説明

接続部材、配線板接続体及び電子機器

【課題】接続電極10a,11aを同じ方向に向けた状態で配線板10,11を接続することができる接続部材を提供する。
【解決手段】所定ピッチで形成された複数の接続配線3aを設けた接続配線層3と、上記接続配線層3に積層されるとともに、上記接続配線と厚み方向に導通させられる異方導電層4とを備えて構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、配線板等を接続するための接続部材等に関する。詳しくは、複数の配線板の接続電極、あるいは配線板と電子部品の接続電極を導通させる接続部材、この接続部材を用いた配線板接続体及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器においては、異なる配線板上に設けられた接続電極を電気的に接続することにより、複数の配線板を接続した構造が採用されることが多い。たとえば、電子機器の可動部への配線等の用途にフレキシブルプリント配線板が多用されるが、電子機器の小型化及び高機能化にともなって、上記フレキシブルプリント配線板同士の配線板接続体や、上記フレキシブルプリント配線板とリジッドプリント配線板との配線板接続体等の多様な配線板接続体が用いられる。また、プリント配線板は、シート状の基材から切り出して形成されるため、形態によっては材料の歩留まりが悪い場合がある。このような場合に、複数のプリント配線板を接続することにより、製造コストを低減させることができる。
【0003】
上記配線板を接続するのに導電性接着剤が用いられることが多い。導電性接着剤は、絶縁性のある樹脂接着剤に微細な導電性粒子を分散させて構成されている。接続する配線板の対向する接続電極を含む領域に上記導電性接着剤を介在させて、圧力と温度とを加えて挟圧することにより、これら配線板が接着されると同時に、上記導電性粒子が電極間に掛け渡されてこれら接続電極が導通させられる。一方、隣接する接続電極間は電気的に絶縁される。上記導電性接着剤としてフィルム形態の異方導電性接着剤フィルム(Anisotropic Conductive Film、以下ACFという。)が採用されることが多い。
【0004】
上記ACFは、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂と、導電性粒子と、硬化剤とを含んで構成されている。上記硬化剤は、マイクロカプセルに封入された状態で上記熱硬化性樹脂層中に配合されている。上記導電性接着剤に圧力及び温度を作用させることにより、上記マイクロカプセルが破壊されて上記硬化剤が熱硬化性樹脂中に拡散され、上記導電性粒子を介して上記接続電極間を導通させた状態で上記熱硬化性樹脂が硬化させられ、配線板接続体が形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3912244号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記ACFを用いた接続は、接続される接続電極を、ACFを介して対向させるとともに、圧力及び温度を作用させることにより行われる。このため、接続される配線板は、配線及び接続電極を設けた側が向き合うように配置して接続されることになる。
【0007】
ところが、電子機器や配線板の構造によっては、配線及び接続電極を設けた側を向き合わせた状態で接続できない場合がある。したがって、ACFを用いて配線板接続体を構成する場合、配線板接続体や電子機器における設計の自由度が制限されることになる。
【0008】
接続する配線板上にコネクタ等を設けることにより、配線及び接続電極を同じ方向に向けて上記配線板同士を接続することもできるが、接続構造や電子機器の寸法等が増加することが多い。
【0009】
また、ACFを用いて2つの配線板を接続する場合、接続される配線板の間に配置された上記ACFに、両側に配置される上記配線板の外側から圧力及び温度を作用させなければならない。このため、上記配線板には、上記ACFを接続するために必要以上の温度や圧力が作用して、配線板が傷むといった問題も発生しやすい。
【0010】
本願発明は、上記問題を解決するために案出されたものであって、接続電極を同じ方向に向けた状態で配線板を接続することができる接続部材を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願の請求項1に記載した発明は、所定ピッチで形成された複数の接続配線を設けた接続配線層と、上記接続配線層に積層されるとともに、上記接続配線と厚み方向に導通させられる異方導電層とを備える接続部材に関するものである。
【0012】
本願発明は、種々の配線板接続体に適用することができる。たとえば、フレキシブルプリント配線板同士を接続した配線板接続体に適用できる。また、フレキシブルプリント配線板とリジッドプリント配線板とを接続した配線板接続体に適用できる。さらに、種々のプリント配線板と電子部品とを接続した配線板接続体にも本願発明を適用できる。
【0013】
たとえば、本願発明に係る接続部材を用いて2つの配線板を接続する場合、端縁近傍に設けられた接続電極を同じ方向に向けた状態で配線板の端縁を突き合わせるように配置し、上記2つの配線板に掛け渡すようにして接続部材を配置し、上記各接続電極を上記異方導電層を介して上記接続配線に接続する。これにより、2つの配線板の接続電極が、上記異方導電層及び上記接続配線を介して導通させられる。
【0014】
本願発明に係る接続部材を用いることにより、各配線板の接続電極を同じ方向に向けた状態で、これら配線板を接続することが可能となる。したがって、配線板接続体や電子機器における設計の自由度が高まる。しかも、本願発明では、上記接続部材の厚さ分のスペースで配線板を接続することが可能となり、配線板接続体や電子機器の寸法が大きくなることもない。
【0015】
上記異方導電層は、種々の材料から形成することができる。たとえば、請求項2に記載した発明のように、上記異方導電層を異方導電性接着剤から構成することができる。
【0016】
異方導電性接着剤として、種々の構成のものを採用できる。たとえば、熱硬化性エポキシ樹脂を主剤とする接着剤成分中に、硬化剤を封止したマイクロカプセルと、導電性粒子とを分散配合して構成したものを採用できる。また、上記接着剤の形態も特に限定されることはなく、フィルム状に形成された異方導電性接着剤を上記接続配線層に仮接着して構成することができる。また、ペースト状の異方導電性接着剤を、上記接続配線層に所定厚さで塗着して構成することができる。塗着する上記異方導電性接着剤の厚みも特に限定されることはなく、温度及び圧力を加えて挟圧した場合に、対向する接続電極と接続配線とを導通させると同時に、配線板を一体的に接着できる厚さに設定すればよい。好ましくは、15μm〜50μmの厚みで異方導電性接着剤を塗着して異方導電層を構成することができる。
【0017】
上記異方導電性接着剤を採用する場合には、接続部材と配線板との積層体の少なくとも接続部位を所定の圧力及び温度で挟圧する。これにより、この部分において対向する上記接続電極と上記接続配線とが上記導電性粒子を介して掛け渡し状に導通させられる。なお、接続配線に対する接続部位は、接続配線の端部や端部近傍である必要はなく、接続配線の中間部において接続部位を設定できる。
【0018】
また、上記異方導電層として、たとえば、請求項3に記載した発明のように、弾性を有する異方導電性フィルムを採用することもできる。
【0019】
弾性を有する異方導電性フィルムとして、厚み方向に複数の導通部が形成されるとともに、厚み方向に弾性変形可能なものを採用することができる。上記異方導電性フィルムの片側に接続配線を設けた接続配線層を設け、配線板等の接続電極と上記接続配線とを上記異方導電性フィルムを介して導通させる。この場合、上記異方導電層を厚み方向に導通させるために、上記異方導電性フィルムを所定量弾性圧縮させる必要がある。上記異方導電層を弾性圧縮する手法として、接続部材と配線板との積層部分を所定圧力で圧縮するクリップ等を採用できる。また、ネジ等によって上記接続部分を挟圧した状態で保持するように構成することもできる。弾性を有する異方導電性フィルムとして、たとえば、特開2008−117748号に記載されたもの等を採用することができる。
【0020】
上記接続配線を有する接続配線層は、種々の形態で構成することができる。たとえば、請求項4に記載した発明のように、上記接続配線層を、絶縁性を有するフィルム状基材の片面又は両面に形成し、この接続配線層に上記異方導電層を積層することができる。上記フィルム状基材を構成する材料は特に限定されることはなく、たとえば、ポリイミド樹脂から形成されたフィルム等を基材として採用できる。また、上記接続配線は、プリント配線板の配線を形成するのと同様の手法を用いて、上記フィルム状基材の表面に形成することができる。
【0021】
上記フィルム状基材に接続配線を設けることにより、精度の高い接続配線を形成することができる。このため、接続電極と接続配線とを確実に導通させることができる。また、接続部材自体の強度が高くなるため、配線板や電子部品を接続部材を介して接着して一体化することができる。たとえば、上記フィルム状基材を、2つの配線板を接続する場合の補強部材として機能させることができる。
【0022】
上記接続配線をフィルム状基材の片面に設けることもできるし、両面に設けることもできる。上記接続配線をフィルム状基材の両面に設けると、両面においてそれぞれ2枚の配線板を接続することが可能となる。
【0023】
上記絶縁性を有するフィルム状基材を用いることなく、接続配線層と異方導電層のみによって本願発明の接続部材を構成できる。たとえば、請求項3に記載した弾性を有する異方導電性フィルムにおいては、このフィルムの片面に、印刷等の手法を用いて接続配線を容易に設けることができる。
【0024】
上記接続配線の形態も特に限定されることはない。たとえば、接続する配線板の接続電極が同じピッチで配置されている場合には、請求項6に記載した発明のように、上記接続配線を、所定のピッチで形成された平行直線状に形成することができる。上記接続配線のピッチは、上記接続電極のピッチの5分の1以下に設定するのが好ましい。また、上記接続配線の幅は、上記接続電極の幅の5分の1以下に設定するのが好ましい。これにより、対応する接続電極を導通させると同時に、隣接する電極間の絶縁を行うことができる。
【0025】
また、一方の配線板の接続電極のピッチと他方の配線板の接続電極のピッチとが異なる場合、接続部材の両側縁部に上記各接続電極のピッチに対応するピッチで端部接続配線部を設けるとともに、中間部に上記異なるピッチの端部接続配線部をつなぐように拡開させられる中間接続配線部を設けて、上記接続配線を構成することができる。これにより、接続電極のピッチが異なる配線板同士を接続することができる。
【0026】
請求項7に記載した発明は、上記接続部材を、所定幅のテープ状に形成するとともに、上記接続配線を幅方向に設けたものである。
【0027】
たとえば、同じピッチで接続電極が形成された2枚の配線板を接続する場合には、上記接続配線を一定のピッチで平行状に形成しておき、接続される配線板の接続領域の大きさに合わせてテープ状の接続部材から必要な長さを切り取って用いることができる。
【0028】
また、接続する2つの配線板の接続電極のピッチが異なる場合、接続部材の一方の側縁部から他方の側縁部に向けて拡開するパターンの接続配線をテープの長手方向に複数形成しておき、接続作業を行う際に切り取って用いることができる。
【0029】
請求項8に記載した発明は、2以上の配線板の対応する接続電極部、又は配線板の接続電極部とこれに接続される電子部品の接続電極部とが、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載した接続部材の異方導電層及び接続配線を介して接続されている配線板接続体に関するものである。
【0030】
本願発明に係る接続部材を用いて種々の配線板接続体を構成できる。たとえば、請求項9に記載した発明のように、少なくとも一つの配線板がフレキシブルプリント配線板である配線板接続体に本願発明を適用できる。すなわち、フレキシブルプリント配線板同士を接続して構成される配線板接続体や、フレキシブルプリント配線板とリジッドプリント配線板とを接続して構成される配線板接続体に本願発明に係る接続部材を適用できる。
【0031】
さらに、フレキシブルプリント配線板と電子部品とを本願発明に係る接続部材を用いて接続することができる。
【0032】
また、請求項10に記載した発明のように、本願発明に係る配線板接続体を種々の電気機器に適用することができる。
【発明の効果】
【0033】
接続電極を同じ方向に向けた状態で配線板等を接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本願発明の第1の実施形態に係る接続部材の外観の一例を示す全体斜視図である。
【図2】図1におけるII−II線に沿う断面図である。
【図3】図1に示す接続部材を用いた配線板接続体の平面図である。
【図4】図3に示す配線板接続体の接続前の状態を示す図であり、図3におけるV−V線に沿う断面に対応する断面図である。
【図5】図3に示す配線接板続体のV−V線に沿う断面図である。
【図6】図3に示す配線板接続体のVI−VI線に沿う断面図である。
【図7】本願発明の第2の実施形態に係る接続部材を示す図であり、図2に相当する断面図である。
【図8】本願発明の第3の実施形態に係る接続部材を示す図であり、図2に相当する断面図である。
【図9】図8に示す接続部材の一部を破断した拡大斜視図である。
【図10】本願発明の第4の実施形態に係る接続部材を示す図であり、図2に相当する断面図である。
【図11】本願発明の第5の実施形態に係る接続部材を示す図であり、一部を破断した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本願発明の実施形態を図に基づいて具体的に説明する。図1に本願発明の第1の実施形態に係る接続部材1の外観形態を示す。
【0036】
図1に示すように、本実施形態に係る接続部材1は、絶縁性樹脂から形成されたフィルム状基材2と、このフィルム状基材2の片面に設けられた接続配線層3と、この接続配線層3を被覆するように積層された異方導電層4とを備えて構成される。本実施形態では、上記フィルム状基材2は、所定幅のテープ状に形成されており、ロール状に巻いて保存できるとともに、必要な長さを繰り出し、切断して用いることができるように構成されている。
【0037】
上記フィルム状基材2として、種々の絶縁性樹脂フィルムを採用することができる。たとえば、ポリイミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等から形成された樹脂フィルムを採用することができる。上記フィルム状基材2の厚みも特に限定されることはなく12.5μm〜125μmの厚さの樹脂フィルムを採用できる。
【0038】
上記接続配線層3は、上記フィルム状基材2の表面に所定パターンの接続配線3aを設けて構成される。本実施形態では、厚み18μm、幅25μmの直線状の接続配線3aを50μmのピッチで、フィルム状基材2の幅方向に形成することにより上記接続配線層3が設けられている。上記接続配線3aの形態及び寸法は特に限定されることはない。好ましくは、接続する配線板の接続電極の幅より小さい幅を備えるとともに、上記接続配線のピッチより小さいピッチで形成された接続電極を設けるのが好ましい。上記接続配線層3は、種々の手法によって形成することができる。たとえば、プリント配線板の配線パターンを形成するのと同様の手法によって形成することができる。また、所定パターンの銅箔を図示しない接着剤を介して上記フィルム状基材2の表面に貼着して構成できる。
【0039】
上記異方導電層4は、フィルム状の異方導電性接着剤を、上記接続配線層3を覆うように積層して構成されている。たとえば、異方導電性接着剤は、熱硬化性エポキシ樹脂を主剤とする接着成分中に、硬化剤を封止したマイクロカプセルと、導電性粒子とを分散配合して構成することができる。上記異方導電性接着剤は、所定温度で加熱及び加圧することにより、上記マイクロカプセルが破壊されて、上記熱硬化性エポキシ樹脂を硬化させるように構成されている。本実施形態では、上記フィルム状の異方導電性接着剤を、上記フィルム状基材2及び接続配線層3の表面に、上記マイクロカプセルが破壊しない温度で仮接着して積層されている。なお、ペースト状の異方導電性接着剤を上記フィルム状基材及び接続配線層に所定の厚みで塗着して、上記異方導電層4を構成することもできる。
【0040】
図3に、上記接続部材1を用いた配線板接続体20の平面図を示す。また、図4に配線板接続体20の接続前の状態を示す断面図を、図5に図3のV−V線に沿う断面図を、図6に図3のVI−VI線に沿う断面図を示す。
【0041】
本実施形態に係る配線板接続体20は、上述した接続部材1と、第1のフレキシブルプリント配線板10と、第2のフレキシブルプリント配線板11とを接続して構成される。
【0042】
図6に示すように、上記第1のフレキシブルプリント配線板10及び第2のフレキシブルプリント配線板11は、フィルム状基材10b,11bと、このフィルム状基材10b,11bの表面に形成された配線パターン10a,11aと、カバー層10c,11cとをそれぞれ備えて構成される。上記フィルム状基材10b,11bは、種々の絶縁性樹脂フィルムから構成することができる。たとえば、ポリイミド樹脂やポリエチレンテレフタレート樹脂等から形成された樹脂フィルムを採用できる。
【0043】
上記配線パターン10a,11aの形態は特に限定されることはない。本実施形態では、所定幅及び所定ピッチで形成された平行配線から上記配線パターン10a,11aが形成されている。上記配線パターン10a,11aは、各フレキシブルプリント配線板10,11の接続端縁10d,11dに対して直交する形態に形成されている。また、上記配線パターン10a,11aを覆うカバー層10c,11cが設けられており、上記接続端縁10d,11dの近傍の上記カバー層10c,11cを所定幅で除去することにより、上記配線パターン10a,11aを露出させて、接続電極10e,11eが形成されている。
【0044】
上記配線板接続体20は、上記接続電極10e,11eを図3の紙面上方向に向けるとともに、双方の接続電極10e,11eを横方向に対応させた状態で、上記接続端縁10d,11dを突き合わせるように位置決めする。そして、上記接続電極10e,11eに、上述した接続部材1を掛け渡し状に接続する。
【0045】
すなわち、図5及び図6に示すように、上記異方導電層4を上記接続電極10e,11eに掛け渡し状に積層させた後、上記第1のフレキシブルプリント配線板10及び第2のフレキシブルプリント配線板11と、上記接続部材1とを、所定の温度及び圧力で挟圧する。図5に示すように、上記異方導電層4を構成する異方導電性接着剤が流動させられて、上記接続電極10e,11eの間に充填されて、上記接続部材1と第1及び第2のフレキシブルプリント配線板10,11が接着されると同時に、図示しない導電性粒子が上記接続配線3aと、上記接続電極10e,11e間に噛み込まれ、各接続配線と各接続電極10e,11eとが、厚み方向に導通させられる。これにより、上記第1のフレキシブルプリント配線板10及び第2のフレキシブルプリント配線板11の対応する配線パターン10a,11a同士が導通させられた配線板接続体20が形成される。
【0046】
図5及び図6に示すように、本実施形態では、上記第1のフレキシブルプリント配線板10及び第2のフレキシブルプリント配線板11の上記接続電極10e,11eをともに図3の紙面上方に向けた状態で接続することができる。このため、異方導電性接着剤のみを用いた従来の接続構造のように接続電極を、導電性接着剤を挟んで対向させる必要はない。したがって、配線板接続体20や電子機器の配線の自由度が高まる。
【0047】
また、本実施形態に係る配線板接続体20では、各フレキシブルプリント配線板10,11に対して厚みが増加することはほとんどない。このため、電子装置の小型軽量化を図ることができる。
【0048】
しかも、本実施形態では、上記接続部材1のフィルム状基材2の側から加熱及び圧縮を行うことができる。このため、上記第1のフレキシブルプリント配線板10及び第2のフレキシブルプリント配線板11に、必要以上の熱や圧力が作用することはない。したがって、上記第1のフレキシブルプリント配線板10及び第2のフレキシブルプリント配線板11が熱や圧力によって傷む恐れがなく、さらに、耐熱性の低いフレキシブルプリント配線板を採用することも可能となる。
【0049】
図7に、本願発明の第2の実施形態に係る接続部材の断面を示す。
【0050】
第2の実施形態に係る接続部材201は、フィルム状基材202の両面に接続配線層213,223を設け、この接続配線層213,223を覆うように、異方導電層204a,204bを設けたものである。なお、上記各部を構成する部材は、第1の実施形態と同様であるので説明は省略する。
【0051】
上記構成を採用すると、接続部材201の両側に配置した配線板等を、上記フィルム状基材202の両側に設けた接続配線213a,223aに対してそれぞれ接続することができる。たとえば、両端部の両面にフレキシブルプリント配線板をそれぞれ接続し、合計4枚のフレキシブルプリント配線板を用いた配線板接続体を構成できる。このため、配線密度の高い配線板接続体を構成できる。
【0052】
図8に、本願発明の第3の実施形態に係る接続部材の断面を示す。
【0053】
第3の実施形態に係る接続部材401は、異方導電層404を、弾性を有する異方導電性フィルムを用いて構成したものである。
【0054】
すなわち、絶縁性を有するフィルム状基材402に接続配線層403を設けるとともに、この接続配線層403に、弾性を有する異方導電性フィルム404aを積層して、接続部材401を構成している。
【0055】
図9に示すように、本実施形態に係る異方導電性フィルム404aは、絶縁性の多孔質樹脂フィルム404bの複数箇所に、表面から裏面に貫通する貫通孔404cを多数配列形成し、この貫通孔404cの内壁周囲の樹脂に、導電性金属404dを付着させることにより、厚み方向に導電性を有する導通部が形成されている。上記異方導電性フィルム404aは、縁部等に設けた接着剤406を介して、上記フィルム状基材402に一体的に積層されている。
【0056】
上記異方導電性フィルム404aは、たとえば、気孔率が20〜80%のポリテトラフルオロエチレン膜(多孔質PTFE膜)を基膜として用いることができる。基膜が多孔質であり、しかも内壁周囲の樹脂に導電性をもたせた上記貫通孔404cを多数有する構造であるため、弾性変形能及び回復能が非常に高い。このため、容易に圧縮変形させることができるとともに、上記圧縮変形によって上記貫通孔を介して両側に位置する配線板等の接続電極と、上記接続配線403aとを導通させることができる。
【0057】
本実施形態に係る上記接続部材401は、配線板の接続電極に積層してクリップ等を用いて圧縮変形させることにより、厚み方向に導通させることができる。また、ネジ等によって上記積層部分を挟圧した状態で保持するように構成することもできる。
【0058】
本実施形態に係る接続部材401は、繰り返し着脱する配線板接続体を構成するに好適である。また、配線板や電子機器の導通テストに用いるのにも好適である。
【0059】
図10に、本願発明の第4の実施形態に係る接続部材の断面を示す。第4の実施形態も、第3の実施形態と同様の弾性を有する異方導電性フィルムを用いて接続部材501を構成したものである。
【0060】
上記異方導電性フィルム504aの片面には、接続配線503が一体的に設けられている。そして、上記接続配線503を覆うようして、絶縁性の樹脂被覆層502が積層形成されている。
この実施形態に係る接続部材501も、第3の実施形態に係る接続部材401と同様の作用効果を発揮することができる。
【0061】
図11に、本願発明の第5の実施形態に係る接続部材を示す。
【0062】
本実施形態に係る接続部材601は、所定ピッチで形成された複数の接続電極610eを有する第1のフレキシブルプリント配線板610と、上記接続電極610eと異なるピッチで形成された複数の接続電極611eを有する2のフレキシブルプリント配線板611とを接続できるように構成したものである。
【0063】
図11に示すように、第1のフレキシブルプリント配線板610の端部に設けられた接続電極610eのピッチは、第2のフレキシブルプリント配線板611の端部に形成された接続電極611eのピッチより狭い。このため、これらプリント配線板を上述した平行状の接続配線を備える接続部材を用いて接続することはできない。
【0064】
本実施形態に係る接続部材601は、フィルム状基材602の一方の端縁部に形成されるとともに上記第1のフレキシブルプリント配線板610の接続電極610eのピッチに対応した第1の接続配線部603aと、上記第2のフレキシブルプリント配線板611の接続電極611eのピッチに対応した第2の接続配線部603bと、上記フィルム状基材602の中間部において、上記第1の接続配線部603aと上記第2の接続配線部603bとをつなぐとともにピッチを拡開するように形成された第3の接続配線部603cとを備えて構成される。
【0065】
上記第1の接続配線部603aと上記第2の接続配線部603bに、第1のフレキシブルプリント配線板610の接続電極610eと、第2のフレキシブルプリント配線板611の接続電極611eとをそれぞれ位置決めして重ね合わせる。そして、これら部材を熱加圧及び加圧することにより、上記第1のフレキシブルプリント配線板610と上記第2のフレキシブルプリント配線板611とが接続される。
【0066】
上記構成を採用することにより、配線ピッチが異なる接続電極を備える配線板を接続することが可能となる。
【0067】
上述した実施形態では、フレキシブルプリント配線板を接続して構成される配線板接続体に、本願発明に係る接続部材を適用したが、フレキシブルプリント配線板とリジッドプリント配線板、フレキシブルプリント配線板あるいはリジッドプリント配線板と電子部品とを接続した配線板接続体に本願発明に係る接続部材を適用することができる。
【0068】
本願発明の範囲は、上述の実施形態に限定されることはない。今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって、制限的なものでないと考えられるべきである。本願発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0069】
設計の自由度が制限されることなく、配線板接続体を構成できる。
【符号の説明】
【0070】
1 接続部材
2 フィルム状基材
3 接続配線層(接続配線)
4 異方導電層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定ピッチで形成された複数の接続配線を設けた接続配線層と、
上記接続配線層に積層されるとともに、上記接続配線と厚み方向に導通させられる異方導電層とを備える、接続部材。
【請求項2】
上記異方導電層が異方導電性接着剤から構成されている、請求項1に記載の接続部材。
【請求項3】
上記異方導電層が、弾性を有する異方導電性フィルムから構成されている、請求項1に記載の接続部材。
【請求項4】
上記接続配線層が絶縁性を有するフィルム状基材の片面又は両面に形成されているとともに、この接続配線層に上記異方導電層が積層されている、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の接続部材。
【請求項5】
接続配線層の両側に上記異方導電層が設けられている、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の接続部材。
【請求項6】
上記接続配線が所定ピッチで形成された平行直線状である、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の接続部材。
【請求項7】
上記接続部材は、所定幅のテープ状に形成されているとともに、上記接続配線が幅方向に設けられている、請求項6に記載の接続部材。
【請求項8】
2以上の配線板の対応する接続電極部、又は配線板の接続電極部とこれに接続される電子部品の接続電極部とが、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載した接続部材の異方導電層及び接続配線を介して接続されている、配線板接続体。
【請求項9】
少なくとも一つの配線板がフレキシブルプリント配線板である、請求項8に記載の配線板接続体。
【請求項10】
請求項8又は請求項9のいずれか1項に記載した配線板接続体を備える、電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−204839(P2011−204839A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−69713(P2010−69713)
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(500400216)住友電工プリントサーキット株式会社 (197)
【Fターム(参考)】