揺動装置
【課題】使用者に対して多様な動作感を付与することができる揺動装置を提供する。
【解決手段】使用者が着座可能な座部12と、使用者の脚部を支持する脚部支持部18と、使用者の背中を支持する背もたれ部13とを備え、それらの一部を左右方向に揺動可能なマッサージ機10であって、使用者の背面側から使用者の身体において体軸方向に異なる押圧部位を押圧するエアバッグ20a,20b,20cを複数備え、エアバッグ20a,20b,20cは、座部12、脚部支持部18、及び背もたれ部13のうち、それらの一部が左右方向に揺動した状態で、使用者の身体を背面側から押圧する押圧位置を変更させる。
【解決手段】使用者が着座可能な座部12と、使用者の脚部を支持する脚部支持部18と、使用者の背中を支持する背もたれ部13とを備え、それらの一部を左右方向に揺動可能なマッサージ機10であって、使用者の背面側から使用者の身体において体軸方向に異なる押圧部位を押圧するエアバッグ20a,20b,20cを複数備え、エアバッグ20a,20b,20cは、座部12、脚部支持部18、及び背もたれ部13のうち、それらの一部が左右方向に揺動した状態で、使用者の身体を背面側から押圧する押圧位置を変更させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、身体を揺動させることで身体をほぐす効果を付与する揺動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、着座状態の使用者に対してマッサージ動作を実行可能な椅子型マッサージ機が知られている。こうした椅子型マッサージ機の中には、使用者の脚部を載置可能なオットマンに対して使用者の両足首を受けるための足受け部材が左右方向への揺動可能に設けられたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1に記載の椅子型マッサージ機には、足受け部材を取り付ける取付板が左右方向へのスライド移動可能に設けられている。この取付板は、駆動源としてのモータの回転軸に対して動力伝達可能に連結されているため、モータの回転軸が回転駆動されると、モータから伝達される駆動力に基づき、足受け部材を取り付けた状態で左右方向にスライドする。その結果、使用者の足首部分を受けている足受け部材が左右方向に往復移動することに伴って、使用者の両脚部等の下半身(脚部全体)が使用者の腰部を中心として揺動運動することにより、使用者の脚部の緊張状態が緩和されるようになっている。
【0004】
また、特許文献1に記載の椅子型マッサージ機の背もたれ部には、左右一対の偏心ローラが設けられている。そして、これら一対の偏心ローラのうち、左側の偏心ローラが背もたれ部の表面側に突出するように回転すると足受け部材が左方に移動する一方で、右側の偏心ローラが背もたれ部の表面側に突出するように回転すると足受け部材が右方に移動するようになっている。
【0005】
その結果、使用者の下半身が左側に揺動すると使用者の上半身が右側に旋回される一方で、使用者の下半身が右側に揺動すると使用者の上半身が左側に旋回されるようになる。すなわち、偏心ローラの回転動作と足受け部材の揺動動作を同期させることに伴って、使用者の身体に対してひねり動作が大きく作用するため、より大きな効果を有する動作感の異なる身体をほぐす動作が実行されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−328262号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記の椅子型マッサージ機においては、使用者の脚部の左右方向への揺動動作に伴って、使用者の上半身がひねるように旋回動作させられる。しかしながら、その場合における上半身の旋回方向は脚部の揺動方向に関連付けて予め定められた一定方向であるため、揺動動作時に使用者の身体に対して単調な動作感しか付与できないという問題があった。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、使用者に対して多様な動作感を付与することができる揺動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の揺動装置は、使用者が着座可能な座部と前記使用者の脚部を支持する脚部支持部と前記使用者の背中を支持する背もたれ部とのうちの前記座部を含む少なくとも2つを有した身体支持部を備え、その身体支持部の一部を左右方向に揺動可能な揺動装置であって、前記使用者の背面側から前記使用者の身体において体軸方向における位置が異なる部位を押圧可能な押圧機構を複数備え、前記押圧機構は、前記身体支持部の一部が左右方向に揺動した状態で、前記使用者の身体を背面側から押圧する押圧位置を変更させることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の揺動装置において、前記押圧機構は、前記使用者の背面側から前記使用者の身体において左右方向における位置が異なる複数の部位を押圧可能であることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の揺動装置において、前記押圧機構は、左右方向において前記使用者の身体を押圧する部位の数が、前記使用者の体軸方向において位置が異なる前記複数の部位同士で異なることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の揺動装置において、前記押圧機構は、前記使用者の身体を背面側から押圧する際に収縮状態から膨張状態となるように膨縮する膨縮部材を有することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の揺動装置において、前記押圧機構は、複数の前記膨縮部材が膨縮方向と交差する方向において部分的に重畳するように設けられていることを特徴とする。
また、本発明の揺動装置において、前記押圧機構は、前記身体支持部の各構成要素のうち少なくとも一つにおいて、前記使用者の身体における複数の部位を押圧することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の揺動装置において、前記押圧機構は、押圧動作時における最大押圧量を変化させることを特徴とする。
また、本発明の揺動装置において、前記押圧機構は、前記使用者の身体に対する押圧状態を維持させることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の揺動装置において、前記身体支持部の各構成要素のうち少なくとも一つには、傾斜角度を調整する角度調整機構が設けられていることを特徴とする。
また、本発明の揺動装置において、前記押圧機構は、前記使用者の身体における複数の部位を同時に押圧可能であることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の揺動装置において、前記押圧機構は、前記使用者の身体における複数の部位のうち、前記使用者の末梢側に位置する部位から前記使用者の中枢側に位置する部位に向けての順に、又は、前記使用者の中枢側に位置する部位から前記使用者の末梢側に位置する部位に向けての順に、前記使用者の身体に対して背面側から押圧動作を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、使用者に対して多様な動作感を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る第1実施形態のマッサージ機の斜視図。
【図2】(a)は同実施形態のマッサージ機の模式図、(b)は座部エアバッグの模式図。
【図3】(a)は座部エアバッグが膨張動作を行う前の状態を示す模式図、(b)は座部エアバッグが膨張動作を行っている状態を示す模式図。
【図4】マッサージ機の制御構成を示すブロック図。
【図5】(a)は脚部エアバッグが膨張動作を行っている状態の模式図、(b)は座部エアバッグが膨張動作を行っている状態の模式図、(c)は背部エアバッグが膨張動作を行っている状態の模式図。
【図6】本発明に係る第2実施形態のマッサージ機の斜視図。
【図7】同実施形態のマッサージ機であって、(a)は座部エアバッグが膨張動作を行う前の状態の模式図、(b)は座部エアバッグが膨張動作を行っている状態の模式図、(c)は座部エアバッグが図7(b)とは異なる態様で膨張動作を行っている状態の模式図。
【図8】(a)は本発明に係る第3実施形態のマッサージ機の模式図、(b)は同実施形態の脚部エアバッグを側方から見た模式図。
【図9】同実施形態のマッサージ機であって、(a)は脚部エアバッグが膨張動作を行う前の状態の模式図、(b)は脚部エアバッグが膨張動作を行っている状態の模式図、(c)は脚部エアバッグが図9(b)よりも大きな膨張量で膨張動作を行っている状態の模式図。
【図10】(a)は本発明に係る第4実施形態のマッサージ機の模式図、(b)は座部エアバッグを側方から見た模式図。
【図11】本発明に係る第5実施形態のマッサージ機であって、(a)は傾動動作を行う前の状態を示す模式図、(b)は傾動動作を行った後の状態を示す模式図。
【図12】本発明に係る第6実施形態のマッサージ機であって、(a)は膨張動作を行う前の状態を示す模式図、(b)は脚部エアバッグ及び座部エアバッグが膨張動作を行っている状態の模式図。
【図13】本発明に係る第7実施形態のマッサージ機であって、(a)は脚部エアバッグが膨張動作を行っている状態の模式図、(b)は座部エアバッグが膨張動作を行っている状態の模式図、(c)は背部エアバッグが膨張動作を行っている状態の模式図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を椅子型のマッサージ機に具体化した第1実施形態を図1〜図5に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態のマッサージ機10は、図示しない床面に載置される脚部11を備え、その脚部11の上方には使用者が着座可能な座部12が固定されている。この座部12の後側には、使用者が背中をもたせ掛けさせるための背もたれ部13が角度調整機構としての傾動機構14(図4参照)によって傾動可能に設けられている。また、座部12の前側には、使用者の脚部のうち下腿部を載せることができるオットマン15が同じく傾動機構14によって傾動可能に設けられている。また、座部12の左右両側には、使用者の腕を置くための肘掛け部16が背もたれ部13から座部12の両側前方にかけて設けられている。そして、図4に示すように、制御部17からの制御指令に基づいて傾動機構14が駆動制御されることにより、背もたれ部13及びオットマン15の傾斜角度が調整される。
【0020】
なお、オットマン15には、使用者の下腿部を挿入可能な凹状をなす脚部支持部18が左右に計2つ配置されている。そして、図4に示すように、制御部17からの制御指令に基づいて揺動駆動部19が駆動制御されることにより、各脚部支持部18が左右方向に揺動する。そして、本実施形態では、座部12と脚部支持部18と背もたれ部13という3つの構成要素により、マッサージ機10を使用する使用者の身体を支持する身体支持部が構成されている。
【0021】
また、図2(a)に示すように、背もたれ部13、座部12、及び左右一対の脚部支持部18には、背部エアバッグ20a、座部エアバッグ20b、及び脚部エアバッグ20cがそれぞれ一つずつ設けられている。図4に示すように、これらのエアバッグ20a,20b,20cは、制御部17からの制御指令に基づいてエアポンプが駆動制御されることにより膨張状態と収縮状態との間での膨縮動作を行う膨縮部材として機能する。そして、これらのエアバッグ20a,20b,20cが膨縮動作されることにより、座部12に着座した使用者の身体が背面側から押圧される。すなわち、本実施形態では、背部エアバッグ20a、座部エアバッグ20b、及び脚部エアバッグ20cが、使用者の身体を背面側から押圧する押圧機構として機能する。なお、これらのエアバッグ20a,20b,20cの構成は同じであるため、以下の説明においては、座部12に設けられた座部エアバッグ20bの構成について説明する。
【0022】
図2(b)に示すように、座部12の上面には、座部12の左右方向の略全域に亘って延びる開口形状の凹部24が形成されている。この凹部24には、その開口形状と略同一の平面視形状を有する座部エアバッグ20bが収容されている。そして、凹部24に収容された座部エアバッグ20bの上面は座部12の上面に対して面一となっている。
【0023】
そして、図3(a)に示すように、使用者が大腿部Aを座部エアバッグ20bの上側に載置させつつ臀部Cを座部12に支持させた着座状態で、制御部17からの制御指令に基づき座部エアバッグ20bが膨張すると、座部エアバッグ20bの上面が座部12の上面から突出する(図3(b)参照)。その結果、座部エアバッグ20bの上面に載置された使用者の大腿部Aが上方に持ち上がることにより、座部12に臀部Cを支持させて着座した使用者の着座姿勢が変化する。
【0024】
次に、上記のように構成されたマッサージ機10の作用について、特に、使用者の下腿部の揺動動作時に、使用者の着座姿勢が変更される場合の作用に着目して以下説明する。
さて、本実施形態のマッサージ機10では、座部12に着座した使用者の身体に対して揺動動作による刺激を与える場合、まず、制御部17が揺動駆動部19を駆動制御する。すると、各脚部支持部18が左右に揺動することにより、これらの脚部支持部18に支持されている使用者の下腿部B(図5参照)も各脚部支持部18と連動して左右に揺動する。そして、使用者の身体に対する揺動刺激の伝達態様を変更する場合、制御部17は、背部エアバッグ20a、座部エアバッグ20b、及び、脚部エアバッグ20cのうち、何れか一つを膨張動作させる。
【0025】
まず、制御部17が脚部エアバッグ20cを膨張動作させた場合、図5(a)に示すように、脚部エアバッグ20cが、脚部支持部18において使用者の脹脛を支持する面と直交する前方斜め上方に突出する。その結果、脚部エアバッグ20cの突出動作に伴って、この脚部エアバッグ20cの上側に載置された使用者の脚部における下腿部Bが脚部支持部18から離間するように上方に持ち上がる。そして、座部12に着座した使用者の下腿部Bが前方に伸びるように使用者の着座姿勢が変化する。したがって、下腿部Bの揺動動作時における使用者の着座姿勢が変化することにより、脚部エアバッグ20cを揺動支点として使用者の下腿部Bがより大きく揺動するように、使用者の下腿部Bから上半身への揺動の伝達態様が変化する。そして、脚部エアバッグ20cの膨張動作を実行する前とは異なる動作感の揺動刺激が使用者の身体に対して身体をほぐす効果として付与される。
【0026】
また、制御部17が座部エアバッグ20bを膨張動作させた場合、図5(b)に示すように、座部エアバッグ20bが、座部12において使用者の大腿部Aを支持する座面と直交する鉛直上方に突出する。その結果、座部エアバッグ20bの膨張動作に伴って、この座部エアバッグ20bの上側に載置された使用者の大腿部Aが座部12から離間するように上方に持ち上がる。なお、図5(b)に示すように、このとき使用者の臀部Cは依然として座部12に支持された状態を維持している。そして、座部12に着座した使用者の大腿部Aを後方に抱え込むように、使用者の着座姿勢が変化する。したがって、座部エアバッグ20bを揺動支点として使用者の下半身全体がより大きく揺動するように、使用者の下腿部Bから上半身への揺動の伝達態様が変化する。そして、脚部エアバッグ20cの膨張動作時とは異なる動作感の揺動刺激が使用者の身体に対して身体をほぐす効果として付与される。
【0027】
また、制御部17が背部エアバッグ20aを膨張動作させた場合、図5(c)に示すように、背部エアバッグ20aが背もたれ部13において使用者の背面を支持する面と直交する前方斜め上方に突出する。その結果、背部エアバッグ20aの膨張動作に伴って、この背部エアバッグ20aの上側に載置された使用者の背面が背もたれ部13から離間するように上方に持ち上がる。そのため、背部エアバッグ20aが使用者の背面を押圧すると、使用者の背部が背もたれ部13から上方に離間するように使用者の着座姿勢が変化する。特に、本実施形態では、背部エアバッグ20aの膨張動作時には、制御部17が傾動機構14を駆動制御することにより、背もたれ部13及びオットマン15が後方に倒れ込むように傾動している。そのため、背部エアバッグ20aを揺動支点として使用者の下半身から腰部及び腹部に至るまでの部位がより大きく揺動するように、使用者の下腿部Bから上半身への揺動の伝達態様が変化する。したがって、脚部エアバッグ20c及び座部エアバッグ20bの各膨張動作時とは異なる動作感の揺動刺激が使用者の身体に対して身体をほぐす効果として付与される。
【0028】
上記第1実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)各エアバッグ20a,20b,20cが使用者の身体を背面側から押圧する部位を使用者の体軸方向において様々に変化させることにより使用者の着座姿勢が変化するため、身体支持部の一部である脚部支持部18の揺動動作時に、使用者の身体に対して多様な動作感を付与することができる。
【0029】
(2)各エアバッグ20a,20b,20cの膨縮動作に伴って、使用者の身体に対して背面側からゆっくりとした押圧力が作用することにより、使用者の着座姿勢を緩やかに変化させることができる。
【0030】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図6及び図7に基づき説明する。なお、第2実施形態は、エアバッグが使用者の体幅方向である左右方向において位置が異なる複数の部位ごとに対応して設けられた点が第1実施形態と異なる。したがって、以下の説明においては、第1実施形態と相違する構成について主に説明するものとし、第1実施形態と同一又は相当する構成については同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
【0031】
さて、図6に示すように、本実施形態のマッサージ機10は、背もたれ部13の上側寄りの位置に、左右方向に間隔を隔てて複数(本実施形態では3つ)の背部エアバッグ20aが設けられている。具体的には、これらの背部エアバッグ20aのうち中央に位置する背部エアバッグ20aは、使用者の背筋部分に対応するように背もたれ部13の左右方向の略中央位置に配置されている。また、これらの背部エアバッグ20aのうち左右両側に各々位置する背部エアバッグ20aは、使用者の左右両肩部に対応するように背もたれ部13の左右方向の両端位置に配置されている。
【0032】
また、座部12には、その前後両端に亘って長く延びる複数(本実施形態では2つ)の座部エアバッグ20bが、左右方向に間隔を隔てて設けられている。具体的には、これらの座部エアバッグ20bは、座部12の左右方向の中心位置を基準として左右対称な配置態様となるように、座部12の左右両側に設けられている。
【0033】
すなわち、本実施形態では、各エアバッグ20a,20b,20cは、使用者の背面側から使用者の身体において左右方向における位置が異なる複数の部分(部位)を押圧する。また、各エアバッグ20a,20b,20cは、左右方向において使用者の身体を押圧する押圧部位の数が、使用者の体軸方向において位置が異なる複数の部位(すなわち、座部12、背もたれ部13及び脚部支持部18と各々対応する複数の部位)ごとに異なっている。さらに、座部12に設けられた座部エアバッグ20bは、前後方向に長く形成されているため、使用者の大腿部Aだけでなく臀部Cも同様に上方へ押し上げ可能とされている。
【0034】
次に、上記のように構成されたマッサージ機10の作用について、特に、使用者の下腿部Bの揺動動作時に、座部12に設けられた座部エアバッグ20bが使用者の着座姿勢を変化させる際の作用に着目して以下説明する。
【0035】
さて、本実施形態のマッサージ機10において、図7(a)に示すように、座部12に設けられた左右一対の座部エアバッグ20bが座部12の上面に対して面一となっている状態では、使用者の左右の各大腿部Aは略水平姿勢となるように座部12に支持される。
【0036】
ここで、本実施形態のマッサージ機10において、脚部支持部18の揺動動作により使用者の下腿部Bが揺動動作しているときに、制御部17からの制御指令に基づいて、左右一対の座部エアバッグ20bのうち、右側の座部エアバッグ20bが座部12の上面から鉛直上方に突出するように膨張したとする。すると、図7(b)に示すように、使用者の右側の大腿部A及び臀部Cの右側部分が右側の座部エアバッグ20bによって上方に持ち上げられることにより、使用者の下半身が正面から見て右回り方向に捻られるように、使用者の着座姿勢が変化する。その結果、右側の座部エアバッグ20bの膨張動作を実行する前とは異なる動作感の揺動刺激が使用者の身体に対して身体をほぐす効果として付与される。
【0037】
また、使用者の下腿部Bの揺動動作時に、制御部17からの制御指令に基づいて、左右両側の各座部エアバッグ20bが座部12の上面から鉛直上方に突出するように膨張したとする。すると、図7(c)に示すように、使用者の左右の大腿部A及び臀部Cの全体が左右両座部エアバッグ20bによって上方に持ち上げられることにより、使用者の左右の各大腿部Aが略水平姿勢を維持しつつ、使用者の着座姿勢が変化する。その結果、座部エアバッグ20bの膨張動作を実行しない場合、及び、左右両側の座部エアバッグ20bのうち、一方の座部エアバッグ20bの膨張動作を実行した場合とは異なる動作感の揺動刺激が使用者の身体に対して身体をほぐす効果として付与される。
【0038】
上記第2実施形態によれば、上記第1実施形態の効果(1),(2)に加えて、以下に示す効果を得ることができる。
(3)エアバッグ20a,20bが使用者の身体において体幅方向である左右方向での位置が異なる複数の部分を押圧するため、使用者の着座姿勢をより多様に変化させることができ、脚部支持部18の揺動動作時に、使用者の身体に対してより多様な動作感を付与することができる。
【0039】
(4)各エアバッグ20a,20b,20cは、左右方向において使用者の身体を押圧する部位の数が、使用者の体軸方向において位置が異なる複数の部位(すなわち、座部12、背もたれ部13及び脚部支持部18と各々対応する複数の部位)ごとに異なっている。そのため、各エアバッグ20a,20b,20cは、使用者の体軸方向での位置が異なる複数の部位ごとに適した数の押圧箇所を設定することにより、使用者の身体に対して良好な動作感の身体をほぐす効果を付与することができる。
【0040】
(5)エアバッグ20a,20bは、座部12及び背もたれ部13において、使用者の身体における複数の部位を押圧する。そのため、エアバッグ20a,20bは、座部12及び背もたれ部13において、使用者の身体に対する押圧動作を施す部位(押圧部位)が近接して配置されるため、使用者の身体に対する押圧部位を連続的に変化させることができる。
【0041】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を図8及び図9に基づき説明する。なお、第3実施形態は、使用者の脚部の揺動動作時における脚部エアバッグ20cの最大膨張量が変化する点が上記各実施形態と異なる。したがって、以下の説明においては、上記各実施形態と相違する構成について主に説明するものとし、上記各実施形態と同一又は相当する構成については同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
【0042】
図8(a)及び図8(b)に示すように、本実施形態のマッサージ機10は、左右一対の脚部支持部18において使用者の脹脛を支持する面部位に、当該面部位の左右方向の略全域に亘る幅寸法を有する矩形板状の回動部材31が設けられている。回動部材31は、その上端部が各脚部支持部18の側壁部に挿通される回動軸32によって回動自在に軸支されている。また、各脚部支持部18において使用者の脹脛と回動部材31を間に介在させて対向する対向面18aには、当該対向面18aと回動部材31との間に介在するように脚部エアバッグ20cが各々設けられている。
【0043】
そして、本実施形態のマッサージ機10では、図9(a)に示すように、脚部支持部18の脚部エアバッグ20cが収縮した状態では、使用者の下腿部Bが回動部材31によって前方に押し出されることがないため、使用者の足裏が脚部支持部18に密着する。
【0044】
ここで、本実施形態のマッサージ機10において、使用者の下腿部Bの揺動動作時に、制御部17からの制御指令に基づいて、脚部支持部18に設けられた脚部エアバッグ20cが膨張動作をしたとする。すると、図9(b)に示すように、脚部エアバッグ20cの膨張動作に伴って、回動部材31が回動軸32を中心として前方に回動することにより、使用者の下腿部Bが脚部支持部18から前方に離間するように持ち上がる。すると、使用者の足裏全体が脚部支持部18から離間するように前方斜め上方に変位して、使用者の着座姿勢が変化する。その結果、脚部エアバッグ20cの膨張動作を実行する前とは異なる動作感の揺動刺激が使用者の身体に対して身体をほぐす効果として付与される。
【0045】
そして、制御部17は、脚部エアバッグ20cの膨張量が使用者の身体に対する最大押圧量となるように予め設定した目標膨張量に達した時点で、エアポンプの駆動を停止させて脚部エアバッグ20cの膨張形状を所定の大きさで維持する。すると、使用者の着座姿勢は、目標膨張量に対応した膨張形状の脚部エアバッグ20cによる最大押圧量の押圧力を受けて下腿部B全体が前方斜め上方に変位した状態で維持される。そのため、脚部エアバッグ20cの膨張動作を実行する前とは異なる動作感の揺動刺激が使用者の身体に対して一定の時間内に継続して身体をほぐす効果として付与される。
【0046】
また、使用者の下腿部Bの揺動動作時に、制御部17からの制御指令に基づいて、脚部支持部18に設けられた脚部エアバッグ20cが目標膨張量を増大させて膨張形状を更に大きくしたとする。すると、図9(c)に示すように、脚部エアバッグ20cの更なる膨張動作に伴って、回動部材31が回動軸32を中心として前方に更に大きく回動することにより、使用者の下腿部Bが脚部支持部18から更に大きく前方に離間するように持ち上がる。
【0047】
すると、使用者の足裏全体が脚部支持部18から更に大きく離間するように使用者の脚部が前方斜め上方に変位するため、脚部エアバッグ20cの目標膨張量に対応した最大押圧量を変化させる前と比較して、使用者の着座姿勢が変化する。その結果、脚部エアバッグ20cの目標膨張量(最大押圧量)を変化させる前とは異なる動作感の揺動刺激が使用者の身体に対して身体をほぐす効果として付与される。
【0048】
上記第3実施形態によれば、上記第1実施形態の効果(1),(2)に加えて以下に示す効果を得ることができる。
(6)脚部エアバッグ20cの膨張動作時における最大押圧量を規定する目標膨張量を変化させることにより、下腿部Bに対する押圧力を様々に変更させて使用者の姿勢を多様に変化させることができるため、下腿部Bの揺動動作時に使用者の身体に作用する身体をほぐす動作の動作感をより多様に変化させることができる。
【0049】
(7)脚部エアバッグ20cの膨張状態(膨張形状)を維持させて使用者の着座姿勢を維持することにより、使用者の身体に対して十分な刺激を付与することができる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態を図10に基づき説明する。なお、第4実施形態は、複数のエアバッグが膨縮方向と交差する方向において部分的に重畳するように設けられている点が上記各実施形態と異なる。したがって、以下の説明においては、上記各実施形態と相違する構成について主に説明するものとし、上記各実施形態と同一又は相当する構成については同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
【0050】
図10(a)及び図10(b)に示すように、本実施形態のマッサージ機10は、座部12の上面の左右両側に複数(本実施形態では3つ)の座部エアバッグ20bが各々設けられている。これらの座部エアバッグ20bは、膨縮方向となる上下方向と交差する前後方向において部分的に重なり合って座部12の上面の前端側から後端側に亘って連なるように設けられている。
【0051】
そして、使用者の下腿部Bの揺動動作時に、これらの座部エアバッグ20bのうち、前側の座部エアバッグ20bの膨張動作が制御部17からの制御指令に基づいて行われると、膨張動作した座部エアバッグ20bが使用者の身体の揺動支点として機能する。続いて、後方に隣り合う他の座部エアバッグ20bの膨張動作が制御部17からの制御指令に基づいて順次行われると、使用者の身体の揺動支点が後方側に移動する。特に、本実施形態では、前後に並列した座部エアバッグ20bが部分的に重なり合うように配置されているため、これらの座部エアバッグ20bの膨張動作を順次行うことにより、使用者の身体の揺動支点が後方側に連続的に移動する。その結果、使用者の下腿部Bから上半身への揺動の伝達態様が連続的に変化するため、連続的に変化する動作感の揺動刺激が使用者の身体に対して身体をほぐす効果として付与される。
【0052】
上記第4実施形態によれば、上記第1実施形態の効果(1),(2)に加えて以下に示す効果を得ることができる。
(8)座部エアバッグ20bが膨縮方向となる上下方向と交差する前後方向において部分的に重畳するように配置されているため、使用者の身体の押圧部位を前後方向へ連続的に変化させることができる。
【0053】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態を図11に基づき説明する。なお、第5実施形態は、使用者の下腿部Bの揺動動作時に、背もたれ部13及びオットマン15の傾斜角度を変化させる点が上記各実施形態と異なる。したがって、以下の説明においては、上記各実施形態と相違する構成について主に説明するものとし、上記各実施形態と同一又は相当する構成については同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
【0054】
さて、図11(a)に示すように、本実施形態のマッサージ機10は、座部12に着座した使用者の身体に対して揺動動作による刺激を与える場合、まず、制御部17が揺動駆動部19を駆動制御する。すると、各脚部支持部18が左右に揺動することにより、これらの脚部支持部18に支持されている使用者の脚部も各脚部支持部18と連動して左右に揺動する。
【0055】
そして、この状態で、制御部17は、脚部エアバッグ20cを膨張動作させる。すると、脚部エアバッグ20cが、脚部支持部18において使用者の脹脛と対向する対向面18aと直交する鉛直上方に突出する。その結果、脚部エアバッグ20cの突出動作に伴って、この脚部エアバッグ20cの上側に載置された使用者の下腿部Bが脚部支持部18から離間するように上方に持ち上がる。
【0056】
ここで、使用者の身体に対する揺動刺激の伝達態様を変更する場合、制御部17は、傾動機構14を駆動制御する。すると、傾動機構14が背もたれ部13及びオットマン15を後方に倒れ込ませるように傾動させることにより、オットマン15に設けられた脚部エアバッグ20cの三次元位置が変化する。すなわち、使用者の脚部が揺動する際の使用者の着座姿勢が変化する。したがって、使用者の下腿部Bから上半身への揺動の伝達態様が変化するため、背もたれ部13及びオットマン15を傾動させる前とは異なる動作感の揺動刺激が使用者の身体に対して身体をほぐす効果として付与される。
【0057】
上記第5実施形態によれば、上記第1実施形態の効果(1),(2)に加えて以下に示す効果を得ることができる。
(9)背もたれ部13及びオットマン15の傾斜角度を変化させて使用者の着座姿勢を変化させることにより、使用者の下腿部Bの揺動動作時に使用者の身体に作用する身体をほぐす動作の動作感を多様に変化させることができる。
【0058】
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態を図12に基づき説明する。なお、第6実施形態は、使用者の下腿部Bの揺動動作時に、座部エアバッグ20b及び脚部エアバッグ20cが使用者の身体を同時に押圧する点が上記各実施形態と異なる。したがって、以下の説明においては、上記各実施形態と相違する構成について主に説明するものとし、上記各実施形態と同一又は相当する構成については同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
【0059】
さて、図12(a)に示すように、本実施形態のマッサージ機10は、座部12に着座した使用者の身体に対して揺動動作による刺激を与える場合、まず、制御部17が揺動駆動部19を駆動制御する。すると、各脚部支持部18が左右に揺動することにより、これらの脚部支持部18に支持されている使用者の脚部も各脚部支持部18と連動して左右に揺動する。
【0060】
ここで、使用者の身体に対する揺動刺激の伝達態様を変更する場合、制御部17は、座部エアバッグ20b及び脚部エアバッグ20cを同時に膨張動作させる。すると、脚部エアバッグ20cが、脚部支持部18において使用者の脹脛と対向する対向面18aと直交する前方斜め上方に突出する。その結果、脚部エアバッグ20cの突出動作に伴って、この脚部エアバッグ20cの上側に載置された使用者の下腿部Bが脚部支持部18から離間するように上方に持ち上がる。また同時に、座部エアバッグ20bが、座部12において使用者の大腿部Aを支持する座面と直交する鉛直上方に突出する。その結果、座部エアバッグ20bの突出動作に伴って、この座部エアバッグ20bの上側に載置された使用者の大腿部Aが座部12から離間するように上方に持ち上がる。そして、座部12に臀部Cを支持させて着座した使用者の大腿部Aを後方に抱え込むように、使用者の着座姿勢が変化する。
【0061】
すなわち、使用者の下腿部Bの揺動動作時に、使用者の下腿部B及び大腿部Aを同時に押圧するべく、座部エアバッグ20b及び脚部エアバッグ20cが同時に膨張する。その結果、使用者の着座姿勢が、使用者の下腿部Bのみを押圧する場合や使用者の大腿部Aのみを押圧する場合とは異なるようになる。そのため、使用者の下腿部Bの揺動動作時に、単一のエアバッグを膨張させる場合よりも、使用者の着座姿勢を更に多様に変化させることにより、使用者の下腿部Bから上半身への揺動の伝達態様を更に多様に変化させる。したがって、使用者の身体に対してより多様な揺動刺激が身体をほぐす効果として付与される。
【0062】
上記第6実施形態によれば、上記第1実施形態の効果(1),(2)に加えて以下に示す効果を得ることができる。
(10)各エアバッグ20a,20b,20cが使用者の身体における複数の部位を押圧して支持することにより、使用者の着座姿勢をより多様にすることができるため、使用者の下腿部Bの揺動動作時に使用者の身体に作用する身体をほぐす動作の動作感をより多様に変化させることができる。
【0063】
(第7実施形態)
次に、本発明の第7実施形態について図13に基づき説明する。なお、第7実施形態は、使用者の下腿部Bの揺動動作時に、使用者の末梢側に位置する押圧部位から使用者の中枢側に位置する押圧部位に向けて押圧動作を順次行う点が上記各実施形態と異なる。したがって、以下の説明においては、上記各実施形態と相違する構成について主に説明するものとし、上記各実施形態と同一又は相当する構成については同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
【0064】
さて、本実施形態のマッサージ機10は、座部12に着座した使用者の身体に対して揺動動作による刺激を与える場合、まず、制御部17が揺動駆動部19を駆動制御する。すると、各脚部支持部18が左右に揺動することにより、これらの脚部支持部18に支持されている使用者の下腿部Bも各脚部支持部18と連動して左右に揺動する。
【0065】
ここで、使用者の身体に対する揺動刺激の伝達態様を変更する場合、まず、制御部17は、脚部エアバッグ20cを膨張動作させる。すると、図13(a)に示すように、使用者の末梢側に位置する下腿部Bは、脚部エアバッグ20cから上方に向けての押圧力を受けることにより、脚部支持部18から離間するように上方に持ち上がる。
【0066】
そして次に、制御部17は、座部エアバッグ20bを膨張動作させる。すると、図13(b)に示すように、下腿部Bよりも中枢側に位置する使用者の大腿部Aは、座部エアバッグ20bから上方に向けての押圧力を受けることにより、座部12から離間するように上方に持ち上がる。
【0067】
さらに、制御部17は、背部エアバッグ20aを膨張動作させる。すると、図13(c)に示すように、大腿部Aよりも中枢側に位置する使用者の背部は、背部エアバッグ20aから上方に向けての押圧力を受けることにより、背もたれ部13から離間するように上方に持ち上がる。
【0068】
すなわち、本実施形態によれば、各エアバッグ20a,20b,20cは、使用者の下腿部Bの揺動動作時に、末梢側に位置する下腿部Bから大腿部Aを介在して中枢側に位置する背部に対して順次押圧刺激を作用させる。この場合、使用者の着座姿勢の変化に伴って、使用者の下腿部Bから上半身への揺動の伝達態様が変化すると共に、末梢側の押圧部位となる下腿部Bから大腿部Aを経由して中枢側の押圧部位となる背部に向けて連続的に押圧刺激が作用することにより、使用者の身体に対してより効果的な身体をほぐす効果が付与される。
【0069】
上記第7実施形態によれば、上記第1実施形態の効果(1),(2)に加えて以下に示す効果を得ることができる。
(12)各エアバッグ20a,20b,20cは、使用者の身体における末梢側から中枢側に向けて連続的に押圧動作を行うことにより、使用者に対してより効果的な身体をほぐす動作を行うことができる。
【0070】
なお、上記各実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・上記第7実施形態において、各エアバッグ20a,20b,20cは、使用者の中枢側に位置する押圧部位から使用者の末梢側に位置する押圧部位に向けて押圧動作を順次行うようにしてもよい。
【0071】
・上記第6実施形態において、脚部エアバッグ20cと背部エアバッグ20aとを同時に膨張動作させてもよいし、座部エアバッグ20bと背部エアバッグ20aとを同時に膨張動作させてもよい。更には、脚部エアバッグ20cと座部エアバッグ20bと背部エアバッグ20aとを同時に膨張動作させてもよい。
【0072】
・上記第5実施形態において、傾動機構14は、座部12の傾斜角度を変更可能な構成にしてもよい。そして、傾動機構14は、使用者の下腿部の揺動動作時に、背もたれ部13、座部12、及びオットマン15のうち何れか一つの傾斜角度を変更させるようにしてもよいし、これらのうち複数の部位の傾斜角度を同時に変更させるようにしてもよい。
【0073】
・上記第3実施形態において、脚部エアバッグ20cの膨張状態を一定の時間維持させることなく、脚部エアバッグ20cの膨縮動作を連続的に繰り返すようにしてもよい。
・上記第3実施形態において、脚部エアバッグ20cの最大膨張量を変化させることなく一定の大きさに固定してもよい。
【0074】
・上記第4実施形態において、複数の座部エアバッグ20bを左右方向に部分的に重畳させるようにして配置してもよい。また、複数の座部エアバッグ20bを使用者の身体の体軸方向又は左右方向に離間させた状態で並列して設けてもよい。
【0075】
・上記各実施形態において、押圧機構として、例えばモータやボールねじ等から構成される電動伸縮部材を採用してもよい。
・上記各実施形態において、使用者の脚部を左右方向に捻りつつ揺動させる構成としてもよい。
【0076】
・上記各実施形態において、座部12又は背もたれ部13が左右方向に揺動する構成としてもよい。また、座部12、背もたれ部13、及びオットマン15の脚部支持部18のうち、複数の部位を左右方向に揺動させる構成としてもよい。また、座部12の一部、背もたれ部13の一部、又は、オットマン15の脚部支持部18の一部を左右方向に揺動させる構成としてもよい。
【0077】
・上記各実施形態において、揉み玉によって使用者の背部をマッサージするマッサージ機構を背もたれ部13に備えた構成としてもよい。
・上記各実施形態において、各エアバッグ20a,20b,20cが使用者の身体を背面側から押圧した状態で、使用者の身体の一部の揺動動作を開始するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0078】
10…揺動装置としてのマッサージ機、12…身体支持部を構成する座部、13…身体支持部を構成する背もたれ部、14…傾斜角度調整機構としての傾動機構、18…身体支持部を構成する脚部支持部、20a…押圧機構及び膨縮部材としての背部エアバッグ、20b…押圧機構及び膨縮部材としての座部エアバッグ、20c…押圧機構及び膨縮部材としての脚部エアバッグ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、身体を揺動させることで身体をほぐす効果を付与する揺動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、着座状態の使用者に対してマッサージ動作を実行可能な椅子型マッサージ機が知られている。こうした椅子型マッサージ機の中には、使用者の脚部を載置可能なオットマンに対して使用者の両足首を受けるための足受け部材が左右方向への揺動可能に設けられたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1に記載の椅子型マッサージ機には、足受け部材を取り付ける取付板が左右方向へのスライド移動可能に設けられている。この取付板は、駆動源としてのモータの回転軸に対して動力伝達可能に連結されているため、モータの回転軸が回転駆動されると、モータから伝達される駆動力に基づき、足受け部材を取り付けた状態で左右方向にスライドする。その結果、使用者の足首部分を受けている足受け部材が左右方向に往復移動することに伴って、使用者の両脚部等の下半身(脚部全体)が使用者の腰部を中心として揺動運動することにより、使用者の脚部の緊張状態が緩和されるようになっている。
【0004】
また、特許文献1に記載の椅子型マッサージ機の背もたれ部には、左右一対の偏心ローラが設けられている。そして、これら一対の偏心ローラのうち、左側の偏心ローラが背もたれ部の表面側に突出するように回転すると足受け部材が左方に移動する一方で、右側の偏心ローラが背もたれ部の表面側に突出するように回転すると足受け部材が右方に移動するようになっている。
【0005】
その結果、使用者の下半身が左側に揺動すると使用者の上半身が右側に旋回される一方で、使用者の下半身が右側に揺動すると使用者の上半身が左側に旋回されるようになる。すなわち、偏心ローラの回転動作と足受け部材の揺動動作を同期させることに伴って、使用者の身体に対してひねり動作が大きく作用するため、より大きな効果を有する動作感の異なる身体をほぐす動作が実行されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−328262号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記の椅子型マッサージ機においては、使用者の脚部の左右方向への揺動動作に伴って、使用者の上半身がひねるように旋回動作させられる。しかしながら、その場合における上半身の旋回方向は脚部の揺動方向に関連付けて予め定められた一定方向であるため、揺動動作時に使用者の身体に対して単調な動作感しか付与できないという問題があった。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、使用者に対して多様な動作感を付与することができる揺動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の揺動装置は、使用者が着座可能な座部と前記使用者の脚部を支持する脚部支持部と前記使用者の背中を支持する背もたれ部とのうちの前記座部を含む少なくとも2つを有した身体支持部を備え、その身体支持部の一部を左右方向に揺動可能な揺動装置であって、前記使用者の背面側から前記使用者の身体において体軸方向における位置が異なる部位を押圧可能な押圧機構を複数備え、前記押圧機構は、前記身体支持部の一部が左右方向に揺動した状態で、前記使用者の身体を背面側から押圧する押圧位置を変更させることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の揺動装置において、前記押圧機構は、前記使用者の背面側から前記使用者の身体において左右方向における位置が異なる複数の部位を押圧可能であることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の揺動装置において、前記押圧機構は、左右方向において前記使用者の身体を押圧する部位の数が、前記使用者の体軸方向において位置が異なる前記複数の部位同士で異なることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の揺動装置において、前記押圧機構は、前記使用者の身体を背面側から押圧する際に収縮状態から膨張状態となるように膨縮する膨縮部材を有することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の揺動装置において、前記押圧機構は、複数の前記膨縮部材が膨縮方向と交差する方向において部分的に重畳するように設けられていることを特徴とする。
また、本発明の揺動装置において、前記押圧機構は、前記身体支持部の各構成要素のうち少なくとも一つにおいて、前記使用者の身体における複数の部位を押圧することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の揺動装置において、前記押圧機構は、押圧動作時における最大押圧量を変化させることを特徴とする。
また、本発明の揺動装置において、前記押圧機構は、前記使用者の身体に対する押圧状態を維持させることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の揺動装置において、前記身体支持部の各構成要素のうち少なくとも一つには、傾斜角度を調整する角度調整機構が設けられていることを特徴とする。
また、本発明の揺動装置において、前記押圧機構は、前記使用者の身体における複数の部位を同時に押圧可能であることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の揺動装置において、前記押圧機構は、前記使用者の身体における複数の部位のうち、前記使用者の末梢側に位置する部位から前記使用者の中枢側に位置する部位に向けての順に、又は、前記使用者の中枢側に位置する部位から前記使用者の末梢側に位置する部位に向けての順に、前記使用者の身体に対して背面側から押圧動作を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、使用者に対して多様な動作感を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る第1実施形態のマッサージ機の斜視図。
【図2】(a)は同実施形態のマッサージ機の模式図、(b)は座部エアバッグの模式図。
【図3】(a)は座部エアバッグが膨張動作を行う前の状態を示す模式図、(b)は座部エアバッグが膨張動作を行っている状態を示す模式図。
【図4】マッサージ機の制御構成を示すブロック図。
【図5】(a)は脚部エアバッグが膨張動作を行っている状態の模式図、(b)は座部エアバッグが膨張動作を行っている状態の模式図、(c)は背部エアバッグが膨張動作を行っている状態の模式図。
【図6】本発明に係る第2実施形態のマッサージ機の斜視図。
【図7】同実施形態のマッサージ機であって、(a)は座部エアバッグが膨張動作を行う前の状態の模式図、(b)は座部エアバッグが膨張動作を行っている状態の模式図、(c)は座部エアバッグが図7(b)とは異なる態様で膨張動作を行っている状態の模式図。
【図8】(a)は本発明に係る第3実施形態のマッサージ機の模式図、(b)は同実施形態の脚部エアバッグを側方から見た模式図。
【図9】同実施形態のマッサージ機であって、(a)は脚部エアバッグが膨張動作を行う前の状態の模式図、(b)は脚部エアバッグが膨張動作を行っている状態の模式図、(c)は脚部エアバッグが図9(b)よりも大きな膨張量で膨張動作を行っている状態の模式図。
【図10】(a)は本発明に係る第4実施形態のマッサージ機の模式図、(b)は座部エアバッグを側方から見た模式図。
【図11】本発明に係る第5実施形態のマッサージ機であって、(a)は傾動動作を行う前の状態を示す模式図、(b)は傾動動作を行った後の状態を示す模式図。
【図12】本発明に係る第6実施形態のマッサージ機であって、(a)は膨張動作を行う前の状態を示す模式図、(b)は脚部エアバッグ及び座部エアバッグが膨張動作を行っている状態の模式図。
【図13】本発明に係る第7実施形態のマッサージ機であって、(a)は脚部エアバッグが膨張動作を行っている状態の模式図、(b)は座部エアバッグが膨張動作を行っている状態の模式図、(c)は背部エアバッグが膨張動作を行っている状態の模式図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を椅子型のマッサージ機に具体化した第1実施形態を図1〜図5に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態のマッサージ機10は、図示しない床面に載置される脚部11を備え、その脚部11の上方には使用者が着座可能な座部12が固定されている。この座部12の後側には、使用者が背中をもたせ掛けさせるための背もたれ部13が角度調整機構としての傾動機構14(図4参照)によって傾動可能に設けられている。また、座部12の前側には、使用者の脚部のうち下腿部を載せることができるオットマン15が同じく傾動機構14によって傾動可能に設けられている。また、座部12の左右両側には、使用者の腕を置くための肘掛け部16が背もたれ部13から座部12の両側前方にかけて設けられている。そして、図4に示すように、制御部17からの制御指令に基づいて傾動機構14が駆動制御されることにより、背もたれ部13及びオットマン15の傾斜角度が調整される。
【0020】
なお、オットマン15には、使用者の下腿部を挿入可能な凹状をなす脚部支持部18が左右に計2つ配置されている。そして、図4に示すように、制御部17からの制御指令に基づいて揺動駆動部19が駆動制御されることにより、各脚部支持部18が左右方向に揺動する。そして、本実施形態では、座部12と脚部支持部18と背もたれ部13という3つの構成要素により、マッサージ機10を使用する使用者の身体を支持する身体支持部が構成されている。
【0021】
また、図2(a)に示すように、背もたれ部13、座部12、及び左右一対の脚部支持部18には、背部エアバッグ20a、座部エアバッグ20b、及び脚部エアバッグ20cがそれぞれ一つずつ設けられている。図4に示すように、これらのエアバッグ20a,20b,20cは、制御部17からの制御指令に基づいてエアポンプが駆動制御されることにより膨張状態と収縮状態との間での膨縮動作を行う膨縮部材として機能する。そして、これらのエアバッグ20a,20b,20cが膨縮動作されることにより、座部12に着座した使用者の身体が背面側から押圧される。すなわち、本実施形態では、背部エアバッグ20a、座部エアバッグ20b、及び脚部エアバッグ20cが、使用者の身体を背面側から押圧する押圧機構として機能する。なお、これらのエアバッグ20a,20b,20cの構成は同じであるため、以下の説明においては、座部12に設けられた座部エアバッグ20bの構成について説明する。
【0022】
図2(b)に示すように、座部12の上面には、座部12の左右方向の略全域に亘って延びる開口形状の凹部24が形成されている。この凹部24には、その開口形状と略同一の平面視形状を有する座部エアバッグ20bが収容されている。そして、凹部24に収容された座部エアバッグ20bの上面は座部12の上面に対して面一となっている。
【0023】
そして、図3(a)に示すように、使用者が大腿部Aを座部エアバッグ20bの上側に載置させつつ臀部Cを座部12に支持させた着座状態で、制御部17からの制御指令に基づき座部エアバッグ20bが膨張すると、座部エアバッグ20bの上面が座部12の上面から突出する(図3(b)参照)。その結果、座部エアバッグ20bの上面に載置された使用者の大腿部Aが上方に持ち上がることにより、座部12に臀部Cを支持させて着座した使用者の着座姿勢が変化する。
【0024】
次に、上記のように構成されたマッサージ機10の作用について、特に、使用者の下腿部の揺動動作時に、使用者の着座姿勢が変更される場合の作用に着目して以下説明する。
さて、本実施形態のマッサージ機10では、座部12に着座した使用者の身体に対して揺動動作による刺激を与える場合、まず、制御部17が揺動駆動部19を駆動制御する。すると、各脚部支持部18が左右に揺動することにより、これらの脚部支持部18に支持されている使用者の下腿部B(図5参照)も各脚部支持部18と連動して左右に揺動する。そして、使用者の身体に対する揺動刺激の伝達態様を変更する場合、制御部17は、背部エアバッグ20a、座部エアバッグ20b、及び、脚部エアバッグ20cのうち、何れか一つを膨張動作させる。
【0025】
まず、制御部17が脚部エアバッグ20cを膨張動作させた場合、図5(a)に示すように、脚部エアバッグ20cが、脚部支持部18において使用者の脹脛を支持する面と直交する前方斜め上方に突出する。その結果、脚部エアバッグ20cの突出動作に伴って、この脚部エアバッグ20cの上側に載置された使用者の脚部における下腿部Bが脚部支持部18から離間するように上方に持ち上がる。そして、座部12に着座した使用者の下腿部Bが前方に伸びるように使用者の着座姿勢が変化する。したがって、下腿部Bの揺動動作時における使用者の着座姿勢が変化することにより、脚部エアバッグ20cを揺動支点として使用者の下腿部Bがより大きく揺動するように、使用者の下腿部Bから上半身への揺動の伝達態様が変化する。そして、脚部エアバッグ20cの膨張動作を実行する前とは異なる動作感の揺動刺激が使用者の身体に対して身体をほぐす効果として付与される。
【0026】
また、制御部17が座部エアバッグ20bを膨張動作させた場合、図5(b)に示すように、座部エアバッグ20bが、座部12において使用者の大腿部Aを支持する座面と直交する鉛直上方に突出する。その結果、座部エアバッグ20bの膨張動作に伴って、この座部エアバッグ20bの上側に載置された使用者の大腿部Aが座部12から離間するように上方に持ち上がる。なお、図5(b)に示すように、このとき使用者の臀部Cは依然として座部12に支持された状態を維持している。そして、座部12に着座した使用者の大腿部Aを後方に抱え込むように、使用者の着座姿勢が変化する。したがって、座部エアバッグ20bを揺動支点として使用者の下半身全体がより大きく揺動するように、使用者の下腿部Bから上半身への揺動の伝達態様が変化する。そして、脚部エアバッグ20cの膨張動作時とは異なる動作感の揺動刺激が使用者の身体に対して身体をほぐす効果として付与される。
【0027】
また、制御部17が背部エアバッグ20aを膨張動作させた場合、図5(c)に示すように、背部エアバッグ20aが背もたれ部13において使用者の背面を支持する面と直交する前方斜め上方に突出する。その結果、背部エアバッグ20aの膨張動作に伴って、この背部エアバッグ20aの上側に載置された使用者の背面が背もたれ部13から離間するように上方に持ち上がる。そのため、背部エアバッグ20aが使用者の背面を押圧すると、使用者の背部が背もたれ部13から上方に離間するように使用者の着座姿勢が変化する。特に、本実施形態では、背部エアバッグ20aの膨張動作時には、制御部17が傾動機構14を駆動制御することにより、背もたれ部13及びオットマン15が後方に倒れ込むように傾動している。そのため、背部エアバッグ20aを揺動支点として使用者の下半身から腰部及び腹部に至るまでの部位がより大きく揺動するように、使用者の下腿部Bから上半身への揺動の伝達態様が変化する。したがって、脚部エアバッグ20c及び座部エアバッグ20bの各膨張動作時とは異なる動作感の揺動刺激が使用者の身体に対して身体をほぐす効果として付与される。
【0028】
上記第1実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)各エアバッグ20a,20b,20cが使用者の身体を背面側から押圧する部位を使用者の体軸方向において様々に変化させることにより使用者の着座姿勢が変化するため、身体支持部の一部である脚部支持部18の揺動動作時に、使用者の身体に対して多様な動作感を付与することができる。
【0029】
(2)各エアバッグ20a,20b,20cの膨縮動作に伴って、使用者の身体に対して背面側からゆっくりとした押圧力が作用することにより、使用者の着座姿勢を緩やかに変化させることができる。
【0030】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図6及び図7に基づき説明する。なお、第2実施形態は、エアバッグが使用者の体幅方向である左右方向において位置が異なる複数の部位ごとに対応して設けられた点が第1実施形態と異なる。したがって、以下の説明においては、第1実施形態と相違する構成について主に説明するものとし、第1実施形態と同一又は相当する構成については同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
【0031】
さて、図6に示すように、本実施形態のマッサージ機10は、背もたれ部13の上側寄りの位置に、左右方向に間隔を隔てて複数(本実施形態では3つ)の背部エアバッグ20aが設けられている。具体的には、これらの背部エアバッグ20aのうち中央に位置する背部エアバッグ20aは、使用者の背筋部分に対応するように背もたれ部13の左右方向の略中央位置に配置されている。また、これらの背部エアバッグ20aのうち左右両側に各々位置する背部エアバッグ20aは、使用者の左右両肩部に対応するように背もたれ部13の左右方向の両端位置に配置されている。
【0032】
また、座部12には、その前後両端に亘って長く延びる複数(本実施形態では2つ)の座部エアバッグ20bが、左右方向に間隔を隔てて設けられている。具体的には、これらの座部エアバッグ20bは、座部12の左右方向の中心位置を基準として左右対称な配置態様となるように、座部12の左右両側に設けられている。
【0033】
すなわち、本実施形態では、各エアバッグ20a,20b,20cは、使用者の背面側から使用者の身体において左右方向における位置が異なる複数の部分(部位)を押圧する。また、各エアバッグ20a,20b,20cは、左右方向において使用者の身体を押圧する押圧部位の数が、使用者の体軸方向において位置が異なる複数の部位(すなわち、座部12、背もたれ部13及び脚部支持部18と各々対応する複数の部位)ごとに異なっている。さらに、座部12に設けられた座部エアバッグ20bは、前後方向に長く形成されているため、使用者の大腿部Aだけでなく臀部Cも同様に上方へ押し上げ可能とされている。
【0034】
次に、上記のように構成されたマッサージ機10の作用について、特に、使用者の下腿部Bの揺動動作時に、座部12に設けられた座部エアバッグ20bが使用者の着座姿勢を変化させる際の作用に着目して以下説明する。
【0035】
さて、本実施形態のマッサージ機10において、図7(a)に示すように、座部12に設けられた左右一対の座部エアバッグ20bが座部12の上面に対して面一となっている状態では、使用者の左右の各大腿部Aは略水平姿勢となるように座部12に支持される。
【0036】
ここで、本実施形態のマッサージ機10において、脚部支持部18の揺動動作により使用者の下腿部Bが揺動動作しているときに、制御部17からの制御指令に基づいて、左右一対の座部エアバッグ20bのうち、右側の座部エアバッグ20bが座部12の上面から鉛直上方に突出するように膨張したとする。すると、図7(b)に示すように、使用者の右側の大腿部A及び臀部Cの右側部分が右側の座部エアバッグ20bによって上方に持ち上げられることにより、使用者の下半身が正面から見て右回り方向に捻られるように、使用者の着座姿勢が変化する。その結果、右側の座部エアバッグ20bの膨張動作を実行する前とは異なる動作感の揺動刺激が使用者の身体に対して身体をほぐす効果として付与される。
【0037】
また、使用者の下腿部Bの揺動動作時に、制御部17からの制御指令に基づいて、左右両側の各座部エアバッグ20bが座部12の上面から鉛直上方に突出するように膨張したとする。すると、図7(c)に示すように、使用者の左右の大腿部A及び臀部Cの全体が左右両座部エアバッグ20bによって上方に持ち上げられることにより、使用者の左右の各大腿部Aが略水平姿勢を維持しつつ、使用者の着座姿勢が変化する。その結果、座部エアバッグ20bの膨張動作を実行しない場合、及び、左右両側の座部エアバッグ20bのうち、一方の座部エアバッグ20bの膨張動作を実行した場合とは異なる動作感の揺動刺激が使用者の身体に対して身体をほぐす効果として付与される。
【0038】
上記第2実施形態によれば、上記第1実施形態の効果(1),(2)に加えて、以下に示す効果を得ることができる。
(3)エアバッグ20a,20bが使用者の身体において体幅方向である左右方向での位置が異なる複数の部分を押圧するため、使用者の着座姿勢をより多様に変化させることができ、脚部支持部18の揺動動作時に、使用者の身体に対してより多様な動作感を付与することができる。
【0039】
(4)各エアバッグ20a,20b,20cは、左右方向において使用者の身体を押圧する部位の数が、使用者の体軸方向において位置が異なる複数の部位(すなわち、座部12、背もたれ部13及び脚部支持部18と各々対応する複数の部位)ごとに異なっている。そのため、各エアバッグ20a,20b,20cは、使用者の体軸方向での位置が異なる複数の部位ごとに適した数の押圧箇所を設定することにより、使用者の身体に対して良好な動作感の身体をほぐす効果を付与することができる。
【0040】
(5)エアバッグ20a,20bは、座部12及び背もたれ部13において、使用者の身体における複数の部位を押圧する。そのため、エアバッグ20a,20bは、座部12及び背もたれ部13において、使用者の身体に対する押圧動作を施す部位(押圧部位)が近接して配置されるため、使用者の身体に対する押圧部位を連続的に変化させることができる。
【0041】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を図8及び図9に基づき説明する。なお、第3実施形態は、使用者の脚部の揺動動作時における脚部エアバッグ20cの最大膨張量が変化する点が上記各実施形態と異なる。したがって、以下の説明においては、上記各実施形態と相違する構成について主に説明するものとし、上記各実施形態と同一又は相当する構成については同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
【0042】
図8(a)及び図8(b)に示すように、本実施形態のマッサージ機10は、左右一対の脚部支持部18において使用者の脹脛を支持する面部位に、当該面部位の左右方向の略全域に亘る幅寸法を有する矩形板状の回動部材31が設けられている。回動部材31は、その上端部が各脚部支持部18の側壁部に挿通される回動軸32によって回動自在に軸支されている。また、各脚部支持部18において使用者の脹脛と回動部材31を間に介在させて対向する対向面18aには、当該対向面18aと回動部材31との間に介在するように脚部エアバッグ20cが各々設けられている。
【0043】
そして、本実施形態のマッサージ機10では、図9(a)に示すように、脚部支持部18の脚部エアバッグ20cが収縮した状態では、使用者の下腿部Bが回動部材31によって前方に押し出されることがないため、使用者の足裏が脚部支持部18に密着する。
【0044】
ここで、本実施形態のマッサージ機10において、使用者の下腿部Bの揺動動作時に、制御部17からの制御指令に基づいて、脚部支持部18に設けられた脚部エアバッグ20cが膨張動作をしたとする。すると、図9(b)に示すように、脚部エアバッグ20cの膨張動作に伴って、回動部材31が回動軸32を中心として前方に回動することにより、使用者の下腿部Bが脚部支持部18から前方に離間するように持ち上がる。すると、使用者の足裏全体が脚部支持部18から離間するように前方斜め上方に変位して、使用者の着座姿勢が変化する。その結果、脚部エアバッグ20cの膨張動作を実行する前とは異なる動作感の揺動刺激が使用者の身体に対して身体をほぐす効果として付与される。
【0045】
そして、制御部17は、脚部エアバッグ20cの膨張量が使用者の身体に対する最大押圧量となるように予め設定した目標膨張量に達した時点で、エアポンプの駆動を停止させて脚部エアバッグ20cの膨張形状を所定の大きさで維持する。すると、使用者の着座姿勢は、目標膨張量に対応した膨張形状の脚部エアバッグ20cによる最大押圧量の押圧力を受けて下腿部B全体が前方斜め上方に変位した状態で維持される。そのため、脚部エアバッグ20cの膨張動作を実行する前とは異なる動作感の揺動刺激が使用者の身体に対して一定の時間内に継続して身体をほぐす効果として付与される。
【0046】
また、使用者の下腿部Bの揺動動作時に、制御部17からの制御指令に基づいて、脚部支持部18に設けられた脚部エアバッグ20cが目標膨張量を増大させて膨張形状を更に大きくしたとする。すると、図9(c)に示すように、脚部エアバッグ20cの更なる膨張動作に伴って、回動部材31が回動軸32を中心として前方に更に大きく回動することにより、使用者の下腿部Bが脚部支持部18から更に大きく前方に離間するように持ち上がる。
【0047】
すると、使用者の足裏全体が脚部支持部18から更に大きく離間するように使用者の脚部が前方斜め上方に変位するため、脚部エアバッグ20cの目標膨張量に対応した最大押圧量を変化させる前と比較して、使用者の着座姿勢が変化する。その結果、脚部エアバッグ20cの目標膨張量(最大押圧量)を変化させる前とは異なる動作感の揺動刺激が使用者の身体に対して身体をほぐす効果として付与される。
【0048】
上記第3実施形態によれば、上記第1実施形態の効果(1),(2)に加えて以下に示す効果を得ることができる。
(6)脚部エアバッグ20cの膨張動作時における最大押圧量を規定する目標膨張量を変化させることにより、下腿部Bに対する押圧力を様々に変更させて使用者の姿勢を多様に変化させることができるため、下腿部Bの揺動動作時に使用者の身体に作用する身体をほぐす動作の動作感をより多様に変化させることができる。
【0049】
(7)脚部エアバッグ20cの膨張状態(膨張形状)を維持させて使用者の着座姿勢を維持することにより、使用者の身体に対して十分な刺激を付与することができる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態を図10に基づき説明する。なお、第4実施形態は、複数のエアバッグが膨縮方向と交差する方向において部分的に重畳するように設けられている点が上記各実施形態と異なる。したがって、以下の説明においては、上記各実施形態と相違する構成について主に説明するものとし、上記各実施形態と同一又は相当する構成については同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
【0050】
図10(a)及び図10(b)に示すように、本実施形態のマッサージ機10は、座部12の上面の左右両側に複数(本実施形態では3つ)の座部エアバッグ20bが各々設けられている。これらの座部エアバッグ20bは、膨縮方向となる上下方向と交差する前後方向において部分的に重なり合って座部12の上面の前端側から後端側に亘って連なるように設けられている。
【0051】
そして、使用者の下腿部Bの揺動動作時に、これらの座部エアバッグ20bのうち、前側の座部エアバッグ20bの膨張動作が制御部17からの制御指令に基づいて行われると、膨張動作した座部エアバッグ20bが使用者の身体の揺動支点として機能する。続いて、後方に隣り合う他の座部エアバッグ20bの膨張動作が制御部17からの制御指令に基づいて順次行われると、使用者の身体の揺動支点が後方側に移動する。特に、本実施形態では、前後に並列した座部エアバッグ20bが部分的に重なり合うように配置されているため、これらの座部エアバッグ20bの膨張動作を順次行うことにより、使用者の身体の揺動支点が後方側に連続的に移動する。その結果、使用者の下腿部Bから上半身への揺動の伝達態様が連続的に変化するため、連続的に変化する動作感の揺動刺激が使用者の身体に対して身体をほぐす効果として付与される。
【0052】
上記第4実施形態によれば、上記第1実施形態の効果(1),(2)に加えて以下に示す効果を得ることができる。
(8)座部エアバッグ20bが膨縮方向となる上下方向と交差する前後方向において部分的に重畳するように配置されているため、使用者の身体の押圧部位を前後方向へ連続的に変化させることができる。
【0053】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態を図11に基づき説明する。なお、第5実施形態は、使用者の下腿部Bの揺動動作時に、背もたれ部13及びオットマン15の傾斜角度を変化させる点が上記各実施形態と異なる。したがって、以下の説明においては、上記各実施形態と相違する構成について主に説明するものとし、上記各実施形態と同一又は相当する構成については同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
【0054】
さて、図11(a)に示すように、本実施形態のマッサージ機10は、座部12に着座した使用者の身体に対して揺動動作による刺激を与える場合、まず、制御部17が揺動駆動部19を駆動制御する。すると、各脚部支持部18が左右に揺動することにより、これらの脚部支持部18に支持されている使用者の脚部も各脚部支持部18と連動して左右に揺動する。
【0055】
そして、この状態で、制御部17は、脚部エアバッグ20cを膨張動作させる。すると、脚部エアバッグ20cが、脚部支持部18において使用者の脹脛と対向する対向面18aと直交する鉛直上方に突出する。その結果、脚部エアバッグ20cの突出動作に伴って、この脚部エアバッグ20cの上側に載置された使用者の下腿部Bが脚部支持部18から離間するように上方に持ち上がる。
【0056】
ここで、使用者の身体に対する揺動刺激の伝達態様を変更する場合、制御部17は、傾動機構14を駆動制御する。すると、傾動機構14が背もたれ部13及びオットマン15を後方に倒れ込ませるように傾動させることにより、オットマン15に設けられた脚部エアバッグ20cの三次元位置が変化する。すなわち、使用者の脚部が揺動する際の使用者の着座姿勢が変化する。したがって、使用者の下腿部Bから上半身への揺動の伝達態様が変化するため、背もたれ部13及びオットマン15を傾動させる前とは異なる動作感の揺動刺激が使用者の身体に対して身体をほぐす効果として付与される。
【0057】
上記第5実施形態によれば、上記第1実施形態の効果(1),(2)に加えて以下に示す効果を得ることができる。
(9)背もたれ部13及びオットマン15の傾斜角度を変化させて使用者の着座姿勢を変化させることにより、使用者の下腿部Bの揺動動作時に使用者の身体に作用する身体をほぐす動作の動作感を多様に変化させることができる。
【0058】
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態を図12に基づき説明する。なお、第6実施形態は、使用者の下腿部Bの揺動動作時に、座部エアバッグ20b及び脚部エアバッグ20cが使用者の身体を同時に押圧する点が上記各実施形態と異なる。したがって、以下の説明においては、上記各実施形態と相違する構成について主に説明するものとし、上記各実施形態と同一又は相当する構成については同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
【0059】
さて、図12(a)に示すように、本実施形態のマッサージ機10は、座部12に着座した使用者の身体に対して揺動動作による刺激を与える場合、まず、制御部17が揺動駆動部19を駆動制御する。すると、各脚部支持部18が左右に揺動することにより、これらの脚部支持部18に支持されている使用者の脚部も各脚部支持部18と連動して左右に揺動する。
【0060】
ここで、使用者の身体に対する揺動刺激の伝達態様を変更する場合、制御部17は、座部エアバッグ20b及び脚部エアバッグ20cを同時に膨張動作させる。すると、脚部エアバッグ20cが、脚部支持部18において使用者の脹脛と対向する対向面18aと直交する前方斜め上方に突出する。その結果、脚部エアバッグ20cの突出動作に伴って、この脚部エアバッグ20cの上側に載置された使用者の下腿部Bが脚部支持部18から離間するように上方に持ち上がる。また同時に、座部エアバッグ20bが、座部12において使用者の大腿部Aを支持する座面と直交する鉛直上方に突出する。その結果、座部エアバッグ20bの突出動作に伴って、この座部エアバッグ20bの上側に載置された使用者の大腿部Aが座部12から離間するように上方に持ち上がる。そして、座部12に臀部Cを支持させて着座した使用者の大腿部Aを後方に抱え込むように、使用者の着座姿勢が変化する。
【0061】
すなわち、使用者の下腿部Bの揺動動作時に、使用者の下腿部B及び大腿部Aを同時に押圧するべく、座部エアバッグ20b及び脚部エアバッグ20cが同時に膨張する。その結果、使用者の着座姿勢が、使用者の下腿部Bのみを押圧する場合や使用者の大腿部Aのみを押圧する場合とは異なるようになる。そのため、使用者の下腿部Bの揺動動作時に、単一のエアバッグを膨張させる場合よりも、使用者の着座姿勢を更に多様に変化させることにより、使用者の下腿部Bから上半身への揺動の伝達態様を更に多様に変化させる。したがって、使用者の身体に対してより多様な揺動刺激が身体をほぐす効果として付与される。
【0062】
上記第6実施形態によれば、上記第1実施形態の効果(1),(2)に加えて以下に示す効果を得ることができる。
(10)各エアバッグ20a,20b,20cが使用者の身体における複数の部位を押圧して支持することにより、使用者の着座姿勢をより多様にすることができるため、使用者の下腿部Bの揺動動作時に使用者の身体に作用する身体をほぐす動作の動作感をより多様に変化させることができる。
【0063】
(第7実施形態)
次に、本発明の第7実施形態について図13に基づき説明する。なお、第7実施形態は、使用者の下腿部Bの揺動動作時に、使用者の末梢側に位置する押圧部位から使用者の中枢側に位置する押圧部位に向けて押圧動作を順次行う点が上記各実施形態と異なる。したがって、以下の説明においては、上記各実施形態と相違する構成について主に説明するものとし、上記各実施形態と同一又は相当する構成については同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
【0064】
さて、本実施形態のマッサージ機10は、座部12に着座した使用者の身体に対して揺動動作による刺激を与える場合、まず、制御部17が揺動駆動部19を駆動制御する。すると、各脚部支持部18が左右に揺動することにより、これらの脚部支持部18に支持されている使用者の下腿部Bも各脚部支持部18と連動して左右に揺動する。
【0065】
ここで、使用者の身体に対する揺動刺激の伝達態様を変更する場合、まず、制御部17は、脚部エアバッグ20cを膨張動作させる。すると、図13(a)に示すように、使用者の末梢側に位置する下腿部Bは、脚部エアバッグ20cから上方に向けての押圧力を受けることにより、脚部支持部18から離間するように上方に持ち上がる。
【0066】
そして次に、制御部17は、座部エアバッグ20bを膨張動作させる。すると、図13(b)に示すように、下腿部Bよりも中枢側に位置する使用者の大腿部Aは、座部エアバッグ20bから上方に向けての押圧力を受けることにより、座部12から離間するように上方に持ち上がる。
【0067】
さらに、制御部17は、背部エアバッグ20aを膨張動作させる。すると、図13(c)に示すように、大腿部Aよりも中枢側に位置する使用者の背部は、背部エアバッグ20aから上方に向けての押圧力を受けることにより、背もたれ部13から離間するように上方に持ち上がる。
【0068】
すなわち、本実施形態によれば、各エアバッグ20a,20b,20cは、使用者の下腿部Bの揺動動作時に、末梢側に位置する下腿部Bから大腿部Aを介在して中枢側に位置する背部に対して順次押圧刺激を作用させる。この場合、使用者の着座姿勢の変化に伴って、使用者の下腿部Bから上半身への揺動の伝達態様が変化すると共に、末梢側の押圧部位となる下腿部Bから大腿部Aを経由して中枢側の押圧部位となる背部に向けて連続的に押圧刺激が作用することにより、使用者の身体に対してより効果的な身体をほぐす効果が付与される。
【0069】
上記第7実施形態によれば、上記第1実施形態の効果(1),(2)に加えて以下に示す効果を得ることができる。
(12)各エアバッグ20a,20b,20cは、使用者の身体における末梢側から中枢側に向けて連続的に押圧動作を行うことにより、使用者に対してより効果的な身体をほぐす動作を行うことができる。
【0070】
なお、上記各実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・上記第7実施形態において、各エアバッグ20a,20b,20cは、使用者の中枢側に位置する押圧部位から使用者の末梢側に位置する押圧部位に向けて押圧動作を順次行うようにしてもよい。
【0071】
・上記第6実施形態において、脚部エアバッグ20cと背部エアバッグ20aとを同時に膨張動作させてもよいし、座部エアバッグ20bと背部エアバッグ20aとを同時に膨張動作させてもよい。更には、脚部エアバッグ20cと座部エアバッグ20bと背部エアバッグ20aとを同時に膨張動作させてもよい。
【0072】
・上記第5実施形態において、傾動機構14は、座部12の傾斜角度を変更可能な構成にしてもよい。そして、傾動機構14は、使用者の下腿部の揺動動作時に、背もたれ部13、座部12、及びオットマン15のうち何れか一つの傾斜角度を変更させるようにしてもよいし、これらのうち複数の部位の傾斜角度を同時に変更させるようにしてもよい。
【0073】
・上記第3実施形態において、脚部エアバッグ20cの膨張状態を一定の時間維持させることなく、脚部エアバッグ20cの膨縮動作を連続的に繰り返すようにしてもよい。
・上記第3実施形態において、脚部エアバッグ20cの最大膨張量を変化させることなく一定の大きさに固定してもよい。
【0074】
・上記第4実施形態において、複数の座部エアバッグ20bを左右方向に部分的に重畳させるようにして配置してもよい。また、複数の座部エアバッグ20bを使用者の身体の体軸方向又は左右方向に離間させた状態で並列して設けてもよい。
【0075】
・上記各実施形態において、押圧機構として、例えばモータやボールねじ等から構成される電動伸縮部材を採用してもよい。
・上記各実施形態において、使用者の脚部を左右方向に捻りつつ揺動させる構成としてもよい。
【0076】
・上記各実施形態において、座部12又は背もたれ部13が左右方向に揺動する構成としてもよい。また、座部12、背もたれ部13、及びオットマン15の脚部支持部18のうち、複数の部位を左右方向に揺動させる構成としてもよい。また、座部12の一部、背もたれ部13の一部、又は、オットマン15の脚部支持部18の一部を左右方向に揺動させる構成としてもよい。
【0077】
・上記各実施形態において、揉み玉によって使用者の背部をマッサージするマッサージ機構を背もたれ部13に備えた構成としてもよい。
・上記各実施形態において、各エアバッグ20a,20b,20cが使用者の身体を背面側から押圧した状態で、使用者の身体の一部の揺動動作を開始するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0078】
10…揺動装置としてのマッサージ機、12…身体支持部を構成する座部、13…身体支持部を構成する背もたれ部、14…傾斜角度調整機構としての傾動機構、18…身体支持部を構成する脚部支持部、20a…押圧機構及び膨縮部材としての背部エアバッグ、20b…押圧機構及び膨縮部材としての座部エアバッグ、20c…押圧機構及び膨縮部材としての脚部エアバッグ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者が着座可能な座部と前記使用者の脚部を支持する脚部支持部と前記使用者の背中を支持する背もたれ部とのうちの前記座部を含む少なくとも2つを有した身体支持部を備え、その身体支持部の一部を左右方向に揺動可能な揺動装置であって、
前記使用者の背面側から前記使用者の身体において体軸方向における位置が異なる部位を押圧可能な押圧機構を複数備え、
前記押圧機構は、前記身体支持部の一部が左右方向に揺動した状態で、前記使用者の身体を背面側から押圧する押圧位置を変更させることを特徴とする揺動装置。
【請求項2】
請求項1に記載の揺動装置において、
前記押圧機構は、前記使用者の背面側から前記使用者の身体において左右方向における位置が異なる複数の部位を押圧可能であることを特徴とする揺動装置。
【請求項3】
請求項2に記載の揺動装置において、
前記押圧機構は、左右方向において前記使用者の身体を押圧する部位の数が、前記使用者の体軸方向において位置が異なる前記複数の部位同士で異なることを特徴とする揺動装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の揺動装置において、
前記押圧機構は、前記使用者の身体を背面側から押圧する際に収縮状態から膨張状態となるように膨縮する膨縮部材を有することを特徴とする揺動装置。
【請求項5】
請求項4に記載の揺動装置において、
前記押圧機構は、複数の前記膨縮部材が膨縮方向と交差する方向において部分的に重畳するように設けられていることを特徴とする揺動装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のうち何れか一項に記載の揺動装置において、
前記押圧機構は、前記身体支持部の各構成要素のうち少なくとも一つにおいて、前記使用者の身体における複数の部位を押圧することを特徴とする揺動装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項6のうち何れか一項に記載の揺動装置において、
前記押圧機構は、押圧動作時における最大押圧量を変化させることを特徴とする揺動装置。
【請求項8】
請求項1〜請求項7のうち何れか一項に記載の揺動装置において、
前記押圧機構は、前記使用者の身体に対する押圧状態を維持させることを特徴とする揺動装置。
【請求項9】
請求項1〜請求項8のうち何れか一項に記載の揺動装置において、
前記身体支持部の各構成要素のうち少なくとも一つには、傾斜角度を調整する角度調整機構が設けられていることを特徴とする揺動装置。
【請求項10】
請求項1〜請求項9のうち何れか一項に記載の揺動装置において、
前記押圧機構は、前記使用者の身体における複数の部位を同時に押圧可能であることを特徴とする揺動装置。
【請求項11】
請求項1〜請求項10のうち何れか一項に記載の揺動装置において、
前記押圧機構は、前記使用者の身体における複数の部位のうち、前記使用者の末梢側に位置する部位から前記使用者の中枢側に位置する部位に向けての順に、又は、前記使用者の中枢側に位置する部位から前記使用者の末梢側に位置する部位に向けての順に、前記使用者の身体に対して背面側から押圧動作を行うことを特徴とする揺動装置。
【請求項1】
使用者が着座可能な座部と前記使用者の脚部を支持する脚部支持部と前記使用者の背中を支持する背もたれ部とのうちの前記座部を含む少なくとも2つを有した身体支持部を備え、その身体支持部の一部を左右方向に揺動可能な揺動装置であって、
前記使用者の背面側から前記使用者の身体において体軸方向における位置が異なる部位を押圧可能な押圧機構を複数備え、
前記押圧機構は、前記身体支持部の一部が左右方向に揺動した状態で、前記使用者の身体を背面側から押圧する押圧位置を変更させることを特徴とする揺動装置。
【請求項2】
請求項1に記載の揺動装置において、
前記押圧機構は、前記使用者の背面側から前記使用者の身体において左右方向における位置が異なる複数の部位を押圧可能であることを特徴とする揺動装置。
【請求項3】
請求項2に記載の揺動装置において、
前記押圧機構は、左右方向において前記使用者の身体を押圧する部位の数が、前記使用者の体軸方向において位置が異なる前記複数の部位同士で異なることを特徴とする揺動装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の揺動装置において、
前記押圧機構は、前記使用者の身体を背面側から押圧する際に収縮状態から膨張状態となるように膨縮する膨縮部材を有することを特徴とする揺動装置。
【請求項5】
請求項4に記載の揺動装置において、
前記押圧機構は、複数の前記膨縮部材が膨縮方向と交差する方向において部分的に重畳するように設けられていることを特徴とする揺動装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のうち何れか一項に記載の揺動装置において、
前記押圧機構は、前記身体支持部の各構成要素のうち少なくとも一つにおいて、前記使用者の身体における複数の部位を押圧することを特徴とする揺動装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項6のうち何れか一項に記載の揺動装置において、
前記押圧機構は、押圧動作時における最大押圧量を変化させることを特徴とする揺動装置。
【請求項8】
請求項1〜請求項7のうち何れか一項に記載の揺動装置において、
前記押圧機構は、前記使用者の身体に対する押圧状態を維持させることを特徴とする揺動装置。
【請求項9】
請求項1〜請求項8のうち何れか一項に記載の揺動装置において、
前記身体支持部の各構成要素のうち少なくとも一つには、傾斜角度を調整する角度調整機構が設けられていることを特徴とする揺動装置。
【請求項10】
請求項1〜請求項9のうち何れか一項に記載の揺動装置において、
前記押圧機構は、前記使用者の身体における複数の部位を同時に押圧可能であることを特徴とする揺動装置。
【請求項11】
請求項1〜請求項10のうち何れか一項に記載の揺動装置において、
前記押圧機構は、前記使用者の身体における複数の部位のうち、前記使用者の末梢側に位置する部位から前記使用者の中枢側に位置する部位に向けての順に、又は、前記使用者の中枢側に位置する部位から前記使用者の末梢側に位置する部位に向けての順に、前記使用者の身体に対して背面側から押圧動作を行うことを特徴とする揺動装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−34669(P2013−34669A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−173234(P2011−173234)
【出願日】平成23年8月8日(2011.8.8)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月8日(2011.8.8)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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