説明

搬送物体を支持する支持装置を動作させるための方法および搬送物体を支持するための支持装置

【課題】搬送物体を支持するための支持装置および動作させるための方法を提供する。
【解決手段】搬送物体(2、10)を支持するための支持装置(12)は、一連のローラ(3)を有する転動体(5)を含み、ローラは経路に沿って動き、支持領域(11)において搬送物体(2、10)を支持する。ローラ(3)は、支持面(72)上で支持領域(11)において転がる。それにより、支持領域(11)のパーツ領域に入る際に、ローラを免荷するステップと、免荷されたローラ(3)を整列させるステップと、支持装置(11)のパーツ領域を離れる際に、ローラ(3)を取付け直すステップとが行なわれる。このため、支持表面(72)の少なくとも1個の凹所(82)が支持領域(11)にあり、凹所(82)の領域にあるローラ(3)は、凹所(82)内に移動させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコンベア技術の分野に関する。本発明はコンベア装置のための支持装置、およびコンベア装置を動作させるための方法であって、特許請求項のプリアンブルによるものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術
コンベア装置、すなわち回転するローラを有する線形ガイドを含むコンベア装置を設けることは知られている。このようなコンベア装置は経路に沿って転がる一連のローラを有するローラ体を含み、ローラ体は支持領域において搬送する物体を支持し、ローラは支持領域における支持表面上を転がる。引出し用に向けられたDE 20 2007 001 352 U1に記載されているような、特定の種類の線形ガイドは、小さい負荷用に設計されている。引き起こされる相対的に小さな力および適用される材料は互いに一致しているので、可動部分には著しい磨耗は起こらない。線形ガイドはマシンツール構造からも知られており、起こり得る大きな力に鑑みて鋼の転動体が適用される。移動物体のための支持装置として与えられ得る、コンベア技術向けの類似したガイドを設ける必要があり、大きい力を受けるが軽量であり、かつできるだけ安価な転動体が適用可能となる必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】DE 20 2007 001 352 U1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発明の説明
本発明の目的は、コンベア装置を動作させるための方法、およびコンベア装置の移動エレメント、特に転動体の取付けを減じる、最初に記載した種類のコンベア装置のための支持装置を提供することである。本発明のさらなる目的は、安価で軽量なコンポーネントをコンベア装置に設けることができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本目的は、それぞれの請求項の特徴を有する、コンベア装置を動作させるための方法、およびコンベア装置のための支持装置によって達成される。
【0006】
コンベア装置を動作させるための方法、したがってコンベア装置の支持装置の支持領域においてローラを転がす方法に従い、以下のステップが行なわれる:
・支持領域のパーツ領域に入るローラを免荷する、
・免荷されたローラを整列させる:
・支持装置のパーツ領域を離れる際に、ローラを取付け直す。
【0007】
ローラを免荷させる際、負荷の力は他の支持要素によって引き受けられる。他の要素とは、同じ転動体の別のローラ、または付加的静止ローラもしくは回転ローラや摺動要素であり得る。この免荷は、ローラが支持領域の凹所に入り、それにより一時的に支持されなくなる、または搬送物体が他の支持要素によって一時的に持上げられることによって行なわれる。ここで用いられる「持上げ」は本発明の一般的な使用において、重力の方向に対するものであり、一般に他の支持要素は、搬送された物体と支持面との間の距離を一時的に大きくする。これはたとえばベルトやマットチェーン、または他の支持要素によって何らかの態様で持上げられる搬送ユニット負荷によるものであり、並べられる1つ以上のローラはこれによって免荷される。
【0008】
本発明は、製造上の許容誤差によって理想的な態様で回転しないローラ、およびこれにより傾く、詰まる、または横方向に浮動し、過度に磨耗するといった望ましくない影響を防止する。たとえば、大規模な製造によるプラスチックローラは少し円錐状になっており、搬送方向に対して横に転がる傾向がある。ローラを支持領域に沿って1回または数回並べ直すことにより、過度な磨耗位置をとることが回避される。
【0009】
転動体が支持装置で無限に回転するのならば、支持領域は取付けセクションに免荷領域を有する。戻りセクションは一般に荷が積まれていないので、ここでは解放は不要である。もし戻りセクションにも荷が積まれるのなら、すなわち支持装置の両側では少なくとも部分的に支持装置を押す物体に沿って移動するのなら、少なくともパーツ領域は免荷のために、戻りセクションに配置されるのが好ましい。
【0010】
搬送物体を支持するための支持装置は、一連のローラを有する転動体を含み、ローラはローラ経路に沿って走り、ローラ経路の支持領域において搬送物体を支持する。それにより、支持領域のローラは支持面上を動く。支持領域において少なくとも1個の凹所が、免荷のために上記のパーツ領域において存在し、凹所の領域にあるローラは凹所内に移動することができる。
【0011】
ローラに働く負荷力はこれにより凹所の領域において減じられる。好ましくは、ローラには全く負荷力がかからない。こうしてローラは少なくとも1つの凹所がある領域において、たとえば搬送手段である搬送物体と接触しなくなる。ローラはこのような態様で免荷されるので、ローラの回転軸の方向はより容易に補正することができる。傾斜した場合であって、その回転軸方向が回転方向または搬送方向と垂直ではないローラは、搬送方向に対して自己を再度垂直に並べ直することができる。ローラの回転軸は、たとえば、円筒形または筒状にローラを形成することによって規定される。ここで用いられる回転方向とは、回転するローラの重心に対するコンポーネントの並進移動を示す。
【0012】
ローラおよび支持面の取付けに対する、負荷に依存して、またローラの形が理想的ではないことに依存して、ローラはある期間の後、負荷を受けて傾くが、本ローラは再度並べなおされるという利点を有する。こうして、傾いたローラのピボットおよび/または外周面および/または端面が、ガイドに擦られて過度の磨耗をもたらすことを防ぐ。これにより、ローラおよびガイドを安価で軽量の材料で製造することが可能となる。
【0013】
本発明に従い動作される支持装置は、コンポーネントを永久的に取付けることなく、循環しない、自発的な搬送動作に適する。コンポーネントに対する要求はこれにより軽減する。
【0014】
負荷が支持装置に働く方向および支持面上のローラを介して働く方向は、概して重力の方向である。記載を簡単にするために、すべての説明はこれに照らして行なわれる。しかし、本発明は他の取付け方向に適用することもできる。これは、たとえば負荷が水平方向(または斜め)に働き、支持面は負荷方向に本質的に垂直にあることを意味する。
【0015】
ローラ軸の整合は、以下のいずれかによって、またはその組合せによって、行なうことができる:
− ローラが回転または摺動して凹所内に入ると、ローラは免荷され、凹所に対して平行に配列される。したがって、凹所への移動は重力によって、および/またはローラの案内によって引き起こされる、または駆動される。
【0016】
− 再度凹所から出るよう移動すると、ローラは上方向に続く支持面に対して押されるまたは引張られ、これにより凹所に対して平行に配列される。こうして整列はローラの機械的案内によって駆動される。
【0017】
− 側方にある経路の狭窄により、ローラの端部側面で係合し、ローラを横方向に規定された位置(好ましくは、ローラ経路の真中)に配置し、それによりローラの軸方向も整列させられる。好ましくは、ローラの端部側面は狭くなる経路の面に対して平行である。
【0018】
凹所の形は、凹所を通る断面において、ローラの搬送方向または回転方向に対して垂直の断面において、(ローラの回転軸に沿った長手部分から見て)ローラの外周形状に本質的に対応する。本発明の好ましい実施例において、凹所はローラの端の領域においてやや大きくなり、ローラ経路の中央線の両側の領域において、中央よりもやや深くなる。これにより、ローラの軸方向の回転が容易となる。
【0019】
好ましくは、凹所は、ローラの搬送方向または回転方向に沿った長手部分から見て、連続するコースを有する。これは、凹所内に移動もしくは回転するローラは、または移動もしくは回転して凹所から出るローラは、ぎこちない態様で上方向または下方向に移動しないことを意味する。
【0020】
好ましくは、凹所は、ローラの搬送方向または回転方向に沿った長手方向部分から見て、対称的に形成される。転動体またはローラの移動方向(前方向または後ろ方向)と無関係に、ローラの免荷および整列は同じ態様で行なわれる。好ましくは、ローラの搬送方向または回転方向に沿って見た凹所は、ローラの直径の3倍未満、好ましくは2倍未満の拡張を有する。
【0021】
本発明の好ましい実施例において、ローラは、支持体の横ガイドの溝を延びるピボットスタッブにより、ローラの突出するピボットスタッブに取付けられて案内される。ピボットスタッブはローラと一体的に、またはローラに挿入される別のピボット部として設計され得る。本発明の別の好ましい実施例において、ローラは柔軟な接続体に取付けられ、これがローラの突出するピボットスタッブによって、またはローラの凹所内に突出する、接続体の突出するピボット要素によって、ガイド溝に取付けられる。これらの柔軟な接続体はローラの間隔を定めることもできる。本発明のさらに好ましい実施例において、ローラはより小さくかつ同時に動く距離ローラによって離間され、離間ローラは(反対方向に)ローラ上を転がるが、支持面上または搬送物体上には転がらない。これらの離間ローラは好ましくは他のローラと同じガイド溝においてピボットスタッブによって同様に案内される。ローラおよび離間ローラのピボットスタッブは、摩擦を減らすために、自己のローラ軸受を備えていてもよい。
【0022】
ローラは好ましくは、その端部側面と外周面(したがって回転面)との遷移において丸みまたは面取りを有する。これは経路の狭窄でのローラの整列を簡単にし、詰まりを回避する。
【0023】
本発明の好ましい実施例において、経路の狭窄の前および/または後に経路の広がりがあり、ローラはその回転軸方向に沿ってより大きな自由度を運動に得ることができ、この運動の自由度は、ローラ軸の整列のための補償移動を促進する。本発明のさらに好ましい実施例では、凹所の領域における経路拡がり部は1つだけあり、経路狭窄部はない。ローラは凹所の領域で並べられ、後のローラ経路の通常の幅への(相対的)狭まりにより、横方向において整列させられる。
【0024】
コンベア技術において支持装置を用いることにより、搬送するべき製品はローラ上に直接案内することができ、ローラは搬送するべき製品に対して転がる。したがって、搬送物体とは搬送されるべき製品、すなわち単体の負荷、キャリアまたは容器などと同じである。しかし好ましくはたとえばコンベアベルトまたはマットチェーンである搬送手段があり、その上をローラが転がり、またその上を搬送するべき製品が搬送される。ここで用いられる「マットチェーン」の用語は概して鎖状の搬送手段、たとえばマットチェーン、ヒンジベルトチェーン、プレートベルトチェーン、フレックスベルト、チェーンベルト、キャリアチェーンを示す。この場合、搬送される物体は搬送手段と同じであり、搬送するべきプロダクトは搬送手段上にある。したがって、マットチェーンとローラとの間には同時に移動する保護ベルトが可能であり、これはマットチェーン間を落下する異物からローラを守る。
【0025】
基本的には、上記の凹所は、重負荷のローラの取り扱いが慎重に行なわなければならないところならどこでも適用することができる。これはたとえば、EP−A−1725482(US−A−2008/0245640)、EP−A−1758801(US−A−2008/0078158)およびEP−A−1778568(US−A−2007/0267278)に記載されているような、ローラ要素および駆動されるローラ要素の場合や、EP−A−1858782(US−A−2008−0164124)および出願番号が0993/09であるスイス特許出願とその後続出願に記載されているような、ローラベルトまたはローラが適用された接続体との組合せの場合にあてはまる。上記の特許出願における装置と同じように、本発明は軽量かつ安価なコンポーネントから製造することができる軽く動く転動体に向けられている。特に、ローラや、ローラが取付けおよび離間される接続体は、好ましくはプラスチックから製造される。これにより、負荷が大きい場合に用いると、本発明は、ローラの永久的な傾斜とローラおよび/または接続体の過度の磨耗とを避けるため、特に有利である。
【0026】
本発明は、簡単かつ安価に製造することができ、それにも拘らずたとえばプラスチックローラのように適用された部材で通常可能である負荷よりも大きい程度の負荷を受けることができる支持装置またはコンベア装置の提供を可能にする。
【0027】
本発明の好ましい実施例において、ローラが移動する経路は、ローラが閉経路で回転する回転経路である。本発明の別の実施例において、経路は閉じておらず、ローラおよび可能な搬送手段は往復運動を行なう。本発明のさらに好ましい実施例の支持面は平坦ではなく、凹所または凸所の態様でやや曲がっている。好ましくは、転動体上に転がる物体は対応する相補的形状を有する。
【0028】
さらなる好ましい実施例は従属する請求項からも考えられる。方法クレームの特徴は、装置クレームのものと組合せることができ、またその逆も可能である。
【0029】
本発明の主題は添付の図面で示される好ましい実施例によってより詳細に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】統合された支持装置およびコンベアベルトを有するコンベア装置を示す図である。
【図2a】ローラを並べるための手段がない、コンベア装置の一部としての支持装置を示す図である。
【図2b】ローラを並べるための手段がない、コンベア装置の一部としての支持装置を示す図である。
【図3】転動体の部分を示す図である。
【図4】転動体の詳細を示す図である。
【図5a】ローラを並べるための凹所を有する支持装置を示す図である。
【図5b】ローラを並べるための凹所を有する支持装置を示す図である。
【図6a】免荷要素を示す図である。
【図6b】免荷要素を示す図である。
【図7】一連のローラの整列を示す図である。
【図8】免荷要素の変形を示す図である。
【図9】免荷要素の変形を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図面で用いられる参照符号およびその名称は、参照符号の説明の箇所でまとめられている。図面において、同じ部分は基本的に同じ参照符号が与えられている。
【0032】
発明を実施する態様
図1は一例としてコンベア装置1を示し、本発明の凹所が有用に配置され得る。しかし、本発明は他の種類のコンベア装置および/または転動体に適用することもできる。図1はコンベア装置1を概略的に示し、ここでは一例として単体負荷として示される、搬送されるプロダクト10のためのコンベアベルトが搬送手段2として示される。コンベアベルトは偏向ローラ21の周りを渡る。一方または両方の偏向ローラ21を駆動させることができる。支持装置12は支持領域11に沿って配置され、支持体7の周りを回転する転動体5を有する。転動体5は回転するローラ3と、ローラ3の取付けをなしかつローラ3を互いに離間する接続体4とを含む。搬送手段2は支持装置12に対して搬送方向に移動する。これにより、ローラ3は搬送手段2上にかつ支持体7上に転がる。こうして、支持装置12により、搬送手段2は重い負荷が可能で低い摩擦の支持を可能にする。
【0033】
本発明の別の好ましい実施例(図示されていない)において、転動体5は偏向ローラ21の周りをも回転する。本発明のさらに好ましい実施例において、転動体5はいくつかの部分からなり、ローラ3を有するいくつかの接続体4を備え、接続体は互いに隣り合って動く。好ましくは、転動体5は自己駆動されず、搬送手段2の動きと同時にしか動かない。本発明の別の実施例において、マットチェーンはコンベアベルトの代わりに、搬送手段2として存在する。
【0034】
図2aおよび図2bは搬送装置1の詳細を示し、具体的には支持装置12およびさらなるベルト6が示される。ベルト6は図1の搬送手段2と同じ機能を有する、またはマットチェーン下に支持装置12が配置されて、マットチェーンを通って落下し得る汚れから転動体5を守る。図2aは側方要素74が取除かれた側面図を示し、図2bは負荷を担う支持面72領域のA−Aに沿った断面図である。側方要素74は中央体73の横に配置され、横方向にローラ3を案内し、中央体83と共に周囲ガイドチャネルまたはローラ経路を形成する。側方要素74は支持体7において接続体4を案内するための案内溝71を含む。本発明の別の実施例において、案内溝71はローラ3のピボット要素を案内する働きをする。
【0035】
図1および図2a−図2bの支持装置12において、負荷を受けてより長い支持領域11では、ローラ3は傾いて端で持ち上がり、それにより損傷を受けることがあり得る。これを解消するために、本発明の凹所82は、このような支持装置12、および図5から図9によって記載されるように、他の支持装置で実現される。
【0036】
図3は接続体4およびローラ3が中に挿入される、転動体5の部分を示す。接続体4はたとえば柔軟であり、好ましくは弾性ベルトであり、その中にローラ3が挿入および装着される。ここで示される接続体4では、一連のローラ3があるが、いくつかの並列に動く一連のローラ3を備えた接続体、または一連のローラを備えた接続体4であって、複数のローラは互いに隣接して横方向に並び、連続するローラは互いに横方向においてずれていることもある。
【0037】
図4はローラ3の長手方向部分を備えた転動体5の詳細を示す。接続体4は開口41を含み、そこに軸受場所42が形成され、そこでローラ3が装着される。軸受場所42は示されるように、接続体4の突出部であってもよく、ローラ3の対応して形付けられる窪みまたは免荷部で係合する。ローラ3の免荷部は、連続する穴31として設計されてもよい。すなわち、ローラ3はスリーブまたは管片として設計される。代替的に、免荷部はローラの端部において回転可能対称凹所として設計し得る。好ましくは、凹所は内側にテーパ状となるよう形作られる。したがって、ローラは好ましくは(可撓性の)注入成形部として形成される。逆に、ローラ3は突出するピボット要素を含むことができ、それらが接続体4の開口内に与えられる。
【0038】
図5aおよび図5bは、ローラ3を免荷および整列させるための凹所82を有する支持装置12を示す。支持装置12の割合は図2のものと異なるが、その機能態様は同じである。さらに、すべてのローラ3が中央体73の周りの回転経路に沿って図示されていない。実際には、ローラ3は回転経路全体に沿って存在する。図5aは側方要素74が取外された側面図を示し、図5bは凹所82の領域におけるB−Bに沿った断面図である。支持面72は中央体73上に形成される。凹所82は一例として、別個の免荷要素8として設計されている。
【0039】
支持領域11において、支持面72はローラ3を支持し、さらに直接またはベルト6を介して、搬送されるべき搬送手段または物品(図示されていない)を支持する。凹所82の領域において、中にあるローラ3は免荷される。そこのローラ3は重力により、および/またはローラ3の横方向の案内により、下方向にベルト6からやや離れる方向に動く。これにより、ローラは動きやすくなり、回転軸が傾斜してしまうような、負荷を担う領域に入れば、再度整列される。すなわちその回転軸はローラ3の回転方向と垂直になる。
【0040】
図5aの概略図において、負荷を担う領域、すなわち支持装置12の両方の端での凹所82と偏向領域との間の支持領域11の部分は、相対的に短かく図示されている。これは凹所82の領域に対してより長くてもよい。図5a−図5bの支持装置12は、回転するローラ3を含む。同じような態様で、支持装置は凹所82を有する回転しないローラ、または純粋に線状に移動するローラを備えてもよい。したがって、凹所82の対称性により回転方向に働き、ローラの方向と無関係に同じ効果が起こる。
【0041】
図5aおよび図5bにおいて、凹所82は別個の要素または免荷要素8として示される。本発明の別の実施例において、これらは支持面72上におよび側方要素74上に形成することができ、凹所82を形成するのに別個のコンポーネントを必要としない。
【0042】
図6aおよび図6bは、免荷要素8の斜視図および上から見た図、すなわち支持面72の上面図である。図6aにおいて、挿入された免荷要素8を有する側方要素74の部分は点線で示される。示される免荷要素8の支持面72は、凹所82の端部においてのみ完全に見え、中央体73の支持面72に対して同一面上で合併される。上記のように、免荷要素8は別個の個別部分として、または1つ以上の部分、たとえば中央体73上および側方要素74上の回転経路の部分で凹所となる。したがって、支持面72の凹所82は支持面72の領域に形成され、案内溝71の下げ部分81は案内溝71の領域に形成される。支持面72の凹所82は、実質的に支持面72の全幅にわたって延在し、この領域のローラ3は下方向に動いて免荷されることができる。案内溝71の下げ部分81は、支持面72の凹所82の領域と同様に、接続体4が下方向に案内されることにより、この運動を促進させる。ローラ3がその突出するピボット要素によって案内溝71で案内されるのなら、その下げ81は同じ態様で働く。
【0043】
図6aで見られるように、2つ以上の凹所82が、支持領域11の長さに応じて支持領域11に沿って配置され得る。
【0044】
好ましくはさらにローラ経路の横経路狭窄部83が、凹所82の領域にある。これにより、移動しているローラは横方向に、特に中央に位置付けられ、軸を搬送方向に対して垂直に並べるための動きが促進される。図7は一連のローラ3の整列を概略的に示す図であり、左から右に凹所82(それ自体見えない)を通り、経路狭窄83を有する。経路狭窄83の左側では、ローラ3の軸方向32が接続体に対してβの角度で傾斜される。ローラ3の端部側面33は経路狭窄部83を通って並行に導かれる。こうして、ローラ3の整列は、ローラ3の回転軸の回転方向32、および/または回転軸の方向32に沿った変位を含む。端部側面33とローラ3の外周面との間の遷移領域での面取りまたは丸みは、経路狭窄83においてローラ3の詰まりを防ぐ。
【0045】
図8は免荷要素8の変形を示し、案内溝71の下げ部81はローラが底に移動するのを可能にするが、特に接続体4に取付けられると、これを行なわない。ローラ3は接続体4に働く引張に依存して、かつローラ3の重量に依存して、少し下方向に撓む。ローラは、負荷を受けない態様で、接続体4に装着されて懸垂により既に整列され得る。さらに、ローラ3はこのような態様でぶら下がる場合に、凹所82の最下位点と接触することなく、凹所82の上がる領域にあたる。本発明のさらに好ましい実施例において、案内溝71は下げ部81を有さずに真っ直ぐ前に進み、ローラ3の整列は、凹所82のお蔭で、負荷のかかっていない態様で、接続体4の取付けに留まるローラ3によって行なわれる。
【0046】
図9は免荷要素8を示し、1つまたは2つの経路拡がり部84が経路狭窄部83と接続して形成される。ローラの端部側面33が側方要素34と接触している場合、経路拡がり部84のお蔭で摩擦力を受けない。これにより、ローラ3は自己の軸で整列される。その後、経路狭窄部83によって中央に並べられる。
【0047】
示される支持装置12は基本的にどのような大きさでも実現される。コンベア技術の用途において、ローラの直径は約10mmから20mmまたは30mmであり、20mmから100mmのローラ長さが有用である。それにより、ローラは好ましくはプラスチックからなる。
【符号の説明】
【0048】
1 搬送方向
11 支持領域
12 支持装置
2 搬送手段
21 偏向ローラ
3 ローラ
31 免荷部
32 軸方向
33 端部側面
34 面取り
4 接続体
41 開口
42 突出部
5 転動体
6 ベルト
7 支持体
71 案内溝
72 支持面
73 中央体
74 側方要素
8 免荷要素
81 案内溝の下げ減少部
82 支持面の凹所
83 経路狭窄部
84 経路拡がり部
10 搬送するべき物品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送物体(2、10)を支持するための支持装置(12)を動作させるための方法であって、経路に沿って回転する一連のローラ(3)を含む転動体(5)は支持領域(11)において搬送物体(2、10)を支持し、支持領域(11)のローラ(3)は支持面(72)上を転がり、前記方法は:
・支持領域(11)のパーツ領域に入る際にローラ(3)を免荷するステップと、
・免荷されたローラ(3)を整列させるステップと、
・支持装置(11)のパーツ領域を離れる際に、ローラ(3)を取付け直すステップとを備える、方法。
【請求項2】
免荷、整列、および取付け直すステップは、支持領域(11)に沿って動かされるローラ(3)に対して複数回繰返される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
免荷されたローラ(3)の整列は、ローラ(3)の固有の重量によって駆動され、および/または免荷されたローラの整列は、ローラ(3)の機械的案内によって駆動される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
整列は、ローラ(3)の回転軸の軸方向(32)の回転、および/または回転軸の軸方向(32)に沿った変位を含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
ローラ(3)は支持装置(12)において無限に回転する、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
ローラ(3)は支持装置(12)において往復のモーメント運動を行なう、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
搬送物体(2、10)を支持するための支持装置(12)であって、経路に沿って転がり、支持領域(11)において搬送物体(2、10)を支持する一連のローラ(3)を有する転動体(5)を備え、支持領域(11)におけるローラ(3)は支持面(72)上を転がり、ローラ(3)を免荷、整列、および取付け直すための手段は、支持領域(11)のパーツ領域に設けられる、支持装置。
【請求項8】
支持面(72)の少なくとも1つの凹所(82)が、免荷、整列、および取付け直すための手段としてあり、凹所(82)の領域にあるローラ(3)は、凹所内(82)に移動することができる、請求項7に記載の支持装置(12)。
【請求項9】
凹所(82)は、ローラ(3)の搬送方向または回転方向に沿った長手部から見て、連続するコースを含む、請求項7または8に記載の支持装置(12)。
【請求項10】
凹所(82)は、ローラ(3)の搬送方向または回転方向に沿った長手部から見て、対称的な態様の形状を有する、請求項7から9のいずれか1項に記載の支持装置(12)。
【請求項11】
凹所(82)は、ローラ(3)の搬送方向または回転方向に沿った方向から見て、ローラ(3)の直径の3倍未満、好ましくは2倍未満の拡張を有する、請求項7から10のいずれか1項に記載の支持装置(12)。
【請求項12】
少なくともさらなる支持要素が、免荷、整列、および取付け直すための手段としてあり、好ましくは、パーツ領域において、搬送物体を支持面(72)に対して一時的に持上げる、静止または同時に動くローラ(3)を含む、請求項7から11のいずれか1項に記載の支持装置(12)。
【請求項13】
ローラ(3)は円筒形または筒状の態様の形状にある、請求項7から12のいずれか1項に記載の支持装置(12)。
【請求項14】
ローラ(3)の横方向の位置付けのため、特に凹所(82)の領域において、経路狭窄部(83)を備える、請求項7から13のいずれか1項に記載の支持装置(12)。
【請求項15】
残りの支持領域(11)と比べてより大きな横方向の運動のクリアランスをローラ(3)に与えることができる、経路拡がり部(84)を備える、請求項7から14のいずれか1項に記載の支持装置(12)。
【請求項16】
端部側面と外周面との間の遷移においてローラ(3)は丸みまたは面取り(34)を有する、請求項7から15のいずれか1項に記載の支持装置(12)。
【請求項17】
少なくとも支持領域(11)において、搬送手段(2)がローラ(3)上を回り、この搬送手段(2)はコンベアベルトまたはマットチェーンである、請求項7から16のいずれか1項に記載の支持装置(12)。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−42505(P2011−42505A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−186153(P2010−186153)
【出願日】平成22年8月23日(2010.8.23)
【出願人】(506314379)ベー・エル・ハー・バルター・ライスト・ホウルディング・アクチェンゲゼルシャフト (11)
【氏名又は名称原語表記】WRH WALTER REIST HOLDING AG
【Fターム(参考)】