説明

換気を感知および促進する自動化蘇生装置

【課題】患者に心臓蘇生治療を行う介護者をより適切に補助することが可能な装置を提供する。
【解決手段】患者に除細動ショックを与えるとともに患者に心臓蘇生を行う介護者を支援する体外式自動除細動装置であって、該装置は、少なくとも一個の除細動電極を支持し、患者の胸に接着して適用されるように構成された電極パッドと、介護者による患者への換気の遂行に関連する情報を検出するように構成された少なくとも一個の圧力センサであって、圧力センサの少なくとも一部が前記電極パッド上に搭載されていることと、圧力センサの出力を処理して、換気の進捗を示すパラメータについて判断するように構成されたプロセッサとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者に心臓蘇生治療を行う介護者を補助する装置(例えば、体外式自動除細動器)に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、心臓停止した患者の蘇生治療は患者の気道を確保し、患者に人工呼吸を施し、患者の心臓、脳およびその他の重要臓器に血流を与えるために胸骨圧迫法を適用する。患者に電気ショックが効く心臓リズムがある場合には蘇生に体外式除細動治療を含めることができる。一次救命処置(BLS)という用語には、次の要素が含まれる。初期状態把握と、気道維持と、呼気の換気(人工呼吸)と、胸骨圧迫である。これら全ての要素を組み合わせた時には心肺蘇生術(CPR)という用語が用いられる。
【0003】
多くの種類の心臓リズム異常があり、その中のあるものは心室除細動治療(電気ショックの効くリズム)で治療されうるし、あるものはそれができない(電気ショックが効かない)。例えば、顕著な心拍出量がある大概の心電図リズムは電気ショックが効かない(例として正常の洞調律、ある種の徐脈、および静脈洞心頻拍が含まれる)と考えられる。同様に、顕著な心拍出量を生じないがまだ電気ショックが効かないと考えられる異常心電図リズムがいくつかある。これらの条件下では心室除細動治療が通常有効でないからである。これらの電気ショックが効かないリズムには、収縮不全、電気化学的分離状態、およびその他の無脈性電気活動が含まれる。患者はこれらの生存不能性の電気ショックが効かないリズム状態では生存できないが、ショックを適用することがリズムを変換する助けにはならないであろう。介護者が心室除細動を行うべき電気ショックが効くリズムの主要例には、心室細動、心室性頻脈、および心室粗動が含まれる。
【0004】
電気ショックが効く心電図リズムがある患者に一回以上のショックを適用する心室除細動を使用した後でも、それにもかかわらず患者は、意識不明であり、電気ショックが効くまたは効かない、潅流リズムまたは非潅流リズムの状態に留まる可能性がある。非潅流リズム状態にある場合には、介護者は患者の心臓、脳、およびその他の重要臓器に酸素と血流を連続して供給させるために一定期間CPR実行手段に出ることが可能である。電気ショックが効くリズムが連続して存在しCPR措置の間で進展する場合には、さらなる心室除細動の試みをこの心肺蘇生期間の後に続ける措置が可能である。患者が意識不明で有効な循環が無いままで留まる限りは、介護者は除細動器の使用(電気的リズムを解析し可能であれば電気ショックを適用するために)と心肺蘇生術(CPR)の間を行き来する処置を取れる。一般的にCPRは、5から15回胸骨圧迫を繰り返すパターンの後に2回の救命人工呼吸を与える休止期間を含む。
【0005】
心室除細動はAEDを用いて行われうる。米国心臓協会、欧州蘇生審議会、およびその他の同様な政府機関はAEDの使用を含んだ心拍停止患者の治療プロトコルを提出している。これらプロトコルは患者の状態把握そして蘇生期間中に措置されるべき適切な治療の判断において従うべき一連のステップを規定している。AEDを使用することが要求されるかもしれない介護者はこれらのプロトコルに従うよう訓練される。
【0006】
大概の体外式自動除細動器は体外式半自動除細動器(SAED)であるのが現実であり、介護者は開始または分析ボタンを押す必要があり、その後除細動器が患者のECGリズムを解析し、電気的リズムにおいて電気ショックが効く場合に介護者に患者に対する電気ショック提供を勧める。そこで介護者は電気ショックを与えるコントロールボタンを押す役割を持つ。電気ショック供給に続いてSAEDは患者のECGリズムを自動的または手動で再分析できるようになり、追加電気ショックの勧告または患者の循環兆候確認の指示を行う(心肺蘇生治療が成功したか、または電気ショックが効かないリズムであるかを表示しながら)。そして循環が心室除細動の試みにより回復していない場合にCPR開始を指示する。一方、完全に自動化した除細動器は心室除細動電気ショックを適用する前に使用者の介入を待つことが無い。以下に使用されるように、体外式自動除細動器(AED)は体外式半自動除細動器(SAED)を含む。
【0007】
両タイプの除細動器は、ECG解析の開始前および各々の電気ショック、もしくはECG解析の開始前または各々の電気ショックを適用する前に聴覚警報「離れてください」を発するのが代表的である。そこで、介護者は患者から離れて立つと予想される(すなわち、患者とのどんな物理的接触も無いようにして、そうすれば電気ショックを与えるためのボタンを押す命令が可能になる)。体外式自動除細動器の制御装置は蘇生装置収納箱にあるのが代表的である。
【0008】
AEDは、医師、看護師、救急医療専門者、消防士、および警官などの訓練された医療または救急救命の介護者に使用されるのが代表的である。AEDがその場ですぐに活用できることや、AEDを操作できるように介護者が訓練されていることが重要である。患者が心停止から蘇生するチャンスは、停止発生から心室除細動治療を始めるのが1分遅れるごとに約10%減少するからである。
【0009】
訓練された一般介護者はAED操作者の新グループである。例えば、心臓発作患者の配偶者が一般介護者として訓練されていることが可能である。一般介護者は除細動やCPRを実行する機会がめったに無い。従って緊急医療時のAED操作が容易に脅威となりうる。従って、そのような一般の医療提供者は必要されていてもAEDの購入や使用を嫌がるかもしれないし、または自分が間違った操作をするかもしれない懸念から、利用可能なAEDを使用することよりむしろ救急車が到着するのを待つことになりがちである。
【0010】
訓練された医療提供者の一部、例えば、産科医、皮膚科医および家庭介護医師などの専門家は、同様にCPRおよび除細動、もしくはCPRまたは除細動を実行する機会がめったに無く、したがってそのような措置に不安であるかもしれない。訓練がめったにないと遂行に対する懸念が悪化して、介護者は自分が推奨されている蘇生プロトコルおよび正しい作業手順もしくは蘇生プロトコルまたは正しい作業手順の全てを思い出すことができないかもしれないと心配することになる。
【0011】
同様に医師および一般介護者の両方とも、CPRや人工呼吸の提供をためらうかもしれないし、あるいはこれらを実行しなければならない時に、特に訓練をまれにしか経験していなくてそれを使用する機会がめったに無い場合には、自信をもてないかもしれない。
【0012】
CPRは複雑な課題であり、初期学習性に劣り、同様に技量記憶性にも劣っていて、訓練を受けても6―9ヶ月の間に初期技量の80%を忘れてしまうのが多いことが多くの研究で明らかにされていて、当業者によく知られていることである。この不都合な状況を改善する試みが種々の先行技術の目的であった。胸骨圧迫遂行の補助手段が米国特許4,019,501号、4,077,400号、4,095,590号、5,496,257号、6,125,299号、および6,306,107号、6,390,996号に記載されている。米国特許4,588,383号、5,662,690号、5,913,685号、4,863,385号はCPRプロンプトシステムを記載している。AEDは最も初期の市販バージョンが1974年に出て、救助者(介護者)に必要とされる一連の複雑な動作と除細動器電極の位置決めに対する作業の正確なタイミングや手順の両方を提供するようになって以来、フリップチャートやプラカードでの図による指示および音声プロンプトを常に備えるようになっている。米国特許出願09/952,834号および米国特許6,334,070号および6,356,785号は、プロンプトの水準を高めた除細動器を記述していて、それらはCRT上で、またはバックライトを備えた印刷ラベル上で、または発光ダイオードのような発光型表示手段などのいずれかで図による指示を提供する形式の可視化プロンプトを含んでいる。1970年以来のAEDは、除細動器の電極間で測定したインピーダンスを使用してAEDの状態と同様に救助者に伝える適切なメッセージ(例えば、もし装置の初期プロンプトがユニット上に送達されていて、しかもインピーダンスが特定の閾値よりも大きいままであれば「電極を取り付けなさい」と指示)、の判断をしたり、または患者に過剰な動きがあるかどうかの判断を行ってきた(米国特許4,601,254号のように)。米国特許5,700,281号は、「電極を取り付けてください」のようなメッセージの伝達に対するAEDの状態を判断するために電極のインピーダンスを使用する装置を記述している。これらの特許で開示している改良プロンプトは、救助者が心停止患者の蘇生を成功させるために彼らに要求する複雑なプロトコルの遵守を改善するのにいくらかの利点があるが、その改良プロンプトは現実の局面で通常不十分である。米国特許5,662,690号および6,356,785号(および市販のオンサイト除細動器)では、救助者が利用できる「ヘルプ」キーを設け、それにより救助者や試験項目に混乱が生じた場合により詳しいプロンプトが開始されるプロンプト改善を試みている。しかし試験によれば、現実の心停止に伴う不安が高まった状態で救助者はそのようなヘルプキーを押すことを思い出すのはごくまれであることが分っている。たとえ救助者にプロトコルの最初でヘルプキーを押すことを通知しても混乱した救助者がヘルプキーを押す助けにはならない。さらに、たとえヘルプキーが押されても、救助者がどのステップで追加指示を必要としているのかをヘルプソフトウエアが判断するために、救助者にタッチスクリーン、ソストキー、またはその他の入力手段で、一連のユーザー・インターフェイスを通して作業を行わせることが必要である。ユーザにヘルプソフトウエアが持つこれらの相互活動を受け持たせることは、救助者が患者の救助に提供すべき能力を奪ってしまい、従って治療実行が遅れてしまう。
【0013】
AEDはまた、心室除細動だけに焦点を当てていて、心室細動やある種の頻脈に対しては最善の治療を提供するが、心停止患者の60%が示す無脈性電気活動(PEA)または収縮不全の治療には恩恵が無い。AEDが家庭にさらに普及するにつれて、喘息、糖尿病、またはAEDの恩恵が無い循環器系の症状のような慢性症状に関連する事故並びに応急処置、のように発生するその他多数の健康問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】米国特許出願09/952,834号
【特許文献2】米国特許4,019,501号
【特許文献3】米国特許4,077,400号
【特許文献4】米国特許4,095,590号
【特許文献5】米国特許4,588,383号
【特許文献6】米国特許4,601,254号
【特許文献7】米国特許4,863,385号
【特許文献8】米国特許5,496,257号
【特許文献9】米国特許5,662,690号
【特許文献10】米国特許5,700,281号
【特許文献11】米国特許5,913,685号
【特許文献12】米国特許6,125,299号
【特許文献13】米国特許6,306,107号
【特許文献14】米国特許6,334,070号
【特許文献15】米国特許6,356,785号
【特許文献16】米国特許6,390,996号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
幾つかの臨床研究において、医師、看護師、のような訓練を受けたと思われる職員、および二次救命処置(ACLS)の訓練を受けた救急救命士などは胸骨圧迫の回数や深さの点で最適な心臓圧迫を提供できないことが分っている。研究では介護者のグループもまた過剰な回数で換気することが示されている。過剰な換気はCPR期間中、過剰の胸腔内部圧力をもたらし、それは拡張期充満サイクルを妨げ、血流量の低下や冠状動脈や脳潅流における圧力の低下をもたらす。欧州特許EP1157717B1号および米国特許No.6,821,254号は、除細動器の電極間で測定した交流の小信号である経胸腔インピーダンス(TTI)から換気回数を判断するシステムを記述している。この測定法の既知の限界は、胸骨圧迫期間中の体の移動、容量性変動、および電解質電荷移動を含む様々なノイズ源によるTTI信号上にある過剰ノイズである。進歩的な介護者は、提供すべき介護をより良好に事前評価し、適切な臨床判断をするために、「一回換気量」―実際に肺の中に出入される気体の量―の正確な測定を希望する。しかし、TTIだけに基づいた換気測定は、患者間における解剖学的個体差の正規ランダム化のために、不便な初期校正を実行しなければ一回換気量の正確な測定を提供することができない。
【課題を解決するための手段】
【0016】
第一の態様において、本発明は介護者が患者に心臓蘇生を行うことを支援するための装置を特徴付ける。この装置は、患者に心臓蘇生を行う介護者を支援するために、介護者にプロンプトを送達するように構成されたユーザー・インターフェイスと、介護者による心臓蘇生の遂行の進捗を検出するように構成され、換気を示す情報を含んだ信号を提供するように構成された少なくとも一個のセンサと、救助者による換気の実行をガイドするための少なくとも一個の換気進捗プロンプトを含む複数の異なったプロンプトが記憶されるメモリと、前記センサの出力を処理して、換気の進捗を示すパラメータについて判断するとともに前記換気進捗プロンプトを選択して送達するべきか否かを判断するように構成されたプロセッサとを備える。
【0017】
本発明のこの態様の好ましい実施態様は、以下に述べるものの1つ以上を取り入れることができる。換気の進捗を示すパラメータは換気回数であり、しかも換気進捗プロンプトは該換気回数を変更することに関係する指示を含め得る。換気の進捗を示すパラメータは一回換気量を送達し、しかも換気進捗プロンプトは送達される一回換気量を変化させることに関係する指示を含め得る。換気の進捗を示すパラメータは流量であることができ、しかも換気進捗プロンプトは該流量を変化させることに関係する指示を含め得る。センサは加速度計を含め得て、しかもプロセッサは換気と胸骨圧迫とを区別するために該加速度計の出力を処理することができる。センサは圧力センサを含め得て、しかもプロセッサは換気の進捗を示すパラメータを判断するために該圧力センサの出力を処理することができる。心臓蘇生の遂行における介護者の進捗状況を検出するために、その各々が身体に接続させる電極以外のものであるその他の複数のセンサを構成することができる。プロセッサは該センサによって検出された進捗状況に基づいてプロンプトを送達する時間を変化させるように構成できる。本装置はさらに、身体に1個以上のセンサが電気的に接触する電極を含め得て、治療遂行における介護者の進捗状況を検出するように構成された該1個以上の追加センサを更に含め得る。プロセッサは進捗が予め設定されたペースよりも遅い場合に、使用者に送達するために一連のより詳細なプロンプトを選択できる。プロセッサは、進捗が予め設定されたペースよりも遅い場合にプロンプトが送達されるその時点で速度を遅くすることを構成できる。ユーザー・インターフェイスは、幾つかのプロンプトの少なくとも1つが、介護者が聞くことができる音声言語の指示であるように送達することができる。ユーザー・インターフェイスは、いくつかのプロンプトの少なくとも1つを介護者が視認できる視覚指示として送達することができる。ユーザー・インターフェイスは電子的ディスプレイを含め得る。該電子的ディスプレイは一連の画像を提供できる。ディスプレイはさらに、体外式自動除細動器を含め得る。音声言語のプロンプトは、一連の図と関連付けることができ、しかも連続したステップを通して介護者をガイドするために連続的に与えられうる。視覚化プロンプトは、介護者を連続した図でガイドするために光源で連続照明した一連の図として送達されうる。さらに本装置は使用者が一連のステップおよびプロトコル中のサブステップもしくは一連のステップまたはプロトコル中のサブステップを完了するのに要した時間を測定記録し、測定した時間に基づいてプロンプトの送達の進行度を調節する処理システムを含め得る。その調節は測定した時間を記録されている一組の値との比較に基づいて行われうる。
【0018】
第二の態様において、本発明は患者に心室除細動電気ショックを与え、患者に心臓蘇生を実行する際に介護者を支援するための自動化対外式除細動装置を特徴付ける。該装置は、パッドが患者の胸に接着して適用される構成になっている、少なくとも1個の除細動電極を支持する電極パッドと、圧力センサの少なくとも1部が電極パッド上に装着されていて、患者に対する介護者の換気遂行と関連する情報を検出するように構成されている少なくとも1個の圧力センサと、換気の進捗を示すパラメータを判断するために圧力センサの出力を処理するプロセッサとを有する。
【0019】
本発明のこの態様の好ましい実施態様は、以下に述べることの1つ以上を取り入れることができる。換気の進捗を表示するパラメータは換気回数でありうる。そして換気進捗プロンプトは換気回数の変更に関係する指示を具備できる。換気の進捗を示すパラメータは一回換気量を送達しうる。そして換気進捗プロンプトは遂行された一回換気量の変更に関係する指示を具備できる。換気の進捗を示すパラメータは流量でありうる。そして換気進捗プロンプトは該流量の変更に関係する指示を具備できる。少なくとも1本のチューブを電極パッド上の圧力センサから患者の口元付近に位置するように構成されたアダプタまで這わせることができる。該チューブとアダプタは換気に伴う圧力が該チューブを通して電極パッドアセンブリ上の該圧力センサまで伝達されるように構成されうる。本装置は、さらに圧力センサからアダプタまで這わせる第二のチューブを具備でき、該アダプタとチューブは換気に伴う差圧を測定するように構成されうる。本装置は、さらに遂行された換気についての情報を伝えるために少なくとも1個の表示燈を電極パッドアセンブリ上に具備できる。該情報は換気回数が予め設定された許容換気回数の範囲内にあるかどうかを含むことができる。該情報は供給した一回換気量の表示を含むことができる。
【0020】
第三の態様において、本発明は患者に心臓蘇生を遂行する際に介護者を支援するための装置を特徴付ける。該装置は、患者に心臓蘇生を遂行する際に介護者を支援するためにプロンプトを介護者に送達するように構成するユーザー・インターフェイスと、患者の中のETチューブの位置決めについての情報が引き出されうる信号を供給するように構成された少なくとも2個のセンサと、少なくとも、ETチューブの位置決めについて最初の表示を与える最初の位置決めプロンプトを含める、複数個の異なったプロンプトが記録されたメモリと、ETチューブの位置決めを判断し一番目のETチューブ位置決めプロンプトが送達されるべきか否かを判断するためにセンサの出力を処理するように構成されたプロセッサとを有する。
【0021】
本発明のこの好ましい実施態様は、以下に述べることの1つ以上を取り入れることができる。第一のETチューブ位置決めプロンプトは、該ETチューブが患者の気管内に正しく配置されていないことを示すプロンプトを含むことができる。センサはETチューブに換気を送り出すタイミングを検出するように構成された圧力センサおよび患者の胸骨の動きを検出するように構成されうる加速度計を具備することができる。該センサは該ETチューブに換気を送り出すタイミングを検出するように構成された圧力センサおよび患者の経胸腔インピーダンスの変化を検出するように構成されうるTTIセンサを具備することができる。センサの1つは該ETチューブに換気を送り出すタイミングを検出するように構成されうるし、別のセンサは患者内の胸骨の動きまたは患者の経胸腔インピーダンスの変化のタイミングを検出するよう構成されうる、そしてプロセッサは換気や胸骨の動きまたは経胸腔インピーダンスの変化の相対的タイミングを比較するように構成されうる。
【0022】
本発明の多くの利点(その内のあるものは本発明の種々の態様および実施態様の一部だけで達成されうる)の中にあって、本発明はより有効な換気測定手段を提供する。正確な一回換気量が簡便に測定しうるし、該一回換気量測定はノイズの影響をより受けにくい。
【0023】
本発明のその他の特徴および利点は説明および図から、そして請求項から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】カバーをかけたAEDの斜視図である。
【図2】カバーを外した図1のAEDの斜視図である。
【図3】AEDのブロック図である。
【図3A】換気圧力センサ出力のフィルタリングを示す回路図である。
【図4】図1のAEDのカバーに使用されているグラフィカルインターフェイス転写図の平面図である。
【図5】図2に示すように装置の収納箱に使用されるグラフィカルインターフェイス転写図の平面図である。
【図6A】図1のAEDを使用する間に生じる音声プロンプトおよびグラフィカルおよび音声プロンプトに対応して介護者により実行される処置を示すフローチャートである。
【図6B】図1のAEDを使用する間に生じる音声プロンプトおよびグラフィカルおよび音声プロンプトに対応して介護者により実行される処置を示すフローチャートである。
【図6C】図1のAEDを使用する間に生じる音声プロンプトおよびグラフィカルおよび音声プロンプトに対応して介護者により実行される処置を示すフローチャートである。
【図6D】図1のAEDを使用する間に生じる音声プロンプトおよびグラフィカルおよび音声プロンプトに対応して介護者により実行される処置を示すフローチャートである。
【図6E】図1のAEDを使用する間に生じる音声プロンプトおよびグラフィカルおよび音声プロンプトに対応して介護者により実行される処置を示すフローチャートである。
【図7A】図6A−6Eに示されているフローチャート中で使用されている音声プロンプトのリスト。
【図7B】図6A−6Eに示されているフローチャート中で使用されている音声プロンプトのリスト。
【図8】カバーおよび収納箱の分解斜視図である。
【図9】角度「A」を示すカバー側面の平面図である。
【図10A】肩の下にカバーを置いた時の患者の気道確保に及ぼす効果を示すための、肩下カバーの有りと無しの状態の患者の側面図である。
【図10B】肩の下にカバーを置いた時の患者の気道確保に及ぼす効果を示すための、肩下カバーの有りと無しの状態の患者の側面図である。
【図11】カバーを患者の肩の下に置くことを図解で指示する転写図の平面図である。
【図12】換気圧力センサを内蔵した一体型電極パッドを示す。
【図13】電極パッドの別視点の図である。
【図14】収納箱の一側面に沿った電極保護管の等角図である。
【図15】図12の一体型電極に具備されている電子機器の等角図である。
【図16】救命キット実装品の等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明には非常に多くの実施可能な実施態様があり、多過ぎてここに記述しきれない。現在好ましいとされるいくつかの実施可能な実施態様が以下に記述される。しかし、これらは発明の実施態様の記述であって、発明の記述ではないことは強く強調しても強調しすぎることは無い。本発明はこの節で記述する詳細な実施態様に限定されるものではなく、広範な条件で請求項中に記述される。
【0026】
「介護者」、「救助者」、および「使用者」の用語は相互置き換えして使用され、患者に対して介護を提供する装置の操作者を示す。
図1および図2に示したように、体外式自動除細動器(AED)10は取り外し可能なカバー12および装置収納箱14を含む。図2にカバー12を取り外した除細動器10を示す。電極アセンブリ16(または一対の分離電極)はケーブル18により装置収納箱14に接続されている。除細動器が使用されない時、電極アセンブリ16はカバー12の下に格納される。
【0027】
図3に示したように、AEDは、コンピュータ処理のための回路およびソフトウエア20、図ディスプレイ22または文字ディスプレイ23またはスピーカ24のようなユーザー・インターフェイス21、および介護者の治療遂行の進捗状況を検出するための回路およびソフトウエア25もしくは該回路または該ソフトウエア25−−−例えば、プロトコルにおける一連のステップの1個以上が成功裡に遂行されているかどうかを検出する−−−を含む。幾つかの好ましい実施態様において、その検出は、特定のステップが使用者により開始されているかどうかおよび、その上該特定のステップが使用者によりうまく遂行されているかどうか、の両方を判断する能力をも含む。模擬的または実際的な使用のいずれかにおける使用性研究に基づいて一般的な使用者エラーが判断され、そして最も頻繁なエラーが起こっているかどうかを判断するための特定の検出手段が具備されている。
【0028】
もしプロトコルの中にある現時点のステップが遂行されていないと判断された場合、プロセッサは指示の中で現時点の計画的作業手順を休止する。例えば、特定のステップが開始されているが完遂していないと判断されたが、しかし一般的エラーが特定のステップの開始に続いて起こっていない場合には、そこで、プロセッサは使用者が該ステップを完遂するのを待ちながら、単純に休止することができる。以前の使用性能試験に基づいた所定期間を待機した後でステップの完遂が検出されなかった場合には、プロセッサは、特定のステップを含む個々のサブステップを記述しながら、代表的には、より遅い手順速度で、より詳細なプロンプトのセットを開始できる。該ステップの完遂を待ちながら、一般的なエラーの1つが検出された場合には、プロセッサは使用者の間違った作業を正す連続した指示を開始できる。
【0029】
装置収納器14は電源ボタン15および状態ディスプレイ17を含む。状態ディスプレイ17は介護者に除細動器の使用準備ができているかどうかを表示する。
カバー12は、ロゴ31および一連の図32、34、および36を含むカバー転写図30(図1および4)を含む。ロゴ31は、装置の製造者に関する情報および装置が除細動器であることを示すことができる(例えば、図1に示すように、「ZOLL AED」、は、その装置がZoll Medicalから入手できる体外式半自動除細動器であることを示している)。図32、34、および36はAHA(米国心臓協会)による、緊急医療職員向けの審議中着信物である緊急心臓ケアに対するAED治療アルゴリズムの中に概説されているように、心臓蘇生の手順の中の初期ステップを通して介護者をリードする。(心肺蘇生術および心血管治療のガイドライン2000年版、回覧用補足資料、102巻、ナンバー8、2000年8月22日、1−67頁を参照。)従って、介護者と患者を示す図32は、介護者が例えば、患者を静かに揺すり大丈夫かどうかを尋ねることによって、患者の応答性を第一に確認すべきであることを表示している。続いて、電話と救急車を示す図34は、介護者は蘇生術を施すに先立って救急支援を求めるべきであることを表示している。最後に図36は、これらのステップが実行された後、介護者は除細動器のカバー12を取り外し、蓋の下に格納されている電極アセンブリ16を取り出し、ボタン15を押して電源を入れるべきであることを表示している。その図は、第一ステップを上部左に置いた時計回りの順番で配置されている。この順番で介護者が最も直感的に従うはずであるからである。しかしこの場合では、介護者がそのステップ実行する順番は判断的なものではない、従って簡略化のためにステップの順番に関するその他の表示は無い。
【0030】
装置収納箱は図2と5に示すように、装置収納転写図を含む。図は、図6A―6Eを参照して以下に説明されるように、介護者を全体的心臓蘇生手順に従ってリードするように構成されている。転写図40は中心図形50を含んでいて、それは心臓の図と手の図の表示を含む。中心図形50は治療ボタンを覆っていて、それを押した時、除細動器が電極アセンブリ16に向けて除細動電気ショックの遂行を引き起こす。
【0031】
装置収納箱の転写図40上の各図は、照明されたステップが特定時において遂行されるべきであることを表示するために、一時的に照明できる光源を付設している。これらの光源は、心臓蘇生の手順を通して心臓蘇生の期間中に各ポイントに合わせてどの図を見るべきかを表示しながら、ステップーバイーステップ形式で介護者をガイドする。
【0032】
図42―49の各々に対する光源は、隣接LEDが好ましい(LED56,図2)。心臓の図は、装置収納箱(図示略)内の光源によるバックライト式の半透明タイプであることができる。代わりに、図示のように、心臓の図が隣接LED(図示略)を含むことおよび手の図がLED57を含むこともしくは心臓の図が隣接LED(図示略)を含むことまたは手の図がLED57を含むこと、ができる。装置収納箱14にあるプログラム式電子機器は各々の光源がいつ照明されるかを判断するために使用される。
【0033】
ある好ましい実施態様において、使用者が救急手順を自分だけで完遂できない場合に、より詳細な図のプロンプトを提供するために液晶ディスプレイ51が使用される。これらの実施態様で、印刷された図の目的は全体の手順の中で現時点のステップのより一般的表示を提供することであり、例えば、気道の図44は、救出者は「気道を開けてください、呼吸をチェックしてください。」の部分を実行しなければならないことの表示を提供するが、実行すべき正確な動作を忘れた者にとっては詳細で十分な記述を提供できない。代わりの実施態様では、図による指示はより大きな液晶ディスプレイ(LCD)51で提供され、その際LED点灯した印刷された指示が取り除かれるかまたは移動されて、図による指示の大部分または全てをLCD30による表示を用いて提供されうる。この場合LCD51は使用者による適正動作の実行が不可能と判断した場合には自動的により詳細な指示を提供することになっている。
【0034】
プログラム式電子機器は図6Aおよび図6Eを参照して以下に説明するように、光源の照明および液晶ディスプレイ51上の画像表示と一致するように時期を合わせて音声プロンプトも提供できる。
【0035】
カバー12は図10Aおよび10Bに示すように患者の首や肩の下に置かれるように校正されている。それにより、患者の気道が開いた状態に保持することを支援する、すなわち、患者を頭押し下げて顎を持ち上げた状態に保持する方式で患者の肩や首を支持する。カバーは、好ましくは心臓蘇生の期間中堅固な支持を提供できるのに十分な厚さを持った比較的剛性のあるプラスチックで形成される。適切なプラスチックは、例えばABS、ポリプロピレン、およびABS/ポリプロピレンの混合を含む。
【0036】
心停止に対する治療を行うに先立って、介護者は肺に至る空気の通路を確保するために患者の気道に障害物が無いことを確認すべきである。
患者の舌や咽頭蓋による気道障害を避けるために(例えば図10A)、患者は頭を傾けて押し下げた状態に首を持ち上げ支持する位置関係に置かれることが望ましい。患者をこのような様式で位置決めすることは、「頭傾け顎持ち上げ法」として、米国心臓協会の心肺蘇生術および心血管治療のガイドラインの中で言及されている。頭傾け顎持ち上げの位置決めは口および気管を通して肺に至る比較的直線的な開放気道を提供する。しかし、緊急治療期間中この位置で患者を保持することは困難であるかもしれない。
【0037】
カバー12は、患者の肩を持ち上げそれにより患者の頭を後ろに傾けるために、10から25度、例えば15から20度の角度A(図9A)の勾配になっている上表面524を持っている。上表面524は患者の位置決めを容易にするために滑らかにカーブしている。例えば20から30インチの曲率半径を持ったカーブ上表面は、一般的に平らな表面よりも良好な位置決めを提供する。その最高点で、カバー12の高さH(図9)は、7.5から10cmである。大抵の患者の肩幅に適合させるため、カバー12の幅W(図9)は最低6インチ、例えば6から10インチであるのが好ましい。カバー12の幅が十分でない場合、患者の首や肩が胸骨圧迫中に移動し、装置の有効性を低下させる可能性がある。カバーの端部は、カバーを設置したときに水が収納箱に入り込むことを防止するためリップ11(図9)またはガスケット(図示略)を含むこともできる。図10Aおよび10B(患者は頭持ち上げ顎傾け状態に位置決めされ、気道が閉じられている)に示されている位置決めも、米国心臓協会の心肺蘇生術および心血管治療のガイドライン、2000年8月22日、1―32頁、図7および図8に示されている。
【0038】
カバー12は患者の肩が適正な位置でカバー12上に位置決めされているかどうかを判断するための1個以上のセンサが具備されている。図8を参照すると、光電感知器156、157はカバーが患者の背中の下に置かれているか否かを判断するために使用されている。センサ156、157はカバー12の尖った方の端部に沿ってケーブル155を備えて一面を内側に、一面を外側に向けて定置され、ケーブルによりセンサ156、157の両方に対して電力供給およびセンサの出力の検出を行う。カバー12の上面が下向きにあると、内側のセンサ156が外側センサ157よりも高い光レベルを測定し;カバーが尖った方の端部が患者の頭の頂上に向けられている場合、外側センサ157は内側センサ156よりも高く測定し、しかもその値は予め規定されたレベルよりも高い。適正に位置決めされたカバーの場合には内側156および外側157の両方のセンサ出力は予め規定されたレベルよりも低くなるであろう。別の実施態様では、その検出手段はカバーシールの下に定置された圧力センサ158が具備される。図6Cを参照すると、処理手段20によりカバーは上面が下向きになっていると検出されると、元のプロンプトよりもさらに詳細な音声のプロンプトが使用者に送達されるようになる。処理手段20は音声のプロンプトの発声速度を遅くすることもある。所定の時間期間の後でもまだカバー上面が下向きであると、処理手段20はカバーの適正な置き方についてさらに詳細に送達するであろう。カバー12を使用者に適正に位置決めさせる試行を3回行った後であれば、処理手段20はカバー12の適正な位置決めをさらに待たないで次の音声プロンプト160を送達するであろう。
【0039】
より好ましい実施態様では、除細動器は携帯電話機、全地球位置把握システム(GPS)またはより単純な無線電話器のような通信機能を含む。好ましくは、携帯電話とGPSの両方が装置に含まれる。携帯電話は、米国の多く例では「911」のように定置されている地域の緊急対応センターに自動的に電話が繋がるように予め設定されている。携帯電話サービスは音声、データ、そしてGPS機能が可能なものが選択される。従って、「電話ボタンを押して911に電話してください」という装置による命令に対応して、装置は911に自動的にダイヤルし、デバイス上の内蔵スピーカ458とマイクロフォン459はスピーカフォン機能を提供する役目をする。緊急対応センターへの接続が成功すると、本装置はGPS機能に基づいて正確な位置を送信し、また応答センターに除細動器の状況をも送信できる。より先端的な様式では、緊急応答センターが2方向データ通信機能により除細動器操作を遠隔制御できる。ERCおよび緊急応答職員(ERP)に接続されると、除細動器の自動音声プロンプトは、救助者がERPより与えられる指示を聞き逃さないようにするためにERPにより遠隔的に機能停止されうる。除細動器のスピーカフォン機能により救助者を指示しながら、ERPは救助者により正確な指示を提供するために装置のフィードバックプロンプト応答機能を利用できる。しかし、携帯電話やその他の無線通信方法はベストな環境であっても特別に信頼性があるのではなく、産業施設、地下室などにおいてしばしば使用できないことが周知である。従って、プロセッサは通信リンクが失われたことを検出した場合に、装置が救助者に全ての応答フィードバックプロンプトを提供するモードに自動的に復帰する手段を提供することが重要である。専門家との接続が失われたことにより救助者が抱く心配を緩和するための追加的なプロンプトもまた救助者に提供される(例えば、「911職員との通信は一時的に途絶えました。問題ありません。このAEDは全てのステップを実行できます。この手順により貴方を支援します」)。通信リンクが途絶えた時、装置は自動的に装置および患者の全状態を内蔵マイクロフォンにより受け取られた全音声と同様に記録し始めるのが好ましい。通信リンクがその後再開された場合、装置は通信が無効であった時間の間に得られた患者、装置および音声の全データを含んだ完全な事象を自動的に送信するのが好ましい。それによりERPの医療的な意志判断に役立つ有益データを提供できる。ERPは音声およびデータの両方を送信する2方向性通信リンクにより除細動器を遠隔制御できる。
【0040】
別の実施態様においては、装置内のプロセッサが遠隔意志判断できる機能よりもさらに多くの機能があるリモートコンピュータがERCのもとにある。リモートコンピュータは、使用者にプロンプトを提供するために例えば、ファジー理論、ニューラルネットおよび知的エージェントのような技術を利用する人工知能ソフトウエアを稼動することができる。
【0041】
図6Aはフローチャートの形で介護者が蘇生術を実行するための装置により提供される図および音声によるデフォルトプロンプトを図解している。図に示されたプロンプトは特定の手順が介護者によりうまく完遂されたかどうかに応じて装置により提供されるより詳細な指示である応答フィードバックプロンプトを含んでいない。囲み中の本文は介護者によって実行されるステップを示す。耳記号のある標題吹き出し中の本文は、除細動器により発せられる音声プロンプトを示す。図6B―6Eはさらに詳細な応答フィードバックプロンプト(その内容は図7A,7Bに示されている)のフローチャートを提供し、それにより支援用の電話、気道を開ける/呼吸をチェック、および心室除細動の電極適用のステップの補足を提供できる。
【0042】
従って人が倒れ、介護者はその人が心停止100の状態にあると疑った時、第一に介護者は除細動器を取り出し、102の電源を入れる。装置が内部自己診断を終了すると使用可能状態になり、このことは前述のようにディスプレイ17により指示される。次いで除細動器は介護者に音声の導入プロンプトを行う、例えば、「落ち着いてください。よく聞いてください。」(音声プロンプト104)。
【0043】
そのすぐ後で、除細動器は介護者に介護者が患者の応答性を確認するよう指示する音声メッセージでプロンプトする(音声プロンプト106)。同時に、LED隣接図42が点灯し、介護者にこの図を見ることを指示する。図42は介護者に「大丈夫?」と叫び、患者が意識不明であるかどうかを判断するためその人を揺する(ステップ108)ことを指示する。
【0044】
適切な時間(例えば、2秒)が経過した後で、介護者が叙細動器の電源をオフにしていない場合(患者に応答性があればそうする手はずである)、除細動器は介護者が救助の電話をするよう指示する音声プロンプトを介護者に与える(音声プロンプト110)。同時に、LED隣接図42が消灯し、LED隣接図43が点灯し、介護者の図43への注意を促す。図43は介護者に緊急職員に電話する(もし介護者がすでにそうしていなければ)ことを思い出させる(ステップ112)。
【0045】
適切な合間を経ると、介護者がステップ112を実行できた後で(例えば音声プロンプト110から2秒)、除細動器は介護者が患者の気道をあけて患者が呼吸しているかどうか確認すべきと指示する音声プロンプトを与える(音声プロンプト114)。LED隣接図43が消灯し、LED隣接図44が点灯し、介護者の注意を患者の気道を開けるための適正な方法を示している図44に向けるよう促す。これは介護者に患者の顎を持ち上げ、頭を後ろに傾けさせるようリードする(ステップ116)。介護者は要望すれば、図10A,10Bを参照して以下に説明するように気道支持装置を患者の首や肩の下に置くことができる。次いで、介護者は患者が呼吸しているかどうか判断するための確認を行う。
【0046】
適切な合間(例えば、音声プロンプト114から15秒)を経ると、除細動器は介護者が循環の徴候を確認すべきであると指示する音声プロンプトを与え(音声プロンプト118)、LED隣接図44が消灯し、LED隣接図45が点灯する。図45は、AHAが一般救助者に推奨しているように、患者は脈または循環に関する他の徴候を確認されるべきであることを介護者に指示する(ステップ120)。
【0047】
適切な合間(例えば、音声プロンプト118から5〜7秒)を経ると、除細動器は介護者が患者に電極アセンブリ16を取り付けるべきと指示する音声プロンプトを与え(音声プロンプト122)、LED隣接図45は消灯し、LED隣接図46が点灯する。図46は介護者に電極アセンブリ16が患者の胸上にどのようにして位置調整されるべきかを指示する(ステップ124)。
【0048】
この時点で、LED隣接図47が点灯し、除細動器は患者の心臓リズムが除細動器により分析されていることおよび介護者は離れるべきであることを指示する音声プロンプト(音声プロンプト126)を与える。LEDが点灯している間、除細動器は電極アセンブリからECGデータを得て、それを分析して患者の心臓リズムが電気ショック可能かどうかを判断する。この分析はAEDにより慣習的に実行される。
【0049】
除細動器が患者の心臓リズムは電気ショック不可能と判断した場合には、除細動器は「電気ショックは控えてください」(音声プロンプト128)のような音声プロンプトを与える。次いで、図48と49に隣接するLEDが点灯し、除細動器は、介護者が再度患者の気道を開け、呼吸および脈を確認し、介護者により脈が検出されない場合には、続いてCPRを与えることを開始する(音声プロンプト130、ステップ132)ことを指示する音声プロンプトを与える。図48と49はCPRを与える時に遂行すべき適切なステップを介護者に思い出させる。
【0050】
一方、除細動器が患者の心臓リズムは電気ショック可能であると判断した場合には、除細動器は「電気ショックをおすすめします。患者から離れてください。処置ボタンを押してください。」(音声プロンプト134)のような音声プロンプトを与える。同時に心臓の図および手の図もしくは心臓の図または手の図が点灯し、介護者に処置ボタンの位置を示す。この時点で、介護者は離れて(および他者がいれば離れることを警告)、ハートボタンを押し、処置ボタンを押し、患者に除細動電気ショック(または、除細動器の電子機器で判断されている一連の電気ショック)を施す(ステップ136)。
【0051】
ステップ136が実行された後、除細動器は自動的に患者の心臓リズムを再分析し、その間音声プロンプト126が再度与えられ、図47が再び点灯する。上記分析および電気ショック手順は、電気ショック可能リズムが繰り返して検出されれば3回まで、または除細動器が電源オフにされるか、または電極が取り除かれるまで繰り返される。3回目の電気ショックが遂行された後、装置のLED48および49が発光し、音声プロンプト130/132を出す。装置はLED48および49を約1分間継続発光し、もしCPRが実行されば、それは全期間中継続すべきであると指示する。この期間中、使用者に胸骨圧迫および救命人工呼吸の実行継続を指示するために、「CPRを続行」の音声プロンプトが15〜20秒毎に繰り返されうる。
【0052】
約1分が経過した後、装置はLED48および49を消光し、LED47を発光する。音声プロンプト126(患者から離れてください。リズムを分析中です。)も発行され、3回までのECG分析/電気ショックの新しい一連作業が始まる。
【0053】
ステップ132期間中介護者が循環を検出する場合、介護者は除細動器の電源オフおよび電極取り外し、もしくは電源オフまたは電極取り外しを実行できる。そうでない場合、介護者はそれ以上のCPR実行をやめるが、各1分間のCPR期間の後でも電気ショック不可能なリズムを持ち続ける患者に万全を期す周期的モニタリングを繰り返し提供するために、それでもなお装置がECGを再分析することを可能にする。
【0054】
従って、電気ショック可能なリズムが継続して存在すると、1分間のCPRに続いた3回のECG分析および3回の電気ショックの連続手順は無限に続く。代わりに電気ショック不可能なリズムがあるか、または存在するようになる場合、連続手順は、分析/電気ショック不可、1分のCPR、分析/電気ショック不可、1分のCPR、などである。電気ショックが患者の心臓リズムをこれ以上の除細動治療が不要である心臓リズムに転換させるのに有効である場合には、連続手順は以下である:分析/電気ショックの勧告、電気ショック(患者を救命する)、分析/電気ショック不可、1分間のCPR(脈が検出された場合は、介護者はこの期間中CPRを遂行しない)、分析/電気ショック不可、1分間のCPR、などを、介護者が除細動器の電源オフ(例えば、介護者が脈を検出する場合)または電極の取り外しを実行するまで続行する。
【0055】
電極の接触が失われた時はいつでも(電極アセンブリから得られたインピーダンスで判断されるように)、「電極を確認」のような適切な音声プロンプトをする結果を生じ、LED隣接図46を照明する。電極パッケージ16は収納箱と一体化したウエル222(図14)に格納されるかまたは別の袋にしまう。
【0056】
また、電極のパッケージを開けることができない介護者が少なくない、ということが分っている;従って電極パッケージ16が開けられているかどうかを判断するためのセンサが提供されうる。所定の時間内に電極パッケージ開封の検出が生じていない場合、本装置は使用者が電極パッケージ16を開ける支援となるより詳細な指示を提供する。
【0057】
図12、13を参照して、好ましい実施態様における電極利用に関する検出および識別の多くのステップをうまく完遂する手段が以下に提供される:(1)電極208を格納領域222または袋から取り出す;(2)裏張りから左パッド212を剥ぎ取る;(3)裏張りから右パッド214を剥ぎ取る;(4)左パッド212を患者にあてる;および(5)右パッド214を患者にあてる。図12および13を参照して、光センサーパッケージ210は電極支持体220の外側面に搭載される。電極208が格納領域中に密封さていることの検出は、光センサの出力が閾値以下であることによって判断される。フォトエミッタ/光センサ(PEPS)223併用物は、裏打ち216に向けて各電極に埋め込まれる。裏張り216は、高反射性のアルミ被覆マイラの自己接着性円板がPEPSの真下に位置して裏張り216に適用されるように構成される。
【0058】
高反射性円板224は、電極208と接触する側にシリコーン離型物を塗布し、その結果電極208が裏張りから取り外した時にその場所に残る。このような構成において、プロセッサは電極利用に関連するプロトコルの厳密なステップを実質的に識別することができる。光センサーパッケージ210がある閾値以上の光を検出した場合、電極は格納領域222または袋16から取り外されていると分る。各PEPS下の高反射領域224は、高強度だけでなくバックグラウンドレベルの低いエミッタードライブとの同期もある;すなわち、高い精度で電極212、214がまだ裏張り216に付いているかどうかを区別できる。電極212、214が裏張り216から取り外されていると、フォトエミッタ光のどれもが、それが光センサ中に反射することは殆ど無いので、同期部分が減少しながら信号のバックグラウンドレベルが周囲光により増加する;この状態は電極212、214が裏張り216から取り外されている場合を表わしている。電極212、214が裏張り216から取り外されていると判断されると、処理手段20は次の状態―電極を患者にあてることを尋ねることに進む。電極212、214の患者への適用は信号出力のバックグラウンドレベルの減少を生じ、いくつかの同期出力レベルは電極212、214がまだ裏張り216上にある時に測定された同期レベルとの中間にある。両方の電極212、214が患者に適用されても正常の生理学的範囲から大幅に外れた電極間インピーダンス測定値があった場合、使用者は患者のシャツを脱がせないで患者に電極を当てている可能性が非常に高い。驚いたことに、これは現場の使用者にとってよくある事である;電極が当てられる時に患者のシャツがほんの部分的退かされただけであると、患者の皮膚と電極との接触が不十分になる。図6Dは電極適用と修正に関連するプロンプトのフローチャートを示す。使用者との対話式作業に対応したケースのように示す。
【0059】
その他の実施態様において、中央の転写図は所望の光源を伴うこともできる。
例えば、所望によりすべての図が半透明化できるし、バックライト点灯もできる。代わりに図は転写図よりむしろLED画像の形で提供されうる。
【0060】
電極は一体化電極アセンブリの形で例示されてきたが、分離電極が使用されうる。
ある実施態様においては、図で例示されたステップの全てが、例えば、前述の転写図で例示されたように一括して同時に示される。この配置により介護者は次に実行されるステップを見たり、予測したりでき、可能であればステップを早く開始できる。しかしその代わり、図は、例えば、1個の図ずつを表示するスクリーンあるいはバックライトが点灯しないと見られないバックライト式図を使用する1個ずつ表示にできうる。場合によっては、この配置は初心者や一般救助者の混乱を避けることができる。なぜならばこの方式では介護者に同時に多すぎる情報の全てを提供しないからである。
【0061】
所望により、各図は、それが押されたときその図に関連したより詳細な音声プロンプトが除細動器により出力操作される付属ボタンを持つことができる。
AEDのカバー12は、その下側に例えば、図11に示した転写図200のような転写図を含めることができる。転写図200は、患者の気道を蘇生期間中開放して維持するために気道確保装置としてそのカバーを使用することを例示している。
【0062】
図202は、介護者が患者を転がしてカバー12を患者の肩の下に置くことをプロンプトし、図204は開放気道を確保するため、カバー12を患者の下に置く適正な位置決めを例示する。
【0063】
そのような図は、図5に示した転写図に含まれていないが、転写図40は患者が呼吸しているどうかを見て確認することを使用者にプロンプトする図を含むことができる。そのような図は、例えば、介護者が患者の口のそばに耳を当てている絵を含むことができる。その図は患者の口からの空気の流れを示す線図を含めることもできる。
【0064】
本明細書では、「照明した」、「点灯する」および類似した用語は一定した光と、強度が変化している光(例:明滅)の両方を表わすとして使用される。所望すれば、明滅する光が、関連した図にさらに明確に使用者の注意を引くために採用されうる。
【0065】
図16を参照して、その他の実施態様では、家庭用応急処置装置は、必要に応じて多種多様な医学状況に対応した指示や治療を提供しうる。ある実施態様においては、本装置は以下を含む:(a)プロセッサがその取り外しを検出できる装置用カバー;(b)紙面のどこがめくられたかを検出する手段を備え、カバー12下の装置の表面に置かれる製本された一連の紙面230;(c)プロセッサ;(d)音声を出力するスピーカ232;である。家庭用応急処置装置は一般的に救護用に使用される、バンドエイド、包帯、添え木、消毒剤等の品目を格納するために特別に使用される装置部分を含むことができる。格納領域は、好ましくは間仕切りトレイ234の形を取る。代わりに、格納領域は、複数のポケット、袋、ストラップ、またはスロットの形を取れる。格納領域は、個々のウエルに間仕切りされ、その中に各々の品目が格納される。光電感知器236、237を各ウエルに備え、それにより、(あれば)どの品目が取り出されたかを判断できる。製本紙面のどの頁がめくられたかの検出は、小さい強磁性サマリュム・コバルト磁石240を各頁242の特定位置にはめ込むことで提供されうる。ある実施態様においては、磁石240は紙面242の印刷領域外である、紙面242の製本角に沿って定置される。磁気センサ241は、特定頁242に置かれた磁石240が特定頁242をめくった時に接触する位置に対応するように装置収納箱14に定置される。磁気センサ241は、ホール効果の原理を用いた半導体デバイスであることができるが、リード・スイッチまたはその他の磁気活性スイッチでも可能である。使用者がどの頁をめくったか、または格納容器からどの応急処置品目が取り出されたかを検出するような使用者の行動を自動的に検出する手段を提供することにより、本装置は介護者と眼に見えない方法で相互作用および応答ができ、作業速度ならびに指示遵守性の改善ができる。このような方法で、同時に使用者に印刷された図インターフェイスを提供しながら対話機能が維持される。
【0066】
ある実施態様において、圧力センサ321(PS)、たとえば、Freescale Semiconductorで製造されるMPXV5004圧力センサが具備されうる(図3)。MPXV5004は、整えられた出力、内蔵温度補償、およびシングルエンド出力の機能を持っていて、アナログーデジタル変換機(A/D)と適合性がある。MPXV5004は、圧電抵抗の圧力感知素子を使用し、それはショット雑音(ホワイト)および1/f(フリッカ雑音)をもたらす。ショット雑音は接合を横断するキャリアの不均一な流れの結果であり、温度依存性がない。フリッカ雑音(1/f)は結晶欠陥が原因であり、ウエハ加工にも起因する。このノイズは振動数の逆数に比例し、低振動数領域でより支配的になる。信号調整素子323(図3)はそれらノイズの大部分をろ過する。このろ過処理の達成が可能な回路の1つが図3Aに示される。
【0067】
ゲージ型センサとして構成される圧力センサ321を使用することにより、換気回数が生成された圧力波形における変化から検出されうる。換気回数を生み出す圧力波形の処理加工には従来技術―例えば、テンプレート突き合わせ、帯域ろ過、または動的閾値処理が使用されうる。圧力センサ321は差圧検出器としても構成されうる。
【0068】
圧力センサは図12に示すように電極パッドアセンブリ上に定置されうる。チューブ215は、電極アセンブリと気道に位置するアダプタ219の間に接続される。差圧測定されている時、2本のチューブ215がアダプタから電極アセンブリに導かれる。アダプタ219には、2個のポート間で発生する差圧が、アダプタを通過し患者に至る空気流れ速度と比例するように圧力センサーポートの間に配置された、小さい羽根がある。アダプタを通過する空気通路の断面積が分ると、一回換気量が推算できる(既知の差圧通気量測定技術を使用して)。
【0069】
換気回数と一回換気量を計算して、一回換気量が適正であるかと同様に呼吸の数と速度が適当であるかどうかを検出することができる。換気回数が適度であるが一回換気量が不十分であるとプロセッサが判断した場合、「患者にもっと深く確実に呼気を吹き込む」というメッセージが発せられる(図7A中のプロンプト13)。不適切な換気回数に対しても同様なメッセージが提供されうる。
【0070】
別の実施態様において、加速度計76(図15)が圧力センサの代わりに使用されうる。加速度計はCPR圧迫と換気回数の両方の検出に使用されうる。圧迫による胸骨変位は高周波数の立ち上がり区間があり、初期は負(圧迫)である。一方、換気サイクルは、圧迫サイクルよりも約一桁低い周波数(0.5Hz対5Hz)である立ち上がり区間があり、正の値である(肺の膨張による胸立ち上がり)。こうして、換気は圧迫と区別されうる(例えば、ソフトウエア検出アルゴリズムにおいてバンドパスろ過を使用して)。この方法の限界は、通常、一回換気量の正確な測定値が得られないことである。
【0071】
別の実施態様において、圧力センサ21は加速度計76のような第二のセンサと組み合わされうる。これは一般的な臨床状況において、一般的に気管内(ET)チューブと呼ばれる挿管チューブが、気管を経由して肺に行くよりもむしろ食道を経由して、胃に間違って位置設定したことを検出するためである。ETチューブが蘇生術の過程で、あるいは救急車による搬送またはその他による搬送方法中の振動の結果で外れてしまうこともよくある。圧力波形パルスの検出は、加速度計波形、TTI波形、のどちらかまたは両方の分析を開始し、換気による呼吸ガスの供給の試みがガスを肺にまたは胃に(食道経由で)に送り届けているかどうか、を確認するために使用される。ガスが肺に送られた場合、加速度計が設置された胸骨領域の実測された変位によるパルス波形を伴うであろう(加速度計波形の2重積分は胸骨立ち上がりを示すだろう)。一方、TTI測定は、肺に送られた空気が経胸腔インピーダンス(TTI)に上昇を引き起こすので使用されうる。肺が胸骨形式およびダイヤフラム形式の両方で膨張する事実ならびにガスの圧縮性のため、加速度計またはTTI測定で同伴変位波形が観測される前に、圧力パルスの発生に続く若干の遅れがあるだろう。
【0072】
ある実施態様において、2つのパルス検出法が使用される。第一は胸骨変位およびTTI測定のパルス波形にある圧力波形を整列する。圧力パルス波形の立ち上がり部分から変位の立ち上がり部分およびTTI波形までの遅れが700ミリ秒より少ない場合、および圧力パルス波形の後縁部分から変位の後縁部分およびTTI波形までの遅れが700ミリ秒より少ない場合は、変位およびTTIパルス波形は換気サイクルの結果と考えられる。第二のパルス検出法は、換気による胸骨の一番目の初期移動を検出するために加速度波形を使用する。変位波形が計算され、変位パルスに寄与する加速度信号の一番目のパルスは胸骨変位パルスの開始を判断する。換気による胸骨の動きのさらに正確な立ち上がりは、しばしばこの方式で実現される。
【0073】
変位とTTI波形が換気圧力波形パルスの結果であると分ると、ETチューブは食道ではなく気管中に適正に置かれていると考えられる。
図12に示されているものに匹敵する可視ディスプレイは、救助者にETチューブが適正に置かれたかどうかについて可視的なフィードバックを提供するために、電極アセンブリ上に置くことができる。チューブが適正に置かれたと判断されると、処理手段は電極アセンブリ上の緑色のLEDを起動する。以前の換気試行がETチューブを不適正に置いたと判断した結果になった場合、処理手段は可視ディスプレイで赤色のLEDを起動する。可視ディスプレイは、各々の連続した換気の一回換気量を示すために二重カラー棒グラフとして構成され、チューブが適正に置かれたどうかを表示する着色LEDバー(緑色で適正な位置を、赤色で不適正な位置を示す)を持った一連のLED構成をも含むことができる。一方、適正なETチューブ位置および一回換気量をそれぞれ示すために、個別に示す明かりが気道および呼吸に対して提供されうる。
【0074】
その他多くの実施多様は、特許請求項の範囲内である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者に除細動ショックを与えるとともに患者に心臓蘇生を行う介護者を支援する体外式自動除細動装置であって、
少なくとも一個の除細動電極を支持し、患者の胸に接着して適用されるように構成された電極パッドと、
介護者による患者への換気の遂行に関連する情報を検出するように構成された少なくとも一個の圧力センサであって、圧力センサの少なくとも一部が前記電極パッド上に搭載されていることと、
圧力センサの出力を処理して、換気の進捗を示すパラメータについて判断するように構成されたプロセッサと
を備える装置。
【請求項2】
前記換気の進捗を示すパラメータは換気回数であり、換気進捗プロンプトは換気回数の変更に関する指示を含む請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記換気の進捗を示すパラメータは一回換気量であり、換気進捗プロンプトは一回換気量の変更に関する指示を含む請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記換気の進捗を示すパラメータは流量であり、換気進捗プロンプトは流量の変更に関する指示を含む請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記電極パッド上の圧力センサから、患者の口付近に位置するように構成されたアダプタまで少なくとも一本のチューブが延びており、前記チューブと前記アダプタは、換気に伴う圧力が前記チューブを通して電極パッドアセンブリの前記圧力センサに伝わるように構成されている請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記圧力センサから前記アダプタまで延びる第二のチューブをさらに備え、前記アダプタと前記チューブは、換気に伴う差圧を測定するように構成されている請求項5に記載の装置。
【請求項7】
換気についての情報を伝えるために電極パッドアセンブリ上に設けられた少なくとも一個の表示灯をさらに備える請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記情報は、換気回数が許容可能な換気回数の所定範囲内にあるか否かを含む請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記情報は、一回換気量の表示を含む請求項7に記載の装置。
【請求項10】
患者に心臓蘇生を行う介護者を支援する装置であって、
患者に心臓蘇生を行う介護者を支援するために、介護者にプロンプトを送達するように構成されたユーザー・インターフェイスと、
患者の体内のETチューブの配置についての情報が得られるような信号を提供するように構成された少なくとも二個のセンサと、
ETチューブの配置に関する最初の表示を提供する第一ETチューブ配置のプロンプトを少なくとも含む複数の異なったプロンプトが記憶されたメモリと、
前記センサの出力を処理して、ETチューブの配置を判断するとともに、前記第一ETチューブ配置のプロンプトを送達するべきか否かを判断するように構成されたプロセッサと
を備える装置。
【請求項11】
前記第一ETチューブ配置のプロンプトは、ETチューブが患者の気道に適正に配置されていないことを表示するプロンプトからなる請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記センサは、ETチューブに送達される換気のタイミングを検出するように構成された圧力センサと、患者の胸骨の動きを検出するように構成された加速度計とを含む請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記センサは、ETチューブに送達される換気のタイミングを検出するように構成された圧力センサと、患者の経胸腔インピーダンスの変化を検出するように構成されたTTIセンサとを含む請求項10に記載の装置。
【請求項14】
前記センサのうちの一つは、ETチューブに送達される換気のタイミングを検出するように構成され、前記センサの別の一つは、患者の胸骨の動きのタイミングまたは患者の経胸腔インピーダンス変化のタイミングを検出するように構成され、前記プロセッサは、換気の相対的タイミングを胸骨の動きまたは経胸腔インピーダンス変化と比較するよう構成されている請求項10に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図3A】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−148092(P2012−148092A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−56424(P2012−56424)
【出願日】平成24年3月13日(2012.3.13)
【分割の表示】特願2007−68679(P2007−68679)の分割
【原出願日】平成19年3月16日(2007.3.16)
【出願人】(504242032)ゾール メディカル コーポレイション (42)
【氏名又は名称原語表記】ZOLL Medical Corporation
【Fターム(参考)】