説明

接続孔の形成方法

【目的】 アスペクト比が大きく開口径が微細であっても、上層配線膜の良好なカバレージや埋込み特性を保証できる接続孔を形成する。
【構成】 SiOx 層間絶縁膜2のエッチングを、異方性/等方性エッチングの組み合わせで行い、開口底よりも開口端の開口寸法が広いコンタクト・ホール2h1 を形成する。具体的には、(a)異方性形状を有するフォトレジスト・パターンをマスクとする異方性エッチングによりコンタクト・ホール2h1 を途中まで形成した後、マスク選択比を下げた等方性エッチングにより開口端の開口寸法を拡げるか、あるいは(b)逆テーパ状またはオーバーハング状のエッチング・マスクを介した等方性エッチングにより開口寸法の大きい開口端を形成した後、異方性エッチングにより開口底の開口寸法を規定しながらコンタクト・ホールを完成させる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体プロセス等の微細加工分野に適用される接続孔の形成方法に関し、特に接続孔のアスペクト比が大きい場合にも後工程において上層配線材料による埋め込みを容易化するための断面形状の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】VLSI,ULSIのように高集積化,高性能化が進展した近年の半導体デバイスにおいては、その製造過程において絶縁膜のエッチングに対する技術的要求がますます厳しくなっている。絶縁膜のエッチングの中でも特に難度の高いものが、コンタクトホールやビアホールと呼ばれる接続孔を開口するためのエッチングである。この背景には、多層配線構造の採用により増大するデバイスの表面段差を吸収するために絶縁膜で平坦化が行われるようになり、これに接続孔そのものの直径の縮小が加わって接続孔のアスペクト比が著しく増大している事情がある。このような条件の下では、高エッチレート,高選択比,低ダメージ,マイクロローティング効果の低減といった諸要求をいずれも実用レベルで満足させながらドライエッチングを行うことが極めて困難となっている。
【0003】半導体装置の製造プロセスにおいて絶縁膜として用いられる代表的な材料は、酸化シリコン(SiOx :典型的にはx=2)であり、これをドライエッチング(プラズマ・エッチング)するためのエッチング・ガスとしては、CHF3 (トリフルオロメタン)やc−C4 8 (オクタフルオロシクロブタン)といったフルオロカーボン(FC)系ガスが用いられている。FCガスを用いると、エッチング種であるF* (フッ素ラジカル)の化学反応性をCFx + (フルオロカーボン・イオン)の運動エネルギーで増強するいわゆるイオン・アシスト機構が働くことにより、強固なSi−O結合が切断されSiOx のエッチングが進行する。その一方で、エッチング反応の副生成物としてFCガスに由来する炭素系化合物(炭素系ポリマー)が堆積し、下地選択性やマスク幅の変動に影響を与える。したがって、近年の酸化シリコン系絶縁膜のエッチングでは、エッチング過程に関与する系内のフッ素系化学種と堆積過程に関与する炭素系化学種との量的バランス、すなわちF/C比を制御することにより、エッチレートや形状異方性、あるいはこれらとトレードオフの関係にある選択比や低ダメージ性といった要求に対応する方法が主流となっている。
【0004】半導体プロセスで用いられる絶縁膜の構成材料としては、他に窒化シリコン(Six y :典型的にはx=3,y=4)がある。Six y 系絶縁膜は、そのエッチングにSiOx 系絶縁膜ほど強いイオン・アシスト機構を必要としないが、エッチング反応,およびこれと拮抗する堆積反応の概要はSiOx 系絶縁膜と同じである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで接続孔に関しては、上述のようなF/C比制御の概念にもとづいてたとえ異方性エッチングが達成されたとしても、アスペクト比が高い場合には後工程において上層配線による埋め込みが困難となるといった、新たな問題が発生する。現状では、接続孔の埋め込みはブランケットCVD法により成膜されるタングステン(W)膜、あるいは高温スパッタリング法により成膜されるAl膜を用いて行われている。ただし、これらの方法ではW膜やAl膜の単層膜で埋め込みが達成される訳ではなく、オーミック・コンタクト,バリヤ性,下地密着性を確保する観点から、接続孔の内部を一旦、チタン(Ti)系バリヤメタルで被覆することが必要である。たとえば、図24に示されるように、下層配線61上に積層された層間絶縁膜62に接続孔62aが開口されている場合、この接続孔62aはまずTi系バリヤメタル62で被覆される。このTi系バリヤメタル63は、実際には図示されるような単層膜ではなく、多くの場合はTi/TiN積層膜、Ti/TiON/Ti積層膜等が用いられる。
【0006】しかしながら上記のTi系バリヤメタル、特に下層側のTi膜の成膜に関しては、CVD成膜がまだ研究段階にあることから、現状ではスパッタリング成膜が主流となっている。ところが、基板へ向かう被着粒子の飛来方向が最初からある程度規制されているスパッタリング法では、十分なステップ・カバレージ(段差被覆性)を達成することができない。しかも、アスペクト比の高い接続孔の内部では、奥深い領域ほど到達できる被着粒子が減少するため、図24に示されるように接続孔62aの開口端にTi系バリヤメタル63が厚く堆積する現象、いわゆるオーバーハングが発生する。このオーバーハングは、上層配線の埋め込み特性にも重大な影響を及ぼし、接続孔62aの内部が完全に埋め込まれる前に開口端が塞がれると空隙(キーホール)が発生する原因となる。
【0007】このような埋め込み特性の劣化を防止する方法として、図25に示されるように、接続孔62tそのものを初めからテーパー化させるようなエッチングを行うことも提案されている。たとえば、1990年ドライ・プロセス・シンポジウム(Dry Process Symposium)抄録集,p.105〜109,演題番号V−3には、ウェハを約−50℃に冷却しながらCHF3 ガスを用いてSiO2 層間絶縁膜をドライエッチングする方法が記載されている。ここでは、過剰な炭素系ポリマーの堆積により実質的なマスク幅が絶えず増大しながらエッチングが進行するので、ビアホールの側壁面が傾斜する。
【0008】また、上述の方法が、低温冷却下における炭素系ポリマーの蒸気圧の低下と堆積の促進にもとづいているのに対し、エッチング・ガス中に水素を添加してフッ素系エッチング種を消費することにより系内のF/C比を上昇させ、結果的に炭素性ポリマーの堆積を促進する別の手法も知られている。たとえば、プロシーディングス・オブ・ザ・セカンド・シンポジウム・オン・ドライ・プロセス(Proceedings of the Second Symposium on Dry Process) (1980),p.49〜53には、CF4 ガスを用いて窒化シリコン薄膜をエッチングする際に、ガス系へのH2 添加量が増えると堆積物の増加によりエッチング・パターンの側壁面が傾斜する現象が報告されている。なお、この文献に記載される技術は、接続孔ではなく溝型パターンを対象としたものであるが、H2 ガス添加によりC/F比を制御する基本的な考え方は共通である。
【0009】しかしながら、いずれにしてもエッチング・パターンの断面形状をテーパ化させるこれらの方法にあっては、有意なテーパ化を達成するために過剰な炭素系ポリマーの生成が必要としており、パーティクル・レベルを悪化させる懸念が大きい。しかも、接続孔のエッチングの場合、その底面積はマスクの開口面積よりも狭くなるため、該接続孔に埋め込まれた導電材料層と下地の配線材料層とのコンタクト抵抗が増大するといった問題も生ずる。さらに、このように接続孔の側壁面全体が傾斜している場合には、テーパ角が余程正確に制御されていないと接続孔の底面積も変化することになるため、今後のデザイン・ルールのより一層の微細化には対応が困難となる。
【0010】そこで本発明は、アスペクト比が大きく開口径が微細であっても、後工程における上層配線材料による埋込みに支障を来さない接続孔を、良好な制御性および再現性をもって形成する方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の接続孔の形成方法は、上述の目的を達するために提案されるものであり、接続孔の開口寸法を最終的に開口端において開口底におけるよりも大とするために、(a)異方性エッチングにより開口底の開口寸法を規定した後、等方性エッチングにより開口端の開口寸法を広げる(異方性→等方性)か、あるいは(b)等方性エッチングにより開口端を広げた後、異方性エッチングによりその中央で開口底の開口寸法を規定する(等方性→異方性)かのいずれかの手法をとるものである。
【0012】上記(a)異方性→等方性の手法をとる場合には、基板上に形成された下層配線を被覆する絶縁膜の上にエッチング・マスクを形成し、プラズマ・エッチング装置を用いたドライエッチングにより該絶縁膜に接続孔を開口するにあたり、前記絶縁膜上に異方的な開口を有するエッチング・マスクを形成する第1の工程と、異方的なエッチング条件下で前記絶縁膜をその膜厚の一部を残すごとくエッチングして接続孔を途中まで形成する第2の工程と、前記エッチング・マスクに対するエッチング選択比を前記第2の工程におけるよりも低下させた等方的なエッチング条件下で前記絶縁膜の残余部をエッチングすると共に前記接続孔の開口端の開口寸法を拡大する第3の工程とを経る。
【0013】ここで、前記エッチング・マスクは典型的には有機膜パターン、前記絶縁膜はシリコン化合物膜であり、前記第2の工程ではフルオロカーボン系化合物を含むガスのプラズマ、前記第3の工程では有機膜を燃焼することが可能な酸素を含むガスのプラズマをそれぞれ用いることができる。特に、前記第3の工程で酸素を含むガスのプラズマを用いる場合には、前記絶縁膜の残余部のエッチングを前記プラズマ・エッチング装置の単極式静電チャックの残留電荷除去と兼ねて行うことができる。この単極式静電チャックとは、絶縁部材(基板ステージ)中に埋設された単一の内部電極に所定の極性の直流電圧を印加し、これにより誘起されるクーロン力により導体または半導体からなる基板を基板ステージ上に密着保持するものである。近年では、エッチング中の基板の温度を一定に保つための冷媒循環系統が基板ステージに内蔵されるようなプラズマ・エッチング装置、特に低温プラズマ・エッチング装置において、基板と基板ステージ間との熱交換能を向上させる目的で標準装備されている。単極式静電チャックでは、対向アースがプラズマを介し処理チャンバの壁を通じてとられており、直流電圧の印加を停止しても基板ステージに残留電荷が残るため、基板を基板ステージから引き離す際にはプラズマを再度生成させて基板ステージを放電させなければならない。本発明では、この再度生成させるプラズマを残余部のエッチングにも用いるのである。
【0014】あるいは、前記エッチング・マスクが有機膜パターン、前記絶縁膜がシリコン化合物膜であり、前記2の工程および前記第3の工程でフルオロカーボン系化合物を含むガスのプラズマを用いる場合には、該第3の工程においてプラズマ・エッチング装置のプラズマ・ソースと基板との間の軸方向距離を第2の工程におけるよりも小とすることにより、エッチング・マスクに対するエッチング選択比を低下させても良い。ここで言う軸方向距離とは、プラズマ・エッチング装置のプラズマ生成チャンバもしくは処理チャンバの軸方向にそってみた場合の距離を指す。なお、この軸方向距離を論ずるためには、基準となるプラズマ・ソースの位置を定義する必要がある。ここでは、有磁場マイクロ波プラズマ・エッチング装置のようにマイクロ波共鳴吸収点(ECRポイント)が明確に定義されるものについてはこの吸収点を、またヘリコン波プラズマ・エッチング装置のようにプラズマ生成チャンバと処理チャンバとが分離されているものについてはプラズマ生成チャンバの開口端を、便宜的にプラズマ・ソースの位置と定義する。
【0015】なお上述の距離変更操作は、プラズマ源で生成したプラズマを磁場勾配等のプラズマ輸送機構により基板側へ引き出してエッチングに用いるいわゆるリモート・プラズマ式のプラズマ・エッチング装置を用いた場合に特に有効であり、かかる装置の代表例としては有磁場マイクロ波(ECR)プラズマ・エッチング装置,ヘリコン波プラズマ・エッチング装置等、1011個/cm3 以上のイオン密度が得られるいわゆる高密度プラズマ・エッチング装置を挙げることができる。
【0016】かかる高密度プラズマ・エッチング装置を用い、たとえばフルオロカーボン系化合物(CFx )とH2 の混合ガスのプラズマを生成させると、ガス組成を変化させずに軸方向距離を変化させるだけで基板のごく近傍における見掛け上のF/C比が制御可能となる。このときのプラズマ中で起こる反応は、次の各式 (i)〜(iii) で表される。
CFx + H2 → CFx-2 + 2HF (i) HF → H + F* (ii) H + F* → HF (iii) 高密度プラズマ・エッチング装置内では通常、式(ii)までの反応が速やかに進行し、プラズマ中に大量のF* (フッ素ラジカル)が生成している。プラズマ・ソースと基板との軸方向距離が小さい場合には、このF* をすぐにエッチングに利用することができるため、基板近傍の見掛け上のF/C比は相対的に小さくなる。これは、等方性エッチングを行う上で有利な条件である。逆に、プラズマ・ソースと基板との軸方向距離が大きい場合には、F* が基板まで到達する間に式(iii) で表されるようにな再結合反応を起こして一部消滅してしまうため、基板近傍の見掛け上のF/C比が相対的に大きくなる。これは、異方性エッチングを行う上で有利な条件である。
【0017】一方、本発明において上記(b)等方性→異方性の手法をとる場合には、開口端よりも開口底において開口寸法が大となる開口を有するエッチング・マスクを前記絶縁膜上に形成する第1の工程と、等方的なエッチング条件下で前記絶縁膜の膜厚の一部を前記エッチング・マスクの開口端の開口寸法よりも大きな寸法領域においてエッチングする第2の工程と、異方的なエッチング条件下で前記絶縁膜の残余部を前記エッチング・マスクの開口端の開口寸法と略等しい寸法領域においてエッチングする第3の工程とを経る。
【0018】ここで、前記絶縁膜は典型的にはシリコン化合物膜であり、前記第2の工程では酸素を含むガスのプラズマ、前記第3の工程ではフルオロカーボン系化合物を含むガスのプラズマをそれぞれ用いることができる。
【0019】前記エッチング・マスクの開口部の開口端から開口底にかけての開口寸法の変化は、連続的であっても段階的であっても良い。逆テーパ状の有機膜パターンはこの変化が連続的である場合を代表するものであり、典型的にはネガ型化学増幅系レジスト材料を用いて実現される。一般に化学増幅系レジストには、エキシマ・レーザ波長域における定在波効果を軽減するために光吸収率を高めるような材料設計を行った場合、露光光の膜厚方向の光量分布に大きな勾配を生ずるという問題がある。したがって、ネガ型化学増幅系レジストを用いると、レジスト膜の表層付近で架橋反応が促進され、現像後の断面形状が逆テーパー化する。
【0020】一方、開口寸法の変化が段階的である場合には、現像特性あるいはエッチング特性の異なる複数の材料でエッチング・マスクを構成する必要がある。典型的には、開口端近傍は3層レジスト・プロセスで用いられる無機中間膜、開口底近傍は下層レジスト膜とすると良い。通常の3層レジスト・プロセスでは、無機中間膜としてSOG(スピン・オン・グラス)膜が用いられることが多い。しかし、このような酸化シリコン系の膜では接続孔を開口すべき絶縁膜が酸化シリコン系材料膜である場合にマスク選択比が確保できないため、窒化シリコン膜を用いると良い。
【0021】
【作用】本発明では、絶縁膜に接続孔を開口するためのプラズマ・エッチングを行うに当たり、膜厚方向のすべてを単一のエッチング条件でエッチングするのではなく、該接続孔の開口底の相対的に小さな開口寸法を規定する異方性エッチングと、開口端の相対的に大きな開口寸法を規定する等方性エッチングとを組み合わせて行うので、開口端のみにおいて開口寸法の拡大した接続孔を容易に形成することができる。したがって、接続孔の高アスペクト比を見掛け上軽減し、上層配線の良好なカバレージを実現することができる。また、かかる接続孔は、側壁面全体がテーパ化されている従来の接続孔に比べて、その形成過程で過剰なポリマー堆積を必要とせず、高い制御性,再現性をもって形成することができる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について図面を参照しながら説明する。
【0023】実施例1本実施例は、フォトレジスト・パターンをエッチング・マスクとし、Si基板上のSiOx 系層間絶縁膜をまずCHF3 /CH2 2 混合ガスのECRプラズマを用いて異方性エッチングすることによりコンタクト・ホールを途中まで形成し、続いてCHF3 /O2 混合ガスのECRプラズマを用いてコンタクト・ホールの開口端の開口寸法を拡げた例である。本実施例のプロセスを、図1ないし図5を参照しながら説明する。
【0024】まず、図1に示されるように、予め図示されない不純物拡散領域が下層配線として形成されたSi基板1上に、SiOx 系層間絶縁膜2およびそのエッチング・マスクであるフォトレジスト・パターン3が順次形成されたウェハを準備した。ここで、上記SiOx 系層間絶縁膜2は、たとえばプラズマCVD法により膜厚約1μmに形成されたものである。また、上記フォトレジスト・パターン3は、化学増幅系ポジ型フォトレジスト(和光純薬社製,商品名WKR−PT2)を用い、KrFエキシマ・レーザ・リソグラフィを行うことにより、ホール・パターンにしたがって開口径0.35μmの開口4が形成されたものである。
【0025】このウェハを有磁場マイクロ波プラズマ・エッチング装置にセットし、ステップ1のエッチングとして、たとえば下記の条件によりSiOx 系層間絶縁膜2の異方性エッチングを行った。
〔ステップ1:異方性エッチング〕
CHF3 流量 45 SCCM CH2 2 流量 5 SCCM ガス圧 0.27 Pa マイクロ波パワー 1200 W(2.45 GHz)
RFバイアス・パワー 200 W(800 kHz)
ウェハ温度 20 ℃このステップ1では膜厚の約90%をエッチングし、コンタクト・ホールを途中まで形成した。ここで形成されたコンタクト・ホールの一部は、図2に示されるように垂直壁面を有する開口2a〔添字aは形状が異方的(anisotropic) であることを表す。〕である。また、膜厚の残り約10%は残余部2r〔添字rは残り(residual)であることを表す。〕である。
【0026】次に、エッチング条件を一例として下記のように変更し、ステップ2のエッチングとして上記残余部2rの除去を行った。
〔ステップ2:等方性エッチング〕
CHF3 流量 20 SCCM O2 流量 20 SCCM ガス圧 0.27 Pa マイクロ波パワー 1200 W(2.45 GHz)
RFバイアス・パワー 0 W(800 kHz)
ウェハ温度 20 ℃このステップ2では、ガス系にO2 を添加したことによるCHF3 の解離促進効果とフォトレジスト・パターン3に対する選択比の低下、およびRFバイアス・パワーを無印加としたことによるラジカル性の増強の効果が現れた。すなわち、フォトレジスト・パターン3の開口4のエッジが後退しながらエッチングが進行し、残余部2rが除去されると同時にコンタクト・ホールの開口端がテーパ化した。この結果、図3に示されるように、テーパ化壁面を有する開口端近傍の開口2t〔添字tは形状がテーパ化(tapered) されていることを表す。〕と垂直壁面を有する開口底近傍の開口2aとが組み合わされたコンタクト・ホール2h1を形成することができた。なお、開口端のテーパ化は、条件によってはラウンド化に変わることもある。また、ステップ2では開口底近傍も厳密にはテーパ化するはずであるが、残余部2rの膜厚が少ないためにここでは無視した。
【0027】この後、通常のO2 プラズマ・アッシングを行って図4に示されるようにフォトレジスト・パターン3を除去した。さらに、図5に示されるように、通常のスパッタリング法により膜厚約30nmのTi膜と膜厚約70nmのTiN膜とを順次積層してTi系バリヤメタル5を形成し、さらに公知のブランケットCVD法により形成されるW膜6でコンタクト・ホール2h1 を埋め込んだ。このコンタクト・ホール2h1 は、仮に深さ方向全体にわたって異方的に形成されたとするとアスペクト比が約3となるところである。しかし、上述のように開口端近傍にて開口寸法が大とされることにより、このアスペクト比が見掛け上軽減され、Ti系バリヤメタル5およびW膜6の極めて良好なカバレージを実現させることができた。また、上述のコンタクト・ホール2h1 は、その形成プロセスにおいて過剰な炭素系ポリマーの堆積を伴わないので、開口底における開口寸法が過度に縮小することなく、また寸法の再現性にも優れている。したがって、上層配線のコンタクト抵抗を増大を抑制することができた。
【0028】実施例2本実施例では、Al系下層配線上のSiOx 系層間絶縁膜をまずC2 6 ガスの誘導結合プラズマ(ICP)を用いて異方性エッチングすることによりビア・ホールを途中まで形成し、続いてO2 ガスの誘導結合プラズマを用いてビア・ホールの開口端の開口寸法を拡げた例である。本実施例のプロセスを、図6ないし図10を参照しながら説明する。
【0029】まず、図6に示されるように、絶縁膜11上に形成された下層配線15を被覆してSiOx 系層間絶縁膜16が成膜され、さらにこの上にフォトレジスト・パターン17が形成されたウェハを準備した。ここで、上記下層配線15は一例としてTi系バリヤメタル12,Al−1%Si膜13,およびSiON系反射防止膜14がこの順に積層された積層膜をパターニングしてなるものである。また、上記SiOx 系層間絶縁膜16は、たとえばプラズマCVD法により膜厚約0.7μmに成膜されたものである。さらに、上記フォトレジスト・パターン17は、実施例1と同じフォトレジスト材料を用い、開口径0.3μmの開口18が形成されたものである。
【0030】このウェハをICPエッチング装置にセットし、ステップ1のエッチングとして、たとえば下記の条件によりSiOx 系層間絶縁膜16の異方性エッチングを行った。なお、このICPエッチング装置の上部電極は、エッチング・チャンバの天板を兼ねており、その少なくとも表面は不純物含有ポリシリコンにて構成され、内蔵されるヒータで加熱可能とされている。
〔ステップ1:異方性エッチング〕
2 6 流量 50 SCCM ガス圧 0.27 Pa ソース・パワー 2000 W(13.56 MHz)
RFバイアス・パワー 1000 W(1.8 MHz)
ウェハ温度 20 ℃ 上部電極温度 250 ℃ここで、上部電極を加熱しているのは、このICPエッチング装置の放電解離効率が極めて高く、エッチング・チャンバ内に大量のF* が発生するので、上部電極の表面で余分なF* をSiFx の形で揮発除去させるためである。上記のエッチング条件は、このようなF/C比の操作を行った上で、SiOx 系層間絶縁膜16が異方性エッチングされるように設定されている。
【0031】このステップ1では、コンタクト・ホールを途中まで形成した。ここで形成されたコンタクト・ホールの一部は、図7に示されるように垂直壁面を有する開口16aであり、また膜厚の残り約10%は残余部16rである。
【0032】次に、エッチング条件を一例として下記のように変更し、ステップ2のエッチングとして上記残余部16rの除去を行った。
〔ステップ2:等方性エッチング〕
2 流量 50 SCCM ガス圧 0.27 Pa ソース・パワー 2000 W(13.56 MHz)
RFバイアス・パワー 0 W(1.8 MHz)
ウェハ温度 20 ℃ 上部電極温度 250 ℃このステップ2では、エッチング・ガスをO2 単独としているが、ステップ1からの連続放電であるため残留C2 6 ガスの解離によりF* が生成されており、無バイアス条件とあいまってレジスト選択性の低い等方性エッチングが進行した。この結果、フォトレジスト・パターン17の開口18のエッジが後退しながらエッチングが進行し、残余部16rが除去されると同時にビア・ホールの開口端がテーパ化した。この結果、図8に示されるように、テーパ化壁面を有する開口端近傍の開口16tと垂直壁面を有する開口底近傍の開口16aとが組み合わされたビア・ホール16h1 を形成することができた。なお、開口端のテーパ化は、条件によってはラウンド化に変わることもある。また、ステップ2では開口底近傍も厳密にはテーパ化するはずであるが、残余部16rの膜厚が少ないためにここでは無視した。
【0033】この後、通常のO2 プラズマ・アッシングを行って図9に示されるようにフォトレジスト・パターン3を除去した。さらに、図10に示されるように、通常のスパッタリング法により膜厚約30nmのTi膜と膜厚約70nmのTiN膜とを順次積層してTi系バリヤメタル19を形成し、さらに公知のブランケットCVD法により形成されるW膜20でビア・ホール16h1 を埋め込んだ。このビア・ホール16h1 は、仮に深さ方向全体にわたって異方的に形成されたとするとアスペクト比が2となるところである。しかし、上述のように開口端近傍にて開口寸法が大とされることにより、Ti系バリヤメタル19およびW膜20の極めて良好なカバレージを実現させることができた。
【0034】実施例3本実施例では、コンタクト・ホール加工におけるステップ1の等方性エッチングとステップ2の異方性エッチングの切り換えを、ヘリコン波プラズマ・エッチング装置におけるプラズマ・ソースとウェハとの間の軸方向距離を変更することにより行った。
【0035】まず、前出の図1に示される状態のウェハをヘリコン波プラズマ・エッチング装置にセットした。この装置は、プラズマ生成チャンバとエッチング・チャンバとが同一軸上に連結されたものであり、該エッチング・チャンバ内でウェハを載置するウェハ・ステージをその軸方向に沿って上下に移動させ得る駆動手段を備えたものである。ここでは、ステップ1およびステップ2のエッチングをたとえば下記の条件で連続的に行った。
〔ステップ1:異方性エッチング〕
c−C4 8 50 SCCM H2 流量 20 SCCM ガス圧 0.27 Pa ソース・パワー 2500 W(13.56 MHz)
RFバイアス・パワー 100 W(400 kHz)
ウェハ温度 20 ℃ 軸方向距離 200 mm 〔ステップ2:等方性エッチング〕
c−C4 8 50 SCCM H2 流量 20 SCCM ガス圧 0.27 Pa ソース・パワー 2500 W(13.56 MHz)
RFバイアス・パワー 0 W(1.8 MHz)
ウェハ温度 20 ℃ 軸方向距離 0 mm上記ステップ1とステップ2ではガス組成は全く同じであり、RFバイアスと軸方向距離のみを変更している。ステップ1は、F/C比が相対的に小さい条件下で開口2aを形成する工程である。ステップ2は、プラズマ・ソースとウェハとを最接近させることにより、ヘリコン波プラズマ中に高密度に存在するF* をウェハ面上で最大限に利用しながら(すなわちF/C比を相対的に高めて)、コンタクト・ホールの開口端をテーパ化させる工程である。このように、本実施例ではエッチング・ガスの組成を全く変更しなくても、ウェハの昇降のみでウェハ近傍における見掛け上のF/C比を変化させ、図3に示されるようなコンタクト・ホール2h1 を形成することができた。
【0036】実施例4本実施例では、ECRプラズマを用いたビア・ホール加工において、ステップ1の異方性エッチングを終了した後、ステップ2の等方性エッチングを単極式静電チャックの残留電荷除去を兼ねて行った。
【0037】まず、前出の図6に示される状態のウェハを有磁場マイクロ波プラズマ・エッチング装置にセットした。この装置のウェハ・ステージは、単極式静電チャックを備えることにより、この上に載置されるウェハの冷却効率を高めるようになされている。ここでは、ステップ1およびステップ2のエッチングをたとえば下記の条件で行った。
〔ステップ1:異方性エッチング〕
CHF3 流量 45 SCCM CH2 2 流量 5 SCCM ガス圧 0.27 Pa マイクロ波パワー 1200 W(2.45 GHz)
RFバイアス・パワー 200 W(800 kHz)
ウェハ温度 20 ℃ 〔ステップ2:残留電荷除去+等方性エッチング〕
CHF3 流量 10 SCCM O2 流量 30 SCCM ガス圧 0.27 Pa マイクロ波パワー 1200 W(2.45 GHz)
RFバイアス・パワー 0 W(800 kHz)
ウェハ温度 20 ℃上記ステップ2ではO2 主体のガスを用いたECR放電を行っているが、ステップ1からの残留CHF3 /CH2 2 ガスの解離が進行し、十分量のF* が生成した。また、ステップ2の終了と同時に、ウェハをウェハ・ステージから脱着させることができた。
【0038】実施例5本実施例は、断面形状が逆テーパ化したフォトレジスト・パターンをエッチング・マスクとし、Si基板上のSiOx 系層間絶縁膜をまずCF4 /O2 混合ガスのECRプラズマを用いて等方性エッチングすることによりコンタクト・ホールの広い開口端を形成し、続いてCHF3 /CH2 2 混合ガスのECRプラズマを用いて異方性エッチングすることにより開口底の開口寸法を規定した例である。実施例のプロセスを、図11ないし図15を参照しながら説明する。
【0039】まず、図11に示されるように、予め図示されない不純物拡散領域が下層配線として形成されたSi基板1上に、SiOx 系層間絶縁膜2およびそのエッチング・マスクであるフォトレジスト・パターン30が順次形成されたウェハを準備した。ここで、上記SiOx 系層間絶縁膜2は、たとえばプラズマCVD法により膜厚約1μmに形成されたものである。また、上記フォトレジスト・パターン30は、化学増幅系ネガ型フォトレジスト(シプレー社製,商品名SAL−601または和光純薬社製,商品名XP8843)を用い、KrFエキシマ・レーザ・リソグラフィを行うことにより、開口31が形成されたものである。この開口31の開口端における開口径は、約0.35μmである。
【0040】このウェハを有磁場マイクロ波プラズマ・エッチング装置にセットし、ステップ1のエッチングとして、たとえば下記の条件によりSiOx 系層間絶縁膜2の等方性エッチングを行った。
〔ステップ1:等方性エッチング〕
CF4 流量 40 SCCM O2 流量 10 SCCM ガス圧 2.0 Pa マイクロ波パワー 1350 W(2.45 GHz)
RFバイアス・パワー 0 W(800 kHz)
ウェハ温度 20 ℃このステップ1では、イオン・アシスト機構が働かないため、豊富に生成するF* がフォトレジスト・パターン30の開口31のシャドー部にも回り込んでSiOx 系層間絶縁膜2をエッチングした。この結果、図12に示されるように、直径約0.6μmの開口2i〔添字iは形状が等方性(isotropic) であることを表す。〕が形成された。
【0041】次に、エッチング条件を一例として下記のように変更し、ステップ2の異方性エッチングを行った。
〔ステップ2:異方性エッチング〕
CHF3 流量 45 SCCM CH2 2 5 SCCM ガス圧 0.27 Pa マイクロ波パワー 1200 W(2.45 GHz)
RFバイアス・パワー 200 W(800 kHz)
ウェハ温度 20 ℃このステップ2では、CFx + イオンによるイオン・アシスト機構を働かせることにより、SiOx 系層間絶縁膜2を異方的にエッチングした。かかるバイアス印加条件下では、プラズマ中からのイオン入射はフォトレジスト・パターン30の開口31の開口端寸法で規制されるため、図13に示されるように上記開口2iの中央に垂直壁面を有する開口寸法約0.35μmの開口2aが形成された。これにより、コンタクト・ホール2h2 が完成された。
【0042】この後、通常のO2 プラズマ・アッシングを行って図14に示されるようにフォトレジスト・パターン30を除去した。さらに、図15に示されるように、通常のスパッタリング法によりTi系バリヤメタル5を形成し、さらに公知のブランケットCVD法によりW膜6でコンタクト・ホール2h2 を良好に埋め込んだ。
【0043】実施例6本実施例は、断面形状が逆テーパ化したフォトレジスト・パターンをエッチング・マスクとし、Al系下層配線上のSiOx 系層間絶縁膜をまずCF4 /O2混合ガスのICPを用いて等方性エッチングすることによりビア・ホールの広い開口端を形成し、続いてC2 6 ガスのICPを用いて異方性エッチングすることにより開口底の開口寸法を規定した例である。実施例のプロセスを、図16ないし図20を参照しながら説明する。
【0044】本実施例でエッチング・サンプルとして用いたウェハを、図16に示す。このウェハは、前出の図6R>6におけるフォトレジスト・パターン17を、断面が逆テーパ状の開口41を有するフォトレジスト・パターン40に変更したものである。
【0045】このウェハをICPエッチング装置にセットし、ステップ1のエッチングとして、たとえば下記の条件によりSiOx 系層間絶縁膜16の異方性エッチングを行った。
〔ステップ1:等方性エッチング〕
CF4 流量 50 SCCM O2 流量 20 SCCM ガス圧 2.0 Pa ソース・パワー 2000 W(13.56 MHz)
RFバイアス・パワー 0 W(1.8 MHz)
ウェハ温度 20 ℃ 上部電極温度 250 ℃このステップ1では、図17に示されるように、直径約0.6μmの開口16iが形成された。
【0046】次に、エッチング条件を一例として下記のように変更し、ステップ2の異方性エッチングを行った。
〔ステップ2:異方性エッチング〕
2 6 流量 50 SCCM ガス圧 0.27 Pa ソース・パワー 2000 W(2.45 GHz)
RFバイアス・パワー 1000 W(800 kHz)
ウェハ温度 20 ℃ 上部電極温度 250 ℃このステップ2では、CFx + イオンによるイオン・アシスト機構を働かせることにより、SiOx 系層間絶縁膜16を異方的にエッチングし、図18に示されるように上記開口16iの中央に垂直壁面を有する開口寸法約0.35μmの開口16aを形成した。これにより、ビア・ホール16h2 を完成させた。
【0047】この後、通常のO2 プラズマ・アッシングを行って図19に示されるようにフォトレジスト・パターン40を除去した。さらに、図20に示されるように、通常のスパッタリング法によりTi系バリヤメタル19を形成し、さらに公知のブランケットCVD法により形成されるW膜20でビア・ホール16h2 を良好に埋め込んだ。
【0048】実施例7本実施例では、コンタクト・ホール加工において逆テーパ形状のフォトレジスト・パターンを用い、かつステップ1の等方性エッチングとステップ2の異方性エッチングの切り換えを、ヘリコン波プラズマ・エッチング装置におけるプラズマ・ソースとウェハとの間の軸方向距離を変更することにより行った。このときのエッチング条件は、前述の実施例3のステップ1とステップ2の順番を入れ替えたものである。本実施例においても、前出の図14に示されるようなコンタクト・ホール2h2 を形成することができた。
【0049】実施例8本実施例では、3層レジスト・プロセスの一部変更により形成されたオーバーハング状のエッチング・マスクを用い、等方性エッチングと異方性エッチングとを順次行ってコンタクト・ホールを形成した例である。本実施例のプロセスを、図21ないし図25を参照しながら説明する。
【0050】まず、図21に示されるように、予め図示されない不純物拡散領域が下層配線として形成されたSi基板1上に、SiOx 系層間絶縁膜2が積層され、さらにこの上にエッチング・マスクとして下層レジスト・パターン51とSiN中間膜52とが順次形成されたウェハを準備した。ここで、上記SiN中間膜52は、低温プラズマCVDにより成膜されたSiN膜を図示されない上層レジスト・パターンを用いてエッチングし、直径約0.35μmの開口52aが形成されたものである。このときのエッチングは、たとえばCHF3 /O2 混合ガスを用いたRIEにより行った。また上記の上層レジスト・パターンは、たとえばエキシマ・レーザ・リソグラフィ用のポジ型フォトレジスト(商品名FH−EX2,富士ハント社製)を用いて形成した。また、上記下層レジスト・パターン51は、上記開口52a内に表出する下層レジスト膜をたとえばO2 /N2 混合ガスを用い異方性をやや弱めた条件でエッチングすることにより形成したものであり、開口寸法約0.7μmの開口51aを有している。このときの下層レジスト膜の材料としては、たとえばノボラック系ポジ型フォトレジスト(商品名OFPR−800,東京応化工業社製)を用いることができる。なお、上層レジスト・パターンは、下層レジスト膜に比べて薄いので、該下層レジスト膜のエッチング中に消失してしまう。
【0051】このウェハを有磁場マイクロ波プラズマ・エッチング装置にセットし、まず実施例5と同じ条件でステップ1の等方性エッチングを行ったところ、図22に示されるように、直径約0.6μmの開口2iが形成された。続いて、やはり実施例5と同じ条件でステップ2の等方性エッチングを行ったところ、図23に示されるように、垂直壁を有する開口2aが形成された。この開口2aの開口寸法は、SiN中間膜52の開口52aに規制されている。このようにして、コンタクト・ホール2h2 を形成することができた。
【0052】以上、本発明を8例の実施例にもとづいて説明したが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではなく、使用するエッチング条件、サンプル・ウェハの構成等の細部は適宜変更可能である。
【0053】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発明を適用すれば開口端近傍のみをテーパ化もしくはラウンド化させた接続孔を、パーティクル・レベルを悪化させることなく、また再現性良く形成することができる。したがって、上層配線のカバレージを大幅に改善し、またコンタクト抵抗の上昇を抑えることができる。本発明は、微細な接続孔の形成方法の改善を通じて、半導体デバイスの高集積化,高性能化,高信頼化に大きく貢献するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明をコンタクト・ホール加工に適用したプロセス例において、SiOx 系層間絶縁膜上にフォトレジスト・パターンを形成した状態を示す模式的断面図である。
【図2】図1のSiOx 系層間絶縁膜を異方性エッチングし、コンタクト・ホールを途中まで形成した状態を示す模式的断面図である。
【図3】等方性エッチングを行って図2のSiOx 系層間絶縁膜の残余部を除去すると共に、コンタクト・ホールの開口端をテーパ化させた状態を示す模式的断面図である。
【図4】図3のフォトレジスト・パターンを除去した状態を示す模式的断面図である。
【図5】図4のコンタクト・ホールを被覆してバリヤメタルおよびW膜を形成した状態を示す模式的断面図である。
【図6】本発明をビア・ホール加工に適用したプロセス例において、SiOx 系層間絶縁膜上にフォトレジスト・パターンを形成した状態を示す模式的断面図である。
【図7】図6のSiOx 系層間絶縁膜を異方性エッチングし、ビア・ホールを途中まで形成した状態を示す模式的断面図である。
【図8】等方性エッチングを行って図7のSiOx 系層間絶縁膜の残余部を除去すると共に、ビア・ホールの開口端をテーパ化させた状態を示す模式的断面図である。
【図9】図8のフォトレジスト・パターンを除去した状態を示す模式的断面図である。
【図10】図9のビア・ホールを被覆してバリヤメタルおよびW膜を形成した状態を示す模式的断面図である。
【図11】本発明をコンタクト・ホール加工に適用した他のプロセス例において、SiOx 系層間絶縁膜上に逆テーパ状のフォトレジスト・パターンを形成した状態を示す模式的断面図である。
【図12】図11のSiOx 系層間絶縁膜を等方的にエッチングし、コンタクト・ホールの開口端近傍を広い開口寸法をもって形成した状態を示す模式的断面図である。
【図13】異方性エッチングを行ってコンタクト・ホールを完成した状態を示す模式的断面図である。
【図14】図13のフォトレジスト・パターンを除去した状態を示す模式的断面図である。
【図15】図14のコンタクト・ホールを被覆してバリヤメタルおよびW膜を形成した状態を示す模式的断面図である。
【図16】本発明をビア・ホール加工に適用した他のプロセス例において、SiOx 系層間絶縁膜上にフォトレジスト・パターンを形成した状態を示す模式的断面図である。
【図17】図16のSiOx 系層間絶縁膜を等方的にエッチングし、ビア・ホールの開口端近傍を広い開口寸法をもって形成した状態を示す模式的断面図である。
【図18】異方性エッチングを行ってビア・ホールを完成した状態を示す模式的断面図である。
【図19】図18のフォトレジスト・パターンを除去した状態を示す模式的断面図である。
【図20】図14のビア・ホールを被覆してバリヤメタルおよびW膜を形成した状態を示す模式的断面図である。
【図21】本発明をコンタクト・ホール加工に適用したさらに他のプロセス例において、SiOx 系層間絶縁膜上にオーバーハング状のフォトレジスト・パターンを形成した状態を示す模式的断面図である。
【図22】図21のSiOx 系層間絶縁膜を等方的にエッチングし、コンタクト・ホールの開口端近傍を広い開口寸法をもって形成した状態を示す模式的断面図である。
【図23】等方性エッチングを行ってコンタクト・ホールを完成した状態を示す模式的断面図である。
【図24】高アスペクト比を有する従来の接続孔においてTi系バリヤメタルのオーバーハングが形成された状態を示す模式的断面図である。
【図25】深さ方向全体にわたって断面形状がテーパ化された従来の接続孔を示す模式的断面図である。
【符号の説明】
1 Si基板2,16 SiOx 系層間絶縁膜
3,17 フォトレジスト・パターン
2h1 ,2h2 コンタクト・ホール
5,19 バリヤメタル
6,20 W膜
15 下層配線
16h1 16h2 ビア・ホール
30,40 (逆テーパ状の)フォトレジスト・パターン
51 下層レジスト・パターン
52 SiN中間膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】 基板上に形成された下層配線を被覆する絶縁膜の上にエッチング・マスクを形成し、プラズマ・エッチング装置を用いたドライエッチングにより該絶縁膜に接続孔を開口する接続孔の形成方法において、前記絶縁膜上に異方的な開口を有するエッチング・マスクを形成する第1の工程と、異方的なエッチング条件下で前記絶縁膜をその膜厚の一部を残すごとくエッチングして接続孔を途中まで形成する第2の工程と、前記エッチング・マスクに対するエッチング選択比を前記第2の工程におけるよりも低下させた等方的なエッチング条件下で前記絶縁膜の残余部をエッチングすると共に前記接続孔の開口端の開口寸法を拡大する第3の工程とを有する接続孔の形成方法。
【請求項2】 前記エッチング・マスクは有機膜パターン、前記絶縁膜はシリコン化合物膜であり、前記第2の工程ではフルオロカーボン系化合物を含むガスのプラズマを用い、前記第3の工程では酸素を含むガスのプラズマをそれぞれ用いる請求項1記載の接続孔の形成方法。
【請求項3】 前記第3の工程で用いられる酸素を含むガスのプラズマは、前記プラズマ・エッチング装置内で前記基板を基板ステージ上に保持する単極式静電チャックの残留電荷除去に併用される請求項2記載の接続孔の形成方法。
【請求項4】 前記エッチング・マスクは有機膜パターン、前記絶縁膜はシリコン化合物膜であり、前記2の工程および前記第3の工程ではフルオロカーボン系化合物を含むガスのプラズマを用い、かつ該第3の工程では、前記プラズマ・エッチング装置のプラズマ・ソースと前記基板との間の軸方向距離を該第2の工程におけるよりも小とする請求項1記載の接続孔の形成方法。
【請求項5】 基板上に形成された下層配線を被覆する絶縁膜の上にエッチング・マスクを形成し、プラズマ・エッチング装置を用いたドライエッチングにより該絶縁膜に接続孔を開口する接続孔の形成方法において、開口端よりも開口底において開口寸法が大となる開口を有するエッチング・マスクを前記絶縁膜上に形成する第1の工程と、等方的なエッチング条件下で前記絶縁膜の膜厚の一部を前記エッチング・マスクの開口端の開口寸法よりも大きな寸法領域においてエッチングする第2の工程と、異方的なエッチング条件下で前記絶縁膜の残余部を前記エッチング・マスクの開口端の開口寸法と略等しい寸法領域においてエッチングする第3の工程とを有する接続孔の形成方法。
【請求項6】 前記絶縁膜はシリコン化合物膜であり、前記第2の工程では酸素を含むガスのプラズマ、前記第3の工程ではフルオロカーボン系化合物を含むガスのプラズマをそれぞれ用いる請求項5記載の接続孔の形成方法。
【請求項7】 前記エッチング・マスクは、前記開口部の開口端から開口底にかけて連続的に開口寸法が拡大する逆テーパ状の有機膜パターンである請求項5または請求項6に記載の接続孔の形成方法。
【請求項8】 前記有機膜パターンはネガ型化学増幅系レジスト材料からなる請求項7記載の接続孔の形成方法。
【請求項9】 前記エッチング・マスクの開口端近傍は3層レジスト・プロセスで用いられる無機中間膜、開口底近傍は下層レジスト膜にてそれぞれ構成される請求項5または請求項6に記載の接続孔の形成方法。
【請求項10】 前記無機中間膜は窒化シリコン系材料膜、前記絶縁膜は酸化シリコン系材料膜からなる請求項9記載の接続孔の形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開平8−191062
【公開日】平成8年(1996)7月23日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平7−2474
【出願日】平成7年(1995)1月11日
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)