説明

揮散装置

【課題】吸上芯の挿入を容易としつつ転倒時のこぼれを抑制することができる揮散装置を提供する。
【解決手段】容器体11の口部24に装着されるキャップ32に、内側へ突出して貫通穴31の内径寸法を狭くする細挟部34を形成し、細挟部34の内側に容器体11内に連通する開口部35を形成する。貫通穴31の内径寸法を、貫通穴31の上端から細挟部34へ向かうに従って狭くなるように設定し、細挟部34内側の開口部35の上方外周部に、外周縁より開口部35へ向かうに従って下方に傾斜した上部傾斜面41を形成する。開口部35を、所定数の吸上芯12が挿入できる大きさに設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液状成分を揮散する揮散装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、容器体に収容された芳香液や消臭液等の液状薬剤を揮散する揮散装置が知られている。
【0003】
この揮散装置としては、容器体に複数の吸上芯を挿入し、吸い上げた液状薬剤を、容器体から延出した部分より揮散するいわゆるリードディフューザータイプの揮散装置が知られている。
【0004】
このリードディフューザータイプの揮散装置は、図8に示すように、液状薬剤201を収容した容器体202を備えてなり、該容器体202に設けられた口部203の開口部204には、複数の吸上芯205,・・・が挿入されている。
【0005】
各吸上芯205,・・・は、その基端部が前記容器体202の底部に達するとともに、先端部が前記口部203より上方に延出するように構成されており、前記容器体202に収容された前記液状薬剤201を基端部から吸い上げて先端部より揮散できるように構成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような従来の揮散装置211にあっては、吸上芯205,・・・を挿入する為に容器体202の口部203の開口面積が大きいため、当該容器体202が倒れた際に収容された液状薬剤201がこぼれ易いという問題があった。
【0007】
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、吸上芯の挿入を容易としつつ転倒時のこぼれを抑制することができる揮散装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために本発明の請求項1の揮散装置にあっては、複数の吸上芯を容器体内に連通した開口部に挿入し、前記容器体内の液状薬剤を前記各吸上芯で吸い上げて前記容器体より延出した前記各吸上芯の部位から揮散する揮散装置において、前記開口部の外周部を、該開口部から上方へ向かうに従って外周方向に向けて傾斜する傾斜面で構成し、上方へ向かうに従って拡開する拡開形状に形成した。
【0009】
すなわち、複数の吸上芯が挿入される開口部の外周部は、該開口部から上方へ向かうに従って外周方向に向けて傾斜する傾斜面で構成されており、複数の吸上芯を束ねて前記開口部に挿入する際に、外側に配置された吸上芯が前記開口部外周部の傾斜面に干渉した場合であっても、これらの吸上芯を、前記傾斜面に沿って前記開口部へ案内することができる。このため、前記開口部の開口面積を最小限に抑えることができる。
【0010】
そして、前記開口部の外周部には、該開口部から上方へ向かうに従って外周方向に向けて傾斜する傾斜面で構成されており、前記開口部に挿入された複数の吸上芯は、前記傾斜面側への傾倒が許容される。
【0011】
また、請求項2の揮散装置においては、前記開口部を包囲する細挟部の下側面に下方へ向かうに従って外周方向に向けて傾斜した下部傾斜面を形成し、下方へ向かうに従って拡開する拡開形状を構成した。
【0012】
すなわち、前記開口部の外周部における下部には、下方へ向かうに従って外周方向に向けて傾斜した下部傾斜面を形成されており、下方へ向かうに従って拡開する拡開形状を構成されている。
【0013】
このため、前記開口部に挿入された複数の吸上芯は、前記傾斜面側へ傾倒された状態で、前記下部傾斜面への干渉が防止される。
【0014】
さらに、請求項3の揮散装置では、前記容器体の口部に装着される装着ユニットを、前記口部に装着される筒状のユニット本体と、該ユニット本体内に保持された被保持体とで構成し、該被保持体に前記容器体内部と外部とを連通する貫通穴を設けるとともに、該貫通穴の中途部に幅狭の細挟部を設定し、前記貫通穴の内径寸法が当該貫通穴の端から前記細挟部へ向かうに従って狭くなるように設定して前記細挟部が構成する前記開口部の外周部に前記傾斜面を形成した。
【0015】
すなわち、容器体の口部に装着される装着ユニットは、前記口部に装着される筒状のユニット本体と、該ユニット本体内に保持された被保持体とで構成されており、該被保持体に設けられた貫通穴の中途部には、幅狭の細挟部が設定されている。これにより、前記貫通穴の内径寸法は、その端から前記細挟部へ向かうに従って狭くなるように設定されており、前記細挟部が構成する前記開口部の外周部に前記傾斜面が形成されている。
【0016】
このため、この装着ユニットを、液状薬剤を収容した容器体の口部に装着するだけで、前述した構成を形成することができ、前述した作用を奏することができる。
【0017】
加えて、請求項4の揮散装置にあっては、前記吸上芯を円柱状部材で構成するとともに、前記開口部の開口縁部を、外側へ突出した円弧が複数連続する波形状に形成した。
【0018】
すなわち、前記吸上芯は、円柱状部材で構成されており、前記開口部の開口縁部は、外側へ突出した円弧が複数連続する波形状に形成されている。
【0019】
このため、前記開口部に挿入された状態で外周部に配置される吸上芯は、前記開口縁部に形成された円弧状の円弧部内に配置される。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように本発明の請求項1の揮散装置にあっては、複数の吸上芯を束ねた状態で大まかに前記開口部に合わせてセットするだけで、前記開口部に位置した吸上芯は直接、また前記傾斜面に当接した吸上芯にあっては当該傾斜面でガイドすることによって、前記開口部に挿入することができる。
【0021】
これにより、前記開口部への複数の前記吸上芯の挿入を容易に行うことができる。
【0022】
また、前記傾斜面に当接した吸上芯を前記開口部に案内できることから、前記開口部の開口面積を、前記複数の吸上芯を挿入可能な大きさまで小さくすることができる。
【0023】
これにより、転倒時に前記開口部からこぼれ出る液状薬剤の流出量を抑えることができる。
【0024】
したがって、前記吸上芯の挿入を容易としつつ、転倒時での液状薬剤の不用意なこぼれを抑制することができる。
【0025】
そして、前記開口部の外周部には、前記開口部へ向かうに従って下方に傾斜した傾斜面が形成されており、前記開口部に挿入された複数の吸上芯は、前記傾斜面側への傾倒が許容され、外側へ傾斜することができる。
【0026】
これにより、前記開口部に挿入された複数の吸上芯を放射状に延出することができ、美観を高めることができる。そして、前記吸上芯を放射状に延出することで、前記液状薬剤の揮散範囲を拡大することができる。
【0027】
また、請求項2の揮散装置においては、前記開口部の外周部における下部に下方へ向かうに従って外周方向に向けて傾斜した下部傾斜面を形成されており、下方へ向かうに従って拡開する拡開形状を構成されている。
【0028】
このため、前記開口部に挿入された複数の吸上芯は、前記傾斜面側へ傾倒された状態において、前記下部傾斜面への干渉が防止される。
【0029】
さらに、請求項3の揮散装置では、前記装着ユニットを、液状薬剤を収容した容器体の口部に装着するだけで、前述した構成を形成することができる。これにより、前述した作用効果を奏することができる。
【0030】
そして、前記装着ユニットを、容器体の口部に装着するだけで、前述した構成を形成することができるため、汎用性を高めることができる。
【0031】
さらに、請求項4の揮散装置にあっては、前記開口部に挿入された複数の吸上芯において、外周部に配置された吸上芯を、前記開口縁部に形成された円弧状の円弧部内に配置することができる。
【0032】
これにより、円柱状の吸上芯と開口縁との間に形成される隙間を小さくすることができ、転倒時の液漏れ防止効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の第一の実施の形態を示す説明図である。
【図2】同実施の形態の要部を示す拡大図である。
【図3】実施の形態の開口部を示す平面図である。
【図4】同実施の形態の使用状態を示す説明図である。
【図5】同実施の形態の使用状態を示す図で、(a)は容器体が水平方向に倒れた状態を示す説明図であり、(b)は容器体の口部が下方へ向けて傾斜するように転倒した状態を示す説明図である。
【図6】本発明の第二の実施の形態を示す説明図である。
【図7】本発明の第三の実施の形態を示す説明図である。
【図8】従来の揮散装置を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
(第一の実施の形態)
【0035】
以下、本発明の第一の実施の形態を図に従って説明する。
【0036】
図1は、本実施の形態にかかる揮散装置1を示す図であり、該揮散装置1は、芳香液や消臭液等の液状薬剤2を揮散するものである。
【0037】
この揮散装置1は、前記液状薬剤2を収容した容器体11と、該容器体11に収容された前記液状薬剤2を吸い上げて揮散する複数の吸上芯12,・・・とによって構成されている。
【0038】
前記容器体11は、円形の底面21を備えており、該底面21の周縁からは、円筒状の周壁22が上方へ向けて延出している。該周壁22の上縁からは、中心方向へ向けてショルダー部23が延出しており、該ショルダー部23の中心部には、円筒状の口部24が上方へ向けて延出している。該口部24内径寸法は、前記周壁22の内径寸法より小さな値に設定されており、当該口部24の外周面には、雄ねじ部25が一体形成されている。
【0039】
この口部24には、図2にも示したように、貫通穴31を有した円筒状のキャップ32が装着されており、該キャップ32の内側面には、前記口部24の前記雄ねじ部25に螺合する雌ねじ部33が下部側に一体形成されている。前記キャップ32の上部側には、内側に突出して前記貫通穴31の内径寸法を狭くする細挟部34が形成されており、該細挟部34の内側には、前記容器体11内に連通する円形の開口部35が形成されている。
【0040】
前記貫通穴31の内径寸法は、当該貫通穴31の上端から前記細挟部34へ向かうに従って狭くなるように設定されており、前記細挟部34内側の前記開口部35の上方外周部には、該開口部35から上方へ向かうに従って外周方向に向けて傾斜する上部傾斜面41が形成されている。
【0041】
これにより、上方へ向かうに従って拡開する拡開形状が形成されている。
【0042】
また、前記貫通穴31の内径寸法は、前記細挟部34より下方に位置した前記雌ねじ部33へ向かうに従って広くなるように設定されており、前記開口部35の下方外周部には、当該下方へ向かうに従って外周方向に傾斜した下部傾斜面51が形成されている。
【0043】
これにより、下方へ向かうに従って拡開する拡開形状が形成されている。
【0044】
前記開口部35における内径寸法は、前記吸上芯12,・・・を所定数挿入できる大きさに設定されており、複数の吸上芯12,・・・を挿入できるように構成されている。
【0045】
この開口部35の開口縁部61は、図3に示すように、円周方向に連続して並設された複数の円弧部62,・・・によって形成されており、各円弧部62,・・・は、外周方向へ向けて突出した円弧状に形成されている。これにより、前記開口縁部61は、波形状に形成されている。
【0046】
前記各吸上芯12,・・・は、図1に示したように、葦などの円柱状部材によって構成されており、基端部を前記液状薬剤2に浸した際に当該液状薬剤2を先端まで吸い上げるように構成されている。この吸上芯12,・・・の長さ寸法は、前記容器体11の前記底面21から前記キャップ32の上端までの高さ寸法より十分長い寸法に設定されており、当該吸上芯12,・・・を前記容器体11に挿入し、その基端を前記底面21に接触させた状態において、その先端部が前記キャップ32の上縁より上方へ延出するように構成されている。
【0047】
これにより、所定数の吸上芯12,・・・を、前記キャップ32に形成された前記開口部35に挿入し、その基端部を前記容器体11内の前記液状薬剤2に浸けることによって、該液状薬剤2を前記各吸上芯12,・・・で吸い上げて、前記容器体11より延出した前記各吸上芯12,・・・の先端部から揮散できるように構成されている。
【0048】
そして、図3に示したように、前記キャップ32の前記開口縁部61に形成された前記円弧部62,・・・の内径寸法は、前記吸上芯12,・・・の外形寸法に合わせて設定されており、該吸上芯12を前記円弧部62に合わせた状態で、当該吸上芯12の外周面が前記円弧部62に密着するように構成されている。
【0049】
以上の構成にかかる本実施の形態において、複数の吸上芯12,・・・が挿入されるキャップ32の開口部35の上方外周部は、当該開口部35から上方へ向かうに従って外周方向に向けて傾斜する上部傾斜面41で構成されており、複数の吸上芯12,・・・を束ねて前記開口部35に挿入する際に、外側に配置された吸上芯12,・・・が前記開口部35外周部の前記上部傾斜面41に干渉した場合であっても、これらの吸上芯12,・・・を、前記上部傾斜面41に沿って前記開口部35へ案内することができる。
【0050】
このため、複数の吸上芯12,・・・を束ねた状態で大まかに前記開口部35に合わせてセットするだけで、該開口部35に位置した吸上芯12,・・・は直接、また前記上部傾斜面41に当接した吸上芯12,・・・にあっては当該上部傾斜面41でガイドすることにより、前記開口部35に挿入することができる。
【0051】
これにより、当該開口部35への複数の前記吸上芯12,・・・の挿入を容易に行うことができる。
【0052】
また、前記上部傾斜面41に当接した吸上芯12,・・・を前記開口部35に案内できることから、該開口部35の開口面積を、前記所定数の吸上芯12,・・・を挿入可能な大きさまで小さくすることができる。
【0053】
これにより、図4に示したように、容器体11転倒時に前記開口部35からこぼれ出る液状薬剤2の流出量を抑えることができる。
【0054】
したがって、前記吸上芯12,・・・の挿入を容易としつつ、転倒時での液状薬剤2の不用意なこぼれを抑制することができる。
【0055】
このとき、図5の(a)に示したように、前記容器体11が水平方向に倒れた場合、前記開口部35を挿通した前記吸上芯12は、前記細挟部34の頂点を境とした前記容器体11内側の部位が前記下部傾斜面51の上側に密接する一方、前記容器体11外側の部位が前記上部傾斜面41の下側に密接することとなる。
【0056】
すると、当該吸上芯12は、前記開口部35をさらに閉鎖する効果を発揮し、当該開口部35からの前記液状薬剤2の漏れ防止効果を高めることができる。
【0057】
また、図5の(b)に示したように、前記容器体11の口部24が下方へ向けて傾斜した状態で転倒した場合、前記開口部35を挿通した前記吸上芯12は、前記細挟部34の頂点を境として、前記容器体11内側の部位が前記下部傾斜面51の下側に密接する一方、前記容器体11外側の部位が前記上部傾斜面41の上側に密接することとなる。
【0058】
これによっても、当該吸上芯12は、前記開口部35をさらに閉鎖する効果を発揮し、当該開口部35からの前記液状薬剤2の漏れ防止効果を高めることができる。
【0059】
このように、転倒時における前記液状薬剤2の漏れを抑制することができる。
【0060】
そして、前記開口部35の外周部には、当該開口部35から上方へ向かうに従って外周方向に向けて傾斜する上部傾斜面41が形成されており、前記開口部35に挿入された前記所定数の吸上芯12,・・・は、前記上部傾斜面41側への傾倒が許容される。
【0061】
また、前記開口部35の外周部における下面には、下方へ向かうに従って外周方向に向けて傾斜した下部傾斜面51を形成されており、下方へ向かうに従って拡開する拡開形状を構成されている。
【0062】
このため、前記開口部35に挿入された各吸上芯12,・・・は、前記上部傾斜面41側へ傾倒された状態において、前記下部傾斜面51への干渉が防止される。
【0063】
これにより、前記開口部35に挿入された前記所定数の吸上芯12,・・・を、図1に示したように、放射状に延出することができ、美観を高めることができる。また、前記吸上芯12,・・・を放射状に延出することで、前記液状薬剤2の拡散量を増大することができる。
【0064】
さらに、前記吸上芯12,・・・は、円柱状部材で構成されており、前記開口部35の開口縁部61は、外側へ突出した円弧部62,・・・が複数連続する波形状に形成されている。
【0065】
このため、前記開口部35に挿入された複数の吸上芯12,・・・において、外周部に配置された吸上芯12,・・・を、前記開口縁部61に形成された円弧状の円弧部62,・・・内に配置することができる。
【0066】
これにより、円柱状の吸上芯12,・・・と前記開口縁部61との間に形成される隙間を小さくすることができ、転倒時の液漏れ防止効果を高めることができる。
【0067】
そして、前記開口部35を備えた前記キャップ32を、前記液状薬剤2を収容した容器体11の口部24に螺着するだけで、前述した構成を形成することができる。これにより、前述した作用効果を奏することができる。
【0068】
なお、本実施の形態にあっては、前記キャップ32の内側面において、上部側の中途部に内側に突出した細挟部34を形成し、該細挟部34が構成する前記開口部35より上側に前記上部傾斜面41を形成するとともに、下側に前記下部傾斜面51を形成した場合に付いて説明したが、これに限定されるものではない。
【0069】
(第二の実施の形態)
【0070】
すなわち、図6に示すように、前記細挟部34を、前記雌ねじ部33の直近位置に設定することで、前記キャップ32の内側面に前記開口部35へ向かうに従って下方に傾斜した上部傾斜面41のみを形成しても良く、この場合においても、前述と同様の作用効果を得ることができる。
【0071】
(第三の実施の形態)
【0072】
図7は、本発明の第三の実施の形態に係る揮散装置101を示す図であり、第一の実施の形態と同一又は同等部分に付いては同符号を付して説明を割愛するとともに、異なる部分に付いてのみ説明する。
【0073】
すなわち、この揮散装置101は、前記容器体11の前記口部24に装着される装着ユニット111を備えており、該装着ユニット111は、前記口部24に装着される筒状のユニット本体112と、該ユニット本体112内に保持された被保持体113とで構成されている。
【0074】
前記ユニット本体112の内側面には、前記口部24の前記雄ねじ部25に螺合する雌ねじ部121が下部側に一体形成されており、該雌ねじ部121の上側には、内周面より内側へ向けて延出したリング状の棚部122が一体形成されている。この棚部122の中央には、下部円形穴123が形成されており、前記口部24を介して前記容器体11内に連通するように構成されている。
【0075】
また、前記ユニット本体112の上端部には、上部雌ねじ部131が外周面に形成されており、当該ユニット本体112の上端部にキャップ132を装着できるように構成されている。
【0076】
該キャップ132は、円筒状の胴部141と、該胴部141の上端に形成された天面142とによって構成されている。前記胴部141の内側面には、前記ユニット本体112の前記上部雌ねじ部131と螺合する上部雄ねじ部143が一体形成されており、当該キャップ132を、前記ユニット本体112に螺着できるように構成されている。前記天面142の中央部には、上部円形穴144が開設されており、前記下部円形穴123及び前記口部24を介して、前記容器体11内に連通するように構成されている。
【0077】
このキャップ132の前記天面142と前記ユニット本体112に形成された前記棚部122との間には、収容空間151が形成されており、該収容空間151には、前記非保持体113が収容されている。
【0078】
該被保持体113は、略球形に形成されており、当該被保持体113には、上下に貫通する貫通穴161が形成されている。該貫通穴161の上端は、前記キャップ132に開設された前記上部円形穴144に対向するように構成されており、前記貫通穴161の下端は、前記ユニット本体112に形成された前記下部円形穴123に対向するように構成されている。これにより、前記被保持体113に形成された前記貫通穴161は、前記容器体11の内部と外部とを連通するように構成されている。
【0079】
この貫通穴161の中途部には、内側に突出して幅狭部分を形成する細挟部171が設定されており、該細挟部171の内側には、前記容器体11内に連通する円形の開口部172が形成されている。
【0080】
前記貫通穴161の内径寸法181は、当該貫通穴161の上端から前記細挟部171へ向かうに従って狭くなるように構成されており、前記細挟部171内側の前記開口部172の上方外周部には、外縁部より前記開口部172へ向かうに従って下方に傾斜した上部傾斜面182が形成されている。
【0081】
また、前記貫通穴161の内径寸法181は、前記細挟部171より当該貫通穴161の下端へ向かうに従って広くなるように設定されており、前記開口部172の下方外周部には、下方へ向かうに従って外周方向に傾斜した下部傾斜面191が形成されている。
【0082】
前記開口部172における内径寸法181は、前記吸上芯12,・・・を所定数挿入できる大きさに設定されており、複数の吸上芯12,・・・を挿入できるように構成されている。
【0083】
この開口部172の開口縁部61も、図3に示したように、円周方向に連続して並設された複数の円弧部62,・・・によって形成されており、各円弧部62,・・・は、外周方向へ向けて突出した円弧状に形成されている。これにより、前記開口縁部61は、波形状に形成されている。
【0084】
前記各吸上芯12,・・・は、図1に示したように、葦などの円柱状部材によって構成されており、基端部を前記液状薬剤2に浸した際に当該液状薬剤2を先端まで吸い上げるように構成されている。この吸上芯12,・・・の長さ寸法は、前記容器体11の前記底面21から前記装着ユニット111における前記キャップ132の前記天面142までの高さ寸法より十分長い寸法に設定されており、当該吸上芯12,・・・を前記容器体11に挿入し、その基端を前記底面21に接触させた状態において、その先端部が前記キャップ132の上端より上方へ延出するように構成されている。
【0085】
これにより、所定数の吸上芯12,・・・を、前記装着ユニット111に設けられた前記被保持体113の前記開口部172を介して前記容器体11に挿入し、その基端部を該容器体11内の前記液状薬剤2に浸けることによって、該液状薬剤2を前記各吸上芯12,・・・で吸い上げて、前記装着ユニット111より延出した前記各吸上芯12,・・・の先端部から揮散できるように構成されている。
【0086】
そして、図3に示したように、前記被保持体113の前記開口部172における前記開口縁部61の前記円弧部62,・・・の内径寸法は、前記吸上芯12,・・・の外形寸法に合わせて設定されており、該吸上芯12を前記円弧部62に合わせた状態で、当該吸上芯12の外周面が前記円弧部62に密着するように構成されている。
【0087】
以上の構成にかかる本実施の形態においも、前述した第一の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0088】
これに加えて、前記装着ユニット111を、液状薬剤2を収容した容器体11の口部24に装着するだけで、第一の実施の形態と同様の構成を形成することができ、前述した作用効果を奏することができる。
【0089】
そして、前記装着ユニット111を、前記容器体11の口部24に装着するだけで、前述した構成を形成することができることから、一般的な芳香剤や消臭剤の容器体11の口部24に合わせて前記装着ユニット111を形成することにより、当該装着ユニット111を広範囲に適用することができ、汎用性を高めることができる。
【符号の説明】
【0090】
1 揮散装置
2 液状薬剤
11 容器体
12 吸上芯
24 口部
32 キャップ
35 開口部
41 上部傾斜面
61 開口縁部
62 円弧部
101 揮散装置
111 装着ユニット
112 ユニット本体
113 被保持体
161 貫通穴
171 細挟部
172 開口部
181 内径寸法
182 上部傾斜面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の吸上芯を容器体内に連通した開口部に挿入し、前記容器体内の液状薬剤を前記各吸上芯で吸い上げて前記容器体より延出した前記各吸上芯の部位から揮散する揮散装置において、
前記開口部の外周部を、該開口部から上方へ向かうに従って外周方向に向けて傾斜する傾斜面で構成し、上方へ向かうに従って拡開する拡開形状に形成したことを特徴とする揮散装置。
【請求項2】
前記開口部を包囲する細挟部の下側面に下方へ向かうに従って外周方向に向けて傾斜した下部傾斜面を形成し、下方へ向かうに従って拡開する拡開形状を構成したことを特徴とする請求項1記載の揮散装置。
【請求項3】
前記容器体の口部に装着される装着ユニットを、前記口部に装着される筒状のユニット本体と、該ユニット本体内に保持された被保持体とで構成し、
該被保持体に前記容器体内部と外部とを連通する貫通穴を設けるとともに、該貫通穴の中途部に幅狭の細挟部を設定し、
前記貫通穴の内径寸法が当該貫通穴の端から前記細挟部へ向かうに従って狭くなるように設定して前記細挟部が構成する前記開口部の外周部に前記傾斜面を形成したことを特徴とする請求項1記載の揮散装置。
【請求項4】
前記吸上芯を円柱状部材で構成するとともに、前記開口部の開口縁部を、外側へ突出した円弧が複数連続する波形状に形成したことを特徴とする請求項1、2又は3記載の揮散装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−4867(P2011−4867A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−149911(P2009−149911)
【出願日】平成21年6月24日(2009.6.24)
【出願人】(000102544)エステー株式会社 (127)
【Fターム(参考)】