説明

揮散装置

【課題】吸上芯の挿入を可能としつつ、転倒時のこぼれを抑えることができる揮散装置を提供する。
【解決手段】揮散装置1の容器体11の口部25と、口部25に取り付けられたキャップ32との間に閉鎖部材101を配設し、連通部91の一部を構成する口部25の端部開口部を閉鎖部材101で閉鎖する。閉鎖部材101の中央部に、吸上芯12を挿通する為の挿通部111を設定し、挿通部111を、閉鎖部材101の中心点112から放射状に延出した複数のスリットで構成する。スリットは、吸上芯12の挿入を許容する為に設けられており、長スリット113と短スリット114で構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液状成分を揮散する揮散装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、容器体に収容された芳香液や消臭液等の液状薬剤を揮散する揮散装置が知られている。
【0003】
この揮散装置としては、容器体に複数の吸上芯を挿入し、吸い上げた液状薬剤を、容器体から延出した部分より揮散するいわゆるリードディフューザータイプの揮散装置が知られている。
【0004】
このリードディフューザータイプの揮散装置は、図8に示すように、液状薬剤801を収容した容器体802を備えてなり、該容器体802に設けられた口部803の開口部804には、複数の吸上芯805,・・・が挿入されている。
【0005】
各吸上芯805,・・・は、その基端部が前記容器体802の底部に達するとともに、先端部が前記口部803より上方に延出するように構成されており、前記容器体802に収容された前記液状薬剤801を基端部から吸い上げて先端部より揮散できるように構成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような従来の揮散装置811にあっては、容器体802より延出した吸上芯805,・・・に手などを引っ掛け、当該容器体802を転倒させてしまうことがある。
【0007】
このとき、前記吸上芯805,・・・が挿入される前記容器体802の口部803は、その開口面積が大きめに設定されており、当該容器体802が倒れた際に収容された液状薬剤801が大量にこぼれ出すという問題があった。
【0008】
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、吸上芯の挿入を可能としつつ、転倒時のこぼれを抑えることができる揮散装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために本発明の請求項1の揮散装置にあっては、容器体の内部と外部を連通する連通部に吸上芯を挿入し、前記容器体内の液状薬剤を前記吸上芯で吸い上げて前記容器体より延出した前記吸上芯の部位から揮散する揮散装置において、前記連通部に当該連通部を閉鎖する閉鎖部材を設けるとともに、前記吸上芯の挿入を許容する為のスリットを前記閉鎖部材に設けた。
【0010】
すなわち、容器体の内部と外部を連通する連通部には、当該連通部を閉鎖する閉鎖部材が設けられており、該閉鎖部材には、吸上芯の挿入を許容する為のスリットが設けられている。このため、前記連通部に挿入された吸上芯は、前記スリットにより形成された開口部分を挿通した状態で前記容器体内に挿入される。
【0011】
このとき、前記スリットは、前記吸上芯の太さに応じた開口部を形成し、形成された開口部の外側部分が前記吸上芯の外周面に密着することとなる。このため、前記容器体に設けられた口部の開口部に吸上芯を挿入する場合と比較して、吸上芯の外周部に形成される隙間の開口面積を狭くすることができる。
【0012】
また、請求項2の揮散装置においては、前記スリットを複数設け、各スリットが前記閉鎖部材の中心部から放射状に延出するように配置するとともに、隣接したスリットを異なる長さに設定した。
【0013】
すなわち、複数設けられたスリットは、閉鎖部材の中心部から放射状に延出するように配置されており、このスリットにより形成される開口部に吸上芯を挿通した状態において、当該吸上芯は、前記各スリット間に形成された各小片に包囲された状態で前記中心部に位置決めされる。
【0014】
このとき、前記吸上芯の外周面には、前記スリットの外側部分で構成された前記各小片が密着する。これにより、前記吸上芯の外周部に形成される隙間の開口面積がさらに狭められる。
【0015】
そして、隣接したスリットは、異なる長さに設定されており、隣接する一方のスリットの基端と他方のスリットの基端とを結ぶ可撓線は、両スリット間に形成された小片の長さ方向に対して斜めに延在することとなる。
【0016】
このため、前記可撓線を中心として撓む小片は、その長さ方向、すなわち前記吸上芯が案内される前記中心部方向に対して斜めに傾斜する。これにより、前記閉鎖部材に複数の吸上芯を挿通した場合には、前記各小片に密着する吸上芯は、当該小片の傾斜方向に沿って傾斜する。
【0017】
さらに、請求項3の揮散装置では、前記吸上芯を挿入する際に破断する昜破断線によって前記スリットを形成可能に構成した。
【0018】
すなわち、前記閉鎖部材には、未使用状態において破断前の昜破断線が設けられており、この未使用状態では、前記閉鎖部材で前記連通部が閉鎖された状態が形成される。
【0019】
そして、使用時には、前記吸上芯の挿入動作によって前記昜破断線を破断することで、前記閉鎖部材に前記スリットを形成することができる。
【0020】
加えて、請求項4の揮散装置にあっては、前記容器体に設けられた円筒状の口部で前記連通部を構成し、天面に開口部が開設されたキャップを前記口部に装着するとともに、該口部の端面と前記キャップの前記天面との間に前記閉鎖部材を配置し、前記口部の前記端面と該端面に対向する前記キャップの前記天面とに挟持され両者間をシールするシール部を前記閉鎖部材の周縁部に設定した。
【0021】
すなわち、前記容器体には、円筒状の口部が設けられており、該口部によって前記連通部が形成されている。この口部には、キャップが装着されており、該キャップの天面には、開口部が開設されている。
【0022】
そして、前記口部の端面と前記キャップの前記天面との間には、前記閉鎖部材が配置されており、当該閉鎖部材は、前記口部の前記端面と該端面に対向する前記キャップの前記天面とに挟持された状態で保持される。
【0023】
このとき、前記閉鎖部材の周縁部は、前記口部の前記端面と前記キャップの前記天面とに挟持されるとともに、両者間をシールするシール部が設定されている。このため、前記口部と前記キャップとで前記閉鎖部材を保持した状態で、両者間に生じ得る隙間が塞がれる。
【0024】
また、請求項5の揮散装置においては、前記閉鎖部材を、前記容器体に設けられた開口部に内嵌される筒状の内嵌部と、該内嵌部の端部開口部を閉鎖した閉鎖部と、前記内嵌部の他端より外方へ延出したフランジ部とからなる閉キャップで構成し、前記閉鎖部に前記スリットを設けた。
【0025】
すなわち、前記閉鎖部材は、筒状の内嵌部と、該内嵌部の端部開口部を閉鎖した閉鎖部と、前記内嵌部の他端より外方へ延出したフランジ部とからなる閉キャップで構成されており、前記閉鎖部に前記スリットが設けられている。
【0026】
このため、前記閉キャップを構成する前記円筒部及び前記閉鎖部を、容器体に設けられた開口部に挿入して内嵌することで、当該閉キャップで構成された閉鎖部材は、前記容器体に取り付けられる。
【0027】
このとき、前記スリットは、前記閉鎖部に設けられており、当該閉鎖部は、前記開口部より内側に配置される。このため、容器体転倒時に微量の液状薬剤が漏れた場合であっても、当該液状薬剤は、前記容器体の前記開口部より内側であって前記円筒部内に維持される。
【0028】
さらに、請求項6の揮散装置では、前記吸上芯を複数備えた。
【0029】
これにより、複数の吸上芯の上端部を放射状に広げた状態を形成することができる。
【発明の効果】
【0030】
以上説明したように本発明の請求項1の揮散装置にあっては、連通部に挿入された吸上芯を閉鎖部材のスリットで形成された開口部に挿通して容器体内へ挿入した状態において、前記吸上芯の外周面に、前記スリットで形成された開口部の外側部分を密着させることができる。これにより、前記容器体に設けられた口部の開口部へ吸上芯を挿入する従来と比較して、吸上芯の外周部に形成される隙間の開口面積を狭くすることができる。
【0031】
このため、容器体より延出した吸上芯に手などを引っ掛けて転倒させてしまった場合であっても、当該容器体をすぐに起立させることにより、収容された液状薬剤の漏れを防止することができる。
【0032】
したがって、吸上芯の挿入を可能としつつ、転倒時の液状薬剤のこぼれを防止することができる。
【0033】
また、請求項2の揮散装置においては、複数設けられたスリットが中心部から放射状に延出するように配置することで、閉鎖部材に挿入された吸上芯を、前記各スリット間に形成された各小片で包囲した状態で当該閉鎖部材の中心部に位置決めすることができる。
【0034】
このとき、前記吸上芯の外周面には、スリットの外側部分で構成した前記各片が密着する。このため、前記吸上芯の外周部に形成される隙間の開口面積をさらに狭めることができ、前記液状薬剤の漏れをさらに抑えることができる。
【0035】
そして、隣接したスリットを異なる長さに設定し、両スリットの基端を結ぶ可撓線を、スリット間の小片の長さ方向に対して斜めに延在させることで、当該小片を先端方向に対して斜めに傾斜させることができる。
【0036】
このため、前記閉鎖部材に複数の吸上芯を挿通した場合には、前記各小片に密着する吸上芯を、当該小片の傾きに沿って傾斜させることができる。
【0037】
これにより、前記容器体より延出した各吸上芯の部位を、その先端へ向かうに従って互いに離れ方向に広げることができ、先端部が互いに密着する場合と比較して、前記液状薬剤の揮散効率を高めることができる。
【0038】
さらに、請求項3の揮散装置では、未使用状態における閉鎖部材には破断前の昜破断線が設けられており、当該未使用状態では、前記閉鎖部材で容器体の連通部を閉鎖した状態に維持することができる。
【0039】
このため、搬送時や陳列時での液状薬剤の不用意な漏れを、別部材を用いること無く、防止することができる。
【0040】
そして、使用時には、前記吸上芯の挿入動作によって前記昜破断線を破断することで、前述したスリットを形成することができる。
【0041】
加えて、請求項4の揮散装置にあっては、容器体に設けられた円筒状の口部によって連通部が形成されており、当該口部には、天面に開口部が形成されたキャップが装着されている。この口部の端面と前記キャップの前記天面との間には、前記閉鎖部材が配設されており、当該閉鎖部材を、前記口部の前記端面と該端面に対向する前記キャップの前記天面とで挟持した状態で保持することができる。
【0042】
このとき、前記閉鎖部材の周縁部には、シール部が設定されており、前記口部と前記キャップとで前記閉鎖部材を挟持して保持した状態において、両者間に生じ得る隙間を前記シール部によって塞ぐことができる。
【0043】
これにより、前記口部の端面と前記キャップの天面間に生じ得る隙間からの液状薬剤の漏れを確実に防止することができる。
【0044】
また、請求項5の揮散装置においては、閉キャップを構成する円筒部及び閉鎖部を、容器体に設けられた開口部に挿入して内嵌することで、当該閉キャップで構成された閉鎖部材を容器体に取り付けることができる。
【0045】
このとき、前記スリットは、前記閉鎖部に設けられており、当該閉鎖部は、前記開口部より内側に配置されている。このため、容器体転倒時に微量の液状薬剤が前記スリットから漏れた場合であっても、当該液状薬剤を、前記容器体の前記開口部より内側であって、前記円筒部内に維持することができる。
【0046】
これにより、液状薬剤の外部への漏れを確実に防止することができ、液状薬剤のこぼれに起因した不具合を未然に防止することができる。
【0047】
さらに、請求項6の揮散装置では、複数の吸上芯を放射状に広げた状態を形成することができる。
【0048】
これにより、液状薬剤の揮散量を増大することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の第一の実施の形態を示す説明図である。
【図2】同実施の形態の閉鎖部材を示す拡大図で、(a)は閉鎖部材の平面図であり、(b)が同図(a)のA−A線に沿った断面図である。
【図3】同実施の形態の閉鎖部材のバリエーションを示す図で、(a)は第一のバリエーションを示す平面図であり、(b)は第二のバリエーションを示す平面図である。
【図4】本発明の第二の実施の形態を示す説明図である。
【図5】同実施の形態の閉キャップを示す拡大図で、(a)は閉キャップの平面図であり、(b)が同図(a)のB−B線に沿った断面図である。
【図6】同実施の形態の閉キャップのバリエーションを示す図で、(a)は断面図であり、(b)は使用状態を示す説明図である。
【図7】(a)は、本発明の第三の実施の形態を示す説明図であり、(b)は、本発明の第四の実施の形態を示す説明図である。
【図8】従来の揮散装置を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
(第一の実施の形態)
【0051】
以下、本発明の第一の実施の形態を図に従って説明する。
【0052】
図1は、本実施の形態にかかる揮散装置1を示す図であり、該揮散装置1は、芳香液や消臭液等の液状薬剤2を揮散するものである。
【0053】
この揮散装置1は、前記液状薬剤2を収容した容器体11と、該容器体11に収容された前記液状薬剤2を吸い上げて揮散する複数の吸上芯12,・・・とを備えている。本実施の形態では、複数の吸上芯12,・・・を用いる場合について説明するが、これに限定されるものではなく、単数の吸上芯12を用いても良い。
【0054】
前記容器体11は、矩形状のガラス瓶で構成され、正方形状の底面21を備えている。該底面21の各辺からは矩形状の壁面22,・・・が上方へ向けて延出しており、各壁面22,・・・によって当該容器体11の周壁23が形成されている。該周壁23の上縁は、矩形状の上面24によって連設されており、該上面24の中央部からは、円筒状の口部25が上方へ向けて延出している。
【0055】
該口部25は、当該容器体11内に連通しており、容器体11の内部Iと外部Oとが前記口部25によって連通するように構成されている。この口部25の外周面には、雄ねじ部31が一体形成されており、プラスチック製のキャップ32を取り付けられるように構成されている。
【0056】
該キャップ32は、円筒状の周壁面41と、該周壁面41の上端に設けられた天面42とによって構成されており、前記周壁面41の内側面には、前記口部25の前記雄ねじ部31に螺合する雌ねじ部43が一体形成され、当該キャップ32を前記口部25に螺着できるように構成されている。
【0057】
前記天面42の中央部には、円形の開口部51が開設されており、該開口部51は、前記口部25より小径に形成されている。これにより、前記天面42には、当該キャップ32を前記口部25に螺着した状態で、該口部25の口部端面52と対向する対向部53が前記開口部51の外周部に形成されている。
【0058】
このキャップ32の外周部には、木製の装飾カバー61が取り付けられている。該装飾カバー61は、前記キャップ32の前記周壁面41に外嵌した状態で固定された円筒状の側面62と、該側面62の上端に連設された上端面63とによって構成されており、前記側面62は、その外形寸法が前記上端面63側へ向かうに従って大きくなるように設定されている。該上端面63の中央部には、テーパ穴64が開設されており、該テーパ穴64は、下方へ向かうに従って内径寸法が小さくなるように構成されている。
【0059】
該テーパ穴64の内側には、プラスチック製の保護カバー71が取り付けられており、該保護カバー71は、前記テーパ穴64の内側面に沿って延在する筒状のテーパ部72と、該テーパ部72の下端より側方に延出した鍔部73とによって構成されている。これにより、前記テーパ穴64の内側に前記保護カバー71を取り付けた状態において、前記テーパ部72が前記テーパ穴64の内側面に沿って延在するとともに、前記鍔部73が前記テーパ穴64下端の開口縁部と係合し当該保護カバー71の離脱を防止できるように構成されている。
【0060】
前記装飾カバー61と前記キャップ32との間には隙間81が形成されているとともに、前記装飾カバー61に設けられた前記テーパ穴64と前記キャップ32に設けられた開口部51と前記容器体11の前記口部25とは、直線上に配置されるように構成されている。
【0061】
これにより、前記容器体11の前記口部25と、前記キャップ32の前記開口部51と、前記装飾カバー61及び前記キャップ32間に形成された前記隙間81と、前記装飾カバー61の前記テーパ穴64とによって、前記容器体11の内部Iを外部Oに連通する連通部91が構成されており、この連通部91を介して、複数の前記吸上芯12,・・・を前記容器体11内に挿入できるように構成されている。
【0062】
前記各吸上芯12,・・・は、葦などの円柱状部材によって構成されており、基端部を前記液状薬剤2に浸した際に当該液状薬剤2を先端まで吸い上げられるように構成されている。この吸上芯12,・・・の長さ寸法は、前記容器体11の前記底面21から前記装飾カバー61の前記上端面63までの高さ寸法より十分長い寸法に設定されており、当該吸上芯12を前記容器体11に挿入し、その基端を前記底面21に接触させた状態において、その先端部が前記装飾カバー61の上端面63より上方へ延出するように構成されている。
【0063】
これにより、所定数の吸上芯12,・・・を、前記挿通部91を介して前記容器体11内に挿入するとともに、その基端部を前記容器体11内の前記液状薬剤2に浸けることによって、該液状薬剤2を前記各吸上芯12,・・・で吸い上げて、前記容器体11より延出した前記各吸上芯12,・・・の先端部から揮散できるように構成されている。
【0064】
このとき、前記吸上芯12,・・・が木製の前記装飾カバー61の前記テーパ穴64の内縁に接することがあるが、該テーパ穴64の内側には、プラスチック製の前記保護カバー71が取り付けられており、前記テーパ穴64の内側面は、前記保護カバー71の前記テーパ部72で覆われている。このため、前記吸上芯12,・・・と前記装飾カバー61との直接接触を防止することができ、前記吸上芯12,・・・で吸い上げられた前記液状薬剤2が木製の前記装飾カバー61に染みこむ現象を防止することができる。
【0065】
そして、前記容器体11の前記口部25と該口部25に取り付けられた前記キャップ32との間には、閉鎖部材101が配設されており、前記連通部91の一部を構成する前記口部25の端部開口部は、前記閉鎖部材101によって閉鎖されるように構成されている。
【0066】
前記閉鎖部材101は、図2にも示すように、ポリエチレンが発泡されてなるポリエチレンフォームまたはエラストマーによって円板状に形成されており、所定の肉厚を有している。
【0067】
この閉鎖部材101の中央部には、前記吸上芯12,・・・を挿通する為の挿通部111が設定されており、該挿通部111は、当該閉鎖部材101の中心点112から放射状に延出した複数のスリットによって構成されている。このスリットは、前記吸上芯12,・・・の挿入を許容する為に設けられており、長さ寸法の長い長スリット113と、該長スリット113より長さ寸法の短い短スリット114とによって構成されている。
【0068】
隣接したスリット113,114は、周方向に22.5度おきに配置されており、前記挿通部111は、十六本の各スリット113,・・・,114,・・・とによって構成されている。前記長スリット113と前記短スリット114とは、前記中心点112を中心とした周方向に交互に配置されており、隣接したスリット113,114が異なる長さ寸法となるように設定されている。
【0069】
このとき、隣接した長スリット113の基端と短スリット114の基端とを結ぶ可撓線121を想定した場合(図2中破線で図示)、当該可撓線121は、両スリット113,114間に形成された三角形状の小片122の長さ方向に対して斜めに延在するように構成されている。
【0070】
これにより、前記吸上芯12挿入時に前記可撓線121を中心として撓む前記小片122は、その長さ方向、すなわち前記吸上芯12が案内される中心部方向に対して斜めに傾斜し、前記閉鎖部材101に複数の吸上芯12,・・・を挿通した状態において、前記各小片122,・・・に密着する吸上芯12,・・・は、対応した小片122の傾斜方向に沿って傾斜するように構成されている。
【0071】
前記閉鎖部材101の周縁部、すなわち前記各スリット113,・・・,114,・・・で構成された挿通部111の外周部には、シール部131が全周に渡って形成されており、前記各スリット113,・・・,114,・・・は、前記シール部131に達しないように構成されている。
【0072】
このシール部131は、当該閉鎖部材101を前記容器体11の前記口部25の口部端面52と前記キャップ32の前記天面42との間に配置した状態で、前記口部端面52と該口部端面52に対向した前記キャップ32の前記天面42とに挟持されるように構成されており、前記キャップ32を前記口部25に螺入することで、前記口部端面52と前記天面42に設定された前記対向部53とに密着して両者52,53間をシールできるように構成されている。
【0073】
この閉鎖部材101の上面側には、図2の(b)に示すように、ポリエチレンフィルムがラミネートされて表皮層141が形成されており、当該閉鎖部材101は、上面側を構成する薄肉の表皮層141と、該表皮層141の下側に形成された厚肉の発泡層142とによって構成されている。
【0074】
ここで、本実施の形態では、前記発泡層142上にポリエチレンフィルムをラミネートして表皮層141を形成した場合に付いて説明したが、これに限定されるものではなく、例えばフィルムをラミネートしたり、アルミフィルムをラミネートしても良い。
【0075】
前記各スリット113,・・・,114,・・・は、前記発泡層142に形成されており、各スリット113,・・・、114,・・・両脇の発泡層142で構成された側壁が密着することで、各スリット113,・・・,114,・・・は閉塞されている。また、前記表皮層141においては、当該表皮層141形成時において、前記各スリット113,・・・,114,・・・が閉鎖されており、前記各スリット113,・・・,114,・・・に沿った部位には、溝が没入形成されている。
【0076】
これらの溝によって前記表皮層141には、薄肉部が前記各スリット113,・・・,114,・・・上の部位に形成されており、前記吸上芯12を当該閉鎖部材101に挿入して貫通する際に容易に破断する昜破断線151が前記各溝によって形成されている。これにより、前記各昜破断線151,・・・を破断することで、前記各スリット113,・・・,114,・・・を前記表皮層141にも形成できるように構成されている。
【0077】
以上の構成にかかる本実施の形態において、容器体11の内部Iと外部Oを連通する連通部91には、当該連通部91を閉鎖する閉鎖部材101が設けられており、該閉鎖部材101には、吸上芯12,・・・の挿入を許容する為のスリット113,・・・,114,・・・が設けられている。このため、前記連通部91に挿入された吸上芯12,・・・は、前記スリット113,・・・,114,・・・で形成された開口部分を挿通した状態で前記容器体11内に挿入される。
【0078】
このとき、前記スリット113,・・・,114,・・・は、挿通される吸上芯12の太さに応じた開口部を形成し、形成された開口部の外側部分が前記吸上芯12の外周面に密着することとなる。
【0079】
このように、前記連通部91に挿入された前記吸上芯12,・・・を前記閉鎖部材101の各スリット113,・・・,114,・・・で形成された開口部に挿通して容器体11内へ挿入した状態において、前記吸上芯12,・・・の外周面に、前記スリット113,・・・,114,・・・で形成された開口部の外側部分を密着させることができる。
【0080】
これにより、前記容器体11に設けられた口部25の開口部へ吸上芯12を挿入する従来と比較して、吸上芯12の外周部に形成される隙間の開口面積を狭くすることができる。
【0081】
このため、前記容器体11より延出した前記吸上芯12,・・・に手などを引っ掛けて転倒させてしまった場合であっても、当該容器体11をすぐに起立させることによって、収容された液状薬剤2の漏れを防止することができる。
【0082】
したがって、吸上芯12,・・・の挿入を可能としつつ、転倒時の液状薬剤2のこぼれを防止することができる。
【0083】
このとき、前記閉鎖部材101の上部は、前記装飾カバー61で覆われており、該装飾カバー61の内側には、前記隙間81が形成されている。このため、容器体11転倒時に微量の液状薬剤2が前記スリット113,・・・114,・・・から漏れた場合であっても、当該液状薬剤2を、前記装飾カバー61の内側の前記隙間81に維持することができるとともに、木製装飾カバー61の内側面に吸収させることができる。
【0084】
これにより、液状薬剤2の外部への漏れを確実に防止することができる。
【0085】
また、複数設けられた前記各スリット113,・・・,114,・・・は、前記閉鎖部材101の中心点112から放射状に延出するように配置されており、前記各スリット113,・・・,114,・・・により形成される開口部に前記吸上芯12,・・・を挿通した状態において、当該吸上芯12,・・・を、前記各スリット113,・・・,114,・・・間に形成された各小片122,・・・で包囲した状態で、前記閉鎖部材101の中心部に位置決めすることができる。
【0086】
このとき、前記吸上芯12,・・・の外周面には、前記各スリット113,・・・,114,・・・の外側部分で構成された前記各小片122,・・・の先端部が密着する。これにより、前記吸上芯12,・・・の外周部に形成される隙間の開口面積をさらに狭くすることができ、前記液状薬剤2の漏れをさらに抑えることができる。
【0087】
そして、隣接したスリット113,・・・,114,・・・は、異なる長さに設定されており、隣接する一方のスリット113の基端と他方のスリット114の基端とを結ぶ可撓線121は、両スリット113,114間に形成された小片122の長さ方向に対して斜めに延在する。これにより、この可撓線121を中心として撓む前記小片122を、その長さ方向、すなわち前記吸上芯12,・・・が案内された中心方向に対して斜めに傾斜させることができる。
【0088】
これにより、前記閉鎖部材101に複数の吸上芯12,・・・を挿通した状態において、前記各小片122,・・・に密着する吸上芯12,・・・を、当該小片122の傾斜方向に沿って傾斜させることができる。
【0089】
よって、前記容器体11より延出した各吸上芯12,・・・の部位を、その先端へ向かうに従って互いに離れ方向に広げることができ、先端部が互いに密着する場合と比較して、前記液状薬剤2の揮散効率を高めることができる。
【0090】
そして、前記閉鎖部材101の表皮層141には、未使用状態において破断前の昜破断線151,・・・が設けられており、この未使用状態では、前記閉鎖部材101で前記連通部91を閉鎖された状態に維持することができる。
【0091】
このため、搬送時や陳列時での液状薬剤2の不用意な漏れを、別部材を用いること無く、防止することができる。
【0092】
そして、使用時には、前記吸上芯12,・・・の挿入動作によって、前記昜破断線151,・・・を破断することで、前述したスリット113,・・・,114,・・・を形成することができる。
【0093】
また、前記容器体11には、円筒状の口部25が設けられており、該口部25によって前記連通部91の一部が形成されている。この口部25には、キャップ32が装着されており、該キャップ32の天面42には、開口部51が開設されている。
【0094】
そして、前記口部25の口部端面52と前記キャップ32の前記天面42との間には、前記閉鎖部材101が配置されており、当該閉鎖部材101を、前記口部端面52と該口部端面52に対向する前記天面42の対向部53とで挟持した状態で保持することができる。
【0095】
このとき、前記閉鎖部材101の周縁部には、シール部131が設定されており、前記口部25と前記キャップ32とで前記閉鎖部材101を挟持して保持した状態において、前記口部端面52と前記天面42の対向部53との間に生じ得る隙間を前記シール部131によって塞ぐことができる。
【0096】
これにより、前記口部端面52と前記天面42の前記対向部53間に生じ得る隙間からの前記液状薬剤2の漏れを確実に防止することができる。
【0097】
なお、本実施の形態では、図2に示した閉鎖部材101を用いた場合に付いて説明したが、これに限定されるものでは無い。
【0098】
すなわち、図3は、前記閉鎖部材101のバリエーションを示す図であり、図3の(a)には、前記挿通部111を構成する各スリット113,・・・,114,・・・の中央部に挿通穴301が開設された閉鎖部材が101aが示されている。
【0099】
この場合、当該閉鎖部材101aへの複数の吸上芯12,・・・の挿入作業を容易に行うことができる。
【0100】
また、図3の(b)には、前記挿通穴301の開口縁部が、前記吸上芯12,・・・の外形形状と合致する複数の円弧部311,・・・で形成された閉鎖部材が101bが示されている。
【0101】
この場合、前記挿通穴301に挿入された前記吸上芯12,・・・の外周面が前記円弧部311,・・・に面接することで、前記液状薬剤2の漏れをより確実に防止することができる。
【0102】
また、本実施の形態では、前記発泡層142上にポリエチレンフィルムをラミネートして表皮層141を形成した場合に付いて説明したが、これに限定されるものではなく、前記発泡層142の上面に熱を加えて薄肉の表皮層141を形成したり、前記発布層142の両面に表皮層を形成したり、あるいは、表皮層141を備えないものであっても良い。
【0103】
(第二の実施の形態)
【0104】
図4及び図5は、本発明の第二の実施の形態に係る揮散装置201を示す図であり、第一の実施の形態と同一又は同等部分に付いては同符号を付して説明を割愛するとともに、異なる部分に付いてのみ説明する。
【0105】
すなわち、本実施の形態にかかる揮散装置201では、前記連通部91に設けられた閉鎖部材が第一の実施の形態と異なる形状に形成されている。
【0106】
この閉鎖部材は、前記容器体11の口部25に装着された閉キャップ211によって構成されており、前記連通部91の一部を構成する前記口部25は、前記閉キャップ211によって閉鎖されている。
【0107】
前記閉キャップ211は、プラスチックで形成されており、当該閉キャップ211は、図5にも示すように、円筒状の内嵌部221と、該内嵌部221の下方開口部を閉鎖した閉鎖部222と、前記内嵌部221の上端より外方へ延出したフランジ部223とによって構成されている。前記内嵌部221は、前記口部25の端部開口部から当該口部25内に挿入されるように構成されており、当該口部25内に内嵌する外形寸法に設定されている。
【0108】
前記閉鎖部222の中央部には、図5の(a)に示したように、前記吸上芯12,・・・を挿通する為の挿通部231が設定されており、該挿通部231は、当該閉鎖部222の中心点232から放射状に延出した複数のスリット233,・・・によって構成されている。
【0109】
なお、本実施の形態では、前記各スリット233,・・・が同寸法に設定されている場合を一例として示すが、第一の実施の形態に示したように、隣接したスリット233,233が異なる寸法となるように設定することで、第一の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0110】
前記各スリット233,・・・は、前記吸上芯12,・・・の挿入を許容する為に設けられており、隣接したスリット233,233間には、三角形状の小片240が形成されるように構成されている。
【0111】
この閉キャップ211は、コンプレッション成型(プレス成型)、トランスファー成型(注入式成型)または射出成型等で形成されており、形成時には、図5の(b)に示すように、前記スリット233,・・・を形成する為の溝が放射状に形成されている。
【0112】
これにより、前記閉鎖部222の上面には、前記吸上芯12,・・・を当該閉鎖部222に挿入して貫通する際に容易に破断する昜破断線241,・・・が前記各溝によって形成されており、使用時に前記各昜破断線241,・・・を破断することで、前記各スリット233,・・・を当該閉鎖部222に形成できるように構成されている。
【0113】
以上の構成にかかる本実施の形態においても、第一の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0114】
そして、本実施の形態では、前記閉鎖部材が、筒状の内嵌部221と、該内嵌部221の下方開口部を閉鎖した閉鎖部222と、前記内嵌部221の上端より外方へ延出したフランジ部223とからなる閉キャップ211で構成されており、前記閉鎖部222に前記スリット233,・・・が設けられている。
【0115】
このため、前記閉キャップ211を構成する前記内嵌部221及び前記閉鎖部222を、前記容器体11の口部25の端部開口部に挿入して内嵌することで、当該閉キャップ211で構成された閉鎖部材を前記容器体11に取り付けることができる。
【0116】
このとき、前記スリット233,・・・は、前記閉鎖部222に設けられており、当該閉鎖部222は、前記口部25の端部開口部より内側に配置される。このため、容器体11転倒時に微量の液状薬剤2が前記スリット233,・・・から漏れた場合であっても、当該液状薬剤2を、前記口部25の端部開口部より内側であって、前記内嵌部221内に維持することができる。
【0117】
これにより、液状薬剤2の外部への漏れを確実に防止することができ、液状薬剤2のこぼれに起因した不具合を未然に防止することができる。
【0118】
このとき、前記閉キャップ211の内嵌部221の内周面に、図6の(a)に示すように、内周面に沿って延在する一対の凸条401,401を離間して設けておけば、図6の(b)に示すように、容器体11転倒時に微量の液状薬剤2が前記スリット233,・・・から漏れた場合であっても、当該液状薬剤2を、前記口部25の端部開口部より内側であって、前記内嵌部221内に維持し、かつ前記両凸条401,401を堰として利用することができる。
【0119】
これにより、液状薬剤2を維持する効果が高まるため、液状薬剤2の外部への漏れをさらに確実に防止することができ、液状薬剤2のこぼれに起因した不具合を確実に防止することができる。
【0120】
なお、各実施の形態では、前記スリット113,114,233を複数設け、各スリット113,114,233が閉鎖部材101又は閉鎖部222の中心部から放射状に延出するように配置するとともに、第一の実施の形態では、隣接したスリット113,114を異なる長さに設定した場合を例に挙げて説明したが、本願発明はこれらの構成に限定されるものではない。
【0121】
また、前記各スリット113,114,233は、昜破断線151,241が破断されることで形成される場合を例に挙げて説明したが、本願発明は、この構造に限定されるものではない。
【0122】
さらに、前記閉鎖部材101又は前記閉キャップ211の閉鎖部222は、前記容器体11の内部Iと外部Oを連通する連通部91のいずれかに設ければ、前述した効果を得ることができる。
【0123】
(第三の実施の形態)
【0124】
図7の(a)は、本発明の第三の実施の形態に係る揮散装置501を示す図であり、第一の実施の形態と同一又は同等部分に付いては同符号を付して説明を割愛するとともに、異なる部分に付いてのみ説明する。
【0125】
すなわち、前記液状薬剤2を吸い上げる吸上芯が単一の太い吸上芯511によって構成されており、当該吸上芯511の上端部には、大径の揮散部512が一体形成されている。
【0126】
前記吸上芯511及び前記揮散部512は、天然木で構成されており、前記液状薬剤2を前記揮散部512まで吸い上げて揮散できるように構成されている。
【0127】
このような構成であっても、前述した効果を得ることができる。
【0128】
(第四の実施の形態)
【0129】
図7の(b)は、本発明の第四の実施の形態に係る揮散装置601を示す図であり、第三の実施の形態と同一又は同等部分に付いては同符号を付して説明を割愛するとともに、異なる部分に付いてのみ説明する。
【0130】
すなわち、前記吸上芯511と前記揮散部512とが別体で構成されており、前記吸上芯511の上端部に前記揮散部512が外嵌した状態で固定されている。
【0131】
このような構成であっても、前述した効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0132】
1 揮散装置
2 液状薬剤
11 容器体
12 吸上芯
25 口部
32 キャップ
42 天面
51 開口部
52 口部端面
91 連通部
101 閉鎖部材
112 中心点
113 長スリット
114 短スリット
131 シール部
151 昜破断部
201 揮散装置
211 閉キャップ
221 内嵌部
222 閉鎖部
223 フランジ部
241 昜破断部
501 揮散装置
601 揮散装置
I 内部
O 外部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器体の内部と外部を連通する連通部に吸上芯を挿入し、前記容器体内の液状薬剤を前記吸上芯で吸い上げて前記容器体より延出した前記吸上芯の部位から揮散する揮散装置において、
前記連通部に当該連通部を閉鎖する閉鎖部材を設けるとともに、前記吸上芯の挿入を許容する為のスリットを前記閉鎖部材に設けたことを特徴とする揮散装置。
【請求項2】
前記スリットを複数設け、各スリットが前記閉鎖部材の中心部から放射状に延出するように配置するとともに、隣接したスリットを異なる長さに設定したことを特徴とする請求項1記載の揮散装置。
【請求項3】
前記吸上芯を挿入する際に破断する昜破断線によって前記スリットを形成可能に構成したことを特徴とする請求項1又は2記載の揮散装置。
【請求項4】
前記容器体に設けられた円筒状の口部で前記連通部を構成し、天面に開口部が開設されたキャップを前記口部に装着するとともに、該口部の端面と前記キャップの前記天面との間に前記閉鎖部材を配置し、前記口部の前記端面と該端面に対向する前記キャップの前記天面とに挟持され両者間をシールするシール部を前記閉鎖部材の周縁部に設定したことを特徴とする請求項1、2又は3記載の揮散装置。
【請求項5】
前記閉鎖部材を、前記容器体に設けられた開口部に内嵌される筒状の内嵌部と、該内嵌部の端部開口部を閉鎖した閉鎖部と、前記内嵌部の他端より外方へ延出したフランジ部とからなる閉キャップで構成し、前記閉鎖部に前記スリットを設けたことを特徴とする請求項1、2又は3記載の揮散装置。
【請求項6】
前記吸上芯を複数備えたことを特徴とする1から5にいずれか記載の揮散装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−45268(P2012−45268A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−191938(P2010−191938)
【出願日】平成22年8月30日(2010.8.30)
【出願人】(000102544)エステー株式会社 (127)
【Fターム(参考)】