説明

揺動駆動機構

【課題】 溶接トーチの広幅揺動を低負荷で円滑におこなう。
【解決手段】 溶接方向yに延びる振り子軸22;その先端部が固定された第1振り子幹23;揺動駆動軸19;振幅調節ねじ26;振幅調節ねじの回転により上下駆動されるスライドブロック28,29;垂直方向zに分布し第1振り子幹23のガイド溝23aに進入する複数の倣いローラ32,33を装備した回転アーム31;溶接方向yに延びる軸廻りに振り子回動する第2振り子幹34;機体に固定され揺動方向xに延びるレール15;該レールで支持され揺動方向xに移動可能なキャリッジ24;該キャリッジに固定され揺動方向xに延びる揺動アーム5;および、キャリッジに固定され第2振り子幹34の振り子ローラ36で振り子駆動される振り子25;を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は溶接トーチを溶接方向yと交差する方向xに揺動(オシレート,ウィービング)駆動する機構に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の揺動駆動装置は、揺動部材を中程の振り子軸(支点)で回動可に支持し、該揺動部材の一端部でトーチを支持し、他端部を偏芯カムの回転により揺動駆動する。振り子軸は揺動部材のスライド溝に嵌まり込んでおり、偏芯カムの回転による揺動部材他端部の楕円運動にともなって揺動部材が振り子軸(支点)に対して往復スライドする。振り子軸(支点)にはねじ棒に螺合したナットが結合しており、ねじ棒の回転により振り子軸がスライド溝に沿ってスライド方向に移動し、これにより、揺動部材の一端部(トーチ)の、振り子軸を中心とする揺動幅が変わる。すなわち、ねじ棒を廻して揺動幅を調節できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平 6− 66867号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、揺動部材の一端部でトーチを支持し、他端部を偏芯カムの回転により直接に揺動駆動し、揺動部材をスライド可にして振り子軸(支点)で支持するので、偏芯カム回転の負荷と振り子軸が支持する負荷が大きく、広幅揺動を低負荷で円滑におこなうことは難しい。
【0005】
本発明は、広幅揺動を低負荷で円滑におこなうことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)軸心を中心に回転可で機体に固定され溶接方向yに延びる振り子軸(22);
該振り子軸(22)の先端部が固定され垂直方向zに延び、揺動ローラ(21)が進入するカム穴(23b)がある第1振り子幹(23);
前記揺動ローラ(21)を偏芯位置に支持して偏芯回動駆動する、前記振り子軸(22)と平行である揺動駆動軸(19);
垂直方向zに延びる振幅調節ねじ(26);
該振幅調節ねじ(26)が螺合し該振幅調節ねじの回転により上下駆動されるスライドブロック(28,29);
該スライドブロック(28,29)に、溶接方向yに延びる倣い軸(30)で、該倣い軸の軸心を中心に回転可に結合した回転アーム(31);
前記スライドブロック(28,29)が垂直方向zにスライドできる、垂直方向zに長いガイド穴(35)があり、溶接方向yに延びる軸廻りに振り子回動する第2振り子幹(34);
機体に固定され揺動方向xに延びるレール(15);
該レール(15)で支持され揺動方向xに移動可能なキャリッジ(24);
該キャリッジ(24)に固定され揺動方向xに延びる、溶接トーチ(7)を支持するための揺動アーム(5);
前記第1振り子幹(23)と回転アーム(31)の一方にあって垂直方向zに延びるガイド溝(23a);
前記第1振り子幹(23)と回転アーム(31)の他方にあって垂直方向zに分布し前記ガイド溝(23a)に進入する複数の倣いローラ(32,33);
前記第2振り子幹(34)とキャリッジ(24)の一方にあって溶接方向yに延びる軸を中心に回転可能な振り子ローラ(36);および、
前記振り子ローラ(36)が進入する垂直方向zに延びるガイド溝(25a)がある、前記第2振り子幹(34)とキャリッジ(24)の他方に固定された振り子(25);
を備える揺動駆動機構。
【0007】
なお、理解を容易にするために括弧内には、図面に示し後述する実施例の対応又は相当要素の記号もしくは対応事項を、例示として参考までに付記した。以下も同様である。
【0008】
上記揺動駆動機構には、第1振り子幹(23)にガイド溝(23a)を、回転アーム(31)に複数の倣いローラ(32,33)を備える態様1−1,第1振り子幹(23)に複数の倣いローラ(32,33)を、回転アーム(31)にガイド溝(23a)を備える態様1−2,第2振り子幹(34)に振り子ローラ(36)を、キャリッジ(24)に振り子(25)を備える態様2−1、および、キャリッジ(24)に振り子ローラ(36)を、第2振り子幹(34)に振り子(25)を備える態様2−2がある。
【0009】
上記(1)の第1形態は上記態様1−1と2−1の組み合わせ、第2形態は上記態様1−1と2−2の組み合わせ、第3形態は、上記態様1−2と2−1の組み合わせ、そして、第4形態は上記態様1−2と2−2の組み合わせである。下記(2)が上記第1形態である。以下では、第1形態(下記(2)の形態)に基づいて説明する。
【発明の効果】
【0010】
揺動駆動軸(19)が回転駆動されると、該駆動軸(19)の軸心を中心とする円周上を揺動ローラ(21)の回転中心が回動する。これにより第1振り子幹(23)が、振り子軸(22)を中心に振り子運動をする。この振り子運動により、複数の倣いローラ(32,33)の全体が同じく振り子運動をして、これらの倣いローラ(32,33)を支持している回転アーム(31)が倣い軸(30)を中心に回転ししかも同じく振り子運動をする。倣い軸(30)はスライドブロック(28,29)で支持されているので、スライドブロック(28,29)およびそれを垂直方向zに移動自在に支える第2振り子幹(34)が、振り子駆動されて倣いローラ(36)が、振り子(25)をx方向に往復駆動すなわち揺動駆動し、キャリッジ(24)に固定された揺動アーム(5)が、溶接方向yおよび垂直方向zに直交するx方向に揺動する。振幅調節ねじ(26)をねじ緩め方向に廻すと、スライドブロック(28,29)が下降し、これにより倣いローラ(32,33)が第1振り子幹(23)のガイド溝(23a)内で降下し、第1振り子幹(23)の揺動(振り子)振幅は一定であるが、第2振り子幹(34)の揺動振幅が大きくなる。すなわち、振幅調節ねじ(26)の緩め方向の回転により第2振り子幹(34)の揺動振幅が大きくなり、締め込み方向の回転により小さくなる。振幅調節ねじ(26)を廻すことによって、揺動振幅を調節できる。
【0011】
第1振り子幹(23)の小幅の揺動駆動で第2振り子幹(34)を大きく揺動駆動できるのに加えて、溶接トーチ(7)を支持する揺動アーム(5)は、レール(15)で支持されたキャリッジ(24)に搭載されて、該キャリッジを介してレール(15)で負荷(溶接トーチ7〜揺動アーム5)が支持されるので、第2振り子幹(34)の揺動負荷は軽く、広幅揺動を低負荷で円滑におこなうことができる。また、倣いローラ(32,33)が1個の場合には、溶接トーチ(7)に外力が加わりこれによって第2振り子幹(34)に制動力または加速力が加わると、倣いローラを中心に第2振り子幹(34)がずれ回動して、振り子運動の中点が揺動方向xにずれてしまう。しかし本発明のように倣いローラを垂直方向zに分布する複数とすることにより、溶接トーチ(7)に外力が加わっても、第2振り子幹(34)が1個の倣いローラを中心に回動することはなく、トーチに外力が加わっても、揺動運動が揺動方向xにずれることはない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1形態の一実施例の外観を示す背面図である。
【図2】図1上の揺動機構箱4の縦断面図である。
【図3】図2上のIII−III線横断面図である。
【図4】図3に示す揺動機構要素を、それらの間の相互結合を分断して示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(2)軸心を中心に回転可で機体に固定され溶接方向yに延びる振り子軸(22);
該振り子軸(22)の先端部が固定され垂直方向zに延び、該方向に延びるガイド溝(23a)および揺動ローラ(21)が進入するカム穴(23b)がある第1振り子幹(23);
前記揺動ローラ(21)を偏芯位置に支持して偏芯回動駆動する、前記振り子軸(22)と平行である揺動駆動軸(19);
垂直方向zに延びる振幅調節ねじ(26);
該振幅調節ねじ(26)が螺合し該振幅調節ねじの回転により上下駆動されるスライドブロック(28,29);
垂直方向zに分布し第1振り子幹(23)の前記ガイド溝(23a)に進入する複数の倣いローラ(32,33)を装備し、前記スライドブロック(28,29)に、溶接方向yに延びる倣い軸(30)で、該倣い軸の軸心を中心に回転可に結合した回転アーム(31);
前記スライドブロック(28,29)が垂直方向zにスライドできる、垂直方向zに長いガイド穴(35)、および、該ガイド穴の下方にあって溶接方向yに延びる軸を中心に回転可能な振り子ローラ(36)があり、溶接方向yに延びる軸廻りに振り子回動する第2振り子幹(34);
機体に固定され揺動方向xに延びるレール(15);
該レール(15)で支持され揺動方向xに移動可能なキャリッジ(24);
該キャリッジ(24)に固定され揺動方向xに延びる、溶接トーチ(7)を支持するための揺動アーム(5);および、
前記振り子ローラ(36)が進入する垂直方向zに延びるガイド溝(25a)がある、前記キャリッジ(24)に固定された振り子(25);
を備える揺動駆動機構。
【0014】
(3)前記複数の倣いローラは2個(32,33)であって、前記倣い軸(30)に関して対称に位置する、上記(1)又は(2)に記載の揺動駆動機構。これによれば、第1振り子幹(23)の振り子運動による、倣いローラ(32,33)を介した、倣い軸(30)を中心にした回転アーム31の回転が安定し、倣い軸(30)による第2振り子幹(34)の振り子駆動が円滑になる。
【0015】
(4)前記揺動駆動軸(19)に固着した被駆動傘歯車(19),該被駆動傘歯車に噛み合う駆動傘歯車(17),該駆動傘歯車を固着した出力軸をもつ減速機構(16)、および、該減速機構の入力軸を回転駆動する電気モータ(10)、をさらに備える上記(1)乃至(3)のいずれか1つに記載の揺動駆動機構。これによれば、揺動方向xに延びて前方で溶接トーチ(7)を支持する揺動アーム(5)の後方に電気モータ(10)をその回転軸がx方向に延びるものとなる姿勢で配置することができる。すなわち、溶接トーチ(7)からもっとも離れた位置(溶接作業に邪魔とならない位置)に電気モータを配置することができる。
【0016】
本発明の他の目的および特徴は、図面を参照した以下の実施例の説明より明らかになろう。
【実施例】
【0017】
図1に、本発明の第1形態の揺動駆動機構を装備した溶接装置を示す。自走台車1には、前方に2個、後方に2個、合わせて4個の車輪、これらの車輪を回転駆動する減速機構および電気モータが備わっている。また台車本体から側方x方向に突き出した倣いローラが、前方に1個、後方に1個、合わせて2個あり、自走台車1は、水平母材(水平鋼板)上を、2個の倣いローラが共に垂直母材(垂直鋼板)にぴったり当たるように、溶接方向yに自走する。
【0018】
自走台車1には、x位置調節機構2を介して揺動駆動機構の支持台3が支持されている。x位置調節機構2の、右方に突出した調節摘みを時計方向に廻すと、支持台3(揺動駆動機構)が右方に移動し、反時計方向に廻すと左方に移動する。支持台3には揺動機構箱4が装着されている。揺動機構箱4から、x方向に延びる揺動アーム5が突出しており、その左端部が、姿勢およびx,y,z位置調整機構6を介して、溶接トーチ7を支持している。姿勢およびx,y,z位置調整機構6に対する手動操作によって、溶接トーチ7の、傾斜(溶接方向yに平行な軸廻りの回転角度)およびx,y,z各位置を調整することができる。8は垂直方向zのトーチ位置を調整するための、トーチ高さ調節摘み、9は紙面に垂直な、溶接装置持ち運び用の、y方向に延びる握り棒、10は揺動駆動原動機である電気モータ、11はトーチ揺動駆動の振幅を調整するための摘み、12は、溶接電源を除く台車上機器電源の電源スイッチ、そして13は、トーチ揺動/停止を行う揺動スイッチ、である。
【0019】
図2に、図1に示す揺動機構箱4の垂直断面(x−z断面)を示す。揺動機構箱4の底板14およびそれに設けた数種の立板及び枠体で、揺動駆動機構の機体が構成されており、該機体で揺動機構要素が回転支持又は固定されている。振幅調節摘み11は、振幅調節ねじ16に連結されている。電気モータ10の回転軸に減速歯車16の入力軸が結合され、出力軸には駆動傘歯車17が固着されている。
【0020】
図3に、図2上のIII−III線横断面を示す。駆動傘歯車17に噛み合う被駆動傘歯車18の歯車軸である揺動駆動軸19の端部(右端部)には、円板20が固定され、この円板20の偏芯位置に揺動ローラ(ベアリングローラ)21が装着されている。この揺動ローラ21は、第1振り子幹23にあるカム穴23b(図4)に進入している。第1振り子幹23は機体で回転自在に支持された振り子軸22の先端部(右端部)に固着されている。
【0021】
図4に、図3に示す揺動ローラ21によって振り子駆動される要素を主体とする主な揺動機構要素を、相互の結合を分断して示す。図3と図4を参照されたい。この実施例(第1形態)では、第1振り子幹23に垂直方向zに長いガイド溝23aがあり、このガイド溝23aに2個の倣いローラ32,33が進入している(図3)。これらの倣いローラ32,33は、回転アーム31に装着されている。倣いローラ32,33は垂直方向zに分布し、それらの中間点に、倣い軸30があって回転アーム31を貫通してスライドブロック28に固着したスライド板29に固定されている。回転アーム31は、倣い軸30に対して倣い軸30の軸心を中心に回転可能である。スライドブロック28には、垂直方向zに延びる雌ねじ穴があり、この雌ねじ穴を振幅調節ねじ26が貫通し螺合している。振幅調節ねじ26は、垂直方向zに直交する水平2軸方向の傾動を可能とするユニバーサルジョイント26bで丸棒26aに連結されている。丸棒26aは、機体に固定されたブラケット27でz方向の昇降は不可能であるが、軸心を中心にした回転は可能に支持され、ブラケット27の上方に突出する上端部に、振幅調節摘み11が固着されている。振幅調節摘み11を時計方向に廻すとブロック28が上昇し、回転アーム31およびそれに支持された倣いローラ32,33が、第1振り子幹23に対して上方に移動する。逆に、振幅調節摘み11を反時計方向に廻すとブロック28が下降し、回転アーム31およびそれに支持された倣いローラ32,33が、第1振り子幹23に対して下方に移動する。
【0022】
この実施例では、大略で円柱状であるが、中ほどに溝が切られて外形が凹状(コの字枠形)の連結子39のコ形溝39aの底部に開いたベアリング穴39bを、振り子軸22が貫通し、第1振り子幹23およびそのガイド溝23bに侵入した倣いローラ32,33、ならびにこれらの倣いローラを支持する回転アーム31及びスライド板29が、コ形溝39aに嵌まり込んでいる(図3)。スライド板29はスライドブロック28に一体固定であるが、スライドブロック28の、スライド板29に連結した部位はくびれており、このくびれ部分が、U字形の第2振り子幹34のガイド穴35を貫通しかつ垂直方向zに移動可能にガイド穴35で支持され案内されている。換言すると、スライドブロック28の上記くびれ部分の空間に、第2振り子幹34のU型部の上端が該空間の下方から差し込まれている。これによりスライドブロック28は、第2振り子幹34に対して垂直方向zに上下スライドすることができる。第2振り子幹34の上端部には4個のねじ通し穴37があり、連結子39の先端面の雌ねじ穴38と整合している。各ねじ通し穴37に各ねじ(図示略)を通して各雌ねじ穴38にねじ込むことによって、第2振り子幹34の上端部が連結子39に固着されており、第2振り子幹34は振り子軸22の軸心を中心に回動(振り子運動)することができる。
【0023】
第2振り子幹34の下端部には、振り子ローラ36がその軸心を溶接方向yに合わせて装着されている。揺動機構箱4の底板14には、揺動方向xに延びるレール15が固定されており、揺動方向xに延びる揺動アーム5(図3)が固着されたキャリッジ24を、揺動方向xに往復スライド自在に支持している。この実施例では、このキャリッジ24および揺動アーム5に、振り子25が固着されている。振り子25には、垂直方向zに延びるガイド溝25aがあり、このガイド溝25aに振り子ローラ36が嵌まり込み、ガイド溝25aに対して上下にスライドできる。第2振り子幹34が振り子軸22の軸心を中心に回動(振り子運動)すると、振り子ローラ36が、振り子25を揺動方向xに往復駆動(揺動駆動;振り子運動駆動)するとともに、振り子25に対して上下動する。振り子25の往復運動と同じく、キャリッジ24および揺動アーム5が往復運動する。揺動アーム5のこの往復運動が揺動であり、この揺動と同じく溶接トーチ7が揺動する。
【0024】
次に、電気モータ10の回転による各機構要素の動作を説明する。揺動スイッチ13をオフからオンに切替えると、電気モータ10が回転を始めて、減速歯車16および駆動傘歯車17を介して被駆動傘歯車18が回転し、揺動ローラ21が、被駆動傘歯車軸である揺動駆動軸19の軸心を中心とする円周に沿って回動する。すなわち偏芯回動する。この回動によって、第1振り子幹23が、振り子軸22の軸心を中心に揺動方向xの振り子運動をする。この振り子運動によって倣いローラ32,33,回転アーム31,倣い軸30,スライド板29およびスライドブロック28が同様に振り子運動をして、第2振り子幹34を振り子駆動する。第2振り子幹34の振り子運動により、振り子25にキャリッジ24を介して固定された揺動アーム5が、x方向の往復移動を繰り返す。すなわち揺動(オシレーション;ウィービング)する。
【符号の説明】
【0025】
1:台車
2:x位置調節機構
3:揺動機構支持台
4:揺動機構箱
5:揺動アーム
6:姿勢およびx,y,z位置調整機構
7:溶接トーチ
8:トーチ高さ調節摘み
9:握り棒
10:電気モータ
11:振幅調節摘み
12:電源スイッチ
13:揺動スイッチ
14:底板
15:レール
16:減速歯車
17:駆動傘歯車
18:被駆動傘歯車
19:揺動駆動軸
20:円板
21:揺動ローラ
22:振り子軸
23:第1振り子幹
23a:ガイド溝
23b:カム穴
24:キャリッジ
25:振り子
25a:ガイド溝
26:振幅調節ねじ
26a:丸棒
26b:ユニバーサルジョイント
27:ブラケット
28:スライドブロック
29:スライド板
30:倣い軸
31:回転アーム
32,33:倣いローラ
34:第2振り子幹
35:ガイド穴
36:振り子ローラ
37:ねじ通し穴
38:雌ねじ穴
39:連結子
39a:コ形溝
39b:ベアリング穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸心を中心に回転可で機体に固定され溶接方向yに延びる振り子軸;
該振り子軸の先端部が固定され垂直方向zに延び、揺動ローラが進入するカム穴がある第1振り子幹;
前記揺動ローラを偏芯位置に支持して偏芯回動駆動する、前記振り子軸と平行である揺動駆動軸;
垂直方向zに延びる振幅調節ねじ;
該振幅調節ねじが螺合し該振幅調節ねじの回転により上下駆動されるスライドブロック;
該スライドブロックに、溶接方向yに延びる倣い軸で、該倣い軸の軸心を中心に回転可に結合した回転アーム;
前記スライドブロックが垂直方向zにスライドできる、垂直方向zに長いガイド穴があり、溶接方向yに延びる軸廻りに振り子回動する第2振り子幹;
機体に固定され揺動方向xに延びるレール;
該レールで支持され揺動方向xに移動可能なキャリッジ;
該キャリッジに固定され揺動方向xに延びる、溶接トーチを支持するための揺動アーム;
前記第1振り子幹と回転アームの一方にあって垂直方向zに延びるガイド溝;
前記第1振り子幹と回転アームの他方にあって垂直方向zに分布し前記ガイド溝に進入する複数の倣いローラ;
前記第2振り子幹とキャリッジの一方にあって溶接方向yに延びる軸を中心に回転可能な振り子ローラ;および、
前記振り子ローラが進入する垂直方向zに延びるガイド溝がある、前記第2振り子幹とキャリッジの他方に固定された振り子;
を備える揺動駆動機構。
【請求項2】
軸心を中心に回転可で機体に固定され溶接方向yに延びる振り子軸;
該振り子軸の先端部が固定され垂直方向zに延び、該方向に延びるガイド溝および揺動ローラが進入するカム穴がある第1振り子幹;
前記揺動ローラを偏芯位置に支持して偏芯回動駆動する、前記振り子軸と平行である揺動駆動軸;
垂直方向zに延びる振幅調節ねじ;
該振幅調節ねじが螺合し該振幅調節ねじの回転により上下駆動されるスライドブロック;
垂直方向zに分布し第1振り子幹の前記ガイド溝に進入する複数の倣いローラを装備し、前記スライドブロックに、溶接方向yに延びる倣い軸で、該倣い軸の軸心を中心に回転可に結合した回転アーム;
前記スライドブロックが垂直方向zにスライドできる、垂直方向zに長いガイド穴、および、該ガイド穴の下方にあって溶接方向yに延びる軸を中心に回転可能な振り子ローラがあり、溶接方向yに延びる軸廻りに振り子回動する第2振り子幹;
機体に固定され揺動方向xに延びるレール;
該レールで支持され揺動方向xに移動可能なキャリッジ;
該キャリッジに固定され揺動方向xに延びる、溶接トーチを支持するための揺動アーム;および、
前記振り子ローラが進入する垂直方向zに延びるガイド溝がある、前記キャリッジに固定された振り子;
を備える揺動駆動機構。
【請求項3】
前記複数の倣いローラは2個であって、前記倣い軸に関して対称に位置する、請求項1又は2に記載の揺動駆動機構。
【請求項4】
前記揺動駆動軸に固着した被駆動傘歯車,該被駆動傘歯車に噛み合う駆動傘歯車,該駆動傘歯車を固着した出力軸をもつ減速機構、および、該減速機構の入力軸を回転駆動する電気モータ、をさらに備える請求項1乃至3のいずれか1つに記載の揺動駆動機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−170990(P2012−170990A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−36271(P2011−36271)
【出願日】平成23年2月22日(2011.2.22)
【出願人】(302040135)日鐵住金溶接工業株式会社 (172)
【Fターム(参考)】