説明

接続構造体の製造方法及び接続構造体

【課題】第1,第2の接続対象部材の接続信頼性及び電極間の導通信頼性を高くする接続構造体の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る接続構造体1の製造方法は、第1の電極2bを上面2aに有する第1の接続対象部材2上に、異方性導電ペースト層3を配置する工程と、異方性導電ペースト層3に光を照射することにより硬化を進行させる工程と、Bステージ化された異方性導電ペースト層3Bの上面3aに、第2の電極4bを下面4aに有する第2の接続対象部材4を積層する工程と、Bステージ化された異方性導電ペースト層3Bを加熱して硬化させる工程とを備える。上記異方性導電ペーストとして、硬化性化合物と熱硬化剤と光硬化開始剤と導電性粒子5とを含む異方性導電ペーストを用い、かつ、式(1)で表されるY値の1.6倍を超え、6倍以下の量の異方性導電ペーストを用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の導電性粒子を含む異方性導電ペーストを用いた接続構造体の製造方法及び接続構造体であって、例えば、フレキシブルプリント基板、ガラス基板、ガラスエポキシ基板及び半導体チップなどの様々な接続対象部材の電極間を電気的に接続する接続構造体の製造方法及び接続構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
ペースト状又はフィルム状の異方性導電材料が広く知られている。該異方性導電材料では、バインダー樹脂などに複数の導電性粒子が分散されている。
【0003】
上記異方性導電材料は、各種の接続構造体を得るために、例えば、フレキシブルプリント基板とガラス基板との接続(FOG(Film on Glass))、半導体チップとフレキシブルプリント基板との接続(COF(Chip on Film))、半導体チップとガラス基板との接続(COG(Chip on Glass))、並びにフレキシブルプリント基板とガラスエポキシ基板との接続(FOB(Film on Board)等に使用されている。
【0004】
上記異方性導電材料により、例えば、半導体チップの電極とガラス基板の電極とを電気的に接続する際には、半導体チップの電極とガラス基板の電極との間に異方性導電材料を配置した後、加熱及び加圧する。これにより、異方性導電材料を硬化させて、かつ導電性粒子を介して電極間を電気的に接続し、接続構造体を得る。
【0005】
また、上記接続構造体の製造方法の一例として、下記の特許文献1では、第一の回路電極を有する第一の回路部材と、第二の回路電極を有し、テープキャリアパッケージ又はフレキシブルプリント基板を構成する第二の回路部材とを、上記第一の回路電極と上記第二の回路電極とを対向配置させた状態で、異方性導電材料により接続する接続構造体の製造方法が開示されている。また、特許文献1には、熱硬化性組成物と光硬化性組成物とを含有する異方性導電材料としてフィルム状回路接続材料を用いて、該フィルム状回路接続材料に光を照射して、光硬化性樹脂組成物を硬化させて、フィルム状回路接続材料の流動性を低下させ、次に本接続時にフィルム状回路接続材料を加熱して、熱硬化性樹脂組成物を硬化させる方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−235530号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の接続構造体を作製する際に、ガラス基板などの接続対象部材上に配置された異方性導電材料層が、硬化前に意図しない領域まで濡れ広がることがある。このため、異方性導電材料が硬化した硬化物層により接続された第1,第2の接続対象部材の接続信頼性が低いことがある。特に、熱履歴を受けた場合に、第1,第2の接続対象部材の接続信頼性が低く、剥離が生じることがある。さらに、接続構造体において、硬化物層が意図しない領域に配置されており、硬化物層による汚染が生じていることがある。
【0008】
さらに、接続構造体の作製時に、接続対象部材上に配置された異方性導電材料層に含まれている導電性粒子が、硬化段階で大きく流動することがある。従って、導電性粒子が所定の領域に配置されていないこともある。具体的には、接続されるべき上下の電極間に導電性粒子が配置されていなかったり、接続されてはならない隣接する電極間が複数の導電性粒子を介して電気的に接続されていたりすることがある。このため、接続構造体における電極間の導通信頼性が低いことがある。
【0009】
また、特許文献1に記載のように、単に、第一の回路部材上の異方性導電材料の上方から光照射を行った後に、該異方性導電材料を熱硬化させただけでは、導電性粒子を精度よく配置できず、得られる接続構造体における電極間の導通信頼性が低くなることがある。
【0010】
さらに、特許文献1に記載の接続構造体の製造方法では、第一の回路部材上に配置された異方性導電材料上に、第二の回路部材を配置して仮圧着した後に、第二の回路部材の位置ずれが生じることがある。このため、得られる接続構造体において、第二の回路部材の位置がずれていることがある。第二の回路部材の位置がずれていると、第一,第二の回路部材の対向する電極間の位置がずれ、電極間の導通信頼性が低くなるという問題がある。
【0011】
本発明の目的は、第1,第2の接続対象部材の接続信頼性を高めることができ、かつ電極間の導通信頼性を高めることができる接続構造体の製造方法及び接続構造体を提供することである。
【0012】
本発明の限定的な目的は、熱履歴を受けた場合でも、第1,第2の接続対象部材の接続信頼性を高めることができる接続構造体の製造方法及び接続構造体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の広い局面によれば、第1の電極を上面に有する第1の接続対象部材上に、異方性導電ペーストを塗工して、異方性導電ペースト層を配置する工程と、上記異方性導電ペースト層に光を照射することにより硬化を進行させて、Bステージ化された異方性導電ペースト層を形成する工程と、上記Bステージ化された異方性導電ペースト層の上面に、第2の電極を下面に有する第2の接続対象部材を積層する工程と、上記Bステージ化された異方性導電ペースト層を加熱して硬化させ、硬化物層を形成する工程とを備え、上記異方性導電ペースト層を配置する工程において、上記異方性導電ペーストとして、硬化性化合物と熱硬化剤と光硬化開始剤と導電性粒子とを含む異方性導電ペーストを用い、かつ、下記式(1)で表されるY値の1.6倍を超え、6倍以下の量の異方性導電ペーストを用いる、接続構造体の製造方法が提供される。
【0014】
Y値=(第1の電極の高さ+第2の電極の高さ)×接続領域の面積 ・・・式(1)
【0015】
本発明に係る接続構造体の製造方法のある特定の局面では、上記第1の接続対象部材は、上記第2の接続対象部材の外周側面よりも側方に張り出した領域を有し、上記硬化物層が、上記第2の接続対象部材の外周側面よりも側方に張り出した領域を有するように上記硬化物層が形成され、上記第2の接続対象部材の外周側面よりも側方の少なくとも一部の領域に、上記硬化物層によるフィレットが形成される。
【0016】
本発明に係る接続構造体の製造方法の他の特定の局面では、上記Bステージ化された異方性導電ペースト層の厚みが、30μm以上、60μm以下にされる。
【0017】
本発明に係る接続構造体の製造方法のさらに他の特定の局面では、上記フィレットの角度が60度以下にされる。
【0018】
本発明に係る接続構造体の製造方法の別の特定の局面では、上記異方性導電ペーストとして、熱硬化性化合物と光硬化性化合物と熱硬化剤と光硬化開始剤と導電性粒子とを含む異方性導電ペーストが用いられる。
【0019】
また、本発明の広い局面によれば、第1の電極を上面に有する第1の接続対象部材と、第2の電極を下面に有する第2の接続対象部材と、上記第1の接続対象部材の上面と、上記第2の接続対象部材の下面との間に配置された硬化物層とを備え、上記硬化物層が、硬化性化合物と熱硬化剤と光硬化開始剤と導電性粒子とを含む異方性導電ペーストを用いた異方性導電ペースト層に光を照射することにより硬化を進行させて、Bステージ化された異方性導電ペースト層を形成した後、該Bステージ化された異方性導電ペースト層を加熱して硬化させることにより形成されており、上記異方性導電ペーストとして、下記式(1)で表されるY値の1.6倍を超え、6倍以下の量の異方性導電ペーストが用いられている、接続構造体が提供される。
【0020】
Y値=(第1の電極の高さ+第2の電極の高さ)×接続領域の面積 ・・・式(1)
【0021】
本発明に係る接続構造体のある特定の局面では、上記第1の接続対象部材は、上記第2の接続対象部材の外周側面よりも側方に張り出した領域を有し、上記硬化物層が、上記第2の接続対象部材の外周側面よりも側方に張り出した領域を有し、上記第2の接続対象部材の外周側面よりも側方の少なくとも一部の領域に、上記硬化物層によるフィレットが形成されている。
【0022】
本発明に係る接続構造体の他の特定の局面では、上記硬化物層が、上記異方性導電ペースト層に光を照射することにより硬化を進行させて、厚みが30μm以上、60μm以下であるBステージ化された異方性導電ペースト層を形成した後、該Bステージ化された異方性導電ペースト層を加熱して硬化させることにより形成されている。
【0023】
本発明に係る接続構造体のさらに他の特定の局面では、上記フィレットの角度が60度以下である。
【0024】
本発明に係る接続構造体の別の特定の局面では、上記異方性導電ペーストが、熱硬化性化合物と光硬化性化合物と熱硬化剤と光硬化開始剤と導電性粒子とを含む異方性導電ペーストである。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係る接続構造体の製造方法では、硬化性化合物と熱硬化剤と光硬化開始剤と導電性粒子とを含む異方性導電ペーストを用いた異方性導電ペースト層に光を照射することにより硬化を進行させて、上記異方性導電ペースト層をBステージ化した後、Bステージ化された異方性導電ペースト層を熱硬化させるので、更に異方性導電ペーストとして、式(1)で表されるY値の1.6倍を超え、6倍以下の量の異方性導電ペーストを用いるので、得られる接続構造体における第1,第2の接続対象部材の接続信頼性を高めることができる。さらに、得られる接続構造体における電極間の導通信頼性を高めることができる。
【0026】
本発明に係る接続構造体では、第1,第2の接続対象部材間に配置された硬化物層が、硬化性化合物と熱硬化剤と光硬化開始剤と導電性粒子とを含む異方性導電ペーストを用いた異方性導電ペースト層に光を照射することにより硬化を進行させて、Bステージ化された異方性導電ペースト層を形成した後、該Bステージ化された異方性導電ペースト層を加熱して硬化させることにより形成されており、上記異方性導電ペーストとして、式(1)で表されるY値の1.6倍を超え、6倍以下の量の異方性導電ペーストが用いられているので、第1,第2の接続対象部材の接続信頼性を高めることができる。さらに、接続構造体における電極間の導通信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る接続構造体の製造方法により得られた接続構造体を模式的に示す正面断面図である。
【図2】図2(a)〜(c)は、本発明の一実施形態に係る接続構造体の製造方法の各工程を説明するための部分切欠正面断面図である。
【図3】図3は、図1に示す接続構造体の変形例を模式的に示す正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照しつつ本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
【0029】
図1に、本発明の一実施形態に係る接続構造体の製造方法により得られた接続構造体を模式的に正面断面図で示す。
【0030】
図1に示す接続構造体1は、第1の接続対象部材2と、第2の接続対象部材4と、第1,第2の接続対象部材2,4を接続している硬化物層3とを備える。硬化物層3は、第1,第2の接続対象部材2,4を接続している接続部である。硬化物層3は、硬化性化合物と熱硬化剤と光硬化開始剤と導電性粒子5とを含む異方性導電ペーストを硬化させることにより形成されている。上記異方性導電ペーストは、複数の導電性粒子5を含む。
【0031】
第1の接続対象部材2は上面2aに、複数の第1の電極2bを有する。第2の接続対象部材4は下面4aに、複数の第2の電極4bを有する。第1の電極2bと第2の電極4bとが、1つ又は複数の導電性粒子5により電気的に接続されている。
【0032】
第1の接続対象部材2は、第2の接続対象部材4の外周側面よりも側方に張り出した領域を有する。第1の接続対象部材2は、第2の接続対象部材4よりも大きい。第1の接続対象部材2の平面積は、第2の接続対象部材4の平面積よりも大きい。
【0033】
硬化物層3は、第2の接続対象部材4の外周側面よりも側方に張り出した領域を有する。硬化物層3は、第2の接続対象部材4よりも大きい。硬化物層3の平面積は、第2の接続対象部材4の平面積よりも大きい。
【0034】
第1の接続対象部材2は、硬化物層3の外周側面よりも側方に張り出した領域を有する。第1の接続対象部材2は、硬化物層3よりも大きい。第1の接続対象部材2の平面積は、硬化物層3の平面積よりも大きい。
【0035】
また、接続構造体1では、第2の接続対象部材4の外周側面よりも側方の全領域に、硬化物層3が至っており、該硬化物層3によるフィレットXが形成されている。このようにフィレットが形成されていることで、上記第1,第2の接続対象部材を強固に接続させることができ、特に上記第2の接続対象部材の剥離を生じ難くすることができる。従って、上記接続構造体における第1,第2の接続対象部材の接続信頼性を高めることができる。
【0036】
上記第2の接続対象部材の外周側面よりも側方の少なくとも一部の領域に、上記硬化物層が至っていることが好ましい。なお、上記第2の接続対象部材の外周側面よりも側方の全領域に、上記硬化物層が至っていなくてもよい。すなわち、上記第2の接続対象部材の外周側面よりも側方の全領域において、フィレットが形成されていてもよく、上記第2の接続対象部材の外周側面よりも側方の一部の領域に、フィレットが部分的に形成されていてもよい。
【0037】
上記、第2の接続対象部材に対して、第1の接続対象部材が張り出した構造を、第2の接続部材の少なくとも1辺に有する接続構造体も本発明の範囲である。例えば、FOGや、FOBの場合に上記接続構造であることがある。
【0038】
第1,第2の接続対象部材の接続信頼性をより一層高める観点からは、フィレットの角度αは、0度を超え、好ましくは5度以上、より好ましくは10度以上、更に好ましくは20度以上、好ましくは60度以下、より好ましくは50度以下である。
【0039】
本明細書において、フィレットの角度αとは、フィレット上端と下端とを結ぶ直線と、第2の接続対象部材の外周側面とのなす角度をいう。接続構造体1では、フィレットXの上端Xaは、上方の第2の接続対象部材4の外周側面よりも側方の領域に位置する先端であり、フィレットXの下端Xbは、下方の第1の接続対象部材2の上面2aと接している。なお、図1では、フィレットXの外表面は、直線状に延びている。フィレットの外表面は、凹状であってもよい。
【0040】
図3に接続構造体1の変形例である接続構造体11を示すように、第2の接続対象部材2上で、硬化物層12の外周縁近傍の上面の一部が平坦になっていてもよい。この場合には、硬化物層12の上面が平坦になっている部分はフィレットを形成していない。この場合には、フィレットXの上端Xaは、上方の第2の接続対象部材4の外周側面よりも側方の領域に位置する先端であり、フィレットXの下端Xbは、下方の第1の接続対象部材2の上面2aにおいて、硬化物層12の外周縁近傍の上面が平坦になる起点部分である。
【0041】
フィレットの高さは、第2の接続対象部材の側面におけるフィレット高さで、好ましくは20μm以上、より好ましくは50μm以上、さらに好ましくは100μm以上である。また、フィレットの高さは、第2の接続対象部材の厚みの、好ましくは25%以上、より好ましくは50%以上、好ましくは95%以下、より好ましくは80%以下である。
【0042】
フィレットの幅は、好ましくは50μm以上、より好ましくは100μm以上、好ましくは500μm以下、より好ましくは300μm以下である。
【0043】
上記フィレット高さ及び幅はそれぞれ、第2の接続対象部材の1辺における平均値である。
【0044】
接続構造体1に用いた上記異方性導電ペーストは、硬化性化合物と熱硬化剤と光硬化開始剤と導電性粒子5とを含む。硬化物層3は、上記異方性導電ペーストを用いた異方性導電ペースト層に光を照射することにより硬化を進行させて、Bステージ化された異方性導電ペースト層を形成した後、該Bステージ化された異方性導電ペースト層を加熱して硬化させることにより形成されている。上記異方性導電ペーストとして、下記式(1)で表されるY値の1.6倍を超え、6倍以下の量の異方性導電ペーストが用いられている。
【0045】
Y値=(第1の電極の高さ+第2の電極の高さ)×接続領域の面積 ・・・式(1)
【0046】
特定の上記異方性導電ペーストを用いて、特定の上記量の異方性導電ペーストを用いることによって、接続構造体の作製時に、第1の接続対象部材上に塗工された異方性導電ペースト層が、硬化前に意図しない領域まで濡れ広がり難くなる。また、硬化物層による良好なフィレットを形成できる。このため、異方性導電ペースト層が硬化した硬化物層により接続された第1,第2の接続対象部材の接続信頼性を高めることができる。特に、熱履歴を受けた場合には、第1,第2の接続対象部材の接続信頼性が高くなり、剥離を生じ難くすることができる。さらに、接続構造体において、硬化物層が意図しない領域に配置され難く、硬化物層による汚染が生じるのを抑制できる。
【0047】
さらに、接続構造体の作製時に、上記異方性導電ペーストを光の照射によりBステージ化した後に、熱硬化させることで、第1の接続対象部材上に配置された異方性ペースト層に含まれている導電性粒子が、硬化段階で大きく流動し難くなる。従って、導電性粒子が所定の領域に配置されやすくなる。具体的には、接続されるべき上下の電極間に導電性粒子を配置することができ、接続されてはならない隣接する電極間が複数の導電性粒子を介して電気的に接続されるのを抑制できる。このため、接続構造体における電極間の導通信頼性を高めることができる。
【0048】
さらに、特定の上記異方性導電ペーストを用いて、特定の上記量の異方性導電ペーストを用いることによって、第1の接続対象部材と第2の接続対象部材との電極間の位置ずれを抑制することもできる。このことによっても、接続構造体における電極間の導通信頼性を高めることができる。
【0049】
上記異方性導電ペーストとして、上記式(1)で表されるY値の好ましくは1.65倍以上、より好ましくは2倍以上、好ましは5倍以下、より好ましくは4倍以下の量の異方性導電ペーストを用いることが好ましい。
【0050】
接続構造体1では、第2の接続対象部材4の下面4aの全領域に硬化物層3が配置されている。上記式(1)における接続領域の面積は、第2の接続対象部材の平面積であることが好ましい。
【0051】
接続構造体1では、第1の接続対象部材2としてガラス基板が用いられており、第2の接続対象部材4として半導体チップが用いられている。第1,第2の接続対象部材は、特に限定されない。第1,第2の接続対象部材としては、具体的には、半導体チップ、コンデンサ及びダイオード等の電子部品、並びにプリント基板、フレキシブルプリント基板、ガラス基板及びガラスエポキシ基板等の回路基板等が挙げられる。上記異方性導電ペーストは、電子部品又は回路基板の接続に用いられる異方性導電ペーストである。
【0052】
図1に示す接続構造体1は、例えば、以下のようにして得ることができる。
【0053】
図2(a)に示すように、第1の電極2bを上面2aに有する第1の接続対象部材2を用意する。次に、第1の接続対象部材2の上面2aに、硬化性化合物と熱硬化剤と光硬化開始剤と導電性粒子5を含む異方性導電ペーストを塗工して、第1の接続対象部材2の上面2aに異方性導電ペースト層3Aを配置する。このとき、第1の電極2b上に、1つ又は複数の導電性粒子5が配置されていることが好ましい。第1の接続対象部材2の上面2aに、上記異方性導電ペーストを塗工する際に、上記式(1)で表されるY値の1.6倍を超え、6倍以下の量の異方性導電ペーストが用いられる。
【0054】
次に、異方性導電ペースト層3Aに光を照射することにより、異方性導電ペースト層3Aの硬化を進行させる。異方性導電ペースト層3Aの硬化を進行させて、異方性導電ペースト層3AをBステージ化する。図2(b)に示すように、異方性導電ペースト層3AのBステージ化により、第1の接続対象部材2の上面2aに、Bステージ化された異方性導電ペースト層3Bを形成する。
【0055】
Bステージ化された異方性導電ペースト層3Bの厚みは、好ましくは10μm以上、より好ましくは20μm以上、更に好ましくは30μm以上、好ましくは100μm以下、より好ましくは80μm以下、更に好ましくは60μm以下である。Bステージ化された異方性導電ペースト層3Bの厚みは、30μm以上、60μm以下であることが特に好ましい。この場合には、第1,第2の接続対象部材の接続信頼性をより一層高めることができ、更に電極間の導通信頼性をより一層高めることができる。また、熱履歴を受けた場合でも、第1,第2の接続対象部材の接続信頼性を高めることができる。さらに、接続構造体において、硬化物層による良好なフィレットを形成できる。
【0056】
第1の接続対象部材2の上面2aに、異方性導電ペーストを配置しながら、異方性導電ペースト層3Aに光を照射することが好ましい。さらに、第1の接続対象部材2の上面2aへの異方性導電ペーストの配置と同時に、又は配置の直後に、異方性導電ペースト層3Aに光を照射することも好ましい。配置と光の照射とが上記のように行われた場合には、異方性導電ペースト層の流動をより一層抑制できる。このため、得られた接続構造体1における導通信頼性をより一層高めることができる。第1の接続対象部材2の上面2aに異方性導電ペーストを配置してから光を照射するまでの時間は、0秒以上、好ましくは3秒以下、より好ましくは2秒以下である。
【0057】
光の照射により異方性導電ペースト層3AをBステージ化させるために、異方性導電ペースト層3Aの硬化を適度に進行させるための光照射強度は、例えば、好ましくは0.1〜100mW/cm程度である。また、異方性導電ペースト層3Aの硬化を適度に進行させるための光の照射エネルギーは、好ましくは500mJ/cm以上、より好ましくは2000mJ/cm以上、好ましくは100000mJ/cm以下、より好ましくは20000mJ/cm以下である。
【0058】
光を照射する際に用いる光源は特に限定されない。該光源としては、例えば、波長420nm以下に充分な発光分布を有する光源等が挙げられる。また、光源の具体例としては、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ及びLEDランプ等が挙げられる。
【0059】
次に、図2(c)に示すように、Bステージ化された異方性導電ペースト層3Bの上面3aに、第2の接続対象部材4を積層する。第1の接続対象部材2の上面2aの第1の電極2bと、第2の接続対象部材4の下面4aの第2の電極4bとが対向するように、第2の接続対象部材4を積層する。
【0060】
さらに、第2の接続対象部材4の積層の際に、異方性導電ペースト層3Bに熱を付与することにより、Bステージ化された異方性導電ペースト層3Bをさらに硬化させ、硬化物層3を形成する。ただし、第2の接続対象部材4の積層の前に、異方性導電ペースト層3Bに熱を付与してもよい。第2の接続対象部材4の積層の後に、異方性導電ペースト層3Bに熱を付与し完全に硬化させることが好ましい。
【0061】
熱の付与により異方性導電ペースト層3Bを硬化させる場合には、異方性導電ペースト層3Bを充分に硬化させるための加熱温度は好ましくは160℃以上、好ましくは250℃以下、より好ましくは200℃以下である。
【0062】
異方性導電ペースト層3Bを硬化させる際に、加圧することが好ましい。加圧によって第1の電極2bと第2の電極4bとで導電性粒子5を圧縮することにより、第1,第2の電極2b,4bと導電性粒子5との接触面積を大きくすることができる。このため、導通信頼性を高めることができる。
【0063】
異方性導電ペースト層3Bを硬化させることにより、第1の接続対象部材2と第2の接続対象部材4とが、硬化物層3を介して接続される。また、第1の電極2bと第2の電極4bとが、導電性粒子5を介して電気的に接続される。このようにして、図1に示す接続構造体1を得ることができる。本実施形態では、光硬化と熱硬化とが併用されているため、異方性導電ペーストを短時間で硬化させることができる。
【0064】
異方性導電ペーストを用いる場合には、異方性導電フィルムを用いる場合と比較して、導電性粒子が流動しやすく、導通信頼性が低くなる傾向がある。本発明に係る接続構造体の製造方法及び本発明に係る接続構造体では、異方性導電ペーストを用いたとしても、導通信頼性を十分に高めることができる。また、上記異方性導電ペーストを用いることによって、硬化物層によるフィレットを形成でき、第1,第2の接続対象部材の接続信頼性を高めることができる。
【0065】
本発明に係る接続構造体の製造方法は、例えば、フレキシブルプリント基板とガラス基板との接続(FOG(Film on Glass))、半導体チップとフレキシブルプリント基板との接続(COF(Chip on Film))、半導体チップとガラス基板との接続(COG(Chip on Glass))、又はフレキシブルプリント基板とガラスエポキシ基板との接続(FOB(Film on Board))等に使用できる。なかでも、本発明に係る接続構造体の製造方法は、COG用途に好適である。本発明に係る接続構造体の製造方法では、上記第1の接続対象部材と上記第2の接続対象部材として、半導体チップとガラス基板とを用いることが好ましい。
【0066】
COG用途では、特に、半導体チップとガラス基板との電極間を、異方性導電ペーストの導電性粒子により確実に接続することが困難なことが多い。例えば、COG用途の場合には、半導体チップの隣り合う電極間、及びガラス基板の隣り合う電極間の間隔が10〜20μm程度であることがあり、微細な配線が形成されていることが多い。微細な配線が形成されていても、本発明に係る接続構造体の製造方法により、導電性粒子を電極間に精度よく配置することができることから、半導体チップとガラス基板との電極間を高精度に接続することができ、導通信頼性を高めることができる。
【0067】
本発明に係る接続構造体の製造方法に用いられる異方性導電ペーストは、硬化性化合物と、熱硬化剤と、光硬化開始剤と、導電性粒子とを含む。異方性導電ペーストの硬化性を容易に制御する観点からは、上記硬化性化合物は、熱硬化性化合物と、光硬化性化合物とを含むことが好ましい。
【0068】
以下、上記異方性導電ペーストに含まれている各成分の詳細を説明する。
【0069】
[熱硬化性化合物]
上記熱硬化性化合物は熱硬化性を有する。上記熱硬化性化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0070】
上記熱硬化性化合物としては、オキセタン化合物、エポキシ化合物、エピスルフィド化合物、(メタ)アクリル化合物、フェノール化合物、アミノ化合物、不飽和ポリエステル化合物、ポリウレタン化合物、シリコーン化合物及びポリイミド化合物等が挙げられる。上記熱硬化性化合物は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0071】
上記異方性導電ペーストの硬化を容易に制御したり、接続構造体における導通信頼性をより一層高めたりする観点からは、上記硬化性化合物は、エポキシ基又はチイラン基を有する熱硬化性化合物を含むことが好ましく、チイラン基を有する熱硬化性化合物を含むことがより好ましい。エポキシ基を有する熱硬化性化合物は、エポキシ化合物である。チイラン基を有する熱硬化性化合物は、エピスルフィド化合物である。異方性導電ペーストの硬化性を高める観点からは、上記熱硬化性化合物100重量%中、上記エポキシ基又はチイラン基を有する化合物の含有量は、好ましくは10重量%以上、より好ましくは20重量%以上、100重量%以下である。上記熱硬化性化合物の全量が上記エポキシ基又はチイラン基を有する化合物であってもよい。
【0072】
上記エピスルフィド化合物は、エポキシ基ではなくチイラン基を有するので、低温で速やかに硬化させることができる。すなわち、チイラン基を有するエピスルフィド化合物は、エポキシ基を有するエポキシ化合物と比較して、チイラン基に由来してより一層低い温度で硬化可能である。
【0073】
上記エポキシ基又はチイラン基を有する熱硬化性化合物は、芳香族環を有することが好ましい。上記芳香族環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、テトラセン環、クリセン環、トリフェニレン環、テトラフェン環、ピレン環、ペンタセン環、ピセン環及びペリレン環等が挙げられる。なかでも、上記芳香族環は、ベンゼン環、ナフタレン環又はアントラセン環であることが好ましく、ベンゼン環又はナフタレン環であることがより好ましい。また、ナフタレン環は、平面構造を有するためにより一層速やかに硬化させることができるので好ましい。
【0074】
[光硬化性化合物]
光の照射によって硬化するように、上記異方性導電ペーストは、光硬化性化合物を含むことが好ましい。光の照射により光硬化性化合物を半硬化(Bステージ化)させ、異方性導電ペーストの流動性を低下させることができる。
【0075】
上記光硬化性化合物としては特に限定されず、(メタ)アクリロイル基を有する光硬化性化合物及び環状エーテル基を有する光硬化性化合物等が挙げられる。
【0076】
上記光硬化性化合物は、(メタ)アクリロイル基を有する光硬化性化合物であることが好ましい。(メタ)アクリロイル基を有する光硬化性化合物の使用により、電極間の導通信頼性をより一層高めることができる。電極間の導通信頼性を効果的に高める観点からは、上記光硬化性化合物は、(メタ)アクリロイル基を1個又は2個有することが好ましい。
【0077】
上記(メタ)アクリロイル基を有する光硬化性化合物としては、エポキシ基及びチイラン基を有さず、かつ(メタ)アクリロイル基を有する光硬化性化合物、及びエポキシ基又はチイラン基を有し、かつ(メタ)アクリロイル基を有する光硬化性化合物が挙げられる。
【0078】
上記(メタ)アクリロイル基を有する光硬化性化合物として、(メタ)アクリル酸と水酸基を有する化合物とを反応させて得られるエステル化合物、(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物とを反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレート、又はイソシアネートに水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート等が好適に用いられる。上記「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基とメタクリロイル基とを示す。上記「(メタ)アクリル」は、アクリルとメタクリルとを示す。上記「(メタ)アクリレート」は、アクリレートとメタクリレートとを示す。
【0079】
上記(メタ)アクリル酸と水酸基を有する化合物とを反応させて得られるエステル化合物は特に限定されない。該エステル化合物として、単官能のエステル化合物、2官能のエステル化合物及び3官能以上のエステル化合物のいずれも用いることができる。
【0080】
上記エポキシ基又はチイラン基を有し、かつ(メタ)アクリロイル基を有する光硬化性化合物は、エポキシ基を2個以上又はチイラン基を2個以上有する化合物の一部のエポキシ基又は一部のチイラン基を、(メタ)アクリロイル基に変換することにより得られた光硬化性化合物であることが好ましい。このような光硬化性化合物は、部分(メタ)アクリレート化エポキシ化合物又は部分(メタ)アクリレート化エピスルフィド化合物である。
【0081】
上記光硬化性化合物は、エポキシ基を2個以上又はチイラン基を2個以上有する化合物と、(メタ)アクリル酸との反応物であることが好ましい。この反応物は、エポキシ基を2個以上又はチイラン基を2個以上有する化合物と(メタ)アクリル酸とを、常法に従って塩基性触媒の存在下で反応することにより得られる。エポキシ基又はチイラン基の20%以上が(メタ)アクリロイル基に変換(転化率)されていることが好ましい。該転化率は、より好ましくは30%以上、好ましくは80%以下、より好ましくは70%以下である。エポキシ基又はチイラン基の40%以上、60%以下が(メタ)アクリロイル基に変換されていることが最も好ましい。
【0082】
上記部分(メタ)アクリレート化エポキシ化合物としては、ビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート、クレゾールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート、カルボン酸無水物変性エポキシ(メタ)アクリレート、及びフェノールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0083】
上記光硬化性化合物として、エポキシ基を2個以上又はチイラン基を2個以上有するフェノキシ樹脂の一部のエポキシ基又は一部のチイラン基を(メタ)アクリロイル基に変換した変性フェノキシ樹脂を用いてもよい。すなわち、エポキシ基又はチイラン基と(メタ)アクリロイル基とを有する変性フェノキシ樹脂を用いてもよい。
【0084】
また、上記光硬化性化合物は、架橋性化合物であってもよく、非架橋性化合物であってもよい。
【0085】
上記架橋性化合物の具体例としては、例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、グリセリンメタクリレートアクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸ビニル、ジビニルベンゼン、ポリエステル(メタ)アクリレート、及びウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0086】
上記非架橋性化合物の具体例としては、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート及びテトラデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0087】
光硬化性化合物と熱硬化性化合物との配合比は、光硬化性化合物と熱硬化性化合物との種類に応じて適宜調整される。上記異方性導電ペーストは、光硬化性化合物と熱硬化性化合物とを重量比で、1:99〜90:10で含むことが好ましく、5:95〜70:30で含むことがより好ましく、10:90〜50:50で含むことが更に好ましい。上記異方性導電ペーストは、光硬化性化合物と熱硬化性化合物とを重量比で、1:99〜50:50で含むことが特に好ましい。
【0088】
(熱硬化剤)
上記熱硬化剤は特に限定されない。上記熱硬化剤として、従来公知の熱硬化剤を用いることができる。上記熱硬化剤としては、イミダゾール硬化剤、アミン硬化剤、フェノール硬化剤、ポリチオール硬化剤及び酸無水物等が挙げられる。上記熱硬化剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0089】
異方性導電ペーストを低温でより一層速やかに硬化させることができるので、上記熱硬化剤は、イミダゾール硬化剤、ポリチオール硬化剤又はアミン硬化剤であることが好ましい。また、異方性導電ペーストの保存安定性を高めることができるので、潜在性の硬化剤が好ましい。該潜在性の硬化剤は、潜在性イミダゾール硬化剤、潜在性ポリチオール硬化剤又は潜在性アミン硬化剤であることが好ましい。上記熱硬化剤は、ポリウレタン樹脂又はポリエステル樹脂等の高分子物質で被覆されていてもよい。
【0090】
上記イミダゾール硬化剤としては、特に限定されず、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテート、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン及び2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物等が挙げられる。
【0091】
上記ポリチオール硬化剤としては、特に限定されず、トリメチロールプロパン トリス−3−メルカプトプロピオネート、ペンタエリスリトール テトラキス−3−メルカプトプロピオネート及びジペンタエリスリトール ヘキサ−3−メルカプトプロピオネート等が挙げられる。
【0092】
上記アミン硬化剤としては、特に限定されず、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラスピロ[5.5]ウンデカン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、メタフェニレンジアミン及びジアミノジフェニルスルホン等が挙げられる。
【0093】
上記熱硬化剤の含有量は特に限定されない。上記硬化性化合物中の上記熱硬化性化合物100重量部に対して、上記熱硬化剤の含有量は、好ましくは5重量部以上、より好ましくは10重量部以上、好ましくは40重量部以下、より好ましくは30重量部以下、更に好ましくは20重量部以下である。上記熱硬化剤の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、異方性導電ペーストを充分に熱硬化させることができる。
【0094】
(光硬化開始剤)
上記光硬化開始剤は特に限定されない。上記光硬化開始剤として、従来公知の光硬化開始剤を用いることができる。上記光硬化開始剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0095】
上記光硬化開始剤としては、特に限定されず、アセトフェノン光硬化開始剤、ベンゾフェノン光硬化開始剤、チオキサントン、ケタール光硬化開始剤、ハロゲン化ケトン、アシルホスフィノキシド及びアシルホスフォナート等が挙げられる。
【0096】
上記アセトフェノン光硬化開始剤の具体例としては、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、メトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、及び2−ヒドロキシ−2−シクロヘキシルアセトフェノン等が挙げられる。上記ケタール光硬化開始剤の具体例としては、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。
【0097】
上記光硬化開始剤の含有量は特に限定されない。上記硬化性化合物中の上記光硬化性化合物100重量部に対して、上記光硬化開始剤の含有量は、好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは0.2重量部以上、好ましくは2重量部以下、より好ましくは1重量部以下である。上記光硬化開始剤の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、異方性導電ペーストを適度に光硬化させることができる。異方性導電ペーストに光を照射し、Bステージ化することにより、異方性導電ペーストの流動を抑制できる。
【0098】
(導電性粒子)
上記異方性導電ペーストに含まれている導電性粒子は、第1,第2の接続対象部材の電極間を電気的に接続する。上記導電性粒子は、導電性を有する粒子であれば特に限定されない。導電性粒子の導電層の表面が絶縁層により被覆されていてもよい。この場合には、接続対象部材の接続時に、導電層と電極との間の絶縁層が排除される。上記導電性粒子としては、例えば、有機粒子、無機粒子、有機無機ハイブリッド粒子もしくは金属粒子等の表面を金属層で被覆した導電性粒子、並びに実質的に金属のみで構成される金属粒子等が挙げられる。上記金属層は特に限定されない。上記金属層としては、金層、銀層、銅層、ニッケル層、パラジウム層及び錫を含有する金属層等が挙げられる。
【0099】
電極間の導通信頼性をより一層高める観点からは、上記導電性粒子は、樹脂粒子と、該樹脂粒子の表面上に設けられた導電層とを有することが好ましい。
【0100】
導電性粒子の平均粒子径は、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1μm以上、好ましくは100μm以下、より好ましくは20μm以下、更に好ましくは15μm以下である。
【0101】
上記導電性粒子の「平均粒子径」は、数平均粒子径を示す。導電性粒子の平均粒子径は、任意の導電性粒子50個を電子顕微鏡又は光学顕微鏡にて観察し、平均値を算出することにより求められる。
【0102】
上記導電性粒子の含有量は特に限定されない。異方性導電ペースト100重量%中、上記導電性粒子の含有量は、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは0.5重量%以上、更に好ましくは1重量%以上、好ましくは40重量%以下、より好ましくは30重量%以下、更に好ましくは19重量%以下である。上記導電性粒子の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、接続されるべき上下の電極間に導電性粒子を容易に配置できる。さらに、接続されてはならない隣接する電極間が複数の導電性粒子を介して電気的に接続され難くなる。すなわち、隣り合う電極間の短絡をより一層防止できる。
【0103】
(他の成分)
上記異方性導電ペーストは、フィラーを含むことが好ましい。フィラーの使用により、異方性導電ペーストの硬化物の潜熱膨張を抑制できる。上記フィラーの具体例としては、シリカ、窒化アルミニウム及びアルミナ等が挙げられる。フィラーは1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0104】
上記異方性導電ペーストは、硬化促進剤をさらに含むことが好ましい。硬化促進剤の使用により、硬化速度をより一層速くすることができる。硬化促進剤は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0105】
上記硬化促進剤の具体例としては、イミダゾール硬化促進剤及びアミン硬化促進剤等が挙げられる。なかでも、イミダゾール硬化促進剤が好ましい。なお、イミダゾール硬化促進剤又はアミン硬化促進剤は、イミダゾール硬化剤又はアミン硬化剤としても用いることができる。
【0106】
上記異方性導電ペーストは、溶剤を含んでいてもよい。該溶剤の使用により、異方性導電ペーストの粘度を容易に調整できる。上記溶剤としては、例えば、酢酸エチル、メチルセロソルブ、トルエン、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、テトラヒドロフラン及びジエチルエーテル等が挙げられる。
【0107】
以下、本発明について、実施例および比較例を挙げて具体的に説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されない。
【0108】
実施例及び比較例では、以下の導電性粒子を用いた。
【0109】
(実施例1)
(1)異方性導電ペーストの調製
下記式(1B)で表される構造を有するエピスルフィド化合物を用意した。
【0110】
【化1】

【0111】
上記エピスルフィド化合物15重量部に、熱硬化剤であるアミンアダクト(味の素ファインテクノ社製「PN−23J」)4重量部と、光硬化性化合物であるエポキシアクリレート(ダイセル・サイテック社製「EBECRYL3702」)8重量部と、光重合開始剤であるアシルホスフィンオキサイド系化合物(BASF社製「DAROCUR TPO」)0.2重量部と、硬化促進剤である2−エチル−4−メチルイミダゾール1重量部と、フィラーであるアルミナ(平均粒子径0.5μm)10重量部とを配合し、さらに導電性粒子を配合物100重量%中での含有量が10重量%となるように添加した後、遊星式攪拌機を用いて2000rpmで5分間攪拌することにより、異方性導電ペーストを得た。
【0112】
なお、用いた上記導電性粒子は、ジビニルベンゼン樹脂粒子の表面にニッケルめっき層が形成されており、かつ該ニッケルめっき層の表面に金めっき層が形成されている金属層を有する導電性粒子である。
【0113】
(2)接続構造体の作製
L/Sが30μm/30μmのITO電極パターン(電極の高さ0.1μm)が上面に形成された透明なガラス基板(第1の接続対象部材、縦24mm×横52mm)を用意した。また、L/Sが30μm/30μmの金電極パターン(電極の高さ0.1μm)が下面に形成された半導体チップ(第2の接続対象部材、縦2mm×横15mm)を用意した。
【0114】
上記ガラス基板上に、得られた異方性導電ペーストを塗工し、異方性導電ペースト層を形成した。このとき、上記式(1)で表されるY値の3倍の量の異方性導電ペーストを用いた。
【0115】
次に、紫外線照射ランプを用いて、照射エネルギーが1500mJ/cmとなるように、異方性導電ペースト層に上方から紫外線を照射し、光重合によって異方性導電ペースト層を半硬化させ、Bステージ化した。次に、異方性導電ペースト層上に上記半導体チップを、電極同士が対向するように積層した。その後、異方性導電ペースト層の温度が185℃となるようにヘッドの温度を調整しながら、半導体チップの上面に加圧加熱ヘッドを載せ、3MPaの圧力をかけて異方性導電ペースト層を185℃で本硬化させ、接続構造体を得た。
【0116】
(実施例2)
異方性導電ペーストの調製の際に、エポキシアクリレートをウレタンアクリレート(ダイセル・サイテック社製「EBECRYL8804」)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、異方性導電ペーストを得た。得られた異方性導電ペーストを用いたこと以外は実施例1と同様にして接続構造体を得た。
【0117】
(実施例3)
異方性導電ペーストの調製の際に、エポキシアクリレートをウレタンアクリレート(ダイセル・サイテック社製「EBECRYL204」)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、異方性導電ペーストを得た。得られた異方性導電ペーストを用いたこと以外は実施例1と同様にして接続構造体を得た。
【0118】
(実施例4)
下記式(2B)で表されるエピスルフィド化合物を用意した。
【0119】
【化2】

【0120】
異方性導電ペーストの調製の際に、上記式(1B)で表されるエピスルフィド化合物を、上記式(2B)で表されるエピスルフィド化合物に変更したこと以外は実施例1と同様にして、異方性導電ペーストを得た。得られた異方性導電ペーストを用いたこと以外は実施例1と同様にして接続構造体を得た。
【0121】
(実施例5)
異方性導電ペーストの調製の際に、上記式(1B)で表されるエピスルフィド化合物を、エポキシアクリレート(共栄社化学社製「EBECRYL4820」)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、異方性導電ペーストを得た。得られた異方性導電ペーストを用いたこと以外は実施例1と同様にして接続構造体を得た。
【0122】
(実施例6〜13及び比較例1〜2)
接続構造体を作製する際に、用いた異方性導電ペーストの量と、Bステージ化された異方性導電ペースト層の厚みとを下記の表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、接続構造体を得た。
【0123】
(比較例3)
異方性導電ペーストの調製の際に、エポキシアクリレートと、光重合開始剤であるアシルホスフィンオキサイド系化合物とを用いなかったこと以外は実施例1と同様にして、異方性導電ペーストを得た。
【0124】
L/Sが30μm/30μmのITO電極パターン(電極の高さ0.1μm)が上面に形成された透明なガラス基板(第1の接続対象部材、縦24mm×横52mm)を用意した。また、L/Sが30μm/30μmの金電極パターン(電極の高さ0.1μm)が下面に形成された半導体チップ(第2の接続対象部材、縦2mm×横15mm)を用意した。
【0125】
上記ガラス基板上に、得られた異方性導電ペーストを塗工し、異方性導電ペースト層を形成した。異方性銅導電ペーストの塗工の際及び塗工の後に光を照射しなかった。
【0126】
次に、異方性導電ペースト層の上面に上記半導体チップを、電極同士が対向するように積層した。その後、異方性導電ペースト層の温度が185℃となるようにヘッドの温度を調整しながら、半導体チップの上面に加圧加熱ヘッドを載せ、3MPaの圧力をかけて異方性導電ペースト層を185℃で本硬化させ、接続構造体を得た。
【0127】
(評価)
(1)フィレットの有無
得られた接続構造体において、上記硬化物層が、上記第2の接続対象部材の外周側面よりも側方に張り出した領域を有し、上記第2の接続対象部材の外周側面よりも側方の領域に、上記硬化物層によるフィレットが形成されているか否かを評価した。また、フィレットが形成されている場合に、フィレットの角度αを測定した。
【0128】
(2)電極間における導電性粒子の捕捉率(導電性粒子の配置精度)
得られた接続構造体における対向する上下の電極間に存在する導電性粒子の数を光学顕微鏡にてカウントした。導電性粒子の捕捉率を下記の判定基準で判定した。
【0129】
[導電性粒子の捕捉率の判定基準]
○:各電極間に存在する粒子が10個以上
×:各電極間に存在する粒子が9個以下
【0130】
(3)導通性評価
得られた接続構造体を四端子法用にて、20箇所の抵抗値を4端子法にて評価した。導通信頼性を下記の判定基準で判定した。
【0131】
[導通信頼性の判定基準]
○:全ての箇所で抵抗値が3Ω以下にある
△:抵抗値が3Ω以上の箇所が1箇所以上ある
×:全く導通していない箇所が1箇所以上ある
【0132】
(4)絶縁性評価
得られた接続構造体の隣り合う電極20個においてリークが生じているか否かを、テスターで測定した。絶縁性を下記の判定基準で判定した。
【0133】
[絶縁性の判定基準]
○:リーク箇所が全くない
×:リーク箇所がある
【0134】
(5)接続信頼性
得られた接続構造体において、85℃及び85%RHの条件で1000時間放置する耐湿熱試験後に、導通信頼性を評価することにより、半島体チップとガラス基板との接続信頼性を評価した。接続信頼性を下記の判定基準で判定した。
【0135】
[接続信頼性の判定基準]
○:全ての箇所で抵抗値が3Ω以下にある
×:抵抗値が3Ω以上の箇所が1箇所以上ある
【0136】
(6)熱履歴を受けた場合の接続信頼性
得られた接続構造体100個を、−40℃で5分間保持し、次に125℃まで25分で昇温し、125℃で5分間保持した後、−40℃まで25分で降温する過程を1サイクルとする冷熱サイクル試験を実施した。1000サイクル後に、100個の接続構造体を取り出した。
【0137】
1000サイクルの冷熱サイクル試験後の100個の接続構造体について、上下の電極間の導通不良が生じているか否かを評価した。100個の接続構造体のうち、導通不良が生じている個数が1個以下である場合を「○○」、2個以上、3個以下である場合を「○」、4個を超える場合を「×」と判定した。
【0138】
(7)第1,第2の接続構対象部材における電極間の位置ずれ
得られた10個の接続構造体の中で、第1,第2の接続対象部材の電極間の位置ずれが生じていないか又は電極間の位置ずれが0.005mm未満である場合を「良好」、第1,第2の接続対象部材の位置ずれが0.005mm以上である場合を「不良」と判定した。
【0139】
良好と判定された接続構造体の割合から、電極間の位置ずれを下記の基準で判定した。なお、第1,第2の接続対象部材の位置ずれが大きいほど、接続信頼性が低くなる。
【0140】
[位置ずれの判定基準]
○○:10個の接続構造体中、良好と判定された接続構造体の割合が90%以上
○:10個の接続構造体中、良好と判定された接続構造体の割合が80%以上、90%未満
×:10個の接続構造体中、良好と判定された接続構造体の割合が80%未満
【0141】
(8)汚染の有無(異方性導電材層の流動性)
得られた接続構造体における硬化物層を観察して、該硬化物層が第2の接続対象部材外周より500μm外側の位置にあるか否かにより、硬化前及び硬化時における異方性導電材料層の流動性を評価した。
【0142】
異方性導電ペースト層が第2の接続対象部材外周より500μm外側まで濡れ拡がらずに硬化している場合を「○」、異方性導電ペースト層が第2の接続対象部材外周より500μm外側まで濡れ拡がって硬化しており、汚染が生じている場合を「×」と判定した。
【0143】
結果を下記の表1に示す。
【0144】
【表1】

【符号の説明】
【0145】
1…接続構造体
2…第1の接続対象部材
2a…上面
2b…第1の電極
3…硬化物層
3a…上面
3A…異方性導電ペースト層
3B…Bステージ化された異方性導電ペースト層
4…第2の接続対象部材
4a…下面
4b…第2の電極
5…導電性粒子
11…接続構造体
12…硬化物層
X…フィレット
Xa…上端
Xb…下端

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電極を上面に有する第1の接続対象部材上に、異方性導電ペーストを塗工して、異方性導電ペースト層を配置する工程と、
前記異方性導電ペースト層に光を照射することにより硬化を進行させて、Bステージ化された異方性導電ペースト層を形成する工程と、
前記Bステージ化された異方性導電ペースト層の上面に、第2の電極を下面に有する第2の接続対象部材を積層する工程と、
前記Bステージ化された異方性導電ペースト層を加熱して硬化させ、硬化物層を形成する工程とを備え、
前記異方性導電ペースト層を配置する工程において、前記異方性導電ペーストとして、硬化性化合物と熱硬化剤と光硬化開始剤と導電性粒子とを含む異方性導電ペーストを用い、かつ、下記式(1)で表されるY値の1.6倍を超え、6倍以下の量の異方性導電ペーストを用いる、接続構造体の製造方法。
Y値=(第1の電極の高さ+第2の電極の高さ)×接続領域の面積 ・・・式(1)
【請求項2】
前記第1の接続対象部材は、前記第2の接続対象部材の外周側面よりも側方に張り出した領域を有し、
前記硬化物層が、前記第2の接続対象部材の外周側面よりも側方に張り出した領域を有するように前記硬化物層を形成し、前記第2の接続対象部材の外周側面よりも側方の少なくとも一部の領域に、前記硬化物層によるフィレットを形成する、請求項1に記載の接続構造体の製造方法。
【請求項3】
前記Bステージ化された異方性導電ペースト層の厚みを、30μm以上、60μm以下にする、請求項1又は2に記載の接続構造体の製造方法。
【請求項4】
前記フィレットの角度を60度以下にする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の接続構造体の製造方法。
【請求項5】
前記異方性導電ペーストとして、熱硬化性化合物と光硬化性化合物と熱硬化剤と光硬化開始剤と導電性粒子とを含む異方性導電ペーストを用いる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の接続構造体の製造方法。
【請求項6】
第1の電極を上面に有する第1の接続対象部材と、
第2の電極を下面に有する第2の接続対象部材と、
前記第1の接続対象部材の上面と、前記第2の接続対象部材の下面との間に配置された硬化物層とを備え、
前記硬化物層が、硬化性化合物と熱硬化剤と光硬化開始剤と導電性粒子とを含む異方性導電ペーストを用いた異方性導電ペースト層に光を照射することにより硬化を進行させて、Bステージ化された異方性導電ペースト層を形成した後、該Bステージ化された異方性導電ペースト層を加熱して硬化させることにより形成されており、
前記異方性導電ペーストとして、下記式(1)で表されるY値の1.6倍を超え、6倍以下の量の異方性導電ペーストが用いられている、接続構造体。
Y値=(第1の電極の高さ+第2の電極の高さ)×接続領域の面積 ・・・式(1)
【請求項7】
前記第1の接続対象部材は、前記第2の接続対象部材の外周側面よりも側方に張り出した領域を有し、
前記硬化物層が、前記第2の接続対象部材の外周側面よりも側方に張り出した領域を有し、前記第2の接続対象部材の外周側面よりも側方の少なくとも一部の領域に、前記硬化物層によるフィレットが形成されている、請求項6に記載の接続構造体。
【請求項8】
前記硬化物層が、前記異方性導電ペースト層に光を照射することにより硬化を進行させて、厚みが30μm以上、60μm以下であるBステージ化された異方性導電ペースト層を形成した後、該Bステージ化された異方性導電ペースト層を加熱して硬化させることにより形成されている、請求項6又は7に記載の接続構造体。
【請求項9】
前記フィレットの角度が60度以下である、請求項6〜8のいずれか1項に記載の接続構造体。
【請求項10】
前記異方性導電ペーストが、熱硬化性化合物と光硬化性化合物と熱硬化剤と光硬化開始剤と導電性粒子とを含む異方性導電ペーストである、請求項6〜9のいずれか1項に記載の接続構造体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−178441(P2012−178441A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−40361(P2011−40361)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】