説明

揺動玩具

【課題】 使用者が癒されるという感情を想起させるような緩やかな動作を行う揺動玩具を提供する。
【解決手段】 揺動玩具1は、胴体部2と、該胴体部2の上部に配置される頭部3と、を備え、胴体部2は、その内部に頭部3を回転可能に頭部支持軸により支持する頭部支持部材と、駆動源と、プーリを介する減速機構と、リンク機構と、制御手段と、を有し、リンク機構は、減速機構の最終段に設けられる偏心カムと、頭部3に固定されるリンクピンと偏心カムとに枢結されるリンク部材と、から成り、制御手段が生成する制御信号に基づいて駆動源を駆動し、該駆動源の回転力が減速機構を介して偏心カムに伝達され、該偏心カムが円運動をすることにより、リンクピンが上下動し、頭部3が頭部支持部軸を回転中心として胴体部2に対して左右方向に揺動するものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外観が、所望の形象物の形状に形成される形象玩具であって、頭部を左右方向に緩やかに揺動させる揺動玩具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、形象物の一部を可動させることのできる様々な玩具が知られている。例えば、特開2008−29852号公報(特許文献1)では、コンピュータに周辺機器を接続するUSB(Universal Serial Bus)規格の接続端子を有し、所望の形象物の形状に形成し、該形象物の一部を揺動させる玩具が提案されている。
【特許文献1】特開2008−29852号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来技術のように、様々な揺動玩具が提案されているが、近年は特に使用者が癒されるという感情を想起させるような動作を行う玩具が要望されている。
【0004】
そこで、本発明は、使用者が容易に取り扱うことのできる揺動玩具として、使用者が癒されるという感情を想起させるような緩やかな動作を行う揺動玩具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の揺動玩具は、外観が、所望の形象物の形状に形成される形象玩具であって、胴体部と、該胴体部の上部に配置される頭部と、を備え、前記胴体部は、その内部に前記頭部を回転可能に頭部支持軸により支持する頭部支持部材と、駆動源と、プーリを介する減速機構と、リンク機構と、制御手段と、を有し、前記リンク機構は、前記減速機構の最終段に設けられる偏心カムと、前記頭部に固定されるリンクピンと前記偏心カムとに枢結されるリンク部材と、から成り、前記制御手段が生成する制御信号に基づいて前記駆動源を駆動し、該駆動源の回転力が前記減速機構を介して前記偏心カムに伝達され、該偏心カムが円運動をすることにより、前記リンクピンが上下動し、前記頭部が前記頭部支持軸を回転中心として前記胴体部に対して左右方向に揺動するものである。
【0006】
そして、この揺動玩具は、接続端子を先端に有する引出しコードを備え、該引出しコードが前記制御手段に結線され、前記接続端子が外部機器に接続されることにより、前記外部機器から前記引出しコードを介して前記制御手段に電力が供給されるものである。
【0007】
又、この揺動玩具は、減速機構は、複数個のプーリを有し、プーリを介した後、歯車により更に減速を行うものである。
【0008】
そして、前記頭部支持部材の頭部支持軸は、頭部の中心又は中心よりも僅かに上方の位置に設けられているものである。
【0009】
又、本発明の揺動玩具は、前記頭部の内部前方に配置される眼球部と、前記眼球部の近傍において上下方向に配置される2個のソレノイドと、を備え、前記頭部の前面には前記眼球部に対応した円形開口が形成され、前記眼球部は、該眼球部の後方に配置される磁石と、前記眼球部の左右方向に形成される回転軸と、弾性体と、を有し、前記制御手段によって前記ソレノイドに電流を流すことで前記磁石を反発及び吸引することにより、前記眼球部が前記回転軸を回転中心として回動することにより眼を開き、前記ソレノイドへの電力の供給が停止されたとき、前記弾性体の付勢力により、前記眼球部が前記回転軸を回転中心として回動することにより眼を閉じるものである。
【0010】
更に、この揺動玩具は、胴体部の下面に着脱可能に嵌着される基部を備え、前記基部は外部部材に挟着可能な挟着部を有することもある。
【0011】
又、本発明の揺動玩具は、光センサーを備え、該光センサーが所定の明るさを検出したとき、動作をすることができるように構成されて成ることもある。
【0012】
更に、この揺動玩具は、太陽電池に光が入射すると無接点スイッチが導通するように光センサーを太陽電池と無接点スイッチにより構成することもある。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、使用者が容易に取り扱うことのできる形象玩具であって、駆動源の回転力を、減速機構を介して偏心カムに伝達し、該偏心カムに円運動をさせることにより、リンクピンを上下動させ、頭部を頭部支持軸を回転中心として胴体部に対して左右方向に緩やかに揺動させて、使用者に癒されるという感情を想起させることのできる揺動玩具を提供することができるものである。又、この揺動玩具は、制御手段によって駆動源を予め定められた動作プログラムに基づいて動作させることによって、頭部を様々なパターンで動作させることができるものである。
【0014】
そして、この揺動玩具は、接続端子を先端に有する引出しコードを備え、接続端子を外部機器に接続することにより、外部機器から制御手段に電力を供給することができるため、小型化及び軽量化を図ることができるものである。
【0015】
又、この揺動玩具は、駆動源の回転速度を複数個のプーリを介して減速した後、歯車により更に減速を行うように減速機構を構成することにより、歯車を高速回転させることなく歯合に起因する動作音を抑えることができるものである。更に、頭部を固定させてもプーリの空転により故障を防止することができる。
【0016】
そして、頭部支持部材の頭部支持軸を、頭部の中心又は中心よりも僅かに上方の位置に設ければ、顎を左右に動かすように首を振らせることができるため、使用者に対する癒しの効果を更に高めることのできる揺動玩具として提供することもできる。
【0017】
又、頭部の内部前方に眼球部を配置し、該眼球部をソレノイド、磁石、弾性体により回動可能に構成することにより、頭部の動作と共に眼球部の開閉動作を組み合わせて形象物の動作をより豊かにすることができる揺動玩具を提供することができる。
【0018】
更に、この揺動玩具は、外部部材に挟着可能な挟着部を有する基部を備えることにより、揺動玩具をテーブル等に載置する場合に限定されることなく、コンピュータのディスプレイ等の様々な場所に挟着させて装飾性の自由度を広げることができるものである。
【0019】
又、本発明の揺動玩具は、光センサーを備え、該光センサーが所定の明るさを検出したとき、動作をすることができるように構成することにより、光が検出されていない待機時における内部電源の消費電力を小さくすることができる。
【0020】
更に、光センサーとして太陽電池を使用すれば、光が入射されない待機時の消費電力を極めて小さくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明を実施するための最良の形態の揺動玩具1は、外観が、所望の形象物の形状に形成される形象玩具であって、胴体部2と、該胴体部2の上部に配置される頭部3と、を備え、前記胴体部2は、その内部に前記頭部3を回転可能に頭部支持軸51により支持する頭部支持部材50と、駆動源であるモータ20と、複数個のプーリを介した後、歯車により更に減速を行う減速機構と、リンク機構と、制御手段と、を有し、前記リンク機構は、前記減速機構の最終段に設置される歯車に固定される偏心カム27と、前記頭部3に固定されるリンクピン26と前記偏心カム27とに枢結されるリンク部材25と、から成り、前記制御手段が生成する制御信号に基づいて前記駆動源であるモータ20を駆動し、該モータ20の回転力が前記減速機構を介して前記偏心カム27に伝達され、該偏心カム27が円運動をすることにより、前記リンクピン26が前記頭部支持軸51を中心とする円弧状の軌跡L2に沿って上下動し、前記頭部3が前記頭部支持軸51を回転中心として前記胴体部2に対して左右方向に揺動するものである。
【0022】
そして、この揺動玩具1は、接続端子7を先端に有する引出しコードを備え、該引出しコードが前記制御手段に結線され、前記接続端子7が外部機器に接続されることにより、前記外部機器から前記引出しコードを介して前記制御手段に電力が供給されるものである。又、前記頭部支持部材50の頭部支持軸51は、頭部3の中心よりも僅かに上方の位置に設けられているものである。
【0023】
そして、この揺動玩具1は、前記頭部3の内部前方に配置される眼球部30と、前記眼球部30の近傍において上下方向に配置される2個のソレノイド33と、を備え、前記頭部3の前面には前記眼球部30に対応した円形開口が形成され、前記眼球部30は、該眼球部30の後方に配置される磁石31と、前記眼球部30の左右方向に形成される回転軸38と、弾性体であるねじりコイルばね35と、を有し、前記回転軸38は、前記頭部3の内部前方左右において枢支され、前記ねじりコイルばね35は、前記眼球部30の後側が上方に移動するように前記眼球部30に対して付勢可能に回転軸38に貫装され、前記2個のソレノイド33は、該ソレノイド33に電流を流したとき前記磁石31を上方の第一ソレノイド33aから離隔させ、下方の第二ソレノイド33bに近接させることができるように並設され、前記制御手段によって前記ソレノイド33に電流を流すことで前記磁石31を反発及び吸引することにより、前記眼球部30の後側が下方に移動するように前記眼球部30が前記回転軸38を回転中心として回動することにより眼を開き、前記ソレノイド33への電力の供給が停止されたとき、前記ねじりコイルばね35の付勢力により、前記眼球部30の後側が上方に移動するように前記眼球部30が前記回転軸38を回転中心として回動することにより眼を閉じるものである。
【実施例】
【0024】
以下、本発明の実施例を図に基づいて詳説する。本発明に係る揺動玩具1は、図1に示すように、フクロウを模した形象玩具であって、胴体部2と、該胴体部2の上部に配置される頭部3と、該頭部3の内部前方に配置される眼球部30と、胴体部2の左右側方に枢設される一対の翼部4と、胴体部2の下面に嵌着される一対の脚部5と、胴体部2の下面に着脱可能に嵌着される切株を模した基部6と、頭部3の前面に嵌着される鼻部8を備えるものである。
【0025】
更に、この揺動玩具1は、図示しないが、コンピュータ等の外部機器に接続可能な接続端子を先端に有する引出しコードを具備し、胴体部2の内部に頭部3を回転可能に頭部支持軸により支持する頭部支持部材と、頭部3を揺動させるための駆動源であるモータと、減速機構と、リンク機構と、制御手段とを有し、頭部3の内部に眼球部30を回動させるためのソレノイド及び磁石並びに弾性体を有しているものである。
【0026】
又、この揺動玩具1は、当該引出しコードが胴体部2の後方より挿入されて胴体部2内の制御手段に結線されており、接続端子がコンピュータ等の外部機器に接続されることにより、外部機器から引出しコードを介して制御手段に電力が供給され、当該制御手段が生成する制御信号に基づいてモータを駆動し、或いは、ソレノイドに電流を流し、頭部3を頭部支持軸を中心として胴体部2に対して左右方向に揺動させ、更に眼球部30を回動させることにより、緩やかに首を振り、或いは、眼を開き若しくは閉じ、或いは、瞬きをさせて、恰も生きているような動作を表現するものである。
【0027】
尚、胴体部2は基部6によって着脱自在に固定され、この胴体部の左右側方に使用者が所望の角度に固定して維持させることができるように一対の翼部4が枢設され、胴体部2の下面前側に一対の脚部5が嵌着されているため、胴体部2、翼部4、脚部5、基部6は動作を行わない。又、頭部3の前面中央近傍には眼球部30の回動動作が外側から視認可能なように眼球部30に対応した円形開口が2個形成されている。
【0028】
そして、この揺動玩具1の制御手段は、図2に示すように、制御部11、モータ制御回路13、ソレノイド制御回路14等を有するものであって、コンピュータやハブ等の外部機器に接続端子7を接続することによって電力が供給され、制御部11が予め記憶された動作プログラムに基づき、モータ制御回路13及びソレノイド制御回路14を制御して、頭部3及び眼球部30を動作させるものである。
【0029】
接続端子7は、コンピュータに周辺機器を接続するシリアルバスの一つとなるUSB規格の接続端子であって、2ピンの信号線と、2ピンの電源線からなるものであり、当該接続端子7をコンピュータやハブ等の外部機器の差込口に差し込むことによって、電力が制御部11に供給されるものである。
【0030】
そして、制御部11は、モータ制御回路13及びソレノイド制御回路14の動作制御を司るものであって、演算処理部や動作プログラムを固定的に記憶したROM及びワークメモリとして使用されるRAM等により構成されている。
【0031】
又、モータ制御回路13は、頭部3を揺動させるための駆動源であるモータ20に接続されており、制御部11から供給された制御信号を基に電流を生成してモータ20を駆動するものである。更に、ソレノイド制御回路14は、1本の導線により形成される2個のソレノイド33に接続されており、制御部11から供給された制御信号を基にソレノイド33に電流を流して、当該2個のソレノイド33によって眼球部30に備えられた磁石を反発、吸引して眼球部30を回動させるものである。
【0032】
そして、制御部11は、ROMに予め記憶された動作パターン群の中から所定の動作パターンを演算処理部が選定し、当該動作パターンに対応した動作をタイマー12及び検出スイッチ16からの信号に基づいて、モータ制御回路13及びソレノイド制御回路14を制御することにより、頭部3及び眼球部30に所定の動作を行わせるものである。
【0033】
又、操作スイッチ15の操作信号は直接に制御部11に送出され、制御部11が当該操作信号に基づいて所定の動作モードを選定し、当該動作モードに対応した動作パターン群の中から所定の動作パターンを選定し、当該動作パターンに対応した動作を頭部3及び眼球部30が行って、形象物であるフクロウの各種態様の動作が表現される。
【0034】
次に、図3乃至図5を参照して、揺動玩具1の構造を説明する。図3は、本発明の実施例に係る揺動玩具1の分解斜視図である。図4は、本発明の実施例に係る揺動玩具1の減速機構を示す斜視図である。図5は、本発明の実施例に係る揺動玩具1の頭部3の内部を示す斜視図である。
【0035】
本発明の実施例に係る揺動玩具1は、前述したように、胴体部2、頭部3、眼球部30等を備えるものである。胴体部2並びに頭部3は、図3に示すように、中空形状であって、前後方向を二分した前側胴体部2Fと後側胴体部2R、並びに、前側頭部3Fと後側頭部3Rとを対向させて一体と成るものである。
【0036】
又、胴体部2は、その内部に頭部3を回転可能に頭部支持軸51により支持する頭部支持部材50と、頭部3の揺動動作の駆動源であるモータ20と、複数個のプーリを介した後歯車により更に減速を行う減速機構と、リンク機構と、制御手段と、を有し、これらの内部部品が、モータ20の回転力を減速機構並びにリンク機構を介して頭部3に伝達可能に配設されているものである。
【0037】
そして、頭部3は、下面に左右方向に幅広に形成される開口より挿通される頭部支持部材50の頭部支持軸51によって軸支されるものであり、その内部に眼球部30と、眼球部30を保持する眼球部保持部36と、眼球部30の回動動作の駆動源である2個のソレノイド33及び1個の磁石31並びに弾性体であるねじりコイルばね35と、ソレノイド33を保持するソレノイド保持部34と、を有し、これらの内部部品が、ソレノイド33と磁石31、並びに、ねじりコイルばね35により眼球部30を回動可能に配設されているものである。
【0038】
そして、図示しない接続端子7を先端に有する引出しコードが、図3に示したように、胴体部2の後方より挿入されて胴体部2の内部下端に配設される引出しコード案内部61の後端の開口に貫装された状態で制御手段たる制御回路の形成された制御基板71に結線されている。
【0039】
そして、胴体部2の内部後端に配置されるこの制御基板71は、該制御基板71の前面に配置される保持部材70によって嵌着及び螺着により保持されているものである。又、この制御基板71の後面中央には操作スイッチ15が配置されている。この操作スイッチ15は、前側及び後側胴体部2F,2Rが一体となった際、後側胴体部2Rの中央近傍に形成される円形開口から操作スイッチ15の円筒形状の操作部が外方に突出し、外側から使用者が押圧操作を行うことができるように配置されているものである。
【0040】
そして、保持部材70は、制御基板71を後面で保持するだけでなく、前面に形成される円形凹部によって、後述のプーリ21,22及び歯車23,24を軸支する第一及び第二歯車軸52,53の一端を保持するものでもある。又、この第一及び第二歯車軸52,53の他端は、頭部支持部材50の後面に形成される円形凹部により保持されている。したがって、この保持部材70と頭部支持部材50が、減速機構の回転軸となる第一及び第二歯車軸52,53の両端を挟持した状態で互いに螺着されることにより、減速機構であるプーリ21,22及び歯車23,24並びにリンク部材25が保持されることとなる。
【0041】
又、この頭部支持部材50は、胴体部2に固定されて上端近傍において前後方向に貫装される頭部支持軸51により、頭部3を揺動可能に支持するものである。そして、この頭部支持部材50は、前後をモータケース20cによって覆設されたモータ20を下部に形成される開口部において保持するものでもある。
【0042】
又、胴体部2には検出スイッチ16が内蔵されている。この検出スイッチ16は、後述の前側頭部3Fの左右下端に突出するように形成される押動部95によって当該検出スイッチ16であるリーフスイッチが押動された際、入力信号を制御手段に送出するものである。
【0043】
そして、減速機構は、第一及び第二プーリ21,22並びに第一及び第二歯車23,24等から構成され、頭部支持部材50と保持部材70に保持される第一歯車軸52に第一プーリ21及び第一歯車23が軸支され、第二歯車軸53に第二プーリ22及び第二歯車24が軸支されているものである。
【0044】
そして、図4に示すように、第一プーリ21は同心の大プーリ21Lと小プーリ21Sとから成り、第二プーリ22は同心の大プーリ22Lと小歯車22Sとから成り、第一歯車23は同心の大歯車23Lと小歯車23Sとから成り、第二歯車24は、大歯車24Lと偏心カム27から成るものである。
【0045】
そして、第一プーリ21の大プーリ21Lがモータ20の回転軸に固着されるモータプーリ20aと第一ベルト28を介して接続され、第二プーリ22の大プーリ22Lが第一プーリ21の小プーリ21Sと第二ベルト29を介して接続され、第一歯車23の大歯車23Lと第二プーリ22の小歯車22S、並びに、第二歯車24の大歯車24Lと第一歯車23の小歯車23Sが歯合されることにより、モータ20の回転力が減速されて減速機構の最終段に設置される第二歯車24に伝達される。
【0046】
そして、この第二歯車24の後面には、円板状の偏心カム27が、該偏心カム27の中心が第二歯車軸53から所定の距離だけ離れた位置となるように固着されている。これにより、モータ20が駆動すると、偏心カム27が第二歯車軸53を中心として緩やかに円運動をすることとなる。
【0047】
そして、図3に示したように、この偏心カム27は、頭部3に固定されるリンクピン26と偏心カム27とに枢結されるリンク部材25とにより、リンク機構を構成している。このリンク部材25は、下部に偏心カム27の外径よりも僅かに大きい径の貫通口が形成されており、この貫通口に偏心カム27が円周方向に摺動可能に嵌合されている。更に、このリンク部材25は、上部にリンクピン26の外径よりも僅かに大きい径の貫通口を有しており、この貫通口にリンクピン26が円周方向に摺動可能に貫装されている。
【0048】
これにより、前述の制御手段によって、モータ20が駆動するとモータ20の回転力が減速機構及びリンク機構を介してリンクピン26に伝達され、該リンクピン26が上下動することにより、頭部3が頭部支持軸51を回転中心として揺動することとなる。この頭部3の揺動動作の詳細については後述する。
【0049】
そして、頭部3に内蔵される眼球部30は、図5に示すように、該眼球部30の後方に延在する磁石保持部32に保持される磁石31と、眼球部30の左右位置に形成される回転軸38と、弾性体であるねじりコイルばね35と、を有しているものである。この回転軸38は、当該回転軸38を中心に眼球部30が回動することのできるように、図3に示したように、頭部3の内部前方左右に配置される半円状の切欠き部である接続部材3cに枢支され、図5に示したように、弓状に形成される眼球部保持部36の左右下端近傍によって脱落しないように保持されているものである。尚、この回転軸38は、眼球部30と一体的に形成してもよく、別部材として形成し、眼球部30に左右方向に貫装させてもよいものである。
【0050】
そして、眼球部30が回動した際に、眼の開閉動作を表現するために、眼球部30の前面下部には、眼球の図柄が描かれると共に当該図柄部分の表面に眼球の透明感を表現するために透明カバーが覆設され、眼球部30の前面上部には、目蓋の図柄が描かれている。
【0051】
又、ねじりコイルばね35は、一端を前側頭部3Fの内面に接触させ、他端を眼球部30に固着して回転軸38の左方に貫装されるものである。これにより、眼球部30の磁石保持部32が回転軸38を回転中心として上方に移動するように眼球部30を付勢することができる。
【0052】
そして、2個のソレノイド33は、それぞれが互いに逆回りとなるように螺旋状に密に巻かれたに1本の導線から成り、電流を流したとき眼球部30の磁石31を上方の第一ソレノイド33aから離隔させ、下方の第二ソレノイド33bに近接させることができるように、眼球部30の近傍においてソレノイド保持部34によって上下方向に並設保持されるものである。
【0053】
これにより、制御手段によってソレノイド33に電流を流すことで、磁石31を反発及び吸引することにより、眼球部30の後側である磁石保持部32が下方に移動するように眼球部30が回転軸38を回転中心として回動し、制御手段によってソレノイド33への電力の供給が停止されたとき、ねじりコイルばね35の付勢力により、眼球部30の後側である磁石保持部32が上方に移動するように眼球部30が回転軸38を回転中心として回動することとなるため、電力供給の有無によって眼球部30を回動動作させることができる。
【0054】
尚、眼球部30が回転軸38を回転中心として回動した際、眼球部保持部36の上部に配置されるストッパー90及び前側頭部3Fの下部に配設される円柱ストッパー92によって磁石保持部32の係止部材91や磁石保持部32の前面下部が係止され、動作範囲が制限される。この眼球部30の回動動作の詳細については後述する。
【0055】
そして、ソレノイド保持部34のソレノイド33を保持する板材の後面上部の所定位置には、頭部支持軸51が嵌着される円形凹部39が形成され、ソレノイド保持部34の上部右方には、該円形凹部39(従って頭部支持軸51)から所定の距離だけ離れた位置に前述のリンクピン26が嵌着される凹部を有する円筒部37が形成されている。又、この円形凹部39は、ソレノイド保持部34が頭部3に固定されたとき、円形凹部39に嵌着される頭部支持軸51が頭部3の中心よりも僅かに上方の位置に配置されるように形成されている。
【0056】
これにより、頭部3が、胴体部2に固定される頭部支持部材50の頭部支持軸51によって回転可能に支持され、ソレノイド保持部34に固定されるリンクピン26が上下動すると、頭部支持軸51を中心として頭部3が顎を左右に動かすように揺動することとなる。
【0057】
次に図6及び図7を参照して、揺動玩具1の動作を説明する。図6は、本発明の実施例に係る揺動玩具1の頭部3の揺動動作を示す図である。図7は、本発明の実施例に係る揺動玩具1の眼球部30の回動動作を示す図である。
【0058】
頭部3の揺動動作については、図6(a)に示すように、首を傾けていない初期状態においては、偏心カム27が第二歯車軸53に対して左方に配置されているが、偏心カム27が第二歯車軸53を回転中心として円形状の軌跡L1に沿って円運動をして上方に位置すると、図6(b)に示すように、頭部支持部材50の頭部支持軸51を中心とする円弧状の軌跡L2に沿ってリンクピン26が上方に移動して、頭部3が左側に傾倒することとなる。そして、偏心カム27が第二歯車軸53を回転中心として円形状の軌跡L1に沿って円運動をして右方に位置すると、円弧状の軌跡L2に沿ってリンクピン26が下方に移動して初期状態と同様に頭部3が傾倒していない状態となり、更に、偏心カム27が円運動をして下方に位置すると、図6(c)に示すように、円弧状の軌跡L2に沿ってリンクピン26が下方に移動して、頭部3が右側に傾倒することとなる。
【0059】
したがって、制御手段が生成する制御信号に基づいてモータ20を駆動すると、このモータ20の回転力が減速機構を介して偏心カム27に伝達され、該偏心カム27が円運動をすることにより、リンク部材25を介してリンクピン26が頭部支持部材50の頭部支持軸51を中心とする円弧状の軌跡L2に沿って上下動し、頭部3が当該頭部3の中心よりも僅かに上方の位置に配置される頭部支持軸51を回転中心として胴体部2に対して左右方向に揺動することとなる。即ち、この揺動玩具1は、偏心カム27を備える第二歯車24が1回転する毎に頭部3が左右に一度ずつ傾倒するように揺動するものである。尚、この場合、モータ20の回転を先ずプーリにより減速し、後段の減速歯車の回転速度を低速としているため、ギア音などの騒音を極めて小さくすることができる。
【0060】
又、眼球部30の回動動作については、図7(a)に示すように、ソレノイド33に電力が供給されていない初期状態においては、弾性体であるねじりコイルばね35の弾性力によって磁石保持部32を上方に付勢し、磁石保持部32の係止部材91をストッパー90に係止させることにより、磁石保持部32が、上方の第一ソレノイド33aの近傍において僅かに第一ソレノイド33aの中心から所定の距離だけ離れた位置に磁石31の中心が位置するように配置されている。尚、このとき、頭部3の外側からは円形開口より眼球部30の前面上部に描かれた目蓋の図柄のみが見えている。
【0061】
そして、図7(b)に示すように、第一及び第二ソレノイド33a,33bに電力を供給すると、磁場が生じて磁石31と第一ソレノイド33aとの間に発生する反発力により、磁石保持部32が第一ソレノイド33aから離隔するように下方に移動し、磁石31と第二ソレノイド33bとの間に発生する吸引力により、磁石保持部32が第二ソレノイド33bに近接するように下方に移動するように眼球部30が回動することとなる。
【0062】
尚、この下方への移動は、頭部3に固定される円柱ストッパー92に磁石保持部32の前面下部が係止することにより制限され、このとき、頭部3の外側からは円形開口より眼球部30の前面下部に描かれた眼球の図柄が見えている。
【0063】
そして、この状態において、ソレノイド33への電力供給を停止すると、当該眼球部30は、ねじりコイルばね35の弾性力によって回動することにより磁石保持部32が上方へ移動し、係止部材91がストッパー90に係止して眼球部30の回動動作が停止して、図7(a)に示したように、元の状態に復帰することとなる。
【0064】
したがって、制御手段によってソレノイド33に電流を流すと、ソレノイド33が磁石31を反発及び吸引することにより、眼球部30の後側である磁石保持部32が下方に移動するように眼球部30が回転軸38を回転中心として回動してフクロウの眼が開くこととなり、制御手段によってソレノイド33への電力の供給を停止すれば、ねじりコイルばね35の付勢力により、眼球部30の後側である磁石保持部32が上方に移動するように眼球部30が回転軸38を回転中心として回動してフクロウの眼が閉じることとなる。
【0065】
尚、このように、ソレノイド33に電流を流していないときにはフクロウの眼を閉じた状態としておき、ソレノイド33に電流を流したときにフクロウの眼が開くように眼球部30等を構成する場合に限定することなく、弾性体及びソレノイド33の配置を変えるなどして、ソレノイド33に電流を流していないときにはフクロウの眼を開いた状態としておき、ソレノイド33に電流を流したときにフクロウの眼が閉じるように眼球部30等を構成してもよい。
【0066】
次に図8乃至図10を参照して、揺動玩具1の制御手段の処理の概略を説明する。図8及び図9は、本発明の実施例に係る揺動玩具1の制御手段の処理の概略を示すフローチャートであり、図10は、本発明の実施例に係る揺動玩具1の動作パターンの概略を示すタイムチャートである。
【0067】
本発明の実施例に係る揺動玩具1の制御手段の処理については、図8に示すように、ステップ101においては、使用者が接続端子7を稼働状態にあるコンピュータ等の外部機器に接続することにより、外部機器から揺動玩具1へ電力が供給され、ステップ102に進む。ステップ102に進むと、制御部11がタイマー12を起動してカウントを開始し、制御部11が初期動作であるAパターンに対応した制御信号をモータ制御回路13及びソレノイド制御回路14に送出し、頭部3及び眼球部30を駆動させる。
【0068】
ここで、Aパターンの動作は、図10に示すように、フクロウが目を覚ましたような動作を模すために、眼を2秒間開いた後、0.2秒間隔で繰り返して3度の眼の開閉動作を行い、更に1秒後に眼を開いて、1.9秒間維持した後に、眼を閉じるというものである。
【0069】
即ち、ソレノイド制御回路14は、タイマー12を監視する制御部11から送出される制御信号に基づいてソレノイド33に電力を2秒間供給し、その後、0.2秒間隔で電力の遮断と供給を繰返し、タイマー12が4.2秒経過したとき、再度電力を供給しタイマー12が6.1秒経過したとき電力の供給を遮断するものである。
【0070】
又、モータ制御回路13は、制御部11から送出される制御信号に基づいて、タイマー12のカウントが4.2秒経過したときモータ20に電力を供給し、モータ20を駆動させるものである。そして、モータ20が駆動すると、頭部3が左右に揺動することになるが、この揺動動作は、検出スイッチ16により検出されて制御部11が揺動動作開始後、頭部3の中心位置が胴体部2の中心位置に3度一致したときに停止指令を送出するものである。
【0071】
具体的には、頭部3が傾くと、図3に示した頭部3の下面左右において下方に突出するように設けられた押動部95が、胴体部2の内部上方に設置される検出スイッチ16を押動して、検出スイッチ16から制御部11に入力信号が送出されることとなる。そして、制御部11は、当該入力信号を3回検出し、3回目の信号の入力が無くなったとき、モータ20への電力の供給を止め、頭部3を頭部3の中心が胴体部2の中心に一致させた状態で停止させるものである。即ち、制御部11が、頭部3が揺動動作を開始して、頭部3の中心が胴体部2の中心と一致した回数を検知し、その回数が3回になったとき、停止信号を送出することとなる。
【0072】
Aパターンの動作が終了すると、ステップ110に進む。ステップ110において制御部11は、フクロウの活発な行動を表現するアクティブモードを選定する。このアクティブモードが選定されると、制御部11はタイマー12を初期化すると同時に再び動作させ、ステップ111において、予め定められた時間の経過のパターンである動作間隔パターン群及び予め定められた動作パターン群の中から、ランダムに動作間隔パターン及び動作パターンを抽出して、モータ制御回路13及びソレノイド制御回路14に所定の制御信号を送出し、頭部3及び眼球部30を動作させる。
【0073】
ステップ111において、例えば、動作間隔パターンとして、5秒又は7秒の2パターンを有し、そのうちの5秒の動作間隔パターンが制御部11により選択され、動作パターンとしては、所定のパターン群の中から、図10に示したDパターンが制御部11により選択されると、ステップ112に進んで、制御部11がタイマー12によるカウントが5秒経過したと判定したとき、制御部11がモータ制御回路13及びソレノイド制御回路14に制御信号を送出し、頭部3及び眼球部30をDパターンに対応した動作をさせる。尚、Dパターンの動作が実行されると、瞬きを二度して首を一度左方或いは右方に振る動作を繰り返して4度行い、その後、瞬きを6度行うこととなる。このように、動作間隔を短くして、動作も活発なものとすることにより、フクロウが活発に行動している態様を表現することができる。
【0074】
そして、Dパターンの動作が完了すると、再び、動作間隔及び動作パターンがランダムに選択されて動作を行うこととなり、この繰返し動作は、使用者が操作スイッチ15の押圧操作を行って次のステップ120へ移行させない限り、継続されるものである。
【0075】
ステップ120においては、アクティブモード時に、使用者が操作スイッチ15を入力操作することにより、次のステップ121に進む。ステップ121においては、タイマー12が新たにカウント開始され、次のステップ122において、2秒以上の入力が継続されたかどうかを制御部11が判定する。ステップ122において、2秒以上の入力操作を判定した場合、ステップ123に進む。
【0076】
ステップ123においては、Bパターンが動作されることにより、使用者に2秒以上の入力操作が実行されたことが報知される。尚、このBパターンは、図10に示したように、眼を所定間隔で2度の開閉動作を行うこととして、フクロウが眼をパチパチさせてびっくりしたような態様を表現することができる。
【0077】
そして、ステップ123のBパターンに対応する動作が完了すると、ステップ130に進む。ステップ130においては、フクロウのゆったりした動きを表現するスローモードが実行される。このスローモードは、タイマー12が新たにカウント開始され、次のステップ131に進むことにより、予め定められた動作間隔パターン群及び動作パターン群の中から、ランダムに所定のパターンが抽出されて動作が行われるものである。
【0078】
ステップ131において、例えば、動作間隔パターンは、前述のアクティブモード時よりも長い時間間隔とする15秒又は20秒の2パターンであって、そのうちの15秒の動作間隔パターンが選択され、動作パターンとしては、所定のパターン群の中から図10に示したEパターンが選択されると、ステップ132に進んで、タイマー12によるカウントが15秒経過したと制御部11が判定したとき、Eパターンの動作が開始される。ステップ132において、Eパターンの動作が実行されると、2秒間眼を開き続きけた後、瞬きを三度し、その後眼を1.5秒間開き続けることとなる。このように、動作間隔を比較的長くして、動作もゆったりとしたものとすることにより、フクロウがおとなしく活動している態様を表現することができる。
【0079】
そして、Eパターンの動作が完了すると、再び、動作間隔及び動作パターンがランダムに選択されて動作を行うこととなり、この繰返し動作は、前述と同様に使用者が操作スイッチ15の操作を行って次のステップ140へ移行させない限り、継続されるものである。
【0080】
ステップ140においては、スローモード時に、使用者が操作スイッチ15を入力操作することにより、次のステップ141に進む。ステップ141においては、タイマー12が新たにカウント開始され、次のステップ142において、2秒以上の入力が継続されたかどうかを判定する。ステップ142において、2秒以上の入力操作を判定した場合、ステップ143に進む。
【0081】
ステップ143においては、図9に示すように、前述と同様に、Bパターンが動作されることにより、使用者に2秒以上の入力操作が実行されたことが報知される。
【0082】
そして、ステップ143のBパターンに対応する動作が完了すると、ステップ150に進む。ステップ150においては、フクロウの眠っているような動きを表現するスリープモードが実行される。このスリープモードは、タイマー12が新たにカウント開始され、次のステップ151に進むことにより、予め定められた動作間隔パターン群及び動作パターン群の中から、ランダムに抽出されて動作を行うものである。
【0083】
ステップ151において、例えば、動作間隔パターンは、前述のスローモード時よりも長い平均時間間隔とする20秒又は30秒の2パターンであって、そのうちの20秒の動作間隔パターンが選択され、動作パターンとしては、所定のパターン群の中から図10に示したFパターンが選択されると、ステップ152に進んで、タイマー12によるカウントが20秒経過したと制御部11が判定したとき、Fパターンの動作が開始される。ステップ152において、Fパターンの動作が実行されると、ゆったりと左右に一度ずつ首を振ることとなる。このように、眼の開閉動作を行わず、動作間隔を更に長くして、頭部3の動作もゆったりとしたものとすることにより、フクロウが眠っているような態様を表現することができる。
【0084】
そして、Fパターンの動作が完了すると、再び、動作間隔及び動作パターンがランダムに選択されて動作を行うこととなり、この繰返し動作は、前述と同様に使用者が操作スイッチ15の操作を行って次のステップ160へ移行させない限り、継続されるものである。
【0085】
ステップ160においては、スリープモード時に、使用者が操作スイッチ15を入力操作することにより、次のステップ161に進む。ステップ161においては、Cパターンが動作されることにより、使用者に入力操作が実行されたことが報知される。尚、このCパターンは、図10に示したように、瞬きを10回行った後、眼を開いた状態で首を連続して左右に振ることとして、眠っていたフクロウが目覚めたような動作態様を表現することとした。
【0086】
そして、ステップ161においてCパターンの動作が完了すると、アクティブモードであるステップ110に移行する。尚、ステップ122又はステップ142において、使用者の入力操作が、2秒以上継続されなかったと判定された場合にも、ステップ161に移行して、Cパターンを動作し、アクティブモードであるステップ110に移行して、活発な動作を再開することとした。
【0087】
このように、駆動源であるモータ20の回転力を、減速機構を介して偏心カム27に伝達し、該偏心カム27に円運動をさせることにより、リンクピン26を上下動させ、頭部3を頭部支持軸51を回転中心として胴体部2に対して左右方向に緩やかに揺動させて、使用者に癒されるという感情を想起させることのできる揺動玩具1を提供することができる。又、この揺動玩具1は、制御手段によって駆動源を予め定められた動作プログラムに基づいて駆動させて、形象物の様々な態様を表現できるものである。
【0088】
そして、この揺動玩具1は、接続端子7を先端に有する引出しコードを備え、接続端子7をコンピュータ等の外部機器に接続することにより、外部機器から制御手段に電力を供給することができるため、小型化及び軽量化を図ることができるものである。
【0089】
又、この揺動玩具1は、駆動源の回転速度を複数個のプーリを介して減速した後、歯車により更に減速を行うように減速機構を構成しているため、歯車を高速回転させることなく歯合に起因する動作音を抑えることができる。更に、頭部3を固定させてもプーリの空転により故障を防止することができる。
【0090】
そして、頭部支持部材50の頭部支持軸51を、頭部3の中心又は中心よりも僅かに上方の位置に設けているため、顎を左右に動かすように首を振らせることができ、使用者に対する癒しの効果が更に高められている。
【0091】
又、この揺動玩具1は、頭部3の内部前方に眼球部30を配置し、該眼球部30をソレノイド33、磁石31、弾性体により回動可能に構成されているため、頭部3の動作と共に眼球部30の開閉動作を組み合わせて行うことで、形象物の動作をより豊かにすることができるものである。
【0092】
そして、この揺動玩具1は、外部部材に挟着可能な挟着部を有する基部を備えることもある。この基部は、揺動玩具1の胴体部2の下面に形成される円形凹部に対応した円形凸部とされる接続部を有し、この接続部に挟着部であるクリップが装着されているものである。これにより、揺動玩具1をテーブル等に載置する場合に限定されることなく、外部機器であるコンピュータのディスプレイ等の様々な場所に挟着させて装飾性の自由度を広げることができるものである。
【0093】
そして、本発明は、以上の実施例に限定されるものでなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で自由に変更、改良が可能である。例えば、制御部11に音声処理部を接続し、揺動玩具1の動作時には当該音声処理部により音声データをアナログ化し、胴体部2の内部に配設するスピーカを駆動して拡声放音させることもある。又、制御部11に発光部の点滅を制御する発光処理部を接続し、頭部3の表面等に設置する発光部であるLEDなどを点滅させてもよい。
【0094】
又、接続端子7を外部機器に接続することにより、電力を供給する場合に限定されることもなく、揺動玩具1に接続端子7を設けずに乾電池や充電池や太陽電池等の内部電源を内蔵させて、揺動玩具1を動作させてもよいし、接続端子7を設けると共に内部電源を設けて、外部機器に接続端子7を接続した際には外部機器より電力を供給し、外部機器に接続端子7を接続しないで使用する場合には、内部電源により揺動玩具1を動作させてもよい。
【0095】
又、音センサー、光センサー、温度センサー等の各種センサーを内蔵して、センサーが検知した信号に基づいて制御手段より所定の制御信号を生成して揺動玩具1を動作させてもよい。更に、コンピュータに所定のソフトウェアをインストールして、接続端子7をコンピュータに接続した際に使用者がコンピュータに対して入力操作を行うと、使用者の操作指令がコンピュータを介して制御手段に送出され、当該使用者の操作に応じた動作を揺動玩具1に実行させることとしてもよい。
【0096】
そして、光センサーを備える揺動玩具1としては、光センサーと共に内部電源を内蔵し、光センサーが所定の明るさを検出したとき、電源をON状態として、当該玩具1を動作させるように構成することもある。
【0097】
これにより、例えば、揺動玩具1が暗い場所に一時的に配置された場合には電源が自動的にOFF状態となり、明るい場所に配置された場合には電源が自動的にON状態となるため、使用者が鑑賞可能なときだけ動作をさせることができ、蓄電池等の内部電源の効率的な利用を可能とする揺動玩具1として提供することができる。又、店内の展示品として使用される揺動玩具1においては、閉店後に店内の照明が消灯された場合には自動的に電源がOFF状態となり、開店後に店内の照明が点灯された場合には自動的に電源がON状態となるため、店員が手動でスイッチ操作を行う手間を省略することもできる。
【0098】
更に、光センサーを太陽電池と無接点スイッチにより構成し、この無接点スイッチを電池等の電源又は電源スイッチ等と直列とすれば、当該太陽電池に光が入射したときに無接点スイッチが導通して電源がON状態となり、光が入射されていないときは無接点スイッチが導通せずに電源がOFF状態となるため、光が入射されていない待機時における内部電源の消費電力を極めて小さくすることもできる。
【0099】
又、コンピュータに様々な動作態様を記憶したデータをインストールして、当該データをコンピュータを介して揺動玩具1の制御手段に送出し、新しい動作モードや動作パターンを制御手段のRAM等に記憶させて、揺動玩具1の制御手段により当該データに基づく新しい動作をさせてもよい。
【0100】
更に、本実施例においては形象物としてフクロウを採用したが、犬、猫、猿等の様々な動物を採用してもよく、又、動物に限ることなく、空想のキャラクター、河童、宇宙人等の創造物を採用してもよいし、生物に限ることなく、お地蔵様、達磨、案山子等の形象物を採用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明の実施例に係る揺動玩具の外観を示す斜視図。
【図2】本発明の実施例に係る揺動玩具の機能回路ブロックを示す図。
【図3】本発明の実施例に係る揺動玩具の分解斜視図。
【図4】本発明の実施例に係る揺動玩具の減速機構を示す斜視図。
【図5】本発明の実施例に係る揺動玩具の頭部の内部を示す斜視図。
【図6】本発明の実施例に係る揺動玩具の頭部の揺動動作を示す図。
【図7】本発明の実施例に係る揺動玩具の眼球部の回動動作を示す図。
【図8】本発明の実施例に係る揺動玩具の制御手段の処理の概略を示すフローチャート。
【図9】本発明の実施例に係る揺動玩具の制御手段の処理の概略を示すフローチャート。
【図10】本発明の実施例に係る揺動玩具の動作パターンの概略を示すタイムチャート。
【符号の説明】
【0102】
1 揺動玩具 2 胴体部
2F 前側胴体部 2R 後側胴体部
3 頭部 3F 前側頭部
3R 後側頭部 3c 接続部材
4 翼部 5 脚部
6 基部 7 接続端子
8 鼻部 11 制御部
12 タイマー 13 モータ制御回路
14 ソレノイド制御回路 15 操作スイッチ
16 検出スイッチ 20 モータ
20a モータプーリ 20c モータケース
21 第一プーリ 21S 小プーリ
21L 大プーリ 22 第二プーリ
22S 小歯車 22L 大プーリ
23 第一歯車 23S 小歯車
23L 大歯車 24 第二歯車
24L 大歯車 25 リンク部材
26 リンクピン 27 偏心カム
28 第一ベルト 29 第二ベルト
30 眼球部 31 磁石
32 磁石保持部 33 ソレノイド
33a 第一ソレノイド 33b 第二ソレノイド
34 ソレノイド保持部 35 ねじりコイルばね
36 眼球部保持部 37 円筒部
38 回転軸 39 円形凹部
50 頭部支持部材 51 頭部支持軸
52 第一歯車軸 53 第二歯車軸
61 引出しコード案内部 70 保持部材
71 制御基板 90 ストッパー
91 係止部材 92 円柱ストッパー
L1 円形状の軌跡 L2 円弧状の軌跡


【特許請求の範囲】
【請求項1】
外観が、所望の形象物の形状に形成される形象玩具であって、
胴体部と、
該胴体部の上部に配置される頭部と、を備え、
前記胴体部は、その内部に前記頭部を回転可能に頭部支持軸により支持する頭部支持部材と、駆動源と、プーリを介する減速機構と、リンク機構と、制御手段と、を有し、
前記リンク機構は、前記減速機構の最終段に設けられる偏心カムと、前記頭部に固定されるリンクピンと前記偏心カムとに枢結されるリンク部材と、から成り、
前記制御手段が生成する制御信号に基づいて前記駆動源を駆動し、該駆動源の回転力が前記減速機構を介して前記偏心カムに伝達され、該偏心カムが円運動をすることにより、前記リンクピンが上下動し、前記頭部が前記頭部支持軸を回転中心として前記胴体部に対して左右方向に揺動することを特徴とする揺動玩具。
【請求項2】
接続端子を先端に有する引出しコードを備え、
該引出しコードが前記制御手段に結線され、前記接続端子が外部機器に接続されることにより、前記外部機器から前記引出しコードを介して前記制御手段に電力が供給されることを特徴とする請求項1に記載の揺動玩具。
【請求項3】
減速機構は、複数個のプーリを有し、プーリを介した後、歯車により更に減速を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の揺動玩具。
【請求項4】
前記頭部支持部材の頭部支持軸は、頭部の中心又は中心よりも僅かに上方の位置に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の揺動玩具。
【請求項5】
前記頭部の内部前方に配置される眼球部と、
前記眼球部の近傍において上下方向に配置される2個のソレノイドと、を備え、
前記頭部の前面には前記眼球部に対応した円形開口が形成され、
前記眼球部は、該眼球部の後方に配置される磁石と、前記眼球部の左右方向に形成される回転軸と、弾性体と、を有し、
前記制御手段によって前記ソレノイドに電流を流すことで前記磁石を反発及び吸引することにより、前記眼球部が前記回転軸を回転中心として回動することにより眼を開き、前記ソレノイドへの電力の供給が停止されたとき、前記弾性体の付勢力により、前記眼球部が前記回転軸を回転中心として回動することにより眼を閉じることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の揺動玩具。
【請求項6】
前記胴体部の下面に着脱可能に嵌着される基部を備え、前記基部は外部部材に挟着可能な挟着部を有することを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載の揺動玩具。
【請求項7】
光センサーを備え、該光センサーが所定の明るさを検出したとき、動作をすることができるように構成されて成ること特徴とする請求項1乃至請求項6の何れかに記載の揺動玩具。
【請求項8】
光センサーは、太陽電池と無接点スイッチにより構成し、太陽電池に光が入射すると無接点スイッチが導通することを特徴とする請求項7に記載の揺動玩具。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−268626(P2009−268626A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−120383(P2008−120383)
【出願日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【出願人】(596020680)株式会社キューブ (11)
【Fターム(参考)】