換気装置
【課題】空気中の臭気成分を確実に除去するとともに、空気の圧力損失の増大を抑制する。
【解決手段】検出センサ(16)により室外の空気に含まれる臭気成分を検出する。臭気成分が検出された場合には、開閉ダンパ(19)を閉じて脱臭フィルタ(17)を使用状態とし、脱臭フィルタ(17)により空気中の臭気成分を除去する。臭気成分が検出されない場合には、開閉ダンパ(19)を開いて脱臭フィルタ(17)を非使用状態とする。
【解決手段】検出センサ(16)により室外の空気に含まれる臭気成分を検出する。臭気成分が検出された場合には、開閉ダンパ(19)を閉じて脱臭フィルタ(17)を使用状態とし、脱臭フィルタ(17)により空気中の臭気成分を除去する。臭気成分が検出されない場合には、開閉ダンパ(19)を開いて脱臭フィルタ(17)を非使用状態とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、換気装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、室外空気や室内空気を清浄化した後で、その空気を室内へ供給する換気装置が知られている。例えば、特許文献1には、ダスト用フィルタと煙用フィルタとをダンパにより選択的に開閉するとともに、ダスト用フィルタ及び煙用フィルタのそれぞれの下流側に配設された脱臭フィルタにより空気中の臭気成分を除去するようにした空気清浄機が開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、臭気成分を含んだ空気を気化フィルタで加湿して、オゾンにより臭気成分の一部を分解反応させて脱臭するとともに、分解しきれなかった残りの臭気成分を脱臭フィルタで吸着除去するようにした空気清浄装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−262826号公報
【特許文献2】特開2004−275290号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の換気装置では、脱臭フィルタを通過する空気の圧力損失が増大してしまうという問題があった。具体的に、脱臭フィルタは、空気中の臭気成分を除去するためのフィルタであるためにそのメッシュ幅が非常に細かく、脱臭フィルタを通過する空気の圧力損失が増大しやすくなっている。ここで、脱臭フィルタが空気通路内に常時配設された状態であるため、空気中に臭気成分が含まれていない場合であっても、その空気は必ず脱臭フィルタを通過しなければならず、空気の圧力損失が増大して換気性能が低下してしまうおそれがあった。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、空気中の臭気成分を確実に除去するとともに、空気の圧力損失の増大を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した目的を達成するため、本発明は、空気中の臭気成分を検出してその検出結果に基づいて、脱臭フィルタを使用状態と非使用状態とに切り換えるようにした。
【0008】
具体的に、本発明は、室外の空気を吸込通路(34)を介して室内へ供給するとともに、室内の空気を排気側通路(33)を介して室外へ排出する換気運転を行う換気装置を対象とし、次のような解決手段を講じた。
【0009】
すなわち、第1の発明は、室外の空気に含まれる臭気成分を検出する検出手段(16)と、
空気中の臭気成分を除去する脱臭フィルタ(17)と、
前記検出手段(16)の検出結果に基づいて、前記脱臭フィルタ(17)を、前記吸込通路(34)を流れる空気中の臭気成分を除去する使用状態と臭気成分を除去しない非使用状態とに切り換える切換手段(18)とを備えたことを特徴とするものである。
【0010】
第1の発明では、検出手段(16)により室外の空気に含まれる臭気成分が検出される。検出手段(16)により空気中の臭気成分が検出されると、切換手段(18)により脱臭フィルタ(17)が使用状態とされる。そして、空気中の臭気成分が脱臭フィルタ(17)により除去される。一方、検出手段(16)により空気中の臭気成分が検出されない場合には、切換手段(18)により脱臭フィルタ(17)が非使用状態とされる。
【0011】
このような構成とすれば、空気中の臭気成分を脱臭フィルタ(17)で確実に除去することができるとともに、空気の圧力損失の増大を抑制することができる。具体的に、脱臭フィルタ(17)を吸込通路(34)内に常時配設するようにした場合には、空気中に臭気成分が含まれておらず臭気成分を除去する必要がないときでも、必ず脱臭フィルタ(17)を通過させなければならないため、空気のスムーズな流通を妨げることとなり、空気の圧力損失が増大してしまう。
【0012】
これに対し、本発明では、検出手段(16)により空中の臭気成分が検出されたときにのみ、脱臭フィルタ(17)を使用状態とするようにしたから、臭気成分を除去する必要がないときには、脱臭フィルタ(17)を非使用状態とすることで、空気を吸込通路(34)内でスムーズに流通させることができ、空気の圧力損失の増大を抑制することができる。
【0013】
第2の発明は、第1の発明において、
前記切換手段(18)は、前記吸込通路(34)を遮断又は開通させる開閉ダンパ(19)で構成され、
前記開閉ダンパ(19)の羽根部分は、前記脱臭フィルタ(17)で構成されていることを特徴とするものである。
【0014】
第2の発明では、吸込通路(34)を遮断又は開通させる開閉ダンパ(19)により切換手段(18)が構成される。また、開閉ダンパ(19)の羽根部分が脱臭フィルタ(17)で構成される。このような構成とすれば、検出手段(16)により空気中の臭気成分が検出された場合に、開閉ダンパ(19)により吸込通路(34)を遮断して使用状態とすることで、空気中の臭気成分を開閉ダンパの羽根部分である脱臭フィルタ(17)で除去することができる。また、空気中の臭気成分が検出されない場合には、開閉ダンパ(19)を開いて吸込通路(34)を開通させて非使用状態とすることで、空気を吸込通路(34)内でスムーズに流通させることができ、空気の圧力損失の増大を抑制することができる。
【0015】
第3の発明は、第1の発明において、
前記吸込通路(34)に隣接されたフィルタ収容室(61)を備え、
前記切換手段(18)は、前記フィルタ収容室(61)内に配設された巻回ローラ(62)で構成され、
前記脱臭フィルタ(17)は、前記巻回ローラ(62)の外周面に巻き付け可能に構成され、
前記巻回ローラ(62)は、前記脱臭フィルタ(17)を、該巻回ローラ(62)の外周面への巻き付けが解除されて前記吸込通路(34)内に配置された使用状態と、該巻回ローラ(62)の外周面に巻き付けられて前記フィルタ収容室(61)内に収容された非使用状態とに切り換えるように構成されていることを特徴とするものである。
【0016】
第3の発明では、吸込通路(34)に隣接するようにフィルタ収容室(61)が設けられる。フィルタ収容室(61)内に配設された巻回ローラ(62)により切換手段(18)が構成される。脱臭フィルタ(17)は、巻回ローラ(62)の外周面に巻き付け可能に構成される。そして、検出手段(16)により空気中の臭気成分が検出された場合には、脱臭フィルタ(17)は、巻回ローラ(62)の外周面への巻き付けが解除されて吸込通路(34)内に配置された使用状態とされる。一方、検出手段(16)により空気中の臭気成分が検出されない場合には、脱臭フィルタ(17)は、巻回ローラ(62)の外周面に巻き付けられてフィルタ収容室(61)内に収容された非使用状態とされる。
【0017】
このような構成とすれば、検出手段(16)により空気中の臭気成分が検出された場合には、脱臭フィルタ(17)をフィルタ収容室(61)から引き出して使用状態とすることで、空気中の臭気成分を除去することができる。また、空気中の臭気成分が検出されない場合には、脱臭フィルタ(17)を巻回ローラ(62)で巻き取ってフィルタ収容室(61)に収容して非使用状態とすることで、空気を吸込通路(34)内でスムーズに流通させることができ、空気の圧力損失の増大を抑制することができる。
【0018】
第4の発明は、第1の発明において、
前記吸込通路(34)に隣接されたフィルタ収容室(61)を備え、
前記脱臭フィルタ(17)は、臭気成分を除去可能なフィルタ領域(17a)と、通過する空気の圧力損失を抑制可能な非フィルタ領域(17b)とを有する無端状のベルトで構成され、
前記切換手段(18)は、前記フィルタ収容室(61)又は前記吸込通路(34)のうち一方に配設されて前記脱臭フィルタ(17)を巻き掛ける駆動ローラ(65)と、他方に配設されて該脱臭フィルタ(17)を巻き掛ける従動ローラ(66)とを備え、
前記駆動ローラ(65)は、前記脱臭フィルタ(17)を、そのフィルタ領域(17a)が前記吸込通路(34)内に配置された使用状態と、該フィルタ領域(17a)が前記フィルタ収容室(61)内に収容された非使用状態とに切り換えるように構成されていることを特徴とするものである。
【0019】
第4の発明では、吸込通路(34)に隣接するようにフィルタ収容室(61)が設けられる。脱臭フィルタ(17)は無端状のベルトで構成される。この脱臭フィルタ(17)には、臭気成分を除去可能なフィルタ領域(17a)と、通過する空気の圧力損失を抑制可能な非フィルタ領域(17b)とが形成される。フィルタ収容室(61)又は吸込通路(34)のうち一方に配設されて脱臭フィルタ(17)を巻き掛ける駆動ローラ(65)と、他方に配設されて脱臭フィルタ(17)を巻き掛ける従動ローラ(66)とにより、切換手段(18)が構成される。そして、検出手段(16)により空気中の臭気成分が検出された場合には、脱臭フィルタ(17)は、そのフィルタ領域(17a)が吸込通路(34)内に配置された使用状態とされる。一方、検出手段(16)により空気中の臭気成分が検出されない場合には、脱臭フィルタ(17)は、フィルタ領域(17a)がフィルタ収容室(61)内に収容された非使用状態とされる。
【0020】
このような構成とすれば、検出手段(16)により空気中の臭気成分が検出された場合には、駆動ローラ(65)を回転させて、脱臭フィルタ(17)のフィルタ領域(17a)を吸込通路(34)内に位置付けた使用状態とすることで、空気中の臭気成分を除去することができる。また、空気中の臭気成分が検出されない場合には、駆動ローラ(65)を回転させて、脱臭フィルタ(17)のフィルタ領域(17a)をフィルタ収容室(61)に収容するとともに非フィルタ領域(17b)を吸込通路(34)内に位置付けた非使用状態とすることで、空気を吸込通路(34)内でスムーズに流通させることができ、空気の圧力損失の増大を抑制することができる。
【0021】
第5の発明は、第1乃至第4の発明うち何れか1つにおいて、
活性種を生成するように放電が行われるとともに、生成した活性種を前記脱臭フィルタ(17)に対して供給する放電処理手段(60)を備えたことを特徴とするものである。
【0022】
第5の発明では、放電処理手段(60)により放電が行われると、活性種が生成される。この活性種は、脱臭フィルタ(17)に対して供給される。このような構成とすれば、脱臭フィルタ(17)に付着した臭気成分を活性種により分解除去することができ、脱臭フィルタ(17)を再生して寿命時間を向上させることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、検出手段(16)により空中の臭気成分が検出されたときにのみ、脱臭フィルタ(17)を使用状態とするようにしたから、空気中の臭気成分を脱臭フィルタ(17)で確実に除去することができるとともに、臭気成分を除去する必要がないときには、脱臭フィルタ(17)を非使用状態とすることで、空気を吸込通路(34)内でスムーズに流通させることができ、空気の圧力損失の増大を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本実施形態1に係る調湿装置をケーシングの一部及び電装品箱を省略して示す斜視図である。
【図2】調湿装置の一部を省略して示す概略の平面図、右側面図、及び左側面図である。
【図3】開閉ダンパが閉じた状態を示す左側面図である。
【図4】開閉ダンパが開いた状態を示す左側面図である。
【図5】冷媒回路の構成を示す配管系統図であって、(a)は第1動作を示すものであり、(b)は第2動作を示すものである。
【図6】除湿換気運転の第1動作における空気の流れを示す調湿装置の概略の平面図、右側面図、及び左側面図である。
【図7】除湿換気運転の第2動作における空気の流れを示す調湿装置の概略の平面図、右側面図、及び左側面図である。
【図8】加湿換気運転の第1動作における空気の流れを示す調湿装置の概略の平面図、右側面図、及び左側面図である。
【図9】加湿換気運転の第2動作における空気の流れを示す調湿装置の概略の平面図、右側面図、及び左側面図である。
【図10】単純換気運転における空気の流れを示す調湿装置の概略の平面図、右側面図、及び左側面図である。
【図11】脱臭フィルタで臭気成分を除去する手順を示すフローチャート図である。
【図12】開閉ダンパの開閉タイミングを示すグラフ図である。
【図13】本実施形態2に係る調湿装置における脱臭フィルタの使用状態を示す左側面図である。
【図14】脱臭フィルタの非使用状態を示す左側面図である。
【図15】本実施形態3に係る調湿装置における脱臭フィルタの使用状態を示す平面図である。
【図16】脱臭フィルタの非使用状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0026】
《発明の実施形態1》
図1は、本実施形態1に係る調湿装置をケーシングの一部及び電装品箱を省略して示す斜視図、図2は、調湿装置の一部を省略して示す概略の平面図、右側面図、及び左側面図である。図1及び図2に示すように、この調湿装置(10)は、取り込んだ室外空気(OA)の湿度を調節して室内へ供給するものであり、除湿運転、加湿運転、単純換気運転を選択的に行うことができるように構成され、換気装置としての機能を備えている。なお、以下の説明で用いる「上」「下」「左」「右」「前」「後」「手前」「奥」は、特に断らない限り、調湿装置(10)を前面側から見た場合の方向を示すものとする。
【0027】
前記調湿装置(10)は、ケーシング(11)を備えている。また、ケーシング(11)内には、冷媒回路(50)が収容されている。この冷媒回路(50)には、第1吸着熱交換器(51)、第2吸着熱交換器(52)、圧縮機(53)、四方切換弁(54)、及び電動膨張弁(55)が接続されている。この冷媒回路(50)の詳細は後述する。
【0028】
前記ケーシング(11)は、やや扁平で高さが比較的低い直方体状に形成されている。図1に示すケーシング(11)では、左手前の側面(すなわち、前面)が前面パネル部(12)となり、右奥の側面(すなわち、背面)が背面パネル部(13)となり、右手前の側面が第1側面パネル部(14)となり、左奥の側面が第2側面パネル部(15)となっている。
【0029】
前記ケーシング(11)には、第1吸込口(24)と、第2吸込口(23)と、給気口(22)と、排気口(21)とが形成されている。第1吸込口(24)及び第2吸込口(23)は、背面パネル部(13)に開口している。第1吸込口(24)は、背面パネル部(13)の下側部分に配置されている。この第1吸込口(24)には、室外の空気に含まれる臭気成分を検出する検出センサ(16)が設けられている。第2吸込口(23)は、背面パネル部(13)の上側部分に配置されている。給気口(22)は、第1側面パネル部(14)における前面パネル部(12)側の端部付近に配置されている。排気口(21)は、第2側面パネル部(15)における前面パネル部(12)側の端部付近に配置されている。
【0030】
前記ケーシング(11)の内部空間には、上流側仕切板(71)と、下流側仕切板(72)と、中央仕切板(73)と、第1仕切板(74)と、第2仕切板(75)とが設けられている。これらの仕切板は、何れもケーシング(11)の底板から立設されており、ケーシング(11)の内部空間をケーシング(11)の底板から天板に亘って区画している。
【0031】
前記上流側仕切板(71)及び下流側仕切板(72)は、前面パネル部(12)及び背面パネル部(13)と平行な姿勢で、ケーシング(11)の前後方向に所定の間隔をあけて配置されている。上流側仕切板(71)は、背面パネル部(13)寄りに配置されている。下流側仕切板(72)は、前面パネル部(12)寄りに配置されている。
【0032】
前記第1仕切板(74)及び第2仕切板(75)は、第1側面パネル部(14)及び第2側面パネル部(15)と平行な姿勢で配置されている。具体的に、第1仕切板(74)は、上流側仕切板(71)と下流側仕切板(72)の間の空間を右側から塞ぐように、第1側面パネル部(14)から所定の間隔をおいて配置されている。第2仕切板(75)は、上流側仕切板(71)と下流側仕切板(72)の間の空間を左側から塞ぐように、第2側面パネル部(15)から所定の間隔をおいて配置されている。
【0033】
前記中央仕切板(73)は、上流側仕切板(71)及び下流側仕切板(72)と直交する姿勢で、上流側仕切板(71)と下流側仕切板(72)の間に配置されている。中央仕切板(73)は、上流側仕切板(71)から下流側仕切板(72)に亘って設けられ、上流側仕切板(71)と下流側仕切板(72)の間の空間を左右に区画している。
【0034】
前記ケーシング(11)内において、上流側仕切板(71)と背面パネル部(13)の間の空間は、上下2つの空間に仕切られており、下側の空間が第1吸込通路(34)を構成し、上側の空間が第2吸込通路(32)を構成している。第1吸込通路(34)は、第1吸込口(24)と連通し、第2吸込通路(32)は、第2吸込口(23)と連通している。
【0035】
前記第1吸込通路(34)には、前面パネル部(12)及び背面パネル部(13)と平行な姿勢で通路仕切板(76)が配置されている。この通路仕切板(76)には、概ね横長の長方形状に形成された開閉ダンパ(19)が設けられている。図3に示すように、この開閉ダンパ(19)の羽根部分は、空気中の臭気成分を除去する脱臭フィルタ(17)で構成されている。また、第1吸込通路(34)における通路仕切板(76)と背面パネル部(13)との間には、第1フィルタ(28)及び放電処理装置(60)が設置されている。一方、第2吸込通路(32)には、第2フィルタ(27)が設置されている。
【0036】
前記開閉ダンパ(19)は、第1吸込通路(34)を遮断又は開通させるための切換手段(18)を構成しており、検出センサ(16)の検出結果に基づいて、その羽根部分である脱臭フィルタ(17)を、第1吸込通路(34)を流れる空気中の臭気成分を除去する使用状態と臭気成分を除去しない非使用状態とに切り換えるように構成されている。
【0037】
具体的に、前記検出センサ(16)により室外の空気中に臭気成分が検出された場合には、図3に示すように、開閉ダンパ(19)を閉じて第1吸込通路(34)を遮断させた使用状態に切り換える。ここで、開閉ダンパ(19)の羽根部分は脱臭フィルタ(17)で構成されているから、空気中の臭気成分は、脱臭フィルタ(17)を通過する際に除去される。
【0038】
一方、前記検出センサ(16)により室外の空気中に臭気成分が検出されない場合には、図4に示すように、開閉ダンパ(19)を開いて第1吸込通路(34)を開通させた非使用状態に切り換える。ここで、第1吸込通路(34)を流れる空気は、脱臭フィルタ(17)を通過することなくスムーズに流通するため、空気の圧力損失の増大を抑制することができる。
【0039】
前記放電処理装置(60)は、放電により活性種を生成するものであり、生成した活性種は、脱臭フィルタ(17)に対して供給される。脱臭フィルタ(17)に吸着された臭気成分は、活性種により分解除去され、脱臭フィルタ(17)が再生される。
【0040】
図1及び図2に示すように、前記ケーシング(11)内における上流側仕切板(71)と下流側仕切板(72)の間の空間は、中央仕切板(73)によって左右に区画されており、中央仕切板(73)の右側の空間が第1熱交換器室(37)を構成し、中央仕切板(73)の左側の空間が第2熱交換器室(38)を構成している。第1熱交換器室(37)には、第1吸着熱交換器(51)が収容されている。第2熱交換器室(38)には、第2吸着熱交換器(52)が収容されている。また、図示しないが、第1熱交換器室(37)には、冷媒回路(50)の電動膨張弁(55)が収容されている。
【0041】
前記第1吸着熱交換器(51)及び第2吸着熱交換器(52)は、いわゆるクロスフィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器の表面に吸着剤を担持させたものであって、全体として長方形の厚板状又は扁平な直方体状に形成されている。各吸着熱交換器(51,52)は、その前面及び背面が上流側仕切板(71)及び下流側仕切板(72)と平行になる姿勢で、熱交換器室(37,38)内に立設されている。各吸着熱交換器(51,52)は、空気中の水分を吸着する吸着動作と、吸着した水分を空気中へ放出する再生動作(脱着動作)とが行われる吸着部材を構成している。
【0042】
前記ケーシング(11)の内部空間において、下流側仕切板(72)の前面に沿った空間は、上下に仕切られており、この上下に仕切られた空間のうち、上側の部分が給気側通路(31)を構成し、下側の部分が排気側通路(33)を構成している。
【0043】
前記上流側仕切板(71)には、開閉式のダンパが4つ設けられている。各ダンパは、概ね横長の長方形状に形成されている。具体的に、上流側仕切板(71)のうち第2吸込通路(32)に面する部分(上側部分)では、中央仕切板(73)よりも右側に第1内気側ダンパ(41)が取り付けられ、中央仕切板(73)よりも左側に第2内気側ダンパ(42)が取り付けられる。また、上流側仕切板(71)のうち第1吸込通路(34)に面する部分(下側部分)では、中央仕切板(73)よりも右側に第1外気側ダンパ(43)が取り付けられ、中央仕切板(73)よりも左側に第2外気側ダンパ(44)が取り付けられる。
【0044】
前記下流側仕切板(72)には、開閉式のダンパが4つ設けられている。各ダンパは、概ね横長の長方形状に形成されている。具体的に、下流側仕切板(72)のうち給気側通路(31)に面する部分(上側部分)では、中央仕切板(73)よりも右側に第1給気側ダンパ(45)が取り付けられ、中央仕切板(73)よりも左側に第2給気側ダンパ(46)が取り付けられる。また、下流側仕切板(72)のうち排気側通路(33)に面する部分(下側部分)では、中央仕切板(73)よりも右側に第1排気側ダンパ(47)が取り付けられ、中央仕切板(73)よりも左側に第2排気側ダンパ(48)が取り付けられる。
【0045】
前記ケーシング(11)内において、給気側通路(31)及び排気側通路(33)と前面パネル部(12)との間の空間は、仕切板(77)によって左右に仕切られており、仕切板(77)の右側の空間が給気ファン室(36)を構成し、仕切板(77)の左側の空間が排気ファン室(35)を構成している。
【0046】
前記給気ファン室(36)には、給気ファン(26)が収容されている。また、排気ファン室(35)には排気ファン(25)が収容されている。給気ファン(26)及び排気ファン(25)は、何れも遠心型の多翼ファン(いわゆるシロッコファン)である。給気ファン(26)は、下流側仕切板(72)側から吸い込んだ空気を給気口(22)へ吹き出す。排気ファン(25)は、下流側仕切板(72)側から吸い込んだ空気を排気口(21)へ吹き出す。
【0047】
前記給気ファン室(36)には、冷媒回路(50)の圧縮機(53)と四方切換弁(54)とが収容されている。圧縮機(53)及び四方切換弁(54)は、給気ファン室(36)における給気ファン(26)と仕切板(77)との間に配置されている。
【0048】
前記圧縮機(53)は、圧縮機モータの回転数が可変(すなわち、容量が可変)なインバータ式の圧縮機で構成されている。また、圧縮機(53)は、固定スクロールと可動スクロールとが噛み合わされて、可動スクロールが固定スクロールに対して偏心回転して冷媒を圧縮する、公知のスクロール式の圧縮機で構成されている。
【0049】
前記ケーシング(11)内において、第1仕切板(74)と第1側面パネル部(14)の間の空間は、第1バイパス通路(81)を構成している。第1バイパス通路(81)の始端は、第1吸込通路(34)だけに連通しており、第2吸込通路(32)からは遮断されている。第1バイパス通路(81)の終端は、仕切板(78)によって、給気側通路(31)、排気側通路(33)、及び給気ファン室(36)から区画されている。仕切板(78)のうち給気ファン室(36)に臨む部分には、第1バイパス用ダンパ(83)が設けられている。
【0050】
前記ケーシング(11)内において、第2仕切板(75)と第2側面パネル部(15)の間の空間は、第2バイパス通路(82)を構成している。第2バイパス通路(82)の始端は、第2吸込通路(32)だけに連通しており、第1吸込通路(34)からは遮断されている。第2バイパス通路(82)の終端は、仕切板(79)によって、給気側通路(31)、排気側通路(33)、及び排気ファン室(35)から区画されている。仕切板(79)のうち排気ファン室(35)に臨む部分には、第2バイパス用ダンパ(84)が設けられている。
【0051】
なお、図2の右側面図及び左側面図では、第1バイパス通路(81)、第2バイパス通路(82)、第1バイパス用ダンパ(83)、及び第2バイパス用ダンパ(84)の図示を省略している。
【0052】
〈冷媒回路の構成〉
図5に示すように、冷媒回路(50)は、第1吸着熱交換器(51)、第2吸着熱交換器(52)、圧縮機(53)、四方切換弁(54)、及び電動膨張弁(55)が設けられた閉回路である。この冷媒回路(50)は、充填された冷媒を循環させることによって、蒸気圧縮冷凍サイクルを行う。
【0053】
前記冷媒回路(50)において、圧縮機(53)は、その吐出側が四方切換弁(54)の第1ポートに、その吸入側が四方切換弁(54)の第2ポートにそれぞれ接続されている。また、冷媒回路(50)では、第1吸着熱交換器(51)と電動膨張弁(55)と第2吸着熱交換器(52)とが、四方切換弁(54)の第3ポートから第4ポートへ向かって順に接続されている。
【0054】
前記四方切換弁(54)は、第1ポートと第3ポートが連通して第2ポートと第4ポートが連通する第1状態(図5(a)に示す状態)と、第1ポートと第4ポートが連通して第2ポートと第3ポートが連通する第2状態(図5(b)に示す状態)とに切り換え可能となっている。このような四方切換弁(54)の設定の切り換えに応じて、冷媒回路(50)での冷媒の循環方向が反転する。そして、冷媒回路(50)では、四方切換弁(54)の切り換えに応じて、第1吸着熱交換器(51)を高圧冷媒が流れて第2吸着熱交換器(52)を低圧冷媒が流れる動作と、第1吸着熱交換器(51)を低圧冷媒が流れて第2吸着熱交換器(52)を高圧冷媒が流れる動作とが交互に行われる。
【0055】
−運転動作−
前記調湿装置(10)の運転動作について説明する。この調湿装置(10)では、除湿運転、加湿運転、単純換気運転を選択的に行う。
【0056】
〈除湿運転〉
本実施形態の除湿運転は、室外空気(OA)を除湿し、除湿後の空気を供給空気(SA)として室内へ供給すると同時に、室内空気(RA)を排出空気(EA)として室外へ排出する。すなわち、除湿運転では、室内の除湿と室内の換気とが同時に行われる。
【0057】
除湿運転では、給気ファン(26)及び排気ファン(25)が運転状態となる。また、除湿運転では、複数のダンパの開閉状態が切り換わることで、後述する第1動作と第2動作とが交互に繰り返される。なお、第1動作と第2動作とは、所定の設定時間(例えば3分間)置きに切り換えられる。また、除湿運転において、第1バイパス用ダンパ(83)及び第2バイパス用ダンパ(84)は、常に閉状態となる。
【0058】
前記給気ファン(26)が運転されると、室外空気(OA)が調湿装置(10)の第1吸込口(24)へ流入する。一方、排気ファン(25)が運転されると、室内空気(RA)が調湿装置(10)の第2吸込口(23)へ流入する。
【0059】
除湿運転の第1動作では、図6に示すように、第1内気側ダンパ(41)、第2外気側ダンパ(44)、第2給気側ダンパ(46)、及び第1排気側ダンパ(47)が開状態となり、第2内気側ダンパ(42)、第1外気側ダンパ(43)、第1給気側ダンパ(45)、及び第2排気側ダンパ(48)が閉状態となる。また、この第1動作中の冷媒回路(50)では、四方切換弁(54)が第1状態(図5(a)に示す状態)に設定され、第1吸着熱交換器(51)が凝縮器となって第2吸着熱交換器(52)が蒸発器となる。その結果、第1吸着熱交換器(51)では、吸着した水分を空気中へ放出する再生動作が行われ、第2吸着熱交換器(52)では、空気中の水分を吸着する吸着動作が行われる。
【0060】
除湿運転の第1動作では、第1吸込口(24)へ流入した室外空気(OA)が、第2熱交換器室(38)へ流入し、蒸発器側の第2吸着熱交換器(52)を通過する。第2吸着熱交換器(52)では、空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第2吸着熱交換器(52)で除湿された空気は、給気口(22)から調湿装置(10)の外部へ流出して室内へ供給される。
【0061】
また、第2吸込口(23)へ流入した室内空気(RA)は、第1熱交換器室(37)へ流入し、凝縮器側の第1吸着熱交換器(51)を通過する。第1吸着熱交換器(51)では、冷媒で加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が空気に付与される。第1吸着熱交換器(51)で水分を付与された空気は、排気口(21)から調湿装置(10)の外部へ流出して室外へ排出される。
【0062】
除湿運転の第2動作では、図7に示すように、第2内気側ダンパ(42)、第1外気側ダンパ(43)、第1給気側ダンパ(45)、及び第2排気側ダンパ(48)が開状態となり、第1内気側ダンパ(41)、第2外気側ダンパ(44)、第2給気側ダンパ(46)、及び第1排気側ダンパ(47)が閉状態となる。また、この第2動作中の冷媒回路(50)では、四方切換弁(54)が第2状態(図5(b)に示す状態)に設定され、第1吸着熱交換器(51)が蒸発器(吸着動作側)となって第2吸着熱交換器(52)が凝縮器(再生動作側)となる。
【0063】
第2動作では、第1吸込口(24)へ流入した室外空気(OA)が、第1熱交換器室(37)へ流入し、蒸発器側の第1吸着熱交換器(51)を通過する。第1吸着熱交換器(51)では、空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第1吸着熱交換器(51)で除湿された空気は、給気口(22)から調湿装置(10)の外部へ流出して室内へ供給される。
【0064】
また、第2吸込口(23)へ流入した室内空気(RA)は、第2熱交換器室(38)へ流入し、凝縮器側の第2吸着熱交換器(52)を通過する。第2吸着熱交換器(52)では、冷媒で加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が空気に付与される。第2吸着熱交換器(52)で水分を付与された空気は、排気口(21)から調湿装置(10)の外部へ流出して室外へ排出される。
【0065】
〈加湿運転〉
本実施形態の加湿運転は、室外空気(OA)を加湿し、加湿後の空気を供給空気(SA)として室内へ供給すると同時に、室内空気(RA)を排出空気(EA)として室外へ排出する。すなわち、加湿運転では、室内の加湿と室内の換気とが同時に行われる。
【0066】
加湿運転では、給気ファン(26)及び排気ファン(25)が運転状態となる。また、加湿運転では、複数のダンパの開閉状態が切り換わることで、後述する第1動作と第2動作とが交互に繰り返される。なお、第1動作と第2動作とは、所定の設定時間(例えば4分間)置きに切り換えられる。また、加湿運転において、第1バイパス用ダンパ(83)及び第2バイパス用ダンパ(84)は、常に閉状態となる。
【0067】
図5に示すように、給気ファン(26)が運転されると、室外空気(OA)が調湿装置(10)の第1吸込口(24)へ流入する。一方、排気ファン(25)が運転されると、室内空気(RA)が調湿装置(10)の第2吸込口(23)へ流入する。
【0068】
加湿運転の第1動作では、図8に示すように、第2内気側ダンパ(42)、第1外気側ダンパ(43)、第1給気側ダンパ(45)、及び第2排気側ダンパ(48)が開状態となり、第1内気側ダンパ(41)、第2外気側ダンパ(44)、第2給気側ダンパ(46)、及び第1排気側ダンパ(47)が閉状態となる。また、この第1動作中の冷媒回路(50)では、四方切換弁(54)が第1状態(図5(a)に示す状態)に設定され、第1吸着熱交換器(51)が凝縮器(再生動作側)となって第2吸着熱交換器(52)が蒸発器(吸着動作側)となる。
【0069】
加湿運転の第1動作では、第2吸込口(23)へ流入した室内空気(RA)が、第2熱交換器室(38)へ流入し、蒸発器側の第2吸着熱交換器(52)を通過する。第2吸着熱交換器(52)では、空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第2吸着熱交換器(52)の吸着剤へ水分を付与した空気は、排気口(21)から調湿装置(10)の外部へ流出して室外へ排出される。
【0070】
また、第1吸込口(24)へ流入した室外空気(OA)は、第1熱交換器室(37)へ流入し、凝縮器側の第1吸着熱交換器(51)を通過する。第1吸着熱交換器(51)では、冷媒で加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が空気に付与される。第1吸着熱交換器(51)で加湿された空気は、給気口(22)から調湿装置(10)の外部へ流出して室内へ供給される。
【0071】
加湿運転の第2動作では、図9に示すように、第1内気側ダンパ(41)、第2外気側ダンパ(44)、第2給気側ダンパ(46)、及び第1排気側ダンパ(47)が開状態となり、第2内気側ダンパ(42)、第1外気側ダンパ(43)、第1給気側ダンパ(45)、及び第2排気側ダンパ(48)が閉状態となる。また、この第2動作中の冷媒回路(50)では、四方切換弁(54)が第2状態(図5(b)に示す状態)に設定され、第1吸着熱交換器(51)が蒸発器(吸着動作側)となって第2吸着熱交換器(52)が凝縮器(再生動作側)となる。
【0072】
加湿運転の第2動作では、第2吸込口(23)へ流入した室内空気(RA)が、第1熱交換器室(37)へ流入し、蒸発器側の第1吸着熱交換器(51)を通過する。第1吸着熱交換器(51)では、空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第1吸着熱交換器(51)の吸着剤へ水分を付与した空気は、排気口(21)から調湿装置(10)の外部へ流出して室外へ排出される。
【0073】
また、第1吸込口(24)へ流入した室外空気(OA)は、第2熱交換器室(38)へ流入し、凝縮器側の第2吸着熱交換器(52)を通過する。第2吸着熱交換器(52)では、冷媒で加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が空気に付与される。第2吸着熱交換器(52)で加湿された空気は、給気口(22)から調湿装置(10)の外部へ流出して室内へ供給される。
【0074】
〈単純換気運転〉
本実施形態の単純換気運転は、室外空気(OA)をそのまま供給空気(SA)として室内へ供給すると同時に、室内空気(RA)を排出空気(EA)として室外へ排出する。すなわち、単純換気運転では、室内の調湿は行われず、室内の換気だけが行われる。
【0075】
単純換気運転では、図10に示すように、第1バイパス用ダンパ(83)及び第2バイパス用ダンパ(84)が開状態となり、第1内気側ダンパ(41)、第2内気側ダンパ(42)、第1外気側ダンパ(43)、第2外気側ダンパ(44)、第1給気側ダンパ(45)、第2給気側ダンパ(46)、第1排気側ダンパ(47)、及び第2排気側ダンパ(48)が閉状態となる。また、単純換気運転中において、冷媒回路(50)の圧縮機(53)は停止状態となる。
【0076】
単純換気運転では、室外空気(OA)が調湿装置(10)の第1吸込口(24)へ流入する。この空気は、第1バイパス通路(81)から第1バイパス用ダンパ(83)を通って給気ファン室(36)へ流入し、その後に給気口(22)を経由して室内へ供給される。
【0077】
同時に、室内空気(RA)が調湿装置(10)の第2吸込口(23)へ流入する。この空気は、第2バイパス通路(82)から第2バイパス用ダンパ(84)を通って排気ファン室(35)へ流入し、その後に排気口(21)を経由して室外へ排出される。
【0078】
〈臭気成分除去動作〉
図11は、脱臭フィルタで臭気成分を除去する手順を示すフローチャート図、図12は、図12は、開閉ダンパの開閉タイミングを示すグラフ図である。図11に示すように、まず、ステップS101では、開閉ダンパ(19)を開いて脱臭フィルタ(17)を非使用状態とし、続くステップS102に進む。
【0079】
ステップS102では、検出センサ(16)の検出値が所定値以上、すなわち、警戒臭気強度以上(図12参照)であるかを判定する。ステップS102での判定が「YES」の場合には、空気中に臭気成分が含まれていると判断して、ステップS103に分岐する。ステップS102での判定が「NO」の場合には、空気中に臭気成分が含まれていないと判断して、ステップS102の判定を繰り返す。
【0080】
ステップS103では、開閉ダンパ(19)を閉じて脱臭フィルタ(17)を使用状態とし、脱臭フィルタ(17)により空気中の臭気成分を除去して、続くステップS104に進む。
【0081】
ステップS104では、検出センサ(16)の検出値が所定値以下、すなわち、人が感知可能な臭気強度以下(図12参照)であるかを判定する。ステップS104での判定が「YES」の場合には、空気中の臭気成分の除去が完了したと判断して、ステップS105に分岐する。ステップS104での判定が「NO」の場合には、空気中の臭気成分の除去が完了していないと判断して、ステップS104の判定を繰り返す。
【0082】
ステップS105では、開閉ダンパ(19)を開いて脱臭フィルタ(17)を非使用状態とし、続くステップS106に進む。
【0083】
ステップS106では、放電処理装置(60)で生成された活性種を脱臭フィルタ(17)に供給することにより、脱臭フィルタ(17)を再生する。この脱臭フィルタ(17)の再生は、例えば、供給空気(SA)の臭気強度が所定値以下になるまで行い、処理を終了する。
【0084】
以上のように、本実施形態1に係る調湿装置(10)によれば、検出センサ(16)により空中の臭気成分が検出されたときにのみ、開閉ダンパ(19)を閉じて脱臭フィルタ(17)を使用状態とするようにしたから、空気中の臭気成分を脱臭フィルタ(17)で確実に除去することができるとともに、臭気成分を除去する必要がないときには、開閉ダンパ(19)を開いて脱臭フィルタ(17)を非使用状態とすることで、空気を吸込通路(34)内でスムーズに流通させることができ、空気の圧力損失の増大を抑制することができる。
【0085】
なお、本実施形態1では、放電処理装置(60)で生成した活性種を脱臭フィルタ(17)に供給することで、脱臭フィルタ(17)を再生するようにしたが、この形態に限定するものではなく、例えば、脱臭フィルタ(17)にヒータを設けておき、ヒータの発熱によって脱臭フィルタ(17)を再生するようにしても良い。
【0086】
《発明の実施形態2》
図13は、本実施形態2に係る調湿装置における脱臭フィルタの使用状態を示す左側面図、図14は、脱臭フィルタの非使用状態を示す左側面図である。前記実施形態1との違いは、脱臭フィルタ(17)を使用位置と非使用位置とに切り換える切換手段(18)として巻回ローラ(62)を用いるようにした点であるため、以下、実施形態1と同じ部分については同じ符号を付し、相違点についてのみ説明する。
【0087】
図13に示すように、前記ケーシング(11)における第1吸込通路(34)に隣接する位置には、フィルタ収容室(61)が設けられている。このフィルタ収容室(61)と第1吸込通路(34)とは、連通口を介して連通している。
【0088】
前記フィルタ収容室(61)内には、左右方向(図13では紙面と直行する方向)に延びる巻回ローラ(62)と、放電処理装置(60)とが配設されている。巻回ローラ(62)の外周面には、シート状の脱臭フィルタ(17)が巻き付けられている。
【0089】
前記巻回ローラ(62)は、脱臭フィルタ(17)を第1吸込通路(34)内に配置する使用状態と、脱臭フィルタ(17)をフィルタ収容室(61)に収容する非使用状態とに切り換える切換手段(18)を構成している。
【0090】
具体的に、前記検出センサ(16)により室外の空気中に臭気成分が検出された場合には、図13に示すように、巻回ローラ(62)を時計回りに回転させることで、脱臭フィルタ(17)の先端部をフィルタ収容室(61)から送り出して第1吸込通路(34)内に配置させた使用状態に切り換える。これにより、空気中の臭気成分は、脱臭フィルタ(17)を通過する際に除去される。
【0091】
一方、前記検出センサ(16)により室外の空気中に臭気成分が検出されない場合には、図14に示すように、巻回ローラ(62)を反時計回りに回転させることで、脱臭フィルタ(17)を巻き取ってフィルタ収容室(61)に収容させた非使用状態に切り換える。これにより、第1吸込通路(34)を流れる空気は、脱臭フィルタ(17)を通過することなくスムーズに流通するため、空気の圧力損失の増大を抑制することができる。
【0092】
そして、前記フィルタ収容室(61)に収容された脱臭フィルタ(17)に対して、放電処理装置(60)で生成した活性種を供給することで、脱臭フィルタ(17)に付着した臭気成分を活性種により分解除去して、脱臭フィルタ(17)を再生することができる。
【0093】
《発明の実施形態3》
図15は、本実施形態3に係る調湿装置における脱臭フィルタの使用状態を示す平面図、図16は、脱臭フィルタの非使用状態を示す平面図である。前記実施形態1との違いは、脱臭フィルタ(17)を使用位置と非使用位置とに切り換える切換手段(18)として駆動ローラ(65)及び従動ローラ(66)を用いるようにした点であるため、以下、実施形態1と同じ部分については同じ符号を付し、相違点についてのみ説明する。
【0094】
図15に示すように、前記ケーシング(11)における第1吸込通路(34)に隣接する位置には、フィルタ収容室(61)が設けられている。このフィルタ収容室(61)と第1吸込通路(34)とは、連通口を介して連通している。
【0095】
前記フィルタ収容室(61)内には、上下方向(図15では紙面と直行する方向)に延びる駆動ローラ(65)及び従動ローラ(66)と、放電処理装置(60)とが配設されている。フィルタ収容室(61)内には、4つの従動ローラ(66)が配設されている。また、第1吸込通路(34)内の右側端部には、2つの従動ローラ(66)が配設されている。駆動ローラ(65)及び複数の従動ローラ(66)には、無端状のベルトで構成された脱臭フィルタ(17)が巻き掛けられている。
【0096】
前記脱臭フィルタ(17)には、臭気成分を除去可能なフィルタ領域(17a)と、臭気成分を除去しない非フィルタ領域(17b)とが形成されている。図15では、フィルタ領域(17a)を実線で示し、非フィルタ領域(17b)を点線で示している。具体的に、非フィルタ領域(17b)は、フィルタ領域(17a)よりも粗いメッシュ幅で形成されており、非フィルタ領域(17b)を空気がスムーズに通過できるようになっている。これにより、非フィルタ領域(17b)を通過する空気の圧力損失の増大を抑制することができる。
【0097】
前記駆動ローラ(65)及び従動ローラ(66)は、脱臭フィルタ(17)のフィルタ領域(17a)を第1吸込通路(34)内に配置する使用状態と、脱臭フィルタ(17)のフィルタ領域(17b)をフィルタ収容室(61)に収容する非使用状態とに切り換える切換手段(18)を構成している。
【0098】
具体的に、前記検出センサ(16)により室外の空気中に臭気成分が検出された場合には、図15に示すように、駆動ローラ(65)を回転させることで、脱臭フィルタ(17)のフィルタ領域(17a)を第1吸込通路(34)内に配置させた使用状態に切り換える。これにより、これにより、空気中の臭気成分は、脱臭フィルタ(17)を通過する際に除去される。
【0099】
一方、前記検出センサ(16)により室外の空気中に臭気成分が検出されない場合には、図16に示すように、駆動ローラ(65)を回転させることで、脱臭フィルタ(17)のフィルタ領域(17a)をフィルタ収容室(61)に収容させるとともに非フィルタ領域(17b)を吸込通路(34)内に配置させた非使用状態に切り換える。これにより、第1吸込通路(34)を流れる空気は、脱臭フィルタ(17)の非フィルタ領域(17b)をスムーズに流通するため、空気の圧力損失の増大を抑制することができる。
【0100】
そして、前記フィルタ収容室(61)に収容された脱臭フィルタ(17)のフィルタ領域(17a)に対して、放電処理装置(60)で生成した活性種を供給することで、脱臭フィルタ(17)のフィルタ領域(17a)に付着した臭気成分を活性種により分解除去して、脱臭フィルタ(17)を再生することができる。
【0101】
なお、本実施形態3では、駆動ローラ(65)をフィルタ収容室(61)内に配設した構成について説明したが、この形態に限定するものではなく、第1吸込通路(34)内に駆動ローラ(65)を配設するようにしても良い。
【0102】
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0103】
以上説明したように、本発明は、空気中の臭気成分を確実に除去するとともに、空気の圧力損失の増大を抑制することができるという実用性の高い効果が得られることから、きわめて有用で産業上の利用可能性は高い。
【符号の説明】
【0104】
10 調湿装置(換気装置)
16 検出センサ(検出手段)
17 脱臭フィルタ
17a フィルタ領域
17b 非フィルタ領域
18 切換手段
19 開閉ダンパ
33 排気側通路
34 第1吸込通路
60 放電処理装置(放電処理手段)
61 フィルタ収容室
62 巻回ローラ
65 駆動ローラ
66 従動ローラ
【技術分野】
【0001】
本発明は、換気装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、室外空気や室内空気を清浄化した後で、その空気を室内へ供給する換気装置が知られている。例えば、特許文献1には、ダスト用フィルタと煙用フィルタとをダンパにより選択的に開閉するとともに、ダスト用フィルタ及び煙用フィルタのそれぞれの下流側に配設された脱臭フィルタにより空気中の臭気成分を除去するようにした空気清浄機が開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、臭気成分を含んだ空気を気化フィルタで加湿して、オゾンにより臭気成分の一部を分解反応させて脱臭するとともに、分解しきれなかった残りの臭気成分を脱臭フィルタで吸着除去するようにした空気清浄装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−262826号公報
【特許文献2】特開2004−275290号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の換気装置では、脱臭フィルタを通過する空気の圧力損失が増大してしまうという問題があった。具体的に、脱臭フィルタは、空気中の臭気成分を除去するためのフィルタであるためにそのメッシュ幅が非常に細かく、脱臭フィルタを通過する空気の圧力損失が増大しやすくなっている。ここで、脱臭フィルタが空気通路内に常時配設された状態であるため、空気中に臭気成分が含まれていない場合であっても、その空気は必ず脱臭フィルタを通過しなければならず、空気の圧力損失が増大して換気性能が低下してしまうおそれがあった。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、空気中の臭気成分を確実に除去するとともに、空気の圧力損失の増大を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した目的を達成するため、本発明は、空気中の臭気成分を検出してその検出結果に基づいて、脱臭フィルタを使用状態と非使用状態とに切り換えるようにした。
【0008】
具体的に、本発明は、室外の空気を吸込通路(34)を介して室内へ供給するとともに、室内の空気を排気側通路(33)を介して室外へ排出する換気運転を行う換気装置を対象とし、次のような解決手段を講じた。
【0009】
すなわち、第1の発明は、室外の空気に含まれる臭気成分を検出する検出手段(16)と、
空気中の臭気成分を除去する脱臭フィルタ(17)と、
前記検出手段(16)の検出結果に基づいて、前記脱臭フィルタ(17)を、前記吸込通路(34)を流れる空気中の臭気成分を除去する使用状態と臭気成分を除去しない非使用状態とに切り換える切換手段(18)とを備えたことを特徴とするものである。
【0010】
第1の発明では、検出手段(16)により室外の空気に含まれる臭気成分が検出される。検出手段(16)により空気中の臭気成分が検出されると、切換手段(18)により脱臭フィルタ(17)が使用状態とされる。そして、空気中の臭気成分が脱臭フィルタ(17)により除去される。一方、検出手段(16)により空気中の臭気成分が検出されない場合には、切換手段(18)により脱臭フィルタ(17)が非使用状態とされる。
【0011】
このような構成とすれば、空気中の臭気成分を脱臭フィルタ(17)で確実に除去することができるとともに、空気の圧力損失の増大を抑制することができる。具体的に、脱臭フィルタ(17)を吸込通路(34)内に常時配設するようにした場合には、空気中に臭気成分が含まれておらず臭気成分を除去する必要がないときでも、必ず脱臭フィルタ(17)を通過させなければならないため、空気のスムーズな流通を妨げることとなり、空気の圧力損失が増大してしまう。
【0012】
これに対し、本発明では、検出手段(16)により空中の臭気成分が検出されたときにのみ、脱臭フィルタ(17)を使用状態とするようにしたから、臭気成分を除去する必要がないときには、脱臭フィルタ(17)を非使用状態とすることで、空気を吸込通路(34)内でスムーズに流通させることができ、空気の圧力損失の増大を抑制することができる。
【0013】
第2の発明は、第1の発明において、
前記切換手段(18)は、前記吸込通路(34)を遮断又は開通させる開閉ダンパ(19)で構成され、
前記開閉ダンパ(19)の羽根部分は、前記脱臭フィルタ(17)で構成されていることを特徴とするものである。
【0014】
第2の発明では、吸込通路(34)を遮断又は開通させる開閉ダンパ(19)により切換手段(18)が構成される。また、開閉ダンパ(19)の羽根部分が脱臭フィルタ(17)で構成される。このような構成とすれば、検出手段(16)により空気中の臭気成分が検出された場合に、開閉ダンパ(19)により吸込通路(34)を遮断して使用状態とすることで、空気中の臭気成分を開閉ダンパの羽根部分である脱臭フィルタ(17)で除去することができる。また、空気中の臭気成分が検出されない場合には、開閉ダンパ(19)を開いて吸込通路(34)を開通させて非使用状態とすることで、空気を吸込通路(34)内でスムーズに流通させることができ、空気の圧力損失の増大を抑制することができる。
【0015】
第3の発明は、第1の発明において、
前記吸込通路(34)に隣接されたフィルタ収容室(61)を備え、
前記切換手段(18)は、前記フィルタ収容室(61)内に配設された巻回ローラ(62)で構成され、
前記脱臭フィルタ(17)は、前記巻回ローラ(62)の外周面に巻き付け可能に構成され、
前記巻回ローラ(62)は、前記脱臭フィルタ(17)を、該巻回ローラ(62)の外周面への巻き付けが解除されて前記吸込通路(34)内に配置された使用状態と、該巻回ローラ(62)の外周面に巻き付けられて前記フィルタ収容室(61)内に収容された非使用状態とに切り換えるように構成されていることを特徴とするものである。
【0016】
第3の発明では、吸込通路(34)に隣接するようにフィルタ収容室(61)が設けられる。フィルタ収容室(61)内に配設された巻回ローラ(62)により切換手段(18)が構成される。脱臭フィルタ(17)は、巻回ローラ(62)の外周面に巻き付け可能に構成される。そして、検出手段(16)により空気中の臭気成分が検出された場合には、脱臭フィルタ(17)は、巻回ローラ(62)の外周面への巻き付けが解除されて吸込通路(34)内に配置された使用状態とされる。一方、検出手段(16)により空気中の臭気成分が検出されない場合には、脱臭フィルタ(17)は、巻回ローラ(62)の外周面に巻き付けられてフィルタ収容室(61)内に収容された非使用状態とされる。
【0017】
このような構成とすれば、検出手段(16)により空気中の臭気成分が検出された場合には、脱臭フィルタ(17)をフィルタ収容室(61)から引き出して使用状態とすることで、空気中の臭気成分を除去することができる。また、空気中の臭気成分が検出されない場合には、脱臭フィルタ(17)を巻回ローラ(62)で巻き取ってフィルタ収容室(61)に収容して非使用状態とすることで、空気を吸込通路(34)内でスムーズに流通させることができ、空気の圧力損失の増大を抑制することができる。
【0018】
第4の発明は、第1の発明において、
前記吸込通路(34)に隣接されたフィルタ収容室(61)を備え、
前記脱臭フィルタ(17)は、臭気成分を除去可能なフィルタ領域(17a)と、通過する空気の圧力損失を抑制可能な非フィルタ領域(17b)とを有する無端状のベルトで構成され、
前記切換手段(18)は、前記フィルタ収容室(61)又は前記吸込通路(34)のうち一方に配設されて前記脱臭フィルタ(17)を巻き掛ける駆動ローラ(65)と、他方に配設されて該脱臭フィルタ(17)を巻き掛ける従動ローラ(66)とを備え、
前記駆動ローラ(65)は、前記脱臭フィルタ(17)を、そのフィルタ領域(17a)が前記吸込通路(34)内に配置された使用状態と、該フィルタ領域(17a)が前記フィルタ収容室(61)内に収容された非使用状態とに切り換えるように構成されていることを特徴とするものである。
【0019】
第4の発明では、吸込通路(34)に隣接するようにフィルタ収容室(61)が設けられる。脱臭フィルタ(17)は無端状のベルトで構成される。この脱臭フィルタ(17)には、臭気成分を除去可能なフィルタ領域(17a)と、通過する空気の圧力損失を抑制可能な非フィルタ領域(17b)とが形成される。フィルタ収容室(61)又は吸込通路(34)のうち一方に配設されて脱臭フィルタ(17)を巻き掛ける駆動ローラ(65)と、他方に配設されて脱臭フィルタ(17)を巻き掛ける従動ローラ(66)とにより、切換手段(18)が構成される。そして、検出手段(16)により空気中の臭気成分が検出された場合には、脱臭フィルタ(17)は、そのフィルタ領域(17a)が吸込通路(34)内に配置された使用状態とされる。一方、検出手段(16)により空気中の臭気成分が検出されない場合には、脱臭フィルタ(17)は、フィルタ領域(17a)がフィルタ収容室(61)内に収容された非使用状態とされる。
【0020】
このような構成とすれば、検出手段(16)により空気中の臭気成分が検出された場合には、駆動ローラ(65)を回転させて、脱臭フィルタ(17)のフィルタ領域(17a)を吸込通路(34)内に位置付けた使用状態とすることで、空気中の臭気成分を除去することができる。また、空気中の臭気成分が検出されない場合には、駆動ローラ(65)を回転させて、脱臭フィルタ(17)のフィルタ領域(17a)をフィルタ収容室(61)に収容するとともに非フィルタ領域(17b)を吸込通路(34)内に位置付けた非使用状態とすることで、空気を吸込通路(34)内でスムーズに流通させることができ、空気の圧力損失の増大を抑制することができる。
【0021】
第5の発明は、第1乃至第4の発明うち何れか1つにおいて、
活性種を生成するように放電が行われるとともに、生成した活性種を前記脱臭フィルタ(17)に対して供給する放電処理手段(60)を備えたことを特徴とするものである。
【0022】
第5の発明では、放電処理手段(60)により放電が行われると、活性種が生成される。この活性種は、脱臭フィルタ(17)に対して供給される。このような構成とすれば、脱臭フィルタ(17)に付着した臭気成分を活性種により分解除去することができ、脱臭フィルタ(17)を再生して寿命時間を向上させることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、検出手段(16)により空中の臭気成分が検出されたときにのみ、脱臭フィルタ(17)を使用状態とするようにしたから、空気中の臭気成分を脱臭フィルタ(17)で確実に除去することができるとともに、臭気成分を除去する必要がないときには、脱臭フィルタ(17)を非使用状態とすることで、空気を吸込通路(34)内でスムーズに流通させることができ、空気の圧力損失の増大を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本実施形態1に係る調湿装置をケーシングの一部及び電装品箱を省略して示す斜視図である。
【図2】調湿装置の一部を省略して示す概略の平面図、右側面図、及び左側面図である。
【図3】開閉ダンパが閉じた状態を示す左側面図である。
【図4】開閉ダンパが開いた状態を示す左側面図である。
【図5】冷媒回路の構成を示す配管系統図であって、(a)は第1動作を示すものであり、(b)は第2動作を示すものである。
【図6】除湿換気運転の第1動作における空気の流れを示す調湿装置の概略の平面図、右側面図、及び左側面図である。
【図7】除湿換気運転の第2動作における空気の流れを示す調湿装置の概略の平面図、右側面図、及び左側面図である。
【図8】加湿換気運転の第1動作における空気の流れを示す調湿装置の概略の平面図、右側面図、及び左側面図である。
【図9】加湿換気運転の第2動作における空気の流れを示す調湿装置の概略の平面図、右側面図、及び左側面図である。
【図10】単純換気運転における空気の流れを示す調湿装置の概略の平面図、右側面図、及び左側面図である。
【図11】脱臭フィルタで臭気成分を除去する手順を示すフローチャート図である。
【図12】開閉ダンパの開閉タイミングを示すグラフ図である。
【図13】本実施形態2に係る調湿装置における脱臭フィルタの使用状態を示す左側面図である。
【図14】脱臭フィルタの非使用状態を示す左側面図である。
【図15】本実施形態3に係る調湿装置における脱臭フィルタの使用状態を示す平面図である。
【図16】脱臭フィルタの非使用状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0026】
《発明の実施形態1》
図1は、本実施形態1に係る調湿装置をケーシングの一部及び電装品箱を省略して示す斜視図、図2は、調湿装置の一部を省略して示す概略の平面図、右側面図、及び左側面図である。図1及び図2に示すように、この調湿装置(10)は、取り込んだ室外空気(OA)の湿度を調節して室内へ供給するものであり、除湿運転、加湿運転、単純換気運転を選択的に行うことができるように構成され、換気装置としての機能を備えている。なお、以下の説明で用いる「上」「下」「左」「右」「前」「後」「手前」「奥」は、特に断らない限り、調湿装置(10)を前面側から見た場合の方向を示すものとする。
【0027】
前記調湿装置(10)は、ケーシング(11)を備えている。また、ケーシング(11)内には、冷媒回路(50)が収容されている。この冷媒回路(50)には、第1吸着熱交換器(51)、第2吸着熱交換器(52)、圧縮機(53)、四方切換弁(54)、及び電動膨張弁(55)が接続されている。この冷媒回路(50)の詳細は後述する。
【0028】
前記ケーシング(11)は、やや扁平で高さが比較的低い直方体状に形成されている。図1に示すケーシング(11)では、左手前の側面(すなわち、前面)が前面パネル部(12)となり、右奥の側面(すなわち、背面)が背面パネル部(13)となり、右手前の側面が第1側面パネル部(14)となり、左奥の側面が第2側面パネル部(15)となっている。
【0029】
前記ケーシング(11)には、第1吸込口(24)と、第2吸込口(23)と、給気口(22)と、排気口(21)とが形成されている。第1吸込口(24)及び第2吸込口(23)は、背面パネル部(13)に開口している。第1吸込口(24)は、背面パネル部(13)の下側部分に配置されている。この第1吸込口(24)には、室外の空気に含まれる臭気成分を検出する検出センサ(16)が設けられている。第2吸込口(23)は、背面パネル部(13)の上側部分に配置されている。給気口(22)は、第1側面パネル部(14)における前面パネル部(12)側の端部付近に配置されている。排気口(21)は、第2側面パネル部(15)における前面パネル部(12)側の端部付近に配置されている。
【0030】
前記ケーシング(11)の内部空間には、上流側仕切板(71)と、下流側仕切板(72)と、中央仕切板(73)と、第1仕切板(74)と、第2仕切板(75)とが設けられている。これらの仕切板は、何れもケーシング(11)の底板から立設されており、ケーシング(11)の内部空間をケーシング(11)の底板から天板に亘って区画している。
【0031】
前記上流側仕切板(71)及び下流側仕切板(72)は、前面パネル部(12)及び背面パネル部(13)と平行な姿勢で、ケーシング(11)の前後方向に所定の間隔をあけて配置されている。上流側仕切板(71)は、背面パネル部(13)寄りに配置されている。下流側仕切板(72)は、前面パネル部(12)寄りに配置されている。
【0032】
前記第1仕切板(74)及び第2仕切板(75)は、第1側面パネル部(14)及び第2側面パネル部(15)と平行な姿勢で配置されている。具体的に、第1仕切板(74)は、上流側仕切板(71)と下流側仕切板(72)の間の空間を右側から塞ぐように、第1側面パネル部(14)から所定の間隔をおいて配置されている。第2仕切板(75)は、上流側仕切板(71)と下流側仕切板(72)の間の空間を左側から塞ぐように、第2側面パネル部(15)から所定の間隔をおいて配置されている。
【0033】
前記中央仕切板(73)は、上流側仕切板(71)及び下流側仕切板(72)と直交する姿勢で、上流側仕切板(71)と下流側仕切板(72)の間に配置されている。中央仕切板(73)は、上流側仕切板(71)から下流側仕切板(72)に亘って設けられ、上流側仕切板(71)と下流側仕切板(72)の間の空間を左右に区画している。
【0034】
前記ケーシング(11)内において、上流側仕切板(71)と背面パネル部(13)の間の空間は、上下2つの空間に仕切られており、下側の空間が第1吸込通路(34)を構成し、上側の空間が第2吸込通路(32)を構成している。第1吸込通路(34)は、第1吸込口(24)と連通し、第2吸込通路(32)は、第2吸込口(23)と連通している。
【0035】
前記第1吸込通路(34)には、前面パネル部(12)及び背面パネル部(13)と平行な姿勢で通路仕切板(76)が配置されている。この通路仕切板(76)には、概ね横長の長方形状に形成された開閉ダンパ(19)が設けられている。図3に示すように、この開閉ダンパ(19)の羽根部分は、空気中の臭気成分を除去する脱臭フィルタ(17)で構成されている。また、第1吸込通路(34)における通路仕切板(76)と背面パネル部(13)との間には、第1フィルタ(28)及び放電処理装置(60)が設置されている。一方、第2吸込通路(32)には、第2フィルタ(27)が設置されている。
【0036】
前記開閉ダンパ(19)は、第1吸込通路(34)を遮断又は開通させるための切換手段(18)を構成しており、検出センサ(16)の検出結果に基づいて、その羽根部分である脱臭フィルタ(17)を、第1吸込通路(34)を流れる空気中の臭気成分を除去する使用状態と臭気成分を除去しない非使用状態とに切り換えるように構成されている。
【0037】
具体的に、前記検出センサ(16)により室外の空気中に臭気成分が検出された場合には、図3に示すように、開閉ダンパ(19)を閉じて第1吸込通路(34)を遮断させた使用状態に切り換える。ここで、開閉ダンパ(19)の羽根部分は脱臭フィルタ(17)で構成されているから、空気中の臭気成分は、脱臭フィルタ(17)を通過する際に除去される。
【0038】
一方、前記検出センサ(16)により室外の空気中に臭気成分が検出されない場合には、図4に示すように、開閉ダンパ(19)を開いて第1吸込通路(34)を開通させた非使用状態に切り換える。ここで、第1吸込通路(34)を流れる空気は、脱臭フィルタ(17)を通過することなくスムーズに流通するため、空気の圧力損失の増大を抑制することができる。
【0039】
前記放電処理装置(60)は、放電により活性種を生成するものであり、生成した活性種は、脱臭フィルタ(17)に対して供給される。脱臭フィルタ(17)に吸着された臭気成分は、活性種により分解除去され、脱臭フィルタ(17)が再生される。
【0040】
図1及び図2に示すように、前記ケーシング(11)内における上流側仕切板(71)と下流側仕切板(72)の間の空間は、中央仕切板(73)によって左右に区画されており、中央仕切板(73)の右側の空間が第1熱交換器室(37)を構成し、中央仕切板(73)の左側の空間が第2熱交換器室(38)を構成している。第1熱交換器室(37)には、第1吸着熱交換器(51)が収容されている。第2熱交換器室(38)には、第2吸着熱交換器(52)が収容されている。また、図示しないが、第1熱交換器室(37)には、冷媒回路(50)の電動膨張弁(55)が収容されている。
【0041】
前記第1吸着熱交換器(51)及び第2吸着熱交換器(52)は、いわゆるクロスフィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器の表面に吸着剤を担持させたものであって、全体として長方形の厚板状又は扁平な直方体状に形成されている。各吸着熱交換器(51,52)は、その前面及び背面が上流側仕切板(71)及び下流側仕切板(72)と平行になる姿勢で、熱交換器室(37,38)内に立設されている。各吸着熱交換器(51,52)は、空気中の水分を吸着する吸着動作と、吸着した水分を空気中へ放出する再生動作(脱着動作)とが行われる吸着部材を構成している。
【0042】
前記ケーシング(11)の内部空間において、下流側仕切板(72)の前面に沿った空間は、上下に仕切られており、この上下に仕切られた空間のうち、上側の部分が給気側通路(31)を構成し、下側の部分が排気側通路(33)を構成している。
【0043】
前記上流側仕切板(71)には、開閉式のダンパが4つ設けられている。各ダンパは、概ね横長の長方形状に形成されている。具体的に、上流側仕切板(71)のうち第2吸込通路(32)に面する部分(上側部分)では、中央仕切板(73)よりも右側に第1内気側ダンパ(41)が取り付けられ、中央仕切板(73)よりも左側に第2内気側ダンパ(42)が取り付けられる。また、上流側仕切板(71)のうち第1吸込通路(34)に面する部分(下側部分)では、中央仕切板(73)よりも右側に第1外気側ダンパ(43)が取り付けられ、中央仕切板(73)よりも左側に第2外気側ダンパ(44)が取り付けられる。
【0044】
前記下流側仕切板(72)には、開閉式のダンパが4つ設けられている。各ダンパは、概ね横長の長方形状に形成されている。具体的に、下流側仕切板(72)のうち給気側通路(31)に面する部分(上側部分)では、中央仕切板(73)よりも右側に第1給気側ダンパ(45)が取り付けられ、中央仕切板(73)よりも左側に第2給気側ダンパ(46)が取り付けられる。また、下流側仕切板(72)のうち排気側通路(33)に面する部分(下側部分)では、中央仕切板(73)よりも右側に第1排気側ダンパ(47)が取り付けられ、中央仕切板(73)よりも左側に第2排気側ダンパ(48)が取り付けられる。
【0045】
前記ケーシング(11)内において、給気側通路(31)及び排気側通路(33)と前面パネル部(12)との間の空間は、仕切板(77)によって左右に仕切られており、仕切板(77)の右側の空間が給気ファン室(36)を構成し、仕切板(77)の左側の空間が排気ファン室(35)を構成している。
【0046】
前記給気ファン室(36)には、給気ファン(26)が収容されている。また、排気ファン室(35)には排気ファン(25)が収容されている。給気ファン(26)及び排気ファン(25)は、何れも遠心型の多翼ファン(いわゆるシロッコファン)である。給気ファン(26)は、下流側仕切板(72)側から吸い込んだ空気を給気口(22)へ吹き出す。排気ファン(25)は、下流側仕切板(72)側から吸い込んだ空気を排気口(21)へ吹き出す。
【0047】
前記給気ファン室(36)には、冷媒回路(50)の圧縮機(53)と四方切換弁(54)とが収容されている。圧縮機(53)及び四方切換弁(54)は、給気ファン室(36)における給気ファン(26)と仕切板(77)との間に配置されている。
【0048】
前記圧縮機(53)は、圧縮機モータの回転数が可変(すなわち、容量が可変)なインバータ式の圧縮機で構成されている。また、圧縮機(53)は、固定スクロールと可動スクロールとが噛み合わされて、可動スクロールが固定スクロールに対して偏心回転して冷媒を圧縮する、公知のスクロール式の圧縮機で構成されている。
【0049】
前記ケーシング(11)内において、第1仕切板(74)と第1側面パネル部(14)の間の空間は、第1バイパス通路(81)を構成している。第1バイパス通路(81)の始端は、第1吸込通路(34)だけに連通しており、第2吸込通路(32)からは遮断されている。第1バイパス通路(81)の終端は、仕切板(78)によって、給気側通路(31)、排気側通路(33)、及び給気ファン室(36)から区画されている。仕切板(78)のうち給気ファン室(36)に臨む部分には、第1バイパス用ダンパ(83)が設けられている。
【0050】
前記ケーシング(11)内において、第2仕切板(75)と第2側面パネル部(15)の間の空間は、第2バイパス通路(82)を構成している。第2バイパス通路(82)の始端は、第2吸込通路(32)だけに連通しており、第1吸込通路(34)からは遮断されている。第2バイパス通路(82)の終端は、仕切板(79)によって、給気側通路(31)、排気側通路(33)、及び排気ファン室(35)から区画されている。仕切板(79)のうち排気ファン室(35)に臨む部分には、第2バイパス用ダンパ(84)が設けられている。
【0051】
なお、図2の右側面図及び左側面図では、第1バイパス通路(81)、第2バイパス通路(82)、第1バイパス用ダンパ(83)、及び第2バイパス用ダンパ(84)の図示を省略している。
【0052】
〈冷媒回路の構成〉
図5に示すように、冷媒回路(50)は、第1吸着熱交換器(51)、第2吸着熱交換器(52)、圧縮機(53)、四方切換弁(54)、及び電動膨張弁(55)が設けられた閉回路である。この冷媒回路(50)は、充填された冷媒を循環させることによって、蒸気圧縮冷凍サイクルを行う。
【0053】
前記冷媒回路(50)において、圧縮機(53)は、その吐出側が四方切換弁(54)の第1ポートに、その吸入側が四方切換弁(54)の第2ポートにそれぞれ接続されている。また、冷媒回路(50)では、第1吸着熱交換器(51)と電動膨張弁(55)と第2吸着熱交換器(52)とが、四方切換弁(54)の第3ポートから第4ポートへ向かって順に接続されている。
【0054】
前記四方切換弁(54)は、第1ポートと第3ポートが連通して第2ポートと第4ポートが連通する第1状態(図5(a)に示す状態)と、第1ポートと第4ポートが連通して第2ポートと第3ポートが連通する第2状態(図5(b)に示す状態)とに切り換え可能となっている。このような四方切換弁(54)の設定の切り換えに応じて、冷媒回路(50)での冷媒の循環方向が反転する。そして、冷媒回路(50)では、四方切換弁(54)の切り換えに応じて、第1吸着熱交換器(51)を高圧冷媒が流れて第2吸着熱交換器(52)を低圧冷媒が流れる動作と、第1吸着熱交換器(51)を低圧冷媒が流れて第2吸着熱交換器(52)を高圧冷媒が流れる動作とが交互に行われる。
【0055】
−運転動作−
前記調湿装置(10)の運転動作について説明する。この調湿装置(10)では、除湿運転、加湿運転、単純換気運転を選択的に行う。
【0056】
〈除湿運転〉
本実施形態の除湿運転は、室外空気(OA)を除湿し、除湿後の空気を供給空気(SA)として室内へ供給すると同時に、室内空気(RA)を排出空気(EA)として室外へ排出する。すなわち、除湿運転では、室内の除湿と室内の換気とが同時に行われる。
【0057】
除湿運転では、給気ファン(26)及び排気ファン(25)が運転状態となる。また、除湿運転では、複数のダンパの開閉状態が切り換わることで、後述する第1動作と第2動作とが交互に繰り返される。なお、第1動作と第2動作とは、所定の設定時間(例えば3分間)置きに切り換えられる。また、除湿運転において、第1バイパス用ダンパ(83)及び第2バイパス用ダンパ(84)は、常に閉状態となる。
【0058】
前記給気ファン(26)が運転されると、室外空気(OA)が調湿装置(10)の第1吸込口(24)へ流入する。一方、排気ファン(25)が運転されると、室内空気(RA)が調湿装置(10)の第2吸込口(23)へ流入する。
【0059】
除湿運転の第1動作では、図6に示すように、第1内気側ダンパ(41)、第2外気側ダンパ(44)、第2給気側ダンパ(46)、及び第1排気側ダンパ(47)が開状態となり、第2内気側ダンパ(42)、第1外気側ダンパ(43)、第1給気側ダンパ(45)、及び第2排気側ダンパ(48)が閉状態となる。また、この第1動作中の冷媒回路(50)では、四方切換弁(54)が第1状態(図5(a)に示す状態)に設定され、第1吸着熱交換器(51)が凝縮器となって第2吸着熱交換器(52)が蒸発器となる。その結果、第1吸着熱交換器(51)では、吸着した水分を空気中へ放出する再生動作が行われ、第2吸着熱交換器(52)では、空気中の水分を吸着する吸着動作が行われる。
【0060】
除湿運転の第1動作では、第1吸込口(24)へ流入した室外空気(OA)が、第2熱交換器室(38)へ流入し、蒸発器側の第2吸着熱交換器(52)を通過する。第2吸着熱交換器(52)では、空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第2吸着熱交換器(52)で除湿された空気は、給気口(22)から調湿装置(10)の外部へ流出して室内へ供給される。
【0061】
また、第2吸込口(23)へ流入した室内空気(RA)は、第1熱交換器室(37)へ流入し、凝縮器側の第1吸着熱交換器(51)を通過する。第1吸着熱交換器(51)では、冷媒で加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が空気に付与される。第1吸着熱交換器(51)で水分を付与された空気は、排気口(21)から調湿装置(10)の外部へ流出して室外へ排出される。
【0062】
除湿運転の第2動作では、図7に示すように、第2内気側ダンパ(42)、第1外気側ダンパ(43)、第1給気側ダンパ(45)、及び第2排気側ダンパ(48)が開状態となり、第1内気側ダンパ(41)、第2外気側ダンパ(44)、第2給気側ダンパ(46)、及び第1排気側ダンパ(47)が閉状態となる。また、この第2動作中の冷媒回路(50)では、四方切換弁(54)が第2状態(図5(b)に示す状態)に設定され、第1吸着熱交換器(51)が蒸発器(吸着動作側)となって第2吸着熱交換器(52)が凝縮器(再生動作側)となる。
【0063】
第2動作では、第1吸込口(24)へ流入した室外空気(OA)が、第1熱交換器室(37)へ流入し、蒸発器側の第1吸着熱交換器(51)を通過する。第1吸着熱交換器(51)では、空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第1吸着熱交換器(51)で除湿された空気は、給気口(22)から調湿装置(10)の外部へ流出して室内へ供給される。
【0064】
また、第2吸込口(23)へ流入した室内空気(RA)は、第2熱交換器室(38)へ流入し、凝縮器側の第2吸着熱交換器(52)を通過する。第2吸着熱交換器(52)では、冷媒で加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が空気に付与される。第2吸着熱交換器(52)で水分を付与された空気は、排気口(21)から調湿装置(10)の外部へ流出して室外へ排出される。
【0065】
〈加湿運転〉
本実施形態の加湿運転は、室外空気(OA)を加湿し、加湿後の空気を供給空気(SA)として室内へ供給すると同時に、室内空気(RA)を排出空気(EA)として室外へ排出する。すなわち、加湿運転では、室内の加湿と室内の換気とが同時に行われる。
【0066】
加湿運転では、給気ファン(26)及び排気ファン(25)が運転状態となる。また、加湿運転では、複数のダンパの開閉状態が切り換わることで、後述する第1動作と第2動作とが交互に繰り返される。なお、第1動作と第2動作とは、所定の設定時間(例えば4分間)置きに切り換えられる。また、加湿運転において、第1バイパス用ダンパ(83)及び第2バイパス用ダンパ(84)は、常に閉状態となる。
【0067】
図5に示すように、給気ファン(26)が運転されると、室外空気(OA)が調湿装置(10)の第1吸込口(24)へ流入する。一方、排気ファン(25)が運転されると、室内空気(RA)が調湿装置(10)の第2吸込口(23)へ流入する。
【0068】
加湿運転の第1動作では、図8に示すように、第2内気側ダンパ(42)、第1外気側ダンパ(43)、第1給気側ダンパ(45)、及び第2排気側ダンパ(48)が開状態となり、第1内気側ダンパ(41)、第2外気側ダンパ(44)、第2給気側ダンパ(46)、及び第1排気側ダンパ(47)が閉状態となる。また、この第1動作中の冷媒回路(50)では、四方切換弁(54)が第1状態(図5(a)に示す状態)に設定され、第1吸着熱交換器(51)が凝縮器(再生動作側)となって第2吸着熱交換器(52)が蒸発器(吸着動作側)となる。
【0069】
加湿運転の第1動作では、第2吸込口(23)へ流入した室内空気(RA)が、第2熱交換器室(38)へ流入し、蒸発器側の第2吸着熱交換器(52)を通過する。第2吸着熱交換器(52)では、空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第2吸着熱交換器(52)の吸着剤へ水分を付与した空気は、排気口(21)から調湿装置(10)の外部へ流出して室外へ排出される。
【0070】
また、第1吸込口(24)へ流入した室外空気(OA)は、第1熱交換器室(37)へ流入し、凝縮器側の第1吸着熱交換器(51)を通過する。第1吸着熱交換器(51)では、冷媒で加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が空気に付与される。第1吸着熱交換器(51)で加湿された空気は、給気口(22)から調湿装置(10)の外部へ流出して室内へ供給される。
【0071】
加湿運転の第2動作では、図9に示すように、第1内気側ダンパ(41)、第2外気側ダンパ(44)、第2給気側ダンパ(46)、及び第1排気側ダンパ(47)が開状態となり、第2内気側ダンパ(42)、第1外気側ダンパ(43)、第1給気側ダンパ(45)、及び第2排気側ダンパ(48)が閉状態となる。また、この第2動作中の冷媒回路(50)では、四方切換弁(54)が第2状態(図5(b)に示す状態)に設定され、第1吸着熱交換器(51)が蒸発器(吸着動作側)となって第2吸着熱交換器(52)が凝縮器(再生動作側)となる。
【0072】
加湿運転の第2動作では、第2吸込口(23)へ流入した室内空気(RA)が、第1熱交換器室(37)へ流入し、蒸発器側の第1吸着熱交換器(51)を通過する。第1吸着熱交換器(51)では、空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第1吸着熱交換器(51)の吸着剤へ水分を付与した空気は、排気口(21)から調湿装置(10)の外部へ流出して室外へ排出される。
【0073】
また、第1吸込口(24)へ流入した室外空気(OA)は、第2熱交換器室(38)へ流入し、凝縮器側の第2吸着熱交換器(52)を通過する。第2吸着熱交換器(52)では、冷媒で加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が空気に付与される。第2吸着熱交換器(52)で加湿された空気は、給気口(22)から調湿装置(10)の外部へ流出して室内へ供給される。
【0074】
〈単純換気運転〉
本実施形態の単純換気運転は、室外空気(OA)をそのまま供給空気(SA)として室内へ供給すると同時に、室内空気(RA)を排出空気(EA)として室外へ排出する。すなわち、単純換気運転では、室内の調湿は行われず、室内の換気だけが行われる。
【0075】
単純換気運転では、図10に示すように、第1バイパス用ダンパ(83)及び第2バイパス用ダンパ(84)が開状態となり、第1内気側ダンパ(41)、第2内気側ダンパ(42)、第1外気側ダンパ(43)、第2外気側ダンパ(44)、第1給気側ダンパ(45)、第2給気側ダンパ(46)、第1排気側ダンパ(47)、及び第2排気側ダンパ(48)が閉状態となる。また、単純換気運転中において、冷媒回路(50)の圧縮機(53)は停止状態となる。
【0076】
単純換気運転では、室外空気(OA)が調湿装置(10)の第1吸込口(24)へ流入する。この空気は、第1バイパス通路(81)から第1バイパス用ダンパ(83)を通って給気ファン室(36)へ流入し、その後に給気口(22)を経由して室内へ供給される。
【0077】
同時に、室内空気(RA)が調湿装置(10)の第2吸込口(23)へ流入する。この空気は、第2バイパス通路(82)から第2バイパス用ダンパ(84)を通って排気ファン室(35)へ流入し、その後に排気口(21)を経由して室外へ排出される。
【0078】
〈臭気成分除去動作〉
図11は、脱臭フィルタで臭気成分を除去する手順を示すフローチャート図、図12は、図12は、開閉ダンパの開閉タイミングを示すグラフ図である。図11に示すように、まず、ステップS101では、開閉ダンパ(19)を開いて脱臭フィルタ(17)を非使用状態とし、続くステップS102に進む。
【0079】
ステップS102では、検出センサ(16)の検出値が所定値以上、すなわち、警戒臭気強度以上(図12参照)であるかを判定する。ステップS102での判定が「YES」の場合には、空気中に臭気成分が含まれていると判断して、ステップS103に分岐する。ステップS102での判定が「NO」の場合には、空気中に臭気成分が含まれていないと判断して、ステップS102の判定を繰り返す。
【0080】
ステップS103では、開閉ダンパ(19)を閉じて脱臭フィルタ(17)を使用状態とし、脱臭フィルタ(17)により空気中の臭気成分を除去して、続くステップS104に進む。
【0081】
ステップS104では、検出センサ(16)の検出値が所定値以下、すなわち、人が感知可能な臭気強度以下(図12参照)であるかを判定する。ステップS104での判定が「YES」の場合には、空気中の臭気成分の除去が完了したと判断して、ステップS105に分岐する。ステップS104での判定が「NO」の場合には、空気中の臭気成分の除去が完了していないと判断して、ステップS104の判定を繰り返す。
【0082】
ステップS105では、開閉ダンパ(19)を開いて脱臭フィルタ(17)を非使用状態とし、続くステップS106に進む。
【0083】
ステップS106では、放電処理装置(60)で生成された活性種を脱臭フィルタ(17)に供給することにより、脱臭フィルタ(17)を再生する。この脱臭フィルタ(17)の再生は、例えば、供給空気(SA)の臭気強度が所定値以下になるまで行い、処理を終了する。
【0084】
以上のように、本実施形態1に係る調湿装置(10)によれば、検出センサ(16)により空中の臭気成分が検出されたときにのみ、開閉ダンパ(19)を閉じて脱臭フィルタ(17)を使用状態とするようにしたから、空気中の臭気成分を脱臭フィルタ(17)で確実に除去することができるとともに、臭気成分を除去する必要がないときには、開閉ダンパ(19)を開いて脱臭フィルタ(17)を非使用状態とすることで、空気を吸込通路(34)内でスムーズに流通させることができ、空気の圧力損失の増大を抑制することができる。
【0085】
なお、本実施形態1では、放電処理装置(60)で生成した活性種を脱臭フィルタ(17)に供給することで、脱臭フィルタ(17)を再生するようにしたが、この形態に限定するものではなく、例えば、脱臭フィルタ(17)にヒータを設けておき、ヒータの発熱によって脱臭フィルタ(17)を再生するようにしても良い。
【0086】
《発明の実施形態2》
図13は、本実施形態2に係る調湿装置における脱臭フィルタの使用状態を示す左側面図、図14は、脱臭フィルタの非使用状態を示す左側面図である。前記実施形態1との違いは、脱臭フィルタ(17)を使用位置と非使用位置とに切り換える切換手段(18)として巻回ローラ(62)を用いるようにした点であるため、以下、実施形態1と同じ部分については同じ符号を付し、相違点についてのみ説明する。
【0087】
図13に示すように、前記ケーシング(11)における第1吸込通路(34)に隣接する位置には、フィルタ収容室(61)が設けられている。このフィルタ収容室(61)と第1吸込通路(34)とは、連通口を介して連通している。
【0088】
前記フィルタ収容室(61)内には、左右方向(図13では紙面と直行する方向)に延びる巻回ローラ(62)と、放電処理装置(60)とが配設されている。巻回ローラ(62)の外周面には、シート状の脱臭フィルタ(17)が巻き付けられている。
【0089】
前記巻回ローラ(62)は、脱臭フィルタ(17)を第1吸込通路(34)内に配置する使用状態と、脱臭フィルタ(17)をフィルタ収容室(61)に収容する非使用状態とに切り換える切換手段(18)を構成している。
【0090】
具体的に、前記検出センサ(16)により室外の空気中に臭気成分が検出された場合には、図13に示すように、巻回ローラ(62)を時計回りに回転させることで、脱臭フィルタ(17)の先端部をフィルタ収容室(61)から送り出して第1吸込通路(34)内に配置させた使用状態に切り換える。これにより、空気中の臭気成分は、脱臭フィルタ(17)を通過する際に除去される。
【0091】
一方、前記検出センサ(16)により室外の空気中に臭気成分が検出されない場合には、図14に示すように、巻回ローラ(62)を反時計回りに回転させることで、脱臭フィルタ(17)を巻き取ってフィルタ収容室(61)に収容させた非使用状態に切り換える。これにより、第1吸込通路(34)を流れる空気は、脱臭フィルタ(17)を通過することなくスムーズに流通するため、空気の圧力損失の増大を抑制することができる。
【0092】
そして、前記フィルタ収容室(61)に収容された脱臭フィルタ(17)に対して、放電処理装置(60)で生成した活性種を供給することで、脱臭フィルタ(17)に付着した臭気成分を活性種により分解除去して、脱臭フィルタ(17)を再生することができる。
【0093】
《発明の実施形態3》
図15は、本実施形態3に係る調湿装置における脱臭フィルタの使用状態を示す平面図、図16は、脱臭フィルタの非使用状態を示す平面図である。前記実施形態1との違いは、脱臭フィルタ(17)を使用位置と非使用位置とに切り換える切換手段(18)として駆動ローラ(65)及び従動ローラ(66)を用いるようにした点であるため、以下、実施形態1と同じ部分については同じ符号を付し、相違点についてのみ説明する。
【0094】
図15に示すように、前記ケーシング(11)における第1吸込通路(34)に隣接する位置には、フィルタ収容室(61)が設けられている。このフィルタ収容室(61)と第1吸込通路(34)とは、連通口を介して連通している。
【0095】
前記フィルタ収容室(61)内には、上下方向(図15では紙面と直行する方向)に延びる駆動ローラ(65)及び従動ローラ(66)と、放電処理装置(60)とが配設されている。フィルタ収容室(61)内には、4つの従動ローラ(66)が配設されている。また、第1吸込通路(34)内の右側端部には、2つの従動ローラ(66)が配設されている。駆動ローラ(65)及び複数の従動ローラ(66)には、無端状のベルトで構成された脱臭フィルタ(17)が巻き掛けられている。
【0096】
前記脱臭フィルタ(17)には、臭気成分を除去可能なフィルタ領域(17a)と、臭気成分を除去しない非フィルタ領域(17b)とが形成されている。図15では、フィルタ領域(17a)を実線で示し、非フィルタ領域(17b)を点線で示している。具体的に、非フィルタ領域(17b)は、フィルタ領域(17a)よりも粗いメッシュ幅で形成されており、非フィルタ領域(17b)を空気がスムーズに通過できるようになっている。これにより、非フィルタ領域(17b)を通過する空気の圧力損失の増大を抑制することができる。
【0097】
前記駆動ローラ(65)及び従動ローラ(66)は、脱臭フィルタ(17)のフィルタ領域(17a)を第1吸込通路(34)内に配置する使用状態と、脱臭フィルタ(17)のフィルタ領域(17b)をフィルタ収容室(61)に収容する非使用状態とに切り換える切換手段(18)を構成している。
【0098】
具体的に、前記検出センサ(16)により室外の空気中に臭気成分が検出された場合には、図15に示すように、駆動ローラ(65)を回転させることで、脱臭フィルタ(17)のフィルタ領域(17a)を第1吸込通路(34)内に配置させた使用状態に切り換える。これにより、これにより、空気中の臭気成分は、脱臭フィルタ(17)を通過する際に除去される。
【0099】
一方、前記検出センサ(16)により室外の空気中に臭気成分が検出されない場合には、図16に示すように、駆動ローラ(65)を回転させることで、脱臭フィルタ(17)のフィルタ領域(17a)をフィルタ収容室(61)に収容させるとともに非フィルタ領域(17b)を吸込通路(34)内に配置させた非使用状態に切り換える。これにより、第1吸込通路(34)を流れる空気は、脱臭フィルタ(17)の非フィルタ領域(17b)をスムーズに流通するため、空気の圧力損失の増大を抑制することができる。
【0100】
そして、前記フィルタ収容室(61)に収容された脱臭フィルタ(17)のフィルタ領域(17a)に対して、放電処理装置(60)で生成した活性種を供給することで、脱臭フィルタ(17)のフィルタ領域(17a)に付着した臭気成分を活性種により分解除去して、脱臭フィルタ(17)を再生することができる。
【0101】
なお、本実施形態3では、駆動ローラ(65)をフィルタ収容室(61)内に配設した構成について説明したが、この形態に限定するものではなく、第1吸込通路(34)内に駆動ローラ(65)を配設するようにしても良い。
【0102】
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0103】
以上説明したように、本発明は、空気中の臭気成分を確実に除去するとともに、空気の圧力損失の増大を抑制することができるという実用性の高い効果が得られることから、きわめて有用で産業上の利用可能性は高い。
【符号の説明】
【0104】
10 調湿装置(換気装置)
16 検出センサ(検出手段)
17 脱臭フィルタ
17a フィルタ領域
17b 非フィルタ領域
18 切換手段
19 開閉ダンパ
33 排気側通路
34 第1吸込通路
60 放電処理装置(放電処理手段)
61 フィルタ収容室
62 巻回ローラ
65 駆動ローラ
66 従動ローラ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
室外の空気を吸込通路(34)を介して室内へ供給するとともに、室内の空気を排気側通路(33)を介して室外へ排出する換気運転を行う換気装置であって、
室外の空気に含まれる臭気成分を検出する検出手段(16)と、
空気中の臭気成分を除去する脱臭フィルタ(17)と、
前記検出手段(16)の検出結果に基づいて、前記脱臭フィルタ(17)を、前記吸込通路(34)を流れる空気中の臭気成分を除去する使用状態と臭気成分を除去しない非使用状態とに切り換える切換手段(18)とを備えたことを特徴とする換気装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記切換手段(18)は、前記吸込通路(34)を遮断又は開通させる開閉ダンパ(19)で構成され、
前記開閉ダンパ(19)の羽根部分は、前記脱臭フィルタ(17)で構成されていることを特徴とする換気装置。
【請求項3】
請求項1において、
前記吸込通路(34)に隣接されたフィルタ収容室(61)を備え、
前記切換手段(18)は、前記フィルタ収容室(61)内に配設された巻回ローラ(62)で構成され、
前記脱臭フィルタ(17)は、前記巻回ローラ(62)の外周面に巻き付け可能に構成され、
前記巻回ローラ(62)は、前記脱臭フィルタ(17)を、該巻回ローラ(62)の外周面への巻き付けが解除されて前記吸込通路(34)内に配置された使用状態と、該巻回ローラ(62)の外周面に巻き付けられて前記フィルタ収容室(61)内に収容された非使用状態とに切り換えるように構成されていることを特徴とする換気装置。
【請求項4】
請求項1において、
前記吸込通路(34)に隣接されたフィルタ収容室(61)を備え、
前記脱臭フィルタ(17)は、臭気成分を除去可能なフィルタ領域(17a)と、通過する空気の圧力損失を抑制可能な非フィルタ領域(17b)とを有する無端状のベルトで構成され、
前記切換手段(18)は、前記フィルタ収容室(61)又は前記吸込通路(34)のうち一方に配設されて前記脱臭フィルタ(17)を巻き掛ける駆動ローラ(65)と、他方に配設されて該脱臭フィルタ(17)を巻き掛ける従動ローラ(66)とを備え、
前記駆動ローラ(65)は、前記脱臭フィルタ(17)を、そのフィルタ領域(17a)が前記吸込通路(34)内に配置された使用状態と、該フィルタ領域(17a)が前記フィルタ収容室(61)内に収容された非使用状態とに切り換えるように構成されていることを特徴とする換気装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のうち何れか1つにおいて、
活性種を生成するように放電が行われるとともに、生成した活性種を前記脱臭フィルタ(17)に対して供給する放電処理手段(60)を備えたことを特徴とする換気装置。
【請求項1】
室外の空気を吸込通路(34)を介して室内へ供給するとともに、室内の空気を排気側通路(33)を介して室外へ排出する換気運転を行う換気装置であって、
室外の空気に含まれる臭気成分を検出する検出手段(16)と、
空気中の臭気成分を除去する脱臭フィルタ(17)と、
前記検出手段(16)の検出結果に基づいて、前記脱臭フィルタ(17)を、前記吸込通路(34)を流れる空気中の臭気成分を除去する使用状態と臭気成分を除去しない非使用状態とに切り換える切換手段(18)とを備えたことを特徴とする換気装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記切換手段(18)は、前記吸込通路(34)を遮断又は開通させる開閉ダンパ(19)で構成され、
前記開閉ダンパ(19)の羽根部分は、前記脱臭フィルタ(17)で構成されていることを特徴とする換気装置。
【請求項3】
請求項1において、
前記吸込通路(34)に隣接されたフィルタ収容室(61)を備え、
前記切換手段(18)は、前記フィルタ収容室(61)内に配設された巻回ローラ(62)で構成され、
前記脱臭フィルタ(17)は、前記巻回ローラ(62)の外周面に巻き付け可能に構成され、
前記巻回ローラ(62)は、前記脱臭フィルタ(17)を、該巻回ローラ(62)の外周面への巻き付けが解除されて前記吸込通路(34)内に配置された使用状態と、該巻回ローラ(62)の外周面に巻き付けられて前記フィルタ収容室(61)内に収容された非使用状態とに切り換えるように構成されていることを特徴とする換気装置。
【請求項4】
請求項1において、
前記吸込通路(34)に隣接されたフィルタ収容室(61)を備え、
前記脱臭フィルタ(17)は、臭気成分を除去可能なフィルタ領域(17a)と、通過する空気の圧力損失を抑制可能な非フィルタ領域(17b)とを有する無端状のベルトで構成され、
前記切換手段(18)は、前記フィルタ収容室(61)又は前記吸込通路(34)のうち一方に配設されて前記脱臭フィルタ(17)を巻き掛ける駆動ローラ(65)と、他方に配設されて該脱臭フィルタ(17)を巻き掛ける従動ローラ(66)とを備え、
前記駆動ローラ(65)は、前記脱臭フィルタ(17)を、そのフィルタ領域(17a)が前記吸込通路(34)内に配置された使用状態と、該フィルタ領域(17a)が前記フィルタ収容室(61)内に収容された非使用状態とに切り換えるように構成されていることを特徴とする換気装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のうち何れか1つにおいて、
活性種を生成するように放電が行われるとともに、生成した活性種を前記脱臭フィルタ(17)に対して供給する放電処理手段(60)を備えたことを特徴とする換気装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2011−2148(P2011−2148A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−145013(P2009−145013)
【出願日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】
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