揮発性物質ディスペンサを制御するための装置
揮発性物質ディスペンサは、吐出端部を備える傾斜作動式バルブステムを含む容器を受けるように適合された、筺体を含む。バルブステムの吐出端部は、筺体の吐出孔と流体連通するように適合されている。筺体内には、駆動ユニットが配置されており、駆動ユニットは、容器本体に横断方向の運動を与えるように適合された、バイメタルアクチュエータ、ピエゾリニアモータ、電子応答性ワイヤ、又は、ソレノイドを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照 該当なし
【0002】
連邦政府による資金提供を受けた研究開発の記載 該当なし
【0003】
配列リスト 該当なし
【0004】
本開示は、一般的に、噴霧装置から流体を吐出させることに関し、より詳細には、加圧エアゾール容器から流体を吐出させる装置に関する。
【背景技術】
【0005】
エアゾール容器は、一般に、芳香剤、消臭剤、殺虫剤、殺菌剤、うっ血除去薬、香水などといった揮発性物質を貯蔵し、分注(dispense)するのに使用される。揮発性物質は、典型的には、容器内で液体として圧縮された状態で貯蔵される。容器に備わるバルブ組立品(valve assembly)は、容器内に含まれる揮発性物質の放出を制御する。バルブ組立品は、一般にバルブステム(valve stem)を含み、バルブ組立品を作動させ、又は開くことにより、揮発性物質は、バルブステムを通って容器から流出する。詳細には、バルブ組立品に対するバルブステムの変位により、バルブ組立品が作動されて、揮発性物質が容器から放出される。バルブステムは、バルブ組立品の長手方向軸に沿って、すなわち軸方向に変位されてもよく、バルブ組立品の長手方向軸を横切る方向に、すなわち、半径方向に傾けられて、又は変位されてもよい。
【0006】
バルブ組立品の作動は、自動化システムによって、又は、手動操作で行われ得る。手動操作での作動に際して、ユーザは、所望の放出を達成するために、必要に応じて、バルブステムに加えられる作動力を調整できる。したがって、手動式のバルブ組立品の設計にとっては、加えられる力の要件を考慮することは、一般にあまり重要ではない。従来の自動化システムは、下向きの圧力を加え、バルブステムを押し下げ、容器内でバルブ組立品を開くモータ駆動のリンク機構を含んでもよい。通常、これらの作動機構は扱いにくく、単独で、且つ/又は、手で持った状態で使用可能に適応させるのは容易ではない。更に、これらの作動機構の多くは、大量に電力を消費する。一般に、傾斜作動式バルブステムを有するバルブ組立品は、垂直作動式バルブステムを有するバルブより、作動のための力が少なくて済む。より小さい作動力で済むバルブ組立品は、作動用電力がより少なく済むため、有利である。電力消費が低減されれば、より長期間の電源寿命が可能になる。また、より小さい作動力は、より簡単で、小型で、且つ/又は、安くつく自動化システムを可能にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
傾斜作動式バルブ組立品のための既存の自動化作動システムは、複雑で、嵩張るモータ歯車機構を利用し、電力消費を十分に低減できない。改善された電源及び駆動ユニットの使用、様々な作動選択肢の追加、サイズ縮小、効率性及び信頼性の向上など、既存の作動システムに優る操作性及び機能性の改善が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態によれば、揮発性物質ディスペンサは、吐出端部を備える傾斜作動式バルブステムを含む容器を、受けるように適合された、筺体を含む。バルブステムの吐出端部は、筺体の吐出孔と流体連通するように適合されている。筺体内には、駆動ユニットが配置されており、駆動ユニットは、容器本体に横断方向の運動を与えるように適合された、バイメタルアクチュエータ、ピエゾリニアモータ、電子応答性ワイヤ、又は、ソレノイドを含む。
【0009】
別の実施形態において、揮発性物質ディスペンサは、傾斜作動式バルブステムを有する容器を、受けるように適合された、筺体を含む。筺体は、吐出孔を含む。バルブステムの一部分に分注部材が配置されるように適合されており、分注部材は、バルブステムを十分に動かないように固定し、バルブステムを吐出孔と流体連通するように設置する。筺体内には、駆動ユニットが配置されており、駆動ユニットは、容器本体に横断方向の運動を与えるように適合された、バイメタルアクチュエータ、ピエゾリニアモータ、電子応答性ワイヤ、又は、ソレノイドを含む。
【0010】
別の一実施形態において、揮発性物質ディスペンサは、傾斜作動式バルブステムを有する容器を受けるように適合された筺体を含む。筺体は、吐出孔及び保持構造を含む。吐出孔は、バルブステムを受けるように適合されており、保持構造は、容器の上部を保持するように適合されている。筺体内には、駆動ユニットが配置されており、駆動ユニットは、バルブステムを作動させるために容器の下部と係合するように適合されている。
【0011】
本発明の他の態様及び利点は、以下の詳細な説明を考察すれば明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】作動装置の一実施形態を示す等角図である。
【図2】図1の作動装置を示す平面図である。
【図3】作動装置の上部が取り外されていることを除いて、図2と類似の作動装置を示す図である。
【図4A】一実施形態による駆動ユニットの作動前位置を明確に示すために、切断面の背後の装置の各部分を除去し、容器及び容器を保持する構造を示す、図2の断面線4−4に沿って切り取られた部分断面図である。
【図4B】駆動ユニットが作動後位置にあることを除いて、図4Aと類似の図である。
【図5】第2の実施形態の容器を保持する構造を示す拡大切断図である。
【図6】図5の構造の平面図である。
【図7】第1の操作順序による図1〜6の作動装置の動作を示すタイミング図である。
【図8】異なる駆動ユニットが設けられていることを除いて、図4Bに示す図と類似である、第2の実施形態の作動装置を示す図である。
【図9A】異なる駆動ユニットが設けられていることを除いて、図4Aに示す図と類似である、第3の実施形態の作動装置を示す図である。
【図9B】異なる駆動ユニットが設けられていることを除いて、図4Bに示す図と類似である、第3の実施形態の作動装置を示す図である。
【図10A】異なる駆動ユニットが示されていることを除いて、図4Aに示す図と類似である、第4の実施形態の作動装置を示す図である。
【図10B】異なる駆動ユニットが示されていることを除いて、図4Bに示す図と類似である、第4の実施形態の作動装置を示す図である。
【図11A】駆動ユニットが異なることを除いて、図4Aに示す図と類似である、第5の実施形態の作動装置を示す図である。
【図11B】駆動ユニットが異なることを除いて、図4Bに示す図と類似である、第5の実施形態の作動装置を示す図である。
【図12】第3の実施形態の容器を保持する構造、及び、異なる駆動ユニットを含む、図4Aに示す図と類似である、第6の実施形態の作動装置を示す図である。
【図13】駆動ユニットの様々な位置、及び、向きが示されている、図4Aに示す図と類似の図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1〜3に、通常のエアゾール容器24を保持するように適合された、全体として円筒形の筺体22を有する、ディスペンサ又は作動装置20を示す。筺体22は、基部26、及び、上部28を含む。基部26と上部28との間には、側壁30が延在しており、基部26に近接した側壁30上には、押しボタン32が配置されている。筺体22を挟んで押しボタン32のほぼ反対側の内部には、円筒形ロッド34(図3、4A、4B参照)が設けられている。
【0014】
筺体22の上壁36は凸形であり、円形の周縁部38で境界付けられている。上壁36内には、その中心からずれた位置に、円形の吐出孔40が配置されている。吐出孔40の周囲には、内側に行くに従って先細となる壁42が、作動装置20の内部に向かって下方に延びている。吐出孔40と周縁部38との間には、湾曲した溝44が配置されている。溝44は、矩形の切欠き48が設けられた、平坦な底部46を含む。また、溝44と周縁部38との間にも、開口50が設けられている。開口50内には、締り嵌めによって、光透過性ロッド52が保持されている。作動装置20の長手方向軸54は、筺体22の基部26から上方に延在している(図1参照)。
【0015】
他の実施形態では、筺体22は、立方体、角錐、円錐、他の任意の対称又は非対称の形状など、他の形状を取ってもよい。更に、筺体22の側壁30及び上壁36は、連続している必要はなく、任意の数のギャップ又は開口を更に含んでもよい。一例では、筺体2は、容器24を部分的に又は完全に外接し、本明細書で開示する作動装置20の様々な構成部品のための支持構造を提供する、フレーム構造を備える。本明細書で説明する原理を逸脱することなく、当業者には明らかであるはずの筺体22の別の実施形態が用いられてもよい。
【0016】
作動装置20は、特定の条件が発生すると、容器24から流体を吐出する。条件は、作動装置20の手動作動、又は、タイマ又はセンサからの電気信号に応答した作動装置20の自動作動であってもよい。吐出される流体は、キャリア液に配合された芳香剤又は殺虫剤、脱臭液などであってもよい。また、流体は、殺菌剤、芳香剤、臭気除去剤、カビ又は菌類防止剤、昆虫忌避剤など、及び/又はアロマテラピーの効能を有するもの、といった他の有効成分を含んでいてもよい。流体は、あるいは、容器から分注され得る、当業者に周知の任意の流体を含む。したがって、作動装置20は、任意の数の異なる流体調合物を分注するように適合されている。
【0017】
容器24は、当業者に周知である、任意のサイズ及び容積のエアゾール容器であってよい。例えば、エアゾール容器には、米国ウィスコンシン州ラシーン所在のS.C.Johnson and Son,Inc.(「S.C.Johnson」)製のOust(登録商標)ブランドの小型容器といった小型エアゾール容器や、同じくS.C.Johnson社製の、Oust(登録商標)ブランドの空気殺菌剤、又は、Glade(登録商標)ブランドのエアゾールスプレーといった標準サイズの容器が含まれ得る。本実施形態では、容器24は、容器24の上端部60にマウンティングカップ(mounting cup)58が圧着されている本体56(図3、図4A、及び図4B参照)を備える。マウンティングカップ58は、全体として円筒形の形状であり、マウンティングカップ58の上部に近接するアンダーカット62を特徴付けている。加えて、マウンティングカップ58は、マウンティングカップ58の中央部から上方に延在する台座(pedestal)64(図3参照)も含む。容器24内のバルブ組立品(不図示)は、台座64から上方に延在するバルブステム66を含む。バルブステム66は、参照によりその全文が本明細書に組み込まれる米国特許第4068782号明細書に記載のものと類似の、傾斜作動式のものである。バルブステム66の末端部68が、容器24の長手方向軸54から十分に離して傾けられる、すなわち、使用可能又は作動位置になると、バルブ組立品は開かれ、容器24の内容物は、バルブステム66の吐出孔又は端部70を通って吐出される。容器24の内容物は、連続して又は一定量ずつ吐出されてもよい。更に、容器24の内容物の吐出は、何通りのやり方で実施されてもよく、例えば、吐出方法には、部分定量や複数回の連続吐出などが含まれる。
【0018】
図4A及び図4Bを参照すると、筺体22は、側壁30の内壁74及び筺体22の上部28に近接する上壁36の内面76から中心に向かって半径方向に延在する保持構造72を含む。より詳細には、保持構造72は、側壁30及び上壁36から中心に向かって半径方向に延在する、筺体22内に成形された複数のフランジ78を備える。複数のフランジ78の末端部は、弾性的に曲がるような構造とされている。
【0019】
容器24は、筺体22の下端部を通して上方に容器24を挿入することにより、筺体22内に使用可能な状態で設置される。連続した挿入、すなわち、容器24を長手方向軸54とほぼ平行な経路に沿って移動させることにより、マウンティング且つプ58が保持構造72と相互に作用し合う。更に上方に移動させることにより、マウンティングカップ58が弾性フランジ78を押し上げて弾性フランジ78がマウンティングカップ58に被さり、複数のフランジ78の末端部が、マウンティングカップ58のアンダーカット62にカチッ(sanp)と嵌まる。このスナップ嵌め連結により、容器24が筺体22内の使用可能位置に保持される。複数のフランジ78は、図4Bに示すように、保持構造72及び筺体22に対して容器24を傾けさせるのに十分な柔軟性を有するが、容器24を筺体22内に保持するのに十分な剛性も有する。本実施形態では、容器24が筺体22内に保持されているとき、バルブステム66の一部分が、全体として円筒形の末端部を含む壁42によって定義される開口部80内に、締り嵌めによってしっかりと動かないように嵌まる。より詳細には、容器24が、筺体22に使用可能な状態で取り付けられているとき、バルブステム66は、筺体22に対して実質的に移動しない。一方、以下で詳細に説明するように、バルブステム66は、これを作動させるために固定されているが、容器24は、筺体22に対して移動される。
【0020】
また、保持構造72に変更が加えられ得ることも意図されている。例えば、容器24の表面と相互作用するように設けられる複数のフランジ78の数は、より少なくても、より多くてもよい。保持構造72の複数のフランジ78は、容器24の外面の外形に応じて、比較的弾性的であっても、比較的剛直的であってもよい。更に、保持構造72は、筺体22に対して、固定式で連結されても、着脱式で連結されてもよく、容器24を筺体に対して傾かせる固定部分と自由部分の両方を含んでいてもよい。図4A及び図4Bに示すように、保持構造72は、側壁30に成形されている。代替として、図5及び図6に、環状ブラケット82から中心に向かって半径方向に延在する、複数のフランジ78を含む、保持構造72の別の実施形態を示す。環状ブラケット82は、側壁30の内壁74、及び、上壁36の内面76から延在する、土台(platform)84上に自由に置かれる。別の実施形態では、容器24は、ねじ係合(不図示)によって保持構造72に取り付けられる。容器24を筺体22内に保持する多数の手段が存在することが、当業者には明らかであろう。例えば、別の実施形態では、参照によりその全文が本明細書に組み込まれる、2007年5月25日に出願された、米国特許出願第11/805976号明細書に記載のものと、類似の保持構造が設けられ、本明細書で示す各実施形態のいずれかと関連させて使用可能なように変更されてもよい。別の実施形態では、保持構造72は、容器24を筺体22に挿入する前に、容器24上に施され、且つ/又は容器24が、側壁30又は上壁36の開口部を通して筺体22内に挿入される。別の実施形態は、筺体22の各部分と容器24の間の締り嵌めを利用して、容器24を筺体22に保持する。更に、参照によりその全文が本明細書に組み込まれる、米国特許第4133448号明細書、米国特許第5027982号明細書、及び米国特許第5649645号明細書に記載の、スナップ嵌め固定保持構造も、本明細書で示す各実施形態のいずれかと関連させて使用可能なように適合されてもよい。
【0021】
図3、図4A、及び図4Bを参照すると、上壁36の内面76から下方に、支持体86が延在し、筺体22の基部26に近接した側壁30の内壁74に連結している。支持体86は、制御回路(不図示)が配置されているプリント回路基板88を支持する。また、支持体86は、直流電源90を保持するようにも適合されており、例えば、本実施形態において、電源90は、単3電池2本を含む(図3参照)。別の実施形態では、単3電池は、電池パックを交流電気コンセント(不図示)に接続するのに使用され得る導線(不図示)を有する充電式ニッケル・カドミウム電池パックで置き換えられる。別の実施形態では、直流電源90は、当業者に周知の適切な電力変圧器及び交流/直流変換器を有する交流電源アダプタで置き換えられる。図3、図4A、及び図4Bに戻って、プリント回路基板88の上部に隣接して、ユーザ選択可能スイッチ組立品92が配置されている。ユーザ選択可能スイッチ組立品92は、スイッチ組立品92から切欠き48を貫通して上方に延在する、フィンガ部94を含む。フィンガ部94は、(以下で更に詳細に論じるように)回路の異なる動作モードを選択するのに使用されてもよい。筺体22の光透過性ロッド52には、近接して、プリント回路基板88上に配置された発光ダイオード(LED)96が位置されている。
【0022】
制御回路は、容器24から流体を吐出させるための駆動機構又は駆動ユニット100の電気的作動を可能にする。図4A及び図4Bに示すように、駆動ユニット100は、回路基板88に隣接して配置されたソレノイド102である。駆動ユニット100は、支持体86、又は、回路基板88の一部に取り付けられてもよい。本実施形態では、ソレノイド102は、米国オハイオ州バンデーリア所在のSaia−Burgess Inc.が販売する、Ledex(登録商標)ブランドのCフレーム、サイズC5、直流式ソレノイドである。しかし、本明細書で示す原理を逸脱することなく、当業者に周知の他のソレノイドが使用されてもよい。例えば、ソレノイドは、米国インディアナ州ミシャウォーカ所在のTri−Tech,LLC製の、シリーズ15510ソレノイドアクチュエータ(Series 15510 Solenoid Actuator)といったソレノイドであってもよい。ソレノイド102は、ねじ、接着剤、又は他の適切な手段によって支持体86、及び/又は、回路基板88に取り付けられている取付け用ブレース104を含む。ソレノイド102から筺体22の基部26に向かって、電機子(armature)106が下方に延在している。本実施形態では、駆動ユニット100の長手方向軸108は、容器24の長手方向軸54とほぼ平行である。容器24を概ね横切る方向にベルクランク110が延在しており、コネクタ112が電機子106をベルクランク110に機械的に連結している。加えて、ベルクランク110は、容器24の本体56に外接する結合部材114にも連結されている。結合部材114は、容器24の本体56よりわずかに大きい直径を有する、環状部分116を備える。容器24が筺体22に使用可能状態で取り付けられるとき、容器24の本体56は、環状部分116を通して挿入され、容器24のマウンティングカップ58は、保持構造72によって保持される。このように、結合部材114は、容器24の本体56を筺体22内に固定し、電機子106の下向きの運動、すなわち、駆動ユニット100の長手方向軸108と平行な方向の運動を、容器24の横方向の運動に変換する。これについては、以下で更に詳細に説明する。別の実施形態において、結合部材114は、駆動ユニット100からの運動を、容器24の本体56の横方向、又は、横断方向の運動に変換する任意の構造又は機構であってよい。
【0023】
バルブ組立品を開き、容器24の内容物を放出する前に、電機子106、コネクタ112、及び、ベルクランク110は、図4Aに示すような作動前位置118に位置している。作動前位置118にあるとき、容器24は、作動装置20の長手方向軸54とほぼ平行に保持される。すなわち、容器24の長手方向軸は、長手方向軸54とほぼ平行である。しかし、別の実施形態では、筺体22内部の構造は、容器24の本体56に加わる力が傾斜式バルブステム66を作動させることができる限りにおいて、別様に配置されていてもよい。電機子106、コネクタ112、及び、ベルクランク110が、図4Bに示すように、作動位置120に移行すると、容器24は、長手方向軸54から十分に離れた位置まで傾けられて、バルブ組立品を開き、又は作動させる。前述のように、バルブステム66は、しっかりと動かないように保持される。代替として、容器24は、作動位置120にあるとき、バルブステム66が一部開位置になるように変位されてもよい。
【0024】
図4Bに転じて、次に、本実施形態に関するソレノイド102の作動を、更に詳細に説明する。作動信号を受け取ると、ソレノイド102は、通電され、電機子106を、作動装置20の長手方向軸54、及び、駆動ユニット100の長手方向軸108とほぼ平行な経路に沿って、下方に磁気的に駆動する。電機子106の直線運動が、電機子106とベルクランク110との間で機械的リンク機構として働くコネクタ112によって、ベルクランク110の回転変位に変換される。ベルクランク110、及び、結合部材114の回転変位は、バルブステム66が所定の位置に保持されたままの状態で容器24を長手方向軸54の周りで回転させ、それによって、バルブステム66が押されて開位置になる。ソレノイド102の作動を停止すると、電機子106は、ソレノイド102に向かって上方に押し上げられ、それによって、コネクタ112、及び、ベルクランク110を図4Aに示す作動前位置118に戻す。容器24を長手方向軸54の周りで回転させるような横断方向の力が働かないと、容器24は、長手方向軸54とほぼ平行な位置に戻り、バルブステム66は、閉位置に戻り、流体吐出を防ぐ。容器24をほぼ平行な位置に戻し、バルブステム66を閉位置に戻すのは、ばね又はばね様の機構(不図示)、機械的に連結された電機子106によって及ぼされる力、容器24内のバルブ組立品によって及ぼされる力、重力、又は、当業者に周知の他の任意の手段のうちの1つ又は複数によって、実施されてもよい。
【0025】
また、図4A及び図4Bの作動装置20は、ソレノイド102に通電せずに、手動作動させることもできる。本実施形態では、ベルクランク110は、押しボタン32、及び、円筒形ロッド34と、概ね位置合わせされている。ユーザは、押しボタン32を押して円筒形ロッド34にベルクランク110を変位させ、容器24を手操作で図4Bに示す作動位置120まで移動させることができる。
【0026】
傾斜作動式バルブステム66を使用することの利点は、バルブ組立品を作動させるために傾斜作動式バルブステム66を、しっかりと固定された位置に保持したまま、容器24を傾ける本明細書で示す実施形態によって、さらに実現される。したがって、バルブステム66を作動させるために加えられる力は、容器24を梃子のアームとして、保持構造72を支点として扱うことによって更に低減され、その場合、力は、駆動ユニット100、及び、開示のリンク機構によって保持構造72から遠い容器24上の1点に加えられる。
【0027】
ソレノイド102は、適切な持続期間にわたって駆動され、且つ/又は、バルブステム66を全部又は一部開くように適切に変位されると期待されている。電機子106、コネクタ112、ベルクランク110などの各要素のいずれかが移動する具体的な距離及び/又は各要素のいずれかの長さは、各要素間の機械的関係を調整し、バルブステム66に対する容器24の部分的な、又は完全な傾斜を実現するために、当業者に周知のやり方で変更されてもよい。一実施形態では、電機子106は、所定の時間にわたって、又は噴霧期間にわたって、吐出位置に保持される。噴霧期間の持続期間は、通常約170ミリ秒である。実際、必要な場合には、容器の内容物がすべて使い果たされるまで電機子106を吐出位置に保持することもできる。更に、電機子106は、複数回連続して吐出させるための単一の作動信号の発生に応答して、複数回変位されてもよい。複数回の連続吐出は、途切れずに吐出する容器から1回で吐出されることが望ましくない場合、又は、断続的吐出が求められる場合に、有益となり得る。
【0028】
図7に、使用状態における作動装置20の動作を例示する、本実施形態のタイミング図を示す。最初に、作動装置20が、フィンガ部94を「OFF」位置から、4つのモード150、152、154、156(図1参照)のうちの1つに移動させることによって通電されると、作動装置20は、始動遅延期間に入る。4つの動作モード150、152、154、156は、それぞれ、連続する噴霧期間の間の所定のスリープ期間に対応する。例えば、第1の動作モード150を5分のスリープ期間に対応させ、第2の動作モード152を7分半のスリープ期間に対応させ、第3の動作モード154を15分のスリープ期間に対応させ、第4の動作モード156を30分のスリープ期間に対応させることができる。この例では、第1の動作モード150が選択されているものと仮定する。始動遅延期間が完了すると、ソレノイド102は、第1の噴霧期間にわたって作動装置20から流体を吐出するように指示される。始動遅延期間は、約3秒間であり、噴霧期間は、典型的には、約170ミリ秒間である。第1の噴霧期間が完了すると、作動装置20は、第1のスリープ期間に入り、これが5分間続く。第1のスリープ期間が経過すると、ソレノイド102は、第2の噴霧期間にわたって流体を吐出するよう作動される。その後、作動装置20は第2のスリープ期間に入り、これが5分間続く。この例では、第2のスリープ期間は、作動装置20の手操作による作動によって中断され、そこで第3の噴霧期間にわたって流体が分注される。その後、自動動作によりスリープ期間と噴霧期間が交互に続く。スリープ期間中のいずれかの時点において、ユーザは、押しボタン32を押し下げることにより、選択可能な、又は決まった期間にわたって、作動装置20を手動作動させることができる。手動噴霧操作が終了すると、作動装置20は、保留中のスリープ期間を完了する。その後、噴霧動作が行われる。
【0029】
別の実施形態では、スイッチ組立品92が、光電セル運動センサで置換、及び/又は、補足され得る。また、受動赤外線、又は、焦電の運動センサ、赤外線反射運動センサ、超音波運動センサ、レーダ又はマイクロ波無線運動センサなど、当業者に周知の他の運動検出機が利用されてもよい。光電セルは、周辺光を集め、制御回路に、周辺光の強度に変化を検出させる。制御回路は、光電セル出力のフィルタリングを行い、所定の光強度や光強度の変化レベルといった、閾値光条件に達しているかどうか判定する。そうである場合、制御回路は、ソレノイド102を作動させる信号を生成する。例えば、作動装置20が照明された浴室に設置されている場合、センサを通過する人が、センサに十分な量の周辺光が達するのを阻み、制御回路にソレノイド102を作動させ、流体を吐出させる。
【0030】
また、スイッチ組立品92を、振動センサ、臭気センサ、熱センサ、又は当業者に周知の他の任意のセンサで、置換又は補足することも想定される。代替として、スイッチ組立品92の代わりに、又はスイッチ組立品92と組み合わせて、複数のセンサが作動装置20に設けられてもよい。当業者は、ユーザの必要を満たすために、任意の種類のセンサを、単独で、又はスイッチ組立品92及び/もしくは他のセンサと組み合わせて設ける可能性もあることが予期される。ある実施形態では、スイッチ組立品92とセンサが同じ作動装置20内に設けられる。そのような実施形態では、ユーザは、タイマベースのスイッチ組立品92を使用して、作動装置20の駆動ユニット100を自動的に動作させようとしてもよく、作動装置20を作動させる前にセンサを使用して、所与のイベントを検出しようとしてもよい。代替として、作動装置20は、タイマ及びセンサベースの動作モードで併行して動作してもよい。
【0031】
一実施形態では、LED96は、作動装置20が動作状態にあるときに、光透過性ロッド52を照明する。LED96は、スリープ期間中、15秒間に1回断続的に明滅する。選択された動作モードに応じて、LED96の明滅頻度は、噴霧期間が切迫するに従って増大する。より高頻度のLED96の照明は、作動装置20が流体内容物を大気中に吐出しようとしていることを示す視覚的表示として働く。
【0032】
本明細書で示す原理を逸脱することなく、異なる駆動ユニット100が使用されてもよいことが、想定されている。例えば、参照によりその全文が本明細書に組み込まれる、2007年5月10日に出願された、米国特許出願第11/801554号明細書に記載の駆動ユニットが、本明細書に示す実施形態のいずれかと関連させて使用されてもよい。
【0033】
図8に示す別の実施形態では、ピエゾリニアモータ202がソレノイド102に置き換わる。ピエゾリニアモータ202は、圧電素子204を含み、圧電素子204は、特定のレベルの電気が供給されると、所定の態様において直線的に収縮、膨張する。通常の圧電アクチュエータは、複数の圧電板又はディスクを積み重ねることによって製造され、板又はディスクの積層体は、その積層体の軸と平行な方向に直線的に膨張する。本実施形態のピエゾリニアモータ202は、独国カールスルーエ所在のPhysik Instrumente GmbH & Co.製のものと類似のモータを備えてもよい。また、圧電管アクチュエータなど、当業者に周知の他の圧電デバイスが、本明細書で開示する各実施形態と共に使用されてもよいことも、予期されている。
【0034】
本実施形態では、圧電素子204は、それぞれ、図4A及び図4Bに関連して前述した作動前位置118、及び、作動位置120と概ね類似である、作動前位置(不図示)と作動位置206の間を遷移する。図8に示す作動位置206では、圧電素子204に既知の電圧が印加され、圧電素子204を、作動装置20の長手方向軸54、及び、駆動ユニット100の長手方向軸108と平行な方向に直線的に膨張させる。圧電素子204の作動位置206への変位は、図4Bと関連して論じたのと同様に、容器24の回転変位及びバルブステム66の作動を引き起こす。ピエゾリニアモータ202の電源を遮断すると、図4Aと関連して論じたのと同様に、圧電素子204が収縮し、容器24が作動前位置に戻る。ピエゾリニアモータ202の収縮膨張順序は、本明細書で論じた動作方法のいずれか、又は、当業者に周知の他のいずれかの方法と類似のやり方で、回路によって制御されてもよい。
【0035】
次に図9A及び図9Bを見ると、ソレノイド102の代わりにバイメタルアクチュエータ302を含む駆動ユニット100の、別の実施形態が示されている。バイメタルアクチュエータ302は、バイメタル素子304を含み、バイメタル素子304は、熱が供給されると所定の態様において収縮、膨張する。通常のバイメタル素子は、異なる熱膨張特性を呈する少なくとも2つの金属ストリップを備える。そのような2つの金属ストリップを、ろう付け、溶接、リベットなどで接合することにより、バイメタルアクチュエータ302は、既知のレベルの熱が加わると、所定の物理的変形をする。バイメタルアクチュエータ302は、タイマ又はセンサからの電気信号に応答する内蔵式熱源を含み得る。例えば、前述の制御回路は、指定の時間間隔が経過したことに応答してヒータを作動させるように適合されていてもよい。本明細書で示す各実施形態と共に多種多様なヒータを使用することができ、例えば、金属酸化物抵抗器といった電気抵抗ヒータなどが、バイメタルアクチュエータ302と共に使用され得ることを当業者は理解するであろう。
【0036】
図9Bに示すように、既知のレベルの熱がバイメタルアクチュエータ302に供給されると、バイメタル素子304は、作動位置306に遷移し、作動装置20の長手方向軸54及び駆動ユニット100の長手方向軸108を概ね横切る方向に曲がる。作動位置306において、バイメタル素子304の末端部308は、容器24に向かって横断方向に曲がる。バイメタル素子304の曲がりは、図4Bと関連して論じたのと同様に、容器24の回転変位及びバルブステム66の作動を引き起こす。熱の供給が打ち切られ、又は冷却操作が行われると、バイメタル素子304は、図4Aと関連して論じたのと同様に、収縮して作動前位置310(図9A参照)に戻る。
【0037】
図9A及び図9Bの実施形態において、バイメタル素子304は、ベルクランク110に直接連結されており、ベルクランク110は、結合部材を介して容器24と係合するのではなく、容器24と直接係合している。加えて、プリント回路基板88上には、スイッチ312が配置されている。スイッチ312は、押しボタン32を手操作で押し下げるとスイッチ312が作動するように、円筒形ロッド34及び押しボタン32と位置合わせされている。本実施形態では、バイメタルアクチュエータ302を制御する作動信号が、例えば、図7と関連して論じた動作モード150〜156のうちの1つなどにおいて、押しボタン32を押してスイッチ312を作動させたことに応答して、又は当業者に周知の他の任意の方法に応答して、制御回路によって自動的に生成され得る。更に、押しボタン32及びスイッチ312の構成は、駆動ユニット100を作動させるために、本明細書で示す各実施形態のいずれとも連結して使用されることが意図されている。
【0038】
図10A及び図10Bに示す別の実施形態では、駆動ユニット100は、形状記憶合金(shape memory alloy、SMA)などの電子応答性ワイヤ402を備える。本実施形態では、SMAは、米国カリフォルニア州サンラファエル所在のMondo−tronics, Inc.によってMuscle Wire(登録商標)のブランド名で販売されている、ニッケル・チタン合金である。電子応答性ワイヤ402は、既知のレベルの熱を供給されると、所定の態様において収縮、膨張する。電子応答性ワイヤ402が電源に接続されると、ワイヤ402の抵抗は、ワイヤ402を変形させるのに必要な加熱を発生する。
【0039】
本実施形態では、電子応答性ワイヤ402は、容器24の周りに巻き付けられており、支持体86上に配置されたワイヤ取付け部404に結合されている。図10Aに示す作動前位置406において、電子応答性ワイヤ402は、容器24から間隔を置いて配置されており、又は容器24を変位させ、バルブ組立品を開くのには不十分な程度まで容器と接している。また、作動装置20が、容器24と電子応答性ワイヤ402とが接しやすくなるように変更されてもよいことが意図されている。作動信号を受け取ると、電子応答性ワイヤ402は、収縮し、容器24に、バルブ組立品を全部又は一部開き、容器24を作動位置408(図10B参照)に設置するのに十分な横断方向の運動を与える。電子応答性ワイヤ402の電源を切ると、電子応答性ワイヤ402は、膨張し、作動前位置406に戻り、それによって、容器24を長手方向軸54とほぼ平行な位置に戻し、バルブステム66を閉位置(図10A)に戻す。電子応答性ワイヤ402の収縮膨張順序は、図9A及び図9Bと関連して前述したスイッチ312と類似のスイッチの使用を含めて、本明細書で論じた動作方法のいずれか又は当業者に周知の他のいずれかの方法と類似のやり方で、回路によって制御されてもよい。
【0040】
図11A及び図11Bに、モータ502及びカム部材504を含む駆動ユニット100の別の実施形態を示す。カム部材504は、減速歯車部分506と一体であり、減速歯車部分506は、モータ502のシャフト510上に配置された小歯車508に動作可能な状態で結合されている。図11Aに示すような作動前位置512において、カム部材504は、容器24から間隔を置いて配置されており、又は容器24を変位させ、バルブ組立品を開くには不十分な程度まで容器24と接している。作動信号を受け取ると、モータ502は反時計回りに回転し、それによってカム部材504に、容器24を作動位置514まで移動させ、バルブ組立品を全部又は一部開くのに十分な横断方向の運動を容器24(図11B参照)に与えさせる。作動停止信号に応答して、モータ502は、逆の時計回り方向に回転して、カム部材504を作動前位置512に戻らせ、それによって容器24を長手方向軸54とほぼ平行な位置に戻し、バルブステム66を閉位置に戻す。モータ502及びカム部材504の作動及び作動停止は、本明細書で論じた動作方法のいずれか又は当業者に周知の他のいずれかの方法と類似のやり方で、回路によって制御されてもよい。
【0041】
また、本実施形態は、バルブステム66を、作動装置20の長手方向軸54とほぼ平行な位置に固定し、バルブステム66を吐出孔40と位置合わせするために設けられた分注部材516も含む。分注部材516は、締り嵌め、ねじ係合、スナップ嵌め、又は当業者に周知の他の種類の固定手段によってバルブステム66に固定できる。更に、分注部材516は、筺体22と一体化して設けられてもよく、別のやり方で筺体22に固定されてもよい。加えて、分注部材516は、前述の参照により本明細書に組み込まれている米国特許出願第11/801554号明細書に記載されているのと類似のものとすることもでき、吐出孔40に対してバルブステム64を保持し、位置合わせする、他の任意の種類の適切な分注部材とすることもできる。
【0042】
図12に、容器24が、バルブステム66だけを介して筺体22によって保持されている別の実施形態を示す。本実施形態では、壁42がバルブステム66とねじ切りによって係合してバルブステム66を固定している。別の実施形態では、バルブステム66は、締り嵌め、スナップ嵌め、又は当業者に周知の他の任意の手段によって壁42に固定される。更に、本明細書で開示する駆動ユニット100のいずれかを本実施形態において、容器24を変位させ、バルブステム66を作動させるのに使用されてもよい。
【0043】
また、本明細書で示す原理を逸脱することなく、駆動ユニット100を、異なる使用可能位置及び/又は向きに配置し得ることも想定されている。類似に、容器24に回転運動及び横断方向の力を与えるのに他の機械的リンク機構を使用し得ることも想定されている。図13に示すように、駆動ユニット100a、100b、及び100cがそれぞれ、容器24の上部付近、容器24の底部付近、及びこれらの間に配置されている。駆動ユニット100a〜cは、容器24の本体56の周りのどこにでも位置されてもよいことが、想定されている。更に、駆動ユニット100は、駆動ユニット100の中心軸108が作動装置20の長手方向軸54に対して平行、直角、又は他の任意の角度(駆動ユニット100c参照)をなす何通りの向きにも配置され得る。容器24及び駆動ユニット100と動作可能な連通状態を保持するために、ベルクランク108及び/又はコネクタ110をどのように調整し得るかは、当業者には明らかであろう。別の実施形態では、コネクタ110を省略することもでき、動作可能な機械的リンク機構を構成するための別のコネクタ又はアームが含まれていてもよい。更に、前述の参照により本明細書に組み込まれている、米国特許出願第11/801554号明細書には、本明細書で示す各実施形態のいずれかと関連させて使用することのできる、他の駆動ユニットの向き及び機械的リンク機構が開示されている。
【0044】
本明細書で示す各実施形態はいずれも、別の実施形態との関連で開示されている構造又は方法のいずれかを含むように変形されてもよい。また、駆動ユニット100のいずれも、例えば、駆動ユニット100から容器24に加えられる力を増大させるなど、駆動ユニット100の機能及び/又は操作性を向上させるための追加構造で変更され、又はそれらを備えてもよいことが、意図されている。また、これらの実施形態は、ユーザと作動装置との相互作用を改善し、作動装置内での容器の挿入及び/又は位置合わせを容易にするように変更されてもよい。更に、本開示は、具体的に図示する種類の容器だけに限定されるものではない。実際、本明細書で開示した各実施形態のいずれの作動装置も、あらゆる種類のエアゾール又は非エアゾール式の傾斜作動式容器と連係するように変更されてもよい。しかし、容器及び/又は作動装置への損傷を防ぐために、特定の容器が使用されることを防ぐ構造が設けられてもよいことが、意図されている。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本書で示す作動装置は、傾斜作動式バルブステムを含むエアゾール容器と、エアゾール容器と係合し、バルブステムを使用可能位置へと設置する駆動ユニットと、を都合よく組み合わせる。更に、作動装置には、バルブステムを自動的に使用可能位置へと設置させ、容器の内容物を分注させる、制御回路が設けられている。バルブステムの使用可能位置への設置は、例えば、選択可能なスイッチ、手押しボタン、及び/又は、様々なセンサなど、いくつかの異なる原因に応答して行わせることができる。
【0046】
以上の説明を考察すれば、当業者には、本発明への多くの変更が明らかになるであろう。したがって、この説明は、例示にすぎないものと解釈されるべきであり、当業者が本発明を製作、使用することを可能にし、本発明を実施する最良の形態を教示するために提示するものである。添付の特許請求の範囲内に含まれるあらゆる変更に対する独占権を保有するものである。
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照 該当なし
【0002】
連邦政府による資金提供を受けた研究開発の記載 該当なし
【0003】
配列リスト 該当なし
【0004】
本開示は、一般的に、噴霧装置から流体を吐出させることに関し、より詳細には、加圧エアゾール容器から流体を吐出させる装置に関する。
【背景技術】
【0005】
エアゾール容器は、一般に、芳香剤、消臭剤、殺虫剤、殺菌剤、うっ血除去薬、香水などといった揮発性物質を貯蔵し、分注(dispense)するのに使用される。揮発性物質は、典型的には、容器内で液体として圧縮された状態で貯蔵される。容器に備わるバルブ組立品(valve assembly)は、容器内に含まれる揮発性物質の放出を制御する。バルブ組立品は、一般にバルブステム(valve stem)を含み、バルブ組立品を作動させ、又は開くことにより、揮発性物質は、バルブステムを通って容器から流出する。詳細には、バルブ組立品に対するバルブステムの変位により、バルブ組立品が作動されて、揮発性物質が容器から放出される。バルブステムは、バルブ組立品の長手方向軸に沿って、すなわち軸方向に変位されてもよく、バルブ組立品の長手方向軸を横切る方向に、すなわち、半径方向に傾けられて、又は変位されてもよい。
【0006】
バルブ組立品の作動は、自動化システムによって、又は、手動操作で行われ得る。手動操作での作動に際して、ユーザは、所望の放出を達成するために、必要に応じて、バルブステムに加えられる作動力を調整できる。したがって、手動式のバルブ組立品の設計にとっては、加えられる力の要件を考慮することは、一般にあまり重要ではない。従来の自動化システムは、下向きの圧力を加え、バルブステムを押し下げ、容器内でバルブ組立品を開くモータ駆動のリンク機構を含んでもよい。通常、これらの作動機構は扱いにくく、単独で、且つ/又は、手で持った状態で使用可能に適応させるのは容易ではない。更に、これらの作動機構の多くは、大量に電力を消費する。一般に、傾斜作動式バルブステムを有するバルブ組立品は、垂直作動式バルブステムを有するバルブより、作動のための力が少なくて済む。より小さい作動力で済むバルブ組立品は、作動用電力がより少なく済むため、有利である。電力消費が低減されれば、より長期間の電源寿命が可能になる。また、より小さい作動力は、より簡単で、小型で、且つ/又は、安くつく自動化システムを可能にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
傾斜作動式バルブ組立品のための既存の自動化作動システムは、複雑で、嵩張るモータ歯車機構を利用し、電力消費を十分に低減できない。改善された電源及び駆動ユニットの使用、様々な作動選択肢の追加、サイズ縮小、効率性及び信頼性の向上など、既存の作動システムに優る操作性及び機能性の改善が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態によれば、揮発性物質ディスペンサは、吐出端部を備える傾斜作動式バルブステムを含む容器を、受けるように適合された、筺体を含む。バルブステムの吐出端部は、筺体の吐出孔と流体連通するように適合されている。筺体内には、駆動ユニットが配置されており、駆動ユニットは、容器本体に横断方向の運動を与えるように適合された、バイメタルアクチュエータ、ピエゾリニアモータ、電子応答性ワイヤ、又は、ソレノイドを含む。
【0009】
別の実施形態において、揮発性物質ディスペンサは、傾斜作動式バルブステムを有する容器を、受けるように適合された、筺体を含む。筺体は、吐出孔を含む。バルブステムの一部分に分注部材が配置されるように適合されており、分注部材は、バルブステムを十分に動かないように固定し、バルブステムを吐出孔と流体連通するように設置する。筺体内には、駆動ユニットが配置されており、駆動ユニットは、容器本体に横断方向の運動を与えるように適合された、バイメタルアクチュエータ、ピエゾリニアモータ、電子応答性ワイヤ、又は、ソレノイドを含む。
【0010】
別の一実施形態において、揮発性物質ディスペンサは、傾斜作動式バルブステムを有する容器を受けるように適合された筺体を含む。筺体は、吐出孔及び保持構造を含む。吐出孔は、バルブステムを受けるように適合されており、保持構造は、容器の上部を保持するように適合されている。筺体内には、駆動ユニットが配置されており、駆動ユニットは、バルブステムを作動させるために容器の下部と係合するように適合されている。
【0011】
本発明の他の態様及び利点は、以下の詳細な説明を考察すれば明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】作動装置の一実施形態を示す等角図である。
【図2】図1の作動装置を示す平面図である。
【図3】作動装置の上部が取り外されていることを除いて、図2と類似の作動装置を示す図である。
【図4A】一実施形態による駆動ユニットの作動前位置を明確に示すために、切断面の背後の装置の各部分を除去し、容器及び容器を保持する構造を示す、図2の断面線4−4に沿って切り取られた部分断面図である。
【図4B】駆動ユニットが作動後位置にあることを除いて、図4Aと類似の図である。
【図5】第2の実施形態の容器を保持する構造を示す拡大切断図である。
【図6】図5の構造の平面図である。
【図7】第1の操作順序による図1〜6の作動装置の動作を示すタイミング図である。
【図8】異なる駆動ユニットが設けられていることを除いて、図4Bに示す図と類似である、第2の実施形態の作動装置を示す図である。
【図9A】異なる駆動ユニットが設けられていることを除いて、図4Aに示す図と類似である、第3の実施形態の作動装置を示す図である。
【図9B】異なる駆動ユニットが設けられていることを除いて、図4Bに示す図と類似である、第3の実施形態の作動装置を示す図である。
【図10A】異なる駆動ユニットが示されていることを除いて、図4Aに示す図と類似である、第4の実施形態の作動装置を示す図である。
【図10B】異なる駆動ユニットが示されていることを除いて、図4Bに示す図と類似である、第4の実施形態の作動装置を示す図である。
【図11A】駆動ユニットが異なることを除いて、図4Aに示す図と類似である、第5の実施形態の作動装置を示す図である。
【図11B】駆動ユニットが異なることを除いて、図4Bに示す図と類似である、第5の実施形態の作動装置を示す図である。
【図12】第3の実施形態の容器を保持する構造、及び、異なる駆動ユニットを含む、図4Aに示す図と類似である、第6の実施形態の作動装置を示す図である。
【図13】駆動ユニットの様々な位置、及び、向きが示されている、図4Aに示す図と類似の図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1〜3に、通常のエアゾール容器24を保持するように適合された、全体として円筒形の筺体22を有する、ディスペンサ又は作動装置20を示す。筺体22は、基部26、及び、上部28を含む。基部26と上部28との間には、側壁30が延在しており、基部26に近接した側壁30上には、押しボタン32が配置されている。筺体22を挟んで押しボタン32のほぼ反対側の内部には、円筒形ロッド34(図3、4A、4B参照)が設けられている。
【0014】
筺体22の上壁36は凸形であり、円形の周縁部38で境界付けられている。上壁36内には、その中心からずれた位置に、円形の吐出孔40が配置されている。吐出孔40の周囲には、内側に行くに従って先細となる壁42が、作動装置20の内部に向かって下方に延びている。吐出孔40と周縁部38との間には、湾曲した溝44が配置されている。溝44は、矩形の切欠き48が設けられた、平坦な底部46を含む。また、溝44と周縁部38との間にも、開口50が設けられている。開口50内には、締り嵌めによって、光透過性ロッド52が保持されている。作動装置20の長手方向軸54は、筺体22の基部26から上方に延在している(図1参照)。
【0015】
他の実施形態では、筺体22は、立方体、角錐、円錐、他の任意の対称又は非対称の形状など、他の形状を取ってもよい。更に、筺体22の側壁30及び上壁36は、連続している必要はなく、任意の数のギャップ又は開口を更に含んでもよい。一例では、筺体2は、容器24を部分的に又は完全に外接し、本明細書で開示する作動装置20の様々な構成部品のための支持構造を提供する、フレーム構造を備える。本明細書で説明する原理を逸脱することなく、当業者には明らかであるはずの筺体22の別の実施形態が用いられてもよい。
【0016】
作動装置20は、特定の条件が発生すると、容器24から流体を吐出する。条件は、作動装置20の手動作動、又は、タイマ又はセンサからの電気信号に応答した作動装置20の自動作動であってもよい。吐出される流体は、キャリア液に配合された芳香剤又は殺虫剤、脱臭液などであってもよい。また、流体は、殺菌剤、芳香剤、臭気除去剤、カビ又は菌類防止剤、昆虫忌避剤など、及び/又はアロマテラピーの効能を有するもの、といった他の有効成分を含んでいてもよい。流体は、あるいは、容器から分注され得る、当業者に周知の任意の流体を含む。したがって、作動装置20は、任意の数の異なる流体調合物を分注するように適合されている。
【0017】
容器24は、当業者に周知である、任意のサイズ及び容積のエアゾール容器であってよい。例えば、エアゾール容器には、米国ウィスコンシン州ラシーン所在のS.C.Johnson and Son,Inc.(「S.C.Johnson」)製のOust(登録商標)ブランドの小型容器といった小型エアゾール容器や、同じくS.C.Johnson社製の、Oust(登録商標)ブランドの空気殺菌剤、又は、Glade(登録商標)ブランドのエアゾールスプレーといった標準サイズの容器が含まれ得る。本実施形態では、容器24は、容器24の上端部60にマウンティングカップ(mounting cup)58が圧着されている本体56(図3、図4A、及び図4B参照)を備える。マウンティングカップ58は、全体として円筒形の形状であり、マウンティングカップ58の上部に近接するアンダーカット62を特徴付けている。加えて、マウンティングカップ58は、マウンティングカップ58の中央部から上方に延在する台座(pedestal)64(図3参照)も含む。容器24内のバルブ組立品(不図示)は、台座64から上方に延在するバルブステム66を含む。バルブステム66は、参照によりその全文が本明細書に組み込まれる米国特許第4068782号明細書に記載のものと類似の、傾斜作動式のものである。バルブステム66の末端部68が、容器24の長手方向軸54から十分に離して傾けられる、すなわち、使用可能又は作動位置になると、バルブ組立品は開かれ、容器24の内容物は、バルブステム66の吐出孔又は端部70を通って吐出される。容器24の内容物は、連続して又は一定量ずつ吐出されてもよい。更に、容器24の内容物の吐出は、何通りのやり方で実施されてもよく、例えば、吐出方法には、部分定量や複数回の連続吐出などが含まれる。
【0018】
図4A及び図4Bを参照すると、筺体22は、側壁30の内壁74及び筺体22の上部28に近接する上壁36の内面76から中心に向かって半径方向に延在する保持構造72を含む。より詳細には、保持構造72は、側壁30及び上壁36から中心に向かって半径方向に延在する、筺体22内に成形された複数のフランジ78を備える。複数のフランジ78の末端部は、弾性的に曲がるような構造とされている。
【0019】
容器24は、筺体22の下端部を通して上方に容器24を挿入することにより、筺体22内に使用可能な状態で設置される。連続した挿入、すなわち、容器24を長手方向軸54とほぼ平行な経路に沿って移動させることにより、マウンティング且つプ58が保持構造72と相互に作用し合う。更に上方に移動させることにより、マウンティングカップ58が弾性フランジ78を押し上げて弾性フランジ78がマウンティングカップ58に被さり、複数のフランジ78の末端部が、マウンティングカップ58のアンダーカット62にカチッ(sanp)と嵌まる。このスナップ嵌め連結により、容器24が筺体22内の使用可能位置に保持される。複数のフランジ78は、図4Bに示すように、保持構造72及び筺体22に対して容器24を傾けさせるのに十分な柔軟性を有するが、容器24を筺体22内に保持するのに十分な剛性も有する。本実施形態では、容器24が筺体22内に保持されているとき、バルブステム66の一部分が、全体として円筒形の末端部を含む壁42によって定義される開口部80内に、締り嵌めによってしっかりと動かないように嵌まる。より詳細には、容器24が、筺体22に使用可能な状態で取り付けられているとき、バルブステム66は、筺体22に対して実質的に移動しない。一方、以下で詳細に説明するように、バルブステム66は、これを作動させるために固定されているが、容器24は、筺体22に対して移動される。
【0020】
また、保持構造72に変更が加えられ得ることも意図されている。例えば、容器24の表面と相互作用するように設けられる複数のフランジ78の数は、より少なくても、より多くてもよい。保持構造72の複数のフランジ78は、容器24の外面の外形に応じて、比較的弾性的であっても、比較的剛直的であってもよい。更に、保持構造72は、筺体22に対して、固定式で連結されても、着脱式で連結されてもよく、容器24を筺体に対して傾かせる固定部分と自由部分の両方を含んでいてもよい。図4A及び図4Bに示すように、保持構造72は、側壁30に成形されている。代替として、図5及び図6に、環状ブラケット82から中心に向かって半径方向に延在する、複数のフランジ78を含む、保持構造72の別の実施形態を示す。環状ブラケット82は、側壁30の内壁74、及び、上壁36の内面76から延在する、土台(platform)84上に自由に置かれる。別の実施形態では、容器24は、ねじ係合(不図示)によって保持構造72に取り付けられる。容器24を筺体22内に保持する多数の手段が存在することが、当業者には明らかであろう。例えば、別の実施形態では、参照によりその全文が本明細書に組み込まれる、2007年5月25日に出願された、米国特許出願第11/805976号明細書に記載のものと、類似の保持構造が設けられ、本明細書で示す各実施形態のいずれかと関連させて使用可能なように変更されてもよい。別の実施形態では、保持構造72は、容器24を筺体22に挿入する前に、容器24上に施され、且つ/又は容器24が、側壁30又は上壁36の開口部を通して筺体22内に挿入される。別の実施形態は、筺体22の各部分と容器24の間の締り嵌めを利用して、容器24を筺体22に保持する。更に、参照によりその全文が本明細書に組み込まれる、米国特許第4133448号明細書、米国特許第5027982号明細書、及び米国特許第5649645号明細書に記載の、スナップ嵌め固定保持構造も、本明細書で示す各実施形態のいずれかと関連させて使用可能なように適合されてもよい。
【0021】
図3、図4A、及び図4Bを参照すると、上壁36の内面76から下方に、支持体86が延在し、筺体22の基部26に近接した側壁30の内壁74に連結している。支持体86は、制御回路(不図示)が配置されているプリント回路基板88を支持する。また、支持体86は、直流電源90を保持するようにも適合されており、例えば、本実施形態において、電源90は、単3電池2本を含む(図3参照)。別の実施形態では、単3電池は、電池パックを交流電気コンセント(不図示)に接続するのに使用され得る導線(不図示)を有する充電式ニッケル・カドミウム電池パックで置き換えられる。別の実施形態では、直流電源90は、当業者に周知の適切な電力変圧器及び交流/直流変換器を有する交流電源アダプタで置き換えられる。図3、図4A、及び図4Bに戻って、プリント回路基板88の上部に隣接して、ユーザ選択可能スイッチ組立品92が配置されている。ユーザ選択可能スイッチ組立品92は、スイッチ組立品92から切欠き48を貫通して上方に延在する、フィンガ部94を含む。フィンガ部94は、(以下で更に詳細に論じるように)回路の異なる動作モードを選択するのに使用されてもよい。筺体22の光透過性ロッド52には、近接して、プリント回路基板88上に配置された発光ダイオード(LED)96が位置されている。
【0022】
制御回路は、容器24から流体を吐出させるための駆動機構又は駆動ユニット100の電気的作動を可能にする。図4A及び図4Bに示すように、駆動ユニット100は、回路基板88に隣接して配置されたソレノイド102である。駆動ユニット100は、支持体86、又は、回路基板88の一部に取り付けられてもよい。本実施形態では、ソレノイド102は、米国オハイオ州バンデーリア所在のSaia−Burgess Inc.が販売する、Ledex(登録商標)ブランドのCフレーム、サイズC5、直流式ソレノイドである。しかし、本明細書で示す原理を逸脱することなく、当業者に周知の他のソレノイドが使用されてもよい。例えば、ソレノイドは、米国インディアナ州ミシャウォーカ所在のTri−Tech,LLC製の、シリーズ15510ソレノイドアクチュエータ(Series 15510 Solenoid Actuator)といったソレノイドであってもよい。ソレノイド102は、ねじ、接着剤、又は他の適切な手段によって支持体86、及び/又は、回路基板88に取り付けられている取付け用ブレース104を含む。ソレノイド102から筺体22の基部26に向かって、電機子(armature)106が下方に延在している。本実施形態では、駆動ユニット100の長手方向軸108は、容器24の長手方向軸54とほぼ平行である。容器24を概ね横切る方向にベルクランク110が延在しており、コネクタ112が電機子106をベルクランク110に機械的に連結している。加えて、ベルクランク110は、容器24の本体56に外接する結合部材114にも連結されている。結合部材114は、容器24の本体56よりわずかに大きい直径を有する、環状部分116を備える。容器24が筺体22に使用可能状態で取り付けられるとき、容器24の本体56は、環状部分116を通して挿入され、容器24のマウンティングカップ58は、保持構造72によって保持される。このように、結合部材114は、容器24の本体56を筺体22内に固定し、電機子106の下向きの運動、すなわち、駆動ユニット100の長手方向軸108と平行な方向の運動を、容器24の横方向の運動に変換する。これについては、以下で更に詳細に説明する。別の実施形態において、結合部材114は、駆動ユニット100からの運動を、容器24の本体56の横方向、又は、横断方向の運動に変換する任意の構造又は機構であってよい。
【0023】
バルブ組立品を開き、容器24の内容物を放出する前に、電機子106、コネクタ112、及び、ベルクランク110は、図4Aに示すような作動前位置118に位置している。作動前位置118にあるとき、容器24は、作動装置20の長手方向軸54とほぼ平行に保持される。すなわち、容器24の長手方向軸は、長手方向軸54とほぼ平行である。しかし、別の実施形態では、筺体22内部の構造は、容器24の本体56に加わる力が傾斜式バルブステム66を作動させることができる限りにおいて、別様に配置されていてもよい。電機子106、コネクタ112、及び、ベルクランク110が、図4Bに示すように、作動位置120に移行すると、容器24は、長手方向軸54から十分に離れた位置まで傾けられて、バルブ組立品を開き、又は作動させる。前述のように、バルブステム66は、しっかりと動かないように保持される。代替として、容器24は、作動位置120にあるとき、バルブステム66が一部開位置になるように変位されてもよい。
【0024】
図4Bに転じて、次に、本実施形態に関するソレノイド102の作動を、更に詳細に説明する。作動信号を受け取ると、ソレノイド102は、通電され、電機子106を、作動装置20の長手方向軸54、及び、駆動ユニット100の長手方向軸108とほぼ平行な経路に沿って、下方に磁気的に駆動する。電機子106の直線運動が、電機子106とベルクランク110との間で機械的リンク機構として働くコネクタ112によって、ベルクランク110の回転変位に変換される。ベルクランク110、及び、結合部材114の回転変位は、バルブステム66が所定の位置に保持されたままの状態で容器24を長手方向軸54の周りで回転させ、それによって、バルブステム66が押されて開位置になる。ソレノイド102の作動を停止すると、電機子106は、ソレノイド102に向かって上方に押し上げられ、それによって、コネクタ112、及び、ベルクランク110を図4Aに示す作動前位置118に戻す。容器24を長手方向軸54の周りで回転させるような横断方向の力が働かないと、容器24は、長手方向軸54とほぼ平行な位置に戻り、バルブステム66は、閉位置に戻り、流体吐出を防ぐ。容器24をほぼ平行な位置に戻し、バルブステム66を閉位置に戻すのは、ばね又はばね様の機構(不図示)、機械的に連結された電機子106によって及ぼされる力、容器24内のバルブ組立品によって及ぼされる力、重力、又は、当業者に周知の他の任意の手段のうちの1つ又は複数によって、実施されてもよい。
【0025】
また、図4A及び図4Bの作動装置20は、ソレノイド102に通電せずに、手動作動させることもできる。本実施形態では、ベルクランク110は、押しボタン32、及び、円筒形ロッド34と、概ね位置合わせされている。ユーザは、押しボタン32を押して円筒形ロッド34にベルクランク110を変位させ、容器24を手操作で図4Bに示す作動位置120まで移動させることができる。
【0026】
傾斜作動式バルブステム66を使用することの利点は、バルブ組立品を作動させるために傾斜作動式バルブステム66を、しっかりと固定された位置に保持したまま、容器24を傾ける本明細書で示す実施形態によって、さらに実現される。したがって、バルブステム66を作動させるために加えられる力は、容器24を梃子のアームとして、保持構造72を支点として扱うことによって更に低減され、その場合、力は、駆動ユニット100、及び、開示のリンク機構によって保持構造72から遠い容器24上の1点に加えられる。
【0027】
ソレノイド102は、適切な持続期間にわたって駆動され、且つ/又は、バルブステム66を全部又は一部開くように適切に変位されると期待されている。電機子106、コネクタ112、ベルクランク110などの各要素のいずれかが移動する具体的な距離及び/又は各要素のいずれかの長さは、各要素間の機械的関係を調整し、バルブステム66に対する容器24の部分的な、又は完全な傾斜を実現するために、当業者に周知のやり方で変更されてもよい。一実施形態では、電機子106は、所定の時間にわたって、又は噴霧期間にわたって、吐出位置に保持される。噴霧期間の持続期間は、通常約170ミリ秒である。実際、必要な場合には、容器の内容物がすべて使い果たされるまで電機子106を吐出位置に保持することもできる。更に、電機子106は、複数回連続して吐出させるための単一の作動信号の発生に応答して、複数回変位されてもよい。複数回の連続吐出は、途切れずに吐出する容器から1回で吐出されることが望ましくない場合、又は、断続的吐出が求められる場合に、有益となり得る。
【0028】
図7に、使用状態における作動装置20の動作を例示する、本実施形態のタイミング図を示す。最初に、作動装置20が、フィンガ部94を「OFF」位置から、4つのモード150、152、154、156(図1参照)のうちの1つに移動させることによって通電されると、作動装置20は、始動遅延期間に入る。4つの動作モード150、152、154、156は、それぞれ、連続する噴霧期間の間の所定のスリープ期間に対応する。例えば、第1の動作モード150を5分のスリープ期間に対応させ、第2の動作モード152を7分半のスリープ期間に対応させ、第3の動作モード154を15分のスリープ期間に対応させ、第4の動作モード156を30分のスリープ期間に対応させることができる。この例では、第1の動作モード150が選択されているものと仮定する。始動遅延期間が完了すると、ソレノイド102は、第1の噴霧期間にわたって作動装置20から流体を吐出するように指示される。始動遅延期間は、約3秒間であり、噴霧期間は、典型的には、約170ミリ秒間である。第1の噴霧期間が完了すると、作動装置20は、第1のスリープ期間に入り、これが5分間続く。第1のスリープ期間が経過すると、ソレノイド102は、第2の噴霧期間にわたって流体を吐出するよう作動される。その後、作動装置20は第2のスリープ期間に入り、これが5分間続く。この例では、第2のスリープ期間は、作動装置20の手操作による作動によって中断され、そこで第3の噴霧期間にわたって流体が分注される。その後、自動動作によりスリープ期間と噴霧期間が交互に続く。スリープ期間中のいずれかの時点において、ユーザは、押しボタン32を押し下げることにより、選択可能な、又は決まった期間にわたって、作動装置20を手動作動させることができる。手動噴霧操作が終了すると、作動装置20は、保留中のスリープ期間を完了する。その後、噴霧動作が行われる。
【0029】
別の実施形態では、スイッチ組立品92が、光電セル運動センサで置換、及び/又は、補足され得る。また、受動赤外線、又は、焦電の運動センサ、赤外線反射運動センサ、超音波運動センサ、レーダ又はマイクロ波無線運動センサなど、当業者に周知の他の運動検出機が利用されてもよい。光電セルは、周辺光を集め、制御回路に、周辺光の強度に変化を検出させる。制御回路は、光電セル出力のフィルタリングを行い、所定の光強度や光強度の変化レベルといった、閾値光条件に達しているかどうか判定する。そうである場合、制御回路は、ソレノイド102を作動させる信号を生成する。例えば、作動装置20が照明された浴室に設置されている場合、センサを通過する人が、センサに十分な量の周辺光が達するのを阻み、制御回路にソレノイド102を作動させ、流体を吐出させる。
【0030】
また、スイッチ組立品92を、振動センサ、臭気センサ、熱センサ、又は当業者に周知の他の任意のセンサで、置換又は補足することも想定される。代替として、スイッチ組立品92の代わりに、又はスイッチ組立品92と組み合わせて、複数のセンサが作動装置20に設けられてもよい。当業者は、ユーザの必要を満たすために、任意の種類のセンサを、単独で、又はスイッチ組立品92及び/もしくは他のセンサと組み合わせて設ける可能性もあることが予期される。ある実施形態では、スイッチ組立品92とセンサが同じ作動装置20内に設けられる。そのような実施形態では、ユーザは、タイマベースのスイッチ組立品92を使用して、作動装置20の駆動ユニット100を自動的に動作させようとしてもよく、作動装置20を作動させる前にセンサを使用して、所与のイベントを検出しようとしてもよい。代替として、作動装置20は、タイマ及びセンサベースの動作モードで併行して動作してもよい。
【0031】
一実施形態では、LED96は、作動装置20が動作状態にあるときに、光透過性ロッド52を照明する。LED96は、スリープ期間中、15秒間に1回断続的に明滅する。選択された動作モードに応じて、LED96の明滅頻度は、噴霧期間が切迫するに従って増大する。より高頻度のLED96の照明は、作動装置20が流体内容物を大気中に吐出しようとしていることを示す視覚的表示として働く。
【0032】
本明細書で示す原理を逸脱することなく、異なる駆動ユニット100が使用されてもよいことが、想定されている。例えば、参照によりその全文が本明細書に組み込まれる、2007年5月10日に出願された、米国特許出願第11/801554号明細書に記載の駆動ユニットが、本明細書に示す実施形態のいずれかと関連させて使用されてもよい。
【0033】
図8に示す別の実施形態では、ピエゾリニアモータ202がソレノイド102に置き換わる。ピエゾリニアモータ202は、圧電素子204を含み、圧電素子204は、特定のレベルの電気が供給されると、所定の態様において直線的に収縮、膨張する。通常の圧電アクチュエータは、複数の圧電板又はディスクを積み重ねることによって製造され、板又はディスクの積層体は、その積層体の軸と平行な方向に直線的に膨張する。本実施形態のピエゾリニアモータ202は、独国カールスルーエ所在のPhysik Instrumente GmbH & Co.製のものと類似のモータを備えてもよい。また、圧電管アクチュエータなど、当業者に周知の他の圧電デバイスが、本明細書で開示する各実施形態と共に使用されてもよいことも、予期されている。
【0034】
本実施形態では、圧電素子204は、それぞれ、図4A及び図4Bに関連して前述した作動前位置118、及び、作動位置120と概ね類似である、作動前位置(不図示)と作動位置206の間を遷移する。図8に示す作動位置206では、圧電素子204に既知の電圧が印加され、圧電素子204を、作動装置20の長手方向軸54、及び、駆動ユニット100の長手方向軸108と平行な方向に直線的に膨張させる。圧電素子204の作動位置206への変位は、図4Bと関連して論じたのと同様に、容器24の回転変位及びバルブステム66の作動を引き起こす。ピエゾリニアモータ202の電源を遮断すると、図4Aと関連して論じたのと同様に、圧電素子204が収縮し、容器24が作動前位置に戻る。ピエゾリニアモータ202の収縮膨張順序は、本明細書で論じた動作方法のいずれか、又は、当業者に周知の他のいずれかの方法と類似のやり方で、回路によって制御されてもよい。
【0035】
次に図9A及び図9Bを見ると、ソレノイド102の代わりにバイメタルアクチュエータ302を含む駆動ユニット100の、別の実施形態が示されている。バイメタルアクチュエータ302は、バイメタル素子304を含み、バイメタル素子304は、熱が供給されると所定の態様において収縮、膨張する。通常のバイメタル素子は、異なる熱膨張特性を呈する少なくとも2つの金属ストリップを備える。そのような2つの金属ストリップを、ろう付け、溶接、リベットなどで接合することにより、バイメタルアクチュエータ302は、既知のレベルの熱が加わると、所定の物理的変形をする。バイメタルアクチュエータ302は、タイマ又はセンサからの電気信号に応答する内蔵式熱源を含み得る。例えば、前述の制御回路は、指定の時間間隔が経過したことに応答してヒータを作動させるように適合されていてもよい。本明細書で示す各実施形態と共に多種多様なヒータを使用することができ、例えば、金属酸化物抵抗器といった電気抵抗ヒータなどが、バイメタルアクチュエータ302と共に使用され得ることを当業者は理解するであろう。
【0036】
図9Bに示すように、既知のレベルの熱がバイメタルアクチュエータ302に供給されると、バイメタル素子304は、作動位置306に遷移し、作動装置20の長手方向軸54及び駆動ユニット100の長手方向軸108を概ね横切る方向に曲がる。作動位置306において、バイメタル素子304の末端部308は、容器24に向かって横断方向に曲がる。バイメタル素子304の曲がりは、図4Bと関連して論じたのと同様に、容器24の回転変位及びバルブステム66の作動を引き起こす。熱の供給が打ち切られ、又は冷却操作が行われると、バイメタル素子304は、図4Aと関連して論じたのと同様に、収縮して作動前位置310(図9A参照)に戻る。
【0037】
図9A及び図9Bの実施形態において、バイメタル素子304は、ベルクランク110に直接連結されており、ベルクランク110は、結合部材を介して容器24と係合するのではなく、容器24と直接係合している。加えて、プリント回路基板88上には、スイッチ312が配置されている。スイッチ312は、押しボタン32を手操作で押し下げるとスイッチ312が作動するように、円筒形ロッド34及び押しボタン32と位置合わせされている。本実施形態では、バイメタルアクチュエータ302を制御する作動信号が、例えば、図7と関連して論じた動作モード150〜156のうちの1つなどにおいて、押しボタン32を押してスイッチ312を作動させたことに応答して、又は当業者に周知の他の任意の方法に応答して、制御回路によって自動的に生成され得る。更に、押しボタン32及びスイッチ312の構成は、駆動ユニット100を作動させるために、本明細書で示す各実施形態のいずれとも連結して使用されることが意図されている。
【0038】
図10A及び図10Bに示す別の実施形態では、駆動ユニット100は、形状記憶合金(shape memory alloy、SMA)などの電子応答性ワイヤ402を備える。本実施形態では、SMAは、米国カリフォルニア州サンラファエル所在のMondo−tronics, Inc.によってMuscle Wire(登録商標)のブランド名で販売されている、ニッケル・チタン合金である。電子応答性ワイヤ402は、既知のレベルの熱を供給されると、所定の態様において収縮、膨張する。電子応答性ワイヤ402が電源に接続されると、ワイヤ402の抵抗は、ワイヤ402を変形させるのに必要な加熱を発生する。
【0039】
本実施形態では、電子応答性ワイヤ402は、容器24の周りに巻き付けられており、支持体86上に配置されたワイヤ取付け部404に結合されている。図10Aに示す作動前位置406において、電子応答性ワイヤ402は、容器24から間隔を置いて配置されており、又は容器24を変位させ、バルブ組立品を開くのには不十分な程度まで容器と接している。また、作動装置20が、容器24と電子応答性ワイヤ402とが接しやすくなるように変更されてもよいことが意図されている。作動信号を受け取ると、電子応答性ワイヤ402は、収縮し、容器24に、バルブ組立品を全部又は一部開き、容器24を作動位置408(図10B参照)に設置するのに十分な横断方向の運動を与える。電子応答性ワイヤ402の電源を切ると、電子応答性ワイヤ402は、膨張し、作動前位置406に戻り、それによって、容器24を長手方向軸54とほぼ平行な位置に戻し、バルブステム66を閉位置(図10A)に戻す。電子応答性ワイヤ402の収縮膨張順序は、図9A及び図9Bと関連して前述したスイッチ312と類似のスイッチの使用を含めて、本明細書で論じた動作方法のいずれか又は当業者に周知の他のいずれかの方法と類似のやり方で、回路によって制御されてもよい。
【0040】
図11A及び図11Bに、モータ502及びカム部材504を含む駆動ユニット100の別の実施形態を示す。カム部材504は、減速歯車部分506と一体であり、減速歯車部分506は、モータ502のシャフト510上に配置された小歯車508に動作可能な状態で結合されている。図11Aに示すような作動前位置512において、カム部材504は、容器24から間隔を置いて配置されており、又は容器24を変位させ、バルブ組立品を開くには不十分な程度まで容器24と接している。作動信号を受け取ると、モータ502は反時計回りに回転し、それによってカム部材504に、容器24を作動位置514まで移動させ、バルブ組立品を全部又は一部開くのに十分な横断方向の運動を容器24(図11B参照)に与えさせる。作動停止信号に応答して、モータ502は、逆の時計回り方向に回転して、カム部材504を作動前位置512に戻らせ、それによって容器24を長手方向軸54とほぼ平行な位置に戻し、バルブステム66を閉位置に戻す。モータ502及びカム部材504の作動及び作動停止は、本明細書で論じた動作方法のいずれか又は当業者に周知の他のいずれかの方法と類似のやり方で、回路によって制御されてもよい。
【0041】
また、本実施形態は、バルブステム66を、作動装置20の長手方向軸54とほぼ平行な位置に固定し、バルブステム66を吐出孔40と位置合わせするために設けられた分注部材516も含む。分注部材516は、締り嵌め、ねじ係合、スナップ嵌め、又は当業者に周知の他の種類の固定手段によってバルブステム66に固定できる。更に、分注部材516は、筺体22と一体化して設けられてもよく、別のやり方で筺体22に固定されてもよい。加えて、分注部材516は、前述の参照により本明細書に組み込まれている米国特許出願第11/801554号明細書に記載されているのと類似のものとすることもでき、吐出孔40に対してバルブステム64を保持し、位置合わせする、他の任意の種類の適切な分注部材とすることもできる。
【0042】
図12に、容器24が、バルブステム66だけを介して筺体22によって保持されている別の実施形態を示す。本実施形態では、壁42がバルブステム66とねじ切りによって係合してバルブステム66を固定している。別の実施形態では、バルブステム66は、締り嵌め、スナップ嵌め、又は当業者に周知の他の任意の手段によって壁42に固定される。更に、本明細書で開示する駆動ユニット100のいずれかを本実施形態において、容器24を変位させ、バルブステム66を作動させるのに使用されてもよい。
【0043】
また、本明細書で示す原理を逸脱することなく、駆動ユニット100を、異なる使用可能位置及び/又は向きに配置し得ることも想定されている。類似に、容器24に回転運動及び横断方向の力を与えるのに他の機械的リンク機構を使用し得ることも想定されている。図13に示すように、駆動ユニット100a、100b、及び100cがそれぞれ、容器24の上部付近、容器24の底部付近、及びこれらの間に配置されている。駆動ユニット100a〜cは、容器24の本体56の周りのどこにでも位置されてもよいことが、想定されている。更に、駆動ユニット100は、駆動ユニット100の中心軸108が作動装置20の長手方向軸54に対して平行、直角、又は他の任意の角度(駆動ユニット100c参照)をなす何通りの向きにも配置され得る。容器24及び駆動ユニット100と動作可能な連通状態を保持するために、ベルクランク108及び/又はコネクタ110をどのように調整し得るかは、当業者には明らかであろう。別の実施形態では、コネクタ110を省略することもでき、動作可能な機械的リンク機構を構成するための別のコネクタ又はアームが含まれていてもよい。更に、前述の参照により本明細書に組み込まれている、米国特許出願第11/801554号明細書には、本明細書で示す各実施形態のいずれかと関連させて使用することのできる、他の駆動ユニットの向き及び機械的リンク機構が開示されている。
【0044】
本明細書で示す各実施形態はいずれも、別の実施形態との関連で開示されている構造又は方法のいずれかを含むように変形されてもよい。また、駆動ユニット100のいずれも、例えば、駆動ユニット100から容器24に加えられる力を増大させるなど、駆動ユニット100の機能及び/又は操作性を向上させるための追加構造で変更され、又はそれらを備えてもよいことが、意図されている。また、これらの実施形態は、ユーザと作動装置との相互作用を改善し、作動装置内での容器の挿入及び/又は位置合わせを容易にするように変更されてもよい。更に、本開示は、具体的に図示する種類の容器だけに限定されるものではない。実際、本明細書で開示した各実施形態のいずれの作動装置も、あらゆる種類のエアゾール又は非エアゾール式の傾斜作動式容器と連係するように変更されてもよい。しかし、容器及び/又は作動装置への損傷を防ぐために、特定の容器が使用されることを防ぐ構造が設けられてもよいことが、意図されている。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本書で示す作動装置は、傾斜作動式バルブステムを含むエアゾール容器と、エアゾール容器と係合し、バルブステムを使用可能位置へと設置する駆動ユニットと、を都合よく組み合わせる。更に、作動装置には、バルブステムを自動的に使用可能位置へと設置させ、容器の内容物を分注させる、制御回路が設けられている。バルブステムの使用可能位置への設置は、例えば、選択可能なスイッチ、手押しボタン、及び/又は、様々なセンサなど、いくつかの異なる原因に応答して行わせることができる。
【0046】
以上の説明を考察すれば、当業者には、本発明への多くの変更が明らかになるであろう。したがって、この説明は、例示にすぎないものと解釈されるべきであり、当業者が本発明を製作、使用することを可能にし、本発明を実施する最良の形態を教示するために提示するものである。添付の特許請求の範囲内に含まれるあらゆる変更に対する独占権を保有するものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吐出端部を備える傾斜作動式バルブステムを含む容器を受けるように適合された筺体であって、前記バルブステムの前記吐出端部が前記筺体の吐出孔と流体連通するように適合された前記筺体と、
前記容器の本体に横断方向の運動を与えるように適合された、バイメタルアクチュエータ、ピエゾリニアモータ、電子応答性ワイヤ、又はソレノイドを含む、前記筺体内に配置された、駆動ユニットと、
を備える、揮発性物質ディスペンサ。
【請求項2】
前記筺体内に受け取られた容器を更に備える、請求項1に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【請求項3】
容器の上部において前記筺体内部に着脱式に保持される容器を更に備える、請求項1に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【請求項4】
作動前位置において、前記駆動ユニットの長手方向軸は、容器の長手方向軸と平行に配置される、請求項1に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【請求項5】
前記横断方向の運動は、電子信号の受信に応じて与えられる、請求項1に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【請求項6】
前記電子信号は、センサによって生成される、請求項5に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【請求項7】
前記電子信号は、タイミング回路によって生成される、請求項5に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【請求項8】
前記電子信号は、手動ボタンの押下げによって生成される、請求項5に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【請求項9】
傾斜作動式バルブステムを有する容器を受けるように適合された、吐出孔を含む筺体と、
前記バルブステムを十分に動かないように固定し、前記バルブステムを前記吐出孔と流体連通するように設置する、前記バルブステムの一部分に配置されるように適合された、分注部材と、
前記容器の本体に横断方向の運動を与えるように適合された、バイメタルアクチュエータ、ピエゾリニアモータ、電子応答性ワイヤ、又は、バイメタルアクチュエータを含む、前記筺体内に配置された、駆動ユニットと、
を備える、揮発性物質ディスペンサ。
【請求項10】
前記筺体内に受け取られた容器を更に備える、請求項9に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【請求項11】
前記駆動ユニットは、前記筺体の長手方向軸と略平行な経路に沿って運動するように適合された電機子を含む、請求項9に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【請求項12】
前記横断方向の運動は、電子信号の受信に応じて与えられる、請求項9に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【請求項13】
前記電子信号は、センサ、タイミング回路、及び、手動ボタンの作動のうちの少なくとも1つによって生成される、請求項12に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【請求項14】
前記駆動ユニットに送信される作動信号を自動生成するための制御回路を更に備える、請求項9に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【請求項15】
傾斜作動式バルブステムを有する容器を受けるように適合された筺体であって、前記バルブステムを受けるように適合された吐出孔と、前記容器の上部を保持するように適合された保持構造と、を含む前記筺体と、
前記バルブステムを作動させるために、前記容器の下部と係合するように適合された、前記筺体内に配置された駆動ユニットと、
を備える、揮発性物質ディスペンサ。
【請求項16】
前記筺体内に受け取られた容器を更に備える、請求項15に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【請求項17】
前記バルブステムを前記筺体の長手方向軸とほぼ平行な位置に固定し、前記バルブステムを前記吐出孔と位置合わせする分注部材を更に備える、請求項15に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【請求項18】
前記駆動ユニットは、前記容器の底部に近接して前記容器の本体と係合する、請求項15に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【請求項19】
前記駆動ユニットの自動作動を設定するための選択可能なスイッチを更に備える、請求項15に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【請求項20】
前記駆動ユニットを手動作動させる押しボタンを更に備える、請求項15に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【請求項1】
吐出端部を備える傾斜作動式バルブステムを含む容器を受けるように適合された筺体であって、前記バルブステムの前記吐出端部が前記筺体の吐出孔と流体連通するように適合された前記筺体と、
前記容器の本体に横断方向の運動を与えるように適合された、バイメタルアクチュエータ、ピエゾリニアモータ、電子応答性ワイヤ、又はソレノイドを含む、前記筺体内に配置された、駆動ユニットと、
を備える、揮発性物質ディスペンサ。
【請求項2】
前記筺体内に受け取られた容器を更に備える、請求項1に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【請求項3】
容器の上部において前記筺体内部に着脱式に保持される容器を更に備える、請求項1に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【請求項4】
作動前位置において、前記駆動ユニットの長手方向軸は、容器の長手方向軸と平行に配置される、請求項1に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【請求項5】
前記横断方向の運動は、電子信号の受信に応じて与えられる、請求項1に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【請求項6】
前記電子信号は、センサによって生成される、請求項5に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【請求項7】
前記電子信号は、タイミング回路によって生成される、請求項5に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【請求項8】
前記電子信号は、手動ボタンの押下げによって生成される、請求項5に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【請求項9】
傾斜作動式バルブステムを有する容器を受けるように適合された、吐出孔を含む筺体と、
前記バルブステムを十分に動かないように固定し、前記バルブステムを前記吐出孔と流体連通するように設置する、前記バルブステムの一部分に配置されるように適合された、分注部材と、
前記容器の本体に横断方向の運動を与えるように適合された、バイメタルアクチュエータ、ピエゾリニアモータ、電子応答性ワイヤ、又は、バイメタルアクチュエータを含む、前記筺体内に配置された、駆動ユニットと、
を備える、揮発性物質ディスペンサ。
【請求項10】
前記筺体内に受け取られた容器を更に備える、請求項9に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【請求項11】
前記駆動ユニットは、前記筺体の長手方向軸と略平行な経路に沿って運動するように適合された電機子を含む、請求項9に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【請求項12】
前記横断方向の運動は、電子信号の受信に応じて与えられる、請求項9に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【請求項13】
前記電子信号は、センサ、タイミング回路、及び、手動ボタンの作動のうちの少なくとも1つによって生成される、請求項12に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【請求項14】
前記駆動ユニットに送信される作動信号を自動生成するための制御回路を更に備える、請求項9に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【請求項15】
傾斜作動式バルブステムを有する容器を受けるように適合された筺体であって、前記バルブステムを受けるように適合された吐出孔と、前記容器の上部を保持するように適合された保持構造と、を含む前記筺体と、
前記バルブステムを作動させるために、前記容器の下部と係合するように適合された、前記筺体内に配置された駆動ユニットと、
を備える、揮発性物質ディスペンサ。
【請求項16】
前記筺体内に受け取られた容器を更に備える、請求項15に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【請求項17】
前記バルブステムを前記筺体の長手方向軸とほぼ平行な位置に固定し、前記バルブステムを前記吐出孔と位置合わせする分注部材を更に備える、請求項15に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【請求項18】
前記駆動ユニットは、前記容器の底部に近接して前記容器の本体と係合する、請求項15に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【請求項19】
前記駆動ユニットの自動作動を設定するための選択可能なスイッチを更に備える、請求項15に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【請求項20】
前記駆動ユニットを手動作動させる押しボタンを更に備える、請求項15に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2011−502739(P2011−502739A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−521019(P2010−521019)
【出願日】平成20年8月13日(2008.8.13)
【国際出願番号】PCT/US2008/009665
【国際公開番号】WO2009/025742
【国際公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(500106743)エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド (168)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月13日(2008.8.13)
【国際出願番号】PCT/US2008/009665
【国際公開番号】WO2009/025742
【国際公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(500106743)エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド (168)
【Fターム(参考)】
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