揮発装置
揮発した材料をユーザに送達するための装置は、ヒートパイプ(36)といった熱伝達装置と熱伝達関係にあるヒートシンク(14)を含む熱伝達コンポーネント(11)と、タバコ、香味料または治療物質のような揮発性材料源を含む揮発コンポーネント(20)と、を備える。この揮発コンポーネント(20)は、熱伝達コンポーネントの熱伝達装置(36)に熱伝達連通している揮発性材料源を有する熱伝達コンポーネント(11)に取り外し可能に取り付けられる。したがってこの熱伝達コンポーネント(11)は、一連の使い捨て揮発コンポーネント(20)と共に再利用可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、揮発装置に関する。
【背景技術】
【0002】
揮発した材料をユーザに送達するための装置は、特に模擬喫煙装置、あるいは香味料または治療物質のユーザへの送達のための装置として幾つかの用途を有する。
(背景技術および発明が解決しようとする課題)
【0003】
タバコを燃焼させずにタバコの煙の味を与える模擬喫煙装置を開発するために種々の提案がなされてきた。これらは例えば、燃焼ガスの組成を制御しながら喫煙者の口に送達される揮発した味付け可能なエーロゾルガスを形成するために使用される喫煙品の触媒部分に高温ガスが生成される模擬シガレット(紙巻タバコ)を教えているクック(Cook)等に発行された米国特許第5,944,025号と、喫煙者の口内に吸入されるエーロゾル生成物質を加熱するための熱源を与えるために混合されると発熱反応する化学反応物を利用する模擬喫煙品を教えているストルーベル(Strubel)に発行された米国特許第4,892,109号と、を含む。クリアマン(Clearman)等に発行された米国特許第5,247,947号と、ロバーツ(Roberts)等に発行された米国特許第4,819,665号と、センサボージュニア(Sensabaugh Jr.)等に発行された米国特許第4,793,365号はすべて、加熱されたエーロゾルが炭素質外部熱源から生成され、それから喫煙者に送達される種々の模擬シガレットまたは模擬喫煙品を教えている。更にアブリメン(Abhulimen)等に発行された米国特許第6,532,965号は、エーロゾル発生源として蒸気を使用する非燃焼性の模擬喫煙品を教えている。
【0004】
ポッター(Potter)等に発行された米国特許第4,917,119号には、揮発した治療材料を送達するための装置が開示されている。この装置は、ユーザがそれを通して吸い込む管の形をしている。この管の中心部に薬物を保持する基体は、水と接触すると発熱する材料、例えば酸化カルシウムの環状装填物によって取り囲まれている。熱源がトリガーされると、発生した熱は薬物を揮発させ、これをユーザがこの管を通して吸い込む。この装置は、1回だけ使用され、それから廃棄される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5,944,025号
【特許文献2】米国特許第4,892,109号
【特許文献3】米国特許第5,247,947号
【特許文献4】米国特許第4,819,665号
【特許文献5】米国特許第4,793,365号
【特許文献6】米国特許第6,532,965号
【特許文献7】米国特許第4,917,119号
【発明の概要】
【0006】
概して、本発明によれば、ヒートシンク、ヒートシンクと熱伝達関係にある熱伝達装置、熱伝達装置と取り外し可能な熱伝達関係にある揮発性材料源を含む揮発性コンポーネントとを備える、ユーザに揮発性材料を伝達するための装置が提供される。
【0007】
熱伝達装置から取り外し可能な揮発性装置を提供することにより、揮発性装置が、熱伝達槽置と分離して製造、販売され得、熱伝達装置が再利用されうる。
【0008】
揮発性コンポーネントの取り外しを容易にするために、装置は好ましくは、ユーザによって容易に分離されうる2つの基本的なコンポーネントから構成される。そのコンポーネントの一つは、ヒートシンクまたは熱伝達装置とおそらく一緒に、揮発性コンポーネントを取り入れ、もう一つのコンポーネントは、ヒートシンクまたは熱伝達装置のいずれかまたはその両方を取り入れる。例えば、本発明の一実施形態において、ヒートシンクおよび熱伝達装置はその装置の第1のコンポーネントに一緒に取り付けられ、揮発性材料源は第2のコンポーネントに取り付けられ、第2のコンポーネントは、第1のコンポーネントから取り外し可能である。代替的な構成において、ヒートシンクおよび揮発性コンポーネントは、その装置の第1のコンポーネントに取り付けられ、熱伝達装置は、その装置の第2のコンポーネントに取り付けられる。
【0009】
好都合にも、ヒートシンクおよび熱伝達装置は、その装置の同じコンポーネントに取り付けられる。したがって、本発明は、具体的には、ヒートシンクと、前記ヒートシンクと熱伝達関係にある熱伝達装置と、を備える熱伝達コンポーネントと、前記第1のコンポーネントの前記熱伝達装置に分離可能な熱伝達連通する揮発性材料源を備える揮発コンポーネントと、を備える、揮発した材料をユーザに送達するための装置を提供する。
【0010】
本発明はまた、熱伝達装置と熱伝達関係にあるヒートシンクを備える本発明による装置での使用のための熱伝達コンポーネントであって、前記コンポーネントは前記熱伝達装置に熱伝達連通する取り外し可能な揮発性材料源を支持することに適応する熱伝達コンポーネントを含む。
【0011】
本発明は、吸い口とこの吸い口に隣接する揮発性材料源とを備え、前記熱伝達装置に熱伝達関係で係合することに適応した、本発明による装置での使用のための揮発コンポーネント更に含む。
【0012】
所望であれば、本装置の揮発コンポーネントは、揮発した材料が通過するフィルタ部分を含み得る。
【0013】
本発明の熱伝達コンポーネントは好適には再利用可能であり、本発明の揮発装置は好適には使い捨てであるか、一回だけ使用可能である。
【0014】
本熱伝達コンポーネントと揮発コンポーネントは、互いに取り外し可能に接続される。この目的のために揮発性材料源と熱伝達装置は好適には、形状的に相補的である部分を介して熱伝達連通している。例えば前記揮発性材料源は好適には、前記伝達装置の一端に形状的に相補的であって、取り外し可能に係合するチャネルまたは凹部を含む。前記コンポーネントの隣接する端部は好適には形状的に相補的であり、また一つのコンポーネントの端部はこの他の中に取り外し可能に受け入れられる。
【0015】
1つの実施形態において、揮発性材料は、熱伝達装置に係合するように適合され、熱伝達装置から揮発性材料へ熱を伝達するための熱伝達表面を有する担体または支持体に取り付けられる。
【0016】
本発明の装置とコンポーネントは、香味料と治療材料とを含む任意の揮発性材料をユーザに送達するために使用できる。しかしながら好適には本発明は、非燃焼性の模擬シガレットを提供するために使用される。本発明のこれらの実施形態において揮発性材料源は、タバコまたはタバコ代用品を含む。
【0017】
熱伝達コンポーネントは、揮発性材料源への連通のために熱伝達装置によって熱が伝達されるヒートシンクを備える。
【0018】
このヒートシンクは好適には、熱吸収材料からなる本体の形をしており、外部熱源から加熱されるように配置され、必要とされる期間に亘ってユーザへの揮発性材料の放出を生成するための制御された仕方で、ある期間に亘って印加された熱が熱伝達装置によって揮発性材料源に伝達されることを可能にするために十分な印加される熱を吸収して保持することができる。
【0019】
外部熱源は、開放的な炎、または初期加熱装置、例えばサーモスタット制御により指定された温度を作り出すように設計された装置を含み得る電気抵抗加熱装置であり得る。装置がその動作温度に達したという目に見える表示をユーザに与えるために、熱伝達コンポーネントのヒートシンク端部には、熱変色性(サーモクロミック)熱表示装置が含まれ得る。
【0020】
如何なる適当な材料でも、ヒートシンクとして使用可能である。例えばヒートシンクは、金属でもセラミック材料でもよい。これは、高い熱容量の材料、または例えば高温相変化による生成熱を含む可逆プロセスを介して熱を吸収し、それから放出できる材料を含むこともできる。
【0021】
熱伝達装置は、単純な熱伝導性要素の形、例えば銅といった伝導性金属の中実の、または管状のロッドであり得る。しかしながら好適には熱伝達装置は、ヒートパイプの形をしている。このような装置は通常、管に沿って熱を効率的に伝導する熱伝導性液体で満たされた金属管を備える。このような製品は、米国アリゾナ州チャンドラーのエネルトロン社(Enertron, Inc.)、その他から入手可能である。
【0022】
熱伝達時の熱損失を減らすために、熱伝達要素は好適には、ヒートシンクと揮発性材料源との間で断熱される。
【0023】
ユーザがこの装置を装着するときにヒートシンクと揮発性材料源との間の一箇所以上の点で空気が装置に入ることが好適である。この空気は好適には、揮発した材料が放出されて装置を通ってユーザにまで移動するように、ヒートシンクからの熱によって加熱され、それから揮発性材料源を通過する。
【0024】
本発明の好適な実施形態では熱伝達コンポーネントは、ヒートシンクとヒートパイプとを封じ込める長手方向に延びる外被を備えている。その外被は、例えば、多くが市販されている高度に熱耐性のプラスチック材料、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ペルフルオロアルコキシエチレン(PFA)、または直鎖状芳香族熱可塑性ポリマー(例:PEEKという商標のもとVictrex plcにより販売されているもの)でできていてよく、これらのいずれも中が充填されていなくても、あるいは30重量%のガラスのような材料で充填されていてもよい。この外被は、揮発コンポーネントに隣接する端部に向かう複数の通気孔を含む。
【0025】
揮発コンポーネントに熱伝達連通している熱伝達装置の端部は、揮発性材料源との接触のために適したコーティングを組み込むことができる。このようなコーティングは、アルミニウム、ステンレス鋼、高温プラスチック、または熱伝導性セラミックを含み得る。更に熱伝達装置の端部は、揮発性材料源への接触と熱伝導とを向上させる熱伝導性幾何学形状に形成されるか、これを組み込むことができる。
【0026】
本発明がよりよく理解されるために、単なる例としてその特定の実施形態がこれから説明されるであろう。付属図面を参照すると、これらの図を通して同様な数字は同様な部分を指している。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】組み立てられた状態における本発明の装置の好適な実施形態の斜視図である。
【図2】図1の装置の縦断面図である。
【図3】分解された状態における図1、2の装置の縦断面図である。
【図4A】本発明による代替装置の一部の拡大スケールにおける斜視図である。
【図4B】本発明によるもう一つの代替装置の図4Aと同様の図である。
【図4C】本発明による更に別の代替装置の図4Aと同様の図である。
【図5】本発明による、組み立てられた状態の第二の装置の軸方向断面図である。
【図6】図5の装置において使用される揮発性コンポーネントの側面図である。
【図7】図6に示される揮発性コンポーネントの端面図である。
【図8】本発明による第3の装置の軸方向断面図である。
【図9】図8に示される装置の、組み立てられたときの1つのコンポーネントの軸方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1、2、3を参照すると、再利用可能な熱伝達コンポーネント11と使い捨ての揮発コンポーネント20とを含む模擬シガレットの形の、揮発した材料をユーザに送達するための装置10が示されている。熱伝達コンポーネント11は、例えば低い熱伝導率を有する高い熱抵抗性プラスチック、セラミックその他の耐久性材料からなる非熱伝導性管である円筒形ハウジングまたは外被12を含む。外被12の中には、支持・断熱材料26によって封じ込められたヒートパイプ16の形の熱伝達装置が配置される。ヒートパイプ16は、一端においてヒートシンク14内に長手方向に延び、反対の端部において使い捨ての揮発コンポーネント20内に延びる。
【0029】
本発明の装置の好適な実施形態はここに模擬シガレットとして図示されているが、この装置は、他の喫煙品、例えば葉巻を模擬するように設計されることも可能である。更に、上記の実施形態では、ヒートパイプ16は直線状の要素として図示されているが、ヒートパイプ16が異なる非直線状の構成に形成できることは、当業者に明らかであろう。例えばヒートシンク14は、揮発コンポーネント20から横方向にずらすこともできるであろう。
【0030】
外被12は通常、このヒートパイプ16の終端第2端部32から約5mm〜20mmの一箇所以上の位置において、その周りに複数の打抜き孔(パーフォレーション)18を備える。これらの打抜き孔18の数とサイズは、使用時に装置10の支持・断熱材料26を通る空気流の抵抗と量とを制御する。外被12の終端部は、この終端部への挿入とそこからの取外しの時に使い捨て揮発コンポーネント20を収容するために僅かにフレア形(朝顔形)に開いている。
【0031】
ヒートシンク14は、外部熱源から供給される熱を集めて保持する。ヒートシンク14は一般に、適当な金属またはセラミック材料、例えば熱蓄積ハニカム・セラミック、アルミニウムまたは発泡アルミニウムであり、あるいは所望の最適熱範囲内で動作するように選択された相変化材料を含むカプセル封入された、あるいは閉鎖されたセル構造を利用し、それによって液体といった高エネルギー状態と固体といった低エネルギー状態との間の物理的相変化を介して熱保持容量を拡張することもできる。150℃と250℃との間の融点を有し、100−700J/ccの範囲の融解潜熱を有する多数の相変化材料(例えば、AgNO3、AlCl3、TaCl3、InCl3、SnCl2、AlI3、およびTiI4のような塩;セレニウム、スズ、インジウム、スズ−亜鉛、インジウム−亜鉛、またはインジウム−ビスマスのような金属および金属合金;D−マンニトール、コハク酸、p−ニトロ安息香酸、ヒドロキノン、アジピン酸のような有機化合物)が利用可能である。1つの特に適した相変化材料は、199℃の融点を有するスズ(91重量%)と亜鉛(9重量%)の共晶混合物である。代替として可逆的熱生成プロセスを受けることのできる材料も、ヒートシンク14に利用可能である。これらは例えば、加熱されるとマグネシウムから水素が解離するという結果をもたらし、冷却時には水素とマグネシウムが化学的に結合して水素化マグネシウムを形成し、それによって水素化マグネシウムの低エネルギー状態に戻るプロセスで熱を放出するという水素化マグネシウムを含む。代替として他の高温相変化材料(すなわち約150℃から約300℃の相変化を受ける材料)が使用できる。
【0032】
好適にはヒートシンク14は、長さが15mmから30mmであり、また近似的に標準のシガレットの外周であり、これは約25mmである。ヒートシンク14は、好適には200°Fと600°Fの間(約90℃から約315℃まで)に加熱でき、より好適には300°Fと500°Fの間(約148℃から約260℃まで)に加熱できる材料で作られる。更にヒートシンク14は、このヒートシンクが直接の炎から熱を受けることを可能にするが、加熱されたヒートシンクとの直接の接触を防ぐ断熱層をユーザに与える、低伝導性熱伝達容量を有する薄い断熱材料(図示せず)によってジャケット被覆されることもできる。この断熱性ジャケットは、ユーザのための直接接触保護と蓄積された熱の更なる断熱性との両者を与えて、加熱のためにヒートシンクを露出させるように装置10を下方に滑らせ、ヒートシンク14をカバーするように装置10を上方に滑らせることができる可動ジャケットであってもよい。熱変色性(thermo-chromatic)インジケータは、更にヒートシンク14または断熱ジャケット(図示せず)との熱的関係において、例えば数字40で示されるようにその表面に使用でき、また装置10の端部が使用のために機能的熱範囲にまで十分に加熱されるときにユーザに表示を与えるために使用できる。インジケータとして使用可能な熱変色性材料は、例えば酸化亜鉛、酸化鉛(II)、硫酸ニッケル、多クロム紅柘榴石(こうざくろいし)(クロムリッチ・パイロープ:chromium-rich pyropes)などを含む。代替として、適当な機能的熱範囲に到達したことの目視確認を与えるために、バイメタル・サーモスタットを組み込んだ機械装置がヒートシンク14または断熱ジャケット(図示せず)に組み込まれることもあり得る。
【0033】
図2、3に最もよく示すように、装置10の再利用可能な熱伝達コンポーネント11はまた、ヒートシンク14と熱伝達関係にある一端30と、揮発材料源を、この場合はタバコ含有合成物を有する揮発コンポーネントの部分22内に受けられる反対側の端部32とを有するヒートパイプ16の形の熱伝達装置を含む。ヒートパイプ16は一般に、両端で密封された中空のアルミニウムまたは銅の管であって、熱伝達材料36で満たされる。好適には熱伝達材料36は、液体例えば水で飽和させられ、ヒートシンク14からタバコ部分22に熱エネルギーを伝達するように設計された毛細管の芯を備える。例えば5℃から230℃の動作温度範囲を有する銅ジャケット被覆された水ヒートパイプは、本発明での使用のために十分である。更にヒートパイプ16は一般に、直径が約2mmから6mmで、長さが5cmから9cmである。ヒートパイプ16は、適当な支持・断熱材料26、例えばセラミックマット、セラミックファイバ、多孔性セラミック、ガラスファイバ、オープンセル発泡樹脂、または機能的熱範囲に反復露出可能なその他の適当な断熱材料によって取り囲まれる。ヒートパイプ16の露出した端部32は、この後に論じられるようにタバコ部分22に熱伝達連通して係合することに適応している。この露出端部32は、タバコ部分22との接触に適したコーティングを組み込むこともできる。適当なコーティングは、アルミニウム、ステンレス鋼、高温プラスチック、または熱伝導性セラミックを含み得る。支持・断熱材料26は、ヒートシンク14からヒートパイプ16の第2端部または露出端部32の通常5mm〜10mm以内までのヒートパイプ16をカバーする。
【0034】
図3に最もよく示すように非燃焼性喫煙装置10は、タバコベースの揮発性材料源22と、また本実施形態ではタバコ部分22と軸方向に整列したフィルタ部分24とを含む使い捨て揮発コンポーネント20を含む。タバコ部分22は、ヒートパイプ16の端部32の外径とほぼ同じ内径を有し、それを形状的に相補的にしてヒートパイプ端部32を受けることに適応したチャネル部あるいは凹部28を備える。タバコ部分22は一般に、長さが約5mmから20mmの円筒形であって、外被12の内径と実質的に等しい外径を有する、数字38で示すような紙または他の適当な材料で包まれる。このようにしてタバコ部分22は、熱エネルギーの伝達を生じさせるためにヒートパイプ端部32がチャネル28に滑り込むときに熱伝達コンポーネント11の外被12内に滑り込むことに適応している。図1の18で示すものと同様の打ち抜き孔のリング(示さず)が、装置からの揮発および空気の流れを促進するために、タバコ部分22の円筒形ハウジングにあってもよい。
【0035】
図3に示すようにヒートパイプ端部32は、平坦であるか、僅かに丸くなっていてもよい。代替としてヒートパイプ端部32は、接触と熱伝導を改善するためにタバコ部分22を実際に貫通するように幾何学形状に形作られてもよい。ヒートパイプのこのような適応によって、部分22はチャネル部28を必要としない可能性がある。図4Aは、単一の貫通針の形状に構成されたヒートパイプ端部32のこのような一代替実施形態を示す。図4Bは、平らなフィンを有する円錐の形に構成されたヒートパイプ端部32のもう一つの代替実施形態を示す。図4Cは、多数の貫通針の形に構成されたヒートパイプ端部32の更に他の代替実施形態を示す。タバコまたは香味生成部分22は典型的には、タバコ粒子、処理済みタバコシート、あるいは燃えない熱タバコ基体として機能するように適当に選択され、ケースに入れられ、香味付けされた押出し成形タバコを含む。
【0036】
香味料またはタバコ基体22には、フィルタ端部24を組み込んだ吸い口が取り付けられる。フィルタ24は一般に、交差結合したポリプロピレンのウェブ、またはフィラメント当たり高いデニールの(太い単繊維の)セルローズアセテート、または形作られたセルローズアセテート・チューブ、または適当な硬さと低いドラフト(draft)、低い除去効率を備えた他の材料である。フィルタ24は、紙外被38などによって基体に取り付けられる。
【0037】
使用時に揮発コンポーネント20は、タバコあるいは香味料部分22のチャネル28内に受け入れられるヒートパイプ16の端部32を有する再利用可能な熱伝達コンポーネント11のフレア形の端部34に挿入される。それからヒートシンク14は、好適には熱的にトリガーされるインジケータ、例えば熱変色性インジケータ40その他このようなインジケータによって決定される予め選択された温度に、外部熱源例えばシガレットライターなどから加熱される。インジケータが予め選択された温度に達したとき喫煙者またはユーザは、加熱プロセスを中断し、揮発コンポーネント20の口またはフィルタ端部24を装着する(口にくわえる)。空気は、空気孔18を経由して熱伝達コンポーネント11の支持・断熱材料26内に通り、熱伝達パイプ16内で配置された熱によって加熱される。それから高温空気は、ヒートパイプ16との接触によって加熱されたタバコ部分または香味料部分22を通過し、そこで高温空気は部分22内に配置された香味料成分を揮発させ、それからユーザの口内に吸い込まれる。
【0038】
図5は、熱伝達コンポーネント11および揮発コンポーネント20を含む本発明のさらなる実施形態を示す。熱伝達コンポーネント11は、ヒートパイプ16のある中心軸に沿って円筒形ハウジング12を含む。ヒートパイプ16は、ヒートシンク14の一端に取り付けられている。ヒートシンク14の一端は、円筒形ハウジング12の一端内で受けられる栓14aの形態をとる。ハウジング12と栓14aとの間に絶縁材料36の層がある。ヒートシンク14の他端は、ハウジング12から延びて、熱伝達領域14bをその外部表面に提供する形状をとり、熱伝達領域14bは例示されている実施形態においては一連の同心リブ37を有する。リブ37は、ヒートシンクの表面積を増大させ、外部表面からヒートシンク14への熱伝達の速度を促進する。効果的な熱伝達を達成するために、代替的な表面形状(例えば、羽根または溝)がヒートシンクに提供されてもよい。ハウジング12の他端は、装置の揮発コンポーネント20の端に形成された相補的形状の溝39を受けるソケット38を規定する。
【0039】
揮発コンポーネント20は、溝39を形成するために径が小さくなっている一端を除き、熱伝達コンポーネントのハウジング12と同じ外径を有する円筒状ハウジング24内に含まれるフィルタ部分24および香味生成部分22を含む。熱伝達コンポーネントおよび揮発コンポーネントの両方のハウジング12、40には、それぞれ打ち抜き孔18、18aのリングが提供され、使用中の装置へ空気が引き入れられることを可能にする。
【0040】
図6および7に最も良く示されるように、香味生成部分22は、熱伝導材料の担体45(例:銅またはアルミニウムのような金属)を含む。担体45は、ヒートパイプ16にスライドしてはめ込まれる円筒形の中央コア46、および外表面に4つの放射状の羽根47を有する。4つの羽根の間に配置されたタバコ材料49は、揮発コンポーネントのハウジング40の内部表面に隣接する円筒状の外表面を提供する様な形状になっている。担体45は、熱パイプからタバコ材料へ熱を伝達するように働く。
【0041】
本発明のさらなる実施形態は、図8および図9に例示されている。装置は、揮発コンポーネント20および熱伝達コンポーネント11を含む。揮発コンポーネント20は、円筒状ハウジング12、ハウジング12の一端に配置されたヒートシンク14、およびヒートシンク14に接触してハウジング20の他端に配置されたタバコ材料22の円筒形状体を含む。材料22の本体は、図6および7に示されるように構成されうる。ヒートシンク14の一端は、円筒形ハウジング12の一端で受けられる栓14aの形態である。ヒートシンク14の他端は、ハウジング12から延びており、外部源からヒートシンク14への熱伝達速度を促進するための熱伝達領域を形成する一連の同心リブ37をその外部表面に提供するような形状になっている。ヒートシンク14およびタバコ材料22の本体は、ヒートパイプ16の一端を受けるように同軸状に配列した中央通路を有する。ヒートシンクから離れたハウジング12の端は、溝39を規定し、これは装置の熱伝達コンポーネント11の一端に形成された相補的形状のソケット38にスライドしてはめ込まれる。打ち抜き孔18aのリングが、ハウジング12に形成されており、タバコ材料の本体領域内のハウジングへ空気が引き込まれることを可能にしている。
【0042】
図9に示すように、熱伝達コンポーネント11は、揮発コンポーネント20から脱着可能である。熱伝達コンポーネント11は、ソケット38の一端にある円筒状ハウジング40、ならびに2つのフィルタ部分24aおよび24b(そのうちの1つがソケット38に隣接しており、他の一つがソケット38の反対側のハウジング40の端にある)を含む。フィルタ部分24aおよび24bは、打ち抜き孔18bのリングによってハウジング40の外部とつながっている空隙42によって互いに分離されている。ヒートパイプ16は、フィルタ部分24bの凹部にある一端に配置されており、他方のフィルタ部分24aの中央通路を通ってハウジング40の中心軸に沿って延びている。ヒートパイプは、図8に示すように、2つのコンポーネントが組み立てられたときは十分に長く、フィルタ部分から離れたヒートパイプの端は、ヒートシンク14の中心穴内で受けられる。
【0043】
所望であれば、ハウジング40の一端のフィルタ部分24bは、フィルタ要素がヒートパイプ16で加熱されたときに放出される追加の香味成分を保持していてもよい。
【0044】
使用時には、ユーザは、揮発コンポーネント20を熱伝達コンポーネント20から分離し、ヒートパイプ16へタバコ材料22の本体をスライドし、ヒートシンク14の凹部にヒートパイプ16の端を挿入し、熱伝達コンポーネント20のハウジング12の溝39を、熱伝達コンポーネント11のハウジング40のソケット38の中へ押し込んで、装置を再度組み立てる。次いで、熱をヒートシンク14へかける。熱は、ヒートパイプ16に沿って伝達し、タバコ材料22の温度および空隙42の空気を増大させる。ユーザが熱伝達コンポーネント11の端を引き出すと、空気は打ち抜き孔18aおよび18bを通って装置内に入り、揮発材料をユーザの口内へ運ぶ。使用後は、装置は分解されてもよく、使用されたタバコ材料は廃棄され、新しい材料と交換されうる。
【0045】
もう一つの実施形態では本発明の装置は、例えば医薬品といった治療材料のような他の揮発した材料をユーザに送達するために使用できることも注目されるであろう。本発明のこの実施形態は、揮発コンポーネント20が香味料やタバコ以外の揮発性治療材料を部分22に含むであろうことを除いて、付属図面の図に示す装置に関してあらゆる点で類似しているであろう。このような治療材料の例は、ライディングス(Ridings)等に発行された米国特許第4,941,483号とポッター(Potter)等に発行された米国特許第4,955,399号に見られ、これらは参照してここに組み込まれている。
【0046】
前述の詳細説明は、主として理解の明瞭さのために与えられており、そこから不必要な限定が理解されるべきでない、という訳は、この開示を読めば幾つもの修正版が当業者に明らかになるであろうし、本発明の精神と付属の請求項の範囲とから逸脱せずに実施できるからである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、揮発装置に関する。
【背景技術】
【0002】
揮発した材料をユーザに送達するための装置は、特に模擬喫煙装置、あるいは香味料または治療物質のユーザへの送達のための装置として幾つかの用途を有する。
(背景技術および発明が解決しようとする課題)
【0003】
タバコを燃焼させずにタバコの煙の味を与える模擬喫煙装置を開発するために種々の提案がなされてきた。これらは例えば、燃焼ガスの組成を制御しながら喫煙者の口に送達される揮発した味付け可能なエーロゾルガスを形成するために使用される喫煙品の触媒部分に高温ガスが生成される模擬シガレット(紙巻タバコ)を教えているクック(Cook)等に発行された米国特許第5,944,025号と、喫煙者の口内に吸入されるエーロゾル生成物質を加熱するための熱源を与えるために混合されると発熱反応する化学反応物を利用する模擬喫煙品を教えているストルーベル(Strubel)に発行された米国特許第4,892,109号と、を含む。クリアマン(Clearman)等に発行された米国特許第5,247,947号と、ロバーツ(Roberts)等に発行された米国特許第4,819,665号と、センサボージュニア(Sensabaugh Jr.)等に発行された米国特許第4,793,365号はすべて、加熱されたエーロゾルが炭素質外部熱源から生成され、それから喫煙者に送達される種々の模擬シガレットまたは模擬喫煙品を教えている。更にアブリメン(Abhulimen)等に発行された米国特許第6,532,965号は、エーロゾル発生源として蒸気を使用する非燃焼性の模擬喫煙品を教えている。
【0004】
ポッター(Potter)等に発行された米国特許第4,917,119号には、揮発した治療材料を送達するための装置が開示されている。この装置は、ユーザがそれを通して吸い込む管の形をしている。この管の中心部に薬物を保持する基体は、水と接触すると発熱する材料、例えば酸化カルシウムの環状装填物によって取り囲まれている。熱源がトリガーされると、発生した熱は薬物を揮発させ、これをユーザがこの管を通して吸い込む。この装置は、1回だけ使用され、それから廃棄される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5,944,025号
【特許文献2】米国特許第4,892,109号
【特許文献3】米国特許第5,247,947号
【特許文献4】米国特許第4,819,665号
【特許文献5】米国特許第4,793,365号
【特許文献6】米国特許第6,532,965号
【特許文献7】米国特許第4,917,119号
【発明の概要】
【0006】
概して、本発明によれば、ヒートシンク、ヒートシンクと熱伝達関係にある熱伝達装置、熱伝達装置と取り外し可能な熱伝達関係にある揮発性材料源を含む揮発性コンポーネントとを備える、ユーザに揮発性材料を伝達するための装置が提供される。
【0007】
熱伝達装置から取り外し可能な揮発性装置を提供することにより、揮発性装置が、熱伝達槽置と分離して製造、販売され得、熱伝達装置が再利用されうる。
【0008】
揮発性コンポーネントの取り外しを容易にするために、装置は好ましくは、ユーザによって容易に分離されうる2つの基本的なコンポーネントから構成される。そのコンポーネントの一つは、ヒートシンクまたは熱伝達装置とおそらく一緒に、揮発性コンポーネントを取り入れ、もう一つのコンポーネントは、ヒートシンクまたは熱伝達装置のいずれかまたはその両方を取り入れる。例えば、本発明の一実施形態において、ヒートシンクおよび熱伝達装置はその装置の第1のコンポーネントに一緒に取り付けられ、揮発性材料源は第2のコンポーネントに取り付けられ、第2のコンポーネントは、第1のコンポーネントから取り外し可能である。代替的な構成において、ヒートシンクおよび揮発性コンポーネントは、その装置の第1のコンポーネントに取り付けられ、熱伝達装置は、その装置の第2のコンポーネントに取り付けられる。
【0009】
好都合にも、ヒートシンクおよび熱伝達装置は、その装置の同じコンポーネントに取り付けられる。したがって、本発明は、具体的には、ヒートシンクと、前記ヒートシンクと熱伝達関係にある熱伝達装置と、を備える熱伝達コンポーネントと、前記第1のコンポーネントの前記熱伝達装置に分離可能な熱伝達連通する揮発性材料源を備える揮発コンポーネントと、を備える、揮発した材料をユーザに送達するための装置を提供する。
【0010】
本発明はまた、熱伝達装置と熱伝達関係にあるヒートシンクを備える本発明による装置での使用のための熱伝達コンポーネントであって、前記コンポーネントは前記熱伝達装置に熱伝達連通する取り外し可能な揮発性材料源を支持することに適応する熱伝達コンポーネントを含む。
【0011】
本発明は、吸い口とこの吸い口に隣接する揮発性材料源とを備え、前記熱伝達装置に熱伝達関係で係合することに適応した、本発明による装置での使用のための揮発コンポーネント更に含む。
【0012】
所望であれば、本装置の揮発コンポーネントは、揮発した材料が通過するフィルタ部分を含み得る。
【0013】
本発明の熱伝達コンポーネントは好適には再利用可能であり、本発明の揮発装置は好適には使い捨てであるか、一回だけ使用可能である。
【0014】
本熱伝達コンポーネントと揮発コンポーネントは、互いに取り外し可能に接続される。この目的のために揮発性材料源と熱伝達装置は好適には、形状的に相補的である部分を介して熱伝達連通している。例えば前記揮発性材料源は好適には、前記伝達装置の一端に形状的に相補的であって、取り外し可能に係合するチャネルまたは凹部を含む。前記コンポーネントの隣接する端部は好適には形状的に相補的であり、また一つのコンポーネントの端部はこの他の中に取り外し可能に受け入れられる。
【0015】
1つの実施形態において、揮発性材料は、熱伝達装置に係合するように適合され、熱伝達装置から揮発性材料へ熱を伝達するための熱伝達表面を有する担体または支持体に取り付けられる。
【0016】
本発明の装置とコンポーネントは、香味料と治療材料とを含む任意の揮発性材料をユーザに送達するために使用できる。しかしながら好適には本発明は、非燃焼性の模擬シガレットを提供するために使用される。本発明のこれらの実施形態において揮発性材料源は、タバコまたはタバコ代用品を含む。
【0017】
熱伝達コンポーネントは、揮発性材料源への連通のために熱伝達装置によって熱が伝達されるヒートシンクを備える。
【0018】
このヒートシンクは好適には、熱吸収材料からなる本体の形をしており、外部熱源から加熱されるように配置され、必要とされる期間に亘ってユーザへの揮発性材料の放出を生成するための制御された仕方で、ある期間に亘って印加された熱が熱伝達装置によって揮発性材料源に伝達されることを可能にするために十分な印加される熱を吸収して保持することができる。
【0019】
外部熱源は、開放的な炎、または初期加熱装置、例えばサーモスタット制御により指定された温度を作り出すように設計された装置を含み得る電気抵抗加熱装置であり得る。装置がその動作温度に達したという目に見える表示をユーザに与えるために、熱伝達コンポーネントのヒートシンク端部には、熱変色性(サーモクロミック)熱表示装置が含まれ得る。
【0020】
如何なる適当な材料でも、ヒートシンクとして使用可能である。例えばヒートシンクは、金属でもセラミック材料でもよい。これは、高い熱容量の材料、または例えば高温相変化による生成熱を含む可逆プロセスを介して熱を吸収し、それから放出できる材料を含むこともできる。
【0021】
熱伝達装置は、単純な熱伝導性要素の形、例えば銅といった伝導性金属の中実の、または管状のロッドであり得る。しかしながら好適には熱伝達装置は、ヒートパイプの形をしている。このような装置は通常、管に沿って熱を効率的に伝導する熱伝導性液体で満たされた金属管を備える。このような製品は、米国アリゾナ州チャンドラーのエネルトロン社(Enertron, Inc.)、その他から入手可能である。
【0022】
熱伝達時の熱損失を減らすために、熱伝達要素は好適には、ヒートシンクと揮発性材料源との間で断熱される。
【0023】
ユーザがこの装置を装着するときにヒートシンクと揮発性材料源との間の一箇所以上の点で空気が装置に入ることが好適である。この空気は好適には、揮発した材料が放出されて装置を通ってユーザにまで移動するように、ヒートシンクからの熱によって加熱され、それから揮発性材料源を通過する。
【0024】
本発明の好適な実施形態では熱伝達コンポーネントは、ヒートシンクとヒートパイプとを封じ込める長手方向に延びる外被を備えている。その外被は、例えば、多くが市販されている高度に熱耐性のプラスチック材料、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ペルフルオロアルコキシエチレン(PFA)、または直鎖状芳香族熱可塑性ポリマー(例:PEEKという商標のもとVictrex plcにより販売されているもの)でできていてよく、これらのいずれも中が充填されていなくても、あるいは30重量%のガラスのような材料で充填されていてもよい。この外被は、揮発コンポーネントに隣接する端部に向かう複数の通気孔を含む。
【0025】
揮発コンポーネントに熱伝達連通している熱伝達装置の端部は、揮発性材料源との接触のために適したコーティングを組み込むことができる。このようなコーティングは、アルミニウム、ステンレス鋼、高温プラスチック、または熱伝導性セラミックを含み得る。更に熱伝達装置の端部は、揮発性材料源への接触と熱伝導とを向上させる熱伝導性幾何学形状に形成されるか、これを組み込むことができる。
【0026】
本発明がよりよく理解されるために、単なる例としてその特定の実施形態がこれから説明されるであろう。付属図面を参照すると、これらの図を通して同様な数字は同様な部分を指している。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】組み立てられた状態における本発明の装置の好適な実施形態の斜視図である。
【図2】図1の装置の縦断面図である。
【図3】分解された状態における図1、2の装置の縦断面図である。
【図4A】本発明による代替装置の一部の拡大スケールにおける斜視図である。
【図4B】本発明によるもう一つの代替装置の図4Aと同様の図である。
【図4C】本発明による更に別の代替装置の図4Aと同様の図である。
【図5】本発明による、組み立てられた状態の第二の装置の軸方向断面図である。
【図6】図5の装置において使用される揮発性コンポーネントの側面図である。
【図7】図6に示される揮発性コンポーネントの端面図である。
【図8】本発明による第3の装置の軸方向断面図である。
【図9】図8に示される装置の、組み立てられたときの1つのコンポーネントの軸方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1、2、3を参照すると、再利用可能な熱伝達コンポーネント11と使い捨ての揮発コンポーネント20とを含む模擬シガレットの形の、揮発した材料をユーザに送達するための装置10が示されている。熱伝達コンポーネント11は、例えば低い熱伝導率を有する高い熱抵抗性プラスチック、セラミックその他の耐久性材料からなる非熱伝導性管である円筒形ハウジングまたは外被12を含む。外被12の中には、支持・断熱材料26によって封じ込められたヒートパイプ16の形の熱伝達装置が配置される。ヒートパイプ16は、一端においてヒートシンク14内に長手方向に延び、反対の端部において使い捨ての揮発コンポーネント20内に延びる。
【0029】
本発明の装置の好適な実施形態はここに模擬シガレットとして図示されているが、この装置は、他の喫煙品、例えば葉巻を模擬するように設計されることも可能である。更に、上記の実施形態では、ヒートパイプ16は直線状の要素として図示されているが、ヒートパイプ16が異なる非直線状の構成に形成できることは、当業者に明らかであろう。例えばヒートシンク14は、揮発コンポーネント20から横方向にずらすこともできるであろう。
【0030】
外被12は通常、このヒートパイプ16の終端第2端部32から約5mm〜20mmの一箇所以上の位置において、その周りに複数の打抜き孔(パーフォレーション)18を備える。これらの打抜き孔18の数とサイズは、使用時に装置10の支持・断熱材料26を通る空気流の抵抗と量とを制御する。外被12の終端部は、この終端部への挿入とそこからの取外しの時に使い捨て揮発コンポーネント20を収容するために僅かにフレア形(朝顔形)に開いている。
【0031】
ヒートシンク14は、外部熱源から供給される熱を集めて保持する。ヒートシンク14は一般に、適当な金属またはセラミック材料、例えば熱蓄積ハニカム・セラミック、アルミニウムまたは発泡アルミニウムであり、あるいは所望の最適熱範囲内で動作するように選択された相変化材料を含むカプセル封入された、あるいは閉鎖されたセル構造を利用し、それによって液体といった高エネルギー状態と固体といった低エネルギー状態との間の物理的相変化を介して熱保持容量を拡張することもできる。150℃と250℃との間の融点を有し、100−700J/ccの範囲の融解潜熱を有する多数の相変化材料(例えば、AgNO3、AlCl3、TaCl3、InCl3、SnCl2、AlI3、およびTiI4のような塩;セレニウム、スズ、インジウム、スズ−亜鉛、インジウム−亜鉛、またはインジウム−ビスマスのような金属および金属合金;D−マンニトール、コハク酸、p−ニトロ安息香酸、ヒドロキノン、アジピン酸のような有機化合物)が利用可能である。1つの特に適した相変化材料は、199℃の融点を有するスズ(91重量%)と亜鉛(9重量%)の共晶混合物である。代替として可逆的熱生成プロセスを受けることのできる材料も、ヒートシンク14に利用可能である。これらは例えば、加熱されるとマグネシウムから水素が解離するという結果をもたらし、冷却時には水素とマグネシウムが化学的に結合して水素化マグネシウムを形成し、それによって水素化マグネシウムの低エネルギー状態に戻るプロセスで熱を放出するという水素化マグネシウムを含む。代替として他の高温相変化材料(すなわち約150℃から約300℃の相変化を受ける材料)が使用できる。
【0032】
好適にはヒートシンク14は、長さが15mmから30mmであり、また近似的に標準のシガレットの外周であり、これは約25mmである。ヒートシンク14は、好適には200°Fと600°Fの間(約90℃から約315℃まで)に加熱でき、より好適には300°Fと500°Fの間(約148℃から約260℃まで)に加熱できる材料で作られる。更にヒートシンク14は、このヒートシンクが直接の炎から熱を受けることを可能にするが、加熱されたヒートシンクとの直接の接触を防ぐ断熱層をユーザに与える、低伝導性熱伝達容量を有する薄い断熱材料(図示せず)によってジャケット被覆されることもできる。この断熱性ジャケットは、ユーザのための直接接触保護と蓄積された熱の更なる断熱性との両者を与えて、加熱のためにヒートシンクを露出させるように装置10を下方に滑らせ、ヒートシンク14をカバーするように装置10を上方に滑らせることができる可動ジャケットであってもよい。熱変色性(thermo-chromatic)インジケータは、更にヒートシンク14または断熱ジャケット(図示せず)との熱的関係において、例えば数字40で示されるようにその表面に使用でき、また装置10の端部が使用のために機能的熱範囲にまで十分に加熱されるときにユーザに表示を与えるために使用できる。インジケータとして使用可能な熱変色性材料は、例えば酸化亜鉛、酸化鉛(II)、硫酸ニッケル、多クロム紅柘榴石(こうざくろいし)(クロムリッチ・パイロープ:chromium-rich pyropes)などを含む。代替として、適当な機能的熱範囲に到達したことの目視確認を与えるために、バイメタル・サーモスタットを組み込んだ機械装置がヒートシンク14または断熱ジャケット(図示せず)に組み込まれることもあり得る。
【0033】
図2、3に最もよく示すように、装置10の再利用可能な熱伝達コンポーネント11はまた、ヒートシンク14と熱伝達関係にある一端30と、揮発材料源を、この場合はタバコ含有合成物を有する揮発コンポーネントの部分22内に受けられる反対側の端部32とを有するヒートパイプ16の形の熱伝達装置を含む。ヒートパイプ16は一般に、両端で密封された中空のアルミニウムまたは銅の管であって、熱伝達材料36で満たされる。好適には熱伝達材料36は、液体例えば水で飽和させられ、ヒートシンク14からタバコ部分22に熱エネルギーを伝達するように設計された毛細管の芯を備える。例えば5℃から230℃の動作温度範囲を有する銅ジャケット被覆された水ヒートパイプは、本発明での使用のために十分である。更にヒートパイプ16は一般に、直径が約2mmから6mmで、長さが5cmから9cmである。ヒートパイプ16は、適当な支持・断熱材料26、例えばセラミックマット、セラミックファイバ、多孔性セラミック、ガラスファイバ、オープンセル発泡樹脂、または機能的熱範囲に反復露出可能なその他の適当な断熱材料によって取り囲まれる。ヒートパイプ16の露出した端部32は、この後に論じられるようにタバコ部分22に熱伝達連通して係合することに適応している。この露出端部32は、タバコ部分22との接触に適したコーティングを組み込むこともできる。適当なコーティングは、アルミニウム、ステンレス鋼、高温プラスチック、または熱伝導性セラミックを含み得る。支持・断熱材料26は、ヒートシンク14からヒートパイプ16の第2端部または露出端部32の通常5mm〜10mm以内までのヒートパイプ16をカバーする。
【0034】
図3に最もよく示すように非燃焼性喫煙装置10は、タバコベースの揮発性材料源22と、また本実施形態ではタバコ部分22と軸方向に整列したフィルタ部分24とを含む使い捨て揮発コンポーネント20を含む。タバコ部分22は、ヒートパイプ16の端部32の外径とほぼ同じ内径を有し、それを形状的に相補的にしてヒートパイプ端部32を受けることに適応したチャネル部あるいは凹部28を備える。タバコ部分22は一般に、長さが約5mmから20mmの円筒形であって、外被12の内径と実質的に等しい外径を有する、数字38で示すような紙または他の適当な材料で包まれる。このようにしてタバコ部分22は、熱エネルギーの伝達を生じさせるためにヒートパイプ端部32がチャネル28に滑り込むときに熱伝達コンポーネント11の外被12内に滑り込むことに適応している。図1の18で示すものと同様の打ち抜き孔のリング(示さず)が、装置からの揮発および空気の流れを促進するために、タバコ部分22の円筒形ハウジングにあってもよい。
【0035】
図3に示すようにヒートパイプ端部32は、平坦であるか、僅かに丸くなっていてもよい。代替としてヒートパイプ端部32は、接触と熱伝導を改善するためにタバコ部分22を実際に貫通するように幾何学形状に形作られてもよい。ヒートパイプのこのような適応によって、部分22はチャネル部28を必要としない可能性がある。図4Aは、単一の貫通針の形状に構成されたヒートパイプ端部32のこのような一代替実施形態を示す。図4Bは、平らなフィンを有する円錐の形に構成されたヒートパイプ端部32のもう一つの代替実施形態を示す。図4Cは、多数の貫通針の形に構成されたヒートパイプ端部32の更に他の代替実施形態を示す。タバコまたは香味生成部分22は典型的には、タバコ粒子、処理済みタバコシート、あるいは燃えない熱タバコ基体として機能するように適当に選択され、ケースに入れられ、香味付けされた押出し成形タバコを含む。
【0036】
香味料またはタバコ基体22には、フィルタ端部24を組み込んだ吸い口が取り付けられる。フィルタ24は一般に、交差結合したポリプロピレンのウェブ、またはフィラメント当たり高いデニールの(太い単繊維の)セルローズアセテート、または形作られたセルローズアセテート・チューブ、または適当な硬さと低いドラフト(draft)、低い除去効率を備えた他の材料である。フィルタ24は、紙外被38などによって基体に取り付けられる。
【0037】
使用時に揮発コンポーネント20は、タバコあるいは香味料部分22のチャネル28内に受け入れられるヒートパイプ16の端部32を有する再利用可能な熱伝達コンポーネント11のフレア形の端部34に挿入される。それからヒートシンク14は、好適には熱的にトリガーされるインジケータ、例えば熱変色性インジケータ40その他このようなインジケータによって決定される予め選択された温度に、外部熱源例えばシガレットライターなどから加熱される。インジケータが予め選択された温度に達したとき喫煙者またはユーザは、加熱プロセスを中断し、揮発コンポーネント20の口またはフィルタ端部24を装着する(口にくわえる)。空気は、空気孔18を経由して熱伝達コンポーネント11の支持・断熱材料26内に通り、熱伝達パイプ16内で配置された熱によって加熱される。それから高温空気は、ヒートパイプ16との接触によって加熱されたタバコ部分または香味料部分22を通過し、そこで高温空気は部分22内に配置された香味料成分を揮発させ、それからユーザの口内に吸い込まれる。
【0038】
図5は、熱伝達コンポーネント11および揮発コンポーネント20を含む本発明のさらなる実施形態を示す。熱伝達コンポーネント11は、ヒートパイプ16のある中心軸に沿って円筒形ハウジング12を含む。ヒートパイプ16は、ヒートシンク14の一端に取り付けられている。ヒートシンク14の一端は、円筒形ハウジング12の一端内で受けられる栓14aの形態をとる。ハウジング12と栓14aとの間に絶縁材料36の層がある。ヒートシンク14の他端は、ハウジング12から延びて、熱伝達領域14bをその外部表面に提供する形状をとり、熱伝達領域14bは例示されている実施形態においては一連の同心リブ37を有する。リブ37は、ヒートシンクの表面積を増大させ、外部表面からヒートシンク14への熱伝達の速度を促進する。効果的な熱伝達を達成するために、代替的な表面形状(例えば、羽根または溝)がヒートシンクに提供されてもよい。ハウジング12の他端は、装置の揮発コンポーネント20の端に形成された相補的形状の溝39を受けるソケット38を規定する。
【0039】
揮発コンポーネント20は、溝39を形成するために径が小さくなっている一端を除き、熱伝達コンポーネントのハウジング12と同じ外径を有する円筒状ハウジング24内に含まれるフィルタ部分24および香味生成部分22を含む。熱伝達コンポーネントおよび揮発コンポーネントの両方のハウジング12、40には、それぞれ打ち抜き孔18、18aのリングが提供され、使用中の装置へ空気が引き入れられることを可能にする。
【0040】
図6および7に最も良く示されるように、香味生成部分22は、熱伝導材料の担体45(例:銅またはアルミニウムのような金属)を含む。担体45は、ヒートパイプ16にスライドしてはめ込まれる円筒形の中央コア46、および外表面に4つの放射状の羽根47を有する。4つの羽根の間に配置されたタバコ材料49は、揮発コンポーネントのハウジング40の内部表面に隣接する円筒状の外表面を提供する様な形状になっている。担体45は、熱パイプからタバコ材料へ熱を伝達するように働く。
【0041】
本発明のさらなる実施形態は、図8および図9に例示されている。装置は、揮発コンポーネント20および熱伝達コンポーネント11を含む。揮発コンポーネント20は、円筒状ハウジング12、ハウジング12の一端に配置されたヒートシンク14、およびヒートシンク14に接触してハウジング20の他端に配置されたタバコ材料22の円筒形状体を含む。材料22の本体は、図6および7に示されるように構成されうる。ヒートシンク14の一端は、円筒形ハウジング12の一端で受けられる栓14aの形態である。ヒートシンク14の他端は、ハウジング12から延びており、外部源からヒートシンク14への熱伝達速度を促進するための熱伝達領域を形成する一連の同心リブ37をその外部表面に提供するような形状になっている。ヒートシンク14およびタバコ材料22の本体は、ヒートパイプ16の一端を受けるように同軸状に配列した中央通路を有する。ヒートシンクから離れたハウジング12の端は、溝39を規定し、これは装置の熱伝達コンポーネント11の一端に形成された相補的形状のソケット38にスライドしてはめ込まれる。打ち抜き孔18aのリングが、ハウジング12に形成されており、タバコ材料の本体領域内のハウジングへ空気が引き込まれることを可能にしている。
【0042】
図9に示すように、熱伝達コンポーネント11は、揮発コンポーネント20から脱着可能である。熱伝達コンポーネント11は、ソケット38の一端にある円筒状ハウジング40、ならびに2つのフィルタ部分24aおよび24b(そのうちの1つがソケット38に隣接しており、他の一つがソケット38の反対側のハウジング40の端にある)を含む。フィルタ部分24aおよび24bは、打ち抜き孔18bのリングによってハウジング40の外部とつながっている空隙42によって互いに分離されている。ヒートパイプ16は、フィルタ部分24bの凹部にある一端に配置されており、他方のフィルタ部分24aの中央通路を通ってハウジング40の中心軸に沿って延びている。ヒートパイプは、図8に示すように、2つのコンポーネントが組み立てられたときは十分に長く、フィルタ部分から離れたヒートパイプの端は、ヒートシンク14の中心穴内で受けられる。
【0043】
所望であれば、ハウジング40の一端のフィルタ部分24bは、フィルタ要素がヒートパイプ16で加熱されたときに放出される追加の香味成分を保持していてもよい。
【0044】
使用時には、ユーザは、揮発コンポーネント20を熱伝達コンポーネント20から分離し、ヒートパイプ16へタバコ材料22の本体をスライドし、ヒートシンク14の凹部にヒートパイプ16の端を挿入し、熱伝達コンポーネント20のハウジング12の溝39を、熱伝達コンポーネント11のハウジング40のソケット38の中へ押し込んで、装置を再度組み立てる。次いで、熱をヒートシンク14へかける。熱は、ヒートパイプ16に沿って伝達し、タバコ材料22の温度および空隙42の空気を増大させる。ユーザが熱伝達コンポーネント11の端を引き出すと、空気は打ち抜き孔18aおよび18bを通って装置内に入り、揮発材料をユーザの口内へ運ぶ。使用後は、装置は分解されてもよく、使用されたタバコ材料は廃棄され、新しい材料と交換されうる。
【0045】
もう一つの実施形態では本発明の装置は、例えば医薬品といった治療材料のような他の揮発した材料をユーザに送達するために使用できることも注目されるであろう。本発明のこの実施形態は、揮発コンポーネント20が香味料やタバコ以外の揮発性治療材料を部分22に含むであろうことを除いて、付属図面の図に示す装置に関してあらゆる点で類似しているであろう。このような治療材料の例は、ライディングス(Ridings)等に発行された米国特許第4,941,483号とポッター(Potter)等に発行された米国特許第4,955,399号に見られ、これらは参照してここに組み込まれている。
【0046】
前述の詳細説明は、主として理解の明瞭さのために与えられており、そこから不必要な限定が理解されるべきでない、という訳は、この開示を読めば幾つもの修正版が当業者に明らかになるであろうし、本発明の精神と付属の請求項の範囲とから逸脱せずに実施できるからである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒートシンクと、前記ヒートシンクと熱伝達関係にある熱伝達装置と、前記熱伝達装置と熱伝達関係にある揮発性材料源を備える揮発コンポーネントと、を備える、揮発した材料をユーザに送達するための装置。
【請求項2】
前記ヒートシンクと前記熱伝達装置とが前記装置の第1のコンポーネントに一緒に取り付けられ、前記揮発性材料源が前記装置の第2のコンポーネントに取り付けられており、前記第2のコンポーネントが前記第1のコンポーネントから分離可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
ヒートシンクと、前記ヒートシンクと熱伝達関係にある熱伝達装置と、を備える熱伝達コンポーネントと、
前記熱伝達コンポーネントの前記熱伝達装置に分離可能な熱伝達連通する揮発性材料源を備える揮発コンポーネントと、を備える、揮発した材料をユーザに送達するための装置。
【請求項4】
前記熱伝達装置は、前記ヒートシンクと前記揮発性材料源との間の熱伝達関係にあるヒートパイプを含む、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記揮発性材料源と前記ヒートパイプは、形状的に相補的である部分を介して熱伝達連通している、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
揮発性材料源は、前記ヒートパイプの一端に形状的に相補的であって、取り外し可能に係合するチャネル(溝)または凹部を含む、請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記コンポーネントの隣接する端部は形状的に相補的であり、また一つのコンポーネントの端部はこの他の中に取り外し可能に受け入れられる、請求項3〜6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記熱伝達装置は、前記ヒートシンクと前記揮発性材料源との間で断熱される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記ヒートシンクは、熱生成を含む可逆プロセスを介して熱を生成できる材料を備える、請求項1〜8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記ヒートシンクは、高温相変化材料を備える、請求項1〜8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記ヒートシンクは、水素化マグネシウムを備える、請求項1〜8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記ヒートシンクは、セラミック材料または金属を備える、請求項1〜8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記ヒートシンクは、熱蓄積ハニカム・セラミック材料、アルミニウム、または発泡アルミニウムを備える、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
揮発性材料源は、タバコを含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記揮発性材料源は、揮発性治療合成物を含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
前記揮発コンポーネントは、揮発した材料が通過するフィルタ部分を含む、請求項1〜15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
前記熱伝達コンポーネントは、前記ヒートシンクと前記ヒートパイプとを封じ込める、長手方向に延びる外被を備える、請求項1〜16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
前記外被は、前記揮発コンポーネントに隣接する前記外被の端部に向かう複数の通気孔を含む、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記熱伝達コンポーネントの前記ヒートシンク端部に熱変色性(サーモクロミック)熱表示装置を更に備える、請求項1〜18のいずれか一項に記載の装置。
【請求項20】
熱伝達装置と熱伝達関係にあるヒートシンクを備える請求項1〜19のいずれか一項に記載の装置での使用のための熱伝達コンポーネントであって、前記コンポーネントは前記熱伝達装置に熱伝達連通する取り外し可能な揮発性材料源に係合することに適応する熱伝達コンポーネント。
【請求項21】
前記熱伝達装置は、ヒートパイプを含む、請求項20に記載のコンポーネント。
【請求項22】
前記ヒートパイプは、揮発した材料を生成するためのコンポーネントに取り外し可能に熱伝達連通して係合することに適応した熱伝達端部を有する、請求項21に記載のコンポーネント。
【請求項23】
ヒートシンクは、請求項9〜13に記載される、請求項20〜22のいずれか一項に記載のコンポーネント。
【請求項24】
吸い口と前記吸い口に隣接する揮発性材料源とを備え、前記熱伝達装置に熱伝達関係で係合することに適応した、請求項1〜19のいずれか一項に記載の装置での使用のための揮発コンポーネント。
【請求項25】
揮発した材料が通過するフィルタを更に含む、請求項24に記載のコンポーネント。
【請求項26】
前記揮発性材料源が、前記熱伝導装置に係合するように適応され、前記熱伝導装置から前記揮発性材料へ熱を伝達するための熱伝達表面を有する支持体に取り付けられている、請求項24または25に記載のコンポーネント。
【請求項1】
ヒートシンクと、前記ヒートシンクと熱伝達関係にある熱伝達装置と、前記熱伝達装置と熱伝達関係にある揮発性材料源を備える揮発コンポーネントと、を備える、揮発した材料をユーザに送達するための装置。
【請求項2】
前記ヒートシンクと前記熱伝達装置とが前記装置の第1のコンポーネントに一緒に取り付けられ、前記揮発性材料源が前記装置の第2のコンポーネントに取り付けられており、前記第2のコンポーネントが前記第1のコンポーネントから分離可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
ヒートシンクと、前記ヒートシンクと熱伝達関係にある熱伝達装置と、を備える熱伝達コンポーネントと、
前記熱伝達コンポーネントの前記熱伝達装置に分離可能な熱伝達連通する揮発性材料源を備える揮発コンポーネントと、を備える、揮発した材料をユーザに送達するための装置。
【請求項4】
前記熱伝達装置は、前記ヒートシンクと前記揮発性材料源との間の熱伝達関係にあるヒートパイプを含む、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記揮発性材料源と前記ヒートパイプは、形状的に相補的である部分を介して熱伝達連通している、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
揮発性材料源は、前記ヒートパイプの一端に形状的に相補的であって、取り外し可能に係合するチャネル(溝)または凹部を含む、請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記コンポーネントの隣接する端部は形状的に相補的であり、また一つのコンポーネントの端部はこの他の中に取り外し可能に受け入れられる、請求項3〜6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記熱伝達装置は、前記ヒートシンクと前記揮発性材料源との間で断熱される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記ヒートシンクは、熱生成を含む可逆プロセスを介して熱を生成できる材料を備える、請求項1〜8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記ヒートシンクは、高温相変化材料を備える、請求項1〜8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記ヒートシンクは、水素化マグネシウムを備える、請求項1〜8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記ヒートシンクは、セラミック材料または金属を備える、請求項1〜8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記ヒートシンクは、熱蓄積ハニカム・セラミック材料、アルミニウム、または発泡アルミニウムを備える、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
揮発性材料源は、タバコを含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記揮発性材料源は、揮発性治療合成物を含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
前記揮発コンポーネントは、揮発した材料が通過するフィルタ部分を含む、請求項1〜15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
前記熱伝達コンポーネントは、前記ヒートシンクと前記ヒートパイプとを封じ込める、長手方向に延びる外被を備える、請求項1〜16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
前記外被は、前記揮発コンポーネントに隣接する前記外被の端部に向かう複数の通気孔を含む、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記熱伝達コンポーネントの前記ヒートシンク端部に熱変色性(サーモクロミック)熱表示装置を更に備える、請求項1〜18のいずれか一項に記載の装置。
【請求項20】
熱伝達装置と熱伝達関係にあるヒートシンクを備える請求項1〜19のいずれか一項に記載の装置での使用のための熱伝達コンポーネントであって、前記コンポーネントは前記熱伝達装置に熱伝達連通する取り外し可能な揮発性材料源に係合することに適応する熱伝達コンポーネント。
【請求項21】
前記熱伝達装置は、ヒートパイプを含む、請求項20に記載のコンポーネント。
【請求項22】
前記ヒートパイプは、揮発した材料を生成するためのコンポーネントに取り外し可能に熱伝達連通して係合することに適応した熱伝達端部を有する、請求項21に記載のコンポーネント。
【請求項23】
ヒートシンクは、請求項9〜13に記載される、請求項20〜22のいずれか一項に記載のコンポーネント。
【請求項24】
吸い口と前記吸い口に隣接する揮発性材料源とを備え、前記熱伝達装置に熱伝達関係で係合することに適応した、請求項1〜19のいずれか一項に記載の装置での使用のための揮発コンポーネント。
【請求項25】
揮発した材料が通過するフィルタを更に含む、請求項24に記載のコンポーネント。
【請求項26】
前記揮発性材料源が、前記熱伝導装置に係合するように適応され、前記熱伝導装置から前記揮発性材料へ熱を伝達するための熱伝達表面を有する支持体に取り付けられている、請求項24または25に記載のコンポーネント。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公表番号】特表2010−520742(P2010−520742A)
【公表日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−522335(P2009−522335)
【出願日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際出願番号】PCT/GB2007/002939
【国際公開番号】WO2008/015441
【国際公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願人】(509096979)ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン合同会社 (2)
【公表日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際出願番号】PCT/GB2007/002939
【国際公開番号】WO2008/015441
【国際公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願人】(509096979)ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン合同会社 (2)
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