説明

接触入力装置

【課題】ボタン配置の自由度を低下させず、ボタンを視認しなくとも操作可能な接触入力装置を提供すること。
【解決手段】制御部30は、接触入力装置の動作状態に応じてタッチパネル110の接触検出面に操作領域を設定する。そして、制御部30は、操作領域と操作領域以外の領域との間で異なる触感を与えるように駆動部20を介して触感生成部120の吸着ドットを帯電させる。接触検出面上の操作領域への接触があった場合に、制御部30は、操作領域に対応した動作を実行させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作者の指等の接触によって入力操作がなされる接触入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネルのような接触入力装置は、操作者の指の接触を入力操作として検出する装置である。このような接触入力装置は、通常、表示装置と組み合わせて用いられている。この場合、表示装置の上に接触入力装置が設けられる。そして、表示装置の画面上には操作者が視認するためのボタンを示す画像(バーチャルボタン)を表示させておき、このボタンの位置への指の接触を操作者による入力操作として検出する。
【0003】
このような接触入力装置においては、表示装置の画面上に表示されたボタンの位置を操作者が確認しながら操作を行う必要がある。このため、特に視覚障害者や高齢者が操作者である場合には、表示装置の画面上に表示されているボタンを視認することが困難であり、接触入力装置の操作性が低下してしまう。
【0004】
このような接触入力装置の操作性の改善に関して、例えば特許文献1や特許文献2の技術が提案されている。特許文献1においては、表示装置に表示されている各ボタンの境界位置が明確になるよう、接触入力装置の上に識別用の部材を設けるようにしている。このような識別用の部材により、操作者は、ボタンの境界を触感的に識別することが可能である。また、特許文献2においては、指の接触位置を検出し、検出した接触位置に対して接触入力装置としてのボタン機能を割り当てるようにしている。これにより、ボタンの位置が視認できなくとも入力操作を行えるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−54827号公報
【特許文献2】特開2004−62867号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、特許文献1の技術では、識別用の部材によって囲まれた位置にしかボタンを配置することができず、ボタンの配置の自由度が低下してしまう。また、特許文献1の技術では、識別用の部材が光学的な障壁となって、表示装置の表示品質を損なわせる可能性も考えられる。また、特許文献2の技術では、操作者の指の接触位置に応じてボタンの位置を移動させているが、それぞれのボタンにどのような操作機能が割り当てられているのかを視覚以外の手段で操作者に知らせる手段がない。このため、ボタンを示す画像を見ることができない操作者については、実際に操作して各ボタンに割り当てられている操作機能を確認する必要が生じる。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、ボタン配置の自由度を低下させず、ボタンを視認しなくとも操作可能な接触入力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明の一態様の接触入力装置は、接触検出面を有し、前記接触検出面への接触を検出する接触入力検出部と、前記接触検出面上に操作領域を設定する操作領域設定部と、前記接触検出面上に設けられ、前記操作領域と前記操作領域以外の領域との間で異なる触感を与える触感生成部と、を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ボタン配置の自由度を低下させず、ボタンを視認しなくとも操作可能な接触入力装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態に係る接触入力装置を備えた電子機器の概略の構成を示す図である。
【図2】触感生成部の第1の構成例を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る接触入力装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】触感生成部の動作について示す図である。
【図5】触感生成部の第2の構成例を示す図である。
【図6】タッチパネルと触感生成部とを一体化した接触入力装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る接触入力装置を備えた電子機器の概略の構成を示す図である。図1に示す電子機器は、表示部10と、駆動部20と、制御部30と、ROM40と、RAM50と、音声出力部60と、振動発生部70と、操作部80と、を有している。
【0012】
表示部10は、表示パネル100と、タッチパネル110と、触感生成部120と、を有し、接触入力装置として機能する。表示パネル100は、制御部30の制御に従って入力された画像データに対応した画像を表示させる。この表示パネル100は、タッチパネル110において設定される入力位置を視認するためのボタンを示す画像(バーチャルボタン)の表示も行う。表示パネル100の構成は特に限定されるものではなく、液晶表示パネルや有機ELパネル等の各種の表示パネルを用いることが可能である。接触入力検出部として機能するタッチパネル110は、接触検出面を有し、接触検出面に対して操作者の指等が接触された場合に、その接触位置の座標に対応した信号を出力する。タッチパネル110の構成としては、例えば静電容量式を用いることができるが、抵抗膜方式でも良い。触感生成部120は、タッチパネル110の接触検出面上に設定される操作領域とそれ以外の領域との間で異なる触感を与える。触感生成部120の詳細については後述する。
【0013】
駆動部20は、表示パネル駆動回路200と、タッチパネル駆動回路210と、触感生成部駆動回路220と、を有している。表示パネル駆動回路200は、制御部30の制御に従って、表示パネル100を駆動して表示パネル100の画面上に画像を表示させる。タッチパネル駆動回路210は、制御部30の制御に従って、タッチパネル110を駆動させるとともに、タッチパネル110からの出力信号に従ってタッチパネル110の操作者の指の接触位置を検出する。触感生成部駆動回路220は、制御部30の制御に従って、触感生成部120の動作を制御する。
【0014】
制御部30は、例えばCPU等のプロセッサを有して構成され、図1に示す接触入力装置の全体的な動作を制御する。この制御部30は、タッチパネル駆動回路210から入力された信号や操作部80から入力された信号に従ってROM40に記憶されている制御プログラムを読み出し、読み出した制御プログラムに対応した動作制御を実行する。また、本実施形態における制御部30は、操作領域設定部としての機能も有しており、接触入力装置の動作状態に応じてタッチパネル110の接触検出面上に操作領域を設定する。操作領域は、タッチパネル110による操作を有効とする領域に設定される。
【0015】
ROM40は、例えばフラッシュメモリであり、図1に示す接触入力装置の動作に必要な制御プログラムや制御パラメータ等を記憶している。また、本実施形態におけるROM40は、後述の通知を行うために必要な音声データや振動パターンデータも記憶している。RAM50は、制御部30における処理の際の作業メモリとして機能する。
【0016】
音声出力部60は、スピーカ等を有して構成され、制御部30の制御に従って、ROM40に記憶されている音声データに対応した音声を発する。振動発生部70は、圧電素子等を有して構成され、制御部30の制御に従って、ROM40に記憶されている振動パターンデータに対応した振動パターンで触感生成部120のベースプレートを振動させる。
【0017】
操作部80は、例えば電源スイッチ等の、タッチパネル110の操作によって実行される機能以外の機能を実行させるための操作部である。
【0018】
図2は、触感生成部120の第1の構成例を示す図である。図2(a)に示すように、第1の構成例の触感生成部120は、ベース基板1201と、吸着ドット1202と、電極1203と、を有している。
【0019】
ベース基板1201は、吸着ドット1202及び電極1203が形成される基板である。このベース基板1201は、ガラス等の透明性を有する材料によって構成されており、タッチパネル110の接触検出面の上に配置されている。吸着ドット1202は、電圧の印加による分極作用によって帯電する誘電体フィルムによって構成され、ベース基板1201上に2次元配列されている。電極1203は、ITO(インジウム錫酸化物)等の透明性を有する電極であって、吸着ドット1202と触感生成部駆動回路220とに接続されている。
【0020】
このような構成において、触感生成部駆動回路220にそれぞれ接続されている電極1203を介してそれぞれの吸着ドット1202に印加する電圧を変化させることにより、図2(b)に示すようにして、それぞれの吸着ドット1202に帯電させる電荷量を吸着ドット毎に制御する。図2(b)に示す「0」は電圧を印加していない状態を示し、図2(b)に示す「+」は一定の電源電圧に対して正極性の電圧を印加した状態を示している。
【0021】
電圧印加がなされていない非帯電状態の吸着ドット1202に操作者の指Fが近接した場合、指Fと吸着ドット1202との間には、図2(c)に示すように何の力も作用しない。一方、電圧印加がなされた帯電状態の吸着ドット1202に操作者の指Fが近接した場合には、吸着ドット1202と指Fとの間の分極作用によって、図2(d)に示すように、指Fの吸着ドット1202との対向面側に吸着ドット1202の極性と逆極性の電荷が誘起される。このような作用により、吸着ドット1202と指Fとの間にはクーロン引力が発生し、指Fが吸着ドット1202の方に吸引される。ここで、図2(d)は、吸着ドット1202を正極性に帯電させた場合を示しており、図2(e)のように吸着される。吸着ドット1202を負極性に帯電させた場合であっても吸着ドット1202と指Fとの間にはクーロン引力が発生する。
【0022】
このように、図2に示す触感生成部120は、吸着ドット1202の単位でクーロン引力を発生することが可能である。このような構成により、触感生成部120は、クーロン引力が発生している吸着ドット1202とクーロン引力が発生していない吸着ドット1202との間で操作者の指Fに対する異なる触感を与える。
【0023】
図3は、本実施形態に係る接触入力装置の動作を示すフローチャートである。図3に示す動作は、制御部30によって制御される。
【0024】
接触入力装置の電源がオンされる等して、図3の動作が開始される。図3の動作が開始されると、制御部30は、まず、接触入力装置の動作状態を識別する(ステップS101)。その後、制御部30は、ステップS101において識別した動作状態に応じてタッチパネル110の接触検出面上に操作領域を設定する。そして、制御部30は、この操作領域に対応した表示パネル100の画面上に、操作領域に対応したボタンを示す画像(バーチャルボタン)を表示させるように表示パネル駆動回路200に命令する(ステップS102)。ここで、本実施形態における「バーチャルボタン」とはタッチパネル110によって操作され得るアイテムのことであり、必ずしも「ボタン」である必要はない。例えば、現在の動作状態が画面に表示させたファイルをタッチパネル110によって直接指定して選択させるような状態である場合には、画面に表示されているファイルを示す画像自体が本実施形態におけるバーチャルボタンに対応したものとなる。
【0025】
ボタンを示す画像を表示させた後、制御部30は、表示パネル100の画面上に表示させたボタン位置に対応した触感生成部120の吸着ドット1202に対して吸着力を与えるように触感生成部駆動回路220に命令する(ステップS103)。
【0026】
例えば図4(a)の参照符号1202aで示す領域にボタンを表示させた場合、このボタンの位置に対応した吸着ドット1202bを帯電させ、残りの吸着ドットは非帯電とする。同様に、参照符号1202aと異なる図4(b)の参照符号1202cで示す領域にボタンを表示させた場合、このボタンの位置に対応した吸着ドット1202dを帯電させ、残りの吸着ドットは非帯電とする。このように、本実施形態では、異なる触感を与える位置を操作領域の位置、即ちボタンの配置に応じて変更する。
【0027】
ボタン位置に対応した吸着ドット1202を帯電させた後、制御部30は、タッチパネル駆動回路210の出力信号から、タッチパネル110の接触検出面(触感生成部120)への操作者の指等の接触があったか否かを判定する(ステップS104)。ステップS104の判定において、タッチパネル110の接触検出面(触感生成部120)への操作者の指等の接触がない場合に、制御部30は、ステップS104の判定を行いつつ、待機する。
【0028】
また、ステップS104の判定において、タッチパネル110の接触検出面(触感生成部120)への操作者の指等の接触があった場合に、制御部30は、接触位置がボタンの位置であるか否かを判定する(ステップS105)。ステップS105の判定において、接触位置がボタンの位置でない場合に、制御部30は、処理をステップS104に戻す。
【0029】
また、ステップS105の判定において、接触位置がボタンの位置であった場合に、制御部30は、内蔵のクロックを用いて接触時間のカウントを開始する(ステップS106)。その後、制御部30は、接触位置に対応したボタンの機能を示す情報を操作者に通知する(ステップS107)。この通知は、視覚を利用した通知以外の通知とする。例えば、音声出力部60を利用した音声による通知や、振動発生部70を利用した触感生成部120のベース基板1201を通知すべき情報に対応した振動パターンで振動させることによる通知とする。また、ステップS107において通知する情報は、ボタンの名称を示す情報やボタンを操作することによって実行される処理の内容を示す情報等である。
【0030】
ここで、ステップS106及びS107の処理中においては、操作者の指等は、帯電状態の吸着ドット1202に接触している。この場合、操作者の指等には吸着力が作用しており、この吸着力により、操作者は、現在の接触位置がボタンの位置であることを、表示パネル100の画面を確認しなくとも知ることが可能である。また、音声による通知や振動による通知によってボタンの情報を操作者に通知することにより、操作者は、現在の接触位置に対応したボタンの名称や機能を表示パネル100の画面を確認しなくとも知ることが可能である。
【0031】
ボタンの情報の通知を行った後、制御部30は、接触時間が一定時間となったか、即ち接触時間のカウントが一定時間となったか否かを判定する(ステップS108)。ステップS108の判定において、接触時間が一定時間となっていない場合、制御部30は、タッチパネル駆動回路210の出力信号から、操作者の指等の接触が解除されたか否かを判定する(ステップS109)。ステップS109の判定において、操作者の指等の接触が解除されていない場合、制御部30は、処理をステップS108に戻す。
【0032】
また、ステップS108の判定において、接触時間が一定時間となった場合、制御部30は、その接触位置に対応したボタンが押されたことを操作者に通知する(ステップS110)。この通知も、視覚を利用した通知以外の通知とする。ただし、振動発生部70を利用して通知を行う場合には、ボタンの情報を通知したときとは異なる振動パターンでベース基板1201を振動させる。ここで、ステップS108〜S110ではバーチャルボタン位置への一定時間の接触があった場合にボタンが押されたと判定するようにしている。
これに限らず、ボタンの機能を示す情報を操作者に通知(ステップS107)した後、所定の時間内にボタンへの接触が解除された場合に押されたと判定するようにしても良い。
また、ボタンの情報の通知(ステップS107)を行った後、所定の時間内にボタン位置をタップ(叩く)する操作がなされた場合に押されたと判定するようにしても良い。
【0033】
ボタンが押されたことを通知した後、制御部30は、押されたボタンに対応した動作を実行させる(ステップS111)。動作の実行後、制御部30は、処理をステップS101に戻す。
【0034】
以上説明したように、本実施形態によれば、ステップS101において識別された動作状態に応じて設定された操作領域(ボタン)の位置に対応した吸着ドット1202を帯電状態とすることで、タッチパネル110におけるボタン位置とその他の位置とで異なる触感を与えることが可能である。これにより、ボタンの配置の自由度を低下させずに、かつ、操作者は、表示パネル100の画面を確認しなくともボタンの位置を知ることが可能である。また、音声による通知や振動による通知によってボタンの情報を操作者に通知することにより、操作者は、現在の接触位置に対応したボタンの名称や機能を表示パネル100の画面を確認しなくとも知ることが可能である。
【0035】
また、本実施形態では、触感生成部120を、透明性を有する材料によって構成しているので、表示パネル100に表示される画像の視認性への影響も抑制することが可能である。
【0036】
ここで、上述の例では触感生成部120は、吸着ドットの位置によってクーロン力を異ならせることによって異なる触感を与えるようにしている。これに対し、例えば図5で示すような構造によって異なる触感を与えるようにしても良い。図5は、触感生成部120の第2の構成例を示す図である。図5(a)に示すように、第2の構成例の触感生成部120は、ベース基板1205と、吸引孔1206と、マイクロチャネル1207と、マイクロバルブ1208と、マイクロバルブ用電極1209と、マイクロポンプ1210と、を有している。
【0037】
ベース基板1205は、ガラス等の透明性を有する材料によって構成されており、表面に吸引孔1206が形成されてタッチパネル110の接触検出面の上に配置されている。マイクロチャネル1207は、吸引孔1206に一体的に形成されている。マイクロバルブ1208は、マイクロチャネル1207内に進退自在に構成されている。マイクロバルブ1208がマイクロチャネル1207内に進入した場合にマイクロチャネル1207が閉状態となり、吸引孔1206からマイクロチャネル1207への空気の流入が停止される。マイクロバルブ1208がマイクロチャネル1207内から退避した場合にマイクロチャネル1207が開状態となり、吸引孔1206からマイクロチャネル1207への空気の流入が開始される。マイクロバルブ用電極1209は、マイクロバルブ1208を駆動するための透明性を有する電極であって、触感生成部駆動回路220からの電圧印加によってマイクロバルブ1208を駆動する。マイクロポンプ1210は、マイクロチャネル1207内に吸引孔1206からマイクロチャネル1207に向かう吸引力を発生させる。
【0038】
このような構成において、触感生成部駆動回路220にそれぞれ接続されているマイクロバルブ用電極1209を介してマイクロバルブ1208を図5(b)に示すA方向に駆動させることにより、マイクロチャネル1207を介して吸引孔1206に吸引力を発生させたり、停止させたりする。
【0039】
マイクロバルブ1208が閉じている状態の吸引孔1206に操作者の指Fが近接した場合には、図5(c)に示すようにして、指Fにはマイクロポンプ1210からの吸引力は作用しない。一方、マイクロバルブ1208が開いている状態の吸引孔1206に操作者の指Fが近接した場合には、図5(d)に示すようにして、指Fにはマイクロポンプ1210からの吸引力が作用する。
【0040】
このように、図5に示す触感生成部120は、吸引孔1206の単位で吸引力を発生することが可能である。このような構成により、触感生成部120は、吸引力が発生している吸引孔1206と吸引力が発生していない吸引孔1206との間で操作者の指Fに対する異なる触感を与える。このような構成の触感生成部120であっても上述したのと同様の効果が得られる。
【0041】
また、上述の例では、タッチパネル110と触感生成部120とを別体として構成しているが、図6に示すように、タッチパネル110と触感生成部120とを一体的に構成するようにしても良い。
【0042】
以上実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。
【0043】
さらに、上記した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適当な組合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、上述したような課題を解決でき、上述したような効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。
【0044】
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0045】
[1]
接触検出面を有し、前記接触検出面への接触を検出する接触入力検出部と、
前記接触検出面上に操作領域を設定する操作領域設定部と、
前記接触検出面上に設けられ、前記操作領域と前記操作領域以外の領域との間で異なる触感を与える触感生成部と、
を具備することを特徴とする接触入力装置。
[2]
前記触感生成部を駆動する駆動部をさらに備え、
前記触感生成部は、
前記接触検出面上に設けられ、前記駆動部からの電圧の印加によって帯電する帯電部と、
前記帯電部に電圧を印加する駆動部と、
前記帯電部と前記駆動部とを接続する電極と、
を有し、
前記駆動部は、前記操作領域に対応した位置に配置されている前記帯電部を帯電させ、前記操作領域以外の領域に対応した位置に配置されている前記帯電部を帯電させないように前記帯電部を駆動することを特徴とする[1]に記載の接触入力装置。
[3]
前記触感生成部を駆動する駆動部をさらに備え、
前記触感生成部は、
孔部が形成された基板と、
前記孔部に接続されたチャネル部と、
前記チャネル部内に進退自在に配置され、前記チャネル部内を開状態又は閉状態とするバルブ部と、
前記バルブ部を前記チャネル部内に進退させる駆動部と、
前記バルブ部と前記駆動部とを接続する電極と、
前記チャネル部内に配置され、前記チャネル部内に吸引力を発生させるポンプ部と、
を有し、
前記駆動部は、前記操作領域に対応した位置に対応したチャネル部内に前記バルブ部を進入させて前記チャネル部内を開状態とし、前記操作領域以外の領域に対応した位置に対応したチャネル部内から前記バルブ部を退避させて前記チャネル部内を閉状態とするように前記バルブ部を駆動することを特徴とする[1]に記載の接触入力装置。
[4]
前記接触検出面上の前記操作領域への接触があった場合に、前記操作領域に対応した動作を実行させる制御部をさらに備えることを特徴とする[1]に記載の接触入力装置。
[5]
前記制御部は、前記操作領域への接触があった場合に、前記操作領域に対応した情報を当該接触入力装置の操作者に通知することを特徴とする[4]に記載の接触入力装置。
[6]
前記制御部は、音声によって前記操作領域に対応した情報を当該接触入力装置の操作者に通知することを特徴とする[5]に記載の接触入力装置。
[7]
前記触感生成部を振動させる振動部をさらに具備し、
前記制御部は、前記振動部を前記操作領域に対応した振動パターンで振動させることによって前記操作領域に対応した情報を当該接触入力装置の操作者に通知することを特徴とする[5]に記載の接触入力装置。
[8]
前記接触入力検出部と前記触感生成部とは一体化されていることを特徴とする[1]乃至[7]の何れか1項に記載の接触入力装置。
【符号の説明】
【0046】
10…表示部、20…駆動部、30…制御部、40…ROM、50…RAM、60…音声出力部、70…振動発生部、80…操作部、100…表示パネル、110…タッチパネル、120…触感生成部、200…表示パネル駆動回路、210…タッチパネル駆動回路、220…触感生成部駆動回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接触検出面を有し、前記接触検出面への接触を検出する接触入力検出部と、
前記接触検出面上に操作領域を設定する操作領域設定部と、
前記接触検出面上に設けられ、前記操作領域と前記操作領域以外の領域との間で異なる触感を与える触感生成部と、
を具備することを特徴とする接触入力装置。
【請求項2】
前記触感生成部を駆動する駆動部をさらに備え、
前記触感生成部は、
前記接触検出面上に設けられ、前記駆動部からの電圧の印加によって帯電する帯電部と、
前記帯電部と前記駆動部とを接続する電極と、
を有し、
前記駆動部は、前記操作領域に対応した位置に配置されている前記帯電部を帯電させ、前記操作領域以外の領域に対応した位置に配置されている前記帯電部を帯電させないように前記帯電部を駆動することを特徴とする請求項1に記載の接触入力装置。
【請求項3】
前記触感生成部を駆動する駆動部をさらに備え、
前記触感生成部は、
孔部が形成された基板と、
前記孔部に接続されたチャネル部と、
前記チャネル部内に進退自在に配置され、前記チャネル部内を開状態又は閉状態とするバルブ部と、
前記バルブ部と前記駆動部とを接続する電極と、
前記チャネル部内に配置され、前記チャネル部内に吸引力を発生させるポンプ部と、
を有し、
前記駆動部は、前記操作領域に対応した位置に対応したチャネル部内に前記バルブ部を進入させて前記チャネル部内を開状態とし、前記操作領域以外の領域に対応した位置に対応したチャネル部内から前記バルブ部を退避させて前記チャネル部内を閉状態とするように前記バルブ部を駆動することを特徴とする請求項1に記載の接触入力装置。
【請求項4】
前記接触検出面上の前記操作領域への接触があった場合に、前記操作領域に対応した動作を実行させる制御部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の接触入力装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記操作領域への接触があった場合に、前記操作領域に対応した情報を当該接触入力装置の操作者に通知することを特徴とする請求項4に記載の接触入力装置。
【請求項6】
前記制御部は、音声によって前記操作領域に対応した情報を当該接触入力装置の操作者に通知することを特徴とする請求項5に記載の接触入力装置。
【請求項7】
前記触感生成部を振動させる振動発生部をさらに具備し、
前記制御部は、前記振動発生部を前記操作領域に対応した振動パターンで振動させることによって前記操作領域に対応した動作の内容を示す情報を当該接触入力装置の操作者に通知することを特徴とする請求項5に記載の接触入力装置。
【請求項8】
前記接触入力検出部と前記触感生成部とは一体化されていることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の接触入力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−73601(P2013−73601A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−214714(P2011−214714)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】