説明

揚水ユニット、軟弱土壌改良工法、地盤掘削工法、汚染土壌浄化工法、及び復水工法

【課題】簡単なパッケージでバキュームによる高効率な集水効果を持たせた揚水装置を提供する。
【解決手段】揚水ユニット3は、揚水ポンプ11と、ポンプ収納部12と、上部管部材13と、蓋部材14と、減圧ポンプ15とを有する。揚水ポンプ11は、流入してきた地下水を汲み上げる。ポンプ収納部12は、揚水ポンプ11が収納される収納空間12dの側面を区画する側壁部材12b、及び、収納空間12dの底面を区画する底部材12aを備える。上部管部材13は、側壁部材12bの上部を外側から囲み、下端が側壁部材12bの上端よりも下方に位置するとともに、上端が井戸管2の上端以上の高さに位置するように設けられる。蓋部材14は、上部管部材13の上端を気密状態で塞ぐ。減圧ポンプ15は、閉塞蓋14で閉塞された上部管部材13の内側空間を減圧する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地盤内の地下水を汲み上げる揚水ユニット、この揚水ユニットを用いた軟弱土壌改良工法及び地盤掘削工法、地盤中の地下水を汲み上げる揚水工程を行う汚染土壌浄化工法、並びに、注入時とは反対方向に地盤内の地下水を移動させることで、その後の水の注入を円滑にする回復工程を行う復水工法に関する。
【背景技術】
【0002】
地下水位低下工法として、バキュームディープウェル工法が知られている。このバキュームディープウェル工法では、ストレーナーを有する井戸管を土中に埋設し、この井戸管にポンプ及び減圧装置を取り付けている。この減圧装置の運転によって井戸管内を減圧して水位面に負圧を作用させることで、自然水位と井戸管水位(井戸管内の仮想水位)との水頭差を大きくして排水する。
【0003】
このバキュームディープウェル工法では、図18に示すように、地下水位が、ストレーナー101の上端よりも下に位置すると、ストレーナー101を通って地下水とともに空気が井戸管102内に流入するため減圧効果が低減してしまう。そこで、ストレーナー101の上端部よりも地下水位が下がった場合でも、高い集水性能を有するように改良された装置がある。
【0004】
例えば図19に示すように、特許文献1には、地下水を内部に流入させることが可能なストレーナー200を設けたストレーナー管201と、ストレーナー管201の内側に設けられ、このストレーナー管201の内壁から所定間隔離間して設けられ、下端部に通水孔202を有する内筒管203とを有する地下水位低下装置が提案されている。この装置では、周辺地盤の地下水位が、ストレーナー200における地下水が流入する上端部より下がっても、内筒とストレーナー管201の間の水がシールとなるため、空気が流入しないで減圧効果を保つことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−27170号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1の装置は、新設の井戸を対象にしているので、構成が大掛かりになってしまうという問題点があった。また、特許文献1の装置では、排水ポンプの稼働に応じて井戸管内の水位が変動する。例えば、排水ポンプが盛んに排水している間は水位が下がり、排水ポンプの吸入口よりも水位が下がって排水ポンプを一旦停止させると、井戸管内に地下水が流入して水位が上がる。特許文献1の装置で、内筒管203内の水位を一定の高さに保つようにバランスを取ることは、非常に困難である。このため、水位面204に作用する負圧を安定的な大きさで周辺地下水に及ぼすことができず、地下水の井戸管内への流入量が不安定になるという問題があった。
【0007】
また、井戸管の周囲において地下水位がストレーナー200の上端よりも下がった場合、ストレーナー200の上端から地下水位までの部分は地下水の吸引に関与できないので、その分だけ地下水の吸引効率が低下してしまうという問題があった。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡単なパッケージでバキュームによる高効率な集水効果を持たせることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、地盤内の地下水を汲み上げる揚水ユニットであって、
前記地下水を汲み上げる揚水ポンプと、
前記揚水ポンプが収納される収納空間の側面を区画する側壁部材、及び、前記収納空間の底面を区画する底部材を備えたポンプ収納部と、
前記側壁部材の上部を外側から隙間を空けた状態で囲み、下端が前記側壁部材の上端よりも下方に位置するように設けられた上部管部材と、
前記上部管部材の上端を気密状態で塞ぐ蓋部材と、
前記閉塞蓋で閉塞された前記上部管部材の内側空間を減圧する減圧部と、
を有することを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、上部管部材内が減圧部によって減圧されるので、負圧により揚水ポンプへの地下水の集水能力を高めることができる。また、揚水ポンプの運転によって上部管部材内の水位が側壁部材の上端の高さまで下がると、それ以降は、揚水ポンプが収納されている収納空間において水位が下がり、側壁部材よりも外周側については水位が一定になる。ユニット外部からの地下水は、上部管部材内部の負圧により、側壁部材を越流して収納空間内に流入し、揚水ポンプによって汲み上げられる。このように、側壁部材よりも外周側については、水位が側壁部材の上端の高さで一定になり、それ以上に低くならない。そして、側壁部材よりも外周側の水位面に、地下水を吸引するための負圧が作用するので、地下水の吸引力を一定にすることができ、地下水の流入を安定化させることができる。
【0011】
本発明において、前記ポンプ収納部の側壁部材と前記上部管部材の下端との間の隙間を外側から覆うように設けられる、透水性のフィルタ材を有する場合には、ユニット内への土砂の浸入を抑制することができ、軟弱な地盤等に直接揚水ユニットを投入して余剰水の排水を行うことができる。
【0012】
本発明において、前記上部管部材及び前記ポンプ収納部は、前記地盤に埋設されたストレーナー付きの井戸管の内径よりも細く構成され、前記井戸管内に流入した地下水を汲み上げるようにした場合には、既設の井戸管を用いて安定した状態で揚水ができる。また、バキューム井戸へ改造する施工を簡単に行うことができる。
【0013】
本発明において、前記上部管部材の外周面と前記井戸管の内周面とをシール材で塞いだ場合には、地下水の吸引時において上部管部材のがたつきを抑制でき、不要な部分のフィルタを塞ぐことで、空気の流入がし難くなり、井戸のバキューム効果をより高めることができる。
【0014】
本発明において、前記上部管部材の外周面を前記地盤に埋設されたストレーナー付きの井戸管の内周面に密着させた場合には、地下水の流入経路を上部管部材の下端よりも下側に制限でき、空気の流入がし難くなることで、井戸のバキューム効果を高めることができる。
【0015】
本発明において、前記ポンプ収納部が、前記上部管部材の下端よりも下方の位置で、前記揚水ポンプを収納する場合には、収納空間を上部管部材の内径よりも大きくすることができ、使用する揚水ポンプについてサイズの自由度を増やすことができる。
【0016】
また、本発明は、改良対象箇所に設置された請求項1から6の何れか1項に記載の揚水ユニットによって地下水を汲み上げる揚水工程を含む軟弱土壌改良工法である。
【0017】
本発明によれば、軟弱土壌の性状改善において、地下水の流入を安定化させることができ、かつ、地下水の流入効率を高めることができる。その結果、水の移動がし難い軟弱な粘性土壌であっても迅速に井戸管内に地下水を集めることができ、短い時間で地盤の性状を改善できる。
【0018】
また、本発明は、地盤における掘削箇所と非掘削箇所との境界に土留め壁を構築する土留め壁構築工程と、前記土留め壁の近傍に設置された、請求項1から6の何れか1項に記載の揚水ユニットにより、被圧地下水の地下水圧を低下させる水圧低下工程と、前記地下水圧の低下に伴って前記掘削箇所に下側から作用する揚力を緩和させた状態で、前記掘削箇所に対する掘削を行う地盤掘削工程とを含むことを特徴とする地盤掘削工法である。
【0019】
本発明によれば、掘削工事における被圧地下水の水圧低下時において、地下水の流入を安定化させることができ、かつ、地下水の流入効率を高めることができる。その結果、1台の揚水ユニットによって広い範囲の地下水を、流量を安定させた状態で汲み上げることができるため、少ない本数の井戸を設置するだけで盤ぶくれを防止しつつ、地盤を掘削できる。
【0020】
また、本発明は、汚染物質で汚染された汚染土壌に、請求項1から6の何れか1項に記載の揚水ユニットを設置して、汚染物質を含む汚染土壌周辺部の地下水を揚水する揚水工程と、揚水した前記地下水中の汚染物質を地上で処理する汚染物質処理工程とを含むことを特徴する汚染土壌浄化工法である。
【0021】
本発明によれば、前記揚水工程において、揚水時の負圧の作用の効果を高めることができるので、1台の揚水ユニットによって広い範囲の地盤から地下水を汲み上げることができ、改良範囲を拡げることができる。また、地下水を汲み上げた後には、引き続き周囲の空気を吸引するので、揮発性の汚染物質が土壌内に残存していた場合の浄化にも適用できる。
【0022】
また、本発明は、地盤に設けられた復水井戸に水を注入し、前記地盤の中に水を戻す復水工程と、前記復水井戸における内側空間の水を揚水することで復水井戸周辺の目詰まりを改善する回復工程とを行う復水工法であって、前記復水井戸に、請求項1から6の何れか1項に記載の揚水ユニットを備えることを特徴とする。
【0023】
本発明によれば、前記回復工程において、揚水時の負圧の作用の効果を高めることができるので、広い範囲の地下水に影響を及ぼし、その位置で目詰まりの原因となっている土砂を復水井戸側へ移動させることができ、この移動で形成された流路を通じてその後の復水工程における水の地盤への注入を円滑に行うことができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、簡単なパッケージでバキュームによる高効率な集水効果を持たせた揚水装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】揚水ユニットを説明する断面図である。
【図2】揚水ユニットの下端部を拡大して示す断面図である。
【図3】図2におけるA矢視図である。
【図4】揚水ユニットの上端部を拡大して示す断面図である。
【図5】地盤に形成したボーリング孔に揚水ユニットを設置した状態を説明する断面図である。
【図6A】地下水の汲み上げ開始時の状態を説明する断面図である。
【図6B】上部管部材の水位が側壁部材の上端面に到達した状態を説明する断面図である。
【図7】地下水位がポンプ収納部の直上まで低下した状態を説明する断面図である。
【図8】収納空間の水位が低下した状態を説明する断面図である。
【図9】揚水ユニットの下端部における水の流れを説明する断面図である。
【図10A】土質性状改善工法を説明する図である。
【図10B】野積みされた高含水状態の土質材料に対する強制排水工法を説明する図である。
【図11】地盤掘削工法における地盤掘削前の状態を説明する図である。
【図12】地盤掘削工法における地盤掘削後の状態を説明する図である。
【図13】汚染土壌浄化工法を模式的に説明する図である。
【図14】リチャージウェル工法を模式的に説明する図である。
【図15】上部管部材と井戸管との間にシール部材を充填した変形例を説明する断面図である。
【図16】上部管部材の外周面を井戸管の内周面に密着させた状態を説明する断面図である。
【図17】側壁部材の変形例を説明する図である。
【図18】従来技術を説明する図である。
【図19】改良された従来技術を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係る揚水ユニットについて説明する。
【0027】
図1に示すように、揚水ユニット3は、揚水ポンプ11と、ポンプ収納部12と、上部管部材13と、閉塞蓋14と、減圧ポンプ15とを有する。
【0028】
揚水ポンプ11は、地下水を汲み上げる装置である。本実施形態では、出力が3.7kwhのディープウェル用水中ポンプを用いている。図2に示すように、この揚水ポンプ11は、揚水ユニット3の下端部に、ポンプ収納部12に収納された状態で設置されている。そして、揚水ポンプ11の周面下端部には、水を取り込むための取水口11aが設けられている。この取水口11aは地下水の吸込口に相当し、側壁部材12bの上端面12hよりも低い位置に配置されている。
【0029】
また、揚水ポンプ11の上面には排水パイプ16の下端が接続されている。この排水パイプ16は、上部管部材13に沿って鉛直方向に取り付けられており、その上端は閉塞蓋14を通って外部に突設されている。
【0030】
図2及び図3に示すように、ポンプ収納部12は、底部材12aと、側壁部材12bと、脚部材12cとを有し、底部材12aと側壁部材12bによって揚水ポンプ11が収納される有底筒状の収納空間12dを区画する。
【0031】
底部材12aは、揚水ポンプ11が設置される円形板状の部材であり、収納空間12dの底部(側壁部材12bの底面)を区画する。この底部材12aの直径は、揚水ポンプ11よりも一回り大きくなるように定められる。本実施形態の底部材12aは、直径が32cmとされた円形の鋼板によって作製される。
【0032】
側壁部材12bは、収納空間12dの側面を区画する筒状部材であり、詳しくは、上端部分12eの直径が本体部分12fの直径よりも一回り小さい広口瓶状に構成されている。本実施形態では、上端部分12eを直径が22cmの鋼製円筒管によって作製し、本体部分12fを直径が32cmの鋼製円筒管によって作製している。そして、上端部分12eの下端と本体部分12fの上端との間にリング状の鋼板12gを配置し、溶接によってこれらの部分を液密状態で接合している。これにより、上端部分12eと本体部分12fの継ぎ目から収納空間12dへ水が浸入しないように規制している。また、側壁部材12bの下端は、溶接によって底部材12aの外周部分と液密状態で接合されている。これにより、収納空間12d内への地下水の流入は、上端部分12e上部の開口からのみとなる。
【0033】
脚部材12cは、底部材12aから下側に向けて設けられている。この脚部材12cは、底部材12aを、揚水ユニット3が設置される孔の底面(例えば後述する井戸管2の底面)から浮かせた状態で支持する。この脚部材12cもまた鋼材で作製されており、上端が底部材12aの底面に溶接されている。脚部材12cによって底部材12aを孔の底面から浮かせると、孔の底面から底部材12aまでの部分を土砂溜めとして用いることができ、流入する土砂によって、孔内が閉塞し機能不全に至るまでの期間を長くすることができる。なお、揚水ユニット3の全体を吊り下げる場合は、脚部材12cはなくてもよい。また、図では圧縮しているが、脚部材12cの高さは1〜2m程度に定められる。
【0034】
上部管部材13は、井戸管2の内部空間に減圧用の空間を区画するための筒状部材であり、本実施形態では、直径がポンプ収納部12の本体部分12fと同じ大きさに定められた円筒状部材によって構成されている。
【0035】
この上部管部材13の下端部には、ポンプ収納部12が取り付けられている。図2に示すように、上部管部材13の下端部は、側壁部材12bの上端部分12eを、外周側から隙間を空けた状態で囲むように配置されている。そして、上部管部材13とポンプ収納部12とを接続する接続板13aにより、上部管部材13の下端面13bは、側壁部材12bの上端よりも下方に位置付けられている。本実施形態の接続板13aは、矩形状鋼板で作製されており、上部が上部管部材13に、下部がポンプ収納部12にそれぞれ溶接されている。また、接続板13aは等間隔(45度間隔)で合計8枚設けられている。
【0036】
このように、本実施形態の揚水ユニット3では、接続板13aを用いてポンプ収納部12を上部管部材13に取り付けているので、揚水によって収納空間12dが空になっても、ポンプ収納部12の浮き上がりを防止することができる。また、ポンプ収納部12は、上部管部材13の下端面13bよりも下方の位置で揚水ポンプ11を収納しているので、収納空間12dの内径を上部管部材13の内径よりも大きくすることもでき、使用する揚水ポンプ11についてサイズの自由度を増やすことができる。
【0037】
収納空間12dへの水の流入は、上部管部材13と側壁部材12bの隙間(便宜上、流入空間17という)の水位が上昇して側壁部材12bを越流することでなされる。ここで、側壁部材12bと上部管部材13の重なり量は、側壁部材12bの上端面12hの高さが上部管部材13の下端面13bよりも所定高さ以上高くなるように定められる。本実施形態では、側壁部材12bの上端面12hが上部管部材13の下端面13bよりも所定高さX1(本実施形態では10cm)だけ高くなるように、重なり量が定められている。そして、上部管部材13の下端面13bと側壁部材12bの上端面12hとの間に高低差を設けることで、この範囲を満たす水が空気の浸入を抑制するシール機能を発揮する(詳細は後述する)。
【0038】
図4に示すように、上部管部材13の上端部は、閉塞蓋14によって気密状態で塞がれている。本実施形態の閉塞蓋14は、上部管部材13の外径よりも一回り大きい円形鋼板によって構成され、上部管部材13の上端に溶接によって接合されている。なお、この閉塞蓋14には、揚水ポンプ11に接続された排水パイプ16が貫通する開口、及び、減圧ポンプ15に接続された吸気パイプ18を挿入する挿入口が設けられている。そして、排水パイプ16と開口の隙間、及び、吸気パイプ18と挿入口の隙間がシール材(図示せず)で埋められている。
【0039】
減圧ポンプ15は、吸気パイプ18を通じて上部管部材13における内側空間から空気を吸い出し、この内側空間を減圧する装置である。吸気パイプ18は、減圧ポンプ15の吸気口と上部管部材13の内側空間とを連通する部材である。減圧ポンプ15を運転すると、内側空間の空気は吸気パイプ18を通じて吸い出されて外へ放出され、内側空間が減圧される。従って、減圧ポンプ15と吸気パイプ18の組は、井戸管2の内側空間を減圧する減圧部に相当する。
【0040】
次に、前述の揚水ユニット3の作用について説明する。
【0041】
ここでは、図5に示すように、鉛直方向のボーリング孔BHに揚水ユニット3を設置し、地盤G中の地下水を汲み上げる場合について説明する。例示した地盤Gでは、地下水Wが浸透しており、地下水面は符号WL1,WL2で示すように自然水位である。
【0042】
また、揚水ユニット3を設置するに際し、ポンプ収納部12の側壁部材12bと上部管部材13の下端部との間の隙間を外側から覆うように、これらの各部の外周面には、透水性のメッシュ材19を巻回している。このメッシュ材19は、流入空間17への細かな土砂の浸入を抑制するフィルタ材として機能する。なお、フィルタ材としては、土砂の浸入を抑制できれば、メッシュ材19以外のものであってもよい。例えば、さらしなどの布材であってもよい。そして、フィルタ材を巻回することにより、軟弱な地盤等に直接揚水ユニット3を挿入して余剰水の排水を行うこともできる。
【0043】
図5に示すように揚水ユニット3をボーリング孔BHに設置したならば、この揚水ユニット3の運転を開始して地下水を汲み上げる。これにより、図6Aに示すように、上部管部材13内の水位WL1は、揚水に伴って低くなる。また、地盤G内の水位WL2も低くなる。この水位WL2は、上部管部材13内の近傍位置が最も低く、破線で示すように、この位置から半径方向に遠ざかるにつれて高くなる。
【0044】
図6Bに示すように、上部管部材13内の水位WL1が側壁部材12bの上端面12h程度まで低くなったならば、減圧ポンプ5の運転を開始し、バキュームによって上部管部材13内の内側空間を減圧する。この減圧によって上部管部材13内の仮想水位が下がる。このように上部管部材13内の仮想水位を下げることで、上部管部材13外の自然水位とのヘッド差が大きくなり、上部管部材13内に地下水を流入させることができる。
【0045】
これにより、例えば図7に示すように、地盤G内における水位WL2の傾斜が、上部管部材13の下端面13bを基点として図6Bの水位WL2の傾斜よりも緩やかになり、広い範囲で地下水位を低下させることができる。さらに運転を継続すると、図8に示すように、地盤G内における水位WL2の傾斜が7の水位WL2の傾斜よりもさらに緩やかになり、水平に近付くこととなって、その結果、揚水ユニット3から外周側における水位低下の影響範囲を広くすることができる。
【0046】
図9は、本願発明における揚水部分の拡大図である。上部管部材13内の水位WL1に関し、この水位WL1が側壁部材12の上端面12hの高さまで低下すると、図9に示すように、それ以降は収納空間12dの水位面WL1aは下降するが、流入空間17の水位面WL1bは下降しない。これは、側壁部材12bによって、流入空間17と収納空間12dとが仕切られていることによる。このことは、収納空間12dに溜められたほぼ全量の水が揚水ポンプ11で汲み上げられたとしても同様である。
【0047】
また、地盤Gの地下水が揚水ユニット3内に流入してきたとしても、流入空間12dの水位面WL1bは、側壁部材12bの上端面12hの高さに維持される。これは、流入空間12bに入った地下水は、上部管部材13内の負圧により吸い上げられ、側壁部材12bを越流して収納空間12dに流れ込み、揚水ポンプ11で汲み上げられるからである。
【0048】
そして、地下水Wの吸引時には、流入空間17の水位面WL1bに、地下水を吸引するための負圧が作用する。この水位面WL1bは高さが維持されるため、地下水Wの吸引力を安定化することができ、ひいては地下水Wの揚水ユニット3内への流入を安定化させることができる。
【0049】
また、側壁部材12bの上端面12hは、上部管部材13の下端面13bよりも高い位置に設けられている。このため、地下水Wの水位WL2が側壁部材12bの上端面12h以下になった場合であっても、流入空間17に存在する水が、地盤Gからの空気を侵入し難くするシールの役目をする。
【0050】
すなわち、導水勾配のついた周囲の地下水Wが流入空間17を通じて揚水ユニット3内に流れ込んでくるため、この地下水Wが地盤G内の空気の浸入をブロックする。これにより、地下水Wの水位WL2が上部管部材13の下端面13bに達しても、流入空間17には、地盤G内の空気が時折気泡状になって浸入する程度で、多量の空気が連続して入り込むことがないのを、発明者らは実験により確認している。これにより、揚水ユニット3内における急激な圧力変化を抑制でき、減圧状態を維持できる。これにより、地下水Wの揚水ユニット3内への流入を安定的に行うことができる。
【0051】
さらに、揚水ユニット3の周囲における地下水Wの水位WL2は、上部管部材13の下端面13bよりも低くならないので、これより下のフィルタ層(メッシュ材19)から地下水Wを吸引することができる。これにより、地下水Wの揚水ユニット3内への流入効率を高めることができ、広い範囲の地盤Gについて地下水Wの水位を低下させることができる。
【0052】
次に、前述の揚水ユニット3を用いた土質性状改善工法(軟弱地盤改良工法)について説明する。
【0053】
図10Aに示すように、この土質性状改善工法では、地盤Gに土留め壁1を構築して改善対象箇所G1を囲み(土留め壁構築工程)、改善対象箇所G1内に井戸管2を形成し(井戸管形成工程)、この井戸管2に揚水ユニット3を設置する(ユニット設置工程)。揚水ユニット3を設置したならば、この揚水ユニット3の運転を開始して地下水位を低下させる(水位低下工程)。
【0054】
なお、先に説明した例では、ボーリング孔BHに揚水ユニット3を設置していたが、この土質性状改善工法では、ストレーナー付きの井戸管2内に揚水ユニット3を設置している点が相違している。このため、上部管部材13及びポンプ収納部12の直径は、地盤Gに埋設された井戸管の内径よりも細く構成され、井戸管3内に流入した地下水を汲み上げるようになっている。また、井戸管2の周囲にはフィルタFLが設けられている。この井戸管2は、新設してもよいし、既設のものを利用してもよい。そして、既設の井戸管2を用いた場合には、この井戸管2を用いて安定した状態で揚水ができる。また、既設の井戸管2をバキューム井戸へと改造する施工を簡単に行うことができる。
【0055】
揚水装置2を運転すると、図6Aから図8で説明したように、揚水に伴って地盤G内の水位WL2が低くなる。その結果、1台の揚水ユニット3によって広い範囲の地盤Gから地下水Wを汲み上げることができ、従来の井戸を用いた場合よりも早期に、開削対象箇所G1の地下水Wを排出することができる。また、掘削地盤が軟弱粘性土であった場合、自然水位では井戸まで移動しづらい地盤G中の余剰水も、バキュームの負圧によって短時間で集水できる。これにより、水を除去したドライワークの開始を早めることができ、工期の短縮が図れる。
【0056】
また、この工法の変形例としては、軟弱な地盤Gに直接バイブロハンマーでフィルタ付の揚水ユニット3を投入したり、図10Bに示すように、高含水状態のしゅんせつ土砂M等を野積みした中にフィルタ付の揚水ユニット3を投入したりする方法によって、改良対象箇所における高含水状態の土質材料から強制排水するような使用方法も考えられる。
【0057】
次に、前述の揚水ユニット3を用いた地盤掘削工法について説明する。
【0058】
図11に示すように、この地盤掘削工法でも、地盤Gに土留め壁1を構築して掘削箇所G1を囲む(土留め壁構築工程)。この構築工程では、地盤Gにおける掘削箇所G1と非掘削箇所G2との境界に、掘削箇所G1を囲む状態で土留め壁1を構築する。また、非掘削箇所G2における土留め壁1の近傍に形成された井戸管2に揚水ユニット3を設置する(ユニット設置工程)。揚水ユニット3を設置したならば、この揚水ユニット3の運転を開始して被圧地下水の地下水圧を低下させる(水圧低下工程)。
【0059】
揚水ユニット3の運転により、被圧帯水層G4内の水圧が低くなる。その結果、1台の揚水ユニット3によって広い範囲の帯水層G4から地下水Wを汲み上げることができ、掘削箇所G1に下側から作用する揚力を緩和させることができる。水圧を低下させたならば、図12に示すように、土留め壁1で囲まれた範囲の地盤Gを掘削する(地盤掘削工程)。このように、水圧を低下させた状態で地盤を掘削することにより、少ない本数の揚水ユニット3を設置するだけで、盤ぶくれを防止しながら地盤Gの掘削を行える。
【0060】
このように、揚水ユニット3を地盤掘削工法に用いると、広い範囲の地下水Wを汲み上げることができるので、従来の工法に比べて井戸(揚水ユニット3)の本数を減らすことができる。また、地下水Wの汲み上げを短期間で行えるので、地盤Gの掘削を早期に開始できる。
【0061】
次に、本発明を汚染土壌浄化工法に適用した応用例について説明する。
【0062】
図13に示すように、この汚染土壌浄化工法では、前述の揚水ユニット3を、地盤Gにおける改良対象箇所G5に設置する。なお、汚染土壌浄化工法においては、改良対象箇所G5が地表から数m〜十数m程度の深さであるのが一般的である。このため、本実施形態では、井戸管2の長さが改良対象箇所G5の深さに応じた深さ、すなわち数m〜十数m程度の深さになる。これに伴って揚水ユニット3の全長も数m〜十数m程度とされる。
【0063】
揚水ユニット3を設置したならば、改良対象箇所G5から地下水Wを汲み上げ、地上に設置した汚染物質浄化装置に導入する。この場合、汲み上げた地下水は、汚染物質を含有しているので、汲み上げた後に浄化装置によって汚染物質を除去する。
【0064】
本実施形態でも、第1実施形態と同様に、1台の揚水ユニット3によって広い範囲の地盤Gから地下水Wを汲み上げることができる。すなわち、広い範囲の地盤Gについて汚染浄化が行える。また、地下水Wを汲み上げた後においては、地盤G内の空気を吸引することにより、地中に残った揮発性汚染物質を除去し続けることができる。
【0065】
次に、本発明をリチャージウェル工法(復水工法)に適用した応用例について説明する。
【0066】
図14(a)〜(c)に示すように、本実施形態のリチャージウェル工法では、ディープウェル31(揚水井戸)とリチャージウェル32(復水井戸)とを用いる。そして、ディープウェル31で汲み上げた水を、リチャージウェル32によって地盤Gへ戻している(復水工程)。また、ディープウェル31及びリチャージウェル32のそれぞれに、前述した揚水ユニット3を設置している。
【0067】
図14(a)に示すように、ディープウェル31で汲み上げた水を、長期間にわたってリチャージウェル32を介して地盤Gへ戻し続けると、リチャージウェル32側で目詰まりが生じてしまい、水が地盤Gに注入され難くなってしまう。これは、地盤G中の細かな土砂が注入された水と共に移動し、水の流路を塞いだためと考えられる。その結果、リチャージウェル32の水位が上昇し、ディープウェル31で汲み上げた水を注入し難くなってしまう。
【0068】
そこで、図14(b)に示すように、リチャージウェル32に設置した揚水ユニット3により、リチャージウェル32内の水を汲み上げて、地盤Gの水及び土砂をリチャージウェル32側に移動させる回復工程を行う。この回復工程では、ディープウェル31において揚水ポンプ11の運転を停止し、リチャージウェル32の揚水ポンプ11を運転し、井戸管3内の水位が十分に下がったら減圧ポンプ15を運転する。これによって、第1実施形態で説明したように、広い範囲の地下水Wがリチャージウェル32側に移動する。
【0069】
地下水Wの移動によって目詰まりの原因となっていた土砂も移動する。例えば、リチャージウェル32内に流入した土砂は水と共に外部に排出される。また、リチャージウェル32から離れた位置の土砂は、リチャージウェル32側に多少移動する。このように、土砂が排出されたり移動したりすることで、土砂が原因の目詰まりが解消される。目詰まりが解消されたならば、図14(c)に示すように、復水工程を再開する。
【0070】
リチャージウェル32の回復工程では、目詰まりした位置とのヘッド差を大きくしてやることが重要である。このため自然水位の井戸では、井戸内水位の低下に限界があり、バキュームウェルで負圧をかけて、仮想水位を下げてやると効果がでる。
【0071】
また、この実施形態でも、先の実施形態と同様に、地下水Wの揚水ユニット3内への流入効率を高めることができる。その結果、回復工程において、長期間に亘って広い範囲の地下水Wや土砂を復水井戸側へ移動させることができ、この移動で形成された流路を通じてその後の復水工程における水の地盤Gへの注入を円滑に行うことができる。
【0072】
以上説明したように、本発明に係る揚水ユニット3を用いることにより、簡単なパッケージでバキュームによる高効率な集水効果を持たせた揚水装置を提供することができる。なお、以上は、好適な実施形態について説明したが、この説明は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。例えば、次のように構成されていてもよい。
【0073】
例えば、図15に示すように、既設の井戸管2の揚水ポンプを撤去して、本発明の揚水ユニット3を設置することで、通常のディープウェルを高効率のバキュームディープウェルに簡易な施工で改造することができる。また、この際、上部管部材13の外周面と井戸管2の内周面とを、全周にわたりシール材SLによって水密にシールしてもよい。このように構成すると、地下水Wを吸引する際において、地下水位が上部管部材13の下端面13bよりも下がった場合でも、余計な部分からの空気の流入を防ぐことで、よりバキューム効率を高めることができる。
【0074】
また、図16に示すように、上部管部材13を、井戸管2に密着する大きさの径で構成したり、あるいは、上部管部材13の外周に半径方向に拡縮可能な円筒状のパッカー13´を設置し、このパッカー13´に空気を送り込むことで拡径させ、井戸管2の下端部から地下水Wが流入するように、井戸管2に設けられたストレーナーの一部を内壁側から封止してもよい。このように構成すると、井戸管2の側面全体にストレーナーが設けられていても、地下水Wの流入経路を上部管部材13の下端よりも下側に制限でき、空気の流入がし難くなることで、井戸のバキューム効果を高めることができる上、任意の位置を選んで塞ぐことにより、汚染領域などの特定の範囲に対し、優先的に地下水を汲み上げることができる。
【0075】
この場合、ポンプ収納部12の側壁部材12bは、図16に示すように円筒状の側壁部材12b1によって構成してもよい。また、図17(a)に示すように、平面視で正六角形の側壁部材12b2によって構成してもよいし、図17(b)に示すように、各頂点が井戸管2の内壁に接するように設けられ、かつ、揚水ポンプ11とは独立に設けられた星形筒状の側壁部材12b3を用いてもよい。
【0076】
また、井戸の直径や深さ、ポンプ収納部12の内径、上部管部材13の直径や長さ、揚水ポンプ11の出力や大きさは、あくまで一例であり、現場の状況に応じて適宜定められる。例えば、ボーリング孔BHや井戸管2よりも短尺な上部管部材13を用い、揚水ユニット3の全体を水中に沈めて使用してもよい。
【符号の説明】
【0077】
1 土留め壁
2 井戸管
2a ストレーナー
2b 底板
2c ワイヤー
3 揚水ユニット
11 揚水ポンプ
11a 取水口
12 ポンプ収納部
12a 底部材
12b,12b1,12b2,12b3 側壁部材
12d 収納空間
12e 上端部分
12f 本体部分
12g リング状の鋼板
12h 側壁部材の上端面
13 上部管部材
13a 接続板
13b 上部管部材の下端面
14 閉塞蓋
15 減圧ポンプ
16 排水パイプ
17 流入空間
18 吸気パイプ
19 メッシュ材
31 ディープウェル(揚水井戸)
32 リチャージウェル(復水井戸)
FL フィルタ
G 地盤
G1 掘削箇所
G2 非掘削箇所
G3 遮水層
G4 粘土層
G5 改良対象箇所
BH ボーリング孔
W 地下水
WL1 上部管部材内の水位
WL2 地盤内の水位

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地盤内の地下水を汲み上げる揚水ユニットであって、
前記地下水を汲み上げる揚水ポンプと、
前記揚水ポンプが収納される収納空間の側面を区画する側壁部材、及び、前記収納空間の底面を区画する底部材を備えたポンプ収納部と、
前記側壁部材の上部を外側から隙間を空けた状態で囲み、下端が前記側壁部材の上端よりも下方に位置するように設けられた上部管部材と、
前記上部管部材の上端を気密状態で塞ぐ蓋部材と、
前記閉塞蓋で閉塞された前記上部管部材の内側空間を減圧する減圧部と、
を有することを特徴とする揚水ユニット。
【請求項2】
前記ポンプ収納部の側壁部材と前記上部管部材の下端との間の隙間を外側から覆うように設けられる、透水性のフィルタ材を有することを特徴とする請求項1に記載の揚水ユニット。
【請求項3】
前記上部管部材及び前記ポンプ収納部は、前記地盤に埋設されたストレーナー付きの井戸管の内径よりも細く構成され、前記井戸管内に流入した地下水を汲み上げることを特徴とする請求項1又は2に記載の揚水ユニット。
【請求項4】
前記上部管部材の外周面と前記井戸管の内周面とをシール材で塞いだことを特徴とする請求項3に記載の揚水ユニット。
【請求項5】
前記上部管部材の外周面を前記地盤に埋設されたストレーナー付きの井戸管の内周面に密着させたことを特徴とする請求項1又は2に記載の揚水ユニット。
【請求項6】
前記ポンプ収納部は、前記上部管部材の下端よりも下方の位置で、前記揚水ポンプを収納することを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の揚水ユニット。
【請求項7】
改良対象箇所に設置された請求項1から6の何れか1項に記載の揚水ユニットによって地下水を汲み上げる揚水工程を含むことを特徴とする軟弱土壌改良工法。
【請求項8】
地盤における掘削箇所と非掘削箇所との境界に土留め壁を構築する土留め壁構築工程と、
前記土留め壁の近傍に設置された、請求項1から6の何れか1項に記載の揚水ユニットにより、被圧地下水の地下水圧を低下させる水圧低下工程と、
前記地下水圧の低下に伴って前記掘削箇所に下側から作用する揚力を緩和させた状態で、前記掘削箇所に対する掘削を行う地盤掘削工程とを含むことを特徴とする地盤掘削工法。
【請求項9】
汚染物質で汚染された汚染土壌に、請求項1から6の何れか1項に記載の揚水ユニットを設置して、汚染物質を含む汚染土壌周辺部の地下水を揚水する揚水工程と、
揚水した前記地下水中の汚染物質を地上で処理する汚染物質処理工程とを含むことを特徴する汚染土壌浄化工法。
【請求項10】
地盤に設けられた復水井戸に水を注入し、前記地盤の中に水を戻す復水工程と、
前記復水井戸における内側空間の水を揚水することで復水井戸周辺の目詰まりを改善する回復工程とを行う復水工法であって、
前記復水井戸に、請求項1から6の何れか1項に記載の揚水ユニットを備えることを特徴とする復水工法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図6B】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10A】
image rotate

【図10B】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate


【公開番号】特開2011−256671(P2011−256671A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−134211(P2010−134211)
【出願日】平成22年6月11日(2010.6.11)
【出願人】(000000549)株式会社大林組 (1,758)
【Fターム(参考)】