説明

搬送方法、仕分搬送システム

【課題】搬送対象物に付されたRFタグとの間での通信成功率の向上に寄与することのできる技術を提供する。
【解決手段】搬送対象物を搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送する搬送対象物に付されたRFタグと通信するためのアンテナと、を有する搬送システムにおける搬送方法であって、前記搬送手段により搬送対象物を前記アンテナによるRFタグとの通信成功率の高い所定の通信位置まで搬送し、前記搬送対象物を前記所定の通信位置にて一時停止させた状態で、前記アンテナによる前記搬送対象物に付されたRFタグとの通信処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば書籍等の搬送対象物を仕分搬送する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ダンボール箱や書籍等の搬送対象物を、複数の搬送先の内のいずれかへ向けて仕分けながら搬送する仕分搬送システムが知られる。
【0003】
特許文献1には、搬送対象物に付されたRFタグとの通信を行い、当該RFタグから読み取る情報等に基づいて、当該搬送対象物の搬送先の振分けを行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−191226号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来技術のような仕分搬送システムでは、搬送対象物に付されたRFタグとの通信に失敗した場合、その搬送対象物はRFタグとの通信に失敗したものであるとして、搬送処理を停止してエラーを通知したり、通信エラー発生時用の所定の搬送先に振分けたりするのが、一般的な運用となっている。
【0006】
しかしながら、RFタグとの通信エラーは、RFタグやRFタグを読み取るアンテナが正常な場合でも、その位置関係等に起因して発生してしまう場合があり、そのような場合にまで通信エラー等として処理してしまうのは、適切な仕分け搬送を行う上で好ましいとは言い難い。
【0007】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、搬送対象物に付されたRFタグとの間での通信成功率の向上に寄与することのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の一態様は、搬送対象物を搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送する搬送対象物に付されたRFタグと通信するためのアンテナと、を有する搬送システムにおける搬送方法であって、前記搬送手段により搬送対象物を前記アンテナによるRFタグとの通信成功率の高い所定の通信位置まで搬送し、前記搬送対象物を前記所定の通信位置にて一時停止させた状態で、前記アンテナによる前記搬送対象物に付されたRFタグとの通信処理を実行する搬送方法に関する。
【0009】
また、上述のような搬送方法において、前記搬送対象物に付されたRFタグとの通信処理に失敗した場合に、前記搬送対象物の前記アンテナに対する位置を、前記搬送手段により、前記通信処理に失敗した時の位置から所定距離だけ移動させ、前記アンテナによる、前記搬送対象物に付されたRFタグとの通信処理を再度実行することが望ましい。
【0010】
また、上述のような搬送方法において、前記搬送対象物に付されたRFタグへの書き込み処理に失敗した場合に、前記搬送対象物の前記アンテナに対する位置を、前記搬送手段により、前記書き込み処理に失敗した時の位置から所定距離だけ移動させ、前記アンテナによる、前記搬送対象物に付されたRFタグへの書き込み処理を再度実行することが好ましい。
【0011】
また、上述のような構成の搬送方法において、前記搬送システムは、互いに異なる複数の色の内のいずれかを選択的に発光可能な発光部をさらに備え、前記搬送システムの稼働状況に基づいて、前記搬送手段上への搬送対象物の載置の可否を判定し、前記搬送手段上への搬送対象物の載置可否の判定結果に応じて、前記発光部による発光色を切り替えることができる。
【0012】
また、本発明の一態様は、互いに平行な回転軸を中心として回転する一対のメインローラと、前記一対のメインローラに巻架され、前記メインローラの回転軸方向において間隔をあけて平行に複数配列される複数の無端ベルトと、前記一対のメインローラ双方の回転軸を含む面方向において、前記複数の無端ベルトの内の隣接する少なくとも2つの無端ベルトの間に位置し、前記一対のメインローラ双方の回転軸と直交する方向に延びる回転軸を中心として回転する振り分けローラと、前記振り分けローラ外周面の頂点が前記複数の無端ベルト外周面の頂点よりも下方に位置する収容位置と、前記振り分けローラ外周面の頂点が前記複数の無端ベルト外周面の頂点よりも上方に位置する突出位置との間で、前記振り分けローラを昇降させる昇降機構と、を備える仕分搬送装置と、前記仕分搬送装置へ向けて搬送対象物を搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送する搬送対象物に付されたRFタグとの通信処理を行なうためのアンテナと、を有するフロントエンドモジュールと、を備える仕分搬送システムに関する。
【0013】
上述のような構成の仕分搬送システムにおいて、前記フロントエンドモジュールは、前記搬送手段として、互いに平行な回転軸を中心として回転する第2の一対のローラと、前記第2の一対のローラに巻架され、前記ローラの回転軸方向において間隔をあけて平行に複数配列される第2の複数の無端ベルトと、を備え、前記フロントエンドモジュールにおける前記第2の複数の無端ベルトのベルト間の間隔は、前記仕分搬送装置における前記複数の無端ベルトのベルト間の間隔よりも狭く設定されていることが望ましい。
【0014】
上述のような構成の仕分搬送システムにおいて、前記フロントエンドモジュールは、前記搬送手段として、互いに平行な回転軸を中心として回転する第2の一対のローラと、前記第2の一対のローラに巻架され、前記ローラの回転軸方向において間隔をあけて平行に複数配列される第2の複数の無端ベルトと、を備え、前記フロントエンドモジュールにおける前記第2の複数の無端ベルトと、前記仕分搬送装置における前記複数の無端ベルトとは、前記回転軸方向において異なる位置に配置されていることを特徴とすることができる。
【0015】
上述のような構成の仕分搬送システムにおいて、前記フロントエンドモジュールにおける前記第2の複数の無端ベルトと、前記仕分搬送装置における前記複数の無端ベルトとは、互い違いに配置されていることが望ましい。
【0016】
上述のような構成の仕分搬送システムにおいて、前記フロントエンドモジュールにおける前記第2の一対のローラは、前記仕分搬送装置における前記一対のメインローラよりも、搬送対象物搬送時の回転速度が遅くなるように設定されている構成とすることができる。
【0017】
上述のような構成の仕分搬送システムにおいて、前記一対のメインローラの間にその少なくとも一部が位置し、前記一対のメインローラそれぞれを回転可能に軸支するベース部を更に備え、前記ベース部には、前記一対のメインローラ双方の回転軸を含む面方向において、前記複数の無端ベルトの内の隣接する少なくとも2つの無端ベルトの間に貫通孔が形成されており、前記昇降機構は、前記振り分けローラを前記貫通孔内を移動させることにより、前記振り分けローラを昇降させることができる。
【発明の効果】
【0018】
以上に詳述したように、本発明によれば、搬送対象物に付されたRFタグとの間での通信成功率の向上に寄与することのできる技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態による仕分搬送システムの概観を示す外観斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態による仕分搬送システムの概略的な内部構造を示した側面図である。
【図3】本発明の実施の形態による仕分搬送システムの上部カバー109を外した状態を上方から見た図である。
【図4】マスタモジュール2の上部カバー209を外した状態を上方から見た図である。
【図5】フロントエンドモジュール1の上部カバー109を外した状態のベルトコンベア部分の概観斜視図である。
【図6】マスタモジュール2の上部カバー209を外した状態のベルトコンベア部分の概観斜視図である。
【図7】マスタモジュール2の上部カバー209を外した状態のベルトコンベア部分の概観斜視図である。
【図8】フロントエンドモジュール1の上部カバー109を上方から見た図である。
【図9】フロントエンドモジュール1の上部カバー109を側方から見た図である。
【図10】マスタモジュール2における搬送機構の動作原理について説明するための側方から見た概略構成図である。
【図11】マスタモジュール2における搬送機構の、主搬送方向下流側から上流側を見た概略構成を示す図である。
【図12】マスタモジュール2における振り分けローラ205を上昇させた状態を、側方から見た概略構成図である。
【図13】フロントエンドモジュール1、マスタモジュール2、各振り分けボックスBIN♯0〜2の組合せ方の一例を示すレイアウト図である。
【図14】本発明の実施の形態による仕分搬送システムが備える機能を示す機能ブロック図である。
【図15】本発明の実施の形態による仕分搬送方法の流れを示すフローチャートである。
【図16】本発明の実施の形態による仕分搬送方法の流れについて説明するための概念図である。
【図17】本発明の実施の形態による仕分搬送方法の流れについて説明するための概念図である。
【図18】本発明の実施の形態による仕分搬送方法の流れについて説明するための概念図である。
【図19】本発明の実施の形態による仕分搬送方法の流れについて説明するための概念図である。
【図20】本発明の実施の形態による仕分搬送方法の流れについて説明するための概念図である。
【図21】本発明の実施の形態による仕分搬送方法の流れについて説明するための概念図である。
【図22】本発明の実施の形態による仕分搬送方法の流れについて説明するための概念図である。
【図23】フロントエンドモジュール1、マスタモジュール2、各振り分けボックスBIN♯0〜8の組合せ方の一例を示すレイアウト図である。
【図24】フロントエンドモジュール1、マスタモジュール2、各振り分けボックスBIN♯0〜4の組合せ方の一例を示すレイアウト図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態による仕分搬送システムについて図面を参照しつつ説明する。本実施の形態による仕分搬送システムは、搬送対象物に付されたRFタグ(ICタグ、RFIDとも称される。)を読み取り、その読み取り結果に応じて、上位の図書ライブラリサーバ等からの指示等に基づく搬送先の振り分けを行なう。また、RFタグの読み取り結果に応じて、所定の情報を当該RFタグに書き込む。本実施の形態では、図書館に設置される仕分搬送システムを例示する。
【0021】
以下に示す例では、搬送対象物が書籍である場合を例示するが、もちろんこれに限られるものではなく、仕分搬送システムの搬送能力や装置内の搬送スペースに応じて、例えば、ダンボール箱、郵便物、レンタルDVDなどの所望の搬送対象物を適宜選択可能である。
【0022】
まず、本発明の実施の形態による仕分搬送システムの概略的なシステム構成について説明する。
【0023】
図1は、本発明の実施の形態による仕分搬送システムの概観を示す外観斜視図である。図2は、本発明の実施の形態による仕分搬送システムの概略的な内部構造を示した側面図である。図3は、本発明の実施の形態による仕分搬送システムの上部カバー109を外した状態を上方から見た図である。
【0024】
本発明の実施の形態による仕分搬送システムは、搬送対象物の搬送方向上流側に配置され、搬送対象物を後述のマスタモジュール2へ向けて搬送するフロントエンドモジュール(FE)1と、搬送対象物の搬送方向においてフロントエンドモジュール1の下流側に配置されるマスタモジュール(MM)2(仕分搬送装置に相当)と、を備えている。フロントエンドモジュール1は、例えば台Qの上に載置される。
【0025】
フロントエンドモジュール1は、マスタモジュール2へ向けて搬送対象物である書籍を搬送するベルトコンベアと、当該ベルトコンベアにより搬送される搬送対象物に付されたRFタグからの情報の読取や当該RFタグへの情報の書込み処理(RFタグとの種々の通信処理)を行なうためのアンテナ105と、を有する
【0026】
マスタモジュール2は、複数の搬送先への搬送対象物の振り分け搬送を行う構成を有しており、フロントエンドモジュール1にて情報の読取や情報の書き込み処理を経たRFタグが付された書籍を、フロントエンドモジュール1から受け取り、フロントエンドモジュール1にてRFタグから読み取られた情報に基づいて、当該情報に対応する搬送先に振り分け搬送する。
【0027】
フロントエンドモジュール1は、例えば、パーソナルコンピュータ801、ファームウェア内蔵の制御装置802を備えており、パーソナルコンピュータ801に格納されているプログラムと制御装置のファームウェアを実行させることにより、フロントエンドモジュール1が備える各種機能を実現する。
【0028】
同様に、マスタモジュール2は、例えば、ファームウェア内蔵の制御装置702を備えており、前記パーソナルコンピュータ801に格納されているプログラムと制御装置のファームウェアを実行させることにより、マスタモジュール2が備える各種機能を実現する。
【0029】
また、フロントエンドモジュール1およびマスタモジュール2から構成されるシステム全体として、パーソナルコンピュータ、ファームウェア内蔵の制御装置をそれぞれ1つ備えるように構成してもよい。この場合、フロントエンドモジュール1とマスタモジュール2との間での電気通信が可能であることを前提として、パーソナルコンピュータ、ファームウェア内蔵の制御装置は、それぞれフロントエンドモジュール1およびマスタモジュール2の内のいずれに配置されていてもよい。本システムにおける各パーソナルコンピュータは、本システムに電気通信可能に接続される図書ライブラリサーバと通信し、登録情報の確認や更新等の図書管理処理も行う。
【0030】
続いて、本発明の実施の形態による仕分搬送システムを構成するフロントエンドモジュール1とマスタモジュール2の詳細な構成について説明する。
【0031】
図4は、マスタモジュール2の上部カバー209を外した状態を上方から見た図である。図5は、フロントエンドモジュール1の上部カバー109を外した状態のベルトコンベア部分の概観斜視図である。図6は、マスタモジュール2の上部カバー209を外した状態のベルトコンベア部分の概観斜視図である。図7は、マスタモジュール2の上部カバー209を外した状態のベルトコンベア部分の概観斜視図である。図8は、フロントエンドモジュール1の上部カバー109を上方から見た図である。図9は、フロントエンドモジュール1の上部カバー109を側方から見た図である。図10は、マスタモジュール2における搬送機構の動作原理について説明するための側方から見た概略構成図である。図11は、マスタモジュール2における搬送機構の、主搬送方向下流側から上流側を見た概略構成を示す図である。図12は、マスタモジュール2における振り分けローラ205を上昇させた状態を、側方から見た概略構成図である。図13は、フロントエンドモジュール1、マスタモジュール2、各振り分けボックスBIN♯0〜2の組合せ方の一例を示すレイアウト図である。
【0032】
まず、本発明によるマスタモジュール2(仕分搬送装置)について説明する。
【0033】
マスタモジュール2は、例えば、ベース部201、メインローラ202、メインローラ203、複数の無端ベルト204、振り分けローラ205、メインモータ206、駆動ベルト207、ローラ保持アーム208、スライダ209、プーリ保持部材210、モータ保持部材211、ガイドシャフト212、プーリ213、振り分けローラ用モータ214、プーリ215、昇降用モータ216、昇降用カム217、コロ218、振り分けローラ駆動用ベルト219、伝達ベルト220、センサS21、センサS22、センサS23などを備えている。
【0034】
対となっているメインローラ202とメインローラ203は、互いに平行な回転軸P3とP4を中心として回転する。
【0035】
複数の無端ベルト204は、対となっているメインローラ202とメインローラ203に巻架され、回転軸P3方向において間隔をあけて平行に複数(本実施形態では、一例として10本)配列される。複数の無端ベルト204は、断面が略円形であり、例えばポリウレタン等の材料から形成されている。
【0036】
振り分けローラ205は、対となっているメインローラ202とメインローラ203双方の回転軸P3および回転軸P4を含む面方向において、複数の無端ベルト204の内の隣接する少なくとも2つの無端ベルトの間に位置し、対となっているメインローラ202とメインローラ203双方の回転軸P3および回転軸P4と直交する方向に延びる回転軸P5を中心として回転する。振り分けローラ205のローラ外周面の少なくとも一部は、搬送対象物を滑りなく搬送するために、例えばゴム等の摩擦抵抗の高い材料から形成されていることが望ましい。
【0037】
ローラ保持アーム208と一体的に形成されているモータ保持部材211が保持する振り分けローラ用モータ214の回転駆動力は、プーリ215、伝達ベルト220、プーリ213および振り分けローラ駆動用ベルト219を介して振り分けローラ205に伝達される。プーリ213の回転軸には不図示のプーリが一体的に回転可能に設けられており、ローラ駆動用ベルト219はこの不図示のプーリに巻きかけられる。
【0038】
ベース部201は、対となっているメインローラ202とメインローラ203の間にその少なくとも一部が位置し、対となっているメインローラ202およびメインローラ203それぞれを回転可能に軸支する。ベース部201には、一対のメインローラ双方の回転軸P3およびP4を含む面方向において、複数の無端ベルト204の内の隣接する少なくとも2つの無端ベルトの間に貫通孔201hが形成されている。
【0039】
振り分けローラ205を昇降させるためにベース部201に形成される貫通孔201hの上側開口の、複数の無端ベルト204による搬送方向下流側の角部には、書籍の引っかかりを防止するための斜面201mが形成されている。
【0040】
また、ベース部201は、複数の無端ベルト204との摩擦抵抗の少ない、例えば高分子量ポリエチレン等の材料から形成されていることが望ましい。
【0041】
このように、貫通孔201hの角部に斜面(面取り)を形成することにより、雑誌等のように垂れ下がり易い書籍が複数の無端ベルト204上に載置されて搬送される際に、垂れ下がった雑誌の端部が孔部に入り込んだ場合でも、雑誌端部は当該斜面によってベース部上面までスムーズに導かれ、引っかかり、破れ、折れ等が生じにくい。
【0042】
また、貫通孔201hが形成された板状のベース部201によって一対のメインローラそれぞれを支持する構成としたことで、少なくとも無端ベルト204の下方にはベース部の上面が位置することになる。したがって、無端ベルト204の張力だけでは支えきれないような重量の書籍が無端ベルト上に載置された場合でも、無端ベルト204の下面をベース部の上面によって支えることができる。これにより、重い書籍でも、比較的細い無端ベルトによって搬送することが可能となる。
【0043】
昇降機構は、振り分けローラ205の外周面の頂点が複数の無端ベルト204の外周面の頂点よりも下方に位置する「収容位置」(図10を参照)と、振り分けローラ205の外周面の頂点が複数の無端ベルト204の外周面の頂点よりも上方に位置する「突出位置」(図12を参照)との間で、振り分けローラ205を昇降させる。ここでは、「突出位置」にあるとき、振り分けローラ205の外周面の頂点が複数の無端ベルト204の外周面の頂点よりも距離k(例えば、約9mm程度)だけ上方に位置するように設定されている。
【0044】
具体的に、昇降機構は、例えば、振り分けローラ205を回転軸P5を中心として回転可能に支持するローラ保持アーム208と、このローラ保持アーム208を本体に固定されたガイドシャフト212に沿って上下方向にスライドさせるスライダ209と、ローラ保持アーム208と一体的に移動可能に配置されるプーリ保持部材210およびモータ保持部材211と、プーリ保持部材210により回転可能に保持される従動側プーリ213と、モータ保持部材211により保持される振り分けローラ用モータ214および駆動側プーリ215と、本体に固定される昇降用モータ216と、昇降用モータ216の回転出力軸に固定される昇降用カム217と、モータ保持部材211にて回転可能に支持され昇降用カム217の上面に当接するコロ218と、振り分けローラ用モータ214の回転駆動力を駆動側プーリ215から従動側プーリ213へと伝達する伝達ベルト220と、従動側プーリ213にて受けた回転駆動力を振り分けローラ205に伝達する振り分けローラ駆動用ベルト219とから構成されている。
【0045】
振り分けローラ用モータ214および昇降用モータ216は、例えばファームウェア内蔵の制御装置701により駆動制御することができる。
【0046】
昇降機構は、このような構成により、振り分けローラ205を貫通孔201h内で移動させることにより、振り分けローラ205を上下方向に昇降させる。
【0047】
センサS21およびセンサS22は、メインローラ202の回転軸方向における、複数の無端ベルト204よりも外側に、複数の無端ベルト204による搬送方向に沿って4つずつ配列されている反射型の光学式センサである。センサS21およびセンサS22は、振り分けローラ205により搬送される書籍の通過を検知する。ファームウェア内蔵の制御装置701は、センサS21およびセンサS22により書籍の通過が検知された場合、その書籍はその搬送先にある振り分けボックスに投入されたと判定する。
【0048】
センサS23は、ベース部201上面の、複数の無端ベルト204の内の隣接するいずれかの無端ベルト間に例えば4つずつ設けられている反射型の光学式センサである。センサS23は、複数の無端ベルト204より搬送される書籍の通過を検知する。ファームウェア内蔵の制御装置701は、センサS23により書籍の通過が検知された場合、その書籍はその搬送先にある振り分けボックスに投入されたと判定する。
【0049】
このように、複数に分割配置された無端ベルト204の間で振り分けローラ205が昇降可能な構成とすることにより、1つの配置スペースに搬送方向の異なる2つの搬送手段を配置することができ、搬送方向の異なるベルトコンベアを搬送方向に沿って複数配列する従来構成に比べて、大幅な省スペース化を実現することができる。
【0050】
また、従来の1枚の平板状のベルトコンベアでは、ベルトに部分的な劣化が生じた場合でも全体の交換が必要であったが、本発明の構成によれば、平行配置される複数の無端ベルトを採用することにより、これら複数の無端ベルトの内の劣化が生じたものだけを交換すればよく、メンテナンス負担の軽減およびメンテナンスコストの低減にも寄与することができる。
【0051】
このように、平行に配列される複数の無端ベルト204の間にセンサを配置する構成としたことで、センサと検知対象となる書籍との間がベルトによって遮られないため、反射式の光学センサや透過式の光学センサ等を採用することも可能となり、利用可能なセンサの選択肢を拡げることができる。
【0052】
マスタモジュール2は、上述のような構成により、無端ベルト204によって搬送対象物をBIN#0まで搬送し、振り分けローラ205によって搬送対象物をBIN#1もしくはBIN#2まで搬送する。振り分けローラ205による搬送先の切り替えは、振り分けローラ用モータ214の回転駆動方向をプロセッサ701によって切り替えることで実現する。
【0053】
続いて、本発明によるフロントエンドモジュール1について説明する。
【0054】
フロントエンドモジュール1は、ベルトコンベアとして、互いに平行な回転軸P1およびP2を中心として回転する、対をなすローラ102およびローラ103(これらが、第2の一対のローラに相当)と、ローラ102およびローラ103に巻架され、ローラの回転軸P1およびP2方向において間隔をあけて平行に複数配列(例えば、10本)される無端ベルト104(第2の複数の無端ベルトに相当)と、RFタグの情報読み取りやRFタグへの情報書き込みを行うアンテナ105(RFIDリーダ:ASI−4300)と、搬送される書籍の通過を検知する反射型の光学式センサS11と、ローラ103を回転駆動するためのモータ106からの回転駆動力をローラ103に伝達する伝達ベルト107と、発光部Wを備えている。
【0055】
発光部Wは、例えばLEDや有機EL等によって構成することができ、赤色と青色(もしくは緑色)のような、互いに異なる複数の色の内のいずれかを選択的に発光可能となっている。発光部Wは、例えば、フロントエンドモジュール1内における上部カバー109の上部の内壁等の位置に配置することができる(図2を参照)。
【0056】
これにより、発光部Wから照射される光を、アクリル板等の光透過率の高い窓109aを通して上部カバー109外から利用者に視認させる。もちろん、窓109aを透過して外部に向かう光だけでなく、上部カバー109内でベルトコンベアや書籍を照らす光を、上部カバー109の書籍投入口から視認することもできる。また、窓109aに、利用者への通知内容を彫刻しておき、当該彫刻箇所を発光部Wからの照明光により照明する構成とすることにより、ユーザへの視覚的な通知を行うことができる。
【0057】
これらモータ106の駆動制御、アンテナ105によるRFタグとの間での通信処理、センサS11における検知結果の取得、発光部Wの発光制御等の各種制御は、例えばパーソナルコンピュータ801、及びファームウェア内蔵の制御装置802により実現することができる。
【0058】
また、本発明の実施の形態による仕分搬送システムでは、フロントエンドモジュール1における複数の無端ベルト104のベルト間の間隔は、マスタモジュール2における複数の無端ベルト204のベルト間の間隔よりも狭く設定されている。
【0059】
このように、フロントエンドモジュール1における無端ベルトのピッチを、マスタモジュール2における無端ベルトのピッチよりも狭くしたことにより、反った文庫本等の小型書籍も問題なく搬送できるという効果を奏することができる。
【0060】
なお、フロントエンドモジュール1における複数の無端ベルト104と、マスタモジュール2における複数の無端ベルト204とは、例えば回転軸P1方向において異なる位置に配置されていることが望ましい。
【0061】
またさらに、本発明の実施の形態による仕分搬送システムでは、フロントエンドモジュール1における複数の無端ベルト104と、マスタモジュール2における複数の無端ベルト204とは、互い違いになるように配置されている(図3を参照)。
【0062】
このように、フロントエンドモジュール1における無端ベルト104と、マスタモジュール2における無端ベルト204とがローラの回転軸P1方向において異なる位置となるようにしたことにより、フロントエンドモジュール1とマスタモジュール2を無端ベルト104の搬送方向において接近させて配置する際に、フロントエンドモジュール1における無端ベルト104と、マスタモジュール2における無端ベルト204とを互い違いにすることができ、両モジュールを接近させ易くなり、フロントエンドモジュール1とマスタモジュール2のつなぎ目における搬送もスムーズに行うことができる、という効果を奏する。
【0063】
また、ファームウェア内蔵の制御装置801およびファームウェア内蔵の制御装置701は、フロントエンドモジュール1におけるローラ103は、マスタモジュール2におけるメインローラ203よりも、搬送対象物搬送時の回転速度が遅くなるように、モータ106およびモータ107を駆動制御する。
【0064】
フロントエンドモジュール1では、マスタモジュール2のような振り分け搬送とは異なり、RFタグの読み取りや書込み等、搬送中の搬送対象物との間での通信処理を行なうため、アンテナ105とRFタグとの通信の安定性を確保するために、搬送対象物の搬送速度をマスタモジュール2側よりも遅めに設定している。
【0065】
続いて、本発明の実施の形態による仕分搬送システムにおける仕分搬送方法の詳細について説明する。なお、ここでの仕分搬送処理における各種制御は、パーソナルコンピュータ801とファームウェア内蔵の制御装置702,802とが協働して実現する場合を例示するが、これに限られるものではなく、本発明の実施の形態による仕分搬送システムとLAN等を介して電気通信可能に接続されたPC(Personal Computer)等によって実現することもできることは言うまでもない。この場合、本仕分搬送システムにおける各種制御を行うためのソフトウェアが、当該PCにインストールされる。
【0066】
図14は、本発明の実施の形態による仕分搬送システムが備える機能を示す機能ブロック図である。図15は、本発明の実施の形態による仕分搬送方法の流れを示すフローチャートである。図16〜図22は、本発明の実施の形態による仕分搬送方法の流れについて説明するための概念図である。図23は、フロントエンドモジュール1、マスタモジュール2、各振り分けボックスBIN♯0〜8の組合せ方の一例を示すレイアウト図である。図24は、フロントエンドモジュール1、マスタモジュール2、各振り分けボックスBIN♯0〜4の組合せ方の一例を示すレイアウト図である。
【0067】
図14に示すように、本発明の実施の形態による仕分搬送システムは、処理機能として、例えば、搬送制御部601、読み取り部602、書き込み部603、受け渡し部604および振り分け搬送部605などを備えている。これら機能は、パーソナルコンピュータ801やファームウェア内蔵の制御装置702,802に実行させることにより実現される。なお、これら機能は、結果として仕分搬送システム全体として備えていればよく、各機能がいずれのプロセッサによって実現されるかは問わない。
【0068】
まず、パーソナルコンピュータ801及びファームウェア内蔵の制御装置802は、搬送制御部601の機能として、複数の無端ベルト204により搬送対象物をアンテナ105によるRFタグへの書込み成功率(通信成功率)の高い所定の書込み位置まで搬送する(S101)(図16および図17を参照)。この際の、搬送対象物の搬送時の位置決めは、例えばセンサS12によって搬送対象物の搬送方向下流側端部を検知することによって行うことができる。したがって、センサS12の配置は、上記のような制御を行った場合、搬送対象物がアンテナ105により読み取り最適位置となるような位置となっていることが好ましい。
【0069】
なお、一般に、「アンテナによるRFタグへの書込み成功率の高い所定の書込み位置」とは、アンテナより放射される電磁界範囲になるような位置であることを意味する。
【0070】
次に、パーソナルコンピュータ801は、読み取り部602の機能として、アンテナ105による、搬送対象物である書籍に付されたRFタグからの情報読み取りを行わせる(S102)(図17を参照)。
【0071】
次に、パーソナルコンピュータ801は、書き込み部604の機能として、搬送対象物である書籍を所定の書込み位置にて一時停止させた状態で、アンテナによる搬送対象物に付されたRFタグへの書込み処理を実行する(S103)(図17を参照)。
【0072】
次に、パーソナルコンピュータ801は、振り分け搬送部605の機能として、搬送対象物である書籍をフロントエンドモジュール1からマスタモジュール2へと受け渡すように搬送制御する(S104)(図19を参照)。ここで、搬送される書籍の搬送方向後端側がセンサS12によって検知されなくなることにより、当該書籍が無事にマスタモジュール2に受け渡されたと判定される(図20を参照)。
【0073】
パーソナルコンピュータ801は、RFタグから読み取られる情報に基づいて、マスタモジュール2における無端ベルト204および振り分けローラ205の内いずれかにより、RFタグから読み取られた情報に対応する搬送先(BIN#0、BIN#1、BIN#2の内のいずれか)へ向けて搬送する(S105)。ここで、搬送先の振り分け処理の基準として「RFタグから読み取られる情報」としては、例えばRFタグのUIDなどが挙げられる。図21は、書籍が、無端ベルト204によってBIN#0に搬送投入される様子を示す図である。図22は、書籍が、振り分けローラ205によってBIN#1に搬送投入される様子を示す図である。
【0074】
このように、搬送対象物に付されたRFタグへの情報書込み処理時に、アンテナに対してRFタグを静止させることで、RFタグへの書込み処理の成功率を高めることができる。
【0075】
なお、パーソナルコンピュータ801は、書き込み部604の機能として、搬送対象物である書籍に付されたRFタグへの書込み処理が失敗した場合に、複数の無端ベルト204により搬送対象物のアンテナに対する位置を例えば数mm程度(所定距離)所定方向にずらし、アンテナ105による当該RFタグへの書込み処理を再度実行させる(図18を参照)。なお、ここでの書き込みリトライ時に搬送対象物をずらす距離や方向は、アンテナの性能や装置構成に依存して適宜設定することができる。もちろん、RFタグへの書き込み処理に限らず、RFタグからの情報読み取り処理についても同様に、搬送対象物の位置をずらしてリトライする構成とすることもできることは言うまでもない。
【0076】
また、パーソナルコンピュータ801は、フロントエンドモジュール1における稼働状況に基づいて、フロントエンドモジュール1における複数の無端ベルト104上への搬送対象物の載置の可否を判定し、複数の無端ベルト204上への搬送対象物の載置可否の判定結果に応じて、発光部による発光色を切り替える。
【0077】
具体的には、フロントエンドモジュール1におけるRFタグの読み取り処理が実行中である場合や、RFタグへの書き込み処理が実行中である場合や、フロントエンドモジュール1もしくはマスタモジュール2のいずれかが故障中である場合等には、発光部Wを赤色に発光させ、フロントエンドモジュール1での新規の書籍受け入れが可能な状態のときには発光部Wを青色に発光させる、といったことが考えられる。もちろん、装置の稼働状況に応じた発光部Wの発光状態の制御としては、発光色の変化だけでなく、点滅させたり、点滅における点灯の間隔を制御したりすることも考えられる。
【0078】
これによれば、ユーザは、画面操作等を行なわずとも、フロントエンドモジュールにおける稼働状況を発光部の発光色によって判断することができ、ユーザの操作負担の大幅な軽減に寄与することができる。
【0079】
また、パーソナルコンピュータ801は、フロントエンドモジュール1のアンテナ105にて読み取った情報に基づいて、その情報を格納しているRFタグが付された書籍が、図書ライブラリサーバに登録がない場合や書籍持ち出し禁止フラグを書き込むことができない等、返却の受付ができない状態の書籍である場合、複数の無端ベルト104を、マスタモジュール2とは反対方向に駆動させ、その書籍をユーザに戻して再投入を促すこともできる。(図16に示す書籍位置)
【0080】
もちろん、このような返却登録処理を実行できない書籍を利用者に戻すのではなく、返却ボックスBIN#0〜BIN#2の内のいずれかを、そのような返却受付出来ない書籍を投入するボックスに設定しておき、マスタモジュール2によって振り分けて投入することもできる。
【0081】
このように、アンテナの電波照射範囲内にRFタグがあるにも拘わらず、書込みができない場合に、RFタグのアンテナに対する位置をわずかにずらすことにより、アンテナとRFタグとの位置関係を変え、書込み処理の成功率を高めることができる。
【0082】
また、パーソナルコンピュータ801は、フロントエンドモジュール1からの書籍の受け取りをセンサS12によって検知しているにも関わらず、無端ベルト204および振り分けローラ205の内のいずれかによる振り分け処理の実行を開始してから所定時間経過してもセンサS21〜S23により書籍の通過が検知されない場合、振り分けエラーであると判定し、フロントエンドモジュール1における発光部Wの発光色を赤色にしたり、マスタモジュールに設けることのできる不図示の発光部の発光状態を変化させることにより、振り分けができていない状態の書籍がマスタモジュール内に残留していることを利用者に通知することもできる。
【0083】
図23および図24は、フロントエンドモジュール1、マスタモジュール2、各ボックスBIN#0〜BIN#8の組み合わせ方の一例を示すレイアウト図である。もちろん、これに限られるものではなく、さらに通常のベルトコンベアを組み合わせた搬送システムとすることもできる。
【0084】
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他の様々な形で実施することができる。そのため、前述の実施の形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する全ての変形、様々な改良、代替および改質は、すべて本発明の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0085】
1 フロントエンドモジュール、
2 マスタモジュール、
201 ベース部、
202 メインローラ、
203 メインローラ、
204 複数の無端ベルト、
205 振り分けローラ、
206 メインモータ、
207 駆動ベルト、
208 ローラ保持アーム、
209 スライダ、
210 プーリ保持部材、
211 モータ保持部材、
212 ガイドシャフト、
213 プーリ、
214 振り分けローラ用モータ、
215 プーリ、
216 昇降用モータ、
217 昇降用カム、
218 コロ、
219 振り分けローラ駆動用ベルト、
220 伝達ベルト、
S21 センサ、
S22 センサ、
S23 センサ、
102 ローラ、
103 ローラ、
104 無端ベルト、
105 アンテナ
S11 センサ、
106 モータ、
103 ローラ、
107 伝達ベルト、
W 発光部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送対象物を搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送する搬送対象物に付されたRFタグと通信するためのアンテナと、を有する搬送システムにおける搬送方法であって、
前記搬送手段により搬送対象物を前記アンテナによるRFタグとの通信成功率の高い所定の通信位置まで搬送し、
前記搬送対象物を前記所定の通信位置にて一時停止させた状態で、前記アンテナによる前記搬送対象物に付されたRFタグとの通信処理を実行する搬送方法。
【請求項2】
請求項1に記載の搬送方法において、
前記搬送対象物に付されたRFタグとの間での情報読み取り処理および情報書込み処理の内の少なくともいずれか一方に失敗した場合に、前記搬送対象物の前記アンテナに対する位置を、前記搬送手段により、前記情報読み取り処理および情報書込み処理の内の少なくともいずれか一方に失敗した時の位置から所定距離だけ移動させ、
前記アンテナによる、前記搬送対象物に付されたRFタグとの、前記情報読み取り処理および情報書込み処理の内の少なくともいずれか一方の処理を再度実行する搬送方法。
【請求項3】
請求項1乃至2のいずれかに記載の搬送方法において、
前記搬送システムは、互いに異なる複数の色の内のいずれかを選択的に発光可能な発光部をさらに備え、
前記搬送システムの稼働状況に基づいて、前記搬送手段上への搬送対象物の載置の可否を判定し、
前記搬送手段上への搬送対象物の載置可否の判定結果に応じて、前記発光部による発光色を切り替える搬送方法。
【請求項4】
互いに平行な回転軸を中心として回転する一対のメインローラと、前記一対のメインローラに巻架され、前記メインローラの回転軸方向において間隔をあけて平行に複数配列される複数の無端ベルトと、前記一対のメインローラ双方の回転軸を含む面方向において、前記複数の無端ベルトの内の隣接する少なくとも2つの無端ベルトの間に位置し、前記一対のメインローラ双方の回転軸と直交する方向に延びる回転軸を中心として回転する振り分けローラと、前記振り分けローラ外周面の頂点が前記複数の無端ベルト外周面の頂点よりも下方に位置する収容位置と、前記振り分けローラ外周面の頂点が前記複数の無端ベルト外周面の頂点よりも上方に位置する突出位置との間で、前記振り分けローラを昇降させる昇降機構と、を備える仕分搬送装置と、
前記仕分搬送装置へ向けて搬送対象物を搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送する搬送対象物に付されたRFタグとの通信処理を行なうためのアンテナと、を有するフロントエンドモジュールと、
を備える仕分搬送システム。
【請求項5】
請求項4に記載の仕分搬送システムにおいて、
前記フロントエンドモジュールは、前記搬送手段として、互いに平行な回転軸を中心として回転する第2の一対のローラと、前記第2の一対のローラに巻架され、前記ローラの回転軸方向において間隔をあけて平行に複数配列される第2の複数の無端ベルトと、を備え、
前記フロントエンドモジュールにおける前記第2の複数の無端ベルトのベルト間の間隔は、前記仕分搬送装置における前記複数の無端ベルトのベルト間の間隔よりも狭く設定されている仕分搬送システム。
【請求項6】
請求項4に記載の仕分搬送システムにおいて、
前記フロントエンドモジュールは、前記搬送手段として、互いに平行な回転軸を中心として回転する第2の一対のローラと、前記第2の一対のローラに巻架され、前記ローラの回転軸方向において間隔をあけて平行に複数配列される第2の複数の無端ベルトと、を備え、
前記フロントエンドモジュールにおける前記第2の複数の無端ベルトと、前記仕分搬送装置における前記複数の無端ベルトとは、前記回転軸方向において異なる位置に配置されている仕分搬送システム。
【請求項7】
請求項4に記載の仕分搬送システムにおいて、
前記フロントエンドモジュールにおける前記第2の複数の無端ベルトと、前記仕分搬送装置における前記複数の無端ベルトとは、互い違いに配置されている仕分搬送システム。
【請求項8】
請求項4乃至7のいずれかに記載の仕分搬送システムにおいて、
前記フロントエンドモジュールにおける前記第2の一対のローラは、前記仕分搬送装置における前記一対のメインローラよりも、搬送対象物搬送時の回転速度が遅くなるように設定されている仕分搬送システム。
【請求項9】
請求項4に記載の仕分搬送システムにおいて、
前記一対のメインローラの間にその少なくとも一部が位置し、前記一対のメインローラそれぞれを回転可能に軸支するベース部を更に備え、
前記ベース部には、前記一対のメインローラ双方の回転軸を含む面方向において、前記複数の無端ベルトの内の隣接する少なくとも2つの無端ベルトの間に貫通孔が形成されており、
前記昇降機構は、前記振り分けローラを前記貫通孔内を移動させることにより、前記振り分けローラを昇降させる仕分搬送システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2013−95585(P2013−95585A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−242862(P2011−242862)
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【出願人】(509037352)株式会社ティ.アール.アイ (3)
【出願人】(511268052)株式会社カイザー (1)
【Fターム(参考)】