説明

搖動人形玩具

【課題】 人形搖動部の振幅や振動方向を変化させて、見ている人を飽きさせず、視覚により楽しむことができる搖動人形玩具を簡単な構成で得る。
【解決手段】人形固定部と人形搖動部とを上下の軸と軸受によって人形搖動部の水平搖動自在に支持させ、上下の軸の軸芯中心線上に弾性体棒を配置させながら搖動部を固定部に吊り下げ連結させ、固定部に設けた電磁コイルに通電することにより、搖動部周辺固着の永久磁石が電磁力を受け、搖動部を回転させ、その回転により弾性体棒をねじることにより搖動の復元力を得て搖動を持続させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、動物などの人形の動く玩具で、その搖動部を搖動させるための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、下記特開公報のような搖動する人形玩具は、人形の頭部を左右、または前後に搖動させるものがあった、しかし頭部を左右水平回転は出来なかった。また、下記特許文献1の図1で示めすように固定部側の弧状フレームから板バネで吊るした地球儀の置物があった。しかし水平回転搖動を玩具として実現するのには不都合な構造であった。
【特許文献1】特許 第2937287号
【特許文献2】特開 第2004−24494号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
動物などの人形搖動部を左右方向に連続的に水平回転搖動させること。
【課題を解決するための手段】
【0004】
地球儀などの置物と違って玩具の場合、人が触り、持ち上げることが出来なければ実用的でないので、水平搖動部2と、基台などの固定部1とは、上下2箇所の軸受により回転自由に支持される必要があった。
そこで、中空玩具基台1aから一体成形になった中空人形玩具固定部1bの上部に、更に一体成形された固定フレーム1cを樹立させ、更にその上部から片持ち梁として横に伸ばしたその梁端部1dの上部に上部軸棒3を垂直に樹立させ、その梁端部1dの下部に前記上部軸棒3と軸芯中心線を同じにした弾性体の細棒9を固着垂下させる。
【0005】
一方、特許文献1の搖動意匠体の自己起動する搖動装置の自走発振回路により、間欠的に励磁される電磁コイル8を前記中空固定部基台1a内の周囲内面の一方に固着させ、その電磁コイル8と僅かな隙間で磁極対向する永久磁石7を一端に固着した水平搖動フレーム2aの下側に、前記上部軸棒3の軸芯中心線上になるように下部軸棒4を固設し、その下部軸棒4を前記中空基台1aの底内面に配設した軸受孔6により回転自由に支持させ、前記水平搖動フレーム2aの上側で且つ、前記上部軸棒3の軸芯中心線上に位置する繋止部2bに前記弾性体の細棒9の最下端を固定させ、その水平搖動フレーム2a上側に縦フレーム2cを樹立させ、その縦フレーム2c上部には、前記上部軸棒3が嵌入遊合する軸受孔5を有する片持ち梁部2dを固設し、更にその縦フレーム2cに中空人形玩具搖動部2eを固着させた手段を取っている。
【発明の効果】
【0006】
この発明の特徴である中空人形玩具搖動部2の上下2箇所の軸支(3と5、4と6) と、その2箇所の軸支間に弾性体の細棒9(例えばピアノ線)により、人形玩具搖動部2の自重を玩具固定部1bの片持ち梁部1dで吊り下げながら玩具固定部1に対し水平回動自由に支持した構成によれば、特許文献1の搖動意匠体の自己起動する搖動装置の自走発振回路により、前記中空基台1a内の周囲内面の一方に固着している電磁コイル8を通電、励磁すると、その電磁コイル8と磁極対向している永久磁石7に磁力が作用し、その力で水平搖動フレーム2aが上下2箇所の軸支(3と5、4と6)部を回転中心として水平回転する。
【0007】
すると、上下両軸支間の弾性体の細棒9は、ねじれることになり、そのねじれ応力は水平搖動フレーム2aを元の位置に戻そうとする水平搖動の復元力になる。そのため、玩具搖動部全体2の慣性搖動作用が起き、人形玩具搖動部、例えばふくろう人形の頭部、顔を左右に向けることが出来る。
しかし数回の慣性による惰性搖動が減衰して来たときに、前記電子回路より電磁コイル8への通電が永久磁石7との対面に同期して行われ、玩具搖動部全体2の搖動を加速、励振してその振幅を増加させることが出来、基台1a上で連続的に水平搖動する玩具を簡単な構成で実現することが出来る。
【0008】
この発明によれば、搖動部全体2の自重が弾性体の細棒9により玩具固定部1の梁端部1dにより吊り上げられており、搖動部2を軸支している上下の軸受には、搖動部2の自重がかからず、そのため摩擦が少なく消費エネルギーが少ないため、室内の光で発電する小さな太陽電池10による極く僅かな電力で、比較的に大きく重い玩具搖動部でも作動させることが出来る。
また、構造が簡単で安価に出来、動かない人形玩具に比べ自然で生き生きとした滑らかな動きは、玩具として人のストレスを解消し、人を和ませる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
この発明は、動物や人形などの首を左右に回す玩具として開発されたが、その首回しに意味のある鳥のふくろうが最も良い実施例であるので、以下に具体的に説明する。
【実施例】
【0010】
図により説明すると、この実施例は、プラスチック製中空の基台1aの上部に、その台と一体成形されたふくろうの中空胴体1bを配設し、その胴体1bの上部首周りにある開口部片側に胴体1bと一体成形され、その胴体上部に樹立された固定フレーム1cを配設し、その固定フレーム1cの上部に片持ち梁として横に伸ばしたその梁端部1dを配設している。
その固定部側の梁端部1dの上部に上部軸棒3を樹立させ、その梁端部1dの下部に前記上部軸棒3と軸芯中心線を同じにしたピアノ線9を固着垂下させている。
【0011】
一方、特許文献1の搖動意匠体の自己起動する搖動装置の室内用太陽電池10を電源とした自走発振回路により、間欠的に励磁される電磁コイル8を前記中空固定部基台1aの周囲内面の背後側板に固着させている。
そして、その電磁コイル8と僅かな隙間で磁極対向する永久磁石7を一端に固着した水平搖動フレーム2aを前記中空基台1a内部空間に収容し、その水平搖動フレーム2aの下側に、前記上部軸棒3の軸芯中心線上になるように下部軸棒4を固設し、その下部軸棒4を前記中空基台1aの底内面に配設した軸受孔6により水平搖動フレーム2aを回転自由に支持させている。
その水平搖動フレーム2aの上側で且つ、前記上部軸棒3の軸芯中心線上に位置する繋止部2bに前記弾性体の細棒9の最下端を固定させ、その水平搖動フレーム2a上側に縦フレーム2cを樹立させている。
その縦フレーム2c上部には、前記上部軸棒3が嵌入遊合する軸受孔5を有する片持ち梁部2dを固設し、更にその縦フレーム2cに、ふくろうの中空成形頭部2eを固着させた手段を取っている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】特許文献1の地球儀の一部切断斜視図である。
【図2】この発明の実施例を示すふくろうの人形玩具の縦断側面図である。
【図3】ふくろうの人形玩具の正面図である。
【図4】ふくろうの人形玩具の一部を切り欠いて示した斜視図である。
【符号の説明】
【0013】
1 固定部
1a 基台
1b 中空人形玩具固定部
1c 固定フレーム
1d 梁端部
2 搖動部
2a 水平搖動フレーム
2b 繋止部
2c 縦フレーム
2d 梁端部
2e 中空人形玩具搖動部
3 上部軸棒
4 下部軸棒
5 軸受孔
6 軸受孔
7 永久磁石
8 電磁コイル
9 弾性体の細棒
10 太陽電池
11 弧状フレーム
12 地球儀
13 片持ち梁
14 板バネ
15 管状おもり
16 管状磁石
17 棒磁石
18 円盤台
19 黄銅管
20 永久磁石
21 電磁コイル





【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空玩具基台から一体成形になった中空玩具固定部の上部に、更に一体成形された固定フレームを樹立させ、更にその上部から片持ち梁として横に伸ばしたその梁端部の上部に上部軸棒を垂直に樹立させ、その梁端部の下部に前記上部軸棒と軸芯中心線を同じにした弾性体の細棒を固着垂下させている。一方、搖動意匠体の自己起動する搖動装置の自走発振回路により、間欠的に励磁される電磁コイルを前記中空基台内の周囲内面の一方に固着し、その電磁コイルと僅かな隙間で磁極対向する永久磁石を一端に固着した水平搖動フレームの下側に、前記上部軸棒の軸芯中心線上で下部軸棒を固設し、その下部軸棒を前記中空基台の底内面に配設した軸受孔により回転自由に支持させ、前記水平搖動フレームの上側で且つ、前記上部軸棒の軸芯中心線上に位置する繋止部に前記弾性体の細棒の最下端を固定させ、その水平搖動フレーム上側に縦フレームを樹立させ、その縦フレーム上部には、前記上部軸棒が嵌入遊合する軸受孔を有する片持ち梁部を固設し、更にその縦フレームに中空玩具人形搖動部を固着させて連続的に搖動させる特徴を持つ搖動人形玩具。



























【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−56191(P2009−56191A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−227306(P2007−227306)
【出願日】平成19年9月3日(2007.9.3)
【出願人】(591126909)国際ディスプレイ工業株式会社 (6)
【Fターム(参考)】