説明

換気トイレ装置及び二重機能性便座

換気トイレ装置は、便座アセンブリ(1)、ヒンジアセンブリ(3)及び空気浄化システム(102)を含む。便座アセンブリは、多数の吸気口(5)、空気通路(11)、ピボット(14)、及び排気路(6)を含む。ヒンジアセンブリは、受け口(15)及び軸柱(17)を含む。受け口は、便座アセンブリに取り付けられるピボットを受ける。軸柱は、便座アセンブリと吸気装置(4)との間の空気の流通を許容する。便座本体への加熱ユニットの付加は、所定の温度に温められ得る二重機能性の装置を提供する。空気浄化システムは、嫌な臭いを捕まえるためのフィルタ(104)、不快な臭いを便器から引き出すためのブロワ(110)、及び有害なバクテリア及びウィルスを死滅させるためのUVランプ(122)を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、汚れた空気を便器から引き込み、遠隔的に制御された吸引装置によって遠隔の場所で排出するための、緊密な連結における、便座本体、ピボット、ヒンジに関する。加えて、本発明は、寒い時期に便座上での寒気を和らげるための、所定の温度設定に温められ得る便座本体の利用に関する。最後に、本発明は、バスルームの利用者に付加的な快適な心地を提供するために、これらの2つの異なる機能をいかにして単一のユニットに組み込むかということを開示する。
【背景技術】
【0002】
出願人は、2006年6月23日に出願された米国における分割出願番号60/816,280、2006年10月24日に出願された出願番号60/853,674、2007年5月16日に出願された出願番号60/930,455、及び、2007年4月10日に出願された、分割でない出願番号11/733,688の優先権を要求する。
【0003】
バスルームにおける様々な必要性に対応すべく、多くのバスルームのアクセサリや製品が利用可能である。寒い時期に、快適な心地をバスルームの利用者に提供するために設計される製品の1つは、寒い時期に、上側の表面が、便座本体内に取り付けられた電気加熱コイルによって温められることが可能で、冷たい便座からの寒気を和らげることができる温かい便座である。
【0004】
寒い気候の地域にある家やビルディングは、貧弱な換気を有する傾向にあり、そして、住人は、場所によって、特にバスルームのまわりで、しばしば嫌な臭いを経験し得る。バスルーム内で、脱臭剤や芳香剤が、典型的に、悪臭を処理するために適用されるのであるが、これらはただ単に悪臭を隠すだけで、除去するものではない。
【0005】
あるいは、バスルームからの悪臭は、バスルームの天井又は壁に取り付けられた電気ファンによって排出される。このタイプの換気方法は、多量の空気を排出する必要があり、なかなか消えない嫌な臭いは、バスルームが新鮮な空気に満たされるまで残存し得る。バスルーム内において、便器からのガスの周辺の雰囲気への離散が、嫌な臭いの主な原因であることから、周辺の領域へのガスの拡散に優先して、便器からのガスの直接的な除去は、天井の電気ファンを採用する旧来の換気システムよりも、より効果的にバスルームから悪臭を除去する方法として提案されてきた。
【0006】
多くの換気装置が、その源でバスルームの悪臭を除去するために先行技術として記述されてきた:米国特許2,072,780 (F. L. Turner, 1937), 3,733,619 (F. D. Smith, 1973), 3,916,459 (M. Ivancevic, 1975), 4,007,498 (R. H. Pearson, 1977), 4,085,470 (G. Roberts, 1978), 4,1 17,559 (D. D. Boyle, 1978), 4,365,361 (G. H. Sanstrom, 1982), 4,556,999 (J. E. Lindley, 1985), 4,617,687 (J. A. Wadsworth, 1986), 4,701,966 (C. L. Schafer, 1987), 4,726,078 (R. A. Carballo, et al, 1988), 4,893,359 (P. N. Vu, et al., 1990), 5,345,617 (J. F. Jahner, et al., 1994), 5,355,536 (A. Prisco, 1994), 5,539,937 (R. E. Barefoot, 1996), 6,237,163 (J. Gusso, et al., 2001), 6,260,215 (M. Miller, 2001), 6,523,184 (A. Prisco, 2003), 6,553,581 (D. Lee, 2003), 6,775,853 (A. Szekely, 2004), 6,298,500 (J. L. Sollami, 2001), 6,772,449 (J. P. Wolfe, 2004)が、しかし、これらの方法のほとんどは、自身の複雑さ及び外観の悪い装置又は汚れの影響を受けやすいということを理由に、市場で受けられていない。
【0007】
先行技術において開示される多くの便座が、内部の空気の通路を形成するために、少なくとも2つの別個の部材の取り付けによって組み立てられ、結果として広い領域の継目又は外観の悪い開口となる。この方式で組み立てられた便座は、汚れの問題を取り除くための度々の清掃を必要とするだけでなく、構造的な完全性が空気の流通の潜在的な漏れを導くという危険にさらされる傾向になる。
【0008】
現在、トイレの利用者に温かさを提供し、便座からの嫌悪感を和らげる便座が、商業的に利用されている。温められた便座を作る様々な方法が以下の米国特許で開示される:4,123,807 (T. Oguma, et al., 1978), 4,422,190 (C. Huang, 1983), 4,446,584 (K, Suzuki, et al., 1984), 4,798,936 (A. K. Johnson, Sr., 1989), 4,850,060 (C. M. Kou, 1989), 5,095,555 (Y. Torii, et al., 1992), 5,586,214 (C. M. Eckman, 1996), 5,898,952 (M. D. Hickey, 1999), 5,940,895 (D. S. Wilson, et al., 1999), 6,307,180 (T. V. Arx, et al., 2001)。
【0009】
しかしながら、先行技術のいずれも、1つのユニットで、便器からのガスの外部雰囲気への換気を可能とし、また必要される便座の温度に上昇させる、二重機能の便器本体又は装置を教唆乃至提案していない。これらの単一のユニットでの二重機能性は、バスルームの利用者に最大の快適さと喜びを提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の一般的な目的は、便器から嫌な臭いを引き込み、遠隔地に排出するか、または、汚染された空気を、フィルタに通してバスルームに浄化された空気を再循環させる装置を提供することである。
【0011】
本発明のさらなる目的は、使用者に便座の温度を調節することを許容することによって、冷たい便座の不快さを取り除く装置を提供することである。この特徴は、バスルームの使用者に快適な心地を与える。
【0012】
本発明のさらなる目的は、便器から嫌な臭いを引き込んで、適切な吸引装置によって外の雰囲気に排出する第1の機能性、および、便座本体の温度を上げる第2の機能性、の二重機能性を1つの便座本体内に伴う便座を提供することである。これらの2つの機能性は同時に使用され、または、使用者の必要に応じて選択され得る。
【0013】
本発明のさらなる目的は、外側の構成が従来の便座と似ており、それ故、喜ばしい美的外観を有する装置を提供することである。
【0014】
本発明のさらなる目的は、現存する様々なトイレを容易に改造できる装置を提供することである。
【0015】
本発明のさらなる目的は、経済的に製造でき、消毒することが容易で、耐久性のある換気トイレ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の目的を達成するために、本発明は、使用者の体に接触するように適合された上側表面、及び、便器に近接して配置されるように適合される下側表面を含む便座本体を含む便器アセンブリ、ヒンジアセンブリ、及び便器アセンブリがヒンジアセンブリに回動可能に取り付けられるピボット装置を含む換気トイレ装置を提供する。便座アセンブリは、便座本体内に形成されたピボット受け部と、下側表面上に提供される複数の吸気口とをさらに含む。
【0017】
換気トイレ装置は、ピボット受け部内に提供される排気路、及び排気路の下側に提供されてこの排気路に連通するクリーニングポート、及び、吸気口及び排気路に接続する複数の空気通路をさらに含む。ピボット受け部は、ピボット装置を取り囲む。
【0018】
換気トイレ装置は、クリーニングポートを気密にシールするクリーニングポートキャップをさらに含む。
【0019】
吸気口は、実質的に、下側表面に対して垂直であり、空気通路は、実質的に下側表面に対して平行である。
【0020】
排気路は、空気通路が接続されるジャンクション、ジャンクションに接続される管状開口、を含む。管状開口は、ピボット装置を受ける。
【0021】
ピボット装置は、中空のピボット管を含む。
【0022】
ピボット管は、銅、銅合金、ポリマー樹脂またはプラスチックから造られる。
【0023】
ピボット管は、排気路の管状開口内に固定される。
【0024】
ジャンクションは、便座アセンブリの後方に開くジャンクション開口と、ジャンクション開口を気密にシールするジャンクションキャップとを含む。
排気路は、空気通路が接続されるジャンクション、ジャンクションに接続される2つの管状開口を含む。管状開口は、ピボット装置を受ける。
【0025】
ピボット管は、中空のピボット管及び複数のピボット口を含む。ピボット口は、ピボット管の中途部に備えられる。ピボット管は、排気路の管状開口内に固定される。
【0026】
便座本体は、下側表面に備えられ、便器に接触するように適合化されたバンパを含む。バンパは、吸気口を包囲する。
【0027】
ヒンジアセンブリは、中空のヒンジケース、ピボット装置を受ける受け口、及び便器のヒンジアセンブリに固定されるように適合化された軸柱、を含む。
【0028】
ピボット装置は、受け口内で回転可能に受けられる。ヒンジアセンブリは、受け口内に形成される溝内に備え付けられるOリングをさらに含む。
【0029】
軸柱は、中空のヒンジ管を含む。
【0030】
中空のヒンジ管は、ノッチを含み、斜面状に形成され、それによってヒンジアセンブリが、管に伴う締結ナットによって便器に固定される。
【0031】
軸柱は、中空のヒンジ管のノッチを横切ってピンを受けるピンホールをさらに含む。
【0032】
換気トイレ装置は、ヒンジアセンブリに接続される吸引装置をさらに含む。吸引装置は、ヒンジアセンブリを介して空気を吸引する。
【0033】
換気トイレ装置は、便座本体を加熱する加熱ユニット、吸気口とピボット装置を接続する空気通路、をさらに含む。便座本体は、上側表面と下側表面との間の中空の空間を含む。
【0034】
加熱ユニットは、中空の空間内で上側表面の下側に取り付けられる抵抗線、抵抗線を制御装置に接続する電気コード、便座本体の温度を示すセンサ、及び、センサを制御装置に接続するセンサコード、を含む。制御装置は、センサから情報を受け、抵抗線に対する電流の量を制御する。
【0035】
換気トイレ装置は、電気コードとセンサコードを便座本体の中空の空間に固定するコード締結具、及び電気コードとセンサコードをヒンジアセンブリに固定するグロメット、をさらに含む。
【0036】
便座本体は、ピボット装置を受ける2つの管状開口、及び、底表面に備えられ、便器に接触するように適合化された少なくとも1つのバンパ、を含む。バンパは、吸気口を包囲する。
【0037】
本発明は、再度、個々の要素に基づいて説明される。
【0038】
換気トイレ装置は、嫌な空気を便器の内部から吸気口へと引き込み、空気通路、ジャンクション、ピボット、ヒンジアセンブリ、及び吸引装置を介して外の雰囲気へと引き出すための、遠隔で制御される吸引装置との通信を行って処理される、換気便座アセンブリ、ピボット、及び少なくとも1つのヒンジアセンブリ、を含む。換気トイレ装置は、多くのユニットが単一の吸引装置に接続される、単一のユニット又は複数のユニットとして使用される。換気トイレ装置は、従来のトイレ、バス、レクリエーションビーイクル、電車、移動可能なトイレに使用されている。換気トイレ装置は、ビデとの組み合わせで使用され得る。
【0039】
換気便座は、便座の底での複数の吸気口、便座の後端で組み付けられる排気路、ジャンクションを含む排気路、ジャンクションキャップ、管状開口、及びクリーニングポート、吸気口とジャンクションとを接続する複数の空気通路、吸気口の周りの少なくとも1つのバンパ、便器内の嫌な空気の除去のための吸引装置と通信を行う換気便座アセンブリを構成するために、管状開口で固定されるピボット、及び、便座の消毒中に、液体の排出のために開けられるクリーニングポート、を含む。
【0040】
中空管は、ピボットを構成するために、その中央部に複数の開口を含む。ピボットは、銅、他の金属、複合材料、ポリマー樹脂またはプラスチックで造られる。ピボットは、換気便座の管状開口に固定される。
【0041】
ヒンジアセンブリは、吸引装置が作動しているときに、空気の気密シールのためのOリングを収容するための内部の溝を含む受け口、軸柱、斜面状にされた中空の管、ウォッシャ、及び、軸柱を介してヒンジアセンブリを便器に締結するナット、便座アセンブリの回動、及び便器と吸引装置との間の空気の流通を許容するための換気便座アセンブリ、を含む。少なくとも1つの中空で斜面状に形成された管は、遠隔で制御される吸引装置に接続される。
【0042】
便座アセンブリが、従来技術の大部分で使用されてきた、突出した外観の悪い開口、継ぎ目、またはガスケットを有しないということが本発明の有利な点である。本発明において、汚染の機会を大きく減少させるように、便器とヒンジアセンブリとにおける吸気口の数と継ぎ目の領域を最小にするための特別な注意が払われた。
【0043】
本発明は、短く要約されているが、以下の図面、詳細な説明、添付の特許請求の範囲によって、十分な発明の理解が得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態によって構築される、換気便座アセンブリ、ヒンジアセンブリ、及び吸引装置の斜視図である。
【図2】図2aは、ともに射出成形で形成される、換気の終わっていない換気便座、及びジャンクションキャップの底面図であり、図2bは、射出成形によって形成される未終了の換気便座の後立面図である。
【図3】図3aは、構築されている空気通路を伴う換気便座の底面図であり、図3bは、構築されている空気通路を伴う換気便座の後立面図である。
【図4】図4は、図3aの4−4線に係る便器に乗っている換気便座の断面図である。
【図5】図5は、ピボットの立面図である。
【図6】図6aは、ヒンジから取り外されたヒンジキャップを伴うヒンジの平面図であり、図6bは、ヒンジの側立面図であり、図6cは、中空管及びピンを伴うヒンジを側立面図である。
【図7】図7は、ヒンジキャップ、中空管、及びヒンジに取り付けられるピンの斜視図である。
【図8】図8aは、第2実施形態のヒンジの側立面図であり、図8bは、第2実施形態のヒンジのもう1つの側立面図である。
【図9】図9は、中空管及び第2実施形態に取り付けられるピンを示す第2実施形態のヒンジアセンブリの斜視図である。
【図10】図10は、例示の明確化のために消去された、いくつかの部分、及びバンパを伴う、ピボット及びヒンジとともに組み立てられる換気便座の斜視図である。
【図11】図11aは、第2実施形態の換気便座の底面図であり、図11bは、換気便座の後立面図であり、図11cは、ピボットの立面図である。
【図12】図12は、部分的に切り取られて例示される二重機能性便座本体、ピボット、及びヒンジアセンブリの底面図を示す。ヒンジアセンブリ、吸引装置、及び制御装置に関する二重機能性の便座アセンブリの概略の配置もまた図12に示される。
【図13】図13は、二重機能性の便座本体の底部の底面図である。
【図14】図14は、図12の14−14線に沿ってとられた二重機能性の便座本体の断面図である。
【図15】図15は、図12の15−15線に沿ってとられた二重機能性の便座本体の断面図である。
【図16】図16aは、切り取られた部分を伴って例示される第2実施形態の二重機能性の便座本体の底面図を示し、図16bは、第2実施形態に係る二重機能性の便座本体の底部の底面図である。
【図17】図17aは、例示の明確化のために切りとられた本体の部分を伴う空気浄化システムの側立面図であり、図17bは、空気浄化システムの電気的な概略図である。
【図18】図18は、例示の明確化のために切り取られた本体の部分を伴う空気浄化システムの斜視図である。
【図19】図19は、二重機能性の便座本体及び空気浄化システムの配置の斜視図である。
【図20】図20aは、例示の明確化のために切り取られた本体の部分を伴う空気浄化システムの側立面図であり、図20bは、コードレス空気浄化システムの電気的な図である。
【図21】図21は、従来の便器を覆う換気便座アセンブリの配置と、トランスミッタとワイヤレスで通信するコードレス空気浄化システムの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
本発明のこれらの及び他の特徴、外観、有利性は、添付図面を参照することでより良く理解されるであろう。
【0046】
図1は、便座アセンブリ1及び便器2上のヒンジアセンブリ3が、嫌な空気を便器2の内部から引き込み、外の雰囲気に排出するために、遠隔で制御された吸引装置4と通信するように処理されることを例示する。
【0047】
図2aは、便座アセンブリ1が、内部で形成された吸気口5及び排気路6及びクリーニングポート7を含むことを示す。吸気口5は、便座アセンブリ1の後の底に近接して配置される。
【0048】
吸気口5に近い、便座アセンブリ1の内部エッジは、図4に示されるように、下向きに取り付けられる。この構成は、より良い美的外観を提供することと同様に、トイレの使用中に、漏れや跳ねから吸気口5を保護することに有利である。
【0049】
図2aに戻って参照すると、排気路6は、便座アセンブリ1の後端で構成される中空の開口である。排気路6は、ジャンクション8、ジャンクションキャップ9、及び便座アセンブリ1の後端に取り付けられる管状開口10を含む。
【0050】
図3a及び3bは、適切な吸引が実行されるときに、空気の動きがそれらの間で可能になるように、空気通路11が、吸気口5とジャンクション8とを接続するために構築されることを示す。管状開口10は、ジャンクション8とヒンジアセンブリ3との間の空気の流通を仲介するピボット14(図5参照)を収容する。
【0051】
内部の空気通路11の施工が一旦終わり、ピボット14が管状開口10の内側に固定されると、気密なシールを提供するために、ジャンクションキャップ9がジャンクション開口32に取り付けられる。
【0052】
図4は、便座アセンブリ1の底の後端でのクリーニングポート7が、容易に着脱できるクリーニングポートキャップ13とともに提供されることを示す。便座アセンブリ1の直立位置で、クリーニングポート7は、液体が吸気口5の消毒中に収集されかつ捕らえられるように、水洗い式真空掃除機または吸引装置(または便利に鼻吸引ボール)に適合され得る。
【0053】
図2aおよび2bは、多数の吸気口5、ジャンクション8、およびジャンクションキャップ9、管状開口10、およびクリーニングポート7が射出成形によって有利に形成される、完成していない便器アセンブリ1を例示する。
【0054】
便座アセンブリ1は、最初に射出成形によって製造される。それから、内部の空気通路11がジャンクション8を通じてドリルで形成される。この方法において、本発明は、便座の構造安定性を許容する、1つのユニットとして仮想的に作られる換気便座アセンブリ1を提供する。ジャンクションキャップ9の周りの継ぎ目の比較的小さな領域のために、使用者は、通常、従来の便器からの本発明の換気便座アセンブリ1の外観の悪い違いには気づかない。
【0055】
吸気口5を包囲するバンパ12は、便器2の前から吸気口5に空気が流れるように、便器2からの嫌な空気の漏れを防ぐために、便器2への密接な接触を維持するように備えられる。
【0056】
ピボット14は、図5に示すように、中央部において、複数の開口34(およそ7/32インチから1/4インチ直径)を有する6インチ長の中空の管である。ピボット14は、管を所望の長さに切断し、開口34を穿孔することにより、商業的に利用可能な銅管または銅合金(外形0.500インチX内径0.430インチX壁厚0.035インチ)を用いて製造され得る。
【0057】
ピボット14は、管状開口10とほぼ同じサイズであり、かつ、管状開口10を介してピボット14を滑らせることによって固定される。ピボット14は、便座アセンブリ1を、ヒンジアセンブリ3を通じて便器2に固定する手段を備え、ジャンクション8とヒンジアセンブリ3との間の空気の流通を確立する。
【0058】
便座カバー36(図1参照)は、便座アセンブリ1と便座カバー36とに回動を許容する、ヒンジアセンブリ(3及び30)の対に組み立てられ得る。
【0059】
ピボット14の両方の端部は、ヒンジアセンブリ(3及び30)の対に取り付けられ得る。代わりに、ピボット14の一方の端部は、使用者が空気の流通のためにピボット14の両側を使うことを望まない場合に、蓋が被せられ、又は、塞がれる。ピボット14は、構造的に安定し、抗浸食性、及び汚染の傾向のないものであることが望ましい。これらの特徴に関して、銅合金が、ピボット14の製造のために望ましい原材料であるが、しかし、他の金属、複合、プラスチック材料がピボット14を製造するために使用され得る。
【0060】
図6a,6b,6c及び7は、ヒンジアセンブリ3が、便座アセンブリ1を便器2に如何にして固定するかを示す。ヒンジアセンブリ3は、受け口15、ヒンジキャップ16、軸柱17、斜面状にされた中空の管18、ピン22、ピンホール68、及び便座カバーサポート70、を含む。受け口15は、気密シールを提供するために、ピボット14を水平状に受け、また、便座アセンブリ1の回動を許容する。斜面状にされた中空の管18は、一方の端部で斜面状とされ、反対側の端部の近くにノッチ19を有する。軸柱17は、ピンホール68を通じて、かつノッチ19を横切ってピン22を挿入することによって、ヒンジに取り付けられ得る斜面状にされた中空の管18を受ける。軸柱17に固定されたこの斜面状の中空の管18は、気密な方式でヒンジアセンブリ3を、マッチングナットを使用する便器2に取り付ける手段を提供する。斜面状とされた中空の管18は、接続ホース38を介して、遠隔制御される吸引装置4に接続される。便座カバーサポート70は、便座カバー36を水平状に受け、かつ、回動を許容する。
【0061】
受け口15と軸柱17との間のヒンジアセンブリ3内の中空の空間は、自由な空気の流れを許容する。最終的に、ヒンジアセンブリ3は、ピボット14と吸引装置4との間の空気の流通を許す役割を果たす。
【0062】
受け口15は、吸引装置4が操作されているときに、ピボット14に気密シールを提供するためのOリング21を収容可能な溝20を有し得る。
【0063】
望ましくは、ヒンジアセンブリ3の鏡像構造を有する第2のヒンジアセンブリ30が、換気の便座アセンブリ1を受けるために、ヒンジアセンブリ(3,30)の対を構成するために提供される。
【0064】
異なる形状及び大きさを有する便器の広範な変形が存在する。特に、トイレのリムから便器の孔までの水平距離は、便器間で異なる。様々な既存の便器を改造するために設計されるいかなる換気便座について、必要とされる便器に関する便座の幾何学的な距離に適応できる多数のヒンジ又は多数のヒンジシステムにおける柔軟性を有するという利点がある。この目的への解決として、第2の実施形態3’のヒンジアセンブリが、図8a,8b、及び9に例示される本発明において提供される。第2の実施形態3’のヒンジアセンブリは、受け口15’、軸柱17’、斜面状とされた中空の管18、ピン22、ピンホール68’、及び便座カバーサポート70’を含む。受け口15’は、気密シールを提供するためにピボット14を水平状に受け、さらにまた、便座アセンブリ1の回動を許容する。軸柱17’は、ピンホール68’を通じて、かつノッチ22を横切ってピン22を挿入することによって、ヒンジに取り付けられ得る斜面状とされた中空の管18を受ける。軸柱17’に固定されたこの斜面状の中空管18は、気密な方式で、第2の実施形態3’のヒンジアセンブリを、マッチングナットを使用している便器2に取り付ける手段を提供する。便座カバーサポート70’は、便座カバー36を水平状に受け、ピボットの動きを許容する。受け口15’は、吸引装置4が操作されているときに、ピボット14とともに気密シールを提供するためのOリングを受ける溝20’を含む。
【0065】
受け口15の軸と、ヒンジアセンブリ3の軸柱17の軸との間の幾何学的な距離(L、図6b)が存在する。この水平距離(L)は、ヒンジアセンブリ3について1.5から2.0センチメータの範囲であり、この水平距離は、受け口の軸が軸柱の軸に、平面において直角に交わっている第2実施形態3’のヒンジアセンブリの場合には、0である。換気便座アセンブリ1が、一対のヒンジアセンブリを用いる便器2に取り付けられるとき、ヒンジアセンブリ3に取り付けられる便座は、第2の実施形態3’のヒンジアセンブリに取り付けられる便座と比較して、1.5から2.0センチメータで便器からさらに遠くに離れて配置される。換気便座アセンブリ1のピボット軸は、ヒンジの受け口軸に一致することから、受け口(15又は15’)と軸柱(17又は17’)の間の水平距離は、便座が低くなったとき、及び便座が上げられてウォータタンクに対して傾いたときに、便器2に対する便座アセンブリ1の幾何学的な位置を決定する。換気便座を既存の便器に取り付けるために、2つの異なる型のヒンジアセンブリ(3又は3’)のいずれかが、便器からの嫌な臭いの効率的な排出のために、便座を便器2に最適に適応させるべく選択され得る。
【0066】
図10は、便座アセンブリ1、ピボット14、便器2と吸引装置4との間の空気の流通に介在するように配置される一対のヒンジアセンブリ(3及び30)の斜視図を示す。図10に見られるように、ヒンジアセンブリ(3又は30)のいずれかの側は、接続ホース38(図1参照)を介して、ピボット14と吸引装置4との間の空気の流通のために利用されることができ、もし、1つのヒンジが吸引装置に接続される管に取り付けられていれば、反対の側のヒンジは、従来通りにシールされ得る。
【0067】
バンパ12及びいくつかの部分が例示の明確さのために図10において削除されるが、この発明において記述される換気トイレ装置が、使用者によって良く受け入れられる重要な要素の1つである、従来の便座からのいかなる目立った違いをも有しないということは、当業者にとってなお明らかである。
【0068】
図11a及び11bは、ジャンクション8と、管状開口10内にしっかりと固定されるピボット23を用いて介在されるヒンジアセンブリ3との間の空気の流通を伝えることができる、1つだけの管状開口10があることを除き、図3において記述されたものと同じ特徴を有するもう1つの便座アセンブリ40を例示する。管状開口24は、ヒンジ30を介して便座アセンブリ40を便器2に固定するために用意される。図1に示されるように、すなわち、ピボット23は、管状開口10と同じ大きさの中空の管である。図11a−図11cに例示される要素を含む便座アセンブリ40は、図3に例示される便座とピボット14を利用する便座アセンブリ1と比較して、軽減されたコストで有利に製造され得る。
【0069】
図12は、ヒンジアセンブリ3及び30、吸引装置4、及び制御装置60とともに配置される二重機能性の便座アセンブリを示す。二重機能性の便座アセンブリは、二重機能性の便座本体45、及び便座アセンブリがヒンジアセンブリに対して回動可能に取り付けられるピボット23を含む。二重機能性の便座本体は、制御装置60、管状開口57、複数の吸気口46、及び空気通路52を除き、加熱ユニットを含む。
【0070】
二重機能性の便座本体45は、上部42及び底部44を含む。上部42は、開放状の空気通路52、コード締結具56,及び2つの管状開口57を有する。図13に示すように、複数の吸気口46は、底部44の後リム内に形成される。バンパ48は、底部44に備えられ、かつ、便器2に接触するように適合される。バンパ48は、吸気口46を包囲する。上部42及び底部44は、二重機能性の便座本体45を形成するために互いに取り付けられ、便座本体は、中空の空間51及び空気通路53を有する。中空の空間51は、抵抗線50、センサ61を収容するために用いられる。上部の後端では、ピボット23を受ける2つの管状開口57が形成される。
【0071】
空気および水におけるしっかりした方式の上部及び底部のアタッチメントは、吸気口46と管状開口57の1つに収容されるピボット23との間の空気の流通を許容する空気通路を構築する。反対側の管状開口内の他のピボット23は、制御装置60に向かって延びる電気コード54及びセンサコード62の通路として利用される。上部及び底部は、従来の技術によって互いに取り付けられる。
【0072】
加熱ユニットは、抵抗線50、電気コード54、センサ61、センサコード62、及び制御装置60を含む。
【0073】
抵抗線50は、密閉してカプセルに入れられ、熱伝導性のポリマーコーティング内に電気的に絶縁される。抵抗線は、温かさを提供するために電気を用い、二重機能性の便座本体45の中空の空間51内、望ましくは、二重機能性の便座本体45の上側の表面に、熱を効率的に分配するために、上部42の水平部分に近接して配置される。熱伝導性、及び耐熱性ポリマー樹脂又は粘着性は、抵抗線50及びセンサ61を中空の空間に留めるために用いられる。
【0074】
電気コード54は、抵抗線50を制御装置60に接続する。
【0075】
センサ61は、二重機能性の便座の実際の温度を読み取り、センサコード62は、この情報を制御装置60に送る。電気コード54及びセンサコード62は、コード締結部56によって、便座本体の中空の空間内に固定される。導体が制御装置60に延びる電気コード及びセンサコードの中途部は、グロメット58によって、ヒンジアセンブリ3の中空の空間内にしっかりと締結される。コード締結具とグロメットとの間でコードが緩んだ部分は、便器2に取り付けられたヒンジアセンブリ3及び30について、便座本体が上下に回動したときに、コードにおける疲労を軽減する。
【0076】
制御装置60は、抵抗線を制御するために、電気コード54によって、抵抗線50に接続され、また、センサコード62によってセンサ61に接続される。制御装置は、センサからの情報を受け、抵抗線への電流の量を制御する。
【0077】
二重機能性の便座本体45’、ピボット23、及びヒンジアセンブリ30は、空気通路53、ピボット23、ヒンジアセンブリ30、ホース38、及び吸引装置4を通じて、便器2の内部からの嫌な空気を吸気口46へと移動させるための吸引装置と通信するように設けられる。換気に加えて、この二重機能性の便座本体45は、上部の表面を横切って均一に分配される抵抗線50によって加熱され得る。それ故、本発明において記述される二重機能性のトイレ装置は、便器の換気と便座の加熱との組合せで使用可能であり、又は、必要に応じて二重機能性のいずれかを別個に使用可能である。
【0078】
図14に示すように、上部及び底部は、中空の空間51及び空気通路が潜在的な漏れから保護されるということを保証するために気密及び水密に取り付けられる。熱を効率的に二重機能性の便座本体45の上側の表面に分配するために、抵抗線50は、上側の部分の水平部分を覆うように広がる。上部及び底部の接触領域をシールするのと同様に、熱安定ポリマー樹脂又は粘着性は、抵抗線50の上部の水平部分への接触を維持するべく使用される。
【0079】
二重機能性の便座本体の後端での断面は、上部の射出成形の間に好適に形成される管状開口57を示す(図15参照)。管状開口は、気密シールを提供すべくピボット23を水平に受け、そして、管状開口57内に固定されたピボットは、二重機能性の便座本体45の回動を許容する。
【0080】
図16a及び16bは、もう1つの二重機能性の便座本体の底面を例示する。二重機能性の便座本体45’は、上部42’及び底部44’を含む。上部42’は、開放状の空気通路52’、コード締結具56’、及び2つの管状開口57’を有する。図16bに示されるように、複数の吸気口46’は、底部44’の後リム内に形成される。パンパ48’は、底部44’に備えられ、便器2に接触するように適合される。パンパ48’は、吸気口46’を包囲する。上部42’及び底部44’は、二重機能性の便座本体45’を形成するために、互いに取り付けられる。
【0081】
抵抗線50’は、密封してカプセルに入れられ、熱伝導性ポリマー樹脂内に電気的に絶縁される。抵抗線は、温かさを与えるために電気を使用し、二重機能性の便座本体45’の上側の表面に熱を効率的に分配するために、上部42’の水平部分に好適に近づいて、二重機能性の便座本体45’の中空の空間内に配置される。熱伝導性及び耐熱性ポリマー樹脂又は粘着性は、抵抗線50’及びセンサ61’を中空の空間内に留めるために使用される。
【0082】
電気コード54’は、抵抗線50’を制御装置60に接続する。
【0083】
センサ61’は、二重機能性の便座本体の実際の温度を読み取り、センサコード62’は、この情報を制御装置60に送る。電気コード54’及びセンサコード62’は、コード締結具56’によって、二重機能性の便座本体内に固定される。
【0084】
二重機能性の便座本体45’、ピボット23、及びヒンジアセンブリ30は、空気通路52’、ピボット23、ヒンジアセンブリ30、ホース38、及び吸引装置4を通じて、便器2内からの嫌な空気を吸気口46’へと移動させるための吸引装置4と通信するように設けられる。換気に加えて、この二重機能性の便座本体45’は、上部の表面を横切って均一に分配される抵抗線50’によって加熱され得る。図16に示す便座本体の形状は、図12に示す便座本体の形状と異なるが、もう1つの二重機能性の便座本体の各要素は、図12に記述される要素が機能するのと同じように機能するように設計される。
【0085】
図17a、17b、及び18は、換気便座に適合され得る吸引装置4の望ましい実施形態を例示する。浄化システム102は、嫌な臭いを除去するフィルタユニット、空気をフィルタユニットに通過させるブロワユニット、ランプユニット120、スイッチユニット、暖房便座スイッチノブ116、及び電気制御装置118を含む。フィルタユニットは、フィルタ104、フィルタケージ106、及びフィルタケージキャップ108を含む。フィルタ104は、活性炭が入れられ、フィルタケージキャップ108を介して、接続ホース38によって運ばれる嫌な空気を受ける。フィルタケージ106は、フィルタケージ106に入るすべての嫌な空気がフィルタ104を通過することを保証するためにシールされ、浄化された空気は、フィルタユニットを出てブロワユニットに向かう。ブロワユニットは、ブロワ110、及びブロワケージ112を含む。ブロワ110は、電気によって回転駆動され、高い背圧を有し得るフィルタ104にも適用できる圧力/真空の一定の空気流を提供する。フィルタ104は、使用者によって、必要に応じて定期的に交換される。ランプユニット120には、効果的な範囲の紫外線スペクトルを放出することによって微生物を死滅させるUVランプ122が装備される。ランプユニットは、ユニットに入る空気流が、ユニットを出る前に、殺菌性の光にさらされるように構成される。UVランプ122は、交換が必要なときに、交換のために容易に脱着される。スイッチユニットは、ブロワ110及びランプユニット120の両方を同時に作動させ、または停止させる。
【0086】
望ましい実施形態において、ブロワ110は、2−5インチの水の範囲の最大圧力/真空で、1分間当たり、2−5立方フィート(SCFM)の範囲で、制御された空気流の搬送を提供可能な再生ブロワ(リングブロワとしても知られる)である。ブロワ110及びランプユニット120は、壁のコンセントに備えられる交流電源によって操作され得る。代わりに、ブロワモータが、充電池又はAC・DCコンバータによって供給される低電圧の直流電源(9−15V)によって操作されるように変更可能である。ブロワケージ112は、ブロワケージ112内に備えられる開口を通じてフィルタユニットに接続されるブロワ110を取り囲む。ブロワケージ112は、好適にシールされ、運転中にブロワ110によって生じる騒音を大きく軽減できるように、音響吸収材料とともに備えられる。ブロワを出た空気は、ブロワ110が運転中に、一定の空気流にさらされることで、別個の冷却装置を必要としなくなるように、ブロワケージ112の中空の空間を循環することができる。ゴムのような、いくつかの振動減衰手段114が、ブロワ110をブロワケージ112に取り付けるために使用される。スイッチユニット及び電気制御装置118から延びる電気線142は、作動又は停止がスイッチユニットによって制御されるように、ブロワ110及びランプユニット120に接続される。ブロワケージ出口に与えられる気密フィットを通じて、空気は、ブロワケージ112を離れ、周知の殺菌性紫外線によって空気に現れるバクテリア及びウィルスを死滅させるランプユニット120に向かう。ランプユニット120を出る浄化された空気は、騒音低減器124を通過する。
【0087】
スイッチユニットは、すべて相互に接続される、オンスイッチ130、オフスイッチ132、フットスイッチ134、及び時間遅延装置136を含む。オンスイッチ130は、押されたときにブロワ110及びランプユニット120を作動させるプッシュボタンタイプであり、そして、時間遅延装置136は、使用者によって選択される、2,6,12分間といった予め決められた期間の後に、ブロワ110とランプユニット120を停止させ得る。オンスイッチ130及び時間遅延装置136は、例えば、1回目の押圧で2分間、2回目の押圧で6分間、3回目の押圧の12分間で、サイクルを終了し、4回目の押圧で再び新たなサイクルを始める2分間という、予め決められた期間のサイクルが繰り返されるような方法で調整される。停止のための予め決められた期間を表示するLED140のような多数のインジケータが、ブロワ110とランプユニット120が作動していることを示すために点灯される。オフスイッチ132もまたプッシュボタンタイプであり、ブロワ110とランプユニット120を即座に停止させるために押され得る。フットスイッチ134は、ブロワ110とランプユニット120の作動と停止が足で行われ得るように、浄化システム102の前部に配置される。このフットスイッチ134は、プッシュボタン、トグルスイッチ、又は光認識スイッチのような、オン/オフスイッチであり得る。「オン」の位置で、フットスイッチ134は、点灯されたLED140によって表示される2分間のような、予め決められた期間で、ブロワ110とランプユニット120を作動させる。使用者は、希望の運転時間をスイッチ130で選択でき、また、オフスイッチ132に触れることによって、ブロワ110とランプユニット120を停止させることができる。もし、使用者がトイレの使用を終了したとき、ブロワ110及びランプユニット120がまだ作動中であれば、使用者は、オフスイッチ132の押圧と同様に、ブロワ110及びランプユニット120を停止するフットスイッチ134をオフにするように、足を動かすことができる。
【0088】
電気制御装置118は、スイッチユニット及び暖房便座スイッチノブ116と通信するように処理される。電気制御装置118は、電気コード54によって、二重機能性の便座本体45の中空の空間51に、カプセルに入れられる抵抗線に接続され、また、センサコード62によって、便座内に接続される。電気制御装置118は、センサ61から情報を受け、電流調整器と同様に、オン/オフスイッチとして機能する暖房便座スイッチノブ116の操作によって、抵抗線50への電流の量を調整する。暖房便座スイッチノブ116を時計回り又は反時計回りに回転させることにより、抵抗線50は、30℃から40℃の予め決められた温度に温められる。
【0089】
スイッチユニット及び電気制御装置118の両方は、空気浄化システム102の後側から便器近傍の電気コンセント158内に延びる電源コード156に接続される。
【0090】
図19は、便座カバー174、一対のヒンジアセンブリ(3及び30)、接続ホース38、及び空気浄化システムとともに配置される二重機能性の便座本体45を示す。便器2及び便器2にヒンジアセンブリ(3及び30)を取り付けるための従来のナットは、例示の明確性のために図19において削除されているが、配置が、使用者の手の届く範囲内で、便器2の近くの空気浄化システム102を示すということは、当業者にとって、なお明らかである。一方のヒンジアセンブリ3は、空気の流通のためのピボット23を受け、反対側の他方のヒンジ30は、空気浄化システム102の電気制御装置118に接続される電気コード54及びセンサコード62を支えるピボット23に取り付けられる。便器内の嫌な空気の流れは、以下の通りである。空気は、吸気口46に入り、空気通路53を通過し、ピボット23に到達する。ピボットを通じて、空気は、ヒンジアセンブリ3を通過し続け、接続ホース38に入り、フィルタユニットの方向に移動する。フィルタキャップ108内の空気は、フィルタ104を通過し、ブロワ110に吸引され、ブロワケージ112を循環すべく噴出する。空気は、ブロワケージ112を離れ、出口を通じて、ランプユニット120内に入る。浄化された空気は、ランプユニット120を出て、騒音減衰器124を通過し、開口180を介して浄化システム102を離れる。
【0091】
代わりに、浄化ユニットは、バスルームの外側、または、便器の後ろのように、使用者から隠れた位置に配置され得る。そのような場合において、遠隔制御装置182は、この遠隔制御装置182によって伝達される信号を受けるためのレシーバに備えられる、スイッチユニット及び暖房便座スイッチを操作するために備えられ得る。
【0092】
図20a及び20bは、コードレスの空気浄化システム102’を示す。空気浄化システム102’は、フィルタユニット、ブロワユニット、ランプユニット120’、スイッチユニット、電気制御装置118’及び、充電バッテリ192を含む。フィルタユニットは、フィルタ104’、フィルタケージ106’、フィルタケージキャップ108’を含む。フィルタ104’は、活性炭が入れられ、フィルタケージキャップ108’を介して接続ホース38によって運ばれる嫌な空気を受ける。フィルタケージ106’は、フィルタケージ106’に入る全ての嫌な空気が、フィルタ104’を通過することを補償するようにシールされ、浄化された空気は、フィルタユニットを出てブロワユニットに向かう。ブロワユニットは、ブロワ110’、及びブロワケージ112’を含む。ブロワ110’は、電気によって回転駆動され、高い背圧を有し得るフィルタ104’にも適用できる圧力/真空の一定の空気流を提供する。フィルタ104’は、使用者によって、必要に応じて定期的に交換され得る。ランプユニット120’には、効果的な範囲の紫外線スペクトルを放出することによって微生物を死滅させるUVランプ122’が装備される。ランプユニットは、ユニットに入る空気流が、ユニットを出る前に、殺菌性の光にさらされるように構成される。UVランプ120’は、交換が必要なときに、交換のために容易に脱着される。スイッチユニットは、ブロワ110’及びランプユニット120’の両方を同時に作動させ、または停止させる。
【0093】
ブロワ110’は、2−5インチの水の範囲の最大圧力/真空で、1分間当たり、2−5立方フィート(SCFM)の範囲で、制御された空気流の搬送を提供可能な再生ブロワである。ブロワ110’及びランプユニット120’は、充電バッテリによって供給される低電圧の直流電源(9−15V)によって操作され得る。ブロワケージ112’は、ブロワケージ112’内に備えられる開口を通じてフィルタユニットに接続されるブロワ110’を取り囲む。ブロワケージ112は、好適にシールされ、運転中にブロワ110によって生じる騒音を大きく軽減できるように、音響吸収材料とともに備えられる。ブロワを出た空気は、ブロワ110’が運転中に、一定の空気流にさらされることで、別個の冷却装置を必要としなくなるように、ブロワケージ112の中空の空間を循環することができる。ゴムのような、いくつかの振動減衰手段114’が、ブロワ110’をブロワケージ112’に取り付けるために使用される。スイッチユニット及び電気制御装置118’から延びる電気線142’は、作動又は停止がスイッチユニットによって制御されるように、ブロワ110’及びランプユニット120’に接続される。ブロワケージ出口に与えられる気密フィットを通じて、空気は、ブロワケージ112’を離れ、周知の殺菌性紫外線によって空気に現れるバクテリア及びウィルスを死滅させるランプユニット120’に向かう。
【0094】
スイッチユニットは、すべて相互に接続される、オンスイッチ130’、オフスイッチ132’、フットスイッチ134’、及び時間遅延装置136’を含む。オンスイッチ130’は、押されたときにブロワ110’及びランプユニット120’を作動させるプッシュボタンタイプであり、そして、時間遅延装置136’は、使用者によって選択される、2,6,12分間といった予め決められた期間の後に、ブロワ110’とランプユニット120’を停止させ得る。オンスイッチ130’及び時間遅延装置136’は、例えば、1回目の押圧で2分間、2回目の押圧で6分間、3回目の押圧の12分間でサイクルを終了し、4回目の押圧で再び新たなサイクルを始める2分間という、予め決められた期間のサイクルが繰り返されるような方法で調整される。停止のための予め決められた期間を表示するLED140’のような多数のインジケータが、ブロワ110’とランプユニット120’が作動していることを示すために点灯される。オフスイッチ132’もまたプッシュボタンタイプであり、ブロワ110’とランプユニット120’を即座に停止させるために押され得る。フットスイッチ134’は、ブロワ110’とランプユニット120’の作動と停止が足で行われ得るように、浄化システム102’の前部に配置される。このフットスイッチ134’は、プッシュボタン、トグルスイッチ、又は光認識スイッチのような、オン/オフスイッチであり得る。「オン」の位置で、フットスイッチ134’は、点灯されたLED140’によって表示される2分間のような、予め決められた期間で、ブロワ110’とランプユニット120’を作動させる。使用者は、希望の運転時間をスイッチ130’で選択でき、また、オフスイッチ132’に触れることによって、ブロワ110’とランプユニット120’を停止させることができる。
【0095】
電気制御装置118’は、スイッチユニット及びランプユニット120’と通信するように、配置される。スイッチユニットと電気制御装置118’の両方は、電気線142’によって充電バッテリ192に接続される。
【0096】
コードレス空気浄化システム102’内のユニットの機能及び操作手順は、ブロワ及びランプユニットのための電源が、電源トランスミッタ194によってワイヤレスで充電されるか、または、従来の充電器(図21参照)を使用して充電されるように、コードレス空気浄化システム102’から離れることができる充電バッテリ192に由来することを除き、従来の図17及び18に記述される空気浄化システム102について記述されるものと同じである。充電バッテリ192には、レシーバチップ又は、トランスミッタ194からの電磁波エネルギを直流電流に変換する整流アンテナが提供される。これは、電源コード、及びコードレス空気浄化システム102’への高電圧の物理的な電源接続の必要性を取り除く。ヒンジアセンブリ(3及び30)を採用する、換気される便座アセンブリ1は、嫌な空気を排出するための接続ホース38によって、コードレス空気浄化システム102’に接続される。このコードレス空気清浄化ユニットは、厳しいビルディングコード又は便器の近くに電気コンセントを有しないバスルームによってトイレが配置される部屋の中に高電圧電気コンセントが許容されない地域に適している。
【0097】
発明が示され、かつ異なる実施形態を参照して記述されることで、形式の変形、詳細、構成、及び操作が、添付の特許請求の範囲によって定められる発明の精神と範囲から逸脱することなく成されるということが、当業者に評価されるであろう。例えば、便座は、通常2つの異なる形状、馬蹄又はU状タイプ及び楕円又は閉じたタイプで提供される。楕円タイプ便座だけが本発明において明らかとされるいくつかの新規な特徴を記述するために用いられたが、本発明の同じ特徴が、馬蹄タイプに適用可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)使用者の体に接触するように適合される上側表面、及び便器に近接して配置される ように適合される下側表面、を含む便座本体を含む便座アセンブリ、
b)ヒンジアセンブリ、及び
c)便座アセンブリがヒンジアセンブリに回動可能に取り付けられるように適合される ピボット装置、を含み、
便座アセンブリが、便座本体内に形成されるピボット受け部、及び下側表面に備えられる複数の吸気口、をさらに含む換気トイレ装置。
【請求項2】
ピボット受け部内に設けられる排気路、及び排気路の下側に設けられ、排気路と連通するクリーニングポート、及び吸気口と排気路とを接続する複数の空気通路、をさらに含み、ピボット受け部がピボット装置を取り囲む請求項1に記載の換気トイレ装置。
【請求項3】
クリーニングポートを気密にシールするクリーニングポートキャップをさらに含む請求項2に記載の換気トイレ装置。
【請求項4】
吸気口が、下側表面に対して実質的に垂直であり、空気通路が下側表面に対して実質的に平行である請求項2に記載の換気トイレ装置。
【請求項5】
排気路は、空気通路が接続されるジャンクション、ジャンクションに接続される管状開口、を含み、管状開口がピボット装置を受ける請求項2に記載の換気トイレ装置。
【請求項6】
ピボット装置は、中空のピボット管を含む請求項5に記載の換気トイレ装置。
【請求項7】
ピボット管は、銅、銅合金、ポリマー樹脂又はプラスチックで製造される請求項6に記載の換気トイレ装置。
【請求項8】
ピボット管は、排気路の管状開口内に固定される請求項6に記載の換気トイレ装置。
【請求項9】
ジャンクションは、便座アセンブリの後方に開くジャンクション開口、及びジャンクション開口を気密にシールするジャンクションキャップ、を含む請求項5に記載の換気トイレ装置。
【請求項10】
排気路は、空気通路が接続されるジャンクション、ジャンクションに接続される2つの管状開口、を含み、管状開口がピボット装置を受ける請求項2に記載の換気トイレ装置。
【請求項11】
ピボット管は、中空のピボット管及び複数のピボット口を含み、ピボット口は、ピボット管の中途部に設けられ、ピボット管が排気路の管状開口内に固定される請求項10に記載の換気トイレ装置。
【請求項12】
便座本体は、下側表面上に設けられ、便器と接触するように適合されるバンパを含み、バンパは、吸気口を包囲する請求項2に記載の換気トイレ装置。
【請求項13】
ヒンジアセンブリは、中空のヒンジケース、ピボット装置を受ける受け口、及びヒンジアセンブリを便器に固定するように適合される軸柱、を含む請求項2に記載の換気トイレ装置。
【請求項14】
ピボット装置は、受け口内に回転可能に受けられ、ヒンジアセンブリは、受け口内に形成される溝内に設けられるOリングをさらに含む請求項13に記載の換気トイレ装置。
【請求項15】
軸柱は、中空のヒンジ管を含む請求項13に記載の換気トイレ装置。
【請求項16】
ヒンジ管は、ノッチを含み、かつ斜面状に形成され、それにより、ヒンジアセンブリが、管に伴うナットを締結することによってトイレ管に固定される請求項15に記載の換気トイレ装置。
【請求項17】
ヒンジの軸柱が、中空のヒンジ管のノッチを横切るピンを受けるピンホールをさらに含む請求項16に記載の換気トイレ装置。
【請求項18】
受け口の軸と軸柱の軸との間の距離は、約1.5から約2.0センチメータの範囲内にある請求項13に記載の換気トイレ装置。
【請求項19】
受け口の軸が、軸柱の軸に、平面において直角に交わる請求項13に記載の換気トイレ装置。
【請求項20】
便座本体が加熱される加熱ユニット、吸気口とピボット装置を接続する空気通路、をさらに含み、便座本体は、上側表面と下側表面との間に中空の空間を含む請求項1に記載の換気トイレ装置。
【請求項21】
加熱ユニットは、中空の空間内で上側表面の下側に取り付けられる抵抗線、抵抗線を制御装置に接続する電気コード、便座本体の温度を読み取るセンサ、及びセンサを制御装置に接続するセンサコード、を含み、制御装置は、センサからの情報を受け、抵抗線への電流の量を制御する請求項20に記載の換気トイレ装置。
【請求項22】
電気コードとセンサコードを便座本体の中空の空間内に固定するコード締結具、電気コードとセンサコードをヒンジアセンブリ内に固定するグロメット、をさらに含む請求項21に記載の換気トイレ装置。
【請求項23】
便座本体は、ピボット装置を受ける2つの管状開口、及び底面上に設けられ、便器に接触するように適合される少なくとも1つのバンパ、を含み、バンパは、吸気口を包囲する請求項20に記載の換気トイレ装置。
【請求項24】
ヒンジアセンブリに接続される吸引装置をさらに含み、吸引装置は、ヒンジアセンブリを介して空気を吸引する請求項20に記載の換気トイレ装置。
【請求項25】
ヒンジアセンブリに接続される吸引装置をさらに含み、吸引装置は、ヒンジアセンブリを介して空気を吸引する請求項2に記載の換気トイレ装置。
【請求項26】
吸引装置は、嫌な臭いを除去するフィルタユニット、及び空気をフィルタユニットに通過させるブロワを含み、浄化された空気が、フィルタユニットを出てブロワユニットに向かう請求項25に記載の換気トイレ装置。
【請求項27】
フィルタユニットは、活性炭を含むフィルタ、フィルタを包囲するフィルタケージ、及び接続ホースを受けるように適合されるフィルタケージキャップ、を含む請求項26に記載の換気トイレ装置。
【請求項28】
ブロワユニットは、空気流を誘導するブロワ、及びブロワを取り囲むブロワケージ、を含み、ブロワを出た空気がブロワケージの内側を循環する請求項26に記載の換気トイレ装置。
【請求項29】
吸引装置は、微生物を死滅させるランプユニットをさらに含み、ランプユニットは、UVランプを含む請求項26に記載の換気トイレ装置。
【請求項30】
吸引装置は、この吸引装置をオン・オフ操作するスイッチユニットをさらに含む請求項29に記載の換気トイレ装置。
【請求項31】
スイッチユニットは、作動後、予め決められた時間経過後に、ブロワとランプユニットを停止させる時間遅延装置を含む請求項30に記載の換気トイレ装置。
【請求項32】
スイッチユニットは、換気トイレ装置の使用者の足によって操作されるように適合されるフットスイッチを含む請求項30に記載の換気トイレ装置。
【請求項33】
吸引装置は、便座を加熱するように適合される抵抗線をオン・オフ操作する暖房便座スイッチノブをさらに含む請求項26に記載の換気トイレ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公表番号】特表2009−541621(P2009−541621A)
【公表日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−516732(P2009−516732)
【出願日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際出願番号】PCT/US2007/071816
【国際公開番号】WO2007/149996
【国際公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(508375239)
【氏名又は名称原語表記】LEE,Younghee
【住所又は居所原語表記】1040 Hereford Drive, Blue Bell, PA 19422(US)
【Fターム(参考)】