サーバ70は、仮想端末61から仮想端末接続切断通知を受信すると、仮想端末接続切断通知に含まれているユーザIDおよびセッションIDをキーとして、仮想端末接続状態管理テーブル(図6参照)を検索し、ヒットした該当レコードを削除する(S402)。同様にして、接続管理サーバ70は、仮想端末接続切断通知に含まれているユーザIDおよびセッションIDをキーとして、周辺機器接続状態管理テーブル(図7参照)を検索し、ヒットした該当レコードを削除する。これにより、仮想端末接続切断通知に含まれるセッションIDに紐付いた、シンクライアント20との間の「USB over IP」接続セッションおよび仮想端末61との間の「USB over IP」接続セッションが共に切断される。
【0065】
[実施例1による効果]
上述してきたように、実施例1に係る接続制御システムでは、例えば、接続管理サーバ70は、仮想端末61から仮想端末61への接続が許可される事業者PCの接続許可状態確認要求を受信した場合に、接続許可状態確認要求に含まれる事業者PC91のIPアドレスと、仮想端末接続状態管理テーブル(図6参照)に記憶されているIPアドレスとが一致することを条件として、事業者PC91が接続許可状態にある旨の判定結果を導出し、導出した判定結果を、接続許可状態確認要求に対する応答として仮想端末61に送信する。仮想端末61は、接続管理サーバ70から事業者PC91が接続許可状態にある旨の判定結果を、接続許可状態確認要求に対する応答として受信した場合には、事業者PC91との間で仮想端末接続セッションを確立する。つまり、実施例1によれば、事業者PC91は、仮想端末61との間に確立された仮想端末接続セッションを介して、仮想端末61上で認識されているUSB機器11の状況を確認できるので、シンクライアントの設定変更やシンクライアントへの新たな機能追加を行うことなく、仮想環境下で使用されている周辺機器への遠隔からのサポートが可能となり、仮想端末61上での状況確認で解決できるUSB機器の不具合であれば、遠隔サポートによりその場で解決することができる。
【0066】
また、実施例1では、接続管理サーバ70は、シンクライアント20からUSB機器の接続要求を受信すると、仮想端末接続セッションを介してシンクライアント20に接続されている仮想端末61のIPアドレスを、シンクライアント20に物理的に接続されているUSB機器11の仮想的な接続先として周辺機器接続状態管理テーブルに新規に記録した後、シンクライアン20との間、および仮想端末61との間で「USB over IP」接続セッション(周辺機器接続セッション)をそれぞれ確立する。このようなことから、実施例1によれば、シンクライアントの設定変更やシンクライアントへの新たな機能追加を行うことなく、シンクライアントに物理的に接続されているUSB機器などの周辺機器を、仮想端末接続セッションを介してシンクライアントに接続されている仮想端末に認識させることができる。
【0067】
また、実施例1では、接続管理サーバ70は、USB機器の接続先を仮想端末61から事業者PC91に変更する旨の変更要求を仮想端末61から受信した場合に、USB機器の接続先の変更要求に含まれる、仮想端末61へ接続するシンクライアント20のユーザを識別するユーザIDおよび仮想端末との間に確立されている仮想端末接続セッションを識別するセッションIDに該当するレコードを、周辺機器接続状態管理テーブル(図7参照)から検索し、検索ヒットしたレコード内の仮想的な接続先を、仮想端末61のIPアドレスから、USB機器の接続先の変更要求に含まれる事業者PC91のIPアドレスに変更して更新する。そして、接続管理サーバ70は、周辺機器接続状態管理テーブルに記録されている仮想的な接続先を更新した後、事業者PC91との間で周辺機器接続セッションを確立する。このようなことから、実施例1によれば、事業者PC91は、シンクライアントに物理的に接続されているUSB機器などの周辺機器を、事業者PC91上で直接認識することができ、USB機器について、より詳細な解析を行う為に専用のソフトウェアを使用した解析などを行うことができる。
【0068】
また、実施例1では、接続管理サーバ70は、USB機器の接続先を仮想端末61から事業者PC91に変更する場合とは逆の手順を踏むことにより、USB機器の接続先を、例えば、事業者PC91から仮想端末61に戻すので、元々の接続状態に簡単に復活させることができる。
【0069】
また、実施例1では、接続管理サーバ70は、シンクライアント20からのUSB機器接続要求に応じて、USB機器接続状態管理テーブルに機器IDごとに新規レコードを追加し、仮想端末61からの接続許可端末変更要求に応じて、仮想端末接続状態管理テーブルに事業者PC91のIPアドレスを接続許可外部端末の情報として追加登録する場合を説明した。なお、シンクライアント20にUSB機器などの周辺機器が接続されて周辺機器接続セッションが確立されている状態にあり、仮想端末61への接続が許可される事業者PCのIPアドレスが予め接続許可外部端末の情報として静的に仮想端末接続状態管理テーブルに登録済みである実施形態も考えられる。この場合には、接続管理サーバ70は、仮想端末61から接続が許可される事業者PCの接続許可状態確認要求を受信した場合に、この要求に含まれる事業者PC91のIPアドレスと、仮想端末接続状態管理テーブルに記憶されているIPアドレスとが一致することを条件として、事業者PC91が接続許可状態にある旨の判定をダイレクトに行い、判定結果を仮想端末61に応答する。この応答を受けて、仮想端末61は、事業者PC91との間で仮想端末接続セッションを確立するという流れで処理を進めることができる。
【実施例2】
【0070】
以下、本発明にかかる接続制御システムおよび接続制御方法のその他の実施形態として実施例2を説明する。
【0071】
(1)装置構成等
実施例1に係る接続制御システムの構成、例えば、図1に示す接続制御システムの各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0072】
例えば、図1に示す接続制御システムにおける仮想端末事業者環境401に設置された仮想端末収容サーバ50と接続管理サーバ70とを、機能的または物理的に統合した構成としてもよい。また、図5に示す接続管理サーバ70が有する周辺機器接続転送部と周辺機器接続状態管理部とを、機能的または物理的に統合した構成としてもよい。このように、接続制御システムの各構成要素の分散または統合の具体的形態は、図1や図5などに示すものに限られず、各構成要素の全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0073】
(2)接続制御方法
実施例1に係る接続制御システムにより、以下のような接続制御方法が実現される。
【0074】
すなわち、周辺機器が接続されたシンクライアント端末と、該シンクライアント端末と接続される仮想端末と、該仮想端末への接続を管理する接続管理サーバと、前記周辺機器についての遠隔サポートを実行する事業者が操作する事業者端末とを有する接続制御システムで実行される接続制御方法であって、前記シンクライアント端末が、前記周辺機器の接続要求を前記接続管理サーバに送信する接続要求送信ステップ(例えば、図9のステップS107など参照)、前記接続管理サーバが、前記シンクライアント端末から前記周辺機器の接続要求を受信すると、前記シンクライアント端末に接続されている前記仮想端末に固有の識別情報を、前記周辺機器の仮想的な接続先の情報を記憶する周辺機器接続状態管理テーブルに前記仮想的な接続先として記録した後、前記シンクライアント端末との間および前記仮想端末との間で周辺機器接続セッションをそれぞれ確立し、前記接続要求に対する応答を前記シンクライアント端末に送信する周辺機器接続セッション確立ステップ(例えば、図9のステップS108〜ステップS110など参照)、前記仮想端末が、前記シンクライアント端末からの操作入力に応じて、前記仮想端末への前記事業者端末の接続許可を要求する接続許可要求を前記接続管理サーバに送信する接続許可要求送信ステップ(図10のステップS201など参照)、前記接続管理サーバが、前記接続許可要求を前記仮想端末から受信した場合に、前記シンクライアント端末が仮想端末接続セッションを介して接続されている前記仮想端末への接続が許可される前記事業者端末に固有の識別情報を記憶する仮想端末接続状態管理テーブルに、前記接続許可要求に含まれる前記事業者端末に固有の識別情報を新規に記録した後、前記接続許可要求に対する応答を前記仮想端末に送信する接続許可端末記録ステップ(図10のステップS202など参照)、前記仮想端末が、前記事業者端末から接続要求を受信した場合に、前記仮想端末への接続が許可される事業者端末の確認要求を前記接続管理サーバに送信する確認要求送信ステップ(図10のステップS203など参照)、前記接続管理サーバが、前記確認要求を受信した場合に、前記確認要求に含まれる前記事業者端末に固有の識別情報と、前記仮想端末接続状態管理テーブルに記憶されている前記識別情報とが一致することを条件として、前記事業者端末が接続許可状態にある旨の判定結果を導出し、導出した前記判定結果を、前記確認要求に対する応答として前記仮想端末に送信する確認応答ステップ(図10のステップS204〜ステップS205など参照)、前記仮想端末が、前記確認要求に対する応答として、前記接続要求の送信元である前記事業者端末が接続許可状態にある旨の判定結果を前記接続管理サーバから受信した場合には、前記事業者端末との間で前記仮想端末接続セッションを確立するセッション確立ステップ(図10のステップS206など参照)、を含む接続制御方法が実現される。
【0075】
(3)接続制御システムに所定の手順を実行させるプログラム
また、上述の実施例で説明した各種の処理(例えば、図9〜図11など)は、パーソナルコンピュータやワークステーションなど、実施例1に係る接続制御システムに含まれる接続管理サーバ70として実装されるコンピュータに、上述の実施例で説明した各種の処理と同様の処理機能を実現するための手順(プロセス)を実行させるためのプログラムをインストールすることにより実現することもできる。そこで、以下では、図12を用いて、上述の実施例で説明した各種の処理(例えば、図9〜図11など)と同様の機能を実現するコンピュータの一例を説明する。図12は、上述の実施例で説明した処理と同様の機能を実現させるためのプログラムを実行するコンピュータの一例を示す図である。
【0076】
図12に示すように、接続管理サーバ70として実装されるコンピュータ300は、例えば、メモリ301と、CPU(Central Processing Unit)302を有する。また、コンピュータ300は、図12に示すように、ハードディスクドライブインタフェース303と、光ディスクドライブインタフェース304を有する。また、コンピュータ300は、図12に示すように、シリアルポートインタフェース305と、ビデオアダプタ306と、ネットワークインタフェース307を有する。そして、コンピュータ300は、これらの各部301〜307をバス308によって接続する。
【0077】
メモリ301は、図12に示すように、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を含む。ROMは、例えば、BIOS(Basic Input Output System)等のブートプログラムを記憶する。ハードディスクドライブインタフェース303は、図12に示すように、ハードディスクドライブ309に接続される。光ディスクドライブインタフェース304は、図12に示すように、光ディスクドライブ310に接続される。例えば、光ディスクドライブ310には、光ディスク等の着脱可能な記憶媒体が挿入される。シリアルポートインタフェース305は、図12に示すように、例えば、マウス400およびキーボード500に接続される。ビデオアダプタ306は、図12に示すように、例えば、ディスプレイ600に接続される。
【0078】
ここで、図12に示すように、ハードディスクドライブ309は、例えば、OS(Operating System)、アプリケーションプログラム、プログラムモジュール、プログラムデータを記憶する。
【0079】
すなわち、上述した接続管理サーバ70と同様の機能を有するプログラムは、コンピュータ300によって実行される指令が記述されたプログラムモジュールとして、例えばハードディスクドライブ309に記憶される。つまり、上述の実施例で説明した各種の処理(例えば、図9〜図11など)と同様の処理機能を接続管理サーバ70としてのコンピュータ300に実現させるための手順が記述されたプログラムモジュールが、ハードディスクドライブ309に記憶される。このプログラムモジュールは、例えば、図5に示す接続管理サーバ70の周辺機器接続転送部、仮想端末接続状態管理部および周辺機器接続状態管理部などにより実行される手順(プロセス)に対応する。
【0080】
また、上述の実施例で説明した各種の処理(例えば、図9〜図11など)と同様の処理機能を接続管理サーバ70としてのコンピュータ300に実現させるための手順が記述されたプログラムモジュールにより用いられるデータは、プログラムデータとして、例えばハードディスクドライブ309に記憶される。例えば、このプログラムデータは、例えば、仮想端末接続状態管理テーブル(図6参照)や周辺機器接続状態管理テーブル(図7参照)に記録されている各種データに対応する。
【0081】
そして、CPU302が、ハードディスクドライブ309に記憶されたプログラムモジュールやプログラムデータを必要に応じてRAMに読み出し、上述の実施例で説明した各種の処理(例えば、図9〜図11など)を実現するための手順を実行する。
【0082】
なお、上述の実施例で説明した各種の処理(例えば、図9〜図11など)と同様の処理機能を接続管理サーバ70としてのコンピュータ300に実現させるための手順が記述されたプログラムモジュールやプログラムデータは、ハードディスクドライブ309に記憶される場合に限られるものではなく、例えば、着脱可能な記憶媒体である光ディスクドライブ310等に記憶されていてもよい。この場合には、CPU302が、光ディスクドライブ310を介して、接続管理サーバ70と同様の機能を有するプログラムモジュールやプログラムデータを読み出す。
【0083】
あるいは、上述の実施例で説明した各種の処理(例えば、図9〜図11など)と同様の処理機能を接続管理サーバ70としてのコンピュータ300に実現させるための手順が記述されたプログラムモジュールやプログラムデータは、ネットワーク(LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)など)を介して接続された他のコンピュータに記憶されていてもよい。この場合には、CPU302が、ネットワークインタフェース307を介して、接続管理サーバ70と同様の機能を有するプログラムモジュールやプログラムデータを他のコンピュータから読み出す。
【0084】
なお、プログラムによりCPU302が動作して各種処理を行う代わりに、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの電子回路を用いて処理を行うこともできる。また、メモリ301として、フラッシュメモリ(flash memory)などを用いることもできる。
【符号の説明】
【0085】
11 USB機器
12 USB機器
20 シンクライアント
30 ルータ
40 ルータ
50 仮想端末収容サーバ
61 仮想端末
62 仮想端末
70 接続管理サーバ
81 ルータ
82 ルータ
91 事業者PC
92 事業者PC
200 コア網
300 コンピュータ
301 メモリ
302 CPU
303 ハードディスクドライブインタフェース
304 光ディスクドライブインタフェース
305 シリアルポートインタフェース
306 ビデオアダプタ
307 ネットワークインタフェース
308 バス
309 ハードディスクドライブ
310 光ディスクドライブ
400 マウス
500 キーボード
600 ディスプレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周辺機器が接続されたシンクライアント端末と、該シンクライアント端末と接続される仮想端末と、前記周辺機器についての遠隔サポートを実行する事業者が操作する事業者端末とを有する接続制御システムであって、
前記接続制御システムは、
前記シンクライアント端末が仮想端末接続セッションを介して接続されている前記仮想端末への接続が許可される前記事業者端末に固有の識別情報を記憶する仮想端末接続状態管理テーブルと、
前記仮想端末から該仮想端末への接続が許可される事業者端末の確認要求を受信した場合に、前記確認要求に含まれる前記事業者端末に固有の識別情報と、前記仮想端末接続状態管理テーブルに記憶されている前記識別情報とが一致することを条件として、前記事業者端末が接続許可状態にある旨の判定結果を導出し、導出した前記判定結果を、前記確認要求に対する応答として前記仮想端末に送信する確認応答部とを有する接続管理サーバをさらに有し、
前記仮想端末は、
前記確認要求に対する応答として、前記接続要求の送信元である前記事業者端末が接続許可状態にある旨の判定結果を前記接続管理サーバから受信した場合には、前記事業者端末との間で前記仮想端末接続セッションを確立するセッション確立部を有することを特徴とする接続制御システム。
【請求項2】
前記接続管理サーバは、
前記シンクライアント端末に接続された周辺機器の仮想的な接続先の情報として、前記仮想端末に固有の識別情報を記憶する周辺機器接続状態管理テーブルと、
前記シンクライアント端末から前記周辺機器の接続要求を受信すると、前記シンクライアント端末に接続されている前記仮想端末に固有の識別情報を、前記シンクライアント端末に接続されている周辺機器の仮想的な接続先として前記周辺機器接続状態管理テーブルに新規に記録する周辺機器接続状態記録部と、
前記仮想端末に固有の識別情報を前記周辺機器の仮想的な接続先として前記周辺機器接続状態管理テーブルに記録した後、前記シンクライアント端末との間、および前記仮想端末との間で周辺機器接続セッションをそれぞれ確立した後、前記接続要求に対する応答を前記シンクライアント端末に送信する周辺機器接続セッション確立部と、
前記仮想端末への前記事業者端末の接続許可を要求する接続許可要求を前記仮想端末から受信した場合に、前記接続許可要求に含まれる前記事業者端末に固有の識別情報を、前記仮想端末への接続が許可される事業者端末に固有の識別情報として前記仮想端末接続状態管理テーブルに新規に記録した後、前記接続許可要求に対する応答を前記仮想端末に送信する接続許可端末記録部とをさらに有し、
前記クライアント端末は、
前記周辺機器の接続要求を前記接続管理サーバに送信する接続要求送信部を有し、
前記仮想端末は、
前記クライアント端末からの操作入力に応じて前記接続許可要求を前記接続管理サーバに送信する接続許可要求送信部と、
前記接続許可要求に対する応答を接続管理サーバから受信した後に、前記事業者端末から接続要求を受信した場合には、前記確認要求を前記接続管理サーバに送信する確認要求送信部とをさらに有することを特徴とする請求項1に記載の接続制御システム。
【請求項3】
前記周辺機器接続状態記録部は、前記周辺機器の接続先を前記仮想端末から前記事業者端末に変更する旨の変更要求を前記仮想端末から受信した場合に、前記周辺機器の接続先の変更要求に含まれる、前記仮想端末へ接続する前記シンクライアント端末のユーザを識別するユーザIDおよび前記仮想端末との間に確立されている仮想端末接続セッションを識別するセッションIDに該当するレコードを、前記周辺機器接続状態管理テーブルから検索し、検索ヒットしたレコード内の前記仮想的な接続先を、前記仮想端末に固有の識別情報から前記周辺機器の接続先の変更要求に含まれる前記事業者端末に固有の識別情報に変更して更新し、
前記周辺機器接続セッション確立部は、前記周辺機器接続状態記録部により前記周辺機器接続状態管理テーブルに記録されている前記仮想的な接続先が更新された後、前記事業者端末との間で周辺機器接続セッションを確立し、前記周辺機器の接続先を前記仮想端末から前記事業者端末に変更する旨の変更要求に対する応答を前記仮想端末に送信し、
前記接続許可要求送信部は、前記クライアント端末からの操作入力に応じて、前記周辺機器の接続先を前記仮想端末から前記事業者端末に変更する旨の変更要求を前記接続管理サーバに送信することを特徴とする請求項2に記載の接続制御システム。
【請求項4】
前記周辺機器接続状態記録部は、前記周辺機器の接続先を前記仮想端末から前記事業者端末に変更した後、さらに、前記周辺機器の接続先を前記事業者端末から前記仮想端末に変更する旨の変更要求を前記仮想端末から受信した場合には、前記周辺機器の接続先の変更要求に含まれる前記ユーザIDおよび前記セッションIDに該当するレコードを、前記周辺機器接続状態管理テーブルから検索し、検索ヒットしたレコード内の前記仮想的な接続先を、前記事業者端末に固有の識別情報から前記周辺機器の接続先の変更要求に含まれる前記仮想端末に固有の識別情報に変更して更新し、
前記周辺機器接続セッション確立部は、前記周辺機器接続状態記録部により前記周辺機器接続状態管理テーブルに記録されている前記仮想的な接続先が更新された後、前記仮想端末との間で周辺機器接続セッションを確立し、前記周辺機器の接続先を前記事業者端末から前記仮想端末に変更する旨の変更要求に対する応答を前記仮想端末に送信し、
前記接続許可要求送信部は、前記クライアント端末からの操作入力に応じて、前記周辺機器の接続先を前記事業者端末から前記仮想端末に変更する旨の変更要求を前記接続管理サーバに送信することを特徴とする請求項3に記載の接続制御システム。
【請求項5】
周辺機器が接続されたシンクライアント端末と、該シンクライアント端末と接続される仮想端末と、前記周辺機器についての遠隔サポートを実行する事業者が操作する事業者端末とを有する接続制御システムで実行される接続制御方法であって、
前記シンクライアント端末が、前記周辺機器の接続要求を接続管理サーバに送信する接続要求送信ステップと、
前記接続管理サーバが、前記シンクライアント端末から前記周辺機器の接続要求を受信すると、前記シンクライアント端末に接続されている前記仮想端末に固有の識別情報を、前記周辺機器の仮想的な接続先の情報を記憶する周辺機器接続状態管理テーブルに前記仮想的な接続先として記録した後、前記シンクライアント端末との間および前記仮想端末との間で周辺機器接続セッションをそれぞれ確立し、前記接続要求に対する応答を前記シンクライアント端末に送信する周辺機器接続セッション確立ステップと、
前記仮想端末が、前記シンクライアント端末からの操作入力に応じて、前記仮想端末への前記事業者端末の接続許可を要求する接続許可要求を前記接続管理サーバに送信する接続許可要求送信ステップと、
前記接続管理サーバが、前記接続許可要求を前記仮想端末から受信した場合に、前記シンクライアント端末が仮想端末接続セッションを介して接続されている前記仮想端末への接続が許可される前記事業者端末に固有の識別情報を記憶する仮想端末接続状態管理テーブルに、前記接続許可要求に含まれる前記事業者端末に固有の識別情報を新規に記録した後、前記接続許可要求に対する応答を前記仮想端末に送信する接続許可端末記録ステップと、
前記仮想端末が、前記事業者端末から接続要求を受信した場合に、前記仮想端末への接続が許可される事業者端末の確認要求を前記接続管理サーバに送信する確認要求送信ステップと、
前記接続管理サーバが、前記確認要求を受信した場合に、前記確認要求に含まれる前記事業者端末に固有の識別情報と、前記仮想端末接続状態管理テーブルに記憶されている前記識別情報とが一致することを条件として、前記事業者端末が接続許可状態にある旨の判定結果を導出し、導出した前記判定結果を、前記確認要求に対する応答として前記仮想端末に送信する確認応答ステップと、
前記仮想端末が、前記確認要求に対する応答として、前記接続要求の送信元である前記事業者端末が接続許可状態にある旨の判定結果を前記接続管理サーバから受信した場合には、前記事業者端末との間で前記仮想端末接続セッションを確立するセッション確立ステップと
を含むことを特徴とする接続制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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