説明

描画装置

【課題】 画素のデータを記憶するバッファのメモリサイズを小さくする。
【解決手段】 描画装置は、図形の頂点情報を受け、図形の2次元表示面における座標を示す位置情報を少なくとも含む図形情報を頂点情報に基づいて生成する座標変換部と、座標変換部から図形情報を受け、図形の所定方向の描画範囲を図形情報に基づいて算出し、2次元表示面を分割した分割領域毎に、分割領域に描画される図形の図形情報を出力する選択部と、選択部から出力された図形情報に基づいて、分割領域の画像データを生成する画像生成部と、画像生成部により生成された画像データを記憶するラインバッファとを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、描画装置に関する。
【背景技術】
【0002】
3次元画像等を描画する描画装置は、例えば、図形の頂点情報に基づいて、2次元表示面上の図形情報を生成する(例えば、特許文献1−4参照。)。そして、描画装置は、生成した図形情報に基づいて、2次元表示面に表示する画像を生成する。例えば、描画装置は、画素の色を記憶するフレームバッファと、画素の奥行き(Z値)を記憶するデプスバッファとを有している。
【0003】
一般的な描画装置では、フレームバッファおよびデプスバッファは、表示面の画素数分のメモリサイズを必要とする。例えば、表示面が800×600画素で、1画素あたりのデータサイズ(色および奥行きの合計値)が8byteであるとき、フレームバッファおよびデプスバッファは、合計で約3.7MBのメモリサイズを必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−31236号公報
【特許文献2】特開平10−222695号公報
【特許文献3】特開平9−180000号公報
【特許文献4】特開2000−30081号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
表示面の画素数分のデータを記憶するには、メモリサイズの大きなバッファ(フレームバッファおよびデプスバッファ)が必要である。例えば、メモリサイズの大きなフレームバッファ等を描画装置内にSRAMで形成したときには、回路面積およびコストが大幅に増加する。また、メモリサイズの大きなフレームバッファ等を描画装置の外部にDRAMで形成したときには、外部のDRAMに対するデータの入出力による消費電力の増加およびDRAMを別チップとして実装することによるコストの増加等の問題がある。
【0006】
本発明の目的は、画素のデータを記憶するバッファのメモリサイズを小さくすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一形態では、描画装置は、図形の頂点情報を受け、図形の2次元表示面における座標を示す位置情報を少なくとも含む図形情報を頂点情報に基づいて生成する座標変換部と、座標変換部から図形情報を受け、図形の所定方向の描画範囲を図形情報に基づいて算出し、2次元表示面を分割した分割領域毎に、分割領域に描画される図形の図形情報を出力する選択部と、選択部から出力された図形情報に基づいて、分割領域の画像データを生成する画像生成部と、画像生成部により生成された画像データを記憶するラインバッファとを有している。
【発明の効果】
【0008】
画素のデータを記憶するバッファのメモリサイズを小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】一実施形態における描画装置の例を示している。
【図2】別の実施形態における描画装置の一例を示している。
【図3】図2に示した描画装置の動作の一例を示している。
【図4】図3に示した動作の続きの一例を示している。
【図5】別の実施形態における描画装置の一例を示している。
【図6】別の実施形態における描画装置の一例を示している。
【図7】図6に示した描画領域判定部の入出力データの一例を示している。
【図8】別の実施形態における描画装置の一例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態を図面を用いて説明する。
【0011】
図1は、一実施形態における描画装置10の例を示している。描画装置10は、例えば、3次元画像等を2次元表示面DISに表示する。例えば、描画装置10は、2次元表示面DISをY方向に4分割した分割領域DAR1、DAR2、DAR3、DAR4毎に、画像データGDATAを生成する。なお、分割領域DARは、2次元表示面DISを4つ以外の数に分割した領域でもよい。描画装置10は、例えば、座標変換部100、選択部200、画像生成部300、ラインバッファ400、ラインデプスバッファ410および表示回路500を有している。
【0012】
座標変換部100は、例えば、ジオメトリ処理を実施する。例えば、座標変換部100は、図形の頂点情報VINFを受け、2次元表示面DISにおける図形の図形情報GINFを生成する。図形は、例えば、三角形である。なお、図形は、三角形以外でもよい。また、頂点情報VINFは、例えば、描画装置10が搭載されるシステムのメモリに記憶されている。例えば、頂点情報VINFは、図形の各頂点の3次元座標の情報(以下、座標情報とも称する)、各頂点の色の情報、テクスチャ座標の情報および法線ベクトルの情報等を有している。なお、頂点情報VINFの座標情報は、例えば、2次元座標の情報でもよい。
【0013】
また、図形情報GINFは、例えば、図形の各頂点の2次元表示面DISにおける座標の情報(以下、位置情報とも称する)、図形の各辺の式(三角形では、三辺の式)の情報、色の情報、テクスチャ座標の情報、法線ベクトルの情報およびZ方向の情報(奥行きの情報)等を有している。なお、図形情報GINF内の色、テクスチャ座標および法線ベクトル等の各情報は、例えば、X方向の増分に対する値の変化量、Y方向の増分に対する値の変化量およびオフセット値を有している。例えば、図形情報GINF内の色の情報は、X方向の増分に対する色の変化量、Y方向の増分に対する色の変化量およびオフセット値を有している。
【0014】
なお、座標変換部100は、頂点情報VINFのうち、図形の座標情報のみを受けてもよい。そして、座標変換部100は、例えば、座標情報を用いてジオメトリ処理の一部を実施し、図形の頂点番号、図形の位置情報(図形の2次元表示面DISにおける座標)および図形の表裏情報を含む図形情報GINFを生成する。すなわち、座標変換部100は、図形の座標情報を頂点情報VINFとして受け、図形の頂点番号および位置情報を少なくとも含む図形情報GINFを座標情報に基づいて生成してもよい。図形の頂点番号は、例えば、図形の頂点にそれぞれ対応する番号の組である。例えば、三角形では、図形の頂点番号は、三角形の3つの頂点にそれぞれ対応する番号の組である。
【0015】
選択部200は、座標変換部100から図形情報GINFを受け、図形の所定方向(図1の例では、Y方向)の描画範囲を図形情報GINFに基づいて算出する。そして、選択部200は、2次元表示面DISを分割した分割領域DAR毎に、分割領域DARに描画される図形の図形情報GINFを画像生成部300に出力する。また、選択部200は、分割領域DARの所定方向(図1の例では、Y方向)の範囲を示す情報を画像生成部300に出力する。
【0016】
これにより、画像生成部300は、描画が実行される分割領域DARを示す情報と、描画が実行される分割領域DARに描画される図形の図形情報GINFとを、選択部200から受ける。なお、描画が実行される分割領域DARを示す情報は、選択部200以外のモジュールから受けてもよい。例えば、画像生成部300は、描画が実行される分割領域DARを示す情報を、描画装置10を制御しているモジュールから受けてもよい。
【0017】
画像生成部300は、例えば、レンダリング処理を実施する。例えば、画像生成部300は、選択部200から出力された図形情報GINFに基づいて、分割領域DARの画像データGDATAを生成する。すなわち、画像生成部300は、分割領域DAR毎に、画像データGDATAを生成する。画像データGDATAには、例えば、画素の色の情報等が含まれる。なお、画像生成部300は、ジオメトリ処理およびレンダリング処理の両方を実施してもよい。
【0018】
例えば、座標変換部100が頂点情報VINFのうちの図形の座標情報のみを受けたときには、画像生成部300は、選択部200から受けた図形情報GINF内の頂点番号に対応する頂点情報VINFを取得する。そして、画像生成部300は、取得した頂点情報VINFを用いてジオメトリ処理およびレンダリング処理を実施し、分割領域DARの画像データGDATAを生成する。すなわち、画像生成部300は、選択部200から受けた図形情報GINF内の頂点番号に対応する頂点情報VINFを取得し、取得した頂点情報に基づいて画像データGDATAを生成してもよい。
【0019】
ラインバッファ400は、画像生成部300により生成された画像データGDATAを記憶する。すなわち、ラインバッファ400は、2次元表示面DISを分割した分割領域DARの1つの分割領域DAR分の画像データGDATAを記憶する。したがって、この実施形態では、ラインバッファ400のメモリサイズを、2次元表示面DISの全体の画素のデータ(画像データ)を記憶するフレームバッファに比べて、小さくできる。
【0020】
ラインデプスバッファ410は、例えば、画素の奥行き(Z値)を記憶する。例えば、画像生成部300は、画像データGDATAを生成する際に、設定情報およびラインデプスバッファ410に記憶されているZ値等を参照する。設定情報は、例えば、図形の変換行列、反射率等の素材情報および光源の位置情報等である。表示回路500は、ラインバッファ400から画像データGDATAを順次読み出し、2次元表示面DISに画像を表示する。
【0021】
以上、この実施形態では、描画装置10は、2次元表示面DISを分割した分割領域DAR毎に、分割領域DARに描画される図形の図形情報GINFを画像生成部300に出力する選択部200を有している。これにより、画像生成部300は、画像データGDATAを分割領域DAR毎に生成する。したがって、この実施形態では、ラインバッファ400のメモリサイズを、1つの分割領域DARの画像データ量と同じサイズまで小さくできる。すなわち、この実施形態では、ラインバッファ400のメモリサイズを、2次元表示面DISの全体の画素のデータを記憶するフレームバッファに比べて、小さくできる。また、この実施形態では、画像データGDATAが分割領域DAR毎に生成されるため、ラインデプスバッファ410のメモリサイズを、ラインバッファ400に合わせて小さくできる。
【0022】
図2は、別の実施形態における描画装置12の一例を示している。上述した実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。描画装置12は、例えば、3次元画像等を2次元表示面DISに表示する。例えば、描画装置12は、座標変換部102、選択部202、画像生成部302、ラインバッファ400、ラインデプスバッファ410および表示回路500を有している。座標変換部102、選択部202および画像生成部302は、図1に示した座標変換部100、選択部200および画像生成部300にそれぞれ対応している。
【0023】
また、図2では、頂点情報VINFを、頂点情報VINFaと頂点情報VINFcとに分けて記載している。例えば、頂点情報VINFaは、図形の各頂点の3次元座標の座標情報、各頂点の色の情報、テクスチャ座標の情報および法線ベクトルの情報等を有している。また、例えば、頂点情報VINFcは、頂点情報VINFのうちの座標情報である。以下、頂点情報VINFcを座標情報VINFcとも称する。
【0024】
座標変換部102は、例えば、ジオメトリ処理の一部を実施する。例えば、座標変換部102は、頂点情報VINFのうちの図形の座標情報VINFcを読み出し、座標に関する処理を実施する。すなわち、座標変換部102は、頂点情報VINFのうち、図形の座標情報VINFc以外の色や法線等に関する情報を読み出さなくてもよい。また、座標変換部102は、座標以外のパラメータ(例えば、色や法線)に関する処理を実施しなくてもよい。
【0025】
例えば、座標変換部102は、図形の座標情報VINFcを頂点情報VINFとして受け、図形の頂点番号および位置情報(図形の2次元表示面DISにおける座標)を少なくとも含む図形情報GINFcを座標情報VINFcに基づいて生成する。座標変換部102は、例えば、頂点読み出し部110、頂点処理部120、図形作成部130および図形除去部140を有している。
【0026】
頂点読み出し部110は、頂点情報VINFのうちの図形の座標情報VINFcを受け、座標情報VINFcを頂点処理部120に出力する。例えば、頂点読み出し部110は、頂点情報VINFが記憶されているメモリ等から座標情報VINFcを読み出し、読み出した座標情報VINFcを頂点処理部120に出力する。
【0027】
頂点処理部120は、座標情報VINFcに基づいて、回転等の座標に関する頂点処理を実施する。頂点処理の結果は、図形作成部130に入力される。図形作成部130は、頂点処理部120による頂点処理の結果を、図形の情報に変換する。例えば、図形が三角形のときには、図形作成部130は、3つの頂点(三角形の頂点)の情報を頂点処理の結果として受け、頂点処理の結果を三角形の情報に変換する。これにより、座標情報VINFcに対応する図形の図形情報が生成される。
【0028】
図形除去部140は、図形作成部130により生成された図形情報のうち、2次元表示面DISに描画されない図形の図形情報を除去する。例えば、図形除去部140は、クリッピング処理やカリング処理を実施し、不要な図形情報を除去する。例えば、クリッピング処理では、図形除去部140は、表示領域外の図形を除去する。また、例えば、カリング処理では、図形除去部140は、図形の表裏判定を実施し、裏と判定した図形を除去する。なお、図形の裏を表示する設定のときには、図形除去部140は、例えば、裏であることを示すフラグ等の表裏情報を図形情報に追加する。
【0029】
そして、図形除去部140は、2次元表示面DISに描画される図形の図形情報GINFcを選択部202の描画領域判定部210に出力する。図形情報GINFcは、例えば、図形の頂点番号、図形の2次元表示面DISにおける座標を示す位置情報および図形の表裏情報を有している。
【0030】
選択部202は、描画領域判定部210、記憶部220および読み出し部230を有している。描画領域判定部210は、図形の所定方向(例えば、図3のY方向)の描画範囲RINFを図形情報GINFcに基づいて算出する。例えば、描画領域判定部210は、図形の頂点のうち、最小のY座標および最大のY座標を描画範囲RINFとして算出する。そして、描画領域判定部210は、所定の領域毎に、図形が所定の領域に描画されるか否かを図形の描画範囲RINFに基づいて判定する。以下、描画領域判定部210による判定の処理単位に対応する所定の領域を処理領域とも称する。例えば、処理領域は、2次元表示面DISを分割した分割領域DARを複数有する領域(例えば、図3の各処理領域PAR)である。
【0031】
例えば、描画領域判定部210は、次式(1)を満たすとき、図形が処理領域に描画されると判定する。なお、式(1)のYmin、Ymaxは、判定対象の図形の最小のY座標および最大のY座標であり、Amin、Amaxは、判定対象の処理領域の最小のY座標および最大のY座標である。
(Amin<Ymax)&&(Amax>Ymin) ‥‥(1)
すなわち、描画領域判定部210は、判定対象の処理領域の最小のY座標Aminが判定対象の図形の最大のY座標Ymaxより小さく、かつ、判定対象の処理領域の最大のY座標Amaxが判定対象の図形の最小のY座標Yminより大きいとき、図形が処理領域に描画されると判定する。
【0032】
描画領域判定部210は、図形除去部140から受けた図形情報GINFcのうち、処理領域(図3の例では、処理領域PAR1)に描画されない図形の図形情報GINFcを除去する。そして、描画領域判定部210は、処理領域に描画される図形の図形情報GINFcを記憶部220に出力する。さらに、描画領域判定部210は、処理領域に描画される図形の描画範囲RINFを、図形情報GINFcに対応付けて記憶部220に出力する。
【0033】
記憶部220は、描画領域判定部210から出力された図形情報GINFcおよび描画範囲RINFを記憶する。すなわち、記憶部220は、処理領域に描画される図形の図形情報GINFcおよび描画範囲RINFを記憶する。
【0034】
読み出し部230は、図形が分割領域DARに描画されるか否かを描画範囲RINFに基づいて判定する。そして、読み出し部230は、分割領域DAR毎に、分割領域DARに描画される図形の図形情報GINFcを記憶部220から画像生成部302に転送する。例えば、読み出し部230は、読み出し制御部232および読み出しバッファ234を有している。
【0035】
読み出し制御部232は、先ず、図形が描画される分割領域DARを算出する処理を、処理領域に描画される全ての図形に対して実施する。例えば、読み出し制御部232は、各分割領域DARの最小のY座標および最大のY座標を式(1)のAmin、Amaxに代入し、式(1)を満たすか否か判定する。これにより、図形が描画される分割領域DARは、算出される。算出結果は、読み出しバッファ234に分割領域DAR毎に記憶される。例えば、読み出し制御部232は、分割領域DAR毎に、分割領域DARに描画される図形を示すインデックスINDXを読み出しバッファ234に記憶する。インデックスINDXは、例えば、分割領域DARに描画される図形の図形情報GINFcが記憶されている記憶部220のアドレス等である。
【0036】
例えば、読み出し制御部232は、読み出しバッファ234に記憶したインデックスINDXに基づいて、記憶部220に記憶された図形情報GINFcを分割領域DAR毎に読み出す。そして、読み出し制御部232は、読み出した図形情報GINFcを画像生成部302の頂点読み出し部310に出力する。また、読み出し制御部232は、描画が実行される分割領域DARを示す情報(例えば、分割領域DARのY方向の範囲を示す情報)を画像生成部302に出力する。
【0037】
このように、読み出し部230は、図形が描画される分割領域DARを算出する処理を、処理領域に描画される全ての図形に対して実施した後、分割領域DAR毎に、分割領域DARに描画される図形の図形情報GINFcを記憶部220から画像生成部302に転送する。
【0038】
画像生成部302は、例えば、選択部202から受けた図形情報GINFc内の頂点番号に対応する頂点情報VINFaを取得し、ジオメトリ処理およびレンダリング処理を分割領域DAR毎に実施する。例えば、画像生成部302は、頂点読み出し部310、頂点処理部320、図形作成部330、画素生成部340、画素処理部350および画素除去部360を有している。
【0039】
頂点読み出し部310は、読み出し制御部232から図形情報GINFcを受ける。そして、頂点読み出し部310は、図形情報GINFc内の頂点番号に対応する頂点情報VINFaを、頂点情報VINFaが記憶されているメモリ等から読み出す。頂点読み出し部310により読み出される頂点情報VINFaは、例えば、図形の各頂点の3次元座標の座標情報、各頂点の色の情報、テクスチャ座標の情報および法線ベクトルの情報等を有している。頂点読み出し部310は、読み出した頂点情報VINFaを頂点処理部320に出力する。
【0040】
頂点処理部320は、頂点情報VINFaに基づいて頂点処理を実施する。頂点処理部320により実施される頂点処理には、例えば、回転等の座標に関する処理、ライティング、各頂点の色の計算、テクスチャ座標の計算および各頂点の法線ベクトルの計算等が含まれる。頂点処理の結果は、図形作成部330に入力される。図形作成部330は、頂点処理部320による頂点処理の結果を、図形の情報に変換する。図3の例では、図形作成部330は、3つの頂点(三角形の頂点)の情報を頂点処理の結果として受け、頂点処理の結果を三角形の情報に変換する。これにより、分割領域DARに描画される図形の図形情報が生成される。図形作成部330は、図形情報を画素生成部340に出力する。
【0041】
図形作成部330から出力される図形情報は、例えば、図形の位置情報(2次元表示面DISにおける座標)、図形の各辺の式の情報、色の情報、テクスチャ座標の情報、法線ベクトルの情報およびZ方向の情報(奥行きの情報)等を有している。
【0042】
画素生成部340は、図形作成部330から受けた図形情報に基づいて、画素情報を生成する。そして、画素生成部340は、画素情報を画素処理部350に出力する。画素処理部350は、画素生成部340から受けた画素情報に基づいて、色の計算やテクスチャ座標の計算等を画素単位で実施する。例えば、画素処理部350等は、分割領域DARの画素情報を生成する際に、分割領域DARに関する設定情報等を参照する。設定情報は、例えば、図形の変換行列、反射率等の素材情報および光源の位置情報等である。
【0043】
画素除去部360は、画素処理部350により処理された画素情報のうち、2次元表示面DISに描画されない画素情報を除去する。例えば、画素除去部360は、ラインデプスバッファ410に記憶されているZ値(画素の奥行き)に基づいてZテストを実施し、不要な画素情報を除去する。なお、除去されずに残った画素情報は、描画対象の分割領域DRAの画像データGDATAに対応する。画素除去部360は、分割領域DRAの画像データGDATAをラインバッファ400に記憶する。
【0044】
このように、画像生成部302は、分割領域DAR毎に、画像データGDATAを生成する。これにより、ラインバッファ400は、2次元表示面DISを分割した分割領域DARの1つの分割領域DAR分の画像データGDATAを記憶する。したがって、この実施形態では、ラインバッファ400のメモリサイズを、2次元表示面DISの全体の画素のデータ(画像データ)を記憶するフレームバッファに比べて、小さくできる。表示回路500は、ラインバッファ400から画像データGDATAを順次読み出し、2次元表示面DISに画像を表示する。
【0045】
図3および図4は、図2に示した描画装置12の動作の一例を示している。なお、図3および図4は、2次元表示面DISをY方向に2分割した処理領域PAR毎に頂点情報VINFcが読み出されるときの動作の一例を示している。処理領域PAR1は、分割領域DAR1、DAR2を有し、処理領域PAR2は、分割領域DAR3、DAR4を有している。
【0046】
例えば、図3は、処理領域PAR1の分割領域DAR1、DAR2に図形を描画するときの描画装置12の動作を示している。そして、図4は、処理領域PAR2の分割領域DAR3、DAR4に図形を描画するときの描画装置12の動作を示している。図の網掛け部分は、図形の描画された部分を示している。相対的に薄い網掛け部分は、濃い網掛け部分が描画される前に描画された部分を示している。
【0047】
図3および図4の例では、三角形TR10、TR20、TR30、TR40の順に、三角形TRの頂点情報VINFが読み出される。例えば、2次元表示面DISの画像データを分割せずに生成する描画装置では、三角形TR10、TR20、TR30、TR40の順に、三角形TRが2次元表示面DISに描画される。
【0048】
先ず、図3(a)に示すように、座標変換部102は、2次元表示面DISに描画される三角形TR10、TR20、TR30、TR40の図形情報GINFcを生成する。例えば、頂点読み出し部110は、三角形TR10、TR20、TR30、TR40の頂点情報VINFcを読み出す。そして、頂点処理部120は、三角形TR10、TR20、TR30、TR40の頂点情報VINFcに基づいて、回転等の座標に関する頂点処理を実施する。
【0049】
図形作成部130は、3つの頂点(三角形の頂点)の情報を頂点処理の結果として頂点処理部120から受け、頂点処理の結果を三角形TR10、TR20、TR30、TR40の情報(図形情報GINFc)に変換する。図形情報GINFcは、例えば、三角形TR10、TR20、TR30、TR40の頂点番号、三角形TR10、TR20、TR30、TR40の位置情報(2次元表示面DISにおける座標)および図形の表裏情報を有している。図形除去部140は、クリッピング処理やカリング処理を実施し、不要な図形情報GINFcを除去する。
【0050】
そして、図3(b)に示すように、描画領域判定部210は、図形除去部140から受けた図形情報GINFcのうち、処理領域PAR1に描画される三角形TR10、TR30、TR40の図形情報を記憶部220に記憶する。例えば、式(1)のAmin、Amaxに、処理領域PAR1の最小のY座標および最大のY座標を代入し、Ymin、Ymaxに、三角形TR10の最小のY座標および最大のY座標を代入することにより、三角形TR10が処理領域PAR1に描画されるか否かが判定される。
【0051】
次に、図3(c)に示すように、三角形TR30および三角形TR40の一部(濃い網掛け部分)が分割領域DAR1に描画される。例えば、読み出し部230の読み出し制御部232は、読み出しバッファ234の分割領域DAR1用の空間に、分割領域DAR1に描画される三角形TR30、TR40を示すインデックスINDXを記憶する。さらに、読み出し制御部232は、読み出しバッファ234の分割領域DAR2用の空間に、分割領域DAR2に描画される三角形TR10、TR40を示すインデックスINDXを記憶する。
【0052】
そして、読み出し制御部232は、分割領域DAR1、DAR2毎にインデックスINDXを読み出しバッファ234に記憶した後、分割領域DAR1に描画される三角形TR30、TR40の図形情報GINFcを記憶部220から画像生成部302に転送する。画像生成部302の頂点読み出し部310は、図形情報GINFc内の頂点番号に対応する頂点情報VINFaを読み出す。そして、頂点処理部320および図形作成部330により、分割領域DAR1に描画される三角形TR30、TR40の図形情報が生成される。
【0053】
画素生成部340は、図形作成部330から受けた図形情報に基づいて、画素情報を生成する。画素処理部350は、画素生成部340から受けた画素情報に基づいて、色の計算やテクスチャ座標の計算等を画素単位で実施する。画素除去部360は、例えば、ラインデプスバッファ410に記憶されているZ値(画素の奥行き)に基づいてZテストを実施し、不要な画素情報を除去する。そして、画素除去部360は、分割領域DRA1の画像データGDATAをラインバッファ400に記憶する。表示回路500は、ラインバッファ400から画像データGDATAを読み出し、2次元表示面DISの分割領域DAR1に画像を表示する。
【0054】
分割領域DAR1に画像が表示された後、図3(d)に示すように、三角形TR10および三角形TR40の一部(濃い網掛け部分)が分割領域DAR2に描画される。例えば、読み出し制御部232は、読み出しバッファ234の分割領域DAR2用の空間に記憶されたインデックスINDXに基づいて、分割領域DAR2に描画される三角形TR10、TR40の図形情報GINFcを記憶部220から画像生成部302に転送する。そして、画像生成部302は、読み出し制御部232から受けた三角形TR10、TR40の図形情報GINFcに基づいて、2次元表示面DISの分割領域DAR2の画像データを生成する。これにより、2次元表示面DISの分割領域DAR2に画像が表示される。
【0055】
次に、図4(a)に示すように、座標変換部102は、2次元表示面DISに描画される三角形TR10、TR20、TR30、TR40の図形情報GINFcを再生成する。例えば、頂点読み出し部110は、三角形TR10、TR20、TR30、TR40の頂点情報VINFcを再び読み出す。そして、頂点処理部120、図形作成部130および図形除去部140により、2次元表示面DISに描画される三角形TR10、TR20、TR30、TR40の図形情報GINFcが再生成される。
【0056】
そして、図4(b)に示すように、描画領域判定部210は、図形除去部140から受けた図形情報GINFcのうち、処理領域PAR2に描画される三角形TR20、TR40の図形情報を記憶部220に記憶する。
【0057】
次に、図4(c)に示すように、三角形TR20の一部(濃い網掛け部分)および三角形TR40の一部(濃い網掛け部分)が分割領域DAR3に描画される。例えば、読み出し制御部232は、読み出しバッファ234の分割領域DAR3用の空間に、分割領域DAR3に描画される三角形TR20、TR40を示すインデックスINDXを記憶する。さらに、読み出し制御部232は、読み出しバッファ234の分割領域DAR4用の空間に、分割領域DAR4に描画される三角形TR20、TR40を示すインデックスINDXを記憶する。なお、読み出しバッファ234の各分割領域DAR用の空間は、固定されていてもよいし、固定されていなくてもよい。
【0058】
また、例えば、読み出しバッファ234の分割領域DAR1、DAR3用の空間は、互いに兼用されてもよい。同様に、読み出しバッファ234の分割領域DAR2、DAR4用の空間は、互いに兼用されてもよい。読み出し制御部232は、読み出しバッファ234の分割領域DAR3用の空間に記憶されたインデックスINDXに基づいて、分割領域DAR3に描画される三角形TR20、TR40の図形情報GINFcを記憶部220から画像生成部302に転送する。そして、画像生成部302は、読み出し制御部232から受けた三角形TR20、TR40の図形情報GINFcに基づいて、2次元表示面DISの分割領域DAR3の画像データを生成する。
【0059】
分割領域DAR3に画像が表示された後、図4(d)に示すように、三角形TR20の一部(濃い網掛け部分)および三角形TR40の一部(濃い網掛け部分)が分割領域DAR4に描画される。これにより、2次元表示面DISの全画面の描画が終了する。このように、座標変換部102は、図形情報GINFcを描画領域判定部210に出力する処理を、描画領域判定部210による判定が全ての処理領域PAR1、PAR2に対して実施されるまで繰り返す。
【0060】
なお、描画装置12の構成および動作は、この例に限定されない。例えば、読み出しバッファ234には、インデックスINDXの代わりに図形情報GINFcが記憶されてもよい。このときには、読み出し制御部232は、分割領域DARに描画される図形の図形情報GINFcを読み出しバッファ234から画像生成部302に転送する。
【0061】
また、例えば、処理領域PARが分割領域DARと同じとき、選択部202の記憶部220および読み出し部230は、省かれてもよい。このときには、描画領域判定部210は、図形情報GINFcを処理領域PAR毎に記憶部220に記憶する代わりに、図形情報GINFcを処理領域PAR(分割領域DAR)毎に画像生成部302に出力する。
【0062】
あるいは、2次元表示面DISの全画面が1つの処理領域PARのとき、選択部202の描画領域判定部210は、省かれてもよい。このときには、2次元表示面DISに描画される図形の図形情報GINFcが記憶部220に記憶される。そして、図形の所定方向(例えば、図3のY方向)の描画範囲RINFは、読み出し制御部232で算出される。
【0063】
以上、この実施形態においても、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、この実施形態では、記憶部220に記憶される図形情報GINFcは、座標に関する頂点処理により生成される。すなわち、図形情報GINFcは、座標以外のパラメータ(例えば、色や法線)に関する頂点処理の結果を含んでいない。このため、この実施形態では、記憶部220のメモリサイズが増加することを抑制できる。
【0064】
また、この実施形態では、座標変換部102は、図形を分割せずに図形情報GINFcを生成する。ここで、例えば、三角形TR40を分割領域DARに合わせて4分割した後に図形情報GINFcを生成したとき、三角形TR40の図形情報GINFcのデータ量は、図形を分割せずに図形情報GINFcを生成したときのデータ量の約4倍になる。各処理領域PARでは、三角形TR40の図形情報GINFcのデータ量は、図形を分割せずに図形情報GINFcを生成したときのデータ量の約2倍になる。これに対し、この実施形態では、記憶部220に記憶される図形情報GINFcは、図形を分割せずに生成される。これにより、この実施形態では、記憶部220のメモリサイズが増加することを抑制できる。
【0065】
図5は、別の実施形態における描画装置14の一例を示している。上述した実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。描画装置14は、図2に示した読み出し部230の代わりに読み出し部236を有している。描画装置14のその他の構成は、上述した図2−図4で説明した実施形態と同じである。例えば、描画装置14は、3次元画像等を2次元表示面DISに表示する。
【0066】
描画装置14は、例えば、座標変換部102、選択部204、画像生成部302、ラインバッファ400、ラインデプスバッファ410および表示回路500を有している。座標変換部102、選択部204および画像生成部302は、図1に示した座標変換部100、選択部200および画像生成部300にそれぞれ対応している。
【0067】
選択部204は、図2に示した読み出し部230の代わりに読み出し部236を有している。選択部204のその他の構成は、図2に示した選択部202と同じである。例えば、選択部204は、描画領域判定部210、記憶部220および読み出し部236を有している。読み出し部236は、読み出し判定部238を有している。
【0068】
読み出し判定部238は、分割領域DAR毎に、図形が分割領域DARに描画されるか否かの判定を処理領域PARに描画される全ての図形に対して実施する。そして、読み出し判定部238は、分割領域DARに描画される図形の図形情報GINFcを記憶部220から画像生成部302の頂点読み出し部310に転送する。
【0069】
例えば、図3に示した動作では、読み出し判定部238は、先ず、三角形TR10が分割領域DAR1に描画されるか否かを、三角形TR10の描画範囲RINFに基づいて判定する。三角形TR10は分割領域DAR1に描画されないため、三角形TR10の図形情報GINFcは、画像生成部302に転送されない。次に、読み出し判定部238は、三角形TR30が分割領域DAR1に描画されるか否かを、三角形TR30の描画範囲RINFに基づいて判定する。三角形TR30は分割領域DAR1に描画されるため、読み出し判定部238は、三角形TR30の図形情報GINFcを記憶部220から画像生成部302に転送する。
【0070】
そして、読み出し判定部238は、三角形TR40が分割領域DAR1に描画されるか否かを、三角形TR40の描画範囲RINFに基づいて判定する。三角形TR40は分割領域DAR1に描画されるため、読み出し判定部238は、三角形TR40の図形情報GINFcを記憶部220から画像生成部302に転送する。なお、読み出し判定部238は、分割領域DAR2に描画される図形の図形情報GINFcを画像生成部302に転送する際にも、三角形TR10、TR30、TR40が分割領域DAR2に描画されるか否かをそれぞれ判定する。
【0071】
また、例えば、図4に示した動作では、読み出し判定部238は、分割領域DAR3に描画される図形の図形情報GINFcを画像生成部302に転送する際に、三角形TR20、TR40が分割領域DAR3に描画されるか否かをそれぞれ判定する。そして、読み出し判定部238は、分割領域DAR4に描画される図形の図形情報GINFcを画像生成部302に転送する際にも、三角形TR20、TR40が分割領域DAR4に描画されるか否かをそれぞれ判定する。
【0072】
このようにして、読み出し部236は、図形が分割領域DARに描画されるか否かを描画範囲RINFに基づいて判定し、分割領域DAR毎に、分割領域DARに描画される図形の図形情報GINFcを記憶部220から画像生成部302に転送する。
【0073】
なお、描画装置14の構成および動作は、この例に限定されない。例えば、2次元表示面DISの全画面が1つの処理領域PARのとき、選択部204の描画領域判定部210は、省かれてもよい。このときには、2次元表示面DISに描画される図形の図形情報GINFcが記憶部220に記憶される。そして、図形の所定方向(例えば、図3のY方向)の描画範囲RINFは、読み出し判定部238で算出される。
【0074】
以上、この実施形態においても、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0075】
図6は、別の実施形態における描画装置12Aの一例を示している。上述した実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。描画装置12Aは、図2に示した座標変換部102、選択部202および画像生成部302の代わりに座標変換部102A、選択部202Aおよび画像生成部302Aを有している。描画装置12Aのその他の構成は、上述した図2−図4で説明した実施形態と同じである。例えば、描画装置12Aは、3次元画像等を2次元表示面DISに表示する。
【0076】
描画装置12Aは、例えば、座標変換部102A、選択部202A、画像生成部302A、ラインバッファ400、ラインデプスバッファ410および表示回路500を有している。座標変換部102A、選択部202Aおよび画像生成部302Aは、図1に示した座標変換部100、選択部200および画像生成部300にそれぞれ対応している。
【0077】
座標変換部102Aは、頂点情報VINFaに基づいて、画像データGDATAの生成に必要な情報を含む図形情報GINFaを生成する。例えば、座標変換部102Aは、ジオメトリ処理を実施する。座標変換部102Aの構成および動作は、座標以外のパラメータ(例えば、色や法線)に関する処理を実施することを除いて、図2に示した座標変換部102と同じである。座標変換部102Aは、例えば、頂点読み出し部110A、頂点処理部120A、図形作成部130Aおよび図形除去部140Aを有している。
【0078】
頂点読み出し部110Aは、例えば、頂点情報VINFaが記憶されているメモリ等から頂点情報VINFaを読み出し、読み出した頂点情報VINFaを頂点処理部120Aに出力する。頂点読み出し部110Aにより読み出される頂点情報VINFaは、例えば、図形の各頂点の3次元座標の座標情報、各頂点の色の情報、テクスチャ座標の情報および法線ベクトルの情報等を有している。
【0079】
頂点処理部120Aは、頂点情報VINFaに基づいて頂点処理を実施する。頂点処理部120Aにより実施される頂点処理には、例えば、回転等の座標に関する処理、ライティング、各頂点の色の計算、テクスチャ座標の計算および各頂点の法線ベクトルの計算等が含まれる。頂点処理の結果は、図形作成部130Aに入力される。図形作成部130Aは、頂点処理部120Aによる頂点処理の結果を、図形の情報に変換する。図3の例では、図形作成部120Aは、3つの頂点(三角形の頂点)の情報を頂点処理の結果として受け、頂点処理の結果を三角形の情報に変換する。これにより、頂点情報VINFaに対応する図形の図形情報が生成される。図形作成部130Aは、図形情報を図形除去部140Aに出力する。
【0080】
図形除去部140Aは、図形作成部130Aにより生成された図形情報のうち、2次元表示面DISに描画されない図形の図形情報を除去する。例えば、図形除去部140Aは、クリッピング処理やカリング処理を実施し、不要な図形情報を除去する。そして、図形除去部140Aは、2次元表示面DISに描画される図形の図形情報GINFaを選択部202Aの描画領域判定部210Aに出力する。図形除去部140Aから出力される図形情報GINFaは、例えば、図形の位置情報(2次元表示面DISにおける座標)、図形の各辺の式の情報、色の情報、テクスチャ座標の情報、法線ベクトルの情報およびZ方向の情報(奥行きの情報)等を有している。
【0081】
選択部202Aは、描画領域判定部210A、記憶部220Aおよび読み出し部230Aを有している。選択部202Aの構成および動作は、図形情報GINFcの代わりに図形情報GINFaを参照することを除いて、図2に示した選択部202と同じである。例えば、描画領域判定部210Aは、図形の所定方向(例えば、図3のY方向)の描画範囲RINFを図形情報GINFaに基づいて算出する。そして、描画領域判定部210Aは、例えば、上述した式(1)を満たすか否か判定し、処理領域PARに描画される図形の図形情報GINFaおよび描画範囲RINFを記憶部220Aに出力する。すなわち、描画領域判定部210Aは、図形除去部140Aから受けた図形情報GINFaのうち、判定対象の処理領域PARに描画されない図形の図形情報GINFaを除去する。
【0082】
記憶部220Aは、描画領域判定部210Aから出力された図形情報GINFaおよび描画範囲RINF等を記憶する。例えば、記憶部220Aは、処理領域PARに描画される図形の図形情報GINFa、描画範囲RINFおよび処理領域PARに関する設定情報を記憶する。
【0083】
読み出し部230Aは、図形が分割領域DARに描画されるか否かを描画範囲RINFに基づいて判定する。そして、読み出し部230Aは、分割領域DAR毎に、分割領域DARに描画される図形の図形情報GINFaを記憶部220Aから画像生成部302Aに転送する。例えば、読み出し部230Aは、読み出し制御部232Aおよび読み出しバッファ234Aを有している。
【0084】
読み出し制御部232Aは、先ず、図形が描画される分割領域DARを算出する処理を、処理領域PARに描画される全ての図形に対して実施する。算出結果は、読み出しバッファ234Aに分割領域DAR毎に記憶される。例えば、読み出し制御部232Aは、分割領域DAR毎に、分割領域DARに描画される図形を示すインデックスINDXを読み出しバッファ234Aに記憶する。その後、読み出し制御部232Aは、読み出しバッファ234Aに記憶したインデックスINDXに基づいて、記憶部220Aに記憶された図形情報GINFaを分割領域DAR毎に読み出す。
【0085】
そして、読み出し制御部232Aは、読み出した図形情報GINFaを画像生成部302Aの画素生成部340に出力する。また、読み出し制御部232Aは、描画が実行される分割領域DARを示す情報(例えば、分割領域DARのY方向の範囲を示す情報)を画像生成部302Aに出力する。
【0086】
このように、読み出し部230Aは、図形が描画される分割領域DARを算出する処理を、処理領域PARに描画される全ての図形に対して実施した後、分割領域DAR毎に、分割領域DARに描画される図形の図形情報GINFaを記憶部220Aから画像生成部302Aに転送する。
【0087】
画像生成部302Aは、画素生成部340、画素処理部350および画素除去部360を有している。すなわち、画素生成部340、画素処理部350および画素除去部360の構成および動作は、図2に示した画像生成部302の画素生成部340、画素処理部350および画素除去部360と同じである。例えば、画素生成部340は、読み出し部230Aから受けた図形情報GINFaに基づいて、画素情報を生成する。そして、画素処理部350および画素除去部360により、描画対象の分割領域DRAの画像データGDATAが生成される。画素除去部360は、分割領域DRAの画像データGDATAをラインバッファ400に記憶する。
【0088】
図7は、図6に示した描画領域判定部210Aの入出力データの一例を示している。なお、図7は、図3に示した動作に対応する動作が実施されたときの描画領域判定部210Aの入出力データの一例を示している。図中の星印は、描画領域判定部210Aにより除去される図形情報GINFaを示し、二重丸は、描画領域判定部210Aで追加される描画範囲RINFを示している。
【0089】
例えば、描画領域判定部210Aは、設定情報SINF1、SINF2、三角形TR10の図形情報GINFa10、三角形TR20の図形情報GINFa20、設定情報SINF3、三角形TR30の図形情報GINFa30、三角形TR40の図形情報GINFa40を座標変換部102Aから順次受ける。設定情報SINFは、例えば、図形の変換行列、反射率等の素材情報および光源の位置情報等である。
【0090】
そして、描画領域判定部210Aは、設定情報SINF1、SINF2、図形情報GINFa10、描画範囲RINF10、設定情報SINF3、図形情報GINFa30、描画範囲RINF30、図形情報GINFa40、描画範囲RINF40を記憶部220Aに順次出力する。描画領域判定部210Aから出力されるデータには、判定対象の処理領域PAR1に描画される三角形TR10、TR30、TR40の描画範囲RINF10、RINF30、RINF40が追加されている。また、処理領域PAR1に描画されない三角形TR20の図形情報GINFa20は、記憶部220Aに出力されない。
【0091】
なお、描画装置12Aの構成および動作は、この例に限定されない。例えば、読み出しバッファ234Aには、インデックスINDXの代わりに図形情報GINFaが記憶されてもよい。このときには、読み出し制御部232Aは、分割領域DARに描画される図形の図形情報GINFaを読み出しバッファ234Aから画像生成部302Aに転送する。
【0092】
また、例えば、処理領域PARが分割領域DARと同じとき、選択部202Aの記憶部220Aおよび読み出し部230Aは、省かれてもよい。このときには、描画領域判定部210Aは、図形情報GINFaを処理領域PAR毎に記憶部220Aに記憶する代わりに、図形情報GINFaを処理領域PAR(分割領域DAR)毎に画像生成部302Aに出力する。
【0093】
あるいは、2次元表示面DISの全画面が1つの処理領域PARのとき、選択部202Aの描画領域判定部210Aは、省かれてもよい。このときには、2次元表示面DISに描画される図形の図形情報GINFaが記憶部220Aに記憶される。そして、図形の所定方向(例えば、図3のY方向)の描画範囲RINFは、読み出し制御部232Aで算出される。
【0094】
以上、この実施形態においても、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0095】
図8は、別の実施形態における描画装置14Aの一例を示している。上述した実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。描画装置14Aは、図6に示した読み出し部230Aの代わりに読み出し部236Aを有している。描画装置14Aのその他の構成は、上述した図6および図7で説明した実施形態と同じである。例えば、描画装置14Aは、3次元画像等を2次元表示面DISに表示する。
【0096】
描画装置14Aは、例えば、座標変換部102A、選択部204A、画像生成部302A、ラインバッファ400、ラインデプスバッファ410および表示回路500を有している。座標変換部102A、選択部204Aおよび画像生成部302Aは、図1に示した座標変換部100、選択部200および画像生成部300にそれぞれ対応している。
【0097】
選択部204Aは、図6に示した読み出し部230Aの代わりに読み出し部236Aを有している。選択部204Aのその他の構成は、図6に示した選択部202Aと同じである。例えば、選択部204Aは、描画領域判定部210A、記憶部220Aおよび読み出し部236Aを有している。読み出し部236Aは、読み出し判定部238Aを有している。読み出し判定部238Aの構成および動作は、図形情報GINFcの代わりに図形情報GINFaを参照することを除いて、図5に示した読み出し判定部238と同じである。
【0098】
例えば、読み出し判定部238Aは、分割領域DAR毎に、図形が分割領域DARに描画されるか否かの判定を処理領域PARに描画される全ての図形に対して実施する。そして、読み出し判定部238Aは、分割領域DARに描画される図形の図形情報GINFaを記憶部220Aから画像生成部302Aの画素生成部340に転送する。
【0099】
なお、描画装置14Aの構成および動作は、この例に限定されない。例えば、2次元表示面DISの全画面が1つの処理領域PARのとき、選択部204Aの描画領域判定部210Aは、省かれてもよい。このときには、2次元表示面DISに描画される図形の図形情報GINFaが記憶部220Aに記憶される。そして、図形の所定方向(例えば、図3のY方向)の描画範囲RINFは、読み出し判定部238Aで算出される。
【0100】
以上、この実施形態においても、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0101】
以上の詳細な説明により、実施形態の特徴点および利点は明らかになるであろう。これは、特許請求の範囲がその精神および権利範囲を逸脱しない範囲で前述のような実施形態の特徴点および利点にまで及ぶことを意図するものである。また、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば、あらゆる改良および変更に容易に想到できるはずであり、発明性を有する実施形態の範囲を前述したものに限定する意図はなく、実施形態に開示された範囲に含まれる適当な改良物および均等物に拠ることも可能である。
【符号の説明】
【0102】
10、12、12A、14、14A‥描画装置;100、102、102A‥座標変換部;110、110A、310‥頂点読み出し部;120、120A、320‥頂点処理部;130、130A、330‥図形作成部;140、140A‥図形除去部;200、202、202A、204、204A‥選択部;210、210A‥描画領域判定部;220、220A‥記憶部;230、230A、236、236A‥読み出し部;234、234A‥読み出しバッファ;238、238A‥読み出し判定部;300、302、302A‥画像生成部;340‥画素生成部;350‥画素処理部;360‥画素除去部;400‥ラインバッファ;410‥ラインデプスバッファ;500‥表示回路;DAR‥分割領域;DIS‥2次元表示面;PAR‥処理領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
図形の頂点情報を受け、前記図形の2次元表示面における座標を示す位置情報を少なくとも含む図形情報を前記頂点情報に基づいて生成する座標変換部と、
前記座標変換部から前記図形情報を受け、前記図形の所定方向の描画範囲を前記図形情報に基づいて算出し、前記2次元表示面を分割した分割領域毎に、前記分割領域に描画される前記図形の前記図形情報を出力する選択部と、
前記選択部から出力された前記図形情報に基づいて、前記分割領域の画像データを生成する画像生成部と、
前記画像生成部により生成された前記画像データを記憶するラインバッファと
を備えていることを特徴とする描画装置。
【請求項2】
前記選択部は、
前記図形の前記描画範囲を算出し、複数の前記分割領域を含む処理領域毎に、前記図形が前記処理領域に描画されるか否かを前記図形の前記描画範囲に基づいて判定する描画領域判定部と、
前記処理領域に描画される前記図形の前記図形情報および前記描画範囲を記憶する記憶部と、
前記図形が前記分割領域に描画されるか否かを前記描画範囲に基づいて判定し、前記分割領域毎に、前記分割領域に描画される前記図形の前記図形情報を前記記憶部から前記画像生成部に転送する読み出し部とを備え、
前記座標変換部は、前記図形情報を前記描画領域判定部に出力する処理を、前記描画領域判定部による判定が全ての前記処理領域に対して実施されるまで繰り返すこと
を特徴とする請求項1記載の描画装置。
【請求項3】
前記座標変換部は、前記図形の座標情報を前記頂点情報として受け、前記図形の頂点番号および前記位置情報を少なくとも含む前記図形情報を前記座標情報に基づいて生成し、
前記読み出し部は、前記図形が描画される前記分割領域を算出する処理を、前記処理領域に描画される全ての前記図形に対して実施した後、前記分割領域毎に、前記分割領域に描画される前記図形の前記図形情報を前記記憶部から前記画像生成部に転送し、
前記画像生成部は、前記読み出し部から受けた前記図形情報内の前記頂点番号に対応する前記頂点情報を取得し、取得した前記頂点情報に基づいて前記画像データを生成すること
を特徴とする請求項2記載の描画装置。
【請求項4】
前記座標変換部は、前記図形の座標情報を前記頂点情報として受け、前記図形の頂点番号および前記位置情報を少なくとも含む前記図形情報を前記座標情報に基づいて生成し、
前記読み出し部は、前記分割領域毎に、前記図形が前記分割領域に描画されるか否かの判定を前記処理領域に描画される全ての前記図形に対して実施し、前記分割領域に描画される前記図形の前記図形情報を前記記憶部から前記画像生成部に転送し、
前記画像生成部は、前記読み出し部から受けた前記図形情報内の前記頂点番号に対応する前記頂点情報を取得し、取得した前記頂点情報に基づいて前記画像データを生成すること
を特徴とする請求項2記載の描画装置。
【請求項5】
前記座標変換部は、前記頂点情報に基づいて、前記画像データの生成に必要な情報を含む前記図形情報を生成し、
前記読み出し部は、前記図形が描画される前記分割領域を算出する処理を、前記処理領域に描画される全ての前記図形に対して実施した後、前記分割領域毎に、前記分割領域に描画される前記図形の前記図形情報を前記記憶部から前記画像生成部に転送し、
前記画像生成部は、前記読み出し部から受けた前記図形情報に基づいて前記画像データを生成すること
を特徴とする請求項2記載の描画装置。
【請求項6】
前記座標変換部は、前記頂点情報に基づいて、前記画像データの生成に必要な情報を含む前記図形情報を生成し、
前記読み出し部は、前記分割領域毎に、前記図形が前記分割領域に描画されるか否かの判定を前記処理領域に描画される全ての前記図形に対して実施し、前記分割領域に描画される前記図形の前記図形情報を前記記憶部から前記画像生成部に転送し、
前記画像生成部は、前記読み出し部から受けた前記図形情報に基づいて前記画像データを生成すること
を特徴とする請求項2記載の描画装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2013−30066(P2013−30066A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−166822(P2011−166822)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】