説明

接続装置及び電子機器

【課題】 小型化を図ると共に高い平衡度を確保して伝送特性の向上を図る。
【解決手段】 内部空間が形成された筐体を有する第1の接続ユニットと、第2の筐体と第2の筐体から突出された接続体とを有し第1の接続ユニットに連結される第2の接続ユニットとを設け、内部空間が第1の配置部と第2の配置部を有し、第1の接続ユニットに第1の配置部に配置された第1の同軸ケーブルと第2の配置部に配置された第2の同軸ケーブルとが設けられ、接続体に第1の同軸ケーブルに接続される第1の接続リングと第2の配置部に配置されて第2の同軸ケーブルに接続される第2の接続リングとが設けられ、第2の接続ユニットに第1の接続リングに接続された第3の同軸ケーブルと第2の接続リングに接続された第4の同軸ケーブルとが設けられ、第1の接続ユニットと第2の接続ユニットのうち少なくとも一方が他方に対して第1の接続リングと第2の接続リングの軸回り方向へ回転可能とされた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は接続装置及び電子機器についての技術分野に関する。詳しくは、二つの接続リングを有する接続体を筐体の内部空間に形成された二つの配置部にそれぞれ配置し接続リングに接続される各同軸ケーブルを接続リングに対して所定の位置に配置して小型化を図ると共に高い平衡度を確保して伝送特性の向上を図る技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話、音声記録再生装置、画像記録再生装置、撮像装置、情報処理装置、ネットワーク通信装置等の各種の電子機器には、第1のケース体と第2のケース体がヒンジ部を介して連結され、第1のケース体が第2のケース体に対して回転可能な構成にされたものがある(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【0003】
特許文献1及び特許文献2には、電子機器として、例えば、携帯電話が記載されており、第1のケース体に操作部が設けられ第2のケース体に表示部が設けられ、第2のケース体が第1のケース体に対して回転可能とされている。
【0004】
第1のケース体と第2のケース体の内部にはそれぞれ電子回路や電子デバイス等が配置されており、第1のケース体の内部に配置された電子回路や電子デバイス等と第2のケース体の内部に配置された電子回路や電子デバイス等とがケーブルによって接続される。電子回路や電子デバイス等を接続するケーブル等はヒンジ部を挿通された状態で第1のケース体と第2のケース体の内部に配置されている。
【0005】
上記のような携帯電話等における伝送方式として、例えば、パラレル信号による伝送方式があり、パラレル信号による伝送方式においては、例えば、50本程度の多数の信号線が必要である。
【0006】
従って、携帯電話等においてパラレル信号による伝送方式を用いると、第2のケース体が第1のケース体に対して回転されたときに、ケーブルのうちヒンジ部に挿通されている部分に生じる捻れや引っ張りによって信号線の断線が生じるおそれがある。従って、パラレル信号による伝送方式を用いた携帯電話等にあっては、捻れや引っ張りによる信号線の断線を防止するために、第2のケース体の第1のケース体に対する回転範囲(回転角度)を限定する必要がある。
【0007】
一方、携帯電話等における伝送方式として、シリアル信号による伝送方式があり、シリアル信号による伝送方式においては、1〜2本の信号線によってデーター(信号)を伝送することが可能である。
【0008】
携帯電話等においてシリアル信号による伝送方式を用いることにより、信号線の本数がパラレル信号による伝送方式を用いた場合に比し大幅に低減され、第2のケース体が第1のケース体に対して回転されたときに、ケーブルに捻れや引っ張りが生じ難くなる。従って、信号線の信頼性を確保した上で第2のケース体の第1のケース体に対する回転範囲を大きくすることが可能である。
【0009】
上記のようなシリアル信号による伝送方式を用いる場合には、第2のケース体が第1のケース体に対して回転される構成において、ヒンジ部にスリップリングと称される接続リングを有する接続装置を組み込むことが可能である。
【0010】
接続リングには第2のケース体の電子回路等に接続されたケーブルが固定され、接続リングの外周面には第1のケース体の電子回路等に接続された接点部が接続される。接続リングは第2のケース体に伴って軸回り方向へ回転され、このとき接点部が接続リングの外周面に摺動されることにより、第2のケース体の第1のケース体に対する回転角度に拘わらず各電子回路等の間の導通が図られる。
【0011】
また、シリアル信号による伝送方式を用いる場合には、1本の信号線によってデーターを伝送するシングルエンド接続と称される接続方法と、極性の異なる2本の信号線によってデーターを伝送する差動信号接続と称される接続方法がある。差動信号接続を用いる場合には、シングルエンド接続に対して信号線の本数が多くなるが、差動信号接続はシングルエンド接続に対して耐雑音性に優れるため、携帯電話等の電子機器に好適な構成である。
【0012】
上記した接続リングを有する接続装置を用いた構造において差動信号接続を用いる場合には、複数の接続リングが同軸上に並んで配置され各接続リングにそれぞれ極性の異なる信号線(ケーブル)がそれぞれ固定され、各接続リングの外周面に第1のケース体の電子回路等に接続された各接点部がそれぞれ接続される。複数の接続リングは第2のケース体に伴って一体になって軸回り方向へ回転され、このとき各接点部が各接続リングの外周面に摺動されることにより、第2のケース体の第1のケース体に対する回転角度に拘わらず各電子回路等の間の導通が図られる。
【0013】
尚、上記した接続リングを用いた接続装置において、グランド線が用いられる場合には、上記した構成に加えてグランド線用の接続リングが他の接続リングと同軸上に配置される場合もある。
【0014】
【特許文献1】特開2011−199766号公報
【特許文献2】特開2003−336620号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
ところで、近年、携帯電話等の電子機器の小型化の要求が高く、上記のような接続リングを用いた接続装置においても小型化を図ってヒンジ部に組み込む必要性が高い。また、接続リングの小型化を図ることにより、周波数特性の向上を図ることもでき、差動信号接続を用いることにより、上記したように、耐雑音性の向上を図ることができる。
【0016】
ところが、接続装置を小型化した場合には、接続装置に設けられた各部品間の結合度(容量結合、誘導結合)が相対的に大きくなり易く、信号の伝送路間(差動信号対)の平衡度が低下して接続装置における伝送特性が低下するおそれがある。
【0017】
そこで、本技術接続装置及び電子機器は、上記した問題点を克服し、小型化を図ると共に高い平衡度を確保して伝送特性の向上を図ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
第1に、接続装置は、上記した課題を解決するために、内部空間が形成され導電性材料によって形成された第1の筐体を有する第1の接続ユニットと、導電性材料によって形成された第2の筐体と前記第2の筐体に固定された状態で前記第2の筐体から外方へ突出された接続体とを有すると共に前記接続体が前記内部空間に挿入されて前記第1の接続ユニットに連結される第2の接続ユニットとを備え、前記内部空間が第1の配置部と第2の配置部を有し、前記第1の接続ユニットに、前記第1の筐体を挿通されて一端部が前記第1の配置部に配置された第1の同軸ケーブルと、前記第1の筐体を挿通されて一端部が前記第2の配置部に配置された第2の同軸ケーブルとが設けられ、前記接続体に、前記第1の配置部に配置されて前記第1の同軸ケーブルに接続される第1の接続リングと、前記第1の接続リングと同軸上に位置され前記第2の配置部に配置されて前記第2の同軸ケーブルに接続される第2の接続リングとが設けられ、前記第2の接続ユニットに、前記第2の筐体及び前記第2の接続リングを挿通されて一端部が前記第1の接続リングに接続された第3の同軸ケーブルと、前記第2の筐体を挿通されて一端部が前記第2の接続リングに接続された第4の同軸ケーブルとが設けられ、前記第1の接続ユニットと前記第2の接続ユニットのうち少なくとも一方が他方に対して前記第1の接続リングと前記第2の接続リングの軸回り方向へ回転可能とされたものである。
【0019】
従って、接続装置にあっては、第1の配置部に配置された第1の接続リングを介して第1の同軸ケーブルと第3の同軸ケーブルが接続されると共に第2の配置部に配置された第2の接続リングを介して第2の同軸ケーブルと第4の同軸ケーブルが接続された状態で第1の接続ユニットと第2の接続ユニットの一方が他方に対して回転される。
【0020】
第2に、上記した接続装置においては、前記内部空間に前記第1の配置部と前記第2の配置部を連通し前記第3の同軸ケーブルが挿通される連通部が形成され、前記接続体に、前記第1の接続リングと前記第2の接続リングの間に位置され前記連通部に配置されて前記第1の配置部と前記第2の配置部の電界を分離するシールド部材が設けられることが望ましい。
【0021】
内部空間に第1の配置部と第2の配置部を連通し第3の同軸ケーブルが挿通される連通部が形成され、接続体に、第1の接続リングと第2の接続リングの間に位置され連通部に配置されて第1の配置部と第2の配置部の電界を分離するシールド部材が設けられることにより、第1の同軸ケーブルと第3の同軸ケーブルを有する第1の伝送系統における伝送と第2の同軸ケーブルと第4の同軸ケーブルを有する第2の伝送系統における伝送との間で互いに影響が及ばない。
【0022】
第3に、上記した接続装置においては、前記第1の配置部に導電性材料によって形成された円柱状又は円筒状の導電部材が配置され、前記導電部材が前記第3の同軸ケーブルと平行に配置され前記第1の接続リングを挿通された状態で前記第1の筐体に接触されることが望ましい。
【0023】
第1の配置部に導電性材料によって形成された円柱状又は円筒状の導電部材が配置され、導電部材が第3の同軸ケーブルと平行に配置され第1の接続リングを挿通された状態で第1の筐体に接触されることにより、第1の配置部に配置された第1の接続リングと第2の配置部に配置された第2の接続リングの容量結合の程度の差が抑制される。
【0024】
第4に、上記した接続装置においては、前記導電部材を前記第4の同軸ケーブルと同軸上に配置することが望ましい。
【0025】
導電部材を第4の同軸ケーブルと同軸上に配置することにより、平衡度の劣化が一層抑制される。
【0026】
第5に、上記した接続装置においては、前記導電部材の外径を前記第4の同軸ケーブルの外径と同じにすることが望ましい。
【0027】
導電部材の外径を第4の同軸ケーブルの外径と同じにすることにより、平衡度の劣化がより一層抑制される。
【0028】
第6に、上記した接続装置においては、前記内部空間に前記第2の配置部に連通され前記第1の筐体の外面に開口されると共に前記第3の同軸ケーブルと前記第4の同軸ケーブルが挿通される挿通部が形成され、前記接続体に、前記挿通部に配置されて前記第2の配置部と前記第1の筐体の外部との電界を分離するシールド部材が設けられることが望ましい。
【0029】
内部空間に第2の配置部に連通され第1の筐体の外面に開口されると共に第3の同軸ケーブルと第4の同軸ケーブルが挿通される挿通部が形成され、接続体に、挿通部に配置されて第2の配置部と第1の筐体の外部との電界を分離するシールド部材が設けられることにより、内部空間の第2の配置部がシールド部材によってシールドされる。
【0030】
第7に、上記した接続装置においては、前記第1の同軸ケーブルと前記第2の同軸ケーブルが前記第1の配置部及び前記第2の配置部にそれぞれ配置された前記第1の接続リングと第2の接続リングを挟んで180°反対側に配置されることが望ましい。
【0031】
第1の同軸ケーブルと第2の同軸ケーブルが第1の配置部及び第2の配置部にそれぞれ配置された第1の接続リングと第2の接続リングを挟んで180°反対側に配置されることにより、第1の同軸ケーブルと第2の同軸ケーブルとの間で容量結合の差が生じない。
【0032】
第8に、上記した接続装置においては、前記第1の接続リングの内側と前記第2の接続リングの内側にそれぞれ両端部が前記第1の接続リングと前記第2の接続リングに接続された配線部が配置され、前記各配線部にそれぞれ前記第3の同軸ケーブルと前記第4の同軸ケーブルが接続されてそれぞれ前記第3の同軸ケーブルと前記第4の同軸ケーブルが前記各配線部を介して前記第1の接続リングと前記第2の接続リングに接続され、前記各配線部の両端部がそれぞれ前記第1の接続リングと前記第2の接続リングの周方向における180°反対側の部分に接続されることが望ましい。
【0033】
各配線部の両端部がそれぞれ第1の接続リングと第2の接続リングの周方向における180°反対側の部分に接続されることにより、第2の接続ユニットの第1の接続ユニットに対する回転位置に拘わらず、第1の接続リングと第2の接続リングをそれぞれ伝送される信号の伝送時間の変動が抑制される。
【0034】
第9に、上記した接続装置においては、前記第1の配置部に導電性材料によって形成された円柱状又は円筒状の導電部材が配置され、前記導電部材が前記第3の同軸ケーブルと平行に配置され前記第1の接続リングを挿通された状態で前記第1の筐体に接触され、前記第1の接続リングに接続された配線部と前記第3の同軸ケーブルと前記導電部材の位置関係が、前記第2の接続リングに接続された配線部と前記第4の同軸ケーブルと前記第3の同軸ケーブルの位置関係に対して前記第1の接続リングと前記第2の接続リングの軸中心を基準として点対称の関係にされることが望ましい。
【0035】
第1の接続リングに接続された配線部と第3の同軸ケーブルと導電部材の位置関係が、第2の接続リングに接続された配線部と第4の同軸ケーブルと第3の同軸ケーブルの位置関係に対して第1の接続リングと第2の接続リングの軸中心を基準として点対称の関係にされることにより、第1の配置部における第1の接続リングと他の各部との結合度と、第2の配置部における第2の接続リングと他の各部との結合度とに差が生じない。
【0036】
第10に、上記した接続装置においては、前記第1の筐体の外面に第1の接続ポートとして形成される前記第1の同軸ケーブルの他端面が位置され、前記第1の筐体の外面に第2の接続ポートとして形成される前記第2の同軸ケーブルの他端面が位置され、前記第2の筐体の外面に第3の接続ポートとして形成される前記第3の同軸ケーブルの他端面が位置され、前記第2の筐体の外面に第4の接続ポートとして形成される前記第4の同軸ケーブルの他端面が位置され、信号の伝送路になる前記第1のポートから前記第3のポートまでの長さと信号の伝送路になる前記第2のポートから前記第4のポートまでの長さとが同じにされることが望ましい。
【0037】
信号の伝送路になる第1のポートから第3のポートまでの長さと信号の伝送路になる第2のポートから第4のポートまでの長さとが同じにされることにより、第1の同軸ケーブルと第3の同軸ケーブルを有する第1の伝送系統と第2の同軸ケーブルと第4の同軸ケーブルを有する第2の伝送系統とにおける信号の伝送時間が等しくなる。
【0038】
第11に、上記した接続装置においては、前記第1の同軸ケーブルの一端部と前記第2の同軸ケーブルの一端部にそれぞれ接点部が取り付けられ、前記各接点部がそれぞれ前記第1の接続リングと前記第2の接続リングに接触され、前記第1の接続ユニット又は前記第2の接続ユニットの回転に伴って前記各接点部が前記第1の接続リングと前記第2の接続リングにそれぞれ摺動されるようにすることが望ましい。
【0039】
第1の接続ユニット又は第2の接続ユニットの回転に伴って各接点部が第1の接続リングと第2の接続リングにそれぞれ摺動されるようにすることにより、第1の接続ユニット又は第2の接続ユニットの回転時に各接点部と第1の接続リング及び第2の接続リングとの接続状態が保持される。
【0040】
電子機器は、上記した課題を解決するために、内部空間が形成され導電性材料によって形成された第1の筐体を有する第1の接続ユニットが内部に配置された第1のケース体と、導電性材料によって形成された第2の筐体と前記第2の筐体に固定された状態で前記第2の筐体から外方へ突出された接続体とを有すると共に前記接続体が前記内部空間に挿入されて前記第1の接続ユニットに連結される第2の接続ユニットが内部に配置された第2のケース体とを備え、前記内部空間が第1の配置部と第2の配置部を有し、前記第1の接続ユニットに、前記第1の筐体を挿通されて一端部が前記第1の配置部に配置された第1の同軸ケーブルと、前記第1の筐体を挿通されて一端部が前記第2の配置部に配置された第2の同軸ケーブルとが設けられ、前記接続体に、前記第1の配置部に配置されて前記第1の同軸ケーブルに接続される第1の接続リングと、前記第1の接続リングと同軸上に位置され前記第2の配置部に配置されて前記第2の同軸ケーブルに接続される第2の接続リングとが設けられ、前記第2の接続ユニットに、前記第2の筐体及び前記第2の接続リングを挿通されて一端部が前記第1の接続リングに接続された第3の同軸ケーブルと、前記第2の筐体を挿通されて一端部が前記第2の接続リングに接続された第4の同軸ケーブルとが設けられ、前記第1の接続ユニットと前記第2の接続ユニットのうち少なくとも一方が他方に対して前記第1の接続リングと前記第2の接続リングの軸回り方向へ回転可能とされたものである。
【0041】
従って、電子機器にあっては、第1の配置部に配置された第1の接続リングを介して第1の同軸ケーブルと第3の同軸ケーブルが接続されると共に第2の配置部に配置された第2の接続リングを介して第2の同軸ケーブルと第4の同軸ケーブルが接続された状態で第1の接続ユニットと第2の接続ユニットの一方が他方に対して回転される。
【発明の効果】
【0042】
本技術接続装置は、内部空間が形成され導電性材料によって形成された第1の筐体を有する第1の接続ユニットと、導電性材料によって形成された第2の筐体と前記第2の筐体に固定された状態で前記第2の筐体から外方へ突出された接続体とを有すると共に前記接続体が前記内部空間に挿入されて前記第1の接続ユニットに連結される第2の接続ユニットとを備え、前記内部空間が第1の配置部と第2の配置部を有し、前記第1の接続ユニットに、前記第1の筐体を挿通されて一端部が前記第1の配置部に配置された第1の同軸ケーブルと、前記第1の筐体を挿通されて一端部が前記第2の配置部に配置された第2の同軸ケーブルとが設けられ、前記接続体に、前記第1の配置部に配置されて前記第1の同軸ケーブルに接続される第1の接続リングと、前記第1の接続リングと同軸上に位置され前記第2の配置部に配置されて前記第2の同軸ケーブルに接続される第2の接続リングとが設けられ、前記第2の接続ユニットに、前記第2の筐体及び前記第2の接続リングを挿通されて一端部が前記第1の接続リングに接続された第3の同軸ケーブルと、前記第2の筐体を挿通されて一端部が前記第2の接続リングに接続された第4の同軸ケーブルとが設けられ、前記第1の接続ユニットと前記第2の接続ユニットのうち少なくとも一方が他方に対して前記第1の接続リングと前記第2の接続リングの軸回り方向へ回転可能とされている。
【0043】
従って、接続装置の小型化を図ると共に高い平衡度を確保して伝送特性の向上を図ることができる。
【0044】
請求項2に記載した技術にあっては、前記内部空間に前記第1の配置部と前記第2の配置部を連通し前記第3の同軸ケーブルが挿通される連通部が形成され、前記接続体に、前記第1の接続リングと前記第2の接続リングの間に位置され前記連通部に配置されて前記第1の配置部と前記第2の配置部の電界を分離するシールド部材が設けられている。
【0045】
従って、第1の同軸ケーブルと第3の同軸ケーブルを有する第1の伝送系統における伝送と第2の同軸ケーブルと第4の同軸ケーブルを有する第2の伝送系統における伝送との間で互いに影響が及ばず、信号線間の結合度が低減されコモンモードレベルが低減されるため、伝送特性の向上を図ることができる。
【0046】
請求項3に記載した技術にあっては、前記第1の配置部に導電性材料によって形成された円柱状又は円筒状の導電部材が配置され、前記導電部材が前記第3の同軸ケーブルと平行に配置され前記第1の接続リングを挿通された状態で前記第1の筐体に接触されている。
【0047】
従って、第1の配置部に配置された第1の接続リングが導電部材に結合し、第1の配置部に配置された第1の接続リングと第2の配置部に配置された第2の接続リングの容量結合の程度の差が抑制されて平衡度の劣化が抑制され、伝送特性の向上を図ることができる。
【0048】
請求項4に記載した技術にあっては、前記導電部材を前記第4の同軸ケーブルと同軸上に配置している。
【0049】
従って、平衡度の劣化が一層抑制され、伝送特性の一層の向上を図ることができる。
【0050】
請求項5に記載した技術にあっては、前記導電部材の外径を前記第4の同軸ケーブルの外径と同じにしている。
【0051】
従って、平衡度の劣化がより一層抑制され、伝送特性のより一層の向上を図ることができる。
【0052】
請求項6に記載した技術にあっては、前記内部空間に前記第2の配置部に連通され前記第1の筐体の外面に開口されると共に前記第3の同軸ケーブルと前記第4の同軸ケーブルが挿通される挿通部が形成され、前記接続体に、前記挿通部に配置されて前記第2の配置部と前記第1の筐体の外部との電界を分離するシールド部材が設けられている。
【0053】
従って、内部空間の第2の配置部がシールド部材によってシールドされ、伝送特性の向上を図ることができる。
【0054】
請求項7に記載した技術にあっては、前記第1の同軸ケーブルと前記第2の同軸ケーブルが前記第1の配置部及び前記第2の配置部にそれぞれ配置された前記第1の接続リングと第2の接続リングを挟んで180°反対側に配置されている。
【0055】
従って、第2の接続ユニットの第1の接続ユニットに対する回転位置に拘わらず第1の同軸ケーブルと第2の同軸ケーブルとの間で容量結合の差が生じず、平衡度の劣化が抑制され、伝送特性の向上を図ることができる。
【0056】
請求項8に記載した技術にあっては、前記第1の接続リングの内側と前記第2の接続リングの内側にそれぞれ両端部が前記第1の接続リングと前記第2の接続リングに接続された配線部が配置され、前記各配線部にそれぞれ前記第3の同軸ケーブルと前記第4の同軸ケーブルが接続されてそれぞれ前記第3の同軸ケーブルと前記第4の同軸ケーブルが前記各配線部を介して前記第1の接続リングと前記第2の接続リングに接続され、前記各配線部の両端部がそれぞれ前記第1の接続リングと前記第2の接続リングの周方向における180°反対側の部分に接続されている。
【0057】
従って、第2の接続ユニットの第1の接続ユニットに対する回転位置に拘わらず、第1の接続リングを伝送される信号の伝送時間の変動を抑制することができ、伝送特性の向上を図ることができる。
【0058】
請求項9に記載した技術にあっては、前記第1の配置部に導電性材料によって形成された円柱状又は円筒状の導電部材が配置され、前記導電部材が前記第3の同軸ケーブルと平行に配置され前記第1の接続リングを挿通された状態で前記第1の筐体に接触され、前記第1の接続リングに接続された配線部と前記第3の同軸ケーブルと前記導電部材の位置関係が、前記第2の接続リングに接続された配線部と前記第4の同軸ケーブルと前記第3の同軸ケーブルの位置関係に対して前記第1の接続リングと前記第2の接続リングの軸中心を基準として点対称の関係にされている。
【0059】
従って、第1の配置部における第1の接続リングと他の各部との結合度と、第2の配置部における第2の接続リングと他の各部との結合度とに差がなく、平衡度が保持され、伝送特性の向上を図ることができる。
【0060】
請求項10に記載した技術にあっては、前記第1の筐体の外面に第1の接続ポートとして形成される前記第1の同軸ケーブルの他端面が位置され、前記第1の筐体の外面に第2の接続ポートとして形成される前記第2の同軸ケーブルの他端面が位置され、前記第2の筐体の外面に第3の接続ポートとして形成される前記第3の同軸ケーブルの他端面が位置され、前記第2の筐体の外面に第4の接続ポートとして形成される前記第4の同軸ケーブルの他端面が位置され、信号の伝送路になる前記第1のポートから前記第3のポートまでの長さと信号の伝送路になる前記第2のポートから前記第4のポートまでの長さとが同じにされている。
【0061】
従って、第1の同軸ケーブルと第3の同軸ケーブルを有する第1の伝送系統と第2の同軸ケーブルと第4の同軸ケーブルを有する第2の伝送系統とにおける信号の伝送時間が等しくなり、伝送特性の向上を図ることができる。
【0062】
請求項11に記載した技術にあっては、前記第1の同軸ケーブルの一端部と前記第2の同軸ケーブルの一端部にそれぞれ接点部が取り付けられ、前記各接点部がそれぞれ前記第1の接続リングと前記第2の接続リングに接触され、前記第1の接続ユニット又は前記第2の接続ユニットの回転に伴って前記各接点部が前記第1の接続リングと前記第2の接続リングにそれぞれ摺動されるようにしている。
【0063】
従って、第1の同軸ケーブルと第3の同軸ケーブルの間の円滑かつ確実な電気的な接続を図ることができると共に第2の同軸ケーブルと第4の同軸ケーブルの間の円滑かつ確実な電気的な接続を図ることができる。
【0064】
本技術電子機器は、内部空間が形成され導電性材料によって形成された第1の筐体を有する第1の接続ユニットが内部に配置された第1のケース体と、導電性材料によって形成された第2の筐体と前記第2の筐体に固定された状態で前記第2の筐体から外方へ突出された接続体とを有すると共に前記接続体が前記内部空間に挿入されて前記第1の接続ユニットに連結される第2の接続ユニットが内部に配置された第2のケース体とを備え、前記内部空間が第1の配置部と第2の配置部を有し、前記第1の接続ユニットに、前記第1の筐体を挿通されて一端部が前記第1の配置部に配置された第1の同軸ケーブルと、前記第1の筐体を挿通されて一端部が前記第2の配置部に配置された第2の同軸ケーブルとが設けられ、前記接続体に、前記第1の配置部に配置されて前記第1の同軸ケーブルに接続される第1の接続リングと、前記第1の接続リングと同軸上に位置され前記第2の配置部に配置されて前記第2の同軸ケーブルに接続される第2の接続リングとが設けられ、前記第2の接続ユニットに、前記第2の筐体及び前記第2の接続リングを挿通されて一端部が前記第1の接続リングに接続された第3の同軸ケーブルと、前記第2の筐体を挿通されて一端部が前記第2の接続リングに接続された第4の同軸ケーブルとが設けられ、前記第1の接続ユニットと前記第2の接続ユニットのうち少なくとも一方が他方に対して前記第1の接続リングと前記第2の接続リングの軸回り方向へ回転可能とされている。
【0065】
従って、電子機器の小型化を図ると共に高い平衡度を確保して接続装置における伝送特性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0066】
以下に、本技術接続装置及び電子機器を実施するための最良の形態を添付図面に従って説明する。
【0067】
以下に示した最良の形態は、本技術電子機器を携帯電話に適用し、本技術接続装置を携帯電話のヒンジ部に組み込まれた接続装置に適用したものである。
【0068】
尚、本技術の適用範囲は携帯電話及び携帯電話のヒンジ部に組み込まれる接続装置に限られることはない。本技術は、音声記録再生装置、画像記録再生装置、撮像装置、情報処理装置、ネットワーク通信装置等の各種の電子機器及びこれらの各種の電子機器のヒンジ部に組み込まれる接続装置に広く適用することができる。
【0069】
[電子機器の全体構成]
電子機器(携帯電話)1は第1のケース体2と第2のケース体3を有している(図1参照)。第1のケース体2と第2のケース体3はともに縦長の扁平な略矩形状に形成されている。
【0070】
第1のケース体2には複数の操作釦等によって構成された操作部4が配置され、第2のケース体3には液晶パネルや有機エレクトロルミネッセンスパネル等の表示部5が配置されている。
【0071】
電子機器1は第2のケース体3がヒンジ部6を介して第1のケース体2に対して回転可能とされている。ヒンジ部6は第1のケース体2と第2のケース体3の連結部分によって構成されている。
【0072】
尚、電子機器1において、第2のケース体3を固定した状態にすることにより、第1のケース体2が第2のケース体3に対して回転可能とされ、第1のケース体2と第2のケース体3を互いに同時に回転させることも可能である。
【0073】
第1のケース体2の内部にはベースバンドプロセッサー(BBP)7とシリアライザー(SER)8が配置されている。
【0074】
ベースバンドプロセッサー7は、電子機器1の通信制御やアプリケーションを実行する演算処理部として機能する。ベースバンドプロセッサー7は、制御データーや画像データー等をパラレル信号として出力する。
【0075】
シリアライザー8は、ベースバンドプロセッサー7から出力されたパラレル信号をシリアル信号に変換して出力する機能を有している。
【0076】
第2のケース体3の内部にはデシリアライザー(DES)9が配置されている。デシリアライザー9は、シリアライザー8から出力されたシリアル信号をパラレル信号に変換して出力する機能を有している。
【0077】
ヒンジ部6には接続装置10が組み込まれている。接続装置10は第1のケース体2の内部に配置された第1の接続ユニット11に対して第2のケース体3の内部に配置された第2の接続ユニット12が回転可能な状態で連結されて成る。
【0078】
[電子機器におけるデーター(信号)の伝送動作]
上記のように構成された電子機器1において、操作部4の所定の操作釦等が操作されると、操作釦等に対する操作に応じた信号がベースバンドプロセッサー7に入力される。ベースバンドプロセッサー7からは入力された信号に基づいたパラレル信号が出力され、出力されたパラレル信号はシリアライザー8に入力される。
【0079】
シリアライザー8にパラレル信号が入力されると、シリアライザー8において入力されたパラレル信号がシリアル信号に変換され、変換されて生成されたシリアル信号が接続装置10を介してデシリアライザー9に入力される。シリアル信号がデジリアライザー9に入力されると、入力されたシリアル信号がデシリアライザー9によってパラレル信号に変換される。
【0080】
変換されて生成されたパラレル信号は表示部5に入力される。表示部5にパラレル信号が入力されると、例えば、操作部4の操作釦等に対する操作に応じた画像が表示部5に表示される。
【0081】
[電子機器におけるケース体の回転方向]
以下に、第2のケース体3の第1のケース体2に対する回転方向について説明する(図2乃至図7参照)。尚、以下の回転方向についての説明にあっては、第1のケース体2と第2のケース体3の厚み方向をZ方向とし、Z方向に直交する2方向をそれぞれX方向とY方向とする。
【0082】
第2のケース体3の第1のケース体2に対する回転方向としては、例えば、図2及び図3に示すように、Z方向に延びる軸を支点とした回転方向があり、この場合には、第1の接続ユニット11と第2の接続ユニット12の連結方向がZ方向とされる。
【0083】
また、第2のケース体3の第1のケース体2に対する回転方向としては、例えば、図4及び図5に示すように、Y方向に延びる軸を支点とした回転方向があり、この場合には、第1の接続ユニット11と第2の接続ユニット12の連結方向がY方向とされる。
【0084】
さらに、第2のケース体3の第1のケース体2に対する回転方向としては、例えば、図6及び図7に示すように、X方向に延びる軸を支点とした回転方向があり、この場合には、第1の接続ユニット11と第2の接続ユニット12の連結方向がX方向とされる。
【0085】
[接続装置の具体的構成]
次に、接続装置10の具体的な構成について説明する(図8乃至図15参照)。
【0086】
尚、以下には、例として、第2のケース体3の第1のケース体2に対する回転方向がZ方向に延びる軸を支点とした方向(図2及び図3参照)である場合における接続装置10の構成について説明する。
【0087】
以下には、第1の接続ユニット11と第2の接続ユニット12の連結方向を前後方向とし、第1の接続ユニット11側を前方とし第2の接続ユニット12側を後方として前後上下左右の方向を示すものとする。
【0088】
但し、以下に示す前後上下左右の方向は説明の便宜上のものであり、本技術の実施に関しては、これらの方向に限定されることはない。
【0089】
接続装置10は第1のケース体2の内部に配置された第1の接続ユニット11に対して第2のケース体3の内部に配置された第2の接続ユニット12が回転可能な状態で連結されて成る(図8乃至図11参照)。
【0090】
第1の接続ユニット11は金属等の導電性材料によって形成された第1の筐体13の内部に所要の各部が配置されて成る。第1の筐体13は図示しない接地回路に接続されており、グランド部として機能する。
【0091】
第1の接続ユニット11には後方に開口された内部空間14が形成されている。内部空間14は第1の配置部15と第2の配置部16と保持部17と連通部18と挿通部19が前後方向において同軸上に形成されることにより構成されている。
【0092】
第1の配置部15と第2の配置部16は前後に離隔して形成され、同じ大きさの円柱状に形成されている。尚、第1の配置部15と第2の配置部16は円柱状に限られることはなく、同一の大きさ及び形状であれば任意である。
【0093】
保持部17は第1の配置部15の前側に連続して形成され、軸方向に短く第1の配置部15より径の小さい円柱状に形成されている。尚、保持部17は第1の配置部15と同じ大きさ又はこれより大きくされていてもよい。
【0094】
連通部18は第1の配置部15と第2の配置部16の間に形成され、第1の配置部15と第2の配置部16に連通されている。連通部18は軸方向に短い小径の円柱状に形成された中間部18aと軸方向に短く中間部18aより大径の円柱状に形成された端部18b、18bとによって構成されている。端部18b、18bは中間部18aの前後両側に位置され、保持部17と同じ径に形成されている。
【0095】
尚、上記には、連通部18が中間部18aと端部18b、18bによって構成された例を示したが、連通部18の形状及び大きさは任意である。例えば、連通部18は第1の配置部15、第2の配置部16より大きくされていてもよい。また、連通部18が三つの部分によって構成されていなくてもよく、さらには、端部18b、18bの大きさが異なるようにされていてもよい。
【0096】
挿通部19は第2の配置部16の後側に連続して形成され、軸方向に短い小径の円柱状に形成された中間部19aと軸方向に短く中間部19aより大径の円柱状に形成された端部19b、19bとによって構成されている。端部19b、19bは中間部19aの前後両側に位置され、保持部17と同じ径に形成されている。後側に位置する端部19bは第1の筐体13の後面に開口されている。
【0097】
尚、上記には、挿通部19が中間部19aと端部19b、19bによって構成された例を示したが、挿通部19の形状及び大きさは任意である。例えば、挿通部19は第1の配置部15、第2の配置部16より大きくされていてもよい。また、挿通部19が三つの部分によって構成されていなくてもよく、さらには、端部19b、19bの大きさが異なるようにされていてもよい。
【0098】
第1の筐体13にはそれぞれ第1の同軸ケーブル20と第2の同軸ケーブル21が挿通されて配置されている。
【0099】
第1の同軸ケーブル20は導電性材料によって形成された芯線20aと芯線20aを外周側から被覆し絶縁性材料によって形成された絶縁部20bと絶縁部20bを外側から被覆し導電性材料によって形成されたグランド部20cとから成る(図12参照)。尚、第1の同軸ケーブル20のグランド部20cは第1の筐体13と一体化されていても良い。
【0100】
第1の同軸ケーブル20は回転軸に対して垂直な状態で第1の筐体13の下面を突き通すように配置され、一端部(上端部)22が第1の配置部15の内部に位置され、他端部(下端部)が第1の筐体13の下面に位置されて第1の接続ポート23として形成されている(図8乃至図11参照)。第1の同軸ケーブル20の一端部22においては芯線20aが上方へ突出され、突出された芯線20aが第1の接点部24に固定されて接続されている(図13及び図14参照)。第1の接続ポート23には同軸コネクタが接続されるか、または第1の同軸ケーブル20を延長する方法によって外部の信号の引き回しが行われる。
【0101】
第1の接点部24は下方へ凸の緩やかな円弧状に形成されたベース部24aとベース部24aの上面から上方へ突出された摺動突部24b、24bとから成り、摺動突部24b、24bが左右方向に離隔して設けられている。第1の同軸ケーブル20の一端部22の芯線20aはベース部24aの左右方向における中央部の下面に接続されている。
【0102】
尚、第1の接点部24の形状は様々考えられるためここでは限定しない。例えば、摺動突部24bの数がここでは2個であるがその限りではない。また、摺動突部24bを設けずベース部24aのみであってもよい。
【0103】
第1の同軸ケーブル20の一端部22と第1の接点部24は第1の配置部15における下端部に位置されている。
【0104】
第2の同軸ケーブル21は導電性材料によって形成された芯線21aと芯線21aを外周側から被覆し絶縁性材料によって形成された絶縁部21bと絶縁部21bを外側から被覆し導電性材料によって形成されたグランド部21cとから成る(図12参照)。尚、第2の同軸ケーブル21のグランド部21cは第1の筐体13と一体化されていても良い。
【0105】
第2の同軸ケーブル21は回転軸に対して垂直な状態で第1の筐体13の上面を突き通すように配置され、一端部(下端部)25が第2の配置部16の内部に位置され、他端部(上端部)が第1の筐体13の上面に位置されて第2の接続ポート26として形成されている(図8乃至図11参照)。第2の同軸ケーブル21の一端部25においては芯線21aが下方へ突出され、突出された芯線21aが第2の接点部27に固定されて接続されている(図13及び図15参照)。
【0106】
接続ポート26には同軸コネクタが接続されるか、または第2の同軸ケーブル21を延長する方法によって外部の信号の引き回しが行われる。
【0107】
第2の接点部27は上方へ凸の緩やかな円弧状に形成されたベース部27aとベース部27aの下面から下方へ突出された摺動突部27b、27bとから成り、摺動突部27b、27bが左右方向に離隔して設けられている。第2の同軸ケーブル21の一端部25の芯線21aはベース部27aの左右方向における中央部の上面に接続されている。
【0108】
尚、第2の接点部27の形状は様々考えられるためここでは限定しない。例えば、摺動突部27bの数がここでは2個であるがその限りではない。また、摺動突部27bを設けずベース部27aのみであってもよい。
【0109】
第2の同軸ケーブル21の一端部25と第2の接点部27は第2の配置部16における上端部に位置されている。
【0110】
第2の接続ユニット12は金属等の導電性材料によって形成された第2の筐体28と第2の筐体28に固定された状態で第2の筐体28から前方へ突出された接続体29とを有している(図8乃至図11参照)。
【0111】
第2の筐体28は、第1の筐体13と、第3のシールド部材36、第3の同―軸ケーブル42、第4の同軸ケーブル43を介して第1のシールド部材34と第2のシールド部材35によって接続されているため、グランド部として機能する。
【0112】
接続体29は前後に延びる略円柱状に形成され、最大外径が第1の筐体13に形成された保持部17、連通部19の端部18b、18b及び挿通部19の端部19b、19bと略同じにされている。
【0113】
尚、接続体29の各部は同一の径で形成されていなくてもよく、形状や大きさを種々に変更することが可能である。
【0114】
接続体29は第1の接続リング30、第2の接続リング31、第1の配線部32、第2の配線部33、第1のシールド部材34、第2のシールド部材35、第3のシールド部材36、第1のスペーサー37、第2のスペーサー38、第3のスペーサー39、第4のスペーサー40及び導電部材41を有している。
【0115】
第1の接続リング30と第2の接続リング31はそれぞれ導電性材料によって円環状に形成され前後に離隔して位置されている(図13参照)。
【0116】
第1の配線部32は導電性材料によって同じ長さに形成された一対の直線状の伝導部32a、32aがV字状に結合されて成り、伝導部32a、32aの結合された部分が連結部分32bとして設けられている(図13及び図14参照)。第1の配線部32は第1の接続リング30の内側に位置され、両端部が第1の接続リング30の周方向における180°反対側の部分に接続されている。従って、第1の接続リング30の内側には第1の配線部32を挟んだ反対側にそれぞれ面積の大きい大空間30aと面積の小さい小空間30bとが形成される。
【0117】
第2の配線部33は第1の配線部32と同じ形状及び大きさに形成され、導電性材料によって同じ長さに形成された一対の直線状の伝導部33a、33aがV字状に結合されて成り、伝導部33a、33aの結合された部分が連結部分33bとして設けられている(図13及び図15参照)。第2の配線部33は第2の接続リング31の内側に位置され、両端部が第2の接続リング31の周方向における180°反対側の部分に接続されている。従って、第2の接続リング31の内側には第2の配線部33を挟んだ反対側にそれぞれ面積の大きい大空間31aと面積の小さい小空間31bとが形成される。
【0118】
第1のシールド部材34は第1の接続リング30の前側に離隔して位置され、金属等の導電性材料によって第1の接続リング30と同じ形状及び大きさの円環状に形成されている。
【0119】
第2のシールド部材35は第1の接続リング30と第2の接続リング31の間において両者に離隔して位置され、金属等の導電性材料によって形成されている。第2のシールド部材35は軸方向に短い小径の円環状に形成された中間部35aと軸方向に短く中間部35aより大径の円環状に形成された端部35b、35bとによって構成されている。端部35b、35bは中間部35aの前後両側に位置され、第1のシールド部材34と同じ外径に形成されている。
【0120】
上記には、第2のシールド部材35が中間部35aと端部35b、35bによって構成された例を示したが、第2のシールド部材35の形状及び大きさは任意である。また、第2のシールド部材35は三つの部分によって構成されていなくてもよく、さらには、端部35b、35bの大きさが異なるようにされていてもよい。
【0121】
第3のシールド部材36は第2の接続リング31の後側に離隔して位置され、金属等の導電性材料によって形成されている。第3のシールド部材36は軸方向に短い小径の円環状に形成された中間部36aと軸方向に短く中間部36aより大径の円環状に形成された端部36b、36bとによって構成されている。端部36b、36bは中間部36aの前後両側に位置され、第1のシールド部材34と同じ外径に形成されている。
【0122】
上記には、第3のシールド部材36が中間部36aと端部36b、36bによって構成された例を示したが、第3のシールド部材36の形状及び大きさは任意である。また、第3のシールド部材36は三つの部分によって構成されていなくてもよく、さらには、端部36b、36bの大きさが異なるようにされていてもよい。
【0123】
第1のスペーサー37は樹脂材料によって絶縁体として形成され、第1のシールド部材34と第1の接続リング30の間に位置されている。第1のスペーサー37は前後両面がそれぞれ第1のシールド部材34の後面と第1の接続リング30の前面に接した状態とされている。
【0124】
第2のスペーサー38は樹脂材料によって絶縁体として形成され、第1の接続リング30と第2のシールド部材35の間に位置されている。第2のスペーサー38は前後両面がそれぞれ第1の接続リング30の後面と第2のシールド部材35の前面に接した状態とされている。
【0125】
第3のスペーサー39は樹脂材料によって絶縁体として形成され、第2のシールド部材35と第2の接続リング31の間に位置されている。第3のスペーサー39は前後両面がそれぞれ第2のシールド部材35の後面と第2の接続リング31の前面に接した状態とされている。
【0126】
第4のスペーサー40は樹脂材料によって絶縁体として形成され、第2の接続リング31と第3のシールド部材36の間に位置されている。第4のスペーサー40は前後両面がそれぞれ第2の接続リング31の後面と第3のシールド部材36の前面に接した状態とされている。
【0127】
尚、上記したように、接続体29の各部の形状や大きさは種々に変更することが可能である。例えば、シールド部材は第1の配置部15と第2の配置部16を分離したり、第2の配置部16と外部を隔離できれば任意の形状及び大きさでよい。また、スペーサーはシールド部材や接続リングを保持することができれば任意の形状及び大きさでよい。
【0128】
導電部材41は金属等の導電性材料によって前後方向に延びる円柱状又は円筒状に形成され、第1のシールド部材34の後面から第2のシールド部材35の前面に亘る位置に挿通されて配置されている。導電部材41は第1の接続リング30の大空間30aを挿通されている。
【0129】
第2の接続ユニット12には第2の筐体28と接続体29に亘ってそれぞれ第3の同軸ケーブル42と第4の同軸ケーブル43が挿通されて配置されている。
【0130】
第3の同軸ケーブル42は導電性材料によって形成された芯線42aと芯線42aを外周側から被覆し絶縁性材料によって形成された絶縁部42bと絶縁部42bを外側から被覆し導電性材料によって形成されたグランド部42cとから成る(図12参照)。尚、第3の同軸ケーブル42のグランド部42cは第2の筐体28と一体化されていても良い。
【0131】
第3の同軸ケーブル42は水平方向(回転軸と平行)に延びる状態で第2の筐体28の内部及び接続体29の内部に配置され、一端部(前端部)44が第1の接続リング30に接続された第1の配線部32における伝導部32a、32aが結合された部分である連結部分32bに固定されて接続されている(図8乃至図11参照)。従って、第3の同軸ケーブル42は後側から順に第3のシールド部材36、第4のスペーサー40、第2の接続リング31、第3のスペーサー39、第2のシールド部材35及び第2のスペーサー38を挿通されて一端部44が第1の配線部32に接続されている。このとき第3の同軸ケーブル42は第2の接続リング31の大空間31aを挿通されている(図15参照)。
【0132】
第3の同軸ケーブル42は他端面が第2の筐体28の側面に位置され、この他端面が第3の接続ポート45として形成されている(図8及び図9参照)。接続ポート45には同軸コネクタが接続されるか、または第3の同軸ケーブル42を延長する方法によって外部の信号の引き回しが行われる。
【0133】
第4の同軸ケーブル43は導電性材料によって形成された芯線43aと芯線43aを外周側から被覆し絶縁性材料によって形成された絶縁部43bと絶縁部43bを外側から被覆し導電性材料によって形成されたグランド部43cとから成る(図12参照)。尚、第4の同軸ケーブル43のグランド部43cは第2の筐体28と一体化されていても良い。
【0134】
第4の同軸ケーブル43は水平方向(回転軸と平行)に延びる状態で第2の筐体28の内部及び接続体29の内部に配置され、一端部(前端部)46が第2の接続リング31に接続された第2の配線部33における伝導部33a、33aが結合された部分である連結部分33bに固定されて接続されている(図8乃至図11参照)。従って、第4の同軸ケーブル43は後側から順に第3のシールド部材36及び第4のスペーサー40を挿通されて一端部46が第2の配線部33に接続されている。このとき導電部材41が第4の同軸ケーブル43の同軸上に配置されている。また、第4の同軸ケーブル43の外径は導電部材41の外径と同じにされている。
【0135】
第4の同軸ケーブル43は他端面が第2の筐体28の側面に位置され、この他端面が第4の接続ポート47として形成されている(図8及び図9参照)。接続ポート47には同軸コネクタが接続されるか、または第3の同軸ケーブル43を延長する方法によって外部の信号の引き回しが行われる。
【0136】
接続体29においては、図14及び図15に示すように、第1の接続リング30に接続された第1の配線部32と第3の同軸ケーブル42と導電部材41の位置関係が、第2の接続リング31に接続された第2の配線部33と第4の同軸ケーブル43と第3の同軸ケーブル42の位置関係に対して第1の接続リング30と第2の接続リング31の軸中心Pを基準として点対称の関係にされている。
【0137】
即ち、第1の配線部32における伝導部32a、32aの連結部分32bと第2の配線部33における伝導部33a、33aの連結部分33bとが軸中心Pを基準として反対の位置にあり、第3の同軸ケーブル42と第4の同軸ケーブル43が軸中心Pを基準として反対の位置にあり、導電部材41と第3の同軸ケーブル42が軸中心Pを基準として反対の位置にある。
【0138】
また、接続装置10においては、第1の同軸ケーブル20の第1の接続ポート23と第2の同軸ケーブル21の第2の接続ポート26とにシリアライザー8が接続され、第3の同軸ケーブル42の第3の接続ポート45と第4の同軸ケーブル43の第4の接続ポート47とにデジリアライザー9が接続される。従って、第1の接続ポート23から第3の接続ポート45までの経路と第2の接続ポート26から第4の接続ポート47までの経路とは、それぞれシリアライザー8とデジリアライザー9の間の信号の伝送路として機能する。第1の接続ポート23から第3の接続ポート45までの信号の伝送路と第2の接続ポート26から第4の接続ポート47までの信号の伝送路とは同じ長さにされている。
【0139】
[接続装置の接続状態]
上記のように構成された接続装置10において、第1の接続ユニット11と第2の接続ユニット12が接続される(図9及び図11参照)。第1の接続ユニット11と第2の接続ユニット12の接続は内部空間14に接続体29が挿入されて配置されることにより行われる。
【0140】
尚、内部空間14への接続体29の挿入は、例えば、第1の筐体13を上下又は左右で二分割しておき、分割した一方の部分に接続体29を挿入し分割した他方の部分を分割した一方の部分に結合することにより行われる。
【0141】
内部空間14に接続体29が配置された状態においては、保持部17と連通部18と挿通部19に、それぞれ第1のシールド部材34と第2のシールド部材35と第3のシールド部材36がそれぞれ嵌合された状態で配置される。保持部17には導電部材41の前端部も配置される。第1の配置部15には第1の接続リング30と第1のスペーサー37と第2のスペーサー38と導電部材41の前端部を除く部分とが配置され、第2の配置部16には第2の接続リング31と第3のスペーサー39と第4のスペーサー40が配置される。
【0142】
内部空間14に配置された導電部材41は前端面が第2の筐体28の内面に接触されている。従って、導電部材41はグランド部として機能する。
【0143】
上記のように、内部空間14に接続体29が配置されることにより、第1の接続ユニット11に対して第2の接続ユニット12が接続体29の軸回り方向へ回転可能とされる。
【0144】
内部空間14に接続体29が配置された状態においては、第1の接続リング30の外周面が第1の同軸ケーブル20に接続された第1の接点部24の摺動突部24b、24bに接した状態とされる。従って、第1の接続リング30に第1の配線部32を介して接続された第3の同軸ケーブル42と第1の同軸ケーブル20が第1の接点部24を介して接続される。第2のケース体3の第1のケース体2に対する回転に伴って第2の接続ユニット12が回転されるときには、第1の接続リング30に第1の接点部24の摺動突部24b、24bが摺動され、第1の同軸ケーブル20と第3の同軸ケーブル42の接続状態が確保される。
【0145】
また、内部空間14に接続体29が配置された状態においては、第2の接続リング31の外周面が第2の同軸ケーブル21に接続された第2の接点部27の摺動突部27b、27bに接した状態とされる。従って、第2の接続リング31に第2の配線部33を介して接続された第4の同軸ケーブル43と第2の同軸ケーブル21が第2の接点部27を介して接続される。第2のケース体3の第1のケース体2に対する回転に伴って第2の接続ユニット12が回転されるときには、第2の接続リング31に第2の接点部27の摺動突部27b、27bが摺動され、第2の同軸ケーブル21と第4の同軸ケーブル43の接続状態が確保される。
【0146】
接続装置10にあっては、第1の同軸ケーブル20と第3の同軸ケーブル42の第1の接続リング30を介しての第1の伝送系統と、第2の同軸ケーブル21と第4の同軸ケーブル43の第2の接続リング31を介しての第2の伝送系統とが構成される。第1の伝送系統と第2の伝送系統は差動信号対として機能するようにされている。
【0147】
また、上記のように、第1の接続リング30は第1の同軸ケーブル20の一端部22が接続された第1の接点部24に接続されるため、第1の同軸ケーブル20は第1の接続リング30の内部空間14の下方に位置される。第2の接続リング31は第2の同軸ケーブル21の一端部25が接続された第2の接点部27に接続されるため、第2の同軸ケーブル21は第2の接続リング31の上方に位置される。
【0148】
[接続装置における各部の作用等]
信号の伝送特性には、主に、信号線間の結合や信号線とグランド間の結合が影響する。信号線間の結合は、主として、第1の接続リング30と第2の接続リング31の結合であり、信号線とグランド間の結合は、主として、第1の接続リング30と第3の同軸ケーブル42のグランド部42cとの結合、第2の接続リング31と第3の同軸ケーブル42のグランド部42c及び第4の同軸ケーブル43のグランド部43cとの結合、第1の接続リング30及び第2の接続リング31と第1の筐体13との結合である。
【0149】
<シールド構造>
接続装置10においては、上記したように、第1の筐体13の内部空間14における連通部18に、接続体29の第2のシールド部材35が嵌合された状態で配置されている(図11参照)。従って、内部空間の第1の配置部15と第2の配置部16が第2のシールド部材35によってシールド(電界的に分離)され、第1の同軸ケーブル20と第3の同軸ケーブル42の第1の接続リング30を介しての第1の伝送系統と第2の同軸ケーブル21と第4の同軸ケーブル43の第2の接続リング31を介しての第2の伝送系統とが分離され、第1の伝送系統と第2の伝送系統が互いに干渉しない構造にされている。
【0150】
図16は、第2のシールド部材35の有無に関し、第1の同軸ケーブル20と第3の同軸ケーブル42を有する第1の伝送系統と第2の同軸ケーブル21と第4の同軸ケーブル43を有する第2の伝送系統とを差動信号対とした場合のコモンモード周波数特性を示すグラフ図である。図16において、Aは第1の配置部15と第2の配置部16を第2のシールド部材35によってシールドしたときの測定値を示し、Bは第1の配置部15と第2の配置部16を第2のシールド部材35によってシールドしなかったときの測定値を示す。
【0151】
図16に示すように、第1の配置部15と第2の配置部16を第2のシールド部材35によってシールドした場合には、コモンモードレベルが大きく低減される。
【0152】
このように、第1の配置部15と第2の配置部16を第2のシールド部材35によってシールドすることにより、信号線間の結合度を低減することができる。
【0153】
従って、第1の配置部15に配置される各部品の寸法や配置を変更しても第2の同軸ケーブル21と第4の同軸ケーブル43間の伝送に影響せず、また、第2の配置部16に配置される各部品の寸法や配置を変更しても第1の同軸ケーブル20と第3の同軸ケーブル42間の伝送に影響しない。このように第1の配置部15と第2の配置部16を第2のシールド部材35によってシールドすることにより、第1の伝送系統における伝送と第2の伝送系統における伝送との間で互いに影響が及ばない。従って、伝送特性の向上を目的として第1の配置部15と第2の配置部16にそれぞれ配置される各部品の寸法や配置を自由に変更することが可能になり、設計の自由度の向上による伝送特性の向上を図ることができる。
【0154】
また、接続装置10にあっては、第1の筐体13の内部空間14における挿通部19に接続体29の第3のシールド部材36が嵌合された状態で配置されている(図11参照)。従って、内部空間14の第2の配置部16が第3のシールド部材36によってシールドされ、伝送特性の一層の向上を図ることができる。また、第3のシールド部材36が挿通部19に嵌合されることにより外部への信号の漏洩が防止される。
【0155】
<結合度の等価構造>
導電部材41を設けない場合には、第1の筐体13との結合を除くと、第1の接続リング30は第3の同軸ケーブル42のグランド部42cとの結合度が大きく、第2の接続リング31は第3の同軸ケーブル42のグランド部42c及び第4の同軸ケーブル43のグランド部43cの結合度が大きい。従って、導電部材41を設けない場合には、第1の配置部15に配置された第1の接続リング30と第2の配置部16に配置された第2の接続リング31との容量結合の程度が異なってしまう。
【0156】
第1の接続リング30と第2の接続リング31の間の容量結合の差が大きくなると、第1の同軸ケーブル20と第3の同軸ケーブル43の間と、第2の同軸ケーブル21と第4の同軸ケーブル43の間との伝送特性が異なり、差動信号対の平衡度の劣化を引き起こしてしまう。
【0157】
そこで、接続装置10においては、上記したように、第1の配置部15に導電部材41が配置され、導電部材41がグランド部として機能する第1の筐体13に接続されている(図11参照)。
【0158】
図17は、導電部材41の有無に関し、第1の同軸ケーブル20と第3の同軸ケーブル42を有する第1の伝送系統と第2の同軸ケーブル21と第4の同軸ケーブル43を有する第2の伝送系統とを差動信号対とした場合のコモンモード周波数特性を示すグラフ図である。図17において、Cは第1の配置部15に導電部材41を配置したときの測定値を示し、Dは第1の配置部15に導電部材41を配置しなかったときの測定値を示す。
【0159】
図17に示すように、第1の配置部15に導電部材41を配置した場合には、コモンモードレベルが大きく低減される。
【0160】
このように第1の配置部15に導電部材41を配置することにより、第1の配置部15に配置された第1の接続リング30が導電部材41にも結合し、第1の配置部15に配置された第1の接続リング30と第2の配置部16に配置された第2の接続リング31の容量結合の程度の差が抑制される。
【0161】
従って、差動信号対の平衡度の劣化が抑制され、第1の伝送系統と第2の伝送系統の伝送特性の均等化による伝送特性の向上を図ることができる。
【0162】
また、導電部材41が第4の同軸ケーブル43と同軸上に配置されているため、差動信号対の平衡度の劣化が一層抑制され、伝送特性の一層の向上を図ることができる。
【0163】
さらに、導電部材41と第4の同軸ケーブル43の外径が同じにされているため、差動信号対の平衡度の劣化がより一層抑制され、伝送特性のより一層の向上を図ることができる。
【0164】
また、接続装置10においては、上記したように、第1の接続リング30に接続された第1の配線部32と第3の同軸ケーブル42と導電部材41の位置関係が、第2の接続リング31に接続された第2の配線部33と第4の同軸ケーブル43と第3の同軸ケーブル42の位置関係に対して第1の接続リング30と第2の接続リング31の軸中心Pを基準として点対称の関係にされている(図14及び図15参照)。
【0165】
従って、第1の配置部15における第1の接続リング30と他の各部との結合度と、第2の配置部16における第2の接続リング31と他の各部との結合度とに差がなく、差動信号対の平衡度が保持され、伝送特性の向上を図ることができる。
【0166】
<第1の同軸ケーブルと第2の同軸ケーブルの位置関係>
接続装置10にあっては、上記したように、第1の同軸ケーブル20が第1の接続リング30の下方に位置され、第2の同軸ケーブル21が第2の接続リング31の上方に位置されており、第1の同軸ケーブル20と第2の同軸ケーブル21は第1の接続リング30及び第2の接続リング31を挟んで180°反対側に配置されている。
【0167】
このように第1の同軸ケーブル20と第2の同軸ケーブル21が第1の接続リング30及び第2の接続リング31を挟んで180°反対側に配置されることにより、第2の接続ユニット12の第1の接続ユニット11に対する回転位置に拘わらず、第1の同軸ケーブル20と第1の配線部32に対する導電部材41の位置関係と第2の同軸ケーブル21と第2の配線部33に対する第4の同軸ケーブル43の位置関係とを同一にすることができる。
【0168】
例えば、第1の配置部15において下側から順に第1の同軸ケーブル20と導電部材41と第1の配線部32が位置されているときには、第2の配置部16において上側から順に第2の同軸ケーブル21と第4の同軸ケーブル43と第2の配線部33が位置される(図18参照)。従って、第1の同軸ケーブル20と第1の配線部32の間に遮蔽物となる導電部材41が存在し、第2の同軸ケーブル21と第2の配線部33の間に遮蔽物となる第4の同軸ケーブル43が存在する。
【0169】
また、第2の接続ユニット12が180°回転されて第1の配置部15において下側から順に第1の同軸ケーブル20と第1の配線部32と導電部材41が位置されているときには、第2の配置部16において上側から順に第2の同軸ケーブル21と第2の配線部33と第4の同軸ケーブル43が位置される(図19参照)。従って、第1の同軸ケーブル20と第1の配線部32の間に遮蔽物となる導電部材41が存在せず、第2の同軸ケーブル21と第2の配線部33の間に遮蔽物となる第4の同軸ケーブル43が存在しない。
【0170】
一方、第1の同軸ケーブル20と第2の同軸ケーブル21が第1の接続リング30と第2の接続リング31に対して同じ側、例えば、ともに上側又はともに下側に配置されたときには、第2の接続ユニット12の回転位置によって第1の同軸ケーブル20と第1の配線部32に対する導電部材41の位置関係と第2の同軸ケーブル21と第2の配線部33に対する第4の同軸ケーブル43の位置関係とが相違してしまう。
【0171】
例えば、第1の配置部15において上側から順に第1の同軸ケーブル20と第1の配線部32と導電部材41が位置されているときには、第2の配置部16において上側から順に第2の同軸ケーブル21と第4の同軸ケーブル43と第2の配線部33が位置される(図20参照)。従って、第1の同軸ケーブル20と第1の配線部32の間には遮蔽物となる導電部材41が存在しないが、第2の同軸ケーブル21と第2の配線部33の間には遮蔽物となる第4の同軸ケーブル43が存在する。
【0172】
また、第2の接続ユニット12が180°回転されて第1の配置部15において上側から順に第1の同軸ケーブル20と導電部材41と第1の配線部32が位置されているときには、第2の配置部16において上側から順に第2の同軸ケーブル21と第2の配線部33と第4の同軸ケーブル43が位置される(図21参照)。従って、第1の同軸ケーブル20と第1の配線部32の間には遮蔽物となる導電部材41が存在するが、第2の同軸ケーブル21と第2の配線部33の間には遮蔽物となる第4の同軸ケーブル43が存在しない。
【0173】
図22は、第1の同軸ケーブル20と第2の同軸ケーブル21の位置関係に関し、第1の同軸ケーブル20と第3の同軸ケーブル42を有する第1の伝送系統と第2の同軸ケーブル21と第4の同軸ケーブル43を有する第2の伝送系統とを差動信号対とした場合のコモンモード周波数特性を示すグラフ図である。図17において、Eは第1の同軸ケーブル20と第2の同軸ケーブル21が第1の接続リング30と第2の接続リング31を挟んで180°反対側に配置された状態において第2の接続ユニット12の回転位置が変化されたときの測定値を示し、F及びGは第1の同軸ケーブル20と第2の同軸ケーブル21が第1の接続リング30と第2の接続リング31に対して同じ側に配置された状態において第2の接続ユニット12の回転位置が変化されたときの測定値を示す。尚、Eは第2の接続ユニット12の回転位置が変化しても同一のデーターが得られ、異なる回転位置において測定された二つのデーターが重なった状態で示されている。
【0174】
図22に示すように、第1の同軸ケーブル20と第2の同軸ケーブル21が第1の接続リング30と第2の接続リング31を挟んで180°反対側に配置された状態においては、第2の接続ユニット12の回転位置に拘わらずコモンモードレベルが変化しない。一方、第1の同軸ケーブル20と第2の同軸ケーブル21が第1の接続リング30と第2の接続リング31に対して同じ側に配置された状態においては、第2の接続ユニット12の回転位置が変化されたときにコモンモードレベルが大きく変化してしまう。
【0175】
このように第1の同軸ケーブル20と第2の同軸ケーブル21が第1の接続リング30及び第2の接続リング31を挟んで180°反対側に配置されることにより、第2の接続ユニット12の第1の接続ユニット11に対する回転位置に拘わらず、コモンモードレベルに変化が生じない。
【0176】
従って、第1の同軸ケーブル20と第2の同軸ケーブル21との間で容量結合の差が生じず、作動信号対の平衡度の劣化が抑制され第1の伝送系統と第2の伝送系統の伝達特性が同一化され、接続装置10における伝送特性の向上を図ることができる。
【0177】
<伝送時間の変動の抑制>
接続装置10にあっては、上記したように、第3の同軸ケーブル42が接続された第1の配線部32が第1の接続リング30の周方向における180°反対側の部分に接続され、第4の同軸ケーブル43が接続された第2の配線部33が第2の接続リング31の周方向における180°反対側の部分に接続されている。
【0178】
従って、第2の接続ユニット12の第1の接続ユニット11に対する回転位置に拘わらず、第1の接続リング30と第2の接続リング31をそれぞれ伝送される信号の伝送時間の変動を抑制することができ、接続装置10における伝送特性の向上を図ることができる。
【0179】
また、上記したように、第1の接続ポート23から第3の接続ポート45までの信号の伝送路と第2の接続ポート26から第4の接続ポート47までの信号の伝送路とが同じ長さにされている。
【0180】
従って、第1の同軸ケーブル20と第3の同軸ケーブル42を有する第1の伝送系統と第2の同軸ケーブル21と第4の同軸ケーブル43を有する第2の伝送系統とにおける信号の伝送時間が等しくなり、伝送特性の向上を図ることができる。
【0181】
また、第1の接続ポート23と第2の接続ポート27に入力された信号がそれぞれ第1の接続リング30において反射した場合にも第1の接続ポート23と第2の接続ポート27に戻る時間が等しくなり、また、第3の接続ポート45と第4の接続ポート47に入力された信号がそれぞれ第2の接続リング31において反射した場合にも第3の接続ポート45と第4の接続ポート47に戻る時間が等しくなり、コモンモードレベルの低減を図ることができる。
【0182】
<その他>
接続装置10にあっては、上記したように、第1の同軸ケーブル20が第1の接点部24に接続されており第2の接続ユニット12の回転時に第1の接点部24が第1の接続リング30に摺動され、第2の同軸ケーブル21が第2の接点部27に接続されており第2の接続ユニット12の回転時に第2の接点部27が第2の接続リング31に摺動される。
【0183】
従って、第1の同軸ケーブル20と第3の同軸ケーブル42の間の円滑かつ確実な電気的な接続を図ることができると共に第2の同軸ケーブル21と第4の同軸ケーブル43の間の円滑かつ確実な電気的な接続を図ることができる。
【0184】
尚、第1の同軸ケーブル20、第2の同軸ケーブル21、第3の同軸ケーブル42及び第4の同軸ケーブル43の各グランド部20c、21c、42c、43cを第1の筐体13と一体に形成することも可能である。
【0185】
第1の同軸ケーブル20と第2の同軸ケーブル21の長さが等しく、第3の同軸ケーブル42と第4の同軸ケーブル43の長さが等しい条件が維持されていれば、第1の筐体13における第1の同軸ケーブル20、第2の同軸ケーブル21、第3の同軸ケーブル42及び第4の同軸ケーブル43の配置や第1の筐体13に対する第1の接続ポート23、第2の接続ポート26、第3の接続ポート45及び第4の接続ポート47の位置を自由に設定することが可能である。
【0186】
[まとめ]
以上に記載した通り、接続装置10及びこれを備えた電子機器1にあっては、内部空間14に同軸上に配置された第1の接続リング30と第2の接続リング31を介してそれぞれ第1の同軸ケーブル20と第3の同軸ケーブル42及び第2の同軸ケーブル21と第4の同軸ケーブル43を接続し、第1の接続ユニット11と第2の接続ユニット12のうち少なくとも一方を他方に対して第1の接続リング30と第2の接続リング31の軸回り方向へ回転可能としている。
【0187】
従って、接続装置10の小型化を図ると共に高い平衡度を確保して伝送特性の向上を図ることができる。
【0188】
[本技術]
本技術は、以下のような構成とすることができる。
【0189】
(1)内部空間が形成され導電性材料によって形成された第1の筐体を有する第1の接続ユニットと、導電性材料によって形成された第2の筐体と前記第2の筐体に固定された状態で前記第2の筐体から外方へ突出された接続体とを有すると共に前記接続体が前記内部空間に挿入されて前記第1の接続ユニットに連結される第2の接続ユニットとを備え、前記内部空間が第1の配置部と第2の配置部を有し、前記第1の接続ユニットに、前記第1の筐体を挿通されて一端部が前記第1の配置部に配置された第1の同軸ケーブルと、前記第1の筐体を挿通されて一端部が前記第2の配置部に配置された第2の同軸ケーブルとが設けられ、前記接続体に、前記第1の配置部に配置されて前記第1の同軸ケーブルに接続される第1の接続リングと、前記第1の接続リングと同軸上に位置され前記第2の配置部に配置されて前記第2の同軸ケーブルに接続される第2の接続リングとが設けられ、前記第2の接続ユニットに、前記第2の筐体及び前記第2の接続リングを挿通されて一端部が前記第1の接続リングに接続された第3の同軸ケーブルと、前記第2の筐体を挿通されて一端部が前記第2の接続リングに接続された第4の同軸ケーブルとが設けられ、前記第1の接続ユニットと前記第2の接続ユニットのうち少なくとも一方が他方に対して前記第1の接続リングと前記第2の接続リングの軸回り方向へ回転可能とされた接続装置。
【0190】
(2)前記内部空間に前記第1の配置部と前記第2の配置部を連通し前記第3の同軸ケーブルが挿通される連通部が形成され、前記接続体に、前記第1の接続リングと前記第2の接続リングの間に位置され前記連通部に配置されて前記第1の配置部と前記第2の配置部の電界を分離するシールド部材が設けられた前記(1)に記載の接続装置。
【0191】
(3)前記第1の配置部に導電性材料によって形成された円柱状又は円筒状の導電部材が配置され、前記導電部材が前記第3の同軸ケーブルと平行に配置され前記第1の接続リングを挿通された状態で前記第1の筐体に接触された前記(1)又は前記(2)に記載の接続装置。
【0192】
(4)前記導電部材を前記第4の同軸ケーブルと同軸上に配置した前記(3)に記載の接続装置。
【0193】
(5)前記導電部材の外径を前記第4の同軸ケーブルの外径と同じにした前記(3)に記載の接続装置。
【0194】
(6)前記内部空間に前記第2の配置部に連通され前記第1の筐体の外面に開口されると共に前記第3の同軸ケーブルと前記第4の同軸ケーブルが挿通される挿通部が形成され、前記接続体に、前記挿通部に配置されて前記第2の配置部と前記第1の筐体の外部との電界を分離するシールド部材が設けられた前記(1)から前記(5)の何れかに記載の接続装置。
【0195】
(7)前記第1の同軸ケーブルと前記第2の同軸ケーブルが前記第1の配置部及び前記第2の配置部にそれぞれ配置された前記第1の接続リングと第2の接続リングを挟んで180°反対側に配置された前記(3)から前記(6)の何れかに記載の接続装置。
【0196】
(8)前記第1の接続リングの内側と前記第2の接続リングの内側にそれぞれ両端部が前記第1の接続リングと前記第2の接続リングに接続された配線部が配置され、前記各配線部にそれぞれ前記第3の同軸ケーブルと前記第4の同軸ケーブルが接続されてそれぞれ前記第3の同軸ケーブルと前記第4の同軸ケーブルが前記各配線部を介して前記第1の接続リングと前記第2の接続リングに接続され、前記各配線部の両端部がそれぞれ前記第1の接続リングと前記第2の接続リングの周方向における180°反対側の部分に接続された前記(1)から前記(7)の何れかに記載の接続装置。
【0197】
(9)前記第1の配置部に導電性材料によって形成された円柱状又は円筒状の導電部材が配置され、前記導電部材が前記第3の同軸ケーブルと平行に配置され前記第1の接続リングを挿通された状態で前記第1の筐体に接触され、前記第1の接続リングに接続された配線部と前記第3の同軸ケーブルと前記導電部材の位置関係が、前記第2の接続リングに接続された配線部と前記第4の同軸ケーブルと前記第3の同軸ケーブルの位置関係に対して前記第1の接続リングと前記第2の接続リングの軸中心を基準として点対称の関係にされた前記(8)に記載の接続装置。
【0198】
(10)前記第1の筐体の外面に第1の接続ポートとして形成される前記第1の同軸ケーブルの他端面が位置され、前記第1の筐体の外面に第2の接続ポートとして形成される前記第2の同軸ケーブルの他端面が位置され、前記第2の筐体の外面に第3の接続ポートとして形成される前記第3の同軸ケーブルの他端面が位置され、前記第2の筐体の外面に第4の接続ポートとして形成される前記第4の同軸ケーブルの他端面が位置され、信号の伝送路になる前記第1のポートから前記第3のポートまでの長さと信号の伝送路になる前記第2のポートから前記第4のポートまでの長さとが同じにされた前記(1)から前記(9)の何れかに記載の接続装置。
【0199】
(11)前記第1の同軸ケーブルの一端部と前記第2の同軸ケーブルの一端部にそれぞれ接点部が取り付けられ、前記各接点部がそれぞれ前記第1の接続リングと前記第2の接続リングに接触され、前記第1の接続ユニット又は前記第2の接続ユニットの回転に伴って前記各接点部が前記第1の接続リングと前記第2の接続リングにそれぞれ摺動されるようにした前記(1)から前記(10)の何れかに記載の接続装置。
【0200】
(12)内部空間が形成され導電性材料によって形成された第1の筐体を有する第1の接続ユニットが内部に配置された第1のケース体と、導電性材料によって形成された第2の筐体と前記第2の筐体に固定された状態で前記第2の筐体から外方へ突出された接続体とを有すると共に前記接続体が前記内部空間に挿入されて前記第1の接続ユニットに連結される第2の接続ユニットが内部に配置された第2のケース体とを備え、前記内部空間が第1の配置部と第2の配置部を有し、前記第1の接続ユニットに、前記第1の筐体を挿通されて一端部が前記第1の配置部に配置された第1の同軸ケーブルと、前記第1の筐体を挿通されて一端部が前記第2の配置部に配置された第2の同軸ケーブルとが設けられ、前記接続体に、前記第1の配置部に配置されて前記第1の同軸ケーブルに接続される第1の接続リングと、前記第1の接続リングと同軸上に位置され前記第2の配置部に配置されて前記第2の同軸ケーブルに接続される第2の接続リングとが設けられ、前記第2の接続ユニットに、前記第2の筐体及び前記第2の接続リングを挿通されて一端部が前記第1の接続リングに接続された第3の同軸ケーブルと、前記第2の筐体を挿通されて一端部が前記第2の接続リングに接続された第4の同軸ケーブルとが設けられ、前記第1の接続ユニットと前記第2の接続ユニットのうち少なくとも一方が他方に対して前記第1の接続リングと前記第2の接続リングの軸回り方向へ回転可能とされた電子機器。
【0201】
上記した技術の最良の形態において示した各部の具体的な形状及び構造は、何れも本技術を実施する際の具体化のほんの一例を示したものにすぎず、これらによって本技術の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
【図面の簡単な説明】
【0202】
【図1】図2乃至図22と共に本技術接続装置及び電子機器を示すものであり、本図は、電子機器の概念図である。
【図2】図3と共に第2のケース体の第1のケース体に対する回転方向がZ方向に延びる軸を支点とした回転方向である例を示すものであり、本図は、第2のケース体が第1のケース体に対して回転される前の状態を示す斜視図である。
【図3】第2のケース体が第1のケース体に対して回転された状態を示す斜視図である。
【図4】図5と共に第2のケース体の第1のケース体に対する回転方向がY方向に延びる軸を支点とした回転方向である例を示すものであり、本図は、第2のケース体が第1のケース体に対して回転される前の状態を示す斜視図である。
【図5】第2のケース体が第1のケース体に対して回転された状態を示す斜視図である。
【図6】図7と共に第2のケース体の第1のケース体に対する回転方向がX方向に延びる軸を支点とした回転方向である例を示すものであり、本図は、第2のケース体が第1のケース体に対して回転される前の状態を示す斜視図である。
【図7】第2のケース体が第1のケース体に対して回転された状態を示す斜視図である。
【図8】第1の接続ユニットと第2の接続ユニットを分離して示す接続装置の拡大斜視図である。
【図9】接続装置の拡大斜視図である。
【図10】第1の接続ユニットと第2の接続ユニットを分離した状態で示す接続装置の一部を示す拡大断面図である。
【図11】接続装置の一部を示す拡大断面図である。
【図12】同軸ケーブルの拡大断面図である。
【図13】各同軸ケーブルと各接続リング等を示す拡大斜視図である。
【図14】第1の接続リングに対する各部の接続状態を示す拡大背面図である。
【図15】第2の接続リングに対する各部の接続状態を示す拡大背面図である。
【図16】第2のシールド部材の有無に関し、第1の伝送系統と第2の伝送系統を差動信号対とした場合のコモンモード周波数特性を示すグラフ図である。
【図17】導電部材の有無に関し、第1の伝送系統と第2の伝送系統を差動信号対とした場合のコモンモード周波数特性を示すグラフ図である。
【図18】図19と共に第1の同軸ケーブルと第2の同軸ケーブルが第1の接続リングと第2の接続リングを挟んで180°反対側に配置されたときの各部の位置関係を示すものであり、本図は、第2の接続ユニットが所定の位置に回転されている状態を示す拡大斜視図である。
【図19】図18に対して第2の接続ユニットが180°回転された状態を示す拡大斜視図である。
【図20】図21と共に第1の同軸ケーブルと第2の同軸ケーブルが第1の接続リングと第2の接続リングに対して同じ側に配置されたときの各部の位置関係を示すものであり、本図は、第2の接続ユニットが所定の位置に回転されている状態を示す拡大斜視図である。
【図21】図20に対して第2の接続ユニットが180°回転された状態を示す拡大斜視図である。
【図22】第1の同軸ケーブルと第2の同軸ケーブルの位置関係に関し、第1の伝送系統と第2の伝送系統を差動信号対とした場合のコモンモード周波数特性を示すグラフ図である。
【符号の説明】
【0203】
1…電子機器、10…接続装置、11…第1の接続ユニット、12…第2の接続ユニット、13…第1の筐体、14…内部空間、15…第1の配置部、16…第2の配置部、18…連通部、19…挿通部、20…第1の同軸ケーブル、21…第2の同軸ケーブル、23…第1の接続ポート、24…第1の接点部、26…第2の接続ポート、27…第2の接点部、28…第2の筐体、29…接続体、30…第1の接続リング、31…第2の接続リング、32…第1の配線部、33…第2の配線部、35…第2のシールド部材、36…第3のシールド部材、41…導電部材、42…第3の同軸ケーブル、43…第4の同軸ケーブル、45…第3の接続ポート、47…第4の接続ポート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部空間が形成され導電性材料によって形成された第1の筐体を有する第1の接続ユニットと、
導電性材料によって形成された第2の筐体と前記第2の筐体に固定された状態で前記第2の筐体から外方へ突出された接続体とを有すると共に前記接続体が前記内部空間に挿入されて前記第1の接続ユニットに連結される第2の接続ユニットとを備え、
前記内部空間が第1の配置部と第2の配置部を有し、
前記第1の接続ユニットに、前記第1の筐体を挿通されて一端部が前記第1の配置部に配置された第1の同軸ケーブルと、前記第1の筐体を挿通されて一端部が前記第2の配置部に配置された第2の同軸ケーブルとが設けられ、
前記接続体に、前記第1の配置部に配置されて前記第1の同軸ケーブルに接続される第1の接続リングと、前記第1の接続リングと同軸上に位置され前記第2の配置部に配置されて前記第2の同軸ケーブルに接続される第2の接続リングとが設けられ、
前記第2の接続ユニットに、前記第2の筐体及び前記第2の接続リングを挿通されて一端部が前記第1の接続リングに接続された第3の同軸ケーブルと、前記第2の筐体を挿通されて一端部が前記第2の接続リングに接続された第4の同軸ケーブルとが設けられ、
前記第1の接続ユニットと前記第2の接続ユニットのうち少なくとも一方が他方に対して前記第1の接続リングと前記第2の接続リングの軸回り方向へ回転可能とされた
接続装置。
【請求項2】
前記内部空間に前記第1の配置部と前記第2の配置部を連通し前記第3の同軸ケーブルが挿通される連通部が形成され、
前記接続体に、前記第1の接続リングと前記第2の接続リングの間に位置され前記連通部に配置されて前記第1の配置部と前記第2の配置部の電界を分離するシールド部材が設けられた
請求項1に記載の接続装置。
【請求項3】
前記第1の配置部に導電性材料によって形成された円柱状又は円筒状の導電部材が配置され、
前記導電部材が前記第3の同軸ケーブルと平行に配置され前記第1の接続リングを挿通された状態で前記第1の筐体に接触された
請求項1に記載の接続装置。
【請求項4】
前記導電部材を前記第4の同軸ケーブルと同軸上に配置した
請求項3に記載の接続装置。
【請求項5】
前記導電部材の外径を前記第4の同軸ケーブルの外径と同じにした
請求項3に記載の接続装置。
【請求項6】
前記内部空間に前記第2の配置部に連通され前記第1の筐体の外面に開口されると共に前記第3の同軸ケーブルと前記第4の同軸ケーブルが挿通される挿通部が形成され、
前記接続体に、前記挿通部に配置されて前記第2の配置部と前記第1の筐体の外部との電界を分離するシールド部材が設けられた
請求項1に記載の接続装置。
【請求項7】
前記第1の同軸ケーブルと前記第2の同軸ケーブルが前記第1の配置部及び前記第2の配置部にそれぞれ配置された前記第1の接続リングと第2の接続リングを挟んで180°反対側に配置された
請求項3に記載の接続装置。
【請求項8】
前記第1の接続リングの内側と前記第2の接続リングの内側にそれぞれ両端部が前記第1の接続リングと前記第2の接続リングに接続された配線部が配置され、
前記各配線部にそれぞれ前記第3の同軸ケーブルと前記第4の同軸ケーブルが接続されてそれぞれ前記第3の同軸ケーブルと前記第4の同軸ケーブルが前記各配線部を介して前記第1の接続リングと前記第2の接続リングに接続され、
前記各配線部の両端部がそれぞれ前記第1の接続リングと前記第2の接続リングの周方向における180°反対側の部分に接続された
請求項1に記載の接続装置。
【請求項9】
前記第1の配置部に導電性材料によって形成された円柱状又は円筒状の導電部材が配置され、
前記導電部材が前記第3の同軸ケーブルと平行に配置され前記第1の接続リングを挿通された状態で前記第1の筐体に接触され、
前記第1の接続リングに接続された配線部と前記第3の同軸ケーブルと前記導電部材の位置関係が、前記第2の接続リングに接続された配線部と前記第4の同軸ケーブルと前記第3の同軸ケーブルの位置関係に対して前記第1の接続リングと前記第2の接続リングの軸中心を基準として点対称の関係にされた
請求項8に記載の接続装置。
【請求項10】
前記第1の筐体の外面に第1の接続ポートとして形成される前記第1の同軸ケーブルの他端面が位置され、
前記第1の筐体の外面に第2の接続ポートとして形成される前記第2の同軸ケーブルの他端面が位置され、
前記第2の筐体の外面に第3の接続ポートとして形成される前記第3の同軸ケーブルの他端面が位置され、
前記第2の筐体の外面に第4の接続ポートとして形成される前記第4の同軸ケーブルの他端面が位置され、
信号の伝送路になる前記第1のポートから前記第3のポートまでの長さと信号の伝送路になる前記第2のポートから前記第4のポートまでの長さとが同じにされた
請求項1に記載の接続装置。
【請求項11】
前記第1の同軸ケーブルの一端部と前記第2の同軸ケーブルの一端部にそれぞれ接点部が取り付けられ、
前記各接点部がそれぞれ前記第1の接続リングと前記第2の接続リングに接触され、
前記第1の接続ユニット又は前記第2の接続ユニットの回転に伴って前記各接点部が前記第1の接続リングと前記第2の接続リングにそれぞれ摺動されるようにした
請求項1に記載の接続装置。
【請求項12】
内部空間が形成され導電性材料によって形成された第1の筐体を有する第1の接続ユニットが内部に配置された第1のケース体と、
導電性材料によって形成された第2の筐体と前記第2の筐体に固定された状態で前記第2の筐体から外方へ突出された接続体とを有すると共に前記接続体が前記内部空間に挿入されて前記第1の接続ユニットに連結される第2の接続ユニットが内部に配置された第2のケース体とを備え、
前記内部空間が第1の配置部と第2の配置部を有し、
前記第1の接続ユニットに、前記第1の筐体を挿通されて一端部が前記第1の配置部に配置された第1の同軸ケーブルと、前記第1の筐体を挿通されて一端部が前記第2の配置部に配置された第2の同軸ケーブルとが設けられ、
前記接続体に、前記第1の配置部に配置されて前記第1の同軸ケーブルに接続される第1の接続リングと、前記第1の接続リングと同軸上に位置され前記第2の配置部に配置されて前記第2の同軸ケーブルに接続される第2の接続リングとが設けられ、
前記第2の接続ユニットに、前記第2の筐体及び前記第2の接続リングを挿通されて一端部が前記第1の接続リングに接続された第3の同軸ケーブルと、前記第2の筐体を挿通されて一端部が前記第2の接続リングに接続された第4の同軸ケーブルとが設けられ、
前記第1の接続ユニットと前記第2の接続ユニットのうち少なくとも一方が他方に対して前記第1の接続リングと前記第2の接続リングの軸回り方向へ回転可能とされた
電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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