説明

描画方法

【課題】従来の描画装置では、描画品位を向上させることが困難である。
【解決手段】ワークを第1方向に搬送する搬送装置と、列状に設けられた複数のノズルの少なくとも一つから、紫外光で硬化する液状体を吐出する吐出ヘッドと、吐出ヘッドを保持するキャリッジと、キャリッジを第2方向にガイドする複数のガイド部と、キャリッジに設けられた接続部に接続された動力伝達部と、を有する描画装置で、ワークに液状体で描画を行うときに、接続部に近いガイド部から第1方向に遠ざかる向きに、複数のノズルを少なくとも2つのグループに配属し、キャリッジを第2方向に駆動しながら、第1方向で接続部に近い側のグループの第1ノズルで複数のドット163間に露呈領域165を残して形成したドットパターン161に紫外光を照射してから、他のグループの第2ノズルでドット167を露呈領域165に重ねて形成する、描画方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、描画方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
描画装置の1つとしてインクジェットプリンターがある。インクジェットプリンターには、インクを吐出するヘッドを保持するキャリッジを記録媒体の搬送方向に対して交差する方向に駆動させながら、ヘッドからインクを吐出させることによって描画を行うものがある。
このようなインクジェットプリンターでは、従来、キャリッジの駆動をガイドするガイド軸の鉛直方向の真下にヘッドを配置した構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−321012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載されたインクジェットプリンターでは、キャリッジを駆動したときのキャリッジの揺動に起因するヘッドの水平面内でのずれ量を軽減することができる。これにより、描画品位の劣化を軽減することができる。
しかしながら、ヘッドをガイド軸の鉛直方向の真下に配置すると、鉛直方向におけるガイド軸とヘッドとの距離が増大しやすい。鉛直方向におけるガイド軸とヘッドとの距離が増大すると、ガイド軸に平行な鉛直面を正面に見たときのキャリッジの揺動に起因するずれ量が増大してしまう。
このように、従来の描画装置では、描画品位を向上させることが困難であるという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現され得る。
【0006】
[適用例1]ワークを第1方向に間欠的に搬送する搬送装置と、液状体を吐出する複数のノズルが列状に設けられ、紫外光の照射を受けることによって硬化する前記液状体を前記複数のノズルの少なくとも一つのノズルから吐出する吐出ヘッドと、前記吐出ヘッドを保持するキャリッジと、相互に前記第1方向に隙間をあけた状態で並び、且つ、前記第1方向に対して交差する第2方向に前記ワークの搬送経路をまたいで延在し、前記キャリッジを前記複数のノズルの配列方向に対して交差する前記第2方向に沿ってガイドする複数のガイド部と、前記キャリッジを前記第2方向に駆動するための動力を伝達する動力伝達部と、前記キャリッジに設けられ、前記動力伝達部が接続される接続部と、を有する描画装置で、前記ワークに前記液状体で描画を行うときに、前記複数のガイド部のうち前記接続部に最も近い前記ガイド部である最近ガイド部から前記第1方向に遠ざかる向きに、前記複数のノズルを、前記複数のノズルの総数よりも少ない複数個ずつの複数のグループに配属し、前記複数のグループから少なくとも2つのグループを選択し、前記キャリッジを前記第2方向に駆動しながら、前記複数のノズルに属する第1ノズルであって、前記2つのグループのうち前記第1方向で前記最近ガイド部に近い側のグループに属する複数の前記第1ノズルから前記液状体を吐出することによって、前記液状体で複数の第1ドットを、前記第2方向と前記第2方向に対して交差する方向とに並べて、且つ、前記複数の第1ドット間に前記ワークが露呈する露呈領域を残して形成したドットパターンに前記紫外光を照射してから、前記複数のノズルに属する第2ノズルであって、前記2つのグループのうちの他のグループに属する前記第2ノズルから前記液状体を吐出することによって、第2ドットを前記露呈領域に重ねて形成する、ことを特徴とする描画方法。
【0007】
この適用例の描画方法が適用され得る描画装置は、搬送装置と、吐出ヘッドと、キャリッジと、複数のガイド部と、動力伝達部と、接続部と、を有する。
搬送装置は、ワークを第1方向に間欠的に搬送する。
吐出ヘッドは、液状体を吐出する複数のノズルを有している。これらの複数のノズルは、列状に設けられている。液状体は、紫外光の照射を受けることによって硬化する性質を有している。
キャリッジは、吐出ヘッドを保持する。
複数のガイド部は、相互に第1方向に隙間をあけた状態で並んでいる。複数のガイド部は、第1方向に対して交差する第2方向にワークの搬送経路をまたいで延在している。なお、第2方向は、複数のノズルの配列方向に対して交差する方向でもある。複数のガイド部は、キャリッジを第2方向に沿ってガイドする。
動力伝達部は、キャリッジを第2方向に駆動するための動力を伝達する。
接続部は、キャリッジに設けられている。接続部には、動力伝達部が接続される。
この描画方法では、ワークに液状体で描画を行うときに、最近ガイド部から第1方向に遠ざかる向きに、複数のノズルを、複数のノズルの総数よりも少ない複数個ずつの複数のグループに配属する。なお、最近ガイド部は、複数のガイド部のうち接続部に最も近いガイド部である。
複数のグループから少なくとも2つのグループを選択し、キャリッジを第2方向に駆動しながら、2つのグループのうち第1方向で最近ガイド部に近い側のグループに属する複数の第1ノズルから液状体を吐出することによって、ワークにドットパターンを形成する。
ドットパターンでは、液状体で構成される複数の第1ドットが、第2方向と第2方向に対して交差する方向とに並べられる。且つ、ドットパターンでは、複数の第1ドット間にワークが露呈する露呈領域が残される。
そして、ドットパターンに紫外光を照射してから、2つのグループのうちの他のグループに属する第2ノズルから液状体を吐出することによって、第2ドットを露呈領域に重ねて形成する。
つまり、この描画方法では、最近ガイド部に近いグループの第1ノズルで第1ドットによるドットパターンを描画し、このドットパターンに紫外光を照射してから、最近ガイド部から遠いグループの第2ノズルで露呈領域に第2ドットを配置する。動力伝達部を介して駆動力をキャリッジに伝達することによって、第2方向におけるキャリッジの位置を制御するとき、接続部に最も近い最近ガイド部から遠ざかるほど、キャリッジの位置精度が悪化する。このため、複数のグループのうち、最近ガイド部に近いグループほど、ドットの位置精度が高くなる。この描画方法では、ドットの位置精度が高いグループで形成した第1ドットによるドットパターンに紫外光を照射してから、露呈領域に位置精度が低いグループで第2ドットを重ねて形成する。液状体で形成したドットパターンに紫外光を照射すると、ドットパターンは、液状体に対する撥液性が高まる。このため、このドットパターンに、位置精度が低いグループで第2ドットを重ねたときに、第2ドットがドットパターンにはじかれて露呈領域に納まりやすくなる。このため、第2ドットの位置精度が低くても、第2ドットの位置が補正され、第2ドットを露呈領域に納めやすくすることができる。この結果、描画品位を向上させやすくすることができる。
【0008】
[適用例2]上記の描画方法であって、前記第2ドットは、前記第1ドットよりも小さいドットサイズを有することを特徴とする描画方法。
【0009】
この適用例では、第2ドットが第1ドットよりも小さいドットサイズを有するので、第2ドットを構成する液状体が第1ドットに一層はじかれやすくなる。このため、第2ドットを露呈領域に一層納めやすくすることができる。
【0010】
[適用例3]ワークを第1方向に搬送する搬送装置と、液状体を吐出する複数のノズルが列状に設けられ、紫外光の照射を受けることによって硬化する前記液状体を前記複数のノズルの少なくとも一つのノズルから吐出する吐出ヘッドと、前記吐出ヘッドを保持するキャリッジと、相互に前記第1方向に隙間をあけた状態で並び、且つ、前記第1方向に対して交差する第2方向に前記ワークの搬送経路をまたいで延在し、前記キャリッジを前記複数のノズルの配列方向に対して交差する前記第2方向に沿ってガイドする複数のガイド部と、前記キャリッジを前記第2方向に間欠的に駆動するための動力を伝達する動力伝達部と、前記キャリッジに設けられ、前記動力伝達部が接続される接続部と、を有する描画装置で、前記ワークに前記液状体で描画を行うときに、前記複数のガイド部のうち前記接続部に最も近い前記ガイド部である最近ガイド部から前記第1方向に遠ざかる向きに、前記複数のノズルを、前記複数のノズルの総数よりも少ない複数個ずつの複数のグループに配属し、前記複数のグループから少なくとも2つのグループを選択し、前記ワークを前記第1方向に搬送しながら、前記複数のノズルに属する第1ノズルであって、前記2つのグループのうち前記第1方向で前記最近ガイド部に近い側のグループに属する複数の前記第1ノズルから前記液状体を吐出することによって、前記液状体で複数の第1ドットを、前記第1方向と前記第1方向に対して交差する方向とに並べて、且つ、前記複数の第1ドット間に前記ワークが露呈する露呈領域を残して形成したドットパターンに前記紫外光を照射してから、前記複数のノズルに属する第2ノズルであって、前記2つのグループのうちの他のグループに属する前記第2ノズルから前記液状体を吐出することによって、第2ドットを前記露呈領域に重ねて形成する、ことを特徴とする描画方法。
【0011】
この適用例の描画方法が適用され得る描画装置は、搬送装置と、吐出ヘッドと、キャリッジと、複数のガイド部と、動力伝達部と、接続部と、を有する。
搬送装置は、ワークを第1方向に搬送する。
吐出ヘッドは、液状体を吐出する複数のノズルを有している。これらの複数のノズルは、列状に設けられている。液状体は、紫外光の照射を受けることによって硬化する性質を有している。
キャリッジは、吐出ヘッドを保持する。
複数のガイド部は、相互に第1方向に隙間をあけた状態で並んでいる。複数のガイド部は、第1方向に対して交差する第2方向にワークの搬送経路をまたいで延在している。なお、第2方向は、複数のノズルの配列方向に対して交差する方向でもある。複数のガイド部は、キャリッジを第2方向に沿ってガイドする。
動力伝達部は、キャリッジを第2方向に間欠的に駆動するための動力を伝達する。
接続部は、キャリッジに設けられている。接続部には、動力伝達部が接続される。
この描画方法では、ワークに液状体で描画を行うときに、最近ガイド部から第1方向に遠ざかる向きに、複数のノズルを、複数のノズルの総数よりも少ない複数個ずつの複数のグループに配属する。なお、最近ガイド部は、複数のガイド部のうち接続部に最も近いガイド部である。
複数のグループから少なくとも2つのグループを選択し、ワークを第1方向に搬送しながら、2つのグループのうち第1方向で最近ガイド部に近い側のグループに属する複数の第1ノズルから液状体を吐出することによって、ワークにドットパターンを形成する。
ドットパターンでは、液状体で構成される複数の第1ドットが、第1方向と第1方向に対して交差する方向とに並べられる。且つ、ドットパターンでは、複数の第1ドット間にワークが露呈する露呈領域が残される。
そして、ドットパターンに紫外光を照射してから、2つのグループのうちの他のグループに属する第2ノズルから液状体を吐出することによって、第2ドットを露呈領域に重ねて形成する。
つまり、この描画方法では、最近ガイド部に近いグループの第1ノズルで第1ドットによるドットパターンを描画し、このドットパターンに紫外光を照射してから、最近ガイド部から遠いグループの第2ノズルで露呈領域に第2ドットを配置する。動力伝達部を介して駆動力をキャリッジに伝達することによって、第2方向におけるキャリッジの位置を制御するとき、接続部に最も近い最近ガイド部から遠ざかるほど、キャリッジの位置精度が悪化する。このため、複数のグループのうち、最近ガイド部に近いグループほど、ドットの位置精度が高くなる。この描画方法では、ドットの位置精度が高いグループで形成した第1ドットによるドットパターンに紫外光を照射してから、露呈領域に位置精度が低いグループで第2ドットを重ねて形成する。液状体で形成したドットパターンに紫外光を照射すると、ドットパターンは、液状体に対する撥液性が高まる。このため、このドットパターンに、位置精度が低いグループで第2ドットを重ねたときに、第2ドットがドットパターンにはじかれて露呈領域に納まりやすくなる。このため、第2ドットの位置精度が低くても、第2ドットの位置が補正され、第2ドットを露呈領域に納めやすくすることができる。この結果、描画品位を向上させやすくすることができる。
【0012】
[適用例4]上記の描画方法であって、前記第2ドットは、前記第1ドットよりも小さいドットサイズを有することを特徴とする描画方法。
【0013】
この適用例では、第2ドットが第1ドットよりも小さいドットサイズを有するので、第2ドットを構成する液状体が第1ドットに一層はじかれやすくなる。このため、第2ドットを露呈領域に一層納めやすくすることができる。
【0014】
[適用例5]上記の描画方法であって、前記複数のノズルを、前記液状体の吐出にかかる精度で層別することによって、前記複数のノズルを前記複数のグループに配属する、ことを特徴とする描画方法。
【0015】
この適用例では、複数のノズルを、液状体の吐出にかかる精度で層別することによって、複数のノズルを複数のグループに配属するので、吐出にかかる精度が高いグループに精度が低いノズルが混じることを避けやすくすることができる。
【0016】
[適用例6]上記の描画方法であって、前記複数のノズルのうち、前記複数のグループの各々に属するノズルの個数を、前記複数のグループ間で同数にする、ことを特徴とする描画方法。
【0017】
この適用例では、複数のグループの各々に属するノズルの個数を、複数のグループ間で同数にするので、ドットパターンにおける第1ドットの個数と第2ドットの個数とを対応させやすくすることができる。
【0018】
[適用例7]上記の描画方法であって、前記複数のノズルのうちの一部のノズルは、前記複数のグループのうち隣り合う2つのグループに重複して属する、ことを特徴とする描画方法。
【0019】
この適用例では、複数のノズルのうちの一部のノズルが、隣り合う2つのグループに重複して属するので、2つのグループに重複する一部のノズルに第1ドットと第2ドットとを形成させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本実施形態における液滴吐出装置の概略の構成を示す斜視図。
【図2】本実施形態におけるキャリッジを図1中のA視方向に見たときの正面図。
【図3】本実施形態における吐出ヘッドの底面図。
【図4】図2中のB−B線における断面図。
【図5】図1中のC−C線における断面図。
【図6】本実施形態における液滴吐出装置の概略の構成を示すブロック図。
【図7】本実施形態における描画処理の流れを示す図。
【図8】本実施形態におけるベタ描画の流れを説明する図。
【図9】本実施形態におけるノズル列の方向の他の例を示す底面図。
【図10】本実施形態におけるノズルのグループ分けの他の例を示す底面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図面を参照しながら、描画装置の1つである液滴吐出装置を例に、実施形態について説明する。なお、各図面において、それぞれの構成を認識可能な程度の大きさにするために、構成や部材の縮尺が異なっていることがある。
【0022】
(第1実施形態)
本実施形態における液滴吐出装置1は、概略の構成を示す斜視図である図1に示すように、ワーク搬送装置3と、キャリッジ7と、キャリッジ搬送装置11と、を有している。
また、液滴吐出装置1は、キャリッジ7を図1中のA視方向に見たときの正面図である図2に示すように、ヘッドユニット13と、2個の照射装置15と、を有している。
ヘッドユニット13と、2個の照射装置15とは、それぞれ、キャリッジ7に設けられている。
図1に示す液滴吐出装置1では、ヘッドユニット13と基板などのワークWとの平面視での相対位置を変化させつつ、ヘッドユニット13から液状体を液滴として吐出させることによって、ワークWに液状体で所望のパターンを描画(記録)することができる。なお、図中のY方向はワークWの移動方向を示し、X方向は平面視でY方向とは直交する方向を示している。また、X方向及びY方向によって規定されるXY平面と直交する方向は、Z方向として規定される。
【0023】
このような液滴吐出装置1は、例えば、樹脂フィルムなどのように、液状体が浸透しにくいワークWへの描画に適用され得る。
また、液滴吐出装置1は、例えば、液晶表示パネル等に用いられるカラーフィルターの製造や、有機EL装置の製造などにも適用され得る。
赤、緑及び青の3色のフィルターエレメントを有するカラーフィルターの場合、液滴吐出装置1は、例えば、基板に赤、緑及び青の各着色層を形成する工程で好適に使用され得る。この場合、ヘッドユニット13から各着色層に対応する各液状体を、ワークWに液滴として吐出させることによって、ワークWに赤、緑及び青のそれぞれのフィルターエレメントのパターンが描画される。
また、有機EL装置の製造では、例えば、赤、緑及び青の画素ごとに、各色に対応する機能層(有機層)を形成する工程で好適に使用され得る。この場合、ヘッドユニット13から各色の機能層に対応する各液状体を、ワークWに液滴として吐出されることによって、ワークWに赤、緑及び青のそれぞれの機能層のパターンが描画される。
記録媒体としてのワークWは、上述した基板や樹脂フィルムなどに限定されず、紙、布、金属箔など、種々の記録媒体が採用され得る。
【0024】
ここで、液滴吐出装置1の各構成について、詳細を説明する。
ワーク搬送装置3は、図1に示すように、定盤21と、ガイドレール23aと、ガイドレール23bと、ワークテーブル25と、を有している。
定盤21は、例えば石などの熱膨張係数が小さい材料で構成されており、Y方向に沿って延びるように据えられている。ガイドレール23a及びガイドレール23bは、定盤21の上面21a上に配設されている。ガイドレール23a及びガイドレール23bは、それぞれ、Y方向に沿って延在している。ガイドレール23aとガイドレール23bとは、互いにX方向に隙間をあけた状態で並んでいる。
【0025】
ワークテーブル25は、ガイドレール23a及びガイドレール23bを挟んで定盤21の上面21aに対向した状態で設けられている。ワークテーブル25は、定盤21から浮いた状態でガイドレール23a及びガイドレール23b上に載置されている。ワークテーブル25は、ワークWが載置される面である載置面25aを有している。載置面25aは、定盤21側とは反対側(上側)に向けられている。ワークテーブル25は、ガイドレール23a及びガイドレール23bによってY方向に沿って案内され、定盤21上をY方向に沿って往復移動可能に構成されている。
【0026】
ワークテーブル25は、図示しない移動機構及び動力源によって、Y方向に往復移動可能に構成されている。移動機構としては、例えば、ボールねじとボールナットとを組み合わせた機構や、リニアガイド機構などが採用され得る。また、本実施形態では、ワークテーブル25をY方向に沿って移動させるための動力源として、後述するワーク搬送モーターが採用されている。ワーク搬送モーターとしては、ステッピングモーター、サーボモーター、リニアモーターなどの種々のモーターが採用され得る。
ワーク搬送モーターからの動力は、移動機構を介してワークテーブル25に伝達される。これにより、ワークテーブル25は、ガイドレール23a及びガイドレール23bに沿って、すなわちY方向に沿って往復移動することができる。つまり、ワーク搬送装置3は、ワークテーブル25の載置面25aに載置されたワークWを、Y方向に沿って往復移動させることができる。
【0027】
ヘッドユニット13は、図2に示すように、ヘッドプレート31と、吐出ヘッド33と、を有している。
吐出ヘッド33は、底面図である図3に示すように、ノズル面35を有している。ノズル面35には、複数のノズル37が形成されている。なお、図3では、ノズル37をわかりやすく示すため、ノズル37が誇張され、且つノズル37の個数が減じられている。
吐出ヘッド33において、複数のノズル37は、Y方向に沿って配列するノズル列39を構成している。ノズル列39において、複数のノズル37は、Y方向に沿って所定のノズル間隔Pで形成されている。
【0028】
2個の照射装置15は、図2に示すように、それぞれ、X方向にヘッドユニット13を挟んで互いに対峙する位置に設けられている。以下において、2個の照射装置15のそれぞれを識別する場合に、照射装置15a及び照射装置15bという表記が用いられる。
照射装置15a及び照射装置15bは、それぞれ、紫外光41を発する光源43を有している。光源43からの紫外光41は、吐出ヘッド33から吐出された機能液53(液状体)の硬化を促進させる。機能液53は、紫外光41の照射を受けると、硬化が促進する。
光源43としては、例えば、LED、LD、水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、エキシマランプ等の種々の光源43が採用され得る。
なお、本実施形態では、光源43のY方向における長さは、図3に示すように、吐出ヘッド33のノズル列39を網羅する長さに設定されている。
なお、照射装置15aの光源43と、照射装置15bの光源43とは、それぞれ、吐出ヘッド33のノズル面35がX方向に沿って描く軌跡に、平面視で重なっている。
【0029】
吐出ヘッド33は、図2中のB−B線における断面図である図4に示すように、ノズルプレート46と、キャビティープレート47と、振動板48と、複数の圧電素子49と、を有している。
ノズルプレート46は、ノズル面35を有している。複数のノズル37は、ノズルプレート46に設けられている。
キャビティープレート47は、ノズルプレート46のノズル面35とは反対側の面に設けられている。キャビティープレート47には、複数のキャビティー51が形成されている。各キャビティー51は、各ノズル37に対応して設けられており、対応する各ノズル37に連通している。各キャビティー51には、図示しないタンクから機能液53が供給される。
【0030】
振動板48は、キャビティープレート47のノズルプレート46側とは反対側の面に設けられている。振動板48は、Z方向に振動(縦振動)することによって、キャビティー51内の容積を拡大したり、縮小したりする。
複数の圧電素子49は、それぞれ、振動板48のキャビティープレート47側とは反対側の面に設けられている。各圧電素子49は、各キャビティー51に対応して設けられており、振動板48を挟んで各キャビティー51に対向している。各圧電素子49は、駆動信号に基づいて、伸長する。これにより、振動板48がキャビティー51内の容積を縮小させる。このとき、キャビティー51内の機能液53に圧力が付与される。その結果、ノズル37から、機能液53が液滴55として吐出される。吐出ヘッド33による液滴55の吐出法は、インクジェット法の1つである。インクジェット法は、塗布法の1つである。
【0031】
上記の構成を有する吐出ヘッド33は、図2に示すように、ノズル面35がヘッドプレート31から突出した状態で、ヘッドプレート31に支持されている。
キャリッジ7は、図2に示すように、ヘッドユニット13を支持している。ここで、ヘッドユニット13は、ノズル面35がZ方向の下方に向けられた状態でキャリッジ7に支持されている。
上記により、ワークWには、吐出ヘッド33から機能液53が塗布され得る。
なお、本実施形態では、縦振動型の圧電素子49が採用されているが、機能液53に圧力を付与するための加圧手段は、これに限定されず、例えば、下電極と圧電体層と上電極とを積層形成した撓み変形型の圧電素子も採用され得る。また、加圧手段としては、振動板と電極との間に静電気を発生させて、静電気力によって振動板を変形させてノズルから液滴55を吐出させるいわゆる静電式アクチュエーターなども採用され得る。さらに、発熱体を用いてノズル内に泡を発生させ、その泡によって機能液53に圧力を付与する構成も採用され得る。
【0032】
本実施形態では、機能液53として、光の照射を受けることによって硬化が促進する機能液53が採用されている。本実施形態では、機能液53の硬化を促進させる光として紫外光41が採用されている。
機能液53は、樹脂材料、光重合開始剤及び溶媒を、成分として含んでいる。これらの成分に、顔料や染料等の色素や、親液性や撥液性等の表面改質材料などの機能性材料を添加することによって固有の機能を有する機能液53を生成することができる。顔料や染料等の色素を含有する機能液53は、例えば、ワークWに描画する画像を形成するための機能液53として採用され得る。以下において、ワークWに描画する画像を形成するための機能液53は、画像塗料と呼ばれる。
【0033】
また、機能液53の成分としての樹脂材料に、例えば、アクリル系の樹脂材料などの光透過性を有する樹脂材料を採用することによって、光透過性を有する機能液53を構成することができる。このような光透過性を有する機能液53は、例えば、クリアインクとしての用途が考えられる。以下において、光透過性を有する機能液53は、透光塗料と呼ばれる。
クリアインクの用途としては、例えば、画像を被覆するオーバーコート層としての用途や、画像を形成する前の下地層としての用途などが考えられる。以下において、下地層として適用される機能液53は、下地塗料と呼ばれる。
下地塗料としては、透光塗料だけでなく、透光塗料に種々の顔料を添加した機能液53を採用することもできる。例えば、白色を呈する機能液53や、金属的な光沢(メタリック)を示す機能液53なども、下地塗料として採用され得る。
【0034】
機能液53における樹脂材料は、樹脂膜を形成する材料である。このような樹脂材料としては、常温で液状であり、重合させることによってポリマーとなる材料であれば特に限定されない。樹脂材料としては、粘性が小さいものが好ましく、オリゴマーの形態であるのが好ましい。さらに、樹脂材料としては、モノマーの形態であることが一層好ましい。
光重合開始剤は、ポリマーの架橋性基に作用して架橋反応を進行させる添加剤である。光重合開始剤としては、例えば、ベンジルジメチルケタールなどが採用され得る。本実施形態では、光重合開始剤として、ラジカル型の光重合開始剤が採用されている。ラジカル型の光重合開始剤としては、例えば、チバ・ジャパン(株)社製のイルガキュア819などが採用され得る。
溶媒は、樹脂材料の粘度を調整するためのものである。
【0035】
キャリッジ搬送装置11は、図1に示すように、ガイドレール61と、ガイドレール62と、キャリッジ搬送モーター63と、駆動プーリー64と、従動プーリー65と、タイミングベルト66と、を有している。
ガイドレール61は、架台71に設けられている。ガイドレール62は、架台72に設けられている。架台71及び架台72は、それぞれ、支柱73と支柱74との間に架け渡されている。
支柱73と支柱74とは、ワーク搬送装置3をX方向に挟んで互いに対峙する位置に設けられている。そして、架台71及び架台72は、それぞれ、X方向に延在しており、ワーク搬送装置3をX方向にまたいでいる。架台71と架台72とは、互いにY方向に隙間をあけた状態で、Y方向に並んでいる。
支柱73及び支柱74は、それぞれ、ワークテーブル25よりもZ方向の上方に突出している。これにより、架台71とワークテーブル25との間には、隙間が保たれている。また、架台72とワークテーブル25との間にも、隙間が保たれている。
【0036】
ガイドレール61は、架台71上、すなわち架台71のワーク搬送装置3側とは反対側に配設されている。同様に、ガイドレール62は、架台72上、すなわち架台72のワーク搬送装置3側とは反対側に配設されている。ガイドレール61及びガイドレール62は、ワーク搬送装置3をX方向にまたぐ領域にわたって設けられている。
前述したキャリッジ7は、ガイドレール61及びガイドレール62に支持されている。キャリッジ7は、ガイドレール61とガイドレール62との間に架け渡されている。キャリッジ7は、互いにY方向に隙間をあけた状態で並んだ架台71と架台72と間から、ワーク搬送装置3側に臨んでいる。キャリッジ7とワークテーブル25とは、架台71と架台72との間において、互いに対面することができる。
【0037】
キャリッジ7がガイドレール61及びガイドレール62に支持された状態において、吐出ヘッド33のノズル面35は、Z方向においてワークテーブル25側に向いている。キャリッジ7は、ガイドレール61及びガイドレール62によってX方向に沿って案内され、X方向に往復移動可能な状態でガイドレール61及びガイドレール62に支持されている。なお、キャリッジ7とワークテーブル25とが互いに対面している状態において、ノズル面35とワークテーブル25の載置面25aとは、互いに隙間を保った状態で対面する。
【0038】
架台71には、ガイドレール61のキャリッジ7側とは反対側に、X方向に沿ってワーク搬送装置3をまたぐ長さにわたって延びる側壁部71aが設けられている。
キャリッジ搬送モーター63は、側壁部71aのX方向における一端側に設けられている。キャリッジ搬送モーター63の出力軸(図示せず)は、側壁部71aのキャリッジ7側とは反対側からキャリッジ7側に突出している。キャリッジ搬送モーター63としては、ステッピングモーター、サーボモーター、リニアモーターなどの種々のモーターが採用され得る。
駆動プーリー64は、側壁部71aのキャリッジ7側において、キャリッジ搬送モーター63の出力軸にはめ込まれている。X方向にワーク搬送装置3を挟んで側壁部71aの駆動プーリー64側とは反対側には、駆動プーリー64と対をなす従動プーリー65が設けられている。
【0039】
タイミングベルト66は、駆動プーリー64と従動プーリー65との間に架け渡されている。タイミングベルト66は、X方向に沿ってワーク搬送装置3をまたぐ長さにわたって架け渡されている。
タイミングベルト66は、図1中のC−C線における断面図である図5に示すように、Y方向において、キャリッジ7と側壁部71aとの間に位置している。
キャリッジ7には、側壁部71aに対面する部位に、接続部77が設けられている。接続部77は、キャリッジ7から側壁部71aに向かって突出している。この接続部77には、タイミングベルト66が接続(連結)されている。
【0040】
また、本実施形態では、キャリッジ7と側壁部71aとの間に、X方向に沿って延びるリニアスケール(図示せず)が設けられている。リニアスケールは、側壁部71aに設けられており、キャリッジ7のX方向における可動領域にわたって設けられている。リニアスケールには、X方向に沿って複数のスケールが刻まれている。これらのスケールは、キャリッジ7のX方向における変位量の指標となる。
また、キャリッジ7には、リニアスケールのスケールを検出するエンコーダー(図示せず)が設けられている。エンコーダーは、リニアスケールのスケールを検出するたびに、パルス状の信号を出力する。液滴吐出装置1では、このパルス状の信号に基づいて、キャリッジ7の位置が制御される。また、液滴吐出装置1では、パルス状の信号に基づいて、吐出ヘッド33における複数のノズル37からの液滴55の吐出が許可される。
【0041】
上記の構成を有するキャリッジ搬送装置11では、キャリッジ搬送モーター63からの動力が、駆動プーリー64及びタイミングベルト66を介してキャリッジ7に伝達される。これにより、キャリッジ7は、ガイドレール61及びガイドレール62に沿って、すなわちX方向に沿って往復移動することができる。つまり、キャリッジ搬送装置11は、キャリッジ7に支持されたヘッドユニット13を、X方向に沿って往復移動させることができる。
液滴吐出装置1では、吐出ヘッド33をワークWに対面させた状態で、吐出ヘッド33とワークWとを相対的に往復移動させながら、吐出ヘッド33から液滴55を吐出させることによって、ワークWへのパターンの描画が行われる。
【0042】
液滴吐出装置1は、図6に示すように、上記の各構成の動作を制御する制御部111を有している。制御部111は、CPU(Central Processing Unit)113と、駆動制御部115と、メモリー部117と、を有している。駆動制御部115及びメモリー部117は、バス119を介してCPU113に接続されている。
また、液滴吐出装置1は、ワーク搬送モーター123と、入力装置129と、表示装置131と、を有している。
ワーク搬送モーター123は、入出力インターフェイス133とバス119とを介して制御部111に接続されている。また、入力装置129及び表示装置131も、それぞれ、入出力インターフェイス133とバス119とを介して制御部111に接続されている。
【0043】
ワーク搬送モーター123は、ワークテーブル25を駆動するための動力を発生させる。
入力装置129は、各種の加工条件を入力する装置である。表示装置131は、加工条件や、作業状況を表示する装置である。液滴吐出装置1を操作するオペレーターは、表示装置131に表示される情報を確認しながら、入力装置129を介して種々の情報を入力することができる。
なお、キャリッジ搬送モーター63、吐出ヘッド33、照射装置15a及び照射装置15bも、それぞれ、入出力インターフェイス133とバス119とを介して制御部111に接続されている。
【0044】
CPU113は、プロセッサーとして各種の演算処理を行う。駆動制御部115は、各構成の駆動を制御する。メモリー部117は、RAM(Random Access Memory)や、ROM(Read Only Memory)などを含んでいる。メモリー部117には、液滴吐出装置1における動作の制御手順が記述されたプログラムソフト135を記憶する領域や、各種のデータを一時的に展開する領域であるデータ展開部137などが設定されている。データ展開部137に展開されるデータとしては、例えば、描画すべきパターンが示される描画データや、描画処理等のプログラムデータなどが挙げられる。
駆動制御部115は、モーター制御部141と、吐出制御部145と、照射制御部147と、表示制御部151と、を有している。
【0045】
モーター制御部141は、CPU113からの指令に基づいて、キャリッジ搬送モーター63の駆動と、ワーク搬送モーター123の駆動とを、個別に制御する。
吐出制御部145は、CPU113からの指令に基づいて、吐出ヘッド33の駆動を制御する。
照射制御部147は、CPU113からの指令に基づいて、照射装置15a及び照射装置15bのそれぞれにおける光源43の発光状態を個別に制御する。
表示制御部151は、CPU113からの指令に基づいて、表示装置131の駆動を制御する。
【0046】
ここで、液滴吐出装置1における描画処理について説明する。
液滴吐出装置1では、制御部111が入力装置129から入出力インターフェイス133及びバス119を介して描画データを受け取ると、CPU113によって図7に示す描画処理が開始される。
ここで、描画データは、機能液53(液状体)でワークWに描画すべきパターンを指示するものであり、液滴55で形成すべきドットがビットマップ状に表現されている。ワークWに描画されるパターンは、液滴55で形成される複数のドットの集合として表現される。ワークWへのパターンの描画は、吐出ヘッド33をワークWに対向させた状態で、吐出ヘッド33をワークWに対して相対的に往復移動させながら、吐出ヘッド33から液滴55を所定周期で吐出させることによって行われる。
【0047】
本実施形態では、ワークWの搬送を停止させた状態でキャリッジ7をX方向に沿って駆動させながら、吐出ヘッド33から液滴55を吐出させることによって、ワークWへのパターンの描画が行われる。
以下において、吐出ヘッド33をワークWに交差させながら、吐出ヘッド33からワークWに液滴55を吐出させる工程は、交差吐出工程と呼ばれる。ワークWへのパターンの描画は、交差吐出工程を反復して行うことによって完成する。吐出ヘッド33をワークWに対して往復移動させるときに、吐出ヘッド33の往路及び復路の双方において、液滴55を吐出させる場合、往路で液滴55を吐出させる工程と、復路で液滴55を吐出させる工程とが、それぞれ交差吐出工程に対応する。例えば、液滴55を吐出させながら吐出ヘッド33を1回だけ往復移動させることは、2回の交差吐出工程を実施することに相当する。
【0048】
描画処理では、CPU113は、まず、ステップS1において、キャリッジ搬送指令をモーター制御部141(図6)に出力する。このとき、モーター制御部141は、キャリッジ搬送モーター63の駆動を制御して、キャリッジ7を描画エリアの往路開始位置に移動させる。
ここで、液滴吐出装置1では、描画エリアが設定されている。描画エリアは、図1に示すワークテーブル25によってY方向に沿って描かれる軌跡と、吐出ヘッド33によってX方向に沿って描かれる軌跡とが重なり合う領域である。
そして、往路開始位置は、キャリッジ7を往復移動させるときの往路が開始する位置である。本実施形態では、往路開始位置は、平面視で、描画エリアの外側に位置している。本実施形態では、往路開始位置は、平面視で、描画エリアの支柱73側に位置している。
次いで、ステップS2において、CPU113は、ワーク搬送指令をモーター制御部141(図6)に出力する。このとき、モーター制御部141は、ワーク搬送モーター123の駆動を制御して、ワークWを描画エリアに移動させる。
【0049】
次いで、ステップS3において、CPU113は、キャリッジ走査指令をモーター制御部141(図6)に出力する。このとき、モーター制御部141は、キャリッジ搬送モーター63の駆動を制御して、キャリッジ7の往復移動を開始させる。
ここで、キャリッジ7の往復移動では、キャリッジ7は、上述した往路開始位置と復路開始位置との間を往復移動する。つまり、往路開始位置から復路開始位置で折り返して往路開始位置に戻る経路がキャリッジ7の1往復である。このため、本実施形態では、往路開始位置から復路開始位置に向かう経路がキャリッジ7の往路である。他方で、復路開始位置から往路開始位置に向かう経路がキャリッジ7の復路である。以下においては、往路開始位置と復路開始位置との間をキャリッジ7が往復移動する動作を主走査と呼ぶことがある。
なお、復路開始位置は、X方向に描画エリアを挟んで往路開始位置に対峙する位置である。復路開始位置は、平面視で、描画エリアの外側に位置している。このため、往路開始位置と復路開始位置とは、平面視で、描画エリアをX方向に挟んで互いに対峙している。本実施形態では、復路開始位置は、平面視で、描画エリアの支柱74側に位置している。
【0050】
次いで、ステップS4において、CPU113は、照射装置15aに対する照射指令を照射制御部147(図6)に出力する。このとき、照射制御部147は、照射装置15aの光源43の駆動を制御して、照射装置15aの光源43を点灯させる。
次いで、ステップS5において、CPU113は、吐出ヘッド33の位置が往路における描画開始位置に到達したか否かを判定する。
ここで、描画開始位置は、描画エリア内で吐出ヘッド33から液滴55の吐出を開始させる位置である。
このとき、吐出ヘッド33の位置が描画開始位置に到達した(Yes)と判定されると、処理がステップS6に移行する。他方で、吐出ヘッド33の位置が描画開始位置に到達していない(No)と判定されると、吐出ヘッド33の位置が描画開始位置に到達するまで処理が待機される。
【0051】
次いで、ステップS6において、CPU113は、吐出指令を吐出制御部145(図6)に出力する。このとき、吐出制御部145は、吐出ヘッド33の駆動を制御して、描画データに基づいて、各ノズル37から液滴55を吐出させる。これにより、往路での描画が開始される。
次いで、ステップS7において、CPU113は、吐出ヘッド33の位置が描画停止位置に到達したか否かを判定する。
ここで、描画停止位置は、描画エリア内で吐出ヘッド33から液滴55の吐出を停止させる位置である。
このとき、吐出ヘッド33の位置が描画停止位置に到達した(Yes)と判定されると、処理がステップS8に移行する。他方で、吐出ヘッド33の位置が描画停止位置に到達していない(No)と判定されると、吐出ヘッド33の位置が描画停止位置に到達するまで処理が待機される。
【0052】
次いで、ステップS8において、CPU113は、吐出停止指令を吐出制御部145(図6)に出力する。このとき、吐出制御部145は、吐出ヘッド33の駆動を停止して、各ノズル37からの液滴55の吐出を停止させる。これにより、往路での描画が終了する。
なお、往路での描画では、照射装置15aが吐出ヘッド33に追従するので、往路でワークWに塗布された機能液53に紫外光41が照射される。
次いで、ステップS9において、CPU113は、照射装置15aに対する照射停止指令を照射制御部147(図6)に出力する。このとき、照射制御部147は、照射装置15aの光源43の駆動を制御して、照射装置15aの光源43を消灯させる。
次いで、ステップS10において、CPU113は、キャリッジ7の位置が復路開始位置に到達したか否かを判定する。このとき、キャリッジ7の位置が復路開始位置に到達した(Yes)と判定されると、処理がステップS11に移行する。他方で、キャリッジ7の位置が復路開始位置に到達していない(No)と判定されると、キャリッジ7の位置が復路開始位置に到達するまで処理が待機される。
【0053】
次いで、ステップS11において、CPU113は、改行指令をモーター制御部141(図6)に出力する。このとき、改行指令を受けたモーター制御部141は、ワーク搬送モーター123の駆動を制御して、ワークWをY方向に移動(改行)させ、ワークWにおいてパターンを描画すべき新たな領域を描画エリアに移動させる。なお、このとき、ワークWは、ガイドレール61側からガイドレール62側に向かう向きに改行(搬送)される。換言すれば、ワークWの改行の流れの方向において、ガイドレール61は、ガイドレール62よりも上流側に位置している。以下においては、ワークWの改行を副走査と呼ぶことがある。
次いで、ステップS12において、CPU113は、照射装置15bに対する照射指令を照射制御部147(図6)に出力する。このとき、照射制御部147は、照射装置15bの光源43の駆動を制御して、照射装置15bの光源43を点灯させる。
【0054】
次いで、ステップS13において、CPU113は、吐出ヘッド33の位置が復路における描画開始位置に到達したか否かを判定する。このとき、吐出ヘッド33の位置が描画開始位置に到達した(Yes)と判定されると、処理がステップS14に移行する。他方で、吐出ヘッド33の位置が描画開始位置に到達していない(No)と判定されると、吐出ヘッド33の位置が描画開始位置に到達するまで処理が待機される。
次いで、ステップS14において、CPU113は、吐出指令を吐出制御部145(図6)に出力する。このとき、吐出制御部145は、吐出ヘッド33の駆動を制御して、描画データに基づいて、各ノズル37から液滴55を吐出させる。これにより、復路でのワークWに対する描画が開始される。
【0055】
次いで、ステップS15において、CPU113は、吐出ヘッド33の位置が復路における描画停止位置に到達したか否かを判定する。このとき、吐出ヘッド33の位置が描画停止位置に到達した(Yes)と判定されると、処理がステップS16に移行する。他方で、吐出ヘッド33の位置が描画停止位置に到達していない(No)と判定されると、吐出ヘッド33の位置が描画停止位置に到達するまで処理が待機される。
次いで、ステップS16において、CPU113は、吐出停止指令を吐出制御部145(図6)に出力する。このとき、吐出制御部145は、吐出ヘッド33の駆動を停止して、各ノズル37からの液滴55の吐出を停止させる。これにより、復路でのワークWに対する描画が終了する。
次いで、ステップS17において、CPU113は、照射装置15bに対する照射停止指令を照射制御部147(図6)に出力する。このとき、照射制御部147は、照射装置15bの光源43の駆動を制御して、照射装置15bの光源43を消灯させる。
【0056】
次いで、ステップS18において、CPU113は、キャリッジ7の位置が往路開始位置に到達したか否かを判定する。このとき、キャリッジ7の位置が往路開始位置に到達した(Yes)と判定されると、処理がステップS19に移行する。他方で、キャリッジ7の位置が往路開始位置に到達していない(No)と判定されると、キャリッジ7の位置が往路開始位置に到達するまで処理が待機される。
次いで、ステップS19において、CPU113は、改行指令をモーター制御部141(図6)に出力する。このとき、改行指令を受けたモーター制御部141は、ワーク搬送モーター123の駆動を制御して、ワークWをY方向に移動(改行)させ、ワークWにおいてパターンを描画すべき新たな領域を描画エリアに移動させる。なお、このときのワークWの改行(搬送)の向きは、ステップS11での向きと同様である。
次いで、ステップS20において、CPU113は、描画データが終了したか否かを判定する。このとき、描画データが終了した(Yes)と判定されると、処理が終了する。他方で、描画データが終了していない(No)と判定されると、処理がステップS4に移行する。
上記により、ワークWにおける描画が行われ得る。
【0057】
本実施形態では、吐出ヘッド33に設けられた複数のノズル37は、図3に示すように、複数のグループGに配属されている。以下において、複数のグループGのそれぞれを識別する場合に、グループGという表記に通し番号が付記される。本実施形態では、複数のノズル37は、2つのグループGであるグループG1とグループG2とに区分されている。
複数のノズル37は、接続部77(図5)側からワークWの改行方向の下流側に向かって、グループG1及びグループG2に、この順で区分されている。グループG1とグループG2とでは、グループG1の方が、改行方向の上流側に位置している。つまり、グループG1の方が、グループG2よりも、接続部77に近い。
本実施形態では、グループG1におけるノズル37の個数と、グループG2におけるノズル37の個数とは、同数である。なお、複数のノズル37におけるグループGの配属は、メモリー部117(図6)に記憶されている。
【0058】
本実施形態では、ベタ描画を描画するときに、複数のノズル37がグループGごとに使い分けられる。
ベタ描画とは、1つの液滴55によって形成されるドットよりも広い領域を、その領域にわたって機能液53で塗りつぶす描画を指す。例えば、ブラックやホワイトを含む種々の色の機能液53でワークWに背景となる下地を描画する場合や、クリアインクで画像にオーバーコート層を被覆する場合などが、ベタ描画に相当する。
ベタ描画では、図7に示す描画処理のステップS6において、グループG1に属するノズル37から液滴55を所定の周期で吐出させる。このステップS6では、グループG1での描画であるドットパターン161を示す平面図である図8(a)に示すように、複数のドット163を、X方向とY方向とに並べて形成する。このとき、複数のドット163間に、ワークWが露呈する領域である露呈領域165を残してドットパターン161を形成する。ここで、露呈領域165としては、X方向に隣り合う2つのドット163の間でこれらの2つのドット163によって区切られている構成も採用され得る。同様に、露呈領域165として、Y方向に隣り合う2つのドット163の間でこれらの2つのドット163によって区切られている構成も採用され得る。
なお、ドットパターン161には、キャリッジ7の移動にともなって、照射装置15aによって紫外光41が照射される。
【0059】
そして、このベタ描画では、図7に示す描画処理のステップS11において、ノズル列39の長さの半分に相当する距離だけワークWを改行する。前述したように、ワークWの改行の向きは、ガイドレール61側からガイドレール62側に向かう向きである。
この改行により、ドットパターン161と、キャリッジ7の復路におけるグループG2の軌跡とを、平面視で重ねることができる。
この状態で、図7に示す描画処理のステップS14において、グループG2に属するノズル37から液滴55を所定の周期で吐出させる。このステップS14では、グループG2での描画を示す平面図である図8(b)に示すように、複数のドット167を、X方向とY方向とに並べて形成する。このとき、各露呈領域165(図8(a))を、各ドット167の狙いの位置とする。
【0060】
一般的に、キャリッジ7の接続部77から遠ざかるほど、キャリッジ7の揺動に起因して、キャリッジ7の位置精度が悪化する。これは、キャリッジ7を駆動するための動力が接続部77に伝達されることと、キャリッジ7の位置の指標となるリニアスケール及びエンコーダーがキャリッジ7の接続部77側に設けられていることとによる。このため、キャリッジ7の接続部77から遠ざかるほど、液滴55のワークWにおける着弾位置の誤差が大きくなる。本実施形態では、接続部77に近い側のグループG1におけるノズル37での着弾位置の誤差よりも、接続部77から遠い側のグループG2におけるノズル37での着弾位置の誤差の方が大きくなりやすい。このため、ステップS14において、各露呈領域165を各ドット167の狙いの位置としても、狙い通りにならないことがある。つまり、ステップS14では、液滴55の着弾位置が露呈領域165位置からずれてしまうことがある。
【0061】
しかしながら、本実施形態では、次の理由により、各ドット167を各露呈領域165に重ねて形成することができる。その理由としては、紫外光41の照射を受けたドット163であるドット163a(図8(b))が、機能液53に対して高い撥液性を示すことである。
つまり、液滴55の着弾位置が露呈領域165の位置からずれてしまっても、ドット163aの撥液性により、機能液53が露呈領域165内に流れ落ちやすくなるためである。また、ドット167のサイズが、ドット163のサイズよりも小さいサイズに設定されることが好ましい。ドット167のサイズがドット163のサイズよりも小さいサイズに設定されると、ドット167を構成する液滴55がドット163aに一層はじかれやすくなる。このため、機能液53が露呈領域165内に流れ落ちやすくなる。
【0062】
本実施形態では、ベタ描画において、複数のノズル37のうちで、液滴55の着弾位置の精度が高いグループG1のノズル37でドットパターン161を形成してから、グループG2のノズル37で露呈領域165にドット167を形成する方法が採用されている。この方法により、高い位置精度で形成されたドットパターン161の露呈領域165内にドット167を収めやすくすることができるので、ベタ描画における描画品位を向上させやすくすることができる。
本実施形態において、Y方向が第1方向に対応し、X方向が第2方向に対応し、ガイドレール61及びガイドレール62がガイド部に対応し、ガイドレール61が最近ガイド部に対応し、タイミングベルト66が動力伝達部に対応している。
【0063】
なお、本実施形態では、Y方向に沿って延びるノズル列39が例示されているが、ノズル列39の延在方向は、これに限定されない。ノズル列39の延在方向としては、図9に示すように、Y方向及びX方向の双方に対して傾いた方向も採用され得る。
図9に示す構成例によれば、ドット163やドット167のY方向における密度を高めることができる。
【0064】
(第2実施形態)
図9に示す構成例では、描画処理において、キャリッジ7とワーク搬送装置3との間で、主走査の機能と副走査の機能とを互いに入れ替えることができる。つまり、図9に示す構成例では、ワーク搬送装置3で主走査を行い、キャリッジ7で副走査を行うことができる。
以下において、ワーク搬送装置3で主走査を行い、キャリッジ7で副走査を行う描画方法を第2実施形態として説明する。第2実施形態における液滴吐出装置1では、ノズル列39の延在方向が、図9に示すように、Y方向及びX方向の双方に対して傾いている。第2実施形態における液滴吐出装置1は、ノズル列39の延在方向がY方向及びX方向の双方に対して傾いていることを除いて、第1実施形態における液滴吐出装置1と同様の構成を有している。
【0065】
第2実施形態では、キャリッジ7を停止させた状態でワークWをY方向に沿って搬送しながら、吐出ヘッド33から液滴55を吐出させることによって、ワークWへのパターンの描画が行われる。ワーク搬送装置3による主走査では、ワークWは、静止した吐出ヘッド33をまたいで往復移動する。
そして、ワーク搬送装置3による主走査の往路から復路への折り返し、及び復路から往路への折り返しごとに、キャリッジ7による副走査(改行)が行われる。キャリッジ7による副走査では、X方向において、図9に示すグループG2側からグループG1側に向かう向きにキャリッジ7を駆動(搬送)することによって、改行が行われる。この改行により、グループG2の複数のノズル37をドットパターン161に、平面視で重ねることができる。
【0066】
第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。つまり、第2実施形態においても、ベタ描画において、複数のノズル37のうちで、液滴55の着弾位置の精度が高いグループG1のノズル37でドットパターン161を形成してから、グループG2のノズル37で露呈領域165にドット167を形成する方法が採用されている。この方法により、高い位置精度で形成されたドットパターン161の露呈領域165内にドット167を収めやすくすることができるので、ベタ描画における描画品位を向上させやすくすることができる。
【0067】
第1実施形態及び第2実施形態では、それぞれ、複数のノズル37が2つのグループG1及びグループG2に区分されている。しかしながら、グループGの数は、2つに限定されず、3つ以上の任意の数も採用され得る。
また、第1実施形態及び第2実施形態では、それぞれ、グループG1におけるノズル37の個数と、グループG2におけるノズル37の個数とが同数である。しかしながら、2つのグループGに配属するノズル37の個数としては、互いに異なる個数も採用され得る。
【0068】
この場合、複数のノズル37を区分する方法として、例えば、複数のノズル37を、機能液53の吐出にかかる精度で層別することによって、複数のノズル37を複数のグループGに区分する方法が挙げられる。機能液53の吐出にかかる精度としては、例えば、液滴55の吐出量、液滴55の着弾位置精度などが挙げられる。この方法によれば、吐出にかかる精度が高いグループGに精度が低いノズル37が混じることを避けやすくすることができるので、ドットパターン161における各ドット163の位置精度を向上させやすくすることができる。
【0069】
ところが、2つのグループGに配属するノズル37の個数が互いに異なる場合、グループG1での描画に対する改行と、グループG2での描画に対する改行とで、改行量を異ならせる必要がある。また、そのことにともなって、描画データの改変にかかる処理が複雑になってしまうこともある。
このような点から、グループG1におけるノズル37の個数と、グループG2におけるノズル37の個数とを同数にすることは、好ましい。グループG1におけるノズル37の個数と、グループG2におけるノズル37の個数とを同数にれば、ドットパターン161におけるドット163のY方向の個数と、ドット167のY方向の個数とを対応させることができる。このため、グループG1での描画に対する改行と、グループG2での描画に対する改行とで、改行量を同等にしやすくすることができる。これにより、描画データの改変にかかる処理が複雑になってしまうことを避けやすくすることができる。
【0070】
また、第1実施形態及び第2実施形態では、それぞれ、複数のノズル37が2つのグループG1及びグループG2に区分されている。しかしながら、複数のノズル37を複数のグループGに配属する方法は、これに限定されない。複数のノズル37を複数のグループGに配属する方法としては、例えば、図10に示すように、複数のノズル37のうちの一部のノズル37aを、隣り合う2つのグループG1及びグループG2に重複させて配属する方法も採用され得る。
これにより、例えば、ノズル37の総数が奇数であるときなどに、グループG1におけるノズル37の個数と、グループG2におけるノズル37の個数とを同数にしやすくすることができる。この結果、グループG1での描画に対する改行と、グループG2での描画に対する改行とで、改行量を同等にしても、ドットパターン161におけるドット163のY方向の個数と、ドット167のY方向の個数とを対応させることができる。
また、この場合、2つのグループG1及びグループG2に重複するノズル37aに、ドット163及びドット167の双方を形成させることができる。
【0071】
また、第1実施形態及び第2実施形態では、それぞれ、1つの吐出ヘッド33に設けられている複数のノズル37でノズル列39を構成する例が示されているが、ノズル列39の構成は、これに限定されない。ノズル列39の構成としては、複数の吐出ヘッド33を並べることによってノズル列39を構成する例も採用され得る。
この場合、複数の吐出ヘッド33を並べる方法としては、例えば、複数の吐出ヘッド33をY方向に沿って並べる方法や、複数の吐出ヘッド33を互い違いに千鳥状に並べる方法など、種々の方法が採用され得る。複数の吐出ヘッド33を千鳥状に並べた場合、吐出ヘッド33間でノズル37の配列が整列せずにずれる。吐出ヘッド33間でノズル37の配列がずれていても、複数のドット163や複数のドット167をY方向に整列させることができる。このため、本実施形態では、複数の吐出ヘッド33を千鳥状に並べた場合においても、複数の吐出ヘッド33にわたる複数のノズル37が列状に並ぶ1本のノズル列39を構成するものとみなされる。
【0072】
また、第1実施形態及び第2実施形態では、それぞれ、キャリッジ搬送モーター63からの動力をキャリッジ7に伝達する動力伝達部としてタイミングベルト66が採用されている。しかしながら、動力伝達部は、タイミングベルト66に限定されない。動力伝達部としては、例えば、ボールネジとナットとを組み合わせた機構も採用され得る。さらに、リニアモーター機構でキャリッジ7に直接的に動力を伝達する構成も採用され得る。
【符号の説明】
【0073】
1…液滴吐出装置、3…ワーク搬送装置、7…キャリッジ、11…キャリッジ搬送装置、13…ヘッドユニット、15,15a,15b…照射装置、23a…ガイドレール、23b…ガイドレール、25…ワークテーブル、33…吐出ヘッド、37…ノズル、39…ノズル列、41…紫外光、43…光源、53…機能液、55…液滴、61…ガイドレール、62…ガイドレール、63…キャリッジ搬送モーター、64…駆動プーリー、65…従動プーリー、66…タイミングベルト、71…架台、71a…側壁部、72…架台、73…支柱、74…支柱、77…接続部、161…ドットパターン、163…ドット、163a…ドット、165…露呈領域、167…ドット、W…ワーク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを第1方向に間欠的に搬送する搬送装置と、
液状体を吐出する複数のノズルが列状に設けられ、紫外光の照射を受けることによって硬化する前記液状体を前記複数のノズルの少なくとも一つのノズルから吐出する吐出ヘッドと、
前記吐出ヘッドを保持するキャリッジと、
相互に前記第1方向に隙間をあけた状態で並び、且つ、前記第1方向に対して交差する第2方向に前記ワークの搬送経路をまたいで延在し、前記キャリッジを前記複数のノズルの配列方向に対して交差する前記第2方向に沿ってガイドする複数のガイド部と、
前記キャリッジを前記第2方向に駆動するための動力を伝達する動力伝達部と、
前記キャリッジに設けられ、前記動力伝達部が接続される接続部と、
を有する描画装置で、前記ワークに前記液状体で描画を行うときに、
前記複数のガイド部のうち前記接続部に最も近い前記ガイド部である最近ガイド部から前記第1方向に遠ざかる向きに、前記複数のノズルを、前記複数のノズルの総数よりも少ない複数個ずつの複数のグループに配属し、
前記複数のグループから少なくとも2つのグループを選択し、前記キャリッジを前記第2方向に駆動しながら、前記複数のノズルに属する第1ノズルであって、前記2つのグループのうち前記第1方向で前記最近ガイド部に近い側のグループに属する複数の前記第1ノズルから前記液状体を吐出することによって、前記液状体で複数の第1ドットを、前記第2方向と前記第2方向に対して交差する方向とに並べて、且つ、前記複数の第1ドット間に前記ワークが露呈する露呈領域を残して形成したドットパターンに前記紫外光を照射してから、
前記複数のノズルに属する第2ノズルであって、前記2つのグループのうちの他のグループに属する前記第2ノズルから前記液状体を吐出することによって、第2ドットを前記露呈領域に重ねて形成する、
ことを特徴とする描画方法。
【請求項2】
前記第2ドットは、前記第1ドットよりも小さいドットサイズを有することを特徴とする請求項1に記載の描画方法。
【請求項3】
ワークを第1方向に搬送する搬送装置と、
液状体を吐出する複数のノズルが列状に設けられ、紫外光の照射を受けることによって硬化する前記液状体を前記複数のノズルの少なくとも一つのノズルから吐出する吐出ヘッドと、
前記吐出ヘッドを保持するキャリッジと、
相互に前記第1方向に隙間をあけた状態で並び、且つ、前記第1方向に対して交差する第2方向に前記ワークの搬送経路をまたいで延在し、前記キャリッジを前記複数のノズルの配列方向に対して交差する前記第2方向に沿ってガイドする複数のガイド部と、
前記キャリッジを前記第2方向に間欠的に駆動するための動力を伝達する動力伝達部と、
前記キャリッジに設けられ、前記動力伝達部が接続される接続部と、
を有する描画装置で、前記ワークに前記液状体で描画を行うときに、
前記複数のガイド部のうち前記接続部に最も近い前記ガイド部である最近ガイド部から前記第1方向に遠ざかる向きに、前記複数のノズルを、前記複数のノズルの総数よりも少ない複数個ずつの複数のグループに配属し、
前記複数のグループから少なくとも2つのグループを選択し、前記ワークを前記第1方向に搬送しながら、前記複数のノズルに属する第1ノズルであって、前記2つのグループのうち前記第1方向で前記最近ガイド部に近い側のグループに属する複数の前記第1ノズルから前記液状体を吐出することによって、前記液状体で複数の第1ドットを、前記第1方向と前記第1方向に対して交差する方向とに並べて、且つ、前記複数の第1ドット間に前記ワークが露呈する露呈領域を残して形成したドットパターンに前記紫外光を照射してから、
前記複数のノズルに属する第2ノズルであって、前記2つのグループのうちの他のグループに属する前記第2ノズルから前記液状体を吐出することによって、第2ドットを前記露呈領域に重ねて形成する、
ことを特徴とする描画方法。
【請求項4】
前記第2ドットは、前記第1ドットよりも小さいドットサイズを有することを特徴とする請求項3に記載の描画方法。
【請求項5】
前記複数のノズルを、前記液状体の吐出にかかる精度で層別することによって、前記複数のノズルを前記複数のグループに配属する、
ことを特徴とする請求項1乃至4に記載の描画方法。
【請求項6】
前記複数のノズルのうち、前記複数のグループの各々に属するノズルの個数を、前記複数のグループ間で同数にする、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の描画方法。
【請求項7】
前記複数のノズルのうちの一部のノズルは、前記複数のグループのうち隣り合う2つのグループに重複して属する、
ことを特徴とする請求項1乃至6に記載の描画方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−85991(P2013−85991A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−226540(P2011−226540)
【出願日】平成23年10月14日(2011.10.14)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】