説明

揮発性物質内蔵物品

開口部領域(52)を有するシェル(36)と、揮発性組成物(42)用の複数の容器(44)を含む複数区画構成体(46)と、封止材料(80)とを備える揮発性物質内蔵物品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、揮発性物質を含む製品に関する。
【背景技術】
【0002】
単一の香りなどの揮発性物質を部屋内及び自動車内に分配するための器具は、現在でも利用可能である。単一の香りを部屋内に分配するための器具の例には、S.C.ジョンソン(Johnson)により製造されるグレイドプラグイン(GLADE PLUG INS:登録商標)プラグイン・ルームフレッシュナーが含まれる。香りのある物質を分配可能な器具は、特許文献中にも記載されている。そのような器具の例が、米国特許第4,549,250号、同第4,714,984号、同第4,695,434号、同第4,629,604号、及び同第5,805,768号、並びにPCT公開WO97/02076及びカナダ特許出願2,222,838、PCT公開WO00/121143、並びに米国特許出願公開2002/0066798、同2002/0066967、同2002/0068009、及び同2002/0068010に記載されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、器具及びシステムの改善の探求が、続けられている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、揮発性物質を含む物品に関する。その物品は、香り物質を含むもこれに限定されない複数の揮発性物質を分配するためのシステムの一部を構成することができる。幾つかの非限定的な実施形態が本明細書に記載されている。
【0005】
揮発性物質を分配するためのシステムは、一実施形態では、分配器具などの装置と、分配器具に組み合わせて使用される1つ以上の揮発性物質が含有する製造物品とを含む。この実施形態の好ましい変形形態では、製品は、器具から取外し可能であり、別の製品と交換可能であり、製品が取外されたときに揮発性物質が蒸発に曝されることがなく、揮発性物質を環境から閉止するための複雑な仕組みを設けることのいずれもなく、後に再使用又は再生可能である。
【0006】
本発明の一態様では、製品は、分配器具から取外し可能であり、分配器具から取外された後で再使用可能である。製品を再使用可能にするために、その中又はその上に含まれた香り物質は、物品が分配器具から取外されたときに封止されて、香り物質内蔵物品の使用の間に香り物質が蒸発することを最小限にすることができる。1つの非限定的な実施形態では、製品は、香り物質を放出するための単一の開口部がその中にある閉止構造を有することができる。別の態様では、物品は複数の香り物質内蔵容器を含んでもよい。これら複数の香り物質内蔵容器は、物品が使用されていないときに容器を封止する、単一の封止機構で閉止可能である。本発明の別の態様では、物品は、器具から取外されたときに物品をロックするロック機構を含む。そのような実施形態の一態様では、ロック機構は、物品が器具の外側にあるときに、香り物質又は芳香物質へのアクセスを阻止可能である。この最後の態様では、物品は、芳香物質にアクセスするための扉などの開放可能な要素を完全になくして、不正開封防止物品を提供することができる。
【0007】
多数の他の機構もまた可能であり、次の詳細説明で説明されるものが含まれるが、これらに限定されない。
本発明は、次の説明を参考にして考えるときに、及び添付図と共に解するときに、更に容易に明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本明細書は、本発明を形成するとみなされる主題を特に指摘して明確に請求する特許請求の範囲をもって結論とするが、本発明は、添付の図面と関連させた次の説明で更によく理解されると考えられる。
【0009】
I.導入(分配システム及び装置)
本発明は、揮発性物質を含む物品に関する。本明細書には、システムの幾つかの構成体として幾つかの非限定的な実施形態が記述されており、そのそれぞれは、それ自体で又は他の構成体と共に、発明を構成することができる。その揮発性物質は、様々な施設の中に放出可能であり、これには、部屋、家屋、病院、事務所、劇場、ビルディングなど、又は列車、地下鉄、自動車、航空機などの様々な乗り物が含まれるが、これらに限定されない。
【0010】
本明細書で使用するとき、「揮発性物質」という用語は、蒸発可能な物質を指す。本明細書で使用するとき、「揮発性物質」、「芳香物質」、及び「香り物質」という用語は、心地良い又は快い匂いを含むがこれらには限定されず、したがって、殺虫剤、エアフレッシュナー、防臭剤、アロマコロジー、アロマセラピーとして機能する香り、あるいは大気を調整する、変える、若しくは他の方法で満たす、又は環境を変える作用をする他のいずれかのにおいをも包含する。しかしながら、香料、芳香物質、及び香り物質は、1つ以上の揮発性物質(これらは、揮発性物質の集合からなる唯一及び/又は個別のユニットを形成してもよい)からなることが多いことを理解すべきである。
【0011】
一実施形態では、香り物質を環境中に分配するためのシステムは、1つ以上の香り物質又は芳香物質を内蔵する1つ以上の構成体を含む。そのような実施形態では、システムは、好ましくは、器具などの分配器具と、芳香剤「カートリッジ」の形態で提供されることがある1つ以上の芳香物質内蔵製造物品又は「香り物質内蔵製造物品」とを含む。それぞれのカートリッジは、単一の揮発性組成物、又は異なる香り物質の組合せなどの異なる揮発性物質の組合せを提供することができる。ある種の実施形態では、カートリッジのそれぞれは、例えばテーマ、経験、生理的効果、及び/又は治療効果を伝達する、香り物質の集合を提供する。
【0012】
図1及び図3は、揮発性物質を環境中に分配するための構成体のシステムの1つの非限定的な実施形態を示す。これらの図に示されるシステムは、装置(又は「拡散器」、「分配器具」、又は単に「器具」)20と、カートリッジ22などの交換可能な複数区画の揮発性組成物内蔵製造物品とを備える。図は、器具及び揮発性組成物内蔵製造物品の1つの非限定的な例を示す。器具及びカートリッジは、多数の他の好適な構成で提供可能である。
【0013】
II.揮発性組成物内蔵製品
図3は、器具20から取り出されたときに見られる、カートリッジ22の形態の揮発性組成物内蔵製造物品の1つの非限定的な実施形態を示す。カートリッジ22は、香り物質などの単一の揮発性組成物、又は複数の揮発性組成物(例えば、複数の香り物質及び/又は他のタイプの揮発性組成物)を含むことができる。カートリッジ22は、長手方向中心線L及び横断方向中心線Tを有する。
【0014】
物品は、異なる組成物と共に提供される必要がないことを理解すべきである。製品内の各区画は、同一の組成物を有することができる。加えて、本明細書で記載される製品は、香り組成物を含むものに限定されない。製品は、いかなる所望のタイプの揮発性組成物をも含むことができるが、本明細書においては便宜上、香り組成物(又は「香り物質」)という用語で記述されることがある。
【0015】
カートリッジ22は、上面26と下面28と前端部30と後ろ端部32と側部34とを有するハウジング部分(又はシェル)24を備える。カートリッジ22は、いかなる好適な形状にもすることができる。別の実施形態では、製品は、ディスク形状、楕円形、平行六面体形状、長方形、立方体、直方体、円筒形、ピラミッド形、球形、不規則形状、又は何か他の形状である形状を有することができる。他の実施形態では、揮発性組成物は、図示されるカートリッジには類似しない物品の中又は上に含まれてもよい。本明細書で使用するとき、「カートリッジ」という用語は、ケース又はカセットの形体の物品に限定されない。例えば、揮発性組成物は、図示される物品ではなくコンパクトディスク(CD)のようなディスクに類似する物品の中又は上で提供することも可能である。
【0016】
加えて、「カートリッジ」という用語が本明細書で使用されるときはいつでも、図示される構造を説明する目的のためだけになされており、カートリッジに関して説明されるいかなることも他のタイプ及び形状の製造物品にも適用可能であると理解すべきである。この特定のカートリッジは、香り組成物を含むと記述されているが、他の実施形態では、本明細書に記載される製品のいかなるものも、いかなる他のタイプの揮発性物質をも含み得ることも理解すべきである。
【0017】
図示の実施形態では、カートリッジ22は、ディスク状の形状を有する。上方から見るとき、カートリッジ22は、その後ろ端部32において突出領域35が付いた概ね円形状を有する。上方から見るとき、カートリッジ22は、半円に似た形状の前半分を有する。カートリッジ22の後ろ半分は、カートリッジ22の後ろ端部32から突出する領域35付きの半円に類似する。カートリッジの側部34は、カートリッジ後ろ半分上の突出領域35において、内向きにわずかに凹面の曲線をなす。この突出領域35は、器具20内に置かれたときに、カートリッジ22を回転から安定させるのに使用可能である。図示されるカートリッジ22の後ろ端部32は、凸曲線であるが、曲率がカートリッジ22の前端部30のものより小さい。カートリッジ22のシェル24は、上側部分(上半分)36及び下側部分(下半分)38を含む。
【0018】
カートリッジ22などの揮発性組成物内蔵製造物品は、好ましくは、器具から取り出し可能であり、並びにカートリッジ22が器具20から取り出されているときに揮発性組成物の蒸発を防止するために、閉止及び封止(すなわち、揮発性組成物が封止)される。本明細書で使用するとき、「封止される」という用語は、封止する又は揮発性物質の蒸発を減少するためにこれを他の方法で覆う、いかなる試みについても言う。したがって、「封止される」という用語は、蒸発が全くないような方法で揮発性物質が封止される実施形態に限定されない。「封止される」という用語は、蒸発に対して少なくとも部分的なバリアを提供する構成、及び蒸発に対して実質的に完全なバリアを提供する構成を包含する。香料の香りがある揮発性物質の場合、幾つかの実施形態では、揮発性組成物内蔵製品は、3ヶ月間にわたって、香料などの揮発性物質の損失が当初の揮発性物質量の約50重量%以下(すなわち50%以上を保持)であるのが望ましい。他の実施形態では、揮発性組成物内蔵製品は、同様期間にわたって、揮発性物質の損失が当初の揮発性物質量の約25重量%以下、あるいは20%未満であるのが望ましい。香料組成物が特に異なる揮発性を有する揮発性物質を含む(例えば、揮発性が非常に高い物質と揮発性が低い物質の組合せの組成物であり、これらが組み合わさって所望の芳香を提供する)場合は、著しく低い損失が望ましい。これらの場合、約5%の損失であっても、著しい特性変化が生じる可能性がある。
【0019】
カートリッジ22などの揮発性組成物内蔵製造物品は、ある種の実施形態では、「実行」の後で使い捨てである。しかしながら、別の実施形態では、カートリッジ22などの揮発性組成物内蔵製造物品は、当初「実行」されて器具から取り出された後で次に器具の中又は上へ戻し挿入されて、再使用可能及び再生可能であることが望ましい。
【0020】
カートリッジ22などの揮発性組成物内蔵製造物品は、図示するように、少なくとも1つの開口部52を有するカバーを備える閉止構造体を含む。好ましくは、少なくとも1つの開口部52は、所与の時間に区画の1つから揮発性組成物を放出するために構成される。したがって、一実施形態では、カバー、シェル24は、香りの1つを放出するための単一の開口領域を有する。図示する実施形態では、カートリッジ22は、単一の組成物を放出するために構成された領域内を部材54により仕切られた、4つの開口部52A、52B、52C、及び52D付きの単一の開口領域52を有する。小開口部52A、52B、52C、及び52Dを使用することにより、暴露された揮発性組成物にユーザーが接触するのを防止することができる。カートリッジ22は、4つのそのような開口部を有することに限定されない。カートリッジ22は、任意数のそのような開口部を有することが可能である。しかしながら、単一の開放領域を提供することは、複数の扉又はカバーを有し、そのそれぞれが部分的又は完全に開放されて、揮発性組成物の蒸発という結果になる構造よりも、その中に含まれる揮発性組成物の蒸発の可能性がより少ないカートリッジ22を提供することになると考えられている。これはまた、不正使用に対するより強い保護を有するカートリッジ22を提供する。したがって、図示する実施形態では、揮発性組成物内蔵製品が器具から取外されるとき、揮発性組成物が包囲されて、揮発性組成物は、揮発性組成物を覆う扉を開放するなどによる物品外からのアクセスが不可能である。言い換えれば、固定カバーが、1つ以上の揮発性組成物容器を覆う。図示する実施形態では、カートリッジ22が器具から取外されたとき、この固定カバー、外側シェル24が、全ての香り物質容器を覆う。これは、移動可能でないという意味で固定である。もちろん、他の実施形態では、何か特定の理由で望む場合、揮発性組成物内蔵製品は、1つ以上の扉又はカバーを備えることもできる。
【0021】
カートリッジ22などの揮発性組成物内蔵製造物品はまた、好ましくは、揮発性組成物を蒸発から封止する1つ以上の封止機構を有する。封止機構は、製造物品の外側シェルの内部、又は外側シェルの外部とすることができる。カートリッジ22は、カートリッジの最初の使用前の蒸発を防止するために取外し可能な輸送封止を有することができる。図示する実施形態では、カートリッジ22はまた、物品が器具に挿入又は上に置かれて容器の1つ内の揮発性組成物から揮発性組成物が放出されるときに、揮発性組成物の放出を意図されない揮発性組成物を封止する封止機構を含む。封止機構はまた、物品が器具から取り出されるときに、全ての揮発性組成物容器を封止可能である。図示する実施形態では、この封止機構は、封止位置及び開放位置を有することができ、並びにカートリッジシェルの内側にある内部型である。揮発性組成物内蔵容器は、好ましくは、単一の閉止機構で閉止される。この単一の閉止機構は、好ましくは、容器の全てを封止するために移動される1つの要素だけを有する。このことは、各香り物質にアクセスするための複数の扉を有し、全ての揮発性組成物を封止するために閉止されなければならない多数の要素を扉が有する物品と対照的であり得る。このことにより、製品をより簡単で及び製造するのにより安価なものとし、信頼性を高めることもできる。もちろん、別の実施形態では、製品は、複数の構成体を有する、又はその封止機能を実行するために2つ以上の要素の移動を行う、封止機構を備えることもできる。
【0022】
カートリッジ22などの揮発性組成物内蔵製造物品はまた、好ましくは、製造物品のロック及びロック解除が可能なロック機構を含む。ロック機構は、好ましくは、カートリッジ22が器具から取外されたときの安全のために、揮発性組成物への接近を阻止する。ロック機構は、好ましくは、封止機構と協働する。封止機構は、第一の封止位置及び第二の開放位置を有する。図示する実施形態では、製造物品は、好ましくは、封止機構がその第一の封止位置になるまで、器具から取外し不能である。製造物品はまた、好ましくは、「ブランク」区間を有し、ここは、その上又はその中に提供されたいかなる揮発性組成物も有さない。「ブランク」区間は、製造物品から揮発性組成物を放出するための始動及び停止位置を提供する。
【0023】
図8は、カートリッジ22のこの実施形態の構成を更に詳細に示す。しかしながら、この点に関して、図8に示されるカートリッジ22は、製造物品の単なる1つの可能な実施形態であることを理解すべきである。図8に示されるカートリッジ22の機構の幾つか又は全てを有さなくてもよい他のタイプの揮発性組成物内蔵物品が、提供可能である。図8に示されるカートリッジ22は、幾つかの基本的な構成体を含む。これらには、上から下へ、カートリッジシェルの上側部分36、円形の回転可能なディスク又はトレー46、及びカートリッジシェルの下側部分38が含まれる。回転可能なトレー46を最初に説明するのは、この実施形態において、カートリッジ22の他の構成体が、トレー46の様々な機構と協働するように設計されているからである。
【0024】
この実施形態の1つのバージョンでは、カートリッジ22は、複数の揮発性組成物内蔵構成体の上に配置(及び/又は、好ましくはこの中に一体化)された複数の揮発性組成物(又は香り物質、芳香物質、芳香剤、若しくは香料)42を含む。好ましくは、複数の揮発性組成物は、複数の揮発性組成物内蔵構成体の上又は中に配置されて、一体構造を形成する。複数揮発性組成物内蔵構成体は、いかなる好適な構成でも提供可能であり、いかなる好適な形状をも有することができ、これには、揮発性組成物内蔵製品の説明に関連して上述された形状のいずれもが含まれるが、これらに限定されない。図示する実施形態では、複数の揮発性組成物内蔵構成体は、円形の回転可能トレー46であって、揮発性組成物が、回転可能なトレー46に形成された窪み、貯蔵槽、又はポケット44などの容器又はホルダー内に配置される。
【0025】
このトレー46は、カートリッジのシェル24の内側の上側部分36と下側部分38の間に入れられる。トレー46は、上面48及び下面50を有する。トレー46の上面48が、そこに形成されたポケット44を有する。任意数の好適なポケット44が、形成可能であり、いかなる好適な形状にもすることができる。ポケット44の数(したがって、カートリッジ内に含むことができる揮発性組成物の数)の範囲の非限定的な例は、2〜20の間、又はそれ以上である。幾つかの実施形態では、20以下、又は10以下のポケット(又は20未満の任意数のポケット)があるのが望ましい場合がある。図示する実施形態では、5つのポケット44と、カートリッジ22が香り放出を意図されないときのために、ポケット44の2つの間にブランク空間51とがある。ポケット44に好適な形状の幾つかの非限定的な例として、方形、三角形、台形、涙滴形状、又は梨形などが挙げられる。図示する実施形態では、ポケット44は、隅に丸みが付いた三角形状である。
【0026】
図示する実施形態における揮発性組成物用のポケット44は、その上を流れる空気に接触してその中に放出するための、1つの開口部すなわち上開口部を有する。これは、香り物質が放出される空気流が揮発性組成物内蔵構成体の中を通る構造と対照的である。もちろん、香り物質が放出される空気流が容器の中を通る別の実施形態も、提供可能である。香り物質を放出するための開口部がポケット44の上部以外のいずれかに配置される他の実施形態も、提供可能である。
【0027】
揮発性組成物用のポケット44は、いかなる好適な大きさにもすることができる。1つの非限定的な実施形態では、ポケット44は、約1.25インチ(約3cm)以下の(ポケットが開口領域52に整列するとき、長手方向中心線Lに平行な)長さと、ほぼ同一寸法以下の(横断方向中心線Tに平行な)幅とを有する。
【0028】
図8に示す実施形態では、トレー46は、好ましくは、複数のスロット70をその周辺部72に有する。スロット70は、香りポケット44の一縁部に配置される。これらのスロット70のどちらの側にも、スロット70に近づくにつれて深さが徐々に増すスロープ74がある。カートリッジ22のこの実施形態では、カートリッジシェルの上側部分36の内面90は、トレー46のポケット44の少なくとも幾つか、好ましくは全部を封止するための隆起した封止部56を有する。隆起封止部56は、いかなる好適な形状をも有することができる。図示する実施形態では、隆起封止部は、ポケット44の周辺形状に類似する形状を有する。隆起封止部56は、ポケット44より大きく、この実施形態ではまた、ポケットの縁部に沿ってポケットの合間に接合するような大きさである。
【0029】
図5及び図8に示すように、この実施形態では、カートリッジ22は、その底面28(すなわち、カートリッジシェルの下側部分38)に3つの開口部を有する。カートリッジシェルの下側部分38の開口部は、器具がカートリッジ22内側の回転可能なトレー46を回転させることを可能にする中央開口部94と;器具20の加熱エレメントから放出のために暴露された揮発性組成物ポケット44への熱の伝達を可能にする開口部96と;カートリッジ22が使用されていないときに揮発性組成物を封止するために、カートリッジ22内側のロックシステムを器具20が活性化及び非活性化することを可能にする開口部98とを含む。図示する実施形態では、ロック機構は、カートリッジシェルの下側部分から延びて、トレー46の周辺部回りのスロット70に遭遇してトレー46の回転を阻止するように配置された、カンチレバータブ86である。このように、ロック機構は、カートリッジシェル及び/又はトレー46に一体化されており、他の構成体は何も必要としない。しかしながら、望む場合には、タブ86のいずれかのクリープを相殺する金属ばねなどの任意構成体が、追加されてもよい。
【0030】
これらの開口部は、いかなる好適な形状をも有することができる。図示する実施形態では、中央開口部94は円形である。更に、図8に示すように、カートリッジシェルの隣接部分は、内向きに延び、カートリッジ22の中心に向かって内向きに先細の側壁58を形成する。これらの先細側壁58を使用して、カートリッジ22が器具20の中へ挿入されるときに、器具のスピンドル(又はハブ)60の上でカートリッジ22の中心決めを助けることができる。図示する実施形態では、第二の開口部96も円形である。しかしながら、別の実施形態では、この開口部は、カートリッジ22を回転に対して更に安定化させるために、加熱エレメント142の形状に一致する形状とすることができる。図示する実施形態では、第三の開口部98は、少なくとも幾つかの直線区分で形成された側部を有する。
【0031】
カートリッジの上側部分36の上面26は、いかなる好適な形状をも有することができる。上面26は、平面、凸面、又は凹面とすることができる。幾つかの実施形態では、トレー46とカートリッジの上面26とが互いに押されたときに、カートリッジ22の上面26が平らになるように、上面はわずかに凸面又は凹面であるのが望ましい。この配置を使用すると、当初平らな上面26よりも均一及び予測できる封止面を提供可能になる。スロープ74がトレー46の周辺回りに配置された図示される実施形態では、カートリッジの上面26は、凹面であるのが望ましい。それならば、トレー46がスロープ74上に移動して封止を形成するときにトレー46が上へ押されるので、カートリッジ22の上面26が平面化して、上側カートリッジシェル36の下側90上の封止部56が、トレー46の上面上の各ポケット回りの区域と接触する。カムシステム(すなわち、スロープなど)がトレー46の中央にある実施形態では、カートリッジの上面26は、凸面であるのが望ましいことがある。
【0032】
カートリッジ22が加熱器を含む器具20内で使用される場合、トレー46は、揮発性物質が加熱されるときに溶融しない材料を含むべきである。この要求を満たすいかなる好適な材料も、そのような状況で使用可能であり、これには、ポリブチルテラフタレート(polybutyl tterapthalate)(すなわち、「PBT」)が含まれるが、これに限定されない。
【0033】
カートリッジ22は、多数の追加機構を備えることができる。例えば、幾つかの実施形態では、カートリッジ22は、トレー46がその縦軸周りで(動揺などがなく)滑らかに回転することを確実にする機構を備えてもよい。幾つかの実施形態では、カートリッジ22は、カートリッジ22内側のトレー46が適切に回転できるように、カートリッジ22が器具内で(回転などをすることなく)固定位置にとどまることを確実にする機構を備えてもよい。幾つかの実施形態では、カートリッジ22(又はディスク46などのその構成体)は、様々な(例えば、カートリッジ22が器具の中へ適切に挿入されることを確実にする)安全機構を備えてもよい。
【0034】
図5に示すように、この実施形態では、トレー46の底面50は、それから突出する(ポケット44により形成される突出部に加えて)幾つかの要素を有する。これらがカートリッジ22の底面28の穴94及び96を通って突出するのが見える。トレー46の中心には、円形断面を有するボス62がある。円形ボス62は、その対向する側から延びるリブ64及び66などの、それから延びる1つ以上のリブを有する。図示する実施形態では、リブ64及び66は、概ね長方形を有する。図示する実施形態では、リブは、1つのリブ64が他方のリブ66より広いように構成される。これらのリブ64及び66は、器具20のハブ60の頂部の溝と噛み合う。リブ64及び66の形状は、カートリッジ22が器具20へ一方向だけに挿入可能であるように確立されている。リブ64及び66は、この一方向嵌合を確実に可能にする条件で、いかなる好適な大きさ及び形状にもすることができる。1つの非限定的な実施形態では、トレー46のブランク区間に近い側上のリブ66は、厚さが約0.05インチ〜約0.1インチ(約1.3mm〜約2.5mm)の間である。反対側のリブ64は、厚さが約0.06インチ〜約0.125インチ(約1.5mm〜約3.8mm)の間である。各リブ64及び66は、約0.2インチ〜約0.3インチ(約60mm〜約90mm)の間の中心ボス62から突き出る。もちろん、器具及びカートリッジの別の実施形態では、器具及びカートリッジは、器具及びカートリッジの一方向嵌合を確実にする機構を備える必要がない。
【0035】
リブ64及び66の端部において、リブ64及び66に垂直な弧状リブ76が、存在可能である。この実施形態では、リブ端部及び弧状リブ76を、カートリッジ22の底28に中心穴94を画定する、カートリッジ22の部分に一致するような大きさにする。このことにより、トレー46はカートリッジの底に関して安定化して、トレー46がカートリッジ22内の固定軸回りで回転することを確実にする。追加の弧又は位置決め機構を加えることで、トレー46はカートリッジに関して更に安定化することができる。例えば、トレー46の底面50はまた、ブランク区間51の下側にある大きな弧状リブ78などの他の突出部を有して、ポケット44が存在しない区域内でさえもトレー46が滑らかに回転するのを確実にすることができる。
【0036】
図示する実施形態では、封止機構は、水平に向くタブ又は棚の形態で示されるカムフォロワー(又はポスト)とカム(又はスロープ)とを含み、これらが互いに係合してカートリッジの構成体を共に密接に嵌合させて、封止を形成する。ポスト92及びスロープ74は、製造物品のいずれの好適な構成体上にも配置することができる。例えば、ポスト92が、シェル24上に配置されて、スロープ74が、トレー46の周辺部72上に配置されてもよい。図示する実施形態では、ポスト92は、上側シェルの内側部分90に配置されている。別の実施形態では、ポスト92は、カートリッジシェルの下側部分38に配置されてもよい。別の実施形態では、ポスト92とスロープ74の位置を、逆にしてもよい(ポスト92がトレー46上にあって、スロープ74がシェル24上にあってもよい)。揮発性組成物ポケット44が暴露されない位置にトレー46が回転されると、トレー46の周辺部72上のスロープ74が、上側シェル36の内側90のポスト92と係合して、トレー46を上側シェル36の上面に向かって押す。上側シェル36の上面26は、わずかに凹面であり、トレー46のポケット44と同一形状であるがこれより大きい封止部56を有する。トレー46が上側シェル36の上面26の内側90に近づくと、トレー46は、まず上面26の内側90の中央部に接触して、平らな形状に変化するまで上面26を引き続いて押し、この時、封止部56のそれぞれが、トレー46の上面48の内側90と接触する。
【0037】
製造物品22は、輸送封止80を含む。輸送封止80は、例えば、製造物品が作成された後で、製造物品が輸送されるのを待つ在庫中に、及び/又は輸送中に、使用可能である。輸送封止の使用によって、カートリッジの封止機構を使用して提供可能なものより緊密な封止を提供することが望ましい。図10〜図12は、輸送封止80の1つの非限定的な実施形態を示す。図11に示すように、輸送封止80は、ポケット44などの1つ以上の区画を覆う少なくとも一片の材料を含む。輸送封止80は、任意数の区画を覆うことができ、2つ以上、3つ以上などが含まれるが、これらに限定されない。輸送封止80は、本明細書で説明する多数の他の構成体と同様に、複数香り物質の物品の上、再使用可能又は再生可能な物品の上での使用に限定されるものではなく、単一組成物の物品、使い捨て物品、及び単一使用の物品の上で使用可能である。
【0038】
輸送封止80は、いかなる好適な材料をも含むことができ、製造物品のいかなる部分にも、いかなる好適な方法でも取付け可能である。1つの非限定的な実施形態では、輸送封止80は、複数層からなる可剥性フィルムを含み、これには、非晶質ポリエステルの封止剤層と金属被覆されたポリエステルのバリア槽とが含まれるが、これらに限定されない。この実施形態では、輸送封止80は、トレー46の区画44のそれぞれの回りで熱封着される。区画44が異なる物質を含む場合、区画44のそれぞれの回りの封止を使用すると、区画44内の異なる揮発性組成物42間の相互汚染を防止することができる。輸送封止80は、熱封着によりトレー46に封止され、その際、ポリエステル層の少なくとも一部が溶融される。輸送封止80は、接着剤でトレー46に封止も可能であるが、区画44が香料を含む場合は、多数の接着剤が多数の香料成分とうまくいかないので、熱封着が好ましい。
【0039】
この実施形態における輸送封止80は、第一の部分である封止部分80Aと、封止部分80Aの上に折り返された第二の折り曲げ部分80Bとを有する。折り曲げ部分80Bは、ユーザーにより把握されるタブを含んでもよい。この形状により、輸送封止80が、単一動作で、トレー46からの剥ぎ取りと、カートリッジ22の後ろ部分内のスロット82などの開口部を通す取外しが可能になる。カートリッジ22の好ましい実施形態では、輸送封止80を取外すためのスロット82は、長手方向中心線Lから0度超過及び約90度未満の角度でオフセットしている。このオフセットによる、剥がし方向に垂直である封止区域の表面積が減少するように剥がし方向を向ける、及び/又は輸送封止の取外し持続時間にわたってより均等化することによって、輸送封止を取外すためのピーク引張り力が減少する。他の実施形態では、これらの目的を達成するために、封止区域の形状を変化させることができる。別の実施形態では、器具又はカートリッジは、輸送封止80を「切断又は穴開け」されて、次に揮発可能とすることもできる。
【0040】
揮発性組成物内蔵製造物品の多数の他の実施形態、例えばカートリッジ22が、可能である。本明細書で記述された揮発性組成物内蔵製造物品に適用可能な他の実施形態の幾つかの非限定的な例が、本明細書に参考として組み込まれる優先権出願の幾つかで更に詳細に説明されている。これら又は他の実施形態では、カートリッジなどの製造物品は、次の特性:再使用可能性、再充填可能性、処分可能性、及び再生利用可能性の1つ以上を有するように、変更可能である。
【0041】
揮発性組成物42は、いかなる好適な形態でも提供可能である。幾つかの実施形態では、香りが、好適な担体上又はその中に組み込まれた、香油などの香料を含む揮発性組成物により提供される。担体は、次の非限定的な形態:固体、液体、ペースト、ジェル、ビーズ、カプセル封入、ウィック、香料を含浸又は含有する多孔質材料などの担体物質、及びこれらの組合せで提供可能である。幾つかの実施形態では、担体は、溶融可能であって、室温(73°F(25℃)、50%RH)において柔軟性固体構造又はマトリックスの形態である組成物を形成するために添加された香料成分を有する、柔軟性固体の形態である。
【0042】
一実施形態では、その組成物は、約8000以上の重量平均分子量を有するポリエチレングリコール(すなわち「PEG」)と、硬化ヒマシ油と、少量の少なくとも1つのワックスと、少なくとも1つの揮発性成分との組合せにより形成される。揮発性成分は、多数の構成成分又は組成物を含むことができ、芳香剤(又は香油)、香味料、殺虫剤、防虫剤、又はこれらの混合物などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0043】
その組成物は、いかなる好適な方法にても作成可能である。1つの非限定的な実施形態では、組成物は、(PEGなどの)担体物質を溶融するまで加熱して、溶融したPEGに揮発性物質を添加することにより形成される。担体がPEGである場合、通常は約100℃〜約120℃で溶融する。PEGは香油に対して溶媒として働き、香油はこれに完全に混和性である。揮発性物質の添加により、PEGは、より低温に冷却し、室温まで冷却したときに、柔軟性固体を形成する。構造成分が使用される実施形態では、担体物質と構造成分は、混合されて加熱され、その結果、これらが共に溶融することができる。次に、担体と構造成分の溶融混合物に、揮発性物質を添加することができる。ワックスが使用される実施形態では、担体物質と構造成分とワックスは、混合されて加熱され、その結果、これらが共に溶融する。次に、担体と構造成分とワックスの溶融混合物に、揮発性物質を添加することができる。
組成物を含む構造体(又はマトリックス)は、熱的に加勢され、又は他の方法でエネルギーが加えられて、揮発性物質を放出することができる。
【0044】
揮発性組成物が香り組成物を含むとき、カートリッジ22内の香り物質は、全体的なテーマ又は生理的効果を有してもよい。本明細書で使用するとき、「テーマ」という用語は、一般に、フィルム、音楽、劇場、美術などの他のメディアと同時に放出されるように設計されてそのような他のメディアに関係付けられた香り物質よりも、製品の中又は上に含まれる他の香り物質の1つ以上にもっぱら関連付けられた香り物質について言う。更に、本発明のある種の態様は、香りが何か他のメディアで生じている事象と同時に放出されるときも新規であると考えられている。したがって、本発明は、本発明のこれらの態様が関係する場合に、他のメディアと同時に放出される香りの使用を除外するものではない。更に他の実施形態では、カートリッジ内に含まれる幾つかの香り組成物は、たとえカートリッジが全体的テーマを有さなくても、一般的なタイプの香り(例えば花など)を含むというように、相互に関連付けられる。任意数の香りが、そのような方法で関連付けられてもよい。
【0045】
カートリッジ22又は上面26などのそのいずれかの部分は、様々な目的のための1つ以上の図、色、アイコン、及び/又は文字をその上に有することができる。カートリッジ22は、森又は花のテーマなどの、カートリッジ内の香りの「テーマ」を表す図を有してもよい。カートリッジ22はまた、その中に含まれる香りと香りがその上に見出される「トラック」のリストを有してもよい。
【0046】
III.器具
香りを放出する器具(又は装置、拡散器、又は単に「器具」)20は、いかなる好適な構成にもすることができる。器具20の1つの実施形態が、図1及び図2に示される。図示する実施形態では、上方から見るときの器具20の形状は、カートリッジ22のものに類似する。器具20は、上面106、底面108、前部分110、背又は後ろ部分112、及び側部114を有する。しかしながら、器具20の後ろ部分は、カートリッジ22の後ろ上の突出部35より更に延びる。器具の頂部は、蓋100と、その上の空気排出口102とを有する。蓋100は、器具のユーザーが内側のカートリッジ22及びその上のどのような情報をも見ることができるように、透明とすることができる。
【0047】
器具20は、個人のパーソナルユースのために香り物質などの揮発性物質を放出するように構成可能であり(例えば、器具は、ユーザーの鼻の近辺に置かれた管などを介して香りを放出するだけ)、又は部屋若しくは車両など特定の空間全体に揮発性物質を分配するように構成可能である。好ましくは、器具20は、揮発性物質を空間全体に分配するように構成される。
【0048】
図2は、図1に示される器具20の構造を示す。図2に示される器具20の実施形態は、幾つかの主要要素を備えるハウジング116を含んでおり、それには、基部118と、ハウジング本体120と、外蓋100及び内蓋101を含みカートリッジ22を受け入れるために調和して持ち上げ可能な二部分からなる頂部カバーシステム(又は「カバー」)と、空気排出口102と、回転皿122と、少なくとも1つのモータ(図2に示される実施形態は2つのモータ124及び126を含む)とが含まれる。器具20はまた、揮発性物質の拡散を加速するための加熱器104などの活性化構成体と、回転可能トレー46内の暴露された揮発性物質のポケット44の上に空気排出口を通して強制空気を流すためのファン134などの拡散構成体とを含む。器具20は、加熱エレメント142を1つ以上の揮発性組成物内蔵容器44と整列させるための機構を含んでもよい。1つの非限定的な実施形態では、その機構は、容器44の少なくとも1つを加熱エレメント142と整列させるために、製造物品内の容器44を回転させる。
【0049】
内蓋101は、上側101Aと、下側101Bと、空気流路103と、空気排出口102の下部分を画定する前部分105とを有する。二部分から成るカバーシステムの外蓋100は、主として外観上のためにある。器具20は、単一構成体の蓋で同様にうまく機能する。
【0050】
皿122は更に、カートリッジ22内側の回転可能なトレー46に係合してこれを回転させるためのスピンドル又はハブ60を備える。加えて、皿122には、皿122が(トレー46上のブランク空間51をカートリッジの開放領域52の下にして)そのホームポジションにあるとき、蓋100が開放されてカートリッジ22が排出されることを可能にするスロット128がある。皿122がホームポジションではないときは、排出機構が、皿122と干渉して、蓋100を閉止位置にロックする。このスロット128が存在する(ホームポジション)ときだけ、排出機構が移動して、蓋100を開放することができる。これにより、揮発性組成物内蔵ポケット44が暴露されている場合には、カートリッジ22が取り出し不能であることが確実になる。これはまた、加熱エレメントが活性状態にある間に、ユーザーがこれに直接接触することを防止する。
【0051】
カートリッジ22が器具20の内側に置かれて、カバー100が閉止されるとき、内蓋101の下側101Bとカートリッジ22の上面26が協働して、それらの間に空気流路103を形成する。すなわち、内蓋101の下側101Bが空気流路103の上側部分を形成し、カートリッジ22の上面26が空気流路103の下側部分を形成する。
【0052】
この特定の実施形態では、カバーが持ち上げられたとき、カートリッジ22用の窪み区域130が見える。図示する実施形態では、窪み区域130は、ハウジング116の上部分に形成されている。窪み区域130は、いかなる好適な形状にもすることができる。図示するもののような幾つかの実施形態では、窪み区域130は、カートリッジ22の形状の少なくとも一部に一致することが望ましく、その結果、カートリッジ22の内側のトレー46が器具20により回転されるとき、カートリッジが回転又は他の方法で移動することが防止される。1つの非限定的な実施形態では、窪み区域46は、カートリッジ22の外部と実質的に同一形状を有することができる。
【0053】
器具20は、様々な安全機構を備えてもよい。図示する実施形態では、器具20は、器具20が始動可能となる前に、ユーザーがカートリッジ22を挿入して蓋を閉止することを必要とする、安全インターロック機構を備える。このことは、プリント基盤(PCB)134上の電力供給源とインラインであるばね搭載スイッチなどのスイッチ132により提供される。安全インターロックは、器具20がカートリッジ22の重量だけでは活性化されないことを確実にするために、追加ばね136を窪み区域130内でハブの左側に組み込んでいる。
【0054】
図示する実施形態では、皿122は、2つの弧状位置決めリング138を備える。内側の位置決めリングは、トレー46内のポケット44の位置に対応する位置を表す5つのノッチ140を有する。外側リングは、トレー46内のブランク空間51(「ホームポジション」)の位置に対応する単一のノッチ140を有する。皿122は、位置決めシステムとして使用され、これが、適切なポケット44を加熱器104の上及び強制空気流の中へ移動させ、一方、その他のポケット44を封止位置に残す。このことは、皿122上の位置決めリング138内のノッチ140と共に、2つの紙センサー(U字形状に形作られて、それ自体を「見る」ことができるかどうかを読み取る、送信及び受信ユニット)を、プリント回路基盤134上に組み込むことにより達成される。そのセンサーは、ノッチ140の存在を検知するために、赤外線又は類似手段を使用する。センサーが内側位置決めリングのノッチ140を見出すとき、皿122ひいてはカートリッジトレー46は、5つの「実行」位置の1つにある。外側位置決めリングのノッチ140が見出されるとき、皿122は、ホームポジションにある。位置決めシステムは、本出願と同日付でホルムス(Holmes)グループにより出願された「揮発性物質を環境中へ分散させる装置(Apparatus for Dispersing Volatile Materials Into the Environment)」という名称の特許出願中にて、更に詳細に説明されている。
【0055】
加熱器104は、揮発性組成物を所望の温度まで加熱可能である、いかなる好適な加熱器にもすることができる。加熱器104は、好ましくは、加熱器の熱くなる部品である加熱エレメント142を備える。図示する実施形態では、加熱エレメント142は、カバー146を有し、これは、アルミニウム又はステンレス鋼を含むいかなる好適な材料にても作成可能である。他の実施形態では、加熱器104は、全く省略可能であり、この場合、香りは、ファン156により、又は揮発性物質の揮発を助けることができるいずれか他の構成体により、その「休止」又は非加熱状態から拡散される。
【0056】
この実施形態では、カートリッジ22内側のトレー46は、ハブ60により回される(回転される)。ハブ60の頂部の溝68が、トレー46の下側50のリブ64及び66に係合する。皿122は、一連の歯車を通してモータ124に連結されており、歯車には、モータシャフトに直接取付けられたウォームギア148と、次に皿122を駆動する一組の歯車150とが含まれる。モータ124は、ウォームギア148を回転させ、ウォームギア148が、一組の歯車150を回転させる。一組の歯車150が、皿122を回転させると、これが、カートリッジ22内のトレー46を回転させる。
【0057】
カートリッジ22が器具20の外側にあるとき、カートリッジ22は、回転可能なトレー46のブランク部分51をカートリッジ22上側部分の開口部52下の位置にして、ロック位置にある。回転可能なトレー46は、ロックピン86などのロック機構によりホームポジションにロックされる。このロックピン86は、カートリッジシェルの下側部分38の一部である。ロックピン86は、回転可能なトレー46の周辺部72上のスロット70に嵌り込む。カートリッジ22が器具20に挿入されたとき、ロックピン86は、器具のハウジングの窪み区域130内側の突出部152に接触する。この接触により、ロックピン86が外へ押し出されて、回転可能なトレー46は、ハブ60により駆動されるとき、回転可能になる。カートリッジ22の実行が完了して、器具20から取り出されると、ロックピン86が、トレー46の回転を阻止する。
【0058】
図示する実施形態では、器具20は、ファンを回転させるための別個のモータ126を有してもよい。モータは、制御回路を有するプリント回路基盤に結線され、プリント回路基盤は、制御ボタンに接続される。器具20は、構造物又は車両の電気出力端(例えば、自動車のシガレットライター)などへ挿入のための電気プラグを備えることができる。別の方法として、器具20は、電池から電力供給可能である。
【0059】
器具20は、ユーザーのためにいかなる好適な制御をも有することができる。幾つかの実施形態では、器具20は、揮発性組成物の休止状態から活性状態への活性化と、揮発性組成物の周囲への拡散との両方を制御する、単一の制御器を有することができる。例えば、単一の制御器は、加熱器104及びファン156両方の作動を制御することができる。器具20が香りのある揮発性組成物を放出するように設計されているとき、器具20は、器具の始動及び停止と、香りの「量」又は強度の選定と、カートリッジ内の1つ以上の揮発性組成物のスキップとを行う、制御器を備えることができる。これらは、始動及び停止ボタン(別個であってもよいが、好ましくは単一の始動(又は実行)/停止ボタン)160と、排出ボタン又はラッチ162と、香り強度制御164と、順序内で次の香りまで前に跳ぶ「スキップ」ボタン168とを含むことができる。前文で説明された制御は、器具20用に可能な制御の1つの実施形態に過ぎないことを理解されるであろう。器具20は、これらの制御の全てを有する必要はなく、その他又は異なる制御を有してもよい。消費者が「スキップ」制御を利用しない場合、又は器具20がそのような制御を備えていない場合、揮発性物質は、予め定められた順序で放出可能である。そのような順序は、トレー46回りに配置された順序で揮発性物質を連続的に放出することを含み得るが、これに限定されない。
【0060】
器具20はまた、ユーザーが制御設定を決定可能であるように、1つ以上の表示器を有してもよい。図1に図示する実施形態では、実行ボタン160は、器具20が始動したときを表示する光166と、強度設定が弱か中か又は強のどれかを表すための3つの光170とを有する。
【0061】
器具20とカートリッジ22などの製造物品は、承認されたタイプの製造物品だけが器具20に挿入可能であることを確実にするために、様々な機構を備えることができる。例えば、一実施形態では、器具20は、幅が4.2インチ(10.7cm)未満の製造物品だけを受け入れるように構成されてもよい。円形の平面図形状を有する物品の場合、そのような物品は、2.1インチ(5.3cm)未満の半径を有すべきである。物品は、形状とは関係なく、少なくとも1つの突出領域35などの少なくとも幾つかの領域を有してもよく、これにより、器具20内の回転に対して更に安定することができる。これらの安定化領域は、横断方向中心線Tに対して垂直の方向に測定して、横断方向中心線Tから約0.9インチ(約2.3cm)〜約1.1インチ(約2.8cm)の間の距離において始めることができる。物品は、物品の長手方向中心線Lから約0.85インチ(約2.2cm)以上の距離では、厚さが約0.5インチ(約1.3cm)超過であってはならない。器具20の内蓋により画定される空気流路103のために、物品は、長手方向中心線Lに沿う領域内ではより大きな厚さを有してもよい。厚さがより大きいこの領域は、長手方向中心線Lの周りに中心を置いて、幅が約1.4インチ(約3.6cm)〜約1.7インチ(約4.3cm)の間の区域とすることができる。一実施形態では、厚さがより大きい領域は、約1インチ(約2.5cm)まで又はそれ以上の厚さとすることができる。
【0062】
物品は、その底に、最小直径約1/2インチ(約1.3cm)の中心穴を有すべきである。物品は、加熱エレメント142用の開口部を底に有し、この底開口部の幅のある部分において、少なくとも約1インチ(約2.54cm)、好ましくは少なくとも約1.25インチ(約3.2cm)の幅となっているべきである。物品はまた、ロックピンをロック解除する突出部152のための第三の開口部をその底に有する必要がある。この第三の開口部の少なくとも一部は、物品の底を見るとき、長手方向及び横断方向の中心線L及びTの交点から測定して、物品の横断方向中心線Tに対してある角度の領域内に置かれる。(長手方向及び横断方向の中心線L及びTは、好ましくは、トレー46の下側上の円形ボス62か、又は器具のハブ60内の溝68と係合するリブ64及び66などの要素の間の中ほどにあるいずれかの等価要素かを含む領域内で交差する。図5に示すように、この第三の開口部が横断方向中心線Tに対してなす角度αは、約45度〜約55度の間である。第三の開口部の少なくとも一部は、長手方向及び横断方向の中心線L及びTの交点から約1.8インチ(約4.6cm)〜約2インチ(約5cm)の間隔がある。この第三の開口部の少なくとも一部は、少なくとも約0.05インチ(約0.13cm)から約0.36インチ(約0.9cm)まで又はそれ以上の幅Wと、0.5インチ(約1.3cm)まで又はそれ以上に範囲することができる少なくとも等寸法の高さHとを有する。
【0063】
これら及び他の実施形態において、回転可能なトレーを有するカートリッジの代わりに、トレーは静止して残ることもでき、器具は、揮発性組成物内蔵容器の下にある又は下で回転する1つ以上の加熱エレメント(又は複数の加熱器)を備えることができる。もちろん、本明細書で説明した実施形態のいずれにおいても、加熱器は、他の実施形態中の揮発性組成物内蔵容器の上に又はこれに隣接して配置も可能である。その他の実施形態もまた可能である。
【0064】
意図される操作モードは、ユーザーがカートリッジ22を器具20の中に置き、扉を閉じて再生ボタン160を押すことである。カートリッジ22が器具の外側にあるとき、カートリッジ22は、回転可能なディスクの香り容器がないブランク部分51をカートリッジ22の上側部分の開口部52の下の位置にして、ロックされた姿勢にある。器具20は、カートリッジ22の内側でまず回転可能なトレー46をロック解除し、次にカートリッジ22の内部の回転可能トレー46を回転させて、香りジェルを含む最初のポケット44Aを暴露する。ポケット44Aの下の加熱エレメント142が、エネルギーを加えて、香料の放出を加速する。次に、ファン156が始動して、空気が空気流路103を通って揮発性組成物を含む暴露されたポケット44Aの脇を通るように強制する。この空気が、次に部屋へ流入して、大気全体に急速に香りを拡散させる。予め定められた間隔の後で、加熱が停止し、トレー46が回転して、次のポケット44を暴露する。次に、加熱器104が再始動して、次の揮発性物質を放出する。
【0065】
ユーザーが器具20を停止したいと望む場合は、実行/停止ボタン160を押すと、器具20がまずカートリッジ22内側のトレー46を回転させて閉止位置に戻し、その結果、どのポケット44も外部に暴露されない。これが完了した後では、カバーが開放可能となり、ユーザーはカートリッジを取り出してもよい。その後、香料がポケット内側にまだ残っている場合、カートリッジ22は後に再使用されてもよい。
【0066】
本記述全体にわたって言及したすべての特許、特許出願(及びそれに基づいて発行された特許及び関連して発行された外国特許出願)、並びに公開公告の開示内容を本明細書に参考として組み込む。但し、本明細書に参考として組み込まれる文献のいずれもが本発明を教示又は開示していないことを明言する。
【0067】
本明細書全体を通じて与えられるあらゆる最大数値限界には、それよりも小さいあらゆる数値限界も、本明細書に明確に記載されたものとして含まれることを理解すべきである。本明細書全体にわたって記載されるあらゆる最小数値限定は、それより大きいあらゆる数値限定も、本明細書に明確に記載されたものとして包含する。本明細書全体にわたって記載されるあらゆる数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内にあるあらゆるより狭い数値範囲も、すべて本明細書に明確に記載されたものとして包含する。
【0068】
本発明の特定の実施形態について記載したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく本発明の様々な変更及び修正を実施できることが当業者には明らかである。更に、本発明をある特定の実施形態と関連して説明してきたが、これは説明を目的とするものであって、限定を目的とするものではなく、本発明の範囲は、添付の請求項によって定義され、これは従来技術が可能にするのと同様に幅広く考えられるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】カートリッジが挿入されて上カバーが閉止位置にある、器具の一実施形態の斜視図。
【図2】図1に示される器具の主要な構成体の分解斜視図。
【図3】カートリッジの一実施形態の斜視図。
【図4】図3に示されるカートリッジの上面図。
【図5】図3に示されるカートリッジの底面図。
【図6】図3に示されるカートリッジの側面図。
【図7】図3に示されるカートリッジの背面図。
【図8】図3に示されるカートリッジの構成体を示す分解斜視図。
【図9】カートリッジの上側半分を構成するシェルの下側の平面図。
【図10】図3に示されるカートリッジの上面図であって、取外し可能な封止材料の一部がカートリッジの後ろから延びている。
【図11】カートリッジのトレーの構成体を覆う取外し可能な封止材料を適用することの第一段階を示す概略上面図。
【図12】カートリッジのトレーの構成体を覆う取外し可能な封止材料の一部を曲げ戻す第二段階を示す概略上面図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の揮発性組成物用に個々の容器を有するホルダーであって、前記容器の少なくとも2つが異なる揮発性組成物を含み、前記容器は、前記揮発性組成物が相互に接触しないように前記揮発性組成物を分離しており、前記少なくとも2つの容器の少なくとも一部が大気に開放されている、ホルダーと、
前記少なくとも2つの容器を覆う取外し可能な封止材料であって、前記取外し可能な封止材料が、前記少なくとも2つの容器から少なくとも部分的に同時に取外し可能であるように構成されている、取外し可能な封止材料とを含む、複数区画物品。
【請求項2】
前記ホルダーがトレーを含み、前記容器が前記トレー内に形成されたポケットを含む、請求項1に記載の複数区画物品。
【請求項3】
前記トレーは頂部で開放されており、前記取外し可能な封止材料が少なくとも2つのポケットを覆い、前記封止材料が前記トレーを取外し可能に封止する、請求項2に記載の複数区画物品。
【請求項4】
前記ホルダーがカートリッジの内側に配置されている、請求項1に記載の複数区画物品。
【請求項5】
前記カートリッジが、前記取外し可能な封止材料を取外すためにその中に開口部を有する、請求項4に記載の複数区画物品。
【請求項6】
前記少なくとも2つの容器内の前記異なる揮発性組成物が、香り組成物を含む、請求項1に記載の複数区画物品。
【請求項7】
前記取外し可能な封止材料がフィルムを含む、請求項1に記載の複数区画物品。
【請求項8】
前記フィルムが、前記少なくとも2つの容器を覆う第一の部分と、前記第一の部分の少なくとも一部の上に折り返された第二の部分とを含む、請求項7に記載の複数区画物品。
【請求項9】
前記フィルムの前記第二の部分の少なくとも一部が、ユーザーにより把握されるためのタブを含む、請求項8に記載の複数区画物品。
【請求項10】
前記取外し可能な封止材料が、前記取外し可能な封止材料の一部を引張ることによる一動作で、前記少なくとも2つの容器から取外し可能であるように構成されている、請求項1に記載の複数区画物品。
【請求項11】
単一使用の請求項1に記載の複数区画物品。
【請求項12】
再使用可能な請求項1に記載の複数区画物品。
【請求項13】
前記取外し可能な封止材料が、取外された後で、前記ホルダーを再封止可能であるように構成されている、請求項12に記載の再使用可能な複数区画物品。
【請求項14】
揮発性組成物用に少なくとも3つの個々の容器を有するホルダーであって、前記容器は、前記揮発性組成物が相互に接触しないように前記揮発性組成物を分離しており、前記少なくとも3つの容器の少なくとも一部が大気に開放されている、ホルダーと、
前記少なくとも3つの容器を覆う取外し可能な封止材料であって、前記取外し可能な封止材料が、前記少なくとも3つの容器から同時に取外し可能であるように構成されている、取外し可能な封止材料とを含む、複数区画物品。
【請求項15】
複数の揮発性組成物をその中又はその上に含む複数揮発性物質内蔵製品であって、前記揮発性組成物は揮発性物質を含み、前記揮発性組成物は、前記製品が使用されていないときに、少なくとも部分的に封止され、前記少なくとも部分的に封止された製品が、3ヶ月間にわたって、前記揮発性組成物内の前記揮発性物質の約50重量%以上を保持する、複数揮発性物質内蔵製品。
【請求項16】
前記揮発性組成物内の1つを所与の時間に放出するために構成された単一の開口部領域を有する、請求項15の製品。
【請求項17】
前記揮発性組成物が前記開口部領域との整列に移動することを阻止するロック機構を更に含む、請求項16の製品。
【請求項18】
シェルと、
前記シェル内側の複数区画揮発性組成物内蔵構成体であって、前記複数区画揮発性組成物内蔵構成体が前記シェルに相対的に移動可能である、複数区画揮発性組成物内蔵構成体と、
ロック位置にあるときに、前記シェル内側の前記構成体の移動を阻止するロック機構であって、前記ロック機構は、前記シェル又は前記揮発性組成物内蔵構成体に組み込まれて、前記構成体の移動を妨げるロック機構とを備える、複数揮発性組成物内蔵カートリッジ。
【請求項19】
前記シェルが内側表面を有し、前記ロック機構が、前記シェルの前記内側上に突出部を含む、請求項18に記載のカートリッジ。
【請求項20】
揮発性物質放出器具と請求項19に記載のカートリッジとを含むシステムであって、前記シェルの前記内側上の前記突出部が、前記器具内の突出部によりロック解除可能である、システム。
【請求項21】
前記ロック機構は、前記製品が前記器具の外側にあるときに、ロックされた配置である、請求項18に記載の製品。
【請求項22】
シェルと、
前記シェル内側の複数区画揮発性組成物内蔵構成体であって、前記複数区画揮発性組成物内蔵構成体が前記シェルに相対的に移動可能である、複数区画揮発性組成物内蔵構成体とを含む複数揮発性組成物内蔵カートリッジであって、
前記シェルの少なくとも1つの少なくとも一部と前記カートリッジの前記構成体は、シール機構を含む、複数揮発性組成物内蔵カートリッジ。
【請求項23】
前記シール機構の少なくとも一部が、前記シェルと前記シェル内側の前記構成体とに組み込まれている、請求項22に記載の製品。
【請求項24】
前記シール機構が、完全に前記シェルの部分と前記シェル内側の前記構成体とからなる、請求項23に記載のカートリッジ。
【請求項25】
前記シール機構が、前記カートリッジシェルの部分と前記構成体を共にして封止部を形成するためのポストとスロープのシステムを更に含み、前記ポスト及び前記スロープの1つが前記シェルの前記内側上に配置され、前記ポスト及び前記スロープの他方が前記シェル内側の前記構成体上に配置され、前記スロープが前記ポストに接触及び相対的に移動する、請求項23に記載の製品。
【請求項26】
前記シェル内側の前記構成体が周辺部を有し、前記ポストが前記シェル上に配置され、前記スロープが前記シェル内側の前記構成体の前記周辺部上に配置される、請求項25に記載のカートリッジ。
【請求項27】
前記シェル内側の前記構成体が周辺部を有し、前記スロープが前記シェル上に配置され、前記ポストが前記シェル内側の前記構成体の前記周辺部上に配置される、請求項25に記載の製品。
【請求項28】
前記シェル内側の前記構成体が頂面を有し、前記封止部が前記カートリッジシェルの内側表面上に組み込まれ、前記封止部が、前記シェル内側の前記構成体の前記頂面に接触して封止を形成する、前記シェルの前記内側上の隆起部分を含む、請求項25に記載の製品。
【請求項29】
前記シェルが、前記封止の有効性を増加させるために、前記シェル内側の前記構成体に対して湾曲、凸面、又は凹面を備える頂面を有する、請求項28に記載の製品。
【請求項30】
長手方向中心線及び横断方向中心線を有する揮発性物質内蔵物品であって、前記物品は、
上面及び下面を有するシェルと、
前記シェル内側の複数区画揮発性物質内蔵構成体とを備え、
前記シェルが、揮発性物質を放出するための開口部領域をその上面内に、及び拡散器具の要素を前記シェルに挿入するための少なくとも1つの開口部をその下面内に有し、
前記物品が少なくとも1つの安定化領域をその上に有する、揮発性物質内蔵物品。
【請求項31】
前記シェルの前記下面内の前記少なくとも1つの開口部が、概ね中心に配置された第一の開口部を含む、請求項30に記載の物品。
【請求項32】
前記第一の開口部の少なくとも一部が少なくとも約1.3cmの幅である、請求項31に記載の物品。
【請求項33】
前記シェルが外側周辺部を有し、前記シェルの前記下面内の前記少なくとも1つの開口部が、前記シェルの前記外側周辺部から内向きに約0.25インチ(6mm)〜約2インチ(約5cm)の間の区域内にある第二の開口部を更に含む、請求項31に記載の物品。
【請求項34】
前記物品が長手方向軸線及び横断方向軸線を有し、前記第一及び第二の開口部が前記物品の前記長手方向軸線に沿って存在し、前記物品の前記下面が、前記長手方向と横断方向の中心線の交点から測定するとき、前記物品の前記横断方向中心線に対して約45度〜約55度の間の角度で配置された第三の開口部を更に含む、請求項31に記載の複数香り物質内蔵カートリッジ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2007−525380(P2007−525380A)
【公表日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−514952(P2006−514952)
【出願日】平成16年5月21日(2004.5.21)
【国際出願番号】PCT/US2004/016397
【国際公開番号】WO2004/105815
【国際公開日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】