説明

接続可能性を備えたリフト装置の、特にケーブルウィンチのベースフレーム

【課題】 モジュール設計を特徴とするリフト装置、特にケーブルウィンチを提供する。
【解決手段】 本発明は、少なくとも2つのベースプレートを有するベースフレームを備え、互いに離間配置されベースプレートを相互接続する少なくとも2つの長手方向ビームと、保持部品によってベースプレートに取り付けられた取着要素とをさらに備えたリフト装置、特にケーブル牽引機構に関する。モジュール設計を特徴とするリフト装置、特にケーブル牽引機構を形成するために、保持部品(13a、13b)は長手方向ビーム(5a、5b、5c)の延長として配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも2つのベースプレートを含むベースフレームを有し、ベースプレートを互いに離間位置に維持して一体に接続する少なくとも2つの長手方向ビームを有し、かつ保持部品を介してベースプレートに取り付けられた取付け要素を有する、リフト装置、特にケーブルウィンチに関する。
【背景技術】
【0002】
ドイツ特許公開第DE4310770A1号公報から、劇場における昇降作業用の電動式ケーブルウィンチは公知である。この電動式ケーブルウィンチは、トランスミッションを介してケーブルドラムに作用する電気駆動モータによって駆動される。トランスミッションは、2つの制動器と共に、ケーブルドラム内に配置される。ケーブルドラムは、互いに平行に配向され相互に離間配置された2つのベースプレートから実質的に構成されるベースフレームの両端に取り付けられる。ベースプレートは各々略長方形を有し、ケーブルドラムの長手軸と平行に配向された4つの長手方向ビームを介して一体に取着される。長手方向ビームは、スペーサ管内に案内されたタイロッドおよび両端に螺合されたねじ付きナットにより、ベースプレートの角隅領域に各々接続されたスペーサ管として形成される。スペーサ管の平面状端面は、ロッド用の貫通穴の領域内でベースプレートの内側に当接する。電動式ケーブルウィンチは上部が開口したU字状接続ビームを介して静止支持構造または倉庫の床に取着されるので、この電動式ケーブルウィンチはいわゆる足取付け型ホイストとして形成される。電動式ケーブルウィンチを接続ビームに取着するために、2つのさらなる保持穴がベースプレートに、ベースプレートの下部長辺の領域における長手方向ビーム用の貫通穴に隣接して配置され、該保持穴は、スタッドボルトを介してベースプレートをU字状接続ビームのリムに取着するのに役立つ。振動減衰のために、スタッドボルトと保持穴との間に弾性要素を配置することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】ドイツ特許公開第DE4310770A1号公報
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的は、モジュール設計を特徴とするリフト装置、特にケーブルウィンチを作製することである。
【0005】
この目的は、請求項1の特徴を有するリフト装置、特にケーブルウィンチによって達成される。本発明の有利な実施形態を従属請求項2ないし12に記載する。
【0006】
本発明では、少なくとも2つのベースプレートを含むベースフレームを有し、ベースプレートを互いに離間位置に維持して一体に接続する少なくとも2つの長手方向ビームを有し、かつ保持部品を介してベースプレートに取り付けられた取付け要素を有するリフト装置、特にケーブルウィンチの場合、モジュール設計は、保持部品が長手方向ビームの延長として配置されることにより達成される。保持部品により、ベースプレートと取付け要素との間の汎用インタフェースが形成される。さらに、ベースプレートは充分な厚さなので、この構成は特に空間節約構成である。支持棒および保持部品は1回の作業工程で取着されるので、取付けも容易化される。
【0007】
取付け要素の取付けの簡素化は、保持部品が接続要素、特にねじによってベースプレートに取着され、かつ同時に長手方向ビームがこれらの接続要素を介してベースプレートに取着されるという事実によって達成される。
【0008】
好適には、取付け要素は、リフト装置をクレーントロリのフレームに取着するための接続ビームとして形成され、あるいはリフト装置を静止支持構造に取着するための接続ビームとして形成される。
【0009】
保持部品と取付け要素との間の接続は、マルチ剪断、好ましくはダブル剪断ボルト接続の方式で形成され、したがって良好なレベルの安定性を有する。
【0010】
構造的に有利な実施形態では、取付け要素に配置される取付け穴付きの取付け用突耳が設けられ、各々分岐穴付きの2つの分岐突耳がベースプレートの領域に配置され、該分岐突耳は、対向して互いに離間配置されて孔を画定する。
【0011】
マルチ剪断ボルト接続を形成するために、取付け用突耳の取付け穴および分岐突耳の分岐穴は互いに位置合せされ、取付け要素をベースプレートの1つに取着するために、ボルト状保持部品が分岐穴および取付け穴に通される。保持部品は各々、長手方向ビームの長手軸の方向に向けられたねじを介して、長手方向ビームおよびベースプレートの1つに取着される。
【0012】
ベースプレートを長方形とし、それぞれの段付き貫通開口または貫通開口をベースプレートの内側の仮想四辺形、特に正方形の角隅に配置し、該貫通開口内にそれぞれ、所望の数の長手方向ビームから1つの長手方向ビームが挿入されるように構成することが好ましい。
【0013】
長手方向ビームの第1ビーム端を第1ベースプレートに軸方向に、長手方向ビームの長手軸の方向および逆方向に固定するために、保持要素を設ける。保持要素は第1ベースプレートの外側に取着され、第1ビーム端がその中に突出する保持穴を有し、第1ビーム端は取着要素、特にねじを介して保持要素に固定される。
【0014】
特定の実施形態では、少なくとも2つのベースプレートのうちの第2ベースプレートの内側に、段付き貫通開口を配置し、その中に長手方向ビームの第2ビーム端をそれぞれ挿入して取着するように構成し、かつ長手方向ビームの各第2ビーム端が、長手方向ビームの長手軸の方向に向けられたねじを介して、段付き貫通開口内に固定され、第2ベースプレートの外側に支持されるように構成する。
【0015】
長手方向ビームは円形断面を持つ棒として形成することが有利である。
【0016】
従来通り、ケーブルドラムはベースプレートの間でその内側に取り付けられ、該ケーブルドラムの回転軸は長手方向ビームの長手軸と平行に向けられる。
【0017】
本発明の例示的実施形態について、図面を参照しながら以下でさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】足取付け型ホイストとして形成された本発明に係るケーブルウィンチの斜視図である。
【図2】ケーブルドラムおよび電動モータを省略した状態の図1の平面図である。
【図3】図2のベースフレームの第1ベースプレートにおける長手方向ビームの取付け領域の詳細図である。
【図4】図2のベースフレームの第2ベースプレートにおける長手方向ビームの取付け領域の詳細図である。
【図5】短設計型のモノレールクレーントロリの構成部品としての本発明に係るケーブルウィンチの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、両端をベースフレーム3に取り付けられたケーブルドラム2を有する、本発明に係るケーブルウィンチ1の斜視図を示す。ケーブルウィンチ1はいわゆる足取付け型ホイストとして構成され、ベースフレーム3に取着された取付け要素18により、静止支持構造または倉庫の床に設置され、その位置に取着される。
【0020】
全体的に直方体様の形状を持つベースフレーム3は、一方では第1ベースプレート4aおよび第2ベースプレート4bから構成され、それらの互いに対向する第1および第2内側4cおよび4dにケーブルドラム2が取り付けられる。ケーブルドラム2は回転軸Dを中心に回転自在であり、トランスミッション2bを介して電動モータ2aによって駆動される。第1ベースプレート4aおよび第2ベースプレート4bは各々直方体様の形状または長方形になるように形成される。
【0021】
他方、直方体様の形状を持つベースフレーム3は、最大4つまでの幾つかの長手方向ビームから構成され、そのうちの第1長手方向ビーム5aおよび第2長手方向ビーム5bを図1に見ることができる。第3長手方向ビームは第1長手方向ビーム5aの下に配置され、ケーブルドラム2によって隠蔽されている。ベースプレート4a、4bは互いに離間配置され、長手方向ビーム5a、5bを介して一体に接続される。長手方向ビーム5a、5bは、第1および第2ベースプレート4a、4bの仮想四角形の角隅に配置される。第2ベースプレート4bの場合、長手方向ビーム5a、5bは略正方形のベースプレート4bの角隅領域に配置される。第1ベースプレート4aは、電動モータ2aを取着するために第1および第2長手方向ビーム5a、5bを越えて延びるので、第2ベースプレート4bと比較して長方形である。相応して、第3およびおそらく第4長手方向ビームは第1ベースプレート4aの下側角隅領域に配置され、第1および第2長手方向ビーム5a、5bは第1ベースプレート4aのおおよそ中心および側縁の領域に配置される。さらに、この第1ベースプレート4aは外側4eの領域でトランスミッション2bを受容し、該トランスミッションはケーブルドラム2を電動モータ2aに駆動可能に接続する。
【0022】
長手方向ビーム5a、5bは中実棒として形成され、ケーブルウィンチ1の用途に応じて2つないし4つの長手方向ビーム5a、5bが設けられ、前記ビームはベースプレート4a、4bの選択された角隅または全部の角隅に配置される。長手方向ビーム5a、5bは、ねじれに抵抗するようにベースプレート4a、4bを一体に接続するために使用され、2つのベースプレート4a、4bの間の所望の距離および所望の許容範囲内の平行度が、長手方向ビーム5a、5bの長さによって達成される。図示する例示的実施形態では、ケーブルドラム2からの図示しないケーブルの巻取りおよび繰出しを妨げないように、全部で3つの長手方向ビーム5a、5bが設けられる。長手方向ビーム5a、5bは各々、第1ビーム端5dおよび反対側の第2ビーム端5eを含む。第1ビーム端5dは各々第1ベースプレート4aに取着され、第2ビーム端5eは各々第2ベースプレート4bに取着される。第1ベースプレート4aにおける第1ビーム端5dおよび第2ベースプレート4bにおける第2ビーム端5eの特定のタイプの取着については、図3および4に関連して説明する。
【0023】
図1は、いわゆる動作状態の、すなわち長手方向ビーム5a、5bを組み立てた後のケーブルウィンチを示す。この動作状態で、長手方向ビーム5a、5bは、それらの長手軸Lをケーブルドラム2の回転軸Dと平行にかつそれから横方向に変位して配向される。
【0024】
図1は、いわゆる足取付け型ホイストとしてのケーブルウィンチ1を示す。このケーブルウィンチ1は、他の取付け要素18を使用する場合、クレーントロリの構成部品となることもでき、その場合走行機構の構成部品がベースプレート4a、4bに取着される。可能なクレーントロリ設計として、下部フランジクレーントロリ、ケーブルウィンチ1が軌条に隣接して配設されたモノレールクレーントロリ、および二軌条クレーントロリが挙げられる。
【0025】
相応して、ベースプレート4a、4bは、ケーブルドラム2を取り付けることに加えて、例えば電気駆動装置2aを支持し、ケーブルリービング装置の部品のための取付け用横ビームを受容し、電気機器を収容し、ケーブルウィンチの足の取着を可能にし、または走行機構の部品を取り付けるなど、様々な他の機能を有する。
【0026】
図2は、図1のケーブルウィンチの平面図を示し、明確を期すために、ケーブルドラム2、トランスミッション2b、および電動モータ2aは図示されていない。2つのベースプレート4a、4bはそれ自体鋳造部品として製造され、重量を節約するために、外側に向かって開口し、第1および第2中空空間4g、4hをそれぞれ有するポットの形を取り、その中にケーブルウィンチ1の駆動装置、電気または電子構成部品を収容することができることが分かる。前述の通り、トランスミッション2bは第1中空空間4gに位置する。要件および設計によっては、第1および第2中空空間4g、4hをカバーで閉鎖することができ、あるいは開いたままにすることができる。第1ベースプレート4aの第1中空空間4gは、フレーム状の保持要素7を介して第1ベースプレート4aの第1外側4gに取着された第1カバー6aによって閉鎖される。第2ベースプレート4bの第2中空空間4hは、フレーム状の保持要素7を介して第2ベースプレート4bの第2外側4fに直接取着された第2カバー6bによって閉鎖される。
【0027】
ビーム端5d、5eとベースプレート4a、4bとの間の接続およびベースプレート4a、4bに対する取付け要素18の接続の構成について、次に、図3および4の助けを借りてさらに詳しく説明する。
【0028】
図3は、図2の第1ベースプレート4aの領域の拡大断面図を示す。図1に関連して前述した通り、第1ベースプレート4aは4つの異なる固定位置に、全部で4つの長手方向ビーム5a、5bまたは3つ以下の長手方向ビーム5a、5b、5cのための固定手段を含む。図3は2つの後部の、すなわち第1および第3の長手方向ビーム5a、5cを示す。長手方向ビーム5a、5cの第1ビーム端5dを第1ベースプレート4aに取着するために、第1ベースプレート4aの所望の固定位置の領域に貫通開口8が配設される。長手方向ビーム5a、5cは円形断面を有する棒として形成されるので、貫通開口8は長手方向ビーム5a、5bの断面より少し大きい通路断面を有する。したがって長手方向ビーム5a、5bは、第1ベースプレート4aと確実に係止接触する。したがって貫通開口8の中心通路軸dは、長手方向ビーム5a、5cの長手軸Lと動作状態で一致する。
【0029】
長手方向ビーム5a、5cの第1ビーム端5dを長手方向ビーム5a、5cの長手軸Lの方向およびその反対方向に固定するために、長手方向ビーム5a、5cの直径は第1ビーム端5dの外端で同軸的に漸減し、環状ショルダ面5fおよび円筒突起5gを形成する。さらに、長手方向ビーム5a、5cの長手軸Lの方向に向けられたねじ穴9は内ねじを有しており、円筒突起5gの外端面から始まり、第1ビーム端5dの中心に設けられる。貫通開口8内の第1ビーム端5aの挿入深さ、およびしたがって第1および第2ベースプレート4a、4b間の距離も、ショルダ面5fが第1ベースプレート4aの外側4eと整列するように選択される。長手方向ビーム5a、5cの長手軸Lの方向に見て、長手方向ビーム5a、5bをこの位置に維持するために、保持穴10aを有する保持要素10が設けられる。保持要素10は、第1ベースプレート4aの貫通開口8の各々のために4つの保持穴10aを有する長方形フレームとして形成される。保持穴10aの深さは、第1ビーム端5dの円筒突起5gの長さよりわずかに大きくなるように選択される。保持穴10a内に挿入された円筒突起5gは、外側からねじ穴9内に螺入される第1ねじ11を介して、保持要素10に取着することができる。保持要素10は、第1ねじ11の頭と第1ビーム端5dのショルダ面5fとの間に締着される。加えて、円筒頭ねじとして形成されたねじ11の頭と保持要素10の外側との間に円板12が配置される。一方、板状保持要素10は、図示する通り、ねじを介して第1ベースプレート4aの外側4eに螺合される。さらに、第1ベースプレート4aの中空空間4gを閉鎖するためのカバー6aは、外側からフレーム状保持要素10に螺合される。
【0030】
ねじ11により保持要素10を介して貫通開口8に第1ビーム端5dを取着するタイプとして、保持要素10を取り外した後、長手方向ビーム5a、5bを第1ベースプレート4aからその長手軸Lの方向に引き出すことが可能である。したがって、ケーブルドラム2を取り外すことなく、長手方向ビーム5a、5bの位置または数を変更することが可能である。
【0031】
図3は、長手方向ビーム5a、5bの第1ビーム端5aが一体品として形成されず、むしろ外径が長手方向ビーム5a、5b、5cの外径に略一致する第1保持部品13aを含むことをさらに示す。第1保持部品13aの外径は、より容易に長手方向ビーム5a、5b、5cをその長手方向Lに着脱することができるように、長手方向ビーム5a、5b、5cの外径よりわずかに大きいことが好ましい。次いで第1円筒突起5gおよび第1ショルダ面5fが、保持部品13の外側自由端に設けられる。第1保持部品13を長手方向ビーム5a、5b、5cの端部に接続するために、第2円筒突起5hおよび第2ショルダ面5iが長手方向ビーム5a、5b、5cの端部に設けられ、そこに第1保持部品13が配置される。長手方向ビーム5a、5bの端部にねじ穴9が設けられる。第1保持部品13には、ねじ山の無い1つだけの貫通穴が位置する。配置された保持部品13は、ねじ11を介して長手方向ビーム5a、5bの端に取着される。
【0032】
第1保持部品13aは、図1に示す通り、取付け要素18を第1ベースプレート4aに取着するのに役立つ。取付け要素18はこの場合、足ブラケットとして形成される。要望に応じてベースプレート4a、4bに取り付けることのできる取付け要素18の接続は、いわゆるダブル剪断ボルト接続として形成される。この目的のために必要になるボルトは、第1保持部品13aによって形成される。1つまたは複数の取付け用突耳18aが取付け要素18に配置され、第1および第2分岐突耳19a、19bが、第1ベースプレート4aおよび保持要素10によって形成され、それらは第1ベースプレート4aの孔20を画定する。第1ボルト状保持部品13aを受容することができるようにするために、取付け穴18bが取付け用突耳18aに配置され、第1分岐穴19cが第1分岐突耳19aに配置され、かつ第2分岐穴19dが第2分岐突耳19bに配置される。相応して、第1分岐穴19c、取付け要素穴18b、および第2分岐穴19dが互いに位置合せされ、かつそれらの中心軸を長手方向ビーム5a、5bの長手軸Lと同軸に向けられる。第1分岐穴19cはまた同時に長手方向ビーム5a、5b用の貫通開口8でもあり、第2分岐穴19dは保持要素10の保持穴10aによって形成される。取付け要素18の追加または交換に関連して、ねじ11、カバー6aおよび保持要素10を取り外した後、長手方向ビーム5a、5b、5c、または保持部品13を取り外して再び取り付ける必要なく、取付け要素18をその取付け用突耳18aと共に長手方向ビーム5a、5b、5cの長手軸Lの方向に取り外すことができることは特に有利である。必要ならば、さらに第1保持部品13aを取り外すことができる。いずれの場合も、ケーブルドラム2はベースプレート4a、4bの間に留めることができる。
【0033】
図4は、図2の第2ベースプレート4bの領域の拡大断面図を示す。第1ベースプレート4aと全く同様に、第2ベースプレート4bは4つの異なる固定位置に、全部で4つの長手方向ビーム5a、5b、5c、または3つ以下の長手方向ビーム5a、5cのための固定手段を含む。長手方向ビーム5a、5bをそれらの第2ビーム端5eで第2ベースプレート4bに取着するために、段付き貫通開口14が第2ベースプレート4bの所望の固定位置の領域に配設され、貫通開口の断面は長手方向ビーム5a、5bの断面よりわずかに大きい。段付き貫通開口1はこの場合、中心貫通穴を持つめくら穴と理解される。長手方向ビーム5a、5bはしたがって第2ベースプレート4bと確実に係止接触する。めくら穴開口14の中心軸eは、動作状態で長手方向ビーム5a、5bの長手軸Lと一致する。長手方向ビーム5a、5bの第2ビーム端5eを段付き貫通開口14内で、長手方向ビーム5a、5bの長手軸Lの方向およびその反対方向に固定するために、長手方向ビーム5a、5bの第2ビーム端5eの外端の直径は同軸的に漸減し、第3環状ショルダ面5jおよび第3円筒突起5kを形成する。
【0034】
さらに、長手方向ビーム5a、5cの長手軸Lの方向に向けられたねじ穴15は内ねじを有しており、第2ビーム端5bの外端から始まり、その中心に設けられる。段付き貫通開口14内の第2ビーム端5eの挿入深さ、およびしたがって第1および第2ベースプレート4a、4b間の距離は、第3ショルダ面5jが第2ベースプレート4bの内側4dに当接するように選択される。長手方向ビーム5a、5cの長手軸Lの方向に見て、長手方向ビーム5a、5bをこの位置に維持するために、ねじ16が、第2ベースプレート4bの外側4fから、段付き貫通開口14の基部の中心に出る穴17を介して、第2ビーム端5eのねじ穴15内に螺合される。六角穴付きねじとして形成されるねじ16の頭はしたがって、第2ベースプレート4bの外側4fに支持される。
【0035】
図4は、ねじ16がその頭を第2ベースプレート4bの外側4fに直接支持されるのではなく、図1に示すように取付け要素18を第2ベースプレート4bに取着するのに役立つ第2スリーブ状保持部品13bを介して、支持されることを示す。取付け要素18は今度は足ブラケットとして形成される。ベースプレート4a、4bに選択的に取着することのできる取付け要素18の接続は再び、ダブル剪断ボルト接続として形成される。この目的のために必要なボルトは第2保持部品13bによって形成され、1つ以上の取付け用突耳18aが取付け要素18に配置され、第3および第4分岐突耳19e、19fが第2ベースプレート4bおよび第2カバー6bによって形成され、それらは第2ベースプレート4bの孔21を画定する。第2ボルト状保持部品13bを受容できるようにするために、取付け穴18dが取付け用突耳18aに配置され、第3分岐穴19gが第3分岐突耳19eに配置され、かつ第4分岐穴19hが第4分岐突耳19fに配置される。相応して、第3分岐穴19g、取付け要素穴18b、および第4分岐穴19hは互いに整列し、それらの中心軸が長手方向ビーム5a、5bの長手軸Lと同軸になるように配向される。第3分岐穴19gは、第2ベースプレート4bにおける長手方向ビーム5a、5bのための段付き貫通開口14の延長として配置され、ねじ16用の穴17を持つ段付き貫通開口14の分離壁22によって分離される。取付け要素18の追加または交換に関連して、ねじ16および第2保持部品13bを取り外した後、長手方向ビーム5a、5bまたは第2カバー6bを取り外す必要なく、取付け要素18をその取付け用突耳18aと共に、長手方向ビーム5a、5cの長手軸Lに対し直角方向に取り外すことができることは特に有利である。必要ならば、第2保持部品13bをその場に留めることができ、第2カバー6bを取り外すことができる。いずれの場合も、ケーブルドラム2はベースプレート4a、4bの間に留めることができる。
【0036】
取付け要素18を取着するために、貫通開口8および段付き貫通開口14の領域に支持棒8が挿入されない場合、この目的のために、ベースプレート4a、4bの内側4c、4dの領域で終端する切り株状支持棒が設けられる。
【0037】
図5は、短設計のモノレールクレーントロリの構成部品としての本発明に係るケーブルウィンチ1の斜視図を示す。図1から分かる足取付け型ホイストとしての実施形態と比較して、取付け要素18は、ケーブルウィンチ18を支持構造または倉庫の床に取着するための保持レールではなく、走行機構の部品23および走行駆動装置24を支持する横ビームである。
【符号の説明】
【0038】
1 ケーブルウィンチ
2 ケーブルドラム
2a 電動モータ
2b トランスミッション
3 ベースフレーム
4a 第1ベースプレート
4b 第2ベースプレート
4c 第1ベースプレート4aの内側
4d 第2ベースプレート4bの内側
4e 第1ベースプレート4aの外側
4f 第2ベースプレート4bの外側
4g 第1中空チャンバ
4h 第2中空チャンバ
5a 第1長手方向ビーム
5b 第2長手方向ビーム
5c 第3長手方向ビーム
5d 第1ビーム端
5e 第2ビーム端
5f 第1ショルダ面
5g 第1円筒突起
5h 第2ショルダ面
5i 第2円筒突起
5j 第3ショルダ面
5k 第3円筒突起
6a 第1カバー
6b 第2カバー
7 保持要素
8 貫通開口
9 ねじ穴
10 保持要素
10a 保持穴
11 ねじ
12 円板
13a 第1保持部品
13b 第2保持部品
14 段付き貫通開口
15 ねじ穴
16 ねじ
17 穴
18 取付け要素
18a 取付け用突耳
18b 取付け穴
19a 第1分岐突耳
19b 第2分岐突耳
19c 第1分岐穴
19d 第2分岐穴
19e 第3分岐突耳
19f 第4分岐突耳
19g 第3分岐穴
19h 第4分岐穴
20 孔
21 孔
22 分離壁
23 走行機構の部品
24 走行駆動装置
D 回転軸
L 長手軸
d 通過軸
e 軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つのベースプレートを含むベースフレームを有し、前記ベースプレートを互いに離間位置に維持して一体に接続する少なくとも2つの長手方向ビームを有し、保持部品を介して前記ベースプレートに取着される取付け要素を有するリフト装置、特にケーブルウィンチにおいて、前記保持部品(13a、13b)が前記長手方向ビーム(5a、5b、5c)の延長として配置されることを特徴とするリフト装置。
【請求項2】
前記保持部品(13a、13b)が接続要素、特にねじ(11、16)によって前記ベースプレート(4a、4b)に取着され、かつ同時に前記長手方向ビーム(5a、5b、5c)がこれらの接続要素を介して前記ベースプレート(4a、4b)に取着されることを特徴とする、請求項1に記載のリフト装置。
【請求項3】
前記取付け要素(18)が前記リフト装置をクレーントロリのフレームに取り付けるための接続ビームとして形成され、または前記リフト装置を静止支持構造に取着するための接続ビームとして形成されることを特徴とする、請求項1または2に記載のリフト装置。
【請求項4】
前記保持部品(13a、13b)と前記取付け要素(18)との間の接続が、マルチ剪断、好ましくはダブル剪断ボルト接続の方式で形成されることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか一項に記載のリフト装置。
【請求項5】
取付け穴(18b)付き取付け用突耳(18a)が前記取付け要素(18)に配置され、かつ各々分岐穴(19c、19d、19g、19h)付きの2つの分岐突耳(19a、19b、19e、19f)がベースプレート(4a、4b)の領域に配置され、前記分岐突耳が互いに離間して対向するように配置され、孔(20、21)を画定することを特徴とする、請求項4に記載のリフト装置。
【請求項6】
前記取付け用突耳(18b)の前記取付け穴(18a)および前記分岐突耳(19a、19b、19e、19f)の前記分岐穴(19c、19d、19g、19h)が互いに位置合せされ、前記取付け要素(18)を前記ベースプレート(4a、4b)の1つに取着するために、ボルト状保持部品(13a、13b)が前記分岐穴(19c、19d、19g、19h)および前記取付け穴(18a)に通されることを特徴とする、請求項5に記載のリフト装置。
【請求項7】
前記保持部品(13a、13b)が各々、前記長手方向ビーム(5a、5b、5c)の長手軸(L)の方向に向けられたねじ(11、16)を介して、前記長手方向ビーム(5a、5b、5c)および前記ベースプレート(4a、4b)の1つに取着されることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれか一項に記載のリフト装置。
【請求項8】
前記ベースプレート(4a、4b)が長方形であり、それぞれの段付き貫通開口(14)または貫通開口(8)が前記ベースプレート(4a、4b)の内側の仮想四辺形、特に正方形の角隅に配置され、それぞれの前記貫通開口内に所望の数の長手方向ビーム(5a、5b、5c)から1つの長手方向ビーム(5a、5b、5c)が挿入されることを特徴とする、請求項1ないし7のいずれか一項に記載のリフト装置。
【請求項9】
前記長手方向ビーム(5a、5b、5c)の第1ビーム端(5d)が保持要素(10)によって、前記長手方向ビーム(5a、5b、5c)の長手軸(L)の方向および逆方向に、前記第1ベースプレート(4a)に固定され、前記保持要素(10)が前記第1ベースプレート(4a)の外側(4e)に取着され、前記保持要素(10)が保持穴(10)を有し、その中に前記第1ビーム端(5d)が突出し、かつ前記第1ビーム端(5d)が取着要素、特にねじ(11)を介して前記保持要素(10)に固定されることを特徴とする、請求項8に記載のリフト装置。
【請求項10】
前記少なくとも2つのベースプレート(4a、4b)のうちの第2ベースプレート(4b)の内側(4d)にめくら穴開口(14)が配置され、前記めくら穴開口(14)のそれぞれに前記長手方向ビーム(5a、5b、5c)の第2ビーム端(5e)が挿入かつ取着され、前記長手方向ビーム(5a、5b、5c)の各第2ビーム端(5d)が前記長手方向ビーム(5a、5b、5c)の長手軸(L)の方向に向けられたねじ(16)を介して前記段付き貫通開口(14)内に固定され、かつ前記第2ベースプレート(4b)の外側(4e)に支持されることを特徴とする、請求項8または9に記載のリフト装置。
【請求項11】
前記長手方向ビーム(5a、5b、5c)が円形断面を有する棒として形成されることを特徴とする、請求項1ないし10のいずれか一項に記載のリフト装置。
【請求項12】
前記ベースプレート(4a、4b)の間にかつそれらの内側(4c、4d)にケーブルドラム(2)が両端を取り付けられ、前記ケーブルドラムの回転軸(D)が前記長手方向ビーム(5a、5b、5c)の長手軸(L)と平行に向けられることを特徴とする、請求項1ないし11のいずれか一項に記載のリフト装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−511450(P2013−511450A)
【公表日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−539277(P2012−539277)
【出願日】平成22年11月12日(2010.11.12)
【国際出願番号】PCT/EP2010/067414
【国際公開番号】WO2011/061129
【国際公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(504054468)デマグ クレインズ アンド コンポーネンツ ゲーエムベーハー (18)