説明

搬送方法、搬送装置及び洗濯システム

【課題】 被搬送体を処理しながら搬送することができる新たな搬送方法、搬送装置及び洗濯システムを提供する。
【解決手段】 搬送装置1において、搬送表面2Sの形状が変化する搬送路2と、搬送表面2Sにおいて搬送方向Xに向かって第1の進行波を生成する第1のアクチュエータ21と、搬送表面2Sにおいて回転方向θ1に向かって第2の進行波を生成する第2のアクチュエータ22とを備えている。第1のアクチュエータ21、第2のアクチュエータ22は、いずれも圧力流体供給源4から供給される圧力流体より膨張、収縮する機能を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送方法、搬送装置及び洗濯システムに関し、特に搬送路において被搬送体を搬送する新たな搬送方法、この搬送方法を実現する搬送装置及びこの搬送装置を備えた洗濯システムに関する。
【背景技術】
【0002】
医療検査や化学分析の分野において、微量流体を輸送し、流体流量を高精度に制御することができるマイクロポンプ及びその駆動方法が下記特許文献1に開示されている。このマイクロポンプは、流体の流路を構成する円筒状のパイプと、パイプの長手方向に一定の間隔を介して配置された複数個のリング状のアクチュエータと、アクチュエータを個別に動作する駆動源と、駆動源を個別に制御するコントローラとを備えている。
【0003】
このマイクロポンプにおいては、複数個のアクチュエータを流体の流れ方向に沿って順番に駆動する制御を行い、同方向に沿ってパイプ径を順番に伸縮させることができる。このような駆動方法により制御されるマイクロポンプにおいては、開閉弁を使用することなく、パイプ内において一定流量の微量流体を滑らかに輸送することができ、微量流体の脈動を抑制することができる。
【特許文献1】特開2003−184755号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述の特許文献1に開示されたマイクロポンプ及びその駆動方法は、単に微量流体を高精度において輸送する点について優れている。しかしながら、流体や流体以外の物質を処理しながら搬送する点については配慮がなされていない。例えば、薬品を撹拌しながら搬送する場合や、洗濯物を洗濯しながら搬送する場合の具体的な搬送方法や搬送装置については開示がなされていない。
【0005】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は被搬送体を処理しながら搬送することができる新たな搬送方法並びに搬送装置を提供することである。
【0006】
更に、本発明の目的は上記新たな搬送方法並びに搬送装置を備えた洗濯システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の実施の形態に係る第1の特徴は、搬送方法において、搬送路の搬送表面において搬送方向に向かって第1の進行波を生成して被搬送体を搬送し、搬送表面において回転方向に向かって第2の進行波を生成して被搬送体を回転させることである。
【0008】
本発明の実施の形態に係る第2の特徴は、搬送方法において、第1の搬送路の第1の搬送表面において搬送方向に向かって第1の進行波を生成して被搬送体を搬送し、第1の搬送表面において回転方向に向かって第2の進行波を生成して前記被搬送体を回転させ、第1の搬送路に連結された第2の搬送路の第2の搬送表面において搬送方向に向かって第3の進行波を生成して被搬送体を搬送し、第2の搬送表面において回転方向に対して逆回転方向に向かって第4の進行波を生成して被搬送体を回転させることである。
【0009】
本発明の実施の形態に係る第3の特徴は、搬送装置において、搬送表面の形状が変化する搬送路と、搬送表面において搬送方向に向かって第1の進行波を生成する第1のアクチュエータと、搬送表面において回転方向に向かって第2の進行波を生成する第2のアクチュエータとを備えたことである。
【0010】
本発明の実施の形態に係る第4の特徴は、搬送装置において、第1の搬送表面の形状が変化する第1の搬送路と、第1の搬送表面において搬送方向に向かって第1の進行波を生成する第1のアクチュエータと、第1の搬送表面において回転方向に向かって第2の進行波を生成する第2のアクチュエータと、第1の搬送路に連結され、第2の搬送表面の形状が変化する第2の搬送路と、第2の搬送表面において搬送方向に向かって第3の進行波を生成する第3のアクチュエータと、第2の搬送表面において回転方向に対して逆回転方向に向かって第4の進行波を生成する第4のアクチュエータとを備えたことである。
【0011】
本発明の実施の形態に係る第5の特徴は、洗濯システムにおいて、一端に洗濯物の第1の投入部を有し、他端に洗濯物の第1の取出部を有し、第1の槽内表面の形状が変化する洗濯槽と、第1の槽内表面において第1の投入部から第1の取出部に至る搬送方向に向かって第1の進行波を生成し、洗濯物を搬送する第1のアクチュエータと、第1の槽内表面において回転方向に向かって第2の進行波を生成し、洗濯物を回転させる第2のアクチュエータとを備えたことである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、被搬送体を処理しながら搬送することができる新たな搬送方法並びに搬送装置を提供することができる。
【0013】
更に、本発明によれば、新たな搬送方法並びに搬送装置を備えた洗濯システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態は、被搬送体を搬送するとともにこの被搬送体を回転させることができる新たな搬送方法並びに搬送装置を説明するものである。
【0016】
[搬送装置の構造]
図1乃至図5に示すように、第1の実施の形態に係る搬送装置1は、搬送表面2Sの形状が変化する搬送路2と、搬送表面2Sにおいて搬送方向(図1、図3、図4中、矢印X方向)に向かって第1の進行波を生成する第1のアクチュエータ21と、搬送表面2Sにおいて回転方向(図1、図3、図5中、反時計回りの矢印θ1方向)に向かって第2の進行波を生成する第2のアクチュエータ22とを備えている。更に、搬送装置1は、図1に示すように、圧力流体を供給する圧力流体供給源4と、第1のアクチュエータ21、第2のアクチュエータ22のそれぞれに供給する圧力流体の供給量を調整する第1の流体調整部5及び第2の流体調整部6と、第1の流体調整部5、第2の流体調整部6のそれぞれを制御するコントローラ7とを備えている。ここで、搬送方向Xとは、搬送路2の中心軸に一致し、この中心軸の一端から他端に向かう方向である。また、回転方向θ1とは、第1の実施の形態においては、搬送路2の中心軸を中心として反時計回りに回転する方向である。
【0017】
第1の実施の形態において、搬送路2は図1及び図2に示すように円形状の断面形状を有する中空円柱により構成され、この中空円柱の内壁は搬送表面2Sである。搬送路2の外皮は、第1のアクチュエータ21、第2のアクチュエータ22のそれぞれの伸縮動作において伸縮(変形)し難い若しくは実質的に伸縮しない素材により構成されている。例えば、外皮には、ファイバ樹脂等の樹脂やステンレス等の金属を実用的に使用することができる。搬送路2の内皮すなわち搬送表面2S若しくはその肉厚部分は伸縮性の高い弾性体により構成されている。特に、搬送表面2Sの伸縮により効率良く被搬送体を搬送することができるように、更に効率よく被搬送体を回転することができるように、外皮から中心軸に向かう伸縮方向に異方性を有する弾性体により内皮若しくはその肉厚部分を構成することが好ましい。具体的には、伸縮を積極的に行う部分にゴム等の伸縮性の高い弾性材料を使用し、伸縮を抑える部分に化学繊維(例えばナイロン)等の伸縮性の低い非弾性材料を使用した弾性体を実用的に使用することができる。
【0018】
第1のアクチュエータ21、第2のアクチュエータ22は、図1乃至図5に示すように、搬送路2の外皮と搬送表面(内皮)2Sとの間に配設されている。第1のアクチュエータ21は、図1乃至図4に示すように、回転方向θ1に向かって延在し、搬送方向Xに向かって一定の間隔で規則的に配列され、伸縮機能を有する複数本の第1の流体供給管210を備えている。すなわち、第1のアクチュエータ21は、搬送路2の円周に沿うリング形状を有する第1の流体供給管210を搬送方向Xに向かって規則的に複数配列した、第1の流体供給管210の集合体により構成されている。第2のアクチュエータ22は、図1乃至図3及び図5に示すように、搬送方向Xに向かって延在し、回転方向θ1に向かって規則的に配列され、伸縮機能を有する複数本の第2の流体供給管220を備えている。すなわち、第2のアクチュエータ22は、搬送路2の搬送方向Xに伸びる棒形状を有する第2の流体供給管220を回転方向θ1に向かって規則的に複数配列した、第2の流体供給管220の集合体により構成されている。
【0019】
図6に示すように、第1の流体供給管210、第2の流体供給管220は、いずれも内部への圧力流体Pの供給により中心軸から半径方向に膨張し、圧力流体Pの非供給により収縮する。第1の流体供給管210、第2の流体供給管220のそれぞれには、例えばゴム等の伸縮性の高い弾性材料により形成した管(チューブ)を実用的に使用することができる。更に、複数本の第1の流体供給管210、複数本の第2の流体供給管220のそれぞれにおいて、膨張量を一定範囲内に調整するために、伸縮性の低い例えば化学繊維により形成した網を管の表面に適度なクリアランスを持って被覆することができる。
【0020】
図1及び図7に示すように、搬送路2の搬送表面2Sには、搬送方向X並びに回転方向θ1に向かって規則的に配列され、第1の進行波、第2の進行波のそれぞれを楕円運動に変換するとともに、第1の進行波、第2の進行波のそれぞれを効率良く搬送力(被搬送体を搬送する機械的力)に増幅する、複数の搬送用突起3が配設されている。搬送用突起3は、第1の実施の形態において、搬送表面2Sに取り付けられた一端側(接続底面側)を円柱形状により構成し、実際に被搬送体を搬送する他端側(被搬送体接触部若しくは先端部)を半球形状により構成している。
【0021】
同図7に示すように、第1の実施の形態において、第1のアクチュエータ21は、搬送方向Xに向かって順次配列された3本の第1の流体供給管210を1つの供給管グループ210Gとして構成されている。1つの供給管グループ210Gにおいて、搬送方向Xに向かって初段に配列された第1の流体供給管210には便宜的に符号「A」を付け、次段に配列された第1の流体供給管210には符号「B」を付け、最終段に配列された第2の流体供給管210には符号「C」を付ける。供給管グループ210Gにおいては「A」、「B」、「C」の順番に第1の流体供給管210に圧力流体Pが順次供給される。複数の供給管グループ210Gのそれぞれにおいて第1の流体供給管210への圧力流体Pの供給順序は同じであり、かつ同一タイミングにおいて圧力流体Pが供給される。
【0022】
同様に、第2のアクチュエータ22は、回転方向θ1に向かって順次配列された3本の第2の流体供給管220を1つの供給管グループ220Gとして構成されている。1つの供給管グループ220Gにおいて、回転方向θ1に向かって初段に配列された第2の流体供給管220には便宜的に符号「A」を付け、次段に配列された第2の流体供給管220には符号「B」を付け、最終段に配列された第2の流体供給管220には符号「C」を付ける。
【0023】
このような第1のアクチュエータ21及び第2のアクチュエータ22がグループ化された搬送路2において、搬送表面2に生成される第1の進行波若しくは第2の進行波、又は第1の進行波と第2の進行波の双方により、先端部が楕円運動の軌跡を描くように、隣接する2本の第1の流体供給管210、又は隣接する2本の第2の流体供給管220に対して1本の割合において搬送用突起3が配設されている。基本的には搬送装置1の用途に応じた材料により搬送用突起3を製造することが好ましいが、例えば簡易にかつ安価に製造する観点から、搬送用突起3を樹脂材料や金属材料等により形成することが有効である。
【0024】
前述の図1に示す圧力流体供給源4は第1の実施の形態においてコンプレッサにより構成され、圧力流体Pには圧縮空気(気体)が使用されている。なお、搬送装置1の用途に応じて、圧力流体供給源4は高圧ボンベ、又は流体として水等の液体を使用する場合にはポンプにより構成することができる。
【0025】
第1の流体調整部5は、第1のアクチュエータ21の複数の第1の流体供給管210のそれぞれと圧力流体供給源4との間に配設され、圧力流体供給源4から第1の流体供給管210への圧力流体Pの供給量を調節する。第2の流体調整部6は、第2のアクチュエータ22の複数の第2の流体供給管220のそれぞれと圧力流体供給源4との間に配設され、圧力流体供給源4から第2の流体供給管220への圧力流体Pの供給量を調節する。第1の実施の形態において、第1の流体調整部5、第2の流体調整部6には圧力流体Pの供給、非供給を切り替えるスイッチ装置としての電磁弁をいずれも使用することができる。
【0026】
コントローラ7は第1の流体調整部5、第2の流体調整部6の動作制御を行う。コントローラ7には例えば中央演算処理ユニット(CPU)を備え、この中央演算処理ユニットを使用してソフトウエアにより動作制御を行うことができる。
【0027】
圧力流体供給源4、コントローラ7のそれぞれには更に操作部8が接続されている。オペレータ(操作者)は操作部8において実際に搬送装置1を操作するようになっている。
【0028】
[搬送制御方法]
次に、前述の搬送装置1において、被搬送体の搬送方法を説明する。まず最初に、オペレータは、図1に示す操作部8において搬送装置1を起動し、搬送装置1の搬送動作を開始する操作を行う。このオペレータの操作に基づき、操作部8からの直接制御(又はコントローラ7を経由した制御)により圧力流体供給源4が起動され、この圧力流体供給源4において圧力流体Pが生成される。
【0029】
更に、コントローラ7は第1の流体調整部5、第2の流体調整部6のそれぞれを制御する。第1の流体調整部5においては、圧力流体供給部4から第1のアクチュエータ21の第1の流体供給管210に供給される圧力流体Pの供給量が調整される。第1の実施の形態において、第1の流体調整部5は、図8に示すように、一定時間(一定期間)圧力流体Pを供給する動作と、一定時間圧力流体Pの供給を完全に停止する動作とを繰り返し行う。
【0030】
複数の供給管グループ210Gのそれぞれにおいて、同図8に示すように、搬送方向Xに向かって符号「A」、「B」、「C」の順番において順次第1の流体供給管210に圧力流体Pが供給される。第1の実施の形態においては、符号「A」を付けた第1の流体供給管210に圧力流体Pの供給を開始し、その期間内に符号「B」を付けた第1の流体供給管210への圧力流体Pの供給が開始される。そして、符号「B」を付けた第1の流体供給管210への圧力流体Pの供給期間内に、符号「A」を付けた第1の流体供給管210への圧力流体Pの供給が停止される。この停止と同一タイミングであって、符号「B」を付けた第1の流体供給管210への圧力流体Pの供給期間内に符号「C」を付けた第1の流体供給管210への圧力流体Pの供給が開始される。そして、符号「C」を付けた第1の流体供給管210の圧力流体Pの供給期間内に符号「B」を付けた第1の流体供給管210への圧力流体Pの供給が停止される。
【0031】
符号「B」、「C」のそれぞれを付けた2本の第1の流体供給管210に対して配設された1本の搬送用突起3に着目すると、この搬送用突起3の先端部の軌跡は下記(1)乃至(5)に説明するように曲線を連続的に描き、前述の図7に示すように搬送用突起3の先端部は楕円運動を行う(楕円軌跡を描く)。
【0032】
(1)まず図9(a)に示すように、符号「B」を付けた第1の流体供給管210、符号「C」を付けた第1の流体供給部210の双方に圧力流体Pが供給されていないと、搬送用突起3は搬送表面2Sに対して垂直に立った状態になる。
【0033】
(2)図9(b)に示すように、符号「B」を付けた第1の流体供給管210に圧力流体Pが供給されると、第1の流体供給管210が徐々に膨張し、搬送表面2Sが変形し、第1の進行波が生成される。この第1の進行波に基づき、搬送用突起3は搬送方向Xに向かって徐々に傾く。
【0034】
(3)図9(c)に示すように、符号「C」を付けた第1の流体供給管210に圧力流体Pの供給が開始されると、第1の流体供給部210が徐々に膨張し、搬送表面2Sが更に変形し、第1の進行波が大きくなる。この第1の進行波に基づき、搬送用突起3は、搬送方向Xに向かって傾いた状態から徐々に復帰し、搬送表面2Sに対して垂直に立ち上がるとともに、全体的に搬送路2の中心軸に向かって上昇する。
【0035】
(4)図9(d)に示すように、符号「B」を付けた第1の流体供給管210への圧力流体Pの供給が停止されると、第1の流体供給管210が徐々に収縮し、搬送表面2Sの変形が回復し始め、第1の進行波が小さくなる。この第1の進行波に基づき、搬送用突起3は進行方向Xとは反対の方向に向かって徐々に傾く。
【0036】
(5)図9(e)に示すように、引き続き、符号「C」を付けた第1の流体供給部210への圧力流体Pの供給が停止されると、第1の流体供給管210が徐々に収縮し、搬送表面2Sの変形が徐々に回復し、第1の進行波が消失する。この結果、搬送用突起3は、初期の状態に戻り、搬送表面2Sに対して垂直に立ち上がる。
【0037】
搬送路2の搬送表面2Sに第1のアクチュエータ21により生成される第1の進行波は、図10(a)乃至図10(c)に示すように、搬送方向Xに向かって伝搬される波になる。更に、この第1の進行波により動作する搬送用突起3は、搬送方向Xに向かって被搬送体を送り出すような楕円運動を行う。
【0038】
一方、第2の流体調整部6においては、圧力流体供給部4から第2のアクチュエータ22の第2の流体供給管220に供給される圧力流体Pの供給量が調整される。第1の実施の形態において、第2の流体調整部6は、第1の流体調整部5の動作と同様に、図8に示すように、一定時間圧力流体Pを供給する動作と、一定時間圧力流体Pの供給を完全に停止する動作とを繰り返し行う。
【0039】
複数の供給管グループ220Gのそれぞれにおいて、同図8に示すように、回転方向θ1に向かって符号「A」、「B」、「C」の順番において順次第2の流体供給管220に圧力流体Pが供給される。第1の実施の形態においては、符号「A」を付けた第2の流体供給管220に圧力流体Pの供給を開始し、その期間内に符号「B」を付けた第2の流体供給管220への圧力流体Pの供給が開始される。そして、符号「B」を付けた第2の流体供給管220への圧力流体Pの供給期間内に、符号「A」を付けた第1の流体供給管220への圧力流体Pの供給が停止される。この停止と同一タイミングであって、符号「B」を付けた第2の流体供給管220への圧力流体Pの供給期間内に符号「C」を付けた第2の流体供給管220への圧力流体Pの供給が開始される。そして、符号「C」を付けた第2の流体供給管220の圧力流体Pの供給期間内に符号「B」を付けた第2の流体供給管220への圧力流体Pの供給が停止される。
【0040】
符号「B」、「C」のそれぞれを付けた2本の第2の流体供給管220に対して配設された1本の搬送用突起3に着目すると、この搬送用突起3の先端部の軌跡は下記(1)乃至(5)に説明するように曲線を連続的に描き、前述の図7に示すように搬送用突起3の先端部は楕円運動を行う。
【0041】
(1)まず図9(a)に示すように、符号「B」を付けた第2の流体供給管220、符号「C」を付けた第2の流体供給部220の双方に圧力流体Pが供給されていないと、搬送用突起3は搬送表面2Sに対して垂直に立った状態になる。
【0042】
(2)図9(b)に示すように、符号「B」を付けた第2の流体供給管220に圧力流体Pが供給されると、第2の流体供給管220が徐々に膨張し、搬送表面2Sが変形し、第2の進行波が生成される。この第2の進行波に基づき、搬送用突起3は回転方向θ1に向かって徐々に傾く。
【0043】
(3)図9(c)に示すように、符号「C」を付けた第2の流体供給管220に圧力流体Pの供給が開始されると、第2の流体供給部220が徐々に膨張し、搬送表面2Sが更に変形し、第2の進行波が大きくなる。この第2の進行波に基づき、搬送用突起3は、回転方向θ1に向かって傾いた状態から徐々に復帰し、搬送表面2Sに対して垂直に立ち上がるとともに、全体的に搬送路2の中心軸に向かって上昇する。
【0044】
(4)図9(d)に示すように、符号「B」を付けた第2の流体供給管220への圧力流体Pの供給が停止されると、第2の流体供給管220が徐々に収縮し、搬送表面2Sの変形が回復し始め、第2の進行波が小さくなる。この第2の進行波に基づき、搬送用突起3は回転方向θ1とは反対の回転方向(θ2)に向かって徐々に傾く。
【0045】
(5)図9(e)に示すように、引き続き、符号「C」を付けた第2の流体供給部220への圧力流体Pの供給が停止されると、第2の流体供給管220が徐々に収縮し、搬送表面2Sの変形が徐々に回復し、第2の進行波が消失する。この結果、搬送用突起3は、初期の状態に戻り、搬送表面2Sに対して垂直に立ち上がる。
【0046】
搬送路2の搬送表面2Sに第2のアクチュエータ22により生成される第2の進行波は、図11(a)乃至図11(c)に示すように、回転方向θ1に向かって伝搬される波になる。更に、この第2の進行波により動作する搬送用突起3は、回転方向θ1に向かって被搬送体を回転させる(回転方向θ1に向かって搬送する)楕円運動を行う。結果的に、第1の実施の形態に係る搬送装置1は、搬送方向Xに向かって被搬送体を搬送するとともに、回転方向θ1に向かって被搬送体を回転させるようになっており、「腸の蠕動運動」若しくはそれに類似した運動を利用した搬送メカニズムを備えている。なお、第1の実施の形態において、搬送装置1は、被搬送体を搬送方向Xに向かって搬送する動作と被搬送体を回転方向θ1に向かって回転(搬送)する動作とを同時に実行するようにしているが、コントローラ7に基づく第1の流体調整部5及び第2の流体調整部6の制御により双方の動作を別々に実行するようにしてもよい。すなわち、第1の実施の形態に係る搬送装置1は双方の動作を同時に実行することができ、かつ個別にも実行することができる機能を備えている。
【0047】
以上説明したように、第1の実施の形態によれば、搬送表面2Sの表面において搬送方向Xに向かう第1の進行波を生成し、被搬送体を搬送することができるとともに、搬送表面2Sにおいて回転方向θ1に向かって第2の進行波を生成し、被搬送体を回転することができる、全く新しい搬送方法並びに搬送装置1を実現することができる。
【0048】
更に、搬送装置1においては、搬送路2の搬送表面2Sに搬送用突起3を備えたので、第1の進行波、第2の進行波のそれぞれを増幅するとともに楕円運動に変換し、被搬送体の搬送効率若しくは回転効率を向上することができる。
【0049】
更に、搬送装置1においては、変形する搬送表面2Sを有する搬送路2と、この搬送路2に配設された第1のアクチュエータ21及び第2のアクチュエータ22とを備え、機械的な回転機構や摺動機構を含まない簡易な構造により構築することができるので、製作を容易にすることができる。また、簡易な構造を備えているので、搬送装置1の製作コストを安価にすることができ、メンテナンスを容易にすることができる。
【0050】
更に、搬送装置1は、被搬送体を搬送しながら(第1の処理を行いながら)被搬送体を回転する(第2の処理を行う)ことができるので、2種類若しくはそれ以上の種類の処理を併用する装置やシステムへの適用範囲を広げることができる。
【0051】
[変形例]
なお、第1の実施の形態において、搬送路2は中空円柱により構成されているが、本発明はこの形状に限定されるものではない。例えば、本発明においては、楕円形状の断面形状を有する中空円柱、又は立方体や直方体若しくは5角以上の多角形状の断面形状を有する中空角柱により搬送路2を構成することができる。更に、本発明においては、搬送路2の例えば中空円柱に軸心部を配設し、この軸心部の外壁に第1のアクチェータ21及び第2のアクチェータ22を規則的に配列することができる。
【0052】
また、第1の実施の形態において、2本の第1の流体供給管210若しくは2本の第2の流体供給管220に対して1本の搬送用突起3が配設されているが、本発明はこの配設数に限定されるものではない。例えば、本発明においては、3本以上の複数本の第1の流体供給管210若しくは3本以上の複数本の第2の流体供給管220に対して1本の搬送用突起3を配設することができる。
【0053】
また、第1の実施の形態において、第1の流体調整部5、第2の流体調整部6のそれぞれは圧力流体Pを供給する動作と供給を完全に停止する動作とを繰り返し行う制御をしているが、本発明はこの動作に限定されるものではない。例えば、本発明においては、圧力流体Pを供給し第1の流体供給管210、第2の流体供給管220を膨張させる動作と、膨張開始直前まで圧力流体Pを少し低い圧力において供給し第1の流体供給管210、第2の流体供給管220のそれぞれを即座に膨張することができるように待機させる動作とを、第1の流体調整部5、第2の流体調整部6のそれぞれに繰り返し行うことができる。
【0054】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態は、被搬送体を搬送するとともにこの被搬送体を回転させることができ、更に被搬送体にねじりを加えることができる新たな搬送方法並びに搬送装置を説明するものである。
【0055】
[搬送装置の構造]
図12及び図13に示すように、第2の実施の形態に係る搬送装置1は、第1の搬送表面2S(1)の形状が変化する第1の搬送路2(1)と、第1の搬送表面2S(1)において搬送方向Xに向かって第1の進行波を生成する第1のアクチュエータ21(1)と、第1の搬送表面2S(1)において回転方向θ1に向かって第2の進行波を生成する第2のアクチュエータ22(1)と、第1の搬送路2(1)に連結され、第2の搬送表面2S(2)の形状が変化する第2の搬送路2(2)と、第2の搬送表面2S(2)において搬送方向Xに向かって第3の進行波を生成する第3のアクチュエータ21(2)と、第2の搬送表面2S(2)において回転方向θ1に対して逆回転方向θ2に向かって第4の進行波を生成する第4のアクチュエータ22(2)と、第2の搬送路2(2)に連結され、第3の搬送表面2S(3)の形状が変化する第3の搬送路2(3)と、第3の搬送表面2S(3)において搬送方向Xに向かって第5の進行波を生成する第5のアクチュエータ21(3)と、第3の搬送表面2S(3)において回転方向θ1に向かって第6の進行波を生成する第6のアクチュエータ22(3)とを備えている。すなわち、搬送装置1は、第1の実施の形態に係る搬送装置1の搬送路2を搬送方向Xに向かって3個直列に接続した搬送路を備えている。
【0056】
図12及び図13には図示していないが、第1の実施の形態に係る搬送装置1と同様に、第2の実施の形態に係る搬送装置1においては、第1のアクチュエータ21(1)又は第5のアクチュエータ21(3)には第1の流体調整部5を介在して圧力流体供給源4が接続され、第2のアクチュエータ22(1)、第4のアクチュエータ22(2)、第6のアクチュエータ22(3)には第2の流体調整部6を介在して圧力流体供給源4が接続されている(図1参照)。第1の流体調整部5、第2の流体調整部6のそれぞれはコントローラ7により流体量を制御するようになっている。
【0057】
第1の搬送路2(1)において、第1のアクチュエータ21(1)は、第1の実施の形態に係る第1のアクチュエータ21と同様に、回転方向θ1に向かって延在し、搬送方向Xに向かって規則的に配列され、伸縮機能を有する複数本の第1の流体供給管210(1)を備えている。第2のアクチュエータ22(1)は、搬送方向Xに向かって延在し、回転方向θ1に向かって規則的に配列され、伸縮機能を有する複数本の第2の流体供給管220(1)を備えている。
【0058】
同様に、第2の搬送路2(2)において、第3のアクチュエータ21(2)は、回転方向θ2(又はθ1)に向かって延在し、搬送方向Xに向かって規則的に配列され、伸縮機能を有する複数本の第3の流体供給管210(2)を備えている。第4のアクチュエータ22(2)は、搬送方向Xに向かって延在し、回転方向θ2(又はθ1)に向かって規則的に配列され、伸縮機能を有する複数本の第4の流体供給管220(2)を備えている。
【0059】
第3の搬送路2(3)において、第5のアクチュエータ21(3)は、回転方向θ1に向かって延在し、搬送方向Xに向かって規則的に配列され、伸縮機能を有する複数本の第5の流体供給管210(3)を備えている。第6のアクチュエータ22(3)は、搬送方向Xに向かって延在し、回転方向θ1に向かって規則的に配列され、伸縮機能を有する複数本の第6の流体供給管220(3)を備えている。
【0060】
そして、第1の搬送路2(1)と第2の搬送路2(2)との連結部分において、複数本の第2の流体供給管220(1)うちの隣接する2本が、複数本の第4の流体供給管220(2)の隣接する2本にクロス配管されている。すなわち、第1の搬送路2(1)において、符号「B」を付けた第2の流体供給管220(1)を中心として、その左側に隣接する符号「A」を付けた第2の流体供給管220(1)が、連結部分においてクロス配管され、第2の搬送路2(2)において、符号「B」を付けた第4の流体供給管220(2)を中心として、その右側に隣接する符号「A」を付けた第4の流体供給管220(2)として配設されている。同様に、第1の搬送路2(1)において、符号「B」を付けた第2の流体供給管220(1)を中心として、その右側に隣接する符号「C」を付けた第2の流体供給管220(1)が、連結部分においてクロス配管され、第2の搬送路2(2)において、符号「B」を付けた第4の流体供給管220(2)を中心として、その左側に隣接する符号「C」を付けた第4の流体供給管220(2)として配設されている。
【0061】
更に、第2の搬送路2(2)と第3の搬送路2(3)との連結部分において、複数本の第4の流体供給管220(2)うちの隣接する2本が、複数本の第6の流体供給管220(3)の隣接する2本にクロス配管されている。すなわち、第2の搬送路2(2)において、符号「B」を付けた第4の流体供給管220(2)を中心として、その右側に隣接する符号「A」を付けた第4の流体供給管220(2)が、連結部分においてクロス配管され、第3の搬送路2(3)において、符号「B」を付けた第6の流体供給管220(3)を中心として、その左側に隣接する符号「A」を付けた第6の流体供給管220(3)として配設されている。同様に、第2の搬送路2(2)において、符号「B」を付けた第4の流体供給管220(2)を中心として、その左側に隣接する符号「C」を付けた第4の流体供給管220(2)が、連結部分においてクロス配管され、第3の搬送路2(3)において、符号「B」を付けた第6の流体供給管220(3)を中心として、その右側に隣接する符号「C」を付けた第6の流体供給管220(3)として配設されている。
【0062】
[搬送制御方法]
次に、第2の実施の形態に係る搬送装置1において、被搬送体の搬送方法を説明する。基本的な搬送方法は第1の実施の形態に係る搬送装置1の搬送方法と同様であり、第1の搬送路2(1)においては、符号「A」、「B」、「C」のそれぞれを付けた第2のアクチュエータ22(1)の順番に圧力流体Pが供給されるので、反時計回りの回転方向θ1に向かって被搬送体が回転する。第2の搬送路2(2)においては、クロス配管により配列を入れ替えた符号「A」、「B」、「C」のそれぞれを付けた第4のアクチュエータ22(2)の順番に圧力流体Pが供給されるので、回転方向θ1とは反対の回転方向θ2に向かって被搬送体が回転する。更に、第3の搬送路2(3)においては、クロス配管により第1の搬送路2(1)と同様の配列に入れ替えた符号「A」、「B」、「C」のそれぞれを付けた第6のアクチュエータ22(3)の順番に圧力流体Pが供給されるので、回転方向θ2とは反対の回転方向θ1に向かって被搬送体が回転する。
【0063】
すなわち、第1の搬送路2(1)において回転方向θ1に向かって回転された被搬送体は第2の搬送路2(2)において逆回転方向θ2に向かって回転され、第1の搬送路2(1)と第2の搬送路2(2)との間において、被搬送体に「ねじり力」を付与することができる。同様に、第2の搬送路2(2)において回転方向θ2に向かって回転された被搬送体は第3の搬送路2(3)において逆回転方向θ1に向かって回転され、第2の搬送路2(2)と第3の搬送路2(3)との間において、被搬送体に更に逆向きの「ねじり力」を付与することができる。
【0064】
以上説明したように、第2の実施の形態に係る搬送装置1においては、第1の搬送路2(1)、第2の搬送路2(2)、第3の搬送路2(3)のそれぞれを連結し、第1の搬送路2(1)の回転方向θ1に対して第2の搬送路2(2)を逆回転方向θ2に設定し、更に第2の搬送路2(2)の回転方向θ2に対して第3の搬送路2(3)を逆回転方向θ1に設定したので、被搬送体を搬送方向Xに向かって搬送することができるとともに回転方向θ1若しくはθ2に向かって回転することができ、更に搬送路間の連結部分において被搬送体にねじり力を加えることができる。
【0065】
更に、搬送装置1においては、第1の搬送路2(1)の第2のアクチュエータ22(1)の第2の流体供給管220(1)と第2の搬送路2(2)の第4のアクチュエータ220(2)の第4の流体供給管220(2)との間をクロス配管により連結することにより、個別に圧力流体供給源4に接続することなく、搬送路間の回転方向を簡易な配管レイアウトにより変えることができる。この結果、搬送装置1を小型にすることができる。
【0066】
なお、第2に実施の形態においては、第1の搬送路2(1)、第2の搬送路2(2)及び第3の搬送路2(3)の合計3個の搬送路を連結した場合を説明したが、本発明はこの連結数に限定されるものではない。例えば、本発明においては、2個又は4個以上の複数個の搬送路2を連結することができる。
【0067】
また、第2の実施の形態においては、搬送路2と搬送方向Xに向かって配設された次段の搬送路2との間において搬送方向θを変えているが、本発明においては、複数連結された搬送路2において、連続して連結された2個以上の搬送路2の回転方向θを同一方向にすることができる。
【0068】
[第1の変形例]
第2の実施の形態の第1の変形例に係る搬送装置1は、図14に示すように、第1の搬送路2(1)に第2の搬送路2(2)を連結している。第1の搬送路2(1)において、第2のアクチュエータ22(1)は、符号「A」、「B」のそれぞれを付けた2本の第2の流体供給管220(1)を供給管グループ220G(1)とし、この供給管グループ220G(1)を回転方向θ1に向かって複数配列している。第2の搬送路2(2)において、第4のアクチュエータ22(2)は、符号「A」、「B」のそれぞれを付けた2本の第2の流体供給管220(2)を供給管グループ220G(2)とし、この供給管グループ220G(2)を回転方向θ1とは逆回転方向θ2に向かって複数配列している。
【0069】
そして、第1の搬送路2(1)と第2の搬送路2(2)との連結部分において、複数本の第2の流体供給管220(1)うちの隣接する2本が、複数本の第4の流体供給管220(2)の隣接する2本にクロス配管されている。すなわち、第1の搬送路2(1)において、左側に配設された符号「A」を付けた第2の流体供給管220(1)が連結部分においてクロス配管され、第2の搬送路2(2)においては、符号「A」を付けた第4の流体供給管220(2)は右側に配設される。同様に、第1の搬送路2(1)において、右側に配設された符号「B」を付けた第2の流体供給管220(1)が連結部分においてクロス配管され、第2の搬送路2(2)においては、符号「B」を付けた第4の流体供給管220(2)は左側に配設される。
【0070】
このように構成される搬送装置1においては、前述の第2の実施の形態に係る搬送装置1と同様の効果を奏することができるとともに、クロス配管が2本の第2又は第4の流体供給管220により行われるので、交差し重なる流体供給管220の本数を削減し、連結部分の構造を簡易にすることができる。
【0071】
[第2の変形例]
第2の実施の形態の第2の変形例に係る搬送装置1は、図15に示すように、第1の搬送路2(1)に第2の搬送路2(2)を連結している。第1の搬送路2(1)において、第2のアクチュエータ22(1)は、符号「A」、「B」、「C」のそれぞれを付けた3本の第2の流体供給管220(1)を供給管グループ220G(1)とし、この供給管グループ220G(1)を回転方向θ1に向かって複数配列している。第2の搬送路2(2)において、第4のアクチュエータ22(2)は、符号「A」、「B」、「C」のそれぞれを付けた3本の第2の流体供給管220(2)を供給管グループ220G(2)とし、この供給管グループ220G(2)を回転方向θ1とは逆回転方向θ2に向かって複数配列している。
【0072】
そして、第1の搬送路2(1)と第2の搬送路2(2)との連結部分において、複数本の第2の流体供給管220(1)うちの隣接する2本が、複数本の第4の流体供給管220(2)の隣接する2本にクロス配管されている。すなわち、第1の搬送路2(1)において、供給管グループ220G(1)の左側に配設された符号「A」を付けた第2の流体供給管220(1)が、連結部分においてクロス配管され、第2の搬送路2(2)において、1ピッチ分ずれた供給管グループ220G(2)の右側に符号「A」を付けた第4の流体供給管220(2)として配設される。同様に、第1の搬送路2(1)において、供給管グループ220G(1)の右側に配設された符号「C」を付けた第2の流体供給管220(1)が、連結部分においてクロス配管され、第2の搬送路2(2)において、1ピッチ分ずれた供給管グループ220G(2)の左側に符号「C」を付けた第4の流体供給管220(2)として配設される。
【0073】
このように構成される搬送装置1においては、前述の第2の実施の形態の第1の変形例に係る搬送装置1と同様の効果を奏することができる。
【0074】
[第3の変形例]
第2の実施の形態の第3の変形例に係る搬送装置1は、図16に示すように、第1の搬送路2(1)に第2の搬送路2(2)を連結している。第1の搬送路2(1)において、第2のアクチュエータ22(1)は、符号「A」、「B」、「C」、「D」のそれぞれを付けた4本の第2の流体供給管220(1)を供給管グループ220G(1)とし、この供給管グループ220G(1)を回転方向θ1に向かって複数配列している。第2の搬送路2(2)において、第4のアクチュエータ22(2)は、符号「A」、「B」、「C」、「D」のそれぞれを付けた4本の第2の流体供給管220(2)を供給管グループ220G(2)とし、この供給管グループ220G(2)を回転方向θ1とは逆の回転方向θ2に向かって複数配列している。
【0075】
そして、第1の搬送路2(1)と第2の搬送路2(2)との連結部分において、複数本の第2の流体供給管220(1)うちの隣接する2本が、複数本の第4の流体供給管220(2)の隣接する2本にクロス配管されている。すなわち、第1の搬送路2(1)において、左側に配設された符号「A」を付けた第2の流体供給管220(1)が、連結部分においてクロス配管され、第2の搬送路2(2)において、右側に符号「A」を付けた第4の流体供給管220(2)として配設される。同様に、第1の搬送路2(1)において、右側に配設された符号「B」を付けた第2の流体供給管220(1)が、連結部分においてクロス配管され、第2の搬送路2(2)において、左側に符号「B」を付けた第4の流体供給管220(2)として配設される。
【0076】
更に、第1の搬送路2(1)において、左側に配設された符号「C」を付けた第2の流体供給管220(1)が、連結部分においてクロス配管され、第2の搬送路2(2)において、右側に符号「C」を付けた第4の流体供給管220(2)として配設される。同様に、第1の搬送路2(1)において、右側に配設された符号「D」を付けた第2の流体供給管220(1)が、連結部分においてクロス配管され、第2の搬送路2(2)において、左側に符号「D」を付けた第4の流体供給管220(2)として配設される。
【0077】
このように構成される搬送装置1においては、前述の第2の実施の形態の第1の変形例に係る搬送装置1と同様の効果を奏することができる。
【0078】
なお、第1の変形例乃至第3の変形例においては、第1の搬送路2(1)に第2の搬送路2(2)が連結され、被搬送体の回転方向θ1を逆の回転方向θ2に変えた場合を説明しているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、本発明においては、前述の第2の実施の形態に係る搬送装置1と同様に、更に第3の搬送路2(3)を連結し、回転方向θ2を回転方向θ1に戻すことができる。
【0079】
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態は、第1の実施の形態に係る搬送装置1又は第2の実施の形態に係る搬送装置1を備えた洗濯システムを説明するものである。
【0080】
[洗濯システムの構造]
図17に示すように、第3の実施の形態に係る洗濯システム10は、未洗濯処理の洗濯物11を供給する洗濯物投入部100と、一端に洗濯物11の第1の投入部111を有し、他端に洗濯物11の第1の取出部112を有し、第1の槽内表面の形状が変化する洗濯槽110a〜110dと、一端に洗濯物11の第2の投入部121を有し、他端に洗濯物11の第2の取出部122を有し、第2の槽内表面の形状が変化する脱水槽120a〜120hと、一端に洗濯物11の第3の投入部131を有し、他端に洗濯物11の第3の取出部132を有し、第3の槽内表面の形状が変化する乾燥槽130a〜130dと、洗濯処理がなされた洗濯物11を乾燥槽130a〜130dから取り出しストックしておく洗濯物取出部140とを備えている。更に、洗濯システム10には、前述の図1に示す第1の実施の形態に係る搬送装置1と同様に、圧力流体Pを供給する圧力流体供給源4と、第1のアクチュエータ21への圧力流体Pの流量を調整する第1の流体調整部5と、第2のアクチュエータ22への圧力流体Pの流量を調整する第2の流体調整部6と、第1の流体調整部5及び第2の流体調整部6を制御するコントローラ7と、コントローラ7及び圧力流供給源4を操作する操作部8とを備えている。ここで、「洗濯物11」は、前述の第1の実施の形態に係る搬送装置1、第2の実施の形態に係る搬送装置1のそれぞれにおいて説明した「被搬送体」に相当する。また、「第1の槽内表面」、「第2の槽内表面」、「第3の槽内表面」とは、前述の第1の実施の形態に係る搬送装置1において説明した搬送路2の「搬送表面2S」に相当する。
【0081】
洗濯物投入部100においては、オペレータ若しくは作業者により洗濯物11が搬入され、洗濯物11の材質(衣類の材質)、加工方法等に応じて洗濯物11への負担や傷みを最小限に止め、かつ洗浄力、脱水力若しくは乾燥力を最大限に引き出すことができるように、洗濯物11を仕分けすることができる。この仕分けには、洗濯物11に予め装着されたIC(Integrated circuit)タグに書き込まれた材質、加工方法等の情報を読み取り、この情報に基づき洗濯物11を機械的に仕分けするRFID(Radio Frequency Identification)システムを実用的に使用することができる。
【0082】
必ずしもこの配設数に限定されるものではないが、第3の実施の形態に係る洗濯システム10は、洗濯物11の材質、加工方法、負担、傷み等に応じて、搬送力、回転力、洗剤量等の洗濯力の設定値が各々異なる4槽の洗濯槽110a〜110dを備えている。図17には詳細に示していないが、前述の第1の実施の形態に係る搬送装置1と同様に、洗濯槽110a〜110dのそれぞれには第1のアクチュエータ21及び第2のアクチュエータ22が配設されている。第1のアクチュエータ21は、洗濯槽110a〜110dのそれぞれの第1の槽内表面において第1の投入部111から第1の取出部112に至る搬送方向X(図17中、下側方向)に向かって第1の進行波を生成し、この搬送方向Xに洗濯物11を搬送する。第2のアクチュエータ22は、洗濯槽110a〜110dのそれぞれの第1の槽内表面において回転方向θ1に向かって第2の進行波を生成し、洗濯物11を回転させる。第1の槽内表面には、図示していないが、第1の実施の形態に係る搬送装置1に配設された搬送用突起3と同様の搬送用突起3が配設されており、搬送力並びに回転力の増強に加えて、搬送用突起3は、洗濯物11に対して押し洗い、揉み洗いを行うことができる。また、洗濯槽110a〜110dのそれぞれの第1の投入部111には、洗濯処理に必要な給水部113及び顆粒、薬液等の洗剤を投入する洗剤供給部114が配設されている。
【0083】
同様に、洗濯システム10には、脱水力の設定値が異なる8種類の脱水槽120a〜120hを備えている。脱水槽120a〜120hのそれぞれには、第1の実施の形態に係る搬送装置1と同様に、第1のアクチュエータ21及び第2のアクチュエータ22が配設されている。第1のアクチュエータ21は、脱水槽120a〜120hのそれぞれの第2の槽内表面において第2の投入部121から第2の取出部122に至る搬送方向Xに向かって第1の進行波を生成し、この搬送方向Xに洗濯物11を搬送する。第2のアクチュエータ22は、脱水槽120a〜120hのそれぞれの第2の槽内表面において回転方向θ1に向かって第2の進行波を生成し、洗濯物11を回転させる。第2の槽内表面には、図示していないが、搬送用突起3が配設されており、搬送用突起3は、搬送力並びに回転力の増強に加えて、押したり揉んだり攪拌したりすることにより、脱水効率を高められる。また、脱水槽120a〜120hのそれぞれの第2の取出部122の近傍には、排水部123が配設されている。
【0084】
同様に、洗濯システム10には、乾燥力の設定値が異なる4種類の乾燥槽130a〜130dを備えている。乾燥槽130a〜130dのそれぞれには、第1の実施の形態に係る搬送装置1と同様に、第1のアクチュエータ21及び第2のアクチュエータ22が配設されている。第1のアクチュエータ21は、乾燥槽130a〜130dのそれぞれの第3の槽内表面において第3の投入部131から第3の取出部132に至る搬送方向Xに向かって第1の進行波を生成し、この搬送方向Xに洗濯物11を搬送する。第2のアクチュエータ22は、乾燥槽130a〜130dのそれぞれの第3の槽内表面において回転方向θ1に向かって第2の進行波を生成し、洗濯物11を回転させる。第3の槽内表面には、図示していないが、搬送用突起3が配設されており、搬送用突起3は、搬送力並びに回転力の増強に加えて、押したり揉んだり攪拌したりすることにより、乾燥効率を高められる。また、乾燥槽130a〜130dのそれぞれには乾燥効率を向上するヒータ133が配設されている。ヒータ133はコントローラ7により温度管理されている。
【0085】
同図17に示すように、このような洗濯槽110、脱水槽120及び乾燥槽130を集合させた構造体においては、平面の一辺の寸法を400mm〜500mm程度に納めることができ、洗濯システム10の大幅な小型化を実現することができる。
【0086】
なお、洗濯槽110a〜110d、脱水槽120a〜120h、乾燥槽130a〜130dのそれぞれにおいては、前述の第2の実施の形態に係る搬送装置1と同様に、回転方向θ1に向かう回転力と回転方向θ2に向かう回転力とを備え、洗濯物11に「ねじり力」を加えるようにしてもよい。
【0087】
[洗濯方法]
次に、前述の洗濯システム10を使用した洗濯方法を簡単に説明する。まず最初に、未洗濯処理の洗濯物11が洗濯物投入部100に運ばれる。操作部8においてオペレータが洗濯システム10の操作を開始することにより、洗濯物投入部100においては、洗濯物11に装着されたICタグを読み取り、洗濯物11の材質、加工方法等により洗濯物11を自動的に仕分けする。仕分けされた洗濯物11は、洗濯力値が各々異なる洗濯槽110a〜110dのいずれかの第1の投入部111から投入される。また、第1の投入部111には給水部113から給水が行われ、洗剤供給部114から洗剤が投入される。
【0088】
洗濯槽110a〜110dのそれぞれにおいては、洗濯力値に応じて、投入された洗濯物11を搬送しながら回転させ、洗濯物11の洗濯処理を行う。洗濯処理においては、第1の槽内表面に配設した搬送用突起3により、押し洗いや揉み洗いが併用される。また、前述の第2の実施の形態に係る搬送装置1と同様の構成により洗濯槽110a〜110dのそれぞれが構築されている場合には、洗濯処理において、ねじり力が併用される。洗濯処理済みの洗濯物11は洗濯槽110a〜110dの第1の取出部112から取り出される。
【0089】
第1の取出部112から取り出された洗濯物11は、脱水力値が各々異なる脱水槽120a〜120hのいずれかの第2の投入部121から投入される。脱水槽120a〜120hのそれぞれにおいては、脱水力値に応じて、投入された洗濯物11を搬送しながら回転させ、洗濯物11の脱水処理を行う。脱水処理は、第2の槽内表面に配設した搬送用突起3により、押したり揉んだり攪拌しながら行われ、又ねじりながら行われる。脱水処理により生じた排水は排水部123を通して捨てられる。脱水処理済みの洗濯物11は脱水槽120a〜120hの第2の取出部122から取り出される。
【0090】
第2の取出部122から取り出された洗濯物11は、乾燥力値が各々異なる乾燥槽130a〜130dのいずれかの第3の投入部131から投入される。乾燥槽130a〜130dのそれぞれにおいては、乾燥力値に応じて、投入された洗濯物11を搬送しながら回転させ、洗濯物11の乾燥処理を行う。乾燥処理は、第3の槽内表面に配設した搬送用突起3により、押したり揉んだり攪拌しながら行われ、又ねじりながら行われる。乾燥処理においては、必要に応じてヒータ133よる加熱を併用して行われる。乾燥処理済みの洗濯物11は乾燥槽130a〜130dの第3の取出部122から取り出される。取り出された洗濯物11は洗濯物取出部140に搬送されストックされる。
【0091】
以上説明したように、第3の実施の形態に係る洗濯システム10においては、洗濯槽110a〜110dを備えたので、洗濯物11の汚れの洗浄に必要な回転、押し洗い、揉み洗い、ねじり洗い等に加えて、洗濯物11を搬送することができる。また、洗濯システム10においては、脱水槽120a〜120hを備えたので、洗濯物11の脱水効率を高める、回転、押し、揉み、ねじり等に加えて、洗濯物11を搬送することができる。更に、洗濯システム10においては、乾燥槽130a〜130dを備えたので、洗濯物11の乾燥効率を高める、回転、押し、揉み、ねじり等に加えて、洗濯物11を搬送することができる。
【0092】
更に、洗濯システム10においては、各々、異なる設定をすることができる、複数の洗濯槽110a〜110dと、複数の脱水槽120a〜120hと、複数の乾燥槽130a〜130dを備えたので、洗濯物11の個別処理を実現することができ、洗濯物11の材質、加工方法等に最適化な洗濯を実現することができるとともに、洗濯開始から終了までの一連の処理を自動化することができる。
【0093】
(その他の実施の形態)
本発明は、前述の実施の形態に限定されるものではない。例えば、本発明は食肉用搬送装置に適用することができる。具体的には、食肉用搬送装置は、ミンチにされた食肉を混ぜながら搬送する。
【0094】
また、本発明は、医療や薬品(医薬品、化学薬品等を含む)の搬送装置に適用することができる。具体的には、血液や薬品を攪拌しながら搬送する搬送装置に適用することができる。
【0095】
また、本発明は、セメント、砂、水のそれぞれを混ぜながら搬送する搬送装置に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る搬送装置の全体の概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す搬送装置の搬送路の断面図である。
【図3】図1に示す搬送装置のアクチュエータの全体構成を示す斜視図である。
【図4】図3に示すアクチュエータにおいて搬送方向に向かって配列されたアクチュエータの構成を示す斜視図である。
【図5】図3に示すアクチュエータにおいて回転方向に向かって配列されたアクチュエータの構成を示す斜視図である。
【図6】図3に示すアクチュエータの流体供給管の構成図である。
【図7】図1に示す搬送装置の搬送路の要部拡大断面図である。
【図8】図1に示す搬送装置のコントローラにおいて、圧力流体の切り替え動作タイミングを示すタイミングチャートである。
【図9】(a)乃至(e)は図1に示す搬送装置において、搬送表面に生成される進行波の変化を時間経過毎に示す搬送路の要部拡大断面図である。
【図10】(a)乃至(c)は図1に示す搬送装置において、搬送表面に生成される第1の進行波の変化を時間経過毎に示す搬送路の搬送方向に沿う面で切った断面図である。
【図11】(a)乃至(c)は図1に示す搬送装置において、搬送表面に生成される第2の進行波の変化を時間経過毎に示す搬送路の搬送方向と直交する面で切った断面図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係る搬送装置の搬送路の第2のアクチュエータのレイアウトを示す概念図である。
【図13】(a)は図12に示す搬送路の切断線F13a−F13aにおける断面図、(b)は切断線F13b−F13bにおける断面図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態の第1の変形例に係る搬送装置の搬送路の第2のアクチュエータのレイアウトを示す概念図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態の第2の変形例に係る搬送装置の搬送路の第2のアクチュエータのレイアウトを示す概念図である。
【図16】本発明の第2の実施の形態の第3の変形例に係る搬送装置の搬送路の第2のアクチュエータのレイアウトを示す概念図である。
【図17】本発明の第3の実施の形態に係る洗濯システムの概略構成図である。
【符号の説明】
【0097】
1 搬送装置、
2、2(1)〜2(3) 搬送路
21、21(1) 第1のアクチュエータ
210、210(1)〜210(3) 第1の流体供給管
210G、220G 供給管グループ
22、22(1) 第2のアクチュエータ
220、220(1)〜220(3)第2の流体供給管
2S、2S(1)〜2S(3) 搬送表面
3 搬送用突起
4 圧力流体供給源
5 第1の流体調整部
6 第2の流体調整部
7 コントローラ
8 操作部
10 洗濯システム
100 洗濯物投入部
110、110a〜110d 洗濯槽
120、120a〜120h 脱水槽
130、130a〜130d 乾燥槽
140 洗濯物取出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送路の搬送表面において搬送方向に向かって第1の進行波を生成して被搬送体を搬送し、
前記搬送表面において回転方向に向かって第2の進行波を生成して前記被搬送体を回転させる
ことを特徴とする搬送方法。
【請求項2】
前記被搬送体は、前記第1の進行波及び前記第2の進行波により前記搬送表面に蠕動運動を生成し、この蠕動運動により搬送路において搬送されることを特徴とする請求項1に記載の搬送方法。
【請求項3】
前記第1の進行波を楕円運動に変換し前記被搬送体を搬送し、前記第2の進行波を楕円運動に変換し前記被搬送体を回転させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の搬送方法。
【請求項4】
第1の搬送路の第1の搬送表面において搬送方向に向かって第1の進行波を生成して被搬送体を搬送し、
前記第1の搬送表面において回転方向に向かって第2の進行波を生成して前記被搬送体を回転させ、
前記第1の搬送路に連結された第2の搬送路の第2の搬送表面において前記搬送方向に向かって第3の進行波を生成して前記被搬送体を搬送し、
前記第2の搬送表面において前記回転方向に対して逆回転方向に向かって第4の進行波を生成して前記被搬送体を回転させる
ことを特徴とする搬送方法。
【請求項5】
搬送表面の形状が変化する搬送路と、
前記搬送表面において搬送方向に向かって第1の進行波を生成する第1のアクチュエータと、
前記搬送表面において回転方向に向かって第2の進行波を生成する第2のアクチュエータと、
を備えたことを特徴とする搬送装置。
【請求項6】
前記第1のアクチュエータは、前記回転方向に向かって延在し、前記搬送方向に向かって規則的に配列され、伸縮機能を有する複数本の第1の流体供給管を備え、前記第2のアクチュエータは、前記搬送方向に向かって延在し、前記回転方向に向かって規則的に配列され、伸縮機能を有する複数本の第2の流体供給管を備えたことを特徴とする請求項5に記載の搬送装置。
【請求項7】
圧力流体を供給する圧力流体供給源と、
前記第1のアクチュエータ、前記第2のアクチュエータのそれぞれに供給する、前記圧力流体の供給量を調整する流体調整部と、
前記流体調整部を制御するコントローラと、
を更に備えたことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の搬送装置。
【請求項8】
前記搬送表面に前記搬送方向並びに前記回転方向に向かって規則的に配列され、前記第1の進行波叉は第2の進行波を楕円運動に変換する複数の搬送用突起を更に備えたことを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれかに記載の搬送装置。
【請求項9】
第1の搬送表面の形状が変化する第1の搬送路と、
前記第1の搬送表面において搬送方向に向かって第1の進行波を生成する第1のアクチュエータと、
前記第1の搬送表面において回転方向に向かって第2の進行波を生成する第2のアクチュエータと、
前記第1の搬送路に連結され、第2の搬送表面の形状が変化する第2の搬送路と、
前記第2の搬送表面において前記搬送方向に向かって第3の進行波を生成する第3のアクチュエータと、
前記第2の搬送表面において前記回転方向に対して逆回転方向に向かって第4の進行波を生成する第4のアクチュエータと、
を備えたことを特徴とする搬送装置。
【請求項10】
前記第1のアクチュエータは、前記回転方向に向かって延在し、前記搬送方向に向かって規則的に配列され、伸縮機能を有する複数本の第1の流体供給管を備え、前記第2のアクチュエータは、前記搬送方向に向かって延在し、前記回転方向に向かって規則的に配列され、伸縮機能を有する複数本の第2の流体供給管を備え、前記第3のアクチュエータは、前記回転方向に向かって延在し、前記搬送方向に向かって規則的に配列され、伸縮機能を有する複数本の第3の流体供給管を備え、前記第4のアクチュエータは、前記搬送方向に向かって延在し、前記回転方向に向かって規則的に配列され、伸縮機能を有する複数本の第4の流体供給管を備え、
前記第1の搬送路と前記第2の搬送路との連結部分において、前記複数本の第2の流体供給管の隣接する2本が前記複数本の第4の流体供給管の隣接する2本にクロス配管されたことを特徴とする請求項9に記載の搬送装置。
【請求項11】
一端に洗濯物の第1の投入部を有し、他端に前記洗濯物の第1の取出部を有し、第1の槽内表面の形状が変化する洗濯槽と、
前記第1の槽内表面において前記第1の投入部から第1の取出部に至る搬送方向に向かって第1の進行波を生成し、前記洗濯物を搬送する第1のアクチュエータと、
前記第1の槽内表面において回転方向に向かって第2の進行波を生成し、前記洗濯物を回転させる第2のアクチュエータと、
を備えたことを特徴とする洗濯システム。
【請求項12】
一端に洗濯物の第2の投入部を有し、他端に前記洗濯物の第2の取出部を有し、第2の槽内表面の形状が変化する脱水槽と、
前記第2の槽内表面において前記第2の投入部から第2の取出部に至る搬送方向に向かって第3の進行波を生成し、前記洗濯物を搬送する第3のアクチュエータと、
前記第2の槽内表面において回転方向に向かって第4の進行波を生成し、前記洗濯物を回転させる第4のアクチュエータと、
を更に備えたことを特徴とする請求項11に記載の洗濯システム。
【請求項13】
一端に洗濯物の第3の投入部を有し、他端に前記洗濯物の第3の取出部を有し、第3の槽内表面の形状が変化する乾燥槽と、
前記第3の槽内表面において前記第3の投入部から第3の取出部に至る搬送方向に向かって第5の進行波を生成し、前記洗濯物を搬送する第5のアクチュエータと、
前記第3の槽内表面において回転方向に向かって第6の進行波を生成し、前記洗濯物を回転させる第6のアクチュエータと、
を更に備えたことを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の洗濯システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2006−95177(P2006−95177A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−286907(P2004−286907)
【出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】