説明

接続構造体の製造方法

【課題】電極間の導通信頼性を高めることができる接続構造体の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る接続構造体1の製造方法は、電極2bを上面2aに有する第1の接続対象部材2上に、異方性導電材料層3Aを配置する工程と、異方性導電材料層3Aに光を照射することにより硬化を進行させて、異方性導電材料層3AをBステージ化する工程と、Bステージ化された異方性導電材料層3Bの上面3aに、電極4bを下面4aに有する第2の接続対象部材4をさらに積層する工程とを備える。異方性導電材料層3AをBステージ化する際に、Bステージ化された異方性導電材料層3Bの温度範囲23〜120℃における最低溶融粘度を示す温度での貯蔵弾性率G’を5×10Pa以上、1×10Pa以下にする。導電性粒子5の170℃で20%圧縮変形したときの圧縮弾性率は5.9×10N/mm以上、5.9×10N/mm以下である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の導電性粒子を含む異方性導電材料を用いた接続構造体の製造方法であって、例えば、フレキシブルプリント基板、ガラス基板、ガラスエポキシ基板及び半導体チップなどの様々な接続対象部材の電極間を電気的に接続する接続構造体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ペースト状又はフィルム状の異方性導電材料が広く知られている。該異方性導電材料では、バインダー樹脂などに複数の導電性粒子が分散されている。
【0003】
上記異方性導電材料は、各種の接続構造体を得るために、例えば、フレキシブルプリント基板とガラス基板との接続(FOG(Film on Glass))、半導体チップとフレキシブルプリント基板との接続(COF(Chip on Film))、半導体チップとガラス基板との接続(COG(Chip on Glass))、並びにフレキシブルプリント基板とガラスエポキシ基板との接続(FOB(Film on Board)等に使用されている。
【0004】
また、上記接続構造体の製造方法の一例として、第一の回路電極を有する第一の回路部材と、第二の回路電極を有し、テープキャリアパッケージ又はフレキシブルプリント基板を構成する第二の回路部材とを、上記第一の回路電極と上記第二の回路電極とを対向配置させた状態で、異方性導電材料により接続する接続構造体の製造方法が開示されている。また、特許文献1には、熱硬化性組成物と光硬化性組成物とを含有する異方性導電材料としてフィルム状回路接続材料を用いて、該フィルム状回路接続材料に光を照射して、光硬化性樹脂組成物を硬化させて、フィルム状回路接続材料の流動性を低下させ、次に本接続時にフィルム状回路接続材料を加熱して、熱硬化性樹脂組成物を硬化させる方法が記載されている。
【0005】
また、上記接続構造体の製造に用いる異方性導電材料として、下記の特許文献2には、樹脂粒子の表面が導電性薄膜により被覆された導電性粒子を含む異方性導電フィルムが開示されている。ここでは、上記樹脂粒子の室温で10%圧縮変形したときのK値(10%K値)が1×10〜2×10kgf/mmであること、上記樹脂粒子の室温で10%圧縮変形したときの回復率が5%以上であることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−235530号公報
【特許文献2】特許第3379456号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の接続構造体の製造方法では、異方性導電材料中の導電性粒子を除く成分が、導電性粒子と電極との間から十分に排除されないことがある。さらに、特許文献1に記載の接続構造体の製造方法では、電極間の電気的な接続の際に、異方性導電材料及び該異方性導電材料に含まれている導電性粒子が、硬化前に大きく流動することがある。このため、異方性導電材料により形成された硬化物層及び導電性粒子を特定の領域に配置できないことがある。さらに、接続されるべき上下の電極間に導電性粒子を配置できなかったり、接続されてはならない隣接する電極間が複数の導電性粒子を介して電気的に接続されたりすることがある。このため、得られる接続構造体の導通信頼性が低いことがある。
【0008】
さらに、特許文献2に記載のように、導電性粒子の室温での10%K値及び回復率を制御したとしても、電極間が導電性粒子により確実に接続されなかったり、硬化物層にボイドが生じたりして、得られる接続構造体の導通信頼性が低くなることがある。硬化物層にボイドがあると、電極間の導通信頼性が低下するだけでなく、半導体チップ又はガラス基板などの接続対象部材と硬化物層との接続信頼性も低くなる。
【0009】
さらに、従来の異方性導電材料を電極間の接続に用いた接続構造体に、冷熱サイクルなどの熱衝撃が与えられると、電極間の導通信頼性が低下することがある。すなわち、従来の異方性導電材料を用いた接続構造体では、耐熱衝撃特性が低いことがある。
【0010】
本発明の目的は、電極間の導通信頼性を高めることができる接続構造体の製造方法を提供することである。
【0011】
本発明の限定的な目的は、異方性導電材料が硬化した硬化物層にボイドを生じ難くすることができる接続構造体の製造方法を提供することである。
【0012】
本発明のさらに限定的な目的は、冷熱サイクルなどの熱衝撃に対する接続構造体の耐熱衝撃特性を高めることができる接続構造体の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の広い局面によれば、電極を上面に有する第1の接続対象部材上に、硬化性化合物と、熱硬化剤と、光硬化開始剤と、導電性粒子とを含有する異方性導電材料を用いた異方性導電材料層を配置する工程と、上記異方性導電材料層に光を照射することにより硬化を進行させて、上記異方性導電材料層をBステージ化する工程と、Bステージ化された異方性導電材料層の上面に、電極を下面に有する第2の接続対象部材をさらに積層する工程とを備え、上記異方性導電材料層をBステージ化する工程において、上記Bステージ化された異方性導電材料層の温度範囲23〜120℃における最低溶融粘度を示す温度での貯蔵弾性率G’が5×10Pa以上、1×10Pa以下となるように、上記異方性導電材料層に光を照射し、上記導電性粒子として、170℃で20%圧縮変形したときの圧縮弾性率が5.9×10N/mm以上、5.9×10N/mm以下である導電性粒子を用いる、接続構造体の製造方法が提供される。
【0014】
本発明に係る接続構造体の製造方法のある特定の局面では、上記Bステージ化された異方性導電材料層に熱を付与して硬化させ、硬化物層を形成する工程がさらに備えられる。
【0015】
本発明に係る接続構造体の製造方法の他の特定の局面では、上記硬化物層を形成する工程において、上記硬化物層の25℃での弾性率E’が0.8MPa以上、5MPa以下となるように、上記Bステージ化された異方性導電材料層を硬化させる。
【0016】
本発明に係る接続構造体の製造方法の他の特定の局面では、上記異方性導電材料として、熱硬化性化合物と光硬化性化合物と熱硬化剤と光硬化開始剤と導電性粒子とを含む異方性導電材料が用いられる。
【0017】
本発明に係る接続構造体の製造方法のさらに他の特定の局面では、上記異方性導電材料として、上記光硬化性化合物と上記熱硬化性化合物とを重量比で、1:99〜50:50で含む異方性導電材料が用いられる。
【0018】
本発明に係る接続構造体の製造方法では、上記異方性導電材料として、異方性導電フィルムを用いてもよく、異方性導電ペーストを用いてもよい。本発明に係る接続構造体の製造方法では、上記異方性導電材料として、異方性導電ペーストを用いることが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る接続構造体の製造方法では、硬化性化合物と熱硬化剤と光硬化開始剤と導電性粒子とを含む異方性導電材料を用いた異方性導電材料層に光を照射することにより硬化を進行させて、上記異方性導電材料層をBステージ化するので、更に、上記Bステージ化された異方性導電材料層の温度範囲23〜120℃における最低溶融粘度を示す温度での貯蔵弾性率G’が5×10Pa以上、1×10Pa以下となるように上記異方性導電材料層に光を照射し、しかも上記導電性粒子として、170℃で20%圧縮変形したときの圧縮弾性率が5.9×10N/mm以上、5.9×10N/mm以下である導電性粒子を用いるので、第1,第2の接続対象部材における電極間の接続時に、異方性導電材料中の導電性粒子を除く成分を、電極と導電性粒子との間から排除して、電極と導電性粒子とを精度よく接触させることができる。このため、接続構造体における電極間の導通信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る接続構造体の製造方法により得られた接続構造体を模式的に示す部分切欠正面断面図である。
【図2】図2(a)〜(c)は、本発明の一実施形態に係る接続構造体の製造方法の各工程を説明するための部分切欠正面断面図である。
【図3】図3は、電極に形成された凹部を説明するための模式図である。
【図4】図4(a)〜(d)は、実施例及び比較例の接続構造体において、圧痕状態の評価における各判定基準で判定された圧痕状態の一例を示す画像である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しつつ本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
【0022】
図1に、本発明の一実施形態に係る接続構造体の製造方法により得られた接続構造体を模式的に部分切欠正面断面図で示す。
【0023】
図1に示す接続構造体1は、第1の接続対象部材2と、第2の接続対象部材4と、第1,第2の接続対象部材2,4を接続している接続部3とを備える。接続部3は、硬化物層である。接続部3は、硬化性化合物と熱硬化剤と光硬化開始剤と導電性粒子5とを含む異方性導電材料を硬化させることにより形成されている。上記異方性導電材料は、複数の導電性粒子5を含む。
【0024】
第1の接続対象部材2は上面2aに、複数の電極2bを有する。第2の接続対象部材4は下面4aに、複数の電極4bを有する。電極2bと電極4bとが、1つ又は複数の導電性粒子5により電気的に接続されている。
【0025】
接続構造体1では、第1の接続対象部材2としてガラス基板が用いられており、第2の接続対象部材4として半導体チップが用いられている。第1,第2の接続対象部材は、特に限定されない。第1,第2の接続対象部材としては、具体的には、半導体チップ、コンデンサ及びダイオード等の電子部品、並びにプリント基板、フレキシブルプリント基板、ガラス基板及びガラスエポキシ基板等の回路基板等が挙げられる。上記異方性導電材料は、電子部品又は回路基板の接続に用いられる異方性導電材料であることが好ましい。
【0026】
図1に示す接続構造体1は、例えば、以下のようにして得ることができる。
【0027】
図2(a)に示すように、電極2bを上面2aに有する第1の接続対象部材2を用意する。次に、第1の接続対象部材2の上面2aに、硬化性化合物と熱硬化剤と光硬化開始剤と導電性粒子5を含む異方性導電材料を用いて、第1の接続対象部材2の上面2aに異方性導電材料層3Aを配置する。このとき、電極2b上に、1つ又は複数の導電性粒子5が配置されていることが好ましい。上記異方性導電材料として異方性導電ペーストを用いる場合には、異方性導電ペーストの配置は、異方性導電ペーストの塗布により行われる。また、上記異方性導電材料層は、異方性導電ペースト層になる。
【0028】
また、接続構造体1を作製する際には、導電性粒子5として、170℃で20%圧縮変形したときの圧縮弾性率(20%K値)が5.9×10N/mm以上、5.9×10N/mm以下である導電性粒子を用いる。上記圧縮弾性率は、導電性粒子の直径が20%変位したときの圧縮弾性率である。
【0029】
次に、異方性導電材料層3Aに光を照射することにより、異方性導電材料層3Aの硬化を進行させる。異方性導電材料層3Aの硬化を進行させて、異方性導電材料層3AをBステージ化する。図2(b)に示すように、異方性導電材料層3AのBステージ化により、第1の接続対象部材2の上面2aに、Bステージ化された異方性導電材料層3Bを形成する。
【0030】
異方性導電材料層3Aの硬化を進行させて、異方性導電材料層3AをBステージ化する際に、Bステージ化された異方性導電材料層3Bの温度範囲23〜120℃における最低溶融粘度を示す温度での貯蔵弾性率G’が5×10Pa以上、1×10Pa以下となるように、異方性導電材料層3Aに光を照射する。170℃での上記20%K値が特定の上記範囲内にある導電性粒子を用いて、かつBステージ化された異方性導電材料層3Bの上記温度での上記貯蔵弾性率G’を特定の上記範囲内にすることによって、異方性導電材料層中の導電性粒子を除く成分を電極と導電性粒子との間から排除して、電極と導電性粒子とを効果的に接触させることができる。さらに、電極に導電性粒子が押し込まれた凹部を形成することができる。図3に示すように、導電性粒子5が押し込まれることによって、電極2bに凹部2cを形成することも可能である。なお、電極4bに凹部を形成してもよい。さらに、170℃での上記20%K値が特定の上記範囲内にある導電性粒子を用いて、かつBステージ化された異方性導電材料層3Bの上記温度での上記貯蔵弾性率G’を特定の上記範囲内にすることによって、異方性導電材料が硬化した硬化物層にボイドが生じるのを抑制することもできる。従って、得られる接続構造体における電極間の導通信頼性を高めることができる。なお、上記導電性粒子を除く成分としては、硬化性化合物、熱硬化剤及び光硬化開始剤等が挙げられる。
【0031】
また、170℃での上記20%K値が特定の上記範囲内にある導電性粒子を用いることによって、冷熱サイクルなどの熱衝撃に対する接続構造体の耐熱衝撃特性を高めることができる。
【0032】
さらに、Bステージ化された異方性導電材料層3Bの上記温度での上記貯蔵弾性率G’を特定の上記範囲内にすることによって、異方性導電材料層に含まれている導電性粒子の流動を充分に抑制できる。このため、電極間に、導電性粒子が配置されやすくなる。さらに、第1の接続対象部材又は第2の接続対象部材の外周面よりも側方の領域に、導電性粒子が意図せずに流動するのを抑制できる。このため、第1,第2の接続対象部材の電極間を電気的に接続した場合に、導通信頼性を高めることができる。例えば、接続されるべき上下の電極間を導電性粒子により容易に接続でき、かつ接続されてはならない隣り合う電極間が複数の導電性粒子を介して接続されるのを抑制できる。
【0033】
導電性粒子の170℃での上記20%K値は5.9×10N/mm以上、5.9×10N/mm以下である。接続構造体の耐熱衝撃特性をより一層高める観点からは、導電性粒子の170℃での上記20%K値は好ましくは9.8×10N/mm以上、好ましくは4.4×10N/mm以下である。20%K値が上記下限以上であると、圧縮変形した際に導電性粒子が破壊され難くなる。20%K値が上記上限以下であると、電極間の接続抵抗がより一層低くなる。上記20%K値が高すぎると、電極付近で、硬化物層の剥離が生じやすくなり、ボイドが生じやすくなる。
【0034】
なお、導電性粒子の170℃での上記20%K値を測定する際の導電性粒子の温度を170℃としたのは、Bステージ化された異方性導電材料層上に第2の接続対象部材を積層して、接続する際の加熱温度が、150℃以上、好ましくは250℃以下、より好ましくは200℃以下であり、最も好ましくは170℃であるためである。
【0035】
上記圧縮弾性率(20%K値)は、以下のようにして測定できる。
【0036】
微小圧縮試験機を用いて、直径50μmのダイアモンド製円柱の平滑圧子端面で、圧縮速度2.6mN/秒、及び最大試験荷重10gの条件下で導電性粒子を圧縮する。このときの荷重値(N)及び圧縮変位(mm)を測定する。得られた測定値から、上記圧縮弾性率を下記式により求めることができる。上記微小圧縮試験機として、例えば、フィッシャー社製「フィッシャースコープH−100」等が用いられる。
【0037】
K値(N/mm)=(3/21/2)・F・S−3/2・R−1/2
F:導電性粒子が20%圧縮変形したときの荷重値(N)
S:導電性粒子が20%圧縮変形したときの圧縮変位(mm)
R:導電性粒子の半径(mm)
【0038】
接続構造体における電極間の導通信頼性をより一層高め、かつ接続構造体の耐熱衝撃特性をより一層高める観点からは、上記Bステージ化された硬化物層の温度範囲23〜120℃における最低溶融粘度を示す温度での貯蔵弾性率G’は、好ましくは1×10Pa以上、好ましくは5×10Pa以下である。上記貯蔵弾性率G’が低すぎると、Bステージ化された異方性導電材料層に熱が付与されたときに、Bステージ化された異方性導電材料層が過度に流動しやすくなる。この結果、導電性粒子が意図しない領域に移動することがある。上記貯蔵弾性率G’が高すぎると、異方性導電材料中の導電性粒子を除く成分を、導電性粒子と電極との間から効果的に排除できないことがある。
【0039】
上記最低溶融粘度を示す温度は、回転型動的粘弾性測定装置を用いて、周波数1Hzの条件にて20℃から120℃まで昇温速度5℃/分で、Bステージ化した異方性導電材料層を加熱することにより測定される。上記最低溶融粘度は、23〜120℃の全領域で最も低い値を示した粘度を示す。上記溶融粘度測定装置として、レオロジカ社製「VAR−100」)等が用いられる。
【0040】
上記貯蔵弾性率G’は、回転型動的粘弾性測定装置を用いて、周波数1Hzの条件にて測定される。上記回転型動的粘弾性測定装置として、レオロジカ社製「VAR−100」等が用いられる。
【0041】
なお、上記貯蔵弾性率G’の測定温度を、温度範囲23〜120℃における最低溶融粘度を示す温度とした理由の一つとして、Bステージ化された異方性導電材料層に熱を付与して硬化させる際に、Bステージ化された異方性導電材料層が室温(23℃)から加熱されることがあり、更に加熱温度が120℃を超えることが挙げられる。
【0042】
第1の接続対象部材2の上面2aに、異方性導電材料を配置しながら、異方性導電材料層3Aに光を照射することが好ましい。さらに、第1の接続対象部材2の上面2aへの異方性導電材料の配置と同時に、又は配置の直後に、異方性導電材料層3Aに光を照射することも好ましい。配置と光の照射とが上記のように行われた場合には、異方性導電材料層の流動をより一層抑制できる。このため、得られた接続構造体1における導通信頼性をより一層高めることができる。第1の接続対象部材2の上面2aに異方性導電材料を配置してから光を照射するまでの時間は、0秒以上、好ましくは3秒以下、より好ましくは2秒以下である。
【0043】
光の照射により異方性導電材料層3AをBステージ化させるために、異方性導電材料層3Aの硬化を適度に進行させるための光照射強度は、例えば、好ましくは1〜3000mW/cm程度である。また、異方性導電材料層3Aの硬化を適度に進行させるための光の照射エネルギーは、例えば、好ましくは1000〜30000mJ/cm程度である。
【0044】
光を照射する際に用いる光源は特に限定されない。該光源としては、例えば、波長420nm以下に充分な発光分布を有する光源等が挙げられる。また、光源の具体例としては、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、及びメタルハライドランプ等が挙げられる。
【0045】
次に、図2(c)に示すように、Bステージ化された異方性導電材料層3Bの上面3aに、第2の接続対象部材4を積層する。第1の接続対象部材2の上面2aの電極2bと、第2の接続対象部材4の下面4aの電極4bとが対向するように、第2の接続対象部材4を積層する。
【0046】
さらに、第2の接続対象部材4の積層の際に、異方性導電材料層3Bに熱を付与することにより、Bステージ化された異方性導電材料層3Bをさらに硬化させ、硬化物層である接続部3を形成する。ただし、第2の接続対象部材4の積層の前に、異方性導電材料層3Bに熱を付与してもよい。第2の接続対象部材4の積層の後に、異方性導電材料層3Bに熱を付与し完全に硬化させることが好ましい。
【0047】
上記硬化物層を形成する工程において、上記硬化物層の25℃での弾性率E’が0.8MPa以上、5MPa以下となるように、上記Bステージ化された異方性導電材料層を硬化させることが好ましい。上記硬化物層の25℃での弾性率E’を特定の上記範囲内にすることによって、接続構造体における電極間の導通信頼性を高めることができる。
【0048】
さらに、上記硬化物層の25℃での弾性率E’を特定の上記範囲内にすることによって、冷熱サイクルなど熱衝撃に対する接続構造体の耐熱衝撃特性を高めることもできる。特に、上記硬化物層の25℃での弾性率E’が特定の上記範囲内であると、得られた接続構造体において、圧縮後の導電性粒子が圧縮前の元の形状に戻ろうとする過度な反発力を十分に抑えることができる。この結果、接続構造体における電極間の導通信頼性が高くなる。
【0049】
接続構造体における電極間の導通信頼性をより一層高め、かつ接続構造体の耐熱衝撃特性をより一層高める観点からは、上記硬化物層の25℃での弾性率E’は、好ましくは1MPa以上、好ましくは3MPa以下である。
【0050】
上記弾性率E’は、動的粘弾性測定装置を用いて、つかみ間長:20mm、温度条件を初期温度:室温、加熱終了温度200℃、昇温速度:5℃/分、データ取り込み間隔として、下限弾性率:10Pa、下限動力:0.008N、測定周波数10Hz、歪(E>108):0.1%、静/動力比:0、上限伸び率:50%、伸び指数:1の条件にて測定される。上記動的粘弾性測定装置として、ティー・エイ・インスツルメント社製「RSAII」等が用いられる。
【0051】
熱の付与により異方性導電材料層3Bを硬化させる場合には、異方性導電材料層3Bを充分に硬化させるための加熱温度は好ましくは150℃以上、好ましくは250℃以下、より好ましくは200℃以下である。
【0052】
異方性導電材料層3Bを硬化させる際に、加圧することが好ましい。加圧によって電極2bと電極4bとで導電性粒子5を圧縮することにより、電極2b,4bと導電性粒子5との接触面積を大きくすることができる。このため、導通信頼性を高めることができる。
【0053】
異方性導電材料層3Bを硬化させることにより、第1の接続対象部材2と第2の接続対象部材4とが、接続部3を介して接続される。また、電極2bと電極4bとが、導電性粒子5を介して電気的に接続される。このようにして、図1に示す接続構造体1を得ることができる。本実施形態では、光硬化と熱硬化とが併用されているため、異方性導電材料を短時間で硬化させることができる。
【0054】
上記異方性導電材料は、異方性導電フィルムであってもよく、異方性導電ペーストであってもよい。上記異方性導電材料は、ペースト状の異方性導電ペーストであることが好ましい。異方性導電ペーストを用いる場合には、異方性導電フィルムを用いる場合と比較して、導電性粒子が流動しやすく、導通信頼性が低くなる傾向がある。本発明に係る接続構造体により、異方性導電ペーストを用いたとしても、導通信頼性を十分に高めることができる。
【0055】
本発明に係る接続構造体の製造方法は、例えば、フレキシブルプリント基板とガラス基板との接続(FOG(Film on Glass))、半導体チップとフレキシブルプリント基板との接続(COF(Chip on Film))、半導体チップとガラス基板との接続(COG(Chip on Glass))、又はフレキシブルプリント基板とガラスエポキシ基板との接続(FOB(Film on Board))等に使用できる。なかでも、本発明に係る接続構造体の製造方法は、COG用途に好適である。本発明に係る接続構造体の製造方法では、上記第1の接続対象部材と上記第2の接続対象部材として、半導体チップとガラス基板とを用いることが好ましい。
【0056】
COG用途では、特に、半導体チップとガラス基板との電極間を、異方性導電材料の導電性粒子により確実に接続することが困難なことが多い。例えば、COG用途の場合には、半導体チップの隣り合う電極間、及びガラス基板の隣り合う電極間の間隔が10〜20μm程度であることがあり、微細な配線が形成されていることが多い。微細な配線が形成されていても、本発明に係る接続構造体の製造方法により、導電性粒子を電極間に精度よく配置することができることから、半導体チップとガラス基板との電極間を高精度に接続することができ、導通信頼性を高めることができる。
【0057】
本発明に係る接続構造体の製造方法に用いられる異方性導電材料は、硬化性化合物と、熱硬化剤と、光硬化開始剤と、導電性粒子とを含む。異方性導電材料の硬化性及び反応率を容易に制御する観点からは、上記硬化性化合物は、熱硬化性化合物と、光硬化性化合物とを含むことが好ましい。
【0058】
以下、上記異方性導電材料に含まれている各成分の詳細を説明する。
【0059】
[熱硬化性化合物]
上記熱硬化性化合物は熱硬化性を有する。上記熱硬化性化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0060】
上記熱硬化性化合物としては、エポキシ化合物、エピスルフィド化合物、(メタ)アクリル化合物、フェノール化合物、アミノ化合物、不飽和ポリエステル化合物、ポリウレタン化合物、シリコーン化合物及びポリイミド化合物等が挙げられる。上記熱硬化性化合物は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0061】
上記異方性導電材料の硬化を容易に制御したり、接続構造体における導通信頼性をより一層高めたりする観点からは、上記硬化性化合物は、エポキシ基又はチイラン基を有する熱硬化性化合物を含むことが好ましく、チイラン基を有する熱硬化性化合物を含むことがより好ましい。エポキシ基を有する熱硬化性化合物は、エポキシ化合物である。チイラン基を有する熱硬化性化合物は、エピスルフィド化合物である。異方性導電材料の硬化性を高める観点からは、上記熱硬化性化合物100重量%中、上記エポキシ基又はチイラン基を有する化合物の含有量は、好ましくは10重量%以上、より好ましくは20重量%以上、100重量%以下である。上記熱硬化性化合物の全量が上記エポキシ基又はチイラン基を有する化合物であってもよい。
【0062】
上記エピスルフィド化合物は、エポキシ基ではなくチイラン基を有するので、低温で速やかに硬化させることができる。すなわち、チイラン基を有するエピスルフィド化合物は、エポキシ基を有するエポキシ化合物と比較して、チイラン基に由来してより一層低い温度で硬化可能である。
【0063】
上記エポキシ基又はチイラン基を有する熱硬化性化合物は、芳香族環を有することが好ましい。上記芳香族環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、テトラセン環、クリセン環、トリフェニレン環、テトラフェン環、ピレン環、ペンタセン環、ピセン環及びペリレン環等が挙げられる。なかでも、上記芳香族環は、ベンゼン環、ナフタレン環又はアントラセン環であることが好ましく、ベンゼン環又はナフタレン環であることがより好ましい。また、ナフタレン環は、平面構造を有するためにより一層速やかに硬化させることができるので好ましい。
【0064】
[光硬化性化合物]
光の照射によって硬化するように、上記異方性導電材料は、光硬化性化合物を含むことが好ましい。光の照射により光硬化性化合物を半硬化(Bステージ化)させ、硬化性化合物の流動性を低下させることができる。
【0065】
上記光硬化性化合物としては特に限定されず、(メタ)アクリロイル基を有する光硬化性化合物及び環状エーテル基を有する光硬化性化合物等が挙げられる。
【0066】
上記光硬化性化合物は、(メタ)アクリロイル基を有する光硬化性化合物であることが好ましい。(メタ)アクリロイル基を有する光硬化性化合物の使用により、Bステージ化した異方性導電材料層の各部分における反応率を好適な範囲に制御することが容易になり、得られる接続構造体の導通信頼性をより一層高めることができる。
【0067】
Bステージ化した異方性導電材料層の反応率を容易に制御し、更に得られる接続構造体の導通信頼性をより一層高める観点からは、上記光硬化性化合物は、(メタ)アクリロイル基を1個又は2個有することが好ましい。
【0068】
上記(メタ)アクリロイル基を有する光硬化性化合物としては、エポキシ基及びチイラン基を有さず、かつ(メタ)アクリロイル基を有する光硬化性化合物、及びエポキシ基又はチイラン基を有し、かつ(メタ)アクリロイル基を有する光硬化性化合物が挙げられる。
【0069】
上記(メタ)アクリロイル基を有する光硬化性化合物として、(メタ)アクリル酸と水酸基を有する化合物とを反応させて得られるエステル化合物、(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物とを反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレート、又はイソシアネートに水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート等が好適に用いられる。上記「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基とメタクリロイル基とを示す。上記「(メタ)アクリル」は、アクリルとメタクリルとを示す。上記「(メタ)アクリレート」は、アクリレートとメタクリレートとを示す。
【0070】
上記(メタ)アクリル酸と水酸基を有する化合物とを反応させて得られるエステル化合物は特に限定されない。該エステル化合物として、単官能のエステル化合物、2官能のエステル化合物及び3官能以上のエステル化合物のいずれも用いることができる。
【0071】
上記エポキシ基又はチイラン基を有し、かつ(メタ)アクリロイル基を有する光硬化性化合物は、エポキシ基を2個以上又はチイラン基を2個以上有する化合物の一部のエポキシ基又は一部のチイラン基を、(メタ)アクリロイル基に変換することにより得られた光硬化性化合物であることが好ましい。このような光硬化性化合物は、部分(メタ)アクリレート化エポキシ化合物又は部分(メタ)アクリレート化エピスルフィド化合物である。
【0072】
光硬化性化合物は、エポキシ基を2個以上又はチイラン基を2個以上有する化合物と、(メタ)アクリル酸との反応物であることが好ましい。この反応物は、エポキシ基を2個以上又はチイラン基を2個以上有する化合物と(メタ)アクリル酸とを、常法に従って塩基性触媒の存在下で反応することにより得られる。エポキシ基又はチイラン基の20%以上が(メタ)アクリロイル基に変換(転化率)されていることが好ましい。該転化率は、より好ましくは30%以上、好ましくは80%以下、より好ましくは70%以下である。エポキシ基又はチイラン基の40%以上、60%以下が(メタ)アクリロイル基に変換されていることが最も好ましい。
【0073】
上記部分(メタ)アクリレート化エポキシ化合物としては、ビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート、クレゾールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート、カルボン酸無水物変性エポキシ(メタ)アクリレート、及びフェノールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0074】
光硬化性化合物として、エポキシ基を2個以上又はチイラン基を2個以上有するフェノキシ樹脂の一部のエポキシ基又は一部のチイラン基を(メタ)アクリロイル基に変換した変性フェノキシ樹脂を用いてもよい。すなわち、エポキシ基又はチイラン基と(メタ)アクリロイル基とを有する変性フェノキシ樹脂を用いてもよい。
【0075】
また、上記光硬化性化合物は、架橋性化合物であってもよく、非架橋性化合物であってもよい。
【0076】
上記架橋性化合物の具体例としては、例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、グリセリンメタクリレートアクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸ビニル、ジビニルベンゼン、ポリエステル(メタ)アクリレート、及びウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0077】
上記非架橋性化合物の具体例としては、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート及びテトラデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0078】
光硬化性化合物と熱硬化性化合物との配合比は、光硬化性化合物と熱硬化性化合物との種類に応じて適宜調整される。上記異方性導電材料は、光硬化性化合物と熱硬化性化合物とを重量比で、1:99〜90:10で含むことが好ましく、5:95〜70:30で含むことがより好ましく、10:90〜50:50で含むことが更に好ましい。上記異方性導電材料は、光硬化性化合物と前記熱硬化性化合物とを重量比で、1:99〜50:50で含むことが特に好ましい。
【0079】
(熱硬化剤)
上記熱硬化剤は特に限定されない。上記熱硬化剤として、従来公知の熱硬化剤を用いることができる。上記熱硬化剤としては、イミダゾール硬化剤、アミン硬化剤、フェノール硬化剤、ポリチオール硬化剤及び酸無水物等が挙げられる。上記熱硬化剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0080】
異方性導電材料を低温でより一層速やかに硬化させることができるので、上記熱硬化剤は、イミダゾール硬化剤、ポリチオール硬化剤又はアミン硬化剤であることが好ましい。また、異方性導電材料の保存安定性を高めることができるので、潜在性の硬化剤が好ましい。該潜在性の硬化剤は、潜在性イミダゾール硬化剤、潜在性ポリチオール硬化剤又は潜在性アミン硬化剤であることが好ましい。上記熱硬化剤は、ポリウレタン樹脂又はポリエステル樹脂等の高分子物質で被覆されていてもよい。
【0081】
上記イミダゾール硬化剤としては、特に限定されず、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテート、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン及び2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物等が挙げられる。
【0082】
上記ポリチオール硬化剤としては、特に限定されず、トリメチロールプロパン トリス−3−メルカプトプロピオネート、ペンタエリスリトール テトラキス−3−メルカプトプロピオネート及びジペンタエリスリトール ヘキサ−3−メルカプトプロピオネート等が挙げられる。
【0083】
上記アミン硬化剤としては、特に限定されず、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラスピロ[5.5]ウンデカン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、メタフェニレンジアミン及びジアミノジフェニルスルホン等が挙げられる。
【0084】
上記熱硬化剤の含有量は特に限定されない。上記硬化性化合物中の上記熱硬化性化合物100重量部に対して、上記熱硬化剤の含有量は、好ましくは5重量部以上、より好ましくは10重量部以上、好ましくは40重量部以下、より好ましくは30重量部以下、更に好ましくは20重量部以下である。上記熱硬化剤の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、異方性導電材料を充分に熱硬化させることができる。
【0085】
(光硬化開始剤)
上記光硬化開始剤は特に限定されない。上記光硬化開始剤として、従来公知の光硬化開始剤を用いることができる。上記光硬化開始剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0086】
上記光硬化開始剤としては、特に限定されず、アセトフェノン光硬化開始剤、ベンゾフェノン光硬化開始剤、チオキサントン、ケタール光硬化開始剤、ハロゲン化ケトン、アシルホスフィノキシド及びアシルホスフォナート等が挙げられる。
【0087】
上記アセトフェノン光硬化開始剤の具体例としては、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、メトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、及び2−ヒドロキシ−2−シクロヘキシルアセトフェノン等が挙げられる。上記ケタール光硬化開始剤の具体例としては、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。
【0088】
上記光硬化開始剤の含有量は特に限定されない。上記硬化性化合物中の上記光硬化性化合物100重量部に対して、上記光硬化開始剤の含有量は、好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは0.2重量部以上、好ましくは2重量部以下、より好ましくは1重量部以下である。上記光硬化開始剤の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、異方性導電材料を適度に光硬化させることができる。異方性導電材料に光を照射し、Bステージ化することにより、異方性導電材料の流動を抑制できる。
【0089】
(導電性粒子)
上記異方性導電材料に含まれている導電性粒子は、第1,第2の接続対象部材の電極間を電気的に接続する。上記導電性粒子は、導電性を有する粒子であれば特に限定されない。導電性粒子の導電層の表面が絶縁層により被覆されていてもよい。この場合には、接続対象部材の接続時に、導電層と電極との間の絶縁層が排除される。上記導電性粒子としては、例えば、有機粒子、無機粒子、有機無機ハイブリッド粒子もしくは金属粒子等の表面を金属層で被覆した導電性粒子、並びに実質的に金属のみで構成される金属粒子等が挙げられる。上記金属層は特に限定されない。上記金属層としては、金層、銀層、銅層、ニッケル層、パラジウム層及び錫を含有する金属層等が挙げられる。
【0090】
電極間の導通信頼性をより一層高める観点からは、上記導電性粒子は、樹脂粒子と、該樹脂粒子の表面上に設けられた導電層とを有することが好ましい。
【0091】
接続構造体における電極間の導通信頼性をより一層高め、接続構造体の耐熱衝撃特性をより一層高める観点からは、25℃での導電性粒子の圧縮回復率は、好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上、好ましくは45%以下、より好ましくは40%以下である。また、圧縮回復率が上記上限以下であると、電極間の接続に用いられた導電性粒子の反発力がより一層小さくなり、異方性導電材料が基板等から剥離し難くなる。この結果、電極間の接続抵抗が高くなるのをより一層抑制できる。
【0092】
上記圧縮回復率は、以下のようにして測定できる。
【0093】
試料台上に導電性粒子を散布する。散布された導電性粒子1個について、微小圧縮試験機を用いて、導電性粒子の中心方向に、反転荷重値(5.00mN)まで負荷を与える。その後、原点用荷重値(0.40mN)まで徐荷を行う。この間の荷重−圧縮変位を測定し、下記式から圧縮回復率を求めることができる。なお、負荷速度は0.33mN/秒とする。上記微小圧縮試験機として、例えば、フィッシャー社製「フィッシャースコープH−100」等が用いられる。
【0094】
圧縮回復率(%)=[(L1−L2)/L1]×100
L1:負荷を与えるときの原点用荷重値から反転荷重値に至るまでのまでの圧縮変位
L2:負荷を解放するときの反転荷重値から原点用荷重値に至るまでの圧縮変位
【0095】
導電性粒子の平均粒子径は、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1μm以上、好ましくは100μm以下、より好ましくは20μm以下、更に好ましくは15μm以下である。
【0096】
導電性粒子の「平均粒子径」は、数平均粒子径を示す。導電性粒子の平均粒子径は、任意の導電性粒子50個を電子顕微鏡又は光学顕微鏡にて観察し、平均値を算出することにより求められる。
【0097】
上記導電性粒子の含有量は特に限定されない。異方性導電材料100重量%中、上記導電性粒子の含有量は、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは0.5重量%以上、更に好ましくは1重量%以上、好ましくは40重量%以下、より好ましくは30重量%以下、更に好ましくは19重量%以下である。上記導電性粒子の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、接続されるべき上下の電極間に導電性粒子を容易に配置できる。さらに、接続されてはならない隣接する電極間が複数の導電性粒子を介して電気的に接続され難くなる。すなわち、隣り合う電極間の短絡をより一層防止できる。
【0098】
(他の成分)
上記異方性導電材料は、フィラーを含むことが好ましい。フィラーの使用により、異方性導電材料の硬化物の潜熱膨張を抑制できる。上記フィラーの具体例としては、シリカ、窒化アルミニウム及びアルミナ等が挙げられる。フィラーは1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0099】
上記異方性導電材料は、硬化促進剤をさらに含むことが好ましい。硬化促進剤の使用により、硬化速度をより一層速くすることができる。硬化促進剤は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0100】
上記硬化促進剤の具体例としては、イミダゾール硬化促進剤及びアミン硬化促進剤等が挙げられる。なかでも、イミダゾール硬化促進剤が好ましい。なお、イミダゾール硬化促進剤又はアミン硬化促進剤は、イミダゾール硬化剤又はアミン硬化剤としても用いることができる。
【0101】
上記異方性導電材料は、溶剤を含んでいてもよい。該溶剤の使用により、異方性導電材料の粘度を容易に調整できる。上記溶剤としては、例えば、酢酸エチル、メチルセロソルブ、トルエン、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、テトラヒドロフラン及びジエチルエーテル等が挙げられる。
【0102】
以下、本発明について、実施例及び比較例を挙げて具体的に説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されない。
【0103】
実施例及び比較例では、以下の導電性粒子を用いた。
【0104】
導電性粒子A(平均粒子径3μm、ジビニルベンゼン樹脂粒子の表面に厚み80nmのニッケルめっき層が形成されており、かつ該ニッケルめっき層の表面に厚み30nmの金めっき層が形成されている金属層を有する、170℃での20%K値:1.5×10N/mm、25℃での圧縮回復率30%)
【0105】
導電性粒子B(平均粒子径3μm、ジビニルベンゼン樹脂粒子の表面に厚み80nmのニッケルめっき層が形成されており、かつ該ニッケルめっき層の表面に厚み30nmの金めっき層が形成されている金属層を有する、170℃での20%K値:2.5×10N/mm、25℃での圧縮回復率32%)
【0106】
導電性粒子C(平均粒子径3μm、ジビニルベンゼン樹脂粒子の表面に厚み80nmのニッケルめっき層が形成されており、かつ該ニッケルめっき層の表面に厚み30nmの金めっき層が形成されている金属層を有する、170℃での20%K値:4.4×10N/mm、25℃での圧縮回復率40%)
【0107】
導電性粒子D(平均粒子径3μm、ジビニルベンゼン樹脂粒子の表面に厚み60nmのニッケルめっき層が形成されており、かつ該ニッケルめっき層の表面に厚み20nmの金めっき層が形成されている金属層を有する、170℃での20%K値:4.9×10N/mm、25℃での圧縮回復率20%)
【0108】
導電性粒子E(平均粒子径3μm、ジビニルベンゼン樹脂粒子の表面に厚み80nmのニッケルめっき層が形成されており、かつ該ニッケルめっき層の表面に厚み30nmのパラジウム層が形成されている金属層を有する、170℃での20%K値:6.4×10N/mm、25℃での圧縮回復率50%)
【0109】
なお、上記20%K値及び上記圧縮回復率は、ジビニルベンゼン樹脂粒子の架橋度及び導電層の厚みを変更することで調整した。
【0110】
(実施例1)
(1)異方性導電ペーストの調製
下記式(1B)で表される構造を有するエピスルフィド化合物(1B)と、下記式(2B)で表される構造を有するエピスルフィド化合物(2B)とを用意した。
【0111】
【化1】

【0112】
【化2】

【0113】
上記エピスルフィド化合物(1B)5重量部と、上記エピスルフィド化合物(2B)10重量部と、熱硬化剤であるアミンアダクト(味の素ファインテクノ社製「PN−23J」)4重量部と、光硬化性化合物であるエポキシアクリレート(ダイセル・サイテック社製「EBECRYL3702」)8重量部と、光重合開始剤であるアシルホスフィンオキサイド系化合物(チバ・ジャパン社製「DAROCUR TPO」)0.2重量部と、硬化促進剤である2−エチル−4−メチルイミダゾール1重量部と、フィラーであるアルミナ(平均粒子径0.5μm)10重量部とを配合し、さらに導電性粒子Aを配合物100重量%中での含有量が10重量%となるように添加した後、遊星式攪拌機を用いて2000rpmで5分間攪拌することにより、配合物を得た。
【0114】
得られた配合物を、ナイロン製ろ紙(孔径10μm)を用いてろ過することにより、導電性粒子の含有量が10重量%である異方性導電ペーストを得た。
【0115】
(2)接続構造体の作製
L/Sが15μm/15μmのAl−4%Ti電極パターンが上面に形成された透明ガラス基板(第1の接続対象部材)を用意した。また、L/Sが15μm/15μm、1電極あたりの電極面積が1500μmの金電極パターンが下面に形成された半導体チップ(第2の接続対象部材)を用意した。
【0116】
上記透明ガラス基板上に、得られた異方性導電ペーストを厚さ20μmとなるように塗工し、異方性導電ペースト層を形成した。次に、紫外線照射ランプを用いて、照射エネルギーが8000mJ/cmとなるように、異方性導電ペースト層に上方から紫外線を照射し、光重合によって異方性導電ペースト層を半硬化させ、Bステージ化した。次に、異方性導電ペースト層上に上記半導体チップを、電極同士が対向するように積層した。その後、異方性導電ペースト層の温度が185℃となるようにヘッドの温度を調整しながら、半導体チップの上面に加圧加熱ヘッドを載せ、3MPaの圧力をかけて異方性導電ペースト層を185℃で完全硬化させ、接続構造体を得た。
【0117】
(実施例2)
紫外線照射の際に、照射エネルギーを4000mJ/cmに変更したこと以外は実施例1と同様にして、接続構造体を得た。
【0118】
(実施例3)
紫外線照射の際に、照射エネルギーを2000mJ/cmに変更したこと以外は実施例1と同様にして、接続構造体を得た。
【0119】
(実施例4)
紫外線照射の際に、照射エネルギーを30000mJ/cmに変更したこと以外は実施例1と同様にして、接続構造体を得た。
【0120】
(実施例5)
異方性導電ペーストの調製の際に、導電性粒子Aを、導電性粒子Bに変更したこと以外は実施例1と同様にして、異方性導電ペーストを得た。得られた異方性導電ペーストを用いたこと以外は実施例1と同様にして、接続構造体を得た。
【0121】
(実施例6)
異方性導電ペーストの調製の際に、導電性粒子Aを、導電性粒子Cに変更したこと以外は実施例1と同様にして、異方性導電ペーストを得た。得られた異方性導電ペーストを用いたこと以外は実施例1と同様にして、接続構造体を得た。
【0122】
(比較例1)
紫外線照射の際に、照射エネルギーを600mJ/cmに変更したこと以外は実施例1と同様にして、接続構造体を得た。
【0123】
(比較例2)
異方性導電ペーストの調製の際に、導電性粒子Aを、導電性粒子Dに変更したこと以外は実施例1と同様にして、異方性導電ペーストを得た。得られた異方性導電ペーストを用いたこと以外は実施例1と同様にして、接続構造体を得た。
【0124】
(比較例3)
異方性導電ペーストの調製の際に、導電性粒子Aを、導電性粒Eに変更したこと以外は実施例1と同様にして、異方性導電ペーストを得た。得られた異方性導電ペーストを用いたこと以外は実施例1と同様にして、接続構造体を得た。
【0125】
(比較例4)
異方性導電ペーストの調製の際に、エポキシアクリレート(ダイセル・サイテック社製「EBECRYL3700」)の配合量を4重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、異方性導電ペーストを得た。得られた異方性導電ペーストを用いたこと以外は実施例1と同様にして接続構造体を得た。
【0126】
(比較例5)
紫外線照射の際に、照射エネルギーを50000mJ/cmに変更したこと以外は実施例1と同様にして、接続構造体を得た。
【0127】
(比較例6)
異方性導電ペーストの調製の際に、エポキシアクリレートと、光重合開始剤であるアシルホスフィンオキサイド系化合物とを用いなかったこと以外は実施例1と同様にして、異方性導電ペーストを得た。得られた異方性導電ペースト100重量%中、導電性粒子Aの含有量は10重量%であった。
【0128】
L/Sが15μm/15μmのAl−4%Ti電極パターンが上面に形成された透明ガラス基板(第1の接続対象部材)を用意した。また、L/Sが15μm/15μm、1電極あたりの電極面積が1500μmの金電極パターンが下面に形成された半導体チップ(第2の接続対象部材)を用意した。
【0129】
上記透明ガラス基板上に、得られた異方性導電ペーストを厚さ20μmとなるように塗工し、異方性導電ペースト層を形成した。異方性導電ペーストの塗工の際及び塗工の後に光を照射しなかった。
【0130】
次に、異方性導電ペースト層の上面に上記半導体チップを、電極同士が対向するように積層した。その後、異方性導電ペースト層の温度が185℃となるようにヘッドの温度を調整しながら、半導体チップの上面に加圧加熱ヘッドを載せ、3MPaの圧力をかけて異方性導電ペースト層を185℃で完全硬化させ、接続構造体を得た。
【0131】
(評価)
(1)導電性粒子の圧縮弾性率
導電性粒子の圧縮弾性率(20%K値)を、微小圧縮試験機(フィッシャー社製「フィッシャースコープH−100」)を用いて測定した。導電性粒子を170℃に加熱して、測定を行った。
【0132】
(2)導電性粒子の圧縮回復率
導電性粒子の25℃での圧縮回復率を、微小圧縮試験機(フィッシャー社製「フィッシャースコープH−100」)を用いて測定した。
【0133】
(3)貯蔵弾性率
回転型動的粘弾性測定装置(レオロジカ社製「VAR−100」)を用いて、周波数1Hzの条件で、Bステージ化された異方性導電ペースト層の最低溶融粘度を示す温度での貯蔵弾性率G’を測定した。
【0134】
また、動的粘弾性測定装置(ティー・エイ・インスツルメント社製「RSAII」)を用いて、つかみ間長:20mm、温度条件を初期温度:室温、加熱終了温度200℃、昇温速度:5℃/分、データ取り込み間隔として、下限弾性率:10Pa、下限動力:0.008N、測定周波数10Hz、歪(E>108):0.1%、静/動力比:0、上限伸び率:50%、伸び指数:1の条件で、得られた接続構造体における硬化物層の25℃での弾性率E’を測定した。
【0135】
(4)圧痕状態
得られた接続構造体における導電性粒子と電極との接続部分について、電極に形成された圧痕の状態を観察した。
【0136】
偏光顕微鏡を使用し、1電極あたり(200μmあたり)に明らかな球状の圧痕が確認できる場合を、良好な圧痕が形成されていると判断した。圧痕状態を下記の判定基準で判定した。(詳細表を参照)
【0137】
[圧痕状態の判定基準]
○○:圧痕非常に濃い
○:圧痕濃い
×:圧痕薄い
【0138】
なお、図4(a)〜(d)に、実施例及び比較例の接続構造体において、圧痕状態の評価における各判定基準で判定された圧痕状態の一例を示す画像を示した。図4(a)は、「○○」と判定された圧痕状態の画像であり、図4(b)及び(c)は「○」と判定された圧痕状態の画像であり、図4(d)は「×」と判定された圧痕状態の画像である。
【0139】
(5)外観(ボイドの有無)
得られた接続構造体において、異方性導電ペーストが硬化した硬化物層にボイドが生じているか否かを、透明ガラス基板側から光学顕微鏡により観察した。
【0140】
得られた接続構造体の外観を下記の基準で判定した。
【0141】
[外観の判定基準]
○○:ボイドなし
○:接続構造体中、5個以下で電極のL/S未満の大きさのボイドあり
×:接続構造体中、1つ以上で電極のL/S以上の大きさのボイドあり
【0142】
(6)導通信頼性(接続抵抗値)
得られた接続構造体の上下の電極間の接続抵抗をそれぞれ、4端子法により測定した。
100箇所の接続抵抗の平均値を算出した。なお、電圧=電流×抵抗の関係から、一定の電流を流した時の電圧を測定することにより接続抵抗を求めることができる。得られた接続構造体の導通信頼性を下記の基準で判定した。
【0143】
[導通信頼性の判定基準]
○○:3Ω未満
○:3Ω以上、5Ω未満
×:5Ω以上
【0144】
(7)耐熱衝撃特性
得られた接続構造体を、−30℃で30分間保持し、次に80℃まで昇温させて30分間保持した後、−30℃まで降温する過程を1サイクルとする冷熱サイクル試験を実施した。1000サイクルの冷熱サイクル試験後の接続構造体において、上記(5)外観、と上記(6)導通信頼性とを評価した。
【0145】
結果を下記の表1に示す。なお、下記の表1において、「−」は評価していないことを示す。
【0146】
【表1】

【符号の説明】
【0147】
1…接続構造体
2…第1の接続対象部材
2a…上面
2b…電極
2c…凹部
3…接続部
3a…上面
3A…異方性導電材料層
3B…Bステージ化された異方性導電材料層
4…第2の接続対象部材
4a…下面
4b…電極
5…導電性粒子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極を上面に有する第1の接続対象部材上に、硬化性化合物と、熱硬化剤と、光硬化開始剤と、導電性粒子とを含有する異方性導電材料を用いた異方性導電材料層を配置する工程と、
前記異方性導電材料層に光を照射することにより硬化を進行させて、前記異方性導電材料層をBステージ化する工程と、
Bステージ化された異方性導電材料層の上面に、電極を下面に有する第2の接続対象部材をさらに積層する工程とを備え、
前記異方性導電材料層をBステージ化する工程において、前記Bステージ化された異方性導電材料層の温度範囲23〜120℃における最低溶融粘度を示す温度での貯蔵弾性率G’が5×10Pa以上、1×10Pa以下となるように、前記異方性導電材料層に光を照射し、
前記導電性粒子として、170℃で20%圧縮変形したときの圧縮弾性率が5.9×10N/mm以上、5.9×10N/mm以下である導電性粒子を用いる、接続構造体の製造方法。
【請求項2】
前記Bステージ化された異方性導電材料層に熱を付与して硬化させ、硬化物層を形成する工程をさらに備える、請求項1に記載の接続構造体の製造方法。
【請求項3】
前記硬化物層を形成する工程において、前記硬化物層の25℃での弾性率E’が0.8MPa以上、5MPa以下となるように、前記Bステージ化された異方性導電材料層を硬化させる、請求項2に記載の接続構造体の製造方法。
【請求項4】
前記異方性導電材料として、熱硬化性化合物と光硬化性化合物と熱硬化剤と光硬化開始剤と導電性粒子とを含む異方性導電材料を用いる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の接続構造体の製造方法。
【請求項5】
前記異方性導電材料として、前記光硬化性化合物と前記熱硬化性化合物とを重量比で、1:99〜50:50で含む異方性導電材料を用いる、請求項4に記載の接続構造体の製造方法。
【請求項6】
前記異方性導電材料として、異方性導電ペーストを用いる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の接続構造体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−175004(P2012−175004A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−37631(P2011−37631)
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】