説明

接続制御装置、情報処理装置、画像形成装置、携帯型移動端末、情報処理システム、接続制御装置の制御方法、及び接続制御装置の制御プログラム

【課題】容易な操作で、無線通信を実行可能に2つの機器間の接続を確立させることができる情報処理装置を提供する。
【解決手段】画像形成システムでは、携帯端末401を把持したユーザが画像形成装置の表示パネル13上で指をスライドさせる操作を行うことで、画像形成装置と携帯端末との接続を確立させることができる。表示パネル13には、例えば、4つのボタン111〜114を含むスライドパターン110が表示され、ボタン111〜114を順になぞる操作がユーザにより行われる。画像形成装置の表示パネル13上の、ユーザによる操作入力が行われた位置に関する操作情報と、携帯端末の移動量に関する移動情報とが、画像形成装置の接続判断部に送られて、比較される。ユーザの操作入力と携帯端末の移動とが互いに対応するものであると判断されると、画像形成装置と携帯端末との無線接続が確立される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、接続制御装置、情報処理装置、画像形成装置、携帯型移動端末、情報処理システム、接続制御装置の制御方法、及び接続制御装置の制御プログラムに関し、特に、携帯型移動端末と情報処理装置との間で無線通信を行う情報処理システムに用いられる接続制御装置、情報処理装置、画像形成装置、携帯型移動端末、情報処理システム、接続制御装置の制御方法、及び接続制御装置の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
情報の入出力を行う情報処理装置と、携帯電話機のような携帯型移動端末とを有する情報処理システムであって、情報処理装置と携帯型移動端末との間で無線通信による接続を確立させ、データの転送などを行うことができるようにするものがある。情報処理装置としては、例えば、画像形成装置(スキャナ機能、ファクシミリ機能、複写機能、プリンタとしての機能、データ通信機能、及びサーバ機能を備えたMFP(Multi Function Peripheral)、ファクシミリ装置、複写機、プリンタなど)のようなものが挙げられる。
【0003】
このような情報処理システムで無線通信による接続を確立させて行われる機能の一例としては、例えば、画像形成装置で携帯電話端末から転送されたデータに基づいて印刷を行うものがある。この機能では、画像形成装置に対して、携帯電話端末内のファイル(例えば、PDF(Portable Document Format)フォーマットの文書ファイルなど)が転送される。転送は、例えばBluetooth(登録商標)などの無線インターフェース経由で、両者間の接続を確立させた上で行われる。
【0004】
下記特許文献1には、携帯情報端末と画像処理装置との無線通信を開始させ、各種処理を自動的に実行させることができる画像処理システムが開示されている。この画像処理システムでは、携帯情報端末を画像処理装置と近距離無線通信可能な範囲内に存在させることにより、携帯情報端末と画像処理装置との無線通信を開始させる。
【0005】
下記特許文献2には、ユーザが保持する携帯端末との間で人体通信を行う画像形成装置が開示されている。この画像形成装置と携帯端末とは、上記人体通信を行うことで、携帯端末についてのユーザの認証と画像形成装置についてのユーザの認証とを行う。
【0006】
下記特許文献3には、加速度センサを有し、ユーザによりシェイクされたときに、機器本体が振られた方向に応じて、画面表示モードの切替えなど所定の機能を実行する携帯電子機器が開示されている。
【0007】
下記特許文献4には、3次元動きセンサを有する携帯電話機が開示されている。この携帯電話機は、それを手にしたユーザがジェスチャ動作を行ったとき、3次元動きセンサで検知したデータを用いて個人筆跡データとの照合を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−193265号公報
【特許文献2】特開2010−183306号公報
【特許文献3】特開2003−345492号公報
【特許文献4】特開2001−223779号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、従来、無線通信を行えるように携帯型移動端末と情報処理装置との両機器の接続を確立させ、連携した動作を行えるようにするためには、ユーザによる面倒な操作が必要とされていた。例えば、上記の例のように、Bluetooth(登録商標)などによりファイル転送可能に画像形成装置と携帯電話端末との接続を確立(ペアリングともいう)させるためには、事前に相互の機器にパスキーを入力する操作が要求される。
【0010】
両機器を連携させるためにユーザによる操作が必要とされるのは、次のような理由によるものである。すなわち、無線通信による接続では、双方の機器が、自ら単独で、接続すべき相手となる機器との相関性を判断することができないという特徴がある。このことは、実際には同一の作業者が両機器を操作することが明らかであるような状況であっても変わらない。換言すると、両機器が、互いに通信を試みることが可能な電波の届く範囲内にあっても、両機器が接続できるものか否かを、各機器は判別できない。例えば、両機器が、同一作業者が保持するものであって互いに連携してよいものであるか、別々の作業者が操作するものであって連携すべきでないものであるかを、区別することができない。
【0011】
ここで、上記特許文献1に記載の画像形成システムは、接続する機器間で無線通信とは別の規格の近距離無線通信を行うことにより無線通信に必要な情報を取得し、両機器間で無線通信を行う。しかしながら、このような近距離無線通信を利用するには、両機器がそれに対応する通信インタフェースを備えていなければならないという問題がある。
【0012】
上記特許文献2に記載の画像形成装置は、ユーザが保持する携帯端末との間で人体通信を行う。このように無線通信に代えて人体通信を行うとすれば、容易に操作を行うことができる。しかしながら、このような人体通信を行うためには、両機器がそれに対応する通信インタフェースを備えていなければならないという問題がある。
【0013】
なお、上記特許文献3又は4には、上記のような複数の装置を互いに関連づけることに関する事項は何ら開示されていない。すなわち、上記特許文献3又は4には、上記問題点に対して有効な解決策は何ら開示されていない。
【0014】
この発明はそのような問題点を解決するためになされたものであり、容易な操作で、無線通信を実行可能に2つの機器間の接続を確立させることができる接続制御装置、情報処理装置、画像形成装置、携帯型移動端末、情報処理システム、接続制御装置の制御方法、及び接続制御装置の制御プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するためこの発明のある局面に従うと、接続制御装置は、ユーザによる情報処理装置に対する操作入力の位置に関する情報を取得する第1の取得手段と、携帯型移動端末の移動量に関する情報を取得する第2の取得手段と、第1の取得手段により取得された情報と第2の取得手段により取得された情報とを比較し、ユーザによる操作入力と携帯型移動端末の移動とが互いに対応するものであるか否かを判断する判断手段と、判断手段の判断結果に応じて、情報処理装置と携帯型移動端末との無線接続を確立させる接続手段とを備える。
【0016】
好ましくは接続制御装置は、判断手段の判断結果に応じて、操作入力を行ったユーザの認証を行う認証手段をさらに備える。
【0017】
好ましくは接続制御装置は、情報処理装置の位置に関する情報を取得する第3の取得手段と、携帯型移動端末の位置に関する情報を取得する第4の取得手段とをさらに備え、判断手段は、第3の取得手段により取得された情報と第4の取得手段により取得された情報とに応じて、判断を行う。
【0018】
好ましくは第1の取得手段は、ユーザが操作入力を行った時刻に関する情報をさらに取得し、第2の取得手段は、携帯型移動端末が移動した時刻に関する情報をさらに取得し、判断手段は、第1の取得手段により取得されたユーザが操作入力を行った時刻に関する情報と第2の取得手段により取得された携帯型移動端末が移動した時刻に関する情報とに応じて、判断を行う。
【0019】
好ましくは判断手段は、ユーザが操作入力を行った時刻と携帯型移動端末が移動した時刻とが所定の時間幅内にあるとき、それらの両時刻は同時であるとみなして判断を行う。
【0020】
好ましくは接続制御装置は、所定の態様の操作入力を行うようにユーザに案内するための操作指定画像を取得する操作画像取得手段をさらに備え、第1の取得手段及び第2の取得手段のそれぞれは、操作画像取得手段により取得された操作指定画像が、情報処理装置に設けられている表示装置に表示されている状態で、情報の取得を行う。
【0021】
好ましくは操作画像取得手段は、情報処理装置の近傍に存在する携帯型移動端末の数に応じた複雑度を有する態様の操作入力を行うようにユーザに案内するための操作指定画像を取得する。
【0022】
好ましくは第1の取得手段は、位置に関する情報を2次元の位置情報として取得し、判断手段は、第2の取得手段により取得された情報のうち、第1の取得手段により取得された2次元の位置情報に対応する2軸方向の情報について、第1の取得手段により取得された情報との比較を行う。
【0023】
好ましくは判断手段は、第1の取得手段により取得された情報に基づくユーザの操作入力に関する方向を取得し、ユーザが操作入力を開始したタイミングにおける、携帯型移動端末の移動方向とユーザの操作入力に関する方向とを同一の方向とみなして、携帯型移動端末の移動方向とユーザの操作入力に関する方向とのオフセット量を検出し、検出したオフセット量に応じて、第1の取得手段により取得された情報と第2の取得手段により取得された情報との比較を行う。
【0024】
好ましくは接続制御装置は、接続手段により情報処理装置と携帯型移動端末との無線接続が確立されたとき、情報処理装置及び携帯型移動端末のうち少なくとも一方において接続確立以前には操作禁止されていた機能の操作権限をユーザに付与する権限付与手段をさらに備える。
【0025】
好ましくは権限付与手段は、第1の取得手段により取得された情報及び第2の取得手段により取得された情報のうち少なくとも一方に基づいて、ユーザによる操作入力に関する精度を判定し、判定した操作入力に関する精度に応じて、ユーザに付与する権限を制限する。
【0026】
好ましくは第1の取得手段及び第2の取得手段のうち少なくとも一方は、外部のサーバを介して情報の取得を行う。
【0027】
好ましくは接続制御装置は、接続手段により情報処理装置と携帯型移動端末との無線接続が確立されたとき、そのときタッチパネルに行われた操作入力に関する情報と、情報処理装置の所定の処理に対応するように予め登録されている登録操作情報とを比較し、一致した登録操作情報に対応する処理を情報処理装置で起動させる指示を行う起動指示手段をさらに備える。
【0028】
好ましくは接続制御装置は、接続手段により情報処理装置と携帯型移動端末との無線接続が確立されたとき、操作入力を行ったユーザを判別し、そのユーザの判別結果に応じて、情報処理端末の特定の機能を自動的に呼び出す呼出し手段をさらに備える。
【0029】
好ましくは第1の取得手段は、情報処理装置に設けられているタッチパネル上の、ユーザによる操作入力が行われた位置に関する情報を取得する。
【0030】
好ましくは第1の取得手段は、ユーザの動きを撮像する撮像装置により撮像された画像に基づいて、前記位置に関する情報を取得する。
【0031】
この発明の他の局面に従うと、情報処理装置は、上述のいずれかに記載の接続制御装置と、接続手段により携帯型移動端末との無線接続が確立されたとき、携帯型移動端末との無線通信を行う通信部とを備える。
【0032】
この発明のさらに他の局面に従うと、画像形成装置は、上述に記載の情報処理装置と、用紙に画像を形成する画像形成部とを備える。
【0033】
好ましくは画像形成装置は、接続手段により情報処理装置と携帯型移動端末との無線接続が確立されたとき、操作入力を行ったユーザを判別し、判別されたユーザの印刷情報に基づいて画像形成部により印刷を実行する印刷手段をさらに備える。
【0034】
この発明のさらに他の局面に従うと、携帯型移動端末は、上述のいずれかに記載の接続制御装置と、接続手段により情報処理装置との無線接続が確立されたとき、情報処理装置との無線通信を行う通信部とを備える。
【0035】
この発明のさらに他の局面に従うと、情報処理システムは、情報処理装置と、携帯型移動端末とを備え、情報処理装置及び携帯型移動端末のうちいずれか一方には、上述のいずれかに記載の接続制御装置が含まれており、接続手段は、情報処理装置と携帯型移動端末との無線接続を確立させる。
【0036】
この発明のさらに他の局面に従うと、情報処理システムは、情報処理装置と、携帯型移動端末と、情報処理装置及び携帯型移動端末のそれぞれと通信可能なサーバとを備え、サーバには、上述のいずれかに記載の接続制御装置が含まれており、接続手段は、情報処理装置と携帯型移動端末との無線接続を確立させる。
【0037】
この発明のさらに他の局面に従うと、接続制御装置の制御方法は、ユーザによる情報処理装置に対する操作入力の位置に関する情報を取得する第1の取得ステップと、携帯型移動端末の移動量に関する情報を取得する第2の取得ステップと、第1の取得ステップにより取得された情報と第2の取得ステップにより取得された情報とを比較し、ユーザによる操作入力と携帯型移動端末の移動とが互いに対応するものであるか否かを判断する判断ステップと、判断ステップの判断結果に応じて、情報処理装置と携帯型移動端末との無線接続を確立させる接続ステップとを備える。
【0038】
この発明のさらに他の局面に従うと、接続制御装置の制御プログラムは、ユーザによる情報処理装置に対する操作入力の位置に関する情報を取得する第1の取得ステップと、携帯型移動端末の移動量に関する情報を取得する第2の取得ステップと、第1の取得ステップにより取得された情報と第2の取得ステップにより取得された情報とを比較し、ユーザによる操作入力と携帯型移動端末の移動とが互いに対応するものであるか否かを判断する判断ステップと、判断ステップの判断結果に応じて、情報処理装置と携帯型移動端末との無線接続を確立させる接続ステップとをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0039】
これらの発明に従うと、ユーザによる情報処理装置に対する操作入力の位置に関する情報と、携帯型移動端末の移動量に関する情報とが比較される。そして、ユーザによる操作入力と携帯型移動端末の移動とが互いに対応するものであるか否かが判断される。また、判断結果に応じて、情報処理装置と携帯型移動端末との無線接続が確立される。したがって、容易な操作で、無線通信を実行可能に2つの機器間の接続を確立させることができる接続制御装置、情報処理装置、画像形成装置、携帯型移動端末、情報処理システム、接続制御装置の制御方法、及び接続制御装置の制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の第1の実施の形態における画像形成システムを示すブロック図である。
【図2】画像形成装置を示す斜視図である。
【図3】画像形成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】接続確立動作を実行しているときに行われる操作について説明する図である。
【図5】タッチアンドプリント機能とそのとき行われる接続確立動作を示すシーケンス図である。
【図6】タッチアンドプリント機能が行われるときの携帯端末の表示パネルの表示例について説明する図である。
【図7】携帯端末の移動情報を取得する動作を説明するフローチャートである。
【図8】移動ログデータベースにおける移動ログの記録例を示す図である。
【図9】画像形成装置の操作情報を取得する動作を説明する第1のフローチャートである。
【図10】画像形成装置の操作情報を取得する動作を説明する第2のフローチャートである。
【図11】操作ログデータベースにおける操作ログの記録例を示す図である。
【図12】スライドパターンの一例を示す図である。
【図13】移動情報判別処理を示すフローチャートである。
【図14】接続判断処理を示す第1のフローチャートである。
【図15】接続判断処理を示す第2のフローチャートである。
【図16】接続判断処理を示す第3のフローチャートである。
【図17】周辺の携帯端末の数が比較的少ないときの表示パネルの表示画面例を示す図である。
【図18】周辺の携帯端末の数が比較的多いときの表示パネルの表示画面例を示す図である。
【図19】接続確立動作の一変型例に係る表示パネルの表示画面例を示す図である。
【図20】接続確立動作の別の変型例に係る表示パネルの表示画面例を示す図である。
【図21】第1の実施の形態の一変型例に係る画像形成システムの構成を示すブロック図である。
【図22】第1の実施の形態の別の変型例に係る画像形成システムの構成を示すブロック図である。
【図23】本発明の第2の実施の形態における画像形成システムを示すブロック図である。
【図24】第2の実施の形態における接続確立動作を説明する図である。
【図25】画像形成装置の操作情報を取得する動作を説明する第1のフローチャートである。
【図26】画像形成装置の操作情報を取得する動作を説明する第2のフローチャートである。
【図27】携帯端末から得られた移動情報の一例を示す図である。
【図28】撮像部から得られた操作情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本発明の実施の形態の一例に係る画像形成システム(情報処理システムの一例)について説明する。
【0042】
画像形成システムは、画像形成装置(情報処理装置の一例)と携帯端末(携帯型移動端末の一例)とで構成されている。
【0043】
画像形成装置は、スキャナ機能、複写機能、プリンタとしての機能、ファクシミリ機能、データ通信機能、及びサーバ機能を備えたMFP(Multi Function Peripheral)である。スキャナ機能は、セットされた原稿の画像を読み取ってそれをHDD(Hard Disk Drive)等に蓄積する機能である。複写機能は、さらにそれを用紙等に印刷(プリント)する機能である。プリンタとしての機能は、PC等の外部端末から印刷指示を受けるとその指示に基づいて用紙に印刷を行う機能である。ファクシミリ機能は、外部のファクシミリ装置等からファクシミリデータを受信してそれをHDD等に蓄積する機能である。データ通信機能は、接続された外部機器との間でデータを送受信する機能である。サーバ機能は、複数のユーザでHDD等に記憶したデータなどを共有可能にする機能である。
【0044】
携帯端末は、例えば、電話機能、データ通信機能、及び情報記憶、閲覧、出力機能など、種々の機能を備えた、多機能型携帯電話機である。電話機能は、携帯電話網を介して他の電話機との間で音声通話を行う機能である。データ通信機能は、例えば携帯電話網やその他のネットワークを介して、他の装置との間でデータ通信を行う機能である。データ通信機能は、例えば、無線通信により行うことができる。情報記憶、閲覧、出力機能は、外部装置から送られた情報や、ユーザから入力された情報を記憶したり、記憶した情報を表示器に表示したり、外部装置へ送信したりすることを可能にする機能である。
【0045】
画像形成装置と携帯端末とは、所定の無線通信プロトコルで互いに通信できる。画像形成装置と携帯端末とが互いの存在を認識できるように互いに通信可能な状態において、ユーザが携帯端末を把持して所定の操作が行われたとき、画像形成装置と携帯端末との両者間の接続が確立される。これにより、画像形成装置と携帯端末とが、互いにデータ通信可能に連携する。画像形成装置と携帯端末との接続を確立させる動作は、例えば、画像形成装置、携帯端末、及びそれらと通信可能なサーバのうちいずれかに設けられている接続確立装置により行われる。
【0046】
[第1の実施の形態]
【0047】
図1は、本発明の第1の実施の形態における画像形成システムを示すブロック図である。
【0048】
本実施の形態において、画像形成システム500は、画像形成装置1と、携帯端末401とで構成されている。画像形成システム500において、画像形成装置1は、画像形成装置1と携帯端末401との接続を確立させる接続確立装置としての動作を行う。換言すると、画像形成装置1は、画像形成装置1と携帯端末401との接続の確立を行う接続確立装置を備えている。
【0049】
[携帯端末401の構成]
【0050】
携帯端末401は、例えばいわゆるスマートフォン(多機能型携帯電話機)である。図1に示すように、携帯端末401は、画面制御部417と、CPU420と、記憶部427と、移動情報検出部440と、通信部450と、位置情報検出部460とを有している。携帯端末401は、ユーザが容易に把持可能なものである。
【0051】
画面制御部417は、携帯端末401に設けられている表示パネル413(図6に示す。)の表示を制御する。画面制御部417は、例えば、種々の案内画像や、携帯端末401のメニュー画面などを表示パネル413に表示する。
【0052】
CPU420は、記憶部427や携帯端末401の各部などを用いて、携帯端末401の動作を制御する。記憶部427は、例えばROMやRAMなどのメモリである。記憶部427には、携帯端末401で実行される制御プログラム427aが記憶されている。CPU420は、制御プログラム427aを実行することにより、携帯端末401の動作の制御や、通信部450を利用した画像形成装置1との無線通信などを行う。
【0053】
移動情報検出部440は、モーションセンサ441と、センサドライバ442とを有している。移動情報検出部440は、携帯端末401に加わった加速度を検知することで、継続的に、携帯端末401の移動量に関する情報を検知する。モーションセンサ441は、例えば加速度センサである。加速度センサとしては、例えばMEMS(Micro electro Mechanical System)であるものを用いることができるが、これに限られるものではない。センサドライバ442は、モーションセンサ441に電力を供給して駆動させる。センサドライバ442は、モーションセンサ441により検知された加速度に関する情報を取得できる。
【0054】
通信部450は、例えば所定の方式による無線通信を、画像形成装置1との間で行うことができるように構成されている。なお、通信部450は、後述のように画像形成装置1と携帯端末401との間で接続が確立している状態で、無線通信を行うことができる。接続が確立していない状態においては、両者間でデータの通信を行うことができない。
【0055】
位置情報検出部460は、例えばGPS(Global Positioning System)を利用するGPS受信チップセットを有している。携帯端末401は、位置情報検出部460により、それ自身の位置について測位し、位置データ(位置に関する情報の一例)を得ることが可能である。
【0056】
[画像形成装置1の構成]
【0057】
図2は、画像形成装置1を示す斜視図である。
【0058】
図2に示すように、画像形成装置1は、給紙カセット3と、排紙トレイ5と、操作部11と、CPU20と、画像形成部30と、画像読取部40とを備える。CPU20は、画像形成装置1の動作を制御する。CPU20、画像形成部30、及び画像読取部40などは、画像形成装置1の筐体の内部に配置されている。
【0059】
この画像形成装置1は、3つの給紙カセット3(給紙カセット3a,3b,3c)を有している。それぞれの給紙カセット3には、例えば、互いに異なるサイズの用紙(B5サイズ、A4サイズ、及びA3サイズなど)が装てんされている。給紙カセット3は、画像形成装置1の下部に、画像形成装置1の筐体に抜き差し可能に配置されている。各給紙カセット3に装てんされた用紙は、印字時に、1枚ずつ給紙カセット3から給紙され、画像形成部30に送られる。なお、給紙カセット3の数は3つに限られず、それより多くても少なくてもよい。
【0060】
排紙トレイ5は、画像形成装置1の筐体のうち画像形成部30が収納されている部位の上方で画像読取部40が配置されている部位の下方に配置されている。排紙トレイ5には、画像形成部30により画像が形成された用紙が筐体の内部から排紙される。
【0061】
操作部11は、画像形成装置1の上部前面(図において正面)側に配置されている。操作部11には、ユーザにより押下操作可能な複数の操作ボタン11aが配置されている。また、操作部11には、情報をユーザに表示する表示パネル13が配置されている。
【0062】
表示パネル13は、タッチパネルである。表示パネル13は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)である。表示パネル13は、ユーザに案内画面を表示したり、操作ボタンを表示してユーザからのタッチ操作を受け付けたりする。表示パネル13は、CPU20の制御の下、画面制御部17により制御されて表示を行う。操作部11は、ユーザにより操作ボタン11aや表示パネル13へなされる操作入力を受け付ける。操作部11は、操作ボタン11aや表示パネル13がユーザにより操作されると、その操作に応じた操作信号又は所定のコマンドをCPU20に送信する。すなわち、ユーザは、操作ボタン11aや表示パネル13に操作を行うことにより、画像形成装置1に種々の動作を実行させることができる。
【0063】
画像形成部30は、大まかに、トナー像形成部(図示せず)と、用紙搬送部(図示せず)と、定着装置(図示せず)とを有している。画像形成部30は、例えば電子写真方式で用紙に画像を形成する。
【0064】
用紙搬送部は、給紙ローラ、搬送ソーラ、及びそれらを駆動するモータなどで構成されている。用紙搬送部は、用紙を給紙カセット3から給紙して、画像形成装置1の筐体の内部で搬送する。また、用紙搬送部は、画像が形成された用紙を画像形成装置1の筐体から排紙トレイ5などに排出する。
【0065】
定着装置は、加熱ローラ及び加圧ローラを有している。定着装置は、加熱ローラと加圧ローラとでトナー像が形成された用紙を挟みながら搬送し、その用紙に加熱及び加圧を行う。これにより、定着装置は、用紙に付着したトナーを溶融させて用紙に定着させ、用紙に画像を形成する。
【0066】
画像読取部40は、画像形成装置1の筐体の上部に配置されている。画像読取部40は、ADF(Auto Document Feeder)41を有している。画像読取部40は、上述のスキャナ機能を実行する。画像読取部40は、透明な原稿台に配置された原稿をコンタクトイメージセンサにより走査して、それを画像データとして読み取る。また、画像読取部40は、原稿トレイにセットされた複数の原稿を1枚ずつADF41により順次取り込みながら、コンタクトイメージセンサにより原稿を読み取り、画像データとする。
【0067】
画像読取部40により読み取られた画像は、CPU20により、仕上がり画像に変換される。CPU20は、生成した仕上がり画像を外部装置などに送信したり、仕上がり画像に基づいて画像形成部30により用紙に画像を形成したりできる。
【0068】
図3は、画像形成装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0069】
図3に示すように、画像形成装置1は、上述の各部のほか、ROM23、RAM25、及び不揮発メモリ27を有している。
【0070】
不揮発メモリ27は、例えばフラッシュメモリやHDD(Hard Disk Drive)などである。不揮発メモリ27は、画像形成装置1に接続されている外部装置などから送られた印刷ジョブのデータや、画像読取部40で読み取った画像データなどを記憶する。また、不揮発メモリ27は、画像形成装置1の設定情報や、画像形成装置1の種々の動作を行うための制御プログラム27aなどを記憶する。CPU20は、不揮発メモリ27から制御プログラム27aを読み出して、制御プログラム27aを実行することで、画像形成装置1の動作の制御などを行うことができる。
【0071】
ROM23は、例えばフラッシュROM(Flash Memory)である。ROM23には、画像形成装置1が動作するときに用いられるデータが記憶されている。ROM23には、不揮発メモリ27と同様に、種々の制御プログラムや、画像形成装置1の機能設定データなどが記憶されていてもよい。CPU20は、ROM23からのデータの読み込みや、ROM23へのデータの書き込みを行う。なお、ROM23は、書換え不可能なものであってもよい。
【0072】
RAM25は、CPU20のメインメモリである。RAM25は、CPU20が制御プログラム27aを実行するときに必要なデータなどを記憶するのに用いられる。
【0073】
CPU20は、画像形成装置1の各部に、信号を送受可能に接続されている。CPU20は、ROM23、RAM25、又は不揮発メモリ27などに記憶された制御プログラム27aなどを実行することにより、画像形成装置1の種々の動作を制御する。CPU20は、操作部11から操作信号が送られたり、画像形成装置1に接続されている外部機器などから操作コマンドが送信されたりすると、それらに応じて所定の制御プログラム27aを実行する。これにより、ユーザによる操作部11の操作などに応じて、画像形成装置1の所定の機能が実行される。
【0074】
図3に示すように、画像形成装置1は、さらに、画面制御部(操作画像取得手段の一例)17、通信部50、位置情報検出部60、接続判断部70、及び認証管理部80などを有している。
【0075】
画面制御部17は、表示パネル13の表示を制御する。画面制御部17は、表示パネル13に表示する画像を取得する処理を行う。すなわち、画面制御部17は、例えば予め用意されて不揮発メモリ27やROM23などに記憶されている表示画像を読み込み、表示パネル13に表示したり、表示画像を生成して表示パネル13に表示したりする。
【0076】
通信部50は、例えば所定の方式による無線通信を携帯端末401との間で行うことができるように構成されている。通信部50は、例えばBluetooth(登録商標)などの近距離無線通信規格に基づいて、携帯端末401の通信部450との間で無線通信可能である。このとき、通信部50は、後述のように携帯端末401と画像形成装置1との間で接続が確立している状態において、データ(文書データ、画像データなど)の通信を行うことができる。通信部50は、携帯端末401と画像形成装置1との間で接続が確立していない状態においては、通信部450と間でデータの通信を行うことができない。
【0077】
位置情報検出部60は、画像形成装置1が設置されている場所を特定できる位置データ(位置に関する情報の一例)を保持している。例えば、位置情報検出部60は、位置データが記憶されている不揮発メモリである。CPU20は、位置情報検出部60から位置データを読み出すことで、画像形成装置1が設置されている場所に関する情報を得ることができる。なお、位置データは、画像形成装置1の設置時などに、ユーザにより適宜書き込まれるものである。位置データは、例えば、経緯度を示す値が、位置情報検出部460で得られる位置データと同一の測地系で表されているものである。
【0078】
なお、位置情報検出部60は、位置情報検出部460と同様に、GPSによる測位を行うことで、画像形成装置1の位置データを保持するように構成されていてもよい。
【0079】
接続判断部70は、後述するように、画像形成装置1と携帯端末401との接続を確立するか否かを判断する。接続判断部70の判断に応じて、CPU20及び通信部50は、画像形成装置1と携帯端末401との接続を確立する。すなわち、接続判断部70は、その判断結果に応じて、画像形成装置1と携帯端末401との無線接続を確立させる。
【0080】
接続判断部70は、移動ログデータベース(DB)71と、操作ログデータベース(DB)72とを管理する。各データベース71,72には、携帯端末401の移動量に関する移動情報と、画像形成装置1の表示パネル13上のユーザによる操作入力が行われた位置(操作位置)に関する操作情報とがそれぞれ蓄積されている。これらの情報は、後述するように、画像形成装置1及び携帯端末401が接続確立動作を行っているときに、蓄積される。
【0081】
認証管理部80は、画像形成装置1について、ユーザ認証を行う。ユーザ認証は、画像形成装置1を利用するユーザを識別し、認証するジョブである。ユーザは、ユーザ認証による認証を経て、画像形成装置1にログインし、画像形成装置1を利用することができる。
【0082】
ユーザ認証では、例えば不揮発メモリ27に記憶されている認証データベース(図示せず)が用いられる。認証データベースには、ユーザ認証可能なユーザの情報とそのユーザの認証に必要な認証情報とが対応付けられて記録されている。認証情報は、例えばユーザ毎に設定されたパスワードである。認証データベースには、各ユーザについて実行を許可する機能に関する情報が、そのユーザに対応付けて記録されている。
【0083】
ユーザ認証は、例えば、次に示すようにして行われる。すなわち、まず、ユーザに、ユーザ認証画面が提示される。ユーザ認証画面は、表示パネル13に表示される。ユーザは、操作部11を操作し、画像形成装置1にそのユーザの情報(例えば、アカウント名など)とパスワードとを入力する。操作部11にこれらの情報が入力されると、CPU20は、認証データベースを参照し、入力されたデータに基づいて、そのユーザの認証可否を判断する。認証可能であれば、CPU20は、そのユーザについて認証成立とし、認証が成立した認証ユーザについて実行を許可されている機能を実行可能とする。このとき、認証ユーザは画像形成装置1にログインした状態になる。これにより、画像形成装置1は、画像形成装置1を用いるユーザを識別できる。
【0084】
ユーザ認証を行ってユーザを識別することで、表示パネル13の表示や利用可能な機能などを認証されたユーザに適合するものにして、画像形成装置1の利便性を高められる。また、認証されたユーザが画像形成装置1の近くにいるときに、他のユーザの目に触れないようにして印刷物を出力できるなど、高いセキュリティ効果が得られる。
【0085】
画像形成装置1において、CPU20は、ユーザ認証により識別したユーザに応じて、画像形成装置1の機能についてのユーザの使用権限を管理する。使用権限の管理が行われることで、ユーザ毎に、所定の機能の使用を制限することができ、高いセキュリティ効果が得られる。
【0086】
なお、ユーザ認証の方式は上記に限られるものではなく、公知の方法を適宜採用することができる。認証情報の参照先や認証を行う主体などは、上記のものとは異なっていてもよい。例えば、画像形成装置1自身がユーザ認証を行うための認証情報を保有しており、画像形成装置1がユーザからの認証要求を受け付けて、認証情報に基づいて、そのユーザを認証してもよい。また、ユーザにアカウント名などの情報やパスワードの入力を要求しないようにしてもよい。すなわち、例えば、接触式・非接触式のIDカードを用いたカード認証方式や、ユーザの指紋情報や静脈情報などを利用した生体認証方式などを採用することができる。認証データベースは、画像形成システム500を構成するサーバ(図示せず)などで管理されていてもよい。
【0087】
ここで、操作部11には、操作位置検出部15が設けられている。操作位置検出部15は、ユーザが表示パネル13を操作したとき、表示パネル13上においてその操作入力が行われた位置を検出する。操作位置検出部15は、例えば、表示パネル13上のユーザの指先などで触れられた位置をユーザの操作位置として検出できる。
【0088】
[接続確立動作の説明]
【0089】
ここで、画像形成システム500では、携帯端末401を把持したユーザが画像形成装置1の表示パネル13上で指をスライドさせる操作を行うことで、画像形成装置1と携帯端末401との接続を確立させることができる。また、本実施の形態において、接続確立と同時に、画像形成装置1の操作入力を行ったユーザについて、ユーザ認証が行われる。以下、このような接続確立動作について説明する。
【0090】
図4は、接続確立動作を実行しているときに行われる操作について説明する図である。
【0091】
図4に示すように、接続確立動作が行われると、操作部11の表示パネル13には、所定の携帯接続操作画面(以下、接続画面ということがある)が表示される。接続画面の表示は、画面制御部17により行われる。接続画面には、例えば、ユーザに操作を指示するメッセージ105と、スライドパターン110(操作指定画像の一例)と、アイコン(携帯端末アイコンボタンということがある。)150とが含まれる。なお、図4において、ユーザの手Hと、携帯端末401とが示されている。このユーザの手Hと携帯端末401とは、表示パネル13に表示されているものではない。
【0092】
メッセージ105としては、ユーザが行うべき動作についてユーザに対して案内するものが示される。図4に示す例では、例えば、携帯端末401を持った手Hを用いて、アイコン150をスライドパターン110に従ってスライドさせるようにユーザを案内するメッセージ105が表示されている。
【0093】
スライドパターン110は、所定の態様の操作入力を行うようにユーザに案内する画像である。スライドパターン110は、例えば、第1ボタン111、第2ボタン112、第3ボタン113、第4ボタン114の4つの識別ボタンが所定の位置に配置されているものである。第1ボタン111は、図4において「A」として示されている。第2ボタン112は、図4において「B」として示されている。第3ボタン113は、図4において「C」として示されている。第4ボタン114は、図4において「D」として示されている。図4に示す例では、第1ボタン111は表示パネル13の左上方に、第2ボタン112は表示パネル13の右上方に、第3ボタン113は表示パネル13の右下方に、第4ボタン114は表示パネル13の左下方に、それぞれ配置されている。
【0094】
ユーザは、スライドパターン110が表示されている状態で、次のような操作を行う。すなわち、ユーザは、携帯端末401を手のひらで把持する。そして、ユーザは、携帯端末401を把持したまま、スライドパターン110に従って、指先などで表示パネル13に触れ、表示パネル13上で指先などをスライドさせる。指先などのスライドは、指定された通りの態様で行われなければならない。すなわち、図4に示す例では、指先などで第1ボタン111に触れた後、その指先などが第2ボタン112に触れるようにスライドさせる(1回目の操作)。また、第2ボタン112に触れた後、指先などをスライドさせて第3ボタン113に触れ(2回目の操作)、第3ボタン113に触れた後、指先などをスライドさせて第4ボタン114に触れる(3回目の操作)。ボタンからボタンへ指先などをスライドさせるときは、指先などでアイコン150に触れたまま、スライド操作を行う。スライドに伴い、アイコン150の位置も変位する。なお、各々の操作の途中でも表示パネル13から指を離すことができるようにしてもよい。このとき、指を離した地点から、操作を再開できるようにしてもよい。また、一連の操作は、指を途中で離さずに行うようにしてもよい。
【0095】
なお、スライドパターン110としては、4つの識別ボタン111〜114が表示されるものに限られない。ボタンの数は2つ又は3つであってもよいし、5つ以上であってもよい。また、各ボタンの位置や並び順などは、画面制御部17の制御により適宜変更されてもよい。
【0096】
スライドパターン110は、予め画像形成装置1に設定され記憶されていたものであってもよい。このとき、複数種類のスライドパターン110のうち、画面制御部17により適宜選択(取得の一例)されたものが表示されてもよい。また、画面制御部17は、表示するスライドパターン110を表示直前までに生成(取得の一例)し、生成した画像をスライドパターン110として表示するようにしてもよい。
【0097】
接続確立動作は、例えば、ユーザが、携帯端末401を用いたタッチアンドプリント機能を利用するときなどに行われる。ここでタッチアンドプリント機能とは、例えば携帯端末401に記憶されている文書データについて、ユーザが画像形成装置1に触れるような簡単な操作を行うことで、画像形成装置1から出力させる機能をいう。本実施の形態において、タッチアンドプリント機能では、携帯端末401から画像形成装置1に無線通信によりユーザの文書データ(印刷情報の一例)が転送され、画像形成装置1で文書データの印刷が行われる。無線通信に先立って、接続確立動作が行われることで、携帯端末401と画像形成装置1との間で接続が確立される。
【0098】
図5は、タッチアンドプリント機能とそのとき行われる接続確立動作を示すシーケンス図である。
【0099】
タッチアンドプリント機能は、ユーザの操作に応じて、画像形成装置1と携帯端末401との間で行われる。このうち、接続確立動作では、画像形成装置1の接続判断部70に、画像形成装置1側で得られた情報と携帯端末401側で得られた情報とが送られる。そして、接続判断部70で画像形成装置1と携帯端末401とが対応するものか否か、判断される。図5では、画像形成装置1と接続判断部70とが分けられて示されているが、これは、画像形成装置1側で得られた情報が接続判断部70で処理されることを示すためである。
【0100】
図5に示すように、タッチアンドプリント機能では、次のような順番でユーザの操作が行われる。すなわち、ステップS21において、ユーザは、画像形成装置1の動作モードを印刷指示接続待ちモード(以下、接続待ちモードということがある。)にする。ユーザは、所定の操作を行うことで、動作モードを変更可能である。
【0101】
ステップS22において、ユーザは、携帯端末401を操作し、携帯端末401の動作モードを、画像形成装置接続待ちモード(以下、接続待ちモードということがある。)にする。また、このとき、ユーザは、携帯端末401を操作し、印刷対象文書の指定を行う。印刷対象文書としては、ユーザが画像形成装置1から出力させたいものが指定される。
【0102】
ステップS21,S22で、タッチアンドプリント機能の準備が行われると、接続確立動作が開始される。
【0103】
ステップS23において、ユーザは、携帯端末401を持った手で、画像形成装置1の表示パネル13上の所定の識別ボタン(キー)の操作を行う。
【0104】
ステップS24〜ステップS26において、ユーザは、表示パネル13の表示に従って、表示パネル13上で指先をスライドさせる動作(タッチ・ドラッグ動作)を行う。
【0105】
ここでは、例えば、図4に示すようなスライドパターン110に従って、3回の操作(1)〜(3)が行われる。すなわち、1回目の操作は、第1ボタン111から第2ボタン112にアイコン150をスライドさせるタッチ・ドラッグ動作である(S24)。2回目の操作は、第2ボタン112から第3ボタン113にアイコン150をスライドさせるタッチ・ドラッグ動作である(S25)。第3解明の操作は、第3ボタン113から第4ボタン114にアイコン150をスライドさせるタッチ・ドラッグ動作である(S26)。
【0106】
なお、各操作は、例えば、表示パネル13にユーザがタッチしたときに開始された、とCPU20などにより判断されればよい。また、各操作は、表示パネル13からユーザが指先などを離したときに終了した、とCPU20などにより判断されればよい。なお、表示パネル13の所定の位置にユーザの操作位置が位置していることが操作位置検出部15で検出されたときに、各回の操作が開始されたと判断されてもよい。また、ユーザが操作位置を変位させた結果(指先などを表示パネル13上でスライドさせて)、表示パネル13の所定の位置にユーザの操作位置が位置していることが操作位置検出部15で検出されたときに、各回の操作が終了したと判断されてもよい。
【0107】
これらの操作の結果、接続確立動作が完了して画像形成装置1と携帯端末401との接続が確立され、ユーザ認証が行われる。そうすると、タッチアンドプリント動作の準備において指定された印刷対象文書が、携帯端末401から画像形成装置1に送信される。そして、画像形成装置1は、受信した印刷対象文書について印刷を行い、印刷した文書を出力する。
【0108】
このように印刷が行われることで、ステップS27において、ユーザは、印刷対象文書についての印刷物を受け取ることができる。
【0109】
このようなユーザの操作に応じて、画像形成装置1と、携帯端末401と、画像形成装置1内部にある接続判断部70とのそれぞれが、次のように処理を行うことで、タッチアンドプリント機能を実現している。これらの処理は、画像形成装置1のCPU20や携帯端末401のCPU420の制御の下で画像形成装置1の各部や携帯端末401の各部が動作することにより、行われる。
【0110】
すなわち、図5に示すように、ステップS31において、画像形成装置1のCPU20は、ユーザによるステップS21に示される操作に応じて、画像形成装置1の動作モードを接続待ちモードにする。このとき、CPU20は、画像形成装置1に関する所定の種類の情報を、接続判断部70に送信する。例えば、画像形成装置1に固有に付与された端末IDと、画像形成装置1が接続待ち状態であることを示す情報と、画像形成装置1が設置されている場所を特定できる位置情報とが送信される。
【0111】
ステップS33において、画像形成装置1のCPU20は、表示パネル13に接続画面を表示する。
【0112】
ステップS35において、接続判断部70では、CPU20による制御の下、画像形成装置1側から送信された情報を取得し、記憶する。これらの情報は、例えば、操作ログデータベース72での記録に用いられる。
【0113】
他方、ステップS37において、携帯端末401のCPU420は、ユーザによるステップS22に示される操作に応じて、携帯端末401の動作モードを接続待ちモードにする。このとき、CPU420は、携帯端末401に関する所定の種類の情報を、画像形成装置1の接続判断部70に送信する。例えば、携帯端末401に固有に付与された端末IDと、携帯端末401が接続待ち状態であることを示す情報と、携帯端末401の位置を特定できる位置情報とが送信される。位置情報としては、例えば、そのとき位置情報検出部460の測位が行われた結果、得られたものが送信される。
【0114】
ステップS39において、接続判断部70では、CPU20による制御の下、携帯端末401側から送信された情報を取得し、記憶する。これらの情報は、例えば、移動ログデータベース71への記録に用いられる。
【0115】
ユーザによる操作が開始されると(ステップS23)、ステップS24〜S26に示される各操作に応じて、画像形成装置1側で得られたデータと携帯端末401側で得られたデータとが接続判断部70に送信される。そして、送信されたデータは、移動ログデータベース71と操作ログデータベース72とに分かれて記録される。
【0116】
すなわち、ステップS23に示されるユーザによる1回目の操作が行われると、ステップS41において、画像形成装置1のCPU20は、次の動作を行う。すなわち、ユーザのタッチ・ドラッグ操作があると、表示パネル13でその操作があったことが検知される。操作位置検出部15により操作があった位置が認識されると、CPU20は、その操作位置に関する情報(以下、操作情報ということがある。)を接続判断部70に送信する。
【0117】
また、ステップS43において、携帯端末401のCPU420は、次の動作を行う。すなわち、ユーザの操作があると、移動情報検出部440により携帯端末401の移動量に関する情報(以下、移動情報ということがある。)が認識される。CPU420は、その移動情報を接続判断部70に送信する。
【0118】
ステップS45において、接続判断部70では、画像形成装置1側の操作情報と、携帯端末401側の移動情報とを受信(取得)すると、CPU20の制御の下、それぞれをデータベース71,72に記録(保存)する。すなわち、画像形成装置1側の操作情報は、操作ログデータベース72に記録される。また、携帯端末401側の移動情報は、移動ログデータベース71に記録される。このとき、記録されるデータには、上述のステップS35,39で記憶された情報と、操作情報又は移動情報と、操作や移動があった時刻に関する情報とが含まれる。
【0119】
このとき、例えば、CPU20や操作位置検出部15は、操作が開始されてから終了するまでの間、操作位置の監視を行う。そして、操作が終了したとき、その一連の操作(例えば、図4に示す例において、第1ボタン111から第2ボタン112までの操作)についての情報を送信する。また、CPU420や移動情報検出部440は、移動が開始されてから停止するまでの間、移動量の監視を行い、移動が停止したとき、その一連の移動についての情報を送信する。なお、画像形成装置1側や携帯端末401側から、操作や移動が開始されてから所定時間の間隔で、情報を逐次送信するようにしてもよい。この場合、接続判断部70は、受信した情報について算出した情報をデータベース71,72に記録するようにしてもよい。
【0120】
ステップS24に示される2回目の操作やステップS25に示される3回目の操作が行われたときも、上記と同様の処理が行われる。
【0121】
すなわち、ステップS47,S53において、画像形成装置1のCPU20は、ステップS41と同様に、操作情報を接続判断部70に送信する。
【0122】
ステップS49,S55において、携帯端末401のCPU420は、ステップS43と同様に、携帯端末401の移動情報を接続判断部70に送信する。
【0123】
ステップS51,57において、接続判断部70では、CPU20の制御の下、受信した移動情報を移動ログデータベース71に記録し、操作情報を操作ログデータベース72に記録する。
【0124】
ステップS61において、3回目の操作が終了したとき、すなわちユーザによる操作が終了したとき、画像形成装置1のCPU20は、それを検知する。そして、CPU20は、接続判断部70に対し、認証対象端末検索要求(以下、検索要求ということがある。)を送信する。検索要求は、画像形成装置1と接続を確立できる携帯端末の有無を判断するために送られる指示である。このとき、CPU20は、接続判断部70に操作回数のトータル回数(操作回数Total)を通知する。
【0125】
なお、ユーザによる操作の終了は、次のようにして、CPU20や操作位置検出部15などにより判定される。すなわち、例えば、ユーザの操作位置が、操作終了位置として予め設定された位置に位置することが操作位置検出部15により検出されたとき、ユーザによる操作が終了したと判定される。また、例えば、表示パネル13からユーザの指先などが離れた場合において、指先が離れてから所定時間が経過したとき、ユーザによる操作が終了したと判定されるようにしてもよい。
【0126】
ステップS63において、接続判断部70は、検索要求が送られると、端末の検索を行う。CPU20は、データベース71,72のサーチを行い、画像形成装置1で行われた操作に移動態様が対応する携帯端末401を特定する。換言すると、接続判断部70は、操作情報と移動情報とを比較し、ユーザによる操作入力と、携帯端末401の移動とが互いに対応するものであるか否かを判断する。この処理は、後述のようにして行われる。
【0127】
携帯端末401が特定されると、接続判断部70から画像形成装置1と携帯端末401とのそれぞれに対して、認証許可情報が通知される。これにより、画像形成装置1と携帯端末401との接続が確立される。すなわち、画像形成装置1に、携帯端末401が通信可能なものとして登録され、互いに無線通信可能になる。
【0128】
ステップS65において、接続判断部70から画像形成装置1側には、接続を許可する旨の情報と、接続が許可される相手の端末のIDとして、携帯端末401の端末IDが送信される。
【0129】
ステップS67において、画像形成装置1のCPU20は、接続判断部70から送信された情報に基づいて、ユーザ認証を行う。すなわち、ユーザ認証は、接続判断部70でなされた判断結果に応じて行われる。ユーザ認証が行われると、携帯端末401に、認証が許可された旨が通知される。
【0130】
ここで、本実施の形態において、画像形成装置1におけるユーザ認証は、携帯端末401に関する端末IDに基づいて行うことができる。例えば、認証データベースには、予め、画像形成装置1で認証可能なユーザに関連付けて、そのユーザが使用する携帯端末401の端末IDなどが記録されている。画像形成装置1と携帯端末401との間で接続確立動作が行われて、接続が確立された携帯端末401の端末IDが送られると、CPU20は、その端末IDに対応するユーザについて、ユーザ認証を行う。これにより、ユーザは、別途パスワードなどを登録することなく、容易な操作を行うだけでユーザ認証を行うことができる。なお、画像形成装置1は、認証が確立したとき、携帯端末401の端末IDに基づいてユーザ認証を行おうとするユーザを判別し、対応するパスワードの入力のみをユーザに求めるようにしてもよい。
【0131】
ステップS69において、携帯端末401のCPU420は、画像形成装置1に対し、印刷対象文書のデータを送信する。印刷対象文書のデータは、画像形成装置1と携帯端末401との接続が確立されたことにより、無線通信によって送信可能となる。
【0132】
なお、このとき、画像形成装置1と携帯端末401との接続が確立されるまでは、ユーザ認証が成立しているときであっても文書データの送受信を行うことができないように、ユーザの権限は制御されている。換言すると、接続が確立されるまでは、文書データの送受信操作は、禁止されている。接続が確立されると、無線通信が可能になるとともに、文書データを送受信するのに必要な権限が、認証されたユーザに付与される。この制御は、例えば、CPU20などにより行われる。なお、ユーザ認証が行われているか否かにかかわらず、画像形成装置1と携帯端末401との接続が確立されているか否かに応じて、文書データの送受信に関する権限が制御されるようにしてもよい。
【0133】
ステップS71において、画像形成装置1のCPU20は、受信した印刷対象文書のデータに基づいて、印刷を行う。これにより、タッチアンドプリント動作が終了し、ユーザが印刷物を受け取ることが可能になる。
【0134】
なお、ユーザによる印刷対象文書の指定操作は、接続確立動作が行われた後、すなわち画像形成装置1と携帯端末401との接続が確立した後に行われるようにしてもよい。
【0135】
また、ユーザ認証を行わない場合において、接続確立動作が行われたとき、印刷対象文書の指定又は印刷が行われるようにしてもよい。
【0136】
図6は、タッチアンドプリント機能が行われるときの携帯端末401の表示パネル413の表示例について説明する図である。
【0137】
図6に示すように、タッチアッププリント機能が開始されると、ステップS11において、ユーザは、携帯端末401を操作し、携帯端末401の動作モードを、接続待ちモードにする。このとき、表示パネル413には、接続待ちモードである旨の表示と、印刷対象文書の指定を求める表示が行われる。ユーザは、表示パネル413を見て所定の操作を行うことにより、印刷対象文書の指定を行うことができる。
【0138】
なお、携帯端末401は、画像形成装置だけでなく、所定の方式で通信可能な情報機器との接続を確立することもできる。そのため、接続待ちモードであるとき、表示パネル413においては、情報機器の接続待ち中である旨の表示が行われる。
【0139】
ユーザにより印刷対象文書の指定が行われると、ステップS12において、表示パネル413は、ユーザに接続確立動作を行うために必要な操作を案内する表示を行う。
【0140】
ユーザの操作が行われ、画像形成装置1と携帯端末401との接続が確立すると、ステップS13において、携帯端末401から画像形成装置1への印刷対象文書のデータが転送される。このとき、表示パネル413には、「情報機器接続中」などと表示され、画像形成装置1との接続が確立されている状態である旨が表示される。また、表示パネル413には、データの転送の進ちょく状況が表示される。ユーザは、これを見て、データの転送に係る時間などを大まかに把握できる。
【0141】
印刷対象文書のデータの転送が完了すると、ステップS14において、表示パネル413は、転送が完了した旨を示す表示を行う。
【0142】
[携帯端末401の移動情報に関する処理の説明]
【0143】
携帯端末401の移動情報は、携帯端末401のセンサドライバ442などで取得され、その後、画像形成装置1の接続判断部70などにより取得される。
【0144】
図7は、携帯端末401の移動情報を取得する動作を説明するフローチャートである。
【0145】
携帯端末401のCPU420は、ステップS101において、携帯端末401の動作モードが接続待ちモードであるか否かを判断する。接続待ちモードではないときには、以降の処理は行われず、処理が終了する。
【0146】
ステップS101で接続待ちモード中であれば、ステップS103において、CPU420は、モーションセンサ441から、現在の動作状態を取得する。取得は、例えば、センサドライバ442を通じて行われる。
【0147】
ステップS105で、CPU420は、携帯端末401の前回移動状態と現在の移動状態とを比較する。これにより、CPU420は、携帯端末401の移動状態の変化を検知する。
【0148】
ここで、モーションセンサ441により検知される携帯端末401の移動状態(動作状態)としては、「端末停止中」と、「端末移動中」とが挙げられる。
【0149】
前回移動状態が「端末停止中」であり、現在の移動状態が「端末停止中」であれば、携帯端末401は「端末停止中のまま」である。
【0150】
前回移動状態が「端末停止中」であり、現在の移動状態が「端末移動中」であれば、携帯端末401は「端末移動開始」している。
【0151】
前回移動状態が「端末移動中」であり、現在の移動状態が「端末移動中」であれば、携帯端末401は「端末移動中」である。
【0152】
前回移動状態が「端末移動中」であり、現在の移動状態が「端末停止中」であれば、携帯端末401は「端末移動終了」である。
【0153】
ステップS107において、CPU420は、携帯端末401の移動状態の変化が、「端末停止中のまま」、「端末移動中」、及び「端末移動開始」のいずれかであるか否かを判断する。換言すると、CPU420は、携帯端末401の移動状態の変化について、「端末移動終了」であるか否かを判断する。
【0154】
ステップS107で「端末移動終了」であるとき、ステップS109において、CPU420は、端末移動開始となってからの携帯端末401の移動量を、センサドライバ442から取得する。また、CPU420は、移動開始時刻(移動した時刻に関する情報の一例)と、移動時間(移動開始から移動終了までの時間)と、移動量とを、接続判断部70に通知する。ここで、移動量としては、移動量のトータルの値(Total)と、移動量をX,Y,Zの各軸方向の成分として示したものとが通知される。
【0155】
ステップS109の処理が行われたとき、又はステップS107で「端末移動終了」ではなかったとき、ステップS111の処理が行われる。ステップS111において、CPU420は、現在の移動状態、すなわちステップS103で取得した移動状態を、前回移動状態として記憶する。ステップS111の処理が終了すると、一連の処理はいったん終了する。
【0156】
以上の処理は、繰り返して行われる。
【0157】
このようにして携帯端末401から接続判断部70に通知された移動情報は、移動ログデータベース71に移動ログとして逐次記録され、管理される。移動ログデータベース71に記録されている移動ログについて、次に説明する。
【0158】
図8は、移動ログデータベース71における移動ログの記録例を示す図である。
【0159】
図8に示すように、移動ログデータベース71には、画像形成装置1に各端末から送られた移動情報が、移動ログとして記録されている。各移動ログは、一回の移動(移動開始から移動終了まで、すなわち「端末停止中」から「端末移動中」を経て「端末停止中」になるまで)に対応して記録されている。各移動ログ(レコード)は、移動ログを特定する番号(移動ログNo.)、移動開始時刻、端末ID、移動時間、移動量のトータル(Total)、移動量のX軸方向成分(x)、移動量のY軸方向成分(y)、移動量のZ軸方向成分(z)、端末位置(北緯)、及び端末位置(東経)の各項目についての値を有している。
【0160】
移動ログを特定する番号は、例えば記録順に付与されている。端末IDとしては、移動情報を送信した端末に対応するものが記憶される。端末位置としては、各端末の位置情報検出部などにより測位された値が記録される。
【0161】
図8に示す例において、移動ログデータベース71には、図示されている範囲で、端末IDがそれぞれ「ABC0001」、「ABC0022」、「ABC0024」である3つの端末の移動ログが記録されている。各端末の位置は、端末位置の欄の値から特定可能である。
【0162】
また、図示されている範囲で、移動量のZ軸方向成分は、いずれの移動ログにおいても0mmとされている。これは、次のような処理が行われていることによる。すなわち、本実施の形態では、携帯端末401の最初の動きの移動量x,y,zの検出値と表示パネル13上でそのとき検知された移動量の値とが照合され、オフセット値が算出される。換言すると、オフセット値は、ユーザが操作入力を開始したタイミングにおける、携帯端末401の移動方向と、表示パネル13で検出されたユーザの操作入力方向とを同一の方向とみなして検出される。そして、移動ログへの記録時に、移動量にオフセット値を反映することで、移動量が変換されている。これにより、携帯端末401の移動量は、表示パネル13上を示す2次元の位置情報に対応する2軸方向(X軸方向、Y軸方向)の情報として表される。すなわち、これに基づいて後述のように移動情報と操作情報とが比較される場合、比較は、オフセット値に応じて行われることになる。本来3次元の動きをする携帯端末401で検出された移動方向は、表示パネル13の2次元方向と一致しない。これを解決するために、このような処理が行われている。これにより、携帯端末401側の移動量と画像形成装置1側の移動量との比較を行う場合、その処理を容易に行うことができる。
【0163】
[画像形成装置1の操作情報に関する処理の説明]
【0164】
画像形成装置1の操作位置に関する情報は、画像形成装置1の操作位置検出部15などで取得され、その後、接続判断部70などにより取得される。
【0165】
図9は、画像形成装置1の操作情報を取得する動作を説明する第1のフローチャートである。図10は、画像形成装置1の操作情報を取得する動作を説明する第2のフローチャートである。
【0166】
画像形成装置1のCPU20は、ステップS201において、識別要求フラグをリセットする。識別要求フラグは、後述のように、検索要求を所定の場合に送信するために設けられているものである。
【0167】
ステップS203において、CPU20は、画像形成装置1の動作モードが接続待ちモードであるか否かを判断する。接続待ちモードではないときには、以降の処理は行われず、処理が終了する。
【0168】
ステップS205において、CPU20は、操作部11から、表示パネル13についての現在の操作状態を取得する。
【0169】
ステップS207において、CPU20は、表示パネル13についての前回の操作状態と今回の操作状態とを比較する。これにより、CPU20は、表示パネル13についての操作状態の変化を検知する。
【0170】
ここで、表示パネル13の操作状態としては、ユーザが手指などで表示パネル13に触れている「タッチ」状態と、ユーザが表示パネル13に触れていない「非タッチ」状態とが挙げられる。
【0171】
前回操作状態が「タッチ」であり、現在の操作状態が「タッチ」であれば、表示パネル13についての操作状態の変化は「タッチ→タッチ」である。
【0172】
前回操作状態が「非タッチ」であり、現在の操作状態が「タッチ」であれば、表示パネル13についての操作状態の変化は「非タッチ→タッチ」である。
【0173】
前回操作状態が「非タッチ」であり、現在の操作状態が「非タッチ」であれば、表示パネル13についての操作状態の変化は「非タッチ→非タッチ」である。
【0174】
前回操作状態が「タッチ」であり、現在の操作状態が「非タッチ」であれば、表示パネル13についての操作状態の変化は「タッチ→非タッチ」である。
【0175】
ステップS209において、CPU20は、表示パネル13についての操作状態の変化が、「タッチ→タッチ」、「非タッチ→タッチ」、及び「非タッチ→非タッチ」のいずれかであるか否かを判断する。換言すると、CPU20は、表示パネル13についての操作状態の変化が、「タッチ→非タッチ」であるか否かを判断する。
【0176】
ステップS211で「タッチ→非タッチ」であるとき、ステップS211において、CPU20は、タッチ開始から非タッチとなるまでの操作位置の移動距離を、操作位置検出部15から取得する。また、CPU20は、操作開始時刻(ユーザが操作入力を行った時刻に関する情報の一例)と、操作時間(操作開始からの時間)と、操作位置の移動量とを、接続判断部70に通知する。ここで、移動量としては、移動量のトータルの値(Total)と、移動量をX,Yの各軸方向の成分として示したものとが通知される。
【0177】
ステップS213において、CPU20は、タッチ終了位置(非タッチとなったときの操作位置)が、最終の識別ボタン上であるか否かを判断する。ここで最終の識別ボタンとは、ユーザ指定して実行させる操作のうち、終点となる位置を示すボタンをいう。例えば、上述の図4に示すスライドパターン110において、最終の識別ボタンは、第4ボタン114である。
【0178】
ステップS213でタッチ終了位置が最終の識別ボタン上であれば、ステップS215において、CPU20は、識別要求フラグを立てる。
【0179】
ステップS215の処理が行われたとき、ステップS209で「タッチ→非タッチ」ではないとき、及びステップS213でタッチ終了位置が最終の識別ボタン上でないとき、ステップS217の処理が行われる。すなわち、ステップS217において、CPU20は、現在の表示パネル13の操作状態、すなわちステップS205で取得した操作状態を記憶する。操作状態は前回操作状態として記憶される。
【0180】
ステップS219において、CPU20は、識別要求フラグが立っているか否かを判断する。
【0181】
ステップS219で識別要求フラグが立っているとき、ステップS221において、CPU20は、接続判断部70に検索要求を通知する。また、このとき、CPU20は、接続判断部70に操作回数のトータル回数(操作回数Total)を通知する。
【0182】
ステップS219の処理が終了したとき、又はステップS219で識別要求フラグが立っていないとき、一連の処理はいったん終了する。
【0183】
以上の処理は、繰り返して行われる。
【0184】
このようにして接続判断部70に通知された表示パネル13の操作情報は、操作ログデータベース72に操作ログとして逐次記録され、管理される。操作ログデータベース72に記録されている操作ログについて、次に説明する。
【0185】
図11は、操作ログデータベース72における操作ログの記録例を示す図である。
【0186】
図11に示すように、操作ログデータベース72には、画像形成装置1の表示パネル13についての操作情報が、操作ログとして記録されている。各操作ログは、一回の操作(タッチ開始からタッチ終了まで、すなわち「非タッチ」から「タッチ」を経て「非タッチ」になるまで)に対応して記録される。各操作ログ(レコード)は、操作ログを特定する番号(操作ログNo.)、操作が開始された時刻を示す操作開始時刻、端末ID、移動時間(操作時間)、移動量のトータル(Total)、移動量のX軸方向成分(x)、移動量のY軸方向成分(y)、端末位置(北緯)、及び端末位置(東経)の各項目についての値を有している。
【0187】
操作ログを特定する番号は、例えば記録順に付与されている。端末IDとしては、画像形成装置1の端末IDが記録される。端末位置としては、本実施の形態においては、画像形成装置1の設置位置として予め位置情報検出部60に登録されている位置データが記録される。
【0188】
図11に示す例において、操作ログデータベース72には、3つの操作ログが記録されている。これらの操作ログは、いずれも、端末IDが「MFP001」である画像形成装置1の表示パネル13に操作がなされたときのものである。
【0189】
なお、データベース71,72のレコードは、接続確立動作が終了するたびに消去されるようにしてもよい。
【0190】
[タッチ・ドラッグ動作と操作状態又は移動状態との関係の説明]
【0191】
図12は、スライドパターンの一例を示す図である。
【0192】
図12に示すスライドパターン110aは、図4に示すスライドパターン110とは識別ボタン111〜114の順番が異なるものである。すなわち、スライドパターン110aにおいて、第1ボタン111はスライドパターン110aの左上方に、第2ボタン112はスライドパターン110aの右上方に、第3ボタン113はスライドパターン110aの左下方に、第4ボタン114はスライドパターン110aの右下方に、それぞれ配置されている。
【0193】
このスライドパターン110aに対応して行われるユーザの操作は、細かく見ると、3つの操作に分けられる。すなわち、1回目の操作S1は、第1ボタン111から第2ボタン112まで、操作位置を変化させ、かつ、携帯端末401を移動させる操作である。2回目の操作S2は、第2ボタン112から第3ボタン113まで、操作位置を変化させ、かつ、携帯端末401を移動させる操作である。3回目の操作S3は、第3ボタン113から第4ボタン114まで、操作位置を変化させ、かつ、携帯端末401を移動させる操作である。
【0194】
1回目の操作S1が行われるとき、表示パネル13についての操作状態と携帯端末401の移動状態とは、次のように変化する。
【0195】
ユーザは、まず、指などで第1ボタン111にタッチする。このとき、操作状態は、「非タッチ」から「タッチ」に変化する。移動状態は、「端末停止中」から「端末移動中」に変化する。
【0196】
ユーザは、表示パネル13にタッチしたまま、指などを第2ボタン112に向けて移動させる。このとき、操作状態は、「タッチ」のまま変化しない。移動状態は、「端末移動中」のままとなる。
【0197】
ユーザは、指などが第2ボタン112に到達すると、指などを表示パネル13から離す。このとき、操作状態は、「タッチ」から「非タッチ」に変化する。移動状態は、「端末移動中」から「端末停止中」に変化する。
【0198】
次にユーザが第2ボタン112にタッチするまで、操作状態は、「非タッチ」のままとなる。移動状態は、「端末停止中」のままとなる。
【0199】
なお、2回目の操作S2や3回目の操作S3についても、1回目の操作S1が行われるときと同様に、操作状態や移動状態は変化する。
【0200】
ここで、本実施の形態において、操作位置検出部15は、ユーザの操作位置が必ずしも識別ボタン111〜114上になくても、操作位置がその識別ボタン111〜114上にあるものとして操作位置を検出するようにしてもよい。例えば、図12に示すように、識別ボタン111〜114のそれぞれの周囲の所定範囲の領域121〜124内であれば、操作位置がその識別ボタン111〜114上にあるものとして操作位置を検出してよい。各領域121〜124は、例えば、識別ボタン111〜114の外縁部から所定距離だけ離れた位置をその外縁とするようにして設定されている。これにより、接続確立動作を行うときのユーザの操作負担を軽減することができる。
【0201】
[接続判断部70が行う処理の説明]
【0202】
本実施の形態において、接続判断部70は、CPU20の制御の下、次のような処理を行う。なお、この処理は、例えば、接続確立動作が開始されてから終了するまで、定期的に繰り返して行われる。
【0203】
図13は、移動情報判別処理を示すフローチャートである。
【0204】
図13に示すように、ステップS301において、接続判断部70は、携帯端末401から移動情報が通知されたか否かを判断する。通知がなければ、ステップS305の処理に進む。
【0205】
ステップS301において移動情報が通知されたときは、ステップS303において、接続判断部70は、通知された携帯端末401の移動情報を、移動ログとして、移動ログデータベース71に記録する。
【0206】
ステップS305において、接続判断部70は、画像形成装置1から、表示パネル13についての操作情報が通知されたか否かを判断する。通知がなければ、ステップS309の処理に進む。
【0207】
ステップS305において操作情報が通知されたときは、ステップS307において、接続判断部70は、通知された画像形成装置1の操作情報を、操作ログデータベース72に記録する。
【0208】
ステップS309において、接続判断部70は、画像形成装置1から、検索要求が送信されたか否かを判断する。送信されていなければ、一連の処理を終了する。
【0209】
ステップS309において検索要求が送信されたときは、ステップS311において、接続判断部70は、接続判断処理を行う。
【0210】
なお、ステップS301,S303の処理と、ステップS305,S307の処理と、ステップS309,311の処理とが実行される順番は、これに限られるものではない。
【0211】
図14は、接続判断処理を示す第1のフローチャートである。図15は、接続判断処理を示す第2のフローチャートである。図16は、接続判断処理を示す第3のフローチャートである。
【0212】
図14に示すように、ステップS401において、接続判断部70は、ループ変数であるNに「1」をセットする。ループ変数Nは、次の処理で操作ログデータベース72の参照先を示すものである。また、接続判断部70は、候補端末IDを「Null」にセットする。候補端末IDは、接続を確立する候補となる携帯端末の端末IDである。
【0213】
ステップS403において、接続判断部70は、操作ログデータベース72を参照し、画像形成装置1の操作ログのNレコード目、すなわちN回目の操作ログを取得する。接続判断部70は、例えば、取得した操作ログのうち、操作開始時刻と、移動時間と、移動量Totalとを、比較パラメータとしてセットする。
【0214】
ステップS405において、接続判断部70は、移動ログデータベース71を参照し、最新の移動ログNo.を取得する。接続判断部70は、取得した値を、ループ変数であるMにセットする。ループ変数Mは、次の処理で移動ログデータベース71の参照先を示すものである。
【0215】
ステップS407において、接続判断部70は、移動ログデータベース71を参照し、携帯端末401の移動ログのMレコード目を取得する。接続判断部70は、例えば、取得した移動ログのうち、移動開始時刻と、端末IDと、移動時間と、移動量Totalとを、比較パラメータとしてセットする。
【0216】
図15に示すように、ステップS409において、接続判断部70は、候補端末IDが「Null」であるか否かを判断する。
【0217】
ステップS409で候補端末IDが「Null」ではないとき、ステップS411において、接続判断部70は、端末ID[M](Mレコード目の移動ログの端末ID)が、候補端末IDと一致するか否かを判断する。
【0218】
ステップS411で端末ID[M]が候補端末IDと一致しないとき、図16に示すように、ステップS413において、接続判断部70は、ループ変数Mに「M−1」を代入する。すなわち、以降の処理で参照する移動ログを、現在の移動ログの一つ前の移動ログとする。
【0219】
ステップS415において、接続判断部70は、そのときステップS407で取得した移動ログが比較対象として最終のレコードであるか否かを判断する。すなわち、接続判断部70は、ステップS407で取得した移動ログが移動ログデータベース71に記録されている最前のレコードであるか否かを判断する。移動ログが最終のレコードでなければ、ステップS407の処理に戻る。
【0220】
他方、図15に示すように、ステップS409で候補端末IDが「Null」でないとき、又はステップS411で端末ID[M]が候補端末IDと一致するとき、ステップS417の処理が行われる。ステップS417において、接続判断部70は、ステップS417の判断を行う。すなわち、ステップS417において、接続判断部70は、画像形成装置1の操作開始時刻[N](Nレコード目の操作ログの操作開始時刻)と、携帯端末401の移動開始時刻[M](Mレコード目の移動ログの移動開始時刻)とを比較する。接続判断部70は、両時刻の差が所定の時間幅内であるか否か、例えばプラスマイナス1秒以内であるか否かを判断する。すなわち、接続判断部70は、操作開始時刻と移動開始時刻とが所定の時間幅内にあるとき、両時刻は同時であるとみなして、移動時間や移動量の判断に進む。このように、画像形成装置1側で検知された時刻と携帯端末401側で検知された時刻との間で処理の時間幅をもって判断が行われる。これにより、両者それぞれが計時する時刻にずれがあったり、情報の通信処理などに時間がかかったりしても、それらを許容でき、誤判断を防止できる。
【0221】
ステップS417で両時刻の差が所定の時間内であれば、ステップS419において、接続判断部70は、画像形成装置1の移動時間[N]と、携帯端末401の移動時間[M]とを比較する。接続判断部70は、両時間の差が所定値以内であるか否か、例えばプラスマイナス0.1秒以内であるか否かを判断する。
【0222】
ステップS419で両時間の差が所定値以内であれば、ステップS421において、接続判断部70は、画像形成装置1の移動量[N]と、携帯端末401の移動量[M]とを比較する。接続判断部70は、移動量の差が所定値以内であるか否か、例えばプラスマイナス3mm以内であるか否かを判断する。
【0223】
ステップS421で移動量の差が所定値以内であれば、ステップS423の処理に進む。他方、ステップS417で両時刻の差が所定の時間内でないとき、ステップS419で両時間の差が所定値以内でないとき、又はステップS421で移動量の差が所定値以内でないとき、上述のステップS413の処理に進む。これらの場合は、移動ログに対応する端末は、操作が行われた画像形成装置1に対応するものではないからである。
【0224】
図16に示すように、ステップS423において、接続判断部70は、候補端末IDに、端末ID[M]をセットする。ステップS417〜ステップS421の判断を経て、Mレコード目の移動ログに対応する携帯端末401は、画像形成装置1において行われた操作に用いられたものである可能性が高いと判断できる。したがって、その携帯端末401の端末IDが、候補端末IDにセットされる。
【0225】
ステップS425において、接続判断部70は、ループ変数Nに「N+1」を代入する。すなわち、以降の処理で参照する操作ログを、現在の操作ログの一つ後の操作ログとする。
【0226】
ステップS427において、接続判断部70は、ループ変数Nが、検索要求とともに送信された操作回数Totalに1を加えた値と等しいか否かを判断する。等しくないとき、すなわちまだ移動ログとの比較を終えていない操作ログがあるときには、ステップS403の処理に戻る。
【0227】
ステップS427においてループ変数Nが「操作回数Total+1」に等しければ、ステップS429において、接続判断部70は、画像形成装置1に対し、次の通知を行う。すなわち、接続判断部70は、接続する対象となる候補端末があること、及び、その候補端末の端末IDが上記の処理における候補端末IDであることを通知する。これにより、画像形成装置1は、接続を確立すべき携帯端末401を特定し、その携帯端末401と接続を確立できる。換言すると、接続判断部70は、これらの情報を通知することで、画像形成装置1と携帯端末401との接続を確立させる。なお、通知は、画像形成装置1と携帯端末401との両者に対して行われてもよい。
【0228】
なお、ステップS415で移動ログが最終のレコードであれば、ステップS431の処理が行われる。ステップS431において、接続判断部70は、画像形成装置1に対して、画像形成装置1に行われた操作に対して移動が一致する端末が存在しない旨の通知を行う。すなわち、通知は、画像形成装置1の接続相手として一致する端末が存在しない旨を示すものである。通知は、画像形成装置1と携帯端末401との両者に対して行われてもよい。
【0229】
ステップS429で通知が行われたとき、又はステップS431で通知が行われたとき、接続判断部70は、接続判断処理を終了し、図13の処理に戻る。
【0230】
なお、接続判断処理は、このようなアルゴリズムで行われるものに限られない。接続判断処理は、データベース71,72の移動ログと操作ログとを比較し、ユーザによる動作が一致すると考えられる携帯端末401を特定するものであればよい。
【0231】
接続判断処理においては、操作位置や携帯端末401のトータルの移動量(移動量Total)に加えて、又はトータルの移動量に代えて、例えばX軸方向の移動量やY軸方向の移動量などの比較を行うようにしてもよい。このとき、接続判断部70は、携帯端末401の移動量のうち、表示パネル13上を示す2次元の位置情報に対応する2軸方向(X軸方向、Y軸方向)の情報について、操作位置の移動量と比較するようにしてもよい。
【0232】
また、接続判断処理においては、画像形成装置1の位置情報と携帯端末401の位置情報とを比較してもよい。これにより、操作ログと移動ログとについて、より精度の高い照合を行うことができる。例えば、接続対象の候補端末を、画像形成装置1の位置から所定範囲内にある端末に絞ることで、接続判断処理をより確実に、かつ、速やかに行うことができる。
【0233】
図8及び図11に示すようにデータベース71,72に操作ログ及び移動ログが記録されている場合において、上記のように接続判断処理が行われるときの動作について説明する。次の説明において、付記するステップ番号は、図14〜図16に示すものに対応する。
【0234】
すなわち、まず、図11に示す、操作ログNo.が「1」の操作ログが取得され、比較パラメータにセットされて比較対象となる(S403)。また、図8に示す、最新の移動ログである、移動ログNo.が「242」である移動ログが取得され、比較対象となる(S405,S407)。そして、取得された操作ログと移動ログについて、操作開始時刻と移動開始時刻との比較と、移動時間の比較と、移動量Totalの比較とが行われる(S417〜S421)。両ログについてこれらは一致するので、当該移動ログの端末ID「ABC0001」が候補端末IDとしてセットされる(S423)。
【0235】
次に、操作ログNo.が「2」の操作ログが取得され、比較対象となる(S425,S403)。また、移動ログNo.が「242」である移動ログが取得され、比較対象となる(S405,S407)。このとき、候補端末IDとして「ABC0001」がセットされているので、ステップS409でNO、ステップS411でYESと経由し、ステップS417の比較が行われる。このときステップS417でNOとなるため、ステップS413,S415でNOを経由し、移動ログNo.が「241」である移動ログが比較対象となる(S407)。この移動ログは、端末IDが候補端末IDとは異なる。すなわち、ステップS409でNO、ステップS411でNOとなり、この移動ログについて操作ログとの移動開始時刻などの比較は行われない。これにより、速やかに、次の移動ログNo.が「240」である移動ログが比較対象として取得される(S413,S415でNO,S407)。この移動ログは、端末IDが候補端末IDと一致するため(S409でNO,S411でYES)、操作ログとの比較が行われる(S417でYES,S419でYES,S421でYES)。これらが一致するため、候補端末IDのセットを経て(S423)、次の操作ログについての比較が行われる。
【0236】
操作ログNo.が「3」の操作ログについての比較も、同様に行われる。すなわち、移動ログが新しいものから順次、端末IDが一致する移動ログについて、ステップS417の比較が行われる。本例では、ステップS417,S419,S421の比較により、移動ログNo.が「237」である移動ログが操作ログの比較パラメータと一致するものとして見つかる。
【0237】
操作ログNo.「3」の操作ログについて一致するものがあったとき、ステップS425において、ループ変数Nが4となる。このとき、操作回数Totalは3であり、ステップS427において、ループ変数Nと操作回数Totalに1を加えたものとが等しくなる。したがって、ステップS429の処理に進み、候補端末がある旨と、その端末IDは「ABC0001」である旨との通知が行われる。
【0238】
このように、本実施の形態においては、画像形成装置1で行われた操作に関する操作情報と、携帯端末401で検知された移動情報とが比較される。そして、それらが一致するときには(同一の操作に伴うものであることが判別されたときには)、画像形成装置1と携帯端末401との接続を確立し、両者間で無線送信可能にすることができる。接続確立動作は、ユーザが携帯端末401を把持した手で表示パネル13をなぞる操作を行うだけの、容易に実行可能な操作により行われる。したがって、ユーザは、簡易な操作で、確実に、セキュリティを保ったままで、画像形成装置1と携帯端末401との接続を確立させることができる。
【0239】
ユーザの操作は、スライドパターン110などが表示された状態で、それに従うようにして行われる。したがって、画像形成装置1と接続できる携帯端末401を、シンプルな処理手順により、判別することができる。また、ユーザは、スライドパターン110を見ながら、直感的に操作を行うことができる。
【0240】
なお、従来、携帯端末同士を所定の接続待ち状態にした上で接触させると、携帯端末同士の接続を行うものが知られている。接続は、接触した位置・時刻情報をサーバ経由で照合することなどにより、近接する携帯端末同士で互いに接続待ちであると判断することで、行われる。しかしながら、このような方法では、単に、近くのデバイスで、同一の操作が偶然行われてしまった場合などにおいて、互いに連携できると誤ってと判断されることも考えられる。しかしながら、本実施の形態では、ユーザにとって容易に実行可能な操作であって、接続相手を判別するためには十分に複雑な操作が行われることで、確実に適切な接続相手との接続を確立することができる。
【0241】
本実施の形態では、モーションセンサ441が携帯端末401だけに設けられていればよく、画像形成装置1に設けられている必要はない。したがって、このような方法で接続を確立できる画像形成システム500を、低コストで実現可能である。
【0242】
接続確立動作が行われると、画像形成装置1で、その携帯端末401に対応するものとして予め登録されているユーザについて、ユーザ認証が行われる。したがって、ユーザは、容易な操作でユーザ認証を行うことができる。また、画像形成装置1は、ユーザが把持している携帯端末401に基づいて、確実にユーザを識別した上で、ユーザ認証を行うことができる。
【0243】
[スライドパターンの表示態様の説明]
【0244】
本実施の形態において、スライドパターンとしては、例えば、画像形成装置1の近傍に存在する携帯端末401の数に応じて、互いに異なる複数種類のものが表示される。スライドパターンは、画像形成装置1の近傍に存在する携帯端末401の数に応じた複雑度を有する態様の操作入力を行うようにユーザに対して案内するものとなるように、画面制御部17により生成される。
【0245】
ここで、複雑度としては、例えば、ユーザが行うことを求められる操作回数の多さが挙げられる。すなわち、必要な操作回数が比較的多い場合、複雑度が比較的高い操作入力の態様であるといえる。
【0246】
図17は、周辺の携帯端末の数が比較的少ないときの表示パネル13の表示画面例を示す図である。
【0247】
画像形成装置1の周辺の携帯端末401の数が比較的少ないとき、図17に示すように、簡素なスライドパターン120と、それに対応するメッセージ105bとが表示される。これらは、比較的簡易な操作入力を行えば接続確立動作が完了するように表示されるものである。スライドパターン120は、識別ボタンとして、第1ボタン111と第2ボタン112との2つのみを有している。すなわち、スライドパターン120が表示されている場合において、ユーザの操作入力は、第1ボタン111にタッチしてから第2ボタン112へと指先などをスライドさせる、1回だけ行われればよい。
【0248】
図18は、周辺の携帯端末の数が比較的多いときの表示パネル13の表示画面例を示す図である。
【0249】
画像形成装置1の周辺の携帯端末401の数が比較的多いとき、図18に示すように、比較的複雑なスライドパターン130と、それに対応するメッセージ105とが表示される。これらは、比較的複雑な操作入力を行えば接続確立動作が完了するように表示されるものである。スライドパターン130には、識別ボタンとして、第1ボタン111、第2ボタン112、第3ボタン113、及び第4ボタン114が含まれている。すなわち、スライドパターン130が表示されている場合において、ユーザの操作入力は3回必要となる。このように、スライドパターン130は、例えば図17に示すスライドパターン120と比較して、ユーザが行うことが必要な操作回数が3回と多いものである。換言すると、スライドパターン130は、スライドパターン120よりも複雑度が高く、複雑度が高い操作入力に対応するものである。
【0250】
このように、画像形成装置1の周辺の携帯端末401の数が多いほど、ユーザにより行われる操作入力をより複雑な態様のものにすることで、同一の移動をしたと判断できる別の端末が検出される可能性を低減することができる。したがって、誤って別の端末との接続が確立されてしまうことを回避することができる。すなわち、周辺の携帯端末401の数が多く、接続相手となる携帯端末401の判別が比較的困難である場合には、操作の回数すなわち照合を行う回数を多くすることで、接続させるべき携帯端末401を確実に識別できる。したがって、その携帯端末401との接続を確実に確立させることができる。他方、周辺の携帯端末401の数が少なく、接続相手となる携帯端末401の判別が容易である場合には、より容易な操作で接続確立動作を行うことができる。
【0251】
なお、図18に示すように、スライドパターン130は、上述のスライドパターン110と同じく4つの識別ボタン111〜114を含むものである。これに対して、スライドパターン130における識別ボタン111〜114の並びは、スライドパターン110の並びよりも複雑なものとなっている。すなわち、スライドパターン110においては、各操作は表示パネル13に対して水平方向又は垂直方向に行うものである。これに対して、スライドパターン130では、表示パネル13に対して水平方向又は垂直方向ではない方向へのスライド操作が含まれている。このように、操作回数が同じであっても、操作の態様(操作位置の移動の方向など)が複雑になるようにスライドパターン130が構成される。これにより、接続確立動作の実行時に行われるユーザの操作が、より特有なものになる。したがって、周囲の他の携帯端末と、接続確立動作に係る携帯端末とを区別しやすくなり、接続させるべき携帯端末401との接続を確実に確立させることができる。
【0252】
[接続確立動作の変型例についての説明]
【0253】
図19は、接続確立動作の一変型例に係る表示パネル13の表示画面例を示す図である。
【0254】
図19に示すように、本変型例において、接続確立動作が行われるとき、表示パネル13には、接続画面160が表示される。接続画面160には、メッセージ105cと、サイン欄161とが含まれる。メッセージ105cには、携帯端末401を把持したまま、手でユーザ名をサインする旨のユーザへの案内文が表示される。サイン欄161は、例えば、ユーザにより任意の位置を操作できるように設けられた空白画像である。サイン欄161には、ユーザの操作位置の軌跡がサイン163として表示される。
【0255】
ユーザは、接続確立動作を実行させた場合において、接続画面160が表示されているとき、携帯端末401を把持したまま、指先などでサイン欄161に所定のサイン163を入力する。サイン163が入力されると、その間に画像形成装置1で検出された操作情報と、携帯端末401で検出された移動情報とが、接続判断部70に送られる。接続判断部70は、両情報のうち所定の情報についての比較を行う。接続判断部70は、それらが一致するか否か、すなわち画像形成装置1の操作と携帯端末401の移動とが、ユーザによる同一の操作に伴って検出されたものであるか否かを判別する。これにより、画像形成装置1と携帯端末401との接続を確立することができる。
【0256】
なお、このとき、画像形成装置1のCPU20は、ユーザにより記入されたサイン163について、例えば文字認識処理を行い、サイン163を行ったユーザを特定するようにしてもよい。また、画像形成装置1のCPU20は、操作入力に関する情報に基づいて、サイン163が、予めそのユーザに対応するサインとして登録されている情報に対応するものであるか否かを判断し、その判断結果に応じてユーザ認証を行うようにしてもよい。また、CPU20は、サイン163を示す画像と予め設置されている画像との一致度に応じて、ユーザ認証を行うようにしてもよい。このとき、CPU20は、ユーザ名とサイン163の態様などによりユーザ本人であるか否かを識別できる。したがって、ユーザにパスワードの入力などを求めることなく、簡易な操作のみで、高いセキュリティを保ちつつ、ユーザ認証を行うことができる。
【0257】
図20は、接続確立動作の別の変型例に係る表示パネル13の表示画面例を示す図である。
【0258】
図20に示すように、本変型例において、接続確立動作が行われるとき、表示パネル13には、接続画面170が表示される。接続画面170には、メッセージ105dと、サイン欄171とが含まれる。メッセージ105dには、携帯端末401を把持した手で、画像形成システム500で実行したい機能に対応するサインを行う旨のユーザへの案内文が表示される。サイン欄171は、例えば、ユーザにより任意の位置を操作できるように設けられた空白画像である。サイン欄171には、ユーザの操作位置の軌跡がサイン173として表示される。
【0259】
ユーザは、接続確立動作を実行させた場合において、接続画面170が表示されているとき、携帯端末401を把持したまま、指先などで、サイン欄171に実行したい機能に対応する所定のサイン173を入力する。図20に示す例では、例えば、プリント機能に対応する、「Print」という所定の文字が、サイン173として入力されている。サイン173が入力されると、上述の変型例においてサイン163が入力された場合と同様に、接続判断部70により、画像形成装置1の操作と携帯端末401の移動とがユーザによる同一の操作に伴って検出されたものであるか否かが判別される。これにより、画像形成装置1と携帯端末401との接続を確立することができる。
【0260】
ここで、画像形成装置1と携帯端末401との接続が確立されると、サイン173についての認識処理が行われる。そして、CPU20は、予め画像形成装置1で実行可能な機能に対応するコマンド(登録操作情報の一例)のうち、認識された文字列(操作入力に関する情報の一例)に一致するものがあるか否かを検索する。認識された文字列に一致するコマンドがあったとき、CPU20は、そのコマンドに対応する機能を起動させる指示を行い、その機能を実行する。例えば、図20に示す例において、画像形成装置1のCPU20は、サイン173についての文字認識処理を行う。CPU20は、サイン173について、「Print」という文字列に対応するものであることを認識する。CPU20は、例えば、接続が確立することで携帯端末401から送信された文書のプリント動作を起動する。
【0261】
なお、実行したい機能に対応する所定のサイン、コマンドとしては、図示されたような「Print」に限られず、種々の機能について、適宜設定できるようにすればよい。例えば、スキャン機能を実行させるための「Scan」、コピー機能を実行させるための「Copy」、及びメール送信機能又はファクシミリ送信機能を実行させるための「Mail」又は「FAX」など、適宜設定可能である。また、画像形成装置1から情報を外部の機器に送信する機能を実行させる目的で、その送信先に対応するサインを入力することで、接続確立動作を行うことで送信先も指定できるようにしてもよい。
【0262】
また、本変型例において、ユーザにより入力されるサインとしては、文字に限られず、図形であってもよい。例えば、所定の機能に対応するものとして予め登録されたスライド操作のパターン通りに操作を行うことで、その機能を呼び出し、実行させることができるように構成されていてもよい。
【0263】
[接続判断処理を行う主体についての変型例の説明]
【0264】
上記第1の実施の形態では、接続判断処理は、画像形成装置1内に設けられた接続判断部を用いて行われるが、これに限られるものではない。例えば、携帯端末側や、画像形成装置及び携帯端末とは別に設けられたサーバ上に接続判断部が設けられており、その接続犯段部により、接続判断処理が行われるようにしてもよい。
【0265】
図21は、第1の実施の形態の一変型例に係る画像形成システムの構成を示すブロック図である。
【0266】
図21に示すように、画像形成システム600は、画像形成装置(情報処理装置の一例)651と、携帯端末(携帯型移動端末の一例)601とで構成されている。画像形成システム600において、携帯端末601が、画像形成装置651と携帯端末601との接続を確立することができるか否かを判断する接続制御装置として機能する。すなわち、画像形成システム600は、携帯端末601側で接続判断処理などが行われる点で画像形成システム500とは相違する。
【0267】
携帯端末601は、上述の第1の実施の形態に係る携帯端末401に含まれる各部に加えて、接続判断部670を有している。接続判断部670は、上述の第1の実施の形態に係る画像形成装置1に含まれる接続判断部70と同様の構成を有している。接続判断部670には、移動ログデータベース71と、操作ログデータベース72とが設けられている。
【0268】
画像形成装置651は、画像形成装置1と比較して、接続判断部70が含まれないものであり、その他の構成は、画像形成装置1と同様である。
【0269】
画像形成システム600では、次のようにして画像形成装置651と携帯端末601との接続を確立させる接続確立動作が行われる。このとき、ユーザが行う操作は、画像形成システム500で接続確立動作が行われるときに行われる操作と同一である。
【0270】
すなわち、接続確立動作が行われると、画像形成装置651で行われたユーザの操作に関する操作情報は、携帯端末601に送られる。また、携帯端末601では、携帯端末601の移動情報が得られる。接続判断部670は、これらの両情報を取得し、データベース71,72に記録する。操作が終了すると、画像形成装置651から携帯端末601に検索要求などが通知される。接続判断部670は、検索要求を受けて、画像形成装置651の操作と携帯端末601の移動とがユーザによる同一の操作に伴って検出されたものであることを判別する。判別できたときは、その旨の通知が、画像形成装置651と携帯端末601との少なくとも一方に送られる。これにより、画像形成装置651と携帯端末601との接続を確立することができる。
【0271】
図22は、第1の実施の形態の別の変型例に係る画像形成システムの構成を示すブロック図である。
【0272】
図22に示すように、画像形成システム700は、画像形成装置651と、携帯端末401と、ネットワークサーバ750とで構成されている。画像形成装置651と、携帯端末401と、ネットワークサーバ750とは、互いにネットワーク900に接続されている。ネットワーク900は、例えばLAN(ローカルエリアネットワーク)である。
【0273】
画像形成システム700では、例えば画像形成装置651と携帯端末401との間でタッチアンドプリント動作などを行うためには、ネットワーク900にそれぞれを接続する場合の通信プロトコルとは異なる通信プロトコル(例えば、Bluetooth(登録商標)によるものなど)で、両者を無線通信可能に接続させる必要がある。このとき、接続確立動作が行われる。
【0274】
画像形成システム700において、ネットワークサーバ750が、画像形成装置651と携帯端末401との接続を確立することができるか否かを判断する接続制御装置として機能する。すなわち、画像形成システム700は、ネットワークサーバ750で接続判断処理などが行われる点で画像形成システム500とは相違する。
【0275】
画像形成装置651は、画像形成システム600に含まれるそれと同じように構成されている。また、携帯端末401は、画像形成システム500に含まれるそれと同じように構成されている。
【0276】
ネットワークサーバ750は、記憶部727と、通信制御部751と、接続判断部770とを有している。
【0277】
記憶部727は、例えばHDDである。記憶部727には、例えばCPU(図示せず)により実行される制御プログラム727aが記憶されている。
【0278】
通信制御部751は、ネットワーク900に接続するための通信インタフェースである。ネットワークサーバ750は、通信制御部751を介して、画像形成装置651及び携帯端末401のそれぞれと通信可能に接続されている。
【0279】
接続判断部770は、上述の第1の実施の形態に係る画像形成装置1に含まれる接続判断部70と同様の構成を有している。接続判断部770には、移動ログデータベース71と、操作ログデータベース72とが設けられている。
【0280】
画像形成システム700では、次のようにして画像形成装置651と携帯端末401との接続を確立させる接続確立動作が行われる。このとき、ユーザが行う操作は、画像形成システム500で接続確立動作が行われるときに行われる操作と同一である。
【0281】
すなわち、接続確立動作が行われると、画像形成装置651で行われたユーザの操作に関する操作情報は、ネットワークサーバ750に送られる。また、携帯端末401で検出された携帯端末401の移動情報も、ネットワークサーバ750に送られる。ネットワークサーバ750では、接続判断部770は、これらの両情報を取得し、データベース71,72に記録する。操作が終了すると、画像形成装置651からネットワークサーバ750に検索要求などが通知される。接続判断部770は、検索要求を受けて、画像形成装置651の操作と携帯端末401の移動とがユーザによる同一の操作に伴って検出されたものであることを判別する。判別できたときは、その旨の通知が、画像形成装置651と携帯端末401との少なくとも一方に送られる。これにより、画像形成装置651と携帯端末401との接続を確立することができる。すなわち、ネットワークサーバ750の接続判断部770は、画像形成装置651と携帯端末401との接続を確立させる。
【0282】
[第2の実施の形態]
【0283】
第2の実施の形態における画像形成システムは、第1の実施の形態におけるそれと同じように、画像形成装置と携帯端末とで構成されている。第2の実施の形態においては、画像形成装置が撮像装置を有しており、ユーザが所定のジェスチャ動作を行うことで画像形成装置と携帯端末との接続を確立させられる点が、第1の実施の形態とは異なる。以下、第1の実施の形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、ここでの説明を繰り返さない。
【0284】
図23は、本発明の第2の実施の形態における画像形成システムを示すブロック図である。
【0285】
図23に示されるように、第2の実施の形態において、画像形成システム800は、画像形成装置801と、携帯端末401とで構成されている。携帯端末401は、第1の実施の形態のそれと同一の構成を有している。
【0286】
画像形成装置801は、第1の実施の形態の画像形成装置1と略同様の構成を有しており、接続確立装置を備えている。画像形成装置801は、後述のように、カメラである撮像部(撮像装置の一例)815aを有している。撮像部815aは、操作位置検出部815に設けられている。画像形成装置801のその他の点は、第1の実施の形態の画像形成装置1と同様に構成されている。
【0287】
操作位置検出部15は、撮像部815aにより撮像された画像(映像を含む)に基づいて、画像形成装置801に対して行われた操作入力の位置を検出する。例えば、撮像された画像中における、ユーザの手や、ユーザにより保持されている所定のマーカ(認識対象となる画像など)などの位置を、ユーザの操作位置として検出できる。画像形成装置801は、操作位置検出部15で検出されたユーザの操作入力の位置に基づいて、ユーザの操作入力に対応する機能を実行可能である。
【0288】
なお、第2の実施の形態においては、画像形成装置801は、所定のジェスチャ動作(モーションジェスチャ;操作入力の一例)がユーザにより行われたとき、そのジェスチャ動作に対応する機能を実行させることができる。ジェスチャ動作としては、例えば次のようなものが挙げられる。すなわち、マーカを画像中で円を描くように動かす動作や、上下方向に動かす動作や、左右方向に動かす動作など、種々のジェスチャ動作を利用できる。
【0289】
図24は、第2の実施の形態における接続確立動作を説明する図である。
【0290】
図24に示されるように、撮像部815aは、画像形成装置801の操作部811に設けられている。例えば、撮像部815aは、操作部811の上部に、操作部811の表示パネル13に対面するユーザに向けて設けられている。撮像部815aは、表示パネル13に向かって操作部811を操作することで、画像形成装置801に対して操作入力を行うユーザを撮像できる。また、撮像部815aは、表示パネル13から若干離れ位置でジェスチャ動作を行うユーザの姿を撮像できる。撮像された結果は、例えば、図24に動画Vとして示されるように、得られる。なお、撮像部815aは、静止画を所定の間隔で撮像するものであってもよい。
【0291】
第2の実施の形態において、画像形成装置801と携帯端末401との接続を確立させるには、例えば、次のような動作が行われればよい。すなわち、ユーザは、マーカとしての携帯端末401を手に持ち、その手を用いて、画像形成装置801に対して所定のジェスチャ動作を行う。そうすると、画像形成装置801側で撮像部815aを用いて取得された情報と、携帯端末401において第1の実施の形態と同様にして取得された携帯端末401の移動に関する情報とに基づいて、接続を確立させるか否かが判断される。
【0292】
所定のジェスチャ動作は、例えば、次のようなものである。すなわち、ユーザは、図24に矢印Gで示されるように、携帯端末401を画像形成装置801から見て時計の針の反対回り方向(左回り)に移動させる。そうすると、撮像部815aで撮像された動画Vにおいては、携帯端末401の移動した軌跡が、矢印G1のように映る。
【0293】
このようなジェスチャ動作が行われたとき、携帯端末401では、上述の第1の実施の形態と同様に、移動情報が検出される。移動情報は、接続判断部70に送られ、移動ログとして記録される。
【0294】
他方、画像形成装置801では、次のようにして、ユーザが行ったジェスチャ動作に対応する操作情報が検出される。この動作は、例えば、画像形成装置801のCPU20により行われる。操作情報も、接続判断部70に送られる。
【0295】
図25は、画像形成装置801の操作情報を取得する動作を説明する第1のフローチャートである。図26は、画像形成装置801の操作情報を取得する動作を説明する第2のフローチャートである。
【0296】
ステップS701において、画像形成装置801のCPU20は、撮像部815aにより撮像される画像(動画を含む。)に、携帯端末401が映ったか否かを判断する。携帯端末401が映ったか否かは、例えば、撮像された画像に画像処理を行い、予め登録された携帯端末401を示す特徴が画像中に含まれるか否かを判断することで、判断される。映ったら、次のステップS703に進む。
【0297】
ステップS703において、CPU20は、撮像部815aにより、携帯端末401の単位時間当たりの移動距離の検知を開始する。
【0298】
ステップS705において、CPU20は、携帯端末401の単位時間当たりの移動距離が、規定値(第1の規定値)を超えたか否かを判断する。規定値を超えれば、次のステップS707に進む。
【0299】
なお、規定値としては、例えば、その距離を超えて移動したら、ジェスチャ動作が行われている可能性があると判断できるような値が設定される。CPU20は、携帯端末401の移動距離は、ユーザと撮像部815aとの距離を判定し、その距離を踏まえて、撮像部815aにより撮像された画像に基づいて把握するようにしてもよい。
【0300】
ステップS707において、CPU20は、携帯端末401の移動軌跡の記録が開始される。
【0301】
ステップS709において、CPU20は、携帯端末401の移動軌跡を記録する。移動軌跡は、図11に示されるような、第1の実施の形態における操作ログと同様にして記録される。移動軌跡は、例えば、所定期間毎に、撮像部815aで撮像された画像の中における携帯端末401の位置を座標形式で特定し、その情報を記録することで行われる。
【0302】
ステップS711において、CPU20は、携帯端末401の単位時間当たりの移動距離が、規定値(第2の規定値)を下回ったか否かを判断する。規定値を下回っていなければ、ジェスチャ動作が続けられているものと判断し、ステップS709の動作を継続する。規定値を下回れば、次のステップS713に進む。
【0303】
なお、第2の規定値は、上述の第1の規定値と同じであってもよいし、異なるようにしてもよい。
【0304】
ステップS713において、CPU20は、携帯端末401の移動軌跡の記録を終了する。
【0305】
ステップS715において、CPU20は、携帯端末検索要求を行う。
【0306】
以上のようにして携帯端末401の移動軌跡が記録され、操作情報の記録(操作ログ)が得られると、操作ログと移動ログとに基づいて、移動情報判別処理が行われる。これにより、操作ログと同一の操作(ジェスチャ動作)に用いられた携帯端末401を特定することができ、画像形成装置801と携帯端末401との接続を確立することができる。
【0307】
図27は、携帯端末401から得られた移動情報の一例を示す図である。図28は、撮像部815aから得られた操作情報の一例を示す図である。
【0308】
例えばユーザによって接続を確立させるためのジェスチャ動作が行われた場合において、取得された移動情報や操作情報は、例えば次のような携帯端末401の移動軌跡に対応するものとなる。すなわち、携帯端末401のモーションセンサ441から得られた移動情報は、図27に示されるような移動軌跡G2に対応する。他方、撮像部815aで撮像されて操作位置検出部815で検出された操作情報は、図28に示されるような移動軌跡G3に対応する。この移動軌跡G2と移動軌跡G3とは、互いに異なる座標系で示されるものであっても、例えば座標変換を行うことにより、同一の軌跡として判断できるようになる。これにより、接続判断部70は、画像形成装置801と携帯端末401とが、同一の操作に対応するものか否かを判断できる。
【0309】
第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。第2の実施の形態においては、ユーザは、ジェスチャ動作を行うだけの簡易な操作で、確実に、セキュリティを保ったままで、画像形成装置801と携帯端末401との接続を確立させることができる。また、例えば、モーションセンサ441は携帯端末401だけに設けられていればよいので、画像形成システム800を、低コストで実現可能である。また、画像形成装置801で、携帯端末401に対応するものとして予め登録されているユーザについてユーザ認証を行うことで、容易な操作でユーザ認証を行うことができる。
【0310】
なお、ジェスチャ動作は、表示パネル13にその方法を表示しながら行われるようにしてもよい。ユーザにとって、画像形成装置801と携帯端末401との接続を確立させるための動作を、容易に行うことができる。
【0311】
また、第2の実施の形態においても、第1の実施の形態において説明したような特徴が組み合わせられていてもよい。
【0312】
例えば、画像形成装置801の近傍に存在する携帯端末401の数に応じて、接続を確立するためのジェスチャ動作の複雑度が変更されるようにしてもよい。携帯端末401の数が少ないときには、ジェスチャ動作をより単純なものとして、ユーザの負担を軽減でできる。他方、携帯端末401の数が多いときには、ジェスチャ動作をより複雑なものとして、確実にユーザが把持する携帯端末401を特定できるようにすることができる。この場合、例えば、実行することが要求されるジェスチャ動作について、表示パネル13によりユーザに案内が行われるようにしてもよい。
【0313】
また、例えば、接続を確立させるためのジェスチャ動作として、特定の機能を実行させるコマンドに対応するものが受け付けられるようにしてもよい。この場合、画像形成装置801は、携帯端末401との接続が確立されるとともに、そのジェスチャ動作に対応する機能を実行することができる。
【0314】
また、第1の実施の形態において変形例として示したように、画像形成装置801とは異なるサーバが接続制御装置として機能するようにして、画像形成装置801、サーバ、及び携帯端末401で画像形成システムが構成されていてもよい。また、ユーザを撮像する撮像装置が、画像形成装置801とは離れて設けられていてもよい。
【0315】
[その他]
【0316】
接続判断部は、ユーザによる操作入力の精度を判定するようにしてもよい。精度は、例えば、スライドパターンに対する操作の一致度や、予め登録されたサインパターンに対する一致度などを検出することで、判定してもよい。このとき、画像形成装置のCPUや携帯端末のCPUは、判定された操作入力に関する精度に応じた処理を行うようにしてもよい。例えば、画像形成装置のCPUは、そのときユーザ認証が成立したユーザについて、認証されることで付与される画像形成装置の使用権限の一部を制限するなど、種々の制御を行うことができる。すなわち、スライドパターンに対する操作の精度などが比較的低いときには、CPUは、操作を行ったユーザに、そのユーザに許可可能な権限を完全に許可するレベルと、全く許可しないレベルとの中間的なレベルの権限のみを付与するようにしてもよい。
【0317】
接続判断部は、操作情報と移動情報とを比較する処理において、携帯端末の姿勢などをかんがみて処理を行うようにしてもよい。
【0318】
画像形成装置のCPU又は携帯端末のCPUは、画像形成装置と携帯端末との接続が確立されたとき、操作入力を行ったユーザを判別し、判別したユーザに応じた特定の機能を自動的に呼び出し、実行させてもよい。この場合、予め、各ユーザに対し、呼出し対象となる機能が対応付けられている。ユーザの判別は、例えば、ユーザ認証を行う場合にあっては、ユーザ認証により行うことができる。また、ユーザ認証を行わない場合であっても、単に、例えば携帯端末に記録されたユーザ名などを判別したりすることで、ユーザを判別するようにしてもよい。この場合、種々の機能を実行させることができる。例えば、各ユーザに対応する送信先情報を予め画像形成装置に登録しておき、ユーザにより接続確立動作が行われたとき、そのユーザに対応する送信先情報に、指定された情報を自動的に送信することなどができる。
【0319】
画像形成装置の操作情報及び携帯端末の移動情報のうち少なくとも一方は、例えば、いったん外部のサーバに送られ、接続判断部が、そのサーバ経由でそれらの情報を取得するようにしてもよい。
【0320】
画像形成装置としては、モノクロ/カラーの複写機、プリンタ、ファクシミリ装置やこれらの複合機(MFP)などいずれであってもよい。
【0321】
携帯型移動端末は、スマートフォンに限られず、他の携帯電話機や、ポータブル型のコンピュータなどいずれであってもよい。
【0322】
また、本発明に係る接続制御装置は、画像形成部を有しない画像読取装置(情報処理装置の一例)や、原稿読取部を有しない画像形成装置などにも、適用可能である。接続制御装置は、これらのほか、種々の情報処理装置と携帯型移動端末との接続を確立するものとして、これらの情報制御装置と携帯型移動端末とを含む無線通信システムに含まれる機器に、広く適用可能である。
【0323】
上述の実施の形態における処理は、ソフトウェアによって行っても、ハードウェア回路を用いて行ってもよい。
【0324】
上述の実施の形態における処理を実行するプログラムを提供することもできるし、そのプログラムをCD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスク、ROM、RAM、メモリカードなどの記録媒体に記録してユーザに提供することにしてもよい。プログラムはインターネットなどの通信回線を介して、装置にダウンロードするようにしてもよい。上記のフローチャートで文章で説明された処理は、そのプログラムに従ってCPUなどにより実行される。
【0325】
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0326】
1,651、801 画像形成装置(情報処理装置の一例)
11,811 操作部(受付手段の一例)
13 表示パネル(タッチパネルの一例)
15,815 操作位置検出部
17 画面制御部
20 CPU
27a 制御プログラム
30 画像形成部
50 通信部
60 位置情報検出部
70 接続判断部(判断手段の一例、接続手段の一例)
71 移動ログデータベース
72 操作ログデータベース
80 認証管理部
110,110a,120,130 スライドパターン(操作指定画像の一例)
111,112,113,114 識別ボタン
161,171 サイン欄
163,173 サイン
401,601 携帯端末(携帯型移動端末の一例)
420 CPU
427a 制御プログラム
440 移動情報検出部
441 モーションセンサ
450 通信部
460 位置情報検出部
500,600,700、800 画像形成システム
670 接続判断部(判断手段の一例、接続手段の一例)
750 ネットワークサーバ
751 通信制御部
727a 制御プログラム
770 接続判断部(判断手段の一例、接続手段の一例)
815a 撮像部
900 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによる情報処理装置に対する操作入力の位置に関する情報を取得する第1の取得手段と、
携帯型移動端末の移動量に関する情報を取得する第2の取得手段と、
前記第1の取得手段により取得された情報と前記第2の取得手段により取得された情報とを比較し、前記ユーザによる操作入力と前記携帯型移動端末の移動とが互いに対応するものであるか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段の判断結果に応じて、前記情報処理装置と前記携帯型移動端末との無線接続を確立させる接続手段とを備える、接続制御装置。
【請求項2】
前記判断手段の判断結果に応じて、前記操作入力を行ったユーザの認証を行う認証手段をさらに備える、請求項1に記載の接続制御装置。
【請求項3】
前記情報処理装置の位置に関する情報を取得する第3の取得手段と、
前記携帯型移動端末の位置に関する情報を取得する第4の取得手段とをさらに備え、
前記判断手段は、前記第3の取得手段により取得された情報と前記第4の取得手段により取得された情報とに応じて、前記判断を行う、請求項1又は2に記載の接続制御装置。
【請求項4】
前記第1の取得手段は、前記ユーザが操作入力を行った時刻に関する情報をさらに取得し、
前記第2の取得手段は、前記携帯型移動端末が移動した時刻に関する情報をさらに取得し、
前記判断手段は、前記第1の取得手段により取得された前記ユーザが操作入力を行った時刻に関する情報と前記第2の取得手段により取得された前記携帯型移動端末が移動した時刻に関する情報とに応じて、前記判断を行う、請求項1から3のいずれかに記載の接続制御装置。
【請求項5】
前記判断手段は、前記ユーザが操作入力を行った時刻と前記携帯型移動端末が移動した時刻とが所定の時間幅内にあるとき、それらの両時刻は同時であるとみなして前記判断を行う、請求項4に記載の接続制御装置。
【請求項6】
所定の態様の操作入力を行うようにユーザに案内するための操作指定画像を取得する操作画像取得手段をさらに備え、
前記第1の取得手段及び前記第2の取得手段のそれぞれは、前記操作画像取得手段により取得された操作指定画像が、前記情報処理装置に設けられている表示装置に表示されている状態で、前記情報の取得を行う、請求項1から5のいずれかに記載の接続制御装置。
【請求項7】
前記操作画像取得手段は、前記情報処理装置の近傍に存在する携帯型移動端末の数に応じた複雑度を有する態様の操作入力を行うようにユーザに案内するための操作指定画像を取得する、請求項6に記載の接続制御装置。
【請求項8】
前記第1の取得手段は、前記位置に関する情報を2次元の位置情報として取得し、
前記判断手段は、前記第2の取得手段により取得された情報のうち、前記第1の取得手段により取得された2次元の位置情報に対応する2軸方向の情報について、前記第1の取得手段により取得された情報との比較を行う、請求項1から7のいずれかに記載の接続制御装置。
【請求項9】
前記判断手段は、前記第1の取得手段により取得された情報に基づく前記ユーザの操作入力に関する方向を取得し、前記ユーザが操作入力を開始したタイミングにおける、前記携帯型移動端末の移動方向と前記ユーザの操作入力に関する方向とを同一の方向とみなして、前記携帯型移動端末の移動方向と前記ユーザの操作入力に関する方向とのオフセット量を検出し、検出したオフセット量に応じて、前記第1の取得手段により取得された情報と前記第2の取得手段により取得された情報との比較を行う、請求項1から8のいずれかに記載の接続制御装置。
【請求項10】
前記接続手段により前記情報処理装置と前記携帯型移動端末との無線接続が確立されたとき、前記情報処理装置及び前記携帯型移動端末のうち少なくとも一方において接続確立以前には操作禁止されていた機能の操作権限をユーザに付与する権限付与手段をさらに備える、請求項1から9のいずれかに記載の接続制御装置。
【請求項11】
前記権限付与手段は、前記第1の取得手段により取得された情報及び前記第2の取得手段により取得された情報のうち少なくとも一方に基づいて、前記ユーザによる操作入力に関する精度を判定し、判定した操作入力に関する精度に応じて、ユーザに付与する権限を制限する、請求項10に記載の接続制御装置。
【請求項12】
前記第1の取得手段及び前記第2の取得手段のうち少なくとも一方は、外部のサーバを介して前記情報の取得を行う、請求項1から11のいずれかに記載の接続制御装置。
【請求項13】
前記接続手段により前記情報処理装置と前記携帯型移動端末との無線接続が確立されたとき、そのとき行われた操作入力に関する情報と、前記情報処理装置の所定の処理に対応するように予め登録されている登録操作情報とを比較し、一致した登録操作情報に対応する処理を前記情報処理装置で起動させる指示を行う起動指示手段をさらに備える、請求項1から12のいずれかに記載の接続制御装置。
【請求項14】
前記接続手段により前記情報処理装置と前記携帯型移動端末との無線接続が確立されたとき、前記操作入力を行ったユーザを判別し、そのユーザの判別結果に応じて、前記情報処理端末の特定の機能を自動的に呼び出す呼出し手段をさらに備える、請求項1から13のいずれかに記載の接続制御装置。
【請求項15】
前記第1の取得手段は、前記情報処理装置に設けられているタッチパネル上の、ユーザによる操作入力が行われた位置に関する情報を取得する、請求項1から14のいずれかに記載の接続制御装置。
【請求項16】
前記第1の取得手段は、ユーザの動きを撮像する撮像装置により撮像された画像に基づいて、前記位置に関する情報を取得する、請求項1から14のいずれかに記載の接続制御装置。
【請求項17】
請求項1から16のいずれかに記載の接続制御装置と、
前記接続手段により前記携帯型移動端末との無線接続が確立されたとき、前記携帯型移動端末との無線通信を行う通信部とを備える、情報処理装置。
【請求項18】
請求項17に記載の情報処理装置と、用紙に画像を形成する画像形成部とを備える、画像形成装置。
【請求項19】
前記接続手段により前記情報処理装置と前記携帯型移動端末との無線接続が確立されたとき、前記操作入力を行ったユーザの印刷情報に基づいて前記画像形成部により印刷を実行する印刷手段をさらに備える、請求項18に記載の画像形成装置。
【請求項20】
請求項1から16のいずれかに記載の接続制御装置と、
前記接続手段により前記情報処理装置との無線接続が確立されたとき、前記情報処理装置との無線通信を行う通信部とを備える、携帯型移動端末。
【請求項21】
情報処理装置と、携帯型移動端末とを備え、
前記情報処理装置及び前記携帯型移動端末のうちいずれか一方には、請求項1から16のいずれかに記載の接続制御装置が含まれており、
前記接続手段は、前記情報処理装置と前記携帯型移動端末との無線接続を確立させる、情報処理システム。
【請求項22】
情報処理装置と、携帯型移動端末と、前記情報処理装置及び前記携帯型移動端末のそれぞれと通信可能なサーバとを備え、
前記サーバには、請求項1から16のいずれかに記載の接続制御装置が含まれており、
前記接続手段は、前記情報処理装置と前記携帯型移動端末との無線接続を確立させる、情報処理システム。
【請求項23】
ユーザによる情報処理装置に対する操作入力の位置に関する情報を取得する第1の取得ステップと、
携帯型移動端末の移動量に関する情報を取得する第2の取得ステップと、
前記第1の取得ステップにより取得された情報と前記第2の取得ステップにより取得された情報とを比較し、前記ユーザによる操作入力と前記携帯型移動端末の移動とが互いに対応するものであるか否かを判断する判断ステップと、
前記判断ステップの判断結果に応じて、前記情報処理装置と前記携帯型移動端末との無線接続を確立させる接続ステップとを備える、接続制御装置の制御方法。
【請求項24】
ユーザによる情報処理装置に対する操作入力の位置に関する情報を取得する第1の取得ステップと、
携帯型移動端末の移動量に関する情報を取得する第2の取得ステップと、
前記第1の取得ステップにより取得された情報と前記第2の取得ステップにより取得された情報とを比較し、前記ユーザによる操作入力と前記携帯型移動端末の移動とが互いに対応するものであるか否かを判断する判断ステップと、
前記判断ステップの判断結果に応じて、前記情報処理装置と前記携帯型移動端末との無線接続を確立させる接続ステップとをコンピュータに実行させる、接続制御装置の制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2013−21675(P2013−21675A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−88700(P2012−88700)
【出願日】平成24年4月9日(2012.4.9)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】