説明

接続部材および実装体、ならびにその製造方法

【課題】 ビア形成工程を必要とせずに製造される接続部材を提供する。
【解決手段】 接続部材100は、上側表面10aおよび該上側表面に対向する下側表面10bならびにこれらを接続する側面10cを有して成る絶縁性基体10;および上側表面から側面上を経由して下側表面に延在する少なくとも一本の配線20を有して成る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板と回路基板、または回路基板と電子部品とを電気的に接続するための接続部材およびその製造方法、ならびに当該接続部材を含む実装体に関する。
【背景技術】
【0002】
所定の電気回路が形成された回路基板と、それとは別の回路基板とを電気的に接続する場合、両者を互いに電気的および機械的に接続するスタッキングコネクタが通常用いられる。スタッキングコネクタは、例えば、特許文献1に開示されている。
【0003】
また回路基板同士を、異方性導電膜(ACF;anisotropic conductive film)を用いて電気的に接続する技術も開発されており、そのような技術は、例えば、特許文献2および特許文献3に開示されている。さらに、例えば特許文献4に開示されているように、回路基板間の接続部材として半田を用いて、両者の電気的および機械的な接続を確保する手法もある。
【0004】
また、接続部材としては、特許文献12において、圧接型電気コネクタが開示され、特許文献13には、表面実装用端子が開示されている。
【0005】
さらに、近年のエレクトロニクス機器の小型化および薄型化に伴って、半導体チップの小型化および電極の狭ピッチ化が進んでいる。このような小型で狭ピッチの半導体チップの各パッドに対応させるように、ランドおよび配線パターンをプリント配線板上に多数形成することは、高度な技術を要するだけでなく、コストアップにもつながっていた。このため、既存の実装技術を用いて半導体チップを基板に実装する方法として、インターポーザと呼ばれる中間基板を介して、親プリント配線板であるマザー基板上に、半導体チップを実装する方法が最近では広く用いられている。そのようなインターポーザとしては、主にセラミックインターポーザと樹脂基板インターポーザがあり、セラミックインターポーザは熱伝導性に優れ、樹脂基板インターポーザはコストの面で利点がある。これらのインターポーザもまた、回路基板と回路基板を接続する接続部材の一種である。
【0006】
このようなインターポーザを用いる技術は、例えば、特許文献5、6、7等に開示されている。また、インターポーザと同様の機能を果たす基板が、例えば、特許文献8、9、10等に開示されている
【0007】
さらにまた、能動部品(例えば半導体素子)、受動部品(例えばコンデンサ)等の電子部品を基板に内蔵することで、高密度実装を実現する部品内蔵基板等を用いた3次元実装技術の開発もなされている。
【0008】
このような3次元実装によって例えば図67に示すような回路部品内蔵モジュールが形成される(後述の特許文献11参照)。図67に示した回路部品内蔵モジュール2000は、絶縁性基板2001a、2001bおよび2001cを積層して成る基板2001と、基板2001の主表面および内部に形成された配線パターン(または配線層)2002と、基板2001の内部に配置され、配線パターンに接続された回路部品2003とから構成されている。配線パターン2002は、ビアホール導体2004によって電気的に接続されている。絶縁性基板2001a、2001bおよび2001cは、例えば無機フィラーと熱硬化性樹脂とを含む混合物から構成されている。
【0009】
【特許文献1】特開平8−228059号公報
【特許文献2】特開平5−174889号公報
【特許文献3】特開平6−268345号公報
【特許文献4】特開平6−120671号公報
【特許文献5】特開2002−313984号公報
【特許文献6】特開2003−110060号公報
【特許文献7】特開2003−100962号公報
【特許文献8】特開平8−236654号公報
【特許文献9】特開2000−36648号公報
【特許文献10】特開平10−107398号公報
【特許文献11】特開平11−220262号公報
【特許文献12】特開2003−197289号公報
【特許文献13】特開平6−111869号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
このように、種々多様な接続部材が使用されてきた。しかしながら、上記の接続部材は回路基板および部品のさらなる小型化および狭ピッチに対応できないという問題を有する。以下に、従来の接続部材の問題点を説明する。
【0011】
スタッキングコネクタを用いる場合、スタッキングコネクタを配置するスペースを回路基板上に確保する必要がある。このことは、電子機器の小型化を妨げる。また、回路基板がフレキシブル基板(例えば、ポリイミド基板)であり、これにスタッキングコネクタを取り付けると、フレキシブル基板を用いて薄型化を図っても、スタッキングコネクタ自体が相当大きい厚さを有するために、電子機器の厚さを有効に薄くすることが困難になる。さらに、特許文献1ではリジッドな基板(例えば、通常のプリント基板)にスタッキングコネクタを取り付ける例が示されているが、軟らかいフレキシブル基板に、硬いスタッキングコネクタを取り付けることは、それ自体比較的煩雑であり、製造工程におけるスループットを低下させてしまう。加えて、スタッキングコネクタを用いた接続技術による狭ピッチ化の対応には限界がある。
【0012】
一方、特許文献2および3に開示されているような異方性導電膜(ACF)を用いる技術は、スタッキングコネクタと比べて、狭ピッチ化への対応は容易である。しかし、異方性導電膜は、基材の性質によっては、高温および高湿の温度サイクルに対して不安定であり、信頼性が低下することが懸念されている。また、ACFは、樹脂膜に導電性粒子を分散させた構成となっているので、良好な導電性を確保するには、導電性粒子の数を多くしなければならない。しかし、導電性粒子の数が多すぎれば、絶縁性の面で問題が生じる。導電性と絶縁性との両立は、接続すべき回路基板または部品のピッチが狭くなるほど、難しくなる。
【0013】
特許文献12に開示されている接続部材は、発泡体を構成要素として含み、自立性に乏しく、位置決めガイドに配置して使用することを要し、電子部品および基板の実装箇所等を制約し、実用的でない。特許文献13に開示されている接続部材は、モジュール回路基板の表面実装用端子として使用されるものであり、したがって、その形状および使用形態は著しく制限されている。また、特許文献12および13はいずれも、電子部品そのものを回路基板に接続できる接続部材を教示していない。
【0014】
さらに、従来のインターポーザも次のような問題を有する。従来のインターポーザにおいては、導電体が充填されたビアを介して、その上側表面と下側表面との間で電気的な導通が確保されている。そのため、インターポーザを製造するにあたり、ビアを形成することが必須である。当該ビアの形成は、スルーホールを形成する穴あけ工程と共に、導電性ペースト充填工程またはメッキ工程を必要とするため、これらの工程を実施する煩雑さが伴う。また、製造コストを考慮して、セラミックインターポーザから樹脂基板インターポーザへ移行しつつあるが、半導体素子の小型化に伴い発熱量が増加しているので、熱伝導率の向上が必須となっている。
【0015】
また、従来のインターポーザを使用して親プリント配線板であるマザー基板上に半導体チップを実装する技術においては、半田ボールを用いた接続構造が一般的に用いられている。半田ボールによる接続構造はボールサイズによる制約が大きく、半田ボールが大きくなると接続ピッチも大きくなってしまい、狭ピッチ化には限界がある。特にインターポーザが背の高い部品をまたいで覆うような実装構造とする際には、背の高さに応じた半田ボールを用いる必要があり、非常に接続ピッチが大きくなってしまう。更には半田ボール自体に大きさのばらつきがあり、接続ができない箇所が生じる等、接続が不安定となることがあり、最悪の場合は製品の歩留まりを落とす一因となる。さらに、半田ボールによる接続は、半田ボールを一つずつ実装することを要し、生産性に劣るという問題を有している。
【0016】
他方、3次元実装技術としては、上述の部品内蔵技術が開発されているが、内蔵した部品の補修および交換の非容易性、3次元実装のための専用の設備を導入することに伴うコストアップ等が実用化の障害になり得る。
【0017】
本発明は、上述した従来の接続部材が有する問題に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、狭ピッチ化に対応可能であり、且つ比較的効率的に製造することができる、従来のものとは異なる構成を有する接続部材およびその製造方法を提供することにある。本発明の他の目的は、そのような接続部材を備えたモジュールおよび実装体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成するため、本発明は、上側表面および該上側表面に対向する下側表面ならびにこれらを接続する側面を有して成る絶縁性基体、ならびに
i)側面の少なくとも一部に位置する側面配線部と、ii)側面配線部と相互に接続され、且つ上側表面の少なくとも一部に位置する上側表面配線部、および側面配線部と相互に接続され、且つ下側表面の少なくとも一部に位置する下側表面配線部のうち少なくとも一方とを有して成る、少なくとも1本の配線
含む、接続部材を提供する。
【0019】
本発明の接続部材において、絶縁性基体には、厚さのディメンションが他のディメンションと比較して小さいシート状または板状の基体および厚さのディメンションが他のディメンションとほぼ同じ程度である直方体および正方体が含まれる。絶縁性基体の「側面」は、厚さ方向と平行な面に相当し、「上側表面」および「下側表面」はそれぞれ厚さ方向と垂直な面に相当する。絶縁性基体の厚さが他のディメンションと略同じである形態(例えば、立方体)である場合には、絶縁性基体の1つの表面(これを便宜的に側面とする)に位置する配線が当該表面と直交する互いに2つの表面のうち少なくとも一方にさらに延在している形態のものは、本発明の接続部材に含まれ、側面に直交する当該2つの表面を上側表面および下側表面とする。絶縁性基体は、後述するように、上側表面および/または下側表面に凹部を有してよい。絶縁性基体が上側表面から下側表面に貫通する開口部を有する場合には、当該開口部を規定する面も、側面となる。また、「上側」および「下側」という用語は、厚さ方向に垂直な2つの表面を指すために便宜的に用いられ、使用時等の位置を絶対的に決定する意味において使用されていないことに留意されたい。
【0020】
本発明の接続部材は、絶縁性基体の表面において、側面から上側表面および下側表面の少なくとも一方にかけて延在する配線を有することを特徴とする。この配線は、側面の少なくとも一部に位置し、これが上側表面および/または下側表面の少なくとも一部にてさらに延在する。本明細書においては、この配線を、上側表面または下側表面にのみ位置する他の配線と区別するために、便宜的に「U/L形側配線(U/L-shaped side wiring)」と称する。U形側配線は、絶縁性基体の側面に位置する側面配線部と、上側表面配線部および下側表面配線部の両方を有し、側面と上側表面との境界および側面と下側表面との境界にて垂直に又は弧を描くように曲がって、略U字となる部分を有する配線である。L形側配線は、側面配線部と、上側表面配線部および下側表面配線部のいずれか一方のみを有し、側面と上側表面または下側表面の境界にて垂直に又は弧を描くように曲がって、略L字となる部分を有する。本明細書では、これらの配線を「/」を使用して、「U/L形側配線」と総称する。U/L形側配線は、側面配線部が、上側表面と下側表面との電気的な導通を確保し、接続部材の上側表面に位置する回路基板または部品と、下側表面に位置する回路基板または部品とを電気的に接続する。本発明の接続部材において、概して、U/L形側配線は、その一部分が絶縁性基体の上側表面上で延在し、別の一部分が絶縁性基体の下側表面で延在し、これらの一部分の間に位置する他の一部分が絶縁性基体の側面上で延在するU形側配線である。
【0021】
U/L形側配線は、後述のように、他の電気的要素(例えば上側表面に形成される配線パターン)と一体化されて、当該他の電気的要素と明確に区別することができない場合がある。そのような場合でも、側面配線部と、上側表面配線部および下側表面配線部の少なくとも一方とを有する配線部分を少なくとも1つ含んでいる限りにおいて、そのような配線部分を含む接続部材は、本発明の接続部材に含まれる。また、U/L形側配線は、例えば、側面配線部が厚さ方向と平行な方向に延びていない場合には、捩れた又は歪んだU字またはL字形となり得るが、そのようなものもU/L形側配線に含まれる。U/L形側配線は、例えば側面で分岐していてよいが、分岐した各配線がたどる経路が略U字または略L字となる限りにおいて、そのような分岐した配線もU/L形側配線に含まれる。
【0022】
本発明の接続部材の1つの好ましい態様では、接続部材の上側表面の電気要素と下側表面の電気要素とを電気的に接続するために、絶縁性基体の側面を経由してそれらの電気要素の間で延在するU/L形側配線が存在し、上述のような上側表面から下側表面へと貫通するビアは存在しない。即ち、U/L形側配線がビアを代替している。より好ましくは、上側表面および下側表面に電気要素が複数存在し、従って、それを接続するビアを代替するU/L形側配線が複数存在し、特に好ましくは、上側表面および下側表面に電気要素が多数存在する。
【0023】
電気要素としての配線パターンは、シート状基体の上側表面または下側表面に形成された所定の配線の集合体であり、そのような配線の一部分にU/L形側配線の一部分(例えば端部)が接続されている。電気要素としての電気的接続要素は、配線、配線基板、および電子部品等を電気的に接続するために介在する要素を意味し、例えばランド、パッド、端子、半田ボール、およびバンプ等を例示できる。そのような電気的接続要素は、U/L形側配線の一部分に接続されている。このような配線パターンまたは電気的接続要素は、U/L形側配線の当該一部分と予め一体に形成されていることが一般的には好ましい。例えば、後述のように、1枚の金属層を例えばエッチングすることによって、U/L形側配線および電気要素が繋がった状態でこれらを一緒に形成してよい。一体に形成されていない場合には、U/L形側配線と電気要素とを電気的接続材料(例えば、半田、導電性接着剤、メッキや金属蒸着等による薄膜、金属ワイヤー等の導電性材料)を用いて接続してよい。
【0024】
本発明の接続部材において、[絶縁性基体の側面の長さ(即ち、厚さ)]/[U/L形側配線の幅]の比は、1以上であることが好ましい。また、前記配線の側面配線部の最小ピッチは0.4mm以下であることが好ましい。[絶縁性基体の厚さ]/[U/L形側配線の幅]の比および配線ピッチがこのように小さいと、狭ピッチの電子部品または配線基板を別の部品または配線基板と接続することが可能となる。このように小さい幅を有するU/L形側配線が、配線ピッチを小さくして複数本形成された接続部材は、従来においては達成されなかった構成であり、後述するように各U/L形側配線を1本の配線を折り曲げて形成することにより実現可能となったものである。
【0025】
本発明の接続部材において、絶縁性基体は、好ましくは樹脂または樹脂を含む組成物から形成された絶縁性材料、より好ましくは樹脂と無機フィラーとを含むコンポジット材料から構成される。樹脂は、硬化性樹脂(好ましくは熱硬化性樹脂、または光硬化性樹脂等)および熱可塑性樹脂の少なくとも一方であってよい。硬化性樹脂の場合、完成状態の接続部材において、硬化性樹脂は、実質的に完全に硬化している。あるいは、接続部材の上側表面および下側表面が後述のように2つの異なる条件にて接着性および粘着性を有する場合、または未硬化の状態の硬化性樹脂の接着性もしくは可撓性を接続に使用する場合には、接続部材を含む完成した製品において、硬化性樹脂は実質的に完全に硬化している。ここで、「完全に硬化する」とは、それ以上硬化しない状態になることをいう。
【0026】
本発明の接続部材の1つの態様では、U/L形側配線の内、側面配線部の少なくとも一部分は、絶縁性基体の厚さ方向に対して垂直な方向で絶縁性基体内に埋設されて形成されている。その結果、埋設されている配線の表面は絶縁性基体の側面から窪んだ位置に存在する。このような埋設された配線は、絶縁性基体の側面の厚さ方向の少なくとも一部分にわたって、好ましくは全体にわたって存在する。より好ましい態様では、U/L形側配線の内、側面配線部に加えて、上側表面配線部および下側表面配線部についても、側面配線部に隣接する部分または全体の表面が絶縁性基体内に埋設されて形成されている。その結果、U/L形側配線のコーナー部、即ち、絶縁性基体の角部分の周囲で延在する配線の部分が絶縁性基体の表面から窪んだ状態となる。別の態様では、U/L形側配線の表面が、絶縁性基体の表面と面一であってもよい。
【0027】
従って、上述のような配線部分が存在する場合の1つの好ましい態様では、U/L形側配線の側面配線部の露出面は、その全部が絶縁性基体内に埋設されており、その結果、U/L形側配線の側面配線部の露出面が基体の側面と面一の状態または側面から絶縁性基体の内部に窪んだ状態で延在する。特に好ましい態様では、U/L形側配線の側面配線部の端部、即ち、U/L形側配線のコーナー部分(基体の上側表面または下側表面と側面とが交差する部分)においてもU/L形側配線の露出面が窪みの底面を形成する。
【0028】
本発明の接続部材の1つの態様において、U/L形側配線は、接続部材において、例えばコプレーナ線路として機能できる。コプレーナ線路として機能するU/L形側配線は、上記のように、絶縁性基体の側面に埋め込まれて形成されることが好ましい。
【0029】
本発明の接続部材の1つの態様において、絶縁性基体は、半硬化状態の樹脂を含んで成るシートを折り畳み、その後、折り畳んだシートを完全に硬化することによって形成されている。そのような折り畳みにより、上側表面から下側表面にかけて延びる一本の配線として形成されたU/L形側配線を、接続部材において実現することができる。半硬化状態の樹脂を含んで成るシートは、好ましくは、U/L形側配線を構成することとなる配線を一部として含む配線パターンを有している。そのような配線パターンは接続部材の少なくとも1つの表面において、U/L形側配線と接続された配線パターンを構成して、所定の電気回路を与える。
【0030】
本発明の接続部材は、後述するいずれの形態をとる場合も、その形状は任意の形状としてよい。具体的には、絶縁性基体は、その上側表面が、長辺と、当該長辺よりも長さが短い短辺とから構成される略長方形の形状を有してよい。その場合、U/L形側配線は、長辺側の側面のみに位置するように配列されていてよい。
【0031】
あるいは、本発明の接続部材は、絶縁性基体の上側表面が、L字型、U字型、または中央に開口部を有する四角形の枠形状を有していてよく、あるいはまた、絶縁性基体の上側表面および下側表面の少なくとも一方が凹部および凸部の少なくとも一方を有していてよい。
【0032】
本発明の接続部材は、U/L形側配線を有する限りにおいて種々の形態の接続部材として提供される。具体的には、本発明の接続部材は、絶縁性基体がシート状基体である、シート状の接続部材(以下、この接続部材を特に「コネクタシート」と称する)として提供される。ここで、シート状基体は、厚さのディメンションが他のディメンションと比較して小さい、薄い基体を指す。コネクタシートは、実装体の薄型化に与える影響が小さいという点で有利に使用できる。また、コネクタシートは、U/L形側配線により接続部材の上側表面と下側表面との導通を確保しているから、その厚さが小さくても、2つ以上の配線基板を良好に接続する。さらに、このコネクタシートは、上述したようにU/L形側配線の幅および配線間スペースを調整することにより、狭ピッチの配線基板または部品の接続に対応できるように形成できる。
【0033】
コネクタシートを構成するシート状基体が硬化性樹脂を含む場合、硬化性樹脂は未硬化であっても、あるいは硬化していてもよい。シート状基体に含まれる硬化性樹脂は、コネクタシートが所定のように電子部品又は回路基板と接続されるまでは、未硬化であって可撓性および後述する粘着性および接着性を有し、電子部品または回路基板と接続された完成品において硬化していることが好ましい。シート状基体に含まれる硬化性樹脂が未硬化であることを利用して、後述するように、折り曲げによりU/L形側配線を形成すると同時に2つの回路基板をコネクタシートで所定の方向に接続すること(図16参照)が可能となる。また、シート状基体に含まれる硬化性樹脂が未硬化であって粘着性を有する場合には、後述するように、電子部品または回路基板をコネクタシートに仮接続して検査を行うことができる。この場合、電気的接続が不良と判断されたときには、仮接続を解除して問題のある部材(例えば電子部品または接続部材)を容易に取り替えることができる。あるいはまた、シート状基体に含まれる硬化性樹脂が未硬化であって接着性を有する場合には、当該接着性を利用することにより、接続部材の電子部品または回路基板への取り付けを容易に実施できる。
【0034】
本発明のコネクタシートの1つの形態において、シート状基体の上側表面は平坦な面であり、U/L形側配線が8本以上形成されている。
【0035】
本発明のコネクタシートの別の形態においては、シート状基体の上側表面および下側表面の少なくとも一方が凹部および凸部の少なくとも一方を有し、U/L形側配線が8本以上形成されている。
【0036】
本発明のコネクタシートにおいて、シート状基体の上側表面および下側表面の少なくとも一方が凹部および凸部の少なくとも一方を有している場合、U/L形側配線の上側表面配線部および下側表面配線部の少なくとも一方が、凹部の内側面および凸部の突出側面の少なくとも一方にさらに延びていることが好ましい。この形態のコネクタシートにおいては、凹部の内側面および/または凸部の突出側面に延びている配線部分によって、凹部の内側面および/または凸部の突出側面が、接続部材の上側表面または下側表面と電気的に導通される。
【0037】
本発明のコネクタシートの1つの形態において、シート状基体の上側表面は、長辺と、当該長辺よりも長さが短い短辺とから構成される略長方形の形状を有してよい。あるいは、シート状基体の上側表面は、L字型または四角形の枠形状を有してよい。
【0038】
本発明のコネクタシートの1つの形態において、シート状基体の上側表面および下側表面は、第1の条件下で粘着性を有し、且つ第1の条件とは異なる第2の条件下で、接着性を有していてよい。その場合、第2の条件は、上側表面および下側表面を構成する材料の硬化反応が進行する条件である。粘着性および接着性を有するコネクタシートは、モジュールの組立ての途中で容易に取り替えることができる。ここで、「接着」とは永久接着を意味し、「粘着」とはわずかな圧力で接着し、また剥がすことができることを意味する。「粘着」は、一般に永久接着に対する反対語として用いられる語である。一般に、粘着性を有する物(シート状基体)は、水、溶剤および熱等を使用せず、常温で短時間、わずかな圧力を加えただけで、他の物を接合させる又は他の物に接合することができる。また、粘着した物は、粘着部が凝縮力と弾性を持っているので強く接着する反面、硬い平滑面から剥がすこともできる。一方、「接着」とは、2つの面が化学的な又は物理的な力、あるいはその両者によって、一体化された状態である。一般に、接着剤は、接着によって2個以上の物を一体化することができるものである。
【0039】
前記粘着性および接着性を有する表面は、好ましくは、シリコーン樹脂と熱硬化性樹脂との混合材料、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂との混合材料、および、紫外線硬化樹脂と熱硬化性樹脂との混合樹脂から成る群から選択される材料を含む。これらの材料または他の材料を使用する場合、第1の条件は0℃以上80℃以下の範囲内にある温度条件であることが好ましい。即ち、第1の条件は、上側表面および下側表面を、この温度範囲にある雰囲気下に置くことによって達成される。第2の条件は、前記熱硬化性樹脂の本硬化反応が進行する温度条件であることが好ましい。即ち、第2の条件は、上側表面および下側表面を、熱硬化性樹脂の硬化が進行して、完全に硬化する温度雰囲気下に置くことによって達成される。
【0040】
上記において、本発明の接続部材がコネクタシートである形態を説明した。本発明の接続部材はまた、絶縁性基体が、(1)コア(core)部材、および(2)該コア部材の少なくとも一部を覆う電気絶縁層を含む基体である、コアを有する接続部材として提供され得る。この接続部材において、絶縁性基体を構成する電気絶縁層は、コア部材の上側表面の少なくとも一部分の上に位置する上側表面部、およびコア部材の上側表面に対向する、コア部材の下側表面の少なくとも一部分の上に位置する下側表面部、ならびにこれらの表面部を相互に接続する、コア部材の側面の少なくとも一部分の上に位置する側面部を有して成る。また、この接続部材において、U/L形側配線の上側表面配線部は電気絶縁層の上側表面部の少なくとも一部に位置し、下側表面配線部は電気絶縁層の下側表面部の少なくとも一部に位置し、側面配線部は電気絶縁層の側面部の少なくとも一部に位置している。この形態の接続部材において、コア部材は電気絶縁層と密着しており、電気絶縁層を支持する。コア部材が硬質である場合には、電気絶縁層の形状を安定して維持できる。
【0041】
コアを有する接続部材の1つの好ましい形態において、電気絶縁層の上側表面部から下側表面部へと貫通して存在するビアは存在しない。即ち、電気絶縁層の側面部上で延在するU/L形側配線の側面配線部がビアを代替している。より好ましい形態においては、電気絶縁層の上側表面部および下側表面部に電気要素が複数存在し、従って、これらを相互に接続するU/L形側配線が複数存在し、特に好ましくは、U/L形側配線が多数存在する。電気要素については、先に説明したとおりであるから、ここではその詳細な説明を省略する。
【0042】
コアを有する接続部材において、電気絶縁層は、U/L形側配線が位置する場所を与える、絶縁性材料から成る層である。したがって、電気絶縁層は、先に絶縁性基体を構成する好ましい材料として列挙した材料から成ることが好ましい。即ち、電気絶縁層は、好ましくは樹脂または樹脂を含む組成物から形成された絶縁性材料、より好ましくは樹脂と無機フィラーとを含むコンポジット材料から構成される。樹脂は、硬化性樹脂(好ましくは熱硬化性樹脂、または光硬化性樹脂等)および熱可塑性樹脂の少なくとも一方であってよい。別の態様では、必要に応じて、電気絶縁層を構成する材料は可撓性を有していてもよい。
【0043】
電気絶縁層が硬化性樹脂を含む場合、硬化性樹脂は未硬化であっても、あるいは硬化していてもよい。即ち、電気絶縁層に含まれる硬化性樹脂は、接続部材が所定のように電子部品又は回路基板と接続されるまでは、未硬化であって、例えば粘着性および接着性を有し、電子部品または回路基板と接続された完成品において硬化していてよい。接続を実施する際に、電気絶縁層が未硬化の硬化性樹脂を含む場合には、上記コネクタシートのシート状基体に関連して説明したように、接続部材を回路基板または電子部品へ容易に取り付けることができ、あるいは硬化性樹脂の粘着性を利用して検査および電子部品等の取り替えを行うことができる。また、電気絶縁層が未硬化の硬化性樹脂を有し、且つコア部材が可撓性を有する場合には、必要に応じて、接続部材を折り曲げて使用することができる。
【0044】
コアを有する接続部材は、1つの態様ではコア部材が可撓性を有する材料(例えば樹脂フィルム、金属箔等)で構成されていることが好ましく、その場合、接続部材を用いる実装において自由度が向上するので好都合である。別の態様では、コア部材が金属(例えば銅、ニッケル、またはアルミ)から成ることが好ましく、その場合、接続部材の熱伝導率を大きくし得るので、特に半導体素子またはそれを有する基板等のより大きい放熱を必要とする場合に好都合である。また、電気絶縁層がコア部材の表面全体を覆わず、コア部材の少なくとも一部を露出させている場合、コア部材による放熱をより効果的に利用できる。コア部材が金属製である場合、この効果が大きい。
【0045】
コアを有する接続部材の更に別の態様では、コア部材の少なくとも一部の表面が粗面化されている。そのように粗面化された表面に電気絶縁層を設ける場合、電気絶縁層とコア部材との間の密着性が向上し、接続部材の信頼性が向上する。
【0046】
コアを有する接続部材を構成するコア部材の形態は、特に限定されるものではなく、その全体としての形態は、例えば、直方体または凹部を有する形態である。凹部を有する場合、その部分に電子部品を配置できる。また、上側表面および下側表面が重なるように見たとき(即ち、真上から見たとき)のコア部材の形状を、四角形の枠形状またはU字形状とすることで、電子部品を3次元的に配置し易くなり、実装密度が向上する。また、コアを有する接続部材において、電気絶縁層の側面部は湾曲していてよい。電気絶縁層の側面部の湾曲は、コア部材の側面が湾曲していることにより湾曲してよく、あるいは電気絶縁層の折り畳みに起因して湾曲してよい。
【0047】
本発明の接続部材は、絶縁性基体が板状基体であってよく、その場合、本発明の接続部材は好ましくはインターポーザとして使用することができる。「インターポーザ」とは、半導体素子(特にベアチップ)を基板上に実装するときに使用される電極ピッチ変換用の基板のことをいい、インターポーザを介して、半導体チップ端子とプリント配線板接続用端子とを電気的に接続することができ、あるいはグリッド変換を行うことができる。「板状基体」とは、一般に、厚さのディメンションが他のディメンションと比較して小さい部材をいう。板状基体は、一般には、剛性を有するリジッド(rigid)基板であるが、接続部材として使用するのに支障を来さない限りにおいて可撓性を有していてもよい。板状基体は、先に絶縁性基体を構成する好ましい材料として列挙した材料で形成することができる。板状基体が例えば硬化性樹脂を含む場合、板状基体において当該樹脂は、当該接続部材を電子部品または回路基板に接続する前に、予め硬化されており、その点においてシート状基体(硬化性樹脂を含む場合に、接続部材を電子部品または回路基板と接続する前に硬化性樹脂が未硬化であってよい)とは異なる。以下、板状部材を含む接続部材のうち、特に、インターポーザについて好ましい態様を説明する。
【0048】
本発明のインターポーザは、1つの形態において、オーガニックインターポーザであり、U/L形側配線が16本以上設けられている。ここで「オーガニックインターポーザ」とは、有機材料を含むインターポーザをいい、有機材料には、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂等の有機樹脂が含まれる。
【0049】
本発明のインターポーザの別の形態において、U/L形側配線は、500本以下設けられている。本発明のインターポーザは、U/L形側配線の幅および配線間のスペースを小さくしうることから、U/L形側配線を500本までの範囲で多数有する構成とすることができる。そのように多数のU/L形側配線を有するインターポーザは、狭ピッチの半導体素子をその上側表面または下側表面に実装するのに適している。
【0050】
本発明のインターポーザにおいて、U/L形側配線の一端は、半導体素子の端子の配列に応じて、例えば、板状基体の上側表面の外縁領域に配置されていてよい。また、U/L形側配線の一端は、インターポーザを配置する基板の端子等の配列に応じて、例えば、板状基体の下側表面において格子状に配列されていてよい。
【0051】
本発明のインターポーザの1つの形態において、板状基体の上側表面の面積は200mm以下であり、U/L形側配線の数は、上側表面において16個以上である。
【0052】
本発明のインターポーザの別の形態においては、U/L形側配線の一端または両端には、U/L形側配線と一体に形成されたランドが形成されている。
【0053】
本発明のインターポーザを構成する板状基体の形状は特に限定されない。例えば、板状基体の上側表面は、長辺と、当該長辺よりも長さが短い短辺とから構成される略長方形の形状を有してよい。その場合、長辺の長さは、短辺の長さの3倍以下であってよく、あるいは、短辺の長さの10倍以上であってよい。また、板状基体が長方形である場合には、U/L形側配線は、長辺側の側面のみに位置するように配列してよい。
【0054】
本発明のインターポーザの1つの形態において、U/L形側配線の側面配線部の幅は0.25mm以下であり、側面配線部の配線間のスペースは0.3mm以下である。このようにU/L形側配線の幅および配線間のスペースを狭くする構成は、前述のように、配線を折り曲げてU/L形側配線を形成する手法により可能となったものであり、本発明によりもたらされる重要な特徴である。この特徴によって、狭ピッチの半導体素子および基板に対応することが可能となる。
【0055】
本発明のインターポーザは、板状基体の内部にシールド層を有してよい。シールド層は、例えば、インターポーザの上側表面に実装した半導体素子を、インターポーザを実装する基板(例えばマザー基板)からの電磁波から保護するために設けられる。シールド層はビアを有する板状基体の内部に形成しにくいものであるが、本発明によれば板状基体にビアを形成しない構成のインターポーザが得られるので、板状基体の内部にシールド層を容易に形成することができる。
【0056】
本発明のインターポーザの1つの形態において、板状基体は、上側表面および下側表面が略矩形である略六面体の形状を有してよい。本明細書において、「略六面体」および「略矩形」という用語は、幾何学的な意味での六面体(直方体、立方体等)および矩形(正方形、長方形)に加えて、角、エッジ部等が丸みを有するもの、また、面が完全に平面ではなく湾曲等があるものも含む意味において使用される。その場合、U/L形側配線は、その側面配線部が、略六面体の4つの側面すべてに位置するように、複数配列されていてよい。即ち、本発明のインターポーザは、1本のU/L形側配線は2以上の側面にまたがって延びないと仮定して、側面配線部の位置が互いに異なる少なくとも4本のU/L形側配線を有してよい。「2以上の側面にまたがって延びる」とは、例えば、上側表面から1つの側面に延びて下側表面を通り、さらに別の側面に延びていることを指す。本明細書においては、そのようなU/L形側配線は、通過する側面の数に対応する数のU/L形側配線が形成されているとみなす。
【0057】
本発明のインターポーザの1つの形態において、板状基体は、中央に開口部を有する、四角形の枠形状であってよい。その場合、U/L形側配線の側面配線部が、板状基体の開口部を規定する側面に位置し、板状基体の外周面には、シールド層が形成されていてよい。この構成のインターポーザは、U/L形側配線が板状基体で囲まれた内側面に位置し、かつ板状基体の外側面がシールド層で覆われた構成であるために、ノイズを有効に低減する。
【0058】
本発明のインターポーザの別の形態において、板状基体は、凸部および凹部の少なくとも一方を有する形状を有してよい。それにより、電子部品を三次元的に実装することが可能となり、より多くの電子部品を所定の実装面積を有するプリント基板(親基板)に実装することができる。
【0059】
板状基体は、例えば、U字形状又はC字形状を有していてよい。より具体的には、板状基体は、板状基体を1つの側面を見たとき又は上側表面と下側表面とが重なるように見たときに、U字形状又はC字形状を有していてよい。1つの側面から見たときにU字形状またはC字形状である板状基体は、上側表面からみたときには矩形であってよい。また、側面から見たときにU字形状またはC字形状である板状基体は、上側表面と下側表面とが側面によって接続されていない部分を有することがある。
【0060】
本発明のインターポーザにおいて、U/L形側配線は、上側表面配線部および側面配線部のみを有して成る配線、即ち、L形側配線であってよい。L形側配線であっても、半田または導電性接着剤を利用して、インターポーザに実装された半導体素子を、インターポーザが実装される基板(例えば、マザー基板)に電気的に接続することができる。そのようなL形側配線の側面配線部の端部は、好ましくは、インターポーザの側面と下面との境界部に位置する。それにより、側面配線部を、インターポーザが実装される基板により確実に接続することができる。
【0061】
本発明のインターポーザにおいてU/L形側配線がL形である場合でも、板状基体における上側表面と側面との電気的導通はU/L形側配線のみで達成されることが好ましい。したがって、板状基体にはビアが形成されていないことが好ましい。また、L形側配線のガイドとなる溝が板状基体の側面に形成されていることが好ましい。そのような溝は、先に説明したように、側面配線部の頂面を、板状基体の側面よりも板状基体の内部側に位置させることにより形成できる。
【0062】
本発明のインターポーザは、本発明の接続部材の一形態である。したがって、本発明のインターポーザは、すべての形態の接続部材に共通する構成として先に説明した構成を備えてよいことは当然である。例えば、本発明のインターポーザにおいて、U/L形側配線の一方の端部は、電気要素に接続されていてよく、当該電気要素はU/L形側配線と一体に形成されていてよい。また、インターポーザにおいて、U/L形側配線の板状基体のコーナー部に位置する部分は、コーナー部を規定する板状基体の表面よりも、板状基体の内部側に位置していることが好ましい。
【0063】
本発明の接続部材は、2以上の回路基板と組み合わされて、実装体を構成する。即ち、本発明は、本発明の接続部材を少なくとも1つと、少なくとも2つの回路基板とを備え、接続部材が、回路基板と回路基板との間に配置されている、実装体を提供する。接続部材は、例えば、上記コネクタシートである。
【0064】
この実装体において、2つの回路基板は複数個の接続部材で接続されていてよい。特に、コアを有する接続部材は、比較的均一な寸法(特に厚さ)を有するように形成されるので、そのような接続に適している。
【0065】
本発明の実装体において、2つの回路基板は、互いに異なる実装方法で接続部材に接続されていてよい。例えば、1つの回路基板を接続部材の上側表面にリフロー半田付けにより接続してよく、別の回路基板を接続部材の下側表面に異方性導電膜(ACF:anisotropic conductive film)により接続してよい。
【0066】
本発明の接続部材を含むさらに別の形態の実装体は、
側面に配線パターンが形成された第1の回路基板、
側面に配線パターンが形成された第2の回路基板、および
本発明の接続部材
を備えた実装体であって、
第1の回路基板の側面に形成された配線パターンは、接続部材の1つの側面に位置する側面配線部に接続され、かつ、第2の回路基板の側面に形成された配線パターンは、接続部材の別の側面に位置する側面配線部に接続され、それにより、第1の回路基板と第2の回路基板が電気的に接続されている、実装体である。この実装体は、回路基板同士が水平方向(上下表面に沿って平行な方向)で接続された構成を有する。回路基板は3以上接続されてよい。かかる実装体は、例えば、上記コネクタシートまたはコアを有する接続部材を接続部材として用いることにより好ましく構成される。
【0067】
上記に例示した形態の実装体においては、接続部材に形成されたU/L形側配線の露出面が、接続部材の表面から窪んだ位置にあり、回路基板に形成された配線パターンが、回路基板の表面から突出した部位を有しており、回路基板における配線パターンの突出した部位と、接続部材における窪んだ位置にある配線の露出面とが、嵌合によって互いに接触していてよい。嵌合により回路基板の配線と接続部材の配線とが接触することにより、より確実な電気的導通を確保することができる。この実装体もまた、例えば、上記コネクタシートを接続部材として用いることにより好ましく構成される。
【0068】
本発明の接続部材は、電子部品と組み合わされて、実装体を構成する。即ち、本発明は、本発明の接続部材、ならびに当該接続部材の上側表面および下側表面の少なくとも一方に配置された電子部品を有して成る部品実装体であって、接続部材のU/L形側配線またはU/L形側配線に電気的に接続されている電気要素に、電子部品が電気的に接続されている実装体を提供する。ここで、電子部品とは、例えば半導体素子のような能動部品や、コンデンサ、インダクタ、抵抗、および弾性表面波素子等の受動部品をいう。この部品実装体は、例えば、上記コアを有する接続部材または絶縁基体が板状部材である接続部材(特にインターポーザ)を接続部材として用いることにより好ましく構成される。
【0069】
例えば、インターポーザは、電子部品と組み合わされてモジュールを構成する。即ち、本発明は、本発明のインターポーザ、およびインターポーザの上側表面に配置された電子部品を含むモジュールを提供する。ここで、モジュールとは、実装体の一種であって、それ自体が独立の機能を有する構成要素をいう。このモジュールは、一般に、さらにプリント配線基板に実装される。
【0070】
本発明の部品実装体は、本発明の接続部材および電子部品である半導体素子を2つずつ有している形態で提供されてよい。即ち、本発明の部品実装体は、第1の接続部材の上側表面に、第1の電子部品が実装されるとともに、第2の接続部材が配置され、第2の接続部材の上側表面に第2の電子部品が実装された構成を有してよい。この構成の実装体は、接続部材をともにインターポーザとし、第1および第2の電子部品を、例えば、半導体メモリまたはLSIとして構成してよい。
【0071】
本発明の部品実装体において、電子部品は、端子のピッチ間隔が150μm以下の半導体チップであってよく、あるいは16個以上の端子を有する半導体チップであってよい。本発明の接続部材(特にインターポーザ)は、前述のように狭ピッチに対応して構成され得るので、端子ピッチが狭い又は端子数が多い半導体チップをその上側表面に実装するのに適している。
【0072】
また、本発明は、コアを有する接続部材(これを「第1接続部材」とも呼ぶ)の上側表面および下側表面の少なくとも一方に別の接続部材(これを「第2接続部材」とも呼ぶ)が配置され、第1接続部材のU/L形側配線またはそれに電気的に接続されている電気要素に、第2接続部材が電気的に接続されている実装体を提供する。第2接続部材は、本発明の接続部材であっても、あるいは既知の他の種類の接続部材であってもよい。また、別の接続部材の代わりに、通常の回路基板(電子部品を内蔵しても、内蔵していなくてもよい)を配置してもよい。この実装体の変形例においては、第1接続部材の上側表面および下側表面の少なくとも一方に、電子部品が実装されている。
【0073】
本発明の接続部材が上記コネクタシートである場合、当該コネクタシートを含む実装体として、
両面に配線パターンが形成された回路基板、および
本発明のコネクタシート
を含む実装体であって、
コネクタシートは半硬化状態の樹脂を含んで成るシートを折り曲げることにより形成された凹部を有し、かつコネクタシートのU/L形側配線は凹部の内側面に延びる部分を有し、
回路基板の側面は凹部に嵌合しており、
回路基板の表面に形成された配線パターンは、コネクタシートの凹部の内側面に延びる配線部分を介して、回路基板の裏面に形成された配線パターンに電気的に接続されている、実装体を構成することができる。この実装体において、回路基板とコネクタシートとは、コネクタシートに設けられた凹部に回路基板を嵌めることによって、電気的に接続される。この実装体において、好ましくは、回路基板にもビアが形成されていない。
【0074】
上記した本発明の実装体はいずれも、それを収納する筐体とともに、電子機器を構成する。即ち、本発明は、本発明の接続部材を含む実装体およびそれを収容する筐体を有して成る電子機器を提供する。電子機器は、好ましくは携帯用電子機器である。
【0075】
また、上記本発明の部品実装体は、それが実装されるプリント配線基板(例えば、マザーボード)とともに、電子機器を構成する。本発明の部品実装体を有する電子機器の1つの形態は、本発明の部品実装体、当該部品実装体に含まれる前記インターポーザの側面が嵌合されるコネクタ、および当該コネクタが設けられたマザー基板を有する電子機器である。この電子機器は、インターポーザがU/L形側配線を有することを利用して、インターポーザの側面をマザーボードとの接続に使用して、電子部品を垂直実装させた構成を有する。この構成によれば、より小さい面積のマザーボードにより多くのモジュールを実装することが可能となる。
【0076】
本発明はまた、本発明の接続部材の製造方法を提供する。本発明の接続部材の製造方法は、U/L形側配線を、1つの平面上に形成された少なくとも1本の配線を有して成る配線層を折り曲げることにより形成することを含むことを特徴とする。以下、この製造方法を実現する具体的な手順を列挙する。
【0077】
本発明は、接続部材の製造方法として、下記の工程を含む方法(後述の接続部材の方法と区別するために「第1接続部材製造方法」とも呼ぶ)を提供し、その方法は、
(1−A)少なくとも1本の配線を有して成る配線層、および半硬化状態の樹脂を含む絶縁層を有して成るシート(後述の接続部材製造方法で使用するシートと区別するため、このシートを便宜的に「シートA」と呼ぶ)を準備する工程、
(1−B)シートAを折り曲げて(または折り畳んで)絶縁層を相互に対向させ、該少なくとも1本の配線の一部が、対向する絶縁層を介して相互に対向し、かつ該少なくとも1本の配線の他の部分が、絶縁層の折り曲げ部分により形成される、折り曲げ後の絶縁層の側面上で延在するようにする工程、および
(1−C)折り畳んだシートの絶縁層の樹脂を硬化する工程
を含む。
【0078】
工程(1−B)においては、折り曲げによって、絶縁層が接触状態で相互に対向するのが好ましい。絶縁層が対向するとは、絶縁層が重なる状態にあることを意味し、絶縁層の間に空間が存在する状態で重なっていても、あるいは絶縁層が接触状態で重なっていてもよい。
【0079】
絶縁層は、接続部材の絶縁性基体を構成する。絶縁層の厚さを薄くすれば、絶縁性基体はシート状となり、この方法によりコネクタシートを得ることができる。絶縁層は、熱硬化性樹脂と無機フィラーとを含むコンポジット材料から形成されていることが好ましい。
【0080】
シートAの準備、即ち、前記工程(1−A)は、
(1−a)キャリヤシートおよびその上に形成された金属層を有して成る積層体を準備する工程、
(1−b)金属層を加工して少なくとも1本の配線を有して成る配線層(または配線パターン)を形成する工程、および
(1−c)配線層上に半硬化した樹脂を含む絶縁層を形成する工程
を含む製造方法によって実施できる。
【0081】
工程(1−c)において、配線層はエッチングにより形成してよく、その場合、エッチングを、金属層の不要部分(即ち、配線とならない部分)に加えて、当該不要部分の下に位置するキャリヤシートの一部が除去されるように実施してよい。それにより、樹脂が配線層の表面(金属層とキャリヤシートとの接触面)のレベルを越えて、キャリヤシートに形成された凹部に入り込んだシートAが得られる。かかるシートを使用して接続部材を製造すると、配線の表面(露出表面)が絶縁性基体の表面よりも絶縁性基体の内部側に位置している構成の接続部材が得られる。
【0082】
第1接続部材製造方法において、キャリヤシートは工程(1−B)の前に除去してよく、その場合、シートAは絶縁層(樹脂層)と配線層から成るシートである。あるいは、キャリヤシートは工程(1−B)または工程(1−C)の後に除去してよい。
【0083】
本発明の接続部材の製造方法は、下記の工程を含む方法(上述または後述の接続部材の製造方法と区別するために「第2接続部材製造方法」とも呼ぶ)によっても実現される。その方法は、
(2−A)半硬化状態の樹脂を含むシートを用意する工程、
(2−B)前記樹脂を含むシートを折りたたむ工程、
(2−C)前記工程(2−B)の後、前記半硬化状態の樹脂を含むシートを硬化させて絶縁性基体を得る工程、および
(2−D)絶縁性基体に、i)側面の少なくとも一部に位置する側面配線部と、ii)側面配線部と相互に接続され、且つ上側表面の少なくとも一部に位置する上側表面配線部、および側面配線部と相互に接続され、且つ下側表面の少なくとも一部に位置する下側表面配線部のうち少なくとも一方とを有して成る、少なくとも1本の配線を形成する工程
を包む。この製造方法は、半硬化状態の樹脂を含むシート(上述の製造方法において使用するシートと区別するために「シートB」と呼ぶことがある)を、折り畳んで所望の形状の絶縁性基体を得た後、U/L形側配線を形成する方法である。
【0084】
第2接続部材製造方法において、シートBは、熱硬化性樹脂100重量部に対して、無機フィラーが100重量部以上含まれている、コンポジット材料から形成されることが好ましい。
【0085】
あるいは、本発明の接続部材の製造方法は、下記の工程を含む方法(上述または後述の接続部材の製造方法と区別するために「第3接続部材製造方法」とも呼ぶ)によっても実現される。その方法は、
(3−A)キャリヤシートの表面の少なくとも一部分の上に、少なくとも1本の配線を有して成る配線層を形成する工程、
(3−B)該キャリヤシートの該表面上に、硬化性樹脂を含んで成る、電気絶縁層となる樹脂層を形成し、該配線層を該樹脂層により被覆する工程、
(3−C)該樹脂層の上にコア部材を配置し、コア部材の周囲でそれに接触するようにキャリヤシートを折り曲げて、該少なくとも1本の配線の一部が、該樹脂層およびコア部材を介して相互に対向し、かつ該少なくとも1本の配線の他の部分が、樹脂層の折り曲げ部分により形成される、折り曲げ後の樹脂層の側面上で延在するようにする工程、
(3−D)当該樹脂層の樹脂を硬化して電気絶縁層を形成する工程、ならびに
(3−E)キャリヤシートを剥離して、該配線層を露出させる工程
を含む。この製造方法により製造される接続部材は、絶縁性基体が、コア部材とキャリヤシート表面に被覆された樹脂層の硬化により形成された電気絶縁層とを含む、接続部材である。
【0086】
あるいはまた、本発明の接続部材の製造方法は、下記の工程を含む方法(上述の接続部材の製造方法と区別するために「第4接続部材製造方法」とも呼ぶ)によっても実現される。その方法は、
(4−A)キャリヤシートの表面の少なくとも一部分の上に、少なくとも1本の配線を有して成る配線層を形成する工程、
(4−B)コア部材の表面の少なくとも一部分を覆うように、コア部材の表面上に硬化性樹脂を含んで成る樹脂層を形成する工程、
(4−C)該樹脂層が該配線層と接触するように、コア部材の周囲でキャリヤシートを折り曲げて、該少なくとも1本の配線の一部が、該樹脂層およびコア部材を介して相互に対向し、かつ該少なくとも1本の配線の他の部分が、該樹脂層の側面上で延在するようにする工程、
(4−D)該樹脂層の樹脂を硬化して電気絶縁層を形成する工程、ならびに
(4−E)キャリヤシートを剥離して、該配線層を露出させる工程
を含む。この製造方法により製造される接続部材は、絶縁性基体が、コア部材とコア部材の周囲に設けられた樹脂層の硬化により形成された電気絶縁層とを含む、接続部材である。
【0087】
さらに、本発明の接続部材の製造方法は、下記の工程を含む方法(上述の接続部材の製造方法と区別するために「第5接続部材製造方法」とも呼ぶ)によっても実現される。その方法は、
(5−A)キャリヤシートの表面の少なくとも一部分の上に、少なくとも1本の配線を有して成る配線層を形成する工程、
(5−B)配線層を有するキャリヤシートを、配線層を内側にして曲げて該少なくとも1本の配線の一部が相互に対向し、かつ対向した部分の間に空隙が形成されるように曲げる工程、
(5−C)硬化性樹脂を含んで成る材料を空隙に注入して樹脂層を形成する工程、
(5−D)該樹脂層を硬化させて電気絶縁層を形成する工程、および
(5−E)キャリヤシートを除去して該配線層を露出させる工程
を含む。この製造方法においては、一部が相互が対向するように曲げた配線がU/L形側配線となる。
【0088】
第5接続部材製造方法において、工程(5−C)は、
(5−c’)硬化性樹脂を含んで成る材料を空隙に注入する工程、および
(5−c”)空隙に注入した材料にコア部材を挿入して、配線層とコア部材との間に樹脂層を形成する工程
を含む工程として実施してよい。工程(5−c’)および(5−c”)を含む第5接続部材製造方法により製造される接続部材は、絶縁性基体がコア部材を有する接続部材である。
【発明の効果】
【0089】
本発明の接続部材は、絶縁性基体と、絶縁性基体の上側表面から側面を経由して下側表面に延びる、または絶縁性基体の上側表面もしくは下側表面から側面に延びて側面にて終端するU/L形側配線とを有するので、ビアを形成する必要がない。したがって、本発明によれば、従来と比較して、効率的に製造できる接続部材を提供できる。また、本発明の接続部材は、U/L形側配線の幅および配線間スペースを狭くした形態にて提供され得るので、狭ピッチに対応可能である。さらに、接続部材の形状を凹部または凸部を有する構造とすることにより、複数の部品を所定寸法の基板に三次元的に実装すること等が可能となり、本発明の接続部材を用いれば、様々な形態の実装体、モジュールおよび電子機器が提供される。また、接続部材の形状およびU/L形側配線の場所およびピッチ等を調節することにより、少ない数(例えば1つ)の接続部材で、1つの部品全体を基板または別の部品に安定的に接続できるので、特に半田ボールを1つずつ実装して接続する場合と比較して、高い生産性で実装体または電子機器を製造できる。
【0090】
絶縁性基体の形状および材料を選択することにより、本発明の接続部材は、コネクタシート、コアを有する接続部材、およびインターポーザ等、種々の形態で提供され得る。例えば、コネクタシートは、薄いシート形態の接続部材であるから、電子部品の小型化に寄与する。コアを有する接続部材は、コアによって接続部材の寸法安定性が向上し、極めて安定した高さ精度を有するので、これを電子機器内で使用すれば、接続不良が低減し、歩留まりが向上する。本発明の接続部材であるインターポーザは、ビアを要しない点で、従来のインターポーザと比較して効率的に製造できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0091】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面においては、説明の簡潔化のため、実質的に同一の機能を有する構成要素を同一の参照符号で示すことがある。
【0092】
(実施の形態1)
本発明の接続部材の一形態であるコネクタシートを実施の形態1として説明する。図1は、本発明のコネクタシートを模式的に示す斜視図であり、図2は、図1中のU/L形側配線20、ランド20a、20bが位置する箇所の断面を表している。本実施の形態のコネクタシート100は、シート状基体10と、U/L形側配線20を複数本備えている。シート状基体10は、上側表面10aと、上側表面10aに対向する下側表面10bと、上側表面10aおよび下側表面10bとをつなぐ側面10cとを有している。U/L形側配線20の一端(ランド)20aは、シート状基体10の上側表面10aに存在し、一端20aから延びたU/L形側配線20は、シート状基体10の側面10cを通って下側表面10bに至り、そしてシート状基体10の下側表面10bに配線20の他端20bが存在する。
【0093】
本実施の形態では、U/L形側配線20の両端は、それぞれランドに接続されており、U/L形側配線20およびランド20a、20bは一体形成されている。シート状基体10の上側表面10a(および下側表面10b)は略平面である。図1に示すコネクタシート100において、上側表面10aと下側表面10bとは同じ形状を有し、両方の表面は垂直な側面10cにより繋がれている。よって、コネクタシート100の上側および下側表面の形状の説明は、簡略のために上側表面10aの形状として説明する。
【0094】
図1および図2に示すように、本実施の形態のコネクタシート100では、シート状基
体10における上側表面10aと下側表面10bとの電気的導通は、U/L形側配線20のみにより行われている。したがって、本実施の形態の構成において、シート状基体10には、上側表面10aと下側表面10bとの間の電気的導通を確保するためのビアは形成されていない。
【0095】
本明細書において、「ビア」なる用語は、「インナービア」および「スルーホール」を含む総称的な用語として使用している。一般的に、「ビア」および「スルーホール」は、明確に区別されて使用するものではないが、「ビア」とは、配線パターンを相互に電気的に接続する貫通穴を意味し、主として、多層基板の絶縁層の両側の配線パターン間を電気的に接続するために形成されるものを意味し、「スルーホール」は、主として、上側表面の配線パターンと下側表面の配線パターンとの間の電気的な接続を行うための貫通穴のことを意味する。本明細書においては、「ビア」は、シート状基体を通過する孔であって、電気的導通を達成するように機能するものを意図している。そのような孔は、導電性材料が充填された状態であっても、あるいは導電性材料により形成された被膜を有してもよい。
【0096】
U/L形側配線20は、例えば、銅箔からなり、その厚さは3〜50μm程度である。U/L形側配線20の本数は、例えば8本以上である。図1のコネクタシートは、8本のU/L形側配線20を有する。図1のコネクタシートでは、U/L形側配線20の一端20a(ランド)を一列に配列させている。U/L形側配線の一端の上側表面における配列は、これに限られず、コネクタシート100によって接続すべき配線基板の端子の配列等に応じて適切な配列が選択される。例えば、ランド20aまたはランド20bをグリッド状に配列させてもよいし、ランド20aとランド20bとの配列パターンを互いに異なるようにすることもできる。
【0097】
シート状基体10は、好ましくは樹脂を含む材料で形成されている。シート状基体10の厚さTは、例えば20〜100μm程度であってよい。1つの形態において、シート状基体の厚さTは、約25〜約50μmである。シート状基体10は、1つの形態では樹脂(例えば熱硬化性樹脂および/または熱可塑性樹脂)と無機フィラーとを含むコンポジット材料から形成されており、樹脂として熱硬化性樹脂を用いるのが好ましい。無機フィラーを実質的に用いずに、熱硬化性樹脂のみからシート状基体10を構成することも可能である。熱硬化性樹脂は、例えばエポキシ樹脂等であり、無機フィラーを添加する場合、例えばAl、SiO、MgO、BN、およびAlN等のフィラーを使用できる。無機フィラーの添加により、シート状基板10の種々の物性を制御することができるので、無機フィラーを含むコンポジット材料からシート状基体10を形成することが好適である。
【0098】
詳細は後述するが、本実施の形態のシート状基体10は、半硬化状態の樹脂を含むシートを折りたたみ、その後、当該折りたたまれた半硬化状態の樹脂シートを完全硬化状態にすることによって形成されている。このことを表現すべく、図1および図2では、折りたたんだ際に生じる重ね合わせ面15を点線で示している。実際には、完全硬化状態にする際に樹脂が軟化または溶融して一体になるので、点線15のような重ね合わせ面は存在しないことが多い。
【0099】
このコネクタシート100は、図3に示すように、2つの回路基板(プリント回路基板)501および502の間に配置されて、回路基板501と回路基板502とを電気的に接続する。即ち、図3は、2つの回路基板がコネクタシートで接続された実装体を示す。図3に示す回路基板501および502には、配線パターン(導体パターン)505が形成されており、配線505上に、表面実装型の電子部品310および半導体チップ320が実装されている。図3において、回路基板501および502は断面で示されて、スルーホール510が明示されているのに対し、図3中のコネクタシート100は、断面でなく、側面外観で示されていることに留意されたい。
【0100】
コネクタシート100の端子であるランド20aおよび20bは、回路基板501または502の端子に、半田または導電性接着剤のような導電性材料を用いて接続することができる。コネクタシートのシート状基体の表面にはレジストを形成してよく、レジストの形成によって半田の短絡等を防ぐことができる。また、コネクタシート100を回路基板501または502に密着(貼り付ける)させることも可能である。その場合、シート状基体10の上側表面10aおよび下側表面10bの少なくとも一方は接着性を有していることが好ましく、上側表面10aおよび下側表面10bの両方が接着性を有していることがさらに好ましい。接着性は、コネクタシート100の表面に接着剤を塗布する、または表面に接着層を形成することにより付与できる。あるいは、後述のように、第1の条件で粘着性を有し、第2の条件で接着性を有する材料で、シート状基体の上側表面および/または下側表面を構成することにより、接着性を付与することができる。取り扱いを便利にするために、接着性を有する上側表面10aおよび/または下側表面10bの上に、離型フィルム(例えば、PEフィルム、PETフィルム、PPSフィルム、またはPENフィルムのような樹脂シート)を付けておくことも好ましい。
【0101】
図3に示した回路基板501および502は、2層の配線パターン505を有する両面プリント配線板である。コネクタシート100により接続される回路基板はこれに限定されず、例えば4層以上の配線パターンを有する多層配線基板をコネクタシート100によって電気的に接続することも勿論可能である。また、リジッド配線基板に限らず、フレキシブル回路基板同士をコネクタシート100によって電気的に接続することもできる。あるいは、フレキシブル回路基板とリジッド配線基板とをコネクタシート100によって電気的に接続することもできる。
【0102】
図3に示す実装体において、回路基板501および回路基板502とコネクタシート100との接続は、常套の実装方法を使用して実施してよい。また、回路基板501とコネクタシート100との接続方法を、回路基板502とコネクタシート100との接続方法と異なるようにしてよく、例えば、前者を異方性導電膜を用いる方法とし、後者をリフロー半田法としてよい。
【0103】
図3に示す実装体においては、回路基板501と回路基板502との間に挟まれたコネクタシート100の周囲には、空間(空隙)が存在している。この空間は、例えば回路基板501と回路基板502との間に充填材料(例えば樹脂)を注入することにより、充填材料(例えば樹脂)で満たしてよい。あるいは、充填材料から成るシートを、コネクタシート100の周囲に配置させて回路基板501と回路基板502との間に挟み、2つの回路基板をコネクタシート100で接続すると同時に、コネクタシート100の周囲を充填材料で満たしてよい。
【0104】
図4は、図1に示すコネクタシートの変形例を示す。図4に示すように、コネクタシート100において、配線20の一端に接続されるランド20aは2列に配列することができる。図4に示すコネクタシートにおいて、U/L形側配線20は一つの側面10cにのみ位置する。また、図4に示すコネクタシートにおいては、端子20aおよび20bに接続されていないダミー配線21も形成されている。ダミー配線21は、配線密度を均一にする役割を有している。
【0105】
図4に示すコネクタシートは、図1に示すコネクタシートと比較して、コネクタシート100の上側表面10aが細長い。このように、上側表面を細長い形状としても、U/L形側配線20の数が大幅に減ることはない。以下、この点についてさらに説明する。
【0106】
ビア(またはスルーホール)を用いて上側表面と下側表面との電気的導通を確保するコネクタシートにおいて、より多くのビアを形成することを望む場合には、コネクタシートの上側表面は正方形に近い形状であることが有利であり、細長い形状のものは不利となる。これに対し、本実施の形態のコネクタシート100は、側面10cを積極的に利用するので、上側表面が細長い形状であることは、電気的導通を確保するためのU/L形側配線20を数多く形成する上で不利に働かない。本実施の形態のコネクタシート100において、U/L形側配線20は、U/L形側配線20のライン/スペース(L/S)を規定することによって、適切に配列することができる。したがって、上側表面10aが正方形の場合のみならず、長方形(例えば、長辺が短辺の1.4倍以上である長方形)の場合にも効果的に数多くのU/L形側配線20を形成することができる。即ち、本実施の形態のコネクタシート100はその上側表面10aが正方形および細長い形状(例えば、長方形、長円および楕円等)のいずれであっても、基板の多ピン化および狭ピッチ化のトレンドにより容易に対応できる。
【0107】
U/L形側配線は、その側面配線部の幅をWとし、シート状基体の厚さ(即ち、側面配線部の長さ)をTとしたときに、T/Wが1以上であることが好ましい。T/Wは、ビアのアスペクト比に相当するものである。上記範囲は、一般的に形成可能なビアのアスペクト比よりも大きく、このこともまた、U/L形側配線20の数をビアよりも多くし得る理由である。図1および図4に示した形態において、配線20の幅は、例えば0.25mm以下にすることができ、そして、配線20の側面配線部の配線間のスペースは例えば0.3mm以下にすることができる。
【0108】
コネクタシートの上側表面と下側表面とをビアで電気的に導通させる場合、コネクタシートの厚さを自由に変更、特に厚くすることは難しい。すなわち、ビアを有するコネクタシートにおいて、そのシートの厚さを大きくしすぎると、高アスペクト比のビア(スルーホール)を形成することになるため、適切にビアを形成することが困難となる。具体的には、例えば、レーザで穿孔する場合にはテーパーを有するビアが形成されやすくなり、ドリルで穿孔する場合には、ビアが曲がって形成されることがあり、またはドリルが曲がる若しくは折れることがある。本発明のコネクタシートはビアを要しないので、本発明のコネクタシートにおいてこれらの問題は生じない。したがって、本発明によれば、厚いコネクタシートを提供することが可能となる。
【0109】
コネクタシート100は、シート状基体10とU/L形側配線20とから構成されているので、特許文献1に記載のようなスタッキングコネクタを用いる場合と異なり、デバイスの小型化を妨げるコネクタ用配置スペースを確保する必要がない。また、コネクタシート100は薄いので、デバイスの薄型化にも貢献し得る。コネクタシート100の形状および面積は、回路基板の実装スペースに対応させて決定され、図1および図4に示すものに限定されない。例えば、図1および図4に示すように、シート状基体の上側表面10aを矩形とする場合、その面積は、例えば5〜1000mmであってよい。
【0110】
さらに、コネクタシート100は、特に未硬化の硬化性樹脂を含む場合には、回路基板に貼り付けて、回路基板と電気的および物理的に接続することができるので、フレキシブル基板のように軟らかい基板であっても、容易に密着させることができる。このことは、軟らかい基板(フレキシブル基板)に取り付けるのが比較的困難であるスタッキングコネクタと比較した場合に、本発明のコネクタシートの重要な利点となる。
【0111】
加えて、コネクタシート100は、上述したように狭ピッチ化(および/または多ピン化)へ容易に対応できるので、その点でもスタッキングコネクタと比べて有利である。具体的には、スタッキングコネクタを用いる場合には、0.3mm以下の狭ピッチに対応することは現実には非常に困難であるのに対し、コネクタシート100を用いた場合、例えば、300μm以下(好ましくは、100〜300μm)の狭ピッチにも十分対応することができる。
【0112】
また、コネクタシート100は、U/L形側配線20により回路基板同士を接続するため、高温および高湿の温度サイクルに対して安定であり、異方性導電膜(ACF)と比較して高い信頼性を示す。また、ACFにおいて見られる導電性と絶縁性を両立することの困難さは、コネクタシート100においては回避することができる。
【0113】
さらに、コネクタシート100においては、1本のU/L形側配線20により電気的導通が確保されるので、シート状基体10が熱膨張により変形しても、導通は比較的維持されやすい。これに対し、ビア接続は、上側表面および下側表面に形成されたランド部とビア部(導電性ペーストやメッキ)とが接触することを要するため、基体の膨張によりビア部がランドからずれると接続が維持できないことがある。したがって、本発明のコネクタシートは、ビア接続を利用する接続部材と比較して、より高い接続信頼性を有する。
【0114】
以上のように、本発明によれば、従来の接続部材の課題を解決しつつ、狭ピッチ化に対応可能な、新たな接続部材(コネクタシート)を提供することが可能となる。
【0115】
次に、図5から図9を参照しながら、本実施の形態のコネクタシートの変形例を説明する。図5は、シート状基体10の上側表面10aをL字型にしたコネクタシート200の構成を模式的に示している。図5に示すコネクタシート200も、上側表面10aと下側表面10bとは同じ形状を有し、両方の表面は垂直な側面10cにより繋がれている。よって、コネクタシート200の形状を説明するときは、簡略のために上側表面10aの形状のみを説明する。
【0116】
図5に示すコネクタシート200においても、上側表面10aと下側表面10bとの間の電気的導通はU/L形側配線により確保されている。したがって、上側表面10aがL字型であっても、本発明の接続部材の機能は十分に確保される。これに対して、ビアで電気的導通を確保する場合には、ビアを形成する面(上側および下側表面)が矩形および正方形以外の形状であると、位置合わせが困難になる可能性がある。あるいは、ビア形成後に接続部材を加工して別の形状にする場合には、ビアが変形することがある。また、異方性導電膜は、実装後、熱圧着処理に付されるため、これを任意の形状に加工して使用することは一般に困難であり、接続信頼性の低下を招くことがある。
【0117】
図5に示す形態のコネクタシート200もまた、半硬化状態の樹脂を含むシートを折り畳み、その後、当該折りたたまれた半硬化状態の樹脂シートを完全硬化状態にすることによって形成される。折り畳みにより、このような形状のコネクタシートが得られることもまた、本発明の有利な特徴である。
【0118】
L字型のような矩形以外の形状を有するコネクタシート(200)は、コネクタシートの下に位置する回路基板(例えばマザーボード)に例えば比較的高い電子部品が実装されている場合に、その電子部品を避けて、回路基板(例えばマザーボード)に取り付けることができる。
【0119】
図5に示したコネクタシート200を組み合わせて、図6に示すような構成にすることも可能である。図6は、L字型のコネクタシート200を2つ組み合わせて使用する形態を示している。かかる形態により、コネクタシート200の厚さムラを緩和することができる。また、コネクタシート200で囲まれた領域内を利用することもでき、その領域に例えば電子部品を実装することも可能である。
【0120】
図7は、上側表面10aが四角形の枠形状である、コネクタシート300を示す。図7に示したコネクタシート300は、シート状基体10の中央に、開口部40を有する形状を有する。このコネクタシート300も、図6に示した構成と同様に、開口部40にて露出する領域の回路基板上に、更に部品を実装することが可能となり、実装面積の増大に寄与する。この形状のシート状基体10は、例えば、矩形のシート状基体を打ち抜くことにより作製できる。
【0121】
図5、6および7において、シート状基体10の上側表面10aが、L字型または四角形の枠形状であるコネクタシートを例示した。コネクタシートのシート状基体の上側表面は、U字形状またはC字形状としてよく、あるいは凸部または凹部を設けた形状としてよい。
【0122】
図8は、図7に示したコネクタシート300の変形例を示す。図8に示すコネクタシート350においては、四角形の枠形状のシート状基体10の開口部40の内壁面となる側面10c上にU/L形側配線20の側配線部が位置している。この側面10cもまた、上側表面10aと下側表面10bとを接続する側面であることに留意されたい。また、シート状基体10の外周面には、シールド層(例えば、金属からなるシールド層)45が形成されている。このシールド層45が有するシールド機能によって、ノイズを低減することが可能である。図8に示すコネクタシートは、中央に切り込みを入れて、切り込みを折り畳むことにより得られる。
【0123】
図9は、図1に示すコネクタシートの変形例であって、上側表面10aが長辺10Lと短辺10Sとを有する略長方形であり、長辺側の2つの側面にU/L形側配線20が位置するコネクタシート100を示す。上側表面10aにおいて、長辺10Lは、短辺10Sの1.4倍以上の長さを有する。このコネクタシート100において、端子となるランド20aは、角ランドである。このような角ランドは、他の図面を参照して説明したコネクタシートにおいて丸ランドの代わりに設けられてよい。図示したコネクタシートは、短辺10S側の側面に位置するU/L形側配線をさらに有してよく、それにより、より多くのランド20aを配列させることが可能である。
【0124】
次に、図10および図11ないし図13を参照して、コネクタシート100の製造方法を説明する。
【0125】
図10は、図11ないし図13に示す製造方法により製造されるコネクタシート100の断面構成を模式的に示している。このコネクタシートは、シート状基体10の上側表面10aおよび下側表面10bにおいて、電気要素としての配線パターン30を有し、U/L形側配線20は配線パターン30の一部として形成されている。U/L形側配線20は上側表面配線部20−1、下側表面配線部20−2および側面配線部20−3を有している。図10は、シート状基体10がシート15の折り畳みにより形成されたものであることを容易に理解できるよう、シート15の重ね合わせ面を点線11で表示している。図10において、tはシート15の厚さに相当する。
【0126】
図11ないし図13に示す製造方法は、第1接続部材製造方法に該当する。具体的には、図11(a)ないし(d)は、配線パターンおよび半硬化状態の樹脂を含む絶縁層を有するシートAを製造する工程(1−A)を示し、図12(a)は、シートAを折り畳む工程(1−B)、および図12(b)は、半硬化状態の樹脂を硬化する工程(1−C)を示す。
【0127】
シートAは、
(1−a)キャリヤシートおよびその上に形成された金属層を有して成る積層体を準備する工程、
(1−b)金属層を加工して少なくとも1本の配線を有して成る配線層を形成する工程、および
(1−c)配線層上に半硬化した樹脂を含む絶縁層を形成する工程
を含む製造方法によって製造され、図11に示す方法では、さらにキャリヤシートを除去する工程を含む。
【0128】
最初に、積層体を準備する工程(1−a)は、図11(a)に示すように、金属層32が一方の表面に形成されたキャリヤシート50を準備することによって実施する。金属層32は例えば銅箔からなり、キャリヤシート50は、例えば金属箔(銅箔もしくはアルミ箔)または樹脂シート等からなる。金属層32およびキャリヤシート50の厚さは、例えばそれぞれ3〜50μm程度および25〜200μm程度である。このような積層体として、回路基板を製造するために種々のものが知られている。
【0129】
金属層32(即ち、U/L形側配線20)は、電解銅箔(ED箔)で形成することが好ましい。電解銅箔は均一な厚さを有するので、配線層の形成に有利であり、また、U/L形側配線20を均一に形成することができるので、インピーダンス制御に有利である。
【0130】
次に、上述の積層体の金属層32を加工する工程(1−b)は、いずれの適当な既知の方法で実施してもよい。図11(b)に示すように、所定の配線層30(又は配線パターンを有する配線層)を形成することは、パターニング工程として知られている。このような工程は、例えばマスクを用いるエッチング加工によって実施できる。
【0131】
次に、工程(1−c)において絶縁層を形成する。図11(c)に示すように、配線層30を覆うように、キャリヤシート50上に樹脂を塗布して絶縁層15を形成する。用いる樹脂は、電気絶縁性の熱硬化性樹脂および/または熱可塑性樹脂である。特に好ましいのは、半硬化状態にある硬化性樹脂、特に熱硬化性樹脂である。樹脂は、上述のようにフィラーを含んでいてよい。絶縁層15の厚さ(t)は、例えば50〜100μm程度である。
【0132】
例えば、B−ステージ状態にある熱硬化性樹脂と無機フィラーとを含むコンポジット材料を、キャリヤシート50上に塗布する。一例では、熱硬化性樹脂100重量部に対して、無機フィラーは100重量部以上(好ましくは、140〜180重量部)含まれている。B−ステージ状態とは硬化反応を中間段階でストップさせたものであり、B−ステージ状態の樹脂を更に加熱すると一旦軟化(溶融)した後、完全硬化に至る。尚、完全に硬化した状態をC−ステージと呼ぶ。
【0133】
無機フィラーとして、Al、BN、またはAlN等を添加した場合には、コネクタシートの熱伝導性を良好にすることができる。また、適切な無機フィラーを選択することによって、熱膨張係数を調整することが可能である。樹脂成分は、熱膨張係数が比較的大きいが、SiOまたはAlNなどの添加により、絶縁層(コネクタシートにおけるシート状基体)の熱膨張係数を小さくすることができる。また、場合によっては、MgOを添加することで、熱伝導度を良好にしつつ、熱膨張係数を大きくすることもできる。更に、SiO(特に、非晶質SiO)であれば、熱膨張係数を小さくすることができるともに、誘電率を低くすることができる。
【0134】
次に、図11(d)に示すように、折り畳みの前に、キャリヤシート50を除去して、配線層30を有するシート15を得る。図示した製造方法においては、キャリヤシートを除去した後、次の折り畳み工程を実施している。別法として、キャリヤシートを除去せずに折り畳み工程を実施し、その後、キャリヤシートを除去してよい。
【0135】
次に、工程(1−B)において、このシート15を折り畳んで、図12(a)に示すような構造にする。図示した態様では、シート15を丁度半分に折り畳んでいる。即ち、絶縁層15が点線11で示す面にて接触状態で対向するように折り曲げて、配線パターンを構成する少なくとも1本の配線20の一部20−1および20−2が絶縁層15を介して対向する上側表面配線部および下側表面配線部となり、かつ該少なくとも1本の配線の他の部分20−3が、折り曲げ後の絶縁層15の側面上で延在する側面配線部となるようにする。従って、上側表面配線部20−1、下側表面配線部20−2および側面配線部20−3から成る配線20は、絶縁層15の上側表面から側面を経由して下側表面に延在する少なくとも一本の配線、即ち、U/L形側配線を構成する。折り畳みは、U/L形側配線20の位置する側面が曲面となるように実施してよく、そのような折り畳みは図示するように直角に折り畳むことと比較して容易である。
【0136】
次いで、工程(1−C)において、図12(a)に示した構造体を、加熱および加圧して完全硬化させると、図12(b)に示すように、重ねた絶縁層が1つのシート状基体10となり、本発明のコネクタシート100が得られる。図12(b)に示した状態では、シート状基体10は完全硬化しているので、Cステージとなっている。樹脂が、熱可塑性である場合には、加熱および加圧の後、単に冷却すれば硬化状態となる。図10および図12(b)では絶縁層の接触面11を示しているが、硬化後には明確に存在しなくてもよい。
【0137】
工程(1−C)は、必要であれば、工程(1−B)まで実施して作成した構造体を所定の回路基板または電子部品と接続した後に実施してよい。即ち、接続部材は、所定の回路基板等への接続と同時に完成させてよい。そのような製造方法は、未硬化の樹脂の接着性を利用して回路基板等への接続を実施する必要がある場合、あるいは、図21を参照して説明するように、未硬化の樹脂の粘着性を利用して回路基板等へコネクタシートを接続して検査を行う場合に好ましく実施される。絶縁層の樹脂の硬化工程を回路基板等への接続と同時またはそれより後に実施することは、コネクタシートの製造または第1接続部材製造方法のみに限定して適用されるものではなく、他の接続部材製造方法に適用してよい。
【0138】
コネクタシート100は、シート15の折りたたみ方によって異なる構成にすることもできる。例えば、シート15を、図13(a)に示すように、シート15を2箇所で折り畳み、2箇所で配線を折り曲げて、加熱および加圧を実施してよい。それにより、図13(b)に示すように、2つの側面にU/L形側配線20が位置する構造のコネクタシートを得ることができる。図13(b)においても絶縁層の接触面を点線で示しているが、硬化後には明確に存在しなくてもよい。
【0139】
このように、本発明のコネクタシートは、ビアを形成する必要がないので、パンチまたはレーザ等を用いるビアの加工に伴う、基体シートを構成する材料の制限は無くなる。したがって、例えば、基体シートを構成する材料(即ち、絶縁層を形成する材料)に、レーザ光を吸収し難い材料(ガラス、シリカ等)のフィラーを混入させることが可能となる。その結果、そのようなフィラーを用いて基板材料の物性(熱伝導率、熱膨張率)を調整することができるようになる。また、導電性ペーストを用いるビア接続には、絶縁層を構成する材料の粘度を最適化してビア形状を安定化することが一般的に必要であり、絶縁層の材料は制限される。本発明のコネクタシートの製造に際しては、そのような制限が課されず、得ようとするコネクタシートに応じて、適切な樹脂を比較的自由に選択できる。
【0140】
さらに、本発明のコネクタシートの製造方法は、高精度が要求されるビア形成工程自体を省略し得ることによって、製造の簡略化および低コスト化が可能となる。加えて、パンチャーおよびレーザ装置等の設備も不要となるので、その点でもコネクタシートの製造コストを低下させることができる。また、配線層およびその上に形成された絶縁層を有するシートを折り畳むことによってコネクタシートを形成するので、ビア接続において必要である、コネクタシートの上下面でランドを位置合わせして形成することが不要となり、また、ビア含有接続部材を作製する場合における、ビアとランドとの位置合わせ工程を実行する必要もない。
【0141】
図11〜図12に示す工程を経て、U/L形側配線となる配線20を含む配線パターン30を形成すると、シート状基体10の表面上に位置するU/L形側配線20は、その全体がシート状基体10の表面内に埋め込まれる。そのことを、シート状基体の一部を拡大して斜視図にて模式的に図19に示す。即ち、図示するように、配線20の頂面(露出面)20fと、シート状基体10の表面(例えば、側面10c)とが面一(実質的に同一面)となっている。このようにU/L形側配線20を配置すると、配線20(特に、コーナー部20c)をシート状基体の表面から突出させる場合と比較して、配線20が切断および破損することを抑制することができ、配線20の接続信頼度が向上する。
【0142】
更に、図18に示すように、U/L形側配線20の露出面20fが、シート状基体10の側面10cから窪んでシート状基体10の内部側に位置している場合には、露出面20fが外部のものと接触する確率が大幅に低減するので、U/L形側配線20の切断および破損等を有効に防止することができる。とりわけ、U/L形側配線20のコーナー部20cは、外部のものとの接触が生じやすい部分であるので、図18に示すように、このコーナー部20cはシート状基体の表面(またはエッジ)から窪んで形成されているのが配線保護の点からは特に好ましい。したがって、U/L形側配線20の上側表面配線部および/または下側表面配線部の露出面も、図示するように、それぞれの表面から窪んで位置するのが好ましい。
【0143】
図18に示すように、シート状基体10の側面10cよりも、配線20の頂面(または露出面)20fが窪んで、段差10dが形成されるようにすることは、以下に示す方法により実施される。まず、図11(b)に示した配線層30の形成工程において、金属層32の不要部分(即ち、配線を形成しない金属層の部分)を除去する時、そのような金属層の不要部分に加えて、その下方に位置するキャリヤシート50(例えば金属シート)の一部分をもエッチングして除去して、キャリヤシートに凹部を形成する。その後、図11(d)に示した、絶縁層を形成するための樹脂塗布工程(例えばコンポジット材料を塗布する工程)を実施すると、樹脂が配線層30の表面(金属層とキャリヤシートとの接触面)のレベルを越えて、キャリヤシート50に形成された凹部に入り込んだシートが得られる。これを折り畳んで加圧および加熱して一体にして、その後、キャリヤシートを除去すると、シート状基体10の表面とU/L形側配線20の露出面との間に段差10dが形成されることになる。この方法によれば、キャリヤシートに形成した凹部の深さに対応する段差10dが形成される。
【0144】
第2接続部材製造方法を採用する場合には、U/L形側配線20を保護するための樹脂またはフィルムを、シート状基体の配線を除く部分に付与することによって、U/L形側配線20の頂面20fとシート状基体10の表面との間で段差を設ける、あるいは頂面20fとシート状基体10の表面とを面一にすることも可能である。
【0145】
図18に示した構成のように、U/L形側配線20の露出面20fが、コネクタシートの表面から窪んだ位置にある場合、コネクタシートが接続される部分に対応する回路基板の配線パターンを、当該回路基板の表面から突出させることが好ましい。回路基板における配線パターンの突出した部位と、コネクタシートにおける窪んだ位置にある配線20の露出面(頂面)20fとは、嵌合によって互いに接触させることができ、それにより接触信頼性を向上させることが可能となるからである。回路基板の配線パターンは、サブトラクティブ(subtractive)法(例えば、銅箔をエッチングで除去する方法)またはアディティブ(additive)法(例えば、導体金属を絶縁基板上に、直接、無電解メッキにより析出させる方法)により、回路基板表面から突出させてよい。
【0146】
また、本発明のコネクタシート100において、U/L形側配線20をコプレーナ線路にすることも可能である。これにより、高速信号用配線に適したコネクタシートを構成することができる。より詳細に説明すると、図20に示すように、信号配線としてのU/L形側配線20sおよびグランド配線としてその両隣に位置するU/L形側配線20gを形成すれば、これらのU/L形側配線20sおよび20gはコプレーナ構造となる。これにより、特性インピーダンスの制御をすることができ、また、ビアを有する接続部材において生じていた、ビアと配線とのインピーダンス不整合部の問題を回避することができる。
【0147】
以上において、本発明の接続部材の1つの形態として、絶縁性基体がシート状基体であるコネクタシートを説明した。上記の説明は、他の形態の接続部材にもあてはまることに留意されたい。
【0148】
(実施の形態2)
次に、本発明のコネクタシートと回路基板とから構成される実装体の実施形態を説明する。
【0149】
図14は、上記実施の形態1のコネクタシート100を用いて、2つの回路基板(例えば、プリント回路基板)503および504を主表面に平行な方向で連結させた実装体を示す。コネクタシート100は、図14に示すように、回路基板503および504の間に配置されて、回路基板503と回路基板504とを電気的に接続する。
【0150】
図14に示す実装体において、回路基板503および504には、配線パターン(導体パターン)505が形成されており、配線パターン505は、回路基板503および504の側面の少なくとも一部にも形成されている。また、配線パターン505上に、表面実装型の電子部品310または半導体チップ320が実装されている。
【0151】
この実装体においては、コネクタシート100の1つの側面に位置するU/L形側配線部20の側面配線部が回路基板503の側面に位置する配線と接続されている。このU/L形側配線部20’は、シート状基体の上側表面または下側表面にて配線パターンを形成して、別の側面に位置するU/L形側配線部20”と接続されている。U/L形側配線部20”は回路基板504の側面に位置する配線と接続されている。したがって、回路基板503および504は、コネクタシート100によって電気的に接続される。
【0152】
図14に示す実装体において、コネクタシート100と各回路基板とは、例えば、コネクタシート100のシート状基体の接着性を利用して接続してよい。その場合、コネクタシート100は、半硬化状態の樹脂を含む状態で回路基板との接続に使用されて、最終的な実装体において完全に硬化されることとなる。
【0153】
図15(a)および(b)は、断面がU字型のコネクタシート101を用いて、両面プリント基板500の上下面の電気的接続を行う手法を示している。
【0154】
図15(a)に示したコネクタシート101は、その上側表面に凹部を有し、当該凹部は、両面プリント基板500の側面と嵌合可能である。図15においては、理解の容易のために、コネクタシート100を半硬化樹脂層を有するシートの折り畳みにより製造する際の重ね合わせ面を点線11で表している。コネクタシート101において、U/L形側配線20’および20”は、凹部を規定する内側面にも延びている。
【0155】
図15(a)に示したコネクタシート101と両面プリント基板500とを嵌合させると、図15(b)に示すように、コネクタシート101によって、両面プリント基板500の上下面の電気的導通を確保することが可能となる。より詳細には、両面プリント基板500の一方の表面に形成された配線パターン505’は、コネクタシートの凹部の内側面に延びるU/L形側配線20’と接続され、U/L形側配線20’は、コネクタシート101の下側表面に形成された配線パターン30と接続されている。配線パターン30は、別の側面に位置するU/L形側配線20”と接続されており、U/L形側配線20”はさらに凹部の内側面に延びて、両面基板500の他方の表面に形成された配線パターン505”と接続される。したがって、この構成によれば、スルーホールまたはビアを有しない、より安価な両面プリント基板500を使用でき、あるいは、両面プリント基板500の製造コストを下げることができる。別法として、配線層が3層以上の多層プリント基板をコネクタシートの凹部に嵌合させてよい。あるいは、スルーホールもしくはビアを有する両面又は多層プリント基板を、コネクタシートの凹部に嵌合させてよい。
【0156】
この構成の実装体は、
少なくとも1本の配線を有して成る配線層および半硬化状態の樹脂を含む絶縁層を含むシートを準備する工程、
当該樹脂を含むシートを絶縁層が凹部を形成するように折り曲げて、絶縁層を相互に対向させ、該少なくとも1本の配線の一部が、対向する絶縁層を介して相互に対向し、かつ該少なくとも1本の配線の他の部分が、絶縁層の折り曲げ部分により形成される、折り曲げ後の絶縁層の側面上で延在し、該少なくとも1本の配線のさらに別の部分が凹部の内側面に延びるようにする工程、
表面および裏面の両面に配線パターンが形成された回路基板の側面を当該凹部に嵌合させて密着させる工程、および
折り曲げたシートの絶縁層の樹脂を硬化する工程
を含む製造方法により製造される。即ち、上記第1接続部材製造方法に関連して説明したシートAを、凹部を有し、かつ凹部の内側面にU/L形側配線が延びるように折り畳み、当該凹部に両面基板をはめ込んで、凹部に密着させた後、シートAの絶縁層を硬化させる方法により製造される。この製造方法によれば、回路基板の側面の寸法に応じてコネクタシートに凹部を形成でき、かつ、未硬化の絶縁層の接着性を利用して、回路基板と一体化することができるので、回路基板とコネクタシートとの間で良好な電気的および物理的接続を確保できる。
【0157】
別の実装体を図16に示す。図16(a)および(b)は、コネクタシート100を作製すると同時に、回路基板506および507を電気的に接続させて、実装体を製造する方法を示す。
【0158】
図16(a)は、U/L形側配線20となる部分を含む配線パターン30が表面に形成されたシート15(図11(d)参照)、ならびに配線パターン505を有する回路基板506および507を示している。シート15の配線パターン30の一部を、回路基板506および507の配線パターン505の一部(好ましくは、外縁周辺に位置する配線)に接触させる。その後、回路基板506と回路基板507とが略平行になるように移動させて、シート15を折り畳み、シート15を含む部分を、加熱および加圧して完全硬化させれば、図16(b)に示す実装体が得られる。図示するように、シート15は、実装体において、U/L形側配線20を有するコネクタシート100となる。このコネクタシート100は、その作製前から回路基板506および507を電気的に接続しており、それゆえ、作製後も回路基板506および507を電気的に接続している。
【0159】
さらに別の実装体を図17に示す。図17(a)および(b)は、U/L形側配線20の上側表面配線部および下側表面配線部の露出面が図18に示すようにコネクタシートの表面から内部側に位置しているコネクタシートを使用して、2つの回路基板506および507を接続する方法を示す。
【0160】
図17(a)は、回路基板506および507の間に、コネクタシート100を、回路基板506および507上の突出した電極505がU/L形側配線20と一致するように配置した構成を示している。次に、図17(b)に示すように、回路基板506および507の電極505を、U/L形側配線20とシート状基体10により形成されている窪みに嵌合させる。それにより、電極505とU/L形側配線20とが電気的に接続されて、回路基板506および507はU/L形側配線20を介して接続されることとなる。このようにU/L形側配線が窪みを形成している接続部材を使用し、この窪みに、回路基板の配線パターン上に形成された突出した部分(図では電極)を接続すれば、容易かつ確実に接続部材と回路基板との間の電気的接続を得ることができる。
【0161】
(実施の形態3)
次に、本発明のコネクタシートのさらに別の形態を説明する。本発明の接続部材がコネクタシートとして提供される場合、コネクタシートは、ある条件で粘着性を有し、それとは別の条件で接着性を有するように構成することもできる。ここでは、そのように粘着性および接着性の両方の性質を有するコネクタシートを説明する。
【0162】
そのようなコネクタシートを説明するために、便宜的に図1を参照する。本実施の形態のコネクタシート100の上側表面10aおよび下側表面10bはともに、第1の条件下で粘着性を有し、第1の条件とは異なる第2の条件下で接着性を有している。ここで、「第1の条件」は、例えば、0℃以上80℃以下の範囲内にある温度条件である。より詳細には、第1の条件は、上記特定の温度範囲内にある温度に上側表面10aおよび下側表面10bを曝すことである。第1の条件の温度は、典型的には、室温(例えば、約10〜約40℃)であり、粘着性を向上させる目的で、約50℃以上にしてよい。「第2の条件」は、上側表面10aおよび下側表面10bを構成する材料の硬化反応を進行する条件である。「粘着」および「接着」の意味は先に説明したとおりである。
【0163】
シート状基体10の上側表面10aおよび下側表面10bは、例えば、(a)シリコーン樹脂と熱硬化性樹脂との混合材料、(b)熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂との混合材料、または(c)紫外線硬化性樹脂と熱硬化性樹脂との混合樹脂から選択される材料から構成される。あるいは、必要に応じて、上記(a)、(b)および(c)から選択される2以上の材料を混合した材料で上側表面10aおよび下側表面10bを構成してよい。
【0164】
材料(a)は、シリコーン樹脂/熱硬化性樹脂の混合系である。この混合系においては、シリコーン樹脂が粘着性を与え、熱硬化性樹脂が接着性を与える。材料(b)は、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂との混合系である。この混合系においては、液状の熱硬化性樹脂によって固形の熱可塑性樹脂が膨潤させられて粘着性を与え、熱硬化性樹脂が接着性を与える。材料(c)は、紫外線(UV)硬化性樹脂と熱硬化性樹脂との混合系である。この混合系においては、UV硬化性樹脂のプレゲル(pregel)現象によって粘着性を与え、熱硬化性樹脂により接着性を与える。材料(c)の粘着性について、より詳細に述べると、材料(c)で形成されたシート状基体の表面を硬化(本硬化ではなく、仮硬化)させるように紫外線を照射して、その表面をプレゲル化させることにより、シート状基体の表面に粘着性が生じる。
【0165】
また、上記のような粘着性と接着性を有する材料であれば、他の材料で上側表面10aおよび下側表面10bを構成してよい。例えば、熱可塑性樹脂のみを用いた材料(または、実質的に熱可塑性樹脂のみを用いた材料)によって、粘着性と接着性との組み合わせの性質を持つ材料を実現することも可能である。すなわち、充分高温で軟化する熱可塑性樹脂に溶剤を添加した系を用いれば、溶剤による熱可塑性樹脂の軟化によって粘着性を付与し、高温にすることによって溶剤を飛散させ、冷却により熱可塑性樹脂が固化する性質を接着性として利用することができる。ただし、熱可塑性樹脂が溶融する高い温度領域では、接着部において剥離が生じることがあるため、高温時の信頼性が損なわれないように、適当な対策をとることが望ましい。例えば、熱可塑性樹脂が主成分である材料系においては、熱硬化性樹脂のような硬化性樹脂の溶剤添加も有効な手段である。
【0166】
いずれの材料を使用する場合も、接着処理は、熱もしくは光、または水、空気、溶剤もしくは電子線等を用いて実施される。接着の際に、必要に応じて加圧することにより、より強固で安定的な接着を達成することができる。
【0167】
シート状基体の上側表面および下側表面が異なる条件下で粘着性および接着性を有することにより、コネクタシートは、リペア性という新たな機能を備えるようになる。そのことを、図21を参照して説明する。
【0168】
図21(a)から(c)は、コネクタシート100を用いて、回路基板を電気的に接続する方法を説明する。ここでは、シート状基体10が、シリコーン樹脂およびエポキシ樹脂(すなわち、熱硬化性樹脂の一種)、ならびに無機フィラーを含む混合材料で構成されたコネクタシート100を、例示的に説明する。シリコーン樹脂は、主に粘着性を付与し、エポキシ樹脂(熱硬化性樹脂)は、主に接着性を付与する役割を担っている。無機フィラーは、接着後の熱膨張係数を制御する役割を担っている。無機フィラーは、例えば、Al、SiO、またはMgOである。
【0169】
図21(a)に示すように、電子部品(310,311,311’)が実装された回路基板511の上に、コネクタシート100を配置する。コネクタシート100は、上述したように、第1の条件下で粘着性を有し且つ第2の条件下で接着性を有している。
【0170】
図21(a)において、回路基板511は、例えばリジッドな基板(典型的なプリント基板)であり、回路基板511上には、回路パターンが形成されており、その回路パターンに電子部品(310,311,311’)が電気的に接続されている。電子部品310は、半導体集積回路チップ(例えば、表面実装型のIC)であり、電子部品311、311’は、例えば、チップコンデンサ、チップインダクタ、またはチップ抵抗等の表面実装部品である。
【0171】
次に、図21(b)に示すように、回路基板511の所定の箇所にコネクタシート100を第1の条件下で貼り付けて、コネクタシート100の粘着力により、コネクタシート
100と回路基板511とを密着させる。ここで、第1の条件は、例えば、室温ないし80℃の温度範囲から選択される所定の温度の条件である。コネクタシート100の上側表面と下側表面との間の導通はU/L形側配線20によって確保されるので、コネクタシート100は、回路基板511に貼り付けるだけでよい。したがって、導通を実現させるために、異方性導電膜を用いて接続するときのようにコネクタシート100を圧縮する必要はない。
【0172】
次に、回路基板511と電気的に接続させるべき回路基板512を、コネクタシート100の近くに移動させる。それから、図21(c)に示すように、回路基板512をコネクタシート100の上に配置し、コネクタシート100の粘着性を利用して、コネクタシート100と回路基板512とを密着させる。その結果、コネクタシート100を介して回路基板511と回路基板512とが互いに電気的に接続される。図21(b)および(c)に示した回路基板512は、フレキシブル基板であり、例えばポリイミドから形成されている。回路基板512にも、回路パターンが形成されており、電子部品(例えば、表面実装型部品)が実装されていることもある。
【0173】
次に、図21(c)に示した状態において、回路基板511と回路基板512との電気的な接続を検査する。ここでの検査は、回路基板511と回路基板512との間の電気抵抗値を調べ、例えばスキャナ及びマルチメータを用いて自動的にテストすることによって行われる。当該検査によって、電気的な接続が良好であると判断された場合には、第2の条件下にして(具体的には、温度を上げ)、コネクタシート100と回路基板511および回路基板512とを接着する。第2の条件としての温度条件は、例えば140℃以上(好ましくは150〜170℃)である。コネクタシート100を第2の条件に曝すと、接着剤として機能するので、回路基板511および512は、実質的に永久に固定される。
【0174】
上記検査において、電気的な接続が不良と判断された場合には、第1の条件下で、回路基板511および512の少なくとも一方を取り除いて、回路基板511および512の少なくとも一方と、コネクタシート100との密着状態を解除する。より詳細に説明すると、第1の条件下では、コネクタシート100は、粘着状態であり、剥がすことが可能であるので、検査を行って不良とわかれば、リペア(部品の取り替え)を簡単に行うことができる。
【0175】
また、接続が不良と判断された場合でも、回路基板自体に異常がなければ、もう一度、図21(a)から(c)の工程を実行して、回路基板同士の電気的な接続、および、検査工程を経て、少なくとも2つの回路基板を含む実装体を作製することができる。
【0176】
図21(c)に示した状態の後、コネクタシート100を剥がす場合において、コネクタシート100の粘着力を低下させるために、温度を下げる手法を採用することも可能である。コネクタシート100の粘着性を利用して貼り付けを行う際の温度(第1の条件)が、例えば、室温ないし80℃の範囲内にある任意の温度である場合、周囲の温度を室温未満(例えば0℃未満、好ましくは−10〜−20℃)にして粘着力を低下させてよい。また、粘着性を示す第1の条件の温度よりも温度が低い第3の条件になると、実質的に粘着性が喪失するようにコネクタシート100を形成することも好ましい。
【0177】
このように粘着性および接着性を有するコネクタシートによれば、リペアを容易に実施できる。これに対し、異方性導電フィルムを用いて接続する場合には、異方性導電フィルムを圧着して完全に回路基板に接続した後でないと、導通試験を行うことができない。そのために、当該試験で不良とわかった場合でも、リペアを行うことができなかった。つまり、不良とわかったものは、回路基板を含めて全部(実装体ごと)廃棄しなければならなかった。粘着性および接着性を有するコネクタシート100を用いると、リペアが可能であるので、廃棄する部品および製品が大幅に少なくなり、コストの軽減に大きく寄与する。したがって、粘着性および接着性を有するコネクタシート100を用いれば、回路基板を含む実装体をより低いコストで製造し得る。
【0178】
粘着性および接着性を有するコネクタシートのシート状基体は、上述のような材料のみから成っていてよく、あるいはそのような材料から成る層と他の材料から成る層から成るものであってよい。複数の層から成るシート状基体は、例えば、中央層ならびにこれを挟む上側層および下側層から成る構成としてよく、その場合、上側層および下側層が粘着性および接着性を有する材料で形成される。中央層を構成する材料は、例えば、ポリイミドであってよい。あるいは、中央層は、織布、不織布および樹脂シートとしてよい。上側層および下側層は、粘着性および接着性を有する粘着剤を中央層に塗布することにより形成してよい。また、上側層および下側層を異なる材料で形成して、上側表面の粘着性と、下側表面の粘着性が異なるようにしてよい。
【0179】
シート状基体の上側表面および下側表面が粘着性および接着性を有する場合には、上側表面および下側表面の一方または両方に、離型フィルムを取り付けてよい。離型フィルムを取り付けると、コネクタシートを取り扱いやすくなる。離型フィルムは、例えば、回路基板にコネクタシートを取り付ける前に外される。
【0180】
(実施の形態4)
次に、本発明の接続部材の別の形態として、絶縁性基体がコア層と電気絶縁層とから成る形態の接続部材を説明する。
【0181】
図22は、本発明の1つの実施形態の接続部材2100の構成を模式的に示す斜視図であり、図23は、図22に示した接続部材の模式的断面図である。図22および図23に示した接続部材2100は、電気絶縁層2101と、複数のU/L形側配線2102と、コア部材2103を有している。電気絶縁層2101は、上側表面部2101aと、上側表面2101aに対向する下側表面部2101bと、上側表面2101aと下側表面2101bとを接続する側面部2101cとから構成される。U/L形側配線2102の一端は、電気絶縁層2101の上側表面部2101a上の所定の箇所に位置し、そこから電気絶縁層2101の側面部2101c上を通って下側表面部2101bの所定の箇所にて終端している。
【0182】
この実施の形態において、電気絶縁層2101の上側表面部2101a、下側表面部2101bおよび側面部2101cはいずれも略平面であり、略矩形の形状を有している。このような電気絶縁層のそれぞれの部分は、上側表面配線部2102A、下側表面配線部2102Bおよび側面配線部2102Cを有し、これらの配線部は電気的に一体に接続され、U/L形側配線2102を構成する。
【0183】
本実施形態の接続部材2100においても、電気絶縁層2101における上側表面部2101aと下側表面部2101bとの間の電気的導通は、U/L形側配線2102によって行われている。より詳細には、この形態においても、U/L形側配線2102が、電気絶縁層2101における上側表面部2101aと下側表面部2101bとの間の電気的導通を行う機能を有しているので、電気絶縁層2101およびコア部材2103には、上側表面部2101aと下側表面部2101bとの間の電気的導通を確保するためにビアは形成されていない。したがって、この接続部材2100においても、ビアは必要ではない。
【0184】
本実施形態の接続部材2100の電気絶縁層2101は、1つの形態では、樹脂(例えば熱硬化性樹脂および/または熱可塑性樹脂)と無機フィラーとを含むコンポジット材料から形成されている。その場合、樹脂として熱硬化性樹脂を用いるのが好ましい。尚、無機フィラーを実質的に用いずに、熱硬化性樹脂のみから電気絶縁層2101を構成することも可能である。樹脂に無機フィラーを添加する場合、例えばAl、SiO、MgO、BN、およびAlN等のフィラーを使用できる。無機フィラーの添加により、電気絶縁層2101の種々の物性を制御することができるので、無機フィラーを含むコンポジット材料から電気絶縁層2101を形成することが好適である。各フィラーの添加による物性(熱伝導性等)の変化の傾向は、先に第1の形態のコネクタシートに関連して説明したとおりであるから、ここではその詳細な説明を省略する。また、電気絶縁層2101の表面には、ソルダーレジストが形成されていてもよい。
【0185】
U/L形側配線2102は、いずれの適当な材料から形成してもよく、例えば銅箔から形成でき、その厚さは例えば3〜50μm程度である。U/L形側配線20は、先に実施の形態1に関連して説明したように、例えば、常套の方法で銅箔等をエッチングして形成してよい。
【0186】
図22に示した構成においては、U/L形側配線2102の端部に接続される電気要素としての端子(ランド)2102aが、電気絶縁層2101の上側表面部2101aに配列されている。即ち、図示した態様では、接続部材2100と電気的に接続する基板(例えばマザーボード)および電子部品等の端子配列等に対応して、端子2102aが配列されている。電気絶縁層2101の下側表面部2101bにおけるU/L形側配線2102の他方の端部に接続される端子(ランド)2102bも同様に、接続される基板および電子部品に応じて所定のように配列される。
【0187】
例えば、電気絶縁層2101の下側表面部2101bにおいて電気要素を格子状または千鳥状(図25参照)に配列し、これにU/L形側配線の一部(例えば端部)を接続することができる。また、電気要素としてのランドをランド・グリッド・アレイ(LGA)状にしてもよいし、あるいは、電気要素としての半田ボールを載置してボール・グリッド・アレイ(Ball Grid Array;BGA)状にしてもよい。電気要素に、ハンダメッキまたは錫メッキ等の表面処理を施してよく、それにより、基板および電子部品等の実装が容易になる。
【0188】
接続部材の寸法は、特に限定されない。接続部材の寸法は、接続部材を用いて接続する対象(例えば電気部品および基板等)の数および寸法、対象が有する端子数、ならびに接続部材のU/L形側配線のライン/スペース(L/S)等を考慮して当業者であれば適宜決定できる。
【0189】
コア部材2103は、接続部材2100の形態を保持する機能を有し、コア部材の形態を変えることによって、接続部材の形態を多種多様なものとすることができる。コア部材2103を構成する材料としては、金属、セラミック、樹脂および樹脂組成物(例えば樹脂とフィラーとのコンパウンド)等を用いることができる。コア部材2103を金属により構成する場合、形状の加工が容易であり、コストも低い。加えて、熱伝導率が高く、樹脂インターポーザにおける熱伝導率の欠点を回避することができ、半導体装置の放熱(拡散)に有効である。また、箔状の金属、樹脂フィルムまたはガラスクロスを用いてコア部材を構成することによって、コア部材が可撓性(またはフレシキブル性)を有するようにしてよい。
【0190】
従来の接続部材においては、ビアを用いてその上側と下側との間の電気的接続を達成するため、絶縁性基体内に導電性を有する金属から成るコア部材を設けることは難しい。本発明においては、コア部材の側方、即ち電気絶縁層の側面部を経由して延在するU/L形側配線2102を用いて電気的導通を確保するため、金属製のコア部材を使用することが可能となる。また、金属製のコア部材はシールドとしての機能も兼ねることができる。
【0191】
コア部材をセラミック材料で形成する場合、高い熱伝導性に加えて、高い電気絶縁性をも接続部材に付与できる。また、樹脂または樹脂混合物でコア部材を形成する場合、軽量性、電気絶縁性、加工性、およびコストの面で有利である。
【0192】
コア部材の形状は限定されず、接続部材の用途に応じて選択できる。例えば、図26に示すように、接続部材2500のコア部材2503の角部は、尖った角でなくてよく、面取りされて丸みを帯びていてよい。この場合、電気絶縁層2501およびU/L形側配線2502もその角部の形状に追従するので、U/L形側配線において尖った角を形成する屈曲部が無くなり、その結果、断線等の発生を抑制できる。また、例えば、凹部2608を有するコア部材2603(図27)、中空部2705を有するコア部材2703(図28)等を用いてよい。図27および図28において、電気絶縁層は符号2601および2701で示され、U/L形側配線は、符号2602および2702で示されている。図28は、図23と同様の接続部材の断面図であり、図28の上側から接続部材2700を見た場合、コア部材2703が全体として四角形の枠形状またはC字型形状を有する。図27および図28に示す接続部材2600および2700を使用すると、凹部または中空部により形成される空間に電子部品等を配置することが可能となり、実装密度を向上させることが可能となる。
【0193】
別の形態では、図29に示すように、U/L形側配線2802を電気絶縁層2801の2以上の側面部に形成してもよい。図29に示す接続部材2800おいては、手前の側面部を経由するU/L形側配線2802とその側面部に対向する側面部を経由するU/L形側配線2802が設けられている。コア部材2803は、U/L形側配線2802が位置しない側面にて、電気絶縁層2801によって覆われずに露出していている。U/L形側配線を形成する側面の数は、実装する電子部品の数および接続する配線の数等に応じて選択され、3または4であってよい。
【0194】
図30は、電気絶縁層によってコア部材2903が完全に包囲された接続部材2900を示す。図30においては、電気絶縁層2901によって完全に包囲されたコア部材2903を陰影によって示している。図30の接続部材2900においては、4つの側面すべてにU/L形側配線2902が位置し、したがって、略六面体のすべての露出面にU/L形側配線が存在している。
【0195】
図22に示す接続部材2100において、コア部材2103およびそれに配置された電気絶縁層2101は、全体として略六面体の形状を有する。本明細書において、「略六面体」および「略矩形」という用語は、前述のように、幾何学的な意味での六面体(直方体および立方体等)および矩形(正方形および長方形)に加えて、角、エッジ部等が丸みを有するもの、また、面が完全に平面ではなく湾曲等があるものも含む意味において使用される。例えば、図31に示す接続部材3000のように、尖った角を有するコア部材3003の周囲に巻き付けられた電気絶縁層3001が比較的大きい厚さを有するために全体が丸みを帯びているものも略六面体に含まれる。図30に示す接続部材3000においてもまた、U/L形側配線3002の断線等が緩和される。
【0196】
コアを有する接続部材は、コア部材によって電気絶縁層の形状が保持されるために、電気絶縁層を薄くすることができる。それにより、接続部材の厚さを低減でき、あるいは接続信頼性を向上させることができる。また、コアを有する接続部材も、実施の形態1に関連して説明したように、ビアを形成することなく、接続部材の上側表面と下側表面とを電気的に接続することができるので、ビア形成に伴う不都合を回避できる。その詳細については、実施の形態1に関連して説明したとおりであるので、ここでは省略する。
【0197】
次に、図24および図32を参照しながら、コアを有する接続部材、例えば図23に示す接続部材の製造方法の形態を説明する。図24は、図23と同様の模式的な断面図である。図24に示す方法は、本発明の「第4接続部材製造方法」に対応し、図32に示す方法は、本発明の「第3接続部材製造方法」に対応する。
【0198】
図24(a)は、キャリヤシート(または支持体シート)2104およびその上に形成された配線層2102を有して成る積層体2105、ならびにコア部材2103の周囲に形成された樹脂層(電気絶縁層)2101を示す。
【0199】
配線層2102は例えば銅箔(好ましくは電解銅箔)から形成され、キャリヤシート2104は例えば金属箔(銅箔もしくはアルミ箔)、または樹脂フィルム等からなる。配線層2102およびキャリヤシート2104の厚さは、例えばそれぞれ3〜50μm程度および25〜200μm程度である。このような積層体2105を形成する材料として、回路基板を製造するために用いる種々のものが知られている。
【0200】
次に、所定のパターンを有する配線層2102を得る工程は、いずれの適当な既知の方法で実施してよく、例えばマスクを用いるエッチング加工によって実施できる。そのように加工することによって、最終的にU/L形側配線となる部分を少なくとも1つ有して成る配線層2102を形成する。
【0201】
配線層の形成と平行して、コア部材2103に電気絶縁層となる樹脂を含む樹脂材料を塗布して、未硬化樹脂層2101を形成する。用いる樹脂は、電気絶縁性の熱硬化性樹脂および/または熱可塑性樹脂である。特に好ましいのは、半硬化状態(即ち、B−ステージ状態)にある硬化性樹脂、特に熱硬化性樹脂である。樹脂材料は、上述のようにフィラーを含んでいてよい。一例では、熱硬化性樹脂100重量部に対して、無機フィラーが100重量部以上(好ましくは、140〜180重量部)含まれている。樹脂層2101の厚さは、例えば5〜100μm程度である。
【0202】
その後、図24(b)に示すように、配線層2102が、樹脂層2101の周囲でそれに接触するように積層体2105を折り曲げる。その結果、配線層2102の折り曲げられた部分が、樹脂層を介して相互に対向してU/L形側配線の上側配線部および下側配線部となり、これらを側面配線部が接続する。その後、折り曲げた状態で樹脂層の樹脂を硬化して電気絶縁層を形成する。図24(a)において、符号2101a、b、cは、それぞれ電気絶縁層の上側表面部、下側表面部および側面部である。
【0203】
図24(a)の工程は、図32(a)のようにキャリヤシート3104、およびキャリヤシート3104の上に形成された配線層3102を有して成る積層体に、電気絶縁層となる樹脂層3101を形成して、樹脂層被覆積層体3105を得る工程としてもよい。樹脂層3101の形成は、好ましくは硬化性樹脂(特に熱硬化性樹脂)を含んで成る樹脂材料を塗布する又は当該樹脂材料から成るシートを貼り合わせることにより実施してよい。樹脂層の好ましい材料は、図24(a)に示す工程に関連して説明したとおりである。この場合、図32(b)に示すように、積層体3105を、樹脂層3101がコア部材3103と接触するように、コア部材3103の周囲で折り曲げる。その結果、電気絶縁層の上側表面部3101a、下側表面部3101b、および側面部3101cが形成され、U/L形側配線3102が形成される。その後、樹脂層に含まれる樹脂を硬化させて、電気絶縁層を形成する。
【0204】
積層体または樹脂層被覆積層体を折り曲げた後、図24(c)または図32(c)に示すように、キャリヤシート2104または3104を取り除く。樹脂層の硬化は、キャリヤシートを除去する前に実施しても、その後に実施しても、あるいは前および後で実施してもよい。必要に応じて、これらの代わりに、あるいはこれらに加えて、キャリヤシートを除去する間に樹脂層の硬化を実施してもよい。この工程の後、コアを有する接続部材2100および3100が得られることとなる。
【0205】
上述の説明から明らかなように、第3接続部材製造方法および第4接続部材製造方法もまた、電気絶縁層および場合によりコア部材を貫通するビアを形成する必要がなく、従って、ビアを形成する工程を省略することができる。そのことによる利点は、先に実施の形態1に関連して説明したとおりであるから、ここではその詳細な説明を省略する。
【0206】
図24に示すように接続部材を製造する場合、電気絶縁層2101の表面上に位置するU/L形側配線2102は、その全体が電気絶縁層2101の表面部分に丁度埋め込まれる。即ち、U/L形側配線2102の露出面と、電気絶縁層2101の露出面とが実質的に面一状態となっており、これらの露出面が同一面を形成する。このような構成によりもたらされる効果(U/L形側配線2102の切断等の抑制)は先に実施の形態1に関連して説明したとおりである。
【0207】
あるいは、U/L形側配線2102の露出面は、電気絶縁層2101の側面部2101cにてその露出面より窪んで電気絶縁層2101の内部側に位置してよい。その場合に得られる利点は、先に実施の形態1に関連して説明したとおりである。特に、U/L形側配線2102のコーナー部が、電気絶縁層2101の露出面から突出していると、外部のものとの接触が生じやすいので、このコーナー部が、電気絶縁層2101の露出面から窪んで形成されているのが特に好ましい。そのためには、電気絶縁層2101の上側表面部2101aおよび/または下側表面部2101bに位置するU/L形側配線2102の露出面もそれぞれ、電気絶縁層の露出面から窪んで位置するのが好ましい。
【0208】
電気絶縁層2101の側面部2101cの露出面よりも、U/L形側配線2102の露出面が窪んで、段差が形成されるようにする方法は、先に実施の形態1に関連して説明した方法と同様であってよい。具体的には、図24(a)に示した配線層2102の形成に際して、金属層の不要部分を除去する時、そのような金属層の不要部分に加えて、不要部分の下方に位置するキャリヤシート2104の部分をもエッチングして除去して、キャリヤシートに凹部を形成する。その後、コア部材上の樹脂層に接するように、折り畳み工程および加熱加圧工程を実施すれば、キャリヤシート2104の凹部に樹脂が入りこみ、最終的に得られる接続部材において、電気絶縁層2101の露出面とU/L形側配線2102の露出面との間に段差が形成される。図32に示す方法においても、キャリヤシート3104を余分に除去して凹部を形成し、その後、樹脂層3102を形成することによって、段差を形成できる。図18を参照することにより、U/L形側配線と電気絶縁層との間に段差が形成されている接続部材を容易に理解することができる。
【0209】
U/L形側配線2102を保護するための樹脂またはフィルム等を電気絶縁層2101の表面にソルダーレジスト層として形成し、電気絶縁層2101のソルダーレジスト層の露出面(例えば側面部2101cに設けたレジスト層)に対して、U/L形側配線2102の露出面を窪ませる、あるいはソルダーレジスト層の表面と面一にすることも可能である。このようなレジスト層を設けると、実装時においてハンダの広がりを防止できる点で有利となる。
【0210】
第3および第4接続部材製造方法においても、積層体または樹脂層被覆積層体を折り曲げて(または折り畳んで)接続部材を形作るので、折り曲げに応じて三次元的な立体構造を有する接続部材を簡便に製造することができる。例えば、コア部材が凸部および凹部の少なくとも一方を備えた形状を有する場合、コア部材に沿って積層体または樹脂層被覆積層体を折り曲げることができ、その後、樹脂層を完全硬化させることにより、全体として凸部および凹部の少なくとも一方を有する形状の接続部材を得ることができる。
【0211】
第3および第4接続部材製造方法もまた、ビアを形成する工程を行うことなく、接続部材を作製することを可能にする。ビアを形成する工程を行わないことの利点は、先に実施の形態1に関連して説明したとおりであるから、ここではその説明を省略する。
【0212】
(実施の形態5)
図33を参照して、コアを有する接続部材を含む部品実装体を説明する。図33は、コアを有する接続部材3200を含む部品実装体3210と、その接続部材に接続されたプリント基板3206を模式的に示す断面図である。接続部材3200の下側表面においては、U/L形側配線3202に、例えばエリアアレイ状に配置された電気要素としての端子が接続されている。ここでは、半田ボール3208を用いたBGA(ボール・グリッド・アレイ)タイプの実装方式が採用されている。また、LGA(Land Grid Array;ランド・グリッド・アレイ)タイプも使用することができる。
【0213】
図33に示した接続部材3200は、電気絶縁層3201と、複数のU/L形側配線3202と、コア部材3203を有する。U/L形側配線3202は、電気絶縁層3201の上側表面部から電気絶縁層3201の側面部を通って下側表面部に延在している。図33に示した実施形態では、半導体素子3205は、接続部材3200に実装され、U/L形側配線3202に接続されている。接続部材の下側表面には、U/L形側配線3202を介してプリント基板3206が実装されている。したがって、半導体素子3205とプリント基板3206とは接続部材3200を介して接続されることとなる。
【0214】
図33に示した部品実装体3210において、半導体素子3205は例えばベアチップである。半導体素子3205は、U/L形側配線3202と接続されている電気要素としてのバンプ3207を介して、例えば、フリップチップ法またはワイヤーボンディング法で接続部材3200に実装されている。半導体素子3205と電気絶縁層3201の上側表面部との間に、アンダーフィルが形成されていてもよい。アンダーフィルが形成されると、半導体素子と電気絶縁層との間の接着強度を向上させることができる。また、アンダーフィルに適切な材料を選択することによって、半導体素子と電気絶縁層との間の熱膨張差を緩和することもできる。
【0215】
図示した実施形態において、本発明の接続部材3200はいわゆるインターポーザ(中間基板)として機能しているといえる。接続部材をこのように使用することによって、例えば、ベアチップのペリフェラル端子配列を、エリアアレイ端子配列に変換することができ、プリント基板への実装が容易になる。
【0216】
(実施の形態6)
図34を参照して、コアを有する接続部材を有して成る部品実装体の別の形態を説明する。図34は、コアを有する接続部材3300を含む部品実装体3310と、その接続部材に接続されたプリント基板3306を模式的に示す断面図である。
【0217】
図34に示した接続部材3300は、電気絶縁層3301と、複数のU/L形側配線3302と、コア部材3303とを有する。U/L形側配線3302は、電気絶縁層3301の上側表面部から電気絶縁層3301の側面部を通って下側表面部に延在している。図示した接続部材において、コア部材3303は下側表面に凹部を有するU字形状であり、その外側周囲に電気絶縁層3301が形成されて、全体としても凹部3308を規定するUの字形となっている。
【0218】
図34に示した実施形態では、接続部材3300は、3次元方向に実装可能な接続部材として機能する。より詳細に説明すると、接続部材3300の上側表面には、半導体素子3305aが実装されて、U/L形側配線3302に接続されている。接続部材3300の下側表面では、プリント基板3306がU/L形側配線3302を介して接続部材3300に実装されている。その結果、接続部材3300を介して半導体素子3305aとプリント基板3306とが電気的に接続されている。また、接続部材の凹部3308には、プリント基板3306に実装された別の電子部品(例えばチップ部品や半導体素子)3305bが配置されている。図示した態様では、半導体素子3305aおよび電子部品3305bの下方にはアンダーフィル3309が形成されている。
【0219】
接続部材3300の使用により、プリント基板3306においては、図34の上方から見た同一領域に、半導体素子3305aに加えて、別の半導体素子3305bが垂直方向で両者が重なるように実装されていることになる。その結果、実装面積が少ない場合であっても、より多くの電子部品を実装することが可能となる。接続部材3300および/またはプリント基板3306に実装する電子部品はベアチップ半導体素子に限定されるものではなく、チップ部品等の他の電子部品であってもよい。
【0220】
図35は、図34に示す接続部材3300を複数重ねた実装体を示す。より詳細には、第1の接続部材3300aの上に、第2の接続部材3300bが配置されている。また、各接続部材の凹部には、その下に位置する接続部材またはプリント基板に接続された半導体素子が収容され、第2接続部材の上にさらに半導体素子が実装されている。換言すれば、この実装体は、図34に示す実装体に別の接続部材を配置し、当該別の接続部材の上に半導体素子を実装した構成を有する。2つの接続部材は、U/L形側配線を介して、および/またはU/L形側配線に接続されている電気要素を介して、所定のように電気的に接続される。ここで、第1の接続部材3300aの凹部内に位置する半導体素子は、半導体メモリであってよく、第2の接続部材3300bの凹部内に位置する半導体素子は、LSI(例えば、ロジックLSI)であってよい。
【0221】
図示した形態の変形例において、接続部材の数を3以上として、多段化した接続部材を構成してよい。積み重ねる接続部材は、同一種類であっても、あるいは異なる種類のものであってもよい。あるいは、コアを有する接続部材に代えて、本発明の他の接続部材(例えば、実施の形態1のコネクタシート)または常套の接続部材を、コアを有する接続部材と組み合わせて使用してよい。
【0222】
(実施の形態7)
図36を参照して、コアを有する接続部材を含む部品実装体の別の形態を説明する。図36は、コアを有する接続部材3500を用いて接続したプリント基板3506aおよび3506bにより構成される部品実装体3510の模式的断面図である。尚、接続部材3500は、詳細に図示しないが、その上側表面と下側表面に位置する基板を接続するようにU/L形側配線を有する。
【0223】
図36に示した接続部材3500は、プリント基板3506aおよび3506bを電気的に接続すると共に、これらを物理的に一体に保持している。図示した態様では、このような接続部材が図の左右に存在するが、これらは図23等に示すような独立した2つの接続部材であってもよく、あるいは図28に示すような一体の接続部材であってもよい。プリント基板3506aおよび3506bには、それぞれ半導体素子3505aおよび3505bが実装されている。図36に示した接続部材3500を用いれば、上方から見た同一領域に、半導体素子3505aに加えて、別の半導体素子3505bを垂直方向に重ねて実装することができる。その結果、実装面積が少ない場合であっても、より多くの電子部品を実装することが可能となる。接続部材3500ならびにプリント基板3506aおよび3506bにより画定される空間に部品を収容することは、接続部材の高さ(または厚さ)を大きくすることにより可能となる。コアを有する接続部材の形状および寸法は、コア部材を加工することにより容易に設計できるので、必要な実装形態に応じて、それらを最適化できる。したがって、図35に示すような構成を容易に実現することが可能となる。
【0224】
接続部材3500は小型である。また、接続部材3500には、同じ設置面積で比較したときに、ビアを有する接続部材に形成しうるビアの数よりも多い数のU/L形側配線を形成しうる。したがって、接続部材3500によれば、接続のための面積を小さくして、且つ狭ピッチのプリント基板を接続することができる。プリント基板3506aおよび3506bへの接続部材3500の接続は、既存の実装方法(例えば、半田実装、導電性接着剤実装等)を利用して実施できる。したがって、接続部材3500は、新たな設備投資を要することなく、実装体を構成する部材として使用できる。接続部材3500のプリント基板3506aへの接続方法は、接続基板3500のプリント基板3506bへの接続方法と異なっていてよく、例えば、前者を異方性導電膜を用いる方法とし、後者をリフロー半田法としてよい。
【0225】
接続部材3500のサイズは、チップ部品の標準的なサイズ(例えば、いわゆる「1005」、「1608」等)にすることも容易である。そのようなサイズを有する接続部材は、既存の実装機等を用いてプリント基板に実装でき、また、任意の場所に配置することができる。それにより、短配線接続が可能となり、また、部品実装体の設計の自由度が向上する。
【0226】
更に、図37に示すように、本発明の接続部材3600を複数用いて、1つのプリント基板3606bに複数の部品実装体3610(電子部品3611が実装されている)を実装する構造も実現することができる。これにより、設計および部品の高さに応じて、より高密度な実装が可能となる。図示した形態において、部品実装体3610は、接続部材3600の上側表面にプリント基板3606が接続され、プリント基板3606の上に電子部品3611が実装された構成を有する。プリント基板3606bには、半導体素子3605が実装され、半導体素子3605は、接続部材3600とプリント基板3606の下側表面とにより形成される空間に位置している。半導体素子3605は、プリント基板3606b表面のバンプ3607に接続され、アンダーフィル3609が形成されている。図37においては、4つの接続部材を図示しているが、使用する接続部材の個数は限定されない。また、部品実装体を構成する電子部品は半導体素子に限定されず、チップ部品等の他の電子部品であってもよい。
【0227】
(実施の形態8)
図38を参照して、コアを有する接続部材を連続的に製造する方法を説明する。図38は、コアを有する接続部材の製造方法における工程を示す模式図である。本発明の接続部材は、ロールを用いる工程を含む製造方法によって連続的に製造できる。
【0228】
図38に示すように、金属層を加工して形成した配線層3702(U/L形側配線となる配線を含む)を有するキャリヤシート3704がロール3712から繰り出される。繰り出されて図中右方向に移動する過程で、キャリヤシートの配線層の表面に、樹脂3701をブレード3713を用いて一定厚みになるように塗布して樹脂層3701bを形成する。その結果、キャリヤシート3704、配線層3702および樹脂層3701bを含む樹脂層被覆積層体3715が得られる。その後、矢印3714の箇所で、コア部材3703を樹脂層側に供給すると共に、コア部材3703を覆うように樹脂層被覆積層体3715を折り曲げて、図中右端に示すように所定の形状とする。それから、加熱して樹脂を硬化する。樹脂の硬化後、矢印3716の箇所で切断すると、コアを有する接続部材が得られる。接続部材の切断は、樹脂の硬化前に実施してもよい。この製造方法は、図32を参照して説明した第3接続部材製造方法を連続的に実施するものである。この製造方法により製造される接続部材において、U/L形側配線が一度に多数形成される場合には、必要に応じて接続部材を更に切断して、2以上の接続部材に再分割してよい。
【0229】
図38に示す製造方法は、第4接続部材製造方法にも適用できる。その場合、コア部材3703に樹脂3701を塗布してコア部材の周囲に樹脂層を形成し、キャリヤシート3704には樹脂を塗布しない。矢印3714の箇所で、樹脂層で被覆したコア部材3703を覆うように、キャリヤシート3704および配線層3702から成る積層体を折り曲げて所定の形状とした後、加熱して樹脂を硬化する。
【0230】
図38に示す製造方法の変形例においては、樹脂を塗布する代わりに、シート状の樹脂を配線層に積層してよく、あるいは、コア部材の周囲に配置してよい。
【0231】
図38に示す製造方法はまた、先に実施の形態1に関連して説明した第1接続部材製造方法にも適用できる。その場合、コア部材を供給することなく、樹脂層被覆積層体を折り曲げることにより、コアを有しない形態の接続部材を得ることができる。
【0232】
図38に示す製造方法は、ロールを用いて接続部材を連続的に製造することを可能にし、必要とされる搬送手段が簡便であるという点において有利である。また、連続的に接続部材を作製することは、バッチ処理と比較して、装置の待機時間の短縮化および人員の削減等の効果をもたらす。
【0233】
(実施の形態9)
図39を参照して、コアを有する接続部材を一度に多数製造する方法を説明する。図39に示す製造方法は、本発明の「第5接続部材製造方法」に相当する。
【0234】
最初に、図39(a)に示すように、キャリヤシート3804に金属層3802を積層した積層体を準備する。次に、図39(b)に示すように、常套の方法を用いて金属層を加工して配線層3802を形成する。配線層3802は、後述するように、複数箇所で積層体を折り曲げたときに、それぞれの箇所にてU/L形側配線を形成するように、U/L形側配線となる配線を多く含む。図39(a)および(b)は、第5接続部材製造方法の工程(5−A)に相当する。
【0235】
次に、図39(c)に示すように、配線層3802が内側となるように、積層体を折り曲げる工程(5−B)を実施する。この工程は、例えば、プレス加工により実施できる。折り曲げは、複数箇所にてU/L形側配線が形成されるように実施され、折り曲げ後の配線は図示するように凹部3808を形成している。
【0236】
その後、図39(d)に示すように、電気絶縁層を形成する樹脂3801を凹部に注入する工程(5−c’)を実施した後、コア部材3803を凹部に注入した樹脂に挿入する工程(5−c”)を実施する。その後、図39(e)に示すように、樹脂を硬化させて電気絶縁層3801を形成する(工程(5−D))。最後に、図39(f)に示すように、キャリヤシート3804を除去する工程(5−E)を実施して個々の接続部材3800を得る。樹脂は、コア部材と配線層との間で電気絶縁層が形成されるような量で注入する。図39(f)に示す接続部材は、必要に応じて2以上の接続部材に分割してよい。図39(d)に示すコア部材の挿入を、図39(g)に示すようなコア部材3803が一体に接続されたフレーム型コア部材3820を用いて実施すると、同時にかつ簡単に多数のコア部材を凹部3808に挿入できる。
【0237】
この製造方法は、複数、特に多数の接続部材を同時に製造する場合に、特に好都合である。この製造方法はまた、コアを有しない接続部材を製造するために実施してよい。その場合、コア部材を挿入することなく、樹脂を凹部に注入する工程(5−C)を実施して、凹部を樹脂で満たす。別法として、第5接続部材製造方法において、積層体は、図示したように、凹部を形成するように折り曲げずに、少なくとも1本の配線が矩形の輪を形成するように(即ち、最終的な接続部材において2つのU/L形側配線が形成されるように)、矩形の筒形に折り曲げてよい。あるいはまた、積層体を適当な金型内で折り曲げて、積層体の折り曲げにより形成される空隙を、当該金型と積層体により密閉してもよい。折り曲げにより、空隙に通じる部分が積層体において存在しない場合(即ち、空隙が積層体および/または金型によって完全に包囲される場合)には積層体または金型に樹脂注入用(および要すれば、コア部材挿入用)の孔を設けて、樹脂(および要すればコア部材)を空隙に入れる。適当な折り曲げ方を選択することにより、U/L形側配線を、六面体の2以上の側面(例えば4つの側面すべて)に配置させることが可能となる。
【0238】
(実施の形態10)
図40(a)に、本発明の接続部材を有するサブ(sub)基板3920を斜視図にて模式的に示す。図40(a)に示すサブ基板3920は、その一方の表面の外縁部に実装された接続部材3900を6つ有し、内側に実装された電子部品3905を5つ有する。接続部材はコアを有する接続部材である。図示していないが、サブ基板上には配線パターンが形成され、接続部材と電子部品とは所定のように接続されている。サブ基板の他方の表面にも、部品(例えば回路部品)を実装してよい。
【0239】
図40(b)に、図40(a)に示すサブ基板を反転させて、他の回路基板3930に実装した状態を模式的に斜視図で示す。他の回路基板3930には、種々の他の電子部品3940も実装されている。図40(a)のサブ基板は、接続部材が実装されていない面に実装された回路部品3940(図40(a)では見えない)を有する。サブ基板3920と回路基板3930とは接続部材3900によって電気的に接続される。図示した形態において、サブ基板3920と回路基板3930との接続を良好にするには、接続部材3930の高さがそろっていることが好ましい。コア部材を有する接続部材は、コア部材が形状保持に寄与するため、コアの寸法を揃えることによって、比較的均一な形状を有する接続部材を大量生産できる。したがって、コアを有する接続部材は、図40に示すように複数個同時に使用するのに適している。
【0240】
(実施の形態11)
以下、本発明の接続部材の一形態であるインターポーザを説明する。インターポーザの基本的な構成は先に説明した実施の形態1のコネクタシートのそれと同じである。したがって、以下の説明においては、実施の形態1で説明した事項は、説明を省略することがあることに留意されたい。
【0241】
図41は本発明のインターポーザを模式的に示す斜視図である。図示したインターポーザ4100は、絶縁性板状基体としてのリジッド基板4010と、複数のU/L形側配線4020とを備えており、リジッド基板4010は、上側表面4010aと、上側表面4010aと対向する下側表面4010bと、上側表面4010aおよび下側表面4010bに接してこれらを繋ぐ側面4010cとを有している。各U/L形側配線4020は、上側表面配線部4020A、下側表面配線部(図示せず)、および側面配線部4020Bを有し、上側表面配線部4020Aの端部は端子であるランド4020aに接続され、下側表面配線部の端部も端子であるランド4020bに接続されている。
【0242】
図41に示すように、インターポーザ4100において、リジッド基板4010の上側表面4010aと下側表面4010bとの電気的導通は、U/L形側配線4020によってのみ行われている。したがって、この構成のインターポーザにおいて、リジッド基板4010には、上側表面4010aと下側表面4010bとの間の電気的導通を確保するためのビアは形成されていない。
【0243】
インターポーザ4100は、例えば、有機材料を含む材料から構成されたオーガニックインターポーザであり、リジッド基板4010は、樹脂(例えば、熱硬化性樹脂および/または熱可塑性樹脂)と無機フィラーとを含むコンポジット材料から形成されている。この実施の形態において、樹脂は、熱硬化性樹脂を用いている。無機フィラーを実質的に用いずに、専ら熱硬化性樹脂のみからリジッド基板4010を構成することも可能である。熱硬化性樹脂は、例えば、エポキシ樹脂等である。樹脂に無機フィラーを添加する場合、無機フィラーは、例えば、Al、SiO、MgO、BNおよびAlN等である。実施の形態1に関連して説明したように、無機フィラーの添加により、種々の物性を制御することができるので、無機フィラーを含むコンポジット材料からリジッド基板4010を形成することが好適である。リジッド基板は、別の形態において、セラミック材料から形成されてよい。また、リジッド基板4010の表面にはレジスト層が設けられてよい。それにより、半田の短絡を防ぐことができる。
【0244】
配線4020は、例えば、銅箔のエッチングにより形成され、その厚さは3〜50μm程度である。配線4020の本数は、例えば16本以上であってよい。図41に示したインターポーザにおいては、30本形成されている。なお、図41に示したインターポーザにおいては、端子4020aおよび4020bに接続されていないダミー配線4021も複数本(例えば4本以上)形成されている。ダミー配線4021は、配線密度を均一にする役割を有している。ダミー配線4021はまた、検査用の配線として利用することも可能である。さらに、ダミー配線4021によって、インターポーザ4100が実装されるプリント基板とのマッチングを調べることができ、あるいは、ダミー配線4021に検査用部品(または回路常数調整用部品)を載置して、インターポーザおよび/または回路基板の常数(例えば、特性インピーダンス)を調整することもできる。検査用部品(または回路常数調整用部品)は、例えば、チップ部品(チップインダクタ、チップ抵抗、およびチップコンデンサ等)であり、その部品は、最終製品段階で取り外してもよいし、そのまま取り付けておいてもよい。
【0245】
配線4020の最大本数は、インターポーザ4100の寸法に依存し、また、配線4020の側面配線部および上側表面配線部のライン及びスペース(L/S)を考慮して決定される。例えば、汎用的な実装面積に対応した所定のインターポーザにおいては、U/L形側配線4020の最大本数は、例えば500本程度とし得る。当然のことながら、それ以上のU/L形側配線4020を形成することも可能である。その場合、中間基板としての本来の役割が果たされるように、インターポーザ4100の面積とU/L形側配線の数とのバランスをとり、インターポーザの面積が大きくなりすぎることを避けることが望ましい。
【0246】
図41に示したインターポーザ基板4100において、ランド4020aは、リジッド基板4010の上側表面4010aの外縁領域に配列されている。つまり、このインターポーザにおいては、リジッド基板4010の上側表面4010aにベアチップ(ベアIC)を実装するために、ベアチップの端子配列に対応して、U/L形側配線4020の一端(ランド)4020aは、ペリフェラル型に配列されている。リジッド基板4010の下側表面4010bにおけるランド4020bの配列は、インターポーザ4100を実装するプリント基板(例えば、マザーボード)の端子配列に対応させてよい。例えば、U/L形側配線4020のランド4020bは、リジッド基板4010の下側表面4010bにおいて格子状に配列することができる。具体的には、ランド4020bは、ランドグリッドアレイ(LGA)状にしてもよいし、あるいは、ランド4020bに半田ボールを取り付けて、ボールグリッドアレイ(BGA)状にしてもよい。なお、図示した形態においては、U/L形側配線4020と、ランド4020aおよび4020bとは、一体形成されており、例えば銅箔から一体に形成されている。
【0247】
インターポーザ4100の寸法は、インターポーザ4100に実装される実装部品の大きさ、インターポーザ4100を実装するためのプリント基板等の大きさ、および、インターポーザ4100の配線数と配線のライン−スペース(L/S)などを考慮して決定され、特に限定はされない。図示した形態の構成の具体的な寸法および端子数の一例を示すと、リジッド基板4010の上側表面の面積は、200mm以下であり、U/L形側配線4020に接続されている端子の数は、上側表面において16個以上である。図41に示すインターポーザ4100は、U/L形側配線4020に接続された端子を上側表面において30個有する。
【0248】
インターポーザ4100におけるリジッド基板4010は、略六面体の形状を有しており、リジッド基板4010の上側表面4010aは、略矩形である。略六面体および略矩形の意味は先に説明したとおりである。インターポーザが例えば湾曲した面を有している形状であってもよく、インターポーザとしての機能が確保されていれば、厳密な幾何学的な形状にすることにそれほど意味はない。したがって、図41では、リジッド基板は湾曲を有しない六面体として示されているが、別の形態において、リジッド基板の側面は曲面であってよい。後述する方法でインターポーザを製造するときに側面は曲面となりやすいので、側面が曲面であることが許容されれば、U/L形側配線の形成が容易となる。
【0249】
図41に示した形態において、リジッド基板4010の上側表面4010aは、長辺4010Lと、短辺4010Sとを有する略長方形の形状を有しており、長辺4010Lの長さは、例えば、短辺4010sの長さの3倍以下である。この形態において、リジッド基板4010の側面4010cに存在する配線4020の幅は0.25mm以下であり、そして、側面4010cにおける配線4020間のスペースは0.3mm以下である。リジッド基板4010の厚さは、例えば0.1〜2mm程度である。
【0250】
実施の形態1に関連して説明したように、インターポーザにスルーホール(又はビア)を形成する場合、最も効果的に多くのスルーホールを配列させるには、正方形の基板を使用する必要がある。言い換えると、縦長の長方形または長円のような基板には、正方形の基板と比較して、効果的に数多くのスルーホールを設けることはできない。一方、本発明のインターポーザ4100の場合、U/L形側配線4020のライン−スペース(L/S)を規定することによって、U/L形側配線4020を配列することができるので、正方形のならず、長方形(例えば、長辺4010Lが短辺4010Sの1.4倍以上である長方形)の基板にも効果的に数多くのU/L形側配線4020を形成することができる。
【0251】
図41に示したインターポーザにおいては、U/L形側配線4020を数多く形成するために、略六面体のリジッド基板4010の全ての側面にU/L形側配線4020を配置している。U/L形側配線の位置および数は、必ずしもこれに限定されない。例えば、短辺4010Sよりも長辺4010L側の側面により多くのU/L形側配線4020を配列することができるので、U/L形側配線4020は、短辺4010S側の側面には配置させずに、長辺4010L側の側面のみに配置させてよい。
【0252】
次に、図42等を参照して、本発明によるインターポーザ4100と、ビア(スルーホール)4200が形成された、ビア有りインターポーザ5000とを対比して説明する。
【0253】
図42(a)は、本発明のインターポーザ4100の構成を模式的に示しており、図42(b)は、ビア有りインターポーザ5000の構成を模式的に示している。図42(a)および(b)とも、半導体チップの実装面を上側表面として表しており、図42(b)の例では、ビアに接続されたランド5200と、ペリフェラル型に配列された端子(半導体チップ実装用端子)5210とがインターポーザ5000の上側表面に示されている。図42(c)は、インターポーザの上側表面の面積[mm]と、上下表面を接続する接続要素(配線4020又はビア5200)の数との関係を示している。図42(c)中の実線は、図42(a)に示した本実施の形態のインターポーザ4100についての曲線であり、一方、図42(c)中の点線は、図42(b)に示したビア有りインターポーザ5000についての曲線である。
【0254】
両者を比較しやすいように、インターポーザの上面および下面の形状は、図42(a)および(b)とも正方形としている。これは、図42(b)のビア有りインターポーザ5000とって最も有利な形状である。図42(a)に示した配線4020のライン−スペース(L/S)は、側面にて0.05mm/0.05mmとし、図42(b)に示したビア5200のパッドピッチは、0.5mmピッチとした。
【0255】
図42(b)に示した構成のインターポーザについては、さらに、端子5210から延びる配線のライン−スペース(L/S)も条件として考慮すべきであるが、考察を簡潔にすべく、図42(b)では、端子5210から延びる配線により課される制約は考慮しないこととした。また、実際のインターポーザにおいては、ビア5200はランドに接続されることを要するので、ここでいうビア5200はランドを意味する。したがって、図42(b)に示す半導体チップ実装面のサイズは、ランド径およびランド同士の間隔によって決まることになる。また、図42(a)および(b)に示した構成のインターポーザはいずれも、インターポーザの下側表面である基板実装面において、回路基板に対応したランドを要する。ただし、それは、上側表面と同様の条件となり得るので、図42(a)および(b)に示すインターポーザの比較は、半導体チップ実装面(上側表面)の制約に基づいて、考察することとした。
【0256】
このような条件の下、2つのインターポーザ(4100,5000)について面積と本数との関係は、図42(c)に示すグラフのとおりとなる。図42(c)に示すように、インターポーザの面積が小さくなると(約120mm以下)、本実施の形態のインターポーザ4100の方が接続要素としてのU/L形側配線を数多く形成できることが理解できる。
【0257】
図42(c)において、面積50mmにて両者を比較すると、インターポーザ5000に形成されるビアは約150本であるのに対し、本発明によるインターポーザ4100に形成され得るU/L形側配線は約300本である。図42(c)に示した結果は、インターポーザの形状が正方形であるものについての結果である。インターポーザの形状を長方形にして、長辺/短辺の比を大きくするほど、本発明のインターポーザの方がより小さい面積でより多くの接続要素(U/L形側配線)を形成することができる。
【0258】
本発明の接続部材の構成を用いれば、面積の小さいインターポーザにおいて、上下面の接続要素(即ち、U/L形側配線)を多く形成できるので、より実装面積が小さく、かつ、多ピンおよび狭ピッチの用途に適したインターポーザを実現することができる。さらに、本発明のインターポーザ4100は、その面積が小さいほど、U/L形側配線4020の経路が短くなるため、優れた特性を示す。即ち、インターポーザ4100の面積が小さいと、U/L形側配線4020の線路長が短くなるので、信号配線の伝播遅延を無くす又は緩和するという利点がもたらされる。そのような観点から、本実施の形態のインターポーザ4100におけるリジッド基板4010の上側表面4010aの面積は、例えば、200mm以下であることが好ましい。
【0259】
図43は、図42(a)に示したインターポーザ4100のU/L形側配線4020の側面配線部のライン/スペース(L/S)を変更したときの接続要素の数を示すグラフである。図43中の曲線a、b、c、dは、それぞれ、U/L形側配線のライン/スペース(単位;μm)が、100/100、50/50、20/20、10/10であるインターポーザに相当する。図43中の曲線(点線)eは、図42(b)に示したビア有りインターポーザであって、ビアのグリッドが500μmピッチのものに相当する。図43中の曲線bおよび曲線eは、それぞれ、図42(c)中の実線および点線に相当する。図42で示したインターポーザと同様に、図43に示すグラフ中の各曲線は正方形であるインターポーザについて、接続要素の数と面積との関係を示している。
【0260】
図43から分かるように、L/Sが20/20(曲線c)および10/10(曲線d)であるインターポーザは、いずれの領域においても、ビア有りインターポーザ(曲線e)よりも、同一面積で多くの接続要素を形成することができる。L/Sが100/100であるインターポーザ(曲線a)も、面積が約30mm以下の領域では、ビア有りインターポーザよりも多くの接続要素を形成することが可能となる。また、例えば面積200mmにて、曲線c、曲線d、曲線eの値を比較すると、曲線cおよび曲線dの値(接続要素の数)は、それぞれ、曲線eの値の約1.9倍および約3.8倍である。例えば面積100mmにて、曲線c、曲線d、曲線eの値を比較すると曲線cおよびdの値は、それぞれ、曲線eの値の約2.7倍および約5.5倍である。
【0261】
次に、図44から図46を参照して、インターポーザの形状を長方形にしたときに得られる、本発明のインターポーザの利点を説明する。図44から図46は、インターポーザの上側表面における長辺/短辺の値を横軸とし、上下面接続要素の本数を縦軸としたグラフである。図44から図46のいずれも、図42(a)に示すような本発明のインターポーザ4100を実線で表し、図42(b)に示すようなビア有りインターポーザ5000を点線で表している。図44および図46のグラフは、インターポーザの上側表面の面積を100mmに固定したときに得られるものであり、図45のグラフは、インターポーザの上側表面の面積を200mmに固定したときに得られるものである。
【0262】
図44において、実線は、ライン/スペース(単位;μm)が50/50であるインターポーザ4100を表し、点線は、パッド/スペース(単位;μm)が300/200であるインターポーザ5000を表す。図45および図46において、実線は、ライン/スペースが50/50であるインターポーザ4100を表し、点線は、パッド/スペース(P/S)がそれぞれ、300/200および200/100である、インターポーザ5000を表す。
【0263】
図44から図46に示したグラフより、長辺/短辺の値が大きくなると(すなわち、長細くなると)、インターポーザ4100においては、より多くの接続要素(U/L形側配線)を形成できるのに対し、インターポーザ5000においては、形成可能なビアの数が減少することがわかる。
【0264】
液晶ディスプレイ(LCD)ドライバICの場合、長辺/短辺の値が10以上のものが数多く存在する。したがって、本発明のインターポーザ4100は、そのような縦長の半導体チップに好適なインターポーザとなり得る。
【0265】
図47は、縦長の半導体チップと組み合わせるのに好適なインターポーザ4200の構成を模式的に示している。図47に示したインターポーザ4200のリジッド基板4010において、長辺4010Lの長さは、短辺4010Sの長さの、例えば10倍以上である。ここで、U/L形側配線4020が接続されている端子であるランド4020aは、リジッド基板4010の上側表面4010aの外縁領域に配列されている。そのほかの符号により表される要素は、先に図41を参照して説明したとおりであるから、省略する。
【0266】
図48は、図47に示したインターポーザ4200の変形例である、インターポーザ4250を示す模式図である。このインターポーザ4250においては、短辺4010S側にU/L形側配線4020が形成されていない。図48に示した構成において、図47に示すように短辺4010Sに沿ってランド4020aを配列して、そのランドから長辺4010L側の側面4010cに延びるようにU/L形側配線4020を形成することも可能である。
【0267】
リジッド基板4010の上側表面4010aの形状は、正方形および長方形に限定されず、他の形状であってよい。図49は、リジッド基板4010の上側表面4010a(および下側表面4010b)が四角形の枠形状であるインターポーザ4300の構成を模式的に示している。インターポーザ4300のリジッド基板4010の中央には、開口部4040が形成されており、それによって、リジッド基板4010の上側表面4010aは、上方から見て、四角形の枠形状となっている。U/L形側配線4020に接続される端子4020aは開口部4040の周囲に設けられている。リジッド基板4010が開口部4040を有していることによって、開口部4040から露出する領域の回路基板上に、更に部品を実装することが可能となり、実装面積の増大を図ることができる。また、インターポーザ4300上に半導体チップが実装された場合に、半導体チップの裏面を開口部4040を通して露出させることができるので、開口部4040を冷却用の穴として利用することができる。開口部4040による冷却機能を向上させるには、開口部4040の下に位置する回路基板にスルーホールを形成することが好ましく、あるいはインターポーザ4300の一部に、開口部4040と通じる切り欠き部または穴を形成することが好ましい。また、リジッド基板4010を四角形の枠形状でなく、Uの字の形状にしてもよい。なお、四角形の枠形状のリジッド基板4010は、例えば、矩形のリジッド基板を打ち抜くことにより作製することが可能である。
【0268】
図50は、図49に示すインターポーザ4300の変形例である、インターポーザ4350の構成を示している。図49に示したインターポーザ4300では、リジッド基板4010の外周に位置する側面4010c上にU/L形側配線4020を配置している。図50に示したインターポーザ4350では、四角形の枠形状のリジッド基板4010の開口部4040の壁面(内面)となる側面4010c上にU/L形側配線4020の側面配線部を配置している。また、リジッド基板4010の外周面には、シールド層(例えば、金属からなるシールド層)4045が形成されている。このシールド層4045のシールド機能によって、ノイズを低減させることが可能である。
【0269】
次に、図51および図52から54を参照して、インターポーザ4100(または、4200、4250)の製造方法を説明する。
【0270】
図51、図52から図54は、符号を除いて、先に説明した図10、図11から図13と同一である。即ち、本発明の接続部材をインターポーザとして提供する場合にも、コネクタシートと同様の製造方法で製造することができる。したがって、以下においては、既に図10、図11から図13を参照して説明した事項は簡略化して説明する。
【0271】
図51は、図52ないし図54に示す製造方法により製造されるインターポーザの断面構成を模式的に示している。このインターポーザは、リジッド基板4010の上側表面4010aおよび下側表面4010bにおいて、電気要素としての配線パターン4030を有し、U/L形側配線4020は配線パターン4030の一部として形成されている。図51は、リジッド基板がシート4015の折り畳みにより形成されたものであることを容易に理解できるよう、シート4015の重ね合わせ面を点線4011で表示している。図51において、tは、シート4015の厚さに相当する。
【0272】
図52ないし図54に示す製造方法は、第1接続部材製造方法に該当する。図52(a)ないし(d)は、配線層および半硬化状態の樹脂を含む絶縁層を有するシートAを製造する工程(1−A)を示し、図53(a)は、シートA4105を折り畳む工程(1−B)、および図53(b)は、半硬化状態の樹脂を硬化する工程(1−C)を示す。
【0273】
図52(a)は、金属層4032がキャリヤシート4050の一方の表面に積層された積層体を準備する工程である。金属層4032は例えば銅箔からなり、キャリヤシート4050は、例えば金属箔(銅箔もしくはアルミ箔)または樹脂シート等からなる。金属層4032およびキャリヤシート4050の厚さは、例えばそれぞれ3〜50μm程度および25〜200μm程度である。
【0274】
図52(b)は、金属層4032を加工して、所定のパターンを有する配線層4030を形成する工程を示す。加工方法については既に説明したとおりであるから省略する。
【0275】
図52(c)は、配線層4030を覆うように、キャリヤシート4050上に樹脂を塗布して絶縁層4015を形成する工程を示す。用いる樹脂は、電気絶縁性の熱硬化性樹脂および/または熱可塑性樹脂である。特に好ましいのは、半硬化状態にある硬化性樹脂、特に熱硬化性樹脂である。樹脂は、上述のようにフィラーを含んでいてよい。絶縁層4015の厚さ(t)は、例えば50〜100μm程度である。絶縁層を形成するのに適した具体的な材料は、先に実施の形態1に関連して説明したとおりであるから、ここではその詳細な説明を省略する。また、熱硬化性樹脂と無機フィラーとのコンポジット材料を使用して絶縁層を形成する場合に、熱硬化性樹脂と無機フィラーとの混合比、ならびに好ましい無機フィラーおよびそれらを添加することによる物性の変化の傾向は、先に実施の形態1のコネクタシートに関連して説明したとおりである。したがって、ここではその説明を省略する。
【0276】
図52(d)は、キャリヤシート4050を除去して、配線層4030を有するシート4015を得る工程である。図示した製造方法においては、キャリヤシートを除去した後、次の折り畳み工程を実施している。別法として、キャリヤシートを除去せずに折り畳み工程を実施し、その後、キャリヤシートを除去してよい。
【0277】
図53(a)は、シート4015を折り畳む工程を示す。図示した態様では、シート4015を丁度半分に折り畳んでいる。即ち、絶縁層4015が点線4011で示す面で接触状態で対向するように折り曲げて、配線層を構成する少なくとも1本の配線4020の一部4020Aおよび4020Cが絶縁層4015を介して対向する上側表面配線部および下側表面配線部となり、かつ該少なくとも1本の配線の他の部分4020Bが、折り曲げ後の絶縁層4015の側面上で延在する側面配線部となるようにする。従って、上側表面配線部4020A、下側表面配線部4020Cおよび側面配線部4020Bから成る配線4020は、絶縁層4015の上側表面から側面を経由して下側表面に延在する少なくとも一本の配線、即ち、U/L形側配線を構成する。
【0278】
図53(b)は、図53(a)に示した構造体を、加熱および加圧する工程である。この工程により、重ねた絶縁層が1つのリジッド基板4010となり、インターポーザ4100が得られる。図53(b)では絶縁層の接触面4011を示しているが、硬化後には明確に存在しなくてもよい。
【0279】
インターポーザ4100は、シート4015の折りたたみ方によって異なる構成にすることもできる。例えば、シート4015を、図54(a)に示すように、シート4015を2箇所で折り畳み、2箇所で配線を折り曲げて、加熱および加圧を実施してよい。それにより、図54(b)に示すように、2つの側面にU/L形側配線4020が位置する構造のインターポーザを得ることができる。図54(b)においても絶縁層の接触面を示しているが、硬化後には明確に存在しなくてもよい。
【0280】
インターポーザは、第2接続部材製造方法で製造してよい。その場合、配線層が形成されていないシート(詳細には、半硬化状態の樹脂を含むシート)4015を折りたたんだ後に、完全硬化させてリジッド基板4010を得て、その後、リジッド基板4010に配線層4030を形成して、インターポーザ4100を作製する。配線パターンは、例えば、キャリヤシートの表面に形成された配線パターンをリジッド基板の表面に沿って折り曲げて密着させて、転写させる方法により形成される。
【0281】
いずれの方法でインターポーザを製造する場合も、シートの折り畳みは側面が曲面となるように実施してよい。側面が曲面となるように折り畳むことは、側面が平坦となるように折り畳むよりも容易に実施できる場合がある。
【0282】
図50ないし54を参照して説明したインターポーザの製造方法もまた、リジッド基板を貫通するビアを形成する必要がなく、従って、ビアを形成する工程を省略することができる。そのことによる利点は、先に実施の形態1に関連して説明したとおりであるから、ここではその詳細な説明を省略する。
【0283】
図52から図53に示す工程を経て、配線4020を形成すると、リジッド基板4010の側面4010c上に位置する配線4020は、その少なくとも一部が側面4010cに埋め込まれる。そのことを、リジッド基板の一部を拡大して斜視図にて模式的に図55に示す。即ち、図示するように、U/L形側配線4020の頂面(露出面)4020fと、リジッド基板4010の表面(例えば、側面4010c)とが面一(実質的に同一面)となっている。このような構成によりもたらされる効果(U/L形側配線の切断等の抑制)は先に実施の形態1に関連して説明したとおりである。
【0284】
更に、図55に示すように、U/L形側配線4020の露出面4020fが、リジッド基板4010の側面4010cから窪んでリジッド基板4010の内部側に位置している場合には、露出面4020fが外部のものと接触する確率が大幅に低減するので、U/L形側配線4020の切断および破損等を有効に防止することができる。とりわけ、U/L形側配線4020のコーナー部4020cは、外部のものとの接触が生じやすい部分であるので、図55に示すように、このコーナー部4020cはリジッド基板の表面(またはエッジ)から窪んで形成されているのが配線保護の点からは特に好ましい。したがって、U/L形側配線4020の上側表面配線部および/または下側表面配線部の露出面も、図示するように、それぞれの表面から窪んで位置するのが好ましい。
【0285】
図55に示すように、リジッド基板4010の側面4010cよりも、U/L形側配線4020の頂面(または露出面)4020fが窪んで、段差4010dが形成されるようにする方法は、先に実施の形態1に関連して説明した方法と同様であってよい。
【0286】
なお、第2接続部材製造方法でインターポーザを製造する場合には、配線4020を保護するための樹脂またはフィルムを付与することによって、リジッド基板4010の表面(例えば側面4010c)に対して、U/L形側配線4020の露出面を窪ませる、あるいはリジッド基板4010の表面と面一にすることが可能である。
【0287】
本発明のインターポーザにおいて、U/L形側配線4020をコプレーナ線路にすることも可能である。これにより、高速信号用配線に適したインターポーザを構成することができる。より詳細に説明すると、図57に示すように、配線4020sを信号配線とし、その両隣の配線4020gをグランド配線とすれば、これらのU/L形側配線4020sおよび4020gはコプレーナ線路となる。これにより、これにより、特性インピーダンスの制御をすることができ、また、ビアを有するインターポーザにおいて生じていた、ビアと配線とのインピーダンス不整合部の問題を回避することができる。
【0288】
(実施の形態11)
次に、三次元的な構造を有するインターポーザの製造方法を説明する。本発明の製造方法においては、半硬化状態の樹脂を含むシートを折り畳んでリジッド基板を形成するため、折り畳み方に応じて、リジッド基板の上側表面または下側表面が凹部または凸部を有する形状に形成することができる。
【0289】
図58(a)〜(e)に、凹部を有するインターポーザの製造方法に含まれる工程を示す。まず、図58(a)に示すように、配線層4030が形成されたシート(半硬化状態の樹脂を含むシート)4015を用意する。次いで、図58(b)および(c)に示すように、シート4015を凹部を有する形状となるように折り曲げる。その後、加熱加圧して、図58(d)に示すように、3次元的形状(ここでは、Uの字型)のインターポーザ4100を得る。
【0290】
図58(d)に示したインターポーザ4100は、図58(e)に示すように、立体的に実装可能なインターポーザとなり得る。より詳細に説明すると、インターポーザ4100の下側表面は、プリント基板4060に接続され、インターポーザ4100とプリント基板4060との間には、プリント基板4060に実装されたチップ部品4062が配置されている。インターポーザ4100の上側表面には、電子部品(例えば半導体チップ)4064が実装されている。つまり、図58(d)に示したインターポーザ4100を用いれば、基板4060の上方から見た同一領域に、電子部品4064およびチップ部品4062を立体的に実装することができる。その結果、実装面積が少ない場合であっても、より多くの電子部品を実装することが可能となる。
【0291】
インターポーザの本来の役割に鑑みれば、インターポーザ4100の少なくとも一方の表面(例えば、上側表面)には、狭ピッチまたは多ピンの半導体チップ(例えば、端子のピッチ間隔が150μm以下の半導体チップ、または16個以上の端子を有する半導体チップ)を配置することが好ましい。そのような半導体チップとインターポーザ4100とから構成された実装体は、半導体チップにおける端子間隔がインターポーザ4100によって緩和されているので、プリント基板(親基板)に与える負担を少なくすることができる。インターポーザ4100には、半導体チップだけでなく、電子部品として表面実装素子(チップ素子;例えば、チップインダクタ、チップ抵抗、またはチップコンデンサ等)を実装することもできるし、半導体チップおよび表面実装素子の両方を実装してもよい。
【0292】
インターポーザ4100は、図59(a)から(c)に示すような形状としてよい。これらの形状は、半硬化樹脂を含むシートを、絶縁層の重ね合わせ面が点線4011で示されるように折り畳むことによって得られる。
【0293】
さらに、本発明のインターポーザは、リジッド基板の内部にシールド層を有するように形成してよい。より具体的には、図60(a)および(b)に示すように、シートを折り畳むことによって、簡易にシールド層を形成できる。まず、図52(d)に示すシートと同様のシート4015の左側部分の絶縁層を、その下方に位置する配線と一緒に折り曲げて、図60(a)に示すように絶縁層4015aおよびbを相互に対向させると共に、折り曲げた配線の一部4030Dおよび4030Eを対向する絶縁層4015aおよびbを介して対向させ、かつ、配線の残りの部分4030Fを対向する絶縁層4015aおよび4015bの側面上で延在させる。
【0294】
その後、図60(b)に示すように、右側部分の絶縁層4015cをその下方に位置する配線と一緒に折り曲げて、配線部分4030Dの上に絶縁層4015cを位置させ、これらの絶縁層4015a〜cを相互に対向させてU/L形側配線4020を形成する。この折り曲げにより、先に折り曲げた配線部分4030Dが絶縁層の間に位置することとなり、先に折り曲げた配線部分4030Dをシールド部材4035とすることができる。この場合、シールド層4035は、U/L形側配線4020と同じ材料から構成されることになる。
【0295】
(実施の形態12)
図61〜図66を参照して、本発明によるインターポーザの種々の態様を実施の形態12として説明する。図61は、U字形状のインターポーザ4100を示す。このインターポーザは、リジッド基板の上側表面4010aおよび下側表面4010bに対向する内側表面4010eおよび4010fを有し、この内側表面にも部品が実装できるようになっている。リジッド基板4010の側面4010cにはU/L形側配線(図示せず)が形成されている。U/L形側配線は、上側表面4010aと内側表面4010eをつなぐ側面4010g、および下側表面4010bと内側表面4010fをつなぐ側面4010hにも形成されていてよい。その場合、側面4010gに形成されるU/L形側配線の上側表面配線部および下側表面配線部は、表面4010aおよび表面4010eに位置し、側面4010hに形成されるU/L形側配線が配置される上側表面配線部および下側表面配線部は、表面4010bと表面4010gに位置する。図61では、側面4010cをプリント基板4060に実装して、上側表面4010a、下側表面4010bおよび内側表面4010cに実装された電子部品4066とプリント基板を接続している。図61においては、電子部品は垂直方向に実装されている。図61に示す実装体は、電子部品4066からの熱を効率良く発散することができるという利点を有する。
【0296】
図62は、曲線的な形状を有するインターポーザの一例である。図62において、4066は電子部品を示し、U/L形側配線は図示していない。このインターポーザは、例えば、アンテナおよびLED照明等において使用できる。
【0297】
以上説明したインターポーザにおいて、U/L形側配線はリジッド基板の側面、上側表面および下側表面の3つの表面にまたがって延在している、U形側配線である。別の好ましい形態において、U/L形側配線は、上側表面および下側表面のいずれか一方の表面上では延在しない。即ち、U/L形側配線は、リジッド基板の側面上およびリジッド基板の上または下側表面上で延在するL形側配線であってよい。L形側配線もまた、配線の露出面がリジッド基板の表面と実質的に面一状態であっても、あるいは表面から突出していてもよい。あるいは、L形側配線は、リジッド基板の側面および上側(または下側)表面から窪んだ位置に存在してよく、そのような態様を図63に示す。
【0298】
図63に示すインターポーザ4100’において、U/L形側配線4020の一方の端部4020bは、リジッド基板4010の側面の下縁(即ち、側面4010cと下側表面4010bとの境界部(またはコーナー部))に位置する。U/L形側配線4020は下側表面4010b上では延在していない。この場合、下側表面には、プリント基板と接続するための端子は設けられていなくてもよい。
【0299】
図64は、図63に示したインターポーザ4100’をプリント基板4060に実装した形態を模式的に示す。U/L形側配線4020の端部4020b(図63参照)上に半田接続部4070が形成されて、それによって、インターポーザ4100’とプリント基板4060の配線パターン4061とが電気的に接続されている。図64に示したインターポーザ4100’ではU/L形側配線がリジッド基板の側面から段差4010d分だけ窪んで位置する結果、側面4010cの一部に溝部分が形成される。この溝は、半田接続部を形成する際に、半田を溜めるダムとして機能すると共にガイドとして機能するので好都合である。また、図64に示すような実装方法(半田付け)においては、プリント基板4060の上方(例えば法線方向)から見て、半田4070の付き具合を簡単に確認することができる。即ち、U/L形側配線4020が側面で終端するインターポーザ4100’を用いると、半田付け後に行う半田接合部の検査が容易になる。
【0300】
図65は、U/L形側配線4020がL字形状であって、リジッド基板4010の側面4010cとU/L形側配線4020の頂面である露出面4020fとが実質的に同一面を構成しているインターポーザ4100”を示す。図64に示すような段差4010dがない場合でも(あるいは、U/L形側配線4020の頂面4020fが側面4010cから突出している場合でも)、ハンダ接続部4070をU/L形側配線4020の端部に設けて、インターポーザ4100”とプリント基板4060の配線パターン4061とを半田接合することは可能である。この場合にも、同様に、半田接合部の検査が容易になる。
【0301】
半田付けの観点からみれば、図63〜図65に示すインターポーザ4100’および4100”において、U/L形側配線4020の端部4020bは、リジッド基板4010の側面4010cに一定間隔で離間して位置していることが好ましい。この場合、端部だけではなく、U/L形側配線の側面配線部がリジッド基板の側面上で一定間隔で離間して配列されていてもよい。
【0302】
上記において説明したインターポーザはいずれも、リジッド基板4010の側面4010c上でU/L形側配線4020が延在するように形成されているので、図66に示すように実装することも可能である。即ち、例えば図41に示すようなインターポーザ4100と、それに実装された電子部品(例えば、チップ部品または半導体チップ)4066とからなる実装体を、プリント基板(マザー基板)4060上に配置されたコネクタ(メカニカルコネクタ)4080に嵌合させることができる。この場合、インターポーザ4100におけるU/L形側配線4020の側面配線部とコネクタ4080とが電気的および物理的に接続されるので、コネクタ4080を介して実装体とプリント基板4060とが電気的に接続されることとなる。コネクタ4080は、インターポーザ4100の側面4010cを嵌合できるように構成されており、このコネクタによって、電子部品4066の垂直実装が可能となり、実装面積が小さい電子機器において、数多くの部品を実装させることができる。図66では、図41に示すインターポーザを示しているが、垂直実装は、上記のいずれの接続部材についても適用できる。
【0303】
実装面積が小さい電子機器としては、携帯電話、およびPDA等の携帯用電子機器が挙げられる。即ち、電子部品4066と、インターポーザ4100と、コネクタ4080と、プリント基板4060とを備えたアセンブリを用いれば、電子部品の垂直実装を比較的容易に行うことができる。インターポーザ4100の配線パターンに応じて、インターポーザ4100のリジッド基板4010の下側表面4010bに電子部品4066を実装することもできる。
【0304】
以上、図面を参照して本発明の実施の形態を説明したが、本発明はそれらに限定されるものではなく、本発明の範囲から逸脱しない範囲で、種々の改変を加えてよいことが理解されるべきである。
【0305】
上記において、説明したように、本発明は第1の態様として、
上側表面および該上側表面に対向する下側表面ならびにこれらを接続する側面を有して成る絶縁性基体、ならびに
i)側面の少なくとも一部に位置する側面配線部と、ii)側面配線部と相互に接続され、且つ上側表面の少なくとも一部に位置する上側表面配線部、および側面配線部と相互に接続され、且つ下側表面の少なくとも一部に位置する下側表面配線部のうち少なくとも一方とを有して成る、少なくとも1本の配線
含む、接続部材を提供する。
【0306】
本発明は第2の態様として、上側表面と下側表面との電気的導通が、前記配線によってのみ達成される、第1の態様の接続部材を提供する。
【0307】
本発明は第3の態様として、前記配線が、上側表面の電気要素と下側表面の電気要素とを電気的に接続する、第1の態様の接続部材を提供する。
【0308】
本発明は第4の態様として、前記配線の少なくとも一方の端部は電気要素に接続されており、当該配線と電気要素とは一体に形成されている、第1の態様の接続部材を提供する。
【0309】
本発明は第5の態様として、電気要素が、配線パターン、ランド、パッド、端子、ハンダボールおよびバンプから成る群から選択される1または複数の要素である、第3の態様の接続部材を提供する。
【0310】
本発明は第6の態様として、絶縁性基体にビアが形成されていない、第2の態様の接続部材を提供する。
【0311】
本発明は第7の態様として、絶縁性基体の側面の長さ/前記配線の側面配線部の幅の比が、1以上である、第1の態様の接続部材を提供する。
【0312】
本発明は第8の態様として、前記配線を少なくとも2本有し、前記配線の側面配線部の最小ピッチが、0.4mm以下である、第1の態様の接続部材を提供する。
【0313】
本発明は、第9の態様として、絶縁性基体が樹脂を含む材料から成る、第1の態様の接続部材を提供する。
【0314】
本発明は、第10の態様として、絶縁性基体が樹脂と無機フィラーとを含むコンポジット材料から成る、第1の態様の接続部材を提供する。
【0315】
本発明は、第11の態様として、樹脂が熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂の少なくとも一方である、第10の態様の接続部材を提供する。
【0316】
本発明は、第12の態様として、前記配線の側面配線部が、その少なくとも一部が絶縁性基体の側面に埋め込まれて形成されている、第1の態様の接続部材を提供する。
【0317】
本発明は、第13の態様として、前記配線の側面配線部の頂面は、絶縁性基体の側面よりも絶縁性基体の内部側に位置している、第12の態様の接続部材を提供する。
【0318】
本発明は、第14の態様として、前記配線の絶縁性基体のコーナー部に位置する部分が、コーナー部を規定する絶縁性基体の表面よりも、絶縁性基体の内部側に位置している、第12の態様の接続部材を提供する。
【0319】
本発明は、第15の態様として、複数本の前記配線が、コプレーナ線路を規定する、第1の態様の接続部材を提供する。
【0320】
本発明は、第16の態様として、半硬化状態の樹脂を含んで成るシートを折り曲げ、その後、折り畳んだシートをさらに硬化することによって形成されている、第1の態様の接続部材を提供する。
【0321】
本発明は、第17の態様として、樹脂を含んで成るシートが配線パターンを有し、当該配線パターンが、接続部材において前記配線を構成することとなる配線を一部として含む、第16の態様の接続部材を提供する。
【0322】
本発明は、第18の態様として、絶縁性基体の上側表面が、長辺と、当該長辺よりも長さが短い短辺とから構成される略長方形の形状を有している、第1の態様の接続部材を提供する。
【0323】
本発明は、第19の態様として、前記配線は、その側面配線部が、長辺側の側面のみに位置するように配列されている、第18の態様の接続部材を提供する。
【0324】
本発明は、第20の態様として、絶縁性基体の上側表面が、L字型、U字型または四角形の枠形状を有している、第1の態様の接続部材を提供する。
【0325】
本発明は、第21の態様として、絶縁性基体の上側表面および下側表面の少なくとも一方が凹部および凸部の少なくとも一方を有する、第1の態様の接続部材を提供する。
【0326】
本発明は、第22の態様として、絶縁性基体がシート状基体である、第1の態様の接続部材を提供する。
【0327】
本発明は、第23の態様として、シート状基体の上側表面が平坦な面であり、前記配線が8本以上形成されている、第22の態様の接続部材を提供する。
【0328】
本発明は、第24の態様として、シート状基体の上側表面および下側表面の少なくとも一方が凹部および凸部の少なくとも一方を有し、前記配線の上側表面配線部および下側表面配線部の少なくとも一方が、凹部の内側面および凸部の突出側面の少なくとも一方にさらに延びている、第22の態様の接続部材を提供する。
【0329】
本発明は、第25の態様として、シート状基体の上側表面および下側表面は、第1の条件下で粘着性を有し、且つ第1の条件とは異なる第2の条件下で、接着性を有しており、当該第2の条件は、上側表面および下側表面を構成する材料の硬化反応が進行する条件である、第22の態様の接続部材を提供する。
【0330】
本発明は、第26の態様として、シート状基体の上側表面および下側表面を構成する材料が、シリコーン樹脂と熱硬化性樹脂との混合材料、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂との混合材料、および、紫外線硬化樹脂と熱硬化性樹脂との混合樹脂から成る群から選択される、第25の態様の接続部材を提供する。
【0331】
本発明は、第27の態様として、前記第1の条件が、0℃以上80℃以下の範囲内にある温度条件である、第26の態様の接続部材を提供する。
【0332】
本発明は、第28の態様として、前記第2の条件が、前記熱硬化性樹脂の本硬化反応が進行する温度条件である、第26の態様の接続部材を提供する。
【0333】
本発明は、第29の態様として、前記絶縁性基体が、
(1)コア部材、および
(2)該コア部材の少なくとも一部を覆う電気絶縁層であって、コア部材の上側表面の少なくとも一部の上に位置する上側表面部、およびコア部材の上側表面に対向する、コア部材の下側表面の少なくとも一部の上に位置する下側表面部、ならびにこれらの表面部を相互に接続する、コア部材の側面の少なくとも一部の上に位置する側面部を有して成る電気絶縁層
を含み、
前記配線の上側表面配線部が電気絶縁層の上側表面部の少なくとも一部に位置し、下側表面配線部が電気絶縁層の下側表面部の少なくとも一部に位置し、側面配線部が電気絶縁層の側面部の少なくとも一部に位置している、
第1の態様の接続部材を提供する。
【0334】
本発明は、第30の態様として、電気絶縁層を貫通するビアを有しない、第29の態様の接続部材を提供する。
【0335】
本発明は、第31の態様として、電気絶縁層は、樹脂のみから、あるいは樹脂およびフィラーを含む材料から構成されている、第29の態様の接続部材を提供する。
【0336】
本発明は、第32の態様として、樹脂が熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂の少なくとも一方である、第31の態様の接続部材を提供する。
【0337】
本発明は、第33の態様として、電気絶縁層およびコア部材が可撓性を有する、第29の態様の接続部材を提供する。
【0338】
本発明は、第34の態様として、コア部材が金属から成る、第29の態様の接続部材を提供する。
【0339】
本発明は、第35の態様として、電気絶縁層に接触するコア部材の表面の少なくとも一部分は粗面化されている、第34の態様の接続部材を提供する。
【0340】
本発明は、第36の態様として、コア部材の少なくとも1つのコーナー部が面取りされている、第29の態様の記載の接続部材を提供する。
【0341】
本発明は、第37の態様として、コア部材の一部分が露出している、第29の態様の接続部材を提供する。
【0342】
本発明は、第38の態様として、電気絶縁層の側面部が湾曲している、第29の態様の接続部材を提供する。
【0343】
本発明は、第39の態様として、絶縁性基体が板状基体である、第1の態様の接続部材を提供する。
【0344】
本発明は、第40の態様として、前記配線が500本以下設けられている、第39の態様の接続部材を提供する。
【0345】
本発明は、第41の態様として、前記配線の一端が、板状基体の上側表面の外縁領域に配置されている、第39の態様の接続部材を提供する。
【0346】
本発明は、第42の態様として、前記配線の一端が、板状基体の下側表面において格子状に配列されている、第39の態様の接続部材を提供する。
【0347】
本発明は、第43の態様として、板状基体の上側表面の面積が200mm以下であり、前記配線を上側表面に16個以上有する、第39の態様の接続部材を提供する。
【0348】
本発明は、第44の態様として、板状基体の上側表面は、長辺と、当該長辺よりも長さが短い短辺とから構成される略長方形の形状を有し、長辺の長さは、短辺の長さの3倍以下である、第39の態様の接続部材を提供する。
【0349】
本発明は、第45の態様として、板状基体の上側表面は、長辺と、当該長辺よりも長さが短い短辺とから構成される略長方形の形状を有し、長辺の長さは、短辺の長さの10倍以上である、第39の態様の接続部材を提供する。
【0350】
本発明は、第46の態様として、前記配線の側面配線部の幅が0.25mm以下であり、前記配線の側面配線部の配線間のスペースが0.3mm以下である、第39の態様の接続部材を提供する。
【0351】
本発明は、第47の態様として、板状基体の内部に、シールド層を有する、第39の態様の接続部材を提供する。
【0352】
本発明は、第48の態様として、板状基体は、上側表面および下側表面が略矩形である略六面体の形状を有している、第39の態様の接続部材を提供する。
【0353】
本発明は、第49の態様として、前記配線は、その側面配線部が、略六面体の4つの側面すべてに位置するように、複数配列されている、第48の態様の接続部材を提供する。
【0354】
本発明は、第50の態様として、板状基体は、中央に開口部を有していて、四角形の枠形状であり、前記配線の側面配線部が、板状基体の開口部を規定する側面に位置し、板状基体の外周面には、シールド層が形成されている、第39の態様の接続部材を提供する。
【0355】
本発明は、第51の態様として、板状基体は、U字形状又はC字形状を有している、第39の態様の接続部材を提供する。
【0356】
本発明は、第52の態様として、前記配線として、上側表面配線部および側面配線部のみを有して成る配線を有する、第39の態様の接続部材を提供する。
【0357】
本発明は、第53の態様として、前記配線の側面配線部の端部が、板状基体の側面と下面との境界部に位置する、第52の態様の接続部材を提供する。
【0358】
本発明は、第54の態様として、前記配線の側面配線部の端部が、板状基体の側面に一定間隔で配列されている、第52の態様の接続部材を提供する。
【0359】
本発明は、第55の態様として、板状基体の側面の一部には、前記配線のガイドとなる溝が形成されている、第52の態様の接続部材を提供する。
【0360】
本発明は、第56の態様として、第1の態様の接続部材を少なくとも1つと、少なくとも2つの回路基板とを含み、接続部材が、回路基板と回路基板との間に配置されている、実装体を提供する。
【0361】
本発明は、第57の態様として、2つの回路基板が、互いに異なる実装方法で接続部材に接続されている、第56の態様の実装体を提供する。
【0362】
本発明は、第58の態様として、
前記回路基板として、側面に配線パターンが形成された第1の回路基板、および側面に配線パターンが形成された第2の回路基板を有し、
第1の回路基板の側面に形成された配線パターンは、接続部材の1つの側面に位置する側面配線部に接続され、かつ、第2の回路基板の側面に形成された配線パターンは、接続部材の別の側面に位置する側面配線部に接続され、それにより、第1の回路基板と第2の回路基板が電気的に接続されている、
第56の態様の実装体を提供する。
【0363】
本発明は、第59の態様として、
前記接続部材に形成された前記配線の露出面は、当該接続部材の表面から窪んだ位置にあり、
前記回路基板に形成された配線パターンは、当該回路基板の表面から突出した部位を有しており、
当該回路基板における配線パターンの当該突出した部位と、当該接続部材における窪んだ位置にある当該配線の露出面とは、嵌合によって互いに接触している、第56の形態の実装体を提供する。
【0364】
本発明は、第60の態様として、
第1の態様の接続部材、ならびに接続部材の上側表面および下側表面の少なくとも一方に配置された電子部品を有して成る部品実装体であって、接続部材の前記配線または当該配線に電気的に接続されている電気要素に、電子部品が電気的に接続されている実装体を提供する。
【0365】
本発明は、第61の態様として、
前記電子部品は、第1の電子部品であり、
前記第1の電子部品の上に、第1の態様の別の接続部材が配置され、および当該別の接続部材の上側表面に第2の電子部品が配置されている、第60の態様の実装体を提供する。
【0366】
本発明は、第62の態様として、
前記第1の電子部品は、半導体メモリおよびLSIの一方であり、
前記第2の電子部品は、半導体メモリおよびLSIの一方である、第61の態様の実装体を提供する。
【0367】
本発明は、第63の態様として、第29の態様の接続部材である第1接続部材の上側表面および下側表面の少なくとも一方に別の接続部材である第2接続部材が配置され、第1接続部材の前記配線またはそれに電気的に接続されている電気要素に、第2接続部材が電気的に接続されている実装体を提供する。
【0368】
本発明は、第64の態様として、両面に配線パターンが形成された回路基板、および
第22の態様の接続部材
を含む実装体であって、
接続部材は半硬化状態の樹脂を含んで成るシートを折り曲げることにより形成された凹部を有し、かつ接続部材の前記配線は凹部の内側面に延びる部分を有し、
回路基板の側面は凹部に嵌合しており、
回路基板の表面に形成された配線パターンは、接続部材の凹部の内側面に延びる配線部分を介して、回路基板の裏面に形成された配線パターンに電気的に接続されている、
実装体を提供する。
【0369】
本発明は、第65の態様として、回路基板にビアが形成されていない、第64の態様の実装体を提供する。
【0370】
本発明は、第66の態様として、第60の態様の実装体およびそれを収納する筐体を有して成る電子機器を提供する。
【0371】
本発明は、第67の態様として、第1の態様の接続部材を製造する方法であって、
前記少なくとも1本の配線を、1つの平面上に形成された少なくとも1本の配線を有して成る配線層を折り曲げることにより形成することを含む、製造方法を提供する。
【0372】
本発明は、第68の態様として、
(1−A)少なくとも1本の配線を有して成る配線層および半硬化状態の樹脂を含む絶縁層を含むシートを準備する工程、
(1−B)当該樹脂を含むシートを折り曲げて絶縁層を相互に対向させ、該少なくとも1本の配線の一部が、対向する絶縁層を介して相互に対向し、かつ該少なくとも1本の配線の他の部分が、絶縁層の折り曲げ部分により形成される、折り曲げ後の絶縁層の側面上で延在するようにする工程、および
(1−C)折り曲げたシートの絶縁層の樹脂を硬化する工程
を含む、第67の態様の製造方法を提供する。
【0373】
本発明は、第69の態様として、前記絶縁層は、熱硬化性樹脂と無機フィラーとを含むコンポジット材料から形成されている、第68の態様の製造方法を提供する。
【0374】
本発明は、第70の態様として、コンポジット材料において、熱硬化性樹脂100重量部に対して、無機フィラーが100重量部以上含まれている、第69の態様の製造方法を提供する。
【0375】
本発明は、第71の態様として、
前記工程(1−A)は、
(1−a)キャリヤシートおよびその上に形成された金属層を有して成る積層体を準備する工程、
(1−b)金属層を加工して少なくとも1本の配線を有して成る配線層を形成する工程、および
(1−c)配線層上に半硬化した樹脂を含む絶縁層を形成する工程
を含む、第70の態様の製造方法を提供する。
【0376】
本発明は、第72の態様として、前記工程(1−b)において、配線層をエッチングにより形成し、エッチングを金属層の不要部分に加えて、当該不要部分の下に位置するキャリヤシートの一部が除去されるように実施する、第71の態様の製造方法を提供する。
【0377】
本発明は、第73の態様として、前記工程(1−B)において、略六面体の形状を有するようにシートを折り曲げる、第68の態様の製造方法を提供する。
【0378】
本発明は、第74の態様として、前記工程(1−B)において、凸部および凹部の少なくとも一方を備えた形状を有する板状基体を形成するように、前記シートを折り曲げる、第68の態様の製造方法を提供する。
【0379】
本発明は、第75の態様として、
(2−A)半硬化状態の樹脂を含むシートを用意する工程、
(2−B)当該樹脂を含むシートを折り曲げる工程、
(2−C)前記工程(2−B)の後、当該樹脂を含むシートを硬化させて絶縁性基体を得る工程、および
(2−D)絶縁性基体に、i)側面の少なくとも一部に位置する側面配線部と、ii)側面配線部と相互に接続され、且つ上側表面の少なくとも一部に位置する上側表面配線部、および側面配線部と相互に接続され、且つ下側表面の少なくとも一部に位置する下側表面配線部のうち少なくとも一方とを有して成る、少なくとも1本の配線を形成する工程
を包む、第67の態様の製造方法を提供する。
【0380】
本発明は、第76の態様として、
(3−A)キャリヤシートの表面の少なくとも一部分の上に、少なくとも1本の配線を有して成る配線層を形成する工程、
(3−B)当該キャリヤシートの該表面上に、硬化性樹脂を含んで成る樹脂層を形成し、該配線層を該樹脂層により被覆する工程、
(3−C)当該樹脂層の上にコア部材を配置し、コア部材の周囲でそれに接触するようにキャリヤシートを折り曲げて、該少なくとも1本の配線の一部が、該樹脂層およびコア部材を介して相互に対向し、かつ該少なくとも1本の配線の他の部分が、樹脂層の折り曲げ部分により形成される、折り曲げ後の樹脂層の側面上で延在するようにする工程、
(3−D)当該樹脂層の樹脂を硬化して電気絶縁層を形成する工程、ならびに
(3−E)キャリシートを剥離して、該配線層を露出させる工程
を含む、第67の態様の製造方法を提供する。
【0381】
本発明は、第77の態様として、
(4−A)キャリヤシートの表面の少なくとも一部分の上に、少なくとも1本の配線を有して成る配線層を形成する工程、
(4−B)コア部材の表面の少なくとも一部分を覆うように、コア部材の表面上に硬化性樹脂を含んで成る樹脂層を形成する工程、
(4−C)該樹脂層が該配線層と接触するように、コア部材の周囲でキャリヤシートを折り曲げて、該少なくとも1本の配線の一部が、当該樹脂層およびコア部材を介して相互に対向し、かつ該少なくとも1本の配線の他の部分が、該樹脂層の側面上で延在するようにする工程、
(4−D)当該樹脂層の樹脂を硬化して電気絶縁層を形成する工程、ならびに
(4−E)キャリヤシートを剥離して、該配線層を露出させる工程
を含む、第67の態様の製造方法を提供する。
【0382】
本発明は、第78の態様として、
(5−A)キャリヤシートの表面の少なくとも一部分の上に、少なくとも1本の配線を有して成る配線層を形成する工程、
(5−B)配線層を有するキャリヤシートを、配線層を内側にして曲げて、該少なくとも1本の配線の一部が相互に対向し、かつ対向した部分の間に空隙が形成されるように曲げる工程、
(5−C)硬化性樹脂を含んで成る材料を空隙に注入して樹脂層を形成する工程、
(5−D)該樹脂層を硬化させて電気絶縁層を形成する工程、および
(5−E)キャリヤシートを除去して該配線層を露出させる工程
を含む、第67の態様の製造方法を提供する。
【0383】
本発明は、第79の態様として、
前記工程(5−C)が、
(5−c’)硬化性樹脂を含んで成る材料を空隙に注入する工程、および
(5−c”)空隙に注入した材料にコア部材を挿入して、配線層とコア部材との間に樹脂層を形成する工程
を含む工程として実施される、第78の態様の製造方法を提供する。
【0384】
本発明は、第80の態様として、
2つの回路基板の配線を、少なくとも1本の配線を有して成る配線層および半硬化状態の樹脂を含む絶縁層を含む1枚のシートの配線層と接続する工程、および
当該シートを折り曲げて絶縁層を相互に対向させ、該少なくとも1本の配線の一部が、対向する絶縁層を介して相互に対向し、かつ該少なくとも1本の配線の他の部分が、絶縁層の折り曲げ部分により形成される、折り曲げ後の絶縁層の側面上で延在するようにする工程、および
折り曲げたシートの絶縁層の樹脂を硬化する工程
を含む、実装体の製造方法を提供する。
【0385】
本発明は、第81の態様として、
第64の態様の実装体の製造方法であって、
少なくとも1本の配線を有して成る配線層および半硬化状態の樹脂を含む絶縁層を含むシートを準備する工程、
当該樹脂を含むシートを絶縁層が凹部を形成するように折り曲げて、絶縁層を相互に対向させ、該少なくとも1本の配線の一部が、対向する絶縁層を介して相互に対向し、かつ該少なくとも1本の配線の他の部分が、絶縁層の折り曲げ部分により形成される、折り曲げ後の絶縁層の側面上で延在し、該少なくとも1本の配線のさらに別の部分が凹部の内側面に延びるようにする工程、
両面に配線パターンが形成された回路基板の側面を当該凹部に嵌合させて密着させる工程、および
折り曲げたシートの絶縁層の樹脂を硬化する工程
を含む、製造方法を提供する。
【産業上の利用可能性】
【0386】
本発明は、比較的効率的に製造可能な接続部材を提供し、例えば、コネクタシート、コアを有する接続部材およびインターポーザとして、回路基板同士または回路基板と電子部品とを電気的に接続する部材として好ましく使用されるので、本発明の接続部材は、種々の電子機器、特に携帯電話のような携帯用電子機器に好適に使用される。
【図面の簡単な説明】
【0387】
【図1】本発明の一形態であるコネクタシート100を模式的に示す斜視図である。
【図2】本発明の一形態であるコネクタシート100を模式的に示す断面図である。
【図3】コネクタシート100を含む実装体の一形態の断面図である。
【図4】本発明の一形態であるコネクタシート100を模式的に示す斜視図である。
【図5】本発明の一形態であるコネクタシート200を模式的に示す斜視図である。
【図6】図5に示すコネクタシート200の組み合わせを模式的に示す斜視図である。
【図7】本発明の一形態であるコネクタシート300を模式的に示す斜視図である。
【図8】本発明の一形態であるコネクタシート350を模式的に示す斜視図である。
【図9】本発明の一形態であるコネクタシート100を模式的に示す斜視図である。
【図10】本発明の一形態であるコネクタシート100を模式的に示す断面図である。
【図11】(a)から(d)は、半硬化状態の樹脂を含むシート15の製造方法を説明するための工程断面図である。
【図12】(a)および(b)は、折りたたみ工程および加熱加圧工程を説明するための工程断面図である。
【図13】(a)および(b)は、折りたたみ工程および加熱加圧工程を説明するための工程断面図である。
【図14】本発明の一形態である実装体の断面図である。
【図15】(a)および(b)は、コネクタシート101の使用方法を説明するための工程断面図である。
【図16】(a)および(b)は、回路基板506、507との電気的な接続を行うとともに、コネクタシート100の作製を実行する工程を説明するための工程断面図である。
【図17】(a)および(b)は、コネクタシート100を含む実装体の製造方法を説明するための工程断面図である。
【図18】本発明のコネクタシートにおけるU/L形側配線20の要部拡大図である。
【図19】本発明のコネクタシートにおけるU/L形側配線20の要部拡大図である。
【図20】本発明のコネクタシートにおけるU/L形側配線20の要部拡大図である。
【図21】(a)から(c)は、コネクタシート100を用いて、回路基板を電気的に接続する方法を説明するための工程断面図である。
【図22】本発明の一形態である接続部材2100を模式的に示す斜視図である。
【図23】本発明の一形態である接続部材2100を模式的に示す断面図である。
【図24】(a)〜(c)は、接続部材の第4製造方法を説明するための工程断面図である。
【図25】本発明の一形態である接続部材2400を模式的に示す斜視図である。
【図26】本発明の一形態である接続部材2500を模式的に示す断面図である。
【図27】本発明の一形態である接続部材2600を模式的に示す断面図である。
【図28】本発明の一形態である接続部材2700を模式的に示す断面図である。
【図29】本発明の一形態である接続部材2800を模式的に示す斜視図である。
【図30】本発明の一形態である接続部材2900を模式的に示す斜視図である。
【図31】本発明の一形態である接続部材3000を模式的に示す断面図である。
【図32】(a)〜(c)は、接続部材の第3接続部材製造方法を説明するための工程断面図である。
【図33】本発明の一形態である接続部材3200および実装体3210の構成を模式的に示す断面図である。
【図34】本発明の一形態である接続部材3300および実装体3310の構成を模式的に示す断面図である。
【図35】本発明の接続部材を積層した実装体の構成を模式的に示す断面図である。
【図36】本発明の一形態である実装体3510の構成を模式的に示す断面図である。
【図37】本発明の一形態である実装体3610の構成を模式的に示す断面図である。
【図38】接続部材の製造方法を説明するための工程断面図である。
【図39】(a)〜(g)は、複数の接続部材を製造する第3接続部材製造方法を説明するための工程断面図である。
【図40】(a)および(b)は、本発明の接続部材を実装したサブ基板およびサブ基板を実装した回路基板を示す斜視図である。
【図41】本発明の一形態であるインターポーザ4100を模式的に示す斜視図である。
【図42】(a)は、本発明のインターポーザ4100を模式的に示す斜視図であり、(b)は、ビア有りインターポーザ5000を模式的に示す斜視図であり、(c)は、インターポーザの上側表面の面積と、上下面接続要素の数との関係を示すグラフである。
【図43】各ライン/スペースについて、インターポーザの上側表面の面積と、上下面接続要素の数との関係を示すグラフである。
【図44】インターポーザの上側表面における長辺/短辺の比と、上下面接続要素の数との関係を示すグラフである。
【図45】インターポーザの上側表面における長辺/短辺の比と、上下面接続要素の数との関係を示すグラフである。
【図46】インターポーザの上面における長辺/短辺の比と、上下面接続要素の数との関係を示す図である。
【図47】本発明の一形態であるインターポーザ4200を模式的に示す斜視図である。
【図48】本発明の一形態であるインターポーザ4250を模式的に示す斜視図である。
【図49】本発明の一形態であるインターポーザ4300を模式的に示す斜視図である。
【図50】本発明の一形態であるインターポーザ4350を模式的に示す斜視図である。
【図51】本発明の一形態であるインターポーザ4100の構成を模式的に示す断面図である。
【図52】(a)から(d)は、半硬化状態の樹脂を含むシート4015の製造方法を説明するための工程断面図である。
【図53】(a)および(b)は、折りたたみ工程および加熱加圧工程を説明するための工程断面図である。
【図54】(a)および(b)は、折りたたみ工程および加熱加圧工程を説明するための工程断面図である。
【図55】本発明のインターポーザにおけるU/L形側配線4020の要部拡大図である。
【図56】本発明のインターポーザにおけるU/L形側配線4020の要部拡大図である。
【図57】本発明のインターポーザにおけるU/L形側配線4020の要部拡大図である。
【図58】(a)から(e)は、インターポーザ4100の製造方法を説明するための工程断面図である。
【図59】(a)から(c)は、それぞれ本発明の一形態であるインターポーザ4100を模式的に示す断面図である。
【図60】(a)および(b)は、シールド部材(シールド層)4035が内部に設けられたインターポーザ4100を製造する方法を説明するための工程断面図である。
【図61】本発明の一形態であるインターポーザ4100の構成を模式的に示す断面図である。
【図62】本発明の一形態であるインターポーザ4100の構成を模式的に示す断面図である。
【図63】本発明のインターポーザ4100’におけるU/L形側配線4020の要部拡大図である。
【図64】図63に示すインターポーザ4100’をプリント基板4060に半田付けした状態を示す要部拡大図である。
【図65】本発明のインターポーザ4100”をプリント基板4060に半田付けした状態を示す要部拡大図である。
【図66】本発明のインターポーザ4100をコネクタ4080を介してプリント基板4060に実装した構成を示す断面図である。
【図67】従来の部品内蔵モジュール2000の構成を模式的に示す斜視図である。
【符号の説明】
【0388】
10…シート状基体
15…シート
20…U/L形側配線
21…ダミー配線
30…配線層(配線パターン)
32…金属層
40…開口部
45…シールド層
50…キャリヤシート
100…コネクタシート
101…コネクタシート
200,300,350…コネクタシート
310…電子部品
320…半導体チップ
500…両面プリント基板
501,502,503,504…回路基板
505…電極
506,507…回路基板
511,512…回路基板
2100,2400,2500,2600,2700,2800,2900,3000,3100,3200,3300,3500,3600,3800,1900…コアを有する接続部材
2101,2401,2501,2601,2701,2801,2901,3101,3201,3301,3701b,3801…樹脂層または電気絶縁層
2102,2402,2502,2602,2702,2802,2902,3002,3102,3202,3302,3702,3802…U/L形側配線または配線層
2103,2403,2503,2603,2703,2803,2903,3003,3103,3203,3303,3703,3803…コア部材
2104,3104,3704,3804…キャリヤシート
2608,3308,3808…凹部
3205,3305,3505,3605,3905…半導体素子
3206,3306,3506,3606…プリント基板
3207,3307,3507,3607…バンプ
3208…半田ボール
3309…アンダーフィル
3210,3310,3510,3610…部品実装体
3611,3940…回路部品
3712…ロール
3713…ブレード
3714…折り曲げ箇所
3715…樹脂層被覆積層体
3716…切断箇所
3820…フレーム型コア部材
3920…サブ基板
3930…配線基板
4010…リジッド基板
4015…シート
4020…U/L形側配線
4021…ダミー配線
4030…配線層(配線パターン)
4032…金属層
4035…シールド部材(シールド層)
4040…開口部
4045…シールド層
4050…キャリヤシート
4060…プリント基板
4062…チップ部品
4064…半導体チップ
4066…電子部品
4070…半田
4080…コネクタ
4100…インターポーザ
4100’…インターポーザ
4200,4250,4300,4350…インターポーザ
5000…インターポーザ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上側表面および該上側表面に対向する下側表面ならびにこれらを接続する側面を有して成る絶縁性基体、ならびに
i)側面の少なくとも一部に位置する側面配線部と、ii)側面配線部と相互に接続され、且つ上側表面の少なくとも一部に位置する上側表面配線部、および側面配線部と相互に接続され、且つ下側表面の少なくとも一部に位置する下側表面配線部のうち少なくとも一方とを有して成る、少なくとも1本の配線
含む、接続部材。
【請求項2】
絶縁性基体にビアが形成されていない、請求項1に記載の接続部材。
【請求項3】
絶縁性基体は、樹脂を含む材料から成る、請求項1に記載の接続部材。
【請求項4】
前記配線の側面配線部は、その少なくとも一部が絶縁性基体の側面に埋め込まれて形成されている、請求項1に記載の接続部材。
【請求項5】
前記配線の側面配線部の頂面は、絶縁性基体の側面よりも絶縁性基体の内部側に位置している、請求項1に記載の接続部材。
【請求項6】
絶縁性基体は、半硬化状態の樹脂を含んで成るシートを折り曲げ、その後、折り畳んだシートをさらに硬化することによって形成されている、請求項1に記載の接続部材。
【請求項7】
絶縁性基体の上側表面が、L字型、U字型または四角形の枠形状を有している、請求項1に記載の接続部材。
【請求項8】
絶縁性基体の上側表面および下側表面の少なくとも一方が凹部および凸部の少なくとも一方を有する、請求項1に記載の接続部材。
【請求項9】
絶縁性基体がシート状基体である、請求項1に記載の接続部材。
【請求項10】
シート状基体の上側表面および下側表面の少なくとも一方が凹部および凸部の少なくとも一方を有し、前記配線の上側表面配線部および下側表面配線部の少なくとも一方が、凹部の内側面および凸部の突出側面の少なくとも一方にさらに延びている、請求項9に記載の接続部材。
【請求項11】
シート状基体の上側表面および下側表面は、第1の条件下で粘着性を有し、且つ第1の条件とは異なる第2の条件下で、接着性を有しており、
当該第2の条件は、上側表面および下側表面を構成する材料の硬化反応が進行する条件である、請求項9に記載の接続部材。
【請求項12】
シート状基体の上側表面および下側表面を構成する材料が、シリコーン樹脂と熱硬化性樹脂との混合材料、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂との混合材料、および、紫外線硬化樹脂と熱硬化性樹脂との混合樹脂から成る群から選択される、請求項11に記載の接続部材。
【請求項13】
前記絶縁性基体が、
(1)コア部材、および
(2)該コア部材の少なくとも一部を覆う電気絶縁層であって、コア部材の上側表面の少なくとも一部の上に位置する上側表面部、およびコア部材の上側表面に対向する、コア部材の下側表面の少なくとも一部の上に位置する下側表面部、ならびにこれらの表面部を相互に接続する、コア部材の側面の少なくとも一部の上に位置する側面部を有して成る電気絶縁層
を含み、
前記配線の上側表面配線部が電気絶縁層の上側表面部の少なくとも一部に位置し、下側表面配線部が電気絶縁層の下側表面部の少なくとも一部に位置し、側面配線部が電気絶縁層の側面部の少なくとも一部に位置している、
請求項1に記載の接続部材。
【請求項14】
コア部材の少なくとも1つのコーナー部が面取りされている、請求項13に記載の接続部材。
【請求項15】
電気絶縁層の側面部が湾曲している、請求項13に記載の接続部材。
【請求項16】
絶縁性基体が板状基体である、請求項1に記載の接続部材。
【請求項17】
請求項1に記載の接続部材を少なくとも1つと、少なくとも2つの回路基板とを含み、接続部材が、回路基板と回路基板との間に配置されている、実装体。
【請求項18】
2つの回路基板が、互いに異なる実装方法で接続部材に接続されている、請求項17に記載の実装体。
【請求項19】
請求項1に記載の接続部材、ならびに接続部材の上側表面および下側表面の少なくとも一方に配置された電子部品を有して成る部品実装体であって、接続部材の前記配線または当該配線に電気的に接続されている電気要素に、電子部品が電気的に接続されている実装体。
【請求項20】
前記電子部品は、第1の電子部品であり、
前記第1の電子部品の上に、請求項1に記載の別の接続部材が配置され、および当該別の接続部材の上側表面に第2の電子部品が配置されている、請求項19に記載の実装体。
【請求項21】
請求項13に記載の接続部材である第1接続部材の上側表面および下側表面の少なくとも一方に別の接続部材である第2接続部材が配置され、第1接続部材の前記配線またはそれに電気的に接続されている電気要素に、第2接続部材が電気的に接続されている実装体。
【請求項22】
両面に配線パターンが形成された回路基板、および
請求項9に記載の接続部材
を含む実装体であって、
接続部材は半硬化状態の樹脂を含んで成るシートを折り曲げることにより形成された凹部を有し、かつ接続部材の前記配線は凹部の内側面に延びる部分を有し、
回路基板の側面は凹部に嵌合しており、
回路基板の表面に形成された配線パターンは、接続部材の凹部の内側面に延びる配線部分を介して、回路基板の裏面に形成された配線パターンに電気的に接続されている、
実装体。
【請求項23】
請求項1に記載の接続部材を製造する方法であって、
前記少なくとも1本の配線を、1つの平面上に形成された少なくとも1本の配線を有して成る配線層を折り曲げることにより形成することを含む、製造方法。
【請求項24】
(1−A)少なくとも1本の配線を有して成る配線層および半硬化状態の樹脂を含む絶縁層を含むシートを準備する工程、
(1−B)当該樹脂を含むシートを折り曲げて絶縁層を相互に対向させ、該少なくとも1本の配線の一部が、対向する絶縁層を介して相互に対向し、かつ該少なくとも1本の配線の他の部分が、絶縁層の折り曲げ部分により形成される、折り曲げ後の絶縁層の側面上で延在するようにする工程、および
(1−C)折り曲げたシートの絶縁層の樹脂を硬化する工程
を包む、請求項23に記載の製造方法。
【請求項25】
(2−A)半硬化状態の樹脂を含むシートを用意する工程、
(2−B)当該樹脂を含むシートを折り曲げる工程、
(2−C)前記工程(2−B)の後、当該樹脂を含むシートを硬化させて絶縁性基体を得る工程、および
(2−D)絶縁性基体に、i)側面の少なくとも一部に位置する側面配線部と、ii)側面配線部と相互に接続され、且つ上側表面の少なくとも一部に位置する上側表面配線部、および側面配線部と相互に接続され、且つ下側表面の少なくとも一部に位置する下側表面配線部のうち少なくとも一方とを有して成る、少なくとも1本の配線を形成する工程
を包む、請求項23に記載の製造方法。
【請求項26】
(3−A)キャリヤシートの表面の少なくとも一部分の上に、少なくとも1本の配線を有して成る配線層を形成する工程、
(3−B)当該キャリヤシートの該表面上に、硬化性樹脂を含んで成る樹脂層を形成し、該配線層を該樹脂層により被覆する工程、
(3−C)当該樹脂層の上にコア部材を配置し、コア部材の周囲でそれに接触するようにキャリヤシートを折り曲げて、該少なくとも1本の配線の一部が、該樹脂層およびコア部材を介して相互に対向し、かつ該少なくとも1本の配線の他の部分が、樹脂層の折り曲げ部分により形成される、折り曲げ後の樹脂層の側面上で延在するようにする工程、
(3−D)当該樹脂層の樹脂を硬化して電気絶縁層を形成する工程、ならびに
(3−E)キャリシートを剥離して、該配線層を露出させる工程
を含む、請求項23に記載の製造方法。
【請求項27】
(4−A)キャリヤシートの表面の少なくとも一部分の上に、少なくとも1本の配線を有して成る配線層を形成する工程、
(4−B)コア部材の表面の少なくとも一部分を覆うように、コア部材の表面上に硬化性樹脂を含んで成る樹脂層を形成する工程、
(4−C)該樹脂層が該配線層と接触するように、コア部材の周囲でキャリヤシートを折り曲げて、該少なくとも1本の配線の一部が、当該樹脂層およびコア部材を介して相互に対向し、かつ該少なくとも1本の配線の他の部分が、該樹脂層の側面上で延在するようにする工程、
(4−D)当該樹脂層の樹脂を硬化して電気絶縁層を形成する工程、ならびに
(4−E)キャリヤシートを剥離して、該配線層を露出させる工程
を含む、請求項23に記載の接続部材の製造方法。
【請求項28】
(5−A)キャリヤシートの表面の少なくとも一部分の上に、少なくとも1本の配線を有して成る配線層を形成する工程、
(5−B)配線層を有するキャリヤシートを、配線層を内側にして曲げて、該少なくとも1本の配線の一部が相互に対向し、かつ対向した部分の間に空隙が形成されるように曲げる工程、
(5−C)硬化性樹脂を含んで成る材料を空隙に注入して樹脂層を形成する工程、
(5−D)該樹脂層を硬化させて電気絶縁層を形成する工程、および
(5−E)キャリヤシートを除去して該配線層を露出させる工程
を含む、請求項23に記載の接続部材の製造方法。
【請求項29】
前記工程(5−C)が、
(5−c’)硬化性樹脂を含んで成る材料を空隙に注入する工程、および
(5−c”)空隙に注入した材料にコア部材を挿入して、配線層とコア部材との間に樹脂層を形成する工程
を含む工程として実施される、請求項28に記載の接続部材の製造方法。
【請求項30】
2つの回路基板の配線を、少なくとも1本の配線を有して成る配線層および半硬化状態の樹脂を含む絶縁層を含む1枚のシートの配線層と接続する工程、および
当該シートを折り曲げて絶縁層を相互に対向させ、該少なくとも1本の配線の一部が、対向する絶縁層を介して相互に対向し、かつ該少なくとも1本の配線の他の部分が、絶縁層の折り曲げ部分により形成される、折り曲げ後の絶縁層の側面上で延在するようにする工程、および
折り曲げたシートの絶縁層の樹脂を硬化する工程
を含む、実装体の製造方法。
【請求項31】
請求項22に記載の実装体の製造方法であって、
少なくとも1本の配線を有して成る配線層および半硬化状態の樹脂を含む絶縁層を含むシートを準備する工程、
当該樹脂を含むシートを絶縁層が凹部を形成するように折り曲げて、絶縁層を相互に対向させ、該少なくとも1本の配線の一部が、対向する絶縁層を介して相互に対向し、かつ該少なくとも1本の配線の他の部分が、絶縁層の折り曲げ部分により形成される、折り曲げ後の絶縁層の側面上で延在し、該少なくとも1本の配線のさらに別の部分が凹部の内側面に延びるようにする工程、
両面に配線パターンが形成された回路基板の側面を当該凹部に嵌合させて密着させる工程、および
折り曲げたシートの絶縁層の樹脂を硬化する工程
を含む、製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【図62】
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【図63】
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【図64】
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【図65】
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【図66】
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【図67】
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【公開番号】特開2006−40870(P2006−40870A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−37978(P2005−37978)
【出願日】平成17年2月15日(2005.2.15)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】