説明

接続部材、それを用いた接続構造体及び接続構造体の製造方法

【課題】接続部材、それを用いた接続構造体及び接続構造体の製造方法を提供する。
【解決手段】接続部材102は、複数の導電糸5aを有する導電性布帛(図4の導電性布帛5参照)に電気的に接続される帯状の接続部材102であって、導線が長手方向に延びるように配された帯状の導電部2と、導電部2の一端部2cに取り付けられた接続端子4と、を備える。また、導電部2は長手方向に沿って切断され、導電部の一片側2a及び導電部の他片側2bの2片を有する。接続構造体は、導電性布帛と接続部材とが接続されてなり、導電性布帛には、複数の導電糸が互いに略平行になるように並んで配置されており、導電性布帛の端縁からは、複数の導電糸の端部が露出しており、複数の導電糸の端部が、導電部と電気的に接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接続部材、それを用いた接続構造体及び接続構造体の製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は、導電部が長手方向に沿って切断されており、導電性布帛に容易に接続することができる接続部材に関する。また、導電性布帛と、この導電性布帛に接続された本発明の接続部材とを備える接続構造体に関する。更に、端部より内側部分において導電糸を露出させた導電性布帛と、導電部が長手方向に沿って切断されてスリットが形成された接続部材とを使用し、容易に、且つ確実に導電性布帛と接続部材とを接続させることができる接続構造体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、織物、編み物の構成糸の一部に導電糸を使用し、この導電糸に通電し、発熱させて昇温させる各種のヒータ部材が知られており、多くの用途において用いられている。例えば、車両、特に乗用車等のシートでは、シートクッションなどの表皮材の裏面にヒータ部材を貼着し、冬期等の寒冷時に乗員を下方等から暖めることができるシートが知られている。また、これらのヒータ部材では、通常、導電性布帛の側端部に接続部材が取り付けられており、導電性布帛の導電糸と、接続部材の導線とが電気的に接続され、この導線を介して電源から導電糸に給電され、導電糸が発熱して、導電性布帛が昇温する構成となっている。
【0003】
前述のように、導電性布帛に給電し、昇温させるために接続される接続部材としては、各種の構造の部材が知られている。例えば、導電性を有する繊維製品の両端にニクロム線等を縫い付けて電極とし、電極の端部に電極板が接続された発熱シートが知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、布材の一部を導電線材で構成し、他部を導電線材より脆弱な線材で構成し、その後、他の線材を布材から除去して布材本体と布材片との間から導電線材を露出させ、複数の導電線材の相対位置関係を維持しつつ、導電線材に接続部材を電気的に繋げる布材の製造方法が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−127779号公報
【特許文献2】特開2010−245006号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載された発熱シートでは、繊維製品の両端にニクロム線等の接続部材を縫い付けた後、その端部に電極板を接続する構成であるため、特に、シートカバー作製後に電極板を接続するときに、接続作業が容易ではない。また、特許文献2に記載された布材の製造方法では、接続部材の接続時に、露出部における導電線材の乱れが抑えられ、作業が容易であるかもしれないが、布材本体と接続部材とは縫着により接続されており、必ずしも接続作業が容易であるとはいえない。
【0006】
本発明は前述の従来の状況に鑑みてなされたものであり、導電部が長手方向に沿って切断されており、導電性布帛に容易に接続させることができる接続部材を提供することを課題とする。また、導電性布帛と、この導電性布帛に接続された本発明の接続部材とを備える接続構造体を提供することを課題とする。更に、端部より内側部分において導電糸を露出させた導電性布帛と、導電部の長手方向にスリットが形成された接続部材とを使用し、容易に、且つ確実に導電性布帛と接続部材とを接続させることができる接続構造体の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は以下のとおりである。
1.複数の導電糸を有する導電性布帛に電気的に接続される帯状の接続部材であって、
導線が長手方向に延びるように配された帯状の導電部と、前記導電部の一端部に取り付けられた接続端子と、を備え、
前記導電部は前記長手方向に沿って切断されていることを特徴とする接続部材。
2.前記導電部の他端部は、切断されずに繋がった連結部とされている前記1.に記載の接続部材。
3.前記導電性布帛と、請求項1又は2に記載の前記接続部材とが接続された接続構造体であって、
前記導電性布帛には、前記複数の導電糸が互いに略平行になるように並んで配置されており、前記導電性布帛の端縁からは、前記複数の導電糸の端部が露出しており、前記複数の導電糸の端部が、前記導電部と電気的に接続されていることを特徴とする接続構造体。
4.複数の導電糸を有する導電性布帛と、帯状の接続部材とを電気的に接続して接続構造体を製造する接続構造体の製造方法であって、
前記導電性布帛には、前記複数の導電糸が互いに略平行になるように並んで配置されており、前記接続部材には、導線が長手方向に延びるように配された帯状の導電部と、前記導電部の一端部に取り付けられた接続端子と、が備えられるとともに、前記導電部は前記長手方向に沿って切断されてスリットが形成され、且つ前記導電部の他端部は、切断されずに繋がった連結部とされており、
前記導電性布帛が有する前記導電糸の長手方向の端部を残しつつ、前記端部より内側部分において前記導電糸を梯子の横木状に露出させる露出工程と、
前記スリットに、前記導電性布帛の端部を挿通させて、前記梯子の横木状に露出された導電糸が前記スリット内に位置するようにする挿通工程と、
前記スリットにより2片とされた前記接続部材の前記2片を、それぞれ前記導電性布帛上に折り曲げる折り曲げ工程と、
前記接続部材の前記2片間に前記導電性布帛が挟み込まれた状態で、前記2片を加圧しながら加熱して、前記複数の導電糸と前記導電部とを電気的に接続する加圧加熱工程と、を備えることを特徴とする接続構造体の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明の接続部材では、導電部が長手方向に沿って切断されており、導電性布帛に接続するときに、一片側を導電性布帛の側端部の一面側に、他片側を導電性布帛の側端部の他面側に、それぞれ積層させて接続させることができる。そのため、導電性布帛の端縁に露出している導電糸の状態を目視で確認しながら接続することができ、従来のように露出した導電糸を固定するため、導電糸と接続部材とを仮固定することなく、導線と導電糸とを電気的に確実に接続させることができる。また、切断された一片側と他片側とが接続端子が取り付けられた一端側で連結されており、作業が容易であり、且つ効率よく接続させることができる。尚、2枚の接続部材を使用すれば、導電糸の状態を目視で確認することができ、仮固定する必要もないかもしれないが、部品点数が増え、コスト面で不利である。
また、導電部の他端部が、切断されずに繋がった連結部とされている場合は、接続端子が取り付けられた側のみでなく、接続部材の他端部も繋がった状態となるため、特に本発明の接続構造体の製造方法のようにして導電性布帛と接続部材とを接続するときに有用である。
本発明の接続構造体は、導電性布帛の導電糸と、接続部材の導線とが接続されてなり、例えば、車両、特に乗用車等のシートクッション及びシートバックの表皮材の裏面に貼着され、冬期などの寒冷時に乗員を下方等から暖めることができるシートのヒータ部材などとして有用である。
本発明の接続構造体の製造方法では、端部より内側部分において導電糸を露出させた導電性布帛と、導電部の長手方向にスリットが形成された接続部材とが用いられる。そのため、導電性布帛の導電糸の露出部分と、接続部材のスリットとを嵌め合わせて接続することで、露出している導電糸が乱れることなく揃った状態で接続させることができ、導線と導電糸とを電気的により容易に、且つ確実に接続させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の接続部材の製造に用いられる帯状部材を作製する工程を説明するための図であり、(a)は帯状体の平面図、(b)は帯状体の端部の導線を露出させた状態を説明するための模式図、(c)は露出させた導線の端部を縒った状態を説明するための模式図、(d)は縒られた導線に接続端子がかしめられて取り付けられた状態を説明するための模式図である。
【図2】図1、(d)の帯状部材の、導線が配された導電部が長手方向に沿って切断されてなる本発明の接続部材の一例の模式図である。
【図3】図1、(d)の帯状部材の、導電部の他端部が切断されずに繋がった連結部とされている本発明の接続部材の他例の模式図である。
【図4】導電性布帛と、その側端部を挟み込むようにして取り付けられている接続部材とを、理解し易いように図示する模式的な斜視図である。
【図5】本発明の接続構造体の模式的な平面図である。
【図6】導電糸の長手方向の端部を残しつつ、端部より内側部分において導電糸が梯子の横木状に露出されている導電性布帛の模式的な平面図である。
【図7】露出部の導電糸と略直交する方向の両端部に、導電糸が露出していない非露出部が形成されている導電性布帛の模式的な平面図である。
【図8】図3の接続部材のスリットに、図6の導電性布帛の端部を挿通させる前の、接続部材と導電性布帛とを説明するための模式図である。
【図9】接続部材のスリットに、導電性布帛の端部が挿通され、導電性布帛の露出した導電糸と接続部材の導線とが対向する位置で、接続部材と導電性布帛とが嵌め合わされている様子を説明するための模式図である。
【図10】接続部材の2片を、それぞれ導電性布帛の表裏面に向かって折り曲げ、積層させた様子を説明するための説明図である。尚、この図10を製造された接続構造体の図として代用する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を図1〜10を参照しながら詳しく説明する。
ここで示される事項は例示的なもの及び本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
【0011】
[1]接続部材
本発明の接続部材(図2の接続部材101及び図3の接続部材102参照)は、複数の導電糸5aを有する導電性布帛(図4〜10の導電性布帛5参照)に電気的に接続される帯状の接続部材101、102であって、導線が長手方向に延びるように配された帯状の導電部2と、導電部2の一端部(導電部2の撚り部2cの側の端部)に取り付けられた接続端子4と、を備える。また、導電部2は長手方向に沿って切断されている。
【0012】
前記「接続部材101、102」は、帯状の導電部2を備え、導電部2には、長手方向に延びるように導線が配されているとともに、導電部2は長手方向に沿って切断され、導電部の一片側2aと、導電部の他片側2bとの2片に分割されている。更に、導電部2の一片側2a及び他片側2bの各々の外側、即ち、切断部とは反対側には、絶縁性の接続部3が設けられており、接続部3は、導電部2の一片側2aに連設された接続部3aと、導電部2の他片側2b連設された接続部3bとからなる。
【0013】
更に、導電部2は長手方向に沿って切断され、導電部2に連設された接続部3a、3bとともに、幅方向に2分割されているが、一形態として、接続端子4が取り付けられた側の端部を除いて他の全てが切断部S1で切断された形態が挙げられる(図2の接続部材101参照)。この接続部材101では、導電部2の、接続端子4が取り付けられた側の一端部では、導電部2の一片側2aと他片側2bとが連結されて一体となっており、他端側は切断され、分離されて全くの自由端となっている。
【0014】
そのため、導電性布帛(例えば、図4、5の導電性布帛5参照)の側端部に接続部材101を取り付けるときに、接続部材を折り曲げる必要がない。接続部材101は、以下のようにして導電性布帛5の側端部に接続させることができる。
導電部2の一片側2a及びこれに連設された接続部3aと、導電糸5aの端部(図4の、導電糸5aの露出している端部5b参照)が露出している導電性布帛5の側端部の一面側とを積層させる。その後、導電部2の他片側2b及びこれに連設された接続部3bと、導電性布帛5の側端部の他面側とを同様にして積層させる。次いで、積層された導電部2及び接続部3と導電性布帛5の側端部とを加熱し、必要に応じて加圧して、導電性布帛5と接続部材101とを接続させ、接続構造体201(図4、5参照)を製造する。この場合、導電性布帛5の端縁に露出している導電糸5aの端部5bが略整列していることを目視で確認しながら接続させることができる。そのため、導電性布帛5の導電糸5aの端部5bと接続部材101の導線とを、より容易に、且つ確実に電気的に接続させることができる。
【0015】
また、接続部材101は、以下のようにして、図6、7に記載の導電性布帛5の側端部に接続させることもできる。
導電糸5aの露出部51及び露出部51に隣接する導電性布帛5の一面と、導電部2の一片側2a及びこれに連設された接続部3aとを積層させる。また、導電糸5aの露出部51及び露出部51に隣接する導電性布帛5の他面と、導電部2の他片側2b及びこれに連設された接続部3bとを積層させる。その後、導電性布帛5の導電糸5aの露出部51及び露出部51に隣接する導電性布帛5と、積層された導電部2及び接続部3とを加熱し、必要に応じて加圧する。このようにして、導電性布帛5と接続部材101とを接続させて接続構造体を製造することができる(接続部材102を用いたときの、図10の接続構造体202と略同様の構成の接続構造体である。)。
【0016】
更に、接続部材の他の形態として、導電部2の接続端子4が取り付けられた一端部とは反対側の他端部は切断されず、繋がったままの連結部Cとされている形態が挙げられる(図3の接続部材102参照)。この接続部材102では、導電部2は、接続端子4が取り付けられた側の一端部では、導電部2の一片側2aと他片側2bとが連結されて一体となっており、他端部では、連結部Cにより一片側2aと他片側2bとが繋がっている、即ち、接続部材102では、導電部2の両端部が繋がった状態であり、その間にスリットS2が形成されている。
【0017】
接続部材102は、前述の接続部材101と同様にして、導電性布帛5の側端部に接続させて接続構造体を製造することができる(接続部材101を用いたときの、図4、5の接続構造体201と略同様の構成の接続構造体である。)。この場合、接続部材101のときと同様に、露出している導電糸5aの端部5bが略整列していることを目視で確認しながら接続させることができるため、導電性布帛5の導電糸5aの端部5bと接続部材102の導線とを、より容易に、且つ確実に電気的に接続させることができる。更に、この接続部材102は、後述の本発明の接続構造体の製造方法のようにして、導電性布帛5に接続させ、図10の接続構造体202を製造することができる。
【0018】
[2]接続部材を作製するための帯状部材
本発明の接続部材101、102は、帯状の絶縁部12と、この絶縁部12の間に長手方向に延びるように配された導線部11と、導線部11の一端部の撚り部11bに取り付けられた接続端子4(接続部材101、102の接続端子4となる。)と、を有する帯状部材1[図1(d)参照]を用いて作製することができる。また、この帯状部材1は、帯状体1a[図1(a)参照]を加工することにより作製することができる。
【0019】
帯状体1aは、帯状の絶縁部12と、この絶縁部12の間に、長手方向に延びるように配された導線部11とを有しており、絶縁部12及び導線部11の材質、導線部11の配置形態等は特に限定されない。また、帯状体1aは、通常、織物により構成され、この場合、導線部11は、導線が経糸の一部をなし、通常、非導電糸が経糸として併用される。更に、緯糸としては少なくとも非導電糸が用いられ、これらの非導電糸によって絶縁部12が形成される。この緯糸としては、非導電糸の他、導電糸等を用いてもよいが、特にその必要はなく、緯糸の全てが非導電糸であってもよい。
【0020】
帯状体1aを構成する織物に用いられる非導電糸の材質は特に限定されず、植物系及び動物系の天然繊維、レーヨン等の再生繊維、アセテート等の半合成繊維、ポリアミド及びポリエステル等の合成樹脂からなる合成繊維等を用いてなる糸が挙げられる。これらの非導電糸は1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。尚、これらの非導電糸は、通常、比抵抗が10Ω・cmを超え、絶縁性である。
【0021】
導線部11(図2の接続部材101及び図3の接続部材102の各々の導電部2となる。)は、接続部材101、102の導電部2となったときに、ECU等から給電された電力を、導電性布帛が有する導電糸(例えば、図4、5の導電性布帛5が有する導電糸5a参照)に供給し、発熱させることができればよく、導線の材質及び線径等は特に限定されない。導線としては、銅、アルミニウム、銀等の金属、及び銅合金、アルミニウム合金等の合金からなる導線を用いることができ、低コスト、高導電率であるため、銅、アルミニウムからなる導線、特に銅からなる導線が好ましい。また、導線の線径は、100〜2000μmであればよく、500〜1500μm、特に500〜1000μmであることが好ましい。
【0022】
帯状体1aにおける導線部11の配置も特に限定されず、導線部11は、帯状体1aの幅方向において略中央部に配置されていてもよく、片寄って配置されていてもよいが、略中央部に配置されていることが好ましい。即ち、帯状体1aの幅方向の略中央部に導線が経糸として纏まって織り込まれており、その両側部に非導電糸が織り込まれて絶縁部12が形成されていることが好ましい。
【0023】
また、導線部11の一端部に接続端子4を取り付けるため、帯状体1aの一端側の絶縁部12は取り除かれ、導線部11が露出される[図1(b)の露出部11a参照、この露出部11aは接続部材101、102の導電部2の一端部の撚り部2c及びそれに連なる露出部となる。]。絶縁部12を取り除き、導線部11の一端側を露出させる方法は特に限定されない。例えば、帯状体1aの一端側を加熱することによって、非導電糸等の非導電材を溶融させ、又は燃焼させて除去することができる。尚、この非導電糸等の非導電材の除去時、経糸として導線部11に織り込まれた非導電糸も同時に除去される。
【0024】
非導電糸等は、導線と比べて融点が低く、又はより低温で燃焼が開始されるため、加熱することによって溶融させ、又は燃焼させて容易に除去することができる。加熱手段は特に限定されず、電熱加熱により昇温した昇温部材等を接触させる方法、及び炭酸ガスレーザ、YAGレーザ、エキシマレーザ等のレーザを照射する方法等が挙げられるが、絶縁部12を効率よく取り除くことができるため、レーザを照射する方法が好ましい。
【0025】
更に、導線部11の一端部に接続端子4を取り付けるため、露出部11aの端部側が縒られ、撚り部11b(接続部材101、102の導電部2の一端部の撚り部2cとなる。)が形成される。また、この撚り部11bを接続端子4の取り付け部に挿入し、かしめることで、導線部11の一端部に接続端子4を取り付けることができる。接続端子4は特に限定されず、電線等の接続に用いられる各種の圧着端子等の一般的な接続端子を用いることができる。圧着端子には、絶縁被覆が施されていてもよく、施されていなくてもよいが、絶縁被覆を有する圧着端子が好ましい。このようにして接続端子4を取り付けることで、接続部材101、102を作製するための帯状部材1[図1(d)参照]を作製することができる。
【0026】
[3]接続部材の作製方法
接続部材101、102は、前述の帯状部材1を加工して作製することができる。
接続部材101(図2参照)は、帯状部材1の導線部11を長手方向に沿って切断し、導線部11の両側部に連設された絶縁部12とともに、帯状部材1を幅方向に略2分割することで作製することができる。この際、接続端子4が取り付けられた側の一端部を除く他の全てを切断することにより、接続端子4が取り付けられた側の一端部では、導電部2の一片側2aと他片側2bとが連結されて一体となっており、他端側は全くの自由端となっている接続部材101を作製することができる。
【0027】
また、接続部材102(図3参照)では、導線部11を長手方向に沿って切断するに際し、接続端子4が取り付けられた側とは反対側の他端部は切断せず、端部が連結され、連結部Cが形成されるように切断する。これにより、接続端子4が取り付けられた一端部では、導電部2の一片側2aと他片側2bとが連結されて繋がっており、他端部は連結部Cにより繋がっている、即ち、導電部2の両端部が繋がった状態であって、この間にスリットS2が形成された接続部材102を作製することができる。
【0028】
帯状部材1の導線部11を長手方向に沿って切断する方法は特に限定されない。例えば、超音波カッター、電熱加熱等により昇温させた熱刃等を用いて切断することができる。このように加熱によって切断すれば、帯状部材1を構成する緯糸として織り込まれた非導電糸を融解させて切断することになり、切断面は、非導電糸が融解し、その後、固化してなる樹脂により覆われる。そのため、切断面における導線及び緯糸、経糸として織り込まれた非導電糸のほつれがない、又は少なくともほつれが抑えられた接続部材101、102とすることができる。
【0029】
[4]接続構造体
本発明の接続構造体は、導電性布帛(図4、5の導電性布帛5参照)の端縁より露出している導電糸5aの端部5b(図4参照)に、本発明の接続部材(図2の接続部材101及び図3の接続部材102参照)が有する導線が電気的に接続されてなる(接続部材101を用いたときの、図4、5の接続構造体201参照、尚、接続部材102を用いたときも、略同様の構成の接続構造体とすることができる。)。
図4は、導電性布帛5と、その側端部に取り付けられた接続部材101とを、理解し易いように図示した図である。接続部材101は、導電部2の一片側2a及びこれに連設された接続部3aが、導電性布帛5の側端部の一面側と積層され、導電部2の他片側2b及びこれに連設された接続部3bが、導電性布帛5の側端部の他面側と積層され、導電性布帛5の側端部に接続されている。
尚、接続部材及び導線については、前記[1]接続部材、[2]接続部材を作製するための帯状部材、及び[3]接続部材の作製方法における各々についての記載をそのまま適用することができる。
【0030】
前記「導電性布帛5」は、織物であってもよく、編み物であってもよい。織物も特に限定されず、平織り、綾織り、朱子織り等のいずれの織り組織であってもよい。また、編み物も特に限定されず、緯編み及び経編みのいずれの編み組織であってもよい。更に、織物及び編み物に用いる非導電糸の材質も特に限定されず、前述の帯状部材1の絶縁部12(接続部材101、102の接続部3)を構成する緯糸及び経糸として用いられる各種の天然繊維、再生繊維、半合成繊維、及び合成樹脂からなる合成繊維等を用いてなる糸を使用することができる。これらの非導電糸は1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、これらの非導電糸は、通常、比抵抗が10Ω・cmを超え、絶縁性である。
【0031】
織物及び編み物の構成糸の一部として用いられる前記「導電糸5a」(図4、5の導電糸5a参照)は、通電可能な導電性の繊維状材料であり、特にJIS K 7194に準拠して測定した比抵抗(体積抵抗率)が100〜10−12Ω・cmの導電糸5aを使用することができる。このような導電糸5aとしては、例えば、金、銀、銅、黄銅、白金、鉄、及びSUS304,SUS316、SUS316L等のステンレス鋼、並びに亜鉛、錫、ニッケル、アルミニウム、タングステン等からなる金属線が挙げられる。また、これらの金属線のうちでは、ステンレス鋼製の金属線が、優れた耐食性及び強度等を有するため好ましい。
【0032】
金属線の線径も特に限定されないが、強度及び柔軟性の観点で、10〜150μm、特に20〜60μmであることが好ましい。更に、金属線は、例えば、ポリエステル繊維等の他の繊維材料を芯糸とし、金属線を鞘糸とし、S及びZのうちの少なくとも一方の撚方向に金属線を巻き付けてなる複合糸の形態で用いることもできる。また、金属線として、その表面に樹脂コーティング(電気絶縁性の被覆)が施された金属線を用いることもできる。コーティングに用いる樹脂は特に限定されず、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられ、耐久性の観点でポリウレタン樹脂が好ましい。
【0033】
導電糸5aとしては、めっき線材を用いることもできる。このめっき線材としては、非導電性又は導電性の繊維材料を芯材とし、この芯材の表面のうちの全面又は幅方向の一部において全長さに亘って形成された、単体金属又は合金からなるめっき層を有する線材を用いることができる。このように芯材の表面にめっき層を形成することで、芯材が非導電性の繊維材料であっても導電糸5aとすることができる。一方、芯材が導電性の繊維材料の場合、めっき層を形成することで耐久性を向上させることができる。
【0034】
導電糸5aとしては、各種の炭素繊維を用いることもできる。この炭素繊維としては、ポリアクリロニトリル系炭素繊維(PAN系炭素繊維)、ピッチ系炭素繊維等が挙げられる。これらの炭素繊維のうちでは、1000℃以上の焼成温度で製造される炭素化繊維、黒鉛化繊維、黒鉛繊維等の炭素繊維が、優れた電気伝導性を有するため好ましい。
【0035】
織物又は編み物の構成糸として織成される又は編成される非導電糸中の導電糸5aの間隔は特に限定されないが、例えば、接続構造体(図4、5の接続構造体201及び図9の接続構造体202参照)が乗用車のシートクッションのヒータ部材として用いられる場合は、2〜100mm、特に5〜50mm程度が好ましい。間隔が狭いと均等に暖めることができるが導電糸5a1本当たりの電流が少なくなり温度が低下する、若しくは温度を上げるために電圧を高くすれば、消費電力が増加することになる。一方、間隔が広いと導電糸5a1本当たりの電流が多くなり温度が上がる、若しくは電圧を下げて消費電力を抑制することができる。しかし、間隔が広いためシートクッション表面等の温度ムラが生じ易くなる。
【0036】
また、導電性布帛5における導電糸5aの配置も特に限定されず、導電糸5aは略等間隔に織成又は編成されていてもよく、等間隔でなくてもよい。導電糸5aが略等間隔に織成又は編成されておれば、導電性布帛5の全面をより均等に暖めることができる。一方、導電性布帛5の特定箇所を特に十分に昇温させたい場合は、対応する箇所において導電糸5aを相対的に密に配置させ、他の箇所において相対的に粗に配置させることもできる。
【0037】
更に、導電糸5aは、非導電糸の間に1本のみを織成又は編成してもよく、非導電糸の間に複数本、例えば、2〜10本、特に2〜5本の導電糸5aを連続して織成又は編成してもよい。この場合、連続して織成又は編成された複数の導電糸5aの、導電性布帛5における配置は等間隔でもよく、等間隔でなくてもよい。このように、導電性布帛5の全面を均等に暖めるか、特定の箇所をより十分に暖めるかは、導電糸5aを配置させる間隔、及び導電糸5aを連続して織成又編成するときの本数等によって調整することができる。
【0038】
また、導電糸5aの端部5bを露出させる方法は特に限定されないが、導電性布帛5の側端部を加熱することによって、非導電糸等を溶融させ、又は燃焼させて除去し、導電糸5aの端部5bを露出させることができる。加熱手段は特に限定されず、電熱加熱等により昇温させた発熱部材等を接触させる方法、及び各種のレーザを照射する方法等が挙げられるが、レーザを照射する方法が好ましい。
【0039】
導電性布帛5の端縁に露出された導電糸5aの端部5bと、接続部材101、102の導線との接続方法も特に限定されず、導電糸5aの端部5bと導線とが接触した状態で、接続部材101、102を導電性布帛5の両側端部の表裏面に接合させる、及び縫着させる等の接続方法が挙げられる。例えば、接続端子4を治具に固定し、接続部材101、102の導電部2の一片側2aと他片側2b、及びそれぞれに連設された接続部3a、3bをガイドに沿わせて配置させ、接合させる、及び/又は縫着させて、接続させることができる。
【0040】
接合方法としては、溶着、及び接着剤を用いて接合させる等の方法が挙げられるが、溶着であれば、接続部材101、102をより強固に固定することができるため、溶着可能であれば、加熱し、必要に応じて加圧し、溶着させて接続させることが好ましい。また、接着剤により接合させたうえで、更に縫着させることもでき。このようにすれば、接続部材101、102をより強固に固定することができ、且つ電気的により確実に接続させることができる。更に、露出された導電糸5aの端部5bと導線とは、合成樹脂等の絶縁材料を用いてなり、特定の構造を有する絶縁部材によって圧接させた状態で接続させることもできる。
【0041】
[5]接続構造体の製造方法
本発明の接続構造体の製造方法では、複数の導電糸5aを有する図6及び図7の導電性布帛5と、図3の帯状の接続部材102とを電気的に接続させて図10の接続構造体202を製造する。
【0042】
導電性布帛5には、複数の導電糸5aが互いに略平行になるように並んで配置されており、接続部材102には、導線が長手方向に延びるように配された帯状の導電部2と、導電部2の一端部に取り付けられた接続端子4と、が備えられる。また、導電部2は長手方向に沿って切断されて一片側2aと他片側2bになり、一端部には接続端子4が取り付けられ、他端部は切断されずに繋がった連結部Cとされ、その間にスリットS2が形成されている。
尚、接続部材及び導線については、前記[1]接続部材、[2]接続部材を作製するための帯状部材、及び[3]接続部材の作製方法における各々についての記載をそのまま適用することができる。また、導電性布帛については、前記[4]接続構造体における記載をそのまま適用することができる。
【0043】
本発明の接続構造体の製造方法は、以下の工程をこの順に備える。
(1)導電性布帛が有する導電糸の長手方向の端部を残しつつ、端部より内側部分において導電糸を梯子の横木状に露出させる露出工程
(2)スリットに、導電性布帛の端部を挿通させて、梯子の横木状に露出された導電糸がスリット内に位置するようにする挿通工程
(3)スリットにより分割された接続部材の2片を、それぞれ導電性布帛上に折り曲げる折り曲げ工程
(4)接続部材の2片間に導電性布帛が挟み込まれた状態で、2片を加圧しながら加熱して、複数の導電糸と導電部とを電気的に接続する加圧加熱工程
【0044】
前記「露出工程」では、図6のように、導電糸5aの長手方向の端部52、即ち、導電性布帛5の端部を残しつつ、端部52より内側部分において導電糸5aを梯子の横木状に露出させて露出部51を形成する。導電糸5aを露出させる方法は特に限定されないが、導電性布帛5の端部側を加熱することによって、溶融させ、又は燃焼させて除去することができる。加熱手段は特に限定されず、電熱加熱等により昇温させた発熱部材等を接触させる方法、及び前述の各種のレーザを照射する方法等が挙げられる。また、この露出工程のように、端部52を残しつつ、それより内側部分において導電糸5aを露出させる場合は、レーザを照射する方法が特に好ましい。
【0045】
更に、図6の露出部51では、導電糸5aの長手方向と略直交する方向の全長さに亘って導電糸5aが露出されているが、導電糸5aの長手方向と略直交する方向の両端部に、図7のように、導電糸5aを露出させない非露出部53を形成することもできる。この場合、非露出部53は、両端部の導電糸5aが配されていない部分のみで構成されていてもよいし、非露出部53に導電糸5aが含まれていてもよい。
【0046】
前記「挿通工程」では、接続部材102のスリットS2に、導電性布帛5の端部52を挿通させて、露出部51が、スリットS2内に位置するように、導電性布帛5と接続部材102とを嵌め合わせる(挿通前の接続部材102と導電性布帛5とを説明するための図8参照)。この場合、例えば、接続部材102の接続端子4の側と、導電部2の他端部の連結部Cの側とを固定し、スリットS2内に導電性布帛5の端部52を挿通させて、接続部材102のスリットS2と、導電性布帛5の導電糸5aの露出部51とが嵌め合わされるようにしてもよい(図9参照)。また、導電性布帛5の端部52を固定し、この端部52の側から、接続部材102を、スリットS2が導電性布帛5の導電糸5aの露出部51に嵌め合わされるように挿通させてもよい(図9参照)。
【0047】
前記「折り曲げ工程」では、スリットSにおいて分割された接続部材102の2片、即ち、導電部2の一片側2a及び接続部3aとからなる1片と、導電部2の他片側2b及び接続部3bとからなる他片とを、図10のように、それぞれ導電性布帛5上に折り曲げる。図10では、導電部2の1片側2aと接続部3aとが図における導電性布帛5の表面側に折り曲げられている。また、導電部2の他片側2bと接続部3bとは図における導電性布帛5の裏面側に折り曲げられている(裏面側であるため図示はされていない)。
【0048】
前記「加圧加熱工程」では、上述の折り曲げ工程において、接続部材102の2片間に導電性布帛5が挟み込まれた状態となった積層部を、加圧しながら加熱して、複数の導電糸5aと導電部2とを電気的に接続させる。同時に、接続部3aと導電糸の露出部51に隣接する導電性布帛5の表面、及び接続部3bと導電糸の露出部51に隣接する導電性布帛5の裏面、を加圧しながら加熱して接続させる。加圧、加熱の方法は特に限定されず、例えば、溶着面に熱風をあてながら上下からローラで押さえて溶着させる方法などによって加圧、加熱して接続構造体202(外観は加圧加熱前と実質的に同じであり、図10を接続構造体202の図として代用する。)を製造することができる。
【0049】
[6]導電糸への給電及び導電性布帛の昇温
接続構造体201では、導電性布帛5の端縁に露出している導電糸5aの端部5bに、接続部材101、102が有する導線が接続され、この導線が接続端子4及びワイヤハーネス等の電線を介してECU(図示せず)に接続され、電源から供給される電力により導電糸5aが発熱し、導電性布帛5が昇温する。また、接続構造体202では、導電性布帛5の端部52より内側部分において梯子の横木状に露出された導電糸5aの露出部51に、接続部材102が有する導線が接続され、接続構造体201の場合と同様にして、導電糸5aに給電され、導電性布帛5が昇温する。
【0050】
[7]接続構造体の特定の用途について
接続構造体201、202は、乗用車のシートクッションの表皮材の裏面に貼着し、ヒータ部材として用いることができる。この場合、導電糸5aと導線との接続部がシートクッションの幅方向のどの位置になるかは特に限定されないが、接続部がシートクッションのうちの人の臀部、大腿部などが触れる箇所にあると、接続部の硬さにより違和感を覚えることがある。更に、シートバックでは、接続部がシートバックのうちの人の肩、背部等が触れる箇所にあると、接続部の硬さにより違和感を覚えることがある。そのため、接続部は、シートの表皮材と、この表皮材に隣接するサイド材等の他の部材との縫製部より外側に位置するように配設することが好ましい。このようにすれば、着座した人が違和感を覚えることがないとともに、耐久性を向上させることもできる。
【0051】
尚、前述の記載は単に説明を目的とするものでしかなく、本発明を限定するものと解釈されるものではない。本発明を典型的な実施形態を挙げて説明したが、本発明の記述及び図示において使用された文言は、限定的な文言ではなく、説明的および例示的なものであると理解される。ここで詳述したように、その形態において本発明の範囲又は精神から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更が可能である。ここでは、本発明の詳述に特定の構造、材料及び実施形態を参照したが、本発明をここにおける開示事項に限定することを意図するものではなく、寧ろ、本発明は添付の特許請求の範囲内における、機能的に同等の構造、方法、使用の全てに及ぶものとする。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、車両用のシートクッション及びシートバック、ホットカーペット、電気毛布、家庭用電動マッサージシート、屋外及びバイク用ヒータ付きジャケットなどの、昇温させ、暖めることが必要とされる各種の製品において利用することができる。特に乗用車等の車両のシートのように屋内ではないところで用いられる製品を暖めるヒータ部材において有用である。
【符号の説明】
【0053】
101、102;接続部材、201、202;接続構造体、1;帯状部材、1a;帯状体、11;導線部、11a;露出部、11b;撚り部、12;絶縁部、2;導電部、2a;導電部の一片側、2b;導電部の他片側、2c;撚り部、3;接続部、3a;一片側の接続部、3b;他片側の接続部、4;接続端子、5;導電性布帛、5a;導電糸、5b;導電糸の露出した端部、51;梯子の横木状の露出部、52;導電糸の端部、53;非露出部、;S1;切断部、S2;スリット、C;導電部の一端の連結部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の導電糸を有する導電性布帛に電気的に接続される帯状の接続部材であって、
導線が長手方向に延びるように配された帯状の導電部と、
前記導電部の一端部に取り付けられた接続端子と、を備え、
前記導電部は前記長手方向に沿って切断されていることを特徴とする接続部材。
【請求項2】
前記導電部の他端部は、切断されずに繋がった連結部とされている請求項1に記載の接続部材。
【請求項3】
前記導電性布帛と、請求項1又は2に記載の前記接続部材とが接続された接続構造体であって、
前記導電性布帛には、前記複数の導電糸が互いに略平行になるように並んで配置されており、
前記導電性布帛の端縁からは、前記複数の導電糸の端部が露出しており、
前記複数の導電糸の端部が、前記導電部と電気的に接続されていることを特徴とする接続構造体。
【請求項4】
複数の導電糸を有する導電性布帛と、帯状の接続部材とを電気的に接続して接続構造体を製造する接続構造体の製造方法であって、
前記導電性布帛には、前記複数の導電糸が互いに略平行になるように並んで配置されており、
前記接続部材には、導線が長手方向に延びるように配された帯状の導電部と、前記導電部の一端部に取り付けられた接続端子と、が備えられるとともに、前記導電部は前記長手方向に沿って切断されてスリットが形成され、且つ前記導電部の他端部は、切断されずに繋がった連結部とされており、
前記導電性布帛が有する前記導電糸の長手方向の端部を残しつつ、前記端部より内側部分において前記導電糸を梯子の横木状に露出させる露出工程と、
前記スリットに、前記導電性布帛の端部を挿通させて、前記梯子の横木状に露出された導電糸が前記スリット内に位置するようにする挿通工程と、
前記スリットにより2片とされた前記接続部材の前記2片を、それぞれ前記導電性布帛上に折り曲げる折り曲げ工程と、
前記接続部材の前記2片間に前記導電性布帛が挟み込まれた状態で、前記2片を加圧しながら加熱して、前記複数の導電糸と前記導電部とを電気的に接続する加圧加熱工程と、
を備えることを特徴とする接続構造体の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2013−14861(P2013−14861A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−149535(P2011−149535)
【出願日】平成23年7月5日(2011.7.5)
【出願人】(000241500)トヨタ紡織株式会社 (2,945)
【Fターム(参考)】