説明

推奨情報提示システムおよび写真シール機

【課題】WEBサイトをあまり利用しない人に対してもその人に合ったお奨め情報を提示可能な推奨情報提示システムを実現する。
【解決手段】写真シール機10Aは、写真シール機10Aが設置されている店舗に訪問した訪問者Aが所有する非接触式ICカードのID情報と上記店舗が属する地域を示す地域識別値とをサーバに送信し、サーバ100は、訪問者Aの行動履歴テーブルの1レコードとしてID情報と上記地域識別値とを記録し、サーバ100は、行動履歴テーブルの中に上記地域識別値として「渋谷」が最も多く含まれている場合、渋谷に所在地がある店舗をお奨めの店舗として訪問者Aに提示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗の訪問者に対してお奨めの情報を提示する推奨情報提示システムに関する。また、本発明は、写真シール機に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネット利用者の増加およびWEBサイトの多機能化に伴い、単に、情報発信者が一方的に情報を発信するWEBサイトは少数派となり、情報発信者からの情報に関して、閲覧者同士でコメントを残したりすることが可能なコミュニティ型のWEBサイトが一般的になっている。
【0003】
コミュニティ型のWEBサイトとしては、例えば、商品や商品を提供するお店等についてサイト閲覧者同士で評価するタイプのサイトがあり、閲覧者は他の閲覧者の商品やお店等に対する評価を参酌して、購入すべき商品、および、訪問すべきお店を決定することができる。そのようなWEBサイトの中には、例えば特許文献1および2に記載されているようなソーシャルネットワーキングサービスシステムを用いて構築されたSNSサイトも存在する。
【0004】
また、オンラインショッピングモールや飲食店検索等のWEBサイトの中には、例えば特許文献3〜5に開示されているように、ユーザの嗜好(個人情報として登録される嗜好情報や、商品の閲覧状況(例えば、特許文献6の技術を用いて検索された商品情報)および購買状況、訪問した店舗の情報等)を解析し、そのユーザに対してお奨めの商品や店舗等の情報を自動的に提示する機能を備えたサイトも存在する。このような情報はユーザの嗜好に基づいて提示されたものであり、ユーザが購入すべき商品および訪問すべき店舗を決定する上で重要な情報である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許4492945号公報(2006年1月26日公開)
【特許文献2】特開2007−287131号公報(2007年11月1日公開)
【特許文献3】特開2001−282807号公報(2001年10月12日公開)
【特許文献4】特開2006−59257号公報(2006年3月2日公開)
【特許文献5】特開4129127号公報(2002年6月7日公開)
【特許文献6】特開2006−285654号公報(2006年10月19日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の構成は、ユーザのWEBサイト上での行動だけに基づいて、お奨めの商品や店舗等を提示するものであるため、WEBサイトを利用しないユーザにはそのユーザが興味を持っている商品等の情報を提供できないという問題がある。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みて成されたものであり、その主な目的は、WEBサイトをあまり利用しない人に対してもその人に合ったお奨め情報を提示可能な推奨情報提示システムを実現することにある。また、そのような推奨情報提示システムの一部として動作する写真シール機を実現することも本発明の目的の一つである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る推奨情報提示システムは、上記課題を解決するために、実店舗に設置されている機器と、上記実店舗の訪問者の行動情報を解析することで当該訪問者にお奨めの情報を出力するサーバと、を含み、上記機器が、上記訪問者を識別するための訪問者識別情報を取得する取得手段と、上記訪問者識別情報で識別される訪問者の上記実店舗での行動に応じた行動情報を作成する作成手段と、当該行動情報を当該訪問者識別情報と共に上記サーバに送信する送信手段と、を備え、上記サーバが、訪問者識別情報で識別される訪問者の行動履歴情報の一部として、上記機器から当該訪問者識別情報と共に送信された行動情報を記録する記録手段と、上記訪問者の行動履歴情報を解析することで出力した上記お奨めの情報を当該訪問者に提示する提示手段と、を備えていることを特徴としている。
【0009】
上記の構成によれば、本発明に係る推奨情報提示システムは、上記実店舗の訪問者の行動情報を解析することで当該訪問者にお奨めの情報を出力する。具体的には、上記機器が上記訪問者を識別するための訪問者識別情報とその訪問者の行動情報とをサーバに送信し、上記サーバが、その訪問者の行動履歴情報の一部として上記行動情報を記録し、その訪問者の行動履歴情報を解析することで出力した上記お奨めの情報をその訪問者に提示する。
【0010】
したがって、本発明に係る推奨情報提示システムは、WEBサイトをあまり利用しない人に対してもその人に合ったお奨め情報を提示可能であるという効果を奏する。
【0011】
本発明に係る推奨情報提示システムでは、上記サーバがアクセス可能な記憶装置に、実店舗に関する情報として、上記実店舗の所在地が属する地域を識別するための地域識別値が記録されており、上記作成手段が、上記行動情報として、上記地域識別値を含んだ行動情報を作成するように構成されており、上記提示手段が、上記お奨めの情報としてお奨めの店舗を提示するように構成されており、上記提示手段は、上記行動履歴情報に含まれている上記地域識別値の最頻値に等しい地域識別値が上記実店舗に関する情報として上記記憶装置に記録されている実店舗を上記お奨めの店舗として提示する、ことが望ましい。
【0012】
上記の構成によれば、本発明に係る推奨情報提示システムは、上記訪問者がしばしば訪問する地域の店舗をお奨めの店舗として提示する。したがって、本発明に係る推奨情報提示システムは、より高い確率で訪問者をお奨めの店舗に誘導させることができるというさらなる効果を奏する。
【0013】
本発明に係る推奨情報提示システムは、仮想店舗が構築されている装置であって、訪問者の当該仮想店舗での行動に応じた行動情報と当該訪問者を識別するための訪問者識別情報とを上記サーバに送信する装置をさらに含み、上記記録手段が、訪問者識別情報で識別される訪問者の行動履歴情報の一部として、上記装置から当該訪問者識別情報と共に送信された行動情報を記録するように構成されている、ことが望ましい。
【0014】
上記の構成によれば、訪問者の行動履歴情報には、その訪問者の実店舗での行動に応じた行動情報と仮想店舗での行動に応じた行動情報との両方の行動情報が履歴として含まれることになる。また、本発明に係る推奨情報提示システムは、そのような行動履歴情報を解析することで訪問者に対するお奨め情報を出力する。
【0015】
したがって、本発明に係る推奨情報提示システムは、仮想店舗も実店舗も利用する利用者に対しては、その利用者に一層適したお奨め情報を提示することができるというさらなる効果を奏する。
【0016】
本発明に係る推奨情報提示システムは、上記サーバが、上記実店舗が混雑しているか否かを判定する状況判定手段をさらに備え、上記提示手段が、上記状況判定手段が混雑していないと判定した実店舗だけを上記お奨めの店舗として提示するように構成されている、が望ましい。
【0017】
上記の構成によれば、本発明に係る推奨情報提示システムは、混雑していない実店舗をお奨めの店舗として提示するので、上記お奨めの店舗の稼働率を効果的に上げることができるというさらなる効果を奏する。
【0018】
本発明に係る推奨情報提示システムは、上記機器が写真シール機であり、上記作成手段が、上記行動情報として、写真シールを作成する過程における上記訪問者の行動を特定可能な行動情報を作成するように構成されていることが望ましい。
【0019】
上記サーバがアクセス可能な記憶装置に上記訪問者のメールアドレスが記録されており、上記提示手段は、上記お奨めの店舗を示す記述を含むメールを上記訪問者のメールアドレス宛てに送信することで、上記お奨めの店舗を上記訪問者に提示することが望ましい。
【0020】
なお、本発明は、実店舗に設置されている写真シール機であって、上記実店舗の訪問者を識別するための訪問者識別情報を取得する取得手段と、上記訪問者識別情報で識別される訪問者の上記実店舗での行動に応じた行動情報を作成する作成手段と、当該行動情報を当該訪問者識別情報と共にサーバに送信する送信手段と、を備えていることを特徴とする写真シール機としても実現できる。
【0021】
すなわち、本発明に係る写真シール機が訪問者識別情報と行動情報とを送信する送信先のサーバとして、上記実店舗の訪問者の行動情報を解析することで当該訪問者にお奨めの情報を出力するサーバであって上記記録手段と上記提示手段とを備えたサーバを指定することで、本発明に係る推奨情報提示システムの一部として動作する写真シール機を実現することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る推奨情報提供システムは、WEBサイトをあまり利用しない人に対してもその人に合ったお奨め情報を提示できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る店舗誘導システムの全体構成を示した図である。
【図2】図2は、図1の店舗誘導システムに含まれる各店舗の設置機器の要部構成を示したブロック図である。(a)は写真シール機の要部構成を示しており、(b)は遊技機の要部構成を示しており、(c)はレジの要部構成を示している。
【図3】図3は、図1の店舗誘導システムに含まれる解析サーバの要部構成を示したブロック図である。
【図4】図4は、図1の店舗誘導システムの登録ユーザが所有する携帯端末の要部構成を示したブロック図である。
【図5】図5は、図1の店舗誘導システムの動作を示すアクティビティ図である。
【図6】図6は、行動履歴テーブルの内容を例示した図である。
【図7】図7は、店舗情報テーブルの内容を例示した図である。
【図8】図1の店舗誘導システムにおいて各店舗でのユーザの行動を表す行動情報が解析サーバに集約されることを示したイメージ図である。
【図9】図9は、解析サーバから送信されるメッセージを例示した図である。(a)は写真シール機のディスプレイに表示されるメッセージであり、(b)および(c)は携帯端末のディスプレイに表示されるメッセージである。
【図10】図10は、店舗情報テーブルの営業繁忙時間帯がどのように更新されるかを説明するための図である。
【図11】図11は、図1の店舗誘導システムの別の動作を示すアクティビティ図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
〔実施形態1〕
本発明の一実施形態に係る店舗誘導システムについて図面を参照しながら説明すれば以下の通りである。
【0025】
本実施形態に係る店舗誘導システムは、業種の異なる複数の店舗に設置されている機器(以下では「設置機器」とも称する)と、各機器と通信可能に接続されている解析サーバ(特許請求の範囲の「サーバ」に対応)と、を含んでいる。
【0026】
図1は本実施形態に係る店舗誘導システム1の全体構成を概略的に示したブロック図である。図1に示すように、本実施形態では、アミューズメント施設、衣料品店、ドラッグストアおよび飲食店を上記業種の例として用いている。
【0027】
また、図7の店舗情報テーブル(詳細については後述する)に示したように、本実施形態では、上記機器を設置している店舗が、アミューズメント施設、衣料品店、ドラッグストアの各業種について複数存在する。また、各業種の複数の店舗は、その所在地が(例えば、渋谷、新宿、池袋等)様々である。さらに、同じ業種の店舗であっても、主要取扱品が異なっている。例えば、図7からわかるように、ドラッグストアAでは主に美容・化粧品を取り扱っており、ドラッグストアCでは主に日用品を取り扱っている。
【0028】
アミューズメント施設の各店舗には、上記設置機器として写真シール機および遊技機の少なくとも一方の機材が1台以上設置されている。各写真シール機および各遊技機は、非接触式ICカードおよび非接触式ICチップを搭載した携帯端末での決済にも対応している。
【0029】
本実施形態では、写真シール機Aおよび写真シール機Bが、それぞれ、新宿にある店舗Wおよび店舗Zに設置されており、写真シール機Cが渋谷にある店舗に設置されている。また、遊技機Aおよび遊技機Bが、それぞれ、原宿にある店舗Hおよび店舗Iに設置されており、遊技機Cが池袋にある店舗Jに設置されている。
【0030】
衣料品店、ドラッグストアおよび飲食店の各店舗には、上記設置機器として、非接触式ICカード等で決済可能なレジが設置されている。
【0031】
本実施形態では、衣料品店Aおよび衣料品店Bは新宿にある店舗であり、衣料品店Cは渋谷にある店舗である。また、ドラッグストアAは原宿にある店舗であり、ドラッグストアBは渋谷にある店舗であり、ドラッグストアCは池袋にある店舗である。
【0032】
なお、上記非接触式ICカードは、店舗誘導システム1の利用契約を結んでいる各店舗において訪問者に発行されるカードである。非接触式ICカードの発行を希望する訪問者が発行に必要な個人情報(年齢、メールアドレス等)を店舗に提示すると、訪問者はシステム1のユーザとして登録される。すなわち、ICチップ内に訪問者の個人情報が登録された非接触式ICカードが訪問者に対して発行され、解析サーバが備える個人情報テーブルに個人情報と発行された非接触式ICカードのカードIDとが登録される。
【0033】
また、携帯電話などの訪問者の携帯端末から個人情報を入力することで店舗誘導システム1にユーザ登録することも可能である。ユーザ登録がされると、解析サーバが備える個人情報テーブルに個人情報が登録され、携帯端末のICチップ内にも個人情報が記録される。
【0034】
最初に各設置機器の構成について図2を参照して説明する。
【0035】
図2は設置機器の要部構成を示すブロック図である。図2(a)は写真シール機の要部構成を示しており、図2(b)は遊技機の要部構成を示しており、図2(c)はレジの要部構成を示している。
【0036】
図2(a)に示すように、写真シール機10Aは、ICカード読み取り部11、表示部12A、通信部13、制御部14A、および撮像部15を備えている。
【0037】
(ICカード読み取り部11)
ICカード読み取り部11は、ユーザが商品またはサービスを購入するために接近させた非接触式ICカードのICチップに記録されている各種データ(例えばカードID(特許請求の範囲の「訪問者識別情報」に対応)を読み取るリーダーである。
【0038】
(表示部12A)
表示部12Aには、ユーザを撮影するための撮影モード(カップルモード、フレンドモード、ファミリーモード等)を指定する撮影メニュー画面や合成用の画像フレームを選択して写真を編集するための編集画面といった各種画面が表示されるタッチパネル式のディスプレイである。表示部12Aには、事前接客画面や事後接客画面等も表示される。
【0039】
(通信部13)
通信部13は、解析サーバとの間で通信を行う通信インタフェースである。
【0040】
(制御部14A)
制御部14Aは、写真シールの印刷が完了したことをトリガとして、撮影モードや編集の際に使用するスタンプ画像、撮影画像の解析内容(撮影画像に写っている各人の間柄(カップル、友人、知人等)、撮像画像の色味等といった、写真シールを作成する過程における上記訪問者の行動を特定可能な情報)、ICカードの読み取り時刻、店舗名、設置場所(店舗が属する地域の地域情報、特許請求の範囲の「地域識別値」に対応)等の各情報を作成する。制御部14Aは、ユーザが所有するICカードのカードIDおよびメールアドレスとともに、作成した各情報を解析サーバに送信するよう通信部13を制御する。なお、各情報は特許請求の範囲の「行動情報」に対応する。例えば、写真シール機のユーザがポップな服を着ている場合には撮像画像の色味が明るくなり、ユーザがシックな服を着ている場合には撮像画像の色味が暗くなるので、撮像画像の色味は、写真シールの作成中にユーザがどのような服を着ているかという、ユーザの行動情報を表していると言える。
【0041】
(撮像部15)
撮像部15は、表示部12で指定された撮影モードに応じた撮影パラメータを用いて撮影するカメラである。
【0042】
また、図2(b)に示すように、遊技機10Bは、ICカード読み取り部11、通信部13、制御部14Bおよび操作パネル部17を備えている。
【0043】
ICカード読み取り部11、通信部13の機能は、写真シール機10Aが備えるICカード読み取り部11、通信部13の機能と同じである。
【0044】
(制御部14B)
制御部14Bは、決済のためにユーザが接近させたICカードをICカード読み取り部11が読み取ったことをトリガとして、カードIDの読み取り時刻、店舗名、設置場所等の各情報を作成する。また、制御部14Bは、ユーザが所有するICカードのカードIDおよびメールアドレスとともに、作成した各情報を解析サーバに送信するよう通信部13を制御する。
【0045】
(操作パネル部17)
操作パネル部17は、遊戯者が遊技機を操作するための操作部である。
【0046】
また、図2(c)に示すように、レジ10Cは、ICカード読み取り部11、表示部12C、通信部13、および制御部14Cを備えている。
【0047】
ICカード読み取り部11および通信部13の機能は、遊技機10Bが備えるICカード読み取り部11および通信部13の機能と同じである。
【0048】
(表示部12C)
表示部12Cには、ユーザが注文した商品の金額が表示される。
【0049】
(制御部14C)
制御部14Cは、決済のためにユーザが接近させたICカードをICカード読み取り部11が読み取ったことをトリガとして、ユーザが注文した商品の金額分だけICカードの残高を減らす。そして、制御部14Cは、残高を減らすと同時に、カードIDの読み取り時刻、店舗名、店舗が属する地域の地域情報等を作成し、ユーザが所有するICカードのカードIDおよびメールアドレスとともに、作成した各情報を解析サーバに送信するよう通信部13を制御する。
【0050】
以上、各設置機器の構成について説明したが、次に、解析サーバの構成について図3を参照しながら以下に説明する。
【0051】
図3は、解析サーバの要部構成を示すブロック図である。
【0052】
図3に示すように、解析サーバ100は、記憶部110(特許請求の範囲における「記憶装置」に対応)、記録制御部120(特許請求の範囲における「記録手段」に対応)、解析部130および通信部140を備えている。
【0053】
(記憶部110)
記憶部110には、ユーザ毎に当該ユーザの行動履歴を示す履歴テーブルが記録されている。また、記憶部110には、ユーザの個人情報(カードID、メールアドレス等)を保持する個人情報テーブル、および、各店舗に関する店舗情報を保持する店舗情報テーブルが記録されている。新規の店舗が店舗誘導システム1の利用契約を結ぶと、解析サーバ100の管理者の手作業によって、その店舗の店舗情報が店舗情報テーブルに登録される。
【0054】
(記録制御部120)
記録制御部120は、店舗に訪問したユーザの訪問者識別情報とそのユーザの行動情報とを通信部140が受信したことをトリガとして、訪問者識別情報で識別されるユーザの行動履歴テーブル(行動履歴情報)を更新する。具体的には、記録制御部120は、訪問者識別情報とともに受信した行動情報を、新規履歴レコードとして行動履歴テーブルに追加する。
【0055】
(解析部130)
解析部130は、ユーザの履歴テーブルを解析することで、そのユーザにお奨めの情報を出力する。解析部130は、出力したお奨めの情報をユーザに提示するよう通信部140を制御する。解析部130は、例えば、通信部140を介して、個人情報テーブルに登録されているユーザのメールアドレス宛てにお奨めの情報に関する記述を含むメールを送信する。
【0056】
(通信部140)
通信部140は、各店舗の設置機器との間で通信を行う通信インタフェースである。
【0057】
以上、解析サーバ100の構成について説明したが、次に、携帯端末300の構成について図4を参照しながら説明する。図4は、携帯端末300の要部構成を示すブロック図である。
【0058】
図4に示すように、携帯端末300は、2次元コード読取部310、近接通信部320、表示部330、携帯無線通信部340および制御部350を備えている。
【0059】
(2次元コード読取部310)
2次元コード読取部310は、カメラを内部に備えており、カメラでの撮像により得られる撮像画像の2次元コードを認識する。2次元コード読取部310は、認識した2次元コードから文字列をデコードする。
【0060】
(近接通信部320)
近接通信部320は、ICカードリーダ/ライタとの間で通信を行う通信インタフェースであり、非接触ICチップを備えている。
【0061】
(表示部330)
表示部330は、お奨めの情報に関する記述を含むメールが表示されるディスプレイである。
【0062】
(携帯無線通信部340)
携帯無線通信部340は、キャリアの通信網を介して情報の送受信を行うための通信インタフェースである。
【0063】
(制御部350)
制御部350は、2次元コード読取部310〜携帯無線通信部340の各部を制御する。
【0064】
(店舗誘導システム1の動作について)
次に、決済のために携帯端末300を写真シール機10AのICカード読み取り部11に接近させた場合における店舗誘導システム1(推奨情報提供システム)の動作について図5を参照しながら以下に説明する。図5は、本実施形態に係る店舗誘導システム1の動作を示すアクティビティ図である。
【0065】
図5に示すように、遊戯者が携帯端末300をICカード読み取り部11に接近させると(S1)、写真シール機10AのICカード読み取り部11は、近接通信部320内の非接触ICチップに登録されている遊戯者の個人情報(端末ID、メールアドレス等)を読み取る(S2)。所定の長さの検知期間が満了する(S3において〔検知期間満了〕)まで、他の遊戯者が携帯端末300をICカード読み取り部11に接近させる度にS2の処理が行われる。例えば、検知期間が満了するまでに、3人の友人同士が各自の携帯端末300をICカード読み取り部11に接近させた場合、メールアドレスなどの個人を特定する情報である3人の個人情報が読み取られる。
【0066】
検知期間が満了した後、写真シールの作成(S4)が完了すると、制御部14Aは、S2にて読み取られた各人の個人情報(メールアドレス等)と行動情報(写真シールの作成のために選択された撮影コースや合成用画像のジャンル等)とを、通信部13を介して解析サーバ100に送信する(S5)。
【0067】
記録制御部120は、通信部140を介して各個人情報(メールアドレス等)と行動情報とを受信する(S6)。そして、記録制御部120は、受信した各個人情報について、当該個人情報で識別される遊戯者の行動履歴テーブルが存在する(すなわち、その遊戯者が店舗誘導システム1のユーザである)場合には、その行動履歴テーブルを更新する(S7)。具体的には、個人情報とともに受信した行動情報を、行動履歴テーブルの新規履歴レコードとして追加する。より具体的に言えば、行動情報を構成する各構成要素(具体的には「媒体」「機器種別」「機器No」「設置場所」「設置店舗名」「非接触ICカードの読み取り時間」「撮影コース」「合成画像ジャンル」)の値が新規履歴レコードの対応するフィールドの値となるように、新規履歴レコードを追加する。新規履歴レコードを追加した直後の行動履歴テーブルを図6に例示する。図6の行動履歴テーブルにおいて「媒体」が「写真シール機C」であるレコードが新規履歴レコードに該当する。
【0068】
S7の後、記録制御部120は、個人情報が読み取られた各遊戯者がユーザ登録されているか否かを確認する(S8)。具体的には、各遊戯者の行動履歴テーブルがすべて存在するか、あるいは、いずれかの遊戯者の行動履歴テーブルが存在しないかを確認する。
【0069】
例えば有効期限切れ等が原因でいずれかの遊戯者がユーザ登録されていないと判定された場合(S8において〔ユーザ登録されていない人がいる〕)、記録制御部120は、ユーザ登録されていない遊戯者のメールアドレス宛てに会員登録手続き用のメールを送信する(S9)。
【0070】
S9の後、遊戯者が所有する携帯端末300は、携帯無線通信部340を介してS9にて送信されたメールを受信する(S10)。制御部350は、会員登録用サイトの送信ボタンが押下されると、携帯無線通信部340を介して、遊戯者によってサイト上で入力された会員登録用の個人情報を解析サーバ100に送信する(S11)。なお、会員登録用サイトのURLは、S10にて受信したメールの本文に記載されている。
【0071】
S11の後、記録制御部120は、携帯端末300から送信された会員登録用の個人情報を用いて遊戯者の行動履歴テーブルを新たに作成し(S12)、S14の処理に進む。
【0072】
一方、全遊戯者がユーザ登録されていると判定された場合(S8において〔各人がユーザ登録されている〕)、記録制御部120は、各遊戯者で構成されるグループが存在するか否かを判定する(S13)。
【0073】
そのようなグループは存在しないと判定された場合(S13において〔該当グループが存在しない〕)、記録制御部120は、各遊戯者のメールアドレス宛てにグループ登録手続き用のメールを送信する(S14)。
【0074】
S14の後、各遊戯者が所有する携帯端末300は、携帯無線通信部340を介して、S14にて送信されたメールを受信する(S15)。各携帯端末300は、メールの本文に記載されているグループ登録手続き用URLへのアクセス指示を受け付けると、携帯無線通信部340を介して当該URLのリクエストを解析サーバ100に送信する(S16)。
【0075】
S16の後、記録制御部120は、各携帯端末300からリクエストを受け付けた場合に、各遊戯者から構成される新規グループを登録し(S17)、処理を終了する。
【0076】
一方、各遊戯者で構成されるグループが存在すると判定された場合(S13において〔該当グループが存在する〕)、解析部130は、各遊戯者について、当該遊戯者の行動履歴テーブルを解析することで当該遊戯者へのお奨め店舗情報を出力するとともにお奨め店舗情報の記述が含まれるメールを当該遊戯者のメールアドレス宛てに送信する(S18)。なお、具体的な出力方法としては、本願出願時に周知の様々な方法を採用することができるが、お奨め店舗情報を出力する場合の望ましい出力方法を図6および図7を参照しながら以下に簡単に説明する。
【0077】
図7は、S18の処理を行う直前における店舗情報テーブルを例示した図である。図7からわかるように、店舗誘導システムに登録されている各店舗の店舗情報は、通常、店舗情報テーブル内の単一のレコードとして記録されている。また、店舗情報のレコードは、「媒体」「属性」「設置場所」「設置店舗名」「営業繁忙時間帯」「営業時間」「対象年齢層」「取扱品」の各フィールドから構成される。ここで、「対象年齢層」は、店舗の主な利用年齢層であり、「営業繁忙時間帯」は店舗が混雑している時間帯である。
【0078】
解析部130は、遊戯者の行動履歴テーブルを参照し、どの地域に属する店舗への訪問が一番多いかを解析する。換言すれば、解析部130は、当該行動履歴テーブルにおける「設置場所」フィールドの最頻値を求める。図6の例で言えば、解析部130は、渋谷にある店舗への訪問が一番多いと解析する。そして、解析部130は、遊戯者に対するお奨め店舗情報として、店舗情報テーブル内に記録されている店舗情報のうち、当該遊戯者の訪問の回数が最も多い地域に属する店舗の店舗情報を出力する。図6および図7の例で言えば、渋谷にあるY店、C店およびF店をお奨め店舗情報として出力する。このことからわかるように、解析部130は、訪問者が訪問した店舗の業種(図6および図7の例ではアミューズメント業)とは異なる業種の店舗(当該例において、ドラッグストア業であるF店)をお奨め店舗として出力することが可能になっている。
【0079】
なお、解析部130は、「設置場所」フィールドの最頻値だけでなく、「撮影コース」フィールドの最頻値を求めてもよい。そして、解析部130は、遊戯者に対するお奨め店舗情報として、店舗情報テーブルにおいて「属性」フィールドの値が上記最頻値に等しい店舗情報を出力してもよい。図6および図7の例で言えば、解析部130は、「撮影コース」フィールドの最頻値として「カップル」を得る。そして、解析部130は、遊戯者に対するお奨め店舗情報として、「属性」フィールドの値が「カップル」であるI店を出力する。すなわち、I店は遊戯者が一度も訪問していない地域に属する店舗であるものの、お奨め店舗情報として遊戯者に提示されることになる。
【0080】
以上説明したS18の処理の後、各遊戯者の携帯端末300は、当該遊戯者へのお奨め情報の記述が含まれるメールを受信し(S19)、処理を終了する。
【0081】
以上のように、本実施形態に係る店舗誘導システムでは、写真シール機を利用する各遊戯者に対し、その遊戯者に合ったお奨めの店舗情報が提示されることになる。
【0082】
なお、上記店舗誘導システムでは、写真シール機を一緒に利用する複数人の遊戯者から構成されるグループがシステムに登録されていることを、写真シール機を利用した際にお奨めの店舗情報が提示される条件としたが、特にそのような条件は設けなくともよい。
【0083】
また、上記店舗誘導システムにおいて、写真シール機10Aは、非接触ICカードを検出した場合、非接触ICカードのカードIDとメールアドレスとを含む個人情報を読み取って、解析サーバ100に送信してもよい。
【0084】
また、S18において、解析部130は、お奨め店舗情報の解析後すぐにお奨め店舗情報の記述を含むメールを送信することが望ましい。そのようにすることで、タイムリーな情報をユーザは得ることができるため、お奨めの店舗に訪問する意欲に一層かられるからである。
【0085】
(写真シール機が解析サーバに送信する行動情報のバリエーションについて)
写真シール機は、実店舗での行動情報として、写真シール機が設置されている店舗での非接触IC決済の利用状況(利用回数および利用金額)を示す情報、写真シール機に備わっている赤外線通信機能の利用回数等を解析サーバ100に送信してもよい。
【0086】
また、写真シール機は、実店舗での行動情報として、撮像画像に合成する合成用画像中の主要な色を示す色情報や撮像画像の編集にブランドコラボのスタンプを用いたか否かを示すフラグ等を解析サーバ100に送信してもよい。
【0087】
なお、写真シールには、店舗名が符号化された2次元コードが付されていてもよい。携帯端末300では、2次元コード読取部310が写真シール上に付された2次元コード(QRコード(登録商標)等)を読み取った場合に、制御部350が、行動情報として2次元コードを読み取ったことを示す情報と上記店舗名とを携帯無線通信部340を介して解析サーバ100に送信してもよい。また、制御部350は、これらとともに、端末IDおよびメールアドレスを解析サーバ100に送信してもよい。
【0088】
(解析サーバ100に送信されるその他の行動情報について)
遊技機10Bは、決済のために訪問者が接近させた携帯端末300の非接触ICチップをICカード読み取り部11が読み取ったことをトリガとして、端末IDおよびメールアドレスとともに、「媒体」「機器種別」「機器No」「設置場所」「設置店舗名」「非接触ICカードの読み取り時間」を実店舗での行動情報として解析サーバ100に送信してもよい。
【0089】
また、遊技機10Bとしてクレーンゲーム機を採用してもよく、クレーンゲーム機内の景品には、店舗名が符号化された2次元コードが記載されたタグが付けられていてもよい。携帯端末300では、2次元コード読取部310が2次元コード(QRコード等)を読み取った場合に、制御部350が、行動情報として、2次元コードを読み取ったことを示す情報と上記店舗名とを携帯無線通信部340を介して解析サーバ100に送信してもよい。また、制御部350は、これらとともに、端末IDおよびメールアドレスを解析サーバ100に送信してもよい。
【0090】
ドラッグストアや衣料品店等に設置されているレジ10Cは、決済のために訪問者が接近させた携帯端末300の非接触ICチップをICカード読取書込部11’が読み取ったことをトリガとして、端末IDおよびメールアドレスとともに、実店舗での行動情報として、レシート情報や購入タグ情報等を解析サーバ100に送信してもよい。
【0091】
また、店舗が管理する店舗サーバ(図示せず)は、広告メールやアンケートメール等のメールを店舗の利用者の携帯端末300に配信してもよい。利用者が広告メールを開くと、携帯端末300は広告メールにアクセスした旨を示す返信メールをサーバに返信してもよい。この場合、返信メールを受信した店舗サーバは、利用者のメールアドレスとともに、行動情報として、広告メールにアクセスした旨を示す情報を解析サーバ100に送信してもよい。
【0092】
また、利用者がアンケートメールに回答を記載して返信した場合、返信メールを受信した店舗サーバは、利用者のメールアドレスととともに、行動情報として、アンケートメールに対する回答を解析サーバ100に送信してもよい。
【0093】
なお、本実施形態に係る店舗誘導システム1では、解析サーバ100は、実店舗に関する行動情報だけでなく、仮想店舗(オンライン店舗)での行動情報を取得してもよい。例えば、携帯サイトである仮想店舗のWEBサーバ(図示せず)が、アクセスしてきた携帯端末300から、携帯端末300の端末ID(UID)および会員ID(ログインID)を取得してもよい。そして、WEBサーバは、端末IDおよび会員IDとともに、仮想店舗での行動情報として、ログイン時間(ログインからログアウトまでの経過時間)を解析サーバ100に送信してもよい。
【0094】
携帯端末300は、雑誌の広告ページに印刷されている2次元コード(具体的には、広告商品を販売している店舗名が符号化された2次元コード)を読み取った場合に、端末IDおよびメールアドレスとともに、行動情報として、2次元コードを読み取ったことを示す情報と上記店舗名とを解析サーバ100に送信してもよい。
【0095】
以上のように、媒体に対するユーザのアクションから行動情報が生成されるが、そのような媒体には様々なものがあること、および、各種行動情報が行動履歴テーブル内に集約されることがわかる。なお、各種行動情報が行動履歴テーブルに集約されることをイメージとして表した図面を図8として添付しておく。
【0096】
(付記事項1)
図7の店舗情報テーブルは、すべての店舗が異なる系列の店舗であることを想定した具体例であるが、店舗情報テーブルには、同一系列の複数の店舗に関する複数の店舗レコードが含まれていてもよい。そして、解析サーバ100は、訪問者の行動履歴テーブルを参照して訪問者の嗜好を解析し、上記複数の店舗の中から訪問者の嗜好に合った商品を取り扱っている店舗を抽出してお奨め店舗として提示してもよい。
【0097】
(付記事項2)
上記実施形態では、解析サーバ100が、訪問者の行動履歴テーブルの全レコードを解析の対象として解析を行うことで、その訪問者に対するお奨め情報を提示するものとしたが、本発明はこれに限られない。解析サーバ100は、訪問者の行動履歴テーブル中の最新レコードだけを解析対象として解析を行うことで、お奨め情報を提示してもよい。
【0098】
図6および図7の例に則して言えば、図6において媒体フィールドが「写真シール機」であり設置場所フィールドが「新宿」であるレコードが最新レコードである。この場合、解析サーバ100は、図7の店舗情報テーブルにおける各店舗の中から、店舗レコードの設置場所フィールドが「新宿」であるW店、Z店、A店、B店、D店をお奨め店舗として提示する。
【0099】
(付記事項3)
写真シール機10Aの表示部12Aには、1人以上の各ユーザに対して当該ユーザのこれまでの行動に応じた様々なメッセージが表示されてもよい。例えば、カップルに対してそのカップルのこれまでの行動に応じたメッセージが表示されてもよい。例えば、写真シール機を利用する直前にカップル向け飲食店を利用した(レジ10Cで決済を行った、または、飲食店内の所定のカードリーダに非接触ICカードをかざした)結果、写真シール機がお奨め情報として提示され、カップルがお奨め情報に従って写真シール機に誘導された場合、図9(a)に示すようなメッセージが表示されてもよい。
【0100】
また、写真シール機10Aでの写真シール作成後に、カップルが所有する携帯端末300の表示部330には、図9(b)に示すようなアンケートが表示されてもよい。アンケートの回答を受信した解析サーバ100は回答の結果に応じて、お奨め店舗として異なる店舗を提示してもよい。お奨め店舗は、例えば、図9(c)に示すように、カップルが所有する携帯端末300の表示部330に表示される。なお、アンケートおよびお奨め店舗は、カップルが所有する携帯端末300の表示部330ではなく写真シール機10Aの表示部12Aに表示されてもよい。
【0101】
(付記事項4)
解析サーバ100は、ユーザが訪問を希望すると想定される店舗(「ユーザ希望の店舗」)を解析してその店舗をお奨め店舗として提示するが、解析サーバ100が、それ以外の基準でお奨めの店舗を提示してもよい。
【0102】
例えば、解析サーバ100は、店舗Aの訪問者に対して、店舗Aが希望する店舗B(店舗希望の店舗)をお奨めの店舗として提示してもよい。店舗Bとしては、例えば、利益を上げることで店舗Aにもなんらかの利益があるような店舗が挙げられる。
【0103】
また、解析サーバ100は、お勧めの店舗を所定の数だけ提示する場合、「ユーザ希望の店舗」「店舗希望の店舗」「類似案」「シーズ案」の優先順位でお奨めの店舗を提示してもよい。
【0104】
(付記事項5)
解析サーバ100の解析部130は、訪問者が訪問した店舗が属する地域にある複数の店舗のうち、現時点で閑散状態にあると判定された店舗をお奨めの店舗として提示してもよい。このような提示方法は、店舗情報テーブルの「営業繁忙時間帯」フィールドを参照することにより可能である。すなわち、現時点が営業繁忙時間帯に該当しないことを「営業繁忙時間帯」フィールドの値が示しているような店舗をお奨めの店舗として提示すればよい。
【0105】
なお、図7の店舗情報テーブルでは「営業繁忙時間帯」フィールドのとり得る値は「昼」「夜」「朝」であるが、「営業繁忙時間帯」フィールドには、任意の1つ以上の時間帯(例えば、「12:00〜13:00」「19:00〜21:00」という2つの時間帯)を示す値を格納することも可能である。また、「営業繁忙時間帯」フィールドに格納すべき値は繰り返し更新されてもよい。「営業繁忙時間帯」フィールドの更新について図10を参照しながら説明する。
【0106】
繁忙期と閑散期との差がはげしい店舗において、ユーザに案内した時いっぱい(繁忙)であったというユーザからのアンケート結果によって、実店舗の稼働状況から空きそうな時間を伝えてほしいとの要望があった時、図10に示すように、各店舗の携帯端末には、通信部140を介して、店舗の稼動状況についてのアンケートメールが送信される。店舗の店員は、アンケートメールに対して「現時点で空いているか」および「空くと想定される時間帯」を回答する。
【0107】
解析部130は、アンケートに対する回答メールを受信すると、回答に基づいて「営業繁忙時間帯」フィールドに格納すべき値を決定する。そして、記録制御部120は、各店舗について決定した値によって、対応する店舗レコードの「営業繁忙時間帯」フィールドの値を更新する。
【0108】
その後、通信部140が設置機器(例えば写真シール機10A)から行動情報を受信すると、記録制御部120は、対象となるユーザの行動履歴テーブルを更新する。
【0109】
そして、解析部130は、その設置機器について予め定められている標準利用時間(例えば15分)を参照し、標準利用時間T1と所定の移動時間T2(例えば5分)との合計時間の経過後に空いていると想定されている同業種の店舗をお奨めの店舗として提示する。ただし、お奨めの店舗として提示される店舗は、徒歩でT2以内にユーザが移動可能な周囲の店舗である。なお、上記周囲の店舗は、単位時間当たりの徒歩での移動距離をdとした場合にd×T2(所定の距離)よりも遠くない店舗であるとも言える。
【0110】
なお、解析部130は、「現時点で空いているか」の回答に基づいて、各店舗における現時点の稼動状況(空いているか否か)を提示してもよい。
【0111】
また、解析部130は、写真シール機のシリアルNoを参照して、利用された機器および店舗を特定するとともに、アンケート結果を参照して、利用したユーザの属性(ユーザの性別やユーザの間柄(ユーザが複数人存在する場合)など)を特定し、特定した結果に応じて次に誘導すべき情報を出力してもよい。
【0112】
(付記事項6)
解析サーバ100は、記憶部110に、ユーザごとに、ユーザの会員情報、案内済履歴、および訪問履歴を記録してもよい。ユーザの会員情報としては、例えば、会員ID、年齢もしくは年齢層(「20代」、「30代」等)、メールアドレスなどの個人情報が挙げられる。また、ユーザの案内済履歴は、そのユーザに対して提示されたお奨め店舗情報の履歴であり、ユーザの訪問履歴は、そのユーザに提示されたお奨め店舗への訪問履歴である。
【0113】
また、記憶部110には、ユーザごとに各店舗の利用頻度が記録されてもよい。この場合、解析サーバ100は、ユーザの利用頻度の高い店舗をお奨め店舗として提示してもよいし、その店舗と類似する店舗をお奨め店舗として提示してもよい。なお、ユーザの各店舗の利用頻度は、そのユーザの行動履歴テーブルを参照することで導出可能である。図6の例で言えば、X店、Y店、Z店の各店舗の利用頻度「1」が導出される。
【0114】
また、ユーザごとに、行動履歴テーブルだけでなく推奨情報提示履歴テーブルが記録されていてもよい。解析部130がユーザに提示するお奨め店舗を出力するたびに、その店舗の情報が推奨情報提示履歴テーブルの最新レコードとして記録される。
【0115】
(付記事項7)
解析サーバ100は、ユーザの店舗での購入商品を解析することで、そのユーザが誰と行動を共にしているかを推定し、推定結果に応じた写真シール機をお奨め情報として提示してもよい。例えば、女性ユーザが衣料品店で女性服と子供服とを購入した場合に、行動情報に含まれているレシート情報を参照して女性がその子供と行動を共にしていると推定し、ファミリー向けの写真シール機をお奨めの情報として提示してもよい。
【0116】
また、ユーザがある地域(例えば「渋谷」)のある業種の店舗(例えば衣料品店)を利用し、その地域の別の業種の店舗(例えばドラッグストア)を利用した場合に、各店舗で行動情報が行動履歴として記録されることになるが、解析サーバ100は、その地域のさらに別の業種(例えば、アミューズメント業)の店舗をお奨め店舗として提示することになる。
【0117】
(付記事項8)
レジ10Cが解析サーバ100に送信する行動情報には、共に行動しているグループの人数(例えば5人)、性別の内訳(例えば男性3人女性2人)、アンケートの回答内容(例えば、共に行動しているグループの人数、他の人とどういう関係にあるか(カップル、友人)、性別など)等が含まれていてもよい。グループの人数、性別等の情報は、店舗の店員によってグループの来店時に記録され、グループがレジ10Cにて決済を行う際に、店舗の店員によってレジ10Cに入力されてもよい。
【0118】
店舗のレジ10Cで2台の携帯端末300を用いた決済処理が行われた場合(すなわち、2人で決済を行った場合)には、レジ10Cは、各携帯端末300から読みとった2組の端末IDおよびメールアドレスと行動情報とを解析サーバ100に送信してもよい。この場合、解析サーバ100は、各携帯端末300の所有者の行動履歴テーブルに行動情報を格納してもよい。
【0119】
また、解析サーバ100は、2組の端末IDおよびメールアドレスを受信した場合、2人用の媒体(2人でプレイする遊技機等)をお奨め情報として提示してもよい。
【0120】
(付記事項9)
写真シール機10Aは、遊戯開始の際に、解析サーバ100に送信する各遊戯者の個人情報(端末ID、メールアドレス)を各遊戯者が所有する携帯端末300から読み出すものとしたが、本発明はこれに限られない。すなわち、写真シール機10Aは、遊戯開始の際に、表示部12Aを用いた各遊戯者のメールアドレスの入力を受け付け、各メールアドレスを解析サーバ100に送信してもよい。
【0121】
図11は、この場合における店舗誘導システムの動作を示すアクティビティ図である。図11に示すように、最初に、写真シール機10Aは、1人分または複数人分のメールアドレスの入力を受け付ける(S1’)ようになっているが、S4以降の処理は図5のS4以降の処理と同じである。
【0122】
(付記事項10)
店舗情報テーブルの各フィールドのうちの一部のフィールドの値は、多数のユーザの行動情報に基づいて自動的に設定されてもよい。例えば、各ユーザの行動履歴テーブルの「非接触ICアクセス時間」フィールドの値から店舗ごとに訪問者の訪問時間の分布を示す分布データを作成し、各店舗の分布データに基づいて店舗情報テーブルの各店舗レコードの「営業繁忙時間帯」フィールドの値を自動的に設定してもよい。
【0123】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0124】
本発明は、例えば、業界横断型のポイントプログラムに加盟している各加盟店がさらに顧客を囲い込んで売り上げを伸ばすために、好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0125】
1 店舗誘導システム(推奨情報提示システム)
10A 写真シール機(機器)
10B 遊技機(機器)
10C レジ(機器)
11 ICカード読取書込部(取得手段)
12A、12C 表示部
13 通信部(送信手段)
14A〜14C 制御部(作成手段)
15 撮像部
100 解析サーバ(サーバ)
110 記憶部(記憶装置)
120 記録制御部(記録手段)
130 解析部(提示手段、状況判定手段)
140 通信部(提示手段)
300 携帯端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
実店舗に設置されている機器と、上記実店舗の訪問者の行動情報を解析することで当該訪問者にお奨めの情報を出力するサーバと、を含み、
上記機器が、
上記訪問者を識別するための訪問者識別情報を取得する取得手段と、
上記訪問者識別情報で識別される訪問者の上記実店舗での行動に応じた行動情報を作成する作成手段と、
当該行動情報を当該訪問者識別情報と共に上記サーバに送信する送信手段と、を備え、
上記サーバが、
訪問者識別情報で識別される訪問者の行動履歴情報の一部として、上記機器から当該訪問者識別情報と共に送信された行動情報を記録する記録手段と、
上記訪問者の行動履歴情報を解析することで出力した上記お奨めの情報を当該訪問者に提示する提示手段と、を備えていることを特徴とする推奨情報提示システム。
【請求項2】
上記サーバがアクセス可能な記憶装置に、実店舗に関する情報として、上記実店舗の所在地が属する地域を識別するための地域識別値が記録されており、
上記作成手段は、上記行動情報として、上記地域識別値を含んだ行動情報を作成するように構成されており、
上記提示手段は、上記お奨めの情報としてお奨めの店舗を提示するように構成されており、上記提示手段は、上記行動履歴情報に含まれている上記地域識別値の最頻値に等しい地域識別値が上記実店舗に関する情報として上記記憶装置に記録されている実店舗を上記お奨めの店舗として提示する、ことを特徴とする請求項1に記載の推奨情報提示システム。
【請求項3】
仮想店舗が構築されている装置であって、訪問者の当該仮想店舗での行動に応じた行動情報と当該訪問者を識別するための訪問者識別情報とを上記サーバに送信する装置をさらに含み、
上記記録手段が、訪問者識別情報で識別される訪問者の行動履歴情報の一部として、上記装置から当該訪問者識別情報と共に送信された行動情報を記録するように構成されている、ことを特徴とする請求項1または2に記載の推奨情報提示システム。
【請求項4】
上記サーバは、上記実店舗が混雑しているか否かを判定する状況判定手段をさらに備え、
上記提示手段が、上記状況判定手段が混雑していないと判定した実店舗だけを上記お奨めの店舗として提示するように構成されている、ことを特徴とする請求項2または3に記載の推奨情報提示システム。
【請求項5】
上記機器は写真シール機であり、
上記作成手段は、上記行動情報として、写真シールを作成する過程における上記訪問者の行動を特定可能な行動情報を作成するように構成されている、ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の推奨情報提示システム。
【請求項6】
上記サーバがアクセス可能な記憶装置に上記訪問者のメールアドレスが記録されており、
上記提示手段は、上記お奨めの店舗を示す記述を含むメールを上記訪問者のメールアドレス宛てに送信することで、上記お奨めの店舗を上記訪問者に提示することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の推奨情報提示システム。
【請求項7】
実店舗に設置されている写真シール機であって、
上記実店舗の訪問者を識別するための訪問者識別情報を取得する取得手段と、
上記訪問者識別情報で識別される訪問者の上記実店舗での行動に応じた行動情報を作成する作成手段と、
当該行動情報を当該訪問者識別情報と共にサーバに送信する送信手段と、を備えていることを特徴とする写真シール機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−97465(P2013−97465A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−237868(P2011−237868)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(307010096)フリュー株式会社 (210)