説明

搬送品の輸送システム及びこれに供される搬送品収納搬送手段

【課題】 搬送品収納搬送手段を購入することによって、簡便に搬送品を目的地に輸送することを可能にする。
【解決手段】 搬送品を収納して搬送する搬送品収納搬送手段と、搬送品収納搬送手段を販売する取扱販売店と、搬送品収納搬送手段の所定位置には最大限の重量及び大きさ並びに一律の搬送料金と、送り主及び送り先の住所と名前等を記入する記入部が表示され、搬送品収納搬送手段に表示されている所定の宅配業者等の輸送手段と提携している搬送品預取次店と、搬送品収納搬送手段に表示されている搬送料金を搬送品預取次店に払うことで、輸送手段によって搬送品を所定の目的地に搬送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送品の輸送システム、詳しくは搬送品収納搬送手段を購入し、その中に搬送品を収納することによって、簡便に搬送品を目的地に輸送することができる搬送品の輸送システム及びこれに供される搬送品収納搬送手段に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、運送会社や宅配業者と取引きのある企業は、搬送品を送る場合の梱包資材は無償であることが多く、この梱包資材は前記運送会社や宅配業者から提供されている場合がほとんどである。これに対し、個人商店や一般家庭においてはこのような梱包資材の提供は皆無に等しく、したがって、搬送品を送るときには、その場にある適当な梱包資材の代用品を用いて包んでいるか、或いは低価格の市販されている袋タイプやボックスタイプの物入れ等を購入して、この物入れに上記搬送品を収納した後、運送会社や宅配業者等に頼んでいるのが実情である。
【0003】
また、郵便局においても前記運送会社や宅配業者に対応するような各種の取り扱い業務が行われている。仮令、ゆうパック、エックスパック等がその一例として挙げられている。ところで、このような取り扱い業務は、上記郵便局に備えられている封筒等の梱包資材を利用することでその目的を達成しているのが実情である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
然し乍ら、従来のような搬送品の輸送システムにおいては、まず、前者の場合は、その配逹料金は、搬送品の大きさ並びに集荷場所と配達場所との区間距離によって各々異なるように定められているのが実情であるとともに、前以って正確な料金の把握をすることが大変に難しいのに加え、一般の家庭や個人の商店等では梱包資材を事前に準備しておく必要があるという煩わしさに加え、送り状も書かなくってはならない面倒くささがある等の難点があった。
【0005】
一方、後者の場合は、搬送品の重量によって封筒の大きさが異なるのに加えて細かい料金分けがなされているため、送料が分かり辛く面倒であるとともに、さらに、封筒を購入した時点で既に送料も含まれているので、あらかじめ、前以ってストックしておくのにも不経済である。さらにまた、書き損じをした場合には再利用することができないのに加え、搬送品を送る場合に、その重量に対応する切手を購入して封筒に貼る煩わしい作業を行わなくてはならない、そして、郵便局に直接持参しなくてはならないために面倒である等の難点があった。
【0006】
本発明は、上記観点に鑑みてなされたものであって、特に、簡単な荷造り作業によって簡便に搬送品を目的地まで輸送することができる搬送品の輸送システム、及びこれに供される搬送品収納搬送手段を提案することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための手段として、本発明に係る請求項1の発明は、搬送品を収納して搬送するために使用される少なくとも一種類の搬送品収納搬送手段と、この搬送品収納搬送手段を販売するための取扱販売店とから成り、上記搬送品収納搬送手段の所定位置にはその内部に収納することができる上記搬送品に対応する決められた最大限の重量及び大きさ並びに全国一律の搬送料金とが表示された表示部と、送り主及び送り先の住所と名前等を記入することができる記入部とが設けられる一方、上記取扱販売店から搬送品収納搬送手段を購入した購入者がこの販送品収納搬送手段に上記搬送品を収納した後、上記搬送品収納搬送手段に表示されている所定の宅配業者等の輸送手段と提携しているコンビニエンスストア等の搬送品預取次店に持っていき、上記搬送品収納搬送手段に表示されている上記搬送料金を上記搬送品預取次店に払うことによって、上記輸送手段を介して搬送品を搬送品収納搬送手段に設けられた記入部に記載された所定の目的地に搬送するようにしたことを特徴とする。
【0008】
また、請求項2の発明は、上記搬送品収納搬送手段の所定位置には、この搬送品収納搬送手段に収納することができる搬送品の決められた大きさ及び重量とこれに対応する全国一律の搬送料金とが表示され、また、上記搬送品収納搬送手段には更に送り主及び送り先の住所と名称等を記入する記入部と搬送品収納搬送手段の搬送を取扱う宅配業者等から成る輸送手段とが表示されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
上記構成のように、請求項1の発明によれば、例えば、100円均一等の取扱販売店で搬送品収納搬送手段を買い求めるとともに、上記搬送品収納搬送手段内に搬送品を収納した後、この搬送品収納搬送手段を搬送品収納搬送手段に表示されている所定の宅配業者等から成る輸送手段と提携しているコンビニエンスストア等の搬送品預取次店に持っていく。そして、この搬送品収納搬送手段に表示されている決められた搬送料金を上記搬送品預取次店に支払うことにより、簡便で且つ確実に搬送品を目的地に輸送することができる。
【0010】
また、搬送品は、搬送品収納搬送手段の内部に収納できるものであって、且つ、決られている重量や大きさの範囲であれば全国一律の搬送料金を支払うことで輸送することができるので経済的である。加えて、郵便局の商品のように、初めから送料が含まれているものと異なり、搬送品収納搬送手段は搬送品を送るときに表示されている搬送料金を払えばよいので、例えば、搬送品収納搬送手段を文房具店や100円均一店等で安く購入し、ストックしておくことができ経済的である。
【0011】
さらに、上搬送品収納搬送手段に表示されている記入部に、送り主及び送り先の住所と名前等を記入するだけでよく、別添付の送り状などは全く必要としないため煩わしさを解消できるとともに、搬送作業がし易いのに加えて簡便である。そして、誤記したときには別の紙を貼って書き直して使用することができる。
【0012】
さらにまた、搬送品収納搬送手段が少なくとも一種類以上あるので、搬送品の種類に対応させることが可能であって、仮令、嵩張るものであれば封筒に変えて搬送用の段ボール箱を使用すればよいので、その時々の状況に応じて対応させることができ大変に便利である。
【0013】
次に、請求項2の発明によれば、搬送品収納搬送手段を購入し、その中に搬送品を収納した後、この搬送品収納搬送手段に表示されている所定の宅配業者等から成る輸送手段を介して簡便で且つ確実に搬送品を目的地に輸送することができる。このときに、この搬送品収納搬送手段に表示されている決められた搬送料金を支払えばよい。また、搬送品は、搬送品収納搬送手段の内部に収納できるものであって、且つ、決られている重量や大きさの範囲であれば全国一律の搬送料金を支払うことで輸送することができるので経済的である。
【0014】
さらに、搬送品を送るときに限り表示されている決められた搬送料金を払えばよいので、例えば、搬送品収納搬送手段を安く購入し、ストックしておくことができ経済的であるのに加え、物入れとしての利用もできる。また、上記搬送品収納搬送手段に表示されている記入部に、送り主及び送り先の住所と名前等を記入するだけでよく、別添付の送り状などは全く必要としないため煩わしさを解消できるとともに、搬送作業がし易いのに加えて簡便である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面によって本発明の実地の形態の一例について説明する。
【0016】
図3及び図4において、符号Aは請求項1と請求項2に係る発明の搬送品の輸送システムを示し、この搬送品の輸送システムAは、搬送品収納搬送手段1と、取扱販売店2と、輸送手段3と、搬送品預取次店4と、搬送品5とによって主に構成されている。
【0017】
搬送品収納搬送手段1は図1及び図2に示すように、紙製の縦長でA4サイズの封筒様に形成されるとともに、その表面上部左寄りにはその内部に収納することができる搬送品5に対応する最大限の重量6と大きさ7とが表示された明記部8が設けられている。
【0018】
なお、搬送品収納搬送手段1は紙類に限るものではなく、これ以外の軟質のプラスチックスの素材で形成したものであってもよい。また、縦長に限らず横長の封筒様に形成されたものであってもよい。
【0019】
符号9は明記部8の上部近傍に設けられた搬送料金を示し、この搬送料金9の上部には、この搬送料金が全国一律送料であることが明記されている。上記において、搬送料金は80円と表示されている。また、最大限の重量6は1キログラムまでで、大きさ7はA4サイズと表記されている。
【0020】
なお、搬送品収納搬送手段1はこれに限るものではなく、例えば、段ボールを用いた箱様であってもよい。これにともなって搬送品5の重量6、大きさ7も変わり、搬送料金9も異なることは勿論である。
【0021】
また、搬送料金9は必ずしも80円に限るものではなく、A4サイズ以外であれば、例えばB4サイズであれば、重量に合わせて160円、180円等に決められているものであってもよい。
【0022】
次に、縦長の封筒様に形成された搬送品収納搬送手段1の表面中央には、送り先の住所と名前等を記入することができる記入部11が横長四角状に形成されている。また、上記搬送品収納搬送手段1の裏面下部の左寄りには送り主の住所と名前等を記入することができる記入部12が横長四角状に形成されている。
【0023】
符号15は搬送品収納搬送手段1の上部に連続して形成された蓋14を閉じたときに確実に密封することができる密封部材であって、この密封部材15は両面テープで形成されている。この場合、両面テープに代えて糊を使用してもよい。
【0024】
なお、記入部12はこれに限るものではなく、例えば記入部11と同様に搬送品収納搬送手段1の表面に形成してもよい。
【0025】
縦長の封筒様に形成された搬送品収納搬送手段1を取り扱う取扱販売店2は、文房具店や100円均一店等のようなところで販売されているのが好ましいが、必ずしもこのような店に限るものではなく、他の商店であってもよい。
【0026】
ところで、上記搬送品収納搬送手段1の表面下部右寄りには、この搬送品収納搬送手段1内に収納される書籍からなる搬送品5を搬送するための所定の宅配業者からなる輸送手段3が表示されている。この輸送手段3としては宅配業者が用いている専用のロゴマーク等を付けるのが好ましい。また、必ずしも一社に限るものではなく、複数社であってもよい。これによって、利便性の拡大を計ることができる。
【0027】
なお、搬送品5は書籍に限るものではなく、他のものでもよい。また、搬送手段3は必ずしも宅配業者に限るものではない。
【0028】
次に、輸送手段3は後述する搬送品預取次店4と提携されている。すなわち、文房具店や100円均一店等からなる取扱販売店2から縦長の封筒様に形成された搬送品収納搬送手段1を購入した購入者が、この販送品収納搬送手段1に搬送品5を収納した後、上記搬送品収納搬送手段1に表示されている所定の宅配業者等の輸送手段3と提携しているコンビニエンスストア等から成る搬送品預取次店4に持っていき、上記搬送品収納搬送手段1に表示されている決められた料金、すなわち、80円の搬送料金9を搬送品預リ取次店4に払うことによって、上記搬送品預取次店4と提携している運送業者や宅配業者からなる輸送手段3によって上記搬送品収納搬送手段1に収納された上記搬送品5を記入部11に記載された所定の目的地に搬送する。
【0029】
なお、搬送品預取次店4はこれに限らず、例えば文具店や100均一店からなる取扱販売店2が兼ねるようにしてもよい。これによって、利便性をさらに高めることができる。
【0030】
搬送品の輸送システムAは上述のように構成されているので、その使用に当たっては、まず、文具店や100円均一店からなる取扱販売店2で縦長の封筒様に形成された搬送品収納搬送手段1を買い求め、書籍からなる搬送品5をこの搬送品収納搬送手段1内に収納する。この場合、搬送品収納搬送手段1の表面にはこの搬送料金が全国一律送料であること、搬送料金は80円、また、重量6は1キログラムまでで、大きさ7はA4サイズと表示されている。
【0031】
次に、搬送品収納搬送手段1の表面に表示されている宅配業者からなる輸送手段3と提携されているコンビニエンスストアから成る搬送品預取次店4に上記搬送品収納搬送手段1を持っていく。そして、縦長の封筒様に形成された搬送品収納搬送手段1に表示されている決められた搬送料金80円を上記搬送品預取次店4に支払うだけで、宅配業者からなる上記輸送手段3によって、簡便で且つ確実に搬送品5を記入部11に記載されている目的地に輸送することができる。
【0032】
上記において、搬送品預取次店4に搬送品収納搬送手段1を預けたときには、受け取り書を兼ねたシール(図示せず)を上記搬送品収納搬送手段1に添付してもらうことが望ましい。加えて、搬送品収納搬送手段1は搬送品5を送るときのみにその表面に表示されている決められた条件に対応する搬送料金9を払えばよいので、例えば、文房具店や100円均一の店等から成る取扱販売店2で搬送品収納搬送手段1を安く購入し、ストックしておくことができ経済的である。
【0034】
次に、請求項3に示す搬送品の輸送システムに供される搬送品収納搬送手段1は、図1に示すように、縦長でA4サイズの封筒様に形成されるとともに、その表面上部左寄りにはその内部に収納することができる書籍からなる搬送品5に対応する最大限の重量6と大きさ7とが表示された明記部8が設けられている。また、上記重量6と大きさ7に対応する全国一律80円の搬送料金9が表示されている。
【0035】
縦長の封筒様に形成された上記搬送品収納搬送手段1の表面中央には、さらに送り先の住所と名前等を記入することができる記入部11が横長四角状に形成されている。そして、上記搬送品収納搬送手段1の裏面下部の左寄りには送り主の住所と名前等を記入することができる記入部12が横長四角状に形成されている。
【0036】
なお、記入部12はこれに限るものではなく、例えば記入部11と同様に搬送品収納搬送手段1の表面に形成してもよい。
【0037】
次に、搬送品収納搬送手段1の上部には連続して蓋14が形成されるとともに、この蓋14の裏面にはふたを閉じたときに確実に密封することができる両面テープから成る密封部材15が設けられている。なお、密封部材15に代え糊を使用してもよい。また、上記搬送品収納搬送手段1の裏面下部の左寄りには送り主の住所と名前等を記入することができる記入部12が横長四角状に形成されている。
【0038】
ところで、上記搬送品収納搬送手段1の表面下部右寄りには、宅配業者からなる輸送手段3が表示されている。輸送手段3としては宅配業者が用いている専用のロゴマーク等を付けるのが好ましい。なお、輸送手段3は必ずしも一社に限るものではなく、複数社であってもよい。これによって、利便性の拡大を計ることができる。
【0039】
上記構成の搬送品収納搬送手段1によれば、搬送品5を送るときのみにその表面に表示されている決められた条件に対応する搬送料金9を払えばよいので経済的である。また、文房具店や100円均一の店等から成る取扱販売店で大量に安く購入し、ストックしておくことができる。
【0040】
さらに、搬送品を送らないときには、封筒様に形成された搬送品収納搬送手段1を単に紙袋として利用することができるので便利である。
【0041】
なお、上記において、文具店や100円均一店からなる取扱販売店2で買い求めた縦長の封筒様に形成された搬送品収納搬送手段1の内部には、これとは別途に使用することができるサービスとしての搬送品収納搬送手段1を同封するようにしてもよい。これによって利用範囲の拡大を計ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明による搬送品の輸送システムAによれば、搬送品収納搬送手段を購入することにより、簡便に搬送品を目的地に輸送することができるので、産業上の利用可能性を有する。また、搬送品の輸送システムに供される搬送品収納搬送手段1は、搬送品5を送るときにその表面に表示されている決められた条件に対応する搬送料金9のみを払えばよいので経済的である。さらに、搬送品を送らないときには、封筒様に形成された搬送品収納搬送手段1を紙袋として利用することができるので便利である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明に係る搬送品の輸送システムにおける縦長の封筒様に形成された搬送品収納搬送手段の正面図である。
【図2】搬送品収納搬送手段の背面図である。
【図3】書籍から成る搬送品の斜視図である。
【図4】搬送品の輸送システムのブロック説明図である。
【符号の説明】
【0044】
A 搬送品の輸送システム
1 搬送品収納搬送手段
2 取扱販売店
3 輪送手段
4 搬送品預取次店
5 搬送品
8 明記部
9 搬送料金

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送品を収納して搬送するために使用される少なくとも一種類の搬送品収納搬送手段と、この搬送品収納搬送手段を販売するための取扱販売店とから成り、上記搬送品収納搬送手段の所定位置にはその内部に収納することができる上記搬送品に対応する決められた最大限の重量及び大きさ並びに全国一律の搬送料金とが表示された表示部と、送り主及び送り先の住所と名前等を記入することができる記入部とが設けられる一方、上記取扱販売店から搬送品収納搬送手段を購入した購入者がこの販送品収納搬送手段に上記搬送品を収納した後、上記搬送品収納搬送手段に表示されている所定の宅配業者等の輸送手段と提携しているコンビニエンスストア等の搬送品預取次店に持っていき、上記搬送品収納搬送手段に表示されている上記搬送料金を上記搬送品預取次店に払うことによって、上記輸送手段を介して搬送品を搬送品収納搬送手段に設けられた記入部に記載された所定の目的地に搬送するようにしたことを特徴とする搬送品の輸送システム。
【請求項2】
上記搬送品収納搬送手段の所定位置には、この搬送品収納搬送手段に収納することができる搬送品の決められた大きさ及び重量とこれに対応する全国一律の搬送料金とが表示される一方、上記搬送品収納搬送手段にはさらに送り主及び送り先の住所と名称等を記入する記入部と搬送品収納搬送手段の搬送を取り扱う宅配業者等から成る輸送手段とが表示されていることを特徴とする搬送品の輸送システムに供される搬送品収納搬送手段。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−240849(P2012−240849A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−124641(P2011−124641)
【出願日】平成23年5月18日(2011.5.18)
【出願人】(597005417)レモン株式会社 (1)